説明

仕上げされた不織布を生産するための機械

【課題】生成したウェブを連続して添加物塗布ユニットに送ることができる不織布連続生産機械を提供すること。
【解決手段】スパンボンド・タワー(1〜4)及びコンベヤ(6)を備える、不織布を生産するためのこの機械内に、統合装置(7、8、11、12)、ウェブから水分を搾出するための手段(16)、及び搾出手段(16)の下流に配置した、添加物をウェブに塗布するための塗布装置(17)を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長繊維及び所望により繊維をウェブとしてコンベヤ上に堆積させる1つ又は複数のスパンボンド・タワー及び所望により1つ又は複数の溶融吹き付けヘッドを備える、不織布を生産するための機械に関する。この様に堆積され、依然として壊れやすいウェブは、次いで水噴射統合ステーション(water−jet consolidation station)に送られる。
【背景技術】
【0002】
これらの機械の欠点の1つは、その機械から生成したウェブを連続して添加物塗布ユニット(product application unit)に送ることができないことである。
【特許文献1】欧州特許出願公開072961号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記欠点を解消するものである。
【0004】
したがって、本発明の主題は、長繊維をウェブとしてコンベヤ上に堆積させるスパンボンド・タワーと、前記ウェブを統合させるための装置とを備える不織布連続生産機械であって、前記ウェブが移動する方向の前記統合装置の下流に設けられた水分搾出手段と、前記搾出手段の下流に設けられた前記ウェブに添加物を塗布するための塗布装置(applicator)とを備えることを特徴とする機械である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、搾出手段は、単に、その上をウェブが通過する第2のコンベヤと、前記第2のコンベヤの上側走路と下側走路との間に設けられた真空装置とからなり、この真空装置は、例えば40乃至700mbarの真空を与えてウェブを吸引効果に曝す。
【0006】
これにより今では例えばポリプロピレン、ポリエチレン又はメタロセンでできている疎水性の長繊維から成るウェブに、界面活性剤及び/又は接合剤及び/又は潤滑剤及び/又は膨潤剤及び/又は染料を伴う後続の処理を連続して受けさせたり、或いは連続して印刷工程を受けさせたりすることが可能となる。ここで、水分の搾出は、ウェブが疎水性長繊維から成る場合であったとしても、ウェブに添加物が塗布装置によって正しく塗布されるように十分に行われる。
【0007】
第2のコンベヤの上側走路の長さは、ウェブが通過する速度に依存して異なるが、ウェブが第2のコンベヤを出るときにその含水量が70重量%より少なく、好ましくは50%より少なく、より好ましくは20重量%より少なくなるように決められる。この含水量は一般的に重量で10%乃至70%である。それは、乾燥ユニットが与える筈である値とは異なり10%より大きい。一般的に、第2のコンベヤ上におけるウェブの滞留時間は、その上側走路が例えば2mの長さを有するコンベアの場合、2秒未満とすることができる。
【0008】
本発明の機械は、添加物塗布装置の下流に、ウェブを乾燥させるための装置を含んでもよいが、この乾燥装置は搾出手段によって水分の大部分が既に搾り取られているという事実によっておそらくその重要性は薄れている。
【0009】
添加物塗布装置は、発泡材からなる塗布装置若しくはリック・ロール(lick−roll)からなる塗布装置又はスプレイからなる塗布装置であることが好ましく、それらはウェブの残存含水量を受容する。
【0010】
衛生用製品、特におむつの場合、前記塗布は、長手方向の帯状に行われ、それによって例えば長手方向に疎水性の区域と親水性の区域が交互に生成される。
【0011】
欧州特許出願公開第072961号明細書では、水分を不織布から搾り出すこと、つまり機械的な手段でいくらかの水を排出させることは提案せず、むしろ不織布を乾かすこと、つまりほぼ全ての水を熱エネルギの供与によってそこから除去することを提案している。
【0012】
添付図面の単一の図は本発明を例示するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
該図は、本発明の機械の概略的断面図である。
本機械はスパンボンド・タワーを備え、そのスパンボンド・タワーは、長繊維Fの幕を生成するために有機ポリマーの溶融物(この溶融物はダイ1に供給される)を押し出すための押出し装置と、押し出された長繊維の少なくとも表面を硬化させるための冷却区域2と、その中で前記長繊維の幕がその長繊維を引っ張る高速空気流の作用に曝されるチャンバの形態の吸引装置3と、該吸引装置の出口で空気流を偏向させ且つ減速させ、長繊維Fを、エンドレスの第1のコンベヤ6の上側走路5上に堆積されるウェブとしてランダムに撒布させる拡散装置4を有する。該長繊維は長繊維Fの束の形態で図の平面に対して直角に横たわる。
【0014】
上側走路5の上方に装着されているのは文字Aで記号的に示されている内部真空装置をもつ水平ドラム7である。ドラム7の側方表面は穴あけされている。ドラムはその軸の周りを回転する。ドラムは開口部を備えたスリーブによって囲まれている。2つの噴射器8が、加圧水噴流をドラムの側面に射出し、長繊維のウェブはドラム7と噴射器8との間を通過し、かくして統合されることが可能にされている。噴流は80乃至170ミクロンの直径を有するものであってよい。メートル当たりの噴流の数は1,000乃至5,000であってよく、噴射器内の水圧は10乃至400barであってよく、その一方でドラム7内の真空はマイナス20mbar乃至マイナス200mbarであってよく、ドラム7は1乃至400m/分の速度で駆動することができる。次いでウェブは、ドラム7と同じ構造で同じ動作をする第2のドラム11に到達するために第2のコンベヤ10の上側走路9に送られる。ウェブはドラム11から、ドラム11のように噴射器を備えるドラム12に送られる。ドラム12はその構造及び動作においてドラム11と類似である。
【0015】
ウェブは、ドラム12を出ると水分搾出装置16、つまりその中で600mbarの真空が生成され、第3のコンベヤ15の上側走路と下側走路の間に差し挟まれた箱を備える第3のコンベヤ15に直接転送される。この箱は、その上側にスリットを備えている。このスリットは、横断方向に延在するとともに、コンベヤ上を通過するウェブの全体に面し、それを通してウェブから水分が吸引される。上側走路は3mの長さを有する。ウェブは、これに沿って毎分200mの速度で進む。
【0016】
コンベヤの下流にあるのは、高級化させるための添加物を塗布するための塗布装置17であり、実際に添加物を塗布するステーション18、乾燥ステーション19及び巻取りステーション20を備える。
【0017】
したがってすぐに使用できる不織布を連続して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の機械の概略的断面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 ダイ
2 冷却区域
3 吸引装置
4 拡散装置
5 第1のコンベヤの上側走路
6 第1のコンベヤ
7 水平ドラム
8 噴射器
9 第2のコンベヤの上側走路
10 第2のコンベヤ
11 第2のドラム
12 ドラム
15 第3のコンベヤ
16 水分搾出装置
17 塗布装置
18 添加物塗布ステーション
19 乾燥ステーション
20 巻取りステーション


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長繊維をウェブとしてコンベヤ(6)上に堆積させるスパンボンド・タワー(1〜4)と、水噴射によって前記ウェブを統合させるための装置(7、8、11、12)とを備える不織布連続生産機械であって、前記ウェブが移動する方向の前記統合装置(7、8、11、12)の下流に設けられた水分搾出手段(15、16)と、前記搾出手段(15、16)の下流に設けられた前記ウェブに添加物を塗布するための塗布装置(17)とを備えることを特徴とする機械。
【請求項2】
前記搾出手段が、真空装置(16)を備え、例えば40と700mbarの間の真空を与え、ウェブを吸引効果に曝すことを特徴とする請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記添加物塗布装置(18)の下流に前記ウェブを乾燥するための装置(19)を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の機械。
【請求項4】
前記添加物塗布装置が、発泡材からなる塗布装置又はリック・ロール(lick−role)からなる塗布装置であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の機械。
【請求項5】
前記塗布装置が、長手方向の帯状に塗布を行うための装置であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の機械。

【公表番号】特表2007−510071(P2007−510071A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537355(P2006−537355)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002753
【国際公開番号】WO2005/042821
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(501412016)
【氏名又は名称原語表記】RIETER PERFOJET
【住所又は居所原語表記】ZA Pre Millet,F−38330 Montbonnot, France
【Fターム(参考)】