説明

代謝障害治療のための化合物

本発明はGPR119アゴニストとしての活性を有し、2型糖尿病を含む代謝障害の治療に有用な治療化合物に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2型糖尿病を含む代謝障害の治療に有用な治療化合物に関する。特に、本発明はGPR119アゴニストとしての活性を有する化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
インスリン非依存性2型糖尿病に関連する病態生理を標的とする薬剤は多くの副作用を有し、大多数の患者における脂質代謝異常および高脂血症に適切に対処していない。治療はしばしば、食事、運動、血糖降下剤およびインスリンを用いて個々の患者における必要性に焦点を合わせるが、新規抗糖尿病薬、特により副作用が少なく、より忍容性が高いであろう薬剤は常に必要とされてきた。
【0003】
同様に、メタボリックシンドローム(シンドロームX)は人々を高い冠動脈疾患のリスク下に置き、中心性肥満(腹部における過剰な脂肪組織)、耐糖能障害、高トリグリセライドおよび低HDLコレステロール、および高血圧などの危険因子の集団として特徴付けられる。心筋虚血および微小血管障害は、未治療または不完全に治療されたメタボリックシンドロームとの関連で確立された病的状態である。
【0004】
肥満は体の大きさに比べて過剰な脂肪組織量で特徴付けられる。臨床的には、体脂肪量は肥満度指数(BMI;体重(kg)/慎重(m))または腹囲で見積もられる。BMIが30を超えると各人は肥満と見なされ、過体重であることの医学的帰結は確立されている。体重の増加、特に腹部の体脂肪によるものが、糖尿病、高血圧、心疾患、および多数の別の合併症、例えば関節炎、脳卒中、胆嚢疾患、筋肉および呼吸器における問題、背部痛、さらにはいくつかの癌のリスクの増加と関連することは、長い間受け入れられてきた医学的見解となっている。
【0005】
新規抗糖尿病薬、特により副作用が少なく、より忍容性が高い薬剤、および特に体重と無関係または好ましくは体重の低下を引き起こす薬剤は常に必要とされてきた。
【0006】
GPR119(以前はGPR116と呼ばれていた)はヒトおよびラットの受容体を開示するWO00/50562においてSNORF25として同定されたGPCRであり、また、US 6,468,756はマウスの受容体(受入番号:AAN95194(ヒト)、AAN95195(ラット)およびANN95196(マウス))も開示している。
【0007】
ヒトにおいて、GPR119は膵臓、小腸、結腸および脂肪組織において発現されている。ヒトGPR119受容体の発現プロファイルは、その糖尿病治療の標的としての高い有用性を示している。
【0008】
GPR119アゴニストは胃腸管からのGLP−1の放出を刺激することが示されている。それにより、GPR119アゴニストは、(1)膵臓からのグルコース依存的インスリンの放出を増強し、経口グルコース耐性を改善し;(2)β−細胞のcAMP濃度を増加させることにより疾患の進行を減弱し;(3)おそらくはGLP−1の摂食低下能を通して体重の減少を引き起こす。
【0009】
国際特許出願 WO2005/061489、WO2006/070208、WO2006/067532、WO2006/067531、WO2007/003960、WO2007/003961、WO2007/003962、WO2007/003964、WO2007/116229、WO2007/116230、WO2007/138362、WO2008/081204、WO2008/081205、WO2008/081206、WO2008/081207、WO2008/081208、WO2009/050522、WO2009/050971、WO2010/004343、WO2010/004344、WO2010/004345、 WO2010/004347およびWO2010/00166はGPR119受容体アゴニストを開示する。
【0010】
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)はユビキタスだが特異性の高いセリンプロテアーゼであり、最後から2番目の位置のL−プロリンまたはL−アラニンでポリペプチドからN−末端側のジペプチドを切り出す。DPP−IV阻害剤を用いた研究から、GLP−1の不活性化におけるDPP−IVの重要な役割が示された。GLP−1が活性である期間を延ばすことにより、インスリンの分泌が刺激され、グルカゴンの放出が阻害され、胃内容排出が遅延される。DPP−IV阻害剤は2型糖尿病の治療に有用であり、DPP−IV阻害剤の例は、例えばビルダグリプチン、シタグリプチン、アログリプチンおよびサクサグリプチンである。
【0011】
GPR119アゴニストおよびDPP−IV阻害剤を組み合わせて用いる可能性は示唆されてはいるが、これには患者への2つの別々の製剤または2つの活性成分を含む複合製剤の投与が必要であり、2つの活性成分の物理化学的、薬物動態学的、および薬力学的性質の適合性の達成に関する問題を孕んでいる。本願の優先日より後に公開された国際特許出願WO2009/034388はGPR119アゴニストおよびDPP-IV阻害剤としての2つの活性を有する化合物を開示している。
【0012】
本発明の化合物もまた、GPR119アゴニストおよびDPP-IV阻害剤としての2つの活性を有し得る。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、GPR119アゴニストとしての活性を有し、DPP−IV阻害剤としての活性も有し得、2型糖尿病を含む代謝障害の治療に有用な化合物に関する。
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明は式(I):
【化1】

[式中、
pは1または2であり;
pが2のとき、ZはCHRまたはNRであり;
および、pが1のとき、Zは−N−CH−Ph(ここで、PhはC1−4アルキル、C1−4ハロアルキルおよびハロから独立して選択される1または2個の基により適宜置換されていてもよい)であり;
は−N(CH)−C(O)−O−C2−4アルキルまたは−N(CH)−C(O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルはC1−4アルキルで適宜置換されていてもよい)であり;
は−C(O)−O−C2−4アルキル、−C(O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルはC1−4アルキルで適宜置換されていてもよい)、−C(O)−C2−4アルキル、−C(O)−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルはC1−4アルキルで適宜置換されていてもよい)であるか、あるいはRは:
【化2】

(ここで、Tはそれに属す−N=C−と共に、N、OおよびSから選択される最大2個のヘテロ原子をさらに適宜含んでいてもよい5または6員のヘテロアリール環を形成する:)であり;
Tがそれに属す−N=C−と共に5員のヘテロアリール環を形成するとき、RはC1−4アルキルで適宜置換されていてもよいC2−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルであり、Tがそれに属す−N=Cと共に6員のヘテロアリール環を形成するとき、RはC2−4アルキル、フルオロまたはクロロであり;
Qは−O−、−O−CRH−または−CRH−O−であり;
XはフェニルまたはN、OおよびSから選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含む5もしくは6員のヘテロアリール基であり;ただし、Qが−O−CRH−のとき、Xは6員のヘテロアリール基ではなく;
Yは結合、−CH−または−CHMe−であり;
およびR3aは水素、フルオロまたはクロロから独立して選択されるか、あるいはRがシアノであるとき、Rはメチルでもよく;ただし、Yが結合であり、RおよびR3aがY基のオルト位にあるとき、それらは共に水素であり;
は水素であるか、あるいはYが−CH−または−CHMe−のとき、Rはフェニル環の*位に−CH−結合して縮合6員含窒ヘテロ環を形成してもよく;
は1つまたはそれ以上のフルオロ、シクロ、シアノまたはメチル基で適宜置換されていてもよいベンジルであるか、あるいはRは:
【化3】

(ここで、
rは1または2であり、mは0、1または2であり;
WはCHであるか、あるいはrが2のとき、WはSでもよく;
WがCHのとき、Rはフルオロまたはシアノであり、WがSのとき、Rはシアノである)であり;
は水素またはメチルである]
の化合物、またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0015】
好ましい実施態様において、本発明の化合物は式(Ia)で定義される立体化学を有し、かかる化合物はDPP−IV阻害活性を示す:
【化4】

【0016】
本発明の実施態様の1つにおいて、各pは独立して1または2であり、即ち、4、5または6員環を形成する。本発明の実施態様の別の1つにおいて、各pは同じであり、即ち、4または6員環を形成する。本発明の化合物において、pは好ましくは2である。
Zは好ましくはNRである。
本発明の実施態様の1つにおいて、Rは−C(O)ORである。
本発明のさらなる実施態様において、Rは:
【化5】

である。
が:
【化6】

のとき、本明細書中で述べられるTがそれに属す−N=C−と共に形成する5または6員のヘテロアリール環はオキサジアゾールおよびピリミジンである。
Qは好ましくは−O−または−CRH−O−であり、より好ましくは−CRH−O−である。
Xは好ましくはメタもしくはパラ結合フェニルまたは1つもしくは2つの窒素原子を含むメタもしくはパラ結合6員ヘテロ芳香族環であり、より好ましくはパラ結合フェニルまたは1つもしくは2つの窒素原子を含む6員ヘテロ芳香族環である。
Xは好ましくはフェニルまたはピリジルである。
は好ましくはフルオロである。
は好ましくは水素である。
は好ましくは:
【化7】

である。
Wは好ましくはCHである。
rは好ましくは2である。
【0017】
各可変部における好ましい基を上で各可変部について概説したが、本発明の好ましい化合物は、式(I)においていくつかの可変部または各可変部が各可変部の好ましい基から選択される化合物を含む。故に、本発明は記載された好ましい基の全ての組み合わせを包含するよう意図される。
【0018】
特に挙げられる代表的な本発明の化合物は、遊離塩基またはその医薬的に許容される塩として実施例で提供されるものである。
【0019】
本発明の化合物の分子量は、好ましくは800未満であり、より好ましくは600未満である。
【0020】
特に断らない限り、本明細書中で用いられる用語「アルキル」は直鎖または分枝鎖の炭素鎖を意味する。アルキル基の例は、例えばエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチルである。
【0021】
用語「ヘテロアリール」環は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子を最大2個含む5または6員の含窒ヘテロアリール環を意味する。かかるヘテロアリール環の例は、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、およびトリアジニルである。
【0022】
本明細書中に記載される化合物は、1つまたはそれ以上の不斉中心を有していてもよく、故に、ジアステレオマーおよび光学異性体が生じ得る。本発明は、全てのかかるジアステレオマーおよびそれらのラセミ混合物、高純度に分割されたエナンチオマー、全ての存在可能な幾何異性体、ならびにそれらの医薬的に許容される塩を包含する。本発明は、本発明の化合物の全ての立体異性体およびその医薬的に許容される塩を包含する。さらに、立体異性体の混合物ならびに単離された特定の立体異性体もまた、包含される。かかる化合物の製造に用いられる合成方法の過程、または当業者に周知のラセミ化もしくはエピマー化手法を使用する際において、かかる方法の生成物は立体異性体の混合物であってもよい。
【0023】
本発明の化合物の互変異性体が存在するとき、特に設定または記載されない限り、本発明の化合物は全ての可能な互変異性体およびその医薬的に許容される塩、およびそれらの混合物を包含する。
【0024】
本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩が溶媒和物または多形相の形態で存在するとき、本発明は全ての存在可能な溶媒和物および多形相の形態を包含する。溶媒和物を形成する溶媒の種類は、溶媒が医薬的に許容される限り、特に限定されない。例えば、水、エタノール、プロパノール、アセトンなどが用いられ得る。
【0025】
用語「医薬的に許容される塩」は、医薬的に許容される無毒な塩基または酸から形成される塩を意味する。本発明の化合物が酸性の場合、その対応する塩は、無機塩基および有機塩基を含む医薬的に許容される無毒な塩基から製造することができる。かかる無機塩基に由来する塩は、例えばアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(1価および2価)、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛などによる塩である。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。医薬的に許容される無毒な有機塩基に由来する塩は、例えば1級、2級および3級アミン、ならびに環状アミン、例えば天然に存在する置換アミンおよび合成置換アミンの塩である。塩を形成し得る別の医薬的に許容される無毒な有機塩基 は、例えばアルギニン、ベタニン、カフェイン、コリン、N’,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミンレジン、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどである。
【0026】
本発明の化合物が塩基性の場合、その対応する塩は無機および有機酸を含む医薬的に許容される無毒な酸から製造することができる。かかる酸は、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などである。
【0027】
本発明の化合物は医薬的使用を意図されるため、それらは高純度な形態で提供されることが好ましく、例えば、少なくとも純度60%において、より適切には少なくとも純度75%において、とりわけ少なくとも純度98%(%は重量に基づく)において提供される。
【0028】
式(I)の化合物は以下のようにして製造可能であり、ここで、R、R、R、R3a、R、R、R、R、X、Y、W、Q、Z、m、pおよびrは式(I)と同義である。PGは保護基であり、Halはハロゲン、Tfはトリフレートである。
【0029】
pが2であり、Qが−O−または−CRH−O−であり、Xが2−ピリジルまたは2−ピリミジルであり、Rが−C(O)−O−C2−4アルキルではない式(I)の化合物は、スキーム1に概説されるように合成することができる。式(IV)の化合物は、式(II)のトリフレートと式(III)のボロネートを、例えば、DMF/水などの適切な溶媒中、80℃において[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムを用いる鈴木条件下で反応させることにより合成することができる。式(VI)の化合物は、標準的な条件下、例えばマイクロ波反応器内、150℃、THFなどの適切な溶媒中のKOBuにおける式(IV)のアリールハライドと式(V)のアルコールとの反応により製造することができる。当業者に周知の標準的な条件を用いたアミン官能性の脱保護反応により、上記の式(I)の化合物が得られる。
【化8】

【0030】
pが2であり、Qが−O−または−CRH−O−であり、Xが2−ピリジルまたは2−ピリミジルであり、Rが−C(O)−O−C2−4アルキルである式(I)の化合物は、スキーム2に概説されるように合成することができる。式(VIII)のアリールブロミドは、60℃、NaHなどの適切な塩基の存在下、THFなどの適切な溶媒中における式(V)のアルコールと式(VII)のアリールクロリドの反応により製造することができる。式(IX)のアリールボロネートは、110℃、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムなどの適切な触媒の存在下、1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中における式(VIII)のアリールブロミドとビス(ピナコレート)ジボロンの反応により製造することができる。式(VI)の化合物は、例えば、80℃、DMF/水などの適切な溶媒中で[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムを用いる鈴木条件下における、式(II)のトリフレートと式(IX)のボロネートの反応により製造することができる。当業者に周知の標準的な条件を用いたアミン官能性の脱保護反応により、上記の式(I)の化合物が得られる。
【化9】

【0031】
pが2であり、Qが−O−または−CRH−O−であり、Xがフェニルである式(I)の化合物は、スキーム3に概説されるように製造することができる。式(XI)のアリールハライドは、例えば、アゾジカルボン酸ジピペリジドおよびトリブチルホスフィンを用いる光延条件下における、式(V)のアルコールとフェノール(X)の反応により製造することができる。式(XII)のアリールボロネートは、110℃、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムなどの適切な触媒の存在下、1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中における式(XI)のアリールハライドとビス(ピナコレート)ジボロンの反応により製造することができる。式(VI)の化合物は、例えば、マイクロ波反応器内、80℃、DMF/水などの適切な溶媒中で[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムを用いる鈴木条件下における式(II)のトリフレートと式(XII)のボロネートの反応により製造することができる。当業者に周知の標準的条件を用いたアミン官能性の脱保護反応により、上記の式(I)の化合物が得られる。
【化10】

【0032】
pが2であり、Qが−O−または−CRH−O−であり、Xが5−ピリジルまたは5−ピリミジルである式(I)の化合物はスキーム4に概説されるように製造することができる。式(VIII)のアリールブロミドは、例えば、アゾジカルボン酸ジピペリジドおよびトリブチルホスフィンを用いる光延条件下における式(V)のアルコールと式(XIII)のアリールブロミドの反応により製造することができる。式(VI)の化合物は、例えば、マイクロ波反応器内、80℃、DMF/水などの適切な溶媒中で[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムを用いる鈴木条件下における式(VIII)のアリールブロミドと式(XIV)のボロネートの反応により製造することができる。当業者に周知の標準的条件を用いたアミン官能性の脱保護反応により、上記の式(I)の化合物が得られる。
【化11】

【0033】
pが2であり、Qが−O−CRH−であり、Xがフェニルである式(I)の化合物は、スキーム5に概説されるように製造することができる。式(XVI)のメシレートは、トリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下、DCMなどの適切な溶媒中における式(XV)のアルコールとメタンスルホニルクロリドとの反応により製造することができる。式(XI)のアリールブロミドは、NaHなどの適切な塩基の存在下、THFなどの適切な溶媒中における式(XVI)のメシレートと式(XVII)のアルコールとの反応により製造することができる。式(XII)のアリールボロネートは、110℃、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムなどの適切な触媒の存在下、1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中における式(XI)のアリールハライドをビス(ピナコレート)ジボロンとの反応により製造することができる。式(VI)の化合物は、例えば、マイクロ波反応器内、80℃、DMF/水などの適切な溶媒中で[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムを用いる鈴木条件下における式(II)のトリフレートと式(XII)のボロネートとの反応により製造することができる。当業者に周知の標準的条件を用いたアミン官能性の脱保護反応により、上記の式(I)の化合物が得られる。
【化12】

【0034】
pが1であり、Xが2−ピリジルまたは2−ピリミジルである式(I)の化合物は、スキーム6に概説されるように製造することができる。式(VIII)のアリールブロミドは、60℃、NaHなどの適切な塩基の存在下、DMFなどの適切な溶媒中における式(V)のアルコールと式(VII)のアリールブロミドとの反応により製造することができる。式(VI)の化合物は、例えば、マイクロ波反応器内、80℃、DMF/ 水などの適切な溶媒中で[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムを用いる鈴木条件下における式(VIII)のアリールブロミドと式(XIV)のボロネートとの反応により製造することができる。当業者に周知の標準的条件を用いたアミン官能性の脱保護反応により、上記の式(I)の化合物が得られる。
【化13】

【0035】
pが1であり、Xがフェニル、5−ピリジルまたは5−ピリミジルである式(I)の化合物は、スキーム7に概説されるように製造することができる。式(VIII)のアリールブロミドは、例えば、アゾジカルボン酸ジピペリジドおよびトリブチルホスフィンを用いる光延条件下における式(V)のアルコールと式(XIII)のアリールブロミドの反応により製造することができる。式(VI)の化合物は、例えば、マイクロ波反応器内、80℃、DMF/水などの適切な溶媒中で[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムを用いる鈴木条件下における式(VIII)のアリールブロミドと式(XIV)のボロネートの反応により製造することができる。当業者に周知の標準的条件を用いたアミン官能性の脱保護反応により、上記の式(I)の化合物が得られる。
【化14】

【0036】
pが2であり、Qが−O−CRH−であり、Xがオキサジアゾール−3−イルである式(I)の化合物は、スキーム8に概説されるように製造することができる。式(XVIII)のニトリルは、70℃、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムなどの適切な触媒の存在下、DMFなどの適切な溶媒中における式(II)のトリフレートとZnCNの反応により製造することができる。式(XIX)のアミドオキシムは、78℃、KCOなどの適切な塩基の存在下、エタノール/水などの適切な溶媒中における式(XVIII)のニトリルとヒドロキシルアミンヒドロクロリドの反応により製造することができる。式(VI)の化合物は、DMFなどの適切な溶媒中におけるクロロギ酸イソブチルおよびトリエチルアミンなどの標準的条件下での式(XIX)のアミドオキシムと式(XX)の酸の反応により製造することができる。当業者に周知の標準的条件を用いたアミン官能性の脱保護反応により、上記の式(I)の化合物が得られる。
【化15】

【0037】
pが2であり、Qが−O−CRH−であり、Xがオキサジアゾール−5−イルである式(I)の化合物は、スキーム9に概説されるように製造することができる。式(XXI)の酸は、80℃、酢酸パラジウムなどの適切な触媒の存在下、DMFなどの適切な溶媒中における式(II)のトリフレートと一酸化炭素の反応により製造することができる。式(VI)の化合物は、DMFなどの適切な溶媒中のクロロギ酸イソブチルおよびトリエチルアミンなどの標準的な条件下における式(XXI)の酸と式(XXII)のアミドオキシムの反応により製造することができる。当業者に周知の標準的条件を用いたアミン官能性の脱保護反応により、上記の式(I)の化合物が得られる。
【化16】

【0038】
pが2であり、Qが−O−CRH−であり、Xがチアゾール−2−イルである式(I)の化合物は、スキーム10に概説されるように製造することができる。式(XXIII)のアミドは、水/DMSOなどの適切な溶媒中における式(XVIII)のニトリルと過酸化水素の反応により製造することができる。式(XXIV)のチオアミドは、例えば、トルエンなどの適切な溶媒中、還流下においてローソン試薬(Lawesson’s reagent)を用いるような標準的な条件における式(XXIII)のアミドの反応により製造することができる。式(VI)の化合物は、KCOなどの適切な塩基の存在下、アセトンなどの適切な溶媒中における式(XXIV)のチオアミドと式(XXV)のクロリドの反応により製造することができる。当業者に周知の標準的条件を用いたアミン官能性の脱保護反応により、上記の式(I)の化合物が得られる。
【化17】

【0039】
pが2であり、Qが−O−CRH−であり、Xがチアゾール−4−イルである式(I)の化合物は、スキーム11に概説されるように製造することができる。式(XXVI)のケトンは、80℃、DMFなどの適切な溶媒中、酢酸パラジウムなどの適切な触媒の存在下における式(II)のトリフレートとビニルブチルエーテルの反応により製造することができる。次いで、室温でHCl水溶液を用いたワークアップを行う。式(XXVII)のブロモケトンは、THFなどの適切な溶媒中のにおける式(XXVI)のケトンとトリメチルフェニルアンモニウム トリブロミドの反応により製造することができる。式(VI)の化合物は、例えば、室温においてエタノールを用いる標準的なハンチュ(Hantzsch)条件下における式(XXVII)のブロモケトンと式(XXVIII)のチオアミドの反応により製造することができる。当業者に周知の標準的条件を用いたアミン官能性の脱保護反応により、上記の式(I)の化合物が得られる。
【化18】

【0040】
式(XIV)の化合物はスキーム12に概説されるように製造することができる。式(XIV)の化合物は、110℃、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムなどの適切な触媒の存在下、1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中における式(II)のトリフレートとビス(ピナコレート)ジボロンの反応により製造することができる。
【化19】

【0041】
がベンジルである式(II)の化合物は、スキーム13に概説されるように製造することができる。式(XXX)のアルデヒドは、例えば、室温、アセトニトリルなどの適切な溶媒中でN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドを用いる標準的な条件下における式(XXIX)のフェノールの変換により製造することができる。式(XXXI)のアミンは、式(XXX)のアルデヒドとLiHMDSの反応、次いで得られたイミンと適切なグリニャール試薬との反応により製造することができる。例えばジ炭酸ジ−tert−ブチルを用いて得られたアミン基を保護することにより、式(II)の化合物が得られる。
【化20】

【0042】
がアミドであり、WがCHまたはSであり、mが1であり、Rがシアノである式(II)の化合物は、スキーム14に概説されるように製造することができる。式(XXXIII)のアミドは、例えば、DCMなどの適切な溶媒中でHOBTおよびEDCIを用いる標準的なアミドカップリング条件下における式(XXXII)の酸と適当なアミンの反応により製造することができる。式(XXXIV)のトリフレートは、室温、アセトニトリルなどの適切な溶媒中においてN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドを用いる標準的な条件下における式(XXXIII)のアミドの変換により製造することができる。上記の式(II)の化合物は、例えば、THFなどの適切な溶媒中で無水トリフルオロ酢酸およびピリジンを用いる標準的な脱水条件下における式(XXXIV)の化合物の反応により製造することができる。
【化21】

【0043】
がアミドでありRがシアノではない式(II)の化合物は、スキーム15に概説されるように製造することができる。式(XXXV)のアミドは、例えば、DCMなどの適切な溶媒中でHOBTおよびEDCIを用いる標準的なアミドカップリング条件下における式(XXXII)の酸と適当なアミンの反応により製造することができる。式(II)のトリフレートは、例えば、室温、アセトニトリルなどの適切な溶媒中でN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドを用いる標準的な条件下における式(XXXIII)のアミドの変換により製造することができる。
【化22】

【0044】
特に、Rがフッ素、R3aが水素、YがCHMe、およびRが水素である式(XXXII)のキラル化合物は、スキーム16に概説されるように製造することができる。式(XXXVII)の化合物は、還流下、THFなどの適切な溶媒中における4−ベンジルオキシ−2−フルオロベンズアルデヒド(XXXVI)とメチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテートの反応により製造することができる。けん化、次いで得られたカルボン酸の、例えばピバロイルクロリドによる活性化、次いでn−ブチルリチウムなどの適切な塩基で脱プロトン化した(R)−(−)−4−フェニル−2−オキサゾリジンとの反応により、式(XXXIX)の化合物が得られる。THFなどの適切な溶媒中における硫化ジメチル、メチルマグネシウムブロミドおよび臭化銅(I)−ジメチルスルフィドとの反応により、式(XL)の化合物が得られる。これに次ぐジブチルボロントリフレートおよびN−ブロモスクシンイミドとの反応、次いでN,N,N’,N’−テトラメチルグアニジンアジドとの反応により、式(XLII)の化合物が得られる。過酸化水素および水酸化ナトリウムを用いてフェニルオキサゾリジン−2−オン基を除去することにより、式(XLIII)の化合物が得られる。標準的な条件下における還元、次いで生じたアミン基の、例えば、ジ炭酸ジ−tert−ブチルによる保護により、上記の式(XXXII)の化合物が得られる。
【化23】

【0045】
特に、Rがフッ素、R3aが水素、YがCH、Rが水素である式(XXXII)の化合物は、スキーム17に概説されるように製造することができる。式(XLVI)の化合物は、120℃、無水酢酸中における2−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド(XLV)と酢酸ナトリウムおよびアセチルアミノ酢酸との反応により製造することができる。得られたアルケン酸(XLVI)の標準的な条件下における還元により式(XLVII)のラセミ化合物が得られる。[Rh(cod)(PP)]OTfおよび(S,S)−Et−Duphosなどのキラル触媒を用いたアルケン酸(XLVI)の還元により、式(XLVII)の化合物が高い鏡像体過剰率において得られる。標準的な酸性条件下におけるアセチル基の除去、次いで、例えば、ジ炭酸ジ−tert−ブチルによるアミン基の保護により、上記の式(XXXII)の化合物が得られる。
【化24】

【0046】
pが2であり、Qが−O−CRH−である式(XXV)の化合物は、スキーム18に概説されるように製造することができる。式(XVII)のアルコールを、KCOなどの適切な塩基の存在下、DMFなどの適切な溶媒中において1,3−ジクロロアセトンで処理することにより、上記の式(XXV)の化合物が得られる。
【化25】

【0047】
pが2であり、Qが−O−CRH−である式(XXVIII)の化合物は、スキーム19に概説されるように製造することができる。式(XLIX)のアミドは、例えば、DCMなどの適切な溶媒中でHOBTおよびEDCIを用いる標準的なアミドカップリング条件下における式(XX)の酸と適当なアミンの反応により製造することができる。式(XXVIII)のチオアミドは、例えば、トルエンなどの適切な溶媒中、還流下でローソン試薬を用いる標準的な条件下における式(XLIX)の反応により製造することができる。
【化26】

【0048】
式(I)の別の化合物は、上記と同様の方法またはそれ自体周知の方法により製造されてもよい。式(I)の化合物の製造に関するさらなる詳細は、実施例に述べる。
【0049】
式(I)の化合物は、単独で製造されてもよく、少なくとも2個、例えば5個から1000個、好ましくは10から100個の式(I)の化合物を含む化合物ライブラリーとして製造されてもよい。化合物ライブラリーは、コンビナトリアル「split and mix」アプローチ、または多重パラレル合成により、液相もしくは固相化学を用い、当業者に周知の方法を用いて製造されてもよい。
【0050】
式(I)の化合物の製造中、中間体化合物の不安定な官能基、例えばヒドロキシ、カルボキシならびにアミノ基は保護されてもよい。保護基は、式(I)の化合物の製造中のいずれのステージにおいて除去されてもよく、あるいは最終的な式(I)の化合物に存在していてもよい。種々の不安定な官能基を保護することができる方法および得られた保護誘導体を切断する方法に関する包括的な議論は、例えば、Protective Groups in Organic Chemistry, T.W. Greene and P.G.M. Wuts, (1991) Wiley-Interscience, New York, 2nd editionに見られる。
【0051】
上に記載したような式(I)の化合物およびその中間体の製造工程もまた、本発明のさらなる態様に包含される。
【0052】
上のスキームまたは実施例で定義したいずれの新規中間体もまた、本発明の範囲に包含される。故に、本発明のさらなる態様により、上と同義の式II、IV、VI、XIV、 XVIII、XIX、XXI、XXIII、XXIV、XXIV、XXVI、XXVII、XXXI、XXXIVのいずれか1つの化合物が提供される。好ましい基の式(I)の化合物に関連して上に記載される変数は、中間体化合物にも適用される。
【0053】
上で示されるように、本発明の化合物はGPR119アゴニストとして、例えば糖尿病の治療および/または予防に有用である。かかる使用のために、本発明の化合物は通常医薬組成物の形態で投与される。
【0054】
本発明の化合物はまた、デュアルGPR119アゴニスト/DPP−IV阻害剤として、例えば糖尿病の治療および/または予防に有用である。かかる使用のために、本発明の化合物は通常医薬組成物の形態で投与される。
【0055】
本発明はまた、薬剤として使用するための本発明の化合物、またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0056】
本発明はまた、本発明の化合物を医薬的に許容される担体との組み合わせで含む医薬組成物を提供する。
【0057】
好ましくは、該組成物は医薬的に許容される担体および無毒で治療上有効量の本発明の化合物、またはその医薬的に許容される塩を含む。
【0058】
さらに、本発明の化合物はまた、GPR119および適宜DPP−IVを調節し、糖尿病の治療または予防効果を得ることにより疾患の治療に有用であり、医薬的に許容される担体および無毒な治療上有効量の本発明の化合物、またはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0059】
該医薬組成物は別の治療上の成分またはアジュバントを適宜含んでいてもよい。該組成物は、経口、経直腸、局所、および非経口(例えば、皮下、筋肉内、静脈内)投与に適した組成物を含むが、与えられたいずれの例における大半の適切な経路は、特定のホスト、ならびに活性成分が投与される目的の病態の性質および重篤度に依存する。該医薬組成物は便宜上単位投与剤形で存在してもよく、製剤学分野で周知のいずれの方法により製造されてもよい。
【0060】
医療現場において、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩は、一般的な医薬品配合技法により活性成分として医薬的担体と緊密な混合物に組み合わせてもよい。該担体は、投与、例えば経口または非経口(静脈内を含む)投与のための製造形態に依存して、様々な形態を取り得る。
【0061】
故に、該医薬組成物は、各々が所定量の活性成分を含む経口投与に適した個別の単位、例えばカプセル剤、カシェ剤または錠剤として提供されてもよい。さらに、該組成物は、粉剤、顆粒剤、液剤、水性の液体による懸濁剤、非水性の液剤、水中油エマルジョン剤、または油中水液体エマルジョン剤として提供され得る。上で設定した一般的な投与剤形に加え、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩はまた、放出制御されるような方法および/または送達装置で投与されてもよい。該組成物はいずれの製剤学的方法により製造されてもよい。一般的に、かかる方法は、活性成分と、1つまたはそれ以上の必要成分を構成する担体を会合させる工程を含む。一般的に、該組成物は、活性成分と液体の担体または微細に破砕した固体の担体またはその混合物を均一かつ緊密に混合することにより製造される。生成物は次いで、目的の形態に便利に剤形化され得る。
【0062】
本発明の化合物または医薬的に許容される塩はまた、1つまたはそれ以上の別の治療上の活性成分と組み合わせて医薬組成物に含まれ得る。
【0063】
用いられ得る医薬的担体は、例えば、固体、液体または気体である。固体の担体の例は、乳糖、白土、ショ糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸である。液体の担体の例は、液糖、ピーナツ油、オリーブ油および水である。気体の担体の例は、二酸化炭素および窒素である。
【0064】
経口投与剤形の製造には、いずれの便利な媒体が用いられてもよい。例えば、水、グリセロール、油、アルコール、香料、保存剤、着色剤などが経口用液剤、例えば懸濁剤、エリキシル剤および液剤の製造に用いられてもよい;他方、デンプン、砂糖、結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などの担体は、経口用の固形製剤、例えば粉剤、カプセル剤および錠剤の製造に用いられてもよい。投与が簡便であるため、錠剤およびカプセル剤が好ましい経口投与単位であり、これには固体の医薬的担体が用いられる。適宜、錠剤は標準的な水性または非水性の技法によりコーティングされてもよい。
【0065】
本発明の化合物を含む錠剤は、適宜1つまたはそれ以上の付属の成分またはアジュバントと共に圧縮または成形して製造されてもよい。圧縮された錠剤は、適切な機械により、流動性のよい形状(free flowing form)、例えば粉末または顆粒の活性成分を、適宜結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合して圧縮することにより製造されてもよい。成形錠剤は、適切な機械により、粉末の化合物を不活性な液体の希釈剤で湿潤させた混合物を成形して製造してもよい。各錠剤は、好ましくは、約0.05mgから約5gの活性成分を含み、各カシェ剤またはカプセル剤は、好ましくは約0.05mgから約5gの活性成分を含む。
【0066】
例えば、ヒトへの経口投与を意図する製剤は、総組成の約5から95%の適当で都合のよい量の担体原料を配合した約0.5mgから約5gの活性薬剤を含んでいてもよい。投与単位剤形は一般的に約1mgから約2gの活性成分、典型的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgを含む。
【0067】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、活性成分を含んだ水溶液または水懸濁剤として製造されてもよい。適切な界面活性剤、例えばヒドロキシプロピルセルロースが含有され得る。グリセロール、液体ポリエチレングリコール、またはそれらの油混合物を用いて分散液を製造することもできる。さらに、微生物の有害な成長を防ぐために、保存剤を含んでいてもよい。
【0068】
注射による使用に適した本発明の医薬組成物は、滅菌水による水溶液または分散液を含む。さらに、該組成物は、かかる滅菌された注射用溶液または分散液の即時調製のための滅菌された粉末の形態を取っていてもよい。全ての場合において、最終的な注射用の形態は滅菌された状態でなくてはならず、簡単に注射できるような効果的な液体でなくてはならない。該医薬組成物は、製造および保存条件において安定でなくてはならず;故に、好ましくは、バクテリアや真菌による汚染作用から保護されるべきである。担体は例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油、それらの適切な混合物を含む溶媒でも分散媒体でもよい。
【0069】
本発明の医薬組成物は、局所使用に適した剤形、例えば噴霧剤、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、散布剤などでもよい。さらに、該組成物は、経皮装置における使用に適した剤形でもよい。これらの製剤は、本発明の化合物、またはその医薬的に許容される塩を一般的な製造方法により含有する。例えば、クリーム剤または軟膏剤は親水性材料と水を、約5wt%から約10wt%の化合物と混合し、目的の固さを有するクリーム剤または軟膏剤を生成することにより製造される。
【0070】
本発明の化合物の医薬組成物は、経直腸投与に適した剤形(ここで、担体は固体である)でもよい。混合物が投与単位の座剤を形成することが望ましい。適切な担体は、例えばココアバターおよび該分野で一般的に用いられる別の材料である、座剤は便宜上、まず組成物を軟化または融解させた担体と混合し、次いで冷却、成形することにより製造されてもよい。
【0071】
前述の担体成分に加え、上記の医薬製剤は、適当な1つまたはそれ以上の追加の担体成分を希釈剤、緩衝剤、香料、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑沢剤、保存剤(抗酸化剤を含む)などを含んでいてもよい。さらに、該製剤を目的のレシピエントの血液と等張に保つために別のアジュバントを含んでいてもよい。本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む組成物は、粉剤、または濃縮液剤の形態で製造されてもよい。
【0072】
一般的に、上で示した病態の治療には1日あたり約0.01mg/kgから約150mg/kg体重のオーダーの投与レベルが有用であり、あるいは1日あたり約0.5mgから約7gが有用である。例えば、肥満は1日あたり、体重1kgあたり約0.01から50mgの化合物の投与で効果的に治療され得、あるいは患者1日あたり約0.5mgから約3.5gである。
【0073】
しかしながら、いずれの特定の患者における特定の投与レベルは、様々な因子、例えば年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬の組み合わせおよび治療下にある特定の疾患の重篤度に依存することは理解されるべきである。
【0074】
本発明の化合物は、GPR119および適宜DPP−IVが関連する病態または疾患の治療に使用され得る。
【0075】
故に、本発明はまた、GPR119および適宜DPP−IVが関与する疾患または病態の治療方法であって、治療上有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を治療が必要な対象に投与することを特徴とする方法を提供する。かかる疾患または病態は、糖尿病、肥満、耐糖能障害、インスリン抵抗性および糖尿病合併症(例えば神経症、腎症、網膜症、白内障、心血管系合併症ならびに脂質代謝異常)である。また、摂取した脂肪に異常な感受性を有し機能性胃腸症を発症する患者の治療方法も提供される。本発明の化合物はまた、代謝性疾患、例えばメタボリックシンドローム(シンドロームX)、耐糖能障害、高脂血症、高トリグリセライド血症、高コレステロール血症、低HDLレベルおよび高血圧の治療に用いられ得る。
【0076】
本発明はまた、2型糖尿病の治療方法であって、治療上有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を治療が必要な患者に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0077】
本発明はまた、肥満、メタボリックシンドローム(シンドロームX)、耐糖能障害、高脂血症、高トリグリセライド血症、高コレステロール血症、低HDLレベルおよび高血圧の治療方法であって、治療上有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を治療が必要な患者に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0078】
本発明はまた、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩の、上と同義の病態の治療における使用を提供する。
【0079】
本発明はまた、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩の、上と同義の病態の治療薬の製造における使用を提供する。
【0080】
本発明の方法における用語「治療」は、治療的および予防的治療を含む。
【0081】
本発明の化合物は、糖尿病の治療のための既知の化合物または組み合わせに比べ、有利な性質を示し得る。
【0082】
本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩は、単独、または1つもしくはそれ以上の別の治療的に活性な化合物との組み合わせで投与されてもよい。別の治療的に活性な化合物は、本発明の化合物と同じ、または異なる疾患または病態の治療のためのものでもよい。治療的に活性な化合物は、同時、時間差、または別々に投与されてもよい。
【0083】
本発明の化合物は、肥満および/または糖尿病の治療のための別の活性な化合物、例えばインスリンならびにインスリンアナログ、胃リパーゼ阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、スルホニル尿素およびそのアナログ、ビグアナイド系化合物(例えば、メトホルミン)、α2アゴニスト、グリタゾン、PPAR−γアゴニスト、PPAR−α/γアゴニスト混合物、RXRアゴニスト、脂肪酸酸化阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、β−アゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、脂質低下剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、抗肥満薬(例えば、膵リパーゼ阻害剤、MCH−1アンタゴニストおよびCB−1アンタゴニスト(またはインバースアゴニスト))、アミリンアンタゴニスト、リポキシゲナーゼ阻害剤、ソモスタチンアナログ、グルコキナーゼ活性化剤、グルカゴンアンタゴニスト、インスリンシグナリングアゴニスト、PTP1B阻害剤、糖新生阻害剤、抗脂肪分解剤、GSK阻害剤、ガラニン受容体アゴニスト、食欲低下薬、CCK受容体アゴニスト、レプチン、セロトニン作動性/ドパミン作動性抗肥満薬、再取込み阻害剤(シブトラミン)、CRFアンタゴニスト、CRF結合タンパク質、甲状腺ホルモン様化合物、アルドース還元酵素阻害剤、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、NHE−1阻害剤またはソルビトール脱水素酵素阻害剤と共に投与されてもよい。
【0084】
本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および少なくとも1つの別の薬剤、例えば糖尿病または肥満の別の治療薬の組み合わせの療法は、本発明のさらなる態様を表す。
【0085】
本発明はまた、哺乳類(例えばヒト)における糖尿病の治療方法であって、治療上有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および別の薬剤、例えば糖尿病または肥満の別の1つの治療薬を治療が必要な哺乳類に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0086】
本発明はまた、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および別の薬剤の糖尿病の治療における使用を提供する。
【0087】
本発明はまた、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩の、糖尿病の治療のために別の薬剤と組み合わせて用いる薬物の製造における使用を提供する。
【0088】
本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および別の薬剤は同時投与されてもよく、あるいは時間差もしくは別々に投与されてもよい。
【0089】
同時投与は、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩および別の薬剤を含む製剤の投与、または各薬剤の異なる製剤の同時もしくは時間差での投与を含む。本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および別の化合物の薬理学的プロファイルが許すなら、2つの薬剤の同時投与が好ましい。
【0090】
本発明はまた、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および別の化合物の糖尿病の治療のための薬物の製造における使用を提供する。
【0091】
本発明はまた、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および別の抗糖尿病薬、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、上記の方法におけるかかるその使用を包含する。
【0092】
本明細書中の全ての刊行物、例えば、限定されないが、本明細書中で引用される特許及び特許出願は、個々の刊行物が引用により完全に説明されたかのように具体的かつ個別に組み入れられるよう、引用によりここに取り込む。
【0093】
本発明は以下の実施例の言及により記載されるが、これは例示が目的であり、本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【実施例】
【0094】
材料および方法
特に断らない限り、カラムクロマトグラフィはSiO(40−63メッシュ)で行った。LCMSデータは以下のようにして得た:Atlantis 3μC18 カラム(3.0x20.0mm、流速=0.85mL/分)、0.1% HCOHを含んだHO−CHCN溶液で溶出、6分間、220nmでUV検出。グラジエントの情報:0.0−0.3分、100%HO;0.3−4.25分:10%HO−90%CHCNに上昇;4.25−4.4分:100%CHCNに上昇;4.4−4.9分:100%CH3CNでホールド;4.9−6.0分:100%HOに回復。質量分析はpositive(ES)またはnegative(ES)イオンモードのエレクトロスプレーイオン化ソースを用いて行った。
【0095】
LCMSデータ(方法2)は以下のようにして得た:Chromolith SpeedRODカラム(4.6x50.0 モノリス、流速=3.0mL/分)、0.1%TFAを含んだHO−CHCN溶液で溶出、3分間、220nmでUV検出。グラジエントの情報:0−2分:99%HO、1%MeCNから100%MeCN;2−3分:100%CHCNでホールド。質量分析は、positive(ES)モードのエレクトロスプレーイオン化ソースを用いて行った。
【0096】
キラル−HPLCは、Daicel chiralpak IA 250x20mm、5μMカラムで行った。
【0097】
略語および頭字語:Ac:アセチル;AcOH:酢酸;ADDP:アゾジカルボン酸ジピペリジド;Boc:tert−ブチルオキシカルボニル;t−Bu:tert−Butyl;DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン;DCE:1,2−ジクロロエタン、DCM:ジクロロメタン;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチレンアミン;DMF:ジメチルホルムアミド;EDCI:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルガルボジイミド 塩酸塩;EtOH:エタノール;Et:エチル;EtOAc:酢酸エチル;eq:当量;h:時間;min:分;HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート;HCl:塩酸;HPLC:高速液体クロマトグラフィ;H2O:水;HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;IH:イソへキサン;LiHMDS:リチウムビス(トリメチルシリル)アミド;MeOH:メタノール;Me:メチル;MeCN:アセトニトリル;MP:Macroporousポリスチレン;MgSO:硫酸マグネシウム;MTBE:メチル tert−ブチルエーテル;NaCO:タン酸ナトリウム;NaSO:亜硫酸ナトリウム;NaSO:硫酸ナトリウム;NaHCO:炭酸水素ナトリウム;NaOH:水酸化ナトリウム;NHCl:塩酸アンモニウム;PBu:トリ−tert−ブチルホスフィン;PE−AXカラム:シリカベース四級アミンカラム;RP:逆相;RT:保持時間;r.t.:室温;sat:飽和;SiO:シリカ;TBAF:テトラ−ブチルアンモニウムフルオリド;THF:テトラヒドロフラン;TFA:トリフルオロ酢酸;TFAA:無水トリフルオロ酢酸:TMS:トリメチルシリル。
【0098】
以下の化合物の合成は他で記載されている:[1−(3−イソプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]メタノール:Jing et. al.、WO2008/070692;(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル カルバミン酸エステル:Ackermann et. al., WO02/014267;4−カルボキシメトキシピペリジン−1−カルボン酸 イソプロピルエステル:Fyfe et.al.、WO2007/116229。他の全ての化合物は市販の供給源から利用可能である。
【0099】
製造1:4−ヒドロキシメチル ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化27】

4−ピペリジン メタノール(12g、104.12mmol)のDCM(200mL)溶液にDIPEA(23.6mL、135.42mmol)を加え、反応物を0℃に冷却した。クロロギ酸イソプロピル(120mL、119.79mmol)のトルエン(120mL)溶液を1.5時間かけて滴下して加え、次いで反応液を室温に昇温し、さらに2.5時間撹拌した。混合物を1M HCl溶液(200mL)で分液処理し、有機層を除去し、1M HCl溶液(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、表題化合物を得た:
1H NMR δH (400MHz, CDCl3): 4.96 - 4.86 (m, 1H), 4.09 - 4.25 (m, 2H), 3.51 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 2.80 - 2.68 (m, 2H), 1.78 - 1.62 (m, 3H), 1.49 - 1.41 (m, 1H), 1.29 - 1.09 (m, 8H).
【0100】
製造2:4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化28】

表題化合物を、4−ヒドロキシピペリジンから、製造1で説明される方法と類似の方法を用いて製造した:
1H NMR δH (400MHz, CDCl3): 4.96 - 4.87 (m, 1H), 3.94 - 3.82 (m, 3H), 3.13 - 3.04 (m, 2H), 1.92 - 1.82 (m, 2H), 1.57 - 1.54 (m, 1H), 1.54 - 1.42 (m, 2H), 1.26 - 1.22 (m, 6H).
【0101】
製造3:4−(4−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化29】

4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造2、4.68g、25mmol)、4−ブロモフェノール(5.19g、30mmol)およびトリフェニルホスフィン(7.87g、25mmol)をDCM(125mL)に溶解し、ジtert−ブチルアゾジカルボキシレート(6.90g、30mmol)を20分間かけて滴下して加えた。反応物を室温で72時間撹拌し、次いでDCM(150mL)で希釈した。有機溶液を2M NaOH溶液(2x200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、次いで乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、90:10、80:20、70:30)で精製し、表題化合物を得た:
保持時間=4.09分
m/z(ES+)=342.1,344.0[M+H]+
【0102】
製造4:4−(5−ブロモピリジン−2−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸 イソプロピルエステル
【化30】

アルゴン下の4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造2、10g、53mmol)のDMF乾燥溶液を0℃に冷却した。水素化ナトリウム(60%/ミネラル油、2.54g、64mmol)を一度に加えた。反応混合物上を室温に昇温し、さらに45分間撹拌した。5−ブロモ−2−シクロピリジン(12.32g、64mmol)を加え、反応物を60℃で40時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcを加えた。有機溶液をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を減圧除去した。粗物質をイソ−ヘキサン(2x6mL)から、次いで実施例エチルエーテルからトリチュレートし、表題化合物をえた:保持時間=3.98分;m/z (ES+) = 343.0, 345.0 [M + H]+.
【0103】
製造5:4−(5-ブロモピリジン−2−イルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化31】

表題化合物を4−ヒドロキシメチル ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造1、2.5g、12.42mmol)および5−ブロモ−2−シクロピリジン (2.8g、14.4mmol)から製造4で説明される方法と類似の方法を用いて製造した:保持時間=4.20分; m/z (ES+) = 357.1, 359.1 [M + H]+.
【0104】
製造6:4−メタンスルホニルオキシメチルピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化32】

アルゴン下の4−ヒドロキシメチルピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造1、2.5g、12.42mmol)のDCM(30mL)乾燥溶液にトリエチルアミン(2.08mL、14.9mmol)を加え、混合物を0℃に冷却した。メタンスルホニルクロリド(1.06mL、13.66mmol)を4分間かけて滴下して加え、反応物を0℃で30分間撹拌した。混合物をDCM(50mL)で希釈し、有機層を水(2x50mL)、0.5M HCl溶液(2x50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、表題化合物を得た:1H NMR δH (400MHz, DMSO-d6): 4.95 - 4.85 (m, 1H), 4.25-4.18 (m, 2H), 4.17 - 4.07 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 2.98 - 2.79 (m, 2H), 2.08 - 1.96 (m, 1H), 1.85 - 1.75 (m, 2H), 1.35 - 1.17 (m, 8H).
【0105】
製造7:4−(4−ブロモフェノキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化33】

アルゴン下の4−メタンスルホニルオキシメチルピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造6、3.4g、12.17mmol)および4−ブロモフェノール(2.32g、13.39mmol)のDMF(70mL)溶液に炭酸カリウム(3.36g、24.34mmol)を加え、反応物を90℃で16時間加熱した。反応溶媒を減圧除去し、粗残渣をEtOAc(200mL)に溶解し、水(3x100mL)で洗浄した。水層を合わせ、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を合わせ、飽和NaHCO溶液(2x150mL)、ブライン(150mL)で洗浄し、次いで乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、表題化合物を得た:保持時間=4.36分; m/z (ES+) = 356.2, 358.2 [M + H]+.
【0106】
製造8:1−ピペリジン−4−イル エタノール
【化34】

α−メチル−4−ピリジン メタノール(3.7g、30mmol)のEtOH(100mL)溶液にAcOH(1.9mL、33mmol)および酸化白金(0.5g、2.2mmol)を加え、得られた混合物を水素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をMeOHに溶解し、それにNaOH(1.6g、40mmol)および水(1.6mL)のMeOH溶液を加えた。反応物を30分間開撹拌し、溶媒を減圧除去し、得られた残渣をジエチルエーテルに30分間懸濁した。混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮し、表題化合物を得た:1H NMR δH (400MHz, CDCl3): 3.63 - 3.55 (m, 1H), 3.39 - 3.31 (m, 2H), 2.7 - 2.6 (m, 2H), 2.01 - 1.92 (m, 2H), 1.76 - 1.69 (m, 1H), 1.67 - 1.54 (m, 2H), 1.51 - 1.42 (m, 1H), 1.1 - 1.14 (m, 3H).
【0107】
製造9:4−(1−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化35】

表題化合物を1−ピペリジン−4−イル エタノール(製造8、2.7g、20.93mmol)から製造1で説明される方法を用いて製造した:1H NMR δH (400MHz, CDCl3): 4.97 - 4.87 (m, 1H), 4.28 - 4.14 (m, 2H), 3.66 - 3.55 (m, 1H), 2.77 - 2.63 (m, 2H), 1.88 - 1.81 (m, 1H), 1.67 - 1.59 (m, 1H), 1.48 - 1.38 (m, 1H), 1.26 - 1.16 (m, 11H).
【0108】
製造10:4−[1−(5−ブロモピリジン−2−イルオキシ)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化36】

4−(1−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造9、7.4g、57.36mmol)を2−シクロ−5−ブロモピリジン(13.2g、68.8mmol)と製造4で説明される方法と類似の方法を用いて反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=4.34分; m/z (ES+) = 371.2, 373.2 [M + H]+.
【0109】
製造11:4−(1−メタンスルホニルオキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化37】

表題化合物を4−(1−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造9、4.3g、20mmol)から製造6で説明される方法と類似の方法を用いて製造した:1H NMR δH (400MHz, CDCl3): 4.98 - 4.86 (m, 1H), 4.69 - 4.61 (m, 1H), 4.31 - 4.17 (m, 2H), 3.01 (s, 3H), 2.76 - 2.66 (m, 2H), 1.84 - 1.63 (m, 3H), 1.44 - 1.38 (m, 3H), 1.35 - 1.22 (m, 8H).
【0110】
製造12:4−[1−(4−ブロモフェノキシ)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化38】

4−(1−メタンスルホニルオキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造11、100mg、0.36mmol)を製造4に説明される条件を用いて4−ブロモフェノール(69mg、0.40mmol)と反応させた。ワークアップは酢酸エチルと水による反応混合物の分液処理を含む。有機相を分離し、1M NaOH溶液、水、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、次いでカラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、4:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.5分; m/z (ES+) = 370.2, 372.1 [M + H]+.
【0111】
製造13:4−(4−ブロモピリジン−2−イルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化39】

4−ヒドロキシメチル ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造1、1.1g、5.47mmol)のTHF(15mL)溶液に水素化ナトリウム(60%/ミネラル油、218mg、5.47mmol)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。4−ブロモ−2−シクロピリジン(0.62mL、5.47mmol)を加え、反応物を90℃で4時間加熱し、水(10mL)でクエンチした。有機溶液をEtOAc(3x15mL)で抽出し、乾燥し(MgSO)、溶媒を減圧除去した。カラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、9:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.16分; m/z (ES+) = 357.1, 359.1 [M + H]+.
【0112】
製造14:アゼチジン−3−オール
【化40】

1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−オール(30.5g、130mmol)のEtOH(500mL)溶液に前もって混合したトリエチルアミン(55mL、390mmol)およびギ酸(15mL、390mol)のエタノール(100mL)溶液を加えた。パラジウム炭素(2.40g)を加え、混合物を3時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、celiteを通して濾過し、表題化合物をエタノール溶液として得た。
【0113】
製造15:1−(4−イソプロピルベンジル)アゼチジン−3−オール
【化41】

アゼチジン−3−オール(製造14、6.84mmol)および4−イソプロピルベンズアルデヒド(8.21mmol)のエタノール(45mL)溶液に酢酸(0.5mL)を加えた。1時間撹拌後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(8.21mmol)を加え、撹拌を72時間続けた。塩酸水溶液(1M、30mL)を加え、混合物を濃縮してエタノールを除去した。混合物をジエチルエーテル(x2)で抽出し、残った水性の混合物に2M NaOH溶液を加えて塩基性化した。該溶液をDCM(x3)で抽出した。DCM抽出物をあわせ、乾燥し(MgSO)、濃縮し、表題化合物を得た;保持時間=2.00分; m/z (ES+) = 206.1 [M + H]+.
【0114】
製造16:5−ブロモ−2−[1−(4−イソプロピルベンジル)アゼチジン−3−イルオキシ]ピリジン
【化42】

アルゴン下の1−(4−イソプロピルベンジル)アゼチジン−3−オール(製造15、500mg、2.44mmol)のDMF(10mL)溶液を0℃に冷却した。水素化ナトリウム(60%/ミネラル油、120mg、2.92mmol)を加え、反応混合物を室温に昇温させた。5−ブロモ−2−シクロピリジン(562.4mg、2.92mmol)を加え、反応物を60℃で16時間加熱した。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO、DCM:MeOH、100:0、90:10)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=2.98分; m/z (ES+) = 361.2, 363.2 [M + H]+.
【0115】
製造17:4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシ]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化43】

4−(5−ブロモピリジン−2−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造4、5.0g、14.6mmol)のジオキサン(100mL)溶液に酢酸カリウム(4.3g、43.7mmol)、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン] ジクロロパラジウム(1.2g、1.5mmol)およびビス(ピナコレート)ジボロン(4.42g、17.4mmol)を加えた。アルゴンを通して15分間混合物をバブルした。反応物を110℃で16時間加熱し、さらに室温で72時間加熱した。溶媒を減圧除去し、次いでカラムクロマトグラフィ(SiO、DCM)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.00分; m/z (ES+) = 391.2 [M + H]+.
【0116】
以下の化合物は、製造17で説明される方法と類似の方法を用いて適当なアリールまたはヘテロアリールブロミドをビス(ピナコレート)ジボロンと反応させることにより製造された:
【表1−1】

【表1−2】

【0117】
製造24:4−(3−ブロモフェノキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
【化44】

製造3で説明される方法を用い、4−ヒドロキシメチルピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.075g、5mmol)を3−ブロモフェノール(1.026g、6mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=4.50分; m/z (ES+) = 370.2, 372.2 [M + H]+.
【0118】
製造25:4−(3−ブロモフェノキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化45】

4−(3−ブロモフェノキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(製造24、1.5g、4.05mmol)のDCM(8mL)溶液にTFA(2mL)を加え、反応混合物を室温で15分間撹拌した。混合物をDCM(150mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(150mL)でクエンチした。有機溶液を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を減圧除去した。残渣をDCM(20mL)に再溶解し、DIPEA(0.8mL)を加え、0℃に冷却した。シリンジを通してクロロギ酸イソプロピル(1M/トルエン、4.86mL、4.86mmol)を加え、反応物を室温に昇温し、さらに16時間撹拌した。混合物をEtOAc(150mL)で希釈し、得られた溶液を1Mクエン酸溶液、次いでブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、表題化合物を得た:保持時間=4.34分; m/z (ES+) = 355.2, 357.2 [M + H]+.
【0119】
製造26:4−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化46】

4−(3−ブロモフェノキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステルのジオキサン溶液(製造25、430mg、1.21mmol)に酢酸カリウム(355mg、3.62mmol)およびビス(ピナコレート)ジボロン(369mg、1.45mmol)に加え、混合物をアルゴンでパージした。[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(98mg、0.12mmol)を加え、混合物をさらに5分間パージし、100℃で20時間加熱した。この後、celiteを加え、混合物を濾過し、EtOAcで洗浄した。得られた有機物の濾液を飽和NaHCO溶液(150mL)、次いでブライン(150mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、7:3)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.44分; m/z (ES+) = 404.3 [M + H]+.
【0120】
製造27:(S)−2−アミノ−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸 臭化水素酸塩
【化47】

無水酢酸(540g、5.30mol)を撹拌下の2−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド(240g、1.56mol)、N−アセチルグリシン(219g、1.87mol)および酢酸ナトリウム(128g、1.56mol)の混合物に周囲温度で加えた。懸濁物を100℃で18時間加熱した。溶液を周囲温度に冷却し、残渣をDCM(5x500mL)および水(5x200mL)で交互に抽出した。残った結晶性の固形物を乾燥し、4−[1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メタ−(E)−イリデン]−2−メチル−4H−オキサゾール−5−オンを得た。DCM抽出物を合わせ、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をEtOHから2回再結晶化し、さらなる4−[1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メタ−(E)−イリデン]−2−メチル−4H−オキサゾール−5−オンを得た:保持時間=3.00分 (LCMS 方法2).
【0121】
ジオキサン(700mL)中の4−[1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メタ−(E)−イリデン]−2−メチル−4H−オキサゾール−5−オン(150.9g、0.642mol)に1M HCl溶液(1000mL)を加え、混合物を還流条件下で90分間加熱した。大部分のジオキサンをエバポレートして除去し、水層をEtOAc(x2)およびDCM(x2)で抽出した。有機層を合わせ、エバポレートし、残渣をEtOAc/ヘプタンから再結晶化し、(Z)−2−アセチルアミノ−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)アクリル酸を得た:保持時間=1.73分 (LCMS 方法2).
(Z)−2−アセチルアミノ−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)アクリル酸(35.0g、138mmol)をMeOH(670mL)に溶解し、[Rh(cod)(PP)]OTf(277μmol)を触媒、(S,S)−Et−Duphos(277μmol)を配位子として用い、オートクレーブ中8バール、50℃において96時間水素付加を行った。溶液を冷却し、エバポレートし、粗生成物をEtOAc(550mL)に溶解した。混合物を60℃に加熱し、次いでゆっくりとヘプタン(200mL)を加え、ゆっくりと周囲温度に冷却した。固形物を単離し、(Z)−2−アセチルアミノ−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)アクリル酸を得た。保持時間=1.21分 (LCMS 方法2).
タンタル(tantal)オートクレーブに(Z)−2−アセチルアミノ−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)アクリル酸(71.0g、278mmol)、臭化水素酸水溶液(48%、420mL)および酢酸(320mL)を入れ、105℃で16時間加熱した。溶媒をエバポレートし、残渣をジエチルエーテルおよびtert−ブチルメチルエーテルで順にトリチュレートし、30℃で3時間減圧乾燥し、表題化合物を得た:保持時間=0.815分; m/z (ES+) = 200.0 [M + H]+ (LCMS 方法2).
【0122】
製造28:(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
【化48】

(S)−2−アミノ−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸 臭化水素酸塩(製造27、15g、53.5mmol)およびトリエチルアミン(15.64mL、112.25mmol)のジオキサン(150mL)および水(150mL)混合物による懸濁液(0℃)にジ炭酸ジ−tert−ブチル(12.84g、58.85mmol)を加えた。得られた懸濁液を室温に昇温し、48時間撹拌し、ジオキサンを減圧除去した。得られた残渣をEtOAcと水で分液処理し、次いで水相を分離し、1Mクエン酸溶液でpH3に酸性化した。生成物をEtOAcに抽出し、乾燥し(MgSO)、溶媒を減圧除去し、表題化合物を得た:保持時間=2.82分, m/z (ES+) = 300.1 [M + H]+.
【0123】
製造29:(S)−[2−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化49】

(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(製造28、15.3g、51mmol)のTHF(200mL)溶液にEDCI(12.21g、63.75mmol)、HOBt(6.94g、51mmol)およびDIPEA(17.73mL、102mmol)を加え、反応物を20分間撹拌した。混合物をL−(−)−プロリンアミド(6.51g、56.1mmol)で処理し、撹拌を室温で18時間続けた。溶媒を減圧除去し、得られた残渣をDCMで希釈した。有機溶液を2M NaCO溶液、次いで0.1Mクエン酸溶液で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、表題化合物を得た:保持時間=2.67分, m/z (ES+) = 396.3 [M + H]+.
【0124】
製造30:(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステル
【化50】

(S)−[2−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造29、17.65g、44.46mmol)およびDIPEA(8.5mL、48.91mmol)のMeCN溶液(0℃)にN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(15.94g、44.46mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO、EtOAc)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=3.42分, m/z (ES+) = 528.3 [M + H]+.
【0125】
製造31:(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステル
【化51】

(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステル(製造30、7.42g、14.08mmol)のTHF(150mL)溶液にピリジン(2.26mL、28.16mmol)を加え、混合物を0℃に冷却した。反応物をTFAA(9.78mL、70.4mmol)で処理し、5分間撹拌し、DCM(100mL)で希釈し、飽和NaCO溶液で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、4:1)で精製し、表題化合物を得た:1H NMR δH(400MHz, DMSO-d6): 7.59 - 7.48 (m, 2H), 7.35 - 7.22 (m, 2H), 4.76 - 4.70 (m, 1H), 4.52 - 4.42 (m, 1H), 3.56 - 3.34 (m, 2H), 3.11 - 2.99 (m, 1H), 2.91 - 2.81 (m, 1H), 2.23 - 1.84 (m, 4H), 1.24 (s, 9H).
【0126】
製造32:(S)−[1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化52】

製造29で説明される方法を用い、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(製造28、4.2g、14mmol)をピロリジン(1.27mL、15.4mmol)と反応させることにより、表題化合物を製造した:保持時間=2.97分, m/z (ES+) = 353.3 [M + H]+.
【0127】
製造33:(S)−トリフルオロメタンスルホン酸−4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニルエステル
【化53】

製造30で説明される方法を用い、(S)−[1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造32、5g、14.0mmol)をN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(5.5g、15.4mmol)と反応させることにより、表題化合物を製造した:保持時間=3.92分, m/z (ES+) = 485.3 [M + H]+.
【0128】
製造34:(S)−[1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化54】

製造29で説明される方法を用い、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(製造28)を(S)−3−フルオロピロリジン塩酸塩と反応させることにより、表題化合物を製造した:保持時間=2.96分, m/z (ES+) = 371.2 [M + H]+.
【0129】
製造35:(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]3−フルオロフェニルエステル
【化55】

製造30で説明される方法を用い、(S)−[1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造34、4.42g、11.94mmol)をN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(4.6g、12.87mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=3.77分, m/z (ES+) = 503.1 [M + H]+.
【0130】
製造36:(S)−[2−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化56】

製造29で説明される方法と類似の方法を用い、ただしトリエチルアミンを塩基として用いて(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(製造28)を3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=3.13分, m/z (ES+) = 389.2 [M + H]+.
【0131】
製造37:(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]3−フルオロフェニルエステル
【化57】

製造30で説明される方法を用い、(S)−[2−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造36、4.42g、11.94mmol)をN−フェニルトリフルオロメタン スルホンイミド(4.6g、12.87mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=3.93分, m/z (ES+) = 521.1 [M + H]+.
【0132】
製造38:(S)−4−(5−{4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化58】

4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシ]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造17、250mg、0.64mmol)のDMF(4.0mL)および水(1.3mL)混合物溶液に(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]3−フルオロフェニルエステル(製造37、278mg、0.53mmol)、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(44mg、0.05mmol)およびトリエチルアミン(223μL、1.6mmol)を加え、反応物をマイクロ波反応器内において80℃で20分間加熱した。混合物をEtOAcに溶解し、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、100:0、90:10、80:20、70:30、50:50、0:100)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.23分; m/z (ES+) = 635.3 [M + H]+.
【0133】
製造39:(S)−4−(5−{4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化59】

製造38で説明される方法を用い、4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシ]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造17、200mg、0.51mmol)および(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステル(製造35、214mg、0.43mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=4.10分; m/z (ES+) = 617.4 [M + H]+.
【0134】
製造40:(S)−4−(5−{4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化60】

製造38で説明される方法を用い、4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造18、240mg、0.59mmol)および(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]3−フルオロフェニルエステル(製造31、250mg、0.49mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=4.32分; m/z (ES+) = 638.5 [M + H]+.
【0135】
製造41:(S)−4−(5−{4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化61】

製造38で説明される方法を用い、4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造18、242mg、0.60mmol)および(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]3−フルオロフェニルエステル(製造35、250mg、0.50mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=4.25分; m/z (ES+) = 631.5 [M + H]+.
【0136】
製造42:[2−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化62】

アルゴン下のtert−ブトキシカルボニルアミノ(4−ヒドロキシフェニル)酢酸(3.0g、11.22mmol)のDCM(30mL)およびDMF(6mL)混合物溶液にHOBt(2.06g、13.47mmol)およびEDCI(2.80g、14.59mmol)を加え、混合物を室温で15分間撹拌した。反応物に(S)−3−フルオロピロリジン塩酸塩(1.55g、12.35mmol)およびDIPEA(4.89mL、28.06mmol)を加え、撹拌をさらに16時間続けた。溶媒を減圧除去し、粗物質をEtOAc(150mL)および水(100mL)で分液処理した。水層を除去し、有機相を水(100mL)、NaHCO溶液(100mL)、1M HCl溶液(100mL)、次いでブライン(100mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO、DCM:MeOH、95:5)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=2.76分; m/z (ES+) = 339.3 [M + H]+.
【0137】
製造43:トリフルオロメタンスルホン酸4−[1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]フェニルエステル
【化63】

アルゴン下の[2−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造42、2.28g、6.74mmol)のMeCN(100mL)溶液を0℃に冷却した。DIPEA(1.29mL、7.41mmol)、次いでN−フェニルトリフルオロメタン スルホンイミド(2.65g、7.41mmol)を加え、反応物を0℃で10分間撹拌し、次いで室温で16時間撹拌した。反応溶媒を減圧除去し、粗残渣をEtOAc(150mL)に再溶解した。有機溶液を飽和NaHCO溶液(60mL)、次いでブライン(60mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を減圧除去した。カラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、1:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=3.74分; m/z (ES+) = 471.3 [M + H]+.
【0138】
製造44:(S)−4−{4’−[1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]ビフェニル−4−イルオキシ}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化64】

アルゴン下のトリフルオロメタンスルホン酸4−[1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]フェニルエステル(製造43、544mg、1.16mmol)および4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造19、300mg、0.77mmol)のトルエン(5mL)およびEtOH(5mL)混合物溶液にNaCO溶液(2M、1.93mL、3.85mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(126mg、0.15mmol)を加え、反応物をアルゴンで5分間バブルし、80℃で16時間加熱した。反応溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣をEtOAc(100mL)および水(100mL)で分液処理した。有機層を分離し、水(50mL)、飽和NaHCO溶液(100mL)、次いでブライン(100mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、1:1)およびキラルHPLCで精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.06分; m/z (ES+) = 584.6 [M + H]+.
【0139】
製造45:[2−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化65】

tert−ブトキシカルボニルアミノ(4−ヒドロキシフェニル)酢酸(3.0g、11.2mmol)のDCM(75mL)溶液に(S)−プロリンアミド(1.54g、13.5mmol)、EDCI(2.15g、11.2mmol)、HOBt(2.06g、13.47mmol)およびDIPEA(4.69mL、26.9mmol)を加え、反応物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、1Mクエン酸、飽和NaHCO溶液、水、次いでブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO、DCM:MeOH、95:5、90:10)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=2.50分; m/z (ES+) = 364.3 [M + H]+.
【0140】
製造46:トリフルオロメタンスルホン酸4−[1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]フェニルエステル
【化66】

製造43で説明される方法を用い、[2−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造45、1.93g、3.13mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=3.37分; m/z (ES+) = 496.4 [M + H]+.
【0141】
製造47:トリフルオロメタンスルホン酸4−[1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−((S)−シアノピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]フェニルエステル
【化67】

トリフルオロメタンスルホン酸4−[1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]フェニルエステル(製造46、1.55g、3.13mmol)のTHF(60mL)溶液を0℃に冷却し、ピリジン(0.53mL、6.57mmol)、次いでTFAA(2.39mL、16.89mmol)を加えた。反応混合物を室温で5分間撹拌し、次いで飽和NaHCO溶液を加えてクエンチした。有機物をEtOAcで抽出し、1Mクエン酸、水、次いでブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、次いでカラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、1:1、次いでDCM:EtOAc、95:5を用いた第2のカラム)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=3.80分; m/z (ES+) = 478.4 [M + H]+.
【0142】
製造48:(S)−4−{4’−[1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]ビフェニル−4−イルオキシ}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化68】

製造38で説明される方法と類似の方法を用い、4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造19、234mg、0.6mmol)をトリフルオロメタンスルホン酸4−[1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−((S)−シアノピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]フェニルエステル(製造47、240mg、0.5mmol)と反応させた。キラルHPLCで精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.17分; m/z (ES+) = 591.3 [M + H]+.
【0143】
製造49:(S)−4−[4’−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イル−プロピル)−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化69】

4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造20、200mg、0.50mmol)のDMF(1.5mL)および水(0.5mL)混合物溶液を(S)−トリフルオロメタンスルホン酸−4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニルエステル(製造33、200mg、0.41mmol)、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(34mg、0.04mmol)およびDIPEA(216μL、1.24mmol)と合わせた。反応物をマイクロ波反応器内において80℃で20分間加熱した。EtOAc(100mL)を加え、溶液を水(3x50mL)、飽和NaHCO溶液(2x50mL)、次いでブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、次いでカラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、1:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.53分; m/z (ES+) = 612.5 [M + H]+.
【0144】
以下の化合物は、製造49で説明される方法を用い、4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造20)を適当なトリフルオロメタンスルホネートエステル中間体と反応させることにより製造された:
【表2】

【0145】
製造52:4−(6−ブロモピリジン−3−イルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化70】

アゾジカルボン酸ジピペリジド(5.01g、19.87mmol)のトルエン(200mL)乾燥溶液にトリn−ブチルホスフィン(4.95mL、19.87mmol)、次いで2−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(1.73g、9.94mmol)を加え、反応物を0℃で5分間冷却した。4−ヒドロキシメチルピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造1、2.0g、9.94mmol)のトルエン(50mL)溶液を該溶液に5分間かけて滴下して加え、反応物を0℃で16時間撹拌し、イソ−ヘキサン(200mL)を加え、反応物を10分間撹拌し、濾過して沈殿物を除去した。濾液を2M NaOH溶液(2x150mL)、水(150mL)、1M HCl溶液(2x150mL)、ブライン(150mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、4:1、3:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=3.87分; m/z (ES+) = 357.2, 359.1 [M + H]+.
【0146】
製造53:(S)−{1−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ベンジル]−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化71】

アルゴン下の(S)−トリフルオロメタンスルホン酸−4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニルエステル(製造33、320mg、0.66mmol)のジオキサン(12mL)溶液にビス(ピナコレート)ジボロン(201mg、0.79mmol)、酢酸カリウム(194mg、0.07mmol)および1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(37mg、0.07mmol)を加え、混合物にアルゴンを5分間バブルした。[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(54mg、0.07mmol)を加え、反応物にアルゴンをさらに10分間バブルし、90℃で16時間加熱した。Celiteを通して反応混合物を濾過し、カラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、6:4)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.07分; m/z (ES+) = 463.4 [M + H]+.
【0147】
以下の化合物は、製造53で説明される方法を用い、ビス(ピナコレート)ジボロンを適当なトリフルオロメタンスルホネートエステル中間体と反応させることにより製造された:
【表3】

【0148】
製造56:(S)−4−{6−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニル]ピリジン−3−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化72】

4−(6−ブロモピリジン−3−イルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造52、133mg、0.37mmol)、(S)−{1−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ベンジル]−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造53、190mg、0.41mmol)、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(31mg、0.04mmol)およびDIPEA(195mg、1.12mmol)をDMF(1.5mL)および水(0.5mL)の混合物中で合わせ、反応物をマイクロ波反応器内において80℃で25分間加熱した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、水(3x30mL)、飽和NaHCO溶液(2x30mL)、次いでブライン(30mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO、DCM:EtOAc、7:3)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.10分; m/z (ES+) = 613.5 [M + H]+.
【0149】
以下の化合物は、製造56で説明される方法を用い、4−(6−ブロモピリジン−3−イルオキシメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造52)を適当なボロネートエステル中間体と反応させることにより製造された:
【表4】

【0150】
製造59:(S)−[1−(2−フルオロ−4−{6−[1−(4−イソプロピルベンジル)アゼチジン−3−イルオキシ]ピリジン−3−イル}ベンジル)−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化73】

製造38で説明される方法を用い、5−ブロモ−2−[1−(4−イソプロピルベンジル)アゼチジン−3−イルオキシ]ピリジン(製造16、92mg、0.25mmol)および(S)−{1−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ベンジル]−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造53、140mg、0.3mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=3.23分; m/z (ES+) = 617.5 [M + H]+.
【0151】
製造60:(S)−[2−((S)−シアノピロリジン−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−{6−[1−(4−イソプロピルベンジル)アゼチジン−3−イルオキシ]ピリジン−3−イル}ベンジル)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化74】

製造38で説明される方法を用い、5−ブロモ−2−[1−(4−イソプロピルベンジル)アゼチジン−3−イルオキシ]ピリジン(製造16、111.1mg、0.31mmol)および(S)−{2−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−1−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ベンジル]−2−オキソエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造55、180mg、0.37mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=3.22分; m/z (ES+) = 642.5 [M + H]+.
【0152】
製造61:(S)−4−[1−(5−{4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシ)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化75】

4−{1−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシ]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造21、49mg、0.12mmol)、(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステル(製造31、50mg、0.1mmol)、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(8mg、0.01mmol)およびトリエチルアミン(41μL、0.29mmol)をDMF(0.75mL)および水(0.25mL)混合物中で合わせ、反応物をマイクロ波反応器内において80℃で3x20分間加熱した。次いで、Celiteを通して混合物を濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を水(x4)、1Mクエン酸、次いでブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、次いでカラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、1:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.43分; m/z (ES+) = 652.6 [M + H]+.
【0153】
以下の化合物は、製造61で説明される方法と類似の方法を用い、適当なアリールまたはヘテロアリールボロネートエステルを適当なトリフルオロメタンスルホネートエステル中間体と反応させることにより製造された:
【表5】

【0154】
製造68:(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ-フェニル)プロピオン酸メチルエステル
【化76】

(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル(2.90g、9.3mmol)のMeCN(100mL)溶液にN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(4.98g、13.9mmol)およびDIPEA(1.94mL、11.1mmol)を加え、混合物を室温で12時間撹拌した。減圧濃縮後、残渣をEtOAc(400mL)に再溶解し、それを濃NHCl溶液、水およびブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、次いでカラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、2:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.01分; m/z (ES+) = 450.18 [M + Na]+.
【0155】
製造69:(S)−4−[4’−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシカルボニルエチル)ビフェニル−4−イルオキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化77】

(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ-フェニル)プロピオン酸メチルエステル(製造68、311mg、0.73mmol)、4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造20、352mg、0.87mmol)、トリエチルアミン(0.3mL、2.15mmol)および[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(78mg、0.10mmol)のDMF(4mL)および水(1mL)溶液による混合物をマイクロ波反応器内において80℃で20分間加熱した。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、次いで1M HCl水溶液、水およびブラインで精製し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、2:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.64分; m/z (ES+) = 572.46 [M + NH4]+.
【0156】
製造70:(S)−4−[4’−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−カルボキシエチル)ビフェニル−4−イルオキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化78】

(S)−4−[4’−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシカルボニルエチル)ビフェニル−4−イルオキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造69、202mg、0.36mmol)のTHF(15mL)溶液(0℃)に水(3mL)および水酸化リチウム水和物(49mg、1.17mmol)を加えた。氷浴を取り外し、撹拌を室温で18時間続けた。水(50mL)を加え、混合物のpHを希塩酸で2−3に調整した。反応混合物をEtOAcで抽出し、有機相をブラインで戦場視し、乾燥し(MgSO)、溶媒を減圧除去し、表題化合物を得た:保持時間=4.15分; m/z (ES+) = 558.5 [M + NH4]+.
【0157】
製造71:(S)−4−{4’−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]ビフェニル−4−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化79】

(S)−4−[4’−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−カルボキシエチル)ビフェニル−4−イルオキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造70、88mg、0.16mmol)および(S)−(+)−3−フルオロピロリジン塩酸塩(42mg、0.33mmol)のDMF(5mL)溶液にHOBt(26mg、0.17mmol)、EDCI(42mg、0.22mmol)およびDIPEA(0.12mL、0.69mmol)を加えた。室温で12時間撹拌後、反応混合物をEtOAc(100mL)および水/ブライン(1:1、100mL)で分液処理した。層を分離し、水層をEtOAc(3x50mL)で分液処理した。有機層を合わせ、1M HCl溶液(50mL)、1M NaOH溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、次いでカラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、2:3)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.24分; m/z (ES+) = 612.5 [M + H]+.
【0158】
製造72:(S)−4−{4’−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−3−オキソ−プロピル]ビフェニル−4−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化80】

製造71で説明される方法を用い、(S)−4−[4’−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−カルボキシエチル)ビフェニル−4−イルオキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造70、88mg、0.16mmol)およびL−(−)−プロリンアミド(40mg、0.35mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=3.98分; m/z (ES+) = 637.5 [M + H]+.
【0159】
製造73:(S)−4−{4’−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]ビフェニル−4−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化81】

(S)−4−{4’−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]ビフェニル−4−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造72、71mg、0.11mmol)の乾燥THF(5mL)溶液(0℃)にピリジン(20μL、0.25mmol)およびTFAA(80mL、0.58mmol)を加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、飽和NaHCO溶液(100mL)を加えてクエンチした。有機物をEtOAc(3x50mL)で抽出した。抽出物をあわせ、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮し、次いで残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、1:2)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.35分; m/z (ES+) = 636.5 [M + NH4]+.
【0160】
製造74:(S)−{1−[2−フルオロ−4−(6−フルオロピリジン−3−イル)ベンジル]−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化82】

(S)−トリフルオロメタンスルホン酸−4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニルエステル(製造33、650mg、1.34mmol)のTHFおよび水(5:1、17mL)混合物溶液に2−フルオロピリジル−5−ボロン酸(246mg、1.75mmol)、リン酸カリウム(462mg、2.01mmol)および[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(109mg、0.13mmol)を加え、反応物をマイクロ波反応器内において80℃で20分間加熱した。さらなる2−フルオロピリジル−5−ボロン酸(30mg、0.2mmol)、リン酸カリウム(100mg、0.47mmol)および[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(10mg、0.01mmol)を加え、反応物を80℃でさらに20分間加熱した。混合物をDCM(150mL)および水(100mL)で分液処理し、有機相を分離し、飽和NaCO溶液(100mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、残渣をジエチルエーテルでトリチュレートし、表題化合物を得た:保持時間=3.67分, m/z (ES+) = 432.3 [M + H]+.
【0161】
製造75:(S)−4−(5−{4−[tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化83】

4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシ]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造17、239mg、0.61mmol)、(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステル(製造31、250mg、0.49mmol)、パラジウムテトラキス(113mg、0.1mmol)および炭酸カリウム(169mg、1.23mmol)のトルエン(5mL)混合物をアルゴンで5分間バブルし、次いでマイクロ波反応器内において75℃で30分間加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、有機物を水、次いでブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、次いでカラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、75:25、60:40)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.08分; m/z (ES+) = 624.6 [M + H]+.
【0162】
製造76:(S)−4−{4’−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化84】

製造38で説明される方法を用い、4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造19、300mg、0.77mmol)および(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステル(製造31、314mg、0.62mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=4.25分; m/z (ES+) = 623.6 [M + H]+.
【0163】
製造77:(S)−4−{5−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニル]ピリジン−2−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化85】

製造38で説明される方法を用い、4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造18、261mg、0.65mmol)および(S)−トリフルオロメタンスルホン酸−4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニルエステル(製造33、250mg、0.52mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=4.32分; m/z (ES+) = 613.6 [M + H]+.
【0164】
製造78:(S)−4−{1−[4’−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化86】

製造38で説明される方法を用い、4−{1−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造22、107.7mg、0.26mmol)および(S)−トリフルオロメタンスルホン酸−4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニルエステル(製造33、100mg、0.21mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=4.57分; m/z (ES+) = 626.6 [M + H]+.
【0165】
製造79:(S)−4−(1−{4’−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ}エチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化87】

製造38で説明される方法を用い、4−{1−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造22、260mg、0.63mmol)および(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]3−フルオロフェニルエステル(製造35、252mg、0.5mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=4.42分; m/z (ES+) = 644.6 [M + H]+.
【0166】
製造80:(S)−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2,3−ジカルボン酸−2−tert−ブチルエステル
【化88】

(S)−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(5g、25.29mmol)、ジ炭酸ジ−tert−ブチル(6.6g、30.35mmol)およびトリエチルアミン(3.42mL、25.29mmol)のTHF(40mL)混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をEtOAc(250mL)および1Mクエン酸溶液(500mL)で分液処理し、有機相を分離し、ブライン(500mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、ジエチルエーテルでトリチュレートし、表題化合物を得た:保持時間=3.15分, m/z (ES+) = 294.1 [M + H]+.
【0167】
製造81:(S)−3−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボニル)−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化89】

製造29で説明される方法と類似の方法を用い、ただしトリエチルアミンを塩基として用いて(S)−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2,3−ジカルボン酸−2−tert−ブチルエステル(製造80、2.05g、7.0mmol)をL−(−)−プロリンアミド(1.6g、14.0mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=2.62分, m/z (ES+) = 390.3 [M + H]+.
【0168】
製造82:(S)−3−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボニル)−7−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化90】

製造30で説明される方法を用い、(S)−3−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボニル)−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(製造81、900mg、2.31mmol)をN−フェニルトリフルオロメタン スルホンイミド(909mg、2.54mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=3.41分, m/z (ES+) = 522.3 [M + H]+.
【0169】
製造83:(S)−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−カルボニル)−7−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化91】

製造47で説明される方法を用い、(S)−3−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボニル)−7−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(製造82、1.2g、2.3mmol)をTFAA(1.62mL、11.52mmol)で処理することにより表題化合物を製造した:保持時間=3.93分, m/z (ES+) = 504.3 [M + H]+.
【0170】
製造84:(S)−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−カルボニル)−7−[6−(1−イソプロポキシカルボニルピペリジン−4−イルメトキシ)ピリジン−3−イル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化92】

製造38で説明される方法を用い、4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造18、145mg、0.36mmol)を(S)−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−カルボニル)−7−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(製造83、151mg、0.3mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=4.32分, m/z (ES+) = 632.6 [M + H]+.
【0171】
製造85:4−(4−ブロモベンジルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化93】

製造16で説明される方法を用い、4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造2、2.05g、12mmol)を4−ブロモベンジルブロミド(3.0g、12mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=4.20分, m/z (ES+) = 356.1, 358.1 [M + H]+.
【0172】
製造86:4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルオキシ]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化94】

製造26で説明される方法を用い、4−(4−ブロモベンジルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造85、2.3g、6.46mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=4.30分, m/z (ES+) = 404.4 [M + H]+.
【0173】
製造87:(S)−4−[4’−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3’−フルオロビフェニル−4−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化95】

製造38で説明される方法と類似の方法を用い、4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルオキシ]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造86、300mg、0.74mmol)を(S)−トリフルオロメタンスルホン酸−4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニルエステル(製造33、240mg、0.5mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=4.43分, m/z (ES+) = 612.5 [M + H]+.
【0174】
製造88:(S)−4−{4’−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3’−フルオロビフェニル−4−イルメトキシ}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化96】

製造38で説明される方法と類似の方法を用い、4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルオキシ] ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造86、300mg、0.74mmol)を(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステル(製造35、249mg、0.5mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=4.20分, m/z (ES+) = 630.5 [M + H]+.
【0175】
製造89:(E)−3−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロフェニル)アクリル酸メチルエステル
【化97】

メチル (トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(25.0g、74.8mmol)を4−ベンジルオキシ−2−フルオロベンズアルデヒド(9.10g、39.5mmol)のTHF(400mL)溶液に加え、得られた溶液を還流条件下で16時間撹拌し、シリカに吸着させ、カラムクロマトグラフィ(IH:EtOAc、3:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.15分; m/z (ES+) = 287.2 [M + H]+.
【0176】
製造90:(E)−3−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロフェニル)アクリル酸
【化98】

1M NaOH溶液(40mL、39.8mmol)を(E)−3−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロフェニル)アクリル酸メチルエステル(製造89、9.50g、33.2mmol)のMeOH(300mL)溶液に加え、得られた懸濁液を周囲温度で撹拌し、次いで還流条件下で1時間加熱し、溶液を得た。溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAc(300mL)および水(600mL)に溶解し、1M HCl溶液(50mL)を加え、周囲温度で30分間撹拌した。水層を分離し、さらにEtOAc(x2)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮し、表題化合物を得た:保持時間=3.72分; m/z (ES+) = 562.3 [2M + NH4]+.
【0177】
製造91:(R)−3−[(E)−3−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロフェニル)アクリロイル]−4−フェニルオキサゾリジン−2−オン
【化99】

トリエチルアミン(4.60mL、33.0mmol)およびピバロイルクロリド(3.60mL、28.2mmol)を(E)−3−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロフェニル)アクリル酸(製造90、6.20g、22.8mmol)のTHF(200mL)溶液(−78℃)に加え、この温度で15分間撹拌し、次いで0℃で1時間撹拌した。別の反応フラスコ内で、n−ブチルリチウム(1.6M/ヘキサン、20mL、32.0mmol)をR−(−)−4−フェニル−2−オキサゾリジノン(5.00g、30.6mmol)のTHF(200mL)溶液(−78℃)に加え、この温度で20分間撹拌し、次いで上記の溶液をカニューレで加えた。得られた混合物を−78℃で1.5時間撹拌し、次いで周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮NHCl水溶液(300mL)に加え、次いで水層を分離し、さらにEtOAc(2x200mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧濃縮した。再結晶化(IH:EtOAc、1:1、250mL)により表題化合物を得た:保持時間=4.08分; m/z (ES+) = 418.2 [M + H]+.
【0178】
製造92:(R)−3−[(R)−3−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロフェニル)ブチリル]−4−フェニルオキサゾリジン−2−オン
【化100】

ジメチルスルフィド(30mL)およびメチルマグネシウムブロミド(3.0M溶液/EtO、13.0mL、39.0mmol)を臭化銅(I)−ジメチルスルフィド(8.80g、42.9mmol)のTHF(60mL)懸濁液(−40℃)に加え、得られた反応混合物をこの温度において30分間撹拌し、−20℃から−15℃に昇温した。(R)−3−[(E)−3−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロフェニル)アクリロイル]−4−フェニルオキサゾリジン−2−オン(製造91、40.0g、9.58mmol)のTHF(40mL)溶液を、温度を−25℃から−15℃の間に保ちながら滴下して加え、溶液をこの温度において2.5時間撹拌し、次いで周囲温度において72時間撹拌した。反応を濃縮NHCl水溶液(50mL)でクエンチし、Celiteを通して濾過した。濾液をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィ(IH:EtOAc、3:1、2:1)で精製し、表題化合物を得た: 保持時間=4.35分; m/z (ES+) = 434.3 [M + H]+.
【0179】
製造93:(R)−3−[(2R,3S)−3−(4−ベンジルオキシ−5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−ブロモブチリル]−4−フェニルオキサゾリジン−2−オン
【化101】

ジブチルボロントリフレート(10.0mL、10.0mmol)およびDIPEA(1.80mL、10.3mmol)を(R)−3−[(R)−3−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロフェニル)ブチリル]−4−フェニルオキサゾリジン−2−オン(製造92、3.00g、6.92mmol)のDCM(50mL)溶液(−78℃)に加えた。得られた反応混合物を−78℃で10分間、次いで0℃で1時間撹拌した。反応物をー78℃に冷却し、前もって−78℃に冷却したアルゴン下のN−ブロモスクシンイミド(3.71g、20.8mmol)のDCM(50mL)溶液にカニューレで移した。得られた反応物を−78℃で2時間、0℃で2時間撹拌し、0.5M NaHCO水溶液でクエンチした。DCMを減圧除去し、EtOAcを加え、有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィ(IH:EtOAc、3:1)で精製し、表題化合物を得た:1H NMR δH (400MHz, CDCl3) 7.51 - 7.30 (m, 11H), 6.68 (m, 1H), 6.12 (m, 1H), 5.26 (m, 1H), 5.13 (s, 2H), 4.59 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 3.63 (m, 1H), 1.52 (m, 3H).
【0180】
製造94:(R)−3−[(2S,3S)−2−アジド−3−(4−ベンジルオキシ−5−ブロモ−2−フルオロフェニル)ブチリル]−4−フェニルオキサゾリジン−2−オン
【化102】

N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジンアジド(3.70g、23.4mmol)を(R)−3−[(2R,3S)−3−(4−ベンジルオキシ−5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−ブロモブチリル]−4−フェニルオキサゾリジン−2−オン(製造93、3.40g、5.75mmol)のMeCN(25mL)溶液に加え、得られた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィ(IH:EtOAc、2:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.58分; m/z (ES+) = 570.1, 572.1 [M + NH4]+.
【0181】
製造95:(2S,3S)−2−アジド−3−(4−ベンジルオキシ−5−ブロモ−2−フルオロフェニル)ブタン酸
【化103】

過酸化水素(35%水溶液、5.00mL)および水酸化リチウム一水和物(810mg、19.3mmol)を(R)−3−[(2S,3S)−2−アジド−3−(4−ベンジルオキシ−5−ブロモ−2−フルオロフェニル)ブチリル]−4−フェニルオキサゾリジン−2−オン(製造94、3.02g、5.46mmol)のTHFおよび水(3:1、100mL)の混合物溶液(0℃)に加え、得られた溶液をこの温度において6時間撹拌した。反応物を10%(w/v) NaSO水溶液でクエンチし、周囲温度で1時間撹拌し、次いで水(250mL)でクエンチし、EtOAc(4x200mL)で抽出した。有機物を合わせ、0.5M HCl溶液およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧濃縮し、表題化合物を得た:保持時間=4.03分; m/z (ES+) = 425.0, 427.0 [M + NH4]+.
【0182】
製造96:(2S,3S)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン酸塩酸塩
【化104】

10%パラジウム炭素(1.65g)を(2S,3S)−2−アジド−3−(4−ベンジルオキシ−5−ブロモ−2−フルオロフェニル)ブタン酸(製造95、2.23g、5.46mmol)のEtOHおよび水(9:1、200mL)混合物溶液に加え、得られた反応混合物を水素雰囲気下で72時間撹拌し、Celiteを通して濾過した。濾液を減圧濃縮し、残渣を水および1M HCl溶液に溶解し、EtOAcで洗浄し、減圧濃縮し、表題化合物を得た:保持時間=1.71分; m/z (ES+) = 214.0 [M + H]+.
【0183】
製造97:(2S,3S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−tert−ブトキシカルボニルオキシ−2−フルオロフェニル)ブタン酸メチルエステル
【化105】

トリエチルアミン(700μL、5.00mmol)およびジ炭酸ジ−tert−ブチル(1.60g、7.33mmol)を(2S,3S)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン酸塩酸塩(製造96、682mg、2.73mmol)のジオキサンおよび水(19:1、50mL)混合物溶液に加え、得られた溶液を72時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣にEtOAc(300mL)および水(100mL)を加えた。混合物を1M HCl溶液で酸性化し、激しく撹拌した。水層をさらにEtOAc(2x100mL)で抽出し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をトルエンおよびMeOH(4:1、50mL)の混合物に溶解し、0℃に冷却し、トリメチルシリルジアゾメタン(2M/ヘキサン、2.5mL、5.0mmol)を加えた。得られた混合物を30分間かけて0℃から周囲温度で撹拌し、次いでAcOH(1mL)でクエンチし、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィ(IH:EtOAc、3:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.10分; m/z (ES+) = 428.2 [M + H]+.
【0184】
製造98:(2S,3S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−tert−ブトキシカルボニルオキシ−2−フルオロフェニル)ブタン酸
【化106】

製造70で説明される方法を用い、(2S,3S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−tert−ブトキシカルボニルオキシ−2−フルオロフェニル)ブタン酸メチルエステル(製造97、574mg、1.53mmol)から表題化合物を製造した:1H NMR δH (400MHz, CD3OD): 7.35 (m, 1H) 6.95 (m, 2H), 4.43 (m, 1H), 3.49 (m, 1H), 1.55 (s, 9H), 1.36 (m, 12H).
【0185】
製造99:(1S,2S)−炭酸 4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1−メチル−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステルtert−ブチルエステル
【化107】

製造71で説明される方法と類似の方法を用い、(2S,3S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−tert−ブトキシカルボニルオキシ−2−フルオロフェニル)ブタン酸(製造98、318mg、0.77mmol)を3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩(226mg、1.57mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=4.05分, m/z (ES+) = 503.5 [M + H]+.
【0186】
製造100:(1S,2S)−[1−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−カルボニル)−2−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化108】

(1S,2S)−炭酸 4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1−メチル−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステルtert−ブチルエステル(製造99、232mg、0.46mmol)のDCM(8mL)溶液にピペリジン(2.0mL、20.2mmol)を加え、反応物を室温で16時間撹拌した。得られた混合物をEtOAc(300mL)および1M HCl溶液(100mL)で分液処理し、有機層を分離し、水、次いでブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、表題化合物を得た:保持時間=3.40分, m/z (ES+) = 403.2 [M + H]+.
【0187】
製造101:(1S,2S)−トリフルオロメタンスルホン酸4[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1−メチル−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステル
【化109】

製造30で説明される方法を用い、(1S,2S)−[1−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−カルボニル)−2−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造100、185mg、0.46mmol)をN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(252mg、0.71mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=3.96分, m/z (ES+) = 535.4 [M + H]+.
【0188】
製造102:4−(5−{4−[(1S,2S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1−メチル−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化110】

製造61で説明される方法を用い、4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造18)を(1S,2S)−トリフルオロメタンスルホン酸4[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1−メチル−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニルエステル(製造101)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=4.37分; m/z (ES+) = 663.5 [M + H]+.
【0189】
製造103:(S)−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−カルボニル)−7−{6−[1−(1−イソプロポキシカルボニルピペリジン−4−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化111】

製造38で説明される方法を用い、4−{1−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシ]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造21、150mg、0.36mmol)を(S)−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−カルボニル)−7−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(製造83、156mg、0.3mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した:保持時間=4.39分, m/z (ES+) = 646.6 [M + H]+.
【0190】
製造104:(S)−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−カルボニル)−7−{6−[(S)−1−(1−イソプロポキシカルボニルピペリジン−4−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化112】

(S)−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−カルボニル)−7−{6−[1−(1−イソプロポキシカルボニルピペリジン−4−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(製造103)のキラルHPLCによる分離により、表題化合物を得た:Daicel chiral pack IA 250 x 20 mm, MTBE:EtOH:DEA, 40:60:0.1, 10mL/分, 285nm.
【0191】
製造105:(S)−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−カルボニル)−7−{6−[(R)−1−(1−イソプロポキシカルボニルピペリジン−4−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化114】

(S)−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−カルボニル)−7−{6−[1−(1−イソプロポキシカルボニルピペリジン−4−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(製造103)のキラルHPLCによる分離により、表題化合物を得た: Daicel chiral pack IA 250 x 20 mm, MTBE:EtOH:DEA, 40:60:0.1, 10mL/分, 285nm.
【0192】
製造106:(S)−4−(4{4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化114】

4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシメチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造23、910mg、2.25mmol)およびフッ化水素カリウム(878mg、11.24mmol)のMeOH(9mL)溶液を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、次いで残渣をジエチルエーテルで洗浄し、MeCNから再結晶化し、白色の固形物を得た。該物質をトルエン(5mL)および水(1mL)混合物中の(S)−トリフルオロメタンスルホン酸4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]3−フルオロフェニルエステル(製造35、588mg、1.17mmol)、酢酸パラジウム(II)(26mg、1.17mmol)および炭酸カリウム(462mg、3.35mmol)と合わせ、反応物を110℃で24時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物をDCM(3x10mL)で抽出し、有機画分を合わせ、乾燥し(MgSO)、溶媒を減圧除去した。カラムクロマトグラフィ(SiO、IH:EtOAc、7:3、1:1)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=4.20分; m/z (ES+) = 631.4 [M + H]+.
【0193】
実施例1:(S)−4−(5−{4−[2−アミノ−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化115】

アルゴン下の(S)−4−(5−{4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造38、280mg、0.44mmol)のDCM(5mL)溶液を0℃に冷却した。TFA(1mL)を加え、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。TFA(0.5mL)のさらなる一部を加え、撹拌を1時間続けた。反応物を飽和NaHCO溶液でクエンチし、有機物をDCMに抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を減圧除去した。カラムクロマトグラフィ(SiO、DCM:MeOH、98:2、97:3、95:5、90:10、80:20)で精製し、表題化合物を得た:保持時間=3.18分; m/z (ES+) = 535.3 [M + H]+.
【0194】
以下の実施例は、実施例1で説明される方法と類似の方法を用い、適当なtert−ブチルカルバメートで保護されたアミンをTFAで処理することにより製造された:
【表6−1】

【表6−2】

【表6−3】

【0195】
実施例17:(S)−4−(5−{4−[2−アミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル塩酸塩
【化116】

アルゴン下の(S)−4−(5−{4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造39、230mg、0.37mmol)のDCM(4mL)溶液を0℃に冷却した。TFA(1mL)を加え、反応物を16時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、飽和NaCO溶液を加えてpHを調整した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を減圧除去した。カラムクロマトグラフィ(SiO、DCM:MeOH、100:0、95:5、93:7)で精製し、表題化合物をその遊離塩基として得た。生成物を4M HCl/ジオキサンに溶解し、室温で15分間撹拌した。溶媒を減圧除去し、表題化合物を得た:保持時間=2.81分; m/z (ES+) = 517.4 [M + H]+.
【0196】
実施例18:(S)−2−アミノ−3−(2−フルオロ−4−{6−[1−(4−イソプロピルベンジル)アゼチジン−3−イルオキシ]ピリジン−3−イル}フェニル)−1−ピロリジン−1−イル プロパン−1−オンp−トルエンスルホン酸塩
【化117】

アルゴン下の(S)−[1−(2−フルオロ−4−{6−[1−(4−イソプロピルベンジル)アゼチジン−3−イルオキシ]ピリジン−3−イル}ベンジル)−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造59、75mg、0.12mmol)のDCM(4mL)溶液を0℃に冷却した。TFA(1mL)を加え、反応物を3時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO溶液を加えてpHを調整した。有機相を分離し、乾燥し(MgSO)、溶媒を減圧除去した。カラムクロマトグラフィ(SiO、DCM:MeOH、100:0、98:2、95:5、90:10)で精製し、表題化合物を遊離アミンとして得た。生成物をDCMに溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物(1当量、15.2mg、0.08mmol)をMeOH溶液として加えた。混合物を15分間撹拌した。溶媒を減圧除去し、表題化合物を得た:保持時間=2.57分; m/z (ES+) = 517.5 [M + H]+.
【0197】
以下の実施例は、実施例18で説明される方法と類似の方法を用い、適当なtert−ブチルカルバメートで保護されたアミンをTFAで処理することにより製造された。
【表7】

【0198】
実施例21: S)−4−{4’−[1−アミノ−2−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]ビフェニル−4−イルオキシ}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化118】

アルゴン下の4−{4’−[1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]ビフェニル−4−イルオキシ}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造44、106mg、0.18mmol)のDCM(5mL)溶液を0℃に冷却した。TFA(1mL)を加え、反応物を0℃で1.5時間撹拌した。飽和NaCO溶液(30mL)溶液を加えて反応をクエンチし、有機物をEtOAc(50mL)で抽出した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、表題化合物を得た:保持時間=2.85分; m/z (ES+) = 484.5 [M + H]+.
【0199】
実施例22:4−[(R)−1−(5−{4−[(S)−2−アミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシ)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化119】

(S)−4−[1−(5−{4−[2−アミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシ)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(実施例10)をキラルHPLCにより分離することにより表題化合物を得た: Daicel chiral pack IA 250 x 20 mm, MeCN:MeOH:DEA, 25:75:0.1, 15mL/分, 265nm.
【0200】
以下の実施例は、実施例22で説明される方法と類似の方法を用い、関連するジアステレオマーをキラルHPLCで精製することにより得られた。
【表8】

【0201】
実施例28:(S)−4−{4’−[2−アミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]ビフェニル−4−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル塩酸塩
【化120】

(S)−4−{4’−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−2−シアノピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]ビフェニル−4−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造73、56mg、0.09mmol)のDCM溶液にTFA(2.5mL)を加えた。室温で2.5時間撹拌後、反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(100mL)および飽和NaHCO溶液(100mL)で分液処理した。層を分離し、水相をEtOAc(3x50mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO、DCM:MeOH、100:7.5)で精製し、表題化合物を遊離アミンとして得た。生成物をMeOH(50mL)に溶解し、1M HCl溶液(1mL)で洗浄した。溶媒を減圧除去し、MeOH(2x50mL)で共蒸留し、表題化合物を得た:保持時間=2.97分; m/z (ES+) = 519.5 [M + H]+.
【0202】
実施例29:(S)−4−{4’−[2−アミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]ビフェニル−4−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル塩酸塩
【化121】

実施例28で説明される方法を用い、(S)−4−{4’−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]ビフェニル−4−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造71、75mg、0.12mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=3.03分; m/z (ES+) = 512.4 [M + H]+.
【0203】
実施例30:2−アミノ−3−(2−フルオロ−4−{6−[1−(6−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−4−イルメトキシ]ピリジン−3−イル}フェニル)−1−ピロリジン−1−イル−プロパン−1−オン
【化122】

[1−(6−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]メタノール(144mg、0.7mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(67mg、0.7mmol)のTHF(3mL)溶液を5分間撹拌し、(S)−{1−[2−フルオロ−4−(6−フルオロピリジン−3−イル)ベンジル]−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造74、75mg、0.17mmol)を加え、マイクロ波反応器内において150℃で30分間加熱した。反応混合物をMgSOのプラグを通して濾過し、溶媒を減圧除去した。残渣をプレパラティブHPLCで精製し、表題化合物を得た:保持時間=2.82分; m/z (ES+) = 519.5 [M + H]+.
【0204】
以下の実施例は、実施例30で説明される方法を用い、(S)−{1−[2−フルオロ−4−(6−フルオロピリジン−3−イル)ベンジル]−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造74)を適当なアルコールで処理することにより製造された。
【表9】

【0205】
実施例34:(S)−2−アミノ−3−(2−フルオロ−4−{6−[1−(3−イソプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イルメトキシ]ピリジン−3−イル}フェニル)−1−ピロリジン−1−イル−プロパン−1−オン
【化123】

実施例30で説明される方法を用い、[1−(3−イソプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]メタノール(157mg、0.7mmol)を(S)−{1−[2−フルオロ−4−(6−フルオロピリジン−3−イル)ベンジル]−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造74、75mg、0.17mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した。さらに、キラルHPLCで精製することにより表題化合物を得た:保持時間=2.77分; m/z (ES+) = 537.4 [M + H]+.
【0206】
実施例35:(S)−1−(4−{5−[4−(2−アミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニル]ピリジン−2−イルオキシメチル}ピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン
【化124】

実施例30で説明される方法を用い、1−(4−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン(49mg、0.24mmol)を(S)−{1−[2−フルオロ−4−(6−フルオロピリジン−3−イル)ベンジル]−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(製造74、70mg、0.16mmol)と反応させることにより表題化合物を製造した。さらにキラルHPLCで精製することにより、表題化合物を得た:保持時間=2.77分; m/z (ES+) = 511.5 [M + H]+.
【0207】
実施例36:(S)−4−{5−[4−(2−アミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニル]ピリジン−2−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化125】

実施例21で説明される方法を用い、(S)−4−{5−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3−フルオロフェニル]ピリジン−2−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造77)から表題化合物を製造した:保持時間=2.96分; m/z (ES+) = 513.4 [M + H]+.
【0208】
実施例37: 4−{(S)−1−[4’−((S)−2−アミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化126】

(S)−4−{1−[4’−(2−アミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(実施例15)のキラルHPLCによる分離により表題化合物を得た:Daicel chiral pack IA 250 x 20 mm, MeCN:MeOH:THF:DEA, 50:50:2:0.1, 15mL/分, 285nm.
【0209】
実施例38:4−{(R)−1−[4’−((S)−2−アミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化127】

(S)−4−{1−[4’−(2−アミノ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(実施例15)のキラルHPLCによる分離により表題化合物を得た:Daicel chiral pack IA 250 x 20 mm, MeCN:MeOH:THF:DEA, 50:50:2:0.1, 15mL/分, 285nm.
【0210】
実施例39:4−((R)−1−{4’−[(S)−2−アミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ}エチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化128】

(S)−4−(1−{4’−[2−アミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ}エチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(実施例16)のキラルHPLCによる分離により表題化合物を得た: Daicel chiral pack IA 250 x 20 mm, MeCN:MeOH:THF:DEA, 50:50:3:0.1, 15mL/分, 285nm.
【0211】
実施例40:4−((S)−1−{4’−[(S)−2−アミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ}エチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化129】

(S)−4−(1−{4’−[2−アミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ}エチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(実施例16)のキラルHPLCによる分離により表題化合物を得た: Daicel chiral pack IA 250 x 20 mm, MeCN:MeOH:THF:DEA, 50:50:3:0.1, 15mL/分, 285nm.
【0212】
実施例41:(S)−4−{4’−[2−アミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステルp−トルエンスルホン酸塩
【化130】

(S)−4−{4’−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3’−フルオロビフェニル−4−イルオキシ}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造64、204mg、0.33mmol)のDCM(5mL)溶液にTFA(1mL)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。飽和NaHCO溶液(100mL)を加えて反応をクエンチし、次いで有機相を分離し、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、表題化合物を遊離アミンとして得た。残渣をDCMに溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物(1当量、52mg、0.27mmol)のMeOH溶液を加えた。溶媒を減圧除去し、表題化合物をそのp−トルエンスルホン酸塩として得た:保持時間=3.12分; m/z (ES+) = 516.3 [M + H]+.
【0213】
以下の実施例は、実施例41で説明される方法を用い、適当なtert−ブチルカルバメート−保護アミンをTFAで処理することにより、そのp−トルエンスルホン酸塩として製造された。
【表10】

【0214】
実施例45:(S)−4−{4’−[2−アミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3’−フルオロビフェニル−3−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル塩酸塩
【化131】

(S)−4−{4’−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3’−フルオロビフェニル−3−イルオキシメチル}ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造66、37mg、0.06mmol)のDCM(5mL)溶液にTFA(1mL)を加えた。反応物を室温で30分間撹拌し、次いでDCM(150mL)で希釈した。飽和NaHCO溶液(150mL)を加え、有機物を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を減圧除去し、表題化合物を遊離アミンとして得た。生成物をジエチルエーテル(10mL)に溶解し、数滴のHCl溶液(4M/ジオキサン)で処理した。容器を傾けて溶媒を除去し、表題化合物を得た:保持時間=2.95分; m/z (ES+) = 530.4 [M + H]+.
【0215】
以下の実施例は、実施例45で説明される方法と同様の方法を用い、適当なtert−ブチルカルバメート−保護アミンをTFAで処理することにより製造された。
【表11−1】

【表11−2】

【0216】
実施例52:(S)−4−(4−{4−[2−アミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル塩酸塩
【化132】

実施例17で説明される方法と類似の方法を用い、(S)−4−(4{4−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3−オキソプロピル]−3−フルオロフェニル}ピリジン−2−イルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(製造106、150mg、0.24mmol)から表題化合物を製造した:保持時間=2.83分; m/z (ES+) = 531.4 [M + H]+.
【0217】
本発明の化合物の生物学的活性は以下のアッセイシステムにおいて試験されてもよい。
【0218】
(GPR119酵母レポーターアッセイ)
酵母レポーターアッセイ
酵母細胞ベースのレポーターアッセイは先に文献に記載されている(例えば、Miret J. J. et al, 2002, J. Biol. Chem., 277:6881-6887; Campbell R.M. et al, 1999, Bioorg. Med. Chem. Lett., 9:2413-2418; King K. et al, 1990, Science, 250:121-123); WO 99/14344; WO 00/12704; および US 6,100,042参照)。簡潔には、内因性酵母G−アルファ(GPA1)を欠損させ、多様な技法を用いて構築したG−タンパク質キメラで置き換えるよう酵母細胞を操作したものである。さらに、内因性酵母GPCR、Ste3を欠損させ、最適な哺乳類GPCRを異種発現させた。酵母において、フェロモンシグナリング伝達経路における要素が、これは真核細胞でも保存されているが(例えば、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ経路)、Fus1の発現を駆動する。β-ガラクトシダーゼ(LacZ)をFus1プロモーター制御下に置くことにより、受容体の活性化が酵素の読み出しに繋がるシステムが構築されている。
【0219】
Agatep et alにより記載された酢酸リチウム法の変法により、酵母細胞を形質転換した(Agatep, R. et al, 1998, Transformation of Saccharomyces cerevisiae by the lithium acetate/single-stranded carrier DNA/polyethylene glycol (LiAc/ss-DNA/PEG) protocol. Technical Tips Online, Trends Journals, Elsevier)。簡潔には、酵母細胞を酵母トリプトンプレート(YT)上で終夜成長させた。キャリアー一本鎖DNA(10μg)、2つのFus1p-LacZレポータープラスミド各2μg(1つはURA選択マーカー、1つはTRPを有する)、酵母発現ベクター(2μgの複製起点)に組み込んだGPR119(ヒトまたはマウスの受容体)2μgおよび酢酸リチウム/ポリエチレングリコール/TEバッファーをエッペンドルフチューブにピペットで入れた。受容体/受容体不含コントロールを含んだ酵母発現プラスミドはLEUマーカーを有する。酵母細胞をこの混合物に接種し、反応を30℃で60分間進めた。酵母細胞に42℃で15分間熱ショックを与えた。次いで、細胞を洗浄し、選択用プレートに播種した。選択用プレートは、既定の合成酵母培地からLEU、URAおよびTRP(SD−LUT)を差し引いたものである。30℃で2−3日間インキュベート後、選択用プレートに生えたコロニーをLacZアッセイで試験した。
【0220】
β−ガラクトシダーゼの蛍光定量的酵素アッセイを行うために、ヒトまたはマウスGPR119受容体を保持する酵母細胞を液体SD−LUT培地で不飽和濃度まで終夜成長させた(即ち、細胞はまだ分裂中であり、未だ静止期には達していなかった)。これらの細胞を新鮮な培地で最適なアッセイ濃度に希釈し、90μLの酵母細胞を96−ウェルの黒色ポリスチレンプレート(Costar)に加えた。DMSOに溶解し、10%DMSOで10x濃度に希釈した化合物をプレートに加え、プレートを30℃に4時間置いた。4時間後、β−ガラクトシダーゼの基質を各ウェルに加えた。これらの実験において、フルオレセインを放出し、蛍光定量の読み出しを可能にする酵素の基質であるフルオレセインジ(β−D−ガラクトシダーゼ)(FDG)を用いた。20μL/ウェルの500μM FDG/2.5% Triton 100を加えた(界面活性剤は細胞の透過性を維持するために必要である)。細胞と基質を60分間インキュベート後、20μL/ウェルの1M 炭酸ナトリウムを加えて反応を終了させ、蛍光シグナルを増強した。蛍光光度計を用いて485/535nmでプレートを読み取った。
【0221】
このアッセイにおいて、実施例1から52の全てが、蛍光シグナルをバックグランドシグナル(即ち、化合物不含1%DMSO存在下で得られたシグナル)の少なくとも〜1.5倍に増強する活性を示した。少なくとも5倍に増強する本発明の化合物が好ましいであろう。
【0222】
cAMPアッセイ
組み換えヒトGPR119を安定発現している細胞株を確立し、サイクリックAMP(cAMP)の細胞内レベルに対する本発明の化合物の影響の調査にこの細胞株を用いた。細胞の単層をリン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、刺激バッファー(+1% DMSO)中の様々な濃度の化合物により37℃で30分間刺激した。次いで、細胞を溶解し、Perkin Elmer AlphaScreenTM (Amplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay) cAMP キットを用いてcAMP含量を決定した。バッファーおよびアッセイ条件は製造者のプロトコルに記載の通りである。
【0223】
本発明の化合物により濃度依存的な細胞内cAMPレベルが得られ、通常EC50は<10μMであった。cAMPアッセイにおいて1μM以下のEC50を示す化合物が好ましいであろう。
【0224】
DPP−IVアッセイ方法
DPP−IV活性は、蛍光発生ペプチド基質であるH−Gly−Pro−7−アミノ−4−メチルクマリン(GP−AMC)の切断のモニターにより測定した(生成物である7−アミノ−4−メチルクマリンは励起380nm、発光460nmにおける蛍光により定量化される)。アッセイは、96−ウェルプレート(Black OptiPlate−96F)、総体積100μL/ウェル(50mM トリス、pH7.6、100μM GP−AMC、10−25μU 組み換えヒトDPP−IV、および1%DMSOの最終濃度における様々な希釈の阻害剤からなる)において行った。37℃で30分間インキュベート後、プレートを蛍光光度計で読み取った。組み換えヒトDPP−IV(Asn29−Pro766残基)はBioMolから購入した。
【0225】
実施例1から52の全てが、このアッセイにおいて<20μMのIC50を有していた。式(Ia)の化合物は通常<20μMのIC50を有していた。
【0226】
(膵β細胞(HIT−T15)のインビトロモデルにおける本発明の化合物の抗糖尿病効果)
細胞培養
HIT−T15細胞(継代数60)をATCCから得、10%ウシ胎児血清および30nM亜セレン酸ナトリウムを含んだRPMI1640培地中で培養した。全ての実験は、この細胞株が継代数81回以上で性質が変わることを記載した文献に従い(Zhang HJ, Walseth TF, Robertson RP. Insulin secretion and cAMP metabolism in HIT cells. Reciprocal and serial passage-dependent relationships. Diabetes. 1989 Jan;38(1):44-8)、70回以下の継代数の細胞で行われた。
【0227】
cAMPアッセイ
HIT−T15細胞を標準的な培養用培地を用い、96ウェルプレートに100,000細胞/0.1mL/ウェルで播種し、24時間培養し、培地を廃棄した。細胞を室温で15分間、100μlの刺激バッファー(ハンクス平衡塩類溶液、5mM HEPES、0.5mM IBMX、0.1% BSA、pH7.4)でインキュベートした。これを廃棄し、0.5%DMSO存在下の0.001、0.003、0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、10、30μMの範囲の刺激バッファー中の化合物希釈物で置き換えた。細胞を室温で30分間インキュベートした。次いで、75μLの溶解バッファー(5mM HEPES、0.3% Tween−20、0.1% BSA、pH7.4)を各ウェルに加え、プレートを900rpmで20分間振盪した。微粒子状物質を3000rpm、5分間の遠心により除去し、次いでサンプルを384−ウェルプレートに2つの複製で移し、Perkin Elmer AlphaScreen cAMP assayキットの説明書に従って次に進んだ。簡単には、8μLのサンプル、5μLのアクセプタービーズ混合物および12μLの検出混合物を含む25μLの反応液を、最終的な反応成分の濃度がキットの説明書の指示と同じになるようにセットアップした。反応液を室温で150分間インキュベートし、プレートをPackard Fusion装置で読み取った。cAMPの測定値を既知のcAMP量の標準曲線(0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、10、30、100、300、1000nM)と比較し、読み取った値をcAMP量の絶対値に変換した。データはXLfit 3ソフトウェアで解析した。
【0228】
代表的な本発明の化合物は、cAMPを10μM以下のEC50において増加させることが示された。cAMPアッセイにおいて1μM以下のEC50を示す化合物が好ましいであろう。
【0229】
インスリン分泌アッセイ
HIT−T15細胞を標準的な培養用培地で12−ウェルプレートに10細胞/1ml/ウェルで播種し、3日間培養し、培地を廃棄した。細胞を補足クレブス・リンガーバッファー(KRB)(119mM NaCl、4.74mM KCl、2.54mM CaCl、1.19mM MgSO、1.19mM KHPO、25mM NaHCO、10mM HEPES、pH7.4、0.1%ウシ血清アルブミン)で2回洗浄した。細胞を1ml KRBで37℃において30分間インキュベートし、バッファーを廃棄した。これに次いで、KRBで30分間2回目のインキュベートを行い、これを回収し、各ウェルにおけるインスリンの基底分泌レベルの測定に用いた。次いで、1ml KRB中の化合物希釈物(0、0.1、0.3、1、3、10μM)を2つの複製ウェルに加え、5.6mM グルコースを添加した。37℃で30分間インキュベート後、インスリンレベルを測定するためにサンプルを採取した。インスリンの測定は、MercodiaラットインスリンELISAキットを用い、製造者の指示に従い、既知のインスリン濃度の標準曲線を用いて行った。各ウェルについて、インスリンレベルは、グルコースの非存在下におけるインキュベーション前から基底分泌レベルを差し引いて補正した。データはXLfit 3ソフトウェアを用いて解析した。
【0230】
本発明の化合物は10μM以下のEC50においてインスリン分泌を増加させることが望ましい。
【0231】
経口グルコース負荷試験
本発明の化合物が経口グルコース(Glc)耐性に及ぼす影響は、オスSprague−Dawleyラットを用いて評価することができる。ラットはGlc投与の16時間前から絶食させ、試験中も絶食状態を維持した。試験中、ラットは水を自由に摂取することができた。Glc負荷投与の60分前に動物の尾に切り口を入れ、次いで血液(1滴)をGlc基底レベルの測定用に採取した。次いで、ラットの体重を量り、試験化合物またはベヒクル(20%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン水溶液)を経口投与し、45分後にさらに血液サンプルを採取し、Glc負荷(2g kg−1、経口)を行った。血液サンプルは、Glc投与後、尾の切り口から5、15、30、60、120および180分後に採取した。血中グルコースレベルは、採取直後に市販のグルコース計(OneTouch(登録商標) UltraTM、Lifescanから購入)を用いて測定した。本発明の化合物は、好ましくは≦100mg kg−1の投与量においてGlc変動を統計学的に有意に減少させる。
【0232】
本発明の化合物が経口グルコース(Glc)耐性に及ぼす影響はまた、オスC57Bl/6またはオスob/obマウスを用いて評価することができる。マウスをGlc投与5時間前に絶食させ、実験中も絶食状態を維持した。実験中、マウスは水を自由に摂取することができた。Glc負荷投与の45分前に動物の尾に切り口を入れ、血液(20μL)を基底Glcレベルの測定用に採取した。次いで、マウスの体重を量り、試験化合物またはベヒクル(20% ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン水溶液または25% Gelucire 44/14)を経口投与し、30分後、さらに血液サンプルを(20μL)採取し、Glc負荷(2−5g kg−1、経口)を行った。次いで、血液サンプル(20μL)をGlc投与後25、50、80、120、および180分後に採取した。Glcレベル測定用の20μLの血液サンプルは、尾の切り口から使い捨てマイクロピペと(Dade Diagnostics Inc.、プエルトリコ)に取り、480μLの溶血試薬を加えた。次いで、96−ウェルアッセイプレート中で、希釈した溶血血液の複製20μLアリコートに180μLのトリンダーグルコース試薬(Trinders glucose reagent)(シグマ酵素的(トリンダー)比色法)を加えた。混合後、サンプルを室温で30分間維持し、Glcスタンダード(シグマ グルコース/尿素窒素複合スタンダードセット)に対して読み取った。本発明の化合物は、好ましくは≦100mg kg−1の投与量においてGlc変動を統計学的に有意に減少させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
pは1または2であり;
pが2のとき、ZはCHRまたはNRであり;
およびpが1のとき、Zは−N−CH−Ph(ここでPhはC1−4アルキル、C1−4ハロアルキルおよびハロから独立して選択される1または2個の基で適宜置換されていてもよい)であり;
は−N(CH)−C(O)−O−C2−4アルキルまたは−N(CH)−C(O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルはC1−4アルキルで適宜置換されていてもよい)であり;
は−C(O)−O−C2−4アルキル、−C(O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルはC1−4アルキルで適宜置換されていてもよい)、−C(O)−C2−4アルキル、−C(O)−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルはC1−4アルキルで適宜置換されていてもよい)であるか、あるいはRは:
【化2】

(ここで、Tはそれに属す−N=C−と共に、N、OおよびSから選択される最大2個のヘテロ原子をさらに適宜含んでいてもよい5または6員のヘテロアリール環を形成する)であり;
Tがそれに属す−N=C−と共に5員のヘテロアリール環を形成するとき、RはC1−4アルキルで適宜置換されていてもよいC2−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルであり、Tがそれに属す−N=C−と共に6員のヘテロアリール環を形成するとき、RはC2−4アルキル、フルオロまたはクロロであり;
Qは−O−、−O−CRH−または−CRH−O−であり;
Xはフェニル、またはN、OおよびSから選択される1つもしくはそれ以上のヘテロ原子を含む5から6員のヘテロアリール基であり;ただし、Qが−O−CRH−のとき、Xは6員のヘテロアリール基ではなく;
Yは結合、−CH−または−CHMe−であり;
およびR3aは独立して水素、フルオロまたはクロロから選択されるか、またはRがシアノのとき、Rはメチルでもよく;ただし、Yが結合であり、RおよびR3aがY基のオルト位にあるとき、それらは共に水素であり;
は水素であるか、あるいはYが−CH−または−CHMe−のとき、Rはフェニル環の*位に−CH−結合して縮合6員含窒ヘテロ環を形成してもよく;
は1つまたはそれ以上のフルオロ、クロロ、シアノまたはメチル基で適宜置換されていてもよいベンジルであるか、あるいはRは:
【化3】

(ここで、
rは1または2であり、mは0、1または2であり;
WはCHであるか、あるいはrが2のとき、WはSでもよく;
WがCHのとき、Rはフルオロまたはシアノであり、WがSのとき、Rはシアノである)であり;
は水素またはメチルである]
の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
式(Ia):
【化4】

で定義される立体化学を有する請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
pが2である請求項1または2に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
ZがNRである請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
が−C(O)ORである請求項4に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
が:
【化5】

(ここで、Tがそれに属す−N=C−共に形成する5または6員のヘテロアリール環はオキサジアゾールおよびピリミジンから選択される)
である請求項4に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
Xがメタ位もしくはパラ位結合フェニルまたは1つもしくは2つの窒素原子を含むメタ位もしくはパラ位結合6員ヘテロ芳香環である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
Xがパラ位結合フェニルまたは1つもしくはそれ以上の窒素原子を含むパラ位結合6員ヘテロ芳香環である請求項6に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
Xがフェニルまたはピリジルである請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
がフルオロである請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
が水素である請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
が:
【化6】

である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
rが2である請求項12に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項14】
WがCHである請求項12に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項15】
遊離塩基として実施例1から52のいずれか1つに定義される化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項17】
GPR119が関与する病態または疾患の治療方法であって、治療上有効量の請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を治療が必要な対象に投与する段階を特徴とする方法。
【請求項18】
GPR119またはDPP−IVが関与する病態または疾患の治療方法であって、治療上有効量の請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を治療が必要な対象に投与する段階を特徴とする方法。
【請求項19】
2型糖尿病の治療方法であって、治療上有効量の請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を治療が必要な対象に投与する段階を特徴とする方法。
【請求項20】
肥満、メタボリックシンドローム(シンドロームX)、耐糖能障害、高脂血症、高トリグリセライド血症、高コレステロール血症、低HDLレベルまたは高血圧の治療方法であって、治療上有効量の請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を治療が必要な患者に投与する段階を特徴とする方法。

【公表番号】特表2012−520282(P2012−520282A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553532(P2011−553532)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050440
【国際公開番号】WO2010/103333
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(504326837)プロシディオン・リミテッド (53)
【氏名又は名称原語表記】Prosidion Limited
【Fターム(参考)】