説明

仮想基準局の使用のサポート

【課題】仮想基準局に対して決定される信号測定値に基づく測位。
【解決手段】仮想基準局の使用をサポートするために、装置が、仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信するとよく、この要求には、仮想基準局の所望の場所の表示が含まれる。本装置はさらに、上記の所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定することができる。本装置はさらに、決定されたエンティティへ前記要求を転送させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位の分野に関し、特に、仮想基準局に対して決定される信号測定値に基づく測位に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスの絶対測位は、様々な全地球的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)によってサポートされる。こうしたシステムとしては、例えば、米国全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)、ロシア全地球的航法衛星システム(GLONASS:Russian Global Navigation Satellite System)、将来的な欧州のシステムであるGalileo、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS:Space Based Augmentation System)、日本のGPS補強準天頂衛星システム(QZSS:Quasi−Zenith Satellite System)、狭域補強システム(LAAS:Locals Area Augmentation System)、およびハイブリッド・システムが挙げられる。これらのシステムの衛星は、宇宙ビークル(SV:space vehicle)とも称される。
【0003】
例えばGPSの衛星コンステレーションは、地球の軌道を周回する20を超える衛星から成る。各々の衛星は、2つの搬送波信号L1およびL2を送信する。これらの搬送波信号のうちの1つであるL1は、標準測位サービス(SPS:standard positioning service)の航法メッセージおよびコード信号を搬送するのに使用されている。L1搬送波の位相は、各衛星によって、別々のC/A(Coarse Acquisition:粗捕捉)コードを用いて変調されている。従って、別々の衛星による送信用に、別々の通信路が獲得される。C/Aコードは、疑似ランダム雑音(PRN:pseudo random noise)コードであり、1MHzの帯域幅にわたってスペクトラムを拡散している。C/Aコードは、1023ビットごとに繰り返され、コードのエポックは1msである。L1信号の搬送波周波数はさらに、航法情報を用いて、毎秒50ビットのビット・レートで変調される。航法情報は、特に、エフェメリス・パラメータおよびアルマナック・パラメータを含む。エフェメリス・パラメータは、それぞれの衛星の周回軌道の小区間について記述している。これらのエフェメリス・パラメータに基づき、記述された各区間内に衛星がある間は、アルゴリズムによって任意の時刻における衛星の位置を推定することができる。アルマナック・パラメータも同様のものであるが、より粗い軌道パラメータであり、エフェメリス・パラメータよりも長時間有効である。航法情報にはさらに、例えば、衛星時間をGPSのシステム時間に関係付け、さらにシステム時間を協定世界時(UTC:Coordinated Universal Time)に関係付ける時計モデルが含まれる。
【0004】
位置決定の対象となるGPS受信機は、現在利用可能な衛星から送信された信号を受信し、信号に含まれているそれぞれのC/Aコードに基づいてそれぞれの衛星が使用している通信路を探知し、追跡する。次に受信機は、一般に、復号された航法メッセージのデータならびにC/Aコードのエポックおよびチップの数に基づいて、各衛星から送信されたコードの送信時刻を決定する。送信時刻、および受信機への信号の測定到着時刻によって、衛星と受信機との間の疑似距離を決定することができる。疑似距離という用語は、衛星と受信機との間の幾何学的距離を意味し、この距離には、GPSシステム時間からの衛星および受信機の未知のオフセットのほか、マルチパスおよび大気圏に起因する遅延などといったその他のバイアスおよび測定誤差によって、バイアスがかかっている。
【0005】
1つの考えられる解法スキームでは、衛星時計とシステム時計との間のオフセットが既知であると仮定されており、4つの未知数(3つの受信機位置座標、ならびに受信機時計とGPSシステム時計との間のオフセット)の一連の非線形方程式を解くということにまで問題が軽減される。従って、この一連の方程式を解くことができるように、少なくとも4つの測定値が必要になる。このプロセスの結果が、受信機の位置ということになる。
【0006】
同様に、GNSS測位の一般的な考え方は、測位の対象となる受信機にて衛星信号を受信し、加えて衛星の推定位置を利用して、受信機と各衛星との疑似距離、さらには受信機の現在位置を測定するというものである。GPSに関して上述したように、通常、搬送波信号を変調するのに使用されてきたPRN信号が、測位に向けて評価される。
【0007】
さらに進んだ手法では、2つのGNSS受信機にて測定される搬送波位相および/またはコード位相が評価されて、その2つの受信機間の距離および姿勢を極めて正確に、一般にセンチメートルレベル、さらにはミリメートルレベルの精度で決定する。2つの受信機間における距離および姿勢の組み合わせ、すなわちこれらの受信機間のベクトルは、基線とも称される。GNSS受信機において実施される搬送波位相測定は、リアルタイムまたは準リアルタイムでやり取りされてもよいし、あるいは、後処理として周知のもっと後のやり取りに向けて保存されてもよい。通常、GNSS受信機のうちの一方は、既知の場所に配置されて基準局と呼ばれ、それに対しもう一方の受信機は、この基準局を基準にして測位されることになり、ユーザ受信機またはローバと呼ばれる。基準局の場所が正確に分かっていれば、決定された相対位置をさらに変換して、絶対位置にすることが可能である。ただし、相対測位の計算には、両受信機の位置が少なくとも近似的に分かっていることが実際には必要である。これらの位置は、決定された疑似距離から得ることができる。あるいは、基準の場所のみが近似的に分かれば、その基準の場所に基線推定値を加味することによってローバの場所を得ることができるので、十分であるとも考えられる。
【0008】
衛星信号は、例えばマルチパス伝搬が原因となって、ならびに電離圏および対流圏による影響が原因となって、衛星から受信機へ向かう途中で変形する。それに加え、衛星信号は、衛星時計バイアスに起因するバイアスを有する。両受信機の信号に共通する誤差は全て、受信機と衛星との間で相関し、故に二重差の中で消失するものと見なすことができる。二重差の同様のプロセスはさらに、当該受信機によって受信される全ての信号に共通する受信機依存のバイアスをも除去する。こうしたバイアスとしては、受信機時計バイアスが挙げられる。
【0009】
故に相対測位は、より具体的には、二重差可観測量を形成するのに用いられる2つのGNSS受信機における信号測定値に基づけばよい。このような信号測定値としては、例えば、搬送波位相測定値およびPRNコード測定値などを挙げることができる。搬送波位相に関連する二重差可観測量とは、両受信機における決定の衛星信号の搬送波位相の差を、両受信機における別の衛星信号の搬送波位相の差と比較したものである。PRNコードに関連する二重差可観測量も同様に得ればよい。その後、二重差可観測量を使用して、互いに対して相対的な受信機の位置を高い精度で決定することができる。
【0010】
従来のGNSS測位を用いると、2つのGNSS受信機が双方の場所、従って相互間の基線を、5乃至20メートルの精度で決定することができる。それに対し、搬送波もしくはコードの位相に基づいた手法は、0.1乃至10センチメートルという、より高い精度で基線を決定できるようにする。この精度が、標準的な民間のGNSS受信機を用いて達成可能であるということは、注目に値する。
【0011】
ただし、搬送波もしくはコードの位相に基づいた手法を用いる場合、2つの受信機において測定される搬送波もしくはコードの位相は、その搬送波もしくはコードの、異なる数の整数サイクルに基づいているということを考慮しなくてはならない。この現象は、二重差整数値アンビギュイティと称され、これを解く必要がある。このプロセスは、整数値アンビギュイティ決定あるいは初期化とも呼ばれている。
【0012】
二重差整数値アンビギュイティは、十分な測定時点における十分な数の衛星から搬送波および/またはコードの位相データを収集することによって解けばよい。
【0013】
二重差整数値アンビギュイティの代わりに、他の様々なアンビギュイティを考慮し解くことも同様に可能であると考えられる。
【0014】
基線が決定されて整数値アンビギュイティが決定されたら、整数値アンビギュイティの解が信頼できるものであるかどうかを判断するために、検証が行われることができる。整数値アンビギュイティの検証は、一般に、統計的ツールを用いて行われる。
【0015】
解が得られて検証された整数値アンビギュイティは、その後、受信機間の基線を極めて精密に、例えばセンチメートル未満の精度で追跡するのに、用いられることができる。
【0016】
GNSS宇宙ビークルから発せられるGNSS信号に関してGNSS受信機が実施する搬送波位相測定は、「累積デルタ距離(ADR:accumulated delta range)測定」または「積算ドップラ測定」とも呼ばれている。
【0017】
元来、搬送波位相に基づいた測位は、測地測量およびその他の高い精度が必要とされる用途にのみ利用可能であった。そのような用途に必要とされる機器は高価であり、従って専ら業務用となっている。こうした場合、基線はオフラインで決定されることがさらに多くなる。一方、例えば一体型GNSS受信機が付いた端末あるいは外部ブルートゥースGNSS受信機が装備された端末など、低コストなGNSS対応ハンドセットを2台用いて、極めて精密な基線を得ることも可能である。端末間のデータの交換は、汎用パケット無線サービス(GPRS:general packet radio service)、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN:wireless local area network)、またはブルートゥース(商標)のような、任意の種類のデータ転送技術を用いて行うことができる。これにより、基線をリアルタイムまたは準リアルタイムで決定し更新することが可能になる。この手法は、移動リアルタイム・キネマティック(mRTK:mobile Real−Time Kinematics)とも呼ばれており、搬送波位相を利用した使用事例を拡張して当技術の恩恵をより多くの消費者にもたらすように、移動技術が使用されることを示している。
【0018】
2つ目のハンドセットの代わりに、基準局は、例えば、必要な測定データが与えられている、ネットワークの位置測定ユニット(LMU:location measurement unit)または仮想基準局(VRS:virtual reference station)であることも考えられる。
【0019】
仮想基準局を用いる場合、基線は、ローバと、計算的に作り出された局との間に決定される。これにより、物理受信機を1つだけ用いて相対測位を実施することが可能になる。それに加え、仮想基準局の絶対位置は正確に分かっており、故に基線の解が得られればローバの絶対位置も正確に分かる。物理受信機と仮想基準局とに関する相対測位計算は、2つの物理受信機に関する相対測位計算と同じである。
【0020】
仮想基準局は、任意の所望の場所に生成することができ、従って常に、測位の対象となるデバイスの近傍に生成することができる。故に、仮想基準局を使用すると、ローバと基準局との間に短い基線を用いることも容易になり、ひいては基線決定の信頼性が高まり速度が速まる。さらに、基線が短ければ、整数値アンビギュイティ決定において、対流圏遅延および電離圏加速などに代表される未知の条件を無視することも可能になり得る。
【0021】
仮想基準局に関する測定値を提供するサービス・プロバイダは、或る特定の地理的領域用に、通常は業務用として、局所的に仮想基準局を生成する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信するステップを含む方法が記載される。要求には、当該仮想基準局の所望の場所の表示が含まれる。本方法はさらに、上記の所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定するステップを含む。本方法はさらに、決定されたエンティティへ要求を転送させるステップをさらに含む。
【0023】
加えて、プロセッサを含む装置が記載される。プロセッサは、仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信するように構成されており、要求には、当該仮想基準局の所望の場所の表示が含まれる。本プロセッサはさらに、上記の所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定するように構成されている。本プロセッサはさらに、決定されたエンティティへ要求を転送させるように構成されている。
【0024】
装置には、例えば、記載されるプロセッサのみを含めてもよいが、同様に、追加的なコンポーネントを含めてもよい。さらに装置は、例えば、プロセッサを実現する処理コンポーネント、チップまたは回路のように、デバイスへの統合に向けて設けられたモジュールであることも考えられるし、あるいはサーバまたはネットワーク要素のように、そうしたデバイスそのものであることも考えられる。
【0025】
加えて、以下を含む装置が記載される:仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信する手段であって、要求には、当該仮想基準局の所望の場所の表示が含まれる、手段;上記の所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定する手段;および、決定されたエンティティへ要求を転送させる手段。
【0026】
この装置の手段は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにより実現することができる。手段には例えば、必要な機能を実現させるコンピュータ・プログラム・コードを実行するプロセッサを、そのプログラム・コードを保存するメモリと任意に組み合わせて含めてもよい。あるいは別の例を挙げると、例えばチップセットまたはチップにより実現される集積回路のような、必要な機能を達成するように設計された回路が含まれることも考えられる。
【0027】
加えて、記載されている装置のいずれかと、それぞれの領域に関連する複数のエンティティとを含む機構が記載される。
【0028】
加えて、内部にコンピュータ・プログラム・コードが保存されたコンピュータ可読記憶媒体が記載される。コンピュータ・プログラム・コードは、プロセッサによって実行されると、記載されている方法を実現させる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、ディスクまたはメモリなどであることが考えられる。コンピュータ・プログラム・コードは、コンピュータ可読記憶媒体を符号化する命令の形で、コンピュータ可読記憶媒体に保存することも考えられる。当然のことながら、コンピュータ・プログラム・コードそれ自体も、本発明の一実施形態と見なされなければならない。
【0029】
最後に、方法が記載され、本方法は、仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供する複数のサービス・プロバイダに対するアクセスを、単一のアクセス・ポイントを介して提供するステップを含む。
【0030】
従って、本発明の特定の実施形態は、1つのエンティティにて受信された上述のようなサービス要求を、適切な別のエンティティへ転送し得るという点で、仮想基準局サービスへの間接的なアクセスをサポートするものである。要求の転送先となるエンティティを選択する基準は、仮想基準局が生成されることになる場所によって与えられるとよく、同時に、対応する情報が要求の中で提示されることができる。選択可能なエンティティは各々、特定の領域に関連しているとよく、表示の場所が関連領域にある場合に、そのエンティティが選択されればよい。要求の転送先となる被選択エンティティは、例えば、それ自身が所望のサービスを提供するエンティティであってもよいし、あるいは、例えば、実際のサービスを提供するエンティティに要求が届くまで、さらなるエンティティへ向けてその要求を転送するエンティティであってもよい。
【0031】
記載されている方法の一実施形態では、方法が、上記の場所を含む領域に同様に関連する装置にて実行され、決定されるエンティティが関連する領域は、装置が関連する領域のサブ領域である。記載されている装置の1つに対応する実施形態では、装置が、上記の場所を含む領域に関連し、プロセッサまたは他の何らかの手段が、この装置が関連する領域のサブ領域に関連するエンティティを決定するように構成されている。記載されているコンピュータ可読記憶媒体の実施形態の場合には、コンピュータ・プログラム・コードが、上記の場所を含む領域に関連するとよく、決定されたエンティティが関連し得る領域は、コンピュータ・プログラム・コードが関連する領域のサブ領域である。
【0032】
記載されている方法の一実施形態では、方法にはさらに、所望の場所を含む領域にある仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するように構成されているエンティティに関するアクセス情報を、要求の発信元であるデバイスの方向に送信させるステップが含まれる。記載されている装置の1つに対応する実施形態では、プロセッサまたは他の何らかの手段が、所望の場所を含む領域にある仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するように構成されているエンティティに関するアクセス情報を、要求の発信元であるデバイスの方向に送信させるように構成されている。
【0033】
本発明の一実施形態では、要求されるビーコン信号の仮想測定値には、ビーコン信号の搬送波位相測定値が含まれる。搬送波位相測定値は、可観測量を得るのに使用することができ、ひとたび整数値アンビギュイティの解が得られたら、この可観測量によって、ビーコン信号受信機と仮想基準局との基線を追跡することが可能になる。一方当然のことながら、代わりに、あるいは追加として、仮想基準局に有効な他の種類の測定値を提供することも同様に可能であり、例としてコード位相測定値などが挙げられる。
【0034】
記載されている装置の一実施形態では、装置には、要求の受信および要求の転送のうちの少なくとも1つができるように構成されているインターフェースが含まれる。このインターフェースは例えば、別のエンティティに向けたインターネットまたはその他任意のリンクに対する有線またはワイヤレスのアクセスをサポートするインターフェースなどとすることができる。
【0035】
記載されている装置の一実施形態では、装置は、それぞれの領域に関連する複数エンティティに関するアクセス情報を保存するように構成されているメモリまたはその他の手段を含む。プロセッサまたはその他何らかの手段が、所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定するために、メモリへアクセスするように構成されている。メモリは、アクセス情報が保存されているエンティティについて、そのエンティティが関連する領域の識別表示を追加的に保存するように構成されていることができる。識別表示は、任意の種類のものとすることができ、例えば、地図データとすること、あるいは、中心点によって定められる可変または固定サイズの円、矩形またはその他の構造とすることができる。
【0036】
記載されている機構の一実施形態では、複数のエンティティが複数の測位サーバを含み、各々の測位サーバは、所定の領域にある所望の場所用に仮想基準局を生成し、その仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するように構成されている。
【0037】
記載されている機構のさらなる実施形態では、複数のエンティティが複数の仲介エンティティを含み、各々の仲介エンティティは、記載されている装置の1つの実施形態に対応する。
【0038】
記載されているコンピュータ可読記憶媒体の実施形態では、コンピュータ・プログラム・コードが、プロセッサにおいて実行されると、記載されている方法の実施形態のいずれかを実現させることができる。
【0039】
本発明の一実施形態として、さらに情報提供方法が記載され、本方法は、以下の動作(ステップ)を含む:仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信するステップであって、要求には、当該仮想基準局の所望の場所の表示が含まれる、受信するステップ;上記の所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定するステップ;および、決定されたエンティティへ要求を転送させるステップ。
【0040】
本発明のさらなる実施形態として、加えて情報提供装置が記載され、本装置は、以下を含む:仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信する受信手段であって、要求には、当該仮想基準局の所望の場所の表示が含まれる、受信手段;上記の所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定する、決定手段;および、決定されたエンティティへ要求を転送させる、転送手段。
【0041】
本発明の一実施形態では、記載されている装置のいずれかを、要求転送装置と見なすことができる。
【0042】
それぞれの仮想基準局に有効な仮想測定値は、例えば、測位の対象となるビーコン信号受信機を備えたデバイスによって、あるいは、ビーコン信号受信機を備えたデバイスにリンクされているデバイスによって、要求することができる。従って要求には、仮想基準局の所望の場所として、ビーコン信号受信機を含んだデバイスの現在の概略のまたは精密な位置の表示が含まれると考えられる。
【0043】
要求される仮想測定値は、様々なやり方で使用されればよい。
【0044】
一実施形態では、仮想測定値が、ビーコン信号受信機によって受信されるビーコン信号測定値などのデータと一緒に保存されることができる。保存されたデータは、その後、例えばローカルであるいはネットワーク・サーバにおいてなど任意の所望の場所で、後処理に使用されればよい。
【0045】
別の実施形態では、仮想測定値が、例えば、ビーコン信号受信機を備えたデバイスのリアルタイムまたは準リアルタイム測位に使用されてもよい。
【0046】
本発明は、例えば、高精密な航法および測量の用途に用いることができる。本発明は、業務用に供することができるが、同様に、GNSS受信機での文書作成など、遊び心のある用途に供することもできる。
【0047】
本発明はさらに、任意の種類のビーコン信号に使用することができ、特に衛星信号に使用することができるが、これに限られるものではない。そのような衛星信号には、GPS、GLONASS、GALILEO、SBAS、QZSS、LAASあるいはこれらの組み合わせなどのGNSSにおいて送信される衛星信号が含まれることができる。LAASは、本物の衛星の代わりに疑似衛星を利用しているが、当然のことながらこうした疑似衛星も、本願にて用いられる衛星という用語の範囲に同様に含まれる。LAASは、屋内という状況においても測位を可能にするという利点を有している。
【0048】
当然のことながら、特定の例示的な実施形態に関して提示されるあらゆる特徴は、記載される他の任意の例示的な実施形態と組み合わせて使用されてもよい。
【0049】
さらに、当然のことながら、本項における本発明の提示は、単なる例示に過ぎず、限定的なものではない。
【0050】
本発明のその他の目的および特徴は、以下の詳細な記載を添付の図面と併せて考察することにより明らかになる。一方当然のことながら、図面はただ単に例示を目的として作られたものであり、本発明の限界を定義するものではない。本発明の限界の定義については、添付の請求項を参照する必要がある。さらに、当然のことながら、図面は原寸に比例して描かれたものではなく、本明細書に記載される構造および手順を概念的に示そうとしているものに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の例示的な一実施形態による機構を含んだシステムを概略的に示す図である。
【図2】図1のシステムにおける例示的なワイヤレス通信端末の概略ブロック図である。
【図3】図1のシステムにおける例示的なセントラル・サーバまたは例示的なサブサーバの概略ブロック図である。
【図4】図1のシステムにおける実際のサービス・プロバイダの例示的なサーバの概略ブロック図である。
【図5】図1のシステムにおける例示的な動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、仮想基準局を用いた高精密な航法をサポートする例示的なシステムの概略図である。
【0053】
本システムは、機構の例示的な一実施形態として、ワイヤレス通信端末101と、分散型サーバ・アーキテクチャとを含む。
【0054】
端末101は、欧州における仮想基準局サービス用の共通マウント・ポイントにアクセスすることができる。共通マウント・ポイントは、サーバ111によって提供される。サーバ111は、例えば「vrs.nokia.com」という名称を有するとよく、欧州全体を対象として含む領域に関連することができる。このサーバは、共通マウント・ポイントとして、欧州における仮想基準局サービスの利用を望む全ての端末に対しアクセスを提供する。
【0055】
端末101は、サーバ111の名称を用いて、例えばワイヤレス・アクセス機構およびインターネットを介して、このサーバ111にアクセスすることができる。ワイヤレス・アクセス機構は、一方ではワイヤレス・アクセスを提供し他方ではインターネットに対するリンクを提供する、任意のネットワークまたは単一サーバであることが考えられる。そのようなワイヤレス・アクセス機構の例としては、セルラ通信ネットワーク、またはWLANなどが考えられる。
【0056】
サーバ111は、第1サブレイヤ120の複数のサブサーバ121乃至124の各々に論理的にリンクされている。サーバ121は、例えば「southerneurope.vrs.nokia.com」という名称を有し、南欧を対象として含む領域に関連することができる。サーバ122は、例えば「northerneurope.vrs.nokia.com」という名称を有し、北欧を対象として含む領域に関連することができる。サーバ123は、例えば「centraleurope.vrs.nokia.com」という名称を有し、中欧を対象として含む領域に関連することができる。サーバ124は、例えば「easterneurope.vrs.nokia.com」という名称を有し、東欧を対象として含む領域に関連することができる。
【0057】
サーバ121乃至124の各々は、第2サブレイヤ130の複数のサブサーバに論理的にリンクされている。例えばサーバ121は、複数のサブサーバ131乃至133の各々に論理的にリンクされていることができる。サーバ131は、例えば「finland.vrs.nokia.com」という名称を有し、フィンランドを対象として含む領域に関連することができる。サーバ132は、例えば「sweden.vrs.nokia.com」という名称を有し、スウェーデンを対象として含む領域に関連することができる。サーバ133は、例えば「norway.vrs.nokia.com」という名称を有し、ノルウェーを対象として含む領域に関連することができる。
【0058】
サーバ131乃至133の各々は、特定の領域にある仮想基準局に関する測定値を実際に提供している少なくとも1つのプロバイダのサーバに論理的にリンクされている。例えば、サーバ131は、実際のサービス・プロバイダ・サーバ141に論理的にリンクされていることができる。サーバ141は、例えば「realserviceprovider.infinland.fi」という名称を有することができる。
【0059】
サーバ111と141との間の通信は、インターネットを介して実現することができるが、同様に、他のいかなる所望のリンクを介しても実現することができる。
【0060】
当然のことながら、サブレイヤの数、各サブレイヤにおけるサーバの数、および対象として含まれる領域との関連は、任意のやり方で適宜選択されると考えられる。さらに、欧州以外のいずれの領域に対しても同様の構造を設けることが可能であると考えられ、欧州の領域よりも小さい、または大きい、あるいは欧州の領域と一部重複する任意の領域に対して共通マウント・ポイントを備えることも同様に可能であると考えられる。一括して地表全体に対する共通マウント・ポイントを提供することさえ可能であると考えられる。
【0061】
図2は、ワイヤレス通信端末101の例示的な実施形態を示す。
【0062】
ワイヤレス通信端末101は、例えば移動電話またはラップトップ機とすることができるが、同様に、その位置の決定が必要とされ得る他の任意のデバイスとすることもできる。端末101は、プロセッサ201と、このプロセッサ201にリンクされているメモリ202、トランシーバ(TRX:transceiver)206およびユーザ・インターフェース(UI:user interface)207とを含む。
【0063】
プロセッサ201はさらに、GNSS受信機211にリンクされている。GNSS受信機211は、端末101に統合されていてもよい。一方、もう1つの選択肢として、GNSS受信機が、端末101に接続されている付属デバイスであること、あるいは付属デバイスに属するものであることも考えられる。このオプションが、図2では、GNSS受信機211と端末101の他のコンポーネントとの間の点線によって示されている。GNSS付属デバイスは、物理接続またはブルートゥース(商標)リンクなどといった任意の適切なリンクを介して、ユーザ・デバイス101に接続されることが考えられる。
【0064】
プロセッサ201は、実装されるコンピュータ・プログラム・コードを実行するように構成されている。メモリ202がコンピュータ・プログラム・コードを保存し、このコンピュータ・プログラム・コードを、プロセッサ201が実行に向けて取り出すことができる。保存されるプログラム・コードには、GNSSを利用した従来型の概略測位用の機能モジュールを含んだGNSS測位コード203が含まれる。保存されるプログラム・コードにはさらに、VRS測定値を要求する機能モジュールと実際の高精密測位を実施する機能モジュールとを含んだ高精密測位コード204が含まれる。メモリ202はさらに、同様にプロセッサ201によってアクセス可能なデータおよび設定記憶部分205を備えている。
【0065】
当然のことながら、プロセッサ201によって実現される一部の機能が、別の実施形態では、例えばGNSS受信機211によって実現されることも考えられる。
【0066】
トランシーバ206は、他のデバイスとの、ワイヤレス・リンクを介した通信を可能にする。トランシーバ206は、例えば端末101のセルラ・エンジンに属してセルラ通信ネットワークへのアクセスをサポートすることが考えられ、あるいは、端末101のWLANエンジンに属してWLANへのアクセスをサポートすることも考えられる。別の選択肢として、トランシーバ206が、既知の任意の技術を用いて、例えば、スタンドアローンのサーバに対するワイヤレス・リンクを可能にすることも考えられる。
【0067】
ユーザ・インターフェース207は、入力および/または出力機能を提供することができる。インターフェースは、例えば、キー、タッチパッド、ディスプレイ、スピーカなどを含むと考えられる。
【0068】
図3は、サーバ111乃至133のいずれかに関する例示的な実施形態を示す。
【0069】
これらのサーバは、プロセッサ301と、このプロセッサ301にリンクされているメモリ302およびインターフェース306とを含む。プロセッサ301およびメモリ302は、任意に、例えばチップ上で、図3にて破線で示される1つのコンポーネント300に統合されることも考えられる。
【0070】
プロセッサ301は、実装されるコンピュータ・プログラム・コードを実行するように構成されている。メモリ302がコンピュータ・プログラム・コードを保存し、このコンピュータ・プログラム・コードを、プロセッサ301が実行に向けて取り出すことができる。保存されるコンピュータ・プログラム・コードには、それぞれのサブサーバを決定する機能モジュールと、受信した仮想基準局サービス要求をサブサーバへ転送する機能モジュールと、実際のサービス・プロバイダのサーバのサーバ名および/またはIPアドレスを端末へ転送する機能モジュールとを含んだ高精度測位サポート・コード303が含まれる。メモリ302はこれに加えて、サブサーバ・データベース304を保存している。データベース304は、少なくとも1つのサブサーバの名称および/またはIPアドレスを含む。データベース304は少なくとも、1つより多いサブサーバの情報が保存されている場合には、各サブサーバと、そのサブサーバが関連するそれぞれの領域とを対応付ける。
【0071】
例えば、サーバ111「vrs.nokia.com」のデータベース304は、「southerneurope.vrs.nokia.com」、「northerneurope.vrs.nokia.com」、「centraleurope.vrs.nokia.com」および「easterneurope.vrs.nokia.com」という各名称を、それぞれの地理的領域の表示に対応付ける。
【0072】
例えば、サーバ122「northerneurope.vrs.nokia.com」のデータベース304は、「finland.vrs.nokia.com」、「sweden.vrs.nokia.com」および「norway.vrs.nokia.com」という各名称を、それぞれの地理的領域の表示に対応付ける。
【0073】
例えば、サーバ131「finland.vrs.nokia.com」のデータベース304は、「realserviceprovider.infinland.fi」という名称を保存している。このサーバは、さらなるフィンランド内の実際のサービス・プロバイダの名称を保存してもよい。この場合も同様に、地理的領域のそれぞれの表示と各名称とが対応付けられる。
【0074】
領域の表示は、任意の適したやり方でその領域を定義できるものである。例えば、領域の表示が地図の形をとることが考えられ、そうすると、緯度および経度によって定義される場所が当該領域にあるかどうかを判断するということが可能になる。
【0075】
インターフェース306は、プロセッサ301がインターネットを介してアクセスを受けること、およびインターネットを介して他のサーバへアクセスすることを可能にする。
【0076】
図4は、実際のサービス・プロバイダのサーバ141の例示的な一実施形態を示す。
【0077】
サーバ141は、仮想基準局を生成し、関連する測定値を要求元のエンティティへ提供する、実際のサービスの提供を担う。
【0078】
サーバ141は、プロセッサ401と、このプロセッサ401にリンクされているメモリ402、インターフェース406およびインターフェース407とを含む。
【0079】
プロセッサ401は、実装されるコンピュータ・プログラム・コードを実行するように構成されている。メモリ402がコンピュータ・プログラム・コードを保存し、このコンピュータ・プログラム・コードを、プロセッサ401が実行に向けて取り出すことができる。保存されるコンピュータ・プログラム・コードには、仮想基準局を生成する機能モジュールならびに仮想基準局に関する測定値を流す機能モジュールを含んだ高精度測位サポート・コード403が含まれる。
【0080】
インターフェース406は、プロセッサ401が、インターネットを介してアクセスを受けること、およびインターネットを介して測定値を流すことを可能にする。
【0081】
インターフェース407は、プロセッサ401が1つ以上のGNSS受信機と通信できるようにする。GNSS受信機の数は限定されておらず、仮想基準局サービス・プロバイダが得たいと望む有効範囲および精密度に応じて、数十個あるいは数百個のGNSS受信機が含まれることも考えられる。
【0082】
図4は、ほんの一例として、2つのそのようなGNSS受信機411および412を示している。GNSS受信機411、412はいずれも、標準的なGNSS受信機として動作するように構成されている。言い換えれば、両受信機は、GPSおよびGalileoのような1つ以上のGNSSに属している衛星によって送信された信号を受信、捕捉、追跡および復号するように構成されている。GNSS受信機411、412は各々、衛星信号を受信するアンテナを含み、このアンテナは、正確に分かっている位置に基準点を有する。GNSS受信機のうちの1つが、サーバ141に統合されることも考えられる。GNSS受信機はさらに、インターフェース407を介してサーバ141に接続される位置測定ユニット(LMU)のように、独立したデバイスに属することも考えられる。GNSS受信機または位置測定ユニットは、例えば有線リンクなどの任意の適切なリンクを用いてサーバ141に接続されると考えられる。
【0083】
当然のことながら、プロセッサ401によって実現される一部の機能が、別の実施形態では、例えばGNSS受信機411、412によって実現されることも考えられる。
【0084】
ワイヤレス通信端末101のGNSS受信機211も同様に、標準的なGNSS受信機として動作するように構成されている。言い換えれば、GPSおよびGalileoのような1つ以上のGNSSに属している衛星によって送信された信号を受信、捕捉、追跡および復号するように構成されている。復号された信号の中の航法情報と受信信号の測定値とに基づいて、プロセッサ201はさらに、プログラム・コード203を用いる既知のやり方で、GNSS受信機211のアンテナ基準点の概略位置を計算することもできる。
【0085】
一方、特定の用途に関しては、GNSS受信機211のアンテナ基準点の位置を極めて精密に決定しなければならないことがあり得る。この目的のために、図5のフロー図に示す、機能強化された高精度測位が用いられる。
【0086】
高精度測位は、例えば、端末101のユーザがユーザ・インターフェース207を介して開始させることができ、そうするとプロセッサ201にプログラム・コード204を実行させることになる。
【0087】
端末101のプロセッサ201は、最初に、プログラム・コード204によって呼び出すことのできるコンピュータ・プログラム・コード203を用いて、GNSS受信機211の概略位置推定値を、この受信機211が受信した衛星信号の中の航法情報に基づいて、決定する。端末101のプロセッサ201はさらに、コンピュータ・プログラム・コード204を用いて、仮想基準局測定値を求める要求を生成し、この要求は、欧州における仮想基準局サービスの共通マウント・ポイントとしてのサーバ111へ送信される(ステップ501)。サーバ111の名称「vrs.nokia.com」が、コンピュータ・プログラム・コード204そのものに統合されるか、あるいは設定として、データおよび設定記憶部分205に保存されることができる。上記の要求は、概略位置推定値の表示を含む。加えてこの要求は、仮想基準局測定値が求められている信号のタイプを示すことができる。それに加え、GNSS受信機211は、全ての可視衛星に関する搬送波位相測定値を提供するように、プロセッサ201によって要求される。
【0088】
サーバ111のプロセッサ301は、インターフェース306を介して要求を受信する(ステップ511)。プロセッサ301は、プログラム・コード303のサブサーバ決定モジュールを用いて、表示の位置に適したサブサーバを決定する(ステップ512)。この目的のためにプロセッサは、表示の位置が、データベース304に示されている地理的領域のいずれに含まれるか、データベース304内を検索する。例えば、当該位置がフィンランドにある場合、プロセッサ301は、示されている北欧という領域の中に当該位置があることを見いだす。その結果プロセッサ301は、データベース304においてこの領域に対応付けられているサブサーバ名を決定する。フィンランドにある位置についての本例では、対応付けられているサブサーバ名は、サーバ122の「northerneurope.vrs.nokia.com」である。プロセッサ301は、受信した要求を、プログラム・コード303の仮想基準局要求転送モジュールを使って、決定されたサブサーバ名を用いインターフェース306を介して、決定されたサブサーバ122へと転送する(ステップ513)。
【0089】
サーバ122のプロセッサ301は、インターフェース306を介して要求を受信する。プロセッサ301は、プログラム・コード303を用いて、表示の位置に適したサブサーバを決定する。この目的のためにプロセッサは、表示の位置が、データベース304に示されている地理的領域のいずれに含まれるか、データベース304内を検索する。例えば、当該位置がフィンランドにある場合、プロセッサ301は、示されているフィンランドという領域の中に当該位置があることを見いだす。その結果プロセッサ301は、データベース304においてこの領域に対応付けられているサブサーバ名を決定する。フィンランドにある位置についての本例では、対応付けられているサブサーバ名は、サーバ131の「finland.vrs.nokia.com」である。プロセッサ301は、受信した要求を、決定されたサーバ名を用いインターフェース306を介して、サーバ131へと転送する(ステップ521)。
【0090】
サーバ131のプロセッサ301は、インターフェース306を介して要求を受信する。プロセッサ301は、プログラム・コード303を用いて、表示の位置に適した実際のサービス・プロバイダ・サーバの名称を決定する。この目的のためにプロセッサは、表示の位置が、もしあるのであれば示されている領域のいずれに含まれるか、データベース304内を検索する。例えば、フィンランドに関する実際のサービス・プロバイダ・サーバが1つしか存在しない場合には、当該位置は、このサーバが扱う領域に含まれていると考えられる。その他の場合には、表示の位置が含まれる領域を扱うサブサーバが選択される。本例では、フィンランドに関する唯一の実際のサービス・プロバイダ・サーバ、すなわちサーバ141「realserviceprovider.infinland.fi」が存在し得る。プロセッサ301は、受信した要求を、決定されたサーバ名を用いインターフェース306を介して、サーバ141へと転送する(ステップ531)。
【0091】
実際のサービス・プロバイダのサーバ141のプロセッサ401は、インターフェース406を介して要求を受信する。プロセッサ401は、プログラム・コード403の仮想基準局生成モジュールを用いて、受信した概略位置推定値の場所に、仮想基準局VRS421を生成する。VRS421の生成に関し、プログラム・コード403は、GNSS受信機のネットワーク内の全GNSS受信機(本例では411および412)からの情報を使用する。あるいは、ネットワーク内のGNSS受信機のサブセットが、VRS421の生成に利用されてもよい。
【0092】
並行して、サーバ131のプロセッサ301は、プログラム・コード303の転送モジュールを用いて、実際のサービス・プロバイダ・サーバ141の決定された名称「realserviceprovider.infinland.fi」を、サーバ122およびサーバ111を介して、要求元の端末101へと送信する(ステップ532、522、514)。この目的のために上述のサーバ122および111の各々において、プロセッサ301が、プログラム・コード303の、対応する転送モジュールを使用する。
【0093】
端末101のプロセッサ201は、トランシーバ206を介して、実際のサービス・プロバイダ・サーバ141の名称「realserviceprovider.infinland.fi」を受信する。今やプロセッサ201は、引き続きコンピュータ・プログラム・コード204の仮想基準局要求モジュールを用いながら、実際のサービス・プロバイダ・サーバ141に直接、所望の仮想基準局データを要求することができ、そのため共通マウント・ポイント・サーバ111ならびに仲介サーバ122および131の処理負荷が軽減することになる(ステップ502)。
【0094】
端末101からの直接の要求を受信し次第、サーバ141のプロセッサ401は、決定された仮想コード位相測定値および搬送波位相測定値を、組み立てられたメッセージに入れて、プログラム・コード403のストリーミング・モジュールを用いインターフェース406を介して、端末101へと流す(ステップ542)。この提供されるメッセージには、追加的に他の情報も含まれることができる。例えばメッセージには、指定GNSS時間での測定値のタイムスタンプが含まれていることがあり得る。万一仮想基準局がGNSS受信機211の位置推定値に対応する場所に厳密に生成されなかった場合に備えて、このような追加的な情報にはさらに、仮想基準局421の正確な場所も含まれることができる。
【0095】
サーバ141からトランシーバ206を介して上記のメッセージを受信する端末101のプロセッサ201は、今や、コンピュータ・プログラム・コード204の測位モジュールを実行することによって、二重差可観測量を用いた相対測位計算を実施することができる(ステップ503)。二重差可観測量は、仮想基準局421に関してサーバ141から受信する搬送波位相測定値と、GNSS受信機211から受信する搬送波位相測定値とで形成される。場合によっては、コード位相測定値について二重差可観測量を形成することも有利となり得る。
【0096】
相対測位計算は、二重差整数値アンビギュイティを解くことを目的としている。問題を公式化すると、以下の例示的な測定方程式が生じ得る:
【0097】
【数1】

【0098】
上記式中、
【0099】
【数2】

【0100】
は二重差可観測量であり、この二重差可観測量は、以下によって定義される。
【0101】
【数3】

【0102】
上記式中、
【0103】
【数4】

【0104】
は、衛星pおよびqから発せられる信号の、基準局k(VRS)およびローバr(GNSS受信機211)で入手可能な搬送波位相測定値である。さらに、
【0105】
【数5】

【0106】
は、幾何学的距離の差であり、この幾何学的距離の差は、以下によって定義される。
【0107】
【数6】

【0108】
上記式中、pおよびqはそれぞれ、衛星pおよびqの既知の位置である。
【0109】
【数7】

【0110】
は、基準局(VRS)の既知の位置であり、
【0111】
【数8】

【0112】
は、決定する対象の未知の基線である。最後に、
【0113】
【数9】

【0114】
はそれぞれ、波長、未知の二重差アンビギュイティおよび二重差測定ノイズである。(なお、未知の二重差アンビギュイティについては、以下に留意されたい。)
【0115】
【数10】

【0116】
分かりやすくするために、時間変数は上記の方程式から省かれていることに留意する必要がある。ただし、受信機相互間の、相違する測定時点および飛行時間差を明らかにすることは、基線の決定に必要となり得る。さらに、提示した方程式(1)は、測定方程式を単純化した形を表すものであり、様々なやり方で変更および拡張され得ることに留意する必要がある。
【0117】
方程式(1)を解くことは、任意の適した手法によって達成することができ、そうすると、確定した基線推定値
【0118】
【数11】

【0119】
および二重差アンビギュイティ
【0120】
【数12】

【0121】
がもたらされる。
【0122】
上述のように、二重差を用いることは、2つの受信機において所与の衛星信号に共通する二重差分誤差が相殺されるという利点を有する。そのような共通する誤差の例としては、衛星時計バイアスのほか、対流圏および電離圏によって引き起こされる誤差が挙げられる。
【0123】
一方、当然のことながら、他の各種の可観測量および対応するアンビギュイティを使用することも同様に考えられ、限定されない例として、一重差および三重差可観測量および整数アンビギュイティなどが挙げられる。
【0124】
最終的にプロセッサ201は、入手できる仮想基準局421の正確な座標から基線ベクトルを引くことによって、GNSS受信機211、あるいはより具体的にはそのアンテナ基準点の正確な絶対位置を、決定することができる。
【0125】
GNSS受信機211の絶対位置の表示は、例えば、ユーザに対し、ユーザ・インターフェース207を介して提示されることができる。
【0126】
プロセッサ201は、決定された基線の長さが所定の長さを超えていないかどうかを確認することができる。超えていない限り、プロセッサ201は、解かれた二重差整数値アンビギュイティと新たな搬送波位相測定値とを用いて、基線の変化を極めて精密に追跡し、それに応じてGNSS受信機211の絶対位置を更新することができる。一方、決定された基線の長さは所定の長さを超えているとプロセッサ201が判断する場合、プロセッサは、ステップ501を再開して、新たな仮想基準局に関する測定値を共通マウント・ポイント・サーバ111に要求することができる。この要求には、GNSS受信機211の現在の位置が含まれる。
【0127】
当然のことながら、測位計算がリアルタイムで行われることは必要とされていない。別の選択肢として、プロセッサ201が、受信した搬送波位相測定値を、GNSS受信機211から得られる関連搬送波位相測定値と一緒にデータおよび設定記憶部分205に保存し、端末101または外部エンティティにおける後処理を可能にすることも考えられる。
【0128】
このように、本発明の一部の実施形態の利点として、仮想基準局サービスを求める要求を適切なサービス・プロバイダへと導く分散型アーキテクチャの形成を可能にするということがあり、その一例が図1に関連して示されている。
【0129】
一部の実施形態では、別々のサービス・プロバイダによる仮想基準局サービスに対してただ1つの共通マウント・ポイントが存在することが考えられ、要求は、実際のサービス・プロバイダまで徐々に伝えられる。こうすると、システムの複雑さが大幅に軽減され、図1に関連して示した例におけるサーバ111のように、端末が、常に同じ共通マウント・ポイントを介して仮想基準局サービスにアクセスできるようになる。
【0130】
本発明の一部の実施形態はさらに、性能向上および再構成に関して非常に柔軟なものにすることもでき、複雑化せずに、新しい地理的領域を追加することができる。同様に、機構に変更があっても、共通マウント・ポイントが常に同じものであり得るために、ユーザ端末には何も変更を施す必要がない。図1に関連して示した例では、新しい地理的領域が追加されようとする場合、またはサービス・プロバイダが交換されようとする場合には、サーバ111乃至133のそれぞれのデータベース304の内容のみが更新される可能性がある。
【0131】
一部の実施形態では、地理的領域において予想される負荷に応じて、各サブサーバを違うように設定することができる。例えば、人口密集領域用のサーバ・プールを、農村領域用のサーバまたはサーバ・プールよりもかなり大規模なものにすることが考えられる。さらに本サービスは、分散型サブサーバ・アーキテクチャによって、ますます信頼性が高く、障害に対しより高い耐性を備えたものとなる。
【0132】
当然のことながら、提示された接続はいずれも、関与するコンポーネントが動作上連結しているものとして理解されるべきである。従って接続は、直接的なものとすることも、あるいは任意の数または組み合わせの介在要素を用いた間接的なものとすることもでき、コンポーネント相互間には、単に機能上の関係のみがあればよい。
【0133】
さらに、上述したプロセッサはいずれも、任意の適切なタイプであればよいと考えられ、例として、コンピュータ・プロセッサ、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ、特定用途向け集積回路(ASIC:application−specific integrated circuit)などが挙げられる。上述のメモリはいずれも、単一メモリとしてまたは複数の個別メモリの組み合わせとして実装されることが考えられ、例えば、読み取り専用メモリ、フラッシュ・メモリ、またはハード・ディスク・ドライブ・メモリなどを含むことができる。さらになお、記載された機能を実行するようなやり方でプログラムされているその他任意のハードウェア・コンポーネントも、同様に使用されると考えられる。
【0134】
加えて、本明細書にて記載または説明された動作(ステップ)はいずれも、汎用または専用プロセッサにおける実行可能命令を用いて実現されてもよく、コンピュータ可読記憶媒体(例えば、ディスク、メモリなど)に保存されて、そのようなプロセッサによって実行されてもよい。「コンピュータ可読記憶媒体」への言及は、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ、特定用途向け集積回路(ASIC)、信号処理デバイスおよびその他のデバイスなどといった、特殊回路をも包含するものとして理解される必要がある。
【0135】
プログラム・コード303を実行する、サーバ111、121乃至124ならびに131乃至133のいずれかのプロセッサ301によって説明される機能は、以下の手段と見なすことができる:仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信する手段であって、上記の要求には、仮想基準局の所望の場所の表示が含まれる、受信する手段;上記の所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定する手段;および、決定されたエンティティへ要求を転送させる手段。あるいは、サーバ111、121乃至124ならびに131乃至133のいずれかのプログラム・コード303の機能モジュールによって説明された機能を、上述のような手段と見なすこともできる。
【0136】
本発明の好適な実施形態に適用されるような本発明の基本的な新規性のある特徴を示し説明し指摘してきたが、当業者によって、本発明の精神から逸脱することなく、記載されたデバイスおよび方法の形式および詳細に多様な省略、代替および変更をなし得ることが理解されるであろう。例えば、実質的に同じやり方で実質的に同じ機能を実施して同じ結果を得るような要素および/または方法動作(ステップ)の組み合わせは全て、本発明の範囲内にあることが、明確に意図されている。それに加え、本発明の開示された形式または実施形態のいずれかに関連して提示および/または記載された構造および/または要素および/または方法動作(ステップ)は、設計選択の一般的事項として、開示または記載または提案される他の任意の形式または実施形態に組み込まれてもよいことを認識する必要がある。従って、本発明は、本明細書に添付された請求項の範囲に示されるようにのみ限定されることが意図されている。さらになお、請求項において、ミーンズプラスファンクション条項は、列挙された機能を実行するものとして本明細書に記載された構造を対象として含み、さらに構造上の同等物のみではなく同等の構造をも対象として含むことを、目的としている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信するステップであって、前記要求は、前記仮想基準局の所望の場所の表示を含む、受信するステップと、
前記所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定するステップと、
前記決定されたエンティティへ前記要求を転送させるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記方法は、前記場所を含む領域に関連する装置において実行され、
前記決定されたエンティティが関連する前記領域は、前記装置が関連する前記領域のサブ領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所望の場所を含む領域にある仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するように構成されているエンティティに関するアクセス情報を、前記要求の発信元であるデバイスの方向に送信させるステップをさらに含む請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記要求されるビーコン信号の仮想測定値は、ビーコン信号の搬送波位相測定値を含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
プロセッサを含む装置であって、該プロセッサは、仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信するように構成されており、
該要求は、前記仮想基準局の所望の場所の表示を含み、
前記プロセッサは、前記所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定するように構成されており、
前記プロセッサは、前記決定されたエンティティへ前記要求を転送させるように構成されている、装置。
【請求項6】
前記装置は、前記場所を含む領域に関連し、
前記プロセッサは、前記装置が関連する前記領域のサブ領域に関連するエンティティを決定するように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記所望の場所を含む領域にある仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するように構成されているエンティティに関するアクセス情報を、前記要求の発信元であるデバイスの方向に送信させるように構成されている、請求項5又は請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記要求されるビーコン信号の仮想測定値は、ビーコン信号の搬送波位相測定値を含む、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記要求の受信および前記要求の転送のうちの少なくとも1つができるように構成されているインターフェースをさらに含む請求項5ないし8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
それぞれの領域に関連するエンティティに関するアクセス情報を保存するように構成されているメモリをさらに含み、
前記プロセッサは、前記所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定するために前記メモリにアクセスするように構成されている、請求項5乃至9の1つに記載の装置。
【請求項11】
前記メモリは、アクセス情報が保存されるエンティティに加えて、前記エンティティが関連する領域の識別表示を保存するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、処理コンポーネント、チップ、回路、サーバおよびネットワーク要素のうちの1つである、請求項5ないし11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
請求項5ないし12のいずれか1項に記載の装置と、
それぞれの領域に関連する複数のエンティティと、を含む機構。
【請求項14】
前記複数のエンティティは、複数の測位サーバを含み、
各々の測位サーバは、所定の領域にある所望の場所用に仮想基準局を生成し、
前記仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するように構成されている、請求項13に記載の機構。
【請求項15】
前記複数のエンティティは、複数の仲介エンティティを含み、
各仲介エンティティは、プロセッサを含み、
前記プロセッサは、仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信するように構成されており、
前記要求は、前記仮想基準局の所望の場所の表示を含み、
前記プロセッサは、前記所望の場所を含む領域に関連する別のエンティティを決定するように構成されており、
前記プロセッサは、前記決定された別のエンティティへ前記要求を転送させるように構成されている、請求項13または14に記載の機構。
【請求項16】
内部にコンピュータ・プログラム・コードが保存されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ・プログラム・コードは、プロセッサによって実行されると、仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信するステップであって、前記要求は、前記仮想基準局の所望の場所の表示を含む、ステップと、
前記所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定するステップと、
前記決定されたエンティティへ前記要求を転送させるステップと、を実現させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記コンピュータ・プログラム・コードは、前記場所を含む領域に関連しており、前記決定されたエンティティが関連する領域は、前記コンピュータ・プログラム・コードが関連する領域のサブ領域である、請求項16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記コンピュータ・プログラム・コードは、プロセッサによって実行されると、前記所望の場所を含む領域にある仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するように構成されているエンティティに関するアクセス情報を、前記要求の発信元であるデバイスの方向に送信させるステップをさらに実現する、請求項16または17に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記要求されるビーコン信号の仮想測定値は、ビーコン信号の搬送波位相測定値を含む、請求項16ないし18のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
プロセッサによって実行されると、
仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信するステップであって、前記要求は、前記仮想基準局の所望の場所の表示を含む、ステップと、
前記所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定するステップと、
前記決定されたエンティティへ前記要求を転送させるステップと、を実現する、コンピュータ・プログラム・コード。
【請求項21】
前記コンピュータ・プログラム・コードは、前記場所を含む領域に関連しており、
前記決定されたエンティティが関連する領域は、前記コンピュータ・プログラム・コードが関連する領域のサブ領域である、請求項20に記載のコンピュータ・プログラム・コード。
【請求項22】
プロセッサによって実行されると、
前記所望の場所を含む領域にある仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するように構成されているエンティティに関するアクセス情報を、前記要求の発信元であるデバイスの方向に送信させるステップをさらに実現する、請求項20または21に記載のコンピュータ・プログラム・コード。
【請求項23】
前記要求されるビーコン信号の仮想測定値は、ビーコン信号の搬送波位相測定値を含む、請求項20ないし22のいずれか1項に記載のコンピュータ・プログラム・コード。
【請求項24】
仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供するよう求める要求を受信する手段であって、前記要求は、前記仮想基準局の所望の場所の表示を含む、受信する手段と、 前記所望の場所を含む領域に関連するエンティティを決定する手段と、
前記決定されたエンティティへ前記要求を転送させる手段と、
を含む、装置。
【請求項25】
仮想基準局に有効なビーコン信号の仮想測定値を提供する複数のサービス・プロバイダに対するアクセスを、単一のアクセス・ポイントを介して提供するステップ を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−520099(P2011−520099A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505457(P2011−505457)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053984
【国際公開番号】WO2009/130121
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】