説明

付着物除去装置および該装置を使用した付着物除去方法。

【課題】中空柱の内壁に突出したノロやほこりなどの付着物を高圧水の噴出力を用いて簡単な作業で効率的に除去する。
【解決手段】ホース回転装置および高圧水注入装置を連結された細長い付着物除去用ホースを電柱内に挿入し、付着物除去用ホースの先端の周壁に開口部を形成し、付着物除去用ホース内へ高圧注入され先端に流入した水が開口部から中空柱の内壁および後方に向けて噴射され、高圧注入水の噴出により中空柱の内壁の付着物を除去しながら中空柱内を前進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設された例えばコンクリート製の電柱などのような中空柱の内壁の付着物を除去する付着物除去装置および該装置を使用した付着物除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート製の電柱は、通常、電柱の基端部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設される。このような電柱は、その外周部が鉄筋とコンクリートにより作製される筒状体であり、その内部は空洞であり、この空洞の電柱の内壁にはコンクリートが内側に膨出して、いわゆるノロが形成され、このノロにより内壁はでこぼこになっている。
【0003】
このようなコンクリート製の電柱は、その内部に補強材としての棒状部材を複数本挿入してから、これらの棒状部材の隙間に例えば豆砂利や砕石を投入し、更にモルタルやコンクリートなどを順次投入し、補強している。
【0004】
しかしながら、コンクリート製の電柱の内壁には、上述したように、コンクリートが内側に膨出したノロが形成されて、でこぼこになっているため、上述した補強用の棒状部材を空洞の電柱の内部に挿入しようとしても、円滑に挿入できず、作業効率が悪い。
【0005】
そこで、従来は、特許文献1、2に記載するように、切削工具を用いて、コンクリート製の電柱の内側に膨出したノロなどを切削しながら除去し、これによりコンクリート製の電柱の内壁を滑らかなものにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007―223177号公報
【特許文献2】特開2007―223178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1、2に記載されている切削工具を用いて、コンクリート製の電柱の内壁に膨出したノロなどを切削しながら除去して滑らかにする従来の方法は、電柱の頂部に切削用モータや昇降用台座などを取り付けるなどの大げさな装置が必要であるとともに、電柱の頂部は例えば十数メートルなどの危険を伴う高所にあるため、切削用モータや昇降用台座などを取り付けることが非常に困難であり、作業性も極めて悪いとともに、切削工具は金属で形成されているため、電柱の内壁を必要以上に切削して傷つけてしまう恐れがある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、中空柱の内壁に突出したノロやほこりなどの付着物を高圧水の噴射力を用いて簡単な作業で効率的に除去する付着物除去装置および該装置を用いた付着物除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するため、請求項1記載の付着物除去装置は、下部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設された中空柱の内壁の付着物を除去する付着物除去装置であって、先端が閉塞され、この先端から中空柱内に挿入される細長い付着物除去用ホースと、この付着物除去用ホースの基端に連結され、該付着物除去用ホースを回転させるホース回転装置と、付着物除去用ホースの基端に連結され、付着物除去用ホース内に水を高圧注入する高圧水注入装置と、付着物除去用ホースの先端寄りの周壁に形成された開口部であって、付着物除去用ホースの基端から高圧水注入装置により高圧注入され付着物除去用ホース内を通って付着物除去用ホースの先端に流入した高圧注入水を当該開口部から中空柱の内壁に向かって噴射させ、この高圧注入水の噴射により中空柱の内壁の付着物を除去するとともに、付着物除去用ホースの先端を付着物除去用ホースとともに中空柱内を前進させるように形成される開口部とを有することを要旨とする。
【0010】
請求項1記載の付着物除去装置では、ホース回転装置および高圧水注入装置を連結された細長い付着物除去用ホースを中空柱内に挿入し、付着物除去用ホースの閉塞された先端寄りの周壁に開口部を形成し、付着物除去用ホースの基端から高圧水注入装置により高圧注入され付着物除去用ホース内を通って先端部に流入した水が開口部から中空柱の内壁および付着物除去用ホースの方に向かって付着物除去用ホースの外部に噴射し、該高圧注入水の噴出により中空柱の内壁の付着物を除去し、先端部が付着物除去用ホースとともに中空柱内を前進するため、付着物除去用ホースの先端を中空柱の側部開口から挿入することにより中空柱の内壁の付着物を簡単かつ効率的に除去でき、従来のように中空柱の頂部などの危険を伴う高所から挿入する必要がなく、作業性が著しく向上するとともに、水を使用して付着物を除去しているため、金属の切削工具を使用したもののように中空柱の内壁を誤って傷つけてしまうこともない。
【0011】
請求項2記載の付着物除去装置は、前記開口部が、付着物除去用ホースの基端の方に向かって傾斜して形成されていることを要旨とする。
【0012】
請求項2記載の付着物除去装置では、開口部が付着物除去用ホースの基端の方に向かって傾斜して形成されているため、開口部からの高圧噴射水で中空柱の内壁の付着物を除去しながら付着物除去用ホースおよびその先端を前進させることができる。
【0013】
請求項3記載の付着物除去装置は、前記付着物除去用ホースの先端の内壁が、高圧注入水が跳ね返って開口部から外部に噴出し易いように円形に形成されていることを要旨とする。
【0014】
請求項3記載の付着物除去装置では、先端の内壁が円形に形成されているため、高圧注入水が跳ね返って開口部から外部に噴出し易く、中空柱の内壁の付着物を適確に除去することができる。
【0015】
請求項4記載の付着物除去装置は、前記開口部が、付着物除去用ホースの円周方向において等角度で均等にかつ対称に複数形成されていることを要旨とする。
【0016】
請求項4記載の付着物除去装置では、先端部の開口部が円周方向に等角度で均等にかつ対称に複数形成されているため、先端の開口部から噴出する高圧注入水により中空柱の内壁の付着物を適確に除去できるとともに、中空柱内を真直ぐに前進することができる。
【0017】
請求項5記載の付着物除去装置は、前記開口部が、高圧注入水を中空柱の内壁に向かって線状に噴射するように細く複数形成されるとともに、この複数の開口部のうちの、第1の開口部は高圧注入水を第1の所定の水圧で中空柱の内壁に対してほぼ直角に線状に噴射し、第2の開口部は第1の開口部に対して180度反対側の周壁に形成され、高圧注入水を第1の所定の水圧よりも小さい第2の所定の水圧で中空柱の内壁に対してほぼ直角に線状に噴射し、第3の複数の開口部は付着物除去用ホースの先端寄りの周壁に対して均等に等角度で形成され、第1の所定の水圧よりも小さい第3の所定の水圧で中空柱の内壁に対して付着物除去用ホースの基端の方に向かって傾斜して中空柱の内壁に対して斜めに線状に噴射するように形成されていることを要旨とする。
【0018】
請求項5記載の付着物除去装置では、開口部が高圧注入水を中空柱の内壁に向かって線状に噴射するように細く複数形成され、第1の開口部は高圧注入水を第1の所定の水圧で内壁に対してほぼ直角に線状に噴射し、第2の開口部は180度反対側の周壁に形成され、高圧注入水を小さい第2の所定の水圧で中空柱の内壁に対してほぼ直角に線状に噴射し、第3の複数の開口部は先端寄りの周壁に対して均等に等角度で形成され、小さい第3の所定の水圧で中空柱の内壁に対して付着物除去用ホースの基端の方に向かって傾斜して中空柱の内壁に対して斜めに線状に噴射するため、内壁に対してほぼ直角に第1の所定の水圧で線状に噴射する第1の高圧噴射水により内壁の付着物を確実に除去しながら、周壁に対して均等に等角度で小さい第3の所定の水圧で中空柱の内壁に対して斜めに線状に噴射する第3の複数の高圧噴射水により中空柱内を前進できるというように付着物の除去と前進を高圧噴射水の力のみで効率的に行うことができ、作業性を著しく向上することができる。
【0019】
請求項6記載の付着物除去装置は、前記第3の複数の開口部が、3個の開口部を有することを要旨とする。
【0020】
請求項6記載の付着物除去装置では、第3の複数の開口部が3個の開口部を有するため、中空柱内で片寄ることなく、円滑に前進することができる。
【0021】
請求項7記載の付着物除去方法は、請求項1記載の付着物除去装置を使用した付着物除去方法であって、中空柱の地際より所定長上部の側部において中空柱の長手方向に細長い側部開口を形成する側部開口形成工程と、この側部開口から付着物除去用ホースの先端部を中空柱の上方または下方に向けて付着物除去用ホースとともに挿入し、この付着物除去用ホースの通過した部分を除いて側部開口を閉塞するホース挿入工程と、前記高圧水注入装置から付着物除去用ホース内に水を高圧注入するとともに、前記ホース回転装置で付着物除去用ホースを回転させ、高圧注入された水が付着物除去用ホースを伝わって付着物除去用ホースとともに回転している先端部の先端の内壁に当って跳ね返り、この跳ね返ってきた高圧注入水が先端部の開口部から中空柱の内壁および付着物除去用ホースの方に向かって付着物除去用ホースの外部に噴射し、この高圧注入水の噴出により中空柱の内壁の付着物を除去しながら先端部を付着物除去用ホースとともに中空柱内を上方または下方に前進させ、中空柱の上方または下方における付着物を除去する第1の付着物除去工程と、前記ホース挿入工程で先端部を中空柱の下方または上方に向けて付着物除去用ホースとともに挿入し、前記第1の付着物除去工程で先端部を付着物除去用ホースとともに中空柱内を下方または上方に前進させ、中空柱の下方または上方における付着物を除去する第2の付着物除去工程とを有することを要旨とする。
【0022】
請求項7記載の付着物除去方法では、中空柱の側部開口から付着物除去用ホースの先端部を中空柱の上方または下方に向けて挿入し、付着物除去用ホース内に水を高圧注入し、付着物除去用ホースを回転させ、高圧注入水が付着物除去用ホースを伝わって付着物除去用ホースとともに回転している先端部の内壁に当って跳ね返り、この跳ね返ってきた高圧注入水が先端部の開口部から中空柱の内壁および付着物除去用ホースの方に向かってホースの外部に噴射し、この高圧注入水の噴出により中空柱の内壁の付着物を除去しながら先端部を付着物除去用ホースとともに中空柱内を上方または下方に前進させ、中空柱の上方または下方における付着物を除去するため、付着物除去用ホースの先端部を中空柱の側部開口から単に挿入することにより高圧注入水により中空柱の内壁の付着物を簡単かつ効率的に除去でき、従来のように中空柱の頂部などの危険を伴う高所から挿入する必要がなく、作業性が著しく向上するとともに、水を使用して付着物を除去しているため、金属の切削工具を使用したもののように中空柱の内壁を誤って傷つけてしまうこともない。
【0023】
請求項8記載の付着物除去方法は、中空柱の側部開口から中空柱内に太めの堆積物取出し用ホースを挿入し、この堆積物取出し用ホースの先端を中空柱の底に到達せしめ、前記高圧注入水の噴出により中空柱の内壁から除去され中空柱の底に堆積した堆積物の間近に堆積物取出し用ホースの先端を接近させ、この堆積物取出し用ホースの基端部を中空柱の外部に設けられた真空吸引装置に連結し、該真空吸引装置を作動して、中空柱の底に堆積した堆積物および水を堆積物取出し用ホースの先端から吸引し、中空柱の外部に排出することを要旨とする。
【0024】
請求項8記載の付着物除去方法では、付着物取出し用ホースを中空柱内に挿入し、その先端を中空柱の底に堆積した堆積物の間近に接近させ、この堆積物取出し用ホースの基端部を真空吸引装置に連結し、該真空吸引装置を作動して、中空柱の底に堆積した堆積物を堆積物取出し用ホースの先端から吸引し、中空柱の外部に排出するため、中空柱の底に堆積した堆積物も比較的簡単に外部に排出することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ホース回転装置および高圧水注入装置を連結された付着物除去用ホースを中空柱内に挿入し、この付着物除去用ホース内に高圧水注入装置により高圧注入され付着物除去用ホースの先端に流入した水が開口部から中空柱の内壁に向かって噴射し、この噴射により内壁の付着物を除去するとともに、付着物除去用ホースの先端を付着物除去用ホースとともに中空柱内を前進させるので、付着物除去用ホースの先端を中空柱の側部開口から単に挿入するだけで中空柱の内壁の付着物を簡単かつ効率的に除去でき、従来のように中空柱の頂部などの危険を伴う高所から挿入する必要がないだけでなく、従来のように昇降動作のためのモータなども不要であり、作業性が著しく向上し、かつ経済的であるとともに、水を使用して付着物を除去しているため、従来のように金属の切削工具を使用したもののように中空柱の内壁を誤って傷つけてしまうこともない。
【0026】
また、本発明によれば、開口部が高圧注入水を中空柱の内壁に向かって線状に噴射するように細く複数形成され、第1の開口部は高圧注入水を第1の所定の水圧で内壁にほぼ直角に線状に噴射し、第2の開口部は反対側の内壁にほぼ直角に小さい第2の所定の水圧で線状に噴射し、第3の複数の開口部は小さい第3の所定の水圧で中空柱の内壁に均等に等角度で内壁に対して斜めに線状に噴射するので、内壁に対してほぼ直角に第1の高圧噴射水により内壁の付着物を確実に除去しながら、第3の複数の高圧噴射水により中空柱内を前進できるというように付着物の除去と前進を高圧噴射水の力のみで効率的に行うことができ、作業性を著しく向上することができる。
【0027】
本発明によれば、中空柱の側部開口から付着物除去用ホースを中空柱の上方または下方に向けて挿入し、付着物除去用ホース内に水を高圧注入し、付着物除去用ホースを回転させ、高圧注入水が付着物除去用ホースを伝わって付着物除去用ホースとともに回転している先端部の内壁に当って跳ね返り、この跳ね返ってきた高圧注入水が先端部の開口部から中空柱の内壁および付着物除去用ホースの方に向かってホースの外部に噴射し、この高圧注入水の噴出により中空柱の内壁の付着物を除去しながら先端部を付着物除去用ホースとともに中空柱内を上方または下方に前進させ、中空柱の上方または下方における付着物を除去するので、付着物除去用ホースの先端部を中空柱の側部開口から単に挿入するという簡単な作業で高圧注入水により中空柱の内壁の付着物を簡単かつ効率的に除去でき、従来のように中空柱の頂部などの危険を伴う高所から挿入する必要がないだけでなく、従来のように昇降動作のためのモータなども不要であり、作業性が著しく向上し、かつ経済的であるとともに、水を使用して付着物を除去しているため、金属の切削工具を使用したもののように中空柱の内壁を誤って傷つけてしまうこともない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係わる付着物除去装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す付着物除去装置の付着物除去用ホースの先端に取り付けられている連結部および先端部を拡大して示す図である。
【図3】図2に拡大して示した付着物除去用ホース、連結部および先端部を示す断面図である。
【図4】図3に示す付着物除去用ホース、連結部および先端部における高圧注入水の流れおよび先端部の開口部から外部に噴出する水の流れを示している図である。
【図5】図1に示す付着物除去装置を使用して中空柱である電柱の側部開口より上方における内壁の付着物を除去する作業を示す図である。
【図6】図1に示す付着物除去装置を使用して中空柱である電柱の側部開口より下方における内壁の付着物を除去する作業を示す図である。
【図7】電柱の内壁の付着物が除去されて電柱の底に堆積した堆積物を真空吸引装置で外部に排出する状態を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係わる付着物除去装置に使用されている付着物除去用ホースの先端の開口部から噴射する高圧注入水の噴射方向および噴射強度を示す説明図である。
【図9】図8に示す実施形態の付着物除去装置において高圧注入水の別の噴射方向および噴射強度を示す説明図である。
【図10】付着物除去用ホースの先端部のノズルのみを回転し、複数の高圧噴射水を噴射するようにした場合の付着物除去装置の説明図である。
【図11】付着物除去用ホースの先端部のノズルのみを回転し、複数の高圧噴射水の噴射を図10と異なるようにした場合の付着物除去装置の説明図である。
【図12】付着物除去用ホースの先端部のノズルのみを回転し、複数の高圧噴射水の噴射を図11と異なるようにした場合の付着物除去装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態を説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係わる付着物除去装置の全体構成を示す図である。同図に示す付着物除去装置は、例えば下部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設されたコンクリート製の電柱などの中空柱の内壁の付着物を除去すべく中空柱の内部に挿入される細長い付着物除去用ホース1を有し、この付着物除去用ホース1の先端には連結部3を介して先端部5が付着物除去用ホース1の先端を閉塞するように取り付けられ、この先端部5の先端は円形に形成されている。
【0031】
一方、付着物除去用ホース1の基端には、結合装置11を介してモータなどからなるホース回転装置13および高圧水注入装置15が取り付けられている。ホース回転装置13は、付着物除去用ホース1を回転させるものであり、高圧水注入装置15は、付着物除去用ホース1内に水を高圧注入するものである。なお、結合装置11は、車輪が取り付けられ、これにより移動可能なようになっている。
【0032】
図2は、付着物除去用ホース1の先端に取り付けられている連結部3および先端部5を拡大して示す図である。先端部5は、連結部3を介して付着物除去用ホース1の先端に取り付けられているが、この先端部5は、付着物除去用ホース1とともに前記ホース回転装置13により矢印100、101で示すように回転するようになっている。
【0033】
また、先端部5の先端寄りの周壁、すなわち先端部5の付着物除去用ホース1との連結側と反対側の先端寄りの周壁には、開口部51が複数形成されているが、この開口部51は、後述する図3から分かるように、先端部5の先端寄りから連結部3との連結部に向かって、すなわち付着物除去用ホース1の基端に向かって断面が斜めに形成されているとともに、開口部51は円周方向に等角度で均等にかつ円周方向において対称に複数形成されている。
【0034】
図3は、図2に拡大して示した付着物除去用ホース1、連結部3および先端部5を示す断面図である。連結部3の一端は、付着物除去用ホース1の先端にねじ込みや接着などにより固定的に連結され、また連結部3の他端は、先端部5の端部にねじ込みや接着などにより固定的に連結され、これにより付着物除去用ホース1が前記ホース回転装置13により矢印100で示すように回転すると、先端部5も同様に矢印101で示すように回転するようになっている。また、先端部5の先端の内壁5aは、円形に形成され、これにより後述するように高圧水注入装置15からの高圧注入水を開口部51の方に跳ね返して外部に噴出し易いように形成されている。
【0035】
図4は、高圧水注入装置15から付着物除去用ホース1内に高圧注入された水が付着物除去用ホース1から連結部3を介して先端部5に至り、この高圧注入水が先端部5の先端の内壁5aで跳ね返されて開口部51から外部に噴出する水の流れを示している図である。
【0036】
高圧水注入装置15から付着物除去用ホース1内に高圧注入された水は、図4で小さな多数の矢印で示すように、付着物除去用ホース1から連結部3を通過し、先端部5に至り、先端部5の先端の内壁5aで跳ね返され、断面が斜めに形成された開口部51から外部に噴出する。
【0037】
この開口部51から外部に噴出した高圧注入水は、開口部51から中空柱の内壁および後方である付着物除去用ホース1の方に向かって、勢いよく噴射し、中空柱の内壁に向かった高圧注入水は、中空柱の内壁の付着物を除去し、また後方の付着物除去用ホース1の方に向かった高圧注入水は、先端部5を付着物除去用ホース1とともに矢印200で示す方向に前進させるようになっている。
【0038】
次に、以上のように構成される付着物除去装置の作用について図5および6を参照して説明する。
【0039】
まず、図5に示すように、中空柱である例えばコンクリート製の電柱21は、上部が省略されて図示されていないが、全長が例えば16mほどあり、その最下端から約2.6メートルほどの下部が地中に埋設されて立設され、地上には残りの13.4mほどの部分が現れているが、その外周部は鉄筋とコンクリートにより形成される筒状であり、その内部は空洞、すなわち中空となっているが、このような中空柱である電柱21の内壁にはコンクリートが内側に膨出して、いわゆるノロが形成され、このノロにより内壁はでこぼこになっているし、またほこりなども付着している。本実施形態の付着物除去装置は、このように電柱21の内壁の付着物であるノロやほこりなどを除去しようとするものである。
【0040】
また、電柱21は、地中に埋設された地中部分の下部と地上に立設された地上部分との境の地際から地上約2メートルの側面に例えば幅6センチメートル、長さ40センチメートル程度の細長い側部開口21aが電柱21の長手方向に沿って形成されている。本実施形態の付着物除去装置は、その付着物除去用ホース1を当該側部開口21aから電柱21内に図5に示すように挿入するようになっている。
【0041】
しかしながら、電柱21に側部開口21aが形成されていない場合には、電柱21の地際から所定長上部の側面、具体的には電柱21の地際から例えば地上約2メートルの側面において電柱21の長手方向に細長い側部開口21aを形成する。
【0042】
それから、本実施形態の付着物除去装置の付着物除去用ホース1の先端部を電柱21の側部開口21aから電柱21の上方に向けて付着物除去用ホース1とともに挿入する。それから、この付着物除去用ホース1の通過した部分を除いて側部開口21aを閉塞板23で閉塞する。
【0043】
次に、高圧水注入装置15を作動して、高圧水注入装置15から付着物除去用ホース1の中に水を高圧注入するとともに、ホース回転装置13を作動して、付着物除去用ホース1を回転させ、高圧水注入装置15から高圧注入された水がホース回転装置13で回転する付着物除去用ホース1の中を伝わって付着物除去用ホース1とともに回転している先端部5の先端の内壁5aに当って跳ね返らせる。
【0044】
このように先端部5の内壁5aから跳ね返ってきた高圧注入水は、先端部5の開口部51から電柱21の内壁に向かうように付着物除去用ホース1の外部に噴出するとともに、後方の付着物除去用ホースの方に向かって付着物除去用ホース1の外部に噴射する。
【0045】
この結果、先端部5の開口部51から電柱21の内壁に向かって噴出した高圧注入水は、電柱21の内壁の付着物25に衝突し、付着物25を除去する。一方、先端部5の開口部51から後方の付着物除去用ホースの方に向かって噴出した高圧注入水は、付着物除去用ホース1の後方に向かって噴出しているため、付着物除去用ホース1の先端部5および付着物除去用ホース1の前進力となり、矢印200で示すように先端部5および付着物除去用ホース1を電柱21の中の上方に前進させる。
【0046】
このように、付着物除去用ホース1の先端部5の開口部51から高圧注入水を外部に噴出させることにより、電柱21の内壁の付着物を除去しながら付着物除去用ホース1の先端部5は電柱21の中を上方に電柱21の頂部まで前進して、電柱21の内壁の付着物を完全に除去することができるが、この場合において付着物除去用ホース1および先端部5はホース回転装置13により回転していて、先端部5の開口部51も同様に回転しているため、この回転により開口部51から噴出する高圧注入水は、電柱21の内壁の一部のみでなく、内壁の全体、すなわち内壁の全周面に満遍なく当り、電柱21の内壁の全体に存在するノロやほこりなどの付着物を完全に除去することができる。
【0047】
以上のようにして、電柱21の側部開口21aから上方部を電柱21の頂部までの付着物を除去した後、次に図6に示すように、電柱21の側部開口21aから下方部を電柱21の底まで同様に行うことにより、電柱21の下方の内壁の付着物も同様に除去することができる。
【0048】
上述したように除去された電柱21の内壁から除去された付着物は、図7に示すように、電柱21の底に堆積物31として堆積されるので、この堆積物31を電柱21の外部に排出するために、真空吸引装置35を設け、この真空吸引装置35に太めの堆積物取出し用ホース33の基端部を連結するとともに、この堆積物取出し用ホース33の先端を電柱21の側部開口21aから電柱21の中に挿入する。
【0049】
そして、この堆積物取出し用ホース33の先端を図7に示すように電柱21の底まで移動し、電柱21の底に堆積されている堆積物31の間近に堆積物取出し用ホース33の先端を接近させる。それから、真空吸引装置35を作動させると、電柱21の底に堆積された堆積物31は、真空吸引装置35の真空吸引力により堆積物取出し用ホース33の先端から吸引され、図7に示すように真空吸引装置35の後部に連結されている排出ホース33aから外に排出される。なお、この時、図5、6で説明したように、高圧注入水を噴出して付着物を除去した結果として電柱21の底に溜まった水も付着物取出し用ホース33で吸引され排出ホース33aから外に排出されることは勿論のことである。
【0050】
図8(a)、(b)および図9(a)、(b)は、本発明の他の実施形態に係わる付着物除去装置に使用されている付着物除去用ホースの先端の開口部から中空柱である電柱の内壁に向かって噴射する高圧注入水の噴射方向および噴射強度を示す図であり、両図において(a)は、電柱および付着物除去用ホースを側方から見た図であり、(b)は、電柱および付着物除去用ホースを上方から見た図である。
【0051】
まず、図8(a)、(b)に示すように、中空柱である電柱21の中に挿入された付着物除去用ホース1の先端部5の開口部からは、太い点線の矢印61および細い点線の矢印62〜65で示すように高圧水注入装置15からの高圧注入水が電柱21の内壁に向かって線状に噴射している。なお、矢印61〜65で示すように高圧注入水を線状に噴射する開口部(図示せず)の口径は、比較的小さく、例えば円形に形成されている。
【0052】
太い矢印61で示す第1の高圧噴射水は、図8(a)から分かるように、電柱21の内壁に対してほぼ直角に線状に噴射しているが、この第1の高圧噴射水は、比較的小さな口径の開口部を例えば15リットル/分の流量で噴射するのに相当する比較的強い第1の所定の水圧で噴射され、電柱21の内壁の付着物25を確実に除去するようになっている。
【0053】
細い矢印62で示す第2の高圧噴射水は、図8(a)、(b)から分かるように、第1の高圧噴射水に対して180度反対側の電柱21の内壁に対してほぼ直角に線状に噴射しているが、この第2の高圧噴射水は、比較的小さな口径の開口部を例えば5リットル/分の流量で噴射するのに相当する若干弱い第2の所定の水圧で噴射され、電柱21の内壁に当たるようになっている。この第2の高圧噴射水は、第1の高圧噴射水の第1の所定の水圧よりも小さな第2の所定の水圧に設定されているが、この第2の高圧噴射水は、第1の高圧噴射水による付着物除去用ホース1の先端部5の偏り動作などを抑制したり、バランスをとるように補助しているものである。
【0054】
細い矢印63〜65で示す第3の複数(本実施形態では3つ)の高圧噴射水は、図8(a)、(b)から分かるように、付着物除去用ホース1の周壁を均等に三分割した120度の等角度で電柱21の内壁に対して付着物除去用ホース1の基端の方に向かって傾斜して電柱21の内壁に斜めに線状に噴射しているが、この第3の複数の高圧噴射水は、第2の高圧噴射水と同様に、比較的小さな口径の開口部を例えば5リットル/分の流量で噴射するのに相当する第3の所定の水圧で噴射され、電柱21の内壁に当たるようになっている。
【0055】
この第3の複数の高圧噴射水は、第1の高圧噴射水の第1の所定の水圧よりも小さな第3の所定の水圧に設定されているが、この第3の複数の高圧噴射水は、電柱21の内壁に対して等角度でかつ電柱21の内壁に対して付着物除去用ホース1の基端の方に向かって傾斜して電柱21の内壁に斜めに線状に噴射することにより、付着物除去用ホース1の先端部5を付着物除去用ホース1とともに矢印202で示すように上方に前進させるようになっている。
【0056】
以上のように高圧噴射水の噴射方向が設定された先端部5の開口部の構造を有する付着物除去装置において、その付着物除去用ホース1の基端部に接続されている高圧水注入装置15を作動して、高圧水注入装置15から付着物除去用ホース1の中に水を高圧注入するとともに、ホース回転装置13を作動して、付着物除去用ホース1を回転させ、高圧水注入装置15から高圧注入された水がホース回転装置13で回転する付着物除去用ホース1の中を伝わって付着物除去用ホース1とともに回転している先端部5に至るとともに、また先端の内壁に当って跳ね返ると、この先端部5に至った高圧注入水は、先端部5の開口部から図8に示すように第1〜第5の高圧噴射水61〜65として電柱21の内壁に向かって線状に噴射する。
【0057】
このように電柱21の内壁に向かって噴射した高圧噴射水61〜65のうち、第1の高圧噴射水61は、比較的強い第1の所定の水圧で電柱21の内壁に対してほぼ直角に噴射し、電柱21の内壁の付着物25を確実に除去する。この時、第2の高圧噴射水62は、第1の高圧噴射水61に対して180度反対側の電柱21の内壁に対してほぼ直角に線状に噴射し、第1の高圧噴射水による付着物除去用ホース1の先端部5の偏り動作などを抑制したり、バランスをとるように補助している。
【0058】
第3の複数(本実施の形態では、3つ)の高圧噴射水63〜65は、120度の等角度で電柱21の内壁に対して付着物除去用ホース1の基端の方に向かって傾斜して電柱21の内壁に斜めに線状に噴射し、これにより付着物除去用ホース1およびその先端部5を矢印202で示すように前進させるようになっている。
【0059】
一方、付着物除去用ホース1およびその先端部5は、ホース回転装置13により回転、すなわち自転しているので、この自転と第1〜第5の高圧噴射水の内壁への噴射により図8(b)において矢印204で示すように電柱21の内部を公転し、水圧の強い第1の高圧噴射水61は、図8では電柱21の右側の内壁に近づいたり、また例えば図9に示すように、電柱21の反対側の内壁に近づくように公転する。この公転により、第1〜第5の高圧噴射水、特に水圧の強い第1の高圧噴射水が電柱21の内壁の全周面に満遍なく当り、電柱21の内壁の全体に存在するノロやほこりなどの付着物を完全に除去することができる。また、付着物除去用ホース1の先端部5の開口部からは、第3の複数の高圧噴射水が付着物除去用ホース1の基端の方に向かって傾斜して電柱21の内壁に斜めに線状に噴射しているので、付着物除去用ホース1およびその先端部5は、この第3の複数の高圧噴射水の噴射力により図8(a)で矢印202で示すように上方に前進する。
【0060】
以上の結果、付着物除去用ホース1およびその先端部5の自転と公転により水圧の強い第1の高圧噴射水が電柱21の内壁の全周面に満遍なく当り、電柱21の内壁の全体に存在するノロやほこりなどの付着物を完全に除去するとともに、第3の複数の高圧噴射水が電柱21の内壁に斜めに線状に噴射することによる付着物除去用ホース1およびその先端部5は前進するため、電柱21の下方から上方に至るすべての内壁の付着物25は、完全に除去されることになる。
【0061】
図10は、付着物除去用ホース1を回転させずに、付着物除去用ホース1の先端部5のノズル50のみを回転するとともに、図8と同様に水圧の強い第1の高圧噴射水61、水圧の弱い第2の高圧噴射水62および水圧が弱く電柱21の内壁に斜めに噴射する第3の複数の高圧噴射水63、64を噴射するようにした場合の付着物除去装置の説明図である。
【0062】
なお、第1の高圧噴射水61は、例えば15リットル/分の流量で噴射するのに相当する比較的強い第1の所定の水圧で線状に噴射され、第2の高圧噴射水は、例えば5リットル/分の流量で噴射するのに相当する若干弱い第2の所定の水圧で線状に噴射され、第3の複数の高圧噴射水は、例えば5リットル/分の流量で噴射するのに相当する第3の所定の水圧で線状に噴射されている。
【0063】
このように構成される付着物除去装置では、付着物除去用ホース1の先端部5の噴射ノズル50は、回転せず、電柱21の一方の内壁に留まり、内壁のノロを除去することはできないとともに、付着物除去用ホース1およびその先端部5の上方への前進もやや困難である。
【0064】
図11は、図10において電柱21の内壁に対してほぼ直角に噴射する第1の高圧噴射水61と第2の高圧噴射水62の水圧を若干弱くした同じ水圧、すなわち10リットル/分の流量で噴射するのに相当する若干弱い水圧に設定した点が異なるものであり、その他の構成、設定などは図10と同じである。なお、第3の複数の高圧噴射水63、64は、図10と同じように、5リットル/分の流量で噴射するのに相当する若干弱い第2の所定の水圧で電柱21の内壁に対して斜めに噴射されるようになっている。
【0065】
このように構成される付着物除去装置では、付着物除去用ホース1の先端部5の噴射ノズル50は、良好に回転するが、噴射ノズル50と電柱21の内壁との間の距離が長いとともに、第1、第2の高圧噴射水61、62の水圧が不足し、電柱21の内壁のノロを除去することができない。また、噴射ノズル50は電柱21の中央に留まってしまい、公転することができない。なお、噴射ノズル50は正常に前進することができた。
【0066】
図12は、図11において10リットル/分の流量で噴射するのに相当する水圧に設定された第1の高圧噴射水61のみを使用し、その他の高圧噴射水は削除した点が異なるものであり、その他の構成、設定などは図10と同じである。
【0067】
このように第1の高圧噴射水61のみを使用して構成される付着物除去装置では、付着物除去用ホース1の先端部5の噴射ノズル50は、回転せず、また噴射ノズル50と電柱21の内壁との間の距離が長いとともに、第1の高圧噴射水61の水圧が不足し、電柱21の内壁のノロを除去することができない。噴射ノズル50は、電柱21の一方の内壁に留まり、付着物除去用ホース1およびその先端部5の上方への前進も困難であり、手動ではばらついていた。
【符号の説明】
【0068】
1 付着物除去用ホース
3 連結部
5 先端部
5a 先端部の先端の内壁
11 結合装置
13 ホース回転装置
15 高圧水注入装置
21 電柱
21a 側部開口
25 付着物
31 堆積物
33 堆積物取出し用ホース
35 真空吸引装置
33a 排出ホース
51 開口部
61 第1の高圧噴射水
62 第2の高圧噴射水
63 第3の高圧噴射水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設された中空柱の内壁の付着物を除去する付着物除去装置であって、
先端が閉塞され、この先端から中空柱内に挿入される細長い付着物除去用ホースと、
この付着物除去用ホースの基端に連結され、該付着物除去用ホースを回転させるホース回転装置と、
付着物除去用ホースの基端に連結され、付着物除去用ホース内に水を高圧注入する高圧水注入装置と、
付着物除去用ホースの先端寄りの周壁に形成された開口部であって、付着物除去用ホースの基端から高圧水注入装置により高圧注入され付着物除去用ホース内を通って付着物除去用ホースの先端に流入した高圧注入水を当該開口部から中空柱の内壁に向かって噴射させ、この高圧注入水の噴射により中空柱の内壁の付着物を除去するとともに、付着物除去用ホースの先端を付着物除去用ホースとともに中空柱内を前進させるように形成される開口部と
を有することを特徴とする付着物除去装置。
【請求項2】
前記開口部は、付着物除去用ホースの基端の方に向かって傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1記載の付着物除去装置。
【請求項3】
前記付着物除去用ホースの先端の内壁は、高圧注入水が跳ね返って開口部から外部に噴出し易いように円形に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の付着物除去装置。
【請求項4】
前記開口部は、付着物除去用ホースの円周方向において等角度で均等にかつ対称に複数形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の付着物除去装置。
【請求項5】
前記開口部は、高圧注入水を中空柱の内壁に向かって線状に噴射するように細く複数形成されるとともに、この複数の開口部のうちの、第1の開口部は高圧注入水を第1の所定の水圧で中空柱の内壁に対してほぼ直角に線状に噴射し、第2の開口部は第1の開口部に対して180度反対側の周壁に形成され、高圧注入水を第1の所定の水圧よりも小さい第2の所定の水圧で中空柱の内壁に対してほぼ直角に線状に噴射し、第3の複数の開口部は付着物除去用ホースの先端寄りの周壁に対して均等に等角度で形成され、第1の所定の水圧よりも小さい第3の所定の水圧で中空柱の内壁に対して付着物除去用ホースの基端の方に向かって傾斜して中空柱の内壁に対して斜めに線状に噴射するように形成されていることを特徴とする請求項1または3または4記載の付着物除去装置。
【請求項6】
前記第3の複数の開口部は、3個の開口部を有することを特徴とする請求項5記載の付着物除去装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の付着物除去装置を使用した付着物除去方法であって、
中空柱の地際より所定長上部の側部において中空柱の長手方向に細長い側部開口を形成する側部開口形成工程と、
この側部開口から付着物除去用ホースの先端部を中空柱の上方または下方に向けて付着物除去用ホースとともに挿入し、この付着物除去用ホースの通過した部分を除いて側部開口を閉塞するホース挿入工程と、
前記高圧水注入装置から付着物除去用ホース内に水を高圧注入するとともに、前記ホース回転装置で付着物除去用ホースを回転させ、高圧注入された水が付着物除去用ホース内を伝わって付着物除去用ホースとともに回転している付着物除去用ホースの先端の開口部から中空柱の内壁に向かって噴射し、この高圧注入水の噴出により中空柱の内壁の付着物を除去しながら付着物除去用ホースの先端を付着物除去用ホースとともに中空柱内を上方または下方に前進させ、中空柱の上方または下方における付着物を除去する第1の付着物除去工程と、
前記ホース挿入工程で付着物除去用ホースの先端を中空柱の下方または上方に向けて挿入し、前記第1の付着物除去工程で付着物除去用ホースの先端を付着物除去用ホースとともに中空柱内を下方または上方に前進させ、中空柱の下方または上方における付着物を除去する第2の付着物除去工程と
を有することを特徴とする付着物除去方法。
【請求項8】
中空柱の側部開口から中空柱内に太めの堆積物取出し用ホースを挿入し、この堆積物取出し用ホースの先端を中空柱の底に到達せしめ、
前記高圧注入水の噴出により中空柱の内壁から除去され中空柱の底に堆積した堆積物の間近に堆積物取出し用ホースの先端を接近させ、
この堆積物取出し用ホースの基端部を中空柱の外部に設けられた真空吸引装置に連結し、該真空吸引装置を作動して、中空柱の底に堆積した堆積物および水を堆積物取出し用ホースの先端から吸引し、中空柱の外部に排出する
ことを特徴とする請求項7記載の付着物除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−269230(P2010−269230A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121879(P2009−121879)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(504239984)
【Fターム(参考)】