仕分けシステム
【課題】省人効果を高め、効率良く仕分け対象物を仕分けることが可能な仕分けシステムを提供する。
【解決手段】本仕分けシステム1に備えた仕分け装置10は、主搬送路2からの仕分け対象物3を載置して対応する搬送台車4の位置まで走行する仕分け車両24と、該仕分け車両24に設けられ、仕分け対象物3を仕分け車両24から当該搬送台車4に移載する移載機構25とを備えているので、省人効果を高め、効率良く仕分け対象物を仕分けることができる。
【解決手段】本仕分けシステム1に備えた仕分け装置10は、主搬送路2からの仕分け対象物3を載置して対応する搬送台車4の位置まで走行する仕分け車両24と、該仕分け車両24に設けられ、仕分け対象物3を仕分け車両24から当該搬送台車4に移載する移載機構25とを備えているので、省人効果を高め、効率良く仕分け対象物を仕分けることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品箱等の複数の仕分け対象物を複数の搬送台車それぞれに仕分ける仕分けシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
仕分けシステムの従来技術として特許文献1には、仕分け対象箱をスタッカークレーンにより流動棚の各流動棚の各間口へ移載して、作業者が間口から部品箱を取り出し、カゴ車に移載する仕分けシステムが開示されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に係る仕分けシステムでは、作業者により間口から仕分け対象箱を取り出し、カゴ車に移載するために省人効果が低い。
また、仕分け対象箱において、複数種類のサイズの相違したものが混在する場合、カゴ車への積み込みを自動化させるようとすると、様々なサイズの仕分け対象箱を把持して、積み込みを行えるハンドリング機構を備える必要があり、技術的な課題が大きく、また、コスト負担が大きくなるために採用することが困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−117366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1の発明に係る仕分けシステムでは、省人効果が乏しく、また、自動化する際の問題点が多いため採用することが困難である。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、省人効果を高め、効率良く仕分け対象物を仕分けることが可能な仕分けシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の仕分けシステムは、搬送路に沿って搬送される複数の仕分け対象物を複数の搬送台車それぞれに仕分ける仕分けシステムであって、該仕分けシステムは、前記搬送路からの仕分け対象物を対応する搬送台車に仕分ける仕分け装置を備え、該仕分け装置は、前記搬送路からの仕分け対象物を載置して対応する搬送台車の位置まで走行する仕分け車両と、該仕分け車両に設けられ、前記仕分け対象物を前記仕分け車両から当該搬送台車に移載する移載機構とを備えることを特徴としている。
これにより、省人効果を高め、効率良く仕分け対象物を仕分けることができる。
なお、本発明の仕分けシステムの各種態様およびそれらの作用については、以下の発明の態様の項において詳しく説明する。
【0008】
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項〜(6)項の各々が請求項1〜6の各々に相当し、(8)項及び(9)項の各々が請求項7及び8の各々に相当する。
【0009】
(1)搬送路に沿って搬送される複数の仕分け対象物を複数の搬送台車それぞれに仕分ける仕分けシステムであって、該仕分けシステムは、前記搬送路からの仕分け対象物を対応する搬送台車に仕分ける仕分け装置を備え、該仕分け装置は、前記搬送路からの仕分け対象物を載置して対応する搬送台車の位置まで走行する仕分け車両と、該仕分け車両に設けられ、前記仕分け対象物を前記仕分け車両から当該搬送台車に移載する移載機構とを備えることを特徴とする仕分けシステム。
(1)項の仕分けシステムでは、搬送路に沿って搬送される仕分け対象物が仕分け車両に載置され、仕分け車両は対応する搬送台車と対向する位置まで走行する。続いて、仕分け対象物が仕分け車両に設けられた移載機構により該仕分け車両から対応する搬送台車に移載される。
【0010】
(2)前記搬送台車は、前記仕分け対象物を収容するための収容棚を備え、該収容棚は、奥に向かって下方傾斜していることを特徴とする(1)項に記載の仕分けシステム。
(2)項の仕分けシステムでは、搬送台車の収容棚に、移載機構により仕分け対象物を載せれば、仕分け対象物は自重により傾斜に沿って収容棚の奥まで移動する。
【0011】
(3)前記移載機構は、前記仕分け対象物が載置されるパレットと、該パレットを前記搬送台車の収容棚に向けて下方傾斜させる傾斜機構と、を備えることを特徴とする(2)項に記載の仕分けシステム。
(3)項の仕分けシステムでは、傾斜機構によりパレットを搬送台車の収容棚に向けて下方傾斜させると、パレット上に載置された仕分け対象物は、自重によりパレット上を傾斜に沿って移動して、搬送台車の収容棚に移載される。
【0012】
(4)前記傾斜機構は、前記仕分け車両の進行方向前方に向かって下方傾斜する傾斜面を有する第1傾斜台と、第1傾斜台と前記仕分け車両の幅方向に沿って間隔を置いて配置され、前記仕分け車両の進行方向後方に向かって下方傾斜する傾斜面を有する第2傾斜台と、前記第1傾斜台の傾斜面上を該傾斜面に沿って移動する第1支持ブロックと、前記第2傾斜台の傾斜面上を該傾斜面に沿って、前記第1支持ブロックと同期して移動する第2支持ブロックとから構成され、前記パレットの前記仕分け車両の幅方向両端部が、前記第1及び第2支持ブロックにより支持されることを特徴とする(3)項に記載の仕分けシステム。
(4)項の仕分けシステムでは、第1支持ブロック及び第2支持ブロックを仕分け車両の進行方向に沿って同期して進退移動させれば、第1及び第2支持ブロックが第1及び第2傾斜台の各傾斜面を該傾斜面に沿ってそれぞれ移動するために、第1及び第2支持ブロック上のパレットが、仕分け車両の幅方向一方側の端部が下方となるように傾斜する。
【0013】
(5)前記収容棚は、高さ方向に沿って複数段設けられることを特徴とする(2)項〜(4)項のいずれかに記載の仕分けシステム。
(5)項の仕分けシステムでは、仕分け先の増加に容易に対応することができる。
【0014】
(6)前記搬送路と前記仕分け装置との間に、前記搬送路からの複数の仕分け対象物を対応する搬送台車の収容棚の高さに昇降させる昇降装置を備え、前記昇降装置から下流側に、前記搬送台車の各収容棚に対応して高さ方向に複数設けられ、前記仕分け車両が走行する走行レールを備え、前記搬送台車は、前記各走行レールの幅方向両側に位置することを特徴とする(5)項に記載の仕分けシステム。
(6)項の仕分けシステムでは、搬送路からの仕分け対象物の仕分け先に基づき、仕分け対象物は昇降装置により対応する走行レール上の仕分け車両の位置まで上昇される。続いて、仕分け対象物は、走行レール上の仕分け車両に載置され、仕分け車両が走行レールの幅方向両側に配置された対応する搬送台車と対向する位置まで走行した後、仕分け対象物が仕分け車両に設けられた移載機構により仕分け車両から対応する搬送台車の収容棚に移載される。
【0015】
(7)前記搬送路と前記昇降装置との間に、前記仕分け対象物に貼付されているIDを読み取るID読取装置が備えられ、該ID読取装置からの信号により前記昇降装置の昇降パレットの昇降位置が決定されることを特徴とする(6)項に記載の仕分けシステム。
(7)項の仕分けシステムでは、仕分け対象物がID読取装置を通過すると、仕分け対象物に貼付されているIDがID読取装置により読み込まれ、仕分け対象物は昇降装置の昇降パレット上に移動される。続いて、ID読取装置からの信号により昇降装置の昇降パレットが所定位置に上昇し、続いて、仕分け対象物は、当該高さに設置された走行レール上の仕分け車両に載置されて対応する搬送台車の収容棚に移載される。
【0016】
(8)前記傾斜機構の前記第1及び第2支持ブロックに傾斜用駆動モータが連結されることを特徴とする(4)項〜(7)項のいずれかに記載の仕分けシステム。
(8)項の仕分けシステムでは、傾斜機構の第1及び第2支持ブロックが傾斜用駆動モータの駆動により第1及び第2傾斜台の各傾斜面(仕分け車両の進行方向)に沿ってそれぞれ同期して移動される。
【0017】
(9)前記仕分け車両の本体部に伝達ベルトを介して走行用駆動モータが連結されることを特徴とする(1)項〜(8)項のいずれかに記載の仕分けシステム。
(9)項の仕分けシステムでは、走行用駆動モータの駆動が伝達ベルトを介して仕分け車両の本体フレームに伝達される。
【0018】
(10)前記仕分け車両が前記走行レール上を走行する際には、前記傾斜用駆動モータと前記走行用駆動モータとが同期して駆動されることを特徴とする(8)項または(9)項に記載の仕分けシステム。
(10)項の仕分けシステムでは、仕分け車両の備えられた移載機構と、仕分け車両の本体部との相対的な移動が防止される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、省人効果を高め、効率良く仕分け対象物を仕分けることが可能な仕分けシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る仕分けシステムの概略図である。
【図2】図2は、図1の仕分け車両が走行する各走行レール付近の上面図である。
【図3】図3は、図2の側面図である。
【図4】図4は、搬送台車の側面図である。
【図5】図5は、搬送台車の正面図である。
【図6】図6は、本仕分けシステムの仕分け装置の概略斜視図である。
【図7】図7は、本仕分けシステムの移載機構の概略斜視図である。
【図8】図8は、図7のA矢視図である。
【図9】図9は、本仕分けシステムの移載機構の動作を示す図であり、(a)は斜視図で、(b)は(a)のA矢視図である。
【図10】図10は、本仕分けシステムの移載機構の動作を示す図であり、(a)は斜視図で、(b)は(a)のA矢視図である。
【図11】図11は、本仕分けシステムの仕分け車両のパレットから仕分け対象物が自重で移動している様子を示す斜視図である。
【図12】図12は、本仕分けシステムの仕分け車両のパレットから仕分け対象物が自重で搬送台車の収容棚へ移動している様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図12に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る仕分けシステム1は、図1に示すように、主搬送路2に沿って搬送される複数の仕分け対象物3を複数の搬送台車4のそれぞれに仕分けるものである。
該本発明の実施形態に係る仕分けシステム1は、図1に示すように、複数の仕分け対象物3が順次搬送される主搬送路2と、仕分け対象物3に貼付されているIDを読み取るID読取装置8と、ID読取装置8からの信号(仕分け先)に基づいて主搬送路2からの仕分け対象物3を対応する搬送台車4の収容棚5(図4及び図5参照)の高さに昇降させる昇降装置9と、該昇降装置9の昇降パレット(図示略)からの仕分け対象物3を対応する搬送台車4の収容棚5に仕分ける仕分け装置10とを備えている。
【0022】
搬送台車4は、図4及び図5に示すように、複数の車輪12を有する本体フレーム13と、本体フレーム13の進行方向後端から上方に延びる把持フレーム14と、本体フレーム13上を上方に延びる枠体15内に設けられ、高さ方向に間隔を置いて複数段設けられる収容棚5とから構成される。なお、本実施の形態では、収容棚5は3段設けられる。
【0023】
各収容棚5は、平面視略矩形状の支持フレーム16と、該支持フレーム16内に長手方向(仕分け車両24の幅方向)及び短手方向(仕分け車両24の進行方向)に沿って間隔を置いて複数設けられ、軸方向が短手方向に一致するように配置される搬送ローラ17と、支持フレーム16の把持フレーム14側端部に設けられ、仕分け対象物3の移動を規制するストッパ18とから構成される。各収容棚5は、その全体が奥に向かって(把持フレーム14側に向かって)下方傾斜するように枠体15内に支持される。
【0024】
図1に示すように、主搬送路2はコンベアで構成される。該主搬送路2の上流側に作業者が仕分け対象物3を順次載置すると、各仕分け対象物3が主搬送路2に沿って搬送される。主搬送路2の下流端部付近にID読取装置8が配置される。また、ID読取装置8の下流側に昇降装置9が配置される。
ID読取装置8は、仕分け対象物3に予め貼付されたIDを読み取り、その信号を昇降装置9の制御部に送信するものである。該ID読取装置8は昇降装置9の制御部(図示略)に電気的に接続されており、仕分け対象物3がID読取装置8を通過すると、ID読取装置8から仕分け対象物3の信号(仕分け先)が昇降装置9の制御部に送信され、昇降装置9の昇降パレットが所定位置に上昇する。
【0025】
昇降装置9は、図示はしないが、仕分け対象物3が載置される昇降パレットと、該昇降パレットを昇降させる昇降機構と、該昇降機構を制御する制御部とから構成される。昇降パレットは初期状態では主搬送路2と略同じ高さに設定される。昇降パレット上には仕分け対象物3を対応する副搬送路20に移動させるためのコンベア(図示略)が設けられる。また、昇降装置9は、昇降パレットを昇降機構により搬送台車4の各収容棚5に対応する高さ、すなわち、後述する各副搬送路20に対応する高さに上昇できるように構成される。
【0026】
昇降装置9の下流側に、搬送台車4の各収容棚5に対応して高さ方向に間隔を置いて複数設けられる副搬送路20が配置される。各副搬送路20はコンベアでそれぞれ構成される。各副搬送路20は主搬送路2と同一方向に延在している。
【0027】
仕分け装置10は、図1及び図6に示すように、各副搬送路20の下流側に配置される。該仕分け装置10は、走行レール23上を走行用駆動モータ30の駆動により対応する搬送台車4の位置まで走行する仕分け車両24と、該仕分け車両24に設けられ、仕分け対象物3を仕分け車両24から対応する搬送台車4の収容棚5に移載する移載機構25とから構成される。
【0028】
図2、図3及び図6に示すように、走行レール23は互いに平行に延びる2本のレール23a、23aで構成される。また、走行レール23は搬送台車4の各収容棚5に対応して高さ方向に間隔を置いて複数設けられる。本実施の形態では、搬送台車4の収容棚5が3段配置されているために、走行レール23も高さ方向に間隔を置いて3箇所設けられる。なお、図1に示すように、各走行レール23は各副搬送路20の下流端から該各副搬送路20と直交する方向に延びている。
【0029】
仕分け車両24は、図6に示すように、車輪27を4隅に有する本体フレーム28(本体部)と、該本体フレーム28上に配置される移載機構25とから構成される。本体フレーム28の各車輪27が走行レール23の各レール23a、23a上を走行する。
【0030】
走行レール23の一端側に走行用駆動モータ30が配置され、また、走行レール23の他端側に走行用案内ローラ31が配置される。これら走行用駆動モータ30と走行用案内ローラ31とに走行用伝達ベルト32が巻回される。該走行用伝達ベルト32の一端が仕分け車両24の本体フレーム28の進行方向前端に固着され、走行用伝達ベルト32の他端が仕分け車両24の本体フレーム28の進行方向後端に固着される。
【0031】
移載機構25は、図6〜図8に示すように、本体フレーム28上に設けられ、仕分け対象物3が載置されるパレット33と、該パレット33を搬送台車4の収容棚5に向けて下方傾斜させる傾斜機構34とから構成される。なお、図7にはパレット33が図示されていない。
パレット33は、平面視略矩形状の支持フレーム41と、該支持フレーム41内に仕分け車両24の幅方向に沿って間隔を置いて複数設けられ、軸方向が仕分け車両24の進行方向に一致するように配置される搬送ローラ42とから構成される。
傾斜機構34は、図7に示すように、仕分け車両24の進行方向前方に向かって下方傾斜する傾斜面35aを有する第1傾斜台35と、該第1傾斜台35と仕分け車両24の幅方向に沿って間隔を置いて配置され、前記仕分け車両24の進行方向後方に向かって下方傾斜する傾斜面36aを有する第2傾斜台36と、第1傾斜台35の傾斜面35a上を該傾斜面35aに沿って移動する第1支持ブロック37と、第2傾斜台36の傾斜面36a上を該傾斜面36aに沿って移動する第2支持ブロック38とから構成される。
【0032】
第1及び第2支持ブロック37、38は、四角柱状に形成され、各下面は第1及び第2傾斜台35、36の各傾斜面35a、36aと同じ傾斜角度で延びる傾斜面37b、38bに形成される。第1支持ブロック37の第2支持ブロック38側の面には縦長孔37aが設けられる。同様に、第2支持ブロック38の第1支持ブロック37側の面にも縦長孔38aが設けられる。第1支持ブロック37の縦長孔37aと、第2支持ブロック38の縦長孔38aとに連結シャフト40が挿通されて両者が連結される。連結シャフト40は第1及び第2支持ブロック37、38の各縦長孔37a、38a内で上下方向に移動自在となる。
そして、図6〜図8に示すように、傾斜機構34の第1支持ブロック37の上面及び第2支持ブロック38上面に、パレット33の幅方向両端部がそれぞれ載置される。
【0033】
また、図6に示すように、走行用駆動モータ30の側方に傾斜用駆動モータ45が配置され、また、走行用案内ローラ31の側方に傾斜用案内ローラ46が配置される。これら傾斜用駆動モータ45と傾斜用案内ローラ46とに傾斜用伝達ベルト47が巻回される。図7に示すように、傾斜用伝達ベルト47の途中部位に連結シャフト40が固着される。
この結果、図9(a)に示すように、傾斜用駆動モータ45(図6参照)を仕分け車両24の前進方向に駆動させると、連結シャフト40が仕分け車両24の進行方向に沿って前進しつつ、第1及び第2支持ブロック37、38が第1及び第2傾斜台35、36の各傾斜面35a、36aに沿って同期して前進する。その結果、図9(b)に示すように、パレット33が、その仕分け車両24の進行方向に向かって右側の端部が下方となるように傾斜する。また、図10(a)に示すように、傾斜用駆動モータ45(図6参照)を仕分け車両24の後退方向に駆動させると、連結シャフト40が仕分け車両24の進行方向に沿って後退しつつ、第1及び第2支持ブロック37、38が第1及び第2傾斜台35、36の各傾斜面35a、36aに沿って同期して後退する。その結果、図10(b)に示すように、パレット33が、その仕分け車両24の進行方向に向かって左側の端部が下方となるように傾斜する。
【0034】
次に、本発明の実施形態に係る仕分けシステム1の作用を説明する。
図1及び図2に示すように、搬送台車4は、各走行レール23の幅方向両側に、且つ各走行レール23の延びる方向に沿って複数配置されている。さらに、各搬送台車4はその前端が各走行レール23の側方に近接するように配置される。
まず、作業者により主搬送路2の上流側端部に、IDが予め貼付された仕分け対象物3が順次載置される。これら仕分け対象物3は主搬送路2に沿って搬送される。続いて、当該仕分け対象物3がID読取装置8を通過する。すると、ID読取装置8にて当該仕分け対象物3のIDが読み込まれ、その信号(仕分け先)が昇降装置9の制御部に送信される。
次に、仕分け対象物3が主搬送路2から昇降装置9の昇降パレットに移動したことが認知されると、制御部からの信号により昇降機構が作動されて昇降パレットが所定位置まで上昇する。
【0035】
次に、昇降装置9の昇降パレットが所定位置まで上昇した後、昇降パレット上のコンベアが駆動されて、昇降パレット上の仕分け対象物3が対応する副搬送路20に移動される。その後、昇降装置9の昇降パレットは初期位置に下降する。
次に、当該仕分け対象物3は副搬送路20から、対応する走行レール23上の仕分け車両24のパレット33上に移動する。
次に、走行用駆動モータ30及び傾斜用駆動モータ45を同期して所定時間前進方向に駆動させる。すると、仕分け車両24は、走行用伝達ベルト32からの駆動伝達により走行レール23上を所定距離走行されて、対応する搬送台車4の前で停止する。なお、仕分け車両24を走行させる際には、仕分け車両24に備えられた移載機構25と、仕分け車両24の本体フレーム26との相対的な移動を防止するために、走行用駆動モータ30と傾斜用駆動モータ45とを同期して駆動させることが必要になる。
【0036】
次に、図10及び図11に示すように、傾斜用駆動モータ45のみを、例えば、仕分け車両24の後退方向に所定時間駆動させる。その結果、連結シャフト40が仕分け車両24の進行方向に沿って所定距離後退すると共に、第1及び第2支持ブロック37、38が、第1及び第2傾斜台35、36の各傾斜面35a、36aに沿って後退する。その結果、パレット33が、その仕分け車両24の進行方向に向かって左側の端部が下方となるように傾斜される。
そして、図12に示すように、パレット33上の仕分け対象物3は、自重によりパレット33の各搬送ローラ42上から対応する搬送台車4の収容棚5の各搬送ローラ17上を傾斜に沿って移動してストッパ18または既に積み込まれた仕分け対象物3と干渉して停止する。そこで、搬送台車4の各収容棚5は奥に向かって下方傾斜しているので、仕分け車両24のパレット33からの仕分け対象物3は、自重により対応する搬送台車4の収容棚5上を傾斜に沿って移動することができる。
上述した動作が繰り返されることで、主搬送路2を順次搬送される仕分け対象物3が、対応する搬送台車4の収容棚5へそれぞれ仕分けられる。
そして、図1に示すように、搬送台車4の各収容棚5に所定の仕分け対象物3が積み込まれた後、該搬送台車4はけん引車50に連結されて所定場所へ搬送される。
【0037】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る仕分けシステム1では、特に、主搬送路2からの仕分け対象物3を載置して、対応する搬送台車4の位置まで走行する仕分け車両24と、該仕分け車両24に設けられ、仕分け対象物3を仕分け車両24から対応する搬送台車4の収容棚5に移載する移載機構25とから構成され、該移載機構25は、仕分け対象物3が載置されるパレット33と、該パレット33を対応する搬送台車4の収容棚5に向けて下方傾斜させる傾斜機構34とを備え、しかも、搬送台車4は、仕分け対象物3を収容するための収容棚5が奥に向かって下方傾斜して構成されている。
これにより、作業者は、主搬送路2上に仕分け対象物3を載せた後、仕分け対象物3に対して作業を強いられることなく、対応する搬送台車4の収容棚5へ仕分けることができ、省人効果が高められ、効率良く仕分け対象物3を各搬送台車4に仕分けることが可能となる。
【0038】
また、本発明の実施形態に係る仕分けシステム1によれば、搬送台車4の収容棚5は、高さ方向に沿って複数段設けられ、また、主搬送路2と副搬送路20との間に、主搬送路2からの複数の仕分け対象物3を、対応する搬送台車4の収容棚5の高さに昇降させる昇降装置9を備えているので、仕分け先が増加しても容易に対応することができ、また、仕分け作業を効率良く行うことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 仕分けシステム,2 主搬送路(搬送路),3 仕分け対象物,4 搬送台車,5 収容棚,8 ID読取装置,9 昇降装置,10 仕分け装置,23 走行レール,25 移載装置,30 走行用駆動モータ,32 走行用伝達ベルト,33 パレット,34 傾斜機構,35 第1傾斜台、35a 傾斜面,36 第2傾斜台,36a 傾斜面,37 第1支持ブロック,38 第2支持ブロック,40 連結シャフト,45 傾斜用駆動モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品箱等の複数の仕分け対象物を複数の搬送台車それぞれに仕分ける仕分けシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
仕分けシステムの従来技術として特許文献1には、仕分け対象箱をスタッカークレーンにより流動棚の各流動棚の各間口へ移載して、作業者が間口から部品箱を取り出し、カゴ車に移載する仕分けシステムが開示されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に係る仕分けシステムでは、作業者により間口から仕分け対象箱を取り出し、カゴ車に移載するために省人効果が低い。
また、仕分け対象箱において、複数種類のサイズの相違したものが混在する場合、カゴ車への積み込みを自動化させるようとすると、様々なサイズの仕分け対象箱を把持して、積み込みを行えるハンドリング機構を備える必要があり、技術的な課題が大きく、また、コスト負担が大きくなるために採用することが困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−117366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1の発明に係る仕分けシステムでは、省人効果が乏しく、また、自動化する際の問題点が多いため採用することが困難である。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、省人効果を高め、効率良く仕分け対象物を仕分けることが可能な仕分けシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の仕分けシステムは、搬送路に沿って搬送される複数の仕分け対象物を複数の搬送台車それぞれに仕分ける仕分けシステムであって、該仕分けシステムは、前記搬送路からの仕分け対象物を対応する搬送台車に仕分ける仕分け装置を備え、該仕分け装置は、前記搬送路からの仕分け対象物を載置して対応する搬送台車の位置まで走行する仕分け車両と、該仕分け車両に設けられ、前記仕分け対象物を前記仕分け車両から当該搬送台車に移載する移載機構とを備えることを特徴としている。
これにより、省人効果を高め、効率良く仕分け対象物を仕分けることができる。
なお、本発明の仕分けシステムの各種態様およびそれらの作用については、以下の発明の態様の項において詳しく説明する。
【0008】
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項〜(6)項の各々が請求項1〜6の各々に相当し、(8)項及び(9)項の各々が請求項7及び8の各々に相当する。
【0009】
(1)搬送路に沿って搬送される複数の仕分け対象物を複数の搬送台車それぞれに仕分ける仕分けシステムであって、該仕分けシステムは、前記搬送路からの仕分け対象物を対応する搬送台車に仕分ける仕分け装置を備え、該仕分け装置は、前記搬送路からの仕分け対象物を載置して対応する搬送台車の位置まで走行する仕分け車両と、該仕分け車両に設けられ、前記仕分け対象物を前記仕分け車両から当該搬送台車に移載する移載機構とを備えることを特徴とする仕分けシステム。
(1)項の仕分けシステムでは、搬送路に沿って搬送される仕分け対象物が仕分け車両に載置され、仕分け車両は対応する搬送台車と対向する位置まで走行する。続いて、仕分け対象物が仕分け車両に設けられた移載機構により該仕分け車両から対応する搬送台車に移載される。
【0010】
(2)前記搬送台車は、前記仕分け対象物を収容するための収容棚を備え、該収容棚は、奥に向かって下方傾斜していることを特徴とする(1)項に記載の仕分けシステム。
(2)項の仕分けシステムでは、搬送台車の収容棚に、移載機構により仕分け対象物を載せれば、仕分け対象物は自重により傾斜に沿って収容棚の奥まで移動する。
【0011】
(3)前記移載機構は、前記仕分け対象物が載置されるパレットと、該パレットを前記搬送台車の収容棚に向けて下方傾斜させる傾斜機構と、を備えることを特徴とする(2)項に記載の仕分けシステム。
(3)項の仕分けシステムでは、傾斜機構によりパレットを搬送台車の収容棚に向けて下方傾斜させると、パレット上に載置された仕分け対象物は、自重によりパレット上を傾斜に沿って移動して、搬送台車の収容棚に移載される。
【0012】
(4)前記傾斜機構は、前記仕分け車両の進行方向前方に向かって下方傾斜する傾斜面を有する第1傾斜台と、第1傾斜台と前記仕分け車両の幅方向に沿って間隔を置いて配置され、前記仕分け車両の進行方向後方に向かって下方傾斜する傾斜面を有する第2傾斜台と、前記第1傾斜台の傾斜面上を該傾斜面に沿って移動する第1支持ブロックと、前記第2傾斜台の傾斜面上を該傾斜面に沿って、前記第1支持ブロックと同期して移動する第2支持ブロックとから構成され、前記パレットの前記仕分け車両の幅方向両端部が、前記第1及び第2支持ブロックにより支持されることを特徴とする(3)項に記載の仕分けシステム。
(4)項の仕分けシステムでは、第1支持ブロック及び第2支持ブロックを仕分け車両の進行方向に沿って同期して進退移動させれば、第1及び第2支持ブロックが第1及び第2傾斜台の各傾斜面を該傾斜面に沿ってそれぞれ移動するために、第1及び第2支持ブロック上のパレットが、仕分け車両の幅方向一方側の端部が下方となるように傾斜する。
【0013】
(5)前記収容棚は、高さ方向に沿って複数段設けられることを特徴とする(2)項〜(4)項のいずれかに記載の仕分けシステム。
(5)項の仕分けシステムでは、仕分け先の増加に容易に対応することができる。
【0014】
(6)前記搬送路と前記仕分け装置との間に、前記搬送路からの複数の仕分け対象物を対応する搬送台車の収容棚の高さに昇降させる昇降装置を備え、前記昇降装置から下流側に、前記搬送台車の各収容棚に対応して高さ方向に複数設けられ、前記仕分け車両が走行する走行レールを備え、前記搬送台車は、前記各走行レールの幅方向両側に位置することを特徴とする(5)項に記載の仕分けシステム。
(6)項の仕分けシステムでは、搬送路からの仕分け対象物の仕分け先に基づき、仕分け対象物は昇降装置により対応する走行レール上の仕分け車両の位置まで上昇される。続いて、仕分け対象物は、走行レール上の仕分け車両に載置され、仕分け車両が走行レールの幅方向両側に配置された対応する搬送台車と対向する位置まで走行した後、仕分け対象物が仕分け車両に設けられた移載機構により仕分け車両から対応する搬送台車の収容棚に移載される。
【0015】
(7)前記搬送路と前記昇降装置との間に、前記仕分け対象物に貼付されているIDを読み取るID読取装置が備えられ、該ID読取装置からの信号により前記昇降装置の昇降パレットの昇降位置が決定されることを特徴とする(6)項に記載の仕分けシステム。
(7)項の仕分けシステムでは、仕分け対象物がID読取装置を通過すると、仕分け対象物に貼付されているIDがID読取装置により読み込まれ、仕分け対象物は昇降装置の昇降パレット上に移動される。続いて、ID読取装置からの信号により昇降装置の昇降パレットが所定位置に上昇し、続いて、仕分け対象物は、当該高さに設置された走行レール上の仕分け車両に載置されて対応する搬送台車の収容棚に移載される。
【0016】
(8)前記傾斜機構の前記第1及び第2支持ブロックに傾斜用駆動モータが連結されることを特徴とする(4)項〜(7)項のいずれかに記載の仕分けシステム。
(8)項の仕分けシステムでは、傾斜機構の第1及び第2支持ブロックが傾斜用駆動モータの駆動により第1及び第2傾斜台の各傾斜面(仕分け車両の進行方向)に沿ってそれぞれ同期して移動される。
【0017】
(9)前記仕分け車両の本体部に伝達ベルトを介して走行用駆動モータが連結されることを特徴とする(1)項〜(8)項のいずれかに記載の仕分けシステム。
(9)項の仕分けシステムでは、走行用駆動モータの駆動が伝達ベルトを介して仕分け車両の本体フレームに伝達される。
【0018】
(10)前記仕分け車両が前記走行レール上を走行する際には、前記傾斜用駆動モータと前記走行用駆動モータとが同期して駆動されることを特徴とする(8)項または(9)項に記載の仕分けシステム。
(10)項の仕分けシステムでは、仕分け車両の備えられた移載機構と、仕分け車両の本体部との相対的な移動が防止される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、省人効果を高め、効率良く仕分け対象物を仕分けることが可能な仕分けシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る仕分けシステムの概略図である。
【図2】図2は、図1の仕分け車両が走行する各走行レール付近の上面図である。
【図3】図3は、図2の側面図である。
【図4】図4は、搬送台車の側面図である。
【図5】図5は、搬送台車の正面図である。
【図6】図6は、本仕分けシステムの仕分け装置の概略斜視図である。
【図7】図7は、本仕分けシステムの移載機構の概略斜視図である。
【図8】図8は、図7のA矢視図である。
【図9】図9は、本仕分けシステムの移載機構の動作を示す図であり、(a)は斜視図で、(b)は(a)のA矢視図である。
【図10】図10は、本仕分けシステムの移載機構の動作を示す図であり、(a)は斜視図で、(b)は(a)のA矢視図である。
【図11】図11は、本仕分けシステムの仕分け車両のパレットから仕分け対象物が自重で移動している様子を示す斜視図である。
【図12】図12は、本仕分けシステムの仕分け車両のパレットから仕分け対象物が自重で搬送台車の収容棚へ移動している様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図12に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る仕分けシステム1は、図1に示すように、主搬送路2に沿って搬送される複数の仕分け対象物3を複数の搬送台車4のそれぞれに仕分けるものである。
該本発明の実施形態に係る仕分けシステム1は、図1に示すように、複数の仕分け対象物3が順次搬送される主搬送路2と、仕分け対象物3に貼付されているIDを読み取るID読取装置8と、ID読取装置8からの信号(仕分け先)に基づいて主搬送路2からの仕分け対象物3を対応する搬送台車4の収容棚5(図4及び図5参照)の高さに昇降させる昇降装置9と、該昇降装置9の昇降パレット(図示略)からの仕分け対象物3を対応する搬送台車4の収容棚5に仕分ける仕分け装置10とを備えている。
【0022】
搬送台車4は、図4及び図5に示すように、複数の車輪12を有する本体フレーム13と、本体フレーム13の進行方向後端から上方に延びる把持フレーム14と、本体フレーム13上を上方に延びる枠体15内に設けられ、高さ方向に間隔を置いて複数段設けられる収容棚5とから構成される。なお、本実施の形態では、収容棚5は3段設けられる。
【0023】
各収容棚5は、平面視略矩形状の支持フレーム16と、該支持フレーム16内に長手方向(仕分け車両24の幅方向)及び短手方向(仕分け車両24の進行方向)に沿って間隔を置いて複数設けられ、軸方向が短手方向に一致するように配置される搬送ローラ17と、支持フレーム16の把持フレーム14側端部に設けられ、仕分け対象物3の移動を規制するストッパ18とから構成される。各収容棚5は、その全体が奥に向かって(把持フレーム14側に向かって)下方傾斜するように枠体15内に支持される。
【0024】
図1に示すように、主搬送路2はコンベアで構成される。該主搬送路2の上流側に作業者が仕分け対象物3を順次載置すると、各仕分け対象物3が主搬送路2に沿って搬送される。主搬送路2の下流端部付近にID読取装置8が配置される。また、ID読取装置8の下流側に昇降装置9が配置される。
ID読取装置8は、仕分け対象物3に予め貼付されたIDを読み取り、その信号を昇降装置9の制御部に送信するものである。該ID読取装置8は昇降装置9の制御部(図示略)に電気的に接続されており、仕分け対象物3がID読取装置8を通過すると、ID読取装置8から仕分け対象物3の信号(仕分け先)が昇降装置9の制御部に送信され、昇降装置9の昇降パレットが所定位置に上昇する。
【0025】
昇降装置9は、図示はしないが、仕分け対象物3が載置される昇降パレットと、該昇降パレットを昇降させる昇降機構と、該昇降機構を制御する制御部とから構成される。昇降パレットは初期状態では主搬送路2と略同じ高さに設定される。昇降パレット上には仕分け対象物3を対応する副搬送路20に移動させるためのコンベア(図示略)が設けられる。また、昇降装置9は、昇降パレットを昇降機構により搬送台車4の各収容棚5に対応する高さ、すなわち、後述する各副搬送路20に対応する高さに上昇できるように構成される。
【0026】
昇降装置9の下流側に、搬送台車4の各収容棚5に対応して高さ方向に間隔を置いて複数設けられる副搬送路20が配置される。各副搬送路20はコンベアでそれぞれ構成される。各副搬送路20は主搬送路2と同一方向に延在している。
【0027】
仕分け装置10は、図1及び図6に示すように、各副搬送路20の下流側に配置される。該仕分け装置10は、走行レール23上を走行用駆動モータ30の駆動により対応する搬送台車4の位置まで走行する仕分け車両24と、該仕分け車両24に設けられ、仕分け対象物3を仕分け車両24から対応する搬送台車4の収容棚5に移載する移載機構25とから構成される。
【0028】
図2、図3及び図6に示すように、走行レール23は互いに平行に延びる2本のレール23a、23aで構成される。また、走行レール23は搬送台車4の各収容棚5に対応して高さ方向に間隔を置いて複数設けられる。本実施の形態では、搬送台車4の収容棚5が3段配置されているために、走行レール23も高さ方向に間隔を置いて3箇所設けられる。なお、図1に示すように、各走行レール23は各副搬送路20の下流端から該各副搬送路20と直交する方向に延びている。
【0029】
仕分け車両24は、図6に示すように、車輪27を4隅に有する本体フレーム28(本体部)と、該本体フレーム28上に配置される移載機構25とから構成される。本体フレーム28の各車輪27が走行レール23の各レール23a、23a上を走行する。
【0030】
走行レール23の一端側に走行用駆動モータ30が配置され、また、走行レール23の他端側に走行用案内ローラ31が配置される。これら走行用駆動モータ30と走行用案内ローラ31とに走行用伝達ベルト32が巻回される。該走行用伝達ベルト32の一端が仕分け車両24の本体フレーム28の進行方向前端に固着され、走行用伝達ベルト32の他端が仕分け車両24の本体フレーム28の進行方向後端に固着される。
【0031】
移載機構25は、図6〜図8に示すように、本体フレーム28上に設けられ、仕分け対象物3が載置されるパレット33と、該パレット33を搬送台車4の収容棚5に向けて下方傾斜させる傾斜機構34とから構成される。なお、図7にはパレット33が図示されていない。
パレット33は、平面視略矩形状の支持フレーム41と、該支持フレーム41内に仕分け車両24の幅方向に沿って間隔を置いて複数設けられ、軸方向が仕分け車両24の進行方向に一致するように配置される搬送ローラ42とから構成される。
傾斜機構34は、図7に示すように、仕分け車両24の進行方向前方に向かって下方傾斜する傾斜面35aを有する第1傾斜台35と、該第1傾斜台35と仕分け車両24の幅方向に沿って間隔を置いて配置され、前記仕分け車両24の進行方向後方に向かって下方傾斜する傾斜面36aを有する第2傾斜台36と、第1傾斜台35の傾斜面35a上を該傾斜面35aに沿って移動する第1支持ブロック37と、第2傾斜台36の傾斜面36a上を該傾斜面36aに沿って移動する第2支持ブロック38とから構成される。
【0032】
第1及び第2支持ブロック37、38は、四角柱状に形成され、各下面は第1及び第2傾斜台35、36の各傾斜面35a、36aと同じ傾斜角度で延びる傾斜面37b、38bに形成される。第1支持ブロック37の第2支持ブロック38側の面には縦長孔37aが設けられる。同様に、第2支持ブロック38の第1支持ブロック37側の面にも縦長孔38aが設けられる。第1支持ブロック37の縦長孔37aと、第2支持ブロック38の縦長孔38aとに連結シャフト40が挿通されて両者が連結される。連結シャフト40は第1及び第2支持ブロック37、38の各縦長孔37a、38a内で上下方向に移動自在となる。
そして、図6〜図8に示すように、傾斜機構34の第1支持ブロック37の上面及び第2支持ブロック38上面に、パレット33の幅方向両端部がそれぞれ載置される。
【0033】
また、図6に示すように、走行用駆動モータ30の側方に傾斜用駆動モータ45が配置され、また、走行用案内ローラ31の側方に傾斜用案内ローラ46が配置される。これら傾斜用駆動モータ45と傾斜用案内ローラ46とに傾斜用伝達ベルト47が巻回される。図7に示すように、傾斜用伝達ベルト47の途中部位に連結シャフト40が固着される。
この結果、図9(a)に示すように、傾斜用駆動モータ45(図6参照)を仕分け車両24の前進方向に駆動させると、連結シャフト40が仕分け車両24の進行方向に沿って前進しつつ、第1及び第2支持ブロック37、38が第1及び第2傾斜台35、36の各傾斜面35a、36aに沿って同期して前進する。その結果、図9(b)に示すように、パレット33が、その仕分け車両24の進行方向に向かって右側の端部が下方となるように傾斜する。また、図10(a)に示すように、傾斜用駆動モータ45(図6参照)を仕分け車両24の後退方向に駆動させると、連結シャフト40が仕分け車両24の進行方向に沿って後退しつつ、第1及び第2支持ブロック37、38が第1及び第2傾斜台35、36の各傾斜面35a、36aに沿って同期して後退する。その結果、図10(b)に示すように、パレット33が、その仕分け車両24の進行方向に向かって左側の端部が下方となるように傾斜する。
【0034】
次に、本発明の実施形態に係る仕分けシステム1の作用を説明する。
図1及び図2に示すように、搬送台車4は、各走行レール23の幅方向両側に、且つ各走行レール23の延びる方向に沿って複数配置されている。さらに、各搬送台車4はその前端が各走行レール23の側方に近接するように配置される。
まず、作業者により主搬送路2の上流側端部に、IDが予め貼付された仕分け対象物3が順次載置される。これら仕分け対象物3は主搬送路2に沿って搬送される。続いて、当該仕分け対象物3がID読取装置8を通過する。すると、ID読取装置8にて当該仕分け対象物3のIDが読み込まれ、その信号(仕分け先)が昇降装置9の制御部に送信される。
次に、仕分け対象物3が主搬送路2から昇降装置9の昇降パレットに移動したことが認知されると、制御部からの信号により昇降機構が作動されて昇降パレットが所定位置まで上昇する。
【0035】
次に、昇降装置9の昇降パレットが所定位置まで上昇した後、昇降パレット上のコンベアが駆動されて、昇降パレット上の仕分け対象物3が対応する副搬送路20に移動される。その後、昇降装置9の昇降パレットは初期位置に下降する。
次に、当該仕分け対象物3は副搬送路20から、対応する走行レール23上の仕分け車両24のパレット33上に移動する。
次に、走行用駆動モータ30及び傾斜用駆動モータ45を同期して所定時間前進方向に駆動させる。すると、仕分け車両24は、走行用伝達ベルト32からの駆動伝達により走行レール23上を所定距離走行されて、対応する搬送台車4の前で停止する。なお、仕分け車両24を走行させる際には、仕分け車両24に備えられた移載機構25と、仕分け車両24の本体フレーム26との相対的な移動を防止するために、走行用駆動モータ30と傾斜用駆動モータ45とを同期して駆動させることが必要になる。
【0036】
次に、図10及び図11に示すように、傾斜用駆動モータ45のみを、例えば、仕分け車両24の後退方向に所定時間駆動させる。その結果、連結シャフト40が仕分け車両24の進行方向に沿って所定距離後退すると共に、第1及び第2支持ブロック37、38が、第1及び第2傾斜台35、36の各傾斜面35a、36aに沿って後退する。その結果、パレット33が、その仕分け車両24の進行方向に向かって左側の端部が下方となるように傾斜される。
そして、図12に示すように、パレット33上の仕分け対象物3は、自重によりパレット33の各搬送ローラ42上から対応する搬送台車4の収容棚5の各搬送ローラ17上を傾斜に沿って移動してストッパ18または既に積み込まれた仕分け対象物3と干渉して停止する。そこで、搬送台車4の各収容棚5は奥に向かって下方傾斜しているので、仕分け車両24のパレット33からの仕分け対象物3は、自重により対応する搬送台車4の収容棚5上を傾斜に沿って移動することができる。
上述した動作が繰り返されることで、主搬送路2を順次搬送される仕分け対象物3が、対応する搬送台車4の収容棚5へそれぞれ仕分けられる。
そして、図1に示すように、搬送台車4の各収容棚5に所定の仕分け対象物3が積み込まれた後、該搬送台車4はけん引車50に連結されて所定場所へ搬送される。
【0037】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る仕分けシステム1では、特に、主搬送路2からの仕分け対象物3を載置して、対応する搬送台車4の位置まで走行する仕分け車両24と、該仕分け車両24に設けられ、仕分け対象物3を仕分け車両24から対応する搬送台車4の収容棚5に移載する移載機構25とから構成され、該移載機構25は、仕分け対象物3が載置されるパレット33と、該パレット33を対応する搬送台車4の収容棚5に向けて下方傾斜させる傾斜機構34とを備え、しかも、搬送台車4は、仕分け対象物3を収容するための収容棚5が奥に向かって下方傾斜して構成されている。
これにより、作業者は、主搬送路2上に仕分け対象物3を載せた後、仕分け対象物3に対して作業を強いられることなく、対応する搬送台車4の収容棚5へ仕分けることができ、省人効果が高められ、効率良く仕分け対象物3を各搬送台車4に仕分けることが可能となる。
【0038】
また、本発明の実施形態に係る仕分けシステム1によれば、搬送台車4の収容棚5は、高さ方向に沿って複数段設けられ、また、主搬送路2と副搬送路20との間に、主搬送路2からの複数の仕分け対象物3を、対応する搬送台車4の収容棚5の高さに昇降させる昇降装置9を備えているので、仕分け先が増加しても容易に対応することができ、また、仕分け作業を効率良く行うことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 仕分けシステム,2 主搬送路(搬送路),3 仕分け対象物,4 搬送台車,5 収容棚,8 ID読取装置,9 昇降装置,10 仕分け装置,23 走行レール,25 移載装置,30 走行用駆動モータ,32 走行用伝達ベルト,33 パレット,34 傾斜機構,35 第1傾斜台、35a 傾斜面,36 第2傾斜台,36a 傾斜面,37 第1支持ブロック,38 第2支持ブロック,40 連結シャフト,45 傾斜用駆動モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿って搬送される複数の仕分け対象物を複数の搬送台車それぞれに仕分ける仕分けシステムであって、
該仕分けシステムは、前記搬送路からの仕分け対象物を対応する搬送台車に仕分ける仕分け装置を備え、
該仕分け装置は、前記搬送路からの仕分け対象物を載置して対応する搬送台車の位置まで走行する仕分け車両と、該仕分け車両に設けられ、前記仕分け対象物を前記仕分け車両から当該搬送台車に移載する移載機構とを備えることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項2】
前記搬送台車は、前記仕分け対象物を収容するための収容棚を備え、該収容棚は、奥に向かって下方傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項3】
前記移載機構は、前記仕分け対象物が載置されるパレットと、該パレットを前記搬送台車の収容棚に向けて下方傾斜させる傾斜機構と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の仕分けシステム。
【請求項4】
前記傾斜機構は、前記仕分け車両の進行方向前方に向かって下方傾斜する傾斜面を有する第1傾斜台と、第1傾斜台と前記仕分け車両の幅方向に沿って間隔を置いて配置され、前記仕分け車両の進行方向後方に向かって下方傾斜する傾斜面を有する第2傾斜台と、前記第1傾斜台の傾斜面上を該傾斜面に沿って移動する第1支持ブロックと、前記第2傾斜台の傾斜面上を該傾斜面に沿って、前記第1支持ブロックと同期して移動する第2支持ブロックとから構成され、
前記パレットの前記仕分け車両の幅方向両端部が、前記第1及び第2支持ブロックにより支持されることを特徴とする請求項3に記載の仕分けシステム。
【請求項5】
前記収容棚は、高さ方向に沿って複数段設けられることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の仕分けシステム。
【請求項6】
前記搬送路と前記仕分け装置との間に、前記搬送路からの複数の仕分け対象物を対応する搬送台車の収容棚の高さに昇降させる昇降装置を備え、
前記昇降装置から下流側に、前記搬送台車の各収容棚に対応して高さ方向に複数設けられ、前記仕分け車両が走行する走行レールを備え、
前記搬送台車は、前記各走行レールの幅方向両側に位置することを特徴とする請求項5に記載の仕分けシステム。
【請求項7】
前記傾斜機構の前記第1及び第2支持ブロックに傾斜用駆動モータが連結されることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の仕分けシステム。
【請求項8】
前記仕分け車両の本体部に伝達ベルトを介して走行用駆動モータが連結されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の仕分けシステム。
【請求項1】
搬送路に沿って搬送される複数の仕分け対象物を複数の搬送台車それぞれに仕分ける仕分けシステムであって、
該仕分けシステムは、前記搬送路からの仕分け対象物を対応する搬送台車に仕分ける仕分け装置を備え、
該仕分け装置は、前記搬送路からの仕分け対象物を載置して対応する搬送台車の位置まで走行する仕分け車両と、該仕分け車両に設けられ、前記仕分け対象物を前記仕分け車両から当該搬送台車に移載する移載機構とを備えることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項2】
前記搬送台車は、前記仕分け対象物を収容するための収容棚を備え、該収容棚は、奥に向かって下方傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項3】
前記移載機構は、前記仕分け対象物が載置されるパレットと、該パレットを前記搬送台車の収容棚に向けて下方傾斜させる傾斜機構と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の仕分けシステム。
【請求項4】
前記傾斜機構は、前記仕分け車両の進行方向前方に向かって下方傾斜する傾斜面を有する第1傾斜台と、第1傾斜台と前記仕分け車両の幅方向に沿って間隔を置いて配置され、前記仕分け車両の進行方向後方に向かって下方傾斜する傾斜面を有する第2傾斜台と、前記第1傾斜台の傾斜面上を該傾斜面に沿って移動する第1支持ブロックと、前記第2傾斜台の傾斜面上を該傾斜面に沿って、前記第1支持ブロックと同期して移動する第2支持ブロックとから構成され、
前記パレットの前記仕分け車両の幅方向両端部が、前記第1及び第2支持ブロックにより支持されることを特徴とする請求項3に記載の仕分けシステム。
【請求項5】
前記収容棚は、高さ方向に沿って複数段設けられることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の仕分けシステム。
【請求項6】
前記搬送路と前記仕分け装置との間に、前記搬送路からの複数の仕分け対象物を対応する搬送台車の収容棚の高さに昇降させる昇降装置を備え、
前記昇降装置から下流側に、前記搬送台車の各収容棚に対応して高さ方向に複数設けられ、前記仕分け車両が走行する走行レールを備え、
前記搬送台車は、前記各走行レールの幅方向両側に位置することを特徴とする請求項5に記載の仕分けシステム。
【請求項7】
前記傾斜機構の前記第1及び第2支持ブロックに傾斜用駆動モータが連結されることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の仕分けシステム。
【請求項8】
前記仕分け車両の本体部に伝達ベルトを介して走行用駆動モータが連結されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の仕分けシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−52938(P2013−52938A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190562(P2011−190562)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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