説明

代謝調節型グルタミン酸受容体−5のモジュレーターとしてのビピリジルアミン類およびエーテル類

本発明は、mGluR5モジュレーターである、式(I)のような新規なビピリジンアミンおよびエーテル化合物


(式中、R、R、R、XおよびYは本明細書において定義されている)を対象とし、前記化合物は、これらに限定されないが、精神および気分障害(例えば、統合失調症、不安、抑うつ、双極性障害、およびパニック)を含めて、mGluR5が関与する疾患および病状の治療と予防において、ならびに、疼痛、パーキンソン病、認知障害、癲癇、概日リズムおよび睡眠の障害(例えば、交代勤務誘発睡眠障害および時差ぼけ)、薬物中毒、薬物乱用、薬物離脱、肥満および他の疾患の治療において有用である。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物を対象とする。さらに、本発明は、これらの新規なビピリジルアミンおよび/またはエーテル化合物および/またはこれらの化合物を含む組成物の有効量を投与することによる、これらの疾患および病状の治療方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
哺乳動物の神経系における主な興奮性神経伝達物質はグルタミン酸分子であり、それはニューロンに結合することにより、細胞表面の受容体を活性化する。このような表面受容体は、イオンチャネル型あるいは代謝調節型のグルタミン酸受容体の何れかとして特徴付けられる。代謝調節型グルタミン酸受容体(「mGluR」)は、グルタミン酸と結合した時に細胞内第二メッセンジャー系を活性化するGタンパク質共役型受容体である。mGluRの活性化により様々な細胞反応が生じる。特に、mGluR1およびmGluR5は、ホスホリパーゼCを活性化し、それに続いて、細胞内カルシウムが動員される。
【0002】
代謝調節型グルタミン酸受容体サブタイプ5(mGluR5)の調節(modulation)は、神経系に影響を及ぼす疾患の治療において有用である(例えば、W.P.J.M.Spooren et al.、Trends Pharmacol.Sci.、22:331−337(2001)、およびそれに引用されている参考文献を参照)。例えば、最新の証拠は、侵害受容過程におけるmGluR5の関与と、mGluR5−選択的化合物を用いるmGluR5の調節が、急性、持続性および慢性の疼痛[K.Walker et al.、Neuropharmacology、40:1−9(2001);F.Bordi、A.Ugolini Brain Res.、871:223−233(2001)]、炎症性疼痛[K.Walker et al.、Neuropharmacology、40:10−19(2001);Bhave et al.Nature Neurosci.4:417−423(2001)]ならびに神経障害性疼痛[Dogrul et al.Neurosci.Lett.292:115−118(2000)]を含めて、様々な疼痛状態の治療に有用であることを示している。
【0003】
さらなる証拠は、精神障害および神経障害の治療における、mGluR5のモジュレーターの使用を支持している。例えば、2−メチル−6−(フェニルエチニル)−ピリジン(「MPEP」)のようなmGluR5選択的化合物は、不安および抑うつ[W.P.J.M.Spooren et al.、J.Pharmacol.Exp.Ther.、295:1267−1275(2000);E.Tatarczynska et al、Brit.J.Pharmacol.、132:1423−1430(2001);A.Klodzynska et al、Pol.J.Pharmacol.、132:1423−1430(2001)]を含めて、気分障害の動物モデルにおいて効果がある。ヒトからの遺伝子発現データは、mGluR5が統合失調症の治療に有用であり得ることを示している[T.Ohnuma et al、Mol.Brain.Res.、56:207−217(1998);ibid、Mol.Brain.Res.、85:24−31(2000)]。複数の研究はまた、パーキンソン病のような運動障害の治療における、mGluR5の役割、および、mGluR5−モジュレーター化合物の潜在的な有用性を示している[W.P.J.M Spooren et al.、Europ.J.Pharmacol.406:403−410(2000);H.Awad et al.、J.Neurosci.20:7871−7879(2000);K.Ossawa et al.Neuropharmacol.41:413−420(2001)]。他の研究は、認知障害[G.Riedel et al、Neuropharmacol.39:1943−1951(2000)]、癲癇[A.Chapman et al、Neuropharmacol.39:1567−1574(2000)]および神経保護[V.Bruno et al、Neuropharmacol.39:2223−2230(2000)]の治療におけるmGluR5の調節の役割を支持している。mGluR5ノックアウトマウスとMPEPによる研究もまた、これらの受容体の調節が薬物中毒、薬物乱用および薬物離脱の治療において有用であり得ることを示唆している[C.Chiamulera et al.Nature Neurosci.4:873−874(2001)]。
【0004】
国際特許出願のWO01/12627およびWO99/26927は、複素多環化合物と、代謝調節型グルタミン酸受容体アンタゴニストとしてのそれらの使用を記載する。
【0005】
米国特許第3647809号は、ピリジル−1,2,4−オキサジアゾール誘導体を記載する。米国特許第4022901号は、3−ピリジル−5−イソチオシアノフェニルオキサジアゾールを記載する。国際特許出願のWO98/17652はオキサジアゾールを記載し、WO97/03967は、様々な置換芳香族化合物を記載し、特開平13−233767およびWO94/22846は様々な複素環式化合物を記載する。
【0006】
環系を含む化合物は、様々な研究者により、様々な薬物療法と用途で効果があると記載されている。例えば、国際特許出願のWO98/25883は、カルパイン阻害剤として、ケトベンズアミドを記載し、欧州特許出願のEP811610および米国特許第5679712号、米国特許第5693672号、および米国特許第5747541号は、置換ベンゾイルグアニジンのナトリウムチャネル遮断薬を記載し、また、米国特許第5736297号は、感光性組成物として有用な環系を記載する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、治療において最少限の副作用でmGluR5を阻害する新規な化合物および組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、式(I)の化合物:
【0009】
【化5】

(式中、R、R、R、XおよびYは本明細書において定義されている)のような、mGluR5モジュレーターである新規なビピリジルアミンおよびエーテル化合物を対象とするものであり、前記化合物は、これらに限定されないが、精神および気分障害(例えば、統合失調症、不安、抑うつ、双極性障害、およびパニック)を含めて、mGluR5が関与する疾患および病状の治療と予防において、ならびに、疼痛、パーキンソン病、認知障害、癲癇、概日リズムおよび睡眠の障害(例えば、交代勤務睡眠障害および時差ぼけ)、薬物中毒、薬物乱用、薬物離脱、肥満および他の疾患の治療において有用である。
本発明はこれらの化合物を含む医薬組成物もまた対象とする。さらに、本発明は、これらの新規なビピリジルアミンおよび/またはエーテル化合物および/または、これらの化合物を含む組成物の有効量を投与することによる、これらの疾患および病状の治療方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、式Iの新規な化合物:
【0011】
【化6】

あるいは、薬学的に許容されるそれらの塩を提供し、式中、
は、以下から選択される:
1)水素、
2)C1〜10アルキル、
3)C2〜10アルケニル、
4)C2〜10アルキニル、
5)シクロアルキル、
6)ヘテロシクリル、
7)アリール、
8)ヘテロアリール、
−NR
−CO
−OR
−CN、および
ハロゲン、
(ここで、場合によっては、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、Rから選択される1から4個の置換基により置換されており、場合によっては、アリールおよびへテロアリールは、Rから独立に選択される1から4個の置換基により置換されている);
は以下から選択される:
1)水素、
2)C1〜10アルキル、
3)C2〜10アルケニル、
2〜10アルキニル、
シクロアルキル、
ヘテロシクリル、
アリール、および
ヘテロアリール、
(ここで、場合によっては、アルキル、アルケニルおよびアルキニル、シクロアルキルおよびヘテロシクリル、アリール、およびへテロアリールは、Rから独立に選択される1から4個の置換基により置換されている);
は以下から選択される:
1)R
2)水素、
3)−Z−アリール、
−Z−ヘテロアリール、
(ここで、場合によっては、アリールおよびへテロアリールは、Rから独立に選択される1から4個の置換基により置換されており、Zは、結合、C、O、SもしくはNRである);
は以下から選択される:
1)水素、
2)−OR
3)−NO
4)ハロゲン、
5)−S(O)
6)−SR
7)−S(O)NR
8)−NR
9)−C(O)R
10)−CO
11)−OC(O)R
12)−CN、
13)−C(O)NR
14)−NRC(O)R
15)−OC(O)NR
16)−NRC(O)OR
17)−NRC(O)NR
18)−CR(N−OR)、
19)CF、および
20)−OCF
は以下から選択される:
1)R
2)C1〜10アルキル、
3)C2〜10アルケニル、
4)C2〜10アルキニル、
5)シクロアルキル、
6)ヘテロシクリル、
7)アリール、および
8)ヘテロアリール、
(ここで、場合によっては、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、へテロアリールは、Rから独立に選択される基から選択される1から4個の置換基により置換されている);
は以下から選択される:
1)水素、
2)アミノ、
3)カルボキシ、
4)シアノ、
5)C1〜4アルキル、
6)C1〜4アルコキシ、
7)アリール、
8)アリールC1〜4アルキル、
9)ヘテロアリール、
10)ヒドロキシ、
11)CF、および
12)アリールオキシ;
およびRは、水素、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニルおよびCから独立に選択され、ここで、場合によっては、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびCは、Rから独立に選択される1から4個の置換基により置換されている;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって、酸素、硫黄および窒素から独立に選択される0〜2個の付加ヘテロ原子を含む4から7員の環を形成する;
は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールから独立に選択される;
mは、1もしくは2である;
Xは、−NR、−O−、もしくは、−S−である;また
Yは、結合、−O−、−NR−、もしくは、−S−である。
【0012】
本発明のさらなる実施形態は、式Iの化合物、もしくは薬学的に許容されるそれらの塩を含み、
式中、RがC1〜10アルキル(Rから選択される1から4個の置換基により、場合によっては置換されている)であり;
がC1〜10アルキル(Rから独立に選択される1から4個の置換基により、場合によっては置換されている)であり;
、R、R、R、R、Rおよびmは、前記の通りであり;
Xが、−NR−であり;また
Yが、−O−である。
【0013】
本明細書では、「アルキル」ならびに「アル+カ行(alk)」の接頭語をもつ他の基(例えば、アルコキシ、アルカノイル、アルケニル、アルキニルなど)は、線状もしくは分岐状あるいはこれらの組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなどが含まれる。「アルケニル」、「アルキニル」および他の類似の用語には、少なくとも1つの不飽和C−C結合を含む炭素鎖が含まれる。
【0014】
「C0〜10アルキル」という用語には、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個の炭素原子を含むか、あるいは炭素原子を含まないアルキルが含まれる。炭素原子を含まないアルキル基(すなわちC)は、アルキルが末端基である場合は水素原子置換基であり、アルキルが架橋基である場合は直接の結合を表す。
【0015】
「シクロアルキル」という用語はヘテロ原子を含まない炭素環を意味し、それには、1環、2環および3環の飽和炭素環、ならびに縮合環系が含まれる。このような縮合環系は、部分的もしくは完全に不飽和である1つの環(例えばベンゼン環)を含んでいて、縮合環系(例えばベンゾ縮合炭素環)をなしていてもよい。シクロアルキルには、スピロ縮合環系のような縮合環系が含まれる。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカヒドロナフタレン、アダマンタン、インダニル、インデニル、フルオレニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンなどが含まれる。同様に、「シクロアルケニル」は、ヘテロ原子を含んでおらず、少なくとも1つの非芳香族C−C二重結合を含む炭素環を意味し、それには、1環、2環および3環の部分飽和炭素環、ならびにベンゾ縮合シクロアルケンが含まれる。シクロアルケニルの例には、シクロへキセニル、インデニルなどが含まれる。シクロアルキルおよびシクロアルケニルは、合わせて、「シクリル(cyclyl)」として知られている。
【0016】
「アリール」という用語は、単環あるいは縮合した多環である芳香族置換基を意味する。多環からなる場合、構成する環の少なくとも1つは芳香族である。あり得るアリール置換基には、フェニルおよびナフチル基が含まれる。
【0017】
「シクロアルキルオキシ」という用語には、ほかに明確な記載がなければ、短いC1〜2アルキルを介してオキシ結合原子に結合しているシクロアルキル基が含まれる。
【0018】
「ヘテロ」という用語には、ほかに明確な記載がなければ、O、S、またはN原子の1個または複数が含まれる。例えば、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールには、環内に、O、S、またはN原子の1個または複数(このような原子の混合も含まれる)を含む環系が含まれる。ヘテロ原子が環内炭素原子に置き換わっている。こうして、例えば、ヘテロシクロCアルキルは、4個から0個の炭素原子を含む5員環である。ヘテロアリールの例には、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノキサリニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルが含まれる。ヘテロシクロアルキルの例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、ピロリジン−2−オン、ピペリジン−2−オン、およびチオモルホリニルが含まれる。
【0019】
同様に、「ヘテロC0〜4アルキル」という用語は、3、2、1、もしくは0個の炭素原子を含むヘテロアルキルを意味する。しかし、少なくとも1個のヘテロ原子が存在していなければならない。こうして、例として、炭素原子を含まないが、1個の窒素原子を含むヘテロC0〜4アルキルは、架橋基であれば、−NH−であり、末端基であれば、−NHであろう。ヘテロ原子がOまたはSの場合、同様の架橋基もしくは末端基は明らかである。
【0020】
「アミン」という用語には、ほかに明確な記載がなければ、C0〜6アルキルにより置換された、第1級、第2級および第3級アミンが含まれる。
【0021】
「カルボニル」という用語には、ほかに明確な記載がなければ、カルボニルが末端である場合、C0〜6アルキル置換された基が含まれる。
【0022】
「ハロゲン」という用語には、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の原子が含まれる。
【0023】
「場合によっては置換されている」という用語には、置換されている、および、置換されていない、の両方が含まれると想定されている。こうして、例えば、場合によっては置換されているアリールにより、ペンタフルオロフェニルあるいはフェニル環を表すことができるであろう。さらに、場合によっては置換されている、例えば、アルキルアリールのような複合基は、そのアルキルもしくはアリール基が場合によっては置換されていることを意味すると想定されている。複合基の1つだけが場合によっては置換されている場合には、「アルキルアリール、このアリール基はハロゲンもしくはヒドロキシにより場合によっては置換されている」というように具体的に挙げられるであろう。
【0024】
本明細書において記載されている化合物は、1つまたは複数の二重結合を含んでいるので、シス/トランスの異性体、ならびに、他の配座異性体(conformational isomer)を生じる可能性がある。本発明は、このようなあり得る異性体の全て、ならびに、このような異性体の混合物を含む。
【0025】
本明細書において記載されている化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含み得るので、ジアステレオマーおよび光学異性体を生じ得る。本発明は、このようなあり得るジアステレオマーの全て、さらに、それらのラセミ混合物、それらの実質的に純粋な分割後のエナンチオマー、あり得る幾何異性体の全て、ならびに、薬学的に許容されるそれらの塩を含む。上の式Iは、特定の位置での明示的な立体化学なしに示されている。本発明は、式Iの立体異性体の全てと、薬学的に許容されるそれらの塩を含む。さらに、立体異性体の混合物ならびに単離された特定の立体異性体もまた含まれる。このような化合物を調製するために用いられる合成手順の途中において、あるいは、当業者に知られているラセミ化もしくはエピマー化の手順を用いると、このような手順による生成物は立体異性体の混合物であり得る。
【0026】
これらのジアステレオマーの単独合成、あるいはそれらのクラマトグラフィーによる分離は、当技術分野において知られているように、本明細書に開示されている方法の適切な変更によって実現され得る。それらの絶対立体化学は、必要であれば既知の絶対構造の不斉中心を含む試薬を用いて誘導された結晶性生成物あるいは結晶性中間体のX線結晶構造解析によって決定され得る。
【0027】
望まれる場合には、化合物のラセミ体は分離されて、個々のエナンチオマーは単離され得る。この分離は、当技術分野においてよく知られている方法(例えば、化合物のラセミ体を、エナンチオマーとして純粋な化合物にカップリングしてジアステレオマーの混合物にして、その後、分別結晶またはクロマトグラフィーのような標準的な方法によって、個々のジアステレオマーを分離すること)によって実施され得る。カップリング反応は、エナンチオマーとして純粋な酸または塩基を用いる塩の生成であることが多い。この場合、ジアステレオマー誘導体は、付加されたキラル残基の開裂によって純粋なエナンチオマーに変換される。化合物のラセミ体を、キラルな固定相を用いるクロマトグラフィー法によってもまた直ちに分離することができ、この方法は当技術分野においてよく知られている。
【0028】
別法として、化合物のどのエナンチオマーも、当技術分野においてよく知られている方法によって、光学的に純粋な出発物質あるいは既知の構造の試薬を用いる立体選択的合成により得ることができる。
【0029】
本明細書において、「薬学的に許容される」という句は、妥当な医学的判断の範囲内で、理に適った利益/危険(benefit/risk)比に相応して、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、あるいは他の問題または複雑な状態なしに、ヒトおよび動物の組織に接触させて使用するのに適する化合物、物質、組成物および/または投薬形態を表すために用いられている。
【0030】
「薬学的に許容される塩」という用語は、毒性がなく薬学的に許容される塩基または酸から調製された塩を表す。本発明の化合物が酸性である場合、対応するその塩は、毒性がなく薬学的に許容される塩基(無機塩基および有機塩基が含まれる)から都合よく調製され得る。このような無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第一および第二)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第一および第二)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩が含まれる。本発明の特定の実施形態において、前記の塩は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウムの塩である。毒性がなく薬学的に許容される有機塩基から誘導される塩には、第1級、第2級、および第3級アミン、ならびに、環状アミンと、天然に産するアミンおよび合成された置換アミンのような置換されたアミンの塩が含まれる。塩を生成させ得る他の毒性がなく薬学的に許容される有機塩基には、例えば、イオン交換樹脂、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが含まれる。
【0031】
本発明の化合物が塩基性である場合、対応するその塩は、毒性がなく薬学的に許容される酸(無機および有機の酸が含まれる)から都合よく調製され得る。このような酸には、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが含まれる。いくつかの実施形態において、対応する塩は、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、および酒石酸の塩である。
【0032】
本発明の医薬組成物は、活性成分としての式Iにより表される化合物(もしくは、薬学的に許容されるその塩)、薬学的に許容される担体および、場合よっては他の治療薬物成分またはアジュバントを含む。このような追加の治療薬物成分には、例えば、i)オピエートアゴニストもしくはアンタゴニスト、ii)カルシウムチャネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニストもしくはアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャネルアンタゴニスト、v)NMDA受容体アゴニストもしくはアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)NK1アンタゴニスト、viii)非ステロイド抗炎症薬(「NSAID」)、ix)GABA−A受容体モジュレーター、x)ドーパミンアゴニストもしくはアンタゴニスト、xi)選択的セロトニン再取り込み阻害剤(「SSRI」)、および/または、選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(「SSNRI」)、xii)三環系抗うつ薬、xiv)ノルエピネフリンモジュレーター、xv)L−DOPA、xvi)ブスピロン、xvii)リチウム、xviii)バルプロ酸塩、ixx)ニューロンティン(ガバペンチン)、xx)オランザピン、xxi)ニコチン性アゴニストもしくはアンタゴニスト(ニコチンを含む)、xxii)ムスカリン性アゴニストもしくはアンタゴニスト、xxiii)ヘロイン代替薬物、例えば、メタドン、levo−α−アセチルメタドール、ブプレノルフィンおよびナルトレキソン、ならびに、xxiv)ジスルフィラムおよびアカンプロセート、が含まれる。本発明の組成物には、経口、直腸、局所、および非経口(皮下、筋肉内、および静脈内が含まれる)投与に適する組成物が含まれるが、指定の場合における最も適切な経路は、特定の受容者と、活性成分が投与されている病状の性質と重篤度に応じて決まるであろう。本発明の医薬組成物は、都合よくは、単位投薬形態として提供され、製剤技術の分野においてよく知られている方法の何れかによって調製され得る。
【0033】
薬剤を一緒に組み合わせることが、それぞれの薬剤単独より安全で効果的である場合、式Iの化合物または他の薬剤が有用であり得る疾患もしくは病状の治療、予防、制御、改善、または危険の低減において、本発明の化合物を1種または複数の他の薬剤と組み合わせて使用してもよい。このような他の(複数の)薬剤は、それが普通使用される経路によって、またそのような量として、式Iの化合物と同時に、あるいは、逐次的に投与され得る。式Iの化合物が1種または複数の他の薬剤と同時に用いられる場合、このような他の薬剤と式Iの化合物を含む単位投薬形態の医薬組成物を用いることができる。しかし、併用療法には、式Iの化合物と1種または複数の他の薬剤とが、時期は互いに重なるが別々の投薬計画で投与される薬物療法もまた含まれる。1種または複数の他の活性成分と組み合わせて使用される場合、本発明の化合物と他の活性成分は、それぞれが単独で使用される場合より少ない投薬量で使用され得るということもまた想定されている。このように、本発明の医薬組成物には、式Iの化合物以外に、1種または複数の他の活性成分を含む組成物が含まれる。
【0034】
前記の組合せには、本発明の化合物と、他の1種の活性成分との組合せだけでなく、2種以上の他の活性成分との組合せもまた含まれる。同様に、本発明の化合物が有用である疾患または病状の予防、治療、制御、改善、もしくは危険の低減において用いられる他の薬剤と組み合わせて、本発明の化合物を用いてもよい。このような他の薬剤は、それが普通使用される経路によって、またそのような量として、本発明の化合物と同時に、あるいは、逐次的に投与され得る。本発明の化合物が1種または複数の他の薬剤と同時に使用される場合、本発明の化合物以外にこのような他の薬剤を含む医薬組成物が使用され得る。このように、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物以外に、1種または複数の他の活性成分もまた含む組成物が含まれる。
【0035】
式Iの化合物を含む、クリーム、軟膏、ゼリー、溶液、もしくは懸濁液が局所使用に用いられ得る。本発明では、マウスウォッシュと、うがい薬は、局所使用の範囲内に含まれる。
【0036】
全ての方法は、活性成分を、1種または複数の補助的な成分をなす担体に結び付けるステップを含む。一般に、医薬組成物は、活性成分を、液体担体または細かく砕かれた固体担体、あるいはこれらの両方と、均一に、密接に結び付けて、次に、必要であれば、望まれる製剤に生成物を成形することにより調製される。医薬組成物において、活性化合物は、疾患の進行または病状に望まれる効果を生じるのに十分な量で含まれる。本明細書では、「組成物」という用語は、指定された量で指定された成分を含む製品、ならびに、指定された量の指定された成分の組合せから、直接または間接的に得られる製品を包含すると想定されている。
【0037】
活性成分を含む医薬組成物は、経口使用に適する形態、例えば、錠剤、トローチ、薬用ドロプ(lozenge)、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、ハードもしくはソフトカプセル、あるいはシロップまたはエリキシル剤であり得る。経口使用のための組成物は、医薬組成物の製造技術分野に知られている何れかの方法により調製され、このような組成物は、医薬品として洗練されており口に合う調合薬を提供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種または複数の作用剤を含み得る。錠剤は、錠剤の製造に適しており、毒性がなく薬学的に許容される賦形剤との混合物として活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムもしくはリン酸ナトリウム)、顆粒化剤および崩壊剤(例えば、コーンスターチ、もしくはアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンもしくはアカシア)、ならびに、滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸もしくはタルク)であり得る。錠剤は、被覆されていなくても、あるいは、胃腸管における崩壊と吸収を遅らせることにより長期間に渡り作用を持続させるように、知られている方法により被覆されていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延用物質を用いることができる。それらはまた、制御放出のための浸透性治療錠剤とするために、米国特許第4256108号、米国特許第4166452号、および米国特許第4265874号に記載されている方法により被覆されていてもよい。経口錠剤はまた、速くとろける錠剤もしくはウエファー、迅速に溶ける錠剤もしくは速く溶けるフィルムのように、直ちに放出されるように処方されてもよい。
【0038】
水性懸濁液は、活性物質を、水性懸濁液の製造に適する賦形剤との混合物として含んでいる。このような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアガムであり;分散剤もしくは湿潤剤は、天然に産するホスファチド(例えば、レシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)である。水性懸濁液はまた、1種または複数の保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはn−プロピル、1種または複数の着色剤、1種または複数の芳香剤、ならびに、1種または複数の甘味剤(例えば、スクロースもしくはサッカリン)も含み得る。
【0039】
油性懸濁液は、活性成分を、植物油(例えば、ピーナッツ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナッツ油)、あるいはミネラル油(例えば液体パラフィン)に懸濁させることにより処方され得る。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、高粘度(hard)パラフィンもしくはセチルアルコールを含み得る。前記のような甘味剤、および芳香剤を、経口調合薬を口に合うようにするために添加してもよい。これらの組成物はアスコルビン酸のような抗酸化剤の添加により保存され得る。
【0040】
水の添加によって水性懸濁液を調製するのに適する分散性粉末および顆粒は、活性成分を、分散剤もしくは湿潤剤、懸濁剤および1種または複数の保存剤との混合物として提供する。適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁剤は、すでに上に記載されたものにより例示されている。さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、芳香剤および着色剤もまた含まれ得る。
【0041】
シロップおよびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースと共に処方され得る。このような製剤はまた、粘滑薬(demulcent)、保存剤および芳香剤および着色剤を含み得る。
【0042】
本発明の医薬組成物は、滅菌した注射可能な水性もしくは油性懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、知られている技術に従って、上で挙げられた適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁剤を用いて処方され得る。滅菌した注射可能な調合薬はまた、例えば、1,3−ブタンジオール溶液のように、毒性がない非経口的に許容される稀釈剤または溶剤の、滅菌した注射可能な溶液もしくは懸濁液でもあり得る。許容されるビヒクルと使用され得る溶剤の中には特に、水、リンゲル液および生理食塩液がある。さらに、滅菌した不揮発性油(fixed oil)が溶剤または懸濁媒体として都合よく用いられる。この目的では、合成モノ−、もしくはジグリセリドを含めて、口当たりのよい不揮発性油が使用され得る。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が注射可能医薬品の調製に使用されている。
【0043】
1日当たり約0.01mg/kg体重から約140mg/kg体重の投薬レベル(あるいは代わりに、1人の患者に1日当たり約0.5mgから約7g)が、精神および気分障害、例えば、統合失調症、不安、抑うつ、パニック、双極性障害、および概日リズム障害の治療において有用であり、また同様に、mGluR5の阻害に反応する疼痛の治療においても有用である。例えば、統合失調症、不安、抑うつ、およびパニックは、体重1g当たり1日に約0.01mgから75mgの化合物(あるいは代わりに、1人の患者に1日当たり約0.5mgから約3.5g)の投与により効果的に治療され得る。疼痛は、体重1g当たり1日に約0.01mgから125mgの化合物(あるいは代わりに、1人の患者に1日当たり約0.5mgから約5.5g)の投与により効果的に治療され得る。さらに、本発明のmGluR5阻害性化合物は、上に挙げられた病状を予防するために、予防に有効な投薬レベルで投与され得ると理解されている。
【0044】
しかし、特定の患者に対する具体的な投薬レベルと投薬頻度は変わり、用いられる具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与の形態と時間、排泄速度、薬剤の組合せ、特定の病状の重篤度、ならびに、治療の受容者を含めて、様々な要素に応じて決まるであろうと理解されている。
【0045】
単一投薬形態とするために担体物質と一緒にされ得る活性成分の量は、治療されている受容者と特定の投与形態に応じて変わるであろう。例えば、都合よくは、ヒトへの経口投与を意図する処方では、適切で都合のよい量の担体物質(全組成物の約5から約95パーセントまで変動し得る)と調合された約0.5mgから約5gの活性薬剤を含み得る。単位投薬形態は、一般に、約1mgから約1000mgの間の活性成分(典型的には、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mg)を含むであろう。
【0046】
しかし、任意の特定の患者に対する具体的な投薬レベルは、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬剤の組合せ、および、治療を受けている特定の疾患の重篤度を含めて、様々な要素に応じて決まるであろうと理解されている。
【0047】
実際には、式Iにより表される本発明の化合物、もしくは薬学的に許容されるそれらの塩は、通常の医薬品調合技術によって、よく混ざった混合物における活性成分として、医薬担体と一緒にされ得る。担体は、投与、例えば、経口または非経口(静脈内が含まれる)に望まれる調合薬の形態に応じて様々な形態を取り得る。こうして、本発明の医薬組成物は、それぞれが所定量の活性成分を含む、経口投与に適するバラバラの単位として、例えば、カプセル、カシェ剤もしくは錠剤として提供され得る。さらに、本発明の組成物は、粉末として、顆粒として、溶液として、水性液体の懸濁液として、水性でない液体として、水中油エマルジョンとして、もしくは油中水エマルジョンとして提供され得る。前記の普通の投薬形態以外に、式Iにより表される化合物もしくは薬学的に許容されるその塩はまた、制御放出手法および/またはデリバリ技法によっても投与され得る。本発明の組成物は、どの製剤方法よっても調製され得る。一般に、このような方法は、活性成分を、1種または複数の必要な成分をなす担体と結び付けるステップを含む。一般に、本発明の組成物は、活性成分を、液体担体または細かく砕かれた固体担体、あるいはこれらの両方と、均一によく混合することにより調製される。次に、生成物を、望まれる体裁に都合よく形作ってもよい。
【0048】
このように、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体と、式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるその塩を含み得る。式Iの化合物、もしくは薬学的に許容されるそれらの塩はまた、医薬組成物に、1種または複数の他の治療薬物として活性な化合物と組み合わせて含められ得る。
【0049】
用いられる医薬担体は、例えば、固体、液体、または気体であり得る。固体担体の例には、ラクトース、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸が含まれる。液体担体の例は、シュガーシロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、および水である。気体担体の例には、二酸化炭素および窒素が含まれる。
【0050】
経口投薬形態の組成物の調製においては、任意の好都合な医薬媒体を用いてもよい。例えば、水、グリコール、油、アルコール、芳香剤、保存剤、着色剤などが、懸濁液、エリキシル剤および溶液のような経口液体調合薬とするために使用され得る。他方、デンプン、糖、マイクロクリスタリンセルロース、稀釈剤、顆粒化剤、滑剤、バインダ、崩壊剤などのような担体が、粉末、カプセルおよび錠剤のような経口固形調合薬とするのに使用され得る。それらが投与し易いために、錠剤およびカプセルが通常の経口投薬単位であり、それには、固体医薬担体が用いられる。場合によっては、錠剤を、水性または水性でない標準的な技術によって被覆してもよい。
【0051】
本発明の組成物を含む錠剤は、1種または複数の補助的な成分またはアジュバントを場合によっては用いて、圧縮または成形により調製され得る。圧縮錠剤は、バインダ、滑剤、不活性稀釈剤、界面活性剤もしくは分散剤と場合によっては混合されている、粉末もしくは顆粒のような自由に流動する形態の活性成分を、適切な機械で圧縮することにより調製され得る。成形錠剤は、不活性液体稀釈剤により湿らされた粉末成形材料(powdered compound)混合物を、適切な機械で成形することにより製造され得る。各錠剤は約0.1mgから約500mgの活性成分を含み、各カシェ剤もしくはカプセルは、約0.1mgから約500mgの活性成分を含み得る。このように、錠剤、カシェ剤、またはカプセル(毎日、1、2、もしくは3回、1または2個の錠剤、カシェ剤、またはカプセルが服用される)は、都合よくは、0.lmg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、もしくは500mgの活性成分を含む。
【0052】
非経口投与に適する本発明の医薬組成物は、活性化合物の水溶液または水懸濁液として調製され得る。例えばヒドロキシプロピルセルロースのような適切な界面活性剤を含めてもよい。グリセロール、液体ポリエチレングリコール、および、油中のこれらの混合物における分散体もまた調製することができる。さらに、微生物の有害な成長を防ぐために、保存剤が含まれうる。
【0053】
注射して使用するのに適する本発明の医薬組成物には、滅菌された水溶液または分散体が含まれる。さらに、この組成物は、このような滅菌された注射可能な溶液もしくは懸濁液を必要に応じて調製するための滅菌された粉末の形態であり得る。全ての場合において、最終の注射可能な形態は、滅菌されていなければならず、注射器で容易に扱えるように、実用的な流動性をもたなければならない。この医薬組成物は、製造および保管の条件の下で安定でなければならず、バクテリアおよび菌類のような微生物の汚染作用に抗して保存され得る。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、ポリプロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油、ならびに、これらの適切な混合物を含む溶剤あるいは分散媒体であり得る。
【0054】
本発明の医薬組成物は、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、散布粉末などのような局所使用に適する形態であり得る。さらに、この組成物は、経皮用考案物において使用するのに適する形態であり得る。これらの製剤は、式Iにより表される本発明の化合物、もしくは薬学的に許容されるその塩を用いて、通常の処理方法により調製され得る。例として、クリームまたは軟膏は、約5wt%から約10wt%の本発明の化合物と一緒に親水性物質と水を混合して、望まれるコンシステンシーをもつクリームまたは軟膏とすることにより調製される。
【0055】
本発明の医薬組成物は、直腸投与に適する形態(この場合担体は固体である)であり得る。この混合物は投薬単位の座薬をなし得る。適切な担体には、ココアバターと、当技術分野において普通に使用される他の物質が含まれる。この座薬は、最初に前記組成物と軟化または溶融した(複数の)担体とを混合し、次に、モールドにおいて冷却し、形作ることにより、都合よく成形され得る。
【0056】
上に挙げられた担体成分以外に、前記の医薬組成物は、適切に、1種または複数のさらなる担体成分、例えば、稀釈剤、バッファ、芳香剤、バインダ、界面活性剤、増粘剤、滑剤、保存剤(抗酸化剤が含まれる)などを含み得る。さらに、想定される受容者の血液と製剤を等張にするために、他のアジュバントを含めてもよい。式Iにより記載される化合物、もしくは薬学的に許容されるその塩を含む組成物はまた、粉末もしくは液体のコンセントレートの形態としても調製され得る。
【0057】
本発明の化合物および医薬組成物は、mGluR5阻害剤としての生物活性を示すことが見出されている。こうして、本発明の別の態様は、有効量の本発明の化合物の投与による、例えば、統合失調症、不安(パニック、広場恐怖症もしくは他の特殊な恐怖症、脅迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、摂食障害、物質誘発性不安障害、非特異的不安障害が含まれる)、抑うつ、双極性障害、認知症、精神病、概日リズム障害および睡眠障害、疼痛(急性疼痛、持続性疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛もしくは神経障害性疼痛)、パーキンソン病、アルツハイマー病、認知機能障害、癲癇、肥満、薬物中毒、薬物乱用および薬物離脱(タバコ離脱が含まれる)−mGluR5の阻害を通じて改善され易い病気−の哺乳動物における治療である。「哺乳動物」という用語には、ヒト、ならびに他の動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、およびウシが含まれる。したがって、ヒト以外の哺乳動物の治療は、ヒトの苦痛である上に挙げられた例のものに臨床的に関連する苦痛の治療であると理解されている。
【0058】
さらに、前記のように、本発明の化合物は、他の治療化合物と組み合わせて使用され得る。特に、本発明のmGluR5阻害化合物の組合せは、以下との組合せとして有利に使用され得る:i)オピエートアゴニストもしくはアンタゴニスト、ii)カルシウムチャネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニストもしくはアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャネルアンタゴニスト、v)NMDA受容体アゴニストもしくはアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)NK1アンタゴニスト、viii)非ステロイド抗炎症剤(「NSAID」)、ix)GABA−A受容体モジュレーター、x)ドーパミンアゴニストもしくはアンタゴニスト、xi)選択的セレトニン再取り込み阻害剤(「SSRI」)、および/または、選択的セレトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(「SSNRI」)、xii)三環系抗うつ薬、xiii)ノルエピネフリンモジュレーター、xiv)L−DOPA、xv)バスピロン、xvi)リチウム、xvii)バルプロ酸塩、xviii)ニューロンティン(ガバペンチン)、xix)オランザピン、xx)ニコチン性アゴニストもしくはアンタゴニスト(ニコチンが含まれる)、xxi)ムスカリン性アゴニストもしくはアンタゴニスト、xxii)ヘロイン代替薬(例えば、メタドン、levo−α−アセチルメタドール、ブプレノルフィンおよびナルトレキソン)、ならびに、xxiii)ジスルフィラムおよびアカンプロセート。
【0059】
本発明の化合物と他の(複数の)活性成分との重量比は変わり、各成分の有効投薬量に応じて決まるであろう。通常、それぞれの有効投薬量が用いられるであろう。こうして、例えば、本発明の1種の化合物が別の薬剤と組み合わせられる場合、本発明の化合物と他の薬剤との重量比は、通常、約1000:1から約1:1000、あるいは、約200:1から約1:200の範囲であろう。本発明の1種の化合物と他の複数の活性成分との組合せもまた、通常、前記の範囲内にあるであろうが、それぞれの場合において、各活性成分の有効投薬量が使用されるべきである。
【0060】
このような組合せにおいて、本発明の化合物と他の活性薬剤は、独立に、あるいは、連係させて投与され得る。さらに、1つの要素の投与は、他の(複数の)薬剤の投与の前、それと同時、あるいは、それの後で、また、同じもしくは異なる投与経路を通じてであり得る。
【0061】
本発明の主題の化合物は、そのよう拮抗作用を必要としている哺乳動物のような患者において、有効量の本発明の化合物の投与を含む、mGluR5を調節する方法において有用である。本発明は、mGluR5のモジュレーターとしての、本明細書において開示されている化合物の使用を対象とする。霊長類(特にヒト)以外に、様々な他の哺乳動物を、本発明の方法により治療することができる。
【0062】
本発明の別の実施形態は、mGluR5のモジュレーターである化合物の治療に有効な量を患者に投与することを含む、患者においてmGluR5が関与する疾患または障害の治療、制御、改善、危険の低減のための方法を対象とする。
【0063】
さらに、本発明は、本発明の化合物と医薬担体もしくは希釈剤とを一緒にすることを含む、ヒトおよび動物におけるmGluR5受容体活性の調節のための治療薬の製造方法を対象とする。
【0064】
「治療に有効な量」という用語は、研究者、獣医、医者または他の臨床医により得ようとされている、組織、系、動物もしくはヒトの生体反応または治癒反応を引き出すはずである、本発明の主題の化合物の量を意味する。本明細書では、「治療」という用語は、前記の病状の(特に、このような疾患もしくは障害に罹る傾向のある患者における)治療と、予防もしくは予防投与療法の両方を表す。
【0065】
本明細書では、「組成物」という用語は、指定された量で指定された成分を含む任意の製品、ならびに、指定された量の指定された成分の組合せから、直接または間接的に得られる製品を包含すると想定されている。医薬組成物に関連してのこのような用語は、(複数の)活性成分と、担体をなす(複数の)不活性成分とを含む製品、ならびに、2種以上の任意の成分の組合せ、複合化もしくは凝集(aggregation)から、あるいは、1種または複数の成分の解離(dissociation)から、あるいは、1種または複数の成分の他のタイプの反応または相互作用から、直接もしくは間接的に得られる任意の製品を包含すると想定されている。このように、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物と、薬学的に許容される担体との混合により製造される如何なる組成物も包含される。「薬学的に許容される」により、担体、稀釈剤または賦形剤が、処方の他の成分と適合性があり、その受容者に有害であってはならないことを意味する。
【0066】
化合物の「投与」または化合物を「投与する」という用語は、治療を必要としている個人に、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを供用することを意味すると理解されるべきである。
【0067】
本発明の化合物がmGluR5モジュレーターとして作用できることにより、それらは、ヒトおよび動物、特にヒトにおけるmGluR5が関与する障害にとって有用な薬剤となっている。
【0068】
さらに、本発明の主題の化合物は、他の薬剤と組み合わせて、前記の疾患、障害および病状の予防、治療、制御、改善、または危険の低減をする方法において有用である。
【0069】
(生物活性を実証するアッセイ)
本発明の化合物を、マウス繊維芽Ltk細胞(hmGluR5a/L38−20細胞系)において安定的に発現されるhmGluR5a受容体に対して試験し、活性を、Ca++−感受性蛍光染料であるfura−2を用いて測定した[Ca++の変化により検出した。InsPアッセイを、安定的にhmGluR5aを発現するマウス繊維芽Ltk細胞(LM5a細胞系)で実施した。国際特許出願WO0116121に記載されているアッセイを用いることができる。
【0070】
(カルシウムフラックスアッセイ)
化合物の活性を、ヒト胚腎細胞(HEK293)(hm5aと呼ばれるhmGluR5a細胞系)において安定的に発現されるhmGluR5a受容体に対して調べた。概略的には、Daggett et al.、Neuropharmacology 34:871−886(1995)を参照。受容体活性を、感受性蛍光染料であるfura−2を用いて測定した細胞内カルシウム([Ca2+)の変化により検出した。hm5a細胞を96ウェルプレート上で培養し、3μMのfura−2を1時間取り込ませた。取り込まれなかった染料を細胞から洗い流し、細胞プレートを、完全自動プレートハンドリング・液体デリバリシステムに一体化された96チャネル蛍光分光計(SIBIA−SALC、La Jolla、カリフォリニア州)に移した。細胞を、光学フィルタと組み合わせたキセノン光源により350および385nmで励起した。試料からの発光をダイクロイックミラーおよび510nm干渉フィルタを通して集め、冷却したCCDカメラ(Princeton Instruments)に導いた。画像のペアをほぼ1秒毎に捕捉し、バックグラウンドを差し引いた後、比の画像を生成させた。20秒間で基礎値を読み取った後、EC80の濃度のグルタミン酸(10μM)をウェルに加え、別の60秒間に反応を評価した。スクリーニング化合物の存在下においてグルタミン酸が引き起こした[Ca’]の増加をグルタミン酸だけによる反応(ポジティブコントロール)と比較した。
【0071】
ホスファチジルイノシトール加水分解(PI)アッセイ
イノシトールリン酸アッセイを、Berridge等により記載されたものを僅かに変更して実施した[Berridge et al、Biochem.J.206:587−5950(1982);および、Nakajima et al.、J.Biol.Chem.267:2437−2442(1992)]。hmGluR5を発現するマウス繊維芽Ltk細胞(hmGluR5/L38−20細胞)を、8×105細胞/ウェルの密度で24ウェルプレートに播種した。1μCiの[H]−イノシトール(Amersham PT6−271;Arlington Heights、III.;比活性=17.7Ci/mmol)を各ウェルに加え、37℃で16時間インキュベートした。細胞を、0.5mLの標準Hepes緩衝生理食塩水(HBS;125mMのNaCl、5mMのKCI、0.62mMのMgSO、1.8mMのCaCl、20mMのHEPES、6mMのグルコース、pH7.4まで)中で、2回洗い、45分間インキュベートした。細胞を、10mMのLiClを含むHBSで洗い、400μLの緩衝液を各ウェルに加えた。細胞を、37℃で20分間インキュベートした。試験のために、50μLの、本発明の実施において使用される10倍量の化合物(HBS/LiCl(100mM)中)を加え、10分間インキュベートした。100μMのグルタミン酸を加えることにより細胞を活性化し、プレートを37℃で1時間放置した。インキュベーションを、1mLの氷で冷やしたメタノールを各ウェルに加えることにより終えた。イノシトールリン酸(IP)を単離するために、細胞をウェルから取り出し、番号を付けたガラス試験管に入れた。1mLのクロロホルムを各試験管に加え、試験管を混ぜ、遠心により相分離させた。IPを、Dowex陰イオン交換樹脂カラム(AG 1−X8、100〜200メッシュのホルメート型)で分離した。上側の水性層(750μL)をDowexカラムに入れ、カラムを3mLの蒸留水で溶離した。溶離液を棄て、カラムを、ギ酸アンモニウム(60mM)/硼砂(5mM)の10mLで洗い、それもまた廃棄物として棄てた。最後に、カラムを、ギ酸アンモニウム(800mM)/ギ酸(0.1M)の4mLで溶離し、試料をシンチレーションバイアルに捕集した。各バイアルにシンチレーション液を加え、バイアルを振盪し、2時間後に、シンチレーションカウンタで計測した。特定の例示的な化合物により処理した細胞におけるホスファチジルイノシトールの加水分解を、化合物が無くアゴニストだけで処理した細胞におけるホスファチジルイノシトールの加水分解と比較した。
【0072】
一般に、本出願の化合物は、カルシウムフラックスアッセイにおいて、10μM未満の、IC50値により示されるmGluR5阻害活性をもち、あるいはPIアッセイにおいて100μMの濃度で阻害する。これらの化合物は、カルシウムフラックスアッセイにおいて1μM未満のIC50値を、また、PIアッセイにおいて10μM未満のIC50値をもつはずである。あるいは、これらの化合物は、カルシウムフラックスアッセイにおいて500nM未満のIC50値を、また、PIアッセイにおいて1μM未満のIC50値をもつはずである。
【0073】
実施例1から55に記載されている化合物は、カルシウムフラックスアッセイにおける10μM以下での、あるいは、PIアッセイにおける100μM以下での阻害により示される、mGluR5阻害活性をもつ。これらの化合物の多くは、カルシウムフラックスアッセイにおいて10μM以下で、あるいは、PIアッセイにおいて100μM以下で阻害を示す。
【実施例】
【0074】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を例示しようとするものであり、本発明の限定を意味しない。
【0075】
ほかに明確な記載がない限り、以下の条件の下に実験手順は実施された。全ての操作は、室温または周囲温度で−すなわち18〜25℃の範囲で−実施された。溶剤の蒸発は、ロータリーエバポレータを用いて、減圧下に(600〜4000パスカル:4.5〜30mmHg)60℃までの浴温度で実施された。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡され、反応時間は単なる例として記載されている。全ての最終生成物の構造と純度は、次の方法の少なくとも1つにより確認された:TLC、質量分析、核磁気共鳴(NMR)分光またはHPLC分析。収量は、記載されている場合、単なる例示にすぎない。記載されている場合、NMRデータは、示された溶剤を用いて500MHzで求められた、分析に役立つ主なプロトンのデルタ(δ)値(内部標準としてのトリメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で与えられている)として記載されている。シグナルの形状に使用される通常の略記法は次の通りである:s 1重線;d 2重線;t 3重線;m 多重線;br 広い;など。化学記号は通常の意味をもつ。次の略記法が用いられている:v(体積)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq(当量)。
【0076】
(合成方法)
本発明の化合物を以下の方法により調製することができる。置換基は、別に定義されるか、あるいは当業者にとって明らかである場合を除いて、式Iにおけるものと同じである。
【0077】
下に記載されるスキームにおいて、R、R、R、R、XおよびYは、上で定義された通りである。他の変数は、それらが使用されている文脈によって、当業者に理解されるものである。
【0078】
【化7】

このように、スキーム1において、ハロゲン原子Z(Cl、Br、またはI)を含む適切に置換されたピリジンと、適切に官能化された2−アミノピリジンとを、化学量論的量または触媒量のパラジウム触媒(例えば、Pd(PhP)、PdCl(PhP)、Pddba、Pd(OAc)、PdCldppfなど)の存在下にカップリングさせることができる。通常、塩基(例えば、KCO、CsCO、KPO、EtN、NaOtBu、KOtBuなど)もまた存在し、反応は適切な溶剤(DCM、THF、DME、DMF、DMAC、CHCN、ジオキサン、トルエン、ベンゼンなど)中で実施されるであろう。さらに、BINAP、ジ−tert−ブチルホスフィノビフェニル、ジ−シクロヘキシルホスフィノビフェニル、トリtert−ブチルホスフィン、XANTPHOS、トリフェニルアルシンなどのようなリガンドを加えてもよい。この反応は、不活性雰囲気(Nまたはアルゴン)の下で、50〜120℃の間の温度で実施される。この場合、反応混合物は、約2から48時間までの範囲の時間(通常は12時間で十分である)、適切な温度に保たれる(例えば、Yang,B.H.;Buchwald,S.L.J.Organomet.Chem.1999、576、125−46、および、Wolfe,J.P.;Tomori,H.;Sadighi,J.P.;Yin,J.;Buchwald,S.L.J.Org.Chem.2000、65、1158−1174を参照)。別法として、反応を封管内において、マイクロ波を照射して実施してもよい。これらの反応は、通常、110〜180℃の温度で、5分から2時間(通常は20分で十分である)実施される。反応による生成物は、溶剤抽出、クロマトグラフィー、晶析、蒸留などのような標準的な方法を用いて単離され、精製され得る。
【0079】
【化8】

本発明の別の実施形態がスキーム2に示されている。この場合、金属触媒によるクロスカップリング条件の下で、このビアリールアミン生成物をR−基とカップリングさせることができ、Mは、金属触媒によるクロスカップリング反応を受けられる金属もしくはメタロイド化学種(例えば、B(OR)、Li、MgHal、SnR、ZnHal、SiRなど)である。このカップリングは、適切な溶剤(例えば、THF、DME、トルエン、MeCN、DMF、HOなど)中で、Pd(PPhのような均一触媒により、あるいは、カーボン上のPdのような不均一触媒により促進され得る。通常、KCO、NEtなどのような塩基もまた反応混合物中に存在するであろう。CsFのような他の促進剤もまた使用され得る。反応混合物は室温に保たれるか、あるいは、30℃から150℃の間の温度まで加熱される。この場合、反応混合物は、適切な温度に、約4から48時間までの範囲の時間(通常は約18時間で十分である)保たれる(例えば、Miyaura,N.;Suzuki,A.Chem.Rev.1995、95、2457−2483を参照)。別法として、この反応を、封管内においてマイクロ波を照射して実施してもよい。これらの反応は、通常、110〜180℃の温度で、5分から2時間(通常は20分で十分である)実施される。反応による生成物は、溶剤抽出、クロマトグラフィー、晶析、蒸留などのような標準的な方法を用いて単離され、精製され得る。
【0080】
本発明の別の実施形態がスキーム3に示されている。このように、適切に置換された2−ハロピリジンが、適切に官能化された2−アミノピリジンと、化学量論的量または触媒量のパラジウム触媒(例えば、Pd(PhP)、PdCl(PhP)、Pddba、Pd(OAc)、PdCldppfなど)の存在下にカップリングされる。通常、塩基(例えば、KCO、CsCO、KPO、EtN、NaOtBu、KOtBuなど)もまた存在し、反応は適切な溶剤(DCM、THF、DME、DMF、DMAC、CHCN、ジオキサン、トルエン、ベンゼンなど)中で実施されるであろう。さらに、BINAP、ジ−tert−ブチルホスフィノビフェニル、ジ−シクロヘキシルホスフィノビフェニル、トリtert−ブチルホスフィン、XANTPHOS、トリフェニルアルシンなどのようなリガンドを加えてもよい。この反応は、不活性雰囲気(Nまたはアルゴン)の下で、50〜120℃の間の温度で実施される。この場合、反応混合物は、約2から48時間までの範囲の時間(通常は12時間で十分である)、適切な温度に保たれる。別法として、この反応を、封管内においてマイクロ波を照射して実施してもよい。これらの反応は、通常、110〜180℃の温度で、5分から2時間(通常は20分で十分である)実施される。反応による生成物は、溶剤抽出、クロマトグラフィー、晶析、蒸留などのような標準的な方法を用いて単離され、精製され得る。
【0081】
【化9】

【0082】
本発明の別の実施形態がスキーム4に示されており、ここでZはハロゲン原子である。この場合、金属触媒によるクロスカップリング条件の下で、このビアリールアミン生成物をR−基とカップリングさせることができ、Mは、金属触媒によるクロスカップリング反応を受けられる金属もしくはメタロイド化学種(例えば、B(OR)、Li、MgHal、SnR、ZnHal、SiRなど)である。このカップリングは、適切な溶剤(例えば、THF、DME、トルエン、MeCN、DMF、HOなど)中で、Pd(PPhのような均一触媒により、あるいは、カーボン上のPdのような不均一触媒により促進され得る。通常、KCO、NEtなどのような塩基もまた、反応混合物中に存在するであろう。CsFのような他の促進剤もまた使用され得る。反応混合物は室温に保たれるか、あるいは、30℃から150℃の間の温度まで加熱される。この場合、反応混合物は、適切な温度に、約4から48時間までの範囲の時間(通常は約18時間で十分である)保たれる。別法として、この反応を、封管内においてマイクロ波を照射して実施してもよい。これらの反応は、通常、110〜180℃の温度で、5分から2時間(通常は20分で十分である)実施される。この反応による生成物は、溶剤抽出、クロマトグラフィー、晶析、蒸留などのような標準的な方法を用いて単離され、精製され得る。
【0083】
【化10】

【0084】
本発明の別の実施形態において、適切に置換された2−ヒドロキシピリジンが、適切に官能化された2−ハロピリジンとカップリングされる(スキーム5)。この反応は、160〜200Cの温度範囲において加熱して実施される。通常、この反応は、適切な溶剤(例えば、DMF、DMSO、DMACなど)中で、塩基(例えば、CsCO、KCOなど)の存在の下で実施され、1時間から約72時間(通常、18時間で十分である)かかる(例えば、Cherng,Yie−Jia Tetrahedron 2002 58(24)、4931−4936;Hill,A.J.;McGraw,W.J.J.Org.Chem.1949、14、783−5を参照)。反応による生成物は、溶剤抽出、クロマトグラフィー、晶析、蒸留などのような標準的な方法を用いて単離され、精製され得る。
【0085】
【化11】

【0086】
本発明の例となるのは、実施例および本明細書に開示されている化合物の使用である。本発明内の具体的化合物には、以下の実施例において開示される化合物と、薬学的に許容されるそれらの塩、ならびに、それらのジアステレオマーからなる群から選択される化合物が含まれる。
【0087】
(実施例1)
3−メトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
【0088】
【化12】

【0089】
DMF(30mL)中、2−ブロモ−3−ヒドロキシピリジン(1g、5.75mmol)、ヨードメタン(0.7mL、11.5mmol)、およびKCO(1.6g、11.5mmol)の混合物を、40℃に2時間加熱した。次に、溶剤を真空で除去し、暗色の残留物を、EtOAcと塩水(brine)の間で分配させた。有機層を塩水で洗い(2×)、NaSOで乾燥し、蒸発乾固して、2−ブロモ−3−メトキシピリジンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.98(d,1H)、7.20(t,1H)、7.14(d,1H)、3.94(s,3H)。
【0090】
一般的手順A:マイクロ波を用いるBuchwaldアミノ化反応
トルエン(4mL)中、2−ブロモ−3−メトキシピリジン(200mg、1.06mmol)、6−メチルピリジン−2−アミン(172mg、1.59mmol)、Pd(dba)(44mg、0.04mmol)、BINAP(52mg、0.08mmol)、およびナトリウムtert−ブトキシド(203mg、2.1mmol)の混合物を封管に入れ、マイクロ波(モデル Personal Chemistry、Smith Creator)を照射しながら130℃で10分間加熱した。セライトパッドを通して反応混合物を濾過し、EtOAcで洗った。残留物を、EtOAcとヘキサンの混合物により溶離させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、6−メチル−N−ピリジン−2−イルピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.36(d,1H)、7.86(d,1H)、7.81(bs,1H)、7.55(t,1H)、6.99(d,1H)、6.76(m,2H)、3.88(s,3H)、2.45(s,3H)。MS(ESI)216(M+1)。
【0091】
(実施例2)
3−(ベンジルオキシ)−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
【0092】
【化13】

【0093】
手順Aに従い、6−メチルピリジン−2−アミンおよび3−(ベンジルオキシ)−2−ブロモピリジン(2−ブロモ−3−メトキシピリジンについて記載したようにして、臭化ベンジルを用いて合成した)を用いて、3−(ベンジルオキシ)−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.36(d,1H)、7.90(d,1H)、7.83(bs,1H)、7.54(t,1H)、7.38(m,5H)、7.01(d,1H)、6.70(m,2H)、5.14(s,2H)、2.43(s,3H)。MS(ESI)292(M+H)。
【0094】
(実施例3)
3−エトキシ−N−(6−メトキシピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
【0095】
【化14】

【0096】
手順Aに従い、6−メトキシピリジン−2−アミンおよび2−ブロモ−3−エトキシピリジン(2−ブロモ−3−メトキシピリジンについて記載したようにして、ヨウ化エチルを用いて合成した)を用いて、3−エトキシ−N−(6−メトキシピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.12(d,1H)、7.85(d,1H)、7.67(bs,1H)、7.56(t,1H)、6.94(d,1H)、6.72(m,1H)、6.28(d,1H)、4.07(q,2H)、4.07(s,3H)、1.46(t,3H)。MS(ESI)246(M+H)。
【0097】
(実施例4)
3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
【0098】
【化15】

【0099】
手順Aに従い、6−メチルピリジン−2−アミンおよび2−ブロモ−3−エトキシピリジンを用いて、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.37(d,1H)、7.84(d,1H)、7.79(bs,1H)、7.55(t,1H)、6.96(d,1H)、6.72(m,2H)、4.09(q,2H)、2.46(s,3H)、1.48(t,3H)。MS(ESI)230(M+H)。
【0100】
(実施例5)
N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3−プロポキシピリジン−2−アミン
【0101】
【化16】

【0102】
手順Aに従い、6−メチルピリジン−2−アミンおよび2−ブロモ−3−プロポキシピリジン(2−ブロモ−3−メトキシピリジンについて記載したようにして、ヨウ化プロピルを用いて合成した)を用いて、N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3−プロポキシピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ836(d,1H)、7.84(d,1H)、7.77(bs,1H)、7.54(t,1H)、6.98(d,1H)、6.72(m,2H)、3.98(q,2H)、2.45(s,3H)、1.87(m,2H)、1.06(t,3H)。MS(ESI)244(M+H)。
【0103】
(実施例6)
N−(6−メチルピリジン−2−イル)フロ[2,3−c]ピリジン−7−アミン
【0104】
【化17】

【0105】
手順Aに従い、6−メチルピリジン−2−アミンおよび7−ブロモフロ[2,3−c]ピリジンを用いて、N−(6−メチルピリジン−2−イル)フロ[2,3−c]ピリジン−7−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.40(d,1H)、8.04(d,1H)、7.68(m,2H)、7.59(t,1H)、7.26(d,1H)、6.74(s,2H)、2.51(s,3H)。MS(ESI)226(M+H)。
【0106】
(実施例7)
3−エトキシ−N−ピリジン−2−イルピリジン−2−アミン
【0107】
【化18】

【0108】
手順Aに従い、2−アミノピリジンおよび2−ブロモ−3−エトキシピリジンを用いて、3−エトキシ−N−ピリジン−2−イルピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.58(d,1H)、8.26(d,1H)、7.89(bs,1H)、7.87(d,1H)、7.67(t,1H)、6.99(d,1H)、6.87(m,1H)、6.77(m,1H)、4.13(q,2H)、1.51(t,3H)。MS(ESI)216(M+H)。
【0109】
(実施例8)
6−[(3−エトキシピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−カルボン酸メチル
【0110】
【化19】

【0111】
手順Aに従い、6−アミノピリジン−2−カルボン酸メチルおよび2−ブロモ−3−エトキシピリジンを用いて、6−[(3−エトキシピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−カルボン酸メチルを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.83(d,1H)、8.09(bs,1H)、7.85(d,1H)、7.79(t,1H)、7.69(d,1H)、7.00(d,1H)、6.79(m,1H)、4.13(q,2H)、3.96(s,3H)、1.51(t,3H)。MS(ESI)274(M+H)。
【0112】
(実施例9)
4−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3−(メチルチオ)ピリジン−2−アミン
【0113】
【化20】

【0114】
手順Aに従い、2−ブロモ−6−メチルピリジンおよび4−メチル−3−(メチルチオ)ピリジン−2−アミンを用いて、4−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3−(メチルチオ)ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.83(bs,1H)、8.29(d,1H)、8.09(d,1H)、7.56(t,1H)、6.76(d,1H)、6.70(d,1H)、2.53(s,3H)、2.47(s,3H)、2.12(s,3H)。MS(ESI)246(M+H)。
【0115】
(実施例10)
({2−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−3−イル}オキシ)アセトニトリル
【0116】
【化21】

【0117】
手順Aに従い、6−メチルピリジン−2−アミンおよび[(2−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]アセトニトリル(2−ブロモ−3−メトキシピリジンについて記載したようにして、ブロモアセトニトリルを用いて合成した)を用いて、({2−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−3−イル}オキシ)アセトニトリルを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.34(d,1H)、8.00(d,1H)、7.66(bs,1H)、7.56(t,1H)、7.16(d,1H)、6.82(m,1H)、6.77(d,1H)、4.78(s,2H)、2.47(s,3H)。MS(ESI)241(M+H)。
【0118】
(実施例11)
−エチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2,3−ジアミン
【0119】
【化22】

【0120】
CHCl(40mL)中、2−ブロモピリジン−3−アミン(1g、5.8mmol)、ジ−tert−ブチルジカーボネート(1.76g、8mmol)、DMAP(141mg、1.16mmol)、およびエチル(ジイソプロピル)アミン(2mL、11.6mmol)の混合物を、室温で18時間攪拌した。溶剤を真空で除去し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、(2−ブロモピリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.40(d,1H)、8.02(d,1H)、7.13(t,1H)、7.08(bs,1H)、1.54(s,9H)。
【0121】
DMF(10mL)中、(2−ブロモピリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチル(300mg、1.1mmol)、EtI(0.14mL、1.65mmol)、およびNaH(32mg、1.32mmol)の混合物を、80℃に18時間加熱した。溶剤を真空で除去し、残留物を酢酸エチルと塩水の間で分配させた。有機層を塩水で洗い(2×)、乾燥し(NaSO)、濃縮した。未精製残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、(2−ブロモピリジン−3−イル)エチルカルバミン酸tert−ブチルを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.30(d,1H)、7.49(d,1H)、7.29(t,1H)、3.83(m,1H)、3.46(m,1H)、1.48(s,2H)、1.35(s,7H)、1.13(t,3H)。
【0122】
手順Aに従い、6−メチルピリジン−2−アミンおよび(2−ブロモピリジン−3−イル)エチルカルバミン酸tert−ブチルを用いて、N−エチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2,3−ジアミンを得た(Boc基は反応中に開裂された)。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.78(d,1H)、7.48(m,2H)、6.91(m,2H)、6.79(bs,1H)、6.68(t,1H)、3.64(bs,1H)、3.15(q,2H)、2.43(s,3H)、1.27(t,3H)。MS(ESI)229(M+H)。
【0123】
(実施例12)
3−エトキシ−4−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
【0124】
【化23】

【0125】
aq.NaOH(50mL、4M)中の3−ヒドロキシピリジン(9.5g、0.1mol)の溶液(−20℃)に、aq.NaOH(175mL、2.7M)中のBr(10.5mL、0.2mol)の溶液を加えた。30分後に、conc.HClにより、約pH5になるまで反応混合物を酸性にした。析出物を濾過により除去し、conc.HClにより濾液を約pH2に調節した。水性層を酢酸エチルで抽出し(5×)、乾燥し(MgSO)、濃縮してオレンジ色の固体を得た。この固体をEtOで洗い、洗浄液を真空で濃縮して、望みの2,4−ジブロモ−3−ヒドロキシピリジン(主)および2−6−ジブロモ−3−ヒドロキシピロジン(少量)の異性体混合物を得た。この混合物を、さらに精製することなく使用した。
【0126】
DMF(30mL)中、未精製の二臭化物(2g)およびKCO(1.6g、11.8mmol)の混合物に、ブロモエタン(0.88mL、11.8mmol)を加えた。反応混合物を70℃に90分間加熱し、冷却し、HOで稀釈し、酢酸エチルで抽出した(4×)。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濃縮した。未精製残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(1:1 EtO/ヘキサン)により精製して、2,4−ジブロモ−3−エトキシピリジンを黄色の油として得た(H NMR分析により約75%の純度であると判定された)。
【0127】
一般的手順Aに従い、6−メチルピリジン−2−アミンおよび2,4−ジブロモ−3−エトキシピリジンを用いてビピリジルアミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.20(br s,1H)、7.84(d,1H)、7.61(t,1H)、7.02(d,1H)、6.80(d,1H)、3.19(q,2H)、2.03(s,3H)、1.52(t,1H)。MS(ESI)308(M)。
【0128】
DME(2mL)中、この臭化物(50mg、0.16mmol)、メチルボロン酸(29mg、0.48mmol)、Pd(PPh(19mg、0.016mmol)、およびCsF(73mg、0.48mmol)の混合物を封管に入れ、手順Bにおいて記載されているようにして反応させた。未精製混合物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、3−エトキシ−4−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.11(bs 1H)、7.68(d,1H)、7.36(t,1H)、6.52(d,1H)、6.45(bs,1H)、3.78(q,2H)、2.27(s,3H)、2.07(s,3H)、1.28(t,3H)。MS(ESI)244(M+H)。
【0129】
(実施例13)
3−エトキシ−2−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]イソニコチノニトリル
【0130】
【化24】

【0131】
CHCN中、4−ブロモ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン(50mg、0.16mmol)、NaCl(16mg、0.32mmol)、Pd(PPh(10mg、0.008mmol)、およびCuI(3mg、0.016mmol)の混合物をマイクロ波(モデル Personal Chemistry、Smith Creator)を照射しながら180℃で60分間加熱した。セライトを通して反応混合物を濾過し、濃縮した。未精製残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、3−エトキシ−2−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]イソニコチノニトリルを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.28(bs,1H)、7.99(bs,2H)、7.61(t,1H)、6.82(m,2H)、4.50(q,2H)、2.49(s,3H)、1.54(t,3H)。MS(ESI)255(M+H)。
【0132】
(実施例14)
3−エトキシ−N−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ピリジン−2−アミン
【0133】
【化25】

【0134】
Pd/Cの存在の下での、3−エトキシ−2−ニトロピリジン(2−ブロモ−3−メトキシピリジンについて記載したようにして、2−ニトロピリジン−3−オールおよびヨウ化エチルを用いて合成した)の水素化により、3−エトキシピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.64(d,1H)、6.89(d,1H)、6.59(t,1H)、4.64(bs,2H)、4.05(q,2H)、1.44(t,3H)。
【0135】
手順Aに従い、3−エトキシピリジン−2−アミンおよび2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジンを用いて、3−エトキシ−N−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.85(d,1H)、8.08(bs,1H)、7.91(d,1H)、7.84(t,1H)、7.28(d,1H)、7.11(d,1H)、6.87(m,1H)、4.16(q,2H)、1.55(t,3H)。MS(ESI)284(M+H)。
【0136】
(実施例15)
5−ブロモ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
【0137】
【化26】

【0138】
3−エトキシピリジン−2−アミン(1.5g、11mmol)のCHCN(40mL)およびCHCl(100mL)溶液に、B(0.7mL、13mmol)を加えた。得られた暗色の混合物を室温で1.25時間攪拌し、固体のNaHCO(4.5g、54mmol)を加えた。混合物を室温でさらに1時間攪拌し、その後、亜硫酸ナトリウム水溶液を加えた。層分離させ、水性層をCHClで抽出した(3×)。合わせた有機物を乾燥し(NaSO)、濃縮して、5−ブロモ−3−エトキシピリジン−2−アミンを得た。MS(ESI)218(M+H)。
【0139】
トルエン(50mL)中、5−ブロモ−3−エトキシピリジン−2−アミン(2g、9.2mmol)、2−ブロモ−6−メチルピリジン(1.32g、7.7mmol)、Pd(dba)(211mg、0.23mmol)、BINAP(287mg、0.46mmol)、およびナトリウムtert−ブトキシド(1.47g、15.4mmol)の混合物を封管に入れ、110℃で18時間加熱した。セライトを通して反応混合物を濾過し、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、5−ブロモ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.09(d,1H)、7.70(s,1H)、7.58(bs,1H)、7.40(t,1H)、6.89(s,1H)、6.58(d,1H)、3.91(q,2H)、2.28(s,3H)、1.32(t,3H)。MS(ESI)309(M+H)。
【0140】
(実施例16)
5−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−6−アミン
【0141】
【化27】

【0142】
一般的手順B:マイクロ波を用いる鈴木カップリング
DME/HO(5:1、2ml)中、5−ブロモ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン(50mg、0.16mmol)、4−ピリジルボロン酸(30mg、0.24mmol)、PdCl(PPh(11mg、0.016mmol)、および炭酸カリウム(44mg、0.32mmol)の混合物を封管に入れ、マイクロ波(モデル Personal Chemistry、Smith Creator)を照射しながら160℃で15分間加熱した。反応混合物をEtOAcで稀釈し、HOで洗った(2×)。有機相をNaSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。残留物を、EtOAcおよびヘキサンの混合物により溶離させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.58(d,2H)、8.42(bs,1H)、8.11(d,1H)、7.59(t,1H)、7.41(d,2H)、7.17(s,1H)、7.17(d,1H)、4.15(q,2H)、2.48(s,3H)、1.52(t,3H)。MS(ESI)307(M+1)。
【0143】
(実施例17)
5−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0144】
【化28】

【0145】
手順Bに従い、5−ブロモ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミンおよび3−ピリジルボロン酸を用いて、5−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.74(s,1H)、8.52(d,1H)。8.37(bs,1H)、8.01(s,1H)、7.76(dt,1H)、7.60(m,1H)、7.40(td,1H)、7.29(td,1H)、7.12(s,1H)、6.70(d,1H)、4.13(q,2H)、2.43(s,3H)、1.50(t,3H)。MS(ESI)307(M+H)。
【0146】
(実施例18)
3−エトキシ−5−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
【0147】
【化29】

【0148】
DME(2mL)中、5−ブロモ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン(50mg、0.16mmol)、メチルボロン酸(29mg、0.48mmol)、Pd(PPh(19mg、0.016mmol)、およびCsF(73mg、0.48mmol)の混合物を封管に入れ、手順Bにおいて記載されているようにして反応させた。未精製混合物を逆相分取(preparative)HPLCにより精製して、11mgの3−エトキシ−5−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミンを得たH NMR(MeOD,500MHz)δ7.97(t,1H)、7.82(s,1H)、7.52(s,1H)、7.46(d,1H)、7.11(d,1H)、4.33(q,2H)、2.68(s,3H)、2.39(s,3H)、1.54(t,3H)。
【0149】
(実施例19)
3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2,5−ジアミン
【0150】
【化30】

【0151】
手順Aに従い、5−ブロモ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミンおよび1,1−ジフェニルメタンイミンを用いて、N−(ジフェニルメチレン)−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2,5−ジアミンを得た。
【0152】
MeOH中、N−(ジフェニルメチレン)−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2,5−ジアミンおよびヒドロキシルアミン塩酸塩の混合物を室温で18時間攪拌した。溶剤を真空で除去して、残留物を、酢酸エチルと、1MのHCl水溶液との間で分配させた。有機層を、さらなる1MのHClで抽出した(2×)。合わせた酸性抽出物を、5MのNaOH水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出し(3×)、乾燥し(MgSO)、濃縮して、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2,5−ジアミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.25(d,1H)、7.54(t,1H)、7.42(s,1H)、6.67*d,1H)、6.55(s,1H)、4.10(q,2H)、2.47(s,3H)、1.49(t,3H)。MS(ESI)307(M+H)。
【0153】
(実施例20)
5−エトキシ−6−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ニコチノニトリル
【0154】
【化31】

【0155】
CHCN中、5−ブロモ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン(100mg、0.32mmol)、KCN(42mg、0.64mmol)、Pd(PPh(19mg、0.016mmol)、CuI(6mg,0.032mmol)の混合物を、マイクロ波(モデル Personal Chemistry、Smith Creator)を照射しながら180℃で1時間加熱した。セライトを通して反応混合物を濾過し、濃縮した。未精製残留物を、酢酸エチルとヘキサンの混合物によるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、5−エトキシ−6−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ニコチノニトリルを白色固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.36(bd,1H)、8.19(d,1H)、8.07(bs,1H)、7.64(t,1H)、7.09(s,1H)、6.86(d,1H)、4.15(q,2H)、2.57(s,3H)、1.64(t,3H)。MS(ESI)255(M+H)。
【0156】
(実施例21)
5’−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−2,3’−ビピリジン−6’−アミン
【0157】
【化32】

【0158】
DMF(10mL)中、5−ブロモ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン(100mg、0.32mmol)、2−トリブチルスタニルピリジン(177mg,0.48mmol)、およびPd(PPh(37mg、0.032mmol)の混合物を、120℃に15時間加熱した。セライトを通して得られた黒色混合物を濾過し、濃縮した。未精製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、5’−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−2,3’−ビピリジン−6’−アミンを黄色の油として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.66(d,1H)、8.45(d,1H)、8.42(s,1H)、8.00(bs,1H)、7.82(s,1H)、7.73(m,2H)、7.60(t,1H)、7.20(m,1H)、6.79(d,1H)、4.27(q,2H)、2.49(s,3H)、1.53(t,3H)。MS(ESI)307(M+H)。
【0159】
(実施例22)
5−エトキシ−6’−メトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0160】
【化33】

【0161】
手順Bに従い、3−(4−メトキシ)−ピリジルボロン酸を用いて、5−エトキシ−6’−メトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.42(bm,1H)、8.36(s,1H)、8.04(s,1H)、7.76(dd,1H)、7.61(bs,1H)、7.15(s,1H)、6.85(d,1H)、6.79(d,1H)、4.22(q,2H)、4.00(s,1H)、2.52(s,3H)、1.56(t,3H)。MS(ESI)337(M+H)。
【0162】
(実施例23)
3−{5−エトキシ−6−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−3−イル}ベンゾニトリル
【0163】
【化34】

【0164】
手順Bに従い、3−シアノフェニルボロン酸を用いて、3−{5−エトキシ−6−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−3−イル}ベンゾニトリルを白色固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.38(d,1H)、8.07(d,1H)、7.89(s,1H)、7.80(s,1H)、7.66(d,1H)、7.61(m,2H)、7.52(t,1H)、7.14(d,1H)、6.78(d,1H)、4.19(q,2H)、2.48(s,3H)、1.56(t,3H)。MS(ESI)331(M+H)。
【0165】
(実施例24)
3−エトキシ−5−(3−フルオロフェニル)−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
【0166】
【化35】

【0167】
手順Bに従い、3−フルオロフェニルボロン酸を用いて、3−エトキシ−5−(3−フルオロフェニル)−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミンを白色固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.38(d,1H)、8.08(d,1H)、7.84(bs.H)、7.58(t,1H)、7.38(m,1H)、7.32(dt,1H)、7.22(dt,1H)、7.18(d,1H)、7.02(td,1H)、6.75(d,1H)、4.19(q,2H)、2.47(s,3H)、1.51(t,3H)。MS(ESI)324(M+H)。
【0168】
(実施例25)
3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミン
【0169】
【化36】

【0170】
一般的手順C:熱スティル(Stille)カップリング
THF(5mL)中、5−ブロモ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン(300mg、0.97mmol)、MeSn(638mg、1.95mmol)、およびPd(PPh(112mg、0.097mmol)の混合物を、封管内で、60℃で10時間加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルで稀釈し、飽和NaHCO水溶液に注いだ。層分離させ、有機層を飽和NaHCO水溶液で洗った(2×)。有機層を乾燥し(NaSO)、濃縮した。未精製残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、297mgの3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンを黄色の固体として得た。MS(ESI)392(M)。
【0171】
(実施例26)
5’−エトキシ−6’−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−3,3’−ビピリジン−5−カルボニトリル
【0172】
【化37】

【0173】
手順Cに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび5−ブロモニコチノニトリルを用いて、5’−エトキシ−6’−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−3,3’−ビピリジン−5−カルボニトリルを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.85(s,1H)、8.68(s,1H)、8.27(bs,1H)、7.94(m,2H)、7.81(bs,1H)、7.47(bt,1H)、6.99(s,1H)、6.66(d,1H)、4.09(q,2H)、2.35(s,3H)、1.43(t,3H)。MS(ESI)332(M+H)。
【0174】
(実施例27)
5−エトキシ−2’−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0175】
【化38】

【0176】
手順Cに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタリニル)ピリジン−2−アミンおよび3−ブロモ−2−メチルピリジンを用いて、5−エトキシ−2’−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ8.82(bs,1H)、8.55(d,1H)、8.15(m,2H)、8.03(t,1H)、7.23(m,2H)、7.24(d,1H)、4.37(q,2H)、2.80(s,3H)、2.76(s,3H)、1.56(t,3H)。MS(ESI)321(M+H)。
【0177】
(実施例28)
5−エトキシ−6’−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0178】
【化39】

【0179】
一般的手順D:マイクロ波を用いるスティルカップリング
DMF(5mL)中、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミン(200mg、0.51mmol)、5−ブロモ−2−メチルピリジン(132mg、0.76mmol)、およびPd(PPh(12mg、0.01mmol)の混合物を封管に入れ、マイクロ波(モデル Personal Chemistry、Smith Creator)を照射しながら140℃で15分間加熱した。得られた黄色の溶液を、酢酸エチルで稀釈し、HOで洗った(2×)。有機層を乾燥し(NaSO)、濃縮した。未精製残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製した。この生成物をCHCl/EtO(2mL、1:2)に溶かし、HCl(EtO中、1M)で処理して、5−エトキシ−6’−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンのHCl塩を得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ9.20(s,1H)、8.91(d,1H)、8.52(s,1H)、8.20(t.1H)、8.08(d,1H)、8.02(s,1H)、7.75(d,1H)、7.24(d,1H)、4.47(q,2H)、2.88(s,3H)、2.78(s,3H)、1.59(t,3H)。MS(ESI)321(M+H)。
【0180】
(実施例29)
5−エトキシ−5’−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0181】
【化40】

【0182】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび3−ブロモ−5−メチルピリジンを用いて、5−エトキシ−5’−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ9.18(s,1H)、8.93(s,1H)、8.78(s,1H)、8.53(s,1H)、8.18(t,1H)、8.03(s,1H)、7.73(d,1H)、7.24(d.1H)、4.48(q,2H)、2.78(s,3H)、2.69(s,3H)、1.60(t,3H)。MS(ESI)321(M+H)。
【0183】
(実施例30)
5−エトキシ−4’−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0184】
【化41】

【0185】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび3−ブロモ−4−メチルピリジンを用いて、5−エトキシ−4’−メチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ8.88(s,1H)、8.79(d,1H)、8.14(m,3H)、7.72(m,2H)、7.24(d,1H)、4.41(q,2H)、2.77(s,3H)、2.69(s,3H)、1.57(t,3H)。MS(ESI)321(M+H)。
【0186】
(実施例31)
5−エトキシ−2’,6’−ジメチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0187】
【化42】

【0188】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび3−ブロモ−2,6−ジメチルピリジンを用いて、5−エトキシ−2’,6’−ジメチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ8.42(d,1H)、8.17(m,2H)、7.86(d,1H)、7.68(m,2H)、7.25(d,1H)、4.41(q,2H)、2.86(s,3H)、2.79(s,3H)、2.77(s,3H)、1.56(t,3H)。MS(ESI)335(M+H)。
【0189】
(実施例32)
3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−キノリン−3−イルピリジン−2−アミン
【0190】
【化43】

【0191】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび3−ブロモキノリンを用いて、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−キノリン−3−イルピリジン−2−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ9.77(s,1H)、9.66(s,1H)、8.66(s,1H)、8.48(d,1H)、8.34(d,1H)、8.21(m,3H)、8.05(t,1H)、7.74(d,1H)、7.27(d,1H)、4.53(q,2H)、2.80(s,3H)、1.63(t,3H)。MS(ESI)357(M+H)。
【0192】
(実施例33)
3−エトキシ−5−イソキノリン−4−イル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
【0193】
【化44】

【0194】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび4−ブロモイソキノリンを用いて、3−エトキシ−5−イソキノリン−4−イル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ9.90(s,1H)、8.74(s,1H)、8.68(d,1H)、8.31(m,3H)、8.20(t,1H)、8.15(bt,1H)、7.87(s,1H)、7.76(d,1H)、7.26(d,1H)、4.42(q,2H)、2.78(s,3H)、1.57(t,3H)。MS(ESI)357(M+H)。
【0195】
(実施例34)
5’−エトキシ−6’−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸エチル
【0196】
【化45】

【0197】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび5−ブロモニコチン酸エチルを用いて、5’−エトキシ−6’−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸エチルを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ9.54(s,1H)、9.37(2s,2H)、8.57(s,1H)、8.20(t,1H)、8.14(s,1H)、7.75(d,1H)、7.25(d,1H)、4.58(q,2H)、4.50(q,2H)、2.79(s,3H)、1.61(t,3H)、1.47(t,3H)。MS(ESI)379(M+H)。
【0198】
(実施例35)
5,5’−ジエトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0199】
【化46】

【0200】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび3−ブロモ−5−エトキシピリジンを用いて、5,5’−ジエトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ8.93(s,1H)、8.64(s,1H)、8.56(s,1H)、8.53(s,1H)、8.19(t,1H)、8.02(s,1H)、7.73(d,1H)、7.26(d,1H)、4.47(q,2H)、4.42(q,2H)、2.78(s,3H)、1.6(t,3H)、1.52(t,3H)。MS(ESI)351(M+H)。
【0201】
(実施例36)
5−エトキシ−6’−フルオロ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0202】
【化47】

【0203】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび2−ブロモ−5−フルオロピリジンを用いて、5−エトキシ−6’−フルオロ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.56(s,1H)、8.33(s,1H)、8.30(t,1H)、8.12(t,1H)、7.85(s,1H)、7.63(d,1H)、7.22(m,2H)、4.42(q,2H)、2.75(s,3H)、1.58(t,3H)。MS(ESI)325(M+H)。
【0204】
(実施例37)
5’−ブロモ−5−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0205】
【化48】

【0206】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび3,5−ジブロモピリジンを用いて、5’−ブロモ−5−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ8.72(s,1H)、8.62(s,1H)、8.39(d,1H)、8.06(s,1H)、7.95(s,1H)、7.90(bs,1H)、7.55(t,1H)、7.09(s,1H)、6.79(d,1H)、4.19(q,2H)、2.48(s,3H)、1.53(t,3H)。MS(ESI)386(M+H)。
【0207】
(実施例38)
5’−エトキシ−6’−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−3,3’−ビピリジン−2−カルボニトリル
【0208】
【化49】

【0209】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび3−ブロモピリジン−2−カルボニトリルを用いて、5’−エトキシ−6’−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−3,3’−ビピリジン−2−カルボニトリルを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ8.75(s,1H)、8.29(s,1H)、8.17(m,2H)、7.89(s,1H)、7.81(m,1H)、7.76(d,1H)、7.23(d,1H)、4.43(q,2H)、2.77(s,3H)、1.60(t,3H)。MS(ESI)332(M+H)。
【0210】
(実施例39)
5−エトキシ−5’−メトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0211】
【化50】

【0212】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび3−ブロモ−5−メトキシピリジンを用いて、5−エトキシ−5’−メトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ8.94(s,1H)、8.67(s,1H)、8.59(s,1H)、8.53(s,1H)、8.19(t,1H)、8.03(s,1H)、7.73(d,1H)、7.23(d,1H)、4.46(q,2H)、4.17(s,3H)、2.78(s,3H)、1.60(t,3H)。MS(ESI)337(M+H)。
【0213】
(実施例40)
5−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5’−フェニル−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0214】
【化51】

【0215】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび3−ブロモ−5−フェニルピリジンを用いて、5−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5’−フェニル−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ9.31(s,1H)、9.25(s,1H)、9.22(s,1H)、8.62(s,1H)、8.19(t,1H)、8.13(s,1H)、7.97(d,2H)、7.74(d,1H)、7.64(m,3H)、7.27(d,1H)、4.51(q,2H)、2.79(s,3H)、1.60(t,3H)。MS(ESI)383(M+H)。
【0216】
(実施例41)
3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−ピラジン−2−イルピリジン−2−アミン
【0217】
【化52】

【0218】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび2−ヨードピラジンを用いて、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−ピラジン−2−イルピリジン−2−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ9.35(s,1H)、8.90(s,1H)、8.83(s,1H)、8.67(s,1H)、8.26(s,1H)、8.16(t,1H)、7.70(d,1H)、7.25(d,1H)、4.46(q,2H)、2.78(s,3H)、1.60(t,3H)。MS(ESI)308(M+H)。
【0219】
(実施例42)
5−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5’−(フェニルスルホニル)−3,3’−ビピリジン−6−アミン
【0220】
【化53】

【0221】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび3−ブロモ−5−(フェニルスルホニル)ピリジンを用いて、5−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5’−(フェニルスルホニル)−3,3’−ビピリジン−6−アミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ9.34(s,1H)、9.30(s,1H)、9.00(s,1H)、8.45(s,1H)、8.16(m,3H)、7.97(s,1H)、7.73(m,2H)、7.65(t,2H)、7.25(d,1H)、4.45(q,2H)、2.77(s,3H)、1.59(t,3H)。MS(ESI)447(M+H)。
【0222】
(実施例43)
5’−エトキシ−6’−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−3,3’−ビピリジン−5−スルホンアミド
【0223】
【化54】

【0224】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび5−ブロモピリジン−3−スルホンアミドを用いて、5’−エトキシ−6’−[(6−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−3,3’−ビピリジン−5−スルホンアミドを得た。H NMR(DMSO−d6,500MHz)δ10.73(bs,1H)、9.23(s,1H)、8.99(s,1H)、8.62(s,1H)、8.46(s,1H)、8.16(m,2H)、8.04(s,1H)、7.75(bs,2H)、7.23(d,1H)、4.42(q,2H)、2.66(s,3H)、1.48(t,3H)。MS(ESI)386(M+H)。
【0225】
(実施例44)
5−エトキシ−N6’,N6’−ジメチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6,6’−ジアミン
【0226】
【化55】

【0227】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび5−ブロモ−N,N−ジメチルピリジン−2−アミンを用いて、5−エトキシ−N6’,N6’−ジメチル−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6,6’−ジアミンを得た。H NMR(MeOD,500MHz)δ8.40(dd,1H)、8.35(s,1H)、8.29(s,1H)、8.14(t,1H)、7.85(s,1H)、7.66(d,1H)、7.41(d,1H)、7.21(d,1H)、4.44(q,2H)、3.36(s,6H)、2.75(s,3H)、1.58(t,3H)。MS(ESI)350(M+H)。
【0228】
(実施例45)
3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−ピリミジン−5−イルピリジン−2−アミン
【0229】
【化56】

【0230】
手順Dに従い、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(トリメチルスタニル)ピリジン−2−アミンおよび5−ブロモピリミジンを用いて、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−ピリミジン−5−イルピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ9.19(s,1H)、8.96(s,2H)、8.40(d,1H)、8.09(s,1H)、7.92(s,1H)、7.60(t,1H)、7.22(s,1H)、6.81(d,1H)、4.21(q,2H)、2.46(s,3H)、1.56(t,3H)。
【0231】
(実施例46)
3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−2−アミン
【0232】
【化57】

【0233】
THF(5mL)中、5−ブロモ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン(100mg、0.32mmol)、2−メチル−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−1,3−チアゾール(95mg、0.49mmol)、Pd(PPh(37mg、0.032mmol)、CuI(12mg、0.065mmol)、EtN(0.11mL、0.81mmol)、およびTBAF(THF中1M、0.5mL、0.49mmol)の混合物を封管に入れ、90℃に18時間加熱した。得られた黒色の混合物を室温まで冷却し、セライトを通して濾過し、濃縮した。未精製残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.31(bs,1H)、8.06(s,1H)、7.65(m,1H)、7.51(m,1H)、7.34(s,1H)、7.13(s,1H)、6.77(d,1H)、4.11(q,2H)、2.71(s,3H)、2.56(s,3H)、1.52(t,3H)。MS(ESI)351(M+H)。
【0234】
(実施例47)
5−クロロ−3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
【0235】
【化58】

【0236】
3−ヒドロキシ−5−クロロピリジン(5g、53mmol)およびNaCO(11.4g、108mmol)のHO(150mL)溶液に、I(13.4g、53mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、溶液を、conc.HClにより約pH4まで酸性にし、得られた析出物を濾過し、HOで洗った。60%のaq.EtOHから未精製残留物を晶析させて、2−ヨード−3−ヒドロキシ−5−シクロピリジンを明黄色の固体として得て、さらに精製することなくそれを使用した。
【0237】
このフェノールを、ブロモメタンおよびKCOによりアルキル化し、次に、一般的手順Aに従って、6−メチルピリジン−2−アミンとカップリングさせて、表題の化合物を薄い黄色の固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.30(d,1H)、7.77〜7.82(m,2H)、7.42〜7.59(m,1H)、6.98(s,1H)、6.77(d,1H)、4.12(q,2H)、2.48(s,3H)、1.52(t,3H)。
【0238】
(実施例48)
5−クロロ−3−エトキシ−2−[(6−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ピリジン
【0239】
【化59】

【0240】
2−ヨード−3−ヒドロキシ−5−クロロピリジン(300mg、1.1mmol)、2−ヒドロキシ−6−メチルピリジン(220mg、2.1mmol)およびKCO(439mg、3.2mmol)の混合物を、DMF(4mL)中で170℃に16時間加熱し、冷却し、水に入れて急冷した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し(4×)、乾燥し(MgSO)、濃縮した。未精製残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(2:1 EtO/ヘキサン)、次に、分取HPLCにより精製し、表題の化合物を白色固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.96(s,1H)、7.66(dt,1H)、7.28(s,1H)、6.88(d,1H)、6.69(d,1H)、4.10(q,2H)、2.45(s,3H)、1.38(t,3H)。MS(ESI)265(M)。
【0241】
(実施例49)
5−エトキシ−6−[(6−メチルピリジン−2−イル)オキシ]−3,3’−ビピリジン
【0242】
【化60】

【0243】
3−(ベンジルオキシ)−5−ブロモピリジン(1.2g、4.6mmol)、3−ピリジルボロン酸(0.73g、5.9mmol)、Pd(PhP)(0.53g、0.46mmol)およびKCO(1.9g、13.7mmol)の混合物を、トルエン/EtOH/HO(15mL/5mL/5mL)中で、85℃に16時間加温し、次に、冷却した。反応物を酢酸エチルで稀釈し、層分離させた。水性層を酢酸エチルで抽出し(2×)、合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製して、5−(ベンジルオキシ)−3,3’−ビピリジンを無色の固体として得て、さらなる精製なしにそれを用いた。
【0244】
酢酸エチル中、この生成物(700mg、2.7mmol)およびPd/Cの混合物を、T.L.C.分析により判断して出発物質が消費されるまで、H雰囲気の下で、室温で攪拌した。セライトを通して反応混合物を濾過し、濃縮した。未精製の黄色の油(450mg)をさらなる精製なしに用いた。
【0245】
実施例47に記載されている手順に従って、この未精製フェノールをヨウ素化し、EtBrによりアルキル化して、5−エトキシ−6−ヨード−3,3’−ビピリジンを得た。MS(ESI)327(M+H)
5−エトキシ−6−ヨード−3,3’−ビピリジン(140mg、0.43mmol)と、2−ヒドロキシ−6−メチルピリジン(234mg、2.1mmol)とのカップリングを実施例48に記載されている手順に従って実施した。分取HPLCにより精製して、表題の化合物を無色の油として得た。MS(ESI)308(M)。
【0246】
(実施例50)
3−エトキシ−2−[(6−メチルピリジン−2−イル)オキシ]−5−フェニルピリジン
【0247】
【化61】

【0248】
トルエン(2mL)中、実施例48による化合物(50mg、0.19mmol)、フェニルボロン酸(46mg、0.38mmol)、Pddba(17mg、0.02mml)、CsCO(93mg、0.29mmol)およびP(t−Bu)(0.08mL、0.04mmol)の混合物を封管に入れ、マイクロ波(モデル Personal Chemistry、Smith Creator)を照射しながら160℃で10分間加熱した。セライトを通して反応混合物を濾過し、濃縮した。残留物を、分取HPLCにより精製して、表題の化合物を薄い黄色の固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.18〜8.20(m,1H)、8.10(d,1H)、7.96(dd,1H)、7.57〜7.59(m,2H)、7.50〜7.54(m,2H)、7.44〜7.51(m,2H)、6.96(d,1H)、4.32(q,2H)、2.73(s,3H)、1.59(t,3H)。MS(ESI)306(M)。
【0249】
(実施例51)
N−(6−メチルピリジン−2−イル)−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−アミン
【0250】
【化62】

【0251】
3−ヒドロキシ−2−ブロモピリジン(0.5g、2.87mmol)、トリフルオロエタノール(2mL、28mmol)、およびPhP(1.9g、7.2mmol)のTHF(15mL)溶液(0℃)に、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)(1.1mL、5.7mmol)を加えた。反応物を放置して一夜で室温まで温めた。16時間後に、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(4:1 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、2−ブロモ−3−トリフルオロエトキシピリジンを無色の油として得た。
【0252】
一般的手順Aに従い、6−メチルピリジン−2−アミンおよび2−ブロモ−3−トリフルオロエトキシピリジンを用いて、表題の化合物を得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.20(br s,1H)、7.91(d,1H)、7.59(br s,1H)、7.40(d,1H)、6.79(br s,1H)、6.76(d,1H)、6.96(d,1H)、4.0〜4.1(m,1H)、3.99〜4.0(m,1H)、2.49(s,3H)。
【0253】
(実施例52)
3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(ピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミン
【0254】
【化63】

【0255】
水酸化ナトリウム(2.2g、55mmol)を4等分して、Nの下で、5−クロロピリジン−3−オール(5.0g、39mmol)およびDMF(50mL)の溶液に室温で加えた。15分後に、ヨウ化エチル(3.2mL、40mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間、次に、40℃で30分攪拌した。反応混合物を水(500mL)に注ぎ、メチルtert−ブチルエーテル(125mL×4)により抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮して、2.7gの3−クロロ−5−エトキシピリジンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.18(d,2H)、7.19(t,1H)、4.07(q,2H)、1.45(t,3H)。
【0256】
硝酸(2mL、32mmol)を、3−クロロ−5−エトキシピリジン(2.7g、17mmol)および硫酸(15mL)の溶液に、室温で1分かけて加えた。得られた溶液を60℃で1時間加熱し、6NのNaOH(100mL)に0℃でゆっくりと注ぎ、次に、クロロホルム(150mL×3)により抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮して、2.8gの5−クロロ−3−エトキシ−2−ニトロピリジンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.02(s,1H)、7.49(s,1H)、4.21(q,2H)、1.49(t,3H)。
【0257】
5−クロロ−3−エトキシ−2−ニトロピリジン(0.43g、2.1mmol)、ピリジン−3−オール(0.60g、6.3mmol)、KCO(1.2g、8.7mmol)、およびDMF(8mL)の混合物を、Nの下で、80℃で20分間、100℃で2時間、次に、120℃で30分間加熱した。得られた混合物を水(125mL)に注ぎ、メチルtert−ブチルエーテル(40mL×4)により抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮して、3−エトキシ−2−ニトロ−5−(ピリジン−3−イルオキシ)ピリジンを得た。
【0258】
ヒドラジン(HO中51%、0.5mL、8.2mmol)を、3−エトキシ−2−ニトロ−5−(ピリジン−3−イルオキシ)ピリジン(0.28g、1.1mmol)、Pd/C(10wt%、50mg、0.047mmolのPd)、およびエタノール(8mL)の混合物に、室温で1分かけて加えた。反応物を2時間加熱還流し、セライトを通して濾過し、次に、濃縮して、0.27gの3−エトキシ−5−(ピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.38(s,1H)、8.31(d,1H)、7.53(s,1H)、7.24〜7.19(m,2H)、6.72(s,1H)、4.68(br s,2H)、4.01(q,2H)、1.45(t,3H)。
【0259】
3−エトキシ−5−(ピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミン(0.23g、1.0mmol)、2−ブロモ−6−メチルピリジン(0.20g、1.2mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(0.22g、2.3mmol)、Pddba(30mg、0.066mmolのPd)、BINAP(43mg、0.069mmol)、およびトルエン(3mL)の混合物を、30分間、窒素のバブリングにより脱気した。次に、反応容器を密封して、マイクロ波(モデル Personal Chemistry、Smith Creator)を照射しながら130℃で15分間加熱した。得られた混合物を、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、0.11gの3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(ピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.42(s,1H)、8.35〜8.32(m,1H)、8.31(d,1H)、7.76(br s,1H)、7.69(s,1H)、7.56(t,1H)7.28〜7.24(m,2H)、6.81(s,1H)、6.75(d,1H)、4.08(q,2H)、2.47(s,3H)、1.50(t,3H)。MS(ESI):323.5(M+H)。
【0260】
(実施例53)
3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−フェノキシピリジン−2−アミン
【0261】
【化64】

【0262】
実施例52に従って、ピリジン−3−オールの代わりにフェノールを用いて、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−フェノキシピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.32(d,1H)、7.73(br s,1H)。7.68(d,1H)、7.55(t,1H)、7.32(t,2H)、7.07(t,1H)、6.98(d,2H)、6.81(d,1H)、6.72(d,1H)、4.06(q,2H)、2.47(s,3H)、1.48(t,3H)。MS(ESI)322.5(M+H)。
【0263】
(実施例54)
3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(ピリジン−2−イルオキシ)ピリジン−2−アミン
【0264】
【化65】

【0265】
硝酸(0.25mL,5.0mmol)を、5−フルオロピリジン−3−オール(0.25g、2.2mmol)および硫酸(3mL)の溶液(70℃)に、1分間かけて加えた。20分後に、硝酸の第2アリコート(0.25mL)を、1分間かけて加えた。40分経過後に、反応物を0℃まで冷却した。水(25mL)を加え、その後、10NのNaOH(13mL)を0℃でゆっくりと加えた。この溶液を1NのHClで中和し、濃縮して、5−フルオロ−2−ニトロピリジン−3−オールを得た。MS(ESI):158.8(M+H)。
【0266】
5−フルオロ−2−ニトロピリジン−3−オール(0.35g、2.2mmol)、ヨウ化エチル(1.4mL、18mmol)、KCO(3.0g、22mmol)、およびアセトニトリル(40mL)の混合物を、Nの下で、100℃に加熱した。5時間後、アセトニトリルを真空で除去し、残留物を、水(200mL)とクロロホルム(100mL)の間で分配させた。水性層をクロロホルム(100mL×2)で抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮して、0.19gの3−エトキシ−5−フルオロ−2−ニトロピリジンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.93(dd,2H)、7.22(dd,1H)、4.20(q,2H)、1.51(t,3H)。
【0267】
3−エトキシ−5−フルオロ−2−ニトロピリジン(69mg、0.37mmol)、ピリジン−2−オール(0.15g、1.6mmol)、NaCO(0.35g、3.3mmol)、およびDMF(2.5mL)の混合物を、Nの下で、室温で15時間攪拌し、次に、50℃で加熱した。さらに10時間経過後に、DMFを真空で除去し、残留物を、水(25mL)とクロロホルム(25mL)の間で分配させた。水性層をクロロホルム(25mL×2)で、次に、酢酸エチル(25mL×2)で抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮して、0.13gの3−エトキシ−2−ニトロ−5−(ピリジン−2−イルオキシ)ピリジンを得た。MS(ESI):261.9(M+H)。
【0268】
実施例52に記載されている最後の2つの手順に従って、3−エトキシ−2−ニトロ−5−(ピリジン−2−イルオキシ)ピリジンを、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(ピリジン−2−イルオキシ)ピリジン−2−アミンに変換し、次に、逆相分取HPLCにより精製した。H NMR(CDOD,500MHz)δ8.17(t,1H)、8.11(s,1H)、7.73〜7.65(m,4H)、7.23(d,1H)、6.68(d,1H)、6.54(t,1H)4.33(q,2H)、2.75(s,3H)、1.55(t,3H)。MS(ESI):323.4(M+H)。
【0269】
(実施例55)
3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(ピリジン−4−イルオキシ)ピリジン−2−アミン
【0270】
【化66】

【0271】
実施例54に従って、ピリジン−2−オールの代わりにピリジン−4−オールを用いて、3−エトキシ−N−(6−メチルピリジン−2−イル)−5−(ピリジン−4−イルオキシ)ピリジン−2−アミンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.33(d,1H)、7.90(br s,1H)。7.88(s,1H)、7.60(t,1H)、7.50(d,2H)、6.95(s,1H)、6.82(d,1H)、6.49(d,2H)、4.19(q,2H)、2.49(s,3H)、1.56(t,3H)。MS(ESI)323.2(M+H)。
【0272】
(実施例56〜199)
以下の実施例に記載されている化合物は、上に概略が示されている方法と手順により合成される。有機合成の当業者は、必要とされる化合物を得るために必要なように、これらの方法を修正できるであろう。
【0273】
実施例56〜199は次の構造に基づいている:
【0274】
【表1】










【0275】
(実施例200〜204)
以下の実施例に記載されている化合物は、上に概略が示されている方法と手順により合成される。有機合成の当業者は、必要とされる化合物を得るために必要なように、これらの方法を修正できるであろう。
【0276】
【化67】

【0277】
他の変形および修正(当業者には明らかであろう)は本発明の範囲と教示内にある。本発明は、特許請求の範囲に記載されているもの以外によって制限されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)により表される化合物、あるいは、薬学的に許容されるその塩。
【化1】

式中、Rは、以下から選択され:
1)水素、
2)C1〜10アルキル、
3)C2〜10アルケニル、
4)C2〜10アルキニル、
5)シクロアルキル、
6)ヘテロシクリル、
7)アリール、
8)ヘテロアリール、
−NR
−CO
−OR
−CN、および
ハロゲン、
(ここで、場合によっては、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、Rから選択される1から4個の置換基により置換されており、および場合によっては、アリールおよびへテロアリールは、Rから独立に選択される1から4個の置換基により置換されている);
は以下から選択され:
1)水素、
2)C1〜10アルキル、
3)C2〜10アルケニル、
2〜10アルキニル、
シクロアルキル、
ヘテロシクリル、
アリール、および
ヘテロアリール、
(ここで、場合によっては、アルキル、アルケニルおよびアルキニル、シクロアルキルおよびヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、Rから独立に選択される1から4個の置換基により置換されている);
は以下から選択され:
1)R
2)水素、
−Z−アリール、
−Z−ヘテロアリール、
(ここで、場合によっては、アリールおよびへテロアリールは、Rから独立に選択される1から4個の置換基により置換されており、およびZは、結合、C、O、SもしくはNRである);
は以下から選択され:
1)水素、
2)−OR
3)−NO
4)ハロゲン、
5)−S(O)
6)−SR
7)−S(O)NR
8)−NR
9)−C(O)R
10)−CO
11)−OC(O)R
12)−CN、
13)−C(O)NR
14)−NRC(O)R
15)−OC(O)NR
16)−NRC(O)OR
17)−NRC(O)NR
18)−CR(N−OR)、
19)CF、および
20)−OCF
は以下から選択され:
1)Rから選択される基、
2)C1〜10アルキル、
3)C2〜10アルケニル、
4)C2〜10アルキニル、
5)シクロアルキル、
6)ヘテロシクリル、
7)アリール、および
8)ヘテロアリール、
(ここで、場合によっては、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、へテロアリールは、Rから独立に選択される基から選択される1から4個の置換基により置換されている);
は以下から選択され:
1)水素、
2)アミノ、
3)カルボキシ、
4)シアノ、
5)C1〜4アルキル、
6)C1〜4アルコキシ、
7)アリール、
8)アリールC1〜4アルキル、
9)ヘテロアリール、
10)ヒドロキシ、
11)CF、および
12)アリールオキシ;
およびRは、水素、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニルおよびCから独立に選択され(ここで、場合によっては、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびCは、Rから独立に選択される1から4個の置換基により置換されている);
あるいは、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって、酸素、硫黄および窒素から独立に選択される0〜2個の付加ヘテロ原子を含む4から7員の環を形成し;
は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールから独立に選択され;
mは、1もしくは2であり;
Xは、−NR−、−O−、もしくは、−S−であり;
Yは、結合、−O−、−NR−、もしくは、−S−である。
【請求項2】
がC1〜10アルキル(場合によっては、Rから選択される1から4個の置換基により置換されている)であり、
がC1〜10アルキル(場合によっては、Rから独立に選択される1から4個の置換基により置換されている)であり;
Xが、−NR−であり;および
Yが、−O−である;
請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
以下の表から選択される化合物、または薬学的に許容されるその塩:
【化2】




【請求項4】
次の式により表される化合物、または薬学的に許容されるその塩:
【化3】

式中、Rは以下から選択される:
【化4】






【請求項5】
治療に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項6】
治療に有効な量の請求項2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項7】
治療に有効な量の請求項3に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項8】
治療に有効な量の請求項4に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項9】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、疼痛の治療または予防の方法。
【請求項10】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、急性疼痛、持続性疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛または神経障害性疼痛である疼痛障害の治療または予防の方法。
【請求項11】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、不安、抑うつ、双極性障害、精神病、薬物離脱、タバコ離脱、記憶喪失、認知機能障害、認知症、アルツハイマー病、統合失調症もしくはパニックの治療または予防の方法。
【請求項12】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、パーキンソン病の治療または予防の方法。
【請求項13】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、不安障害の治療または予防の方法。
【請求項14】
前記不安障害が、パニック発作、広場恐怖症もしくは特殊な恐怖症、脅迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、摂食障害、物質誘発性不安障害、または非特異的不安障害である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、神経障害性疼痛の治療または予防の方法。
【請求項16】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、抑うつの治療または予防の方法。
【請求項17】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、癲癇の治療または予防の方法。
【請求項18】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、炎症性疼痛の治療または予防の方法。
【請求項19】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、認知障害の治療または予防の方法。
【請求項20】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、薬物中毒、薬物乱用および薬物離脱の治療または予防の方法。
【請求項21】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、双極性障害の治療または予防の方法。
【請求項22】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、概日リズムおよび睡眠の障害の治療または予防の方法。
【請求項23】
前記概日リズムおよび睡眠の障害が交代勤務誘発睡眠障害もしくは時差ぼけである請求項22に記載の方法。
【請求項24】
治療に有効な量、もしくは予防に有効な量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、肥満の治療または予防の方法。

【公表番号】特表2007−504229(P2007−504229A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525369(P2006−525369)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/027916
【国際公開番号】WO2005/021529
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】