説明

付加的なトリムブレードを有する剃毛カミソリ

【課題】ブレード数を増やしても操作性やトリム能力が低下しない剃毛カミソリを提供する。
【解決手段】前面に主ガード22を有し、後部の上面に主キャップを有し、主ガードと前記主キャップとの間に1枚以上の主剃毛ブレードを有するハウジング、及びハウジングの後部に据え付けられ、上面から離れた方を向くトリムブレード刃先を有するトリムブレードを包含する剃毛カミソリ10において、ハウジングに固定される末端部にカーブ720を有する細長いハンドル14を有し、該カーブは、主ブレードと同じ側がくぼんだ状態である。また、ハウジングに固定されるハンドルの末端部において、主ブレードと同じ側に指パッドを有し得る。さらに、ハウジングに固定されるハンドルの末端部において、2つの部分の間に領域が存在するように2つの部分に分岐し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリムブレードを有する剃毛カミソリに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、ジレット社(The Gillette Company)により3枚刃のマッハスリー(Mach III)カミソリとして商品化された設計様式について全般的に記載する、米国特許第5,787,586号に記載される特許文献において、様々な数のブレードを有する剃毛カミソリが考案され、商品化されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
剃毛カミソリ上のブレードの数を増やすと、一般に、カミソリの剃毛効率が高まり、皮膚上の圧縮力の配分が改善される傾向にあるが、抵抗力が高まり、操作性が低下し、また例えばもみあげや鼻付近をトリムする能力が低下する傾向もあり得る。参考として本明細書に組み込まれる米国特許第6,276,061号は、トリムするため、3枚刃のカミソリの後方に、角度を成すブレード支持体上に据え付けられた追加ブレードを配置することについて記載している。この特許は、ブレードをハウジング上に固定する方法については記載しておらず、本明細書で図14に示すように、マッハスリーカミソリで採用された種類のカートリッジ及びハンドル設計上にブレードを取り付けて示している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、本発明は一般に、前面に主ガードを有し、後部の上面に主キャップを有し、主ガードと前記主キャップとの間に1枚以上の主剃毛ブレードを有するハウジングと、ハウジングの後部に据え付けられ、上面から離れた方を向くトリムブレード刃先を有するトリムブレードを包含する剃毛カミソリを特徴とする。カミソリはまた、ハウジングに固定される末端部にカーブを有する細長いハンドルを有し、該カーブは、主ブレードと同じ側がくぼんだ状態である。
【0005】
別の態様において、本発明は一般に、主ガード、主キャップ、主ガードと主キャップとの間の1枚以上の主剃毛ブレード、上面から離れた方を向く刃先を有するハウジングの後部のトリムブレード、を有するハウジングと、ハウジングに固定されるハンドルの末端部において、主ブレードと同じ側に指パッドを有する細長いハンドルと、を包含する剃毛カミソリを特徴とする。
【0006】
別の態様において、本発明は一般に、主ガード、主キャップ、主ガードと主キャップとの間の1枚以上の主剃毛ブレード、上面から離れた方を向く刃先を有するハウジングの後部のトリムブレード、を有するハウジングと、該ハウジングに固定されるハンドルの末端部において、2つの部分の間に領域が存在するように2つの部分に分岐した細長いハンドルと、を包含する剃毛カミソリを特徴とする。
【0007】
本発明の特定の実施形態は、以下の特徴の1つ以上を包含してもよい。指パッドは、エラストマー材で作ることができる。ハンドルは、指パッドへのアクセスを提供する取り除かれた部分を有し得る。3枚又は4枚又は5枚又はそれ以上の主ブレードが存在し得る。ハウジングは、トリムブレードが毛を切断するときの前記ハウジングの旋回を防ぐために、休止時停止位置を有する連結部によってハンドルに枢結することができる。
【0008】
本発明の実施形態は、以下の利点の1つ以上を包含してもよい。主ブレードと同じ側にあるハンドルのカーブ、同じ側にある指パッド、及び分岐ハンドルによって与えられた指パッドへのアクセスにより、ユーザーは、更なる精度及び制御をもたらすために、ユーザーの皮膚上のもみあげ又は他のほおひげ若しくは毛をトリムするとき、トリムブレードの真下に沿って親指又は指を置くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】剃毛カミソリの斜視図。
【図2】ハンドルから分離した取替え式カートリッジを示す、図1のカミソリの斜視図。
【図3】主ブレードを取り除いた状態の、図1のカミソリのブレードユニットの斜視図。
【図4】図3のブレードユニットのトリム組立体の平面図。
【図5】図4のトリム組立体の背面図。
【図6】図4のトリム組立体の底面図。
【図7】図4のトリム組立体の正面図。
【図8】図6の8−8で取った、図3のブレードユニットのハウジングの垂直断面図。
【図9】図6の9−9で取った、図3のブレードユニットの部分の垂直断面図。
【図10】図6の9−9で取った、図3のブレードユニットの一部分の垂直断面図。
【図11】ブレードを取り除いた状態の、図3のブレードユニットの斜視図。
【図12】図3のブレードユニットのハウジング後方の斜視図。
【図13】トリムブレードを取り除いた状態の、トリム組立体の代替実施形態のブレード支持体構成要素の斜視図。
【図14】剃毛するために皮膚にあてがわれた従来技術の装置を示している。
【図15】剃毛するために皮膚にあてがわれた図1のカミソリを示している。
【図16】図15に示した配向から90°回転された図1のカミソリを示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のその他の利点及び特徴は、以下の特定実施形態の説明から、また請求項から明らかとなるであろう。
【0011】
図1及び2に関して、剃毛カミソリ10は、使い捨てカートリッジ12とハンドル14とを包含する。カートリッジ12は、S字ハンドル14に連結する連結部材18と、連結部材18に枢結されたブレードユニット16とを包含する。ブレードユニット16は、プラスチックハウジング20、ハウジング20の前方の主ガード22、ハウジング20の後方の潤滑ストリップ26を有するキャップ24、主ガード22と主キャップ24との間の5枚の細長いブレード28、及び留め具32(これはまた、ハウジング20上にブレード28を保持させる)によってハウジング20の後方に取り付けられたトリムブレード組立体30を包含する。
【0012】
図3に関して、トリムブレード組立体30は、ハウジング20の後部に固定されており、その上に据え付けられたブレード支持体502とトリムブレード504とを包含する。ブレード支持体502は、切断及び成形された厚さ0.028cm(0.011インチ)のステンレス鋼シートメタルで作られ、トリムブレード504を支持してトリムガード及びキャップ表面を画定するための、並びにハウジング20へ取り付けるための構造体を提供する。
【0013】
図3〜9に関して、ブレード支持体502は、後壁506、2つの末端部において後壁506の頂部から曲がって前方に伸びる上部タブ508、510、後壁506の底部において後壁506の長さに沿って曲がって前方に伸びる下壁512、及び2つの横側面部514、516(その各々は、後壁506の末端部にて各側面から曲がって前方に伸びる側部タブ518と、下壁512の各末端部から曲がって上方に伸びる垂直タブ520とで作られている)を有する。
【0014】
後壁506の中央部は、その下部が開いており、後壁506の下部終端面526と、下壁512から上方に伸びるトリムガード528との間に位置する間隙522を提供する。2つの位置整合面530は、終端面526の2つの末端部において、終端面526の基部から精確な距離をおいて配置されている。トリムブレード504は、トリムブレード504の刃先536を位置整合面530と整列させた状態で、13箇所のスポット溶接534によって後壁506の内面532に溶接される。ユーザーの皮膚と接触する間隙524を取り囲む縁部はすべて、丸みを帯びており、ユーザーに触れないように0.2mmの曲率半径を備える。
【0015】
図3、5〜10に関して、間隙522は、トリムブレード504の刃先536を露出させる。図9において恐らく最もよく分かるように、後壁506及びその下部終端面526は、トリムブレード504及びその刃先536のためのトリムキャップ535を提供し、トリムブレード504の露出を画定する。図3及び10に関して、2つの皮膚保護用突起部537は、ユーザーの皮膚がトリム刃先536とトリムガード528との間の空間の中に張り出し得る量を制限するために、2つの末端部から、トリム刃先536からトリムガード528までの接線の後方の空間にわたる入り口部分を区切っている。
【0016】
図4及び6に関して、上部側面タブ508及び510は、上部スロット538を有し、下壁512は、トリムブレード組立体30をハウジング20に固定するために使用する留め具30を受け入れるための一直線に並んだスロット540を有する。図3及び6に関して、下壁512はまた、ハウジング20上の適切な位置に組立体30を位置整合及び保持するのを容易にするために、ハウジング20上の突起部544と噛み合うための凹部542を有する。
【0017】
図3、6、8、9、11、12に関して、下壁はまた、剃毛中に刃先536の後方及び下方領域から剃毛片を除去するために、ハウジング20内の4つの凹んだ破片除去用通路548と位置整合された4つの破片除去スロット546を有する。
【0018】
製造中、ブレード支持体506をシートメタルから形成し、切断する。次に、トリムブレード504は、刃先536を自動配置部材を有する位置整合面530と一直線にさせた状態で、内面532に接して配置され、その後、トリム刃先56をトリムガード528及びトリムキャップ534に対して正確な位置においた状態で、スポット溶接534によって内面532に固定される。次に、トリム組立体30は、下壁512上の凹部542をハウジング20上の突起部544と位置整合させた状態で、トリム組立体30をハウジング20の後方を覆って前方へ滑らせることによって、ハウジング20の後部に配置される。同時に、ハウジング20上の上部圧潰隆起(crush bumps)552及び下部圧潰隆起554(図8)は、ハウジング20の後部の方へ組立体30を前方に動かすとき、上部タブ508、510と下壁512との間に加わる圧縮によって変形される。次に、組立体30は、留め具32によってハウジング20に固定され、留め具は、ブレード支持体506上の上部スロット538と、下部スロット540と、ハウジング20を通して位置整合されたスロット550と、を通る。
【0019】
使用中、剃り手は、親指が主ガード22付近の側面上の指パッド726(図14及び15)上にくるようにハンドル14を通常の握り位置から180°回転させ、例えば、他の方法では剃りにくい位置にある毛を剃る場合、ほおひげの下端、又は口ひげ若しくはあごひげの縁、又は剃り手の鼻下をきれいにするための所望の位置において、ブレードユニットの後方を、トリムするべき毛の縁に沿って、トリムブレード504で剃るべき皮膚区域の方へ動かす。ブレードユニット16は、その休止時に連結部材18に対する停止位置に位置しており、故に、ユーザーがブレードユニット16の後方及び刃先536を皮膚に押し付け、次に、これを皮膚の上で横方向に動かして毛をトリムするときに旋回することがない。トリム中に刃先536の裏側の領域に向う切断された毛及び他の剃毛片は、ハウジング20内の破片除去用通路548を通り抜け、トリム中に下壁にある一直線に並んだ破片除去スロット546、並びに全領域、並びに破片除去用通路及びスロットは、水の中ですすぐ間、例えば剃毛ストローク又はトリムストロークの間に簡単にきれいになる。切断された毛及び剃毛片はまた、通路548の後部及び下壁512の上の通路549を通り抜けることができる。
【0020】
トリムブレード504の刃先536の、ブレードユニットの後壁506に対して引っ込んだ配置により、カートリッジ12及びカミソリ10の取扱い中、ユーザーの皮膚を切らないようにする。トリムブレード及びトリムガードを、剃毛カミソリブレードユニットのハウジングに取り付けた共通の組立体に含めることにより、トリムブレードに対してトリムガードを精確に位置決めすることが容易になり、精確なトリムブレードの接線角及びトリムブレードの範囲を提供する。
【0021】
図13に関して、代替のブレード支持体600は、離間した部分604を有する櫛状ガード602を包含しており、剃毛片の除去を容易にし、もみあげ及び他の長い毛のトリムを容易にし、また製造プロセスにおいてガードを形成する間にガード表面を精確に配置することを容易にする。ブレード支持体600はまた、トリムブレード504とハウジング20(図9参照)の間に挟まった毛を除去するための、すすぎ用開口部606を有する。この実施形態では、ハウジング20とブレードとの間の空間は、切断した毛及び剃毛片の除去を容易にするために、図10に示したものよりも大きく作られる。
【0022】
図14に関して、カミソリ700におけるマッハスリー型のハンドル設計では、精確な制御を提供するために、ハンドル702の末端部が第1カーブ706と第2逆カーブ708とを含むS字カーブ704を含み、カーブは、皮膚表面714上をトリムする際、カートリッジ712の末端部710にあるトリムブレードを使用するときにユーザーが好んで親指又は指を置く位置において張り出していることが分かる。
【0023】
図15及び16に関して、ハンドル14は、末端部において、主ブレード28と同じ側がくぼんだ単一の緩やかなカーブ720を包含する。ハンドル14は、2つの部分722、724に分岐しており、それらの間に何も無い領域を備え、カーブ720のくぼんだ側に配置された指パッド726にアクセスできるようにしている。主ブレード及び指パッド726と同じ側にある緩やかなカーブ720、並びに分岐ハンドルによってもたらされたパッド726へのアクセスにより、ユーザーは、ユーザーの皮膚730上のもみあげ又は他のほおひげ若しくは毛をトリムするとき、図14に示した始端728に配置されているトリムブレード504の真下に沿って親指又は指を置くことが可能となる。指パッド726は、エラストマー材で作られており、良好な係合をもたらすための突起部を有する。部分722、724の内側表面732、734は、指パッド726にアクセスできるように取り除かれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剃毛カミソリであって、
前面に主ガードを有し、後部の上面に主キャップを有し、前記主ガードと前記主キャップとの間に1枚以上の主剃毛ブレードを有するハウジングと、
前記ハウジングの後部に取り付けられ、前記上面から離れた方を向くトリムブレード刃先を有するトリムブレードと、
前記ハウジングに固定される第1端部を有する細長いハンドルと、
を備え、
前記ハンドルが、前記第1端部において、前記主ブレードと同じ側がくぼんでいるカーブを有する、剃毛カミソリ。
【請求項2】
剃毛カミソリであって、
前面に主ガードを有し、後部の上面に主キャップを有し、前記主ガードと前記主キャップとの間に1枚以上の主剃毛ブレードを有するハウジングと、
前記ハウジングの後部に取り付けられ前記上面から離れた方を向くトリムブレード刃先を有するトリムブレードと、
前記ハウジングに固定される第1端部を有する細長いハンドルと、
を備え、
前記ハンドルが、前記第1端部において、前記主ブレードと同じ側に指パッドを有する、剃毛カミソリ。
【請求項3】
剃毛カミソリであって、
前面に主ガードを有し、後部の上面に主キャップを有し、前記主ガードと前記主キャップとの間に1枚以上の主剃毛ブレードを有するハウジングと、
前記ハウジングの後部に取り付けられ前記上面から離れた方を向くトリムブレード刃先を有するトリムブレードと、
前記ハウジングに固定される第1端部を有する細長いハンドルと、
を備え、
前記ハンドルが前記第1端部において2つの部分に分岐しており、前記2つの部分の間に領域が存在している、剃毛カミソリ。
【請求項4】
前記ハンドルが、前記第1端部において、前記主ブレードと同じ側に指パッドを有する、請求項1に記載の剃毛カミソリ。
【請求項5】
前記ハンドルが、前記第1端部において、前記主ブレードと同じ側に指パッドを有する、請求項3に記載の剃毛カミソリ。
【請求項6】
前記ハンドルが、前記第1端部において2つの部分に分岐し、前記2つの部分の間に領域が存在している、請求項1に記載の剃毛カミソリ。
【請求項7】
前記指パッドがエラストマー材で作られている、請求項2、4又は5に記載の剃毛カミソリ。
【請求項8】
前記ハンドルが、前記指パッドへのアクセスを提供するような、取り除かれた部分を有する、請求項2、4又は5に記載の剃毛カミソリ。
【請求項9】
前記主剃毛ブレードは3枚以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の剃毛カミソリ。
【請求項10】
前記主剃毛ブレードは4枚以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の剃毛カミソリ。
【請求項11】
前記主剃毛ブレードは5枚以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の剃毛カミソリ。
【請求項12】
前記ハウジングが、トリムブレードが毛を切るときに前記ハウジングが旋回するのを防ぐための休止時停止位置を有する連結部によって、前記ハンドルに枢結されている、請求項1〜3のいずれかに記載の剃毛カミソリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−125726(P2011−125726A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14435(P2011−14435)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【分割の表示】特願2007−502897(P2007−502897)の分割
【原出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)