説明

仮囲いの緑化装置

【課題】本願発明は、仮囲いの両面を緑化し工事現場の周辺環境の改善と作業環境を改善する仮囲いの緑化装置の提案にある。
【解決手段】本発明は、工事現場で使用する仮囲いにおいて、仮囲いに複数のプランターを固定し、それぞれのプランターの上部に当たる仮囲いに開口部を設けた緑化装置である。プランター中の植物を上記開口部より仮囲いの両面に延伸させ、工事現場における仮囲いの両側を緑化することで、その周辺環境及び作業環境を改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事現場で使用する仮囲いの緑化技術に属する。
【背景技術】
【0002】
ビルやマンション等の建設現場等では、工事期間中の事故防止等のために周囲を鋼板性の仮囲で囲んでいる。
【0003】
この工事現場等で使用する仮囲いは、通常では単に鋼板を加工したものであり、表面に絵や広告を表示させていることから殺風景である。建設現場を周辺環境から区画する仮囲いは建設現場と歩道又は道路との境界に設置され、しかも、建築・土木工事は、数ヶ月〜数年にわたって継続するので、仮囲いの外観は少なからず建設現場の周辺環境に影響する。
【0004】
このような建設現場の仮囲いの周辺環境を改善するため緑化を行うことが試みられている。例えば特開平8-93276には仮設壁面上部にプランターを係止した緑化装置が開示されている。
特開2007-151519には、仮囲いの裏側にプランターを設置し、プランターの上部仮囲いに開けた開口部よりプランターの植物を表側に誘導し仮囲いの緑化を図る緑化ユニットが開示されている。
特開2007-259786には、仮囲いに凹部を設け苗床保持部とし、この凹部で植物を育てることで仮囲いの表面を緑化する緑化仮囲いが開示されている。
これらの技術はいずれも作業現場の外の環境を改善するもので、仮囲い内部の作業環境を考慮するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-93276
【特許文献2】特開2007-151519
【特許文献3】特開2007-259786
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は、仮囲いの両面を緑化し周辺環境の改善と作業環境を改善する仮囲いの緑化手段の提案にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、工事現場を遮蔽する仮囲いにプランターを複数固定し、それぞれのプランターの上部にあたる仮囲いに開口部を設けて仮囲いの両側から緑が見えるようにした。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、仮囲いにプランターを複数固定し、それぞれのプランターの上部に当たる仮囲いに開口部を設けたためプランターの植物が仮囲いの両側に延伸する。そのため仮囲いの両側が緑化されるとともに作業環境も改善される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】は、本発明に係る仮囲い緑化装置の実施例1の側面図である。
【図2】は、本発明に係る仮囲い緑化装置の実施例1の表面を示している。
【図3】は、本発明に係る仮囲い緑化装置の実施例1の裏面を示している。
【図4】は、本発明に係る仮囲い緑化装置の実施例2の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を図によって、より詳細に説明する。
図1は、本発明に係る仮囲いの緑化装置の側面図である。
図に示した実施例1では、仮囲い用の鋼板の裏面に平行にプランターが固定されている。そのため、通行人などの交通の障害にはならない。
プランターの上方の仮囲い用鋼板には開口部が設けられ、プランター中の草花が仮囲いの両側に延伸し、両側から観測可能となっている。そのため、工事現場の仮囲いの殺風景な景観を和らげ、仮囲いの周辺環境と作業現場の環境を改善している。
【0011】
図2は、実施例1の仮囲いの表側を示している。図に示すように表側にはプランターから延伸した草花のみが現れる。
図3は、実施例2の仮囲いの裏側を示している。プランターが平行に固定され、プランター中の草花により仮囲い内部の作業現場においても作業環境が改善されている。
プランターは仮囲いの鋼板にビス・ナット等適当な方法で固定される。
【0012】
図4は、本発明に係る他の仮囲いの実施例を示す側面図の例である。仮囲いを加工し、プランターの固定位置を設けたものである。本実施例も仮囲いに固定されたプランターの上部に当たる仮囲いには開口部が設けられ、仮囲いの両側から緑を見ることができる。図4a、bはそれぞれ仮囲いの表側、裏側に突き出すようにプランターを設けたものである。
【0013】
上記実施例に限らず、仮囲いの両側に突き出すようにプランターを固定することも可能である。いずれの実施形態においてプランターの上部あたる仮囲いに開口部が設けられ、緑化に使用される草花が仮囲いの両側に延伸し、両側から観測可能となっていればよい。
【0014】
いずれの実施形態においても図に示してないが必要に応じて、給水のためのパイプ等事前に備え付けることができ、プランターの材質、プランターに植えつける草花の種類等考慮して設置することができる。
仮囲いの鋼板に固定するプランターの大きさ、数、使用する草花の種類等現場の状況にあわせて適宜変えることができる。
仮囲い鋼板に設けた開口部も図に示した矩形状に限らず丸、網目等適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
上述したように本発明は、工事現場における仮囲いの緑化に使用され、周辺環境と作業環境の改善のために使用される。
【符号の説明】
【0016】
1 仮囲い緑化装置
2 プランター
3 仮囲いに設けた開口部
4 仮囲い用鋼板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事現場で使用する仮囲いにおいて、仮囲いにプランターを複数固定し、当該各プランターの上部に当たる仮囲いに開口部を設け、プランター中の植物を前記開口部から仮囲いの両面に延伸させ仮囲いの両面の環境を改善する仮囲いの緑化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−133212(P2010−133212A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7563(P2009−7563)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(306024805)株式会社 林物産発明研究所 (155)
【Fターム(参考)】