説明

付着性の高い薬物を含有する錠剤の製造方法

【課題】 付着性の高い薬物を含む粉末を、工程が簡略化された方法で、打錠障害を起こすことなく、錠剤化する製造方法を提供すること。
【解決手段】 付着性の高い薬物と、該薬物100重量部に対して20〜100重量部の吸水性添加剤と10〜200重量部の冷水可溶分が10%以下である部分アルファー化デンプンを含む粉体であって、該吸水性添加剤が、比表面積100m/g以上かつ吸水量1.0g/ml以上の吸水性添加剤Aと比表面積2m/g以下かつ沈降体積14ml以上の吸水性添加剤Bからなり、配合比率が吸水性添加剤A:吸水性添加剤B=1:1〜1:8である該粉体を、低速の回転容器型混合機で混合した後、混合した粉体をそのまま回転式打錠機に供給して打錠する、付着性の高い薬物を含む錠剤を直接打錠法において打錠障害なく得るための製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は付着性の高い薬物を含有する錠剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物同士や機器、容器に対する付着性の高い薬物の粉末は、特別に配慮した処方でないかぎり固形製剤とすることは困難であった。薬物同士の付着性が強い場合、粉体の流動性が悪くなり、錠剤の製造にあたっては、打錠機への粉体の供給量にばらつきが生じ、錠剤の重量ばらつきを生じさせ、酷い場合にはホッパー内でブリッジを形成し粉体が供給されなくなってしまうという問題が生じる。
また、打錠機に粉体が供給された後も、薬物と打錠機の臼杵への付着性が高い場合には、打錠の際に、打錠機の臼杵等に薬物が付着し、さらに打錠を継続すると臼杵への付着物によって錠剤の刻印が欠けたり、錠剤自体が欠けたり、臼杵の破損を招く、スティッキングという問題が発生する。従来、このような付着性の高い薬物に対する改善処方としては、例えばステアリン酸マグネシウムの様な滑沢剤を多量に使用する処方がある。しかし、この技術を適用すると、該製剤の崩壊性、溶出性さらには生物学的利用能を損ない、錠剤とした場合には、その硬度が著しく低下するという欠点を有する。
【0003】
また、付着性の高い薬物に対しては、一般的に、湿式造粒法あるいは乾式造粒法が用いられる。それは以下のような理由からである。
湿式造粒法とは、薬物粉末を添加剤と水の存在下で結合させて顆粒にした後、乾燥・整粒した顆粒を打錠に用いる方法であり、乾式造粒法とは、薬物粉末と添加剤を混合した後圧縮固化し、破砕、整粒した顆粒を打錠に用いる方法である。
湿式及び乾式造粒法は、粒子を大きくすることにより、打錠粉体の比表面積を小さくし、なおかつ薬物と添加剤を混ぜて造粒することにより、薬物の露出面積を小さくする。したがって、造粒法は、薬物同士や、薬物と杵の接触する確率を減らすことで、打錠時の粉体同士、薬物と打錠臼杵の間の付着性を減らすのに効果がある。ゆえに、付着性の高い薬物に対しては、造粒法が一般的に用いられる。
【0004】
しかしながら、湿式造粒法は、主薬と賦形剤を混合する工程、水または水溶成分を含む水溶液を添加して造粒する工程、乾燥する工程、乾燥後の顆粒を整粒する工程を経た後に、打錠を行う方法であり、多くの工程、装置、エネルギーを必要とする。また工程分のプロセスバリデーションを必要とする。プロセスバリデーションとは、「ある工程において、定められた仕様及び品質特性に一貫して合致する製品を製造することを、高度に保証できるよう文書でその証拠を確立すること」であり、工程が多いほどプロセスバリデーションの数も増えるため、労力及び費用を要する。したがって、湿式打錠法は、これらの理由により、コストがかかるという欠点がある。また、顆粒を圧縮した錠剤は、顆粒までは崩壊しやすいが、粉体にまでは容易に崩壊しない場合が多く、薬物の溶出が遅くなるという欠点や、水で失活する薬物に対して使用できない、等という欠点もある。
【0005】
乾式造粒法も、主薬と賦形剤を混合する工程、圧縮する工程、粉砕する工程、整粒する工程を経た後に、打錠を行う方法であるため、湿式造粒法と同様、多くの工程及び装置を必要とし、コストがかかるという欠点がある。また、顆粒は一度圧縮を経ることから、顆粒から粉体にまで容易に崩壊せず、薬物の溶出が遅くなるという問題がある。
一方、直接打錠法は、薬物を含む粉体を混合してそのまま打錠機に供給して打錠する方法であるため、湿式及び乾式造粒法に比べて、工程及び装置が少なくなるためコスト面ではかなり有利である。しかしながら、付着性の高い薬物の場合に直接打錠法を用いようとする場合には、薬物は粉体のままであるため、薬物同士の付着性が高く、打錠粉体の流動性が悪いという問題と、薬物と機器との付着性が高く打錠時にスティッキングが発生しやすい等の問題がある。薬物の付着性を抑制するための添加剤を多く配合することも考えられるが、錠剤が大きくなる、もしくは薬物の含有量が減るという問題がある。また付着性を抑制する添加剤を多く配合して直接打錠を行った場合、スティッキングは抑制されるが、添加剤の種類によっては、錠剤にクラックが発生したり、一部が剥離したりするキャッピングという新たな打錠障害が発生するという問題が生じる。
【0006】
薬物表面を表面改質剤で改質して付着性を低減させるという技術もあるが、薬物の表面改質する工程が加わり、かつ表面改質には大きな機械的剪断力を有する、高速攪拌混合造粒機等に代表される、固定容器型混合機を、通常の粉体混合に用いられる低速の回転容器型混合機とは別に必要とする。大きな機械的剪断力を有する固定容器型混合機は、内部に剪断力を発生させるために、容器内に羽根が付いている構造で、その羽根の回転数は数百〜数千rpmに達する。ゆえに、回転容器型混合機に比べ構造が複雑となり、動力も必要とするために、コストがかかる。さらに、付着性が特に高い薬物の場合、表面を改質しても、薬物が打錠される時に薬物が破砕され、その際に改質されていない面に出現して付着が起こるため、表面改質だけではスティッキングを完全に抑制できないという問題がある。
ゆえに、これまで付着性の高い薬物を、通常の低速の回転容器型混合機による混合と打錠だけで行う、工程の簡略化された直接打錠法にて、スティッキング、キャッピングを起こさずに錠剤を製造することは困難であった。
【0007】
付着性の高い薬物の打錠時の打錠障害を解決する手段として、例えば以下のものが挙げられる。特許文献1には、付着性の高い薬物に対して総吸水能が1.7以上となるよう添加剤を添加する技術が開示され、特許文献2には付着性の高い薬物に対してメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを添加する技術が開示されている。しかしながら、これらの技術は打錠の際に湿式造粒法を用いる技術であり、直接打錠法による錠剤の製造を想定した技術ではない。特許文献3から9にも、付着性の高い薬物に添加剤の種類、添加量を規定することにより打錠障害を解決する技術が開示されているが、これらも同様に打錠の際に湿式造粒法を用いるか、さらにその表面に噴霧被覆を行う技術であり、直接打錠法による錠剤の製造を想定した技術ではない。
【0008】
一方、薬物と添加剤を組み合わせて直接打錠を行う技術は多く開示されている。例えば、特許文献10に、薬物を表面改質基剤で表面改質し、崩壊剤として部分アルファー化デンプンを添加して、直接打錠法により速崩壊錠を製造する技術が開示されている。しかしながら、当該技術においては、表面改質基剤は薬物の表面を改質して薬物の流動性を改善する目的で添加されており、直接打錠法においての薬物の付着性、打錠障害の改善を目的としていない。また、表面改質においては、表面改質装置、高速混合機、高速攪拌混合機造粒機、万能練合機等の機械的攪拌力を与える強い装置で、薬物の表面に表面改質基剤を物理的に付着させる必要がある。また部分アルファー化デンプンは錠剤の崩壊性を付与するために、崩壊剤として添加されており、薬物の付着性、打錠障害を改善する目的の記載はない。
【0009】
【特許文献1】特公平7−74153号公報
【特許文献2】特開平10−279476号公報
【特許文献3】特開平9−169641号公報
【特許文献4】特開平9−255569号公報
【特許文献5】特開平10−182448号公報
【特許文献6】特開平11−21236号公報
【特許文献7】特開平11−255643号公報
【特許文献8】特許第2989676号公報
【特許文献9】特開2000−016936号公報
【特許文献10】国際公開00/54752公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、付着性の高い薬物を含む粉末を、工程が簡略化された方法で、打錠障害を起こすことなく、錠剤化する製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、付着性の高い薬物の、打錠時の付着性・流動性等の打錠障害を直接打錠法において解決する手段について、鋭意研究を重ねた結果、付着性の高い薬物と、該薬物100重量部に対して20〜100重量部の吸水性添加剤と10〜200重量部の冷水可溶分が10%以下である部分アルファー化デンプンを含む粉体であって、該吸水性添加剤が、比表面積100m/g以上かつ吸水量1.0g/ml以上の吸水性添加剤Aと比表面積2m/g以下かつ沈降体積14ml以上の吸水性添加剤Bからなり、配合比率が吸水性添加剤A:吸水性添加剤B=1:1〜1:8である該粉体を、低速の回転容器型混合機で混合した後、混合した粉体をそのまま回転式打錠機に供給して打錠する製造方法において、スティッキング、キャッピングの打錠障害の問題を起こすことなく、錠剤を得ることができることを見出し、付着性の高い薬物を含む錠剤を直接打錠法において打錠障害なく得るための製造方法を確立した。
【0012】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)付着性の高い薬物と、該薬物100重量部に対して20〜100重量部の吸水性添加剤と10〜200重量部の冷水可溶分が10%以下である部分アルファー化デンプンを含む粉体であって、該吸水性添加剤が、比表面積100m/g以上かつ吸水量1.0g/ml以上の吸水性添加剤Aと比表面積2m2/g以下かつ沈降体積14ml以上の吸水性添加剤Bからなり、配合比率が吸水性添加剤A:吸水性添加剤B=1:1〜1:8である該粉体を、低速の回転容器型混合機で混合した後、混合した粉体をそのまま回転式打錠機に供給して打錠する、付着性の高い薬物を含む錠剤を直接打錠法において打錠障害なく得るための製造方法。
(2)付着性の高い薬物が、薬物1gまたは1mlを溶かすのに必要な量が100g未満であることを特徴とする(1)の製造方法。
(3)付着性の高い薬物が、結晶水を有する薬物であることを特徴とする(1)の製造方法。
(4)付着性の高い薬物が、融点の低い薬物であることを特徴とする(1)の製造方法。
(5)粉末が薬物100重量部に対して10〜150重量部の結晶セルロース含むことを特徴とする(1)〜(4)記載の錠剤の製造方法。
(6)(1)〜(5)記載の製造方法で製造される錠剤。
【発明の効果】
【0013】
付着性の高い薬物を含有する錠剤を、従来技術では難しかった直接打錠法を用いて製造する場合においても、付着性、錠剤の重量ばらつきという打錠障害の問題を解決し、付着性の高い薬物を含む粉末を、工程が簡略化された方法で、打錠障害を起こすことなく、錠剤化する製造方法を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について、具体的に説明する。
本発明において用いられる付着性の高い薬物とは、溶質1gまたは1mLを溶かすのに必要な水の量が100g未満である薬物、結晶水を含有する薬物、あるいは融点の低い薬物の少なくともいずれか1つに分類される薬物である。
溶質1gまたは1mLを溶かすのに必要な水の量が100g未満である薬物としては、サリチル酸ナトリウム、アスコルビン酸、サリチル酸コリン、アミノピリン、スルピリン、ロキソプロフェン・ナトリウム、塩酸チアラミド、メシル酸ジメトチアジン、ミグレニン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、クエン酸ペントキシベリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、酒石酸アリメマジン、トラネキサム酸、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸ジフェンヒドラミン、プロメタジン、塩酸プロメタジン、塩酸トリプロリジン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸レナンピリジン、塩酸クロブチノール、塩酸クロフェダノール、塩酸L−エチルシステイン、塩酸L−メチルシステイン、塩酸エフェドリン、dl−塩酸エピネフリン、塩酸クロルプレナリン、硫酸オシルプレナリン、硫酸サルブタモール、クエン酸イソアミニル、クロペラスチン、L−アスパラギン酸カルシウム、ペンジルペニシリンカリウム、フェニルメチルペニシリンンカリウム、プロピシリンカリウム、オキサシリンナトリウム、クロキサシリンナトリウム、フルクロキサシリンナトリウム、ヘタシリンカリウム、塩酸レナンピシリン、塩酸ドキシサイクリン、塩酸リンコマイシン等が挙げられる。
【0015】
結晶水を含有する薬物としては、スルピリン、塩酸メクリジン、塩酸トリプロリジン、リン酸コデイン、ロキソプロフェン・ナトリウム、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、クエン酸イソアミニル、塩酸トリメトキノール、L−アスパラギン酸カルシウム、オキサシリンナトリウム、クロキサシリンナトリウム、ジクロキサシリンナトリウム、アンモキシリン、フルクロキサシリンナトリウム、塩酸リンコマイシン等が挙げられる。
融点の低い薬物は、融点が100℃以下である薬物であり、アルクロフェナク、イブプロフェン、ケトプロフェン、メピリゾール、ブコローム、エモルファゾン、チアプロフェン酸、ナブメトン、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、生薬エキス末等が挙げられる。
【0016】
これらの付着性の高い薬物は、3つに分類したものの中から、同じ種類に分類される薬物を2種以上組み合わせても良いし、異なる種類に分類される薬物を2種以上組み合わせても良い。さらに、付着性の高い薬物と、付着性の高い薬物として分類されない薬物を2種以上組み合わせても良い。
これらの付着性の高い薬物のうち、本発明の効果が高く得られるのは、溶質1gまたは1mLを溶かすのに必要な水の量が100g未満である薬物、または、結晶水を有する薬物であり、最も効果が高く得られるのは、溶質1gまたは1mLを溶かすのに必要な水の量が100g未満である薬物であり、かつ結晶水を有する薬物である。そのような薬物としては、スルピリン、リン酸コデイン、ロキソプロフェン・ナトリウム、塩酸リンコマイシン、クロキサシリンナトリウム、フルクロキサシリンナトリウム等が挙げられる。
錠剤1錠中の薬物の含有量は、特に規定されるものではないが、錠剤1錠あたり0.1〜70重量%含有することが好ましい。
【0017】
本発明に用いられる吸水性添加剤は、その配合量が少なすぎる場合、付着性を改善する効果が得られないため好ましくない。逆に多すぎる場合、粉体の流動性を悪化させたり、錠剤にクラックが発生したり、一部が剥離したりするキャッピングが起こるため好ましくない。吸水性添加剤の配合量は、薬物100重量部に対して20〜100重量部、好ましくは20〜70重量部である。
【0018】
本発明の吸水性添加剤は、2種類の吸水性添加剤Aと吸水性添加剤Bからなる。
本発明に用いられる吸水性添加剤Aは、比表面積が100m/g以上、かつ吸水量が1.0ml/gである添加剤である。比表面積が100m/g以上であっても、吸水量が1.0ml/g未満の場合、また吸水量が1.0ml/g以上であっても、比表面積が100m/g未満である場合は、付着性を充分に抑制できないため好ましくない。
【0019】
吸水性添加剤Aである添加剤として、具体的には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム等が挙げられ、市販品としては、それぞれノイシリン(富士化学工業(株))製、アエロジル(日本アエロジル(株))製、フローライト((株)トクヤマ製)等が挙げられる。吸水性添加剤Aは、比表面積が大きいほど付着性を抑制する効果が高いため好ましく、また、吸水量が大きいほど付着性を抑制する効果が高いため好ましい。この点において、吸水性添加剤Aの中では、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが好ましい。また、これらの吸水性添加剤Aは、単独で使用しても良いし、2種以上を使用しても良い。
【0020】
吸水性添加剤Aは、付着性の高い薬物、吸水性添加剤B、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、及びその他添加剤の全ての成分と一括して混合しても良いし、吸水性添加剤Aを1種以上の特定の成分に混合した後に、残りの成分を混合する、いわゆる前処理混合に使用しても良い。吸水性添加剤Aを分割して、前処理混合を複数の成分に対して行い、それらを混合しても良い。吸水性添加剤Aの添加量は、薬物100重量部に対して、5〜20重量部であること好ましい。
【0021】
本発明に用いられる吸水性添加剤Bは、比表面積が2m/g以下、かつ沈降体積が14ml以上である添加剤である。沈降体積が14ml未満の場合は、比表面積に関わらず付着性を充分に抑制できないため好ましくない。比表面積が2m/gより大きい場合、粉体の流動性悪化、キャッピング発生につながり好ましくない。
吸水性添加剤Bである添加剤として、具体的には、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上使用しても良い。
【0022】
本発明においては、比表面積の大きく異なる吸水性添加剤Aと吸水性添加剤Bの配合量、及び配合比率を規定することで、直接打錠時のスティッキングとキャッピングを同時に抑制することができる。
吸水性添加剤Aと吸水性添加剤Bの配合比率については、吸水性添加剤Aの量に対して吸水性添加剤Bが同量より少ない場合、付着性を改善する効果が充分に得られないため好ましくない。吸水性添加剤Aに対して、吸水性添加剤Bが多すぎる場合は、粉体の流動性を悪化させたり、錠剤にクラックが発生したり、一部が剥離したりするキャッピングが起こったりするため好ましくない。吸水性添加剤Aと吸水性添加剤Bの配合比率は吸水性添加剤A:吸水性添加剤B=1:1〜1:8、好ましくは1:1〜1:5である。
【0023】
本発明に用いられる部分アルファー化デンプンは、冷水可溶分が多い場合には充分に付着性を抑制することができないため好ましくない。付着性改善効果を得るためには、冷水可溶分は10%以下であり、さらに5%以下が好ましい。具体的には、PCS(旭化成ケミカルズ(株)製)が好ましい。部分アルファー化デンプンの配合量は少なすぎると薬物の付着性を充分に抑制できず、打錠時の流動性、付着性を改善できないため好ましくない。配合量が多い分については付着性、流動性に特に問題を与えるものではないが、多すぎると、薬物、吸水性添加剤、結晶セルロース等の1錠中の含有量を確保できない。また、錠剤の成形性が不足しキャッピングを起こすため好ましくない。部分アルファー化デンプンの配合量は、薬物100重量部に対して、10〜200重量部、好ましくは20〜150重量部、さらに好ましくは30〜100重量部である。
【0024】
本発明においては、さらに結晶セルロースを配合する。結晶セルロースは、薬物を含む粉体の付着性、流動性をさらに改善し、錠剤の成形性を向上させる効果がある。結晶セルロースは、医薬品添加剤として使用される物であれば特に制限はなく、いくつかの性質の異なる種類の結晶セルロースのうちの1種類を単独で用いても良いし、2つ以上の種類の混合物を用いても良いが、結晶セルロースの中でも、平均重合度が150−450、250μmオン10%以下、75μm以下の粒子L/Dが2.0−4.5、見掛け比容積4.0−7.0cm/g、安息角55度以下の結晶セルロースを使用することが、結晶セルロースの添加効果が大きく得られるため、好ましい。結晶セルロースの配合量としては、その配合量が少なすぎる場合、その効果が得られないため好ましくない。また、配合量が多い場合、薬物、吸水性添加剤、部分アルファー化デンプンの配合量を確保できないため好ましくない。結晶セルロースの配合量は、薬物100重量部に対して、10〜150重量部、好ましくは30〜120重量部である。
【0025】
本発明においては、上記の成分以外にさらに薬学的に許容される添加剤を配合してもよく、結晶乳糖、造粒乳糖等の乳糖類、D−マンニトール、白糖、エリスリトール、トレハロース等の糖類及び糖アルコール類、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン等のデンプン類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体、三二酸化鉄等の着色剤、アステルパーム等の甘味剤、等が挙げられる。
【0026】
これらの粉体の混合には、低速の回転容器型混合機を用いる。低速の回転容器型混合機とは、容器に取り付けられた軸を中心として、容器自体が回転することで粉体を持ち上げ、粉体が重力により落下することで混合を行う混合機であり、粉体の混合が主に移動混合、拡散混合により行われる混合機である。回転容器型混合機の種類としては、V型混合機、二重円錐型混合機、タンブラー型混合機、水平円筒型混合機、傾斜円筒型混合機、正立法型混合機、円錐型混合機、Yコーン型混合機等がある。
【0027】
混合機の大きさは、打錠機に供給する量に合わせて任意に決定することができる。また、その回転速度については、混合機の種類や大きさにより、最適な回転速度があるが、その回転速度は、式(1)に示される最適回転速度の算定式(田村晃一、「工場操作シリーズ 攪拌・捏和・混合編」、別冊ケミカルエンジニヤリング、化学工業社、昭和43年4月、第2巻、第1号、p.40−42)により決定される回転速度とすることが好ましい。
A=ω*Rmax/g (1)
(A:混合機の種類により決められる値、ω:角速度[rad/s]、Rmax:装置最大回転半径[m]、g:重力加速度[m/s])
【0028】
例えば、V型混合機の場合、装入率30%において、A=0.3〜0.4[ω*Rmax/g]と示されており、混合機の装置最大半径が0.48mのV型混合機(内容積5L)に当てはめると、3.78〜4.04rad/s、すなわち33.0〜38.6rpmが最適回転速度となる。装置が大きくなる場合、Rmax値は大ききなるため、ωは小さくなる。すなわち、最適回転速度はより小さくて済む。他の回転容器型混合機の場合におけるAの値も開示されており、混合機の種類に応じたのA値、混合機の半径によって、混合の回転速度を決定すれば良い。
【0029】
粉体の混合時間は、通常粉体を混合するために必要な時間であれば良く、5〜30分程度が好ましい。
上に記した付着性の高い薬物、吸水性添加剤、部分アルファー化デンプンを含む粉体、又は該粉体に加えて結晶セルロース、及びその他許容される添加剤を配合した粉体を回転容器型混合機にて所定の時間混合した粉体に、さらに別に混合した粉体、もしくは造粒した顆粒を配合して混合しても良い。これらの配合可能な粉体及び顆粒は公知の製造方法で得られるもので良い。これらの混合についても、低速の容器回転型混合機で行うことができる。
このようにして得られた粉体に、滑沢剤を添加し、さらに回転容器型混合機にて混合を行う。滑沢剤は、特に限定されるものではなく、従来公知の滑沢剤を用いることができるが、具体的にはステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル等を用いることが好ましい。また、滑沢剤の添加量は、打錠圧、用いる滑沢剤の種類等に応じて適宜選定することができるが、ステアリン酸マグネシウムを用いる場合には、滑沢剤を添加する前の粉体100重量部に対して、0.5〜4重量部とすることが好ましい。滑沢剤の混合時間は、1〜15分程度が好ましい。
【0030】
本発明では、以上の手順により、回転容器式混合機にて混合して得た粉体を、そのまま打錠機のホッパーに充填し、直接打錠を行う。
本発明における直接打錠には、回転式打錠機を使用する。回転式打錠機は、ターンテーブル上に臼杵が同心円状に均等に配置され、ターンテーブルが回転することにより、ホッパーからの粉体の充填、粉体の圧縮、錠剤の排出が連続的に行われる機構を備えた打錠機である。その中でも圧縮が予圧、本圧の2段階で行う、2段圧縮式の打錠機が好ましい。 また、予圧を2回以上又は連続で行う、多段圧縮打錠機等を使用しても良い。また、回転盤が1周する間に充填・圧縮・排出のサイクルを1回行うシングル式打錠機でも良いし、1周する間にサイクルを2回行うダブル式打錠機でも良い。
回転式打錠機の杵の本数、回転盤回転数等は、実用的に製造を行う機械において使用される範囲であれば特に制限はないが、製造の生産性を考慮した場合、杵の本数は10本以上が好ましく、回転盤の回転数は25rpm以上とすることが好ましい。杵の本数が多くなるほど、回転盤の回転数が速くなるほど生産性は向上するが、一方で、杵の本数を多くしすぎたり、回転盤の回転速度を速くしすぎたりした場合、薬物の性質を問わず、また直接打錠法・湿式造粒法を問わず、機械の構造的な制約により、打錠障害が起こりやすくなるため好ましくない。ゆえに、杵の本数や回転速度等については、これらの範囲を逸脱しない条件とすることが好ましい。
【0031】
本発明の製造方法に用いられる臼杵の形状には、特に制限はなく、円型、楕円型、三角型、四角型、五角型、六角型、星型等が選択されうるが、使用時の扱いやすさの観点から円状が特に好ましい。また円状の場合打錠機の臼及び杵の径は通常の医薬品錠剤を製造する大きさであれば良く、6〜20mmであることが好ましく、6〜10mmがさらに好ましい。また、杵の打錠面の形状についても、通常の医薬品錠剤を製造する形状であれば良く、平杵、R杵、2段R杵、割線杵等が使用できる。また、刻印を付与する杵であっても良い。杵の材質は通常使用される材質であれば良く、打錠面はクロム等の金属メッキを施したり、研磨剤で磨いたりしたものを使用しても良い。また、打錠する錠剤の重量についても、通常の医薬品錠剤の範囲であれば良く、100〜500mgであることが好ましい。
【0032】
本発明により製造された錠剤は、そのまま使用しても良いし、外観の改善、防湿、防酸素、薬物の溶出速度調節(例えば、徐放性、腸溶性)、薬物の臭いや苦味マスキング等の目的で、錠剤に水系や溶媒系のコーティングをさらに施しても良い。
本発明を用いることで、付着性の高い薬物を含む錠剤を、従来技術では難しかった直接打錠法を用いても、打錠障害を起こすことなく、製造する方法が見出され、付着性の高い薬物を含む錠剤を工程の簡素化された直接打錠法で提供することが見出された。
【実施例】
【0033】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これまでに説明していない、物性の測定方法を説明する。
・比表面積
試料を105℃の通風乾燥機((株)タバイエスペック社製)で6時間乾燥後、自動比表面積測定装置(TriStar3000、(株)島津製作所製)を使用して、BET法(窒素)により求めた。
・吸水量
粉末試料を乳鉢に入れ、これに水を加えて乳鉢を用いて練合する場合において、パサパサの状態の粉末が、添加量の増加とともにネバネバの状態へ移行する、このネバネバの状態に移行する直前の吸水量を粉体の単位重量当たりに換算にした値により求めた。
・沈降体積
100mlの共栓メスシリンダーに水75mlを入れ、試料1.5gを0.5gずつ激しく振り混ぜながら加える。水を加えて100mlとし、均一に分散するまで良く振り混ぜた後、4時間放置したときの、メスシリンダーから読み取った試料の沈降体積から求めた。
【0034】
・打錠障害評価法
本発明における打錠障害評価法は、以下に示す装置及び条件により混合・打錠される錠剤を用いて、以下に示す評価方法にて実施するものと定義する。
(混合機条件)
V型混合機(MIX WELL BLENDER V−5、有効容積5L、35rpm、(株)徳寿製作所製)
(打錠機条件)
回転式打錠機(クリーンプレスコレクト12HUK、(株)菊水製作所製)
ターンテーブル:臼回転半径220mm、回転数54rpm
杵本数:12本立て
杵形状:2段R刻印錠(刻印「ASAHI」))、杵面クロムメッキ付き
錠剤形状:直径8mm円型、重量200mg
打錠数:5000錠
打錠圧:予圧:5kN、本圧:10kN
【0035】
(評価方法)
本発明では、上記の打錠条件で打錠を行った錠剤について(1)スティッキング率、(2)キャッピング率、(3)重量CV値の3つを評価指標にて、打錠障害を評価する。以下にその詳細を記す。この3つの評価指標のうち、1つでも打錠障害ありと判断された場合は、打錠障害があると判断する。
(1)スティッキング率
打錠される錠剤のうち、500錠をサンプリングし、次の○、△、×の3つのレベルに分ける。
○・・・外観に問題なし
△・・・外観にやや曇りは見られるものの、表面の欠損はなく、製品としては問題なし
×・・・表面に欠損があり、製品として問題がある
錠剤を以上の3レベルで錠剤を分けた際に、×のレベルをスティッキングとし、500錠中のスティッキング率が0.5%より大きい場合に、打錠障害があると判断した。
【0036】
(2)キャッピング率
キャッピングとは錠剤を圧縮成形する際に、錠剤にクラックが発生したり、一部が剥離したりする現象である。打錠される5000錠中、1000錠をサンプリングしたとき、キャッピングを起こす錠剤の確率が0.1%より大きい場合に、打錠障害があると判断した。
(3)重量CV値
重量CV値は、打錠後の錠剤10個を任意にサンプリングしたものの重量を測定し、その測定値の平均値及び標準偏差より、
重量CV値=(標準偏差/平均値)*100 [%]
で定義する。
重量CV値が大きいと、重量バラツキが大きく、薬物の含量バラツキ増加、製品収率の低下につながる。本発明においては、重量CV値が2.0%よりも大きい場合、打錠障害があると判断した。
【0037】
[実施例1]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム(LXP、大原薬品工業(株)製)100重量部、吸水性添加剤Aとしてメタケイ酸アルミン酸マグネシウム「ノイシリン」UFL2(富士化学工業(株)製、比表面積300m/g、吸水量1.9ml/g) 14.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1(信越化学(株)製、比表面積0.47m/g、沈降体積24ml)14.7重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」(旭化成ケミカルズ(株)製、冷水可溶分1.2%)55.7重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802(旭化成ケミカルズ(株)製)58.7重量部、「セオラス」PH−302 41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)を8.8重量部投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表1に示す。スティッキング率は0%、キャッピング率は0%、錠剤の重量CV値は、0.91%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0038】
[実施例2]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤A「ノイシリン」UFL2 4.4重量部をV型混合機に投入し、20分間前処理混合を行った後取り出し、前処理粉体(I)を得た。次に、結晶セルロース「セオラス」KG−802 58.7重量部、吸水性添加剤A「ノイシリン」UFL2 4.4重量部をV型混合機に投入し、20分間前処理混合を行い、前処理粉体(II)を得た。V型混合機中の前処理粉体(II)に、前処理粉体(I)、及び吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 14.7重量部、部分アルファー化デンプン「PCS」61.5重量部、結晶セルロース「セオラス」PH−302 41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表1に示す。スティッキング率は0%、キャッピング率は0%、錠剤の重量CV値は、0.61%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0039】
[実施例3]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 14.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 14.7重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」55.7重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、造粒乳糖「SUPER−TAB」(旭化成ケミカルズ(株)販売)41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表1に示す。スティッキング率は0%、キャッピング率は0%、錠剤の重量CV値は、1.02%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0040】
[実施例4]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 14.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 14.7重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」55.7重量部、結晶セルロースとして「セオラス」PH−101 58.7重量部、造粒乳糖「SUPER−TAB」41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表1に示す。スティッキング率は0.2%、キャッピング率は0%、錠剤の重量CV値は、0.75%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0041】
[実施例5]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 14.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 14.7重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」57.7重量部、造粒乳糖「SUPER−TAB」100重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表1に示す。スティッキング率は0.4%、キャッピング率は0%、錠剤の重量CV値は、1.22%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0042】
[実施例6]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤A「ノイシリン」UFL2 4.4重量部をV型混合機に投入し、20分間前処理混合を行った後取り出し、前処理粉体(I)を得た。次に、結晶セルロース「セオラス」KG−802 58.7重量部、吸水性添加剤A「ノイシリン」UFL2 2.9重量部をV型混合機に投入し、20分間前処理混合を行い、前処理粉体(II)を得た。V型混合機中の前処理粉体(II)に、前処理粉体(I)、及び吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 14.7重量部、部分アルファー化デンプン「PCS」63.0重量部、結晶セルロース「セオラス」PH−302 41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表2に示す。スティッキング率は0.4%、キャッピング率は0%、錠剤の重量CV値は、0.54%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0043】
[実施例7]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 7.3重量部、及びケイ酸カルシウム「フローライト」RE((株)トクヤマ製、比表面積100m/g、吸水量1.2ml/g)7.3重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 14.7重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」63.0重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、PH−302 41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表2に示す。スティッキング率は0%、キャッピング率は0%、錠剤の重量CV値は、0.84%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0044】
[実施例8]
薬物としてスルピリン(メルク・ホエイ(株)製)100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 14.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 14.7重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」55.7重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、PH−302 41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表2に示す。スティッキング率は0%、キャッピング率は0%、錠剤の重量CV値は、1.07%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0045】
[実施例9]
薬物としてイブプロフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 14.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 14.7重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」55.7重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、PH−302 41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表2に示す。スティッキング率は0%、キャッピング率は0%、錠剤の重量CV値は、0.87%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0046】
[実施例10]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 8.8重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 44.1重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」55.7重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 35.2重量部、PH−302 41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表2に示す。スティッキング率は0%、キャッピング率は0%、錠剤の重量CV値は1.45%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0047】
[実施例11]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 8.8重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 29.4重量部及びクロスカルメロースナトリウム「キッコレート」ND−2HS(比表面積0.65m/g、沈降体積23.5ml、旭化成ケミカルズ(株)販売) 35.2重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」35.2重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 35.2重量部、PH−302 41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表2に示す。スティッキング率は0.04%、キャッピング率は0%、錠剤の重量CV値は1.77%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0048】
[実施例12]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 14.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 36.7重量部及びクロスカルメロースナトリウム「キッコレート」ND−2HS 36.7重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」35.2重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 29.4重量部、PH−302 32.3重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表2に示す。スティッキング率は0%、キャッピング率は0.06%、錠剤の重量CV値は1.86%であり、直接打錠法において、打錠障害を起こすことなく、錠剤を得ることができた。
【0049】
[比較例1]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 4.4重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 14.7重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」65.9重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、PH−302 41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表3に示す。結果を表3に示す。スティッキング率が13.2%であり、打錠障害が認められた。
【0050】
[比較例2]
比較例1でスティッキングが発生した原因として、打錠圧の不足が考えられたため、打錠圧を10kNから15kNへ上げた以外は、比較例1と同様に実施した。
結果を表3に示す。キャッピング率が3.4%、スティッキング率が8.8%であり、打錠障害が認められた。
【0051】
[比較例3]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 7.3重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 10.3重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」67.4重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、PH−302 41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表3に示す。結果を表3に示す。スティッキング率が20.6%であり、打錠障害が認められた。
【0052】
[比較例4]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 14.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 44.1重量部及びクロスカルメロースナトリウム「キッコレート」ND−2HS 44.1重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」23.3重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 29.4重量部、PH−302 29.4重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表3に示す。結果を表3に示す。キャッピング率が55.8%であり、打錠障害が認められた。
【0053】
[比較例5]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 11.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 10.3重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」55.7重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、PH−302 48.5重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表4に示す。結果を表3に示す。スティッキング率が2.4%であり、打錠障害が認められた。
【0054】
[比較例6]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 17.6重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 11.7重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」55.7重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、PH−302 48.5重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表4に示す。結果を表3に示す。スティッキング率が1.6%であり、打錠障害が認められた。
【0055】
[比較例7]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 8.8重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 39.6重量部及びクロスカルメロースナトリウム「キッコレート」ND−2HS 39.6重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」38.0重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 29.4重量部、PH−302 29.4重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表4に示す。結果を表3に示す。キャッピング率が42.2%であり、打錠障害が認められた。
【0056】
[比較例8]
比較例7でキャッピングが発生した原因として、打錠圧が高すぎることが考えられたため、打錠圧を10kNから5kNに落とした以外は、比較例7と同様に実施した。
結果を表4に示す。スティッキング率が10.6%であり、打錠障害が認められた。
【0057】
[比較例9]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 14.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 14.7重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、PH−302 96.8重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表5に示す。結果を表3に示す。スティッキング率が22.4%であり、打錠障害が認められた。
【0058】
[比較例10]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 14.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 70.3重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、PH−302 41.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表5に示す。結果を表5に示す。キャッピング率が68.8%、スティッキング率が2.2%であり、打錠障害が認められた。
【0059】
[比較例11]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 10.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 10.7重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」210.7重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 10.7重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表5に示す。結果を表5に示す。キャッピング率が54.2%、スティッキング率が4.5%であり、打錠障害が認められた。
【0060】
[比較例12]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 69.5重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、「SUPER−TAB」 64重量部、をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表6に示す。キャッピング率が42.2%、スティッキング率が3.2%であり、打錠障害が認められた。
【0061】
[比較例13]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」NS2N(富士化学工業(株)製) 51.4重量部、吸水性添加剤Bとしてカルボキシメチルスターチナトリウム「Primojel」 100重量部、コーンスターチ(ST−C、日澱化学(株)製)23.5重量部、「SUPER−TAB」 99.7をV型混合機に投入して15分間混合後、タルク(和光純薬(株)製)2.9重量部、ステアリン酸マグネシウム1.5重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表6に示す。キャッピング率が68.6%であり、打錠障害が認められた。
【0062】
[比較例14]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 69.5重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、「SUPER−TAB」 64重量部、をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表6に示す。キャッピング率が72.2%、スティッキング率が3.2%であり、打錠障害が認められた。
【0063】
[比較例15]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL−2 14.7重量部、吸水性添加剤Bとして低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−B1 54.8重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 58.7重量部、「SUPER−TAB」 64重量部、をV型混合機に投入して15分間混合後、ステアリン酸マグネシウム8.8重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表6に示す。キャッピング率が18.6%であり、打錠障害が認められた。
【0064】
[比較例16]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして軽質無水ケイ酸(「アエロジル」200、日本アエロジル(株)製)1重量部を、高速攪拌造粒機(バーチカルグラニュレータ VG−10、(株)パウレック製)に入れ、ブレード回転数300rpm、クロススクリュー回転数1500rpmの条件で25分間混合した。次に酸化チタン(AH−R、フロイント産業(株)製)3重量部を加え、同条件で5分間混合し、表面改質処理品(I)を得た。
表面改質処理品(I)及び、部分アルファー化デンプンとして「PCS」119.6重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 47.6重量部、クエン酸(和光純薬工業(株)製)17.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、タルク6重量部、ステアリン酸マグネシウム6重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表7に示す。スティッキング率が28.6%であり、打錠障害が認められた。
【0065】
[比較例17]
吸水性添加剤Aとして、軽質無水ケイ酸を「ノイシリン」UFL−2に変更した以外は、比較例15と同様に混合を行った。
混合後の粉体を、回転式打錠機により打錠し、打錠障害評価法により評価した。
結果を表7に示す。スティッキング率が21.8%であり、打錠障害が認められた。
【0066】
[比較例18]
薬物としてロキソプロフェン・ナトリウム100重量部、吸水性添加剤Aとして「ノイシリン」UFL2 1重量部、部分アルファー化デンプンとして「PCS」119.6重量部、結晶セルロースとして「セオラス」KG−802 47.6重量部、酸化チタン3重量部、クエン酸17.1重量部をV型混合機に投入して15分間混合後、タルク6重量部、ステアリン酸マグネシウム6重量部を投入してさらに5分間混合した。
混合後の粉体を、上記の条件で、回転式打錠機により打錠した。
結果を表7に示す。スティッキング率が41.2%であり、打錠障害が認められた。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
【表5】

【0072】
【表6】

【0073】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、付着性の高い薬物を含む錠剤を、工程が簡略化された方法で、打錠障害を起こすことなく、製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
付着性の高い薬物と、該薬物100重量部に対して20〜100重量部の吸水性添加剤と10〜200重量部の冷水可溶分が10%以下である部分アルファー化デンプンを含む粉体であって、該吸水性添加剤が、比表面積100m/g以上かつ吸水量1.0g/ml以上の吸水性添加剤Aと比表面積2m/g以下かつ沈降体積14ml以上の吸水性添加剤Bからなり、配合比率が吸水性添加剤A:吸水性添加剤B=1:1〜1:8である該粉体を、低速の回転容器型混合機で混合した後、混合した粉体をそのまま回転式打錠機に供給して打錠する、付着性の高い薬物を含む錠剤を直接打錠法において打錠障害なく得るための製造方法。
【請求項2】
付着性の高い薬物が、薬物1gまたは1mlを溶かすのに必要な量が100g未満であることを特徴とする請求項1の製造方法。
【請求項3】
付着性の高い薬物が、結晶水を有する薬物であることを特徴とする請求項1の製造方法。
【請求項4】
付着性の高い薬物が、融点の低い薬物であることを特徴とする請求項1の製造方法。
【請求項5】
粉末が薬物100重量部に対して10〜150重量部の結晶セルロース含むことを特徴とする請求項1〜4記載の錠剤の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5記載の製造方法で製造される錠剤。

【公開番号】特開2006−143650(P2006−143650A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336073(P2004−336073)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】