説明

代謝障害を治療するための二環状アリールおよびヘテロアリール化合物

式(I):


(I)
の化合物またはその医薬的に許容される塩は、オピオイド受容体モジュレーター、たとえばμ−オピオイド受容体拮抗剤、中性拮抗剤または逆作用剤であり、とりわけ肥満症を含めた代謝障害の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥満症を含めた代謝障害の治療に有用な、オピオイド受容体モジュレーターである二環状アリールおよびヘテロアリール化合物、たとえばμ−オピオイド受容体拮抗剤を対象とする。
【背景技術】
【0002】
肥満症は、身体サイズに対して過剰な脂肪組織量によって特徴づけられている。臨床的には、体脂肪量は、体重指数(BMI;重量(kg)/身長(m)2)または胴囲によって推定する。個体は、BMIが30より高く、過体重がもたらした医学的結果が確立されている場合に肥満とみなされる。体重の増加、特に腹部体脂肪の結果としての増加が、糖尿病、高血圧、心疾患、ならびに数々の他の健康合併症、たとえば、関節炎、脳卒中、胆嚢疾患、筋肉や呼吸器の問題、背痛およびさらには特定の癌の危険性の増加に関連していることは、ここしばらくの間認められている医学的見解である。
【0003】
肥満症を治療するための薬理学的手法は、主に、エネルギーの摂取と消費のバランスを変化させることによって脂肪量を減少させることに関するものである。多くの研究により、脂肪症とエネルギー恒常性の制御に関与している脳の回路網との間に関連性が明確に確立されている。直接および間接的な証拠により、セロトニン作動性、ドーパミン作動性、アドレナリン作動性、コリン作動性、内在性カンナビノイド、オピオイド、およびヒスタミン作動性の経路、ならびに多くの神経ペプチド経路(たとえば、神経ペプチドYおよびメラノコルチン)がエネルギーの摂取および消費の中央制御と関係していることが示唆されている。また、視床下部中枢も、体重の維持および脂肪症の度合に関与している末梢ホルモン、たとえば、インスリンおよびレプチン、ならびに脂肪組織由来ペプチドを感知することができる。
【0004】
新規抗肥満剤、特に良好な耐容性を示し、有害作用が少ないものの必要性が引き続き存在する。
【0005】
μ−、κ−およびδ−オピオイド受容体はいくつかの病状に関連づけられており、その調節が治療行為の潜在的な標的である。
【0006】
オピオイド受容体、特にμ−オピオイド受容体の拮抗剤は、肥満症の動物モデルにおいて体重を減少させることが示されている(J. Zhang et al、European Journal of Pharmacology、454 (2006) 147-152)。
【0007】
したがって、オピオイド受容体の拮抗剤は、肥満症および関連する障害、ならびに物質乱用、アルコール乱用、強迫性賭博、鬱病、アヘン剤過量、敗血症性ショック、過敏性腸症候群、嘔気、嘔吐および脳卒中を含めた他の疾患または障害の治療に有用であると示唆されている。
【0008】
国際特許出願WO2004/026305号およびWO2004/080968号は、オピオイド受容体拮抗剤としてのジアリールエーテルを記載している。
【0009】
オピオイド受容体に関連する疾患、たとえば肥満症を治療するためのさらなるオピオイド受容体モジュレーターを提供する必要性が依然として存在する。
【0010】
(発明の概要)
式(I)の化合物:
【化1】

(I)
またはその医薬的に許容される塩は、オピオイド受容体モジュレーター、たとえばμ−オピオイド受容体拮抗剤、中性拮抗剤または逆作用剤であり、とりわけ肥満症を含めた代謝障害の治療に有用である。
【0011】
(発明の詳細な説明)
本発明は、式(I)の化合物を対象とする:
【化2】

(I)
[式中、XおよびX1は、独立して、CHまたはNであり、ただし、XおよびX1は両方がNではなく、XがCHである場合、HをR4基によって置き換えてもよいか、または、X1がCHである場合、HをR4基もしくは−CONH2置換基によって置き換えてもよく;
Aは、
【化3】

から選択され、
Aは、ニトリル、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、ハロ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、−C(O)C1〜C3アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよび−C1〜C3アルキルC3〜C8シクロアルキルから選択される1〜3個の基で適宜置換されており;
Rは、水素、C1〜C6アルキルまたは−C2〜C3アルキルOC1〜C3アルキルであり;
1は、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル、−C1〜C6アルキルアリール、C3〜C10シクロアルキル、−C1〜C6アルキルC3〜C10シクロアルキル、C3〜C9ヘテロシクリル、−C2〜C6アルキル−O−C3〜C9ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC3〜C9ヘテロシクリル、−C2〜C6アルキル−O−C3〜C10シクロアルキル、−C2〜C6アルキル−O−C5〜C10ヘテロアリール、−C1〜C6アルキルC5〜C10ヘテロアリール、−C1〜C6アルキルC(O)C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルC(O)C3〜C9ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC(O)アリール、−C2〜C6アルキル−O−アリール、−C2〜C6アルキル−O−C1〜C6アルキル、−C2〜C6アルキルNR67、−(CH2mC(O)NR67および−(CH2mNSO25であり;アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびアリール基のそれぞれは、ハロ、ニトリル、C1〜C6ハロアルキル、−S(O)n1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、−C1〜C6アルキルアリール、−C(O)C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、−O−C1〜C6ハロアルキルおよびヒドロキシから選択される1〜3個の基で適宜置換されているか;
または、RとR1とは、それらが結合しているN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい4〜7員のヘテロ環を形成してもよく、このヘテロ環は、NR89、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、ヒドロキシ、ハロ、−C1〜C6アルキルアリール、−C1〜C6アルコキシ、−C1〜C6アルコキシアリール、アリールオキシ、−C(O)C1〜C6アルキル、オキソ、C1〜C6ハロアルキルおよび−O−(CH22−O−から選択される1〜5個の基によって置換されていてもよく、任意のアリール基は、1〜3個のハロ基で適宜置換されており;
2およびR3は、独立して、水素またはC1〜C3アルキルであり;
4は、水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、ハロ、C1〜C3ハロアルキル、−C(O)C1〜C3アルキル、−C1〜C3アルキルC3〜C8シクロアルキルまたはC1〜C3ハロアルコキシであり;
5は、C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルアリールまたは−C1〜C6アルキル−O−C1〜C6アルキルであり;
6およびR7は、独立して、水素、C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルアリール、C3〜C8シクロアルキル、−C1〜C6アルキルC5〜C10ヘテロアリール、−C1〜C6アルキルC3〜C7ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC(O)C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルC(O)C3〜C7ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC(O)アリール、−C1〜C6アルキル−O−アリール、−C2〜C6アルキル−O−C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルC3〜C9シクロアルキルであり;アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびアリール基のそれぞれは、ハロ、C1〜C6ハロアルキル、−S(O)n1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、−C1〜C6アルキルアリール、−C(O)C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシおよびC1〜C6ハロアルコキシから選択される1〜3個の基で適宜置換されているか;
または、R6とR7とは、それらが結合しているN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい4〜7員のヘテロ環を形成してもよく、このヘテロ環は、NR89、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、ヒドロキシ、ハロ、−C1〜C6アルキルアリール、−C(O)C1〜C6アルキル、オキソおよびC1〜C6ハロアルキルから選択される1〜3個の基によって置換されていてもよく;
8およびR9は、独立して、水素またはC1〜C6アルキルであり;
nは、0、1、または2であり;
mは、1、2または3であり;
ただし、−CONH2置換基は、フェニル環またはピリジル環上の−O−基に対してオルトではない]。
【0012】
式(I)の化合物中で、−CONH2置換基は、好ましくは、フェニル環またはピリジル環上の−O−基に対してパラである。
【0013】
A基がヘテロ原子を含む場合、これは、2つの可能な立体配置で、分子の残りの部分との結合点によって連結し、位置異性体を形成してもよく、したがって、たとえば、式(I)の化合物には、以下に示す位置異性体が包含されることを理解されよう。
【化4】

【0014】
Aは、好ましくは、
【化5】

から選択される、
【0015】
Aは、より好ましくは、
【化6】

から選択される。
【0016】
言及し得る特定のA基は、
【化7】

である。
【0017】
Rは、好ましくは、水素またはC1〜C3アルキルである。
【0018】
言及し得る特定のR1基は、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル、−C1〜C6アルキルアリール、C3〜C10シクロアルキル、−C1〜C6アルキルC3〜C10シクロアルキル、C3〜C7ヘテロシクリル、−C2〜C6アルキル−O−C3〜C7ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC3〜C7ヘテロシクリル、−C2〜C6アルキル−O−C3〜C10シクロアルキル、−C2〜C6アルキル−O−C5〜C10ヘテロアリール、−C1〜C6アルキルC5〜C10ヘテロアリール、−C1〜C6アルキルC(O)C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルC(O)C3〜C7ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC(O)アリール、−C2〜C6アルキル−O−アリール、−C2〜C6アルキル−O−C1〜C6アルキル、−C2〜C6アルキルNR67、−(CH2mC(O)NR67および−(CH2mNSO25であり;アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびアリール基のそれぞれは、ハロ、ニトリル、C1〜C6ハロアルキル、−S(O)n1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、−C1〜C6アルキルアリール、−C(O)C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、−O−C1〜C6ハロアルキルおよびヒドロキシから選択される1〜3個の基で適宜置換されており;
1は、好ましくは、C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルアリール、C3〜C10シクロアルキル、−C1〜C6アルキルC3〜C10シクロアルキル、C3〜C7ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC3〜C7ヘテロシクリルまたは−C1〜C6アルキルC5〜C10ヘテロアリールであり;アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびアリール基のそれぞれは、上述の1個または2個の基で適宜置換されている。
【0019】
1は、より好ましくは、C1〜C6アルキルまたはC3〜C10シクロアルキルである。
【0020】
化合物のさらに好ましい基は、RとR1とが、それらが結合しているN原子と一緒になって、4〜7員のヘテロ環を形成しているものであり、このヘテロ環は、NR89、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、ヒドロキシ、ハロ、−C1〜C6アルキルアリール、−C1〜C6アルコキシ、−C1〜C6アルコキシアリール、アリールオキシ、−C(O)C1〜C6アルキル、オキソおよびC1〜C6ハロアルキルから選択される1〜3個の基によって置換されていてもよく、任意のアリール基は、1〜3個のハロ基で適宜置換されている。
【0021】
RとR1とが、それらが結合しているN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい4〜7員のヘテロ環を形成する場合、前記環を置換し得る置換基の特定の群は、NR89、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、ヒドロキシ、ハロ、−C1〜C6アルキルアリール、−C(O)C1〜C6アルキル、オキソおよびC1〜C6ハロアルキルから選択される1〜3個の基である。
【0022】
2およびR3のうちの少なくとも1つは、好ましくは水素であり、より好ましくは、R2およびR3はどちらも水素である。
【0023】
4は、好ましくは、水素またはフルオロ、たとえば水素である。
【0024】
4は、好ましくは、フェニル環またはピリジル環上の−O−基に対してパラである。
【0025】
1は、好ましくはCHである。
【0026】
Xは、好ましくは、CH、NまたはCF、たとえば、NまたはCFである。
【0027】
式(I)の化合物の分子量は、好ましくは800未満、より好ましくは600未満、さらにより好ましくは500未満である。
【0028】
それぞれの変数の好ましい基を、それぞれの変数について一般に別々に上述したが、本発明の好ましい化合物には、式(I)中のいくつかのまたはそれぞれの変数が、それぞれの変数の好ましい基から選択されるものが含まれる。したがって、本発明には、好ましい記載した基のすべての組合せが含まれることを意図する。
【0029】
言及し得る本発明の具体的な化合物は、実施例中に遊離塩基またはその医薬的に許容される塩として含まれるものである。
【0030】
別段に記述しない限りは、本明細書中で使用する「アルキル」および接頭辞「アルク」を有する他の基、たとえば、アルコキシ、アルケニル、アルキニルなどとは、直鎖状もしくは分枝鎖状またはその組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなどが含まれる。「アルケニル」、「アルキニル」および他の同様の用語には、少なくとも1つの不飽和の炭素−炭素結合を有する炭素鎖が含まれる。
【0031】
用語「ハロアルキル」には、1つまたは複数のハロ、たとえばフルオロ原子によって置換されたアルキル基、たとえば、CH2F、CHF2およびCF3が含まれる。
【0032】
用語「ハロ」には、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子が含まれる。
【0033】
用語「シクロアルキル」とは、ヘテロ原子を含まない炭素環を意味し、単環の一、二、および三環状の飽和炭素環、ならびに縮合および架橋系が含まれる。そのような縮合環系には、部分的にまたは完全に不飽和である1つの環、たとえばベンゼン環が含まれて、縮合環系、たとえばベンゾ縮合炭素環を形成することができる。シクロアルキルには、スピロ縮合環系などの縮合環系が含まれる。シクロアルキルおよび環状炭素の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびデカヒドロナフチル、アダマンチル、インダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルなどが含まれる。
【0034】
用語「アリール」には、フェニルおよびナフチル、特にフェニルが含まれる。
【0035】
用語「ヘテロシクリル」には、酸素、硫黄、および窒素から選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含む、3〜9員、たとえば3〜7員の、飽和の単環および二環状(スピロ縮合を含む)の環が含まれる。ヘテロ原子は互いと直接結合していない。ヘテロ環の例には、単環、たとえば、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オキセパン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、チエパン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、[1,3]ジオキサン、オキサゾリジン、ピペラジンなどが含まれる。ヘテロ環の他の例には、硫黄含有環の酸化型が含まれる。したがって、テトラヒドロチオフェン1−オキシド、テトラヒドロチオフェン1,1−ジオキシド、テトラヒドロチオピラン1−オキシド、およびテトラヒドロチオピラン1,1−ジオキシドもヘテロ環であるとみなされる。
【0036】
用語「ヘテロアリール」には、N、OおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を含む、一および二環状の5〜10員、たとえば単環の5または6員のヘテロアリール環が含まれる。そのようなヘテロアリール環の例は、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびトリアジニルである。二環状のヘテロアリール基には、5または6員のヘテロアリール環が縮合してフェニルまたは別の芳香族ヘテロ環式基となっている、二環状の芳香族ヘテロ環式基が含まれる。そのような二環状の芳香族ヘテロ環の例は、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリンおよびプリンである。
【0037】
本明細書中に記載した化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含んでいてよく、したがって、鏡像異性体、ジアステレオマーおよび光学異性体を生じ得る。本発明には、すべてのそのような可能な鏡像異性体、ジアステレオマーおよびそのラセミ混合物、その実質的に純粋な分割された鏡像異性体、すべての可能な幾何異性体、ならびにその医薬的に許容される塩が含まれる。上記式(I)は、特定の位置の明確な立体化学なしで示している。本発明には、式(I)のすべての立体異性体およびその医薬的に許容される塩が含まれる。さらに、立体異性体の混合物および単離した特定の立体異性体も含まれる。そのような化合物を調製するために使用する合成手順の過程中、または当業者に知られているラセミ化もしくはエピマー化手順を使用する際に、そのような手順の生成物は、立体異性体の混合物であることができる。
【0038】
式(I)の化合物の互変異性体が存在する場合、そうでないと具体的に描くまたは記述した場合以外は、本発明には、任意の可能な互変異性体およびその医薬的に許容される塩、ならびにその混合物が含まれる。
【0039】
式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩が溶媒和物の形態または多型体で存在する場合、本発明には、任意の可能な溶媒和物および多型体が含まれる。溶媒和物を形成する溶媒の種類は、溶媒が薬理学的に許容される限りは、特に限定されない。たとえば、水、エタノール、プロパノール、アセトンなどを使用することができる。
【0040】
用語「製薬上許容される塩」とは、製薬上許容される無毒性の塩基または酸から調製した塩をいう。本発明の化合物が酸性である場合、その対応する塩は、無機塩基および有機塩基を含めた製薬上許容される無毒性の塩基から、好都合に調製することができる。そのような無機塩基に由来する塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(二価および一価)、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩が含まれる。特に好ましいのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウムの塩である。製薬上許容される有機の無毒性の塩基に由来する塩には、第一級、第二級、および第三級アミン、ならびに環状アミンおよび置換アミン、たとえば天然に存在するおよび合成の置換アミンの塩が含まれる。それから塩を形成することができる他の製薬上許容される有機の無毒性の塩基には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N’,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが含まれる。
【0041】
本発明の化合物が塩基性である場合、その対応する塩は、無機および有機酸を含めた製薬上許容される無毒性の酸から、好都合に調製することができる。そのような酸には、たとえば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、シュウ酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが含まれる。
【0042】
式(I)の化合物は医薬的使用を意図するため、これは、好ましくは、実質的に純粋な形態、たとえば少なくとも60%純粋、より適切には少なくとも75%純粋、特に少なくとも95%または98%純粋な形態で提供する(%は重量に対する重量を基準とする)。
【0043】
式(I)の化合物は、以下に記載のように調製することができる。
【0044】
式(I)の化合物は、スキーム1に例示した方法を用いて調製することができる:
【化8】

【0045】
式(II、X2=F、Cl、XまたはX1=N)のピリジルハロゲン化物は、容易に入手可能である。式(III、R2=Hまたはアルキル)のヒドロキシアルデヒド/ケトンは、容易に入手可能であるか、既知の方法によって合成されるか、またはスキーム4、7、9、11、12および13に示す方法によって合成することができる。式(II)のピリジルハロゲン化物を、式(III)のヒドロキシカルボニルと、炭酸カリウムなどの塩基を用いて、DMFなどの溶媒中で反応させることで、式(IV)のピリジルアルデヒド/ケトンを得ることができる。式(IV)のアルデヒドまたはケトンを、アミンおよび水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を用いて、メタノールなどの溶媒中で還元性アミノ化を行うことで、式(I)の化合物が得られる。
【0046】
アミドの代わりに、既知の方法によって後に第一級アミドに変換し得る代替基、たとえばニトリルを用い得る。
【0047】
式(VIII)の化合物は、スキーム2に例示した方法を用いて調製することができる:
【化9】

【0048】
式(V、X1=NまたはC)のヒドロキシアミドは容易に入手可能であり、式(VI、Aは、1,4−置換のイソキノリン、1,5−置換のイソキノリンまたは4,8−置換のキノリンであり、X2=Hal、R2=Hまたはアルキル)のハロゲン化アルデヒド/ケトン、たとえば1−クロロ−イソキノリン−4−カルボアルデヒドは、既知の方法(WO01/53274)、または他の異性体からスキーム8および10に例示した方法によって調製することができる。式(V)のヒドロキシアミドを、式(VI)のアルデヒド/ケトンと、炭酸カリウムなどの塩基を用いて、DMFなどの溶媒中で反応させることで、式(VII)のアミドが得られる。上述のように式(VII)のアミドの還元性アミノ化を行うことで、式(VIII)の化合物がもたらされる。
【0049】
式XVIの化合物は、スキーム3に例示した方法を用いて調製することができる:
【化10】

【0050】
式(IX)のヨードナフタレン(J. A. O’Meara et al.、J. Med. Chem.、2005、48、5580-5588)を、フェロシアン化カリウムなどのシアニド源、酢酸パラジウムなどの触媒および炭酸ナトリウムなどの塩基を用いて、ジメチルアセトアミドなどの溶媒中で処理することで、式(X)のシアノナフタレンが得られる。式(X)のシアノナフタレンを水素化アルミニウムリチウムなどの還元剤で処理することで、式(XI)のナフチルアミンが得られ、これを、アルデヒドおよび水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤と、メタノールなどの溶媒中で反応させることで、式(XII)のナフチルアミンが得られる。式(XII)のメトキシナフチルアミンを、三臭化ホウ素などのルイス酸と、ジクロロメタンなどの溶媒中で反応させることで、メチルが除去されて、式(XIII)のヒドロキシナフチルアミンが得られる。式(XIII)のヒドロキシナフチルアミンを、ハロゲン化ピリジン、たとえば式(XIV)の6−クロロニコチノニトリル、炭酸カリウムなどの塩基と、DMFなどの溶媒中で反応させることで、式(XV)のニトリルアミンが得られる。式(XV)のニトリルを、たとえば過酸化水素および炭酸カリウムを用いて、DMSOなどの溶媒中で加水分解することで、式(XVI)の化合物が得られる。
【化11】

【0051】
式(XVII、ただしR5およびR6が芳香環を形成する)のフェノール化合物を、ライマー−ティーマン反応を用いてホルミル化することができ、たとえば、クロロホルムおよび水酸化ナトリウムを用いて、エタノール/水などの溶媒で処理することで、式(XVIII)の所望のアルデヒドが得られる。あるいは、式(XIX、R7=HまたはMe、ただしR5およびR6が芳香環を形成する)のフェノールまたはメトキシ化合物を、ジメチルホルムアミドおよびオキシ塩化リンを用いて、DCMなどの溶媒中で処理する、ビルスマイヤー方法により、式(XX、R8=H)のアルデヒドが得られる。式(XXII、R7=HまたはMe)のフェノールまたはメトキシ化合物の、たとえば塩化アシルおよび塩化アルミニウムなどのルイス酸を用いた、ジクロロエタンなどの溶媒中でのフリーデル−クラフツ反応により、式(XX、R8=アルキル)のケトンが得られる。続いてメトキシ基を除去することで、既知の方法によってフェノールを得ることができる。
【0052】
式(XVII、ただしR5およびR6が芳香環を形成する)のフェノール化合物を、たとえばホルムアルデヒドおよび硫酸を用いて、アセトニトリル中でヒドロキシメチル化し、その後、既知の方法を用いて酸化することで、式(XVIII)のアルデヒドとすることができる。
【0053】
式(XXVI)の化合物は、スキーム5に例示した方法を用いて調製することができる:
【化12】

【0054】
式(XXI)のクロロヒドロキシイソキノリンを、ハロゲン化ピリジン、たとえば6−クロロニコチノニトリル(XIV)、炭酸カリウムなどの塩基と、DMFなどの溶媒中で反応させることで、式(XXII)のクロロニトリルを得ることができる。式(XXII)のクロロニトリルを、トリメチルボロキシンで、炭酸カリウムなどの塩基およびパラジウムテトラキストリフェニルホスフィンなどの触媒を用いて、DMFなどの溶媒中で処理することで、式(XXIII)のメチルニトリルを得ることができる。式(XXIII)のニトリルを、たとえば過酸化水素および炭酸カリウムを用いて、DMSOなどの溶媒中で加水分解することで、式(XXIV)のメチルアミドが得られる。式(XXIV)のメチルアミドを、たとえば二酸化セレンを用いて、ジオキサンなどの溶媒中で酸化することで、式(XXV)のアミドアルデヒドが得られる。以前に言及した条件下で式(XXV)のアミドアルデヒドの還元性アミノ化を行うことで、式(XXVI)の化合物が得られる。
【0055】
式(I)の化合物はまた、スキーム6に例示した方法を用いて調製することもできる:
【化13】

【0056】
式(XXVII、R2=アルキル、R7=Me)のケトンを、臭化アルキルマグネシウムなどの有機金属試薬を用いて、THFなどの溶媒中で処理することで、式(XXVIII)のアルコールを得ることができる。式(XXVIII)のアルコールを、塩化チオニルなどの試薬によって、DCMなどの溶媒中で塩素化することで、式(XXIX)の塩化物を得ることができ、その後、これを、所望のアミンを用いて、DCMなどの溶媒およびトリエチルアミンなどの塩基中で処理することで、式(XXX)のベンジルアミンを得ることができる。その後、式(XXX、R7=Me)のベンジルアミンを、三臭化ホウ素などのルイス酸を用いて、DCMなどの溶媒中で脱保護することで、式(XXX、R7=H)のベンジルアミンを得ることができる。式(XXX、R7=H)のベンジルアミンを、式(XXXI)のハロゲン化ニトリル、炭酸カリウムなどの塩基と、DMFなどの溶媒中で反応させることで、式(XXXII)のニトリルアミンが得られる。式(XXXII)のニトリルを、たとえば過酸化水素および炭酸カリウムを用いて、DMSOなどの溶媒中で加水分解することで、式(I)の化合物が得られる。
【化14】

【0057】
式(XXXIII)のアニリンは容易に入手可能であり、メチルビニルケトンを用いた、たとえばHClなどの酸の存在下のマイケル反応を受けさせることで、式(XXXIV)の第二級アニリンを得ることができる。式(XXXIV)のアニリンを、ポリリン酸などの酸性条件下で環化することで、式(XXXV)のメチルキノリンを得ることができる。式(XXXV)のメチルキノリンを、酸化剤、たとえば二酸化セレンを用いて、ジオキサンなどの溶媒中で処理することで、式(XXXVI)のアルデヒドを得ることができる。その後、式(XXXVI)のアルデヒドを、以前に言及したように脱メチル化することで、ヒドロキシアルデヒドを得ることができる。
【化15】

【0058】
式(XXXVI)のアニリンは容易に入手可能であり、アクロレインを用いた、たとえばHClなどの酸の存在下のマイケル反応を受けさせることで、式(XXXVIII)の第二級アニリンを得ることができる。式(XXXVIII)のアニリンを、ポリリン酸などの酸性条件下で環化することで、式(XXXIX)のキノリンを得ることができる。式(XXXIX)のアニリンを、m−クロロ過安息香酸を用いて、DCMなどの溶媒中で処理することで、式(XXXX)のN−オキシドが得られ、これをオキシ塩化リンで処理することで、式(XXXXI)のクロロキノリンを得ることができる。式(XXXXI)のクロロキノリン中のニトリル基を、たとえば水素化アルミニウムリチウムを用いて、THFなどの溶媒中で還元することでベンジルアミンが得られるか、または、水素化ジイソブチルアルミニウムを用いて、トルエン中で還元することでアルデヒドが得られ、その後、これを、以前に言及した化学によって式(I)の化合物に変換することができる。
【化16】

【0059】
式(XXXXII)のアルデヒドは容易に入手可能であり、2,2−ジメトキシエチルアミンなどのアミンおよびナトリウムトリアセトキシボロヒドリドなどの還元剤を用いて、DCMなどの溶媒中で処理することで、式(XXXXIII)の第二級アミンを得ることができる。式(XXXXIII)の第二級アミンを、塩化p−トルエンスルホニル、トリエチルアミンなどの塩基と、DCMなどの溶媒中で反応させることで、式(XXXXIV)のスルホンアミドを得ることができる。スルホンアミドをポリリン酸などの酸条件下で処理することで、式(XXXXV)のキノリンおよび望ましくない異性体が得られる。式(XXXXV)のキノリンを、m−クロロペルベンゾイックを用いて、DCMなどの溶媒中で処理することで、式(XXXXVI)のN−オキシドを得ることができる。式(XXXXVI)のN−オキシドを、ホスホロシアン酸ジエチルを用いて、アセトニトリルなどの溶媒中で処理することで、式(XXXXVII)のニトリルを得ることができる。式(XXXXVIII)のニトリルを、以前に記載したようにベンジルアミンまたはアルデヒドに変換することができる。
【化17】

【0060】
式(XXXXVIII)のフェネチルアミンは市販されており、メチルクロロホルメートなどのクロロホルメートおよびトリエチルアミンなどの塩基を用いて、DCMなどの溶媒中で処理することで、式(XXXXIX)のカルバメートを得ることができる。式(XXXXIX)のカルバメートは、ポリリン酸などの酸で処理した際に、環化することで、式(L)の環状アミドが得られる。式(L)の環状アミドを、たとえば2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを用いて、DCMなどの溶媒中で酸化することで、式(LI)のブロモイソキノリノンを得ることができる。式(LI)のブロモイソキノリノンを、シアン化亜鉛、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィンなどのパラジウム触媒を用いて、DMFなどの溶媒中で処理することで、式(LII)のニトリルを得ることができる。式(LII)のニトリルを、オキシ塩化リンなどの塩素化剤で処理することで、式(LIII)のクロロキノリンを得ることができ、これを、以前に記載したようにさらに操作することができる。
【化18】

【0061】
式(LIV)のアルデヒドは容易に入手可能であり、2,2−ジメトキシエチルアミンなどのアミンおよびナトリウムトリアセトキシボロヒドリドなどの還元剤を用いて、DCMなどの溶媒中で処理することで、式(LV)の第二級アミンを得ることができる。式(LV)の第二級アミンを、塩化p−トルエンスルホニル、トリエチルアミンなどの塩基と、DCMなどの溶媒中で反応させることで、式(LVI)のスルホンアミドを得ることができる。式(LVI)のスルホンアミドをポリリン酸などの酸条件下で処理することで、式(LVII)のキノリンが得られ、これを、以前に記載したように操作することができる。
【化19】

【0062】
式(LVIII)のアルデヒドは容易に入手可能であり、グリシン誘導体およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリドなどの還元剤を用いて、DCMなどの溶媒中で処理することで、式(LIX)の第二級アミンを得ることができる。式(LIX)の第二級アミンを、塩化p−トルエンスルホニル、トリエチルアミンなどの塩基と、DCMなどの溶媒中で反応させることで、式(LX)のスルホンアミドを得ることができる。式(LX)のスルホンアミドをポリリン酸などの酸条件下で処理することで、式(LX)のキノリンが得られる。式(LX)のキノリンを、トリフルオロメタンスルホン酸無水物などのトリフレート化剤、トリエチルアミンなどの塩基を用いて、DCMなどの溶媒中で処理することで、式(LXII)のトリフレートを得ることができる。式(LXII)のトリフレートを、シアン化亜鉛、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィンなどのパラジウム触媒を用いて、DMFなどの溶媒中で処理することで、式(LXIII)のニトリルが得られる。式(LXIII)のニトリルを、以前に記載したように操作することができる。
【化20】

【0063】
式(LXIVおよびLXV、ただし、X=N、OまたはSおよびR=アルキルまたはH)のアルデヒドは知られている。式(LXI、R=Me、X=NおよびR1=H)の化合物は知られており、式(LXI、R=Me、X=OまたはSおよびR1=H)の化合物は、周知の試薬を用いた、式(LXI、R=Me、X=OまたはSおよびR1=OMe)の既知の化合物の還元および続く酸化によって得ることができる。
【0064】
式(LXX)の化合物はまた、スキーム14に例示した方法を用いて調製することもできる:
【化21】

【0065】
式(LXVII、X=N、CHまたはC、X1=CHまたはC、およびX2=F、Cl)のハロニトリルは容易に入手可能であり、式(III)のヒドロキシカルボニルと、炭酸カリウムなどの塩基を用いて、DMFなどの溶媒中で反応させることで、式(LXVIII)のアルデヒド/ケトンを得ることができる。式(LXVIII)のニトリルアルデヒド/ケトンを、たとえば過酸化水素および炭酸カリウムを用いて、DMSOなどの溶媒中で加水分解することで、式(LXIX)のアミドを得ることができる。式(LXIX)のアミドを、以前に記載のようにアミンを用いて還元性アミノ化を行うことで、式(LXX)の化合物が得られる。加水分解および還元性アミノ化の反応は、逆の順序で実施することもできる。
【0066】
式(I)の化合物の調製に関するさらなる詳細は、実施例で述べる。
【0067】
式(I)の化合物は、単独で、または少なくとも2、たとえば5〜1,000個の化合物、より好ましくは10〜100個の式(I)の化合物を含む化合物ライブラリとして調製し得る。化合物ライブラリは、溶液または固相化学のどちらかを用いて、当業者に知られている手順を用いて、コンビナトリアル「スプリットアンドミックス」手法によって、または複数の平行合成によって調製し得る。
【0068】
式(I)の化合物の合成中、中間体化合物中の不安定な官能基、たとえば、ヒドロキシ、カルボキシおよびアミノ基を保護し得る。保護基は、式(I)の化合物の合成中の任意の段階で除去してもよく、または、式(I)の最終化合物上に存在していてもよい。様々な不安定な官能基を保護し得る方法および生じた保護誘導体を切断する方法の包括的な記述は、たとえば、Protective Groups in Organic Chemistry、T.W. Greene and P.G.M. Wuts、(1991) Wiley-Interscience、New York、第2版に示されている。
【0069】
式(II)の化合物などの、上記定義した任意の新規中間体も、本発明の範囲内に含まれる。
【0070】
式(I)の化合物について上述した優先度は、任意の中間体化合物にも適用される。
【0071】
上述のように、式(I)の化合物は、たとえば肥満症を治療するための、オピオイド受容体モジュレーターとして有用である。そのような使用のためには、式(I)の化合物は、一般に、医薬組成物の形態で投与する。
【0072】
本発明にはまた、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物も包含される。
【0073】
好ましくは、組成物は、医薬的に許容される担体と、無毒性の治療上有効な量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩とからなる。
【0074】
さらに、本発明はまた、医薬的に許容される担体と、無毒性の治療上有効な量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩とを含む、オピオイド受容体を調節することによって疾患を治療するため、たとえば肥満症の治療をもたらすための、医薬組成物も提供する。
【0075】
医薬組成物は、所望により、他の治療的成分またはアジュバントを含み得る。組成物には、経口、直腸、局所的、ならびに非経口(皮下、筋肉内、および静脈内を含む)の投与に適した組成物が含まれるが、任意の場合における最適な経路は、具体的な宿主、ならびに活性成分を投与する状態の性質および重篤度に依存する。医薬組成物は、単位剤形で好都合に提示し、製薬分野で周知の方法のうちの任意のものによって調製し得る。
【0076】
実際には、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、活性成分として、製薬担体と密に混ざった混合物中で、慣用の製薬配合技術に従って合わせることができる。担体は、投与、たとえば経口または非経口(静脈内を含む)に所望される調製物の形態に応じて、様々な形態をとり得る。
【0077】
したがって、医薬組成物は、それぞれが事前に決定した量の活性成分を含む、カプセル、カシェ剤または錠剤などの、経口投与に適した別々の単位として提示することができる。さらに、組成物は、散剤として、顆粒として、液剤として、水性液体中の懸濁液として、非水性液体として、水中油型乳濁液として、または油中水型の液体乳濁液として、提示することができる。上述の一般的な剤形に加えて、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩はまた、徐放性手段および/またはデリバリー装置によっても投与し得る。組成物は、製薬的方法のうちの任意のものによって調製し得る。一般に、そのような方法には、活性成分を、1つまたは複数の必要な成分を構成する担体と会合させる工程が含まれる。一般に、組成物は、活性成分を液体担体もしくは微粉固体担体または両方と、均一かつ密に混合することによって調製する。その後、生成物を所望の提示形態へと好都合に形成することができる。
【0078】
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩はまた、1つまたは複数の他の治療上活性のある化合物と組み合わせて、医薬組成物中に含めることができる。
【0079】
用いる製薬担体は、たとえば、固体、液体、または気体であることができる。固体担体の例には、ラクトース、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸が含まれる。液体担体の例は、液糖、ピーナッツ油、オリーブ油、および水である。気体担体の例には、二酸化炭素および窒素が含まれる。
【0080】
経口剤形用の組成物を調製する際、任意の好都合な製薬媒体を用い得る。たとえば、水、グリコール、油、アルコール、香味料、保存料、着色料などを用いて、懸濁液、エリキシルおよび液剤などの経口液体調製物を形成し得る一方で、デンプン、糖、結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの担体を用いて、散剤、カプセルおよび錠剤などの経口固体調製物を調製し得る。その投与が容易なことから、錠剤およびカプセルが好ましい経口単位用量であり、そのために固体製薬担体を用いる。所望により、錠剤を標準の水性または非水性技術によってコーティングし得る。
【0081】
本発明の組成物を含む錠剤は、圧縮または成形によって、所望により1つまたは複数の補助成分またはアジュバントと共に調製し得る。圧縮錠剤は、適切な機械で、散剤または顆粒などの易流動形態の活性成分を、所望により結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性または分散剤と混合して圧縮することによって、調製し得る。すりこみ錠は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形することによって、作製し得る。それぞれの錠剤は、好ましくは約0.05mg〜約5gの活性成分を含み、それぞれのカシェ剤またはカプセルは、好ましくは約0.05mg〜約5gの活性成分を含む。
【0082】
たとえば、ヒトに経口投与することを意図した配合物は、約0.5mg〜約5gの活性剤を、全組成物の約5〜約95%で変動し得る適切かつ好都合な量の担体物質と複合して含み得る。単位剤形は、一般に約1mg〜約2g、典型的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg、または1000mgの活性成分を含む。
【0083】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、活性化合物の水中の溶液または懸濁液として調製し得る。たとえばヒドロキシプロピルセルロースなどの適切な界面活性物質を含めることができる。分散液もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、および油中のその混合物中で調製することができる。さらに、微生物の有害な成長を防止するために、保存料を含めることができる。
【0084】
注射使用に適した本発明の医薬組成物には、無菌的な水溶液または分散液が含まれる。さらに、組成物は、そのような無菌的な注射用液剤または分散液を即時調製するための、無菌的散剤の形態であることができる。すべての場合で、最終的な注射形態は無菌的でなければならず、容易に注射できるように有効に流動でなければならない。医薬組成物は、製造および保存の条件下で安定でなければならず、したがって、好ましくは、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されているべきである。担体は、たとえば、水、エタノール、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油、ならびにその適切な混合物を含む、溶媒または分散媒であることができる。
【0085】
本発明の医薬組成物は、たとえば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、粉剤などの、局所的使用に適した形態であることができる。さらに、組成物は、経皮装置で使用するために適した形態であることができる。これらの配合物は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を使用して、慣用の加工方法によって調製し得る。一例として、クリームまたは軟膏は、親水性物質および水を、約5重量%〜約10重量%の化合物と一緒に混合して、所望の粘稠度を有するクリームまたは軟膏を生成することによって、調製する。
【0086】
本発明の医薬組成物は、直腸投与に適した形態であることができ、担体は固体である。混合物が単位用量の坐薬を形成することが好ましい。適切な担体には、カカオ脂および当分野で一般的に使用される他の物質が含まれる。坐薬は、最初に組成物を軟化または融解した担体(複数可)と混合し、続いて、鋳型内で冷却および成形することによって、好都合に形成し得る。
【0087】
前述の担体成分に加えて、上述の製薬配合物には、必要に応じて、希釈剤、バッファー、香味料、結合剤、表面活性剤、シックナー、潤滑剤、保存料(抗酸化剤を含む)などの1つまたは複数の追加の担体成分を含み得る。さらに、配合物を意図するレシピエントの血液と等張にするために、他のアジュバントを含めることができる。
【0088】
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む組成物はまた、粉末または液体濃縮物の形態でも調製し得る。
【0089】
一般に、0.01mg/kg〜約150mg/kgの体重/日の桁の用量レベル、あるいは約0.5mg〜約7g/患者/日が、上述した状態の治療に有用である。たとえば、肥満症は、約0.01〜50mgの化合物/体重1キログラム/日、あるいは約0.5mg〜約3.5g/患者/日を投与することによって、有効に治療し得る。
【0090】
しかし、任意の特定の患者の具体的な用量レベルは、年齢、体重、全体的な健康、性別、食習慣、投与時間、投与経路、排泄速度、薬物の組合せおよび治療を受ける特定の疾患の重篤度を含めた、様々な要素に依存することを理解されたい。
【0091】
式(I)の化合物は、オピオイド受容体が役割を果たす疾患または症状の治療で使用し得る。
【0092】
したがって、本発明はまた、治療が必要な患者に、有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与する工程を含む、オピオイド受容体が役割を果たす疾患または症状を治療する方法も提供する。
【0093】
オピオイド受容体が役割を果たす疾患または症状には、肥満症が含まれる。本出願のコンテキストでは、肥満症の治療とは、肥満症および過剰な食物摂取に関連する他の摂食障害などの疾患または症状を、たとえば食欲および体重の減少、減量の維持ならびにリバウンドの防止によって治療することを包含することを意図する。
【0094】
本発明の化合物はまた、代謝性疾患、たとえば、II型糖尿病、代謝症候群(症候群X)、耐糖能異常、異常脂質血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDLレベルおよび高血圧などの代謝性疾患を含めた、肥満症に関連する他の疾患の治療にも使用し得る。
【0095】
オピオイド受容体が役割を果たす他の疾患または症状には、物質乱用、アルコール乱用、強迫性賭博、鬱病、アヘン剤過量、敗血症性ショック、過敏性腸症候群、嘔気、嘔吐および脳卒中が含まれる。
【0096】
本発明はまた、治療が必要な患者に、有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与する工程を含む、摂食および/または満腹感を制御する方法も提供する。
【0097】
本発明はまた、治療が必要な患者に、有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与する工程を含む、肥満症を治療する方法も提供する。
【0098】
本発明はまた、治療が必要な患者に、有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与する工程を含む、II型糖尿病、代謝症候群(症候群X)、耐糖能異常、異常脂質血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDLレベルおよび高血圧から選択される代謝性疾患を治療する方法も提供する。
【0099】
本発明はまた、上に定義した状態の治療における、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用も提供する。
【0100】
本発明はまた、上に定義した状態を治療する医薬品の製造における、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用も提供する。
【0101】
本発明の方法では、用語「治療」には、治療的および予防的処置がどちらも含まれる。
【0102】
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、単独で、または1つもしくは複数の他の治療上活性のある化合物を組み合わせて投与し得る。他の治療上活性のある化合物は、式(I)の化合物と同じ疾患もしくは状態、または異なる疾患もしくは状態を治療するためのものであり得る。治療上活性のある化合物は、同時に、逐次的にまたは別々に投与し得る。
【0103】
式(I)の化合物は、肥満症および/または糖尿病を治療するための他の活性化合物、たとえば、インスリンおよびインスリン類似体、胃リパーゼ阻害剤、膵臓リパーゼ阻害剤、スルホニル尿素および類似体、ビグアニド、α2作用剤、グリタゾン、PPAR−γ作用剤、RXR作用剤、脂肪酸酸化阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、β−作用剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、抗高脂血症剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、MCH−1拮抗剤、CB−1拮抗剤、GPR119作用剤、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤、アミリン拮抗剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、ソモスタチン類似体、グルコキナーゼ活性化剤、グルカゴン拮抗剤、インスリンシグナル伝達作用剤、PTP1B阻害剤、糖新生阻害剤、抗脂肪分解剤、GSK阻害剤、ガラニン受容体作用剤、食欲抑制剤、CCK受容体作用剤、レプチン、セロトニン作動性/ドーパミン作動性抗肥満症薬、CRF拮抗剤、CRF結合タンパク質、甲状腺ホルモン様化合物、アルドースレダクターゼ阻害剤、糖質コルチコイド受容体拮抗剤、NHE−1阻害剤またはソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤と共に投与し得る。
【0104】
それだけには限定されないが本明細書中で引用した特許および特許出願を含めたすべての出版物は、それぞれの個々の出版物を具体的かつ個別に、本明細書中に参考として組み込まれていると完全に記載した場合と同じように、本明細書中に参考として組み込まれている。
【0105】
以下に、例示目的であり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない以下の実施例を参照して、本発明を記載する。
【0106】
(実施例)
物質および方法:
SiO2(40〜63メッシュ)カラムクロマトグラフィを行った。0.1% HCO2Hを含有する(5% MeCNのH2O溶液)−MeCN溶液で6分かけて溶離するWaters Symmetry 3.5μ C18カラム(2.1×30.0mm、流速=0.8mL/分)および220nmでのUV検出を用いて、LCMSデータを得た。グラジエント情報:0.0〜1.2分:100%(5% MeCNのH2O溶液);1.2〜3.8分:10%(5% MeCNのH2O溶液)−90% MeCNまでの勾配;3.8〜4.4分:10%(5% MeCNのH2O溶液)−90% MeCNで保持;4.4〜5.5分:100% MeCNまでの勾配;5.5〜6.0分:100%(5% MeCNのH2O溶液)に戻す。陽(ES+)または陰(ESI-)イオンモードにおいてエレクトロスプレーイオン化源を用いて、質量スペクトルを得た。分子中に塩素が存在する場合、質量は35Clを用い、臭素が存在する場合、81Brを用いた。0.1容積%(% v/v) アンモニアを含有するH2O−MeCNグラジエントで12分かけて溶離するWaters Xterra MS C18、5μm(4.6×50mm、流速1.5mL/分)を215および254nmでのUV検出とともに用いて、別のLCMSデータ(LCMS法2)を得た。グラジエント情報:0.0〜8.0分:95% H2O−5% MeCNから5% H2O−95% MeCNまでの勾配;8.0〜9.9分:5% H2O−95% MeCNで保持;9.9〜10.0分:95% H2O−5% MeCNに戻す;10.0〜12.0分:95% H2O−5% MeCNで保持。陽(ESI+)または陰(ESI-)モードにおいてエレクトロスプレーイオン化源を用いて、質量スペクトルを得た。溶媒A(10% MeCN、90% 水)および溶媒B(90% MeCN、10% 水)で溶離するLunar 10μ ODS2(250×21.2mm;流速=20mL/分)および215nmでのUV検出を用いて、分取HPLC精製を行った。グラジエント情報:0.0〜0.2分:90% A、10% B;0.2〜10.0分:10% A、90% Bまでの勾配;10.0〜15.0分:10% A、90% B;15.0〜16.0分:90% A、10% Bに戻す。
【0107】
略語および頭字語:MeCN:アセトニトリル;NH3:アンモニア;NH4OH:水酸化アンモニウム;BBr3:三臭化ホウ素;bs:幅広い一重線;conc:濃縮した;d:二重線;dd:二重線の二重線;DCM:ジクロロメタン;DIBAL−H:水素化ジイソブチルアルミニウム;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DME:ジメトキシエタン;DMSO:ジメチルスルホキシド;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;Ether:ジエチルエーテル;EtOH:エタノール;EtOAc:酢酸エチル;h:時間;HCl:塩化水素;H22:過酸化水素;LiAlH4:水素化リチウムアルミニウム;MgSO4:硫酸マグネシウム;MeOH:メタノール;m:多重線;K2CO3:炭酸カリウム;q:四重線;rt:室温;RT:保持時間;飽和:飽和;s:一重線;NaBH4:水素化ホウ素ナトリウム;Na2CO3:炭酸ナトリウム;NaHCO3:炭酸水素ナトリウム;NaOH:水酸化ナトリウム;Na223:チオ硫酸ナトリウム;NaBH(OAc)3:トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム;THF:テトラヒドロフラン;TFA:トリフルオロ酢酸;t:三重線;Et3N:トリエチルアミン
【0108】
製造1:6−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチノニトリル
【化22】

4−ヒドロキシナフトアルデヒド(1.24g、7.2mmol)のDMSO溶液(8mL)に、2−クロロ−5−シアノピリジン(1.0g、7.2mmol)およびK2CO3(2.0g、14.5mmol)を加えた。反応液を4時間80℃で加熱した。反応液を室温に冷却し、水(100mL)に注いだ。生じた固形物を濾過し、水、エーテルで洗浄し、風乾して、標題の化合物を得た:
RT = 3.54分; m/z (ES+) = 275.0 [M + H]+.
【0109】
製造2:6−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチンアミド
【化23】

6−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチノニトリル(製造1)(3.83g、14.0mmol)のDMSO溶液(90mL)に、K2CO3(0.97g、7.0mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、H22(27.5% w/v、4.6mL、37.0mmol)を滴下して加え、反応液を室温に加温した。混合物を水(300mL)に注ぎ、生じた沈殿を濾過し、水で洗浄し、風乾して、標題の化合物を得て、それをさらに精製することなく用いた:
RT = 3.13分; m/z (ES+) = 292.9 [M + H]+.
【0110】
製造3:ベンジル−(4−イソプロピルシクロヘキシル)アミン
【化24】

実施例1で概説した手順を用いて、4−イソプロピルシクロヘキサノンおよびベンジルアミンを標題の化合物に変換した:
RT = 2.52分; m/z (ES+) = 232.1 [M + H]+.
ベンジルアミンおよび適当なケトンから、実施例1に記載した手順を表1における製造4〜6に用いた:
表1
【表1】

【0111】
製造7:4−イソプロピルシクロヘキシルアミン塩酸塩
【化25】

ベンジル−(4−イソプロピルシクロヘキシル)アミン(製造3)(2.39g、10.7mmol)のTHF溶液(10mL)に、アルゴン下、10% パラジウム炭素(1.14g、1.1mmol)を加えた。反応液を次いでH2雰囲気下16時間撹拌した。混合物をセライトに通して濾過し、THF(50mL)で洗浄し、溶媒を減圧留去した。残渣をEtOAc(10mL)に溶解し、1M HClのエーテル溶液(5.3mL)を加えた。沈殿を濾去して、標題の化合物を得た:
RT = 2.25分; m/z (ES+) = 142.1 [M + H]+.
適当なベンジルアミン類から、製造7に記載した手順を表2における製造8〜9に用いた:
表2
【表2】

【0112】
製造10:4,4−ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩
【化26】

製造7で概説した手順を用いて、ベンジル−(4,4−ジメチルシクロヘキサ−2−エニル)アミン(製造6)を標題の化合物に変換した:
RT = 1.75分; m/z (ES+) = 128.1 [M + H]+.
【0113】
製造11:5−メトキシナフタレン−1−カルボニトリル
【化27】

1−ヨード−5−メトキシナフタレン(J. A. O'Meara et al., J. Med. Chem., 2005, 48, 5580-5588、1.104g、3.89mmol)のジメチルアセトアミド溶液(6mL)に、室温で窒素下、フェロシアン化カリウム(494mg、1.17mmol)、Na2CO3(412mg、3.89mmol)および酢酸パラジウム(43mg、0.19mmol)を加えた。反応混合物を120℃で3時間撹拌し、冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、セライトに通して濾過した。有機相を水(30mL)、NaHCO3(30mL)、食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(イソヘキサン:EtOAc、90:10〜85:15)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 3.64分; m/z (ES+) = 184.0 [M + H]+.
【0114】
製造12:5−メトキシナフタレン−1−イルメチルアミン
【化28】

LiAlH4(244mg、6.44mmol)のTHF溶液(30mL)に、室温で窒素下、5−メトキシナフタレン−1−カルボニトリル(製造11)(513mg、2.80mmol)を加えた。反応混合物を3時間90℃に加熱し、次いで室温に冷却した。水(0.25mL)を加え、続いてNaOH(1M、0.25mL)および水(0.5mL)を加えた。混合物をセライトに通して濾過し、溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
RT = 1.99分; m/z (ES+) = 188.0 [M + H]+.
【0115】
製造13:(5−メトキシナフタレン−1−イルメチル)−(3−メチルブチル)アミン
【化29】

5−メトキシナフタレン−1−イルメチルアミン(製造12)(389mg、2.08mmol)のMeOH溶液(15mL)に、3−メチルブチルアルデヒド(223μL、2.08mmol)を加えた。混合物を窒素下、室温で16時間撹拌し、次いでNaBH4(236mg、6.24mmol)を加えた。1時間撹拌した後、水(0.5mL)を加え、溶媒を減圧留去した。混合物をEtOAc(100mL)とNaHCO3(25mL)の間で分液し、有機相を水(25mL)、食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH:NH4OH、97:3:0.3〜95:5:0.5)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.46分; m/z (ES+) = 258.1 [M + H]+.
【0116】
製造14:5−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−オール
【化30】

5−メトキシナフタレン−1−イルメチル(3−メチルブチル)アミン(製造13)(310mg、1.20mmol)のDCM溶液(15mL)に、−78℃で、1M BBr3のDCM溶液(3.61mL、3.61mmol)を加えた。反応混合物を−78℃で16時間撹拌した。NaHCO3(0.5mL)を加え、混合物をNaHCO3(0.25mmol)とEtOAc(50mL)の間で分液した。水相をEtOAc(2×50mL)で抽出し、有機相を合わせて、NaOH(1M、20mL)で洗浄した。水相をHCl(1M)でpH7に酸性化し、EtOAc(100mL)で抽出した。有機相を食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
RT = 2.49分; m/z (ES+) = 244.1 [M + H]+.
【0117】
製造15:6−{5−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ニコチノニトリル
【化31】

5−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−オール(製造14)(85mg、0.35mmol)のDMF溶液(10mL)に、6−クロロニコチノニトリル(43mg、0.62mmol)およびK2CO3(86mg、0.62mmol)を加えた。反応混合物を16時間70℃で加熱した。溶媒を減圧留去し、残渣をEtOAc(50mL)と水(20mL)の間で分液した。水相をEtOAc(50mL)で抽出し、有機相をNaHCO3(20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH:NH4OH、95:5:0.5)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.83分; m/z (ES+) = 346.0 [M + H]+.
【0118】
製造16:4−(4−ホルミルイソキノリン−1−イルオキシ)ベンズアミド
【化32】

4−ヒドロキシベンズアミド(0.96g、7.0mmol)のDMF溶液(15mL)に、室温で、水素化ナトリウム(0.28g、7.0mmol)を加えた。1時間後、1−クロロ−イソキノリン−4−カルボアルデヒド(WO01/53274、1.34g、7.0mmol)を加え、反応液を16時間120℃で加熱した。溶媒を減圧留去し、残渣を水(100mL)、エーテル(50mL)およびMeCN(50mL)で洗浄して、標題の化合物を得た:
RT = 3.13分; m/z (ES+) = 292.9 [M + H]+.
【0119】
製造17:6−(1−クロロイソキノリン−4−イルオキシ)ニコチノニトリル
【化33】

1−クロロ−4−ヒドロキシイソキノリン(1.0g、5.6mmol)のDMF溶液(16mL)に、6−クロロニコチノニトリル(0.55g、4.0mmol)およびK2CO3(1.65g、11.9mmol)を加えた。反応混合物を6.5時間70℃で加熱した。溶媒を減圧留去し、残渣をEtOAc(100mL)、THF(100mL)および水(60mL)の間で分液した。有機相を水(2×60mL)、NaOH(1M、2×40mL)、食塩水(40mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
RT = 3.66分; m/z (ES+) = 282.0 [M + H]+.
【0120】
製造18:6−(1−メチルイソキノリン−4−イルオキシ)ニコチノニトリル
【化34】

6−(1−クロロイソキノリン−4−イルオキシ)ニコチノニトリル(製造17)(300mg、1.1mmol)のDMF溶液(8mL)に、アルゴン下、トリメチルボロキシン(148μL、1.1mmol)を加え、続いてK2CO3(442mg、3.2mmol)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(123mg、0.1mmol)を加えた。混合物を5分間アルゴンでパージし、次いで16時間80℃に加熱した。溶媒を減圧留去した。残渣をEtOAc(100mL)と水(40mL)の間で分液し、有機相を水(40mL)、NaHCO3(40mL)、食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(2% MeOH:DCM)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.40分; m/z (ES+) = 262.4 [M + H]+.
【0121】
製造19:6−(1−メチルイソキノリン−4−イルオキシ)ニコチンアミド
【化35】

6−(1−メチルイソキノリン−4−イルオキシ)ニコチノニトリル(製造18)(200mg、0.77mmol)のDMSO溶液(5mL)に、K2CO3(53mg、0.38mmol)およびH22(30%w/v、120μL、1.1mmol)を加えた。1時間後、水(20mL)を加え、混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機相を水(2×30mL)、NaHCO3(30mL)、食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(0.5 NH3:5 MeOH:95 DCM)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.11分; m/z (ES+) = 280.1 [M + H]+.
【0122】
製造20:6−(1−ホルミルイソキノリン−4−イルオキシ)ニコチンアミド
【化36】

6−(1−メチルイソキノリン−4−イルオキシ)ニコチンアミド(製造19)(135mg、0.48mmol)のジオキサン溶液(6mL)に、アルゴン下、二酸化セレン(54mg、0.48mmol)を加えた。混合物を3時間80℃に加熱し、その後、二酸化セレン(54mg、0.48mmol)を加えた。80℃でさらに0.5時間後、混合物を冷却し、セライトに通して濾過し、EtOAc(50mL)で洗浄した。有機相をNaHCO3(30mL)、水(30mL)、食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
RT = 2.93分; m/z (ES+) = 294.1 [M + H]+.
【0123】
製造21:5−メチルナフタレン−1−オール
【化37】

D. G. Batt et al., (J. Org. Chem., 1991, 56, 23, 6704-6708)による手順を用いて、2−アミノ−3−メチル安息香酸を標題の化合物に変換した:
RT = 2.93分; m/z (ES+) = 159.1 [M + H]+.
【0124】
製造22:6−(5−メチルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチノニトリル
【化38】

製造15で概説した手順を用いて、5−メチルナフタレン−1−オールおよび6−クロロニコチノニトリルを標題の化合物に変換した:
RT = 3.90分; m/z (ES+) = 261.1 [M + H]+.
【0125】
製造23:6−(5−ブロモメチルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチノニトリル
【化39】

6−(5−メチルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチノニトリル(製造22)(530mg、2.04mmol)の四塩化炭素溶液(30mL)に、アルゴン下、N−ブロモコハク酸イミド(435mg、2.44mmol)を加え、続いて過酸化ベンゾイル(25mg、0.1mmol)を加えた。混合物を16時間70℃に加熱した。反応混合物を冷却し、セライトに通して濾過し、DCM(70mL)で洗浄した。有機相をNaHCO3(30mL)、食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
RT = 3.93分; m/z (ES+) = 341.0 [M + H]+.
【0126】
製造24:5−ヒドロキシナフタレン−1−カルボン酸
【化40】

位置選択的臭素化、エステル化、銅(I)促進ハロゲン/メトキシド交換aおよび最後の二重脱メチル化bによって、ナフタレン−1−カルボン酸から開始して、明確な4段階で標題の化合物を合成した:
δH (DMSO): 6.95 (1H, d), 7.43 (1H, dd), 7.52 (1H, dd), 8.11 (1H, d), 8.27 (1H, d), 8.41 (1H, d), 10.31 (1H, bs), 13.02 (1H, bs).
a)M. Lukeman et al., Canadian Journal of Chemistry, 2004, 82, 240-253
b)J. A. O'Meara et al., Journal of Medicinal Chemistry, 2005, 48, 5580-5588
【0127】
製造25:5−ヒドロキシナフタレン−1−カルボニトリル
【化41】

5−メトキシナフタレン−1−カルボニトリル(製造11)(880mg、4.80mmol)のDCM溶液(10mL)に、アルゴン下0℃で、1M BBr3のDCM溶液(12.5mL)を加えた。10分後、混合物を室温で4時間維持した。混合物をNaHCO3溶液とEtOAcの間で分液し、有機相をHCl(1M)、食塩水で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(イソヘキサン:EtOAc、2:1)によって精製して、標題の化合物を得た:
δH (CD3OD): 6.97 (1H, d), 7.50, 7.52 (2H, 2dd), 7.62 (1H, d), 7.94 (1H, d), 8.53 (1H, d).
【0128】
製造26:5−ヒドロキシナフタレン−1−カルボアルデヒド
【化42】

5−ヒドロキシナフタレン−1−カルボニトリル(製造25)(580mg、3.43mmol)のDCM懸濁溶液(25mL)に、アルゴン下−78℃で、DIBAL−H(8mL、1M、トルエン溶液)を加えた。混合物を−78℃で1時間撹拌し、室温で0.5時間撹拌し、−78℃に再冷却し、NH4Cl溶液でクエンチした。EtOAcを加え、有機相を飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液、水、食塩水で洗浄し、次いで乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(イソヘキサン:EtOAc、1:1)によって精製して、標題の化合物を得た:
δH (CD3OD): 6.97 (1H, d), 7.51 (1H, dd), 7.63 (1H, dd), 8.08 (1H, d), 8.61 (1H, d), 8.69 (1H, d), 10.38 (1H, s).
【0129】
製造27:5−メトキシナフタレン−1−カルボアルデヒド
【化43】

5−メトキシナフタレン−1−カルボニトリル(製造11)(1.1g、6.00mmol)のDCM溶液(40mL)に、窒素下−78℃で、DIBAL(1.0M トルエン溶液、18mL)を10分かけて滴下して加えた。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、1時間室温に加温し、次いで0℃に冷却した。酢酸(1mL)を加え、続いて水(1mL)を加えた。混合物をEtOAc(100mL)と水(100mL)の間で分液し、有機相を分離し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(EtOAc:イソヘキサン2:8)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 3.54分; m/z (ES+) = 187.0 [M + H]+.
【0130】
製造28:4−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ベンゾニトリル
【化44】

4−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド(172mg、1.0mmol)のDCM溶液(10mL)に、二酢酸銅(II)(181mg、1.0mmol)、4−シアノフェニルボロン酸(441mg、3.0mmol)、トリエチルアミン(0.7mL、5.0mmol)および4Å モレキュラ・シーブスを加えた。室温で48時間後、混合物を濾過した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(EtOAc:イソヘキサン 3:7)によって精製した。生じた固形物をエーテル(10mL)で洗浄し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、標題の化合物を得た:
δH (CDCl3) 7.06 (1H, d), 7.21 (2H, d), 7.49 (1 H, t), 7.62-7.82 (3H, m), 7.96 (1H, d), 8.28 (1H, d), 9.36 (1H, d), 10.33 (1H, s).
【0131】
製造29:(5−メトキシナフタレン−1−イルメチル)−ビス−(3−メチルブチル)アミン
【化45】

5−メトキシナフタレン−1−イル−メチルアミン(製造12)(1.83g、9.80mmol)のDCM溶液(100mL)に、3−メチルブチルアルデヒド(1.26mL、11.8mmol)、酢酸(0.6mL、10.5mmol)およびNaBH(OAc)3(3.2g、15.1mmol)を加えた。混合物を室温で48時間撹拌した。EtOAc(200mL)およびNaHCO3溶液(200ml)を加えた後、混合物を1時間撹拌した。有機相を分離し、食塩水で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:EtOAc、5:1)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.65分; m/z (ES+) = 314.5 [M + H]+.
【0132】
製造30:3−ニトロフタル酸1−メチルエステル
【化46】

MeOH(100mL)に、0℃で、塩化アセチル(14.5mL、203.4mmol)を加え、溶液を室温で1時間撹拌した。3−ニトロフタル酸(25.7g、121.7mmol)を加え、混合物を22時間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、水(80mL)とEtOAc(3×80mL)の間で分液した。有機相を合わせて、乾燥し(MgSO4)、溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:データは先の報告(Roger, M. E.; Averill, B. A. J. Org. Chem. 1986, 51, 3308-3314)と一致している。
【0133】
製造31:3−アミノフタル酸1−メチルエステル
【化47】

先の報告に従って、3−ニトロフタル酸1−メチルエステル(製造30)から製造した:データは先の報告(Roger, M. E.; Averill, B. A. J. Org. Chem. 1986, 51, 3308-3314)と一致している。
【0134】
製造32:5−ヒドロキシメチルナフタレン−1−オール
【化48】

方法A:先の報告に従って、3−アミノフタル酸1−メチルエステル(製造31)から製造した:データは先の報告(WO2005/123069 PCT/US2005/020519)と一致している。
方法B:5−ヒドロキシナフタレン−1−カルボン酸(製造24)(1.75g、9.30mmol)のTHF溶液(50mL)を、LiAlH4(1.08g、28.5mmol)のTHF懸濁溶液(150mL)にゆっくりと加えた。反応混合物を12時間還流した。混合物を氷水(500mL)に加え、HCl(1M、100mL)で酸性化した。混合物をEtOAcで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
δH (DMSO): 4.94 (2H, d), 5.25 (1H, t), 6.90 (1H, d), 7.34 (1H, dd), 7.41 (1H, dd), 7.49 (1H, d), 7.55 (1H, d), 8.10 (1H, d), 10.06 (1H, s).
【0135】
製造33:6−(5−ヒドロキシメチルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチノニトリル
【化49】

製造15で概説した手順を用いて、5−ヒドロキシメチルナフタレン−1−オール(製造32)および6−クロロニコチノニトリルを標題の化合物に変換した:
RT = 3.17分; m/z (ES+) = 277.1 [M + H]+.
【0136】
製造34:6−(5−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチノニトリル
【化50】

方法A:6−(5−ヒドロキシメチルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチノニトリル(製造33)(1.0g、3.62mmol)のDCM溶液(25mL)に、アルゴン下、デス・マーチン・ペルヨージナン(1.84g、4.34mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、次いでEtOAc(100mL)で希釈した。有機相を飽和Na223(75mL)、NaHCO3(50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、次いで乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
RT = 3.60分; m/z (ES+) = 275.1 [M + H]+.
方法B:6−(5−ブロモメチルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチノニトリル(製造23)(300mg、0.88mmol)のDMSO溶液(3mL)に、アルゴン下、NaHCO3(149mg、1.77mmol)を加え、混合物を4時間85℃に加熱した。混合物を水(10mL)とEtOAc(2×50mL)の間で分液し、有機相を水(50mL)、NaHCO3(30mL)、食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た。
【0137】
製造35:6−(5−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチンアミド
【化51】

方法A:製造19で概説した手順を用いて、6−(5−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチノニトリルを標題の化合物に変換した:
RT = 3.04分; m/z (ES+) = 293.1 [M + H]+.
方法B:6−(5−{[ビス(3−メチルブチル)アミノ]メチル}ナフタレン−1−イルオキシ)ニコチンアミド塩酸塩(実施例92)(1.05g、2.42mmol)の80% DMF水懸濁溶液(50mL)に、N−ブロモコハク酸イミド(967mg、5.43mmol)を加えた。混合物を室温で12時間撹拌した。EtOAc(500mL)を加え、有機相を、水、Na223溶液(10%)、食塩水で洗浄し、次いで乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(EtOAc)によって精製して、標題の化合物を得た。
【0138】
製造36:3−フルオロ−4−(5−ヒドロキシメチルナフタレン−1−イルオキシ)ベンゾニトリル
【化52】

5−ヒドロキシメチルナフタレン−1−オール(製造32)(350mg、2.01mmol)および3,4−ジフルオロベンゾニトリル(279mg、2.01mmol)のスルファロン(sulfalone)溶液(8mL)に、K2CO3(1.39g、10.05mmol)を加え、混合物を16時間80℃に加熱し、次いで室温に冷却した。混合物を水(50mL)とEtOAc(3×50mL)の間で分液し、有機相を水(3×50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO2、MeOH:DCM、2:98)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 3.54分; m/z (ES+) = 276.1 [M - H2O]+.
【0139】
製造37:3−フルオロ−4−(5−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ベンゾニトリル
【化53】

製造34 方法Aで概説した手順を用いて、3−フルオロ−4−(5−ヒドロキシメチルナフタレン−1−イルオキシ)ベンゾニトリル(製造36)を標題の化合物に変換した:
δH (DMSO): 7.12-7.17 (1H, m), 7.29-7.32 (1H, m), 7.65-7.69 (1H, m), 7.73-7.78 (1H, m), 7.82-7.87 (1H, m), 8.12-8.16 (1H, m), 8.29-8.32 (1H, m), 8.41-8.45 (1H, m), 9.02-9.06 (1H, m), 10.46 (1H, s).
【0140】
製造38:3−フルオロ−4−(5−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ベンズアミド
【化54】

製造19で概説した手順を用いて、3−フルオロ−4−(5−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ベンゾニトリル(製造38)を標題の化合物に変換した:
RT = 3.35分; m/z (ES+) = 310.1 [M + H]+.
【0141】
製造39:4−(1−クロロイソキノリン−4−イルオキシ)3−フルオロベンゾニトリル
【化55】

製造17で概説した手順を用いて、1−クロロ−4−ヒドロキシイソキノリンおよび3,4−ジフルオロベンゾニトリルを標題の化合物に変換した:
RT = 3.90分; m/z (ES+) = 299.04 [M + H]+.
【0142】
製造40:3−フルオロ−4−(1−メチルイソキノリン−4−イルオキシ)ベンゾニトリル
【化56】

製造18で概説した手順を用いて、4−(1−クロロイソキノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロベンゾニトリル(製造39)を標題の化合物に変換した:
RT = 2.85分; m/z (ES+) = 279.1 [M + H]+.
【0143】
製造41:3−フルオロ−4−(1−メチルイソキノリン−4−イルオキシ)ベンズアミド
【化57】

製造19で概説した手順を用いて、3−フルオロ−4−(1−メチルイソキノリン−4−イルオキシ)ベンゾニトリル(製造40)を標題の化合物に変換した:
RT = 2.42分; m/z (ES+) = 297.1 [M + H]+.
【0144】
製造42:3−フルオロ−4−(1−ホルミルイソキノリン−4−イルオキシ)ベンズアミド
【化58】

製造20で概説した手順を用いて、3−フルオロ−4−(1−メチルイソキノリン−4−イルオキシ)ベンズアミド(製造41)を標題の化合物に変換した:
RT = 3.29分; m/z (ES+) = 311.1 [M + H]+.
【0145】
製造43:6−{4−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ニコチノニトリル塩酸塩
【化59】

6−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチノニトリル(製造1)(1.50g、5.47mmol)のDCM溶液(15mL)に、酢酸(0.98mL、16.42mmol)および3−メチルブチルアミン(1.91mL、16.42mmol)を加えた。1時間後、NaBH(OAc)3(3.48g、16.42mmol)およびDCM(20mL)を加えた。反応液を室温でさらに16時間撹拌した。混合物をDCM(150mL)と飽和NaHCO3(200mL)の間で分液し、有機相を水(200mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去した。残渣にエーテル(10mL)を加え、続いて4M HClのジオキサン溶液(1.0mL、4.0mmol)を加えた。さらにエーテル(40mL)を加え、生じた沈殿を濾過し、減圧乾燥して、標題の化合物を得た:
RT = 2.84分; m/z (ES+) = 346.2 [M + H]+.
【0146】
製造44:4−トリフルオロメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩
【化60】

ベンジル(4−トリフルオロメチルシクロヘキシル)アミン(製造4)(1.48g、5.73mmol)のMeOH溶液(150mL)を、10%Pd/C CatCartを取り付けた100℃でのH−Cubeに、フルH2モード(full H2 mode)で通した。容積を50mlに減らし、4M HClのジオキサン溶液(1.43mL)を加えた。沈殿を濾過し、濾液を集め、溶媒を減圧留去した。生じた残渣をアセトンでトリチュレートし、標題の化合物を得た:
δH (CD3OD) 1.41-1.53 (4H, m), 2.03-2.25 (5H, m), 3.07-3.15 (1H, m).
【0147】
製造45:trans−4−tert−ブチルシクロヘキシルアミン塩酸塩
【化61】

製造44で概説した手順を用いて、trans−ベンジル−(4−tert−ブチル−シクロヘキシル)アミン(製造5)を標題の化合物に変換した:
δH (DMSO) 0.81-1.08 (12H, m), 1.20-1.32 (2H, m), 1.72-1.80 (2H, m), 1.93-2.01 (2H, m), 2.83-2.92 (1H, m), 7.94 (2H, bs).
【0148】
製造46:cis−ベンジル(4−イソプロピルシクロヘキシル)アミン塩酸塩
【化62】

4−イソプロピルシクロヘキサノン(5.0g、36mmol)およびベンジルアミン(3.54mL、32mmol)のMeOH溶液(40mL)に、4Å モレキュラ・シーブス(2g)を加えた。室温で16時間後、NaBH4(2.45g、65mmol)を加え、混合物をさらに6時間撹拌した。水(3mL)を加え、溶媒を減圧留去した。残渣をNaHCO3(150mL)とEtOAc(150mL)の間で分液し、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出し、有機相を合わせて、食塩水(2×50mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO2、NH4OH:MeOH:DCM 0.25:5:95)によって精製して、遊離塩基として、生成物を得た。4M HClのジオキサン溶液およびEt2Oを残渣に加え、生じた沈殿を濾過して、標題の化合物を得た:
δH (CD3OD) 0.92-0.97 (6H, m), 1.17-1.26 (1H, m), 1.53-1.92 (9H, m), 3.21-3.29 (1H, m), 4.23 (2H, s) 7.44-7.54 (5H, m).
【0149】
製造47:trans−ベンジル(4−イソプロピルシクロヘキシル)アミン塩酸塩
【化63】

製造46で概説した手順を用いて、ベンジルアミンおよび4−イソプロピルシクロ−ヘキサノンを標題の化合物に変換した:
δH (CDCl3) 0.83-0.90 (6H, m), 0.94-1.19 (4H, m), 1.23-1.48 (2H, m), 1.70-1.78 (2H, m), 1.96-2.04 (2H, m), 2.38-2.48 (1H, m), 3.83 (2H, s) 7.21-7.29 (1H, m), 7.30-7.36 (4H, m).
【0150】
製造48:6−(5−{[ビス−(3−メチルブチル)アミノ]メチル}ナフタレン−1−イルオキシ)−ニコチノニトリル
【化64】

製造14および製造15で概説した手順を用いて、(5−メトキシナフタレン−1−イルメチル)−ビス−(3−メチルブチル)アミン(製造29)および2−クロロ−5−シアノピリジンを標題の化合物に変換した:
RT = 2.93分; m/z (ES+) = 416.8 [M + H]+.
製造13、14および15で概説した手順を用いて、適当なカルボニル化合物、5−メトキシナフタレン−1−イル−メチルアミンおよび2−クロロ−5−シアノピリジンを、表3における製造49〜51に変換した。
表3
【表3】

【0151】
製造52:cis−1−ベンジルアミノ−4−プロピルシクロヘキサンおよび
製造53:trans−1−ベンジルアミノ−4−プロピルシクロヘキサン
【化65】

実施例1で概説した手順を用いて、ベンジルアミンおよび4−プロピルシクロヘキサノンから、2つの立体異性体の混合物を得た。シリカカラムクロマトグラフィ(トルエン:アセトン、2:1)による精製によって、2つの化合物を得た。低極性生成物をcis−1−ベンジルアミノ−4−プロピルシクロヘキサンと同定した:
RT = 2.29分; m/z (ES+) = 232.1 [M + H]+.
高極性生成物をMeOH(100mL)に溶解し、HCl水(1M、10mL)を加えた。溶媒を減圧留去し、固形残渣をEtOAc(50mL)中で4時間撹拌した。固形物を濾過し、風乾して、trans−1−ベンジルアミノ−4−プロピルシクロヘキサン塩酸塩を得た:
RT = 2.63分; m/z (ES+) = 232.1 [M + H]+.
製造53/54に記載した手順を用いて、ベンジルアミンおよび適当なシクロヘキサノンから、表4における製造55〜58を合成した。異性体の分離を同様の方法で達成した。
表4
【表4】

【0152】
製造58:cis−4−プロピルシクロヘキシルアミン
【化66】

cis−1−ベンジルアミノ−4−プロピルシクロヘキサン(製造52)(1.59g、6.87mmol)のEtOH溶液(90mL)に、シクロヘキセン(10mL)および10% パラジウム炭素(550mg)を加えた。混合物を12時間還流した。混合物を冷却した後、セライトに通して濾過した。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
δH (CD3OD): 0.95 (3H, t), 1.28-1.74 (13H, m), 2.95 (1H, m).
製造58に記載した手順を用いて、対応のベンジルアミン類から、表5における製造59〜63を合成した。製造54に記載した方法によって、すべてのcis異性体をその塩酸塩に変換した。
表5
【表5】

【0153】
製造64:N−メチル−2−(テトラヒドロピラン−4−イル)アセトアミド
【化67】

(テトラヒドロピラン−4−イル)酢酸(500mg、3.47mmol)の塩化チオニル溶液(10mL)に、DMF(1滴)を加えた。反応液を1時間還流するまで加熱し、室温に冷却し、溶媒を減圧留去した。残渣をTHF(5mL)に再溶解し、メチルアミン塩酸塩(2.34g、34.7mmol)およびNaOH(1.11g、27.7mmol)の水溶液に滴下して加えた。溶液を30分間撹拌し、EtOAc(100mL)を加えた。混合物をEtOAc(5×100mL)で抽出し、有機相を合わせて、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
δH (CDCl3) 1.14-1.33 (2H, m), 1.48-1.63 (3H, m), 1.97-2.07 (2H, m), 2.74 (3H, s), 3.26-3.41 (2H, m), 3.87 (2H, dd), 5.34 (1H, bs).
【0154】
製造65:メチル−[2−(テトラヒドロピラン−4−イル)エチル]アミン塩酸塩
【化68】

N−メチル−2−(テトラヒドロピラン−4−イル)アセトアミド(製造64)のTHF溶液(10mL)を、LiAlH4(99mg、2.60mmol)のTHF溶液(10mL)に加えた。反応液を2時間還流した。室温に冷却した後、水(0.1mL)、NaOH(0.1N、0.1mL)および水(0.1mL)を連続して加え、混合物をセライトに通して濾過し、濾液を乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去した。残渣をMeOH(5mL)および濃HCl(0.2mL)で処理し、濾過し、風乾して、標題の化合物を得た:
δH (CDCl3) 1.19-1.34 (2H, m), 1.49-1.64 (3H, m), 1.71-1.80 (2H, m), 2.62 (3H, t), 2.87-2.99 (2H, m), 3.26-3.36 (2H, m), 3.88 (2H, dd).
【0155】
製造66:6−(5−ホルミルキノリン−8−イルオキシ)ニコチノニトリル
【化69】

8−ヒドロキシキノリン−5−カルボアルデヒド(692mg、4mmol)のスルホラン溶液(8mL)に、2−クロロ−5−シアノピリジン(552mg、4mmol)およびK2CO3(1.7g、12mmol)を加えた。反応液をマイクロ波中2時間90℃で加熱した。反応液を室温に冷却し、水(100mL)に注いだ。生じた固形物を濾過し、水、エーテルで洗浄し、風乾して、標題の化合物を得た:
RT = 3.02分; m/z (ES+) = 276.0 [M + H]+.
【0156】
製造67:6−(5−ホルミルキノリン−8−イルオキシ)ニコチンアミド
【化70】

製造2で概説した手順を用いて、6−(5−ホルミル−キノリン−8−イルオキシ)−ニコチノニトリル(製造66)を標題の化合物に変換した:
RT = 2.43分; m/z (ES+) = 294.0 [M + H]+.
【0157】
製造68:7−メトキシベンゾ[b]チオフェン−4−カルボアルデヒド
【化71】

オキシ塩化リン(0.518g、17.7mmol)を、アルゴン下室温で、DMF(1.04mL)に加えた。30分後、7−メトキシベンゾチオフェン(0.5g、3.04mmol)を加え、反応液を3.5時間100℃に加熱した。反応液を室温に冷却し、飽和Na2CO3溶液に注ぎ、エーテル(100mL)で抽出し、有機相を乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
RT = 3.34分; m/z (ES+) = 193.2 [M + H]+.
【0158】
製造69:7−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−4−カルボアルデヒド
【化72】

7−メトキシベンゾ[b]チオフェン−4−カルボアルデヒド(製造68)(844mg、4.39mmol)を、カリウムtert−ブトキシド(1.5g、14.0mmol)およびジエチルアミノエタンチオール塩酸塩(1.12g、6.58mmol)のDMF懸濁溶液(22mL)に加えた。混合物を1時間還流した。混合物を冷却した後、HCl(1N)でpH1に酸性化し、水相をEtOAcで抽出した。有機相を水で洗浄し、食塩水、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
RT = 2.59分; m/z (ES+) = 178.2 [M + H]+.
【0159】
製造70:6−(4−ホルミルベンゾ[b]チオフェン−7−イルオキシ)ニコチノニトリル
【化73】

7−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−4−カルボアルデヒド(製造69)(100mg、0.62mmol)、6−クロロニコチノニトリル(86mg、0.62mmol)およびK2CO3(258mg、1.87mmol)のスルホラン懸濁溶液(3mL)を、マイクロ波反応器中、4時間、130W/80℃で加熱した。混合物を冷却し、氷水の上に注ぎ、生じた固形物を濾過し、風乾して、標題の化合物を得た:
RT = 3.40分; m/z (ES+) = 265.2 [M + H]+.
【0160】
製造71:6−(4−ホルミルベンゾ[b]チオフェン−7−イルオキシ)ニコチンアミド
【化74】

6−(4−ホルミルベンゾ[b]チオフェン−7−イルオキシ)ニコチノニトリル(製造70)(111mg、0.42mmol)を、K2CO3(29mg、0.21mmol)のDMSO溶液(3mL)に加え、続いてH22溶液(0.42mL、0.42mmol)を加えた。3時間後、水を加え、生じた固形物を濾過し、風乾して、標題の化合物を得た:
RT = 2.93分; m/z (ES+) = 283.3 [M + H]+.
【0161】
製造72:7−メトキシベンゾフラン−4−カルボアルデヒド
【化75】

製造68で概説した手順を用いて、7−メトキシベンゾフランから標題の化合物を得た:
RT = 2.99分; m/z (ES+) = 177.2 [M + H]+.
【0162】
製造73:7−ヒドロキシベンゾフラン−4−カルボアルデヒド
【化76】

製造69で概説した手順を用いて、7−メトキシベンゾフラン−4−カルボアルデヒド(製造73)から標題の化合物を得た:
RT = 2.59分; m/z (ES+) = 161.2 [M + H]+.
【0163】
製造74:6−(4−ホルミルベンゾフラン−7−イルオキシ)ニコチノニトリル
【化77】

製造70で概説した手順を用いて、7−ヒドロキシベンゾフラン−4−カルボアルデヒド(製造73)および6−クロロニコチノニトリルから標題の化合物を得た:
RT = 3.40分; m/z (ES+) = 265.2 [M + H]+.
【0164】
製造75:6−(4−ホルミルベンゾフラン−7−イルオキシ)ニコチンアミド
【化78】

製造71で概説した手順を用いて、6−(4−ホルミルベンゾフラン−7−イルオキシ)−ニコチノニトリル(製造74)から標題の化合物を得た:
RT = 2.93分; m/z (ES+) = 283.2 [M + H]+.
【0165】
製造76:5,6−ジフルオロインダン−1−オン
【化79】

3,4−ジフルオロ桂皮酸(5.0g、26.9mmol)のDCM溶液(35mL)に、0℃で、DMF(1滴)およびシュウ酸クロリド(4.7mL、53.8mmol)を加えた。反応混合物を室温に加温し、16時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をトルエン(2×20mL)と共沸させた。残渣を二硫化炭素(20mL)に再溶解し、三塩化アルミニウム(12.4g、94.1mmol)の二硫化炭素溶液(50mL)に0℃で加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、4時間還流するまで加熱し、次いで室温に冷却した。反応混合物を氷に注ぎ、EtOAc(2×500mL)で抽出し、有機相を合わせて、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(EtOAc:イソヘキサン 1:9)によって精製して、標題の化合物を得た:
δH (CDCl3) 2.73 (2H, t), 3.17 (2H, t), 7.32 (1H, t), 7.43 (1H, t).
【0166】
製造77:5,6−ジフルオロインダン−1,2−ジオン 2−オキシム
【化80】

5,6−ジフルオロインダン−1−オン(製造76)(3.1g、18.4mmol)のMeOH溶液に、40℃で、亜硝酸イソアミル(3.22mL、23.9mmol)を加え、続いて濃HCl(1.8mL)を加えた。反応液を40℃で45分間撹拌し、室温に冷却し、水(50mL)に注いだ。沈殿を濾過によって集め、風乾して、標題の化合物を得た:
δH(DMSO-d6) 3.77 (2H, s), 7.72-7.85 (2H, m), 12.79 (1H, s).
【0167】
製造78:2−アミノ−5,6−ジフルオロインダン−1−オン
【化81】

5,6−ジフルオロインダン−1,2−ジオン 2−オキシム(製造77)(2.70g、13.7mmol)を酢酸(70mL)に溶解し、10% パラジウム炭素(717mg)を加えた。反応混合物を72時間50psiで水素化し、セライトパッドに通して濾過し、クロロホルム(100mL)で洗浄した。生じた沈殿を濾過によって集め、風乾して、標題の化合物を得た:
δH(DMSO-d6) 3.11 (1H, dd), 3.56 (1H, dd), 4.34 (1H, dd), 7.74-7.94 (2H, m), 8.75 (2H, bs).
【0168】
製造79:(5,6−ジフルオロ−1−オキソインダン−2−イル)カルバミン酸ベンジルエステル
【化82】

2−アミノ−5,6−ジフルオロインダン−1−オン(製造78)(165mg、0.90mmol)の飽和NaHCO3溶液(15mL)に、クロロギ酸ベンジル(0.15mL、1.08mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をEtOAc(25mL)で抽出し、有機相を水(20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(MeOH:DCM 1:99)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 3.50分; m/z (ES+) = 318.1 [M + H]+.
【0169】
製造80:6,7−ジフルオロ−3,3a,4,8b−テトラヒドロインデノ[2,1−d]オキサゾール−2−オン
【化83】

(5,6−ジフルオロ−1−オキソインダン−2−イル)カルバミン酸ベンジルエステル(製造79)(238mg、0.75mmol)に、TFA(5mL)およびトリエチルシラン(0.59mL、3.75mmol)を加えた。反応混合物を24時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(MeOH:DCM 5:95)によって精製して、標題の化合物を得た:
δH (CDCl3) 3.06-3.15 (1H, m), 3.29 (1H, dd), 4.79 (1H, t), 5.98 (1H, d), 7.10 (1H, dd), 7.27-7.35 (1H, m), 12.02 (1H, s).
【0170】
製造81:5,6−ジフルオロインダン−2−イルアミン
【化84】

6,7−ジフルオロ−3,3a,4,8b−テトラヒドロインデノ[2,1−d]オキサゾール−2−オン(製造80)(145mg、0.69mmol)および10% パラジウム炭素(15mg)のEtOH溶液(10mL)をH2下で1時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
δH (CDCl3) 2.66 (2H, dd), 3.15 (2H, dd), 3.86-3.94 (1H, m), 7.00 (2H, t).
【0171】
製造82:3−クロロ−4−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ベンゾニトリル
【化85】

3−クロロ−4−フルオロベンゾニトリル(1.09g、7.00mmol)のDMSO溶液(25mL)に、4−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド(1.20g、7.0mmol)および炭酸セシウム(4.55g、14.0mmol)を加えた。反応混合物を24時間80℃に加熱した。室温に冷却した後、混合物をEtOAc(40mL)と飽和NaHCO3(50mL)の間で分液し、水相をEtOAc(50mL)で洗浄した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(EtOAc:イソヘキサン、2:8)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 4.10分; m/z (ES+) = イオン化なし(NO IONISATION) [M + H]+. δH (DMSO) 7.10 (1H, t), 7.46 (1H, d), 7.78 (1H, t), 7.88 (1H, t), 7.94 (1H, d), 8.19 (1H, d), 8.32 (1H, d), 8.37 (1H, d), 9.28 (1H, d), 10.33 (1H, s).
【0172】
製造83:3−クロロ−4−{4−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ベンゾニトリル
【化86】

3−クロロ−4−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ベンゾニトリル(製造82)(800mg、2.60mmol)のDCM溶液(35mL)に、酢酸(0.7mL、7.80mmol)、3−メチルブチルアミン(0.91mL、7.80mmol)およびNaBH(OAc)3(1.65g、7.80mmol)を加えた。反応液を室温で16時間撹拌した。混合物をDCM(150mL)と飽和NaHCO3(200mL)の間で分液し、有機相を乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(EtOAc:イソヘキサン 1:1)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 3.01分; m/z (ES+) = 379.3, 381.2 [M + H]+.
【0173】
製造84:3−フルオロ−4(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ベンゾニトリル
【化87】

製造82で概説した手順を用いて、4−ヒドロキシナフトアルデヒドおよび3,4−ジフルオロベンゾニトリルを標題の化合物に変換した:
RT = 3.90分; m/z (ES+) = 292.1 [M + H]+.
【0174】
製造85:3−フルオロ−4(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ベンズアミド
【化88】

製造19で概説した手順を用いて、3−フルオロ−4(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ベンゾニトリル(製造84)を標題の化合物に変換した:
RT = 3.37分; m/z (ES+) = 310.11 [M + H]+.
【0175】
製造86:4−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−オール
【化89】

製造83で概説した手順を用いて、4−ヒドロキシナフトアルデヒドおよび3−メチルブチルアミンを標題の化合物に変換した:
RT = 2.38分; m/z (ES+) = 144.1 [M + H]+.
【0176】
製造87:4−{4−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ベンゾニトリル
【化90】

実施例1で概説した手順を用いて、4−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ベンゾニトリル(製造28)および3−メチルブチルアミンを標題の化合物に変換した:
RT = 2.88分; m/z (ES+) = 345.3 [M + H]+.
【0177】
製造88:4−クロロキノリン−8−カルボニトリル
【化91】

4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−8−カルボニトリル(0.40g、0.24mmol、WO2004/113303)およびオキシ塩化リン(10mL)を1.5時間100℃に加熱した。溶媒を減圧留去した。EtOAc(50mL)を加え、有機相を飽和Na2CO3水溶液、食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
RT = 3.09分; m/z (ES+) = 189.0 [M + H]+.
【0178】
製造89:C−(4−クロロキノリン−8−イル)メチルアミン
【化92】

4−クロロキノリン−8−カルボニトリル(製造88)(422mg、2.24mmol)のトルエン溶液(20mL)に、−78℃で、DIBAL−H(6.73mL/1M トルエン溶液、6.73mmol)を滴下して加えた。−78℃で20分後、混合物を−40℃に加温した。反応混合物を次いで−78℃に再冷却し、DIBAL−H(2.0mL/1M トルエン溶液、2.0mmol)を加えた。1時間後、水(1mL)、MeOH(5mL)を加え、次いでNH4Cl(水)(10mL)を加えた。EtOAc(20mL)を加えた後、混合物を室温で14時間勢いよく撹拌した。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、有機相を合わせて、食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
RT = 2.10分; m/z (ES+) = 193.0 [M + H]+.
【0179】
製造90:4−(8−アミノメチルキノリン−4−イルオキシ)ベンズアミド
【化93】

C−(4−クロロキノリン−8−イル)メチルアミン(製造89)(129mg、0.67mmol)、K2CO3(186mg、1.34mmol)および4−ヒドロキシベンズアミド(110mg、0.81mmol)のDMF混合溶液(4mL)を、マイクロ波中40分間100℃で加熱した(150W)。溶媒を減圧留去した。混合物をEtOAc(50mL)と水(20mL)の間で分液し、水相をEtOAc(2×20mL)でさらに抽出した。有機相を合わせて、食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(0.25%〜0.75% NH4OH(水)、2%〜8% MeOHのDCM溶液)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.15分; m/z (ES+) = 294.1 [M + H]+.
【0180】
製造91:2−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)イソニコチンアミド
【化94】

4−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド(500mg、2.9mmol)および2−クロロ−4−シアノピリジン(402mg、2.9mmol)のDMF溶液(4mL)に、K2CO3(2.01g、14.52mmol)を加えた。反応液をマイクロ波中1時間70℃で加熱した。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄し、水相をEtOAc(2×50mL)で抽出した。有機相を水(100mL)、NaOH(1M、3×60mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO2、NH4OH:MeOH:DCM、0.2:2:98)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 3.02分; m/z (ES+) = 293.1 [M + H]+.
【0181】
実施例1:6−{4−[(2−シクロペンチルエチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ニコチンアミド
【化95】

6−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチンアミド(製造2)(200mg、0.7mmol)のMeOH溶液(10mL)に、2−シクロペンチルエチルアミン(116mg、1.0mmol)および4Å モレキュラ・シーブス(200mg)を加えた。混合物を16時間撹拌し、次いでNaBH4(130mg、3.4mmol)を加えた。1.5時間後、水(1mL)を加え、混合物を濾過した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(0.5% NH3:2% MeOH:DCM)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.68分; m/z (ES+) = 390.2 [M + H]+.
実施例1に記載した手順を用いて、対応のアミド(表6における製造X)および適当なアミンから、実施例2〜90を製造した。製造53で概説した手順を用いて、実施例34〜37における二級アミン類をその塩酸塩に変換した:
表6
【表6−1】

【表6−2】

【表6−3】

【表6−4】

【表6−5】

【表6−6】

【表6−7】

【表6−8】

【表6−9】

【表6−10】

【表6−11】

**LCMS法2
【0182】
実施例91:6−{5−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ニコチンアミド
【化96】

6−{5−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ニコチノニトリル(製造15)(60mg、0.17mmol)のDMSO溶液(1.5mL)に、室温で窒素下、K2CO3(12mg、0.09mmol)およびH22(51μL、0.17mmol)を加えた。1.5時間後、水(3mL)を加え、混合物をEtOAc(50mL)と水(20mL)の間で分液した。水相をEtOAc(2×50mL)で抽出し、有機相を合わせて、水(20mL)、食塩水で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH:NH4OH、95:5:0.5〜92:8:0.8)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.55分; m/z (ES+) = 364.1 [M + H]+.
実施例91に記載した手順を用いて、適当なニコチノニトリル(表7における製造X)から実施例92〜95を製造した。
表7
【表7】

【0183】
実施例96:4−{4−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]イソキノリン−1−イルオキシ}ベンズアミド
【化97】

4−(4−ホルミルイソキノリン−1−イルオキシ)ベンズアミド(製造16)(100mg、0.34mmol)のDMF懸濁溶液(10mL)に、3−メチルブチルアミン(40μL、0.34mmol)および4Å モレキュラ・シーブス(200mg)を加えた。混合物を室温で72時間撹拌し、次いでNaBH4(65mg、1.7mmol)を加えた。16時間後、水(1mL)を加えた。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(NEt3:MeOH:DCM 3:30:500)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.47分; m/z (ES+) = 364.0 [M + H]+.
【0184】
実施例97:4−{4−[(2−シクロヘキシルエチルアミノ)メチル]イソキノリン−1−イルオキシ}ベンズアミド
【化98】

実施例96で概説した手順を用いて、4−(4−ホルミルイソキノリン−1−イルオキシ)−ベンズアミド(製造16)および2−シクロヘキシルエチルアミン塩酸塩を標題の化合物に変換した:
RT = 2.70分; m/z (ES+) = 404.0 [M + H]+.
【0185】
実施例98:4−(4−{[2−(テトラヒドロピラン−4−イル)エチルアミノ]メチルイソキノリン−1−イルオキシ)ベンズアミド
【化99】

実施例96で概説した手順を用いて、4−(4−ホルミルイソキノリン−1−イルオキシ)ベンズアミド(製造16)および2−(テトラヒドロピラン−4−イル)エチルアミンを標題の化合物に変換した:
RT = 2.23分; m/z (ES+) = 378.2 [M + H]+.
【0186】
実施例99:6−{1−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]イソキノリン−4−イルオキシ}ニコチンアミド
【化100】

6−(1−ホルミルイソキノリン−4−イルオキシ)ニコチンアミド(製造20)(130mg、0.44mmol)のジクロロエタン溶液(8mL)に、3−メチルブチルアミン(154μL、1.33mmol)、NaBH(OAc)3(282mg、1.33mmol)および酢酸(76μL、1.33mmol)を加えた。混合物を16時間撹拌した。NaHCO3(50mL)を加え、混合物をEtOAc(3×40mL)で抽出した。有機相を水(30mL)、食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(0.5 NH3:5 MeOH:95 DCM)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.48分; m/z (ES+) = 365.2 [M + H]+.
【0187】
実施例100:6−{1−[(trans−4−イソプロピルシクロヘキシルアミノ)メチル]イソキノリン−4−イルオキシ}ニコチンアミド
【化101】

6−(1−ホルミルイソキノリン−4−イルオキシ)ニコチンアミド(製造20)(150mg、0.51mmol)およびtrans−4−イソプロピルシクロヘキシルアミン塩酸塩(製造9)(273mg、1.53mmol)の1,2−ジクロロエタン懸濁溶液(10mL)に、アルゴン下で酢酸(30μL、0.51mmol)を加え、続いてNaBH(OAc)3(325mg、1.53mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、次いで反応溶媒を減圧留去した。残渣をEtOAc(50mL)とNaHCO3(30mL)の間で分液し、有機相をNaHCO3(30mL)、食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO2、NH4OH:MeOH:DCM 0.5:5:95)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.85分; m/z (ES+) = 419.3 [M + H]+.
実施例100に記載した手順を用いて、6−(1−ホルミルイソキノリン−4−イルオキシ)ニコチンアミド(製造20)および適当なアミン塩酸塩を用いて、表8における実施例101および102を製造した:
表8
【表8】

【0188】
実施例103:6−(5−{[(2,2−ジメチルシクロプロピルメチル)アミノ]メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ニコチンアミド
【化102】

6−(5−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチンアミド(製造35)(200mg、0.68mmol)および(2,2−ジメチルシクロプロピル)メチルアミン塩酸塩(111mg、0.82mmol)のMeOH/DCM(1:1、12mL)混合溶液に、PS−ジイソプロピルエチルアミン(3.66mmol/g、374mg、1.37mmol)を加え、反応液を室温で16時間撹拌した。PS−水素化ホウ素(2mmol/g、1.03g、2.05mmol)を加え、反応液を30分間撹拌した。水(0.5mL)を加え、1% NH4OHのMeOH溶液で溶離するSCXカラム(10g/70mL)に混合物を通して精製した。溶媒を減圧留去し、残渣をEtOAcでトリチュレートして、標題の化合物を得た:
RT = 2.60分; m/z (ES+) = 376.2 [M + H]+.
【0189】
実施例104:3−フルオロ−4−[1−(インダン−2−イルアミノメチル)イソキノリン−4−イルオキシ]ベンズアミド
【化103】

実施例100で概説した手順を用いて、3−フルオロ−4−(1−ホルミルイソキノリン−4−イルオキシ)ベンズアミド(製造42)およびインダン−2−イルアミン塩酸塩を標題の化合物に変換した:
RT = 2.87分; m/z (ES+) = 428.1 [M + H]+.
【0190】
実施例105:6−{4−[(2−ピペリジン−1−イル−エチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}
ニコチンアミド塩酸塩
【化104】

6−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチンアミド(製造2)(70mg、0.24mmol)および2−ピペリジン−1−イルエチルアミン(37μL、0.26mmol)のMeOH溶液(5mL)に、4Å モレキュラ・シーブス(50mg)を加え、反応液を室温で16時間撹拌した。NaBH4(45mg、1.2mmol)を加え、混合物をさらに1時間撹拌した。水(0.5mL)を加え、反応混合物を濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO2、NH4OH:MeOH:DCM 0.5:5:95)によって精製して、遊離塩基として、標題の化合物を得た。4M HClのジオキサン溶液およびEt2Oを残渣に加え、生じた沈殿を濾過して、標題の化合物を得た:
RT = 1.96分; m/z (ES+) = 405.3 [M + H]+.
実施例105で概説した手順を用いて、6−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチンアミド(製造2)および適当なアミンから、表9における実施例106〜109を製造した:
表9
【表9】

【0191】
実施例110:6−{5−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}−ニコチンアミド
【化105】

6−(5−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)ニコチンアミド(製造35)(200mg、0.7mmol)のMeOH溶液(10mL)に、4,4−ジフルオロシクロヘキシル塩化アンモニウム(141mg、0.8mmol)、DIPEA(358μl、2.1mmol)および4Å モレキュラ・シーブス(200mg)を加えた。混合物を50℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、NaBH4(78mg、2.1mmol)を加えた。3時間後、水(1mL)を加え、混合物を濾過した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(10% MeOH−EtOAc)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.40分; m/z (ES+) = 412.2 [M + H]+.
【0192】
実施例110で概説した手順を用いて、対応のニコチンアミド類(表10における製造X)および適当な塩化アンモニウムから、表10における実施例111〜133を製造した。数滴のHCl(1M)を該遊離塩基に加え、続いて溶媒を減圧留去することによって、塩酸塩を製造した(形成される場合)。混合物をアセトン(10mL)で洗浄し、固形物を濾過によって除去して、標題の化合物を得た:
表10
【表10−1】

【表10−2】

【表10−3】

【0193】
実施例134:3−クロロ−4−{4−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ベンズアミド
【化106】

製造19で概説した手順を用いて、3−クロロ−4−{4−[(3−メチルブチル−アミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ベンゾニトリル(製造83)を標題の化合物に変換した:
RT = 2.80分; m/z (ES+) = 397.2, 399.2 [M + H]+.
【0194】
実施例135:4−{4−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ベンズアミド
【化107】

製造19で概説した手順を用いて、4−{4−[(3−メチルブチルアミノ)−メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ベンゾニトリル(製造87)を標題の化合物に変換した:
RT = 2.73分; m/z (ES+) = 363.2 [M + H]+.
【0195】
実施例137:4−{8−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]キノリン−4−イルオキシ}ベンズアミド
【化108】

4−(8−アミノメチルキノリン−4−イルオキシ)ベンズアミド(23mg、0.08mmol、製造90)のMeOH溶液(5mL)に、3−メチルブチルアルデヒド(8.5μL、0.08mmol)および4Å モレキュラ・シーブス(500mg)を加えた。生じた混合物を16時間50℃に加熱し、次いで室温に冷却し、NaBH4(6mg、0.16mmol)を加えた。3時間後、数滴の水を加え、混合物を濾過し、MeOHで洗浄した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(0.25% NH4OH(水)、5% MeOHのDCM溶液)によって精製して、標題の化合物を得た:
RT = 2.65分; m/z (ES+) = 364.2 [M + H]+.
【0196】
実施例138:6−{4−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}ピリジン−2−カルボキシアミド塩酸塩
【化109】

4−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−オール(製造28)(191mg、0.79mmol)および2−フルオロ−6−ピリジンカルボキシアミド(100mg、0.71mmol)のDMSO溶液(6mL)に、アルゴン下で炭酸セシウム(698mg、2.14mmol)を加え、反応液を4時間90℃に加熱した。混合物を水(100mL)とEtOAc:THF 1:1(3×50mL)の間で分液した。有機相を合わせて、水(40mL)、NaHCO3(40mL)、食塩水(40mL)で洗浄し、次いで乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣を分取HPLCによって精製して、TFA塩として、生成物を得た。Na2CO3(10mL)およびEtOAc(10mL)を加え、有機層を分離し、乾燥し(MgSO4)、溶媒を減圧留去した。残渣をMeOH(3mL)に溶解し、4M HClのジオキサン溶液で酸性化した。溶媒を減圧留去して、標題の化合物を得た:
RT = 2.62分; m/z (ES+) = 364.2 [M + H]+.
【0197】
実施例139:2−{4−[(3−メチルブチルアミノ)メチル]ナフタレン−1−イルオキシ}イソニコチンアミド
【化110】

実施例1で概説した手順を用いて、2−(4−ホルミルナフタレン−1−イルオキシ)−イソニコチンアミド(製造91)および3−メチルブチルアミンを標題の化合物に変換した:
RT = 2.46分; m/z (ES+) = 364.2 [M + H]+.
【0198】
以下で概説する手順を用いて、対応のニコチンアミド(表11における製造X)およびアミンから、実施例140〜173(表11)を合成した:
該アルデヒド(0.51mmol)のTHF溶液(5mL)に、アミン(0.49mmol)、酢酸(0.55mmol)(アミンHCl塩を用いる場合、酢酸ナトリウム(0.51mmol)を加える)を加えた。混合物を0.5時間撹拌し、次いでNaBH(OAc)3(1.23mmol)を加えた。16時間後、水(10mL)およびEtOAc(40mL)を加え、NaOH(2M)で混合物のpHを〜pH11に調整した。混合物をEtOAc(2×40mL)で抽出し、有機物を合わせて、水(20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、次いで乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(1% MeOH:EtOAc)によって精製して、標題の化合物を得た。
表11
【表11−1】

【表11−2】

【表11−3】

【表11−4】

**LCMS法2
【0199】
本発明の化合物の生物活性を、以下のアッセイ系で試験してもよい:
【0200】
競合結合アッセイ
μ−、κ−またはδ−オピオイド受容体を発現する膜(5〜15μg/ウェル)を、5mMのMgCl2を含む50mMのトリスバッファー、pH7.6に懸濁させ、96ウェルプレート上で、試験化合物またはビヒクル(1%のDMSO)およびそれぞれ0.5nMの3H−DAMGO、0.8nMの3H−U−69,595または1.1nMの3H−DPDPEのいずれかと共に、合計容量200μLで、90分間、室温(22℃)でインキュベーションした。ウェルの内容物を濾過し、H2Oに事前に浸したGF/Bフィルターを通して、Perkin Elmer Filtermateを用いて、冷却した50mMのトリスバッファー、pH7.6で5回洗浄した。フィルターを乾燥させ、シンチレーションを施用した後、それぞれのウェルの結合した放射性含有量を、Wallac TriLux Microbetaシンチレーションカウンターでのシンチレーション計数によって決定した。非特異的結合は、2μMのナロキソンの存在下で決定した。IC50値は、対数濃度の試験化合物を特異的結合に対してプロットすることによって決定し、続いてKi値を計算した。
【0201】
本発明の化合物は、競合結合アッセイにおいて、μ−オピオイド受容体について<10000nMのKi値を実証し、実施例16などの好ましい化合物は、μ−オピオイド受容体で<100nMのKiを有する。
【0202】
GTPγS機能的結合アッセイ
μ−、κ−またはδ−オピオイド受容体を発現する膜(5〜20μg/ウェル)を、3mMのMgCl2、120mMのNaCl、150pMのGTPγS、10μg/mLのサポニンおよび3μMのGDP(μ−オピオイド受容体アッセイ)または5μMのGDP(κ−およびδ−オピオイド受容体アッセイ)を含む50mMのHEPESバッファー、pH7.6に懸濁させ、96ウェルプレート上で、試験化合物またはビヒクル(1%のDMSO)と共に、合計容量160μLで、10分間、室温(22℃)でプレインキュベーションした。特異的作用剤DAMGO(10nMの最終濃度)、U−50,488(30nMの最終濃度)またはSNC−80(10nMの最終濃度)をそれぞれ加え、プレートを、15分間、室温(22℃)でさらにプレインキュベーションした。その後、アッセイ中で150pMの最終濃度の35S−GTPγSを加えて、1個のウェルあたりの合計容量200μLをもたらし、プレートを、45分間、30℃でインキュベーションした。ウェルの内容物を濾過し、H2Oに事前に浸したGF/Bフィルターを通して、Perkin Elmer Filtermateを用いて、冷却した50mMのトリスバッファー、pH7.6で5回洗浄した。フィルターを乾燥させ、シンチレーションを施用した後、それぞれのウェルの結合した放射性含有量を、Wallac TriLux Microbetaシンチレーションカウンターでのシンチレーション計数によって決定した。非特異的結合は、10μMのGTPγSの存在下で決定した。IC50値は、対数濃度の試験化合物を、刺激していない35S−GTPγSの結合と比較した%増に対してプロットすることによって、決定した。
【0203】
本発明の化合物は、GTPγSアッセイにおいて、μ−オピオイド受容体について<10000nMのIC50値を実証し、実施例16などの好ましい化合物は、μ−オピオイド受容体で<100nMのIC50を有する。
【0204】
本発明の化合物は、好ましくは、κ−およびδ−オピオイド受容体と比較した、μ−オピオイド受容体の調節に対する選択性の度合を実証する。
【0205】
インビボ摂食研究
体重ならびに食物および水の摂取に対する本発明の化合物の効果を、逆相照明で維持した自由に摂食する雄のスプラーグドーリーラットで検査した。試験化合物および参照化合物を経口投薬し、続く24時間にわたって測定を行った。ラットは、金属格子床を備えたポリプロピレン製ケージ内に、21±4℃の温度および55±20%の湿度で、個々に飼育した。食物のこぼれを検出するために、ケージパッドを備えたポリプロピレン製トレイをそれぞれのケージの下に配置した。動物を逆相の明−暗サイクル(09.30〜17.30時の8時間の消灯)で維持し、その間、室内を赤色光によって照明した。動物は、2週間の馴化期間の間、標準の粉末ラット飼料および水道水に自由に利用できた。飼料はアルミニウム製蓋を備えたガラス製給餌ジャーに入れた。それぞれの蓋は3〜4cmの穴を備えており、これにより食物が利用可能であった。暗期間の開始時に動物、給餌ジャーおよび水ボトルを秤量した(0.1g単位まで)。続いて、動物に本発明の化合物を投薬した1、2、4、6および24時間後に給餌ジャーおよび水ボトルを測定し、ベースラインの治療群との任意の有意な差異を、ビヒクルで治療した対照と比較した。本発明の好ましい化合物は、ビヒクル対照と比較して、化合物を100mg/kg未満で投与した6時間後に、累積食物摂取を有意に減少させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(I)
[式中、
XおよびX1は、独立して、CHまたはNであり、ただし、XおよびX1は両方がNではなく、XがCHである場合、HをR4基によって置き換えてもよいか、または、X1がCHである場合、HをR4基もしくは−CONH2置換基によって置き換えてもよく;
Aは、
【化2】

から選択され、
Aは、ニトリル、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、ハロ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、−C(O)C1〜C3アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよび−C1〜C3アルキルC3〜C8シクロアルキルから選択される1〜3個の基で適宜置換されており;
Rは、水素、C1〜C6アルキルまたはC2〜C3アルキルOC1〜C3アルキルであり;
1は、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル、−C1〜C6アルキルアリール、C3〜C10シクロアルキル、−C1〜C6アルキルC3〜C10シクロアルキル、C3〜C9ヘテロシクリル、−C2〜C6アルキル−O−C3〜C9ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC3〜C9ヘテロシクリル、−C2〜C6アルキル−O−C3〜C10シクロアルキル、−C2〜C6アルキル−O−C5〜C10ヘテロアリール、−C1〜C6アルキルC5〜C10ヘテロアリール、−C1〜C6アルキルC(O)C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルC(O)C3〜C9ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC(O)アリール、−C2〜C6アルキル−O−アリール、−C2〜C6アルキル−O−C1〜C6アルキル、−C2〜C6アルキルNR67、−(CH2mC(O)NR67および−(CH2mNSO25であり;アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびアリール基のそれぞれは、ハロ、ニトリル、C1〜C6ハロアルキル、−S(O)n1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、−C1〜C6アルキルアリール、−C(O)C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、−O−C1〜C6ハロアルキルおよびヒドロキシから選択される1〜3個の基で適宜置換されているか;または
RとR1とは、それらが結合しているN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい4〜7員のヘテロ環を形成してもよく、このヘテロ環は、NR89、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、ヒドロキシ、ハロ、−C1〜C6アルキルアリール、−C1〜C6アルコキシ、−C1〜C6アルコキシアリール、アリールオキシ、−C(O)C1〜C6アルキル、オキソ、C1〜C6ハロアルキルおよび−O−(CH22−O−から選択される1〜5個の基によって置換されていてもよく、任意のアリール基は、1〜3個のハロ基で適宜置換されており;
2およびR3は、独立して、水素またはC1〜C3アルキルであり;
4は、水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、ハロ、C1〜C3ハロアルキル、−C(O)C1〜C3アルキル、−C1〜C3アルキルC3〜C8シクロアルキルまたはC1〜C3ハロアルコキシであり;
5は、C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルアリールまたは−C1〜C6アルキル−O−C1〜C6アルキルであり;
6およびR7は、独立して、水素、C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルアリール、C3〜C8シクロアルキル、−C1〜C6アルキルC5〜C10ヘテロアリール、−C1〜C6アルキルC3〜C7ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC(O)C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルC(O)C3〜C7ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC(O)アリール、−C1〜C6アルキル−O−アリール、−C2〜C6アルキル−O−C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルC3〜C9シクロアルキルであり;アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびアリール基のそれぞれは、ハロ、C1〜C6ハロアルキル、−S(O)n1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、−C1〜C6アルキルアリール、−C(O)C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシおよびC1〜C6ハロアルコキシから選択される1〜3個の基で適宜置換されているか;または
6とR7とは、それらが結合しているN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい4〜7員のヘテロ環を形成してもよく、このヘテロ環は、NR89、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、ヒドロキシ、ハロ、−C1〜C6アルキルアリール、−C(O)C1〜C6アルキル、オキソおよびC1〜C6ハロアルキルから選択される1〜3個の基によって置換されていてもよく;
8およびR9は、独立して、水素またはC1〜C6アルキルであり;
nは、0、1、または2であり;並びに
mは、1、2または3であり;
ただし、−CONH2置換基は、フェニル環またはピリジル環上の−O−基に対してオルトではない]
の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
1がCHである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
Aが、
【化3】

から選択される、請求項1または2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
−CONH2置換基が、フェニル環またはピリジル環上の−O−基に対してパラである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
Rが水素またはC1〜C3アルキルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
1が、C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルキルアリール、C3〜C10シクロアルキル、−C1〜C6アルキルC3〜C10シクロアルキル、C3〜C7ヘテロシクリル、−C1〜C6アルキルC3〜C7ヘテロシクリルまたは−C1〜C6アルキルC5〜C10ヘテロアリールであり;アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびアリール基のそれぞれが、請求項1に記載の1個または2個の基で適宜置換されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
RとR1とが、それらが結合しているN原子と一緒になって、4〜7員のヘテロ環を形成しているものであり、環が、NR89、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、ヒドロキシ、ハロ、−C1〜C6アルキルアリール、−C1〜C6アルコキシ、−C1〜C6アルコキシアリール、アリールオキシ、−C(O)C1〜C6アルキル、オキソおよびC1〜C6ハロアルキルから選択される1〜3個の基によって置換されていてもよく、任意のアリール基が、1〜3個のハロ基で適宜置換されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
2およびR3が水素である、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
4が水素またはフルオロである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
XがCH、NまたはCFである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
遊離塩基またはその医薬的に許容される塩としての、実施例1から173のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩と、医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項13】
治療が必要な患者に、有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与する工程を含むことを特徴とする、オピオイド受容体が役割を果たす疾患または症状を治療する方法。
【請求項14】
治療が必要な患者に、有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与する工程を含むことを特徴とする、食物摂取および/または満腹感を制御する方法。
【請求項15】
治療が必要な患者に、有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与する工程を含むことを特徴とする、肥満症を治療する方法。
【請求項16】
治療が必要な患者に、有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与する工程を含むことを特徴とする、II型糖尿病、代謝症候群(症候群X)、耐糖能異常、異常脂質血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDLレベルまたは高血圧などの代謝性疾患を治療する方法。
【請求項17】
治療が必要な患者に、有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与する工程を含むことを特徴とする、物質乱用、アルコール乱用、強迫性賭博、鬱病、アヘン剤過量、敗血症性ショック、過敏性腸症候群、嘔気、嘔吐または脳卒中を治療する方法。

【公表番号】特表2010−527980(P2010−527980A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508908(P2010−508908)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050370
【国際公開番号】WO2008/142454
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(504326837)プロシディオン・リミテッド (53)
【氏名又は名称原語表記】Prosidion Limited
【Fターム(参考)】