説明

仮設テント部材及びそれを用いた仮設テント

【課題】横方向に開閉可能な遮蔽シートを取り付け可能であり、直射日光、風雨などから内部環境を保護できる仮設テント及びその仮設テント部材を提供する。
【解決手段】仮設テントの支柱間に架設された架設部材3に対して取り付け可能な取付部材(開閉可能な一対の挟持部材8a,8b)と、この取付部材から側部方向に延びる延出部11a,11bと、この延出部に取り付けられ、かつランナー22が走行可能な形態でガイド部材19を保持可能な保持部材13と、この保持部材のスライド溝21に沿って走行可能であり、かつ遮蔽シート26の上端部に接続可能なランナーとを備えており、仮設テントにおいて遮蔽シート26を横方向に開閉可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害、集会、露店などにおいて、一時的又は長期間に亘り直射日光や風雨などを避けるために適した開閉式仮設テントとその仮設テント部材に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場、被災地、葬儀、運動会や露店などでは、直射日光、寒風、熱気や風雨などを避けるため一時的又は長期的に仮設テントが利用されている。この仮設テントは、通常、屋根を構成する幕体を支持する支柱と、これらの支柱間に掛け渡された架設部材とを備えている。しかし、このような仮設テントでは、支柱間の空間を仕切る遮蔽部材を備えていないため、寒風、風雨などから仮設テントの内部を保護できない。また、被災地などでは、支柱間を覆うための遮蔽部材を備えた仮設テントが利用されている。しかし、この仮設テントでは、遮蔽部材の開閉操作が煩雑であり、円滑に開閉できない。
【0003】
特開平9−144323号公報(特許文献1)には、長尺状屋根材の長手方向に沿って取り付けられた案内部材の少なくとも側面にガイド溝を開口させ、このガイド溝内に屋根シートの両耳部に設けたロープ状抜け止め材を挿通して前記屋根シートを張設した仮設テントにおいて、テントの両外側壁のうち一方の側壁側に、屋根シートの端縁部を巻き取り又は繰り出すためのウインチ機構を取り付け、他方の側壁側に、前記シートを挟持しつつ、前記シートを側壁側に向かって強制的に移動させ、反対側に向かっては前記シートを単に遊持させるだけの2本の誘導ローラ機構を設けた仮設テントのシートの開閉機構が開示されている。この仮設テントでは屋根を開閉できるものの、支柱間の領域を開閉できない。しかも、ウインチ機構と2本の誘導ローラ機構と利用して屋根を開閉するため、開閉動作を迅速に行うことができないだけでなく、構造が複雑化する。
【0004】
特開平11−223048号公報(特許文献2)には、所定の間隔を置いて平行に配置した一対のレール上に、夫々シートを保持した複数の支持フレームの両端を走行可能に掛け渡し、レールの両端間に張設したワイヤーを各支持フレームに滑車を介し挿通すると共に、このワイヤーに吊具を介してシートを吊り下げ、隣接する各支持フレームの間隔を広げることでシートが展開し、間隔を縮めることでシートが各支持フレーム間に小さく折り畳める開閉式テントが開示されている。特開2005−290780号公報(特許文献3)には、建物又は敷地の上方を覆う仮設テントであって、建物又は敷地の周囲に設置された仮設足場に略水平に架設される一対の略平行なレール部材と、該レール部材の各々に両端が支持されて建物又は敷地の上空に架け渡され、前記レール部材に沿って走行自在に構成された複数の梁部材と、隣り合う梁部材の間に張設されるシート部材とを備え、前記梁部材の各々は、互に着脱可能な組立部材を長さ方向に連結して構成されている仮設テントが開示されている。
【0005】
これらの仮設テントでは、レールや滑車などを利用して円滑に開閉できる。しかし、レール上を走行可能な支持フレーム、ワイヤー及び滑車などを用いる必要があるため、構造が複雑化する。なお、これらの特許文献では、建設現場などにおいて、シートで構成された屋根部を開閉可能なテントを想定している。
【0006】
特開2008−214962号公報(特許文献4)には、分解可能に組み立てた骨組の内側に、前後左右の壁シート部と屋根シート部と床シート部とからなる可撓性プラスチックシート製の袋状ハウス本体を配置して、床シート部を地面に設置させた状態で屋根シート部側を骨組に吊り下げ、この袋状ハウス本体の屋根シート部を骨組の外側から屋根カバーシートで被うと共に、前後左右壁シート部を骨組の外側から壁カバーシートで被い、袋状ハウス本体の壁シート部には所要箇所にファスナー付き出入り口及び防虫網付き窓開口部を設け、壁カバーシートには壁シート部の出入り口と重合する箇所にファスナー付き出入り口を設け、壁シート部の窓開口部と重合する箇所に日除け付き窓開口部を設けた災害救護用応急仮設テントハウスが開示されている。しかし、この仮設テントハウスでは、ファスナーにより出入り口を開閉するため、開閉操作が煩雑であり、出入り口を迅速に開閉することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−144323号公報(特許請求の範囲、図1)
【特許文献2】特開平11−223048号公報(特許請求の範囲、図1)
【特許文献3】特開2005−290780号公報(特許請求の範囲、図3)
【特許文献4】特開2008−214962号公報(特許請求の範囲、図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、横方向に開閉可能なカーテン(又は遮蔽シート)を取り付けることができ、直射日光、風雨、寒暑、塵芥などの外的悪環境から内部環境を有効に保護するのに適した仮設テント及び仮設テント部材を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、組立及び解体が容易であるとともに、簡単な構造でカーテン(又は遮蔽シート)を横方向に円滑に開閉可能な仮設テント及び仮設テント部材を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、架設テントをワンタッチ式に組立及び解体できる仮設テント部材、及びこの仮設テント部材を備えた仮設テントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、所定間隔をおいて立設された支柱間に架設された架設部材に対して、スライド溝を有する取付ユニットを取り付け、前記スライド溝に走行可能な複数のランナーを配設し、このランナーに遮蔽シートの上部を接続又は連結すると、前記架設部材に沿って、遮蔽シートを垂下状態又は吊り下げ状態で横方向に円滑に開閉できることを見いだし、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明の仮設テント部材は、支柱間に架設された架設部材に沿って、遮蔽シートを横方向に開閉可能に取り付けるための仮設テント部材であって、前記架設部材に対して固定可能であり、かつ前記架設部材に沿って延びるスライド溝を有する取付ユニットと、この取付ユニットのスライド溝に沿って走行可能であり、かつ遮蔽シートの上端部に接続可能なランナーとを備えている。このような仮設テント部材では、取り付けユニットのスライド溝に沿ってランナーを走行させることができ、遮蔽シートを垂下状態又は吊り下げ状態で横方向に円滑に開閉可能である。また、屋根部材を備えた既存の仮設テントに対して取付ユニットとランナーとを適用することにより遮蔽シートによる遮蔽構造(仮設テント)を構築又は設営できるため、構造が簡単であるだけでなく、仮設テントを簡便に組立又は解体できる。
【0013】
前記取付ユニットは、架設部材に対して固定可能な取付部材(位置決め固定可能な取付部材)と、この取付部材に直接的又は間接的に取り付けられ、かつ前記架設部材に沿って延びる長尺ガイド部材と、このガイド部材に形成されたスライド溝とを備えていてもよい。このような取付ユニットを用いると、架設部材に対する取付が容易であるとともに、ガイド部材のスライド溝に走行可能なランナーを装着し、簡便かつ迅速に仮設テントを構築できる。
【0014】
架設部材は、断面円形状の棒状部材であってもよい。また、取付ユニットは、前記架設部材(又は棒状部材)に対して周方向に不動状に取り付け可能な取付部材と、この取付部材から側部方向に延びる延出部と、この延出部に取り付けられ、かつランナーが走行可能な形態で、スライド溝を有するガイド部材を保持可能な保持部材とを備えていてもよい。このような取付ユニットでは、架設部材が断面円形状であっても、簡便かつ迅速に仮設テントを構築できる。
【0015】
取付ユニットは、架設部材に形成された孔部と、前記架設部材の周面に対して面接触可能な当接部材と、この当接部材に形成され、かつ周方向に延びる長孔と、この長孔と架設部材の孔部とに対して挿入可能であり、かつ架設部材と当接部材とを締結可能なネジ部材と、前記当接部材から延出する延出部と、この延出部に取り付けられ、スライド溝を有するガイド部材を保持可能な保持部材とを備えていてもよい。このような取付ユニットでは、架設部材と当接部材とをネジ部材で締結することにより、架設部材に対して位置決めしつつ取付ユニットを強固に固定できるとともに、ガイド部材が取付部材から延出して位置するため、ランナーの装着が容易である。
【0016】
取付ユニットは、ヒンジ式に開閉可能であるとともに、閉じ操作によりゴム部材を介して架設部材を挟持可能な一対の挟持部材と、この一対の挟持部材を締結するための締結部材、前記挟持部材から延出する延出部と、この延出部に取り付けられ、スライド溝を有するガイド部材を保持可能な保持部材とを備えていてもよい。また、取付ユニットが、ヒンジ式に開閉可能であるとともに、閉じ操作により架設部材の外周面に対応又は適合した内面(屈曲又は湾曲面)を形成し、かつ前記架設部材を挟持可能な一対の挟持部材と、この挟持部材の内面に、閉じ操作に伴って前記架設部材と接触可能に取り付けられたゴム部材と、前記一対の挟持部材を締結するための締結部材とを備えていてもよい。これらの取付ユニットでは、一対の挟持部材の締結によりゴム部材が架設部材と緊密に接触し、取付ユニットに荷重が作用しても位置ずれを確実に防止する。そのため、架設部材が断面円形状であっても、架設部材に対して位置決めしつつ取付ユニットを強固に固定できるとともに、ガイド部材が取付部材から延出して位置するため、ランナーの装着が容易である。
【0017】
なお、ガイド部材を保持するための保持部材の構造は特に制限されず、ワンタッチ式にガイド部材を保持してもよい。特に、ガイド部材が被保持部(凸条や凹溝など)を有する場合には、この被保持部を保持部材によりワンタッチ式に保持してもよい。例えば、ガイド部材が上部両側壁に凹溝を有している場合、保持部材は、前記両側壁の凹溝のうち一方の凹溝に対して係止可能な第1の係止部(鈎状屈曲部など)と、この第1の係止部に向かって付勢され、かつ他方の凹溝に対して係止可能な第2の係止部が形成された進退動部材(又は係止部材、狭圧部材、スライド部材)とを備えていてもよい。このような構造の保持部材では、一方の凹溝に対して第1の係止部を係止させ、付勢力に抗して進退動部材を後退動させて他方の凹溝に対して第2の係止部を係止すると、付勢力によりガイド部材の両側壁の凹溝を挟持した形態でガイド部材を保持できる。
【0018】
前記進退動部材の第2の係止部は、ガイド部材に対する押圧に伴って進退動部材を後退動させて他方の凹溝と係止可能であってもよい。より具体的には、前記進退動部材は、一方の凹溝側(架設部材側に位置する凹溝側)にいくにつれて上方に傾斜し、かつガイド部材の上部コーナー部が接触可能な傾斜面を有するとともに、ガイド部材に対する押圧に伴って(又は前記進退動部材の後退動に伴って)他方の凹溝に対して係止可能な第2の係止部を有していてもよい。このような構造では、一方の凹溝に対して第1の係止部を係止させた状態で、ガイド部材に対して保持部材を押圧することにより他方の凹溝に対して第2の係止部をワンタッチ式に係合できる。
【0019】
さらには、保持部材の前記進退動部材は、一方の凹溝側(架設部材側に位置する凹溝側)にいくにつれて上方に傾斜し、かつガイド部材の上部コーナー部が接触可能な傾斜面を有するとともに、前記進退動部材の後退動に伴って他方の凹溝に対して係止可能な爪部と、この爪部よりも一方の凹溝側に延出し、前記一方の凹溝側にいくにつれて上方に傾斜した傾斜面を有するとともに、前記進退動部材の後退動に伴って他方の凹溝に対して係止可能な第2の係止部とを備えていてもよい。このような進退動部材では、一方の凹溝に対して第1の係止部を係止させた状態で、ガイド部材の上部コーナー部を傾斜面に接触させてガイド部材に対して保持部材を押圧すると、爪部の傾斜面が、進退動部材を後退動させる方向(一方の凹溝側(架設部材側に位置する凹溝側)にいくにつれて上方)に傾斜しているため、進退動部材が後退動して爪部と他方の凹溝とが係合する。この爪部の係合位置が適正であることを確認した後、さらにガイド部材に対して保持部材を押圧すると、ガイド部材のコーナー部が第2の係止部の傾斜面と接触するとともに、第2の係止部の傾斜面が、進退動部材を後退動させる方向(一方の凹溝側にいくにつれて上方)に傾斜しているため、進退動部材が後退動して第2の係止部が他方の凹溝と係合する。また、前記爪部はさらに後退動し、ガイド部材の側壁を付勢力により押圧する。そのため、進退動部材を備えた保持部材によりガイド部材を緊密かつ強固に保持できる。
【0020】
前記爪部及び第2の係止部の傾斜面は、ガイド部材に対する保持部材の押圧に伴って進退動部材が後退動可能であればよく、例えば、進退動部材の進退動方向を基準にして、爪部の傾斜面よりも係止部の傾斜面の傾斜角度は小さくてもよい。このような傾斜面を利用すると、第2の係止部を凹溝に対して深く係合させることができる。
【0021】
なお、ガイド部材のスライド溝には、遮蔽シートを複数箇所で接続した状態(又は吊り下げ状態)で安定に開閉させるため、複数のランナーが走行可能であってもよい。
【0022】
スライド溝が断面アリ溝状であり、このアリ溝状スライド溝に、複数のランナーが走行可能に配設されていてもよい。このような構造では、スライド溝からランナーを垂下させた状態で走行でき、ランナーに接続された遮蔽シートを円滑に開閉できる。
【0023】
さらに、ランナーは、スライド溝内で転動して走行可能なローラ部と、このローラ部を貫通して回動可能に支持する支持ピンと、この支持ピンを回動又は揺動可能に支持する支持部と、この支持部に対して一方の端部が抜き出し不能であり、かつ360°に亘って回動可能に取り付けられた軸部と、この軸部の他方の端部に対して揺動可能に装着され、かつ遮蔽シートの上端部に形成された被接続部に対してそれぞれ接続可能な接続部とを備えていてもよい。このようなランナーはスライド溝を走行するローラ部材と遮蔽シートの上端部に接続された被接続部との間に捻り力などが作用しても、回動機構と揺動機構とで捻り力などを吸収できるため、スライド溝に沿って遮蔽シートを円滑に開閉できる。
【0024】
本発明は、前記仮設テント部材を備えた仮設テントも包含する。この仮設テントは、所定間隔をおいて立設可能な複数の支柱と、少なくとも1つの支柱間に架設された架設部材と、前記支柱で支持され、かつ上部領域を覆うための屋根部材とを備えており、前記架設部材に対して固定可能であり、かつ前記架設部材に沿って延びるスライド溝を有する取付ユニットと、この取付ユニットのスライド溝に沿って走行可能であり、かつ遮蔽シートの上端部に接続可能なランナーとを備えており、前記遮蔽シートが横方向に開閉可能である。
【0025】
なお、前記ランナーは、遮蔽シートの上端部に形成された連結部に対してワンタッチ式に装着可能なフック部材を備えていてもよい。
【0026】
なお、本明細書において、仮設テントとは、直射日光、雨露、寒暑、風雨などの外的悪環境要因から内部空間を保護したり露営するための簡易又は軽便な家屋を意味する。この仮設テントは、通常、一時的又は長期的に使用するか否かに関係なく、支柱で支持された幕体により上部空間を覆う簡易家屋ということもできる。
【発明の効果】
【0027】
本発明では、取付ユニットとランナーとを用いて、既存の仮設テントに横方向に開閉可能なカーテン(又は遮蔽シート)を取り付けることができ、直射日光、風雨、塵芥などの外的悪環境から内部環境を有効に保護できる。また、架設部材及び遮蔽シートに対する取付が容易であるため、組立及び解体が容易であるとともに、簡単な構造でカーテン(又は遮蔽シート)を横方向に円滑に開閉可能な仮設テントを構築できる。さらに、ガイド部材をワンタッチ式に保持できる特定の保持部材を用いることにより、架設テントをワンタッチ式に簡便かつ容易に組立及び解体できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は本発明の仮設テント部材を用いた仮設テントを示す概略図である。
【図2】図2は図1の仮設テント部材の取付状態を示す概略斜視図である。
【図3】図3は図1の仮設テント部材の分解斜視図である。
【図4】図4は図1の仮設テント部材の取付状態を示す概略断面図である。
【図5】図5は本発明の他の仮設テント部材の取付状態を示す概略斜視図である。
【図6】図6は本発明の他の仮設テント部材の取付状態を示す概略断面図である。
【図7】図7は図6の保持部材を示す概略分解斜視図である。
【図8】図8は図6の保持部材の動作を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。図1は本発明の仮設テント部材を用いた仮設テントを示す概略図であり、図2は図1の仮設テント部材の取付状態を示す概略斜視図であり、図3は図1の仮設テント部材の分解斜視図であり、図4は図1の仮設テント部材の取付状態を示す概略断面図である。
【0030】
前記仮設テント1は、所定間隔をおいて立設され、平面方形状の領域を形成するための複数の支柱2と、これらの支柱間に横方向に架設された断面円形状の架設部材(梁部材)3と、前記支柱2及び/又は架設部材3から斜め上方に延び、かつ先端部が互いに回動可能に連結された斜材(垂木部材)4と、これらの斜材の先端部を連結して頂部を形成するための棟部材5とを備えており、これらの部材により仮設テント1の骨組みが構築されている。なお、回動可能な一対の斜材4の先端部側には、一対の斜材4の開度を固定するための規制部材(図示せず)が架設して取り付けられている。また、支柱2と架設部材(梁部材)3との間、および支柱2と斜材(垂木部材)4との間には、強度を高めるための筋交い(図示せず)が斜め方向に架設されている。
【0031】
このような仮設テント1の骨組みには、屋根部材を構成する天幕6が、前記棟部材5、斜材(垂木部材)4及び架設部材(梁部材)3を覆って、架設部材(梁部材)3などに取り付けられている。なお、天幕は、慣用の方法、例えば、紐による締結、バックル、ワンタッチ式締結又は連結具を利用して、架設部材(梁部材)3などに容易に取り付けることができる。
【0032】
そして、前記架設部材3には、仮設テント1の支柱2間を遮蔽シート26で開閉可能に覆うため、仮設テント部材が取り付けられている。この仮設テント部材は、前記架設部材3に対して固定可能であり、かつ前記架設部材3に沿って延びるスライド溝21を有する取付ユニット7と、この取付ユニットのスライド溝21に沿って走行可能な複数のランナー22とを備えており、このランナーは、前記遮蔽シート26の上端部に接続可能なフック部25を有している。
【0033】
より詳細には、前記取付ユニット7は、ヒンジ部9を中心としてヒンジ式に開閉可能であり、閉じ操作により架設部材3の外周面に対応又は適合した湾曲内面を形成する湾曲部(膨出した湾曲部)を備えた一対の挟持部材(取付部材)8a,8bと、この一対の挟持部材の内面(湾曲内面)に、閉じ操作に伴って前記架設部材3と接触可能に取り付けられたシート状ゴム部材10a,10bと、前記一対の挟持部材(取付部材)8a,8bの開放端からそれぞれ側部方向に延出し、閉じ操作により互いに対向可能な平坦な延出部11a,11bと、これらの延出部を締結するための締結部材(ネジ部材12b及び蝶ネジ12c)とを備えている。
【0034】
なお、一対の挟持部材8a,8bは閉じ操作に伴って前記架設部材3を挟持可能である。また、一方の延出部11bにはネジ部材12bが溶着され、他方の延出部11aには前記ネジ部材12bが閉じ操作に伴って挿入可能な孔部12aが形成されており、閉じ操作により他方の延出部11aの孔部12aから延出したネジ部材12bに蝶ネジ12cを螺合することにより、一対の延出部11a,11bを緊締できる。そのため、架設部材3の所定位置に一対の挟持部材8a,8bの湾曲部を位置させて、位置決めし、一対の挟持部材8a,8bを閉じて延出部11a,11bを締結部材で締結すると、ゴム部材10a,10bが架設部材3と密着するとともに、ゴム部材10a,10bの弾性と相俟って、一対の挟持部材8a,8bが、架設部材3の周方向へ回動するのを規制又は防止でき、架設部材3に対して取付ユニット7を密着させて不動状に取り付けることができる。
【0035】
前記取付ユニット7は、さらに、一方の延出部11bに一体に取り付けられたクランプ部材(又は保持部材)13と、このクランプ部材(又は保持部材)により前記延出部11bに取り付けられ、かつ前記架設部材3に沿って延びる長尺ガイド部材(又は架設レール部材)19と、このガイド部材の長手方向に形成されたスライド溝21と、このスライド溝に走行可能に配設された複数のランナー22とを備えている。
【0036】
より詳細には、前記ガイド部材(又は架設レール部材)19は、下部壁が長手方向に沿って開口した断面中空四角形状の形態を有しており、アルミニウムのダイカスト加工(折り曲げ加工、又は押出加工)などにより前記ガイド部材19の上部の両側壁にはそれぞれ凹溝20a,20bが形成され、前記ガイド部材19の下部壁は開口部を挟んで断面四角形状に内側に折り曲げられ、この四角形状折り曲げ部の平坦な上面は、ランナー22の走行路21aを形成している。前記クランプ部材(又は保持部材)13は、前記一方の延出部11bに溶着などにより一体に取り付けられたプレート(係合部材又は把持部材)14と、このプレートの一方の側縁部(挟持部材側の側縁部)が鈎状に屈曲され、前記ガイド部材19の一方の凹溝20aに係合可能な屈曲部15と、前記プレート(係合部材又は把持部材)14の他方の端部に形成された段差部16と、前記ガイド部材19の他方の凹溝20bに嵌入可能であり、かつ前記段差部16に対して締結部材により締結可能な挟圧部材17とを備えている。なお、段差部16にはネジ穴16aが形成され、狭圧部材(進退動部材)17にはワッシャ18bを介してネジ部材18aが挿入可能な湾曲した長孔17aが形成されており、前記ネジ部材18aは長孔17aを通じて段差部16のネジ穴16aに螺合可能である。また、前記段差部16の側方側の縁部には狭圧部材(進退動部材)17側に屈曲した小さな屈曲突部16bが形成され、狭圧部材(進退動部材)17には、前記屈曲突部16bが挿入可能な孔部17b又は凹部が形成されている。そのため、前記プレート(係合部材又は把持部材)14の鈎状屈曲部15を前記ガイド部材19の凹溝20aに係合させ、ガイド部材19の他方の凹溝20bに挟圧部材17の側端部を挿入するとともに、段差部16の屈曲突部16bを狭圧部材(進退動部材)17の孔部17b又は凹部に挿入させて係合させ、ワッシャ18bを介してネジ部材18aを狭圧部材(進退動部材)17の湾曲長孔17aに挿入させて、長孔17aを利用して凹溝20bに対する狭圧部材(進退動部材)17の挿入の程度や向きなどを調整して段差部16のネジ穴16aに螺合することにより、一対の挟持部材8a,8bとガイド部材19とを緊密に連結できる。すなわち、クランプ部材(又は保持部材)13により一対の挟持部材8a,8bとガイド部材19とを緊密に連結できる。
【0037】
前記ガイド部材(又は架設レール部材)19のスライド溝21では、カーテンなどの遮蔽シート26の上端部に接続可能な複数のランナー22が走行可能である。すなわち、前記ランナー22は、前記ガイド部材(又は架設レール部材)19のスライド溝21内の走行路21aで転動して走行可能なローラ部(ランナー部)23と、遮蔽シート26の上端部に形成された孔部(被連結部)27に対して接続又は接続可能なフック部材25と、前記ローラ部(ランナー部)23とフック部材25とを連結するための円柱状連結部24とを備えている。
【0038】
前記ローラ部(ランナー部)23は、走行路21aを転動して走行可能な一対のローラ部材23aと、これらのローラ部材23aを回動可能に枢支する支持ピン23bと、この支持ピン23bを揺動可能に支持するアーチ状(又は断面逆U字状)の支持部23cとを備えている。前記フック部材25は、全体としてリング状の形態(この例では、長細いリング状の形態)を有し、側部に開放部が形成されたC字状フック部本体25aと、前記開放部を開閉可能な開閉桿25bとを備えており、遮蔽シート26の連結孔部27に対してワンタッチ式に連結可能なワンタッチ式フック部材を形成している。また、円柱状連結部24の一方の端部は前記ローラ部(ランナー部)23の支持部23cの上部壁を貫通して、前記ローラ部(ランナー部)23に対して水平方向に360°に亘って回転可能に取り付けられており、円柱状連結部24の他方の端部には孔部が形成され、この孔部にフック部材25(フック部本体25a)が揺動可能に装着されている。なお、前記ランナー23の一対のローラ部材23a及び支持部23cはプラスチックで形成されている。また、遮蔽シート26の上下端部には、前記フック部材25がそれぞれワンタッチ式に装着可能な連結孔部27が形成され、この孔部の周辺は補強環27aにより補強されている。
【0039】
このようなランナーを備えた仮設テント1及びその構造では、遮蔽シート26の上端部に形成された被連結部27にランナー22のフック部材25を連結し、前記架設部材3に取り付けられたガイド部材19のスライド溝21に装着されたランナー22を走行させることにより、所定の領域を遮蔽シート26により横方向(ガイド部材19の延びる方向)に円滑に開閉できる。そのため、仮設テント1内を直射日光、雨露、寒暑などから保護でき、新鮮な空気を取り込むこともできる。さらに、走行に伴ってガイド部材19と接触するランナー22の接触部がプラスチックで形成されているため、走行音などを消音でき、騒音の発生を抑制できる。なお、前記構造の取付ユニットを利用するため、テントの骨組みの架設部材3とガイド部材(架設レール部材)19との連結及び連結解除(すなわち、組立及び解体)が容易であり、開閉式遮蔽シート26を備えた骨組み(開閉式遮蔽構造)を容易に形成できる。
【0040】
なお、仮設テントの骨組み構造は、特に制限されず、通常、仮設テントは、所定間隔をおいて立設可能な複数の支柱と、支柱間(特に上部の支柱間)に架設された架設部材と、前記支柱で支持され、かつ上部領域(又は上部空間)を覆うための屋根部材とを備えており、前記架設部材は少なくとも1つの支柱間に架設してもよい。すなわち、架設部材は仮設テントの少なくとも1つの側部に設ければよく、互いに対向する対向側部、隣接する側部に設けてもよく、全周に亘り設けてもよい。
【0041】
なお、支柱及び架設部材の形状は、特に制限されず、断面円筒状に限らず断面多角形状であってもよい。なお、架設部材が断面円形状の棒状部材であっても、前記構造の取付ユニットを利用すると、周方向に位置ずれすることなく架設部材にガイド部材を強固に取り付けることができる。支柱は建造物や構造物の種類に応じて所定の間隔で立設すればよい。支柱は軽量化のため、中空状であってもよく、鉄やステンレススチール製、アルミニウム又はアルミニウム合金製などであってもよい。また、仮設テントの設営において、支柱を支持するため、支柱の下端部が装着又は挿入可能な重量部材、地中に打設可能なアンカーと、このアンカーと支柱とを緊張させて締結するための紐部材などを利用してもよい。また、支持力を高めるため支柱の下端部には設営面との接触面積が拡がった支持部を形成してもよい。
【0042】
仮設テントの骨組み構造は、特に制限されず、スライド機構、回動機構、係合機構などを利用してワンタッチ式に組立又は解体可能であってもよく、支柱などはスライド式に伸縮可能であってもよい。また、屋根部材は、傾斜していてもよく、アーチ状、膨出状、多角錘状、寄せ棟状、頂部が急峻な形状などであってもよい。屋根部材は、前記天幕に限らず、種々の布帛、プラスチックシートなどで構成してもよく、通常、非透水性基材で形成される。さらに、必要であれば、仮設テントには雨樋などの流水部を設けてもよい。
【0043】
前記架設部材に対して固定可能な取付ユニットは、前記構造に限定されず、前記架設部材に沿って延び、かつランナーが走行可能なスライド溝を有していればよく、前記クランプ部材(保持部材)などは必ずしも必要ではない。取付ユニットは、架設部材に対して取り付け可能な取付部材と、この取付部材に対して取り付け可能なガイド部材とで構成してもよく、保持部材(クランプ部材など)により又は保持部材なしに取付部材(一対の挟持部材など)とガイド部材とは予め一体に形成され、取付ユニットを構成していてもよい。すなわち、取付ユニットは、通常、架設部材に対して固定可能又は仮止め固定可能な取付部材(例えば、周方向に位置決めして固定可能な取付部材)と、この取付部材に直接的又は間接的に取り付けられ、かつ前記架設部材に沿って延びる長尺ガイド部材とで構成してもよく、このガイド部材には長手方向に沿ってスライド溝が形成されている。なお、ガイド部材は取付部材に接着などにより直接的に取り付けてもよく、取付部材とガイド部材との間に介在する保持部材により間接的に取り付けてもよい。取付ユニットは、通常、保持部材を介して取付部材とガイド部材とを連結してガイド部材を保持する場合が多い。
【0044】
取付部材は、前記架設部材(棒状梁部材)に対して周方向に不動状に取り付け可能であればよく、架設部材を挟持可能な一対の挟持部材で取付部材を構成する場合、挟持部材は、閉じ操作により架設部材の外周面に対応又は適合した内面(屈曲又は湾曲)を形成するのが有利である。架設部材が断面多角形状又は楕円形状の部材である場合には、取付部材は、架設部材の外面と接触して周方向に回動不能な屈曲部(例えば、L字状屈曲部など)又は湾曲部を有していてもよい。例えば、挟持部材は断面多角形の架設部材に対応した屈曲凹部を有していてもよい。なお、架設部材が断面円形状(断面中空又は中実な断面円形状)である場合には、ランナーを介してガイド部材から重量の大きな遮蔽シートが垂下した状態となり、架設部材に対してガイド部材を周方向に回動させる力が作用する。このような場合、架設部材と取付部材との間に滑り止め部材(ゴムシートなどのゴム部材)などを介在させるのが有用である。このような取付部材を用いると、取り付け操作(閉じ操作など)によりゴム部材を介して架設部材を挟持でき、取付部材が周方向へ位置ずれするのを防止できる。
【0045】
ゴム部材は、閉じ操作に伴って前記架設部材と接触可能であればよく、架設部材及び取付部材から遊離していてもよく、架設部材及び/又は取付部材に一体に取り付けてもよい。通常、取付部材にゴム部材を取り付ける場合が多い。ゴム部材は、シート状に限らず、突起状、凹凸状、格子状などの形態であってもよい。
【0046】
なお、前記一対の挟持部材を締結するための締結部材は前記ネジ部材及び蝶ネジに限らず、種々の締結手段、例えば、ボルト・ナット、クランプなどで構成してもよい。
【0047】
取付ユニットは前記開閉機構を有するユニットに限らず、種々の取り付け機構が利用できる。図5は本発明の他の取付ユニットの例を示す概略斜視図である。なお、前記図1に示す要素又は部材と同じ機能を果たす要素又は部材には同一の符号を付して説明する。
【0048】
この例では、断面中空円筒状の架設部材33にはネジ穴(図示せず)が長手方向に間隔をおいて形成され、前記架設部材33に対する取付ユニット37は、架設部材33に取り付け可能な取付部材38と、この取付部材から延出する延出部41と、この延出部に取り付けられ、ガイド部材19を保持又は把持可能な保持部材43とで構成されている。
【0049】
前記取付部材38は、架設部材33の周面に対して面接触可能な当接部材38aと、この当接部材に形成された周方向に延びる長孔38bと、この長孔と架設部材33の孔部とに対して挿入可能であり、かつ架設部材33と当接部材38aとを締結可能なネジ部材38cとを備えている。そのため、当接部材38aを架設部材33の周方向に沿って移動させながら架設部材33に対する延出部41及び保持部材43を適切な位置に位置決めでき、ネジ部材38cにより架設部材33に対して取付部材38を強固に取り付けることができる。なお、取付部材38の端部は傾斜部又はアーム部を介して延出部41に至っている。
【0050】
前記延出部41に取り付けられた保持部材43は、一方の側縁部(挟持部材側の側縁部)に形成され、ガイド部材19の両側壁に形成された凹溝20a,20bのうち一方の凹溝20aに係合可能な鈎状屈曲部45を有するプレート(係合部材又は把持部材)44と、ガイド部材19の外側壁に形成された他方の凹溝20bに端部が挿入可能な挟圧部材17とを備えている。なお、この例では、鈎状屈曲部45を有するプレート(係合部材又は把持部材)44は、ネジ穴を有する段差部46を備えており、前記鈎状屈曲部15を有するプレート(係合部材又は把持部材)14と同様の構造を有している。また、前記と同様に、前記プレート(係合部材又は把持部材)44の段差部46の側方側(段差部46)の縁部には、狭圧部材(進退動部材)17に形成された孔部又は凹部に対して挿入可能な小さな屈曲突部が形成され、狭圧部材(進退動部材)17には、ワッシャを介してネジ部材が挿入可能な湾曲した長孔が形成されており、前記ネジ部材は長孔を通じてプレート(係合部材又は把持部材)44の段差部46のネジ穴に螺合可能である。また、取付部材38側で、延出部41とプレート(係合部材又は把持部材)44とはネジ部材などにより一体化されている。
【0051】
前記保持部材43により上部側壁が強固に保持されたガイド部材19には、前記と同様に、スライド溝21が形成され、このスライド溝の走行路を複数のランナー22が走行する。
【0052】
このような構造の仮設テント部材であっても、遮蔽シートの上端部に形成された被連結部にランナー22のフック部材25(25a,25b)を連結し、前記架設部材33に取り付けられたガイド部材19のスライド溝21に装着されたランナー22を走行させることにより、所定の領域を遮蔽シート26により横方向(ガイド部材19の延びる方向)に円滑に開閉できる。また、架設部材33とガイド部材19との連結及び連結解除(すなわち、組立及び解体)も容易である。
【0053】
なお、前記取付ユニット37において、取付部材の端部又は取付部材の側部から延出部が延出していてもよく、延出部41に至る前記アーム状傾斜部は必ずしも必要ではない。
【0054】
前記取付部材から延出する延出部は必ずしも必要ではなく、取付部材に保持部材を直接的に取り付けてもよい。好ましい態様では、仮設テントの架設部材から側方に離れた状態で遮蔽シートを開閉するため、取付部材から側部方向に延出する延出部を利用して保持部材でガイド部材を保持する。
【0055】
保持部材は、ランナーが走行可能な形態で、ガイド部材を保持可能であればよく、前記取付部材から延出する延出部11b,41はプレート(係合部材又は把持部材)14,44と分離していてもよく、予め一体化していてもよい。保持部材は、通常、ガイド部材の上部壁、側部壁、及び/又は下部両側壁を、クランプ機構、チャッキング機構などを利用して、ガイド部材を保持又は取り付ける場合が多い。保持部材によるガイド部材の保持には、ガイド部材の上部壁、側部壁、及び/又は下部両側壁に形成した凹凸部、係合部などの要素と、保持部材の凹凸部や係合部、嵌合部などの要素とを利用してもよい。例えば、保持部材は前記構造に限らず、延出部に対して締結などにより一体化可能であり、かつガイド部材の一方の側壁及び下部側壁(又は下部側縁)を把持又は抱持可能な把持部材(断面コ字状部材など)と、他方の側壁及び下部側壁(又は下部側縁)を把持又は抱持可能であり、かつガイド部材の幅方向に進退動可能であるとともに前記把持部材及び/又は延出部に対して締結などにより一体化可能な進退動部材(断面コ字状部材などの進退動部材)と、一方の側壁を把持部材で把持し、進退動部材をガイド部材の幅方向に進退動させて他方の側壁を進退動部材で把持した状態で、進退動部材を把持部材及び/又は延出部に対して締結可能な締結部材とで構成してもよい。把持部材は、一方の側壁を把持部材で把持した状態で、延出部に対して締結部材などで締結してもよく、延出部に対して予め一体化していてもよい。
【0056】
また、前記鈎状屈曲部45を有するプレート(係合部材又は把持部材)44も必要ではなく、前記鈎状屈曲部45を前記延出部に一体に形成してもよい。また、プレート(係合部材又は把持部材)44の段差部46も必ずしも必要ではない。また、前記段差部16の屈曲突部16b、狭圧部材(進退動部材)17の孔部17b又は凹部も必ずしも必要ではない。
【0057】
保持部材は、通常、ガイド部材のうち一方の側壁又は下部側壁(又は下部側縁部)に対する係合部材(例えば、前記プレート(係合部材又は把持部材)14,44などの凹凸溝や凹凸部などに対する係合部材)と、他方の側壁又は下部側壁(又は下部側縁部)に対して係合可能(例えば、凹凸溝や凹凸部などに対して係合可能)であり、かつガイド部材の幅方向に進退動可能な進退動部材(例えば、前記狭圧部材(進退動部材)17などの凹凸溝や凹凸部などに対する進退動部材)と、前記係合部材と進退動部材とを前記延出部に対して締結可能な締結手段とを備えている。この締結手段は、進退動部材をガイド部材の幅方向に締め付けて締結してもよい。また、係合部材は延出部に対して分離していてもよく予め一体化していてもよい。
【0058】
なお、前記の例では、プレート(係合部材又は把持部材)14,44の段差部16,46のネジ穴16aに対してネジ部材18aを螺合させているが、プレート(係合部材又は把持部材)14,44又は段差部16,46に下向きにネジ棒を一体に取り付け、挟圧部材(進退動部材)17の長孔17aから延出したこのネジ棒に対して蝶ネジを螺合してもよい。
【0059】
さらに、保持部材はワンタッチ式にガイド部材を保持してもよい。図6は本発明の他の仮設テント部材の取付状態を示す概略断面図であり、図7は図6の保持部材を示す概略分解斜視図であり、図8は図6の保持部材の動作を説明するための概略図である。なお、図7及び図8においては、挟持部材とその延出部を図示していない。
【0060】
この例では、前記と同様に、架設部材3は、蝶ネジ12cを利用して、ゴム部材10a,10bを介して一対の挟持部材8a,8bにより挟持可能であり、一方の挟持部材8bの延出部11bは、溶接、接着などの手段で、保持部材53の本体(保持部材本体)54に一体に取り付けられている。また、ガイド部材19は上部両側壁に凹溝20a,20bを有しており、これらの両側壁の凹溝20a,20bに対して保持部材53の係止部が係合することにより、ガイド部材19を保持している。すなわち、保持部材53は、保持部材本体54の先端部に屈曲して形成され、かつ前記両側壁の凹溝20a,20bのうち一方の凹溝(架設部材3側に位置する第1の凹溝)20aに対して係止可能な第1の係止部(鈎状屈曲部など)55と、前記保持部材本体54に沿って摺動可能に配設され、かつバネ部材57により前記係止部に向かって付勢された進退動部材(係止部材、狭圧部材又はスライド部材)56とを備えている。
【0061】
なお、前記保持部材本体54は両側部がコ字状に屈曲してコ字状屈曲部59を形成し、進退動部材56を収容して摺動可能な進退動域を形成している。また、前記バネ部材57の一方の端部を位置決めして固定するため、保持部材本体54の内壁には起立してストッパ58が形成されており、進退動部材56にはバネ部材57の付勢方向に対して逆方向の端面から軸方向に延びて途中部で閉じ、かつバネ部材57を収容可能な溝部が形成されており、この溝部の端部壁(閉じた壁部)でバネ部材57の他方の端部を固定している。さらに、進退動部材56の両側部には、スリット60を介して細長の係止片61a,61bがそれぞれ形成され、これらの係止片61a,61bの端部には、前記保持部材本体54の両側部に形成されたコ字状屈曲部59の端面(バネ部材57の付勢方向に対して逆方向の端面)に係止可能な爪部62a,62bが形成されている。これらの爪部62a,62bとコ字状屈曲部59の端面との係合により、バネ部材57の付勢方向に対する進退動部材56の移動が規制され、バネ部材57の付勢方向に対して反対方向[保持部材本体54の先端部の方向(換言すれば、架設部材3側に位置する第1の凹溝20aの方向又は第1の係止部55の方向)]への進退動部材56の移動が許容されている。
【0062】
そして、進退動部材56は、ガイド部材19に対する押圧に伴って進退動部材56を後退動させて他方の凹溝(第2の凹溝)20bに対して係止可能な第2の係止部64を備えている。この例では、進退動部材56には、ガイド部材19に対する押圧に伴って進退動部材56を後退動させて他方の凹溝(第2の凹溝)20bに対して係止可能な爪部(係合部)63と、さらに押圧することにより、進退動部材56を後退動させて他方の凹溝(第2の凹溝)20bから爪部(係合部)63を脱離させて係合を解除するとともに、他方の凹溝(第2の凹溝)20bに対して係止可能な第2の係止部64とが形成されている。すなわち、進退動部材56は、第1の凹溝20a側(架設部材3側に位置する凹溝側)にいくにつれて上方に傾斜し、かつガイド部材19の上部コーナー部が接触可能な傾斜面63aを有するとともに、前記進退動部材56の後退動に伴って第2の凹溝20bに対して係止可能な爪部63と、この爪部63よりも第1の凹溝20a側に延出し、前記第1の凹溝20a側にいくにつれて上方に傾斜し、かつガイド部材19の上部コーナー部が接触可能な傾斜面64aを有するとともに、前記進退動部材56の後退動に伴って第2の凹溝20bに対して係止可能な第2の係止部64とを備えている。また、進退動部材56の進退動方向を基準にして、爪部63の傾斜面63aよりも第2の係止部64の傾斜面64aの傾斜角度が小さく形成され、爪部63の傾斜面63aの長さよりも第2の係止部64の傾斜面64aの長さ(進退動部材56の進退動方向の長さ)が大きく形成されている。さらに、第2の凹溝20bに対する爪部63及び第2の係止部64の係合を解除するため、進退動部材56(バネ部材57による付勢方向とは逆方向の部位)には、牽引操作部(把持部又は操作部)65が形成されている。
【0063】
このような保持部材53では、第1の凹溝20aに対して第1の係止部55を係止させた状態で、ガイド部材19の上部コーナー部を爪部63の傾斜面63aに接触させてガイド部材19に対して保持部材53を押圧すると、傾斜面63aが、進退動部材56を後退動させる方向(第1の凹溝側にいくにつれて上方)に傾斜しているため、進退動部材56が後退動して爪部63がワンタッチ式に第2の凹溝20bと係合する。この爪部63の係合位置が適正位置でない場合には、牽引操作部65を利用して進退動部材56をバネ部材57による付勢方向とは逆方向に後退動させることにより、第2の凹溝20bに対する爪部63の係合を簡単に解除では、爪部63の結合位置が適正である場合には、ガイド部材19に対して保持部材53をさらに押圧すると、ガイド部材19のコーナー部が第2の係止部64の傾斜面64aと接触するとともに、第2の係止部64の傾斜面64aが、進退動部材56を後退動させる方向(第1の凹溝側にいくにつれて上方)に傾斜しているため、進退動部材56が後退動して、爪部63が第2の凹溝20bから脱離し、ワンタッチ式に第2の係止部64が第2の凹溝20bと深く係合する。また、第2の凹溝20bから脱離した前記爪部63は、係合位置からさらに後退動し、ガイド部材19の側壁をバネ部材57の付勢力により押圧する。そのため、第2の凹溝20bに対する爪部63の係合位置を確認しつつ、進退動部材56を備えた保持部材53により、第1の凹溝20aに第1の係止部55を係止させた状態で、第2の凹溝20bに第2の係止部64を係止でき、ガイド部材19を緊密かつ強固に保持できる。さらに、牽引操作部65を利用して進退動部材56をバネ部材57による付勢方向とは逆方向に後退動させることにより、第2の凹溝20bに対して係合した第2の係止部64を第2の凹溝20bから脱離させて係合を解除することができる。
【0064】
なお、保持部材本体における進退動部材の進退動機構は、バネ部材により進退動部材を第1の係止部の方向に付勢可能であればよく、保持部材本体のコ字状屈曲部の端面に対する進退動部材の爪部は必ずしも必要ではなく、前記バネ部材の前記配設状態も特に制限されない。前記保持部材の進退動部材は、少なくとも第2の凹溝に対して係止可能な係止部を備えていればよく、前記爪部(係合部)と係止部とを備えている必要はない。例えば、前記両側壁の凹溝のうち一方の凹溝(第1の凹溝)に対して係止可能な係止部(鈎状屈曲部など)と、この係止部に向かって付勢され、かつ他方の凹溝(第2の凹溝)に対して係止可能な係止部(第2の係止部)が形成された進退動部材とを備えていてもよい。この係止部は、付勢力に抗して第2の凹溝に係止可能であればよいが、ワンタッチ式に第2の凹溝に係止させるため、進退動部材は、ガイド部材に対する押圧に伴って進退動部材を後退動させて他方の凹溝(第2の凹溝)と係合可能な第2の係止部を備えているのが好ましい。このような係止部は、前記傾斜面(一方の凹溝側にいくにつれて上方に傾斜し、かつガイド部材の上部コーナー部が接触可能な傾斜面)を形成することにより形成できる。
【0065】
傾斜面は直線状に傾斜していてもよく、湾曲状に傾斜していてもよい。また、傾斜面の傾斜角度及び進退動部材の進退動方向の長さは、過度の押圧力を必要としない範囲であればよい。すなわち、進退動部材の進退動方向を基準にして、傾斜面の傾斜角度が大きくなると、小さな押圧力で進退動部材を後退動でき、傾斜面の傾斜角度が小さくなると、大きな押圧力で進退動部材を後退動できる。そのため、傾斜面の傾斜角度を小さくすると、大きな係止力で凹溝に対して爪部や係止部を係止できる。また、爪部及び係止部において、進退動部材の進退動方向の傾斜面の長さを小さくすると、小さな進退動(ストローク)で進退動部材を後退動でき、傾斜面の長さが大きくなると、大きな進退動(ストローク)で進退動部材を後退動できる。そのため、傾斜面の長さを大きくすると、大きな係止力で凹溝に対して爪部や係止部を係止できる。
【0066】
進退動部材において、牽引操作部は必ずしも必要ではなく、牽引操作部の形成部位も特に制限されず、進退動部材の進退動を操作可能な部位(例えば、進退動部材の下面や側面など)であればよい。牽引操作部を形成すると、進退動部材を容易に後退動でき、凹溝と係合部(又は爪部)との係合を容易に解除できる。
【0067】
ガイド部材(架設レール部材)の断面形状は、円形状、楕円形状などであってもよいが、断面多角形状(溝部が形成される下側面を有する多角形状、例えば、断面四角形状、断面六角形状、断面八角形状など)、特に上下方向及び左右方向が対称な対称構造であるのが好ましい。特に、軽量化するためには、中空状、例えば、断面中空多面体状(断面中空多角形状)であるのが好ましい。架設レール部材は鉄やステンレススチール製などであってもよいが、通常、アルミニウム又はアルミニウム合金製である場合が多い。特に、中空状の架設レール部材は、アルミニウムのダイカストにより形成されている場合が多い。なお、中空円筒状の架設レール部材に比べて、断面中空多角形状(断面H状の骨格を有する断面八角形状などの多角形状)の架設レール部材は、曲げ強度などの強度が大きく、前記仮設テントの骨組みを形成するのに有利である。
【0068】
ガイド部材(架設レール部材)は、連結手段により支柱に対して横方向に連結可能であってもよい。ガイド溝は、通常、ランナーの脱落を防止するため、少なくとも開口部側の底部から上方にL字状に延びる壁部を有するガイド溝、特に開口部の対向壁(底部壁及び上部壁)が狭まったアリ溝状の形態のガイド溝であるのが好ましい。
【0069】
ガイド部材のスライド溝は、下部(又は下面)が開口した状態(下部又は下面に走行域を形成した形態)で長手方向に沿って形成すればよく、スライド溝はランナーが走行可能であればよく、ランナーの構造に応じて種々の形態が採用できる。スライド溝の断面形状は、ランナーの脱落を防止するため、通常、アリ溝状である。
【0070】
さらに、ガイド部材は、ランナーの脱落防止機構又は構造(ストッパー)を備えていてもよい。ランナーの走行を規制するストッパーは、前記スライド溝の幅を狭める手段、例えば、堰部、突起部や凸部などで構成してもよく、スライド溝を横断する横断部材、スライド溝を端部で塞ぐ閉塞部材などで構成してもよい。
【0071】
スライド溝をスライド又は走行可能なランナーは、スライド溝内での走行部と、カーテンの少なくとも上端部に接続又は連結可能な接続部(又は連結部)とを備えていればよい。前記ランナーは、通常、前記ガイド部材のスライド溝内で転動して走行可能なローラ部(ランナー部)(特に、一対のローラ部)と、このローラ部を貫通して回動可能に支持する支持ピンと、この支持ピンを回動又は揺動可能に支持する支持部(例えば、一対のローラ部の間の支持ピン又は一対のローラ部の両側部から延出する支持ピンを回動又は揺動可能に支持するアーチ状(又は断面逆U字状)の支持部)と、この支持部(例えば、アーチ状(又は断面逆U字状)支持部の上部壁)に対して一方の端部が抜き出し不能であり、かつ360°に亘って回動可能に取り付けられた軸部(又は円柱状連結部)と、この軸部の他方の端部に対して揺動可能に装着され、かつカーテンの上端部及び下端部に形成された被接続部(又は被連結部)に対してそれぞれ接続又は連結可能な接続部(フック部材など)とを備えている。なお、前記軸部とフック部材との間には、軸部の他方の端部に形成された孔部に対して揺動可能に装着されたリング部が介在していてもよく、このリング部に対して接続部(フック部材など)が揺動可能に装着されていてもよい。また、フック部材は、側部が開放し全体としてリング状の形態を有するC字状フック部本体と、前記開放部を開閉可能な開閉桿とを備えていてもよく、前記リング部とカーテンの被連結部とを連結するS字状の連結部材で構成してもよい。さらに、遮蔽シート又はカーテンに対する前記接続部は、遮蔽シート又はカーテンを挟持するチャッキング部材などで構成してもよい。好ましいランナーは、遮蔽シート又はカーテンの上端部に形成された被接続部(被連結部)に対してワンタッチ式に装着可能なフック部材を備えている。
【0072】
ランナーは金属製又はプラスチック製であってもよいが、強度を保持するとともに、消音性を高めるため、ランナーのうちガイド部材との接触部(例えば、ローラ部及び支持部)はプラスチック(例えば、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂などの強度の大きなプラスチック)で形成されているのが好ましい。このようなランナーにおいて、支持ピン、軸部及びフック部材(リング部を含む)は金属製である場合が多い。
【0073】
遮蔽シート又はカーテン(遮蔽要素)は、前記支柱と架設レール部材とで形成される区画3を遮蔽可能であればよく、例えば、ネットなどの網状体、布(織布/不織布などの布帛)、プラスチックシート又はフィルムや樹脂含浸布帛などであってもよい。また、遮蔽シート又はカーテンは透明性を有していてもよく不透明であってもよく、着色していてもよい。遮蔽シート又はカーテンは、風によりばたつくのを防止又は抑制するため、縦方向に延びる棒状体を備えていてもよい。この棒状体は横方向に向かって所定間隔をおいて遮蔽シート又はカーテンに取り付けてもよく、遮蔽シート又はカーテンの少なくとも両端部に取り付けてもよい。横方向にランナーの接続部(又は連結部)が接続されるカーテンの被接続部は、前記孔部で構成してもよく、図示のように被連結部(孔部)の周辺部はリング体で補強されていてもよい。遮蔽シート又はカーテンは横方向に折り畳み可能であってもよく、平面状のシートであってもよい。さらに、被接続部は、ランナーの接続部の構造及び接続機構に応じて、種々の加工が施されていてもよく、例えば、接続部を挟持するチャッキング機構で構成する場合、被接続部は凹凸又は滑り止め加工されていてもよい。
【0074】
さらに、遮蔽シート又はカーテンは、一方の方向に開閉可能な片開き様式であってもよく、両方向に開閉可能な両開き方式であってもよい。また、遮蔽シート又はカーテンの閉じ状態を維持するため、隣接する遮蔽シート又はカーテンの側部に取り付けられた閉じ手段、例えば、係止又は架け止め機構、磁気的吸着手段などを備えていてもよい。
【0075】
前記の例では、ランナーを介してガイド部材から垂下又は吊り下げ状態で遮蔽シート又はカーテンをスライド式に開閉できるが、仮設テントの支柱の下部(例えば、下端部)にもガイド部材(架設レール部材)を配設し、遮蔽シートの上部(上端部)だけでなく下部(下端部)のガイド部材にもランナーを連結又は装着して、上部のガイド部材及び下部のガイド部材に沿ってランナーを走行させてもよい。このような構造では、カーテンなどの遮蔽シートの上下端部をそれぞれランナーに連結できるため、風により遮蔽シートが舞い上がったり、大きくなびくことがなく、仮設テント内を有効に保護できる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の仮設テント部材及び仮設テントは、災害、集会、露店などにおいて、一時的又は長期的に設営し、直射日光、風雨、寒暑、塵芥などの外的悪環境を避けるために利用できる。
【符号の説明】
【0077】
1…仮設テント
2…支柱
3…架設部材
6…天幕(屋根部材)
8a,8b…挟持部材(取付部材)
10a,10b…ゴム部材
11,41…延出部
13,43…保持部材
19…ガイド部材
21…スライド溝
22…ランナー
23…ローラ部
24…円柱状連結部
25…フック部材
26…カーテン
27…孔部
38…取付部材
53…保持部材
54…保持部材本体
55…第1の係止部
56…進退動部材
57…バネ部材
63…爪部
63a…傾斜面
64…第2の係止部
64a…傾斜面
65…牽引操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱間に架設された架設部材に沿って、遮蔽シートを横方向に開閉可能に取り付けるための仮設テント部材であって、前記架設部材に対して固定可能であり、かつ前記架設部材に沿って延びるスライド溝を有する取付ユニットと、この取付ユニットのスライド溝に沿って走行可能であり、かつ遮蔽シートの上端部に接続可能なランナーとを備えている仮設テント部材。
【請求項2】
取付ユニットが、架設部材に対して固定可能な取付部材と、この取付部材に直接的又は間接的に取り付けられ、かつ前記架設部材に沿って延びる長尺ガイド部材と、このガイド部材に形成されたスライド溝とを備えている請求項1記載の仮設テント部材。
【請求項3】
架設部材が断面円形状の棒状部材であり、取付ユニットが、前記棒状部材に対して周方向に不動状に取り付け可能な取付部材と、この取付部材から側部方向に延びる延出部と、この延出部に取り付けられ、かつランナーが走行可能な形態で、スライド溝を有するガイド部材を保持可能な保持部材とを備えている請求項1又は2記載の仮設テント部材。
【請求項4】
取付ユニットが、架設部材に形成された孔部と、前記架設部材の周方向に移動可能な内面を有する当接部材と、この当接部材に形成された周方向に延びる長孔と、この長孔と架設部材の孔部とに対して挿入可能であり、かつ架設部材と当接部材とを締結可能なネジ部材と、前記当接部材から延出する延出部と、この延出部に取り付けられ、スライド溝を有するガイド部材を保持可能な保持部材とを備えており、このガイド部材のスライド溝に複数のランナーが走行可能である請求項1〜3のいずれかに記載の仮設テント部材。
【請求項5】
取付ユニットが、ヒンジ式に開閉可能であるとともに、閉じ操作によりゴム部材を介して架設部材を挟持可能な一対の挟持部材と、この一対の挟持部材を締結するための締結部材、前記挟持部材から延出する延出部と、この延出部に取り付けられ、スライド溝を有するガイド部材を保持可能な保持部材とを備えており、このガイド部材のスライド溝に複数のランナーが走行可能である請求項1〜3のいずれかに記載の仮設テント部材。
【請求項6】
ガイド部材が上部両側壁に凹溝を有しており、保持部材が、前記両側壁の凹溝のうち一方の凹溝に対して係止可能な第1の係止部と、この係止部に向かって付勢され、かつ他方の凹溝に対して係止可能な第2の係止部が形成された進退動部材とを備えている請求項3〜5のいずれかに記載の仮設テント部材。
【請求項7】
進退動部材の第2の係止部が、ガイド部材に対する押圧に伴って進退動部材を後退動させて他方の凹溝と係止可能である請求項6記載の架設テント部材。
【請求項8】
進退動部材が、一方の凹溝側にいくにつれて上方に傾斜し、かつガイド部材の上部コーナー部が接触可能な傾斜面を有するとともに、前記進退動部材の後退動に伴って他方の凹溝に対して係止可能な爪部と、この爪部よりも一方の凹溝側に延出し、前記一方の凹溝側にいくにつれて上方に傾斜した傾斜面を有するとともに、前記進退動部材の後退動に伴って他方の凹溝に対して係止可能な第2の係止部とを備えている請求項6又は7記載の架設テント部材。
【請求項9】
進退動部材の進退動方向を基準にして、爪部の傾斜面よりも第2の係止部の傾斜面の傾斜角度が小さい請求項8記載の架設テント部材。
【請求項10】
取付ユニットが、ヒンジ式に開閉可能であるとともに、閉じ操作により架設部材の外周面に対応又は適合した内面を形成し、かつ前記架設部材を挟持可能な一対の挟持部材と、この挟持部材の内面に、閉じ操作に伴って前記架設部材と接触可能に取り付けられたゴム部材と、前記一対の挟持部材を締結するための締結部材とを備えている請求項1〜9のいずれかに記載の仮設テント部材。
【請求項11】
スライド溝が断面アリ溝状であり、このアリ溝状スライド溝に、複数のランナーが走行可能に配設されており、各ランナーが、スライド溝内で転動して走行可能なローラ部と、このローラ部を貫通して回動可能に支持する支持ピンと、この支持ピンを回動又は揺動可能に支持する支持部と、この支持部に対して一方の端部が抜き出し不能であり、かつ360°に亘って回動可能に取り付けられた軸部と、この軸部の他方の端部に対して揺動可能に装着され、かつ遮蔽シートの上端部に形成された被接続部に対してそれぞれ接続可能な接続部とを備えている請求項1〜10のいずれかに記載の仮設テント部材。
【請求項12】
所定間隔をおいて立設可能な複数の支柱と、少なくとも1つの支柱間に架設された架設部材と、前記支柱で支持され、かつ上部領域を覆うための屋根部材とを備えた仮設テントであって、前記架設部材に対して固定可能であり、かつ前記架設部材に沿って延びるスライド溝を有する取付ユニットと、この取付ユニットのスライド溝に沿って走行可能であり、かつ遮蔽シートの上端部に接続可能なランナーとを備えており、前記遮蔽シートが横方向に開閉可能な仮設テント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−285860(P2010−285860A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172981(P2009−172981)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(500410846)岡田装飾金物株式会社 (12)
【Fターム(参考)】