説明

代謝産物特性の定量分析のための装置

本発明は、装置、特に、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性を定量分析するため試料調製装置に関する。さらに、本発明は、少なくとも1の内部標準を含浸させたインサート、内部標準自体、及び該装置を含むキットに関する。さらに、本発明はまた、該装置を含む機器、及び該装置を利用する生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性を定量分析するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、特に生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性の定量分析のための試料調製装置に関する。さらに、本発明は、少なくとも1つの内部標準を含浸したこのような装置のためのインサート、内部標準自体、及び該装置を含むキットに関する。さらに、本発明はまた、該装置を含む機器、及び該装置を用いた、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性の定量胃分析のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メタボロミクスは、一般にヒト又は動物体内の特定の代謝プロセスに必要であるか又はそれに加担する物質又は物質群の分析として規定される。これは、メタボローム分析としても公知である。メタボロミクスは、疾患の発症及び進行に関連した代謝の変化を反映する独自の化学的なフィンガープリントを研究する、発展しつつある学問分野である。代謝産物プロファイリングは、メタボロミクス内の領域であり、これは一次代謝及び中間代謝に関連する、ヒト細胞、組織又は臓器に含まれる小分子又は代謝産物を測定する。代謝産物分析から得られる生化学的情報は、生理学的及び病態生理学的プロセスに関連し、遺伝的要因及び栄養、運動又は投薬のような環境因子の両方により影響を受ける機能エンドポイントを明らかにしている(Harrigan. G G及びGoodacre, R.の著書、(2003) 「Metabolic profiling: Its role in biomarker discovery and gene function analysis」、Kluwer Academic Publishers, Boston/Dordrecht/London;Schmidt, C.の論文、(2004), Journal of the National Cancer Institute, 96, 732-734;Raudys, S.の著書、(2001) 「Statistical and neural classifiers」、Springer -Verlag, London;Daviss, B.の論文、(2005) The Scientist, 19, 25-28)。
【0003】
データマイニング法と組み合わせた代謝産物プロファイリングには、臨床診断及び創薬を大改革する可能性がある。特に巨大な製薬企業は、新たな標的及び新規のより有効かつ安全な化合物を発見し、バイオマーカー及び薬物の発見を促進し、そして全般的に医薬品の開発コストを低下するという圧力下に常に置かれている。従って企業は、この革新的ギャップ及び将来の情報ルート(pipeline)を満たすために、バイオテクノロジー企業に頼ることが増えている。このような状況において、革新的な生体解析及びデータマイニング技術は、市場に出るまでの時間の短縮及び薬物摩耗率(drug attrition rate)により、コストを削減する際の基本的な役割を果たすであろう。
【0004】
近年、ハイスループット技術の著しい進展のために、ヒトメタボロームの広範なセット−このため、ほとんど探索されないバイオインフォメーションの給源−に現在アクセス可能である(Beecher, C.の著書、(2003). In Harrigan, G. G., Goodacre, R.(編集) 「Metabolic profiling: Its role in biomarker discovery and gene function analysis」(311-319頁) Kluwer Academic Publishers, Boston/ Dordrecht/Londong;Dunn, W.B.、Bailey, N.J.及びJohnson, H. E.の論文、(2005) Analyst, 130, 606-625)。代謝産物特性の統計的な比較は、何らかの疾患症状が明らかになる前に、到来する疾患を潜在的に警告している徴候を明確に得ることにより、ヘルスケアシステムを革新する可能性を有する多変量パターンを明らかにすることができる。早期疾患のスクリーニング及び予防は、後期の疾患検出及び高価な治療的介入とは対照的に、将来のヘルスケアの補償範囲に余裕をもたせるために主要な解決策である。定義により、これらのいわゆるバイオマーカーは、通常の生物学的プロセス、発症プロセス又は治療的介入に対する薬理学的反応の「客観的に」測定されたインジケーターであり、そして疫学的、治療的、病態生理学的、又は他の科学的証拠に基づき、臨床エンドポイント(予想される利益又は損害)を代用することを意図している(Biomarkers Definitions Working Groupの論文、(2001) Clinical Pharmacology and Therapeutics, 69, 89-95)。新規バイオマーカーの発見への興味は、これらの広範な可能性のある適用及び医薬産業の動向及び最新のヘルスケアセクター主義への基本的影響が起源である。薬物発見におけるバイオマーカー実施の成功は、創薬の時間及び経費を削減することができる一方で、分子診断の適用は、臨床の状況における患者のコンプライアンスを改善し、そして後期疾患検出に加え誤診から生じる不必要な経費を削減する(Stoughton, R. B.及びFriend, S. H.の論文、(2005) Nature Reviews. Drug Discovery, 4, 345-350;Morris, M.,及びWatkins, S. M.の論文、(2005) . Current Opinion in Chemical Biology, 9, 407-412;McCandless, S. E.の論文、(2004). Primary Care, 31, 583-604)。
【0005】
定性的及び定量的な代謝産物プロファイリング技術は、生物系の小分子成分の比較の結果として可能性のあるマーカーを利用するという目的を伴う、一連の進歩した分析ツール及びデータ処理ツールを含む。例えばタンデム質量分析(MS)は、数百の代謝産物を、微量の全血、血清、血漿、尿又は他の体液のような、マイクロリットル量の生体試料から、高い精度かつ感度で同時に検出する(Roschinger, W.、Olgemoller, B.、Fingerhut, R.、Liebl, B.及びRoscher,A.A.の論文、(2003). European Journal of Pediatrics, 162 (補遺1), S67-76;Strauss, A.W.の論文、(2004). J Clin Invest 2004; 1 13:354-356;Kaltashov, IA.及びEyles, S.J.の論文、(2005) Mass spectrometry in biophysics: Conformation and dynamics of biomolecules . Wiley)。定量化は、広範な適当な内部標準を参照し達成される。
【0006】
例えば、国際公開公報第03/005628号は、代謝産物の定量的データベースを作製し、検証し、解釈し、そして分析する方法を開示している。更に米国特許出願第2002/0009740号は、メタボロミクスを使用する薬物の発見、疾患の治療及び診断の方法を開示している。米国特許第6,455,321号は、臨床診断のためにタンデム質量分析データを解釈する方法を開示している。米国特許第6,258,605号は、血液試料から新生児集団のアシルカルニチン及びアミノ酸をスクリーニングする分析的方法を開示している。米国特許第6,627,444号は、現場計器の較正を補助するためのサンプリング装置を記載する。
【0007】
さらに、米国特許第2006/0057554号は、液体試料のための不活性吸収マトリックスを有する試料収集装置であって、ここで該マトリックスが、好ましくは予め較正された、内部標準として選択された無機分析物を含んで成る装置を記載する。さらに、米国特許第2003/0199102号は、複数のセルを備える試験トレイであって、ここで該セルが試験済みの内部標準を含有するトレイを開示する。該試験トレイは、生体液において複数の試験を行うためのものである。
【0008】
評価される生体試料を取り扱うための更なる試料装置は、先行技術において既知である。例えば、Tanaka et al., Clinical Chemistry 47:10, 1829-1835 (2001)は、血漿成分の低い溶血及び一定の高い収率を伴う微量血液採取装置を記載する。
【0009】
しかしながら、既知の試料装置は、いくつかの不利益を示す。特に、米国特許第6,627,444号に記載される装置は、加熱手段だけによって較正化合物を放出するために設計されている。これはまた、単に機器を構成するために設計されている。
【0010】
米国特許第2006/0057554号に開示される装置のようなほかの装置は、抽出及び誘導体化のために特に設計された装置において予め包埋した適当な同位体で標識した同一の有機化合物を使用することができない。
【0011】
上にあげた先行技術の問題において、本発明の対象は、極めて有効かつ信頼的な、生体試料中の薬物特性又は代謝産物特性、すなわち、主に内在化合物であるが、外来化合物を除外しないもの、例えば、薬物及びその代謝産物、並びに多様な生体試料由来の代謝産物の濃度の改善された定量分析を供することである。さらに、本発明の対象は、質量分析のために必要とされる、相対的に塩を含まない、上述の改善された分析を供することである。特に、本発明の対象は、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性の定量分析のために使用することができる試料調製装置を供することである。さらにまた、本発明の対象は、このような装置のためのインサート、該装置を含むキット、及び該装置を備える機器を供することである。
【発明の開示】
【0012】
驚くべきことに、本発明に内在する問題は以下の観点を含む本発明に従い解決された。
【0013】
第1の観点において、本発明は、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性の定量分析のために適当な装置のためのインサートであって、(a)支持体、及び(b)該支持体に含浸させる少なくとも1つの内部標準、を備えるインサート、を供する。
【0014】
第2の観点において、本発明は、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性の定量分析のための装置であって、(a)1又は複数のウェル又はバイアル、及び(b)本発明の第1の観点に従うインサートを備える装置、を供する。
【0015】
第3の観点において、本発明は、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性の定量分析のための内部標準であって、カプセル化され、かつ第1の観点に従い利用するために適当であることを特徴とする内部標準、を供する。
【0016】
第4の観点において、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性を定量分析するためのキットであって、本発明の第2の観点に従う装置を含んで成るキット、を供する。
【0017】
第5の観点において、本発明は、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性を定量分析するため機器であって、(a)スクリーンニングされる薬物及び/又は代謝産物を調製するための処理ユニットであって、(a1)自動液体取扱いシステム、及び(a2)試料中の薬物及び/又は代謝産物の誘導体化のため、並びに該誘導体のその後の抽出のための、本発明の第2の観点に従う少なくとも1つの装置、を含む処理ユニット;(b)定量的な標的の質量分光分析のための質量分析計、及び(c)分析の結果を格納するためのデータベース、を備える機器を供する。
【0018】
第6の観点において、本発明は、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性を定量分析するための方法であって、本発明のインサート、及び/又は装置、及び/又は内部標準、及び/又はキット、及び/又は機器を利用する、方法を供する。
【0019】
発明の詳細な説明
本発明は、その特に好ましい態様に言及することによって、より詳細に以下の明細書において記載される。
【0020】
本発明は、更なる処理、及び例えば、質量分析による最終分析のために、測定される生体試料に添加される、バイアル又はウェル中の前処理した内部標準(一般的に対照化合物)を含む単純な装置に基本的に関する。該装置は、多孔性であってよくかつ1又は複数の既知のモル量の内部標準を含むインサートを備える。さらに、これらの内部標準はまた、有効期間を延ばすために保護マトリックス中にカプセル化/包埋化することができる。該保護マトリックスは、制限されることなく、非天然ホスファチジルコリン、ポリエチレングリコールポリマー又は多孔性グリセロール若しくはソルビトール溶液のいずれかを含む。該装置は、生体試料中の代謝産物特性を分析するため、そして/あるいは薬物特性(すなわち、治療薬物モニタリング、TDM)を分析するために使用することができる。従って、たとえ本発明が、以下において代謝産物特性の分析について記載されているとしても、これに限らないものと理解すべきである。反対に、薬物特性の分析についても同じことである。
【0021】
以下に、本発明に従う装置の構成要素、及び装置の使用について説明する。
【0022】
本発明の装置は、(A)1又は複数のウェル/バイアル、及び(B)少なくとも1のインサートを含む。上記インサートは、(b)少なくとも1の内部標準で染み込ませた(a)支持体を含む。該インサートは、図1において参照番号(2)として示される。
【0023】
インサート
本発明において使用される「インサート」の用語は、任意的な化学保護剤を伴う内部標準を含有する多孔性支持体であると理解するべきである。該インサートは、インサートが装置のウェル又はバイアル中にフィットする限り、いかなる幾何学的形態もとることができる。好ましい態様において、該インサートは、固定器具を使用することにより装置のウェル又はバイアル中に配置することができる。該固定器具は、図1中に参照番号(3)として示される。特に好ましい態様において、固定器具(3)は、インサートとウェルとの間の直接的な接触も伴うことなく、ウェル中に配置することを許容する。従って、該インサートは、固定器具を使用することにより、ウェル底面の上、好ましくは2〜10mm上、より好ましくは3〜5mmに位置づけられる。言い換えると、好ましい態様において、ウェルの底面とインサート間、及び/又はウェルの壁面とインサート間にいわゆる「ギャップ」又は「距離」が存在する。好ましい態様における固定器具として、ウェルの底面とインサート間のギャップの形成を許容する限り、いずれの固定器具も適当である。このような配置は、試料を落とすための支持体の最大表面積を許容する。この設計は、適用後の試料の急速な乾燥を可能とするインサート間の空気又は他のガスの流れにより十分にアクセスすることを保証する。この設計原理はまた、最小化されたタンパク質又は塩夾雑物を伴う試料から代謝産物又は薬物抽出を可能にする全ての側面から溶媒の流れにより十分にアクセスすることも保障する。従って支持体の細孔は、反応(誘導体化)が、支持体それ自身内で進行し、溶媒の使用を最小化することを可能にし、そしてまた、後の過剰な誘導体及び溶媒の蒸発としての除去は、試料の周囲を循環する乾燥気体(空気又は窒素)に対する最大表面積により提供される。この増加した表面積及び全支持体の周囲の溶媒移動度も、適当な溶媒を使用する高い抽出効率を保証にする。別の表現をすると、前述のギャップは、ウェル内のインサートのほぼ自在な配置及びウェルを通って流れる流体の改善された循環を可能にする。
【0024】
さらに、本発明の好ましい態様に従い、該装置は、スタック中に配置される1以上のインサートを備えることができる。ここで各インサートは、より好ましくは、液体の循環を可能にするために互いの間に上述したギャップにより配置されている。
【0025】
支持体
本発明において使用されるし自体は、少なくとも中程度、好ましくは高度の多孔率を有するいずれの支持体であってよい。原則として、このような支持体は先行技術において既知であり、そしてまた商業的に入手できる。
【0026】
媒体(すなわち、支持体)の多孔率「Φ」は、物質の総体積に対する非固体体積の割合として定義され、そして以下の比により定義される:
Φ=Vp/Vm
ここでVpは非固体体積(細孔及び液体)であり、そしてVmは固体及び非固体部分を含む物質の総体積である。
【0027】
従って、多孔率は0〜1の値であり、典型的には、固体花こう岩については0.01以下からピート及び粘土については0.5以上であり、かかる割合を100%で掛けることによりパーセントとしても表すことができる。本発明の多孔性支持体は、少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50%、よりさらに好ましくは少なくとも70%、そして最も好ましくは少なくとも90%の多孔率を有する。
【0028】
インサートにおいて使用される多孔性支持体は、いずれの適当な物質であってもよいが、好ましくは固体支持体である。より好ましくは、該多孔性支持体は、液体のための収着物質(また、特には液体収着物質)から構成される。よりさらに好ましくは、該支持体は、液体収着物質から成る。該収着物質は、吸着物質又は吸収物質であってよい。
【0029】
本発明において使用される液体収着物質は、分析のために内部標準及び後の試料の溶液が、細孔を通じ均一に吸着又は吸収されることを可能にし、加えて担体溶媒の蒸発による除去を可能にするいずれかの物質であると理解されるであろう。
【0030】
支持体物質により吸着又は吸収される液体は、いずれかの種類の液体であってよいが、これは好ましくは大気圧で揮発性の液体、例えば、大気圧で約250℃未満の沸点を有する液体である。
【0031】
より好ましくは、本発明に従う液体収着物質は、少なくとも1つの炭水化物材料、例えば、セルロース材料、グラスファイバー、グラスビーズ、ポリアクリルアミドゲル、多孔性プラスチック不活性ポリマー及び多孔性グラファイトを含む。上記多孔性収着物質は、より好ましくは炭水化物材料又はその誘導体、例えば、アガロース、寒天、セルロース、デキストラン、キトサン、又はコンニャク、カラギーナン、ジェラン、又はアルギン酸塩から構成されてよい。該液体収着物質は、しかしながら、最も好ましくはセルロース又はグラスファイバーから作成される。該支持体又は液体収着物質の形は、特に制限されることはないが、好ましくは円形、四角又は渦巻き型、又はノーチラス型である。本発明に従い、支持体又は収着物質の形は装置のウェル又はバイアルの形に適用される。上述のとおり、多孔性支持体又は収着物質は、その位置において、固定構造体、例えば、固定器具(図1中の(3)として示される)によりウェル又はバイアルにおいて固定又は安定させることができる。
【0032】
液体収着物質を含む多孔性支持体は主に、2つの機能を有する。第一は、下記のとおり、生体試料の添加のために用意された所定の濃度において内部標準(参照物質)を包埋することである。第二は、各試料の内容物の固定化である。この固定化工程は、細胞溶解、タンパク質固定化/沈殿、並びに各試料由来の塩及び多くの他の薬物又は代謝産物の保持を誘導する。その後支持体の多孔度は、分析のために添加される誘導体化剤及びまた抽出溶媒の両方に最大曝露されるために必須である。
【0033】
内部標準
本発明において使用される内部標準は、与えられた試料中に存在する未知の量の化合物を定量するために、類似又は同一の化合物との比較のために使用される既知の絶対量のいずれかの基準物質として理解されるべきである。好ましくは、該内部標準は、有機性内部標準である。本発明において使用される内部標準は、生体試料において分析される化合物の同じグループ又はファミリーに属してよい。しかしながら、これらは、好ましくは試料の代謝産物と内部標準を適切に区別させるために同位体でラベル化されている。試料の代謝産物と内部標準を区別するための他の方法もまた、使用することができる。例えば、非天然化合物もまた内部標準として使用することができる。
【0034】
本発明において使用される内部標準の具体的な例は、以下の表1に挙げられる。
表1
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】
【表3】

【0038】
【表4】

【0039】
【表5】

【0040】
【表6】

【0041】
【表7】

【0042】
生体試料
本明細書において使用される生体試料は、成長及び消化のような生物学的プロセスに関係する、これらにより引き起こされる、又は生命もしくは生存生物に影響を及ぼす任意の試料であると理解される。
【0043】
生体試料の例は、制限されることなく、血液、細胞培養上清、唾液、涙液、尿、血液、血清、血漿、汗、膣液、精液、糞便、粘液、母乳、腹水、リンパ液、胸水、滑液、骨髄、脳脊髄液、及び体腔由来の洗液(例えば、気管支肺胞洗浄液)、毛髪、組織、骨、又は歯を含んでよい。
【0044】
好ましい生体試料は、液体試料である。より好ましくは、生体試料は、血液であり、最も好ましくは、ヒト血液である。液体とは、水のように、25℃で限定された容積であるが限定された形状でない物質を意味する。
【0045】
代謝産物特性
本発明において使用される代謝産物特性は、別の試料もしくは試料群に由来した参照値又は特性との比較に使用することができる代謝産物に関する定量的結果の値のいずれかの規定されたセットと理解されるであろう。例えば罹患した患者由来の試料の代謝産物特性は、同様に合致した健常者由来の試料の代謝産物特性とは著しく異なる。
【0046】
代謝産物、例えば、制限されることなく、アミノ酸、ペプチド、アシルカルニチン、モノサッカライド、脂質及びリン脂質、プロスタグランジン、ヒドロキシエイコサテトラエン酸、ヒドロキシオクタデカジエン酸、ステロイド、胆汁酸、並びに糖脂質及びリン脂質は、検出及び/又は定量化することができる。
【0047】
本発明に従う質量光学測定分析に許容される代謝産物の例は、表2に挙げられる。特に、いずれかの与えられた脂肪酸残基中のC4:X〜C46:X(ここで飽和度Xは0〜8の範囲である)の脂質種が示されている。該脂質はまた、スフィンゴ脂質及びグリコスフィンゴ脂質を含む。
【0048】
検出及び定量化できるアミノ酸は、タンパク新生又は非タンパク新生アミノ酸である。表2に示されるタンパク新生アミノ酸及び非タンパク新生アミノ酸が好ましい。
【0049】
C4:X〜C18:X(ここでXは、いずれかの与えられた酸残基における飽和度であり、0〜8の範囲である)のアシルカルニチンは、検出及び/又は分析することができる。好ましいアシルカルニチンの例もまた表2に挙げられる。
【0050】
モノサッカライドは、好ましくは還元性又は非還元性炭水化物である。モノサッカライドの例もまた表2に挙げられる。
【0051】
表2
【0052】
【表8】

【0053】
【表9】

【0054】
【表10】

【0055】
【表11】

【0056】
【表12】

【0057】
【表13】

【0058】
薬物特性
本発明において使用される薬物特性は、特定の試料中の1種若しくは複数の薬物又は薬物代謝産物に関する定量結果の値のいずれかの規定されたセットであると理解される。更に具体例として、免疫抑制薬もまた、検出され、そして定量され得る。例えば、移植患者の薬物特性は、医師に、使用時の1種又は複数の薬物療法の即時循環量を提供し、その結果、その後の用量は、最良の治療範囲を実現するために測定された量に応じ増減されるであろう。このような分析は、治療薬物モニタリング(TDM)と称される。本発明の免疫抑制薬は、免疫系の活性を阻害又は抑制するための免疫抑制療法において使用することができる薬物として理解される。臨床的に、これらは、移植された臓器及び組織の拒絶反応を防止するため、並びに関節リウマチ、重症筋無力症、全身紅斑性狼瘡、クローン病、及び潰瘍性大腸炎のような、自己免疫疾患の治療において使用される。本明細書において定義される免疫抑制薬は、基本的に4群に分類することができる:糖質コルチコイド、細胞増殖抑制薬、抗体、及びイムノフィリンに作用する薬物である。本発明において使用される免疫抑制薬の好ましい例は、シクロスポリンA、シロリムス、エベロリムス及びタクロリムスである。
【0059】
標準のカプセル化
本発明に従う内部標準は、好ましくは使用の前に分解及び化学反応から内部標準を保護する被覆材料又は保護材料によりカプセル化される。分解及び化学反応からの内部標準の保護は、内部標準の分解又は化学修飾の多くの形態を予防することができ、例えば、日光、温度、微生物の作用の予防が挙げられ、特に内部標準を崩壊又は分解生成物に変形し、定量分析の結果に影響するいずれかの過程からの予防が挙げられる。
【0060】
本発明において使用される保護/被覆材料は、分解から内部標準を遮蔽するための、あるいは遮蔽された内部標準を設計するためのいずれかの材料であると理解すべきである。
【0061】
本発明に従う保護/被覆材料は、上述したとおり、環境の影響から内部標準を保護するために適当ないずれかの材料であってよい。本発明の被覆材料は、好ましくは少なくとも1のポリマー、ミセル形成化合物、リポソーム形成化合物、及びポリヒドロキシ化合物、又はいずれかのこれらの混合物を含む。
【0062】
該被覆材料がポリマーである場合、本発明において使用される該ポリマーは、特に制限されることはないが、高分子量有機化合物、例えば、少なくとも500g/モル、又は少なくとも1000g/モル、又は少なくとも5000g/モル、又は少なくとも10000g/モルの平均分子量を有する化合物であって、これは天然又は合成のいずれかであり、その構造は、モノマーの反復された小単位により表すことができる化合物であると理解される。合成ポリマーは当業界に既知の方法、例えば、モノマーの添加又は縮合重合により形成される。本発明のポリマーはまた、2以上の異なるモノマーが含まれる場合、コポリマーであってよい。ホモポリマーは、たった1つの種類のモノマーから形成されるポリマーである。
【0063】
本発明に従うポリマーは、好ましくはポリアルキレングリコールホモポリマー若しくはコポリマー、又はそれらの混合物である。該平均分子量は、好ましくは約1000ダルトン(Da)である。より好ましくは本発明に従うポリマーはポリエチレングリコール(PEG)又はポリプロピレングリコール(PPG)であり、好ましくは、高極性及び低極性から非極性溶媒に可溶性又は混和性であるような、約1000Daの平均分子量を有するPEG1000である。
【0064】
被覆材料がミセル形成化合物である場合、本発明において使用される該化合物は、コロイド系における液滴のような、分子の超顕微鏡的凝集を誘発することができるいずれかの化合物であると理解すべきである。本発明に従うミセル形成化合物は、好ましくは界面活性剤である。
【0065】
本発明において使用される界面活性剤は、2つの液体間の表面張力を低下するいずれかの化合物、又は製品の乳化、発泡、分散、拡散、及び湿潤特性を増大される界面活性剤活性剤、特には分子が1方の末端において親水基、そして他方の末端において疎水基を有する有機化合物であると理解される。適当な界面活性剤は、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性及び両イオン性界面活性剤を含む。好ましくは該界面活性剤はホスファチジル(C17:0)2である。
【0066】
被覆剤がリポソーム形成化合物である場合、本発明において使用される該化合物は、ワクチン、薬物、酵素、又は他の物質を標的細胞又は器官に運ぶために使用される、1又は複数のリン脂質層において封入される水性コアから成る人工的な微視的小胞を作ることができるいずれかの化合物であると理解されるべきである。
【0067】
本発明において使用されるリン脂質は、当業界の一般方法において理解され、そして脂質、例えば、レシチン及びセファリンを含有する亜リン酸を含むべきであり、グリセロール及び脂肪酸から作成され、そして付随するリン酸基を伴う。より好ましくは、リポソーム形成化合物は、リン脂質、例えば、ホスファチジルコリン又はホスファチジルエタノールアミン、あるいはこれらの誘導体である。
【0068】
被覆剤がポリヒドロキシ化合物である場合、本発明において使用される該化合物は、少なくとも2つのヒドロキシ基を含むものと理解すべきである。最も好ましくは、該ポリヒドロキシ化合物は、ソルビトール及び/又はグリセロールである。
【0069】
好ましくは、本発明に従うカプセル化は、マイクロカプセル化である。本発明において使用されるマイクロカプセル化は、圧力、溶解又は融解により崩壊すると、これらの内容物を放出するように設計された小さな、好ましくは、微細カプセルである、マイクロカプセルのいずれかのカプセル化であるとして理解される。特に、本発明のカプセルは、好ましくは、100μm以下、より好ましくは10μm以下、そして最も好ましくは1μm以下の直径を有する。
【0070】
マイクロカプセル化内部標準は、貯蔵及び輸送に関して強固であり、そして酸化及び分解過程について安定であり、そしてこれらは比較的長い有効期間を有する。該マイクロカプセル化は、好ましくは、マイクロカプセル化成分に基づき、合成的な品質管理材料を調製するために標準化される。これは、典型的には、化合物に適当な溶媒、例えば、リン脂質のためのクロロホルム/メタノール混合物において、内部標準、及び被覆物質の下のほかの保護されている試料を乾燥することにより達成される。典型的には、これらの試料に対する水の添加は、ミセル及び/又はリポソーム形成を誘発し、そしてこれらの内部又は外部標準を組み込み、脂溶性保護化合物を水中で作成することが可能である。
【0071】
例えば、該装置は以下のとおり調製される:適当な溶媒中に溶解した内部標準を、多孔性支持体上に既知の量においてピペッティングし、そして乾燥させる。該手順を、装置において使用される、全ての内部標準又は内部標準のクラスについて繰り返す。カプセル化が供される場合、最終段階として、好ましくは適当な溶媒における、カプセル化/被覆材料が、内部標準を含む支持体(すなわち、インサート)上に置かれ、そして乾燥される。それから、該インサートを、好ましくは固定手段又は固定構造、例えば、固定器具を使用して、ウェルに挿入する。あるいは、該支持体は、内部標準をピペッティングし、そして任意的に支持体においての材料を被覆する前にウェルに挿入してもよい。
【0072】
多連装置
本発明において使用されるマルチ装置は、マルチ装置、例えば、マイクロタイタープレート標準形式を形成するために一緒に連結されたいずれかの多連装置であると理解されるべきである。
【0073】
本発明において使用されるマイクロタイタープレートは、生物又は化学研究施設において使用されるいずれかのプラスチック製のサンプルホルダーであると理解されるべきである。該マイクロタイタープレート標準は、1996年にthe Society for Biomolecular Screening (SBS)により形式化された。これは、典型的には、2:3の長方形マトリックスに配置された6、24、96、384又は1536個の試料ウェルを有する。該標準は、ウェル寸法(例えば、直径、間隔及び深さ)、並びにプレート特性(例えば、寸法及び剛性)を左右する。
【0074】
該マルチ装置について、上述したとおり、構成部品についての同様の記載が適用される。従って、マルチで装置もまた、多孔性支持体、例えば、セルロース又はグラスファイバーを含み、好ましくは化学的に不活性な保持構造により少なくとも1のウェル中で保持される。該多孔性支持体は、保護又は被覆材料又は化学混合物、例えば、ポリエチレングリコール1000、ホスファチジルコリン、グリセロール又はソルビトールにより任意的にマイクロカプセル化(コーティング化)された、乾燥状態における内部標準中に包埋されている。
【0075】
本明細書においてマルチ装置と称される多連型の装置は、異なる型を有することもできる。例えば、6ウェルのような予め包埋された、いくつかのバイアルは、複数の較正化合物による6点較正をもたらす。既知の代謝産物及び/又は複数の薬物濃度を含有する品質コントロール試料も、予め包埋されている。
【0076】
ウェル
本発明において使用されるウェルは、そこで抽出又は化学反応が生じ得る、好ましくは溶媒及び誘導体に耐性である物質からなるいずれかのバイアル又はチューブであると理解されるであろう。
【0077】
該装置の1又は複数のウェル(図1中の参照番号(1)として表される)は、好ましくは、ミクロンサイズの固形物を分離するための少なくとも1つのフィルター(図1中(4)として表される)、より好ましくはミクロンサイズの固形物を分離するための正確に1つのフィルター(4)を含む。該装置の1又は複数のウェルは、好ましくは濾液を排出するための図1中の少なくとも1つの排出口(5)を含む。
【0078】
本発明において使用されるウェル中に含まれるフィルターは、懸濁した微粒子状物質から液体を分離するために液体又はガスが通過するいずれかの多孔性材料であると理解すべきである。フィルター(4)は、好ましくは50〜0.01μm、より好ましくは5〜0.1μm、そしてさらにより好ましくは1〜0.3μmの細孔サイズを有する。最も好ましくは、フィルター(4)は0.45μmの細孔サイズを有する。
【0079】
好ましくは、本発明に従い、該フィルター(4)はインサート(2)と排出口(5)の間に位置づけられる。
【0080】
さらに、本発明に従う排出口(5)は、好ましくは適用される遠心力又は減圧下、好ましくは500mbarにおいて開口する。減圧は、好ましくはウェル(1)の排出口(5)側において適用される。あるいは、インサート(2)から排出口(5)への流れを保障するために、インサート(2)側において上昇圧力を適用することができる。
【0081】
キット
本発明に従う装置は、さらに、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性の定量分析のためのキットにおいて使用することができる。本発明において使用されるキットは、通常、分析機器と連結して、様々な代謝産物の定量的な標的分析のための代謝産物の調製を可能にする装置を含めた、試薬、溶媒、ソフトウェアのいずれかのシステムであると理解すべきである。
【0082】
機器
さらに、本発明に従う装置はまた、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物の定量分析のための機器において使用することもできる。上記機器は、(a)スクリーンニングされる薬物及び/又は代謝産物を調製するための処理ユニットであって、(a1)自動液体取扱いシステム、及び(a2)試料中に存在する薬物及び/又は代謝産物の誘導体化のため、そして該誘導体のその後の抽出のための上に規定される少なくとも1つの装置、を備える処理ユニット;(b)定量的な標的の質量分光分析のための質量分析計、及び(c)分析の結果を格納するためのデータベース、を備える。
【0083】
本発明において使用される機器(又はプラットホーム)は、質量分析による分析のために準備される生体試料の完全な調製を可能にする、いずれかの機器であると理解すべきである。これは、抽出、誘導体化、脱塩、及び濃縮の工程を包含する。これはまた、完全に自動化された方法において、これらの工程のいくつか又は全ての、あらゆる可能な組み合わせを含み、好ましくは試料遠心装置、試料加熱及び冷却装置、試料振盪装置、試料乾燥装置、試料ピペッティング装置及び試料ホモジナイズ装置との組み合わせにおける液体取扱いシステムが組み込まれている。
【0084】
本発明において使用される液体取扱いシステムは、バイアル及びマイクロタイタープレートの内及び外へ多くの種類の溶媒を正確に吸引及び分配することが可能である、いずれかの機械装置であると理解される。液体取扱いシステムは、このような液体取扱いシステム中のコンピューター及びソフトウェアを介して操作することができる。
【0085】
本発明において使用されるデータベース又はデータバンクは、調査及び検索の容易性及び速度のために配置されたデータのいずれかの集合であると理解すべきである。
【0086】
本発明において使用される標的の質量分光分析は、具体的には、標的の代謝産物の同定のために、対応する被検体について特徴的である公知の断片化パターンにより、公知の代謝産物を規定及び表示する、1種又は複数の設定されたイオン対が使用される質量分光分析であると理解されるであろう。得られたイオン強度は、適当な内部標準と共に使用され、標的の代謝産物の濃度を計算する。内部標準は、特徴的なイオン対(又は複数)を用いることにより同定され、得られたこれらのイオン強度は、既知濃度の内部標準に関連づけ、対応する標的の代謝産物の定量を可能にする。標的の代謝産物のセットは、予め知られており、及び予め注釈づけすることができる。従って検出され、定量された代謝産物は既に注釈づけされており、迅速かつ直接的な解釈が可能である。タンデム質量分析計は、より詳細にイオン種を識別するためのMSMS分析が可能な質量分析計として特に好ましい。好ましくは該機器は、自動化され標準化された試料調製手法及び高解像度タンデム質量解析手法が可能である。特に自動化された試料調製手法は、日々の信頼できる結果の再現性を高め、そしてより低い変動係数(CV)をもたらす。例えば、誘導体化された糖をプリカーサーイオンスキャンにより分析する場合、この誘導体自体は、質量分析計により検出することができる。陽性イオンモードにおいて、これは好ましくは、フェニルメチルピラゾロン(PMP)(MH)+イオンのm/z 175での形成である。炭水化物自体又は別の異性体の組成は、検出可能である。
【0087】
本発明に従う装置を使用してメタボローム分析を行う場合、数百の量の代謝産物を、前分析段階を使用して高速、高精度かつ高感度を伴い、マイクロタイター量の生体材料から同時に分析することができる。品質保証(QA)データは、数分で個々の試料から産生され、そして最先端の統計ソフトウェアツールを利用して判断される。該方法はまた、前分析標準化及び自動化、並びにユーザーフレンドリーな統計及び生物化学データ解釈を介して、これまでに存在した分析における障害を解消する。本発明の方法における全ての要素の新規な技術プラットホームへの統合は、「生物化学的フィンガープリント法」を広範な適用について利用可能とし、そして代謝産物の広がりを促進する。
【実施例】
【0088】
本発明は、以下の制限のない実施例によりさらに説明される。
【0089】
マルチ装置の調製及び条件
ひとつのマルチ装置を、Solvinertマイクロタイタープレート(MSRP N04, Millipore Corp MA, 米国)の96ウェルの各々の中の多孔性支持体として、7mmセルローススポット(汎用カード-10 539 859から切断、Schleicher Schuell Biosciences GmbH, ダッセル, 独国)を用いて調製した。これらは、ポリプロピレンから製造された固定器具(Biocrates, チロル, オーストリア)により、所定の位置に固定した。
【0090】
試料由来の代謝産物の選択されたサブセット、この場合、アミノ酸、アシルカルニチン及びリン脂質を分析するために、試料からの20種のタンパク質新生ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン及び各々の溶解(lyso)種を全て表すために、安定した同位体で標識された、アミノ酸、アシルカルニチン及び脂質の好適な内部標準の選択を使用した。これらは、既知量の各内部標準クラスをピペッティングし、多孔性支持体内で各々を乾燥させ、その後内部標準の次の混合物を添加し、乾燥させるなどにより、マルチ装置の多孔性支持体に予め包埋した。該実施例において、二重の目的に役立つ化合物である、0.1w/w%ポリエチレングリコール1000(PEG1000)を含有する水溶液中に、アシルカルニチン、引き続きアミノ酸、最後にリン脂質の内部標準の混合物が添加された。界面活性剤として、PEG1000が多孔性支持体の細孔内に存在し、全ての内部標準をコーティングし、これは酸素及び水への曝露の分解作用に対して保護障壁をもたらす。
【0091】
マルチ装置を完全に乾燥させてから、技術的検証試料をマルチ装置の最初の5つのウェルに添加した。
ウェル1:ブランク、
ウェル2及び3:標識されていない代謝産物のコントロール混合物、
ウェル4:低濃度の代謝産物(標準的なレベル又は1倍)を伴う品質コントロール、及び
ウェル5:高濃度の代謝産物(通常の10倍のレベル)を伴う品質コントロール。
【0092】
ウェル1〜5において更なるコントロール試料と共に予め組み込まれた内部標準を含有するマルチ装置は、使用のために4℃で保管する。
【0093】
マルチ装置の使用方法
【0094】
例1
単に例証を目的として、以下に、どのようにして上述した装置を使用し、代謝産物の選択の分析のために試料を処理するかを説明する。
【0095】
試料由来の代謝産物、アミノ酸、アシルカルニチン及びリン脂質のサブセットを分析するために、20種のタンパク質新生アミノ酸、最も豊富なアシルカルニチン、並びにホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン及び各々の溶解種を含むリン脂質の全てを表すために、安定した同位体で標識されたアミノ酸、アシルカルニチン及び脂質の好適な内部標準の選択を使用した。典型的には血漿10μlの予め規定された量の試料の添加時に、試料の内部標準及びアミノ酸をインサートの細孔の境界内で混合した。従って代謝産物の喪失又は分解を引き起こすいずれかの後の処理は、内部標準により相関されるであろう。その後アミノ酸の誘導体化をインサートの細孔の境界内で行うことができる。この例における誘導体化試薬は、ピリジン、水、エタノールの1:1:1溶液中の5%フェニルイソチオシアネート15μlからなる。この誘導体化プロセスは、室温において20分未満で生じる。該誘導体化溶液は完全に揮発性であるため、室温での穏やかな窒素流又は真空下において簡単に除去することができる。10mM酢酸アンモニウムを含有するメタノール溶液の添加は、誘導体化されたアミノ酸、アシルカルニチン及びリン脂質を、同時に、多孔質装置からメタノール溶媒へと抽出する。この目的のために選択されたマイクロタイタープレートは、追加的な特性を有する。これは、0.45ミクロンフィルター、及び遠心力又は真空下でのみ開口し、各ウェルの底を構成する液体排出口を備える。試料由来のメタノール抽出物はその後、遠心により、捕獲用マイクロタイタープレートへ簡単に収集され、マイクロタイタープレートを備える装置に配置される。その後、各ウェルからの溶液の質量分光分析は、典型的には試料を質量分析計へ送達するための自動試料採取装置を用いて行うことができる。
【0096】
例2
以下は、該装置が代謝産物の選択の分析のための試料を処理するために使用できることを示す。
【0097】
各ウェルに対して、1人の患者由来の血液試料10μlを正確に添加した時点で、マルチ装置は、多孔質支持体(インサート)の細孔の境界内で内部標準と混合される。その結果、代謝産物の喪失又は分解を引き起こすいずれかの後の処理は、内部標準と相関するであろう。誘導体化は、例1のとおり実行され、次に各ウェルから得られた溶液が、典型的には試料を質量分析計へ送達するための自動試料採取機器を用いて、質量分析により分析される。該マルチ装置で誘導体化され、そして抽出された代謝産物の質量分析の測定からの結果は、アミノ酸、リン脂質及びアシルカルニチンをそれぞれ示す図2及び図3において図表として示される。
【0098】
アミノ酸及びアシルカルニチン代謝産物の量は、以下の表3において示され、またマルチ装置を使用して得られた値の精度及び分散も示される。
【0099】
表3 −10回測定された単一の試料由来のアミノ酸、脂質、乳酸、クレアチニン及びグルコースの量の精度及び再現性は図3に示され、これはマルチ装置を使用して得られたものである。
【0100】
【表14】

【0101】
【表15】

【0102】
【表16】

【0103】
【表17】

【0104】
例3
治療薬物モニタリング
免疫抑制剤は、移植後の臓器拒絶反応を阻害することが必要とされる。使用される免疫抑制剤は、エベロリムス、シクロスポリンA、タクロリムス、シロリムス、及びミコフェノール酸である。上記と同様に好適に調製されたマルチ装置由来の治療薬物モニタリングの結果は、マルチ装置の使用を更に説明するために本明細書中に示され、そして本発明の特許請求の範囲をサポートする。
【0105】
マルチ装置の調製及び条件
該マルチ装置は、多孔質支持体として単独の8mmセルローススポット(汎用カード-10 539 859から切断, Schlicher Schuell, Biosciences GmbH, ダッセル, 独国)を代わりに使用すること以外は、先に説明されたものと全く同じ方法で調製された。
【0106】
2つのマルチ装置において、エベロリムス(200ng/mL)(Sigma, Vienna, Austria)、シロリムス及びタクロリムスについての内部標準、及びシクロスポリンD(400ng/mL)(Sigma, Vienna, Austria)、シクロスポリンAについての内部標準を含有するメタノール溶液(20μl)をウェルに置き、マルチ装置の多孔性支持体上にピペッティングし(Gilson 20 μl ピペット)、そして室温で30分間乾燥させた。較正物質混合物及び品質コントロールレベルI−V(免疫抑制剤のための全血較正物質セット(レベル0〜6)、免疫抑制剤のためのClinChek R全血コントロール、Recipe Chemicals and Instruments GmbH, Munich, Germany)を製造業者の指示書に従い再構成し、そして共に−20℃で保管した。使用の前に、上昇濃度のシクロスポリンD及びエベロリムスを伴う6つの較正物質溶液、及び多様な濃度のシクロスポリンA、タクロリムス、シロリムス、及びエベロリムスを伴う5つの品質コントロール溶液を解凍し、そして室温約23℃にした。6つのウェルに、20μlの各6つの較正を、マルチ装置の多孔性支持体上にピペッティングした(Gilson 20 μl ピペット)。5種の品質コントロールは、マルチ装置の多孔性支持体の5個の個別のウェルにピペッティングした。該マルチ装置へ、マルチ装置多孔性支持体上で、アセトニトリル(HPLC等級)を、直ちに添加し(Gilson 200mlピペット)、即座にオービタルシェーカーにより600rpm未満で30分間振盪した。装置の下側に300μl容量のマイクロタイター捕獲プレートを配置することにより、溶出液を収集し、次に500gで6分間2回遠心した。その後溶出液を、開示されている方法(T. Koal, M. Deters, B. Casetta, V. Kaever, Simultaneous determination of four immunosuppressants by means of high speed and robust on-line solid phase extraction-high performance liquid chromatography- tandem mass spectrometry, J. Chromator. B, Analyt. Technol. Biomed. Life Sci. 2004 Jun 15, 805(2); 215-222)に基づき、質量分析技術により分析した。結果がどのようにして得られ、計算されたかについての代表的な例は、定量的なデータを産出するためのLCMSによるシクロプロリンA分析についての図4に供される。内部標準シクロスポリンDの微分ピーク下面積は、既知の量を含有する5つの品質コントロール試料中の免疫抑制剤シクロスポリンAのピーク下面積に対する比較のために使用した。
【0107】
図5〜8は、マルチ装置中のインサートとしてセルロース支持体を使用する、4つの全ての免疫抑制剤、シクロスポリンA、タクロリムス、エベロリムス及びシロリムスについての線形標準曲線を示す。表4は、分析された5つの品質保証物質の計算濃度及び精度比較についての実測値を示す。
【0108】
【表18】

【0109】
産業上の利用可能性
本発明は、多用途かつ標準化された多様な生体液及び組織の分析を可能にする。例えば、現在のインハウス(in-house)能力は、同時にかつ完全に自動化された試料調製及び分析を実証し、これは乾燥血液10μlから、100種を超える注釈づけされた経路内で多様なクラスの代謝産物を対象とするMS運転時間6分以内に1000種以上の定量的で注釈づけされたデータ点を産生する。このように、本発明は、これまで広範な定量的メタボロミクスマイニングを妨げていた(事前)分析、自動化、並びにデータ処理及び解釈における障害のほとんどを初めて克服するものである。
【0110】
先行技術の分析的方法及び装置と比べ、本発明の定量的分析は、極めて耐久的(rugged)であり、それらの結果は高度に再現可能である。特に代謝産物データは、同等のプロテーム又はトランスクリプトームデータよりもはるかに優れている。わずかに10μlの血液もしくは血清又は20μlの尿又は100,000個未満の培養細胞を必要とするだけである。
【0111】
該分析法及び装置の性能特性は、研究(発見)適用及び続く臨床的な診断標準の両方を兼ね備えることができる。これは、実験室間で比較可能な品質保証データ、標準化データ、素早い応答時間、「ready to go」実行(ヒット)、簡単な受信データの解釈、及び視覚化、並びに極めて高度な自動化及び標準化(SOP)を保証し、あるいは可能にする。全体的なコスト/データ点は、またボローム情報をプロテオーム情報よりも極めて安価なものとする。
【0112】
本発明の方法又は装置により得られる定量的な情報は、体系的(システム生物学)な状況及び拡張可能な様式における経路及び代謝産物を網羅する。従って、中間代謝の代表的機能の像又は画面例又は代謝のフィンガープリントは、マーカー代謝産物のアレイから最終的に誘導することができる。
【0113】
更に、システム生物学に関するメタボローム情報を収集する、注釈づけされ、そして簡便にプロテオーム、トランスクリプトーム及びゲノムの情報源にリンクすることができる機能エンドポイント情報が、必要である。
【0114】
本装置及び方法は、大規模な定量的に同定され及び注釈づけされた代謝産物特性の同時作製、並びに複雑かつ動的な複数のバイオマーカーパターンの研究のための新規な「標準」を確立するために適した統合ツール(ソフトウェア及び分析用)として使用することができる。更に、自動化されかつ標準化された試料調製のための液体取扱いシステム並びにMS−MS分析のための質量分析計からなる市販のハードウェア構成部品は、所有者(proprietary)により統合され、かつ設計された消費物質-ベースの製品及びアプリケーションソフトウェアを保護し、これは品質管理されたデータ処理のための(事前)分析手順及び革新的モジュール、技術的検証及び文書化、統計解析及び生化学的解釈を含む。
【0115】
本発明における試料調製時間(90サンプル/マイクロタイタートレイのバッチにおけるヒットに基づく)は、たったの約2時間であり、そして、スケジューリングソフトウェアを介する並行化によりさらに減少すると考えられる。定量のための広範な特定の内部標準は、通常1又は2段階反応調製及びアプリケーションヒットの不可欠な部分として、ソフトウェア及びSOPの組み合わせにおけるQC及びQAについての全ての必要な材料を含有するように、proprietary chemistryにおいてあらかじめ形成される。
【0116】
産業適用は、疾患診断、治療有効性又は毒性について検証されたバイオマーカーを利用することを目的としたバイオマーカー発見及び市販化を含む。医薬開発における主要な適用は、薬物代謝及び薬物動態、毒性及び安全性、薬効及び薬力学の分野を含む。他の技術分野は、臨床診断、並びに例えば、早期に感度の良い特異的診断及び正確な病期決定が、高価な介入の代わりに疾患予防を促進し、及び治療を個人化し並びにここで治療作用が特異的にモニタリングされ、個人化された治療を支援するような治療診断(theranostics)を含む。更なる適用領域は、栄養産業、健康管理、本国の防衛、及び基礎生物学を含むが、これらに限定されるものではない。
【0117】
本発明の好ましい態様において、該装置は、収着物質;及び該支持体中に含浸させ、そして乾燥させた、複数の質量分析用の有機性代謝産物標準を含んで成る支持体を備える。より好ましくは、該質量分析用の有機性代謝産物標準は、適当な同位体で標識したアミノ酸、適当な同位体で標識したポリペプチド、適当な同位体で標識した脂質、又は適当な同位体で標識したアシルカルニチンを含んで成る。
【0118】
本発明のほかの好ましい態様において、該装置は、収着物質;及び支持体中に含浸させ、そして乾燥させた、複数の質量分析用の免疫抑制剤標準を含んで成る支持体を備える。より好ましくは、該免疫抑制剤標準は、1又は複数のエベロリムス及びシクロスポリンDを含んで成る。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】ウェル又はバイアル、及び個々の部品の集合を含有する本発明に従う単一の装置の断面図を記載する。参照番号(1)は、ウェル又はバイアルを示す。参照番号(2)は本発明に従うインサートであって、任意的な(マイクロ)カプセル化を伴う内部標準を含有するガラス、セルロース又は他の適当な材料(すなわち、多孔性支持体)の固定化固定相を含有するインサートを示す;参照番号(3)はウェル又はバイアル中の多孔性支持体を保持するための固定器具を示し、これは誘導体又は溶媒に対して化学的に不活性である;参照番号(4)はフィルターを示す;参照番号(5)は排出口を示し、これは遠心力若しくは重力の圧力、又は真空下において開口する。
【0120】
【図2】フェニルチオ尿素アミノ酸誘導体(PTU)イオン・タンデム質量分析を使用する陰性モードにおけるニュートラルロススキャン135が記載され、これは実施例2に説明されたマルチ装置により調製された赤血球細胞試料由来のアミノ酸及びそれらの対応する安定した同位体内部標準を示す。
【0121】
【図3】図3Aは、陽イオンモードでの(A)におけるプリカーサースキャン184を記載し、例2の赤血球試料由来のリン脂質を抽出するためのマルチ装置能力を示す。例えば、スフィンゴミエリン及びホスファチジルコリンは、700〜840の範囲のm/zにおいて観察され、そして溶解ホスファチジルコリンは400〜650の範囲m/zにおいて観察される。図3Bは、例2の陽イオンモードにおけるMRMスキャン(マルチプル・リアクション・モニタリング)を記載する。
【0122】
【図4a】どのように、免疫治療薬、シロリムス、エベロリムス、シクロスポリンA、タクロリムスが、そして品質コントロール血液試料由来の、内部標準、アスコマイシン及びシクロスポリンDが、定量的データを産生するためのLCMSで分析されるかについての例を記載する。既知の濃度の内部標準、シクロスポリンD及びアスコマイシンの積分ピーク下面積は、既知濃度量を含有する5つの品質コントロール試料において、免疫抑制剤のピーク下面積に対する比較のために使用される。これは、4つの全ての薬物についての正確な測定を供する。
【0123】
【図4b】図4Aに同じ。
【0124】
【図4c】図4Aに同じ。
【0125】
【図5】セルロースインサートを伴うマルチ装置(例3)から得られたシロリムスのための較正物質からの較正曲線を記載する。
【0126】
【図6】セルロースインサートを伴うマルチ装置(例3)から得られたエベロリムスのための較正物質からの較正曲線を記載する。
【0127】
【図7】セルロースインサートを伴うマルチ装置(例3)から得られたシクロスポリンAのための較正物質からの較正曲線を記載する。
【0128】
【図8】セルロースインサートを伴うマルチ装置(例3)から得られたタクロリムスのための較正物質からの較正曲線を記載する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性の定量分析のために適当な装置のためのインサートであって、
(a)支持体、及び
(b)上記支持体に含浸させる、少なくとも1つの内部標準
を含んで成るインサート。
【請求項2】
前記支持体が液体のための収着物質を含んで成る、請求項1に記載のインサート。
【請求項3】
前記収着物質が、少なくとも1つのセルロース材料、グラスファイバー、グラスビーズ、ポリアクリルアミドゲル、多孔性プラスチック不活性ポリマー及び多孔性グラファイトを含んで成る、請求項2に記載のインサート。
【請求項4】
前記内部標準が、使用前の分解及び化学反応から内部標準を保護する被覆材料でカプセル化されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインサート。
【請求項5】
前記被覆材料が、少なくとも1つのポリマー、ミセル形成化合物、リポソーム形成化合物及びポリヒドロキシ化合物を含んで成る、請求項4に記載のインサート。
【請求項6】
前記カプセル化がマイクロカプセル化である、請求項5に記載のインサート。
【請求項7】
前記ポリマーがポリアルキレングリコールホモポリマー若しくはコポリマー、又はこれらの混合物であり、そして/あるいは前記ポリヒドロキシ化合物がソルビトール及び/又はグリセロールである、請求項5及び/又は請求項6に記載のインサート。
【請求項8】
前記ポリマーが、ポリエチレングリコール(PEG)又はポリプロピレングリコール(PPG)、好ましくはPEG1000である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のインサート。
【請求項9】
前記ミセル形成化合物が界面活性剤であり、そして/あるいは前記リポソーム形成化合物がリン脂質、好ましくはホスファチジルコリン若しくはホスファチジルエタノールアミン、又はこれらの誘導体である、請求項5及び/又は請求項6に記載のインサート。
【請求項10】
生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性の定量分析のための装置であって、
(a)1又は複数のウェル(1)、及び
(b)該ウェル(1)中に位置づけられる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の1又は複数のインサート(2);並びに
(c)任意的に、該ウェル(1)中のインサート(2)のための固定器具、
を備える装置。
【請求項11】
前記1又は複数のウェル(1)が、ミクロンサイズ、好ましくは5ミクロン以上の固形物を分離するためのフィルター(4)、及び濾液を排出するための排出口(5)を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記フィルター(4)が、インサート(2)と排出口(5)の間に位置づけられる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記排出口(5)が、適用された遠心力又は減圧下、好ましくは500mbar以下において開く、請求項11及び/又は請求項12に記載の装置。
【請求項14】
請求項4〜9のいずれか一項に記載のとおりカプセル化されている、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性の定量分析のための内部標準。
【請求項15】
請求項10〜13のいずれか一項に規定される装置を含む、生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性を定量分析するためのキット。
【請求項16】
生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性を定量分析するため機器であって、
(a)スクリーンニングされる薬物及び/又は代謝産物を調製するための処理ユニットであって、
(a1)自動液体取扱いシステム、及び
(a2)試料中の薬物及び/又は代謝産物の誘導体化のため、そして該誘導体のその後の抽出のための請求項10〜13のいずれか一項に規定される少なくとも1つの装置、を備える処理ユニット、
(b)定量的な標的の質量分光分析のための質量分析計、及び
(c)分析の結果を格納するためのデータベース、
を備える、機器。
【請求項17】
生体試料中の薬物及び/又は代謝産物特性を定量分析するための方法であって、請求項1〜9のいずれか一項に規定されるインサート、又は請求項10〜13のいずれか一項に規定される装置、又は請求項14に規定される内部標準、又は請求項15に規定されるキット、又は請求項16に規定される機器、を利用する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−547031(P2008−547031A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518727(P2008−518727)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006328
【国際公開番号】WO2007/003344
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(508003712)バイオクラテス ライフ サイエンシズ アクチェンゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】