説明

仕分けシステム

【課題】 複数の仕分け棚に表示器を設け、該表示器に商品の仕分け情報を表示し、台車を用いて商品の仕分け作業を行う仕分けシステムにおいて、台車が作業ブロック内に進入する際に各台車の識別を自動で行い、作業者の負担を減らした上で仕分け作業における誤仕分けの発生を確実に回避して、作業の効率を上げることが可能である仕分けシステムを提供する。
【解決手段】 台車15が、第1作業ブロック11の入口ゲート16に到着したときに、該入口ゲート16のIDリーダ16bが読み取った台車15の識別コードに応じて、コントローラ50が、台車15の仕分け個数を仕分け棚9…9に設けた個数表示器10…10に表示させ、台車15の作業者Aが該仕分け個数に従って仕分け作業を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分け棚に商品の仕分け情報を表示し、表示された仕分け情報に基づいて作業者が仕分け作業を行う商品の仕分けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数の商品の仕分け作業を効率良く行うためのシステムとして、商品の仕分けシステムがある。この仕分けシステムは、例えば、複数の仕分け棚を並べると共に各仕分け棚に表示器を設けてなる作業ブロックと、集品コンテナ(ピッキングシステムの場合)又は製品コンテナ(ソーティングシステムの場合)を積載した手押し台車とから構成されており、作業者が台車を作業ブロック内に進入させると、前記表示器に商品の仕分け情報が表示され、作業者が該仕分け情報に従って商品の仕分け作業を行うことができるシステムである。
【0003】
一方、特許文献1〜3には、棚位置に関する情報を記憶させたIDタグを作業ブロックを構成する各仕分け棚に設け、IDタグに記憶されている情報を検出するためのアンテナと商品の仕分け情報を表示する表示器とを台車に設けたシステムが開示されている。これは、台車に設けたアンテナで前記IDタグに記憶させた前記棚位置に関する情報を検知させ、その検知した棚位置に仕分け作業位置がある場合に、その仕分け情報を表示器に表示させて、作業者が効率良く仕分け作業を行うことを可能にするシステムである。
【0004】
【特許文献1】特開平8−12031号公報
【特許文献2】特開平8−119419号公報
【特許文献3】特開平5−155406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、誤仕分けを防止するために、商品の仕分け情報を表示する表示器を前記各仕分け棚に設け、作業ブロックの入口及び出口に台車の番号を表示する表示灯を設けた仕分けシステムがある。この仕分けシステムに基づいて仕分け作業を行う際に、表示灯に表示されている番号の台車とは異なる台車が同一の作業ブロック内に進入することを防止するために、作業ブロックの入口からブロック通路内に進入する時点で、どの台車が入口から該通路内に進入してきたかを識別する必要があった。
【0006】
そこで、引き紐を作業ブロックの入口の上方からぶら下げた状態に設け、そして、まず、商品の仕分けラインの先頭に設けたコントローラからスタートの指示が出て、入口の表示灯に予め順番が決められた台車の番号が点滅表示される。そして、表示灯に点滅表示された番号の台車を入口から作業ブロックに進入させるときに、作業者が自分の台車に該当する引き紐を引っ張ると、作業ブロック内の各仕分け棚に設けた表示器のうちその台車の仕分け情報に該当する表示器に仕分け指示数が表示される。前記作業者が該仕分け指示数に従って全ての仕分け棚で仕分け作業を完了すると、出口に設けた表示灯に該台車の番号が点滅表示される。そして、台車が作業ブロックの出口から退出するときに、作業者が出口に設けられた引き紐を引っ張ると、出口の表示灯の点滅表示が消えて、台車が作業ブロックから退出したことが認識され、次の台車が該作業ブロック内に進入できる状態となる。
【0007】
しかし、このようなシステムでは、入口の表示灯が点滅表示する番号の台車とは異なる台車の作業者が、自分の番号と勘違いして引き紐を引いて作業ブロック内に進入した場合でも、仕分け棚の表示器には入口の表示灯が点滅表示する台車の仕分け情報が表示され、作業者は誤りに気付くことなく誤った仕分け情報に従って仕分け作業が行われるという、誤仕分けが生じてしまう。
【0008】
さらに、台車の識別を行うために作業者が自分から引き紐を引いて作業ブロックからの進入及び退出の際に申告する必要があり、作業者が仕分け作業と引き紐を引っ張る作業との両方に神経を使うことになるから、作業者の負担が増えて引き紐を引っ張る動作を忘れるという不具合が生じる。
【0009】
このような問題に対処するために、前記特許文献1〜3に記載の発明のようなIDタグを用いる技術が考えられるが、該特許文献1〜3の発明では、IDタグが仕分け棚の方に設けられているので、台車の識別をすることができない。
【0010】
そこで、本発明は、複数の仕分け棚に表示器を設け、該表示器に商品の仕分け情報を表示し、台車を用いて商品の仕分け作業を行う仕分けシステムにおいて、台車が作業ブロック内に進入する際に各台車の識別を自動で行い、作業者の負担を減らした上で仕分け作業における誤仕分けの発生を確実に回避して、作業の効率を上げることが可能である仕分けシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
【0012】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、複数の仕分け棚が並設された作業ブロックに台車を進入させ、前記仕分け棚に設けられた表示器に表示される仕分け情報に従って台車を用いて物品を仕分けるための仕分けシステムであって、台車に装着されて、台車の識別情報が書き込まれているIDタグと、前記作業ブロックの入口に設けられて、台車が作業ブロックに進入することを検出する進入検出手段と、該進入検出手段で台車が作業ブロックに進入することが検出されたときに、その台車のIDタグに書き込まれている台車の識別情報を読み取る進入台車情報読取手段と、該進入台車情報読取手段で読み取られた台車の識別情報に応じて前記表示器に仕分け情報を表示させる管理手段とを有することを特徴とする。
【0013】
そして、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記作業ブロックの出口に設けられて、台車が作業ブロックから退出することを検出する退出検出手段と、該退出検出手段で台車が作業ブロックから退出することが検出されたときに、仕分け作業が作業ブロック内で未だ完了していないことが判明したときは、警報を発する未仕分け警報手段が備えられていることを特徴とする。
【0014】
次に、本願の請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2のいずれかに記載の発明において、前記作業ブロックへの台車の進入順序が予め定められていないと共に、前記作業ブロックは、直列に複数並設されており、台車が仕分け情報のある作業ブロックをすべて通過したことを確認する確認手段が設けられていることを特徴とする。
【0015】
そして、本願の請求項4に記載の発明は、前記請求項1又は2のいずれかに記載の発明において、前記作業ブロックへの台車の進入順序が予め定められていると共に、前記進入台車情報読取手段で読み取られた台車の識別情報と前記所定の進入順序とを照合する照合手段が備えられ、前記管理手段は、前記照合手段による照合の結果、台車の識別情報と所定の進入順序とが一致したときに、その台車の識別情報に応じた仕分け情報を表示させることを特徴とする。
【0016】
次に、本願の請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、前記照合手段による照合の結果、作業ブロックに進入しようとしている台車が前記所定の進入順序に一致していないことが判明したときは、警報を発する誤進入警報手段が備えられていることを特徴とする。
【0017】
一方、本願の請求項6に記載の発明は、前記請求項4又は5に記載の発明において、前記作業ブロックの入口に、前記所定の進入順序に従って次に作業ブロックに進入するべき台車を表示する表示手段が設けられていることを特徴とする。
【0018】
次に、本願の請求項7に記載の発明は、前記請求項4から6のいずれかに記載の発明において、前記作業ブロックは、直列に複数並設されていることを特徴とする。
【0019】
そして、本願の請求項8に記載の発明は、前記請求項7に記載の発明において、先の作業ブロックの出口に設けられている前記退出検出手段と、後の作業ブロックの入口に設けられている前記進入検出手段とが兼用され、先の作業ブロックの退出台車情報読取手段と、後の作業ブロックの進入台車情報読取手段とが兼用されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上のように構成したことにより、まず、請求項1に記載の発明によれば、台車が作業ブロックに進入しようとしたときに、台車のIDタグに書き込まれている台車の識別情報が読み取られ、その読み取られた台車の識別情報に応じて、複数の仕分け棚に設けられた表示器に仕分け情報を表示するようにしたから、台車が作業ブロック内に進入する際に各台車の識別が自動で行われることとなり、作業者の負担が軽減され、かつ、該仕分け情報に従って仕分け作業が確実に行われ、誤仕分けの発生が回避される。
【0021】
次に、請求項2に記載の発明によれば、退出検出手段で台車が作業ブロックから退出することが検出されたときに、仕分け作業が作業ブロック内で未だ完了していないことが判明したときは、警報を発するようにしたから、作業者が仕分け作業を確実に完了した後に台車を作業ブロックから退出させるようになり、該作業ブロック内における仕分け漏れの発生を回避することが可能となる。
【0022】
そして、請求項3に記載の発明によれば、前記作業ブロックへの台車の進入順序が予め定められていないと共に、前記作業ブロックは、直列に複数並設されているから、台車が仕分け情報のある作業ブロックをすべて通過したかどうかを確認する必要が生じる。そこで、台車が仕分け情報のある作業ブロックをすべて通過したかどうかを確認する確認手段を設けることによって、作業ブロックが複数ある場合に、台車が仕分け情報のある作業ブロックに進入せずに仕分け作業を終了することが監視でき、仕分け漏れを防止できる。
【0023】
次に、請求項4に記載の発明によれば、前記作業ブロックへの台車の進入順序が予め定められている場合に、進入台車情報読取手段で読み取られた台車の識別情報と前記所定の進入順序との照合を行い、その結果、台車の識別情報と所定の進入順序が一致したときに、その台車の識別情報に応じた仕分け情報を表示するようにしたから、台車の識別情報と所定の進入順序が一致しないときには、仕分け情報が表示されず、誤仕分けが生じることがない。
【0024】
次に、請求項5に記載の発明によれば、前記照合手段による照合の結果、作業ブロックに進入しようとしている台車が前記所定の進入順序に一致していないことが判明したときに警報を発するようにしたから、該所定の進入順序に従わない台車が作業ブロックに進入することが阻止されて、誤仕分けの発生を回避することが可能となる。
【0025】
一方、請求項6に記載の発明によれば、前記作業ブロックの入口に、前記所定の進入順序に従って次に作業ブロックに進入するべき台車を表示するようにしたから、作業者は台車を作業ブロックに進入させてよいかどうかが分かり、前記所定の進入順序が確実に守られ、誤仕分けの発生を回避することが可能となる。
【0026】
次に、請求項7に記載の発明によれば、前記作業ブロックは、直列に複数並設されているから、複雑なレイアウトの仕分けラインにも対応した上で、前記請求項5から7と同様の効果を得ることが可能となる。
【0027】
そして、請求項8に記載の発明によれば、先の作業ブロックの出口に設けられている退出検出手段と後の作業ブロックの入口に設けられている進入検出手段とを兼用し、先の作業ブロックの退出台車情報読取手段と後の作業ブロックの進入台車情報読取手段とを兼用するようにしたから、部材を減らした上で、前記請求項8と同様の効果を得ることが可能となる。
【0028】
さらに、このように先のブロック出口の退出検出手段と後のブロック入口の進入検出手段とを兼用し、先の作業ブロックの退出台車情報読取手段と後の作業ブロックの進入台車情報読取手段とを兼用した場合には、台車がブロック間の境界を移動するときに、先のブロックからの退出管理と、後のブロックへの進入管理とを同時に行うことが可能となる。
【0029】
なお、兼用としなかった場合には、先のブロックの退出台車情報読取手段と後のブロックの進入台車情報読取手段とを別々に設けることになり、先のブロックを退出した台車が後のブロック内に進入しないで待機することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面に基いて説明する。
【0031】
[第1実施形態]
まず、各台車が作業ブロックに進入する順序が予め決められておらず、台車が1台ずつ該作業ブロックに進入する場合の仕分けシステム1の構成について図1及び図2を用いて説明する。
【0032】
図1及び図2に示すように、仕分けシステム1は、基本的な構成として手押し台車15と第1〜第4作業ブロック11〜14とを有している。そして、該手押し台車15には集品コンテナ15a,15aが積載され、該第1〜第4作業ブロック11〜14は、作業者Aが台車15を押して第1作業ブロック11に進入してから第2、第3作業ブロック12,13を経て第4作業ブロック14から退出するまでの台車15のルートがU字状になるように直列に(すなわち、先のブロックの出口の次に後のブロックの入口が隣接するように)並べられている。
【0033】
また、台車15が最初に進入する第1作業ブロック11の入口の近傍には、コントローラ50が備えられ、該コントローラ50には、IDライタ7が取り付けられており、該IDライタ7で書き込むことにより台車15を他の台車と識別するための識別コードを記憶させることが可能なIDタグ8が台車15に装着されている。既にユニークな識別コードが書き込まれたIDタグ8が台車15に装着され、IDライタ7にて同コードを読み取っても構わない。この場合は、読み取った識別コードと仕向け先とを該コントローラ50にて結び付けて記憶する。
【0034】
一方、前記第1〜第4作業ブロック11〜14は、複数の仕分け棚9…9を並設してなるものであり、該仕分け棚9…9には、台車がその仕分け棚9で仕分けを行うべき個数である仕分け個数を表示する個数表示器10…10が備えられている。そして、該個数表示器10…10には、台車15の仕分け個数が表示される個数表示部10a…10aと、作業者Aが仕分け作業を終えたときに該個数表示部10a…10aの個数表示を消灯させるための完了ボタン10bとが備えられている。
【0035】
また、第1〜第4作業ブロック11〜14の入口ゲート16…16には、台車15の作業ブロックへの進入を検出する進入検出部16a…16a(図示せず)と台車15の識別コードを読み取るIDリーダ16b…16b(図示せず)とが備えられており、該入口ゲート16…16の上部には、進入異常警報装置16c…16cが備えられている。また、第1〜第4作業ブロック11〜14の出口ゲート17…17には、台車15の作業ブロックからの退出を検出する退出検出部17a…17a(図示せず)と退出ランプ17b…17bとが備えられており、該出口ゲート17…17の上部には、退出異常警報装置17c…17cが備えられている。そして、該第1〜4作業ブロックの内部は複数のゾーンに分割されており、該ゾーンの境目毎にゾーンランプ18…18が備えられており、第4作業ブロック14の出口ゲート17の上部には、管理警報装置19が備えられている。
【0036】
次に、前記仕分けシステム1に基づいて、各台車が作業ブロックに進入する順序が予め決められておらず任意の順番で台車が1台ずつ該作業ブロックに進入して仕分け作業を行う場合について図3〜図5を用いて説明する。なお、本実施形態で取り上げる仕分け作業は、ピッキング作業とし、作業者Aは、図1の矢印a〜eの示す方向に沿って台車15を第1〜第4作業ブロック11〜14内に順番に進入させていき、各ブロック内で仕分け作業を行う。
【0037】
まず、図3に示すように、コントローラ50は、IDライタ7に制御信号を出力し、該IDライタ7がIDタグ8に識別コードを書き込んで入力する。
【0038】
そして、該IDタグ8を装着した台車15が第1作業ブロック11に進入してきたときに、該第1作業ブロック11の入口ゲート16の進入検出部16aが台車の進入を検出し、IDリーダ16bが台車15の識別コードを読み取って、前記コントローラ50に信号を出力する。このとき、該コントローラ50は、前記入口ゲート16の進入検出部16a及びIDリーダ16bが読み取った入力情報に応じて個数表示器10…10又は進入異常警報装置16cに制御信号を出力する。
【0039】
次に、第1作業ブロック11内の表示が出ている個数表示器10…10が全て消灯すると、コントローラ50に信号が出力され、該コントローラ50は、退出ランプ17b及びゾーンランプ18…18に制御信号を出力する。そして、個数表示器10…10が全て消灯していない状態で、前記第1作業ブロック11の出口ゲート17の退出検出部17aが台車の退出を検出して、前記コントローラ50に信号を出力したときは、該コントローラ50は、退出異常警報装置17cに制御信号を出力する。
【0040】
次に、図4及び図5に示すように、まずステップS1で、台車15の作業者Aが、日付や出荷先等の仕分け情報の指定を行い、ステップS2に進んでIDタグ7が、台車15の識別コードをIDタグ8に書き込む(予め書き込まれた台車15の識別コードを読み取ってもよい)。
【0041】
そして、ステップS3に進んで、該コントローラ50が、該識別コードと前記仕分け情報とを対応付ける。次に、ステップS4に進んで、コントローラ50が、該台車15が入口ゲート16に到着したかどうかの確認を行い、該入口ゲート16に到着したことが確認されたら(YES)、次のステップS5に進み、到着していなければ(NO)再びステップS4に戻って台車15が入口ゲート16に到着したかどうかの確認を行う。
【0042】
台車15が入口ゲート16に到着したら、ステップS5に進んで、該入口ゲート16のIDリーダ16bが台車15の識別コードの読み取りを行う。台車15の識別コードの読み取りが行われると、該識別コードが前記コントローラ50に送られ、次のステップS6に進んで、該コントローラ50が、該識別コードと対応付けられた仕分け情報があるかどうかの判定を行う。
【0043】
判定の結果、該識別コードと対応付けられた仕分け情報がない場合(NO)は、ステップS7で、進入異常警報装置16cが警報を発した後、ステップS4に戻って、入口ゲート16に台車15が到着したかどうかの確認を行う。そして、識別コードと対応付けられた仕分け情報がある場合(YES)は、次のステップS8に進んで、コントローラ50が、仕分け情報に該当する作業ブロック内の個数表示器10…10に仕分け個数を表示する。
【0044】
次に、ステップS9に進んで、コントローラ50が、退出ランプ17eを退出禁止モードにして台車15が作業ブロックから退出することを禁止する。そして、作業者Aが、作業ブロック内で個数表示器10…10に表示されている仕分け個数に従って仕分け作業を行う。このとき、1つの個数表示器10が表示する商品について仕分け作業を終えたら、該個数表示器10の完了ボタン10bを押して表示を消灯させることで、その商品についての仕分け作業が終わったことになる。
【0045】
そして、ステップS10に進んで、コントローラ50が、該完了ボタンが押されたかどうかの判定を行い、完了ボタンが押されなかった場合(NO)は、ステップS10に戻り、完了ボタンを押した場合(YES)は、次のステップS11に進んで、コントローラ50が個数表示器10の個数表示を消灯する。
【0046】
次に、ステップS12に進んで、コントローラ50が、台車15が全ての仕分けを終了しているかどうかの判定を行う。全ての仕分けが終了していない場合(NO)は、ステップS13に進んで、コントローラ50が、台車15が作業ブロックの出口ゲート17に到着したかどうかの判定を行う。台車15が出口ゲート17に到着している場合(YES)は、ステップS14で、退出異常警報装置17cが警報を発した後にステップS10に戻って、完了ボタン10bが押されたかどうかの判定を行う。そして、台車15がまだ、出口ゲート17に到着していない場合(NO)も、ステップS10に戻って完了ボタン10bが押されたかどうかの判定を行う。
【0047】
一方、ステップS12で、全ての仕分けが終了している場合(YES)は、ステップS15に進んで、コントローラ50が、退出ランプ17eを退出許可モードにして台車15が作業ブロックから退出することを許容する。そして、ステップS16で、台車15が出口ゲート17に到着したかどうかの判定を行い、到着していない場合(NO)は、ステップS16に戻り、到着している場合(YES)は、次のステップS17に進んで、台車15が、作業ブロックから退出する。そして、ステップ18に進んで、コントローラ50が、全ブロックで仕分けが終了しているかどうかの判定を行い、まだ全ブロックの仕分けが終了していない場合(NO)は、ステップS19に進んで、台車15が、次の作業ブロックの入口ゲート16に向かい、すでに全ブロックの仕分けが終了している場合(YES)は、その時点で仕分け作業の終了とする。
【0048】
また、台車15が最初の作業ブロックである第1作業ブロック11に進入して、最後の作業ブロックである第4作業ブロック14の出口ゲート17から退出した後、作業者Aは、台車15を出荷場に行って商品の検品を行い、検品の済んだ商品がトラックに積まれて配送される。
【0049】
なお、台車の進入順序が予め定められていないと共に、作業ブロックが複数並設されているため、台車15が仕分け個数の表示されている作業ブロックを全て通過したかどうかの確認を前記コントローラ50が行う。すなわち、作業者Aが勘違いして、例えば、第2、第3作業ブロック12,13を通らずに第1作業ブロック11からすぐに第4作業ブロック14に行って該第4作業ブロック14から退出したときに、第4作業ブロック14の出口ゲート17に設けた管理警報装置19が警報を発して、作業者Aに気付かせるようにした。
【0050】
以上のようにして、台車15を用いた仕分け作業を行うようにしたことで、まず、台車15が作業ブロックに進入しようとしたときに、台車のIDタグ8に書き込まれている台車の識別コードが読み取られ、その読み取られた台車15の識別コードに応じて、複数の仕分け棚9…9に設けられた個数表示器10…10に仕分け個数を表示するようにしたから、台車15が作業ブロック内に進入する際に各台車の識別が自動で行われることとなり、作業者Aの負担が軽減され、かつ、該仕分け数量に従って仕分け作業が確実に行われ、誤仕分けの発生が回避される。
【0051】
そして、作業ブロックの出口ゲート17の退出検出部17aにより台車15が作業ブロックから退出しようとして該出口ゲート17に接近することが検出された時点で、仕分けが作業ブロック内で未だ完了していないことが判明したときは、退出異常警報装置17cにより台車15に警報を発するようにしたから、作業者Aが仕分け作業を確実に完了した後に台車15を作業ブロックから退出させるようになり、該作業ブロック内における仕分け漏れの発生を回避することが可能となる。
【0052】
また、前記コントローラ50が、台車15が仕分け個数の表示されている作業ブロックをすべて通過したかどうかを確認し、管理警報装置19で警報を発することによって、作業ブロックが複数ある場合に、台車15が仕分け情報のある作業ブロックに進入せずに仕分け作業を終了することが監視でき、仕分け漏れを防止できる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、各台車が作業ブロックに進入する順序が予め決められており、所定の順番に従って台車が1台ずつ該作業ブロックに進入する場合の仕分けシステム2の構成について図6及び図7を用いて説明する。なお、前述した台車が進入する順序が予め定められておらず1台ずつ台車が作業ブロックに進入する仕分けシステム1と重複する箇所についてはその説明を省略する。
【0054】
まず、図6及び図7に示すように、仕分けシステム2は、前記仕分けシステム1と同様の構成であり、第1〜第4作業ブロック11〜14の入口ゲート16…16の上部には進入台車番号表示装置16d…16dが備えられている。
【0055】
次に、前記仕分けシステム2に基づいて、所定の順番に従って各台車が1台ずつ作業ブロックに進入して仕分け作業を行う場合について図8及び図9を用いて説明する。
【0056】
まず、図8に示すように、コントローラ50は、進入台車番号表示装置16dに制御信号を送り、台車15の番号を表示させる。
【0057】
次に、図9に示すように、まずステップS21〜S23では、図4を用いて説明した前記第1実施形態におけるステップS1〜S3と同様の制御を行う。ステップS23で、コントローラ50が、台車15の識別コードと仕分け情報とを対応付けると、次のステップS24で、該コントローラ50が、進入台車番号表示装置16dに所定の進入順序に従い台車15の番号を点滅表示させる。このとき、該進入台車番号表示装置16dの点滅表示は台車15がまだ作業ブロックに進入していないことを示している。
【0058】
ステップS25,S26では、前記第1実施形態におけるステップS4,S5と同様の制御を行う。ステップS26で、IDリーダ16bが、台車15の識別コードの読み取りを行ったら、次のステップS27で、コントローラ50が、台車15の識別コードと所定の進入順序との照合を行う。そして、ステップS28に進んで、該コントローラ50が、前記IDリーダ16bが読み取った識別コードと進入順序とが一致しているかどうかの判定を行う。
【0059】
判定の結果、識別コードと進入順序とが一致していない場合(NO)は、ステップS29に進んで、進入異常警報装置16cが警報を発した後、ステップS25に戻って台車15が入口ゲート16に到着したかどうかの判定を行う。そして、識別コードと進入順序とが一致している場合(YES)は、次のステップに進むが、これ以降の台車15が作業ブロックに進入してから仕分け作業を終了するまでのステップでは、前記第1実施形態におけるステップS8〜S19と同じ制御を行うため、その説明は省略する。
【0060】
以上のようにして、台車15を用いた仕分け作業を行うようにしたことで、まず、前記第1〜第4作業ブロック11〜14への台車15の進入順序が予め定められている場合に、各作業ブロックの入口ゲート16のIDリーダ16bで読み取られた台車15の識別コードと前記所定の進入順序との照合を前記コントローラ50が行い、その結果、台車15の識別コードと所定の進入順序が一致したときに、その台車15の識別コードに応じた仕分け個数を各個数表示器10…10に表示するようにしたから、台車15の識別コードと所定の進入順序が一致しないときには、仕分け個数が表示されず、誤仕分けが生じることがない。
【0061】
次に、前記コントローラ50による照合の結果、作業ブロックに進入しようとしている台車15が前記所定の進入順序に一致していないことが判明したときに警報を発するようにしたから、該所定の進入順序に従わない台車15が作業ブロックに進入することが阻止されて、誤仕分けの発生を回避することが可能となる。
【0062】
そして、前記作業ブロックの入口ゲート16の進入台車番号表示装置16dに、前記所定の進入順序に従って次に作業ブロックに進入するべき台車15の台車番号を表示するようにしたから、作業者Aは台車15を該作業ブロックに進入させてよいかどうかが分かり、前記所定の進入順序が確実に守られ、誤仕分けの発生を回避することが可能となる。
【0063】
また、前記第1〜第4作業ブロック11〜14は、直列に複数並設されているから、複雑なレイアウトの仕分けラインにも対応した上で、前記所定の進入順序を各台車に確実に守らせ、誤仕分けの発生を回避することが可能となる。
【0064】
なお、複雑なレイアウトの仕分けラインに対応するために、前記第1〜第4作業ブロック11〜14を直列に設ける場合において、先の作業ブロックの出口ゲート17と後の作業ブロックの入口ゲート16とを兼用するようにしても構わない。
【0065】
このように、先の作業ブロックの出口ゲート17と後の作業ブロックの入口ゲート16とを兼用することで、部材を減らした上で、前記第1〜第4作業ブロック11〜14を直列に設けて複雑なレイアウトの仕分けラインにも対応し、各作業ブロックにおいて誤仕分けの発生を回避することが可能となる。
【0066】
さらに、このように先のブロックの出口ゲート17と後のブロックの入口ゲート16とを兼用した場合には、台車15がブロック間の境界を移動するときに、先のブロックからの退出管理と、後のブロックへの進入管理とを同時に行うことが可能となり、一方、兼用としなかった場合には、先のブロックの出口ゲート17と後のブロックの入口ゲート16とを別々に設けることになり、先のブロックを退出した台車15が後のブロック内に進入しないでその場で待機することが可能となる。
【0067】
なお、上記実施形態は、本発明の最良の実施形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、なお種々の修正・変更が可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本発明によれば、複数の仕分け棚に表示器を設け、該表示器に商品の仕分け情報を表示し、台車を用いて商品の仕分け作業を行う仕分けシステムにおいて、台車が作業ブロック内に進入する際に各台車の識別を自動で行い、作業者の負担を減らした上で仕分け作業における誤仕分けの発生を確実に回避して、作業の効率を上げることが可能である仕分けシステムを提供することが可能となり、仕分け棚に商品の仕分け情報を表示し、表示された仕分け情報に基づいて作業者が仕分け作業を行う商品の仕分けシステムに広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態に係る仕分けシステム1の平面図である。
【図2】同第1実施形態に係る台車が作業ブロック内に進入しているときの斜視図である。
【図3】同第1施形態に係る仕分けシステム1のブロック図である。
【図4】同第1実施形態に係るフローの前半部である。
【図5】前記フローの後半部である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る仕分けシステム2の平面図である。
【図7】同第2実施形態に係る台車が作業ブロック内に進入しているときの斜視図である。
【図8】同第2施形態に係る仕分けシステム2のブロック図である。
【図9】同第2実施形態に係るフローである。
【符号の説明】
【0070】
1〜4 仕分けシステム
8 IDタグ
9…9 仕分け棚
10…10 個数表示器
11〜14 第1〜第4作業ブロック(作業ブロック)
15 台車
16 入口ゲート
16a 進入検出部(進入検出手段)
16b IDリーダ(進入台車情報読取手段)
16c 進入異常警報装置(警報手段、進入警報手段)
16d 進入台車番号表示装置(表示器)
17 出口ゲート
17a 退出検出部(退出検出手段)
17c 退出異常警報装置(未仕分け警報手段)
19 管理警報装置(管理手段)
50 コントローラ(確認手段、照合手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仕分け棚が並設された作業ブロックに台車を進入させ、前記仕分け棚に設けられた表示器に表示される仕分け情報に従って台車を用いて物品を仕分けるための仕分けシステムであって、
台車に装着されて、台車の識別情報が書き込まれているIDタグと、
前記作業ブロックの入口に設けられて、台車が作業ブロックに進入することを検出する進入検出手段と、
該進入検出手段で台車が作業ブロックに進入することが検出されたときに、その台車のIDタグに書き込まれている台車の識別情報を読み取る進入台車情報読取手段と、
該進入台車情報読取手段で読み取られた台車の識別情報に応じて前記表示器に仕分け情報を表示させる管理手段とを有することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項2】
前記請求項1に記載の仕分けシステムにおいて、
前記作業ブロックの出口に設けられて、台車が作業ブロックから退出することを検出する退出検出手段と、
該退出検出手段で台車が作業ブロックから退出することが検出されたときに、仕分け作業が作業ブロック内で未だ完了していないことが判明したときは、警報を発する未仕分け警報手段が備えられていることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項3】
前記請求項1又は2のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、
前記作業ブロックへの台車の進入順序が予め定められていないと共に、
前記作業ブロックは、直列に複数並設されており、
台車が仕分け情報のある作業ブロックをすべて通過したことを確認する確認手段が設けられていることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項4】
前記請求項1又は2のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、
前記作業ブロックへの台車の進入順序が予め定められていると共に、
前記進入台車情報読取手段で読み取られた台車の識別情報と前記所定の進入順序とを照合する照合手段が備えられ、
前記管理手段は、前記照合手段による照合の結果、台車の識別情報と所定の進入順序とが一致したときに、その台車の識別情報に応じた仕分け情報を表示させることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項5】
前記請求項4に記載の仕分けシステムにおいて、
前記照合手段による照合の結果、作業ブロックに進入しようとしている台車が前記所定の進入順序に一致していないことが判明したときは、警報を発する誤進入警報手段が備えられていることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項6】
前記請求項4又は5に記載の仕分けシステムにおいて、
前記作業ブロックの入口に、前記所定の進入順序に従って次に作業ブロックに進入するべき台車を表示する表示手段が設けられていることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項7】
前記請求項4から6のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、
前記作業ブロックは、直列に複数並設されていることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項8】
前記請求項7に記載の仕分けシステムにおいて、
先の作業ブロックの出口に設けられている前記退出検出手段と、
後の作業ブロックの入口に設けられている前記進入検出手段とが兼用され、
先の作業ブロックの退出台車情報読取手段と、
後の作業ブロックの進入台車情報読取手段とが兼用されていることを特徴とする仕分けシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−240772(P2006−240772A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−55485(P2005−55485)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】