説明

仮撚加工糸及びその製造方法並びに織編物

【課題】優れた吸放湿性、並びにソフトな風合とフクラミ感とを発揮するポリエステル仮撚加工糸糸及びその製造方法並びにその織編物を提供する。
【解決手段】中空断面で、繊維軸方向に太部と細部を有する単繊維からなる仮撚加工糸であって、各単繊維の繊維軸方向及び各単繊維間において太部と細部とがランダムに存在し、更に太部の片面には繊維軸と直角方向に単繊維の中空部に到達する溝が存在し、太部の他の面には単繊維の中空部に到達する繊維軸方向の溝が存在し、下記(1)〜(3)式を満足することを特徴とするポリエステル仮撚加工糸。
(1)中空率 : 4%〜15%
(2)引っ張り強さ: 1.0cN/dTex〜2.0cN/dTex
(3)残留捲縮率 : 3%〜16%

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた吸水性と放水性、並びにソフトな風合とフクラミ感を発揮する吸水性ポリエステル仮撚加工糸及びその製造方法並びに織編物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリエステル繊維に吸放湿性を付与する方法として次のような方法が知られている。1.吸放湿性を有するポリマーとポリエステルとを複合紡糸する方法。2.繊維断面を特殊な形状にして繊維間の毛細管現象を利用して吸水性を付与する方法。3.繊維断面を中空断面にして繊維表面から中空部に到達する微細孔を形成し、微細孔と中空部を利用して吸水性を付与する方法。
【0003】
しかしながら、上記第1の方法には、異質ポリマーの組合せによる製糸性の悪化や、染色工程での管理の困難さ等の問題があり、第2の方法には構成繊維間の拘束状態、すなわち構成繊維間に形成される空隙状態により吸水性能が変動して安定した吸水性能が発揮されないという問題があり、更に、第3の方法には中空部に水や汗が閉じこめられることによる吸水性の低下や、カビ及び異臭の発生、並びに中空断面繊維の曲げ弾性の高さに基づく風合の硬化等の問題があった。
【0004】
上記問題を解決するために、特許文献3には、中空の太細繊維糸条に仮撚手法を施した加工糸を含む織編物の製法が記載されているが、仮撚加撚による大きな曲げ変化のため中空率が減少し吸水性が低下しやすく、仮撚捲縮過大なためフカツキが発生し風合が損なわれ、低緊張化で加工温度が高いため強度が低下しやすいという問題があった。
【特許文献1】特開平6−264362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来技術における問題点を解決するものであり、優れた吸放湿性、並びにソフトな風合とフクラミ感とを発揮するポリエステル仮撚加工糸糸及びその製造方法並びにその織編物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の要旨は、中空断面で、繊維軸方向に太部と細部を有する単繊維からなる仮撚加工糸であって、各単繊維の繊維軸方向及び各単繊維間において太部と細部とがランダムに存在し、更に太部の片面には繊維軸と直角方向に単繊維の中空部に到達する溝が存在し、太部の他の面には単繊維の中空部に到達する繊維軸方向の溝が存在し、下記(1)〜(3)式を満足することを特徴とするポリエステル仮撚加工糸にある。
【0007】
(1)中空率 : 4%〜15%
(2)引っ張り強さ: 1.0cN/dTex〜2.0cN/dTex
(3)残留捲縮率 : 3%〜16%
本発明の第2の要旨は、ポリエチレンテレフタレートを95重量%以上含有するポリエステル(A成分)と、A成分の5倍以上のアルカリ減量速度を有するポリエステル(B成分)とをサイドバイサイド型に複合した中空太細フィラメント糸条を仮撚加撚域に供給し、加工糸繊度当たりの仮撚加撚張力0.05cN/dTex〜0.25cN/dTex、仮撚セット温度をTg+20℃〜Tg+70℃の条件下で仮撚加工した後に、アルカリ減量することを特徴とする仮撚加工糸の製造方法にある。
【0008】
また第3の要旨は、本発明の仮撚加工糸を含む織編物にある。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、従来の仮撚加工糸では得られない、優れた吸放湿性、並びにソフトな風合とフクラミ感とを併せ持った仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の仮撚加工糸は、中空断面で、繊維軸方向に太部と細部を有する単繊維からなる仮撚加工糸であって、各単繊維の繊維軸方向及び各単繊維間において太部と細部とがランダムに存在していることが必要である。
【0011】
各単繊維の繊維軸方向及び各単繊維間において太部と細部とがランダムに存在していることにより、織編物に自然な斑感を付与することが可能となる。なお、構成フィラメント糸間でそれぞれランダムに太部と細部の形成位置が変わっている糸条とは、該加工糸の任意の糸条断面を光学顕微鏡で観察したときに、断面積の異なる複数の単繊維が観察されるものをいう。
【0012】
更に太部の片面には繊維軸と直角方向に単繊維の中空部に到達する溝が存在し、太部の他の面には単繊維の中空部に到達する繊維軸方向の溝が存在していることが必要である。
【0013】
本発明では繊維表面に接触した水が太部に存在する多数の溝を介して繊維内部の中空部に吸入され、中空部に吸入された水が該中空部を伝わって水蒸気圧のより低い部分に伝搬され、更に太部の繊維軸方向の溝を介して繊維外部に有効に発散されることで優れた吸放湿性を発揮する。
【0014】
なお、溝の発生率は本発明の目的とする範囲であれば特に限定しないが、中空の維持やソフトな風合を考慮すると、太部の片面に存在する繊維軸と直角方向の溝は、その長さが繊維外周の70%以下、幅が1μ以下、数が繊維長手方向に沿って10μ当たり2〜5本が好ましい。また、太部の他の面に存在する繊維軸方向の溝の長さは100μ以下が好ましい。またその幅は中空部の直径以下が好ましく、中空部の直径の50%以下であることがさらに好ましい。
【0015】
さらに本発明では、中空率が4%〜15%であることが必要である。中空率が4%未満になると、中空部が微小となり吸水性が損なわれ、15%を超えると繊維内部に水分が停滞しやすく、カビ、異臭の原因となる。
【0016】
また、引っ張り強さが1.0cN/dTex〜2.0cN/dTexであることが必要である。引っ張り強さが1.0cN/dTex未満になると後工程通過時に糸切れ等が発生しやすくなるとともに織編物の強力が低下し、2.0cN/dTexを超えると、太部と細部の構造差が小さくなり、風合いが粗硬となる。
【0017】
更に本発明では、残留捲縮率が3%〜16%であることが必要である。残留捲縮率が3%未満になると捲縮が小さくなるためにソフトな風合とフクラミ感が無くなり織編物がペーパーライクとなり、16%を超えると捲縮によりフカツキ感が過大となり風合が損なわれる。
【0018】
次に本発明の仮撚加工糸の製造方法について説明する。
【0019】
本発明では、ポリエチレンテレフタレートを95重量%以上含有するポリエステル(A成分)と、A成分の5倍以上のアルカリ減量速度を有するポリエステル(B成分)とをサイドバイサイド型に複合した中空太細フィラメント糸条を仮撚加工した後にアルカリ減量することが必要である。
本発明はサイドバイサイド型に複合した中空太細フィラメント糸において、A成分とB成分のアルカリ減量速度の差を利用することで、配向度の低い太部のA成分からなる面には繊維軸と直角方向に単繊維の中空部に到達する溝を、B成分からなる面には繊維軸方向に単繊維の中空部に到達する溝を形成し、吸水性と放水性を賦与する。
【0020】
またB成分はA成分の5倍以上のアルカリ減量速度を有することが必要である。B成分の減量速度がA成分の5倍未満では、B成分が溶解して繊維軸方向に中空部まで達する溝が形成する時点でA成分ポリマーが必要以上に溶解損失し強度が低下する。
【0021】
B成分としては、エチレンテレフタレートを主たる構成単位とし、ジカルボン酸成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分1.5〜3.5mol%、並びにアジピン酸成分2〜7mol%を共重合したポリエステル共重合体からなる改質ポリエステルが好適に用いられる。
なお各ポリマーの比率は、A成分/B成分=1/1〜4/1にすることが望ましい。B成分が20%未満であると、B成分が中空部に到達せず縦溝が発生しにくく、繊維間におけるポリマー比のばらつきが多くB成分がない繊維が発生する場合もある。また50%以上B成分を複合させると、アルカリ減量処理によるB成分の溶解損失が多く繊維強度及び中空断面保持が困難になりやすい。
【0022】
また本発明の仮撚加工に用いられる中空太細フィラメント糸条は、例えば成分Aと成分Bとをサイドバイサイド型複合中空紡糸口金を用い中空率が10〜30%となるように紡糸した未延伸糸を一対のローラ間で該未延伸糸の結晶化温度以下ガラス転移点温度以上の熱ローラに未延伸糸を数回巻き付け、延伸後の残留破断伸度が70〜90%となる倍率で延伸する方法で得られるサイドバイサイド型複合フィラメント糸が挙げられる。
【0023】
さらに本発明では、該中空太細フィラメント糸条を仮撚加工する際の加工糸繊度当たりの仮撚加撚張力は、0.05cN/dTex〜0.25cN/dTexが必要であり、0.08cN/dTex〜0.18cN/dTexの仮撚加撚張力がより好ましい。なお、加工糸繊度当たりの仮撚加撚張力とは加撚域を走行中のフィラメント糸を張力測定器で測定した値を加工糸繊度で割った値をいう。
【0024】
加工糸繊度当たりの仮撚加撚張力が0.05cN/dTex未満となると仮撚施撚体上部のバルーニングが大きくなり加工性が不安定となり、糸切れが発生する。また、0.25cN/dTexを超えると仮撚加撚域に供給された糸条が一様に延伸されてしまう為、中空率の低下を招いてしまう。
【0025】
さらに本発明では仮撚セット温度はtg+20℃〜tg+70℃が必要であり、tg+30℃〜tg+60℃がより好ましい。仮撚セット温度がtg+20℃未満となると、供給糸の熱可塑化が不十分で仮撚捲縮が賦与できず、得られる仮撚加工糸は捲縮が殆ど無く、織編物とした時にペーパーライクな布帛となってしまう。一方、tg+70℃を超えると熱可塑化に伴う分子構造変化により低張力化で延伸されやすくなり、供給糸条が一様に延伸されてしまう為、中空率の低下並びに、部分膠着による太細部の結節部強力低下を引き起こす。
【0026】
また、仮撚数は目的とする仮撚加工糸の性能に応じて設定すればよいが、中空率の維持やソフトな風合、フクラミ感を考慮すると、15000/D1/2T/m以上40000/D1/2T/m以下が好ましい。15000/D1/2T/m未満では捲縮が殆ど無く、織編物とした時にペーパーライクな布帛となりやすく、40000/D1/2T/mを越えると過剰な加撚が掛かり中空率の低下並びに、太細部の結節部強力低下を引き起こしやすい。
【0027】
本発明の仮撚加工糸の製造方法において、仮撚方法は特に限定されず、ピン方式、摩擦方式、エア旋回流方式等の公知の方法を採用することができる。
【0028】
また、仮撚トルクの低減による後工程通過性等の目的に応じて、仮撚後にヒーターを用いて熱セットを行なうことも可能である。
【0029】
さらに本発明では、仮撚加工後のアルカリ減量で、太部に溝を形成することが必要であるが、アルカリ減量の条件は一般に実施されている手法を用い、充分な吸水性を得る為には減量率を3%以上45%以下とすることが好ましい。
【0030】
本発明の仮撚加工糸を含む織編物は、その混率並びに織編物組織を、目的の風合いや製品外観が得られる範囲で決定すればよい。また、本発明の仮撚加工糸単独からなる織編物、または該仮撚加工糸と他繊維との複合糸からなる織編物、該仮撚加工糸を織編物の一部に用いた織編物でもよく、本発明の仮撚加工糸の効果が得られる範囲内で種々の織編物を得ることが可能である。
【0031】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。尚、各物性は次の方法で求めた。
【0032】
(1)中空率
繊維断面の光学顕微鏡写真から中空繊維の繊維断面積(中空部を含む)と中空部断面積を測定し、繊維断面積に対する中空部断面積の百分率で個々の単繊維の中空率を算出し、個々の単繊維の中空率から平均中空率を算出した
(2)引張り強さ
JIS−L−1013に準拠して測定した。
【0033】
(3)残留捲縮率
JIS−L−1015に準拠して測定した。
【0034】
(4)風合い評価
得られた加工糸を用い20ゲージの通編機で製編し、この編地を定法により精練(70℃、30分)し、さらに下記によりアルカリ減量をし、次いで、下記により染色を行った。その後、ハンドリングによる風合評価を行なった。
【0035】
*アルカリ減量
苛性ソーダ 5g/l
浴比 1:50
処理条件 100℃
減量率 20%
処理時間 減量率により適宜設定
*染色
Terasil Navy Blue(日本チバガイギー社製) 1.0g/l
Ultra MT−N2 (大和化学工業社製) 0.5g/l
浴比 1:30
処理条件 120℃、30分
(5)水滴消失時間
(4)にて作成した編地からから20cm×20cmの試験片を採取し、該試験片を直径15cmの金属リングに取り付け、20±2℃の蒸留水を入れたビュレット(水1mlを25±3滴に分割できるもの)との距離を1cmに設定して、試験片上に水滴を1滴落下させ、試験片が水滴を吸収して鏡面反射が消える迄の時間を測定し、10回の測定値の平均で表した。
【0036】
(6)吸水率(ラローズ法)
東洋紡エンジニアリング(株)製ラローズ法吸水性測定装置TL−01型を用い、抱水した水平のグラスフィルターの上に(4)にて作成した編地からの円形試料をセットし、この試料上に480gの荷重をかけて30秒間に試料がグラスフィルターを通して吸い上げる水の量を測定し、5回測定の平均値から吸水率を算出した。
【実施例1】
【0037】
酸化チタンを0.5重量%含む固有粘度〔η〕=0.65のポリエチレンテレフタレート(成分A)と、分子量20000のポリエチレングリコール3モル%とアルキルスルフォン酸ナトリウム4モル%を含むポリエステル(成分B)を紡糸孔を30個有するサイドバイサイド型複合中空紡糸口金を用いて、紡糸温度290℃、巻き取り速度1800m/分とし、中空率20%、繊度160d、の未延伸糸を得た。この未延伸糸のDSC法で測定したtgは74.1℃、結晶化温度は127℃であった。この未延伸糸を延伸倍率1.550倍、熱ローラ表面温度110℃、糸速550m/分で延伸した。得られた原糸は太細斑を有し110デシテックス30フィラメントであった。
【0038】
このフィラメント糸を用いて、三菱重工製LS−6加工機で、加工速度100m/分、仮撚OF−8%、仮撚セット温度110℃、仮撚数2500T/m、仮撚後の熱セット温度155℃、仮撚後の熱セット時のOF10%、巻き取り速度97m/min、加工糸繊度当たりの仮撚加撚張力0.1cN/dTexにて仮撚加工を行い、仮撚加工糸を得た。
【0039】
得られた仮撚加工糸は、中空率6.4%、引張り強さ1.62cN/dTex、残留捲縮率9.0%であった。上述の仮撚加工糸を用いて風合いおよび、水滴消失時間、ラローズ法を評価した。また編み地はソフトな風合いと適度なフクラミ感を有するとともに、水滴消失時間0秒、ラローズ法による吸水率は352.6%と良好であった。
【0040】
(比較例1)
酸化チタンを0.5重量%含む固有粘度〔η〕=0.65のポリエチレンテレフタレート(成分A)と、分子量20000のポリエチレングリコール3モル%とアルキルスルフォン酸ナトリウム4モル%を含むポリエステル(成分B)を紡糸孔を30個有するサイドバイサイド型複合中空紡糸口金を用いて、紡糸温度290℃、巻き取り速度1800m/分とし、中空率20%、繊度160d、の未延伸糸を得た。この未延伸糸のDSC法で測定したtgは74.1℃、結晶化温度は127℃であった。この未延伸糸を延伸倍率1.550倍、熱ローラ表面温度110℃、糸速550m/分で延伸した。得られた原糸は太細斑を有し、110デシテックス30フィラメントであった。このフィラメント糸を用いて、三菱重工製LS−6加工機で、加工速度100m/分、仮撚OF−1%、仮撚セット温度160℃、仮撚数2500T/m、巻き取り速度97m/min、加工糸繊度当たりの仮撚張力0.1cN/dTexにて仮撚加工を行い、仮撚加工糸を得た。
【0041】
得られた仮撚加工糸は、中空率4.8%、引張り強さ0.87cN/dTexと中空率、引張り強さ共に低く、残留捲縮率26.9%と高いものであった。上述の仮撚加工糸を用いて風合いおよび、水滴消失時間、ラローズ法を評価した結果、水滴消失時間0秒、ラローズ法による吸水率は373.2%と良好であったが編地はフカツキ感を有するものであった。
【0042】
(比較例2)
加工糸繊度当たりの仮撚張力を0.03cN/dTexにする以外は実施例1と同様条件で仮撚加工を実施したところ、仮撚施撚体上部でのバルーニングが大きくなり、仮撚加工が困難であった。
【0043】
(比較例3)
加工糸繊度当たりの仮撚張力を0.30cN/dTexにする以外は実施例1と同様条件で仮撚加工を実施したところ、得られた仮撚加工糸の中空率はほとんど潰れてしまい、吸水性が得られないものであった。
【0044】
(比較例4)
仮撚セット温度を80℃とする以外は実施例1と同様条件で仮撚加工実施した。得られた仮撚加工糸の残留捲縮率は 2.7%で殆ど仮撚捲縮がなく、また、風合い評価を実施したところ、フクラミ感がなくペーパーライクな風合いとなった。また、編地を引っ張るとたやすく伸びてしまい、実用に耐えないものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空断面で、繊維軸方向に太部と細部を有する単繊維からなる仮撚加工糸であって、各単繊維の繊維軸方向及び各単繊維間において太部と細部とがランダムに存在し、更に太部の片面には繊維軸と直角方向に単繊維の中空部に到達する溝が存在し、太部の他の面には単繊維の中空部に到達する繊維軸方向の溝が存在し、下記(1)〜(3)式を満足することを特徴とするポリエステル仮撚加工糸。
(1)中空率 : 4%〜15%
(2)引っ張り強さ: 1.0cN/dTex〜2.0cN/dTex
(3)残留捲縮率 : 3%〜16%
【請求項2】
ポリエチレンテレフタレートを95重量%以上含有するポリエステル(A成分)と、A成分の5倍以上のアルカリ減量速度を有するポリエステル(B成分)とをサイドバイサイド型に複合した中空太細フィラメント糸条を仮撚加撚域に供給し、加工糸繊度当たりの仮撚加撚張力0.05cN/dTex〜0.25cN/dTex、仮撚セット温度をTg+20℃〜Tg+70℃の条件下で仮撚加工した後に、アルカリ減量することを特徴とする仮撚加工糸の製造方法。
(但し、Tgは供給されたポリエステルマルチフィラメント糸のガラス転移点(℃)である。)
【請求項3】
請求項1に記載の仮撚加工糸を含む織編物。

【公開番号】特開2006−176902(P2006−176902A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369704(P2004−369704)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【出願人】(301067416)三菱レイヨン・テキスタイル株式会社 (102)
【Fターム(参考)】