説明

代謝調節型グルタミン酸受容体ポジティブアロステリックモジュレーターの製造方法−874

7−メチル−5−(3−ピペラジン−1−イルメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−2−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンを製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
この発明は、mGluR2ポジティブアロステリックモジュレーターの製造方法に関する。
【0002】
代謝調節型グルタミン酸受容体(metabotropic glutamate receptors)(mGluR)は、グルタメートによって活性化されるGTP結合タンパク質(Gタンパク質)共役型受容体のファミリーを構成しており、神経可塑性、神経発達及び神経変性を含めて、中枢神経系のシナプス活性において重要な役割を果たしている。
【0003】
哺乳類の無傷の神経細胞におけるmGluRが活性化されると、1つ又は複数の次の反応が引き出される:ホスホリパーゼCの活性化;ホスホイノシチド(PI)加水分解の増加;細胞内カルシウムの放出;ホスホリパーゼDの活性化;アデニル酸シクラーゼの活性化また又は阻害;サイクリックアデノシンモノホスフェート(cAMP)形成の増加又は減少;グアニリルシクラーゼの活性化;サイクリックグアノシンモノホスフェート(cGMP)形成の増加;ホスホリパーゼA2の活性化;アラキドン酸放出の増加;並びに電位及びリガンド依存性イオンチャネルの活性の増加又は減少(非特許文献1、2、3、4)。
【0004】
8つのmGluRサブタイプが同定されており、これは一次配列類似性、シグナル伝達リンケージ、及び薬理学的プロフィールに基づいて3つのグループに分類される。グループIは、mGluR1及びmGluR5を含み、これによってホスホリパーゼC及び細胞内カルシウムシグナルの発生が活性化される。グループII(mGluR2及びmGluR3)並びにグループIII(mGluR4、mGluR6、mGluR7、及びmGluR8)のmGluRによって、アデニリルシクラーゼ活性及びサイクリックAMPレベルの阻害が媒介される。レビューには、非特許文献5を参照されたい。
【0005】
mGluRファミリー受容体の活性は、哺乳類のCNSのいくつかの通常経路に関与しており、そして種々の神経及び精神障害の処置のための化合物の重要な標的である。mGluRの活性化は、海馬の長期増強及び小脳の長期抑制の誘発に必要である(非特許文献6、7、8、9)。痛覚及び無痛覚におけるmGluR活性化の役割もまた示されている(非特許文献10、11)。加えて、mGluR活性化は、シナプス伝達、神経細胞の発達、アポトーシスによる神経細胞死、シナプス可塑性、空間学習、嗅覚記憶、心臓活動の中枢制御、歩行、運動制御及び前庭眼反射の制御を含む他の様々な正常なプロセスにおいて調節的な役割を果たすことが示唆されている(非特許文献12、13、14)。
【0006】
mGluRの神経生理学的な役割についての解明における最近の進歩によれば、こうした受容体が急性及び慢性の神経及び精神障害、並びに慢性及び急性疼痛障害の治療における有望な薬物標的として確立されている。mGluRについての生理学的及び病態生理学的重要性のゆえに、mGluR機能をモジュレートすることができる新しい薬物及び化合物のニーズがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Schoepp et al., 1993, Trends Pharmacol. Sci., 14:13
【非特許文献2】Schoepp, 1994, Neurochem. Int., 24:439
【非特許文献3】Pin et al., 1995, Neuropharmacology 34:1
【非特許文献4】Bordi & Ugolini, 1999, Prog. Neurobiol. 59:55
【非特許文献5】Pin et al., 1999, Eur. J. Pharmacol., 375:277-294
【非特許文献6】Bashir et al., 1993, Nature, 363:347
【非特許文献7】Bortolotto et al., 1994, Nature, 368:740
【非特許文献8】Aiba et al., 1994, Cell, 79:365
【非特許文献9】Aiba et al., 1994, Cell, 79:377
【非特許文献10】Meller et al., 1993, Neuroreport, 4: 879
【非特許文献11】Bordi & Ugolini, 1999, Brain Res., 871:223
【非特許文献12】Nakanishi, 1994, Neuron, 13:1031
【非特許文献13】Pin et al., 1995, Neuropharmacology, supra
【非特許文献14】Knopfel et al., 1995, J. Med. Chem., 38:1417
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の説明
本明細書中で述べられているスキーム及びプロセスは、下記構造:
【化1】

を有する、7−メチル−5−(3−ピペラジン−1−イルメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−2−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンの製造を説明している。
【0009】
本明細書中で述べられているプロセスによって製造される化合物が、溶媒和物、例えば、水和物として、並びに非溶媒和物の形で存在しうることは、当技術分野の当業者であれば理解されるところである。更に、この発明は、化合物のこうした溶媒和物の形態をすべて包含することも理解されるであろう。更にまた、この化合物は、本明細書中に述べられているプロセスを修正させ、あるいは改変させることによって製造しうることが当技術分野の当業者であれば理解されるところである。特に、当技術分野の当業者は、例として、溶媒、温度、又は具体的に述べた試薬を変更又は修正させうるということ、そしてこうした変更はこの発明の範囲内にあるということを理解するであろう。
【0010】
化合物の塩もまた、本発明の範囲内にある。一般に、この発明のプロセスによって製造された化合物の製薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知の標準的な手順を用いて得られる。
【0011】
この発明の一実施態様では、この化合物は、その製薬学的に許容される塩又は溶媒和物でありうる。具体的には、製薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、又はp−トルエンスルホン酸塩などの酸付加塩でありうる。
【0012】
本発明は、下記のスキーム及び実施例によって説明され、これによって本発明のプロセスのいくつかの実施態様が述べられている。本明細書中で提供されている合成スキーム及び合成手順は、図解によって提供されており、そして本発明を限定するものとは解釈されるべきではない。この化合物又はその中間体は記載のプロセスを改変することによって製造することができることは当技術分野の当業者にとって明瞭なことである。
【0013】
【化2】

【0014】
【化3】

【0015】
【化4】

【0016】
【化5】

【0017】
定義:
下記の定義は本明細書中、スキーム及び説明中で使用されている:
スキームが提供している注釈をみて必要に応じて照合及び修正されたい。
“PG”−保護基、例えば、BOC基
“BrCH2CN”−ブロモアセトニトリル
“NH2OH”−ヒドロキシルアミン
“iPrMgCl”−イソプロピルマグネシウムクロリド
“NBS”−N−ブロモスクシンイミド
“(PhC(CO)O)2”−過酸化ベンゾイル
“AlMe3”−トリメチルアルミニウム
“Ms2O”−メタンスルホン酸無水物(Methanesulphonyl anhydride)
“NaOPt”−ナトリウムt−アミレート
“ZnCN2“−シアン化亜鉛
“R”−短鎖アルキル基、例えば、エチル
“POCl3”−オキシ塩化リン
“DMF”−ジメチルホルムアミド
“NaBH4”−水素化ホウ素ナトリウム
“SOCl2”−塩化チオニル
“NaOEt”−ナトリウムエトキシド
“TBAF”−テトラブチルアンモニウムフルオリド
“MsOH”−メタンスルホン酸
“rel vol”又は“rel vols”−相対容量(相対ボリューム:Relative volumes)
【0018】
本明細書中で述べられている実施例及びプロセスのすべての場合に、物質、溶媒、容量、温度、及び時間の数量は例示的であり、こうした反応が行なわれうる方法、あるいは本発明の範囲を限定するものと理解されてはならない。物質、溶媒、容量、温度、及び時間の数量の修正は、記載されているプロセスを行なうと共に、そして本明細書中に記載の本発明を実施すると共に、なされうる。
【0019】
実施例1:4−(N−ヒドロキシカルバミミドイルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(A3a)の製造
【化6】

表題化合物はスキームAに従って次のように製造することができる。
ブロモアセトニトリル(1.20mol当量)を、テトラヒドロフラン(3.6rel vols)中のtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(A1a)(1.00mol当量)及びテトラメチルグアニジン(1.45mole当量)の冷却溶液に充填した。この反応が完結したときに、この混合物を暖め、2−メチルテトラヒドロフラン(5.0rel vols)を加え、次いで水(1.50rel vols)で洗浄した。有機溶液を真空蒸留によって濃縮し、その後メタノール(1.10rel vols)を加え、そして混合物を冷却した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.70mol当量)、テトラメチルグアニジン(1.70mol当量)及び水(0.25mol当量)を加え、そして混合物を加熱した。この反応が完結したときに、この混合物に塩化ナトリウム(0.15rel wt)を入れると、2相に分離した。下相を除去し、そして2−メチルテトラヒドロフラン(1.40rel vols)で2回逆抽出した。有機相を集め、これをヘプタン(8.0rel vols)と混和し、冷却し、そしてシーディングした。この混合物を放置し、その後更に冷却し、そして更にヘプタンを入れた。表題化合物(A3a)をろ過によって回収し、冷却した水で1回、ヘプタンで
2回洗浄し、次いで真空下にて乾燥した(69%)。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.46 (s, 9H), 2.42 (m, 4H), 3.00 (s, 2H), 3.43 (m, 4H), 5.10 (s, 2H)。
【0020】
実施例2:4−ブロモ−2,6−ジメチル安息香酸(B2)の製造
【化7】

表題化合物はスキームBに従って次のように製造することができる。
メチル−tert−ブチルエーテル(6.0rel vols)中の5−ブロモ−2−ヨード−1,3−ジメチル−ベンゼン(B1)(1.0mol当量)の溶液を、<0℃を維持しながら、メチル−tert−ブチルエーテル(2.0rel vols)中のイソプロピルマグネシウムクロリド(2.0mol当量)に加えた。炭酸ガスを反応が完結したことが判明するまで加えた。2N 塩酸水溶液(4rel vols)を加えて、反応をクエンチすると、相が分離し、そして水相を捨てた。生成物を1M 水酸化ナトリウム水溶液(6.5rel vols)中に抽出し、次いでメチルtert−ブチルエーテル(4rel vols)で洗浄した。表題化合物(B2)は、2N 塩酸水溶液(4.5rel vols)を加えることによって沈殿し、その後ろ過し、水、次いでヘプタンで洗浄し、乾燥すると、白色結晶性固形物(85%)が生じた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δH 2.28 (6 H, s), 7.35 (2 H, s), 13.30 (1H, s)。
【0021】
実施例3:5−ブロモ−7−メチル−3H−イソベンゾフラン−1−オン(B3)の製造
【化8】

表題化合物はスキームBに従って次のように製造することができる。
クロロベンゼン(10rel vols)中の4−ブロモ−2,6−ジメチル安息香酸(B2)(1.0mol当量)、N−ブロモスクシンイミド(2.5mol当量)、及び過酸化ベンゾイル(0.1mol当量)のスラリーを、反応が完結したことが判明するまで≧70℃に加熱した。40%w/w亜硫酸ナトリウム水溶液(4rel. vol)の溶液を反応混合物に加えると、相分離し、水相を捨てた。有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(6rel vol)で洗浄した。クロロベンゼン相を真空蒸留によって濃縮し(3rel volsまで)、そしてジメチルアセトアミド(2.5rel vols)を加え、その後、この溶液をジメチルアセトアミド(3rel vol)中の水素化ホウ素ナトリウム(1.6mol当量)の混合物に加えた。この混合物を反応が完結したことが判明するまで撹拌した。次いで混合物を水(3.5rel vol)中の36%w/w塩化水素(2.5mol当量)の溶液でクエンチした。真空蒸留によって溶媒を除去すると、表題化合物(B3)が白色結晶性固形物として沈殿し、これをろ過し、そして乾燥した(59%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δH 2.57 (s, 3H), 5.32 (s, 2H), 7.60 (s, 1H), 7.73 (s, 1H)。
【0022】
実施例4:4−ブロモ−2−ヒドロキシメチル−6−メチル−N−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−ベンズアミド(B4)の製造
【化9】

表題化合物はスキームBに従って次のように製造することができる。
4−(トリフルオロメトキシ)−ベンジルアミン(1.2mol当量)を、2−メチルテトラヒドロフラン(10rel vols)中の5−ブロモ−7−メチル−3H−イソベンゾフラン−1−オン(B3)(1.0mol当量)の溶液に加え、そして不活性化処理をした(inerted)。トリメチルアルミニウム(1.2mol当量)を加え、そしてこの結果生じた溶液を反応が完結するまで≧40℃に加熱した。次いで有機溶液を、水(3rel vols)中の酒石酸カリウムナトリウム(1.5mol当量)の冷却した溶液に加え、そして撹拌した。この2相混合物を分離し、そして水相を捨てた。有機相を水(3.33rel vols)で洗浄し、次いでノナン(3rel vols)を加え、そして2−メチルテトラヒドロフランを真空蒸留によって除去すると、(B4)が白色結晶性固形物として結晶化し、これをろ過し、ノナンで洗浄し、そして乾燥した(73.5%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δH 2.19 (s, 3H), 4.44 (dd, 4H, 13.4 Hz, 5.78 Hz), 5.33 (t, 1H, 5.76 Hz), 7.34 (s, 1H), 7.35 (s, 2H), 7.47 (s, 1H), 7.49 (s, 2H), 8.85 (t, 1H, 5.76 Hz)。
【0023】
実施例5:5−ブロモ−7−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン(B5)の製造
【化10】

表題化合物はスキームBに従って次のように製造することができる。
トリエチルアミン(1.4mol当量)を、2−メチルテトラヒドロフラン(5rel vols)中の4−ブロモ−2−ヒドロキシメチル−6−メチル−N−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−ベンズアミド(B4)(1.0mol当量)に加えた。メタンスルホニルクロリド(1.1mol当量)をこの溶液に加え、<5℃に維持した。これを反応が完結したことが判明するまで撹拌した。ナトリウムtert−アミレート(Sodium tert-amylate)(2.5mol当量)を、温度を<5℃に維持しながら加え、そして反応物を反応が完結するまで撹拌した。水(10rel vols)を加えると、この結果、2相の混合物が分離し、水相を捨てた。2.7M 塩酸水溶液(4rel vols)を加えると、相分離し、水相を捨てた。この有機相を濃縮・乾燥し、そしてこの結果生じたワックス状物をヘプタン(4rel vols)中で再結晶した。ろ過し、ヘプタンで洗浄し、乾燥すると、表題化合物(B5)が白色固形物として得られた(77%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δH 2.64 (s, 3H), 4.33 (s, 2H), 4.73 (s, 2H), 7.34 (d, 2H, 8.40Hz), 7.42 (d, 2H, 8.40Hz), 7.47 (s, 1H), 7.59 (s, 1H)。
【0024】
実施例6:7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボニトリル(B6)の製造
【化11】

表題化合物はスキームBに従って次のように製造することができる。
5−ブロモ−7−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン(B5)(1.0mol当量)、シアン化亜鉛(zinc cyanide)(0.6mol当量)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.012mol当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)(0.005mol当量)、ジメチルホルムアミド(5rel vols)、及び水(0.25mol当量)を容器に入れ、窒素で完全に不活性化し、その後反応が完結するまで≧90℃に加熱した。この反応物を冷却し、t−メチルブチルエーテル(13rel vols)を加え、次にろ過した。得られた有機相を8.75%w/w水酸化アンモニウム水溶液(14rel vols)で2回洗浄した。ヘプタン(14rel vols)を加えると、表題化合物(B6)が結晶化した。9:1 ヘプタン/MTBE混合物で洗浄し、そして乾燥すると、表題化合物(B6)が褐色固形物として得られた(40%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δH 2.69 (d, 3H), 4.41 (s, 2H), 4.76 (s, 2H), 7.34 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.86 (s, 1H)。
【0025】
実施例7:7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸(B7)の製造
【化12】

表題化合物はスキームBに従って次のように製造することができる。
7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボニトリル(B6)を、メタノール(10rel vols)及び49%水酸化カリウム水溶液(3.0mol当量)と混和し、そして反応が完結するまで加熱した。この混合物を真空下にて濃縮して、メタノールを除去し、次いで塩酸水溶液で希釈すると、生成物が沈殿し、これを、酢酸イソプロピルで抽出した。有機相を濃縮して溶媒を除去し、次いでヘプタンでトリチュレートし、ろ過し、そして乾燥すると、表題化合物(B7)が得られた(85%)。
1H NMR (400MHz, DMSO) δ: 2.71 (s, 3H), 4.42 (s, 2H), 4.77 (s, 2H), 7.35 (d, 2H, 8.73Hz), 7.43 (d, 2H, 8.73Hz), 7.81 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 13.19 (s, 1H, br)。
【0026】
実施例8a:5−ホルミル−フラン−3−カルボン酸エチルエステル(C2a)の製造
【化13】

表題化合物はスキームCに従って次のように製造することができる。
N,N−ジメチルホルムアミド(4mol当量)中のエチル−3−フロアート(ethyl-3-furoate(C1a)(1mol当量)の溶液に、塩化ホスホリル(4mol当量)を加えた。この結果生じた溶液を反応が完結したとみなされるまで60℃に加熱した。次いでこの反応混合物を水(18rel vols)に溶解した炭酸ナトリウム(8.25mol当量)の溶液に加えた。トルエン(7rel vols)を加えると、相分離した。有機相を大気圧下にて濃縮(4.2rel vols(全量)まで)した。これによって表題化合物(C2a)の22.1%w/wの溶液が、トルエン中の3.5%w/w溶液として得られた(73%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δH 1.37 (3 H, t, 7.2Hz), 4.33 (2 H, q, 7.2Hz), 7.54 (1 H, m), 8.22 (1 H, m) 及び 9.69 (1 H, m)。
【0027】
実施例8b:5−ホルミル−フラン−3−カルボン酸エチルエステル(C2a)の製造
表題化合物はスキームCに従って、フロー反応器(例えば、2トレイン型連続撹拌槽反応器(2-train Continuously Stirred Tank Reactor)(CSTR))を使用することによって製造することができる。
CSTRにエチル−3−フロアート(ethyl-3-furoate(C1a)(1mol当量)、N,N−ジメチルホルムアミド(3.833mol当量)、及び塩化ホスホリル(4.167mol当量)を注ぎ込む。反応温度を105℃で維持し、供給速度を2時間の平均滞留時間(mean residence time)になるように調整した。反応器に残っている溶液を水に溶解した重炭酸カリウム(8.33mol当量)の溶液(3.13L/g(炭酸カリウム))中にクエンチした。トルエン(0.26L/L(水))を加えると、相分離した。有機相を大気圧下にて蒸留によって濃縮(3.2容量まで)した。これによってトルエン中の22.4%w/wの溶液の表題化合物(C2a)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δH 1.37 (3 H, t, 7.2Hz), 4.33 (2 H, q, 7.2Hz), 7.54 (1 H, m), 8.22 (1 H, m) 及び 9.69 (1 H, m)。
【0028】
実施例9:5−[(4−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミノ)−メチル]−フラン−3−カルボン酸エチルエステル・塩酸塩(C3a)の製造
【化14】

表題化合物はスキームCに従って次のように製造することができる。
トルエン中の5−ホルミル−フラン−3−カルボン酸エチルエステル(C2a)(1mol当量)の22.1%w/wの溶液に、4−(トリフルオロメトキシ)−ベンジルアミン(1.1mol当量)を加え、そして反応物を反応が完結するまで撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(1.25mol当量)を加え、この結果生じたスラリーを≧−5℃に冷却した。エタノール(16.0 rel.vol.)を加え、この結果生じた溶液を塩酸水溶液(3.0mol当量)でクエンチすると、表題化合物(C3a)が結晶化した。このスラリーを≧60℃に加熱し、次いで冷却して結晶形を改善した。ろ過し、トルエン、次いで水性エタノールで洗浄すると、表題化合物(C3a)が、結晶性の白色固形物として得られた(85%)。
1H NMR (400MHz, DMSO) δH 1.28 (3 H, t), 4.24 (6 H, m), 6.97 (1 H, d), 7.44 (1 H, d), 7.70 (1 H, d), 8.46 (1 H, d)。
【0029】
実施例10:7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸エチルエステル(C4a)の製造
【化15】

表題化合物はスキームCに従って次のように製造することができる。
クロトノイルクロリド(1.05mol当量)を、周囲温度で5−[(4−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミノ)−メチル]−フラン−3−カルボン酸エチルエステル・塩酸塩(C3a)(1.0mol当量)、ジイソプロピルエチルアミン(2.5mol当量)、及びトルエン(10rel vols)の混合物に加えた。この反応が完結したときに、混合物を水(5rel vols)で洗浄し、濃縮(5rel vols(全量)まで)し、そして>12時間、加熱・還流した。メタンスルホン酸(1.0mol当量)を加え、次いで反応物を、反応が完結したとみなされるまでディーン・スターク(under Dean & Stark)条件下にて加熱・還流した。次いでこの溶液を水酸化ナトリウム水溶液(5rel vols)、次いで水(5rel vols)で洗浄した。ヘプタン(10rel vols)を加え、そしてこの混合物を冷却して、結晶化を生じさせた。混合物をろ過し、そして回収した固形物を乾燥すると、表題化合物(C4a)が白色結晶性固形物として得られた(73%)。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.40 (t, 3H, 7.12Hz), 2.81 (s, 3H), 4.27 (s, 2H), 4.39 (q, 2H, 7.12Hz), 4.78 (s, 2H), 7.18 (d, 2H, 8.60Hz), 7.35 (d, 2H, 8.19Hz), 7.87 (s, 1H), 7.90 (s, 1H)。
【0030】
実施例11:7−メチル−1−オキソ−2−[4−(トリフルオロメトキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸(B7)の製造
【化16】

表題化合物は、次のようにスキームCに従って製造することができる。
7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸エチルエステル(C4a)を、2−プロパノール(4rel vols)及び49%水酸化カリウム水溶液(1.5mol当量)と混和し、そして反応が完結するまで加熱した。36%w/w塩酸水溶液(2.00mol当量)を加え、この反応混合物を周囲温度に冷却し、そして水(5rel vols)を加えた。表題化合物(B7)をろ過によって回収し、そして乾燥した(98%)。
1H NMR (400MHz, DMSO) δ: 2.71 (s, 3H), 4.42 (s, 2H), 4.77 (s, 2H), 7.35 (d, 2H,
8.73Hz), 7.43 (d, 2H, 8.73Hz), 7.81 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 13.19 (s, 1H, br)。
【0031】
実施例12a:4−{5−[7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(D1a)の製造
【化17】

表題化合物はスキームCに従って次のように製造することができる。
4−(N−ヒドロキシカルバミミドイルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(A3a)(1.0mol当量)及び7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸エチルエステル(C4a)(1.0mol当量)を、60℃でアセトニトリル(14rel vols)中で混和した。ナトリウムエトキシド(0.2mols)を20分間にわたって加え、そしてこの反応を60℃で反応が完結するまで持続した。水(10rel vols)を加え、そして混合物を周囲温度に冷却した。表題化合物(D1a)をろ過によって回収し、水で洗浄し、その後乾燥した(84%)。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.46 (9 H, s), 2.58 (4 H, m), 2.84 (3 H, s), 3.50 (4 H, m), 3.79 (2 H, s), 4.33 (2 H, s), 4.81 (2 H, s), 7.20 (2 H, m), 7.36 (2 H, m), 7.99 (1 H, s), 8.04 (1 H, s)。
【0032】
実施例12b:4−{5−[7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(D1a)の製造
表題化合物はスキームCに従って次のように製造することができる。
トルエン(8.0rel vols)中の7−メチル−1−オキソ−2−[4−(トリフルオロメトキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸(B7)(1.00mol当量)のスラリーを加熱し、そして塩化チオニル(1.50mol当量)を加えた。この反応が完結したときに、過剰の塩化チオニル及びトルエンを常圧蒸留によって除去した。この溶液を、2−メチルテトラヒドロフラン(19.0rel vols)中の4−(N−ヒドロキシカルバミミドイルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(A3a)(1.1mol当量)及び炭酸カリウム(1.25mol当量)のスラリーに加えた。テトラヒドロフラン(0.5rel vols)中のテトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0mol当量)を加え、そしてこの内容物を環化が完結するまで加熱した。冷却後、有機相を水で洗浄し、その後蒸留によって濃縮した。メチル−t−ブチルエーテルを加えて、結晶化を誘発した。冷却後、表題化合物(D1a)をろ過によって回収し、メチル−t−ブチルエーテルで洗浄し、そして真空オーブン内で一定の重量になるまで乾燥した。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.46 (9 H, s), 2.58 (4 H, m), 2.84 (3 H, s), 3.50 (4 H, m), 3.79 (2 H, s), 4.33 (2 H, s), 4.81 (2 H, s), 7.20 (2 H, m), 7.36 (2 H, m), 7.99 (1 H, s), 8.04 (1 H, s)。
【0033】
実施例13:メタンスルホン酸塩としての7−メチル−5−(3−ピペラジン−1−イルメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン(D2)の製造
【化18】

表題化合物はスキームDに従って次のように製造することができる。
85℃で、1−ブタノール(250mL)及び水(30mL)の混合物中の4−{5−[7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(D1a)(0.170mol)の溶液に、メタンスルホン酸(0.187mol)を加えた。更に水(10mL)を添加した後、この反応混合物を反応が完結するまで85℃に維持した。この反応混合物を65〜70℃に冷却し、その後、晶折装置に入れてろ過選別を行なった。反応容器及びラインを熱い(80℃)1−ブタノールを用いて(1×200mL)晶折装置中にリンスした。次いでこの結果生じた反応混合物を85℃に維持し、その後1−ブタノール(800mL)を添加し、78℃に冷却し、そして(D2)(0.1g,1%w/w)でシーディングした。次いで反応混合物を15℃に冷却し、そして65〜70℃で2回温度サイクルを行ない、その後ろ過すると、表題化合物(D2)が得られ、これを1−ブタノール(2×200mL)で洗浄し、その後真空下にて乾燥すると、表題化合物が白色固形物(87.38g,収率88.0%)として得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO) δ: 2.36 (3 H, s), 2.81 (4 H, m), 3.15 (4 H, m), 3.91 (2 H, s), 4.46 (2 H, s), 4.78 (2 H, s), 7.37 (2 H, m), 7.45 (2 H, m), 8.00 (1 H, m), 8.12 (1 H, m) 及び 8.59 (1H, br s)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記:
【化1】

の構造を有する、7−メチル−5−(3−ピペラジン−1−イルメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−2−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、又はその酸塩の製造方法であって、
その方法が、
有機溶媒中、塩基の存在下で、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラートをブロモアセトニトリルと反応させ、次いでヒドロキシルアミン又はその酸塩と反応させて、4−(N−ヒドロキシカルバミミドイルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを形成させることと;
エーテル溶媒中の5−ブロモ−2−ヨード−1,3−ジメチル−ベンゼンをグリニャール試薬及び炭酸ガスと反応させて、4−ブロモ−2,6−ジメチル安息香酸を形成させることと;
有機溶媒中、4−ブロモ−2,6−ジメチル安息香酸を、N−ブロモスクシンイミド及びラジカル開始剤と共に加熱し、次いで還元剤を用いて過剰臭素化生成物を還元して、5−ブロモ−7−メチル−3H−イソベンゾフラン−1−オンを形成させることと;
5−ブロモ−7−メチル−3H−イソベンゾフラン−1−オンを、トリメチルアルミニウムを加えた無水溶媒中の4−(トリフルオロメトキシ)−ベンジルアミンと共に加熱し、4−ブロモ−2−ヒドロキシメチル−6−メチル−N−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−ベンズアミドを形成させることと;
有機溶媒中、4−ブロモ−2−ヒドロキシメチル−6−メチル−N−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−ベンズアミドを、メタンスルホニルクロリド及び塩基と反応させて、5−ブロモ−7−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オンを形成させることと;
有機溶媒中、シアン化亜鉛、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン及びトリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウムの存在下で、5−ブロモ−7−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オンを加熱して、7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボニトリルを形成させることと;
溶媒中、7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボニトリルを、水酸化物溶液を用いて加水分解して、7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸を形成させることと;
有機溶媒中の7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸を、塩化チオニル又は別の塩素化剤と反応させ、そして、塩基の存在下で、この生成物をtert−ブチル 4−[(2Z)−2−アミノ−2−ヒドロキシイミノ)エチル]−ピペラジン−1−カルボキシラートと反応させて、4−{5−[7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを形成させることと;及び
溶媒中、酸と加熱することによって4−{5−[7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルからカルボキシル基を除去して、7−メチル−5−(3−ピペラジン−1−イルメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン、又はその酸塩を形成させることを含んでなる、上記方法。
【請求項2】
下記:
【化2】

の構造を有する、7−メチル−5−(3−ピペラジン−1−イルメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−2−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、又はその酸塩の製造方法であって、
その方法が、
有機溶媒中、塩基の存在下で、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラートをブロモアセトニトリルと反応させ、次いでヒドロキシルアミン又はその酸塩と反応させて、4−(N−ヒドロキシカルバミミドイルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを形成させることと;
塩化ホスホリルをジメチルホルムアミド又は別のホルミル化剤と反応させることによって形成されるヴィルスマイヤー試薬(Vilsmeier reagent)を用いてエチル−3−フロアートをホルミル化して、5−ホルミル−フラン−3−カルボン酸エチルエステルを形成させることと;
有機溶媒中の5−ホルミル−フラン−3−カルボン酸エチルエステルを、4−(トリフルオロメトキシ)−ベンジルアミンと反応させ、そしてその生成物を還元して、5−[(4−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミノ)−メチル]−フラン−3−カルボン酸エチルエステル又はその酸塩を形成させることと;
塩基の存在下で、5−[(4−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミノ)−メチル]−フラン−3−カルボン酸エチルエステル又はその酸塩を、クロトノイルクロリドと反応させ、次いで加熱して又は他の条件で、ディールス・アルダートランスフォーメーション(Diels Alder transformation)を生じさせ、次いで該生成物を酸又は塩基で脱水して、7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸エチルエステルを形成させることと;
有機溶媒中、塩基と共に、7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸エチルエステルを、tert−ブチル 4−[(2Z)−2−アミノ−2−ヒドロキシイミノ)エチル]−ピペラジン−1−カルボキシラートと反応させて、4−{5−[7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを形成させることと:及び
有機溶媒中、酸と加熱することによって4−{5−[7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルからカルボキシル基を除去して、7−メチル−5−(3−ピペラジン−1−イルメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン、又はその酸塩を形成させることを含んでなる、上記方法。
【請求項3】
5−ブロモ−7−メチル−3H−イソベンゾフラン−1−オン;
4−ブロモ−2−ヒドロキシメチル−6−メチル−N−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−ベンズアミド;
5−[(4−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミノ)−メチル]−フラン−3−カルボン酸又はそのアルキルエステル、及び
7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸又はそのアルキルエステル
から成る群より選択される化合物。
【請求項4】
5−ブロモ−7−メチル−3H−イソベンゾフラン−1−オン:
【化3】

を製造する方法であって、
その方法が、
エーテル溶媒中の5−ブロモ−2−ヨード−1,3−ジメチル−ベンゼンをグリニャール試薬及び炭酸ガスと反応させて、4−ブロモ−2,6−ジメチル安息香酸を形成させることと、及び
有機溶媒中、4−ブロモ−2,6−ジメチル安息香酸を、N−ブロモスクシンイミド及びラジカル開始剤と共に加熱し、次いで還元剤を用いて過剰臭素化生成物を還元して、5−ブロモ−7−メチル−3H−イソベンゾフラン−1−オンを形成させることを含んでなる、上記方法。
【請求項5】
4−ブロモ−2−ヒドロキシメチル−6−メチル−N−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−ベンズアミド:
【化4】

を製造する方法であって、
その方法が、
有機溶媒中、塩基の存在下で、tert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシラートをブロモアセトニトリルと反応させ、次いでヒドロキシルアミン又はその酸塩と反応させて、4−(N−ヒドロキシカルバミミドイルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを形成させることと;
エーテル溶媒中の5−ブロモ−2−ヨード−1,3−ジメチル−ベンゼンをグリニャール試薬及び炭酸ガスと反応させて、4−ブロモ−2,6−ジメチル安息香酸を形成させることと;
有機溶媒中、4−ブロモ−2,6−ジメチル安息香酸を、N−ブロモスクシンイミド及びラジカル開始剤と共に加熱し、次いで還元剤を用いて過剰臭素化生成物を還元して、5−ブロモ−7−メチル−3H−イソベンゾフラン−1−オンを形成させることと;
5−ブロモ−7−メチル−3H−イソベンゾフラン−1−オンを、トリメチルアルミニウムを加えた無水溶媒中の4−(トリフルオロメトキシ)−ベンジルアミンと共に加熱し、4−ブロモ−2−ヒドロキシメチル−6−メチル−N−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−ベンズアミドを形成させることを含んでなる、
上記方法。
【請求項6】
5−[(4−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミノ)−メチル]−フラン−3−カルボン酸エチルエステル又はその酸塩:
【化5】

を製造する方法であって、
その方法が、
有機溶媒中、塩基の存在下で、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラートをブロモアセトニトリルと反応させ、次いでヒドロキシルアミン又はその酸塩と反応させて、4−(N−ヒドロキシカルバミミドイルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを形成させることと;
塩化ホスホリルをジメチルホルムアミド又は別のホルミル化剤と反応させることによって形成されるヴィルスマイヤー試薬を用いてエチル−3−フロアートをホルミル化して、5−ホルミル−フラン−3−カルボン酸エチルエステルを形成させることと;
有機溶媒中の5−ホルミル−フラン−3−カルボン酸エチルエステルを、4−(トリフルオロメトキシ)−ベンジルアミンと反応させ、そしてその生成物を還元して、5−[(4−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミノ)−メチル]−フラン−3−カルボン酸エチルエステルを形成させることを含んでなる、上記方法。
【請求項7】
7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸エチルエステル:
【化6】

を製造する方法であって、
その方法が、
有機溶媒中、塩基の存在下で、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラートをブロモアセトニトリルと反応させ、次いでヒドロキシルアミン又はその酸塩と反応させて、4−(N−ヒドロキシカルバミミドイルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを形成させることと;
塩化ホスホリルをジメチルホルムアミド又は別のホルミル化剤と反応させることによって形成されるヴィルスマイヤー試薬を用いてエチル−3−フロアートをホルミル化して、5−ホルミル−フラン−3−カルボン酸エチルエステルを形成させることと;
有機溶媒中の5−ホルミル−フラン−3−カルボン酸エチルエステルを、4−(トリフルオロメトキシ)−ベンジルアミンと反応させ、そしてその生成物を還元して、5−[(4−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミノ)−メチル]−フラン−3−カルボン酸エチルエステル又はその酸塩を形成させることと;
塩基の存在下で、5−[(4−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミノ)−メチル]−フラン−3−カルボン酸エチルエステル又はその酸塩を、クロトノイルクロリドと反応させ、次いで加熱して又は他の条件で、ディールス・アルダートランスフォーメーションを生じさせ、次いで該生成物を酸又は塩基で脱水して、7−メチル−1−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸エチルエステルを形成させることを含んでなる、上記方法。

【公表番号】特表2013−516462(P2013−516462A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547983(P2012−547983)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【国際出願番号】PCT/SE2011/050002
【国際公開番号】WO2011/084098
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】