説明

代替ガスを生産するためのプロセス及び設備

鉄酸化物を含有する粒状材料を還元するための方法及び設備が開示されており、鉄酸化物を含有する材料が、還元領域において還元ガスによって少なくとも部分的に還元され、還元中に生成された排ガスが引き抜かれ、次いでCO分離装置(1)においてCO洗浄にかけられ、このCO洗浄においてCOを含有するテールガスが分離される。テールガスは、燃焼及びそれに続く脱水装置(5)における脱水にかけられ、その際、代替ガスが不活性ガスの代替として使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄酸化物を含有する粒状材料を還元するための方法及び設備に関し、鉄酸化物を含有する材料は、還元領域において還元ガスによって少なくとも部分的に還元され、還元中に生成される排ガスは引き抜かれてCO洗浄にかけられ、このCO洗浄において、COを含有するテールガスが分離される。
【背景技術】
【0002】
還元プロセスの後に還元領域から炉頂ガスとして引き抜かれる還元ガスが、新たな使用のために供給されることが従来技術から知られている。この点に関して、炉頂ガスはまず洗浄され、炉頂ガスからCO2が分離されることが知られている。CO及び/又はHOを分離することによって、炉頂ガスの還元能力を増加させることができ、炉頂ガスを再び還元に使用することができる。
【0003】
CO洗浄の際に得られるCOを含有するテールガスは、不安定な成分を有している。テールガスが熱的に利用され、その際に生成されたエネルギーをプロセスにおいて使用できることが、従来技術から知られている。
【0004】
このことの欠点は、大気中に排出されなければならない、それでもなお大量の排ガスが発生する場合があるということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、環境の負担を減少しつつ、テールガスを不活性ガスの代替としてプロセスにおいて使用することを可能にする方法及び設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載された発明による方法と、請求項10に記載された設備とによって達成される。
【0007】
本発明による方法によれば代替ガスが形成され、この代替ガスは、特に純酸素との燃焼によって、もはやいずれの燃焼成分を有することがなく、したがって、脱水の後に、不活性ガスの特性に対応する特性を有し、よって不活性ガスの代わりに低価格の選択肢として使用することができる。不活性ガスを生成するためにテールガスを使用する利点は、テールガスが非常に低い窒素(N)含有量を有することである。さらに、テールガスの使用によって、COの排出と、鉄生産プロセスのための操業コストとが削減される。燃焼には、技術上、純酸素又は、少なくとも90%、望ましくは99%以上の酸素成分を有する、酸素含有ガスを使用することが望ましい。その際、95%以上のCO成分を有する代替ガスを生産することが可能であり、よって、この代替ガスは少ない比率の窒素及び酸素しか含有していない。
【0008】
このテールガスは、還元プロセスの排ガスから得ることができる。この点において、例えばブラスト炉又は還元シャフトからの炉頂ガス、又は流動床アセンブリからのオフガス、又は熔錬還元プロセスからの過剰ガスを使用することができる。
【0009】
鉄酸化物を含有する粒状材料の還元領域における還元では、まず海綿鉄が生産され、次いでこの海綿鉄を銑鉄に熔錬することができるが、これを、熔錬還元が行われるブラスト炉中で連続的に行うことも考えられる。
【0010】
有利な方法は、冶金学的設備及び方法において使用されることが多い、窒素を含有する不活性ガスが代替されることを可能にしている。不活性ガスにおける窒素は、特にプロセスガスの再利用の際に、窒素の富化があり、この窒素は、技術的に非常に手間がかかり、したがって不経済にしか再び除去することはできないという欠点を有している。窒素の代わりに代替ガスを使用することによって、再利用されるプロセスガスからのCOの分離を既知の技術的方法によって、実質的により容易に行うことができる。不活性ガスとは異なり、代替ガスを分離することができることから、ガスの全量が減少するので、電力消費もまた減少し、鉄を生産するため、及びプロセスガスを再利用するための設備をより小型、かつ、より経済的に実施することができる。
【0011】
さらに、多くの隔離方法がガスの純度に対する厳しい要求を有しているので、代替ガスはCOの隔離に好適である。
【0012】
本発明による方法の有利な形態によれば、燃焼の後に、代替ガスは少なくとも1つの段階において、特に20〜60℃の温度まで冷却され、脱水されて圧縮され、場合によっては乾燥させられる。高温の代替ガスの冷却は、例えば水分が凝縮によって析出し、したがって代替ガスを脱水することができる。これは、凝縮が供給ラインにおいて生じ、それによって腐食及び操業上の問題をもたらしかねないので、代替ガスが不活性ガスの代替として使用されるときに重要である。圧縮によって、代替ガスは技術的に通常の用途に必要とされるような圧力レベルまで到達させることができる。CO分離からのテールガスが約0.1バールの低圧を有しているので、代替ガスの圧縮は必要である。任意の乾燥によって、代替ガスの水分含有量をさらに減少させることができる。
【0013】
本発明によれば、テールガスと酸素含有ガスとの混合ガスの燃焼は、燃焼チャンバにおいて行われる。燃焼チャンバは、特に完全な燃焼を意図した制御された条件のもとで燃焼を行うことを可能にする。さらに、燃焼温度を所定の範囲内に保持することができ、これによって殆ど一定の条件下における安定な操業が可能となる。このことは、時間的にみて、テールガスが一定の組成を有することができず、したがって燃焼が対応して影響されてしまうので、望ましい。
【0014】
本発明による方法の特に有利な形態によれば、テールガスは、特に総量が流量制御によって制御された状態でブロア又は圧縮装置によってバーナーシステム中に導入される。テールガスは、CO洗浄装置から出る際には低圧であり、その総量及び圧力レベルはプロセスに左右されて変動する場合がある。ブロア及び流量制御装置によって、テールガスの総量は意図的に設定することができ、その結果バーナーシステムに導入することができる。テールガスは、任意にガスアキュムレータに一時的に貯蔵することができ、これによって例えば組成及び総量の変動を平衡させることができ、特に、熱量値の変動をバランスさせ、これにより安定した条件の下での燃焼を得ることが可能である。
【0015】
本発明による方法のさらに有利な形態によれば、代替ガスの少なくとも一部は、場合によって脱水及び/又は圧縮の後に、酸素含有ガスと混合されて、バーナーシステムに戻される。脱水の後、代替ガスの圧力レベルが適用され得る。代替ガスを戻すことによって、燃焼され得るガスと酸素含有ガスとから成る混合ガスを変換することができ、ガス混合物中の燃焼成分の比率が変化する。
【0016】
本発明による方法によれば、例えば燃焼温度又は燃焼チャンバ及び代替ガスの温度の設定が可能となる。したがって、窒素酸化物(NOx)の形成が妨げられるか、又は少なくとも大幅に減少できる。
【0017】
本発明による方法の特別な形態によれば、戻された代替ガスのバーナーシステムへの量的な供給は、火炎温度がガスの燃焼中に一定に保持されるように行われる。したがって、最適化された一定の条件下の燃焼を保証することができる。
【0018】
本発明による方法の好適な形態によれば、燃焼前に、テールガスは還元法又は熔錬還元法からの、炉頂ガス、オフガス、又は過剰ガスと混合される。鉄酸化物を含有する粒状材料の還元の後に、還元ガスが還元領域から引き抜かれる。還元シャフトの場合、又はブラスト炉の場合には、このガスは炉頂ガスと称され、流動床アセンブリの場合には、オフガスと称される。さらに、過剰ガスとして知られている、プロセスに現状は必要とされていない還元ガスが同様に使用される。これらガスの添加によって、燃焼温度及び代替ガスの総量が影響を受けるか又は設定され得る。
【0019】
本発明による方法の有利な形態によれば、脱水され、圧縮され、場合によっては乾燥された代替ガスは、酸化物及び/又は石炭の装入操作のバリアガスシステムにおいて、又は石炭射出操作の推進ガスとして、又はバーナーランスの冷却のため、又はフラッシング及び冷却ガスとして、又は導管路(raceway)の火炎温度を制御するため、又はバーナーシステムにおいて、又は搬送ガスとして空気式搬送のために使用される。COの大きな比率によって、脱水され圧縮された代替ガスは、多数の用途において使用することができ、技術的に広く使用される窒素又は他の不活性ガスを代替することができる。導管路は、吹き込み時に金属学的反応炉において形成される気泡形状の空洞として当業者には理解される。
【0020】
本発明による方法の有利な形態によれば、テールガス及び/又は酸素含有ガス及び/又は戻された代替ガスは、燃焼の前に、この燃焼中に生成された排熱を使用して予備加熱される。燃焼チャンバ中の燃焼からの排熱は、前記ガスを予備加熱するために使用することができ、これにより燃焼中のさらにより正確な温度の設定が達成される。またこれによって、例えばNOx成分のような代替ガスの成分を制御することが可能となる。
【0021】
本発明による設備は、簡単な構成の設備によって、CO分離装置からのCOを含むテールガスを、最適化されてもはや燃焼不可能な、比較的危険の無い代替ガスに変換することができるという利点がある。テールガスを酸素含有ガス、特に純酸素と混合するためのバーナーシステムと、燃焼チャンバであって、この燃焼チャンバ中にこれらガスを導入することができるとともに、代替ガスを形成しつつ燃焼することができ、代替ガス排出ラインによって排出することができる燃焼チャンバと、がこの目的のために設けられている。任意には、ガスアキュムレータが、テールガスを、バーナーシステムにおいて酸素含有ガスと混合される前に一時的に貯蔵するために設けることができる。プロセスに左右されてテールガスの組成が変動し、よってテールガスの熱量値が変動するので、ガスアキュムレータによって、テールガスの組成を大幅に均一にすることができ、これによって非常に一定な条件の下での安定した燃焼を保証することができる。
【0022】
代替ガスラインは、燃焼チャンバを代替ガスから水分を分離するための脱水装置に接続している。この結果脱水された代替ガスは、技術的に通例の不活性ガスシステムによって不活性ガス消費装置へ供給することができる。非常に高い比率のCO及び低い比率のN2によって、この代替ガスは多くの用途に対して好適である。テールガスの酸素含有ガスとの非常に緊密な混合がバーナーシステムによって達成され、これによってテールガスの燃焼成分の完全な燃焼を保証することができる。
【0023】
通例のCO分離装置は、例えば圧力スイング吸着又は真空圧力吸着の原理に基づいて動作し、当業者には既知である。
【0024】
本発明による設備の代替的な形態によれば、テールガスを圧縮する作用をする少なくとも1つの圧縮装置が、ガスアキュムレータと燃焼チャンバとの間に配置されている。燃焼前の圧縮は、設備の構成要素をより高圧で作動させることができ、したがってより小型に実施することができるという利点を有している。
【0025】
本発明による設備の1つの可能な変形態では、少なくとも1つの代替ガス圧縮装置が、脱水された代替ガスを圧縮するために設けられることが意図される。したがって、圧力レベルを、代替ガスのさらなる使用に合わせることができる。
【0026】
本発明による設備の代替的な形態によれば、ブロア若しくは圧縮装置、又は場合によって流量制御装置が、テールガスをバーナーシステムに供給するために設けられている。プロセスに左右されて、テールガスは非常に低圧であるので、テールガスはブロア又は圧縮機によって供給されなければならず、テールガスの量的な制御をも行われる。
【0027】
本発明による設備のさらなる形態によれば、脱水された代替ガスの一部を戻すため、及びこの一部を酸素との混合後にバーナーシステムに導入するための戻りラインが設けられ、このラインは脱水装置の下流において代替ガスラインから分岐している。したがって、必要に応じて、脱水された代替ガスの一部分はバーナーシステムに戻すことができ、それによって燃焼しない成分の供給によって燃焼に影響を与えることができる。
【0028】
本発明による設備の有利な形態によれば、圧縮された代替ガスを脱水するためのさらなる脱水装置が設けられている。追加的な脱水は、代替ガス中のさらに低い水分含有量を達成することができる。
【0029】
本発明による設備の特別な形態によれば、脱水装置は、冷却及び排熱回収装置と、代替ガスから水分を分離するための凝縮物分離装置を備えている。凝縮による脱水は、十分に実績のある技術であることが明らかとなっている。
【0030】
本発明による設備の特に有利な形態によれば、さらなる圧縮装置が、代替ガスラインからの戻りラインの分岐部の下流に配置されている。この圧縮装置によって、戻されない代替ガスの圧力を別々に設定し、後続の使用に合わせることができる。
【0031】
本発明は、図1〜4に基づいて例示の方法によって、より詳細に後述される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】代替ガスを生産するための本発明による設備の一の実施形態の図である。
【図2】代替ガスを生産するための本発明による設備の別の一の実施形態の図である。
【図3】代替ガスの戻りを有する、代替ガスを生産するための本発明による設備の一の実施形態の図である。
【図4】代替ガスの戻りを有する、代替ガスを生産するための本発明による設備の別の一の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、代替ガスを生産するための本発明による設備を示している。ブラスト炉、還元シャフト、流動床アセンブリ、又は溶融ガス化炉でもよい、図示されていない還元アセンブリから、引き抜かれた排ガスAG、すなわち既に還元用に使用された還元ガスが、CO分離装置1に供給される。この際、プロダクトガスPG及びCOを含むテールガスTGが形成され、このテールガスがまず、ガスアキュムレータ14内に一時的に貯蔵される。ガスアキュムレータ14の容積は、テールガスの組成の変動が大幅にバランスされるように選択されている。テールガスTGは、例えば二段スクリューコンプレッサ、ピストンコンプレッサ、又は多段ターボコンプレッサとして形成することができるコンプレッサ6によって、まず圧力6〜12バールゲージまで圧縮されて、バーナーシステム2に供給され、このバーナーシステムにおいて、テールガスTGは酸素含有ガスO−Gと混合される。通常は、技術的に純酸素がこの目的のために添加される。燃焼前のテールガスTGの圧縮は、脱水又は冷却操作のみを受けた代替ガスを供給することを可能とし、これにより設備の簡単な構造が可能となる。
【0034】
任意に、供給ライン8を介して、例えば炉頂ガス、オフガス、又は過剰ガスのような排ガスAGをもまたテールガスに直接混合し、バーナーシステム2に供給することができる。
【0035】
テールガスと酸素含有ガスO−G、及び場合によっては排ガスAGとの混合ガスは、次いで燃焼チャンバ3に供給され、そこでテールガスと、場合によっては排ガスAGとが殆ど完全に燃焼され、これにより燃焼中に形成された代替ガスは非常に高比率のCOと、ほんの少量の水蒸気、窒素、又は酸素とを有する。燃焼中に形成された代替ガスは、代替ガスライン4を介して脱水装置5に供給され、この脱水装置によって代替ガスから水分が大幅に分離される。また、燃焼チャンバを脱水装置5と組み合わせて、単一の構造ユニットを形成することができる。脱水装置5は、冷却装置又は廃熱回収装置11、及び凝縮物分離装置12を備えることができ、分離された水分は凝縮物としてラインを介して排出される。また、乾燥装置15を設けることができ、これによって代替ガス中の含水量をガスの露点未満に下げることができる。乾燥された代替ガスは、次いで不活性ガスコンスーマ(consumer)IVに供給されるか、又は隔離圧縮装置(sequestering compressor)17によって圧力を上げられた後にCO隔離装置(sequestration)SQに供給することができる。
【0036】
図2は代替的な改良形態であって、この形態は、ブロア6が約0.1〜0.3バールゲージの圧力までのテールガスTGのわずかな圧縮のために設けられているということによって、図1に示されている形態と異なっている。さらに、代替ガスの代替ガス圧縮装置7による圧縮が、6〜12バールゲージの圧力まで行われる。代替ガス圧縮装置7は、例えば2段スクリュー圧縮装置、ピストン圧縮装置、又は多段ターボ圧縮装置として実施することができる。
【0037】
図3及び4は、図1及び2による形態に対する、それぞれ1つの代替的な設備を示している。ここでは、それぞれ1つの戻りライン9がバーナーシステム2の中に脱水された代替ガスの一部分を戻すために設けられている。これによって、テールガスの燃焼と、その際生じる火炎温度を設定することとが可能になっている。その際、戻りライン9は代替的ガスライン4から脱水装置5の下流で分岐している。
【0038】
図4によれば、さらなる圧縮装置13、追加的な脱水装置10及び乾燥装置15を、代替ガスライン4からの戻りライン9の分岐部の下流に設けることができる。図2による形態と類似して、ブロア6がテールガスTGの約0.1〜0、3バールゲージの圧力へのわずかな圧縮のために設けられているとともに、さらなる圧縮装置13が6〜12バールゲージの圧力への圧縮のために設けられている。
【0039】
図1〜4による全ての形態が、スタートアップ又は総量バランスライン18を、ブロア又は圧縮装置6の下流に備えることが任意に可能である。このラインは、代替ガスを生成するため、又は隔離するために使用されないテールガス量を、例えば還元プロセスから排出される送出ガスの流れに混合するという目的に役立つ。また、代替的にスタートアップ又は総量バランスライン18をガスアキュムレータ14又はブロア、又は圧縮装置6の上流に配置することもでき、これによって必要とされないテールガスTGをここに搬出することができる。
【0040】
戻された代替ガスの搬送又は圧縮のために、圧縮装置16を戻りライン9に設けることができる。分離された供給によって、酸素含有ガスO−Gはまず戻された代替ガスと混合され、次いでバーナーシステム2に導入される。さらなる圧縮装置13、追加的な脱水装置10、及び乾燥装置15を、戻りライン9の分岐部の下流に設けることができる。
【0041】
図2又は4による例示形態の場合には、圧力がいずれの場合においても0.5バールゲージ未満であるので、燃焼チャンバ3及び/又は冷却装置、又は排熱回収装置11を圧力容器として設計する必要が無い。
【符号の説明】
【0042】
1・・・CO分離装置
2・・・バーナーシステム
3・・・燃焼チャンバ
4・・・代替ガスライン
5・・・脱水装置
6・・・ブロア又は圧縮装置
7・・・代替ガス圧縮装置
8・・・供給ライン
9・・・戻りライン
10・・・脱水装置
11・・・冷却及び排熱回収装置
12・・・凝縮物分離装置
13・・・さらなる圧縮装置
14・・・ガスアキュムレータ
15・・・乾燥装置
16・・・圧縮装置
17・・・隔離圧縮装置
18・・・スタートアップ及び総量バランスライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄酸化物を含有する粒状材料を還元するための方法であって、
前記鉄酸化物を含有する材料が、還元領域において還元ガスによって少なくとも部分的に還元され、前記還元中に生成されたガスが排ガスとして引き抜かれ、次いでCO分離にかけられ、このCO分離においてCOを含有するテールガスが分離される方法において、
場合によってガスアキュムレータに一時的に貯蔵された後に、前記テールガスを酸素含有ガス、特に純酸素とバーナーシステム中において混合して代替ガスを形成しつつ燃焼し、該代替ガスは、脱水の後に不活性ガスの代替として、特に窒素の代わりに使用されることを特徴とする方法。
【請求項2】
燃焼の後に、前記代替ガスは少なくとも1つの段階において、特に20〜60℃の温度まで冷却され、脱水され、圧縮され、場合によっては乾燥されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記テールガスと前記酸素含有ガスとの混合ガスの燃焼は、燃焼チャンバにおいて行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記テールガスは、特に流量制御によって量を制御された状態で、ブロア又は圧縮機によって前記バーナーシステム中に導入されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記代替ガスの少なくとも一部が、場合によっては脱水及び/又は圧縮の後に、前記酸素含有ガスと混合され、前記バーナーシステムに戻されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記戻された代替ガスの前記バーナーシステムへの量的供給は、火炎温度が前記ガスの燃焼中に一定に保持されるように行われることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記燃焼の前に、前記テールガスが、還元又は熔錬還元プロセスからの炉頂ガス、オフガス、又は過剰ガスと混合されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
脱水され、圧縮され、場合によっては乾燥させられた前記代替ガスは、酸化物及び/又は石炭の装入操作の遮蔽ガスシステムにおいて使用されるか、又は石炭の射出操作の推進ガスとして使用されるか、又はバーナーランスの冷却のために使用されるか、又はフラッシング及び冷却用ガスとして使用されるか、又は導管路の前記火炎温度を制御するために使用されるか、又はバーナーシステムにおいて使用されるか、又は搬送ガスとして空気圧式搬送のために使用されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記テールガス及び/又は前記酸素含有ガス及び/又は前記戻された代替ガスは燃焼前に、前記テールガスの燃焼中に生産された排熱を使用して予熱されることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
還元アセンブリであって、該還元アセンブリにおいて、鉄酸化物を含有する材料が少なくとも部分的に還元ガスによって還元され、前記還元ガスが炉頂ガスとして引き抜かれる、還元アセンブリを有し、
続いて、前記炉頂ガスからCOを分離するためのCO分離装置(1)であって、COを含有するテールガスを形成する、CO分離装置(1)を有する、
鉄酸化物を含有する粒状材料を還元するための設備において、
前記テールガスを酸素含有ガス、特に純酸素と混合するためのバーナーシステム(2)と、
場合によっては、前記テールガスを、前記酸素含有ガスと混合される前に一時的に貯蔵するためのガスアキュムレータ(14)と、
燃焼チャンバー(3)であって、該燃焼チャンバ中に前記テールガス及び前記酸素含有ガスが導入されて、代替ガスを形成しつつ燃焼するとともに代替ガス排出ライン(4)を介して排出することができる、燃焼チャンバー(3)と、
前記代替ガスから水分を分離するための脱水装置(5)を含む冷却又は排熱回収装置と、
が設けられ、不活性ガスの代替ガス、特に窒素に代わる代替ガスを形成することを特徴とする鉄酸化物を含有する粒状材料を還元するための設備。
【請求項11】
テールガスと、酸素含有ガスと、場合によっては戻された代替ガスと、の混合ガスを圧縮するために用いられる少なくとも1つの圧縮装置(6)が、前記ガスアキュムレータ(14)と前記バーナーシステム(2)との間に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の設備。
【請求項12】
少なくとも1つの代替ガス圧縮装置(7)が、脱水された前記代替ガスを圧縮するために設けられていることを特徴とする請求項10又は11に記載の設備。
【請求項13】
ブロア又は圧縮装置(6)、及び場合によっては流量制御装置が、前記テールガスを前記バーナーシステム(2)に供給するために設けられていることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の設備。
【請求項14】
戻りライン(9)が、前記脱水された代替ガスの一部を戻し、酸素との混合の後に前記バーナーシステム(2)中に導入するために設けられ、前記戻りラインは、前記脱水装置(5)の下流において前記代替ガスライン(4)から分岐していることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の設備。
【請求項15】
前記戻された代替ガスを圧縮するための圧縮装置(16)が、前記戻りライン(9)に設けられていることを特徴とする請求項14に記載の設備。
【請求項16】
前記圧縮された代替ガスを脱水するためのさらなる脱水装置(10)が設けられていることを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載の設備。
【請求項17】
前記脱水装置(5、10)は、冷却又は排熱回収装置(11)と、前記代替ガスから水分を分離するための凝縮物分離装置(12)と、を備えることを特徴とする請求項16に記載の設備。
【請求項18】
さらなる圧縮装置(13)が、前記戻りライン(9)の、前記代替ガスライン(4)からの分岐部の下流に配置されていることを特徴とする請求項14〜17のいずれか一項に記載の設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−518721(P2012−518721A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550509(P2011−550509)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051310
【国際公開番号】WO2010/094566
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(301041586)シーメンス・ファオアーイー・メタルズ・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー (41)
【Fターム(参考)】