説明

代謝インプリンティング

本発明は、一般に栄養の分野に関する。特に本発明は、生後期または生後早期における、より具体的には6〜36カ月の月齢期またはその一部の間における乳幼児栄養に関する。本発明の一実施形態は、6〜36カ月の月齢期またはその一部の間の小児向けの食事組成物のキットであって、その組成物の主要栄養素含量が、月齢6カ月の小児向けに脂肪からのエネルギー約40〜50%と、炭水化物からのエネルギー約40〜49%とを含む組成物から、月齢36カ月の小児向けに脂肪からのエネルギー約30〜35%と、炭水化物からのエネルギー約50〜55%とを含む組成物へと直線の形で徐々に変化するキット、並びに後年になっての肥満症を予防するためのそのキットの使用である。他の実施形態は、具体的な乳幼児発育段階における乳幼児の栄養要求に合致させるための最適なエネルギープロフィルを有する保存安定性ベビーフード製品の範囲に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001]本発明は、一般に栄養の分野に関する。特に本発明は、生後期または生後早期における、より具体的には6〜36カ月の月齢期またはその一部の間における乳幼児栄養に関する。本発明は保存安定性ベビーフードにも関し、特に乳幼児の栄養要求に合致させるための最適なエネルギープロフィルを有する保存安定性ベビーフードにも関する。
【背景技術】
【0002】
[002]生後早期の間の栄養が後年になっての疾患の進行をプログラムすることができるとの証拠が蓄積されており(非特許文献1)、「代謝プログラミングまたはインプリンティング」と名付けられた発見である。この証拠は、主として子宮内における胎児の発育から導きだされ(非特許文献2〜7)、後年になっての個体の健康に向けて、生後早期の間の最適栄養の重要性を明らかにしている。生後早期の間多くの発育過程が依然として継続することを考えると、生後の栄養、特に哺乳の間および補完食期の間の栄養が、後年になっての健康状態および疾患の予防に重要な役割を演ずることは明らかである。
【0003】
[003]ラットにおけるこれまでの証拠は、哺乳期における乳の脂肪および炭水化物(CHO)含量の変化が、後年になって肥満症および糖尿病の発現に影響を有することを実証する。添加物のない母乳栄養のラットに関するこれらの研究において(非特許文献8および9)、生後4日齢から24日齢までのラットを、脂肪含量が低く(LF)CHOに富む代用調製乳(脂肪から総エネルギー(脂肪E)の20%、炭水化物から総エネルギー(CHO E)の56%)、またはラットの乳に類似した、すなわち脂肪が高く(HF)CHOが低い(CHO Eが8%および脂肪Eが68%)乳組成物を使用して人工的に飼育するか、または母乳給餌した。全ての群を、低脂肪の実験室標準固形飼料食に離乳させた。哺乳期の間のLF給餌は、高インスリン血症を招き、それが成体期まで持続したものであり、体重の増加および成体肥満症の発症、すなわち「代謝プログラミング」(非特許文献10および11)と名付けられた影響につながっている。本発明者が知っていた限り、従来この効果は全乳食(哺乳期)を過ぎてから観察されていなかった。
【0004】
[004]哺乳期の間において、乳幼児および他の哺乳動物の最初の食事としての「乳」は、非常に脂肪に富んでいるが(エネルギーの50%が脂肪由来)、補完食期の間、乳幼児が半固形食へと徐々に離乳するにつれて、食事の脂肪摂取量はかなり減少する。
【0005】
[005]これは、果物、野菜、離乳用シリアル、果物ジュースなどの脂肪含量の低い離乳食で高脂肪乳を置き換えるためである。
【0006】
[006]乳幼児の脂肪摂取量は、補完食期の間(6〜12カ月)は先進国でさえも低い(エネルギーの30%を脂肪から)(非特許文献12および13)ことが報告されている。実際にこの補完食期は、「人間のライフサイクルの中で最低の脂肪摂取量である生活期間」と呼ばれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】[0159] Barker DJ, Clark PM. Fetal undernutrition and disease inlater life. Rev Reprod 1997; 2:105-112.
【非特許文献2】[0160] Law CM, Barker DJ, Osmond C, Fall CH, Simmonds SJ. Earlygrowth and abdominal fatness in adult life. J Epidemiol Community Health, 1992;46 184-18.
【非特許文献3】[0161] .Barker DJ. Outcome of low birthweight. Horm Res 1994; 42:223-230.
【非特許文献4】[0162] Hoet JJ, Hanson MA. Intrauterine nutrition: its importanceduring critical periods for cardiovascular and endocrine development. J Physiol(Lond) 1999; 514:617-627.
【非特許文献5】[0163] Ozanne SE, Hales CN. The long-term consequences ofintra-uterine protein malnutrition for glucose metabolism. Proc Nutr Soc 1999; 58:615-619.
【非特許文献6】[0164] Langley-Evans SC, Sherman RC, Welham SJ, Nwawu MO, GardnerDS, Jackson AA. Intrauterine programming of hypertension: the role.of thereninangiotensin system. Biochern Soc Trans 1999; 27:88-93.
【非特許文献7】[0165] Tycko B, Ashkenas J. Epigenetics and its role in disease. J.Clin Invest, 2000; 105:245-246.
【非特許文献8】[0166] Patel M.S, Vadlamudi S.P and Johanning G.L, Overview of pupin a cup model: hepatic lipogenesis in rats artificially reared on ahigh-carbohydrate formula J.Nutr, 1993, 123:373-377.
【非特許文献9】[0167] Hiremagalur B.K, Vadlamudi S, Johanning G.L and Patel, M.S,Long-term effects of feeding high carbohydrate diet in pre-weaning period bygastrostomy: a new rat model for obesity. Inter J Obesity, 1993, 17:495-502.
【非特許文献10】[0168] Song F, Srinivasan M, Aalinkeel R, Patel MS. Use of cDNAArray for identification of genes induced in islets of suckling rats by ahigh-carbohydrate nutritional intervention. Diabetes 2001; 50:2053-2060.
【非特許文献11】[0169] Aalinkeel R, Srinivasan M, Song F and Patel MS. Programminginto adulthood of islet adaptations induced by early nutrition in the rat. Am JPhysiol Endocrinol Metab, 2001, 281:E640-648.
【非特許文献12】[0170] Michaelsen FK and Jorgensen M, Dietary fat content andenergy density during infancy and childhood, Eur J Clin Nutr, 1995, 49:467-483.
【非特許文献13】[0171] Lapinleimu.H, Viikari J, Jokinen E, Salo P, Routi T, LeinoA, Ronnemaa T, Seppanen R, Valimaki I, Simell O, Prospective randomised trialin 1062 infants of diet low in saturated fat and cholesterol. Lancet. 1995; 345:471-476
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[007]離乳期におけるヒトの栄養推奨値に関するデータは不足しており、推奨値は主として、体重およびエネルギー摂取量について調整した哺乳乳幼児のデータについての栄養要求量(nutritional requirements)の推算値に基づいている。急速に発育するこの時期の間の乳幼児栄養は、不確実性に取り巻かれ、何が補完食の最適組成を構成すべきかについて、特に補完食の最適な脂肪および炭水化物含量についての合意がほとんど存在しない。
【0009】
[008]乳幼児についての適正な1日当り要求量を選択することは、異なった方法論および年代群に基づく、異なった情報が広く世界中に存在するため、非常にやり甲斐のある課題とすることができる。したがって、発育する乳幼児の1日当り栄養要求に取り組む新規な製品および方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[009]後年になっての一般的健康、および特に肥満症の発現に及ぼす、離乳食の脂肪およびCHO含量の長期的因果関係についての現在の不確実性が、本発明者らを、ヒトのためのモデル系としてのラットにおいてこれらの因果関係を研究するように導いた。
【0011】
[010] 本発明の利点は、母乳若しくは哺乳期の間の脂肪およびCHO含量を考慮した母乳様製品による栄養から、その後のベビーフードによる栄養への移行期のための栄養概念、すなわち小児が後年になって、悪い健康状態、特に肥満症および糖尿病を発現するリスクを低減する栄養概念を提供することである。
【0012】
[011]本発明は、肥満症のリスクを低減するキットおよび方法、ならびに食事計画を提供する。
【0013】
[012]一実施形態において、本発明は、6〜36カ月の月齢期またはその一部の間の小児向けの食事組成物を備えたパーツのキットに関する。一実施形態において、これらの組成物の主要栄養素含量は、月齢6カ月の小児向けに脂肪からエネルギーの約40〜50%と、炭水化物からエネルギーの約40〜49%とを含む組成物から、月齢36カ月の小児向けに脂肪からエネルギーの約30〜35%と、炭水化物からエネルギーの約50〜55%とを含む組成物へと直線の形で徐々に変化している。
【0014】
[013]本発明により、広く様々なキットおよびキットの使用方法が可能であり、構想されている。
【0015】
[014]本発明の目的は、発育中の乳幼児の栄養要求に合致する保存安定性ベビーフード製品の範囲を提供することである。
【0016】
[015]本発明の別の目的は、発育中の乳幼児の1日当り栄養要求に合致させるための給食養生法(feeding regime)を提供することである。
【0017】
[016]本発明のさらなる目的は、乳幼児およびよちよち歩きの幼児の栄養関連障害を予防または治療する方法および使用を提供することである。
【0018】
[017]これらおよび他の目的は、いくつかの乳幼児発育段階を経由する乳幼児の栄養要求に合致させるための最適エネルギープロフィルを有する保存安定性ベビーフード製品の範囲を提供するステップであり、その中からの2つ以上のベビーフード製品を組み合わせて、特定の乳幼児発育段階における乳幼児の栄養要求に合致させるための最適なエネルギープロフィルをもたらすことができるステップによって達成される。一実施形態において、これらの乳幼児発育段階は、(i)月齢約4〜約6カ月(段階1);(ii)月齢約6〜約8カ月(段階2);(iii)月齢約8〜約12カ月(段階3);および(iv)月齢約12〜約36カ月(段階4またはジュニア段階)から選択される。
【0019】
[018]さらなる特徴および利点が本明細書において記述され、以下の詳細な説明および図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】[019]図1は、小児の月齢に応じた食事組成物の総エネルギー含量のうち脂肪のエネルギー含量%(灰色の線)および炭水化物のエネルギー含量%(黒色の線)を示すグラフである。x軸は小児の月齢を示し、y軸は食事組成物のエネルギー含量%を示す。
【図2】[020] 図2は、実験Iについての、全ての研究フェーズであるフェーズI、フェーズII、フェーズIIIのエネルギー摂取量、および合計のエネルギー摂取量を示すグラフである。
【図3】[021] 図3は、実験Iの間の、それぞれの研究フェーズであるフェーズI、フェーズII、フェーズIIIの間の、実験動物の体重の進展を示すグラフである。
【図4】[022] 図4は、実験Iにおける、高脂肪期(フェーズIII)の間の、実験動物の異なる群の体重増加を示すグラフである。
【図5】[023] 図5は、実験Iにおける高脂肪期(フェーズIII)の間の、実験動物の異なる群の脂肪増加を示すグラフである。
【図6】[024] 図6は、それぞれの乳幼児発育段階向けに示唆される1日当り給食スケジュールを提供する給食計画の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[025]エネルギー%は、本発明の目的のため常に、食事組成物中に存在するエネルギーの総量を指す。したがって、脂肪からのエネルギー33%を有する食事組成物は、炭水化物および/またはタンパク質からのエネルギー67%を有するであろう。
【0022】
[026]食事組成物(diet composition)は、少なくとも1回の食事(meal)またはその一部を意味する。例えば、食事組成物は、朝食、ランチまたはディナーなどの完全な食事とすることができる。食事組成物は、その日のうちに消費される個々の食事、1回若しくは複数回、例えば5回とすることもできる。食事組成物は、2回以上の個々の食事とすることもできる。食事組成物は、1回またはそれ以上の個々の食事の一部だけを表すこともできる。本発明の食事組成物は、好ましくは個々の食事を表す。しばしばディナーは、カロリー基準で食事の実質的な部分を表す。乳幼児では、ディナー時のカロリー摂取量は、1日当りカロリー摂取量の15〜35%の範囲とすることができる。したがって、好ましい実施形態において食事はディナーである。ディナーはその日の主食であり、夕方または正午に供することができる。したがって、栄養的に十分バランスの取れたディナーは、乳幼児の健康に著しく寄与することができる。
【0023】
[027]主要栄養素は、大部分の代謝エネルギーを生体に一緒に提供する栄養素である。本発明の目的のため、3つの主要栄養素は炭水化物、タンパク質および脂肪である。
【0024】
[028]月齢6カ月の小児向けに脂肪からのエネルギー約40〜50%と、炭水化物からのエネルギー約40〜49%とを含む組成物から、月齢36カ月の小児向けに脂肪からのエネルギー約30〜35%と、炭水化物からのエネルギー約50〜55%とを含む組成物へと直線の形で徐々に変化することは、炭水化物については図1における2本の黒線上および/若しくは黒線間に位置する任意の直線若しくは直線群を、脂肪については図1における2本の灰色線上および/若しくは灰色線間に位置する任意の直線若しくは直線群を意味する。本発明は図1によって表される全ての可能な食事組成物のキットを備えており、また、全てのこのような食事組成物のキットは図1によって開示されている。
【0025】
[029]数学的に表現すると、このことは、本発明が、月齢6〜36カ月の、若しくはその一部の月齢の小児向けの食事組成物のあらゆるキットを開示し、含むことを意味する。該キットにおいて、その食事組成物の脂肪含量を、直線:
【0026】
[030] y=−1/2x+53およびy=−1/3x+42(yは脂肪からのエネルギー%である。)
の上若しくは直線間に位置する任意の直線に合わせて調節し、
[031]その食事組成物の炭水化物含量を、直線:
[032] y=1/5x+47.8およびy=1/3x+38(yは炭水化物からのエネルギー%である。)
の上若しくは直線間に位置する任意の直線に合わせて調節する。
[033]ただし、xが小児の月齢である場合、x=6およびx=36の間にある。
【0027】
[034]本発明に従うパーツのキットは、乳幼児が既に摂取している栄養成分の詳細な記録を保持しなければならないということがなく、両親が、最適な形で乳幼児栄養を改善するためのツールを提供する。
【0028】
[035]したがって、本方法およびキットは、利便性を増し、最適でない栄養の因果関係が生じることを減少する。
【0029】
[036]本発明において用いる「乳幼児(infant)」とは、特に、月齢4カ月〜3歳のヒトの小児である。本方法は、特に6〜36カ月の月齢の乳幼児を対象とする。
【0030】
[037]用語「約(about)」は、プラスまたはマイナス20%、より好ましくはプラスまたはマイナス10%、より一層好ましくはプラスまたはマイナス5%、最も好ましくはプラスまたはマイナス2%を意味する。
【0031】
[038]用語「食品(food product)」は、ヒトまたは動物向けにかかわらず任意の食品、飼料、間食、食品サプリメント、トリート、代用食、または補完食を意味する。
【0032】
[039]用語「E%」は、1日当り総エネルギー摂取量についての百分率を意味する。
【0033】
[040]用語「完全な食事(complete meal)」は、1つの栄養的にバランスの取れた献立を提供するよう設計された食事を意味し、すなわちこの完全な食事は、他の食品と組み合わせて食事を提供する必要がないものである。
【0034】
[041]補完食(complementary food)は、離乳用に使用され、「製造されたまたは現地で調製されたにかかわらず、乳幼児の栄養要求量を満たすのに不十分となった母乳または乳幼児用調製乳いずれかの補完物として適切な、任意の食物」として定義することができる。例えば、補完食には、乳製品、自家製食品および加工食品(調理済みの調製物を含む、シリアル系または他のベビーフード)が含まれる。
【0035】
[042]補完食は、母乳または母乳代替物が乳幼児の栄養要求量をもはや満たさない場合、乳幼児の食事に導入されるべきである。この移行期の間、乳幼児の消化系が発育するにつれて、乳幼児の食事は専ら乳だけの食事から、成人の食事と同様の完全に多種多様な食事へと徐々に進化することができる。
【0036】
[043]用語「CHO」は炭水化物を意味する。
[044]用語「LA」はリノール酸を意味する。
[045]用語「ALA」はαリノール酸を意味する。
【0037】
[046]用語「保存安定性ベビーフード製品(shelf stable baby food product)」は、有用な有効期間、例えば少なくとも約2カ月、好ましくはより長い期間をまだ有する間、室温の密封容器で安全に貯蔵および販売することができるベビーフード製品を意味する。
【0038】
[047]本発明の一実施形態において、食事組成物は、1日当り食事組成物である。1日当り食事組成物は、それを使用して、年齢が進む小児の食物の脂肪および炭水化物含量の漸次的変化を極めて有効に、きちんと調節することができる利点を有する。食事組成物が1日当り食事組成物である場合、個々の食事は、月齢6カ月の小児向けに脂肪からのエネルギー約40〜50%と、炭水化物からのエネルギー約40〜49%とを含む組成物から、月齢36カ月の小児向けに脂肪からのエネルギー約30〜35%と、炭水化物からのエネルギー約50〜55%とを含む組成物へと、直線の形で徐々に変化している主要栄養素含量から幾分外れることが十分あり得る点を知ることが重要である。1日の間に消費される個々の食事が合わせて1日当り食事組成物とみなされるため、この要求条件を満たす。
【0039】
[048]こうして、小児の食事計画は、例えば、小児が、夜によく眠れるよう容易に消化される食物をとることができる一方で、日中により消化が困難な食物組成物をとるという形で適応させることが可能である。
【0040】
[049]本発明の一実施形態において、本組成物の総エネルギー含量は、月齢6カ月の小児向けの約670〜715kcal/日を含む組成物から、月齢36カ月の小児向けの約1000〜1200kcal/日を含む組成物へと、直線の形で徐々に変化している。これにより、食事組成物のエネルギー含量を特定の月齢の小児に適応させることが可能となり、そのため、小児の発育におけるこの決定的な期間に十分なエネルギー量を常に提供される一方で、過剰な給食を避けることが保障される。
【0041】
[050]本発明の一実施形態において、徐々に変化するとは、食事組成物の脂肪および炭水化物含量が、小児の年齢、並びに対応する組成物の最適な脂肪含量および炭水化物含量に基づいて、1日毎に調節されることを意味する。場合によって、総エネルギー含量は、脂肪および炭水化物含量と一緒に1日毎に調節することもできる。これは、食事組成物中において注目に値する「ステップ」を生じない非常に徐々とした変化をもたらす。したがって、乳幼児の生体は、食物内容の何らかの急激な変化に適応する必要がないであろう。
【0042】
[051]本発明の他の実施形態において、徐々に変化するとは、食事組成物の内容が、小児の年齢、並びに対応する組成物の最適な脂肪含量および炭水化物含量に基づいて、1週毎に調節されることを意味する。この場合も、食事組成物に行われる変化が最低限のため、乳幼児の代謝が何らかの急激な変化に直面することはないであろう。
【0043】
[052]本発明の他の実施形態において、徐々に変化するとは、食事組成物の内容が、小児の年齢、並びに対応する組成物の最適な脂肪含量および炭水化物含量に基づいて、1カ月毎に調節されることを意味する。食事組成物の調節が1カ月レベルで行われるとしても、得られた小児の食事計画は、月齢6カ月の高脂肪−低炭水化物組成物から、月齢36カ月の低脂肪−高炭水化物組成物まで何らかの急激な変化なしに円滑な移行を示すであろう。
【0044】
[053]本発明者らは、上記において詳述したように小児の年齢、並びに対応する組成物の最適な脂肪含量および炭水化物含量に基づいて、月齢6〜36カ月の間に好ましくは3〜10段階、最も好ましくは3〜4段階として食事組成物の主要栄養素含量を段階的に調節することにより、本発明の目的を一層十分に達成し得ることを見出している。
【0045】
[054]この段階的な調節は、月齢6、8、12、18、24および/または36カ月の小児で行われることが好ましい。
【0046】
[055]本発明の好ましい一実施形態において、徐々に変化することには、食事組成物の内容が、小児の年齢、および組成物の対応する最適なカロリー含量に基づく総カロリー含量についても調節されることが含まれる。
【0047】
[056]例えば、本発明によるキットは、月齢6〜8カ月の間脂肪からのエネルギー約44〜46%および炭水化物からのエネルギー約47〜49%を含む少なくとも1つの食事組成物、月齢8〜12カ月の間脂肪からのエネルギー約39〜41%および炭水化物からのエネルギー約49〜52%を含む少なくとも1つの食事組成物、並びに/または月齢12〜36カ月の間脂肪からのエネルギー約34〜35%および炭水化物からのエネルギー約51〜53%を含む少なくとも1つの食事組成物を備えることができる。月齢6〜8カ月の間摂取する少なくとも1つの食事組成物は約670〜715kcal/日を含み、月齢8〜12カ月の間摂取する少なくとも1つの食事組成物は約715〜850kcal/日を含み、および/または月齢12〜36カ月の間摂取する少なくとも1つの食事組成物は約750〜1200kcal/日を含むことが好ましい。
【0048】
[057]本発明の食事組成物は、タンパク質供給源をさらに含む。存在するタンパク質供給源の量は、問題の特定の月齢の小児の要求に合わせて調節することが好ましく、一般に下記のように計算することができる:
[058]タンパク質からのエネルギー%=100−(脂肪からのエネルギー%+炭水化物からのエネルギー%)。
【0049】
[059]本発明の特に好ましい実施形態において、組成物中の炭水化物の含量は、月齢6カ月の小児向けの炭水化物からのエネルギー約48%を含む組成物から、月齢36カ月の小児向けの炭水化物からのエネルギー約53%を含む組成物まで徐々に変化している。
【0050】
[060]一般に本発明のキットは、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの食事組成物を備える。食事組成物は、1つまたは複数の完全な食事、1つまたは複数の完全な食事の一部、または1つまたは複数の間食若しくはその一部で構成される。
【0051】
[061]本発明のキットが収容することができる食事組成物の数は、特に限定されず、食品の貯蔵安定性によって調節されるだけである。したがって託児施設または病院で使用することを意図したキットは、個人の家庭向けのキットよりも著しく大きくすることができる。
【0052】
[062]好ましい実施形態において、本発明のキットは、少なくとも1日間の食事組成物を備えている。この点について、キットは2食以上の、好ましくは3〜10食、より一層好ましくは5食の個々の食事を備えることができるであろう。例えば、1日の食物摂取量は、食事3回、および間食2〜3回までに分割することができる。対応する1人前がより少ない多数回の食事は、小児の代謝が過大量の食物に直面せず、同時に「胃が空になる」時期が避けられるという利点を有する。
【0053】
[063]本発明のさらなる実施形態において、キットは、3日間、1週間または1カ月間の食事組成物を備えている。この食事組成物は、1食または複数の個々の食事を表すことが好ましい。この場合、例えばキットは少なくとも3食、好ましくは3〜21食、最も好ましくは9食の個々の食事を備えることができる。
【0054】
[064]食事組成物は全食事(total diet)を表すことが好ましく、全食事は、所与の時間的期間にわたって1人によって摂取される食物の合計と理解されたい。
【0055】
[065]本発明の食事組成物は、特定の月齢の小児向けに理想的にバランスが取れた食品に到達するための微量栄養素および/またはミネラルをも含むことが好ましい。またこれらの成分は、特定の月齢の小児の特定の要求に基づいて変化させることが好ましい。
【0056】
[066]本発明の好ましい実施形態において、脂肪成分は、必須脂肪酸を含む。必須脂肪酸は、体により産生され得ない脂肪酸である。必須脂肪酸は、ヒトの体内で重要な機能を果たすことが可能である。必須脂肪酸の2つのファミリー、ω−3およびω−6ファミリーが特に重要である。α−リノール酸(ALA、炭素原子18個の鎖長を有し、二重結合3個を含む脂肪酸)は、ω−3ファミリーのメンバーの一例である。ALAは、例えばアマニ油および種々の植物油並びに堅果中に見出される。必須脂肪酸のω−6ファミリーのメンバーの一例は、リノール酸(LA、炭素原子18個の鎖長を有し、二重結合2個を含む脂肪酸)である。本発明の食事組成物中のω−6/ω−3脂肪酸の重量比は、5と15の間であることが好ましい。
【0057】
[067]本発明の食事組成物は、液性であることが好ましい。好ましい実施形態のものは、液体のまたはモロミの稠度を有する。これは、本発明の食事組成物中に水分が存在することにより達成することができる。食事組成物は、食事組成物の全重量に対して75重量%と90重量%の間の、より好ましくは78重量%と85重量%の間の水分を含有することが好ましい。
【0058】
[068]好ましい実施形態において、乳幼児に投与される食事組成物は、それぞれ90mlと500mlの間の、より好ましくは125mlと300mlの間の体積を有する。本発明の食事組成物は、全てがおよそ同じ体積(すなわち最大体積と最小体積の間の差異は50ml未満とする。)を有することができ、または小児の月齢が増加するとともにカロリー含量の増加を反映して増加した体積を有することもできる。
【0059】
[069]本発明による食事組成物は、15℃と55℃の間の、より好ましくは30℃と50℃の間の、より一層好ましくは35℃と45℃の間の温度で摂取されることが好ましい。
【0060】
[070]本発明による食事組成物は、個別に包装し、パーツのキットとして提供されることが好ましい。このパーツのキットは、一実施形態において、いくつかの異なる食事を収容する。キット内の食事組成物は、調理済みおよび/または乾燥した形態であることが好ましい。乾燥した形態から、適切な液体例えば水の中で再構成することによって、調理済み形態を容易に作り出すことができる。調理済み形態物は通常、場合によって加熱および/または混合後、乳幼児に直接投与することができる。
【0061】
[071]本発明はまた、一連の食事組成物の使用であって、肥満症の発現を予防するキットを調製するために、主要栄養素含量が、月齢6カ月の小児向けに脂肪からのエネルギー約40〜50%と、炭水化物からのエネルギー約40〜49%とを含む組成物から、月齢36カ月の小児向けに脂肪からのエネルギー約30〜35%と、炭水化物からのエネルギー約50〜55%とを含む組成物へと徐々に変化する組成物の使用にも関する。
【0062】
[072]本発明の使用によって調製しようとするキットは、本発明の任意のキットとすることができ、本明細書において記述される任意の特徴または特徴の任意の組合せを有することができる。
【0063】
[073]この一連の食事組成物は、2食以上の個々の食事組成物、好ましくは3〜35食の食事組成物を含む。
【0064】
[074]本発明はまた、本発明のキットを含む小児向け食事計画にも関する。この食事計画は、後年になっての肥満症の発現を予防することを意図している。
【0065】
[075]他の態様において、本発明は、具体的な乳幼児発育段階における乳幼児の栄養要求に合致させるための最適エネルギープロフィルを有する保存安定性ベビーフード製品の範囲であって、その範囲からの2つ以上のベビーフードを組み合わせて、特定の乳幼児発育段階における乳幼児の1日当りの栄養要求に合致させるための最適なエネルギープロフィルを提供することができる範囲を提供する。
【0066】
[076]一実施形態において、これらの乳幼児発育段階は:(i)月齢約4〜約6カ月(段階1);(ii)月齢約6〜約8カ月(段階2);(iii)月齢約8〜約12カ月(段階3);および(iv)月齢約12〜約36カ月(段階4またはジュニア段階)から選択される。
【0067】
[077]この製品の範囲は、その乳幼児発育段階に適合した少なくとも1つの食品を含むことが好ましい。
【0068】
[078]この製品の範囲は、それぞれの乳幼児発育段階に適合した2つ以上の食品を含むことが好ましい。この製品の範囲は、それぞれの乳幼児発育段階向けの少なくとも野菜に基づく製品および少なくとも果物に基づく製品を含むことがより好ましい。この製品の範囲は、それぞれの乳幼児発育段階向けの複数の野菜に基づく製品および果物に基づく製品を含むことがより好ましい。
【0069】
[079]この製品の範囲は、乳幼児発育の段階1向けの少なくとも野菜に基づく製品および果物に基づく製品を含むことが好ましい。
【0070】
[080]この製品の範囲は、乳幼児発育の段階2向けの少なくとも野菜に基づく製品、完全な食事および果物に基づく製品を含むことが好ましい。
【0071】
[081]この製品の範囲は、乳幼児発育の段階3向けの少なくとも野菜に基づく製品、完全な食事および果物に基づく製品を含むことが好ましい。
【0072】
[082]この製品の範囲は、乳幼児発育の段階4向けの少なくとも野菜に基づく製品、完全な食事および果物に基づく製品を含むことが好ましい。
【0073】
[083]一実施形態において、段階1についての総最適1日当りエネルギー摂取量は約530と約700kcal/日の間、好ましくは約625kcal/日であり、段階2については約620と約720kcal/日の間、好ましくは約670kcal/日であり、段階3については約680と約930kcal/日の間、好ましくは約770kcal/日であり、ジュニア段階については約810と約1180kcal/日の間、好ましくは約1040kcal/日である。
【0074】
[084]この範囲からの2つ以上のベビーフード製品を、乳幼児の1日当り乳摂取量と組み合わせて、特定の乳幼児発育段階における乳幼児の最適1日当りエネルギー摂取量を提供することが、好都合である。
【0075】
[085]好ましい実施形態において、この範囲からの2つ以上のベビーフード製品は、段階1についての1日当りエネルギー摂取量約68と約238kcal/日の間、好ましくは約167kcal/日を、段階2については約158と約258kcal/日の間、好ましくは約243kcal/日を、段階3については約345と約595kcal/日の間、好ましくは約448kcal/日を、ジュニア段階については約475と約845kcal/日の間、好ましくは約693kcal/日をもたらす。
【0076】
[086]2つ以上のベビーフード製品によりもたらされる1日当りエネルギー摂取量と、それぞれの乳幼児発育段階についての最適1日当りエネルギー摂取量との間の差は、乳幼児の1日当り乳摂取量により提供することが有利である。
【0077】
[087]他の例において、保存安定性ベビーフード製品のこの範囲は、いくつかの乳幼児発育段階を通して乳幼児の栄養要求に合致させるための最適な栄養素プロフィルを有する。
【0078】
[088]体重1kg当りの乳幼児のエネルギー要求量は、成人のエネルギー要求量の2〜3倍である。乳幼児が摂取することができる食物体積が、大きなエネルギー要求という背景の中で制約されるので、補完食の適正なエネルギー密度が、総エネルギー摂取量を決定するのに重要な役割を果たす。エネルギー密度は、ある量の食物若しくは食事中のカロリーの量と定義され、異なる食物若しくは食事の真のエネルギー値の良い目安である。低レベルではエネルギー不足および発育不良をもたらし、より高いレベルでは過剰なエネルギー摂取量およびその後の体重増加の原因となり、後年になって太り過ぎを招く潜在可能性があるため、最適なエネルギー密度が所望される。
【0079】
[089]乳幼児におけるエネルギー摂取量は、いくつかの因子により影響され得る。第一にエネルギー摂取量は、高エネルギー密度の補完食の摂取、高い乳摂取量および頻繁な食事により増加することができ、逆に、粘性のある/嵩のある食品を摂取すると減少する可能性がある。高エネルギー密度の食物には肉および脂身の魚が含まれる一方、粘性があり、嵩のある炭水化物系基本食品またはポリッジ(かゆ)は低いエネルギー密度を有する。より具体的には、脂肪および糖を添加するとエネルギー密度は上昇し、過剰の水分含量により低下する。最後に、総エネルギー摂取量は、1回の食事で乳幼児が摂取することができる食物の体積(約30g/kg体重と推算される)に密接に関連した機能的胃容量によって影響され得る。この値は、月齢6〜8、9〜11および12〜23カ月の乳幼児について、それぞれ243、276および369g/食事に相当する。
【0080】
[090]食事を1日に多数回提供する場合、より低いエネルギー密度を有する食事でエネルギー要求量を満たすことができる。反対に、補完食のエネルギー密度が高い場合、より少ない回数の食事により1日のエネルギー要求を賄うことができる。
【0081】
[091]一実施形態において、その範囲からのベビーフード製品の1日当り摂取量は、少なくとも約0.6kcal/g、好ましくは少なくとも約0.67kcal/g、最も好ましくは約1kcal/gの平均エネルギー密度を有する。
【0082】
[092]より少ない回数の、より高いエネルギー密度を有する食事を提供する主な利点は、補完食が乳摂取の妨げになる可能性を小さくするであろうという事実にある。
【0083】
[093]1kcal/gの平均エネルギー密度により、全ての月齢群にある乳幼児は、少なくとも1日3回食事を摂取すると彼らの1日のエネルギー要求を賄うことができると思われる。別途に考えると、段階1および2の乳幼児は、1日に1〜2回食事を摂取しなければならないであろうし、段階3および4の乳幼児およびよちよち歩きの幼児は、少なくとも1日に2〜3回食事を取らなければならないであろう。より低いエネルギー密度0.7kg/gでは、1日の最低食事回数は、段階2について2〜3回、段階3について3〜4回および段階4について3〜5回に増える。0.5kg/gなどのより低いエネルギー密度では、1日当りエネルギー要求量を補完食で達成するには、より頻繁で、達成するのが難しい給食頻度が必要になる。例えば段階1は1日に2〜3回の食事を要し、段階2は1日に3〜5回の食事を要し、段階3は1日に4〜5回の食事を要し、段階4は1日に5〜6回の食事を要するであろう。
【0084】
[094]好ましい実施形態において、ベビーフード製品の範囲から示唆されるベビーフード製品の組合せを含む1つまたは複数の1日当り給食スケジュールであって、前記組合せが特定の乳幼児発育段階における乳幼児の栄養要求に合致させるための最適エネルギープロフィルを提供する給食スケジュールが提供される。それぞれの乳幼児発育段階について、1つまたは複数の1日当り給食スケジュールが提供されることが好ましい。
【0085】
[095]一実施形態において、段階1についての総最適1日当り脂肪摂取量は約45%Eであり、段階2については約43%Eと約45%Eの間であり、段階3については約40%Eと約43%Eの間であり、ジュニア段階については約30%Eと約40%Eの間である。
【0086】
[096]一実施形態において、その範囲からの2つ以上のベビーフード製品は、段階1について約18%Eと約27%Eの間の、段階2については約22%Eと約29%Eの間の、段階3については約21%Eと約36%Eの間の、ジュニア段階については約22%Eと約40%Eの間の1日当り脂肪摂取量を提供する。
【0087】
[097]他の実施形態において、2つ以上のベビーフード製品によりもたらされる1日当り脂肪摂取量と、それぞれの乳幼児発育段階についての最適1日当り脂肪摂取量との間の差は、乳幼児の1日当り乳摂取量により提供される。
【0088】
[098]好ましい実施形態において、本ベビーフード製品は、約1.5g/100kcalと約3.2g/100kcalの間、好ましくは約1.5g/100kcalのタンパク質密度を有する。
【0089】
[099]他の実施形態において、本ベビーフード製品は、完全な食事または不完全な食事を含む。完全な食事は2つ以上の不完全な食事を含むことが好ましい。
【0090】
[0100]一実施形態において、それぞれのベビーフード製品は、約65gと約350gの間の配ぜん量(serving size)を含む。それぞれのベビーフード製品は、段階1について約65gと約100gの間の、段階2について約65gと約100gの間の、段階3について約130gと約200gの間の、ジュニア段階について約130gと約350gの間の配ぜん量を含むことが好ましい。
【0091】
[0101]他の態様において、本発明は、種々の乳幼児発育段階における乳幼児の栄養要求に合致させるための給食養生法(feeding regime)であって、本明細書において前述した乳幼児用食品の範囲を乳幼児に投与するステップを含む養生法を提供する。
【0092】
[0102]さらなる態様において、本発明は、乳幼児における栄養関連障害の予防または治療のための薬物の製造における、本明細書において前述した乳幼児用食品の範囲の使用を提供する。
【0093】
[0103]他の態様において、本発明は、乳幼児における栄養関連障害の予防または治療方法であって、本明細書において前述したベビーフード製品の範囲を乳幼児に投与するステップを含む方法を提供する。
【0094】
[0104]この栄養関連障害は、肥満症、栄養失調症、糖尿病および心臓病から選択されることが好ましい。
【0095】
[0105]本発明は、本明細書において記述されている特定の方法論、プロトコルおよび試薬に限定されない。なぜならば、それらが変動できるからである。さらに、本明細書において使用している命名法は、特定の実施形態を記述する目的のためだけのものであり、本発明の範囲を制約することを意図していない。本明細書および添付する特許請求範囲において使用した、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈により明らかに別に指示されない限り複数の参照を含む。
【0096】
[0106]別に定義されない限り、本明細書において使用している全ての技術的および科学的用語並びに何らかの頭字語は、本発明の分野における通常の技術的スキルの1つにより一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書において記述されているものと同様または同等の方法および材料を、本発明の実施において使用することができるが、好ましい方法、装置および材料は、本明細書において記述されている。
【0097】
[0107]本明細書において参照されている全ての特許、特許出願および出版物は、本発明に関して使用できる、その中に報告されている配合物および方法論を記述および開示する目的のため、法律により許容される範囲まで、参照により本明細書に組み込まれている。しかし、これらはここで、本発明が、先行発明のためにこのような開示を先取りする権利がないことを認めるためのものと何ら解釈されるべきではない。
【0098】
[0108]本明細書において示される全ての重量百分率は、特に他に指示されない限り、食品の総重量についてのものである。
【0099】
[0109]本明細書において記述されている本発明の特徴および実施形態を、開示されている本発明の範囲から逸脱せずに自由に組み合わせることが可能であることを、当業者は、理解するであろう。
【実施例】
【0100】
[0110]例として、また制約としてではなく、本発明の実施例をここに示す。
【0101】
[0111]実施例1:
[0112]実験1
[0113]ラットを使用して、離乳食の脂肪およびCHO含量がその後の肥満の発現に及ぼす結果を研究した。
【0102】
[0114]72匹のオスSprague−Dawley系ラットを、日齢16日で彼らの雌親から離した。動物は3つの研究群(動物24匹/群)に分割し、(エネルギー%)10/70(群A)、30/50(群B)および60/20(群C)のように、脂肪およびCHOからのエネルギー分布だけが異なる下記の離乳食(表1)の1つによって、等エネルギーおよび等タンパク質基準で、20日間対飼養した(フェーズI:日齢16〜36日)。次いで、全ての群を、標準低脂肪市販固形飼料食(Kliba3434、脂肪E13%)で20週間自由給餌し(フェーズII:週齢5〜25週間)、その後全ての群に高脂肪食(脂肪E45%:Kliba2126)を負荷し、18週間自由給餌した(フェーズIII:週齢35〜53週間)。
【0103】
[0115]表1:離乳食の組成
【表1】

【0104】
[0116]食物摂取量は、離乳期(期間I)の間は毎日、離乳後期(期間IIおよびIII)の間は1週当り2回測定した。体重は、試験全体にわたって1週当り2〜3回測定した。
【0105】
[0117]週齢27、35、47および52週において、NMRイメージング(エコーMRI(EchoMRI)(商標)2004)を使用し、離乳後のフェーズIIおよびIIIの間、体脂肪および除脂肪体重である体組成を測定した。
【0106】
[0118]図2〜3では、異なる脂肪/CHO比を有する離乳食を給餌した全群のエネルギー摂取量および体重は、離乳期の終わり(フェーズI)、9カ月の低脂肪食の間(フェーズII)、並びに4カ月の肥満生成性高脂肪負荷(脂肪E45%)給餌期の間(フェーズIII)で同様であったことを図示している。
【0107】
[0119]しかし、低脂肪(10%E)高炭水化物(70%E)食を離乳期19日間だけ給餌したラットは、離乳期間だけ高脂肪(30%および60%E)低CHO(50%または20%E)食を給餌した他の2群に対して、成体齢(35〜53週齢)での高脂肪負荷食の間、体重(図4)および体脂肪(図5)が著しく増加した(p<0.05)。
【0108】
[0120]これらの結果により、哺乳期の間摂取される主要栄養素組成(高脂肪食)に近い主要栄養素組成(脂肪およびCHO)を有する離乳食は、後年になっての肥満症の発現のリスクを低減する方向に向かい有利な効果を有するが、一方離乳期の間の高CHO低脂肪食は、後年になっての過剰体重および体脂肪量増加への感受性を高めることが示される。
【0109】
[0121]本発明者らは、これが補完食期における「代謝プログラミング」に関する最初の報告であると考えており、後年になっての肥満症を防止するための、補完食の脂肪/CHO含量の重要性を明らかにしている。
【0110】
[0122]下記の見本では、6〜8カ月の月齢期向けに食事組成物を提供している(=単糖としての炭水化物):
【0111】
[0123]献立1:
【表2】

【0112】
[0124]献立2:
【表3】

【0113】
[0125]献立3:
【表4】

【0114】
[0126]下記の見本では、8〜12カ月の月齢期向けに食事組成物を提供している(=単糖としての炭水化物):
【0115】
[0127]献立1:
【表5】

【0116】
[0128]献立2:
【表6】

【0117】
[0129]献立3:
【表7】

【0118】
[0130]下記の見本では、12〜36カ月の月齢期向けに食事組成物を提供している(=単糖としての炭水化物):
【0119】
[0131]献立1:
【表8】

【0120】
[0132]献立2:
【表9】

【0121】
[0133]献立3:
【表10】

【0122】
[0134]実施例2:
[0135]段階1についての毎日の補完食は:
(i)乳幼児用シリアルの100g部と、
(ii)本発明による野菜料理の65g部と、
(iii)本発明による果物料理の65g部と
を含んでいた。
【0123】
[0136]いくつかの野菜および果物料理は、ベビーフード製品の範囲で提供し、段階1の食事向けの適合性によって分類した。図6に示した給食計画を用いて、どの食事が段階1の1日当り食物摂取量を構成し得るかを決定した。この実施例では、野菜料理はカボチャをベースとした料理であり、果物料理はリンゴをベースとした料理であった。
【0124】
【表11】

【0125】
【表12】

【0126】
[0137]それぞれの料理は、下記の栄養値をもたらした:
【表13】

【0127】
[0138]補完料理によりもたらされた1日当り栄養値合計は、下記の通りであった:
【表14】

【0128】
[0139]補完食により提供された1日当りエネルギー摂取量の合計は、26.6%(166.5kcal)であった。1日当りエネルギー摂取量の残り73.4%(458kcal)は乳により提供された。これにより、総1日当りエネルギー摂取量625.04kcalが提供された。
【0129】
[0140]実施例3:
[0141]段階2についての1日当り補完食は:
(i)乳幼児用シリアルの100g部と、
(ii)本発明による野菜料理の100g部と、
(iii)本発明による完全な食事の100g部と、
(iv)本発明による果物料理の65g部と
を含んでいた。
【0130】
[0142]いくつかの完全な食事、野菜および果物料理は、ベビーフード製品の範囲で提供し、段階2の食事向けの適合性によって分類した。図6に示した給食計画を用いて、どの食事が段階2の1日当り食物摂取量を構成し得るかを決定した。この実施例では、野菜料理は菜園野菜およびトウモロコシをベースとし、完全な食事は菜園野菜およびラムをベースとし、果物料理はリンゴおよびキイチゴをベースとしていた。
【0131】
【表15】

【0132】
【表16】

【0133】
【表17】

【0134】
[0143]それぞれの料理は、下記の栄養値をもたらした:
【表18】

【0135】
[0144]補完料理によりもたらされた1日当り栄養値総計は、下記の通りであった:
【表19】

【0136】
[0145]補完食により提供された1日当りエネルギー摂取量の合計は、35.9%(241.1kcal)であった。1日当りエネルギー摂取量の残り64.1%(428.93kcal)は乳により提供された。これにより、総1日当りエネルギー摂取量670.03kcalが提供された。
【0137】
[0146]実施例4:
[0147]段階3についての毎日の補完食は:
(i)乳幼児用シリアルの150g部と、
(ii)本発明による野菜料理の200g部と、
(iii)本発明による完全な食事の200g部と、
(iv)本発明による果物料理の130g部と
を含んでいた。
【0138】
[0148]いくつかの完全な食事、野菜および果物料理は、ベビーフード製品の範囲で提供し、段階3の食事向けの適合性によって分類した。図6に示した給食計画を用いて、どの食事が段階3の1日当り食物摂取量を構成し得るかを決定した。この実施例では、野菜料理は菜園野菜およびトウモロコシをベースとし、完全な食事はパスタ、トマトおよびビーフをベースとし、果物料理はフルーツサラダをベースとしていた。
【0139】
【表20】

【0140】
【表21】

【0141】
【表22】

【0142】
[0149]それぞれの料理は、下記の栄養値をもたらした:
【表23】

【0143】
[0150]補完料理によりもたらされた1日当り栄養値総計は、下記の通りであった:
【表24】

【0144】
[0151]補完食により提供された1日当りエネルギー摂取量の合計は、58.0%(447.0kcal)であった。1日当りエネルギー摂取量の残り42.0%(323.0kcal)は乳により提供された。これにより、総1日当りエネルギー摂取量770kcalが提供された。
【0145】
[0152]実施例5:
[0153]段階4についての1日当り補完食は:
(i)乳幼児用シリアルの350g部と、
(ii)本発明による野菜料理の200g部と、
(iii)本発明による完全な食事の250g部と、
(iv)本発明による果物料理の130g部と
を含んでいた。
【0146】
[0154]いくつかの完全な食事、野菜および果物料理は、ベビーフード製品の範囲で提供し、段階4の食事向けの適合性によって分類した。図6に示した給食計画を用いて、どの食事が段階4の1日当り食物摂取量を構成し得るかを決定した。この実施例では、野菜料理は菜園野菜およびトウモロコシ料理であり、完全な食事はパスタ、トマトおよびビーフ料理であり、果物料理はフルーツサラダ料理であった。
【0147】
【表25】

【0148】
【表26】

【0149】
【表27】

【0150】
[0155]それぞれの料理は、下記の栄養値をもたらした:
【表28】

【0151】
[0156]補完料理によりもたらされた1日当り栄養値総計は、下記の通りであった:
【表29】

【0152】
[0157]補完食により提供された1日当りエネルギー摂取量の合計は、66.5%(691.7kcal)であった。1日当りエネルギー摂取量の残り33.5%(348.3kcal)は乳により提供された。これにより、総1日当りエネルギー摂取量1040kcalが提供された。
【0153】
[0172] 当業者にとって、本明細書において記載された現時点の好ましい実施形態の様々な改変および改良は容易であり、このような改変および改良は本発明の精神および範囲から逸脱することなく、また本発明の意図した利点を弱めることなく達成することができることを理解されたい。したがって、このような改変および改良は添付の特許請求の範囲によってカバーされている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
月齢6〜36カ月の小児向けの栄養組成物のキットであって、月齢6カ月の小児向けに脂肪からのエネルギー約40〜50%と、炭水化物からのエネルギー約40〜49%とを含む組成物から、月齢36カ月の小児向けに脂肪からのエネルギー約30〜35%と、炭水化物からのエネルギー約50〜55%とを含む組成物へと実質的な直線として徐々に変化する主要栄養素含量を含む組成物のキット。
【請求項2】
前記食事組成物が、1日量組成物である、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記組成物の総エネルギー含量が、月齢6カ月の小児向けの約670〜715kcal/日を含む組成物から、月齢36カ月の小児向けの約1000〜1200kcal/日を含む組成物へと、実質的な直線の形で徐々に変化する、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
前記食事組成物の内容物が、小児の年齢、並びに前記組成物の対応する最適な脂肪含量および炭水化物含量に基づいて、1日毎に調節される、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記食事組成物の内容物が、小児の年齢、並びに前記組成物の対応する最適な脂肪含量および炭水化物含量に基づいて、1週毎に調節される、請求項1に記載のキット。
【請求項6】
前記食事組成物の内容物が、小児の年齢、並びに前記組成物の対応する最適な脂肪含量および炭水化物含量に基づいて、1カ月毎に調節される、請求項1に記載のキット。
【請求項7】
前記食事組成物の内容物が、小児の年齢、並びに前記組成物の対応する最適な脂肪含量および炭水化物含量に基づいて、段階的に調節される、請求項1に記載のキット。
【請求項8】
前記組成物が、月齢6〜36カ月の間に3〜10段階として調節される、請求項7に記載のキット。
【請求項9】
前記組成物が、月齢6〜36カ月の間に3〜4段階として調節される、請求項7に記載のキット。
【請求項10】
前記食事組成物の内容物が、小児の年齢、並びに前記組成物の対応する最適な脂肪含量および炭水化物含量に基づいて、月齢6、8、12、18、24および36カ月で段階的に調節される、請求項1に記載のキット。
【請求項11】
前記食事組成物の内容物が、小児の年齢、および前記組成物の対応する最適なカロリー含量に基づく総カロリー含量についても調節される、請求項1に記載のキット。
【請求項12】
少なくとも1つの、小児の月齢6〜8カ月向けの、脂肪からのエネルギー約44〜46%および炭水化物からのエネルギー約47〜49%を含む食事組成物、
少なくとも1つの、小児の月齢8〜12カ月向けの、脂肪からのエネルギー約39〜41%および炭水化物からのエネルギー約49〜52%を含む食事組成物、並びに
少なくとも1つの、小児の月齢12〜36カ月向けの、脂肪からのエネルギー約34〜35%および炭水化物からのエネルギー約51〜53%を含む食事組成物
を備える、請求項1に記載のキット。
【請求項13】
前記少なくとも1つの食事組成物が、月齢6〜8カ月の間約670〜715kcal/日を含み、小児の月齢8〜12カ月向けに約715〜850kcal/日を含み、小児の月齢12〜36カ月向けに約750〜1200kcal/日を含む、請求項12に記載のキット。
【請求項14】
前記食事組成物が、タンパク質供給源をさらに含む、請求項1に記載のキット。
【請求項15】
前記組成物中の炭水化物の含量が、月齢6カ月の小児向けの炭水化物からのエネルギー約48%を含む組成物から、月齢36カ月の小児向けの炭水化物からのエネルギー約53%を含む組成物まで徐々に変化している、請求項1に記載のキット。
【請求項16】
少なくとも1日分の食事組成物を備える、請求項1に記載のキット。
【請求項17】
3日分の食事組成物を備える、請求項1に記載のキット。
【請求項18】
1週間の食事組成物を備える、請求項1に記載のキット。
【請求項19】
1カ月間の食事組成物を備える、請求項1に記載のキット。
【請求項20】
前記食事組成物が、個々の食事を表す、請求項1に記載のキット。
【請求項21】
少なくとも3つの個々の食事を備える、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
前記食事組成物が、全食事を表す、請求項1に記載のキット。
【請求項23】
月齢6〜36カ月の小児における肥満症のリスクを低減する方法であって、月齢6カ月の小児向けの、脂肪からのエネルギー約40〜50%と炭水化物からのエネルギー約40〜49%とを含む組成物から、月齢36カ月の小児向けの、脂肪からのエネルギー約30〜35%と炭水化物からのエネルギー約50〜55%とを含む組成物へと徐々に変化している主要栄養素含量を含む、一連の食事組成物を投与するステップを含む方法。
【請求項24】
月齢6〜36カ月の小児向けの食事計画を展開する方法であって、月齢6カ月の小児向けの、脂肪からのエネルギー約40〜50%と炭水化物からのエネルギー約40〜49%とを含む組成物から、月齢36カ月の小児向けの、脂肪からのエネルギー約30〜35%と炭水化物からのエネルギー約50〜55%とを含む組成物まで実質的な直線をなして徐々に変化する主要栄養素含量を含む方法。
【請求項25】
具体的な乳幼児発育段階にある乳幼児の栄養要求に合致させるための最適エネルギープロフィルを有する保存安定性ベビーフード製品の範囲であって、前記範囲からの2つ以上のベビーフード製品を組み合わせて、特定の乳幼児発育段階における乳幼児の栄養要求に合致させるための最適なエネルギープロフィルを提供することができる範囲。
【請求項26】
前記乳幼児発育段階が、
(i)月齢約4〜約6カ月(段階1);
(ii)月齢約6〜約8カ月(段階2);
(iii)月齢約8〜約12カ月(段階3);および
(iv)月齢約12〜約36カ月(ジュニア段階)
から選択される、請求項25に記載の範囲。
【請求項27】
段階1についての最適1日当りエネルギー総摂取量が約530と約700kcal/日の間、好ましくは約625kcal/日であり、段階2については約620と約720kcal/日の間、好ましくは約670kcal/日であり、段階3については約680と約930kcal/日の間、好ましくは約770kcal/日であり、ジュニア段階については約810と約1180kcal/日の間、好ましくは約1040kcal/日である、請求項26に記載の範囲。
【請求項28】
前記範囲からの2つ以上のベビーフード製品を、乳幼児の1日当り乳摂取量と組み合わせて、特定の乳幼児発育段階における乳幼児の最適1日当りエネルギー摂取量を提供することができる、請求項25または請求項25〜27のいずれか一項に記載の範囲。
【請求項29】
前記範囲からの2つ以上のベビーフード製品が、段階1についての1日当りエネルギー摂取量約68と約238kcal/日の間、好ましくは約167kcal/日を、段階2については約158と約258kcal/日の間、好ましくは約243kcal/日を、段階3については約345と約595kcal/日の間、好ましくは約448kcal/日を、ジュニア段階については約475と約845kcal/日の間、好ましくは約693kcal/日をもたらす、請求項26または請求項26〜28のいずれか一項に記載の範囲。
【請求項30】
前記2つ以上のベビーフード製品によりもたらされる前記1日当りエネルギー摂取量と、それぞれの乳幼児発育段階についての最適1日当りエネルギー摂取量との間の差が、乳幼児の1日当り乳摂取量によって提供される、請求項29に記載の範囲。
【請求項31】
前記範囲からのベビーフード製品の1日当り摂取量が、少なくとも約0.6kcal/g、好ましくは少なくとも約0.67kcal/g、最も好ましくは約1kcal/gの平均エネルギー密度を有する、請求項25または請求項25〜30のいずれか一項に記載の範囲。
【請求項32】
ベビーフード製品の前記範囲から示唆されるベビーフード製品の組合せを含む1つまたは複数の1日当り給食スケジュールであって、前記組合せが特定の乳幼児発育段階における乳幼児の栄養要求に合致させるための最適エネルギープロフィルをもたらす給食スケジュールが提供される、請求項25または請求項25〜31のいずれか一項に記載の範囲。
【請求項33】
1つまたは複数の1日当り給食スケジュールが、それぞれの乳幼児発育段階について提供される、請求項32に記載の範囲。
【請求項34】
段階1についての総最適1日当り脂肪摂取量が約45%Eであり、段階2については約43%Eと約45%Eの間であり、段階3については約40%Eと約43%Eの間であり、ジュニア段階については約30%Eと約40%Eの間である、請求項26または請求項26〜33のいずれか一項に記載の範囲。
【請求項35】
前記範囲からの2つ以上のベビーフード製品が、段階1について約18%Eと約27%Eの間の、段階2について約22%Eと約29%Eの間の、段階3について約21%Eと約36%Eの間の、ジュニア段階について約22%Eと約40%Eの間の1日当り脂肪摂取量をもたらす、請求項26または請求項26〜34のいずれか一項に記載の範囲。
【請求項36】
前記2つ以上のベビーフード製品によりもたらされる1日当り脂肪摂取量と、それぞれの乳幼児発育段階についての最適1日当り脂肪摂取量との間の差が、乳幼児の1日当り乳摂取量により提供される、請求項35に記載の範囲。
【請求項37】
前記ベビーフード製品が、約1.5g/100kcalと約3.2g/100kcalの間のタンパク質密度を有する、請求項25または請求項25〜36のいずれか一項に記載の範囲。
【請求項38】
前記ベビーフード製品が、完全な食事または不完全な食事を含む、請求項25または請求項25〜37のいずれか一項に記載の範囲。
【請求項39】
前記完全な食事が、2つ以上の不完全な食事を含む、請求項38に記載の範囲。
【請求項40】
それぞれのベビーフード製品が、約65gと約350gの間の配ぜん量を含む、請求項25または請求項25〜39のいずれか一項に記載の範囲。
【請求項41】
それぞれのベビーフード製品が、段階1について約65gと約100gの間の、段階2について約65gと約100gの間の、段階3について約130gと約200gの間の、ジュニア段階について約130gと約350gの間の配ぜん量を含む、請求項26または請求項26〜40のいずれか一項に記載の範囲。
【請求項42】
種々の乳幼児発育段階の間乳幼児の栄養要求に合致させるための給食養生法であって、請求項25または請求項25〜41のいずれか一項に記載のベビーフード製品の範囲を乳幼児に投与するステップを含む養生法。
【請求項43】
乳幼児における栄養関連障害の予防または治療のための薬物の製造における、請求項25または請求項25〜42のいずれか一項に記載の範囲の使用。
【請求項44】
前記栄養関連障害が、肥満症、栄養失調症、糖尿病および心臓病から選択される、請求項43に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−527623(P2010−527623A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509736(P2010−509736)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004308
【国際公開番号】WO2008/145375
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】