説明

仕分け装置

【課題】省スペース化を図ることができる仕分け装置を提供する。
【解決手段】仕分け装置11は、物品Wを搬送する搬送ライン12と、搬送ライン12からの物品Wを仕分ける仕分け手段13とを備える。仕分け装置11は、仕分け手段13で仕分けた物品Wを搬送する複数の分岐搬送ライン14を備えている。対応する分岐搬送ライン14からの物品Wを一旦保持した後にその物品Wを複数の台車18の中から選択した台車18上に積み付ける複数の仕分け積付手段19を各分岐搬送ライン14に対応して配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省スペース化を図ることができる仕分け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば図6に示す仕分け装置1が知られている。この仕分け装置1は、物品Wを搬送する第1搬送ライン2と、第1搬送ライン2からの物品Wを仕分ける仕分け手段3と、仕分け手段3にて仕分けられた物品Wを搬送および貯留し店舗別仕分けストックエリアを構成する複数列、例えば20列のアキュームコンベヤライン4とを備えている。また、この仕分け装置1は、各アキュームコンベヤライン4からの物品Wを搬送する第2搬送ライン5と、この第2搬送ライン5に上流端部が接続され下流端部に段積み装置6を有する複数の段積みライン7とを備えている。
【0003】
なお、段積みライン7を有しない仕分け装置1も知られており、この仕分け装置1では、第2搬送ライン5の下流端位置において作業者が手作業で出荷パレットへの積付作業を行う(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−210471号公報(第2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記仕分け装置1では、例えば店舗別(方面別)に応じた多数のアキュームコンベヤライン4が必要となるため、比較的広い店舗別仕分けストックエリアを確保しなければならず、省スペース化を図れないおそれがある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、省スペース化を図ることができる仕分け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の仕分け装置は、物品を搬送する搬送ラインと、この搬送ラインからの物品を仕分ける仕分け手段と、この仕分け手段にて仕分けられた物品を搬送する複数の分岐搬送ラインと、この各分岐搬送ラインに対応して配設され、対応する分岐搬送ラインからの物品を一旦保持した後にその物品を複数の台車の中から選択された台車上に積み付ける複数の仕分け積付手段とを備えるものである。
【0007】
そして、仕分け手段にて1次仕分けを行い、仕分け積付手段にて2次仕分けおよび積み付けを同時に行うようにしたため、例えば比較的広い店舗別仕分けストックエリアを確保する必要がなく、省スペース化を図ることが可能である。
【0008】
請求項2記載の仕分け装置は、請求項1記載の仕分け装置において、台車上の物品が予め設定された設定段数になった場合に、その台車を所定位置まで移動させる台車払出し手段を備えるものである。
【0009】
そして、台車払出し手段が台車上の物品が予め設定された設定段数になった場合にその台車を所定位置まで移動させるため、作業効率が向上する。
【0010】
請求項3記載の仕分け装置は、請求項1または2記載の仕分け装置において、空の台車を仕分け積付手段に向けて搬送する台車搬送手段を備えるものである。
【0011】
そして、台車搬送手段が空の台車を仕分け積付手段に向けて搬送するため、作業効率が向上する。
【0012】
請求項4記載の仕分け装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の仕分け装置において、仕分け積付手段は、物品を保持するロボットハンドを有するロボットパレタイザであるものである。
【0013】
そして、物品を保持するロボットハンドを有するロボットパレタイザにて2次仕分けおよび積み付けを適切に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、仕分け手段にて1次仕分けを行い、仕分け積付手段にて2次仕分けおよび積み付けを同時に行うようにしたため、例えば比較的広い店舗別仕分けストックエリアを確保する必要がなく、省スペース化を図ることができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の仕分け装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1において、11は仕分け装置で、この仕分け装置11は、図示しないピッキングエリアでのピッキング作業により商品が収納されたオリコン等の物品Wを搬送する搬送ライン(メインライン)12と、この搬送ライン12からの物品Wを仕分ける仕分け手段13と、この仕分け手段13にて仕分けられた物品Wを搬送および貯留する複数(例えば4本)の分岐搬送ライン(一時ストック兼用搬送ライン)14とを備えている。なお、物品Wは、ピッキング作業の完了とともに通常3個を1単位として搬送ライン12に投入される。また、物品Wは、仕分け手段13にてバイパスラインであるリジェクトレーン15に仕分けられる場合がある。
【0017】
また、仕分け装置11は、各分岐搬送ライン14に対応して配設され、各分岐搬送ライン14の下流端側のコンベヤ部であるロボットステーションコンベヤ部16に対向して位置し、対応する分岐搬送ライン14からの物品Wを一旦保持した後にその物品Wを略円弧状に並んだ複数(例えば8つ)の台車(キャリー)18の中から選択された台車18上に複数段に積み付ける複数(例えば4つ)の仕分け積付手段であるロボットパレタイザ(以下、ロボットという)19を備えている。なお、隣合う2つのロボット19は、背面側が対向した状態で互いに近接状に配設されている。
【0018】
さらに、仕分け装置11は、物品Wに関する出荷情報、すなわち少なくとも出荷店舗(グループNo.)およびカテゴリ(ピッカーNo.)を含む出荷情報を取得する出荷情報取得手段20を備えている。出荷情報取得手段20は、例えば物品Wに付されたバーコードを読み取って出荷情報を取得するバーコード読取手段である。そして、出荷情報取得手段20にて取得された出荷店舗およびカテゴリに基づいて、仕分け手段13が一次仕分けを行いかつロボット19が二次仕分けおよび積み付けを行う。
【0019】
ここで、図2および図3に示すように、各ロボット19は、上下方向の回動中心軸線Xを中心として回動する回動体21と、この回動体21に設けられた多関節アーム等のロボットアーム22と、このロボットアーム22の先端部に設けられ物品Wを保持するロボットハンド23とを有している。
【0020】
そして、各台車18上には、例えば6段を一山とする1店舗最大2カテゴリ(カテゴリAの物品3個およびカテゴリBの物品3個)の物品Wが複数段に積み付けられる。なお、各ロボット19は、カテゴリ毎にまとまった積み付けを行い、それぞれの物品Wが個別に混在しないように積み付ける。
【0021】
また、仕分け装置11は、積付ステーション(積付位置)に位置した台車上の物品が予め設定された設定段数、例えば6段になった場合に、設定段数になったことを検知してその台車18を所定位置である払出し位置まで移動させる台車払出し手段25を備えている。
【0022】
台車払出し手段25は、例えばモータからの動力でベルトを駆動して台車18を案内レールに沿って移動させるもの、或いはエアーを噴射してそのエアーで台車18を案内レールに沿って移動させるもの等である。台車払出し手段25にて払い出された台車18は、作業者の手作業にて押されて出荷待機エリアまで運ばれる。
【0023】
なお、複数の積付ステーション(積付位置)は、ロボット19を中心とした円弧上の位置であり、複数の払出し位置は、互いに直交する2直線上の位置である。
【0024】
さらに、仕分け装置11は、空の台車18をロボット19に向けて搬送する台車搬送手段26を備えている。台車搬送手段26は、ベルトコンベヤ或いはローラコンベヤ等からなるもので、この台車搬送手段26の上流端部へは作業者の手作業にて空の台車18が供給される。この台車搬送手段26の下流端部まで搬送された空の台車18は、ロボット19のロボットハンド23にて一旦保持され、台車払出し手段25で払い出されて台車18がいない積付ステーションに供給される。
【0025】
次に、上記ロボット19の積付ステーションを決定する方法について説明する。
【0026】
基本条件は次のとおりである。すなわち、台車(キャリー)18への割り当てについては、同一出荷店舗(グループNo.)および同一出荷店舗最大2つのカテゴリ(ピッカーNo.)とする。台車18上では、同一カテゴリは連続で積み付ける。
【0027】
また、初めての出荷店舗の割り当ては、直前に割り当てた号機の次の号機に割り当てる。積付ステーションは優先順位に従う。空の積付ステーションがない場合、分岐搬送ライン14がアキューム満杯の場合は、次号機を検索する。なお、積付ステーションに設定段数または物品の予定数分(出荷店舗/カテゴリの最終物品)を分岐すると、その積付ステーションは出荷店舗の割り当てから解放する。つまり分岐搬送ライン14上にはまだ解放前の出荷店舗の物品Wが搬送されているが、積み付け完了を予測し、次の物品の割り当てを可能とする。また、すべての積付ステーションが満杯のとき、リジェクトレーン15にリジェク分岐する。
【0028】
ロボット19への割り当てについては、基本的に同一出荷店舗の物品Wは、同一ロボット19に割り当てる。つまり同一店舗の物品Wに対してホーム号機のロボット19を決める。積付ステーションの空がない場合は次号機のロボット19へ割り当てる。新たな出荷店舗が発生した場合は、次号機のロボット19へサイクリックに割り当てる。ロボットステーションコンベヤ部16の上流のアキュームが満杯の場合は、次号機のロボット19に割り当てる。
【0029】
積付ステーションへの割当ロジックは次のとおりである。すなわち、出荷情報取得手段20で物品Wのバーコードを読み取って積み付けを行うロボット19の号機と積付ステーションとを決定する。これは出荷店舗およびカテゴリで決定する。
【0030】
まず、新たな出荷店舗が発生した場合には、予め決められた優先順位(図3に示すA→E→D→H→B→F→C→G)の順に検索し割り当てる。
【0031】
既に同一出荷店舗が割り当てられ、出荷情報読取手段20を既に1単位数(1カテゴリー例えば3個)の物品Wが通過している場合、その積付ステーションに優先して割り当てて(最大2カテゴリ計6個として)積付ステーションを解放させる。その場合、ホーム号機以外から積付ステーションの優先順位の低い順に検索しホーム号機以外に割り当てられていた積付ステーションを優先して解放する。
【0032】
また、同一出荷店舗が既に割り当てられているが、出荷情報読取手段20を1単位数(1カテゴリー3個)の物品Wが通過していない場合、現在積付中の同一出荷店舗の隣の空きステーションに割り当てる。これにより、物品Wの最大2カテゴリ分積付完了時に、隣合う同一出荷店舗の2台の台車18を荷合わせし、例えば紐で括り付けることにより物品の転倒防止が図られ、また出荷待機エリアへの移動やトラックへの積み込みにおいて2台をまとめて移動でき作業効率が向上する。
【0033】
ただし、上記条件においても、分岐搬送ライン14がアキューム満杯であった場合には次号機を検索する。また全号機でアキューム満杯であった場合にはリジェクトレーン15行きとする。
【0034】
さらに、既に同一出荷店舗が既に割り当てられているが、その積付ステーションに最大2カテゴリ分既に割り当てられている場合、ホーム号機のロボット19から積付ステーションの割当ての優先順位に従って空の積付ステーションを検索する。その検索例を図4に示す。
【0035】
この検索例では、同一出荷店舗の物品Wが発生した場合には、既に割り当てられている積付ステーション「A」の横の空の積付ステーション「B」に割り当てる。同一出荷店舗の物品Wは、隣合う積付ステーションに最大4個まで割り当てるが、割り当てできない場合は次号機のロボット19に割り当てる。
【0036】
そして、上記仕分け装置11によれば、仕分け手段13にて1次仕分けを行い、ロボット19にて2次仕分けおよび積み付けを同時に行うようにしたため、従来とは異なり例えば比較的広い店舗別仕分けストックエリアを確保する必要がなく、省スペース化を図ることができる。すなわち、店舗別かつカテゴリ別の物品出荷システムである仕分け装置11を省スペースで提供できる。
【0037】
また、ロボット19を利用することで仕分けおよび積み付けを同時に処理でき、さらに搬送ライン12が停止することがないため、効率良く仕分け作業ができる。
【0038】
なお、仕分け装置11は、図5に示すように、2本の分岐搬送ライン14と、回動体21が略360度回動する2機のロボット19と、各ロボット19の両側にそれぞれ7台ずつ略円弧状に並んだ台車(キャリー)18とを備えたものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の仕分け装置の一実施の形態を示す平面図である。
【図2】同上仕分け装置のロボットパレタイザの側面図である。
【図3】同上仕分け装置のロボットパレタイザの平面図である。
【図4】同上仕分け装置による空の積付ステーションの検索例を示す説明図である。
【図5】本発明の仕分け装置の他の実施の形態を示す平面図である。
【図6】従来の仕分け装置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0040】
11 仕分け装置
12 搬送ライン
13 仕分け手段
14 分岐搬送ライン
18 台車
19 仕分け積付手段であるロボットパレタイザ
23 ロボットハンド
25 台車払出し手段
26 台車搬送手段
W 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送ラインと、
この搬送ラインからの物品を仕分ける仕分け手段と、
この仕分け手段にて仕分けられた物品を搬送する複数の分岐搬送ラインと、
この各分岐搬送ラインに対応して配設され、対応する分岐搬送ラインからの物品を一旦保持した後にその物品を複数の台車の中から選択された台車上に積み付ける複数の仕分け積付手段と
を備えることを特徴とする仕分け装置。
【請求項2】
台車上の物品が予め設定された設定段数になった場合に、その台車を所定位置まで移動させる台車払出し手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の仕分け装置。
【請求項3】
空の台車を仕分け積付手段に向けて搬送する台車搬送手段を備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の仕分け装置。
【請求項4】
仕分け積付手段は、物品を保持するロボットハンドを有するロボットパレタイザである
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の仕分け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−143344(P2006−143344A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−331637(P2004−331637)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【出願人】(598059387)株式会社パルタック (6)
【Fターム(参考)】