説明

仏事用ござ

【課題】存在感に富み、且つ豊かな模様の仏事用ござを、提供する。
【解決手段】仏事用ござ1はむしろ部2を備えている。むしろ部2の外周部には縁部材3が全周にわたり設けてある。むしろ部2には280本の経糸が幅方向へ等間隔で設けてある。むしろ部2には七種類以上の色数のいぐさ5を織り込んで地20の部分から盛り上がるように花を表した画模様21が設けてある。地20の部分には濃色と淡色で色分けしてある幅広の大目201と幅狭の小目202が幅方向にそれぞれ複数交互に設けてある。画模様21の部分は各色の淡色を主体として織ってあり濃色を主体として織ってある地20の部分から視覚的に際だつようにしてある。画模様21や大目201、小目202はジャガード織りにより形成されている。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、仏間または祭壇の前などに敷設して使用する仏事用ござに関するものである。
【0002】
【従来技術】
仏間に設けてある仏壇の前には、一般に一畳ほどの大きさの仏事専用のござが敷いてある。この仏事用ござは、単色または5〜6色のいぐさを使用してむしろ状に織りあげたものに、金糸を編み込んだ縁部材を全周に設けたものである。
また、従来の仏事用ござは、むしろ部の経糸(たていと)としてやや太いナイロン糸(パイレン、3000番)を使用している。経糸は、ござの半間(約90cm)の幅内に等間隔で約70本張り渡してあり、この経糸にいぐさを横方向に通して織られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記したような従来の仏事用ござには、次のような課題があった。
すなわち、仏事用ござの経糸の間隔は比較的広いために、花の模様など、細かい画模様を織り込むことができない。
従って、仏事用ござは、長さ方向へ5〜6色程度のいぐさを交互に織り込んで縞模様をつくり、更に幅方向へは長さ方向と平行に幅の広い大目と幅の狭い小目を色を変えて交互に設けて特徴を持たせているが、この模様では意匠的に単調に過ぎ、存在感にも乏しい。
【0004】
本考案は、仏間または祭壇の前などに敷設して使用する仏事用ござのむしろ部に花模様などの細かな模様(柄)を織り込み、意匠的に優れ、存在感のある仏事用ござを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた本考案の手段は次のとおりである。すなわち本考案は、 仏間または祭壇の前等に敷設して使用する仏事用ござであって、このござは、 むしろ部と当該むしろ部の周囲に設けてある縁部材と、を備えており、 上記むしろ部には、200本ないし300本の範囲で設けてある経糸にいぐさがジャカード織りされて幅広の大目及び幅狭の小目と画模様とが形成されていることを特徴とする、仏事用ござである。
【0006】
経糸の本数は、200本から300本の間で適宜設定されるが、通常は280本に設定される。この程度の本数があると、大概の模様は表すことができる。
また、経糸の材質は特に限定されないが、例えばナイロン等の合成樹脂、綿、麻などである。
画模様が表す模様は特に限定するものではないが、例えば蓮の花模様などの細かな模様である。
【0007】
(作 用)
むしろ部に経糸が200本から300本の範囲で設けてあるので、いぐさをジャカード織りにすることにより、むしろ部に大目と小目の部分をベースとして、花模様など各種の細かな模様を設けることができる。
【0008】
【考案の実施の形態】
本考案を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
図1は本考案に係る仏事用ござの実施の形態を示す斜視図、図2は仏事用ござの画模様部分の構造を示す説明図である。
仏事用ござ1は、いぐさを使用して、外形が長方形になるように織成してあるむしろ部2を備えている。むしろ部2の外周部には、縁部材3が全周にわたり設けてある。縁部材3は黒地に金糸で模様が施されたものである。
【0009】
むしろ部2には、280本の経糸4(図2参照)が幅方向へ等間隔で設けてある。むしろ部2には、紫色、緑色、黄色、黒色、茶色、赤色、桃色、黄緑色、白色、浅葱色など七種類以上の色数のいぐさ5を織り込んで、地20の部分から盛り上がるように花を表した画模様21が設けてある。
地20の部分には、濃色と淡色で色分けしてある幅広の大目201と幅狭の小目202が幅方向にそれぞれ複数交互に設けてある。
なお、画模様21の部分は、各色の淡色を主体として織ってあり、濃色を主体として織ってある地20の部分から視覚的に際だつようにしてある。また、画模様21や大目201、小目202はジャガード織りにより形成されている(図2参照)。
【0010】
(作 用)
図3は仏事用ござの使用状態を示す説明図である。図1ないし図3を参照して本実施の形態の作用を説明する。
仏事用ござ1は、例えば図3に示すように仏間に配置された仏壇4の正面の畳に敷設される。仏事用ござ1のむしろ部2には、画模様21が地20の部分から盛り上がるように設けてあり、しかも七種類以上の多彩な色数のいぐさ5を使用して織り込んであるので、画模様21が際だち、美麗で存在感がある。
【0011】
更に、むしろ部2の地20の部分を濃色を主体として表し、画模様21の部分を淡色を主体として表しているので、濃色部分が多くを占めることになり、外観が全体的に重厚な印象となる。また、画模様21も更に際だって存在感が増す。
なお、本考案は図示の実施の形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲の記載内において種々の変形が可能である。
【0012】
【考案の効果】
本考案は上記構成を備え、次の効果を有する。
すなわち、仏事用ござのむしろ部には経糸が200本から300本の範囲で設けてあるので、いぐさをジャカード織りにすることにより、むしろ部に大目と小目の部分をベースとして、花模様など各種の細かな模様を設けることができる。
これにより、画模様が際だち、美麗で存在感がある仏事用ござを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る仏事用ござの実施の形態を示す斜視図。
【図2】仏事用ござの画模様部分の構造を示す説明図。
【図3】仏事用ござの使用状態を示す説明図。
【符号の説明】
1 仏事用ござ
2 むしろ部
20 地
201 大目
202 小目
21 画模様
3 縁部材
4 経糸
5 いぐさ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 仏間または祭壇の前などに敷設して使用する仏事用ござであって、このござは、むしろ部と当該むしろ部の周囲に設けてある縁部材と、を備えており、上記むしろ部には、200本ないし300本の範囲で設けてある経糸にいぐさがジャカード織りされて幅広の大目及び幅狭の小目と画模様とが形成されていることを特徴とする、仏事用ござ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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