説明

企業データへのアクセス、注釈及びシェアリング方法及びシステム

企業環境における、及び様々な異なる情報源からの、簡易インタフェースを使用するフレキシブルでクロスプラットフォームなデータアクセスを可能にする方法及び/又はシステムは、クライアントプロセスを介する多くのデータソースの複数の及び/又は並行する調査、及びユーザによる修正、相互参照又は注釈が可能な複数の結果の返答を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、本参照により開示に含まれる2005年3月1日に提出された米国仮出願第60/658,659号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、企業環境のデータ、特に、異なるフォーマットで格納されたデータに、異なるデータアプリケーションを使用して容易にアクセスすることを可能にする方法及び/又はシステム及び/又は装置に関する。特有の実施形態においては、本発明は、データのクロスプラットフォームかつクロスアプリケーションなフェッチング、提示、コンパイル、注釈、相互参照、レポーティング及び/又は更新のうちの1つ又はそれ以上を容易に実行するための、本明細書にその例を記述している少なくとも1つの論理モジュール又は方法に関する。別の実施形態においては、本発明は、コンピュータ又は情報を使用可能にされた他の装置等のデータ処理装置又はシステム上で実行され得る少なくとも1つの方法に関する。別の実施形態では、本発明は、大型のデータアプリケーションとハンドヘルドの又は他の携帯できる装置との間のデータ処理を促進する少なくとも1つの方法に関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術においては、様々なソフトウェアアプリケーションからのネットワークを介したデータへのアクセスに焦点をあてるソフトウェアアプリケーションがいくつか提案されている。例えば、バビロン(Babylon)に譲渡された特許文献1は、ソフトウェアアプリケーションにおいて示される語句を1つの言語から別の言語に翻訳することについて論じている。非特許文献1及び特許文献2乃至3によって他の解決方法が論じられている。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6298158号明細書。
【特許文献2】米国特許第6519631号明細書。
【特許文献3】米国特許第6341306号明細書。
【非特許文献1】Guru Israel, Inc., インターネット<URL: http://www.gurunet.com>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
会社等の企業内に格納されているデータへのより容易なアクセスを提供することについてはかなりの関心が持たれてきたが、既存の提案は一般に、特に企業における、大規模な容量及び/又は様々なデータを有するシステムの容易な使用及び/又は配備を可能にする複数の特徴の組合せを提供していない。
【0006】
本件出願と共に提出したあらゆる書類を含む今回の提出物の任意の場所に記されている任意の著作物、出版物、販売又は活動に関する議論を、このような著作物が先行技術を成すことを是認するものとして考慮してはならない。本明細書における任意の活動、著作物又は公報に関する言及は、このような活動、著作物又は公報が存在したこと、又は任意の特定の管轄内において知られていたことを是認するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、その特有の実施形態において、企業環境における及び様々な異なる情報源からのフレキシブルでクロスプラットフォームなデータアクセスを、便利で簡易なインタフェースを使用して可能にする方法及び/又はシステムに関連する。本発明は、その特有の実施形態において、多くのデータアプリケーションについて示されるかなりの量のデータセットの複数の及び/又は並行する調査を可能にし、かつ複数の結果が、オプションとしてコンパイルされた、又は収集された提示で返されることを可能にする。特有の実施形態では、本発明によるシステムは、1つの企業内における複数のユーザがその企業内部に格納されているデータの幾つか又は全てに、及び実施形態によっては外部データに、容易、迅速かつフレキシブルにアクセスできるようにする。別の実施形態では、本発明は、ユーザが異なるソースからのデータ間の関係を理解し、かつこのようなデータを注釈又は他の目的に使用することができるようにする。実施形態によっては、企業内部又は外部のデータへのアクセスを、任意の第三者のアプリケーション内部から、上記第三者のアプリケーションを全く修正する必要なしに直接トリガすることができる。
【0008】
本発明の特有の実施形態によれば、所定の機密情報の閲覧を認可されていないユーザがこのような情報を見ることができないように、かつ/又はこのような情報が企業内のデータ格納装置内に格納されているという表示を提供されないように、複数段階のセキュリティ及び/又はアクセス制御がシステムに組み込まれる。実施形態によっては、複数段階のセキュリティ及び/又はアクセス制御は、データベース、表、行、レコード、列、セル、領域又はオブジェクトのレベルでの制御を、ネイティブなデータアプリケーションによってこのような制御が提供されていない場合でも、可能にすることができる。
【0009】
特有の実施形態によれば、本発明は下記のように動作する。ユーザの情報処理機器において、クライアントプロセス(シンクライアント、クライアント又はクライアントアプリケーションと言われることもある。)を使用して、1つの単語、1つのフレーズ又は任意の量の英数字のデータ又は他のデータが指示される又は選択される。特有の実施形態では、このデータは質問データ(又は質問)と言われる。本発明の特有の実施形態によれば、質問データは、時に、密接な関係がないかなりの量のデータを含んでもよく、このことは、結果的にリレーサーバによる多くの別個のデータ探索又は他の複数のデータサービス又は複数のアクションにつながる。
【0010】
本発明の特有の実施形態によれば、質問データはリレーサーバ(又はサーバ)へ転送される。本発明の特有の実施形態に係るリレーサーバは、企業内で動作する少なくとも1つの論理モジュール及び/又は情報装置を備え、当該論理モジュール及び/又は情報装置は、複数のクライアントプロセスから質問データを受信する能力及びどのデータ格納装置及び/又はアプリケーションがアクセスされるべきかを決定する能力を有しており、かつさらに、上記質問データ又はサブセットを異なる複数のデータ格納装置又は複数のアプリケーションに提出又は提示する能力を有する。別の実施形態では、リレーサーバは、複数の異なるデータベースアプリケーションからの複数の応答を受信し、オプションとして、これらの応答をフォーマットしかつ/又はコンパイルしかつ/又はさらに調査することにより、クライアントプロセスに送り返す。クライアントプロセスは、ユーザのためのアクセスが容易なバージョンの応答を提示し、かつさらにオプションとして、上記応答に関係するデータサービスのオプションを提示してもよい。
【0011】
様々な実施形態において、応答は、クライアントプロセスにより、ユーザの表示装置上のHTMLブラウザのウィンドウ等の補助ウィンドウに提示されてもよい。提示は、ハンドヘルド又は他の装置の表示装置上のポップアップのウィンドウ又はサイズ変更が可能なウィンドウ内にあってもよく、又は可聴式であってもよい。
【0012】
特有の実施形態では、複数の異なるデータアプリケーション又はデータ格納装置からの応答は1つの応答提示に統合され、これにより、ユーザは、多くの異なるデータソース(又はデータ源)からのデータを容易に知覚しかつ/又は上記データと対話することができる。例えば、実施形態によれば、少なくとも1つのインタフェース指示子は、HTML形式及びリッチクライアントアプリケーションを含んでもよい。適切なリッチクライアントアプリケーションの例には、例えば、組込みのリッチクライアントアプリケーション、データアプリケーションにネイティブな独立型(スタンドアロン)のリッチクライアント及び上記データアプリケーションによって格納されるデータへアクセスするために特別に生成される場合もあればそうでない場合もある第三者の独立型のリッチクライアントが含まれる。別の実施形態では、提示されるデータの幾つか又は全ては、より詳細な情報及び/又は基礎を成すデータアプリケーション又はデータ格納装置へのアクセスを許容するリンクを含む。別の実施形態では、提示されるデータの幾つか又は全ては、基礎を成すデータアプリケーションに格納されているデータをユーザが更新又は修正できるようにするリンク又は他の手段を提供する。
【0013】
別の実施形態では、リレーサーバは、特定のユーザ、グループ等に関する格納されたデータを使用することにより、特定のデータ格納装置又はデータアプリケーションに如何にしてアクセスするか、及び如何にして応答をフォーマットするかを決定できる。このリレーサーバの格納されたデータは、ユーザの認証、当該組織におけるユーザの職務、特定のアプリケーションへのアクセスの許可、特定の情報装置の特性等に関する情報を含んでもよい。
【0014】
別の実施形態では、リレーサーバ及びクライアントプロセスは、ユーザが異なるデータ格納装置から別々に検索されたデータを利用することを可能にすることができる。異なるデータ格納装置からのデータは、注文書の記入等のタスクを自動化するために、リレーサーバ及びクライアントプロセスによって結合されてもよい。また本発明は、ユーザが異なるデータ格納装置に別々に格納されているデータの相互参照及び注釈を行うことも可能にする。
【0015】
特有の実施形態においては、下記の例を考察することによって本発明をさらに理解することができる。ここで、ある企業(例えば、会社、医療機関、教育機関等)が購買追跡に関連する3つの異なるデータ格納アプリケーション、例えば(1)Win32クライアントを有し組込みのウェブインタフェースを持たない市販の(例えば、オラクル(Oracle)(登録商標)ベースの)金融システム、(2)マイクロソフト(Microsoft)(登録商標)−SQL(オプションとしてウェブベースの)在庫システム及び(3)ウェブベースの専用調達システムを使用すると仮定する。多くの企業環境では、あるデータの項目(例えば、注文書(PO(purcahse order))番号)を3つ全てのデータアプリケーションを介して追跡することを希望するユーザは、おそらく3つの異なる検索形式を使用して3つの別々の検索を実行する必要があると思われる。さらに、状況によっては、ユーザは、数回のログイン又は自己認証を要求される場合もある。さらに、ユーザがこれらの異なる検索に関連するデータを1つのビュー又は報告書にまとめる簡単な方法を持たないことも予想される。
【0016】
本発明によれば、適正な認証を有するユーザは3つのデータ格納装置の全てに容易にアクセスすることができる。特有の実施形態では、ユーザは、ユーザの情報機器においてクライアントプロセスに質問データ(例えば、PO番号又はPO番号を含むテキスト)を指示するだけでよい。クライアントプロセスは、質問データに基づく適切な要求を様々なデータアプリケーション又はデータ格納装置へ送ることのできるリレーサーバと通信する。リレーサーバは、様々なデータアプリケーション又はデータ格納装置から応答を受信し、ユーザへの提示のために応答をクライアントプロセスに送信する。
【0017】
本発明の特有の好適な実施形態に係る重要な優位点は、ほとんどの例において、本発明は基礎を成すデータ格納装置、データアプリケーション又はユーザインタフェースを修正する必要がないことにある。これまで、既存のデータを別の記憶位置にコピーするか又はフォーマットしなければならないシステム又は特定のタイプのデータベースアプリケーションを必要とするシステムは幾つか論じられているが、特有の実施形態におけるリレーサーバは、多くの異なるデータベースアプリケーション及び/又はデータサービスを使用する容易な配備を可能にするためにプラグインの構成を使用する。
【0018】
ソフトウェアの実装
本発明の様々な実施形態は、Java、C++、C#、Perl、Cobol、C、Pascal、Fortran、PLI、LISP、アッセンブリ等の適切なプログラミング言語、及びHTML、XML、dHTML、タブ区切りテキスト、バイナリ等の任意の適切なデータ又はフォーマット仕様を使用する汎用又は専用情報処理機器上に実装され得る分子モデリングのための方法及び/又はシステムを提供する。明確を期して、本明細書では、実際の実装における特徴の全てを説明しているわけではない。このような任意の実際の実装の展開においては(任意のソフトウェア開発プロジェクトの場合のように)、開発者固有の目的及び副目的を達成するために、実装毎に変わるシステム関連及び/又はビジネス関連の制約への準拠等の多くの実装固有の決定が下されなければならないことは理解されるであろう。さらに、このような開発努力は複雑で時間がかかる場合もあるが、それでもやはり本開示の恩恵を有する一般的な熟練者にとってはソフトウェアエンジニアリングにおける日課であることが認識されるであろう。
【0019】
他の特徴及び利点
本発明及び様々な特有の態様及び実施形態は、添付の図面及び下記の詳細な説明を参照することによってさらに良く理解されるであろう。明確を期して、装置、方法及び概念の検討は、特定の例に関して行う。しかしながら、本発明及びその態様は、様々なタイプの装置及びシステムに適用されてもよい。従って、本発明の意図は、添付の請求の範囲及び同等物に提示される内容によってのみ限定されることにある。
【0020】
さらに、本明細書に開示されているもの等の論理システム及び方法が様々な異なる構成要素及び異なる機能をモジュール式に包含し得る点は技術上周知である。本発明の異なる実施形態は、複数の要素及び複数の機能の異なる混合を含むことがあり、かつ様々な機能を様々な要素の一部として分類する場合がある。明確を期して、本発明の説明は、多くの異なる革新的な構成要素及び革新的な構成要素と既知の構成要素との革新的な組合せを含むシステムに関連して行う。本発明を、本明細書における任意の例示的実施形態に挙げられている全ての革新的構成要素を含む組合せに限定するいかなる推論も採用すべきではない。
【0021】
本明細書に引用している全ての引例、公報、特許及び特許出願は、本参照によりあらゆる目的でその全体が開示に含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明を詳細に説明する前に、本発明が特定の組成又はシステムに限定されず、当然ながら変わり得るものである点は理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は単に特定の実施形態を説明する目的で使用されるものであり、限定を意図されたものではない点も理解されるべきである。本明細書及び添付の請求の範囲において使用されている単数形の不定冠詞である「a」,「an」及び定冠詞である「the」は、内容及び文脈が明らかにそうでないと決定づけるものでない限り、複数形の言及も包含する。従って、例えば「1つの装置(a device)」という言及は、2つ以上のこのような装置の組合せ等を含む。
【0023】
別段の定義のない限り、本明細書において使用される技術用語及び科学用語は、本発明が関連する分野の一般的な当業者によって共通して理解される意味を有する。本明細書では、好適な材料及び方法について説明するが、本発明の実施において又は本発明の試験を行うためには、本明細書において説明しているものと同様又は同等の方法及び材料であれば任意のものを使用することができる。
【0024】
1.概説
情報処理システムを使用する大企業は、膨大な量のデータにいよいよ直面している。特定のデータが特定の情報環境において既に知られており、かつ/又は記録されているか否か、どのデータが重要なデータである可能性があるか、何らかのデータをどのようにして他のデータに関連づけることができるか等の決定は、ますます威圧的な仕事となりつつある。この問題は、関連のあるデータを含む可能性がある、異なるタイプのソフトウェアアプリケーションが多数存在することによってさらに悪化する。ある個人は、例えば、電子メールのアプリケーションにおいて複数のコンタクトを保有し、スプレッドシートアプリケーションにおいて当該コンタクトのうちの少なくとも1つに関連する金融データを保有し、データベースアプリケーションにおいて当該コンタクトに関連する記録を保有し、かつ少なくとも1つの異なるワードプロセシング、ファイルシステム又は画像処理アプリケーションにおいて様々な文書、ラベル等を保有することがある。大会社、教育機関等の大企業環境では、データの量及びデータが保持される様々な異なるフォーマットはさらに恐るべきものとなる可能性がある。
【0025】
先行するソフトウェアアプリケーションの中には、よりフレキシブルなデータアクセシングに取り組んでいると論じられているものがある。例えば、グルネットイスラエル(Gurunet Israel)(www.gurunet.com)は、グルネットが収集している情報及び/又はワールドワイドウェブ上で入手可能な情報へのアクセスをユーザに提供するサービスを提示している。実施形態によっては、この情報は、ウィンドウズ(登録商標)のアプリケーションにおいて単語又は頭字語をクリックすることによって入手可能である。グルネットは、一般に、各個人のデスクトップ上にインストールされる大規模なクライアントアプリケーションを含む。企業環境においては、グルネットの技術は、一般に、特にグルネットと共用するために生成される複数の異なるデータベースの複製を利用する。関連技術は、特許文献2及び3にも記述されている。
【0026】
最近では、探索サービスツールが多くのマイクロソフト(登録商標)オフィス2003のアプリケーションに含まれている。このツールに関する解説は、このツールによってユーザは、オフィスのアプリケーションを出ることなくオンラインで、そのコンピュータ上で、又は何らかのイントラネットデータベース上で情報を参照できることを指摘している。複数のユーザは、1つの文書に定義、株式市況及び他の探索情報を挿入し、かつ探索の要求に合わせて設定値をカスタマイズすることができるようになる。探索作業ウィンドウにより、ユーザは複数のソースを検索することができ、又は特有のソースを選択することができる。探索作業ウィンドウから入手可能であると指示されるサービスの例には、(1)単語又はフレーズによる辞書の探索、(2)他の辞書を追加すること、(3)類語辞書の探索、(4)百科事典の検索、(5)翻訳、(6)株式市況及び会社情報の探索、(7)カスタムアクション及びスマートタグ、ただし、スマートタグは特有のタイプとして、例えば人の名前として認識されかつラベル付けされるデータ又はスマートタグでラベル付けされた電子メールのアドレスを含む、(8)探索サービスのリストに第三者のコンテンツを追加すること、(9)検索範囲及び質問に基づく最も関係の深い情報を提示すること、(10)MSNサーチを使用してウェブを検索すること、及び(11)マイクロソフトオフィスのシェアポイントポータルサーバ2003(Microsoft Office SharePoint Portal Server2003)をサポートするイントラネットサイトにアクセスすることが含まれる。
【0027】
2.本発明によるユーザ体験(user experience)の例
本発明は、主として、企業の情報環境に格納されているデータへの全企業的なアクセスを提供し、かつデータ分析又はグラフィック表示のような様々なデータ関連のサービスへのアクセスを提供するように設計される。先の多くの手法とは異なり、ユーザ体験及び技術は、第1に、ユーザがネイティブなデータアプリケーション及び主データベース格納装置を使用して、ただし統合された容易なユーザインタフェースによって、ユーザに認可されている全ての会社内データと対話できるように設計される。本発明の構造上及びユーザインタフェースの特徴は、様々な企業環境における容易な配備及び様々なデータアプリケーションと接続するように容易な適合化すること可能にするように設計される。あるオプションとしての特徴として、特有の実施形態は、多くの公的に入手可能な情報へのアクセスを提供することもできる。
【0028】
本発明の実施形態の主要な態様は、本発明の特有の実施形態に係るユーザインタフェース体験の例から理解することができる。本発明の特有の実施形態は、下記の例示的なグラフィック画面表示のうちの少なくとも1つに示すようなユーザ体験を提供する。当業者には、ソフトウェア・システムの多くの異なる実装がこれらの表示画面インタフェースによって説明されるような機能性を提供することができ、よって本発明の特有の実施形態に係るこれらの新規な態様は特有のソフトウェア及び/又はハードウェアの構成又は実装に限定されないことが理解されるであろう。逆に、本発明の教示によれば、これらの例とは大幅に異なる外観を有する表示画面インタフェース(例えば、異なるグラフィック設計、言語、パーツ配置等を使用するもの)及び異なるタイプの表示装置のために設計されるユーザインタフェース(例えば、電話機の表示装置、PDAの表示装置、ハンドヘルド及び/又はペンのコンピュータ等)及び視覚的な表示装置を持たず、ユーザとの音声対話に依存するインタフェースを含む多くの異なる特有のインタフェースを実装可能であることが明らかとなるであろう。従って、本発明を例示されているグラフィック表示に限定されるものとして理解すべきではない。
【0029】
図1は、本発明の特有の実施形態に係る、例えばオペレーティングシステム(OS)の下で実行される電子メールのアプリケーションである論理アプリケーションにおいて表示される情報を示す例示的な表示のブロック図である。本例では、任意の数の電子メールのアプリケーションに表示され得る又は音声の形式でユーザに提示され得る単純な電子メールのメッセージが示されている。この初期の表示では、表示されるデータはスペース及び他の句読点により分離される単純な英数字のテキストデータであって、この場合、関連する基本的なフォーマッティング又はタギングを持たないことに留意されたい。
【0030】
本発明の特有の実施形態によれば、ユーザは、クライアントプロセスを使用して、表示データのうちの幾つか及び/又は全てをリレーサーバによる分析のために指示することができる。ある特定例において、図2は、ユーザが電子メールのメッセージにおける英数字のテキストの全てを指示していることを示す。指示は、クライアントプロセスにより、例えばマウス又は他のポインティング装置の使用、キー打ちによる少なくとも1つのコマンドの使用、音声によるコマンドの使用等によってイネーブルされてもよい。ユーザは、クライアントプロセスによりリレーサーバへ送るもために、提示されているデータの幾つか、又は全てを指示してもよい。あるいは、本発明の特有の実施形態に係るクライアントプロセスは、特定のデータ(あらゆる電子メールのメッセージ又は件名、送信者、キーワード等に従ってフラグ付けされた電子メールのメッセージ等)が提示された時点で自動的に、提示されているデータの幾つか又は全てを分析のためにリレーサーバに送信することができる。
【0031】
図2は、表示されるテキストを、グラフィックポインティング装置を使用して選択すること示しているが、代わりに、ユーザは、例えば「全てを選択」、「全てを検索」、「数を検索」、「POを検索」、「化学物質を検索」、「公式を表示」、「名前を検索」等のような音声による指示を使用することもできる。音声による様々な指示の認識及び音声による指示の学習は、技術上理解されるように、クライアントプロセスにより、様々な実装において提供されることが可能である。
【0032】
図3は、本発明の特有の実施形態に係る、リレーサーバの応答を示す例示的な表示のブロック図である。本例では、2つのデータ格納装置(辞書又はデータベースと言われる場合もある。)及び1つのデータアプリケーションが結果を提供している。
【0033】
右上の部分では、電子メールのメッセージ内の単語が会社の名前のディレクトリ(例えば、「GNFディレクトリ」)と比較されている。本例では、「ジョン(John)」及び「スミス(Smith)」という2つの単語がディレクトリ内で発見され、レコードのヒット数は「スミス」が4個、「ジョン」が19個である。本例の場合、これらのヒットは青色のテキストで示されるハイパーリンクを使用して表示され、ユーザは、このリンクを選択することにより、発見された特定のレコードに関する別の情報を検索することができる。
【0034】
右下の部分では、電子メールのメッセージ内の全ての単語が企業ラボラトリデータベース(例えば、「生物学的受入れ番号」データベース)と比較されている。本例では、「PFL2640c」という1つのフレーズがそのデータベース内に発見されている。本例の場合、このフレーズは、ユーザがそれを選択すると、発見された特定のレコードに関する別の情報を検索することができるハイパーリンクを使用して表示されている。このサブウィンドウ内の「SymAtlasを検索」ボタンは、「生物学的受入れ番号」データに関連する別の機能を提供する。
【0035】
右中央の部分には、異なるタイプの結果が示されている。この場合は、リレーサーチエンジンがさらにイネーブルされることにより、データ格納装置における検索ではない何らかのタイプの処理によって表現され得る英数字のテキストを認識している。本例では、データサービスが所定の化学式のグラフィック表現を提供している。本例の場合は、化学式C1CCCCC1C(=0)CC1が、リレーサーバを介して入手可能なサービス(本例では、スマイルズ(SMILES)と言われる。)によりグラフィックに表示することができるものとして認識され、このグラフィック表示が提供されている。このグラフィックレコードは、ユーザが選択すると上記化学式についてのサービス関連の分析をさらに得ることのできるハイパーリンクとして提示されている。リレーサーバはさらに、上記化学式がラボラトリデータベース(例えば、LDDBと言われるデータベース。)に関係する可能性があるとして認識されたものであったことを指摘している。この認識は、質問データを特定のデータ格納装置又はデータアプリケーションに関連する可能性のあるフォーマットであるとして認識する正規表現等の規則に基づくものであってもよい。本例の場合、上記化学式はラボラトリデータベースに関連する可能性があるとして認識されたものの、検索が実行されると、整合するレコードは発見されていない。
【0036】
図4は、本発明の特有の実施形態に係る、1つの名前を選択した後のリレーサーバの応答を示す例示的な表示のブロック図である。本図は、選択された2つの異なる名前に関する表示の例を示している。これらの2つの場合において、1つの名前を選択した後に提示されたデータは、本質的に、会社ディレクトリ型のデータベースからのレコードである。本例では、名前を強調表示することにより、電子メールを送信すること、電話番号をダイヤルすること又はユーザによるデータ更新を可能にするためにデータベースエントリを開くこと等の追加の機能を提供できるハイパーリンクを示して、名前が強調表示されている。別の実施形態では、ユーザにそれが許可されている場合、ユーザは、表示されたフィールドを選択することによって、そのフィールドを修正することができる。認証されかつ修正されたデータは、次には一般にリレーサーバを介してもとのデータアプリケーションへ返される。リレーサーバ又はデータアプリケーションでは、別の認証チェックが行われることがあり、ユーザが認可されればデータは修正される。
【0037】
図5は、本発明の特有の実施形態に係る、化合物の同定を選択した後のリレーサーバの応答を示す例示的な表示のブロック図である。本例では、その化合物に関する情報にアクセスしかつ/又はこれを修正するために、多くの異なるオプションが提供されている。左上のタブ(インシリコ(In Silico))は、ユーザがコンピュータを使用した上記化合物の検査、実験、特徴づけ等に関連する検定結果、他のデータ、分析等にアクセスできるようにする。次のタブ(ライブラリ情報)は、ユーザが上記化合物に関連して格納されている任意の参照又はライブラリデータにアクセスできるようにする。生物学的データのタブは、本図において表示されているタブであるが、左側に上記化合物の2次元表現を示し、上記化合物の3次元表示の起動を可能にするリンクを提供し、かつ下側に他の等価化合物へのリンクを可能にしている。右側の構造アラートのタブは、分析結果又は上記化合物の構造に関する他のデータを示す。これらのオプションは単なる例示であるが、本発明の特有の実施形態によれば、これらは全て、簡易なクライアントインタフェースを介して様々な企業データへのアクセスを提供する。
【0038】
図6は、本発明の特有の実施形態に係る、化合物描写表示を選択した後のリレーサーバの応答表示を示す例示的な表示のブロック図である。本例では、返された返答レポートが化学式のアクティブな描画を含み、色の変更、水素原子の表示等の様々な表示オプションの制御を提供する。また、リレーサーバにより、本質的には辞書又はデータ格納装置における探索ではない他のサービスも提供することができる。
【0039】
図7は、本発明の特有の実施形態に係る、リレーサーバの検索結果を示す別の例示的な表示のブロック図である。本例では、クライアントプロセスは、2つのデータ格納装置からの質問データへの応答を表示している。ディレクトリのサブウィンドウは、名前を検索するデータサービスからの応答を示している。EWOのサブウィンドウ(技術作業命令(Engineering Work Order))は、リレーサーバから送られた作業命令番号のデータ格納装置からの応答を表示している。図8は、本発明の特有の実施形態に係る、ディレクトリ結果を示しかつ特有のデータ格納装置へ適用可能なユーザオプション及び機能を示す例示的な表示のブロック図である。
【0040】
これらの例示的な図では、表示はトップに、応答がリレーする先である質問データを指示する質問データフィールドを示している。各サブウィンドウは、このサブウィンドウを閉じるための「X」印と、そのサブウィンドウに関するヘルプ及び/又は結果を提供したデータ格納装置又はデータアプリケーションに関するヘルプを得るための「?」印とを含む。
【0041】
図9は、本発明の特有の実施形態に係る、異なるデータ格納装置又はデータアプリケーションの検索順序をカスタマイズするためのユーザオプションを示す例示的な表示のブロック図である。本例では、合計で10個のデータ格納装置又はデータアプリケーションが表示のために利用可能であり、かつチェックボックスにより、特定の各データ格納装置又はデータサービスに視覚的にアクセスするか否かを指示することができる。検索順序フィールドは、質問データを異なるデータサービスへ送る順序及び/又は応答を表示する順序をユーザが指示できるようにする。この例示的な実施形態では、本例では小数値を入力することのできる検索順序カラムにより指定される個々のランクに従って、アクティブなデータ格納装置が順次表示されている。例えば、順序番号2.5は、データ格納装置をランク2と3の間に配置する。
【0042】
他の実施形態では、辞書結果の順序は動的であってもよく、特定の複数の結果のありそうな関連性に基づいて、クライアント又はリレーサーバによって指示されてもよい。
【0043】
図10A−Dは、本発明の特有の実施形態に係る、クライアントプロセスの動作をカスタマイズしかつ/又はリレーサーバと対話するためのユーザ構成のオプションを示す例示的な表示のブロック図である。カスタム化のために提供される機能は、本発明の特有の実施形態に従って変わる。本例では、図10Aにおいて、格納されるべき検索の履歴をユーザが指定できるようにしかつ上記履歴をユーザがクリアできるようにするフィールドが提供されている。さらに、ユーザがログファイルのサイズを指示できるようにするフィールドも提供されている。表示オプションは、応答ウィンドウが常にトップに存在することをユーザが指示しかつウィンドウの配置等に関するオプションを選択できるようにする。図10Bでは、ユーザが登録情報を入力する。図10Cでは、ユーザは更新オプションを指定することができる。図10Dでは、キーボード及びマウスのホットキー設定により、ユーザは、そのキーボード及びマウスとクライアントアプリケーションとの対話のしかたをカスタマイズすることができる。
【0044】
3.例示的な方法
さらに本発明は、ユーザが本発明の特有の実施形態に係るコンピューティング装置上で実行されるクライアントプロセス及びリレーサーバを使用して様々なデータソースと対話することを可能にする、少なくとも1つの方法に関連するものとして理解されてもよい。図11は、本発明の特有の実施形態に係る、クライアントプロセスを使用して質問データを指示し、かつ1つのリレーサーバを使用して複数のデータソースから複数の応答を取得する例示的な方法を示すフローチャートである。
【0045】
1つの例示的な方法によれば、クライアント情報機器において、ユーザは、シンクライアントの論理プロセスを使用して質問データを指示する(ステップA1)。次に、上記データは、少なくとも1つのデータソース又はデータアプリケーションに対する少なくとも1つの要求を抽出することのできるリレーサーバシステムに送信される(ステップA2)。リレーサーバシステムは、オプションとして処理済み及び/又は生の質問データを含む要求を少なくとも1つの企業データソースへ提出し、データ結果を受信する(ステップA3)。リレーサーバは、オプションとして、データソースからのデータ応答をフォーマットし(ステップA4)、次に、上記応答をクライアントプロセスに送信し返すことができる(ステップA5)。クライアントプロセスは、応答データをユーザへ提示する(ステップA6)。
【0046】
図12は、本発明の特有の実施形態に係る、クライアントプロセスを使用して質問データを指示し、かつプラグインを有するリレーサーバを使用して応答を取得しかつ複数のデータソースへのアクティブリンクを提供する例示的な方法を示すフローチャートである。別の例示的な方法によれば、クライアント情報機器において、クライアントプロセスを使用して質問データが指示される(ステップB1)。質問データは、オプションとして、リレーサーバにおいて前処理され(ステップB2)、次に、複数のプラグインによって調査されることにより、上記質問データのうちの企業データソースに関連する部分を決定すべく(ステップB3)。次に、プラグインを使用して、質問データ及び/又は抽出された要求が2つ以上の企業データアプリケーションへ提出され、データ結果が受信される(ステップB4)。ただし、状況によっては、2つのデータアプリケーションに関する限り、名前及びPO番号のように、上記要求は事実上無関係であってもよい。リレーサーバシステムでは、データ結果がクライアント機器における統合表示のためにフォーマットされ(ステップB5)、次に、フォーマットされたデータはクライアントプロセスに送信される(ステップB6)。クライアントプロセスは、上記データをユーザによるビューイング及び/又は修正のために提示する(ステップB7)。
【0047】
図13は、本発明の特有の実施形態に係る、リレーサーバ及びプラグインを使用して質問データを分析しかつ結果を決定する例示的な方法を示すフローチャートである。本例では、質問データはリレーサーバにおいて受信される(ステップC1)。リレーサーバは、オプションとして特定の順序で呼び出すプラグインの選択を決定することにより、ユーザの好み及び/又は認証及び/又はデータコンテンツに基づいて質問データを走査し(ステップC2)、質問データ及び/又はユーザの好み及び/又は認証を送るための標準インタフェースを使用して少なくとも1つのプラグインを呼び出す(ステップC3)。一旦呼び出されると、各プラグインは関連するデータアプリケーションへ提出する少なくとも1つの要求を決定する。ただし、これらの要求は、必ずしも互いに関連するものではなく、上記質問データの複数の異なる部分から取り込まれる(ステップC4)。例えば、名前ディレクトリのプラグインは、可能な名前として質問データの幾つかの異なる部分からの6つの異なる単語を同定し、名前ディレクトリのデータアプリケーションに事実上6つの別々の要求を提出してもよい。これらの名前は、ほとんど無関係でもよく、全く関係がなくてもよい。同様に、化学式のプラグインも化学的な識別子である可能性のある質問データの全く異なる4つの部分を同定し、4つの要求を化学データベースのアプリケーションに提出し、かつ同じ4つの要求を化学グラフィックのアプリケーションに提出してもよい。各プラグインは、関連するデータアプリケーションから応答を受信する。ただし、応答は必ずしも関係のあるものではなく(ステップC5)、各プラグインは、応答データを、標準インタフェースを使用してリレーサーバに転送する(ステップC6)。リレーサーバは、応答データをコンパイルしてクライアントプロセスに転送するための返答レポートにする(ステップC7)。
【0048】
4.例示的なシステム構成
特有の実施形態によれば、本発明は、1つのクライアントプロセス又はアプリケーション(複数のクライアントプロセス)の多くの例と、サーバのプロセス、アプリケーション又はシステム(リレーサーバ)とから成るものと理解することができる。先に論じたように、特有の実施形態では、クライアントプロセスは自動的に、又はユーザのアクションに応答して、任意の互換性のあるオペレーティングシステム(ウィンドウズ(登録商標)又はリナックス(Linux)(登録商標)等)における実質上任意のアプリケーションからテキストの一部又は他のデータを抽出する。クライアントは、次に、抽出された質問データを(オプションとして、ユーザ認証情報及び他の情報と共に)リレーサーバに送信し、かつリレーサーバから受信された応答を提示する。リレーサーバはユーザの認証を検証し、提出された質問データを分析する。
【0049】
リレーサーバ
ある好適な実施形態では、質問データの分析はリレーサーバにおいて実行される。特有の実施形態では、リレーサーバは、認識方法の組合せを使用して、少なくとも1つの利用可能な企業データソースにとって意味があると思われる単語、フレーズ及び/又は他のデータを同定する。次に、質問データ項目は、少なくとも1つの要求を少なくとも1つのデータソースアプリケーションに提出することによって、少なくとも1つのデータ結果に関連づけられてもよい。これらのデータアプリケーションは、リレーサーバと同じハードウェア上で実行されていてもよいが、通信ネットワークによりリレーサーバへ接続される別個のハードウェア上で実行されている場合が多い。リレーサーバは、データアプリケーションから受信された結果を(例えば、HTMLフォーマットを使用して)部分的にフォーマットし、それをユーザへ提示するためにクライアントへ転送してもよい。
【0050】
このように、本発明の特有の実施形態に係るリレーサーバは、要求を様々なデータソースへ中継する機能を果たす。特有の実施形態では、リレーサーバは、多くのリレーサーバ・プラグインと共働することにより、少なくとも1つの異なるデータソースから単語、フレーズ、数字フィールド又は他のデータを探索する迅速かつ容易な方法を提供する。本発明の特有の実施形態に係るリレーサーバは、ユーザが、(1)既存のウェブベースのイントラネットインフラ、(2)ウェブインタフェースなしの様々な企業データベース、及び(3)他の企業データのうちの1つ又はそれ以上等の企業環境において多くの異なるデータソースへ容易にアクセスしかつこれらを統合できるようにする。ある特定の実施形態では、リレーサーバは、例えばJ2EEに基づいて実装され、かつ例えばトムキャット・アプリケーション・サーバ上に配備されてもよい。
【0051】
特有の実施形態では、リレーサーバはさらに、主処理装置(MPU)及び複数のプラグインのセットを備えるものとして理解することができる。特定の実施形態では、MPUは、クライアントプロセスから要求を受信する、基本的な前処理(例えば、重複の排除、順序づけ等)を実行する、ユーザIDを検証する、ユーザの好みをロードする等といったタスクを実行する。次にこれは、順序づけしたプラグインのリストを決定し、各プラグインを呼び出し、要求をプラグインへ送ってもよい。
【0052】
プラグイン
本発明のコンテキストにおけるプラグインは、同様の一般的な機能を有するソフトウェアの論理モジュール又は一部を示すが、当該一般的な機能の特定の段階を実行するように適合化又はカスタマイズされる。本発明の特有の実施形態によれば、少なくとも1つのプラグインは、検索の実行及び/又は異なる複数のデータアプリケーションと通信する1つの返答のフォーマットを引き受ける。本発明の特有の実施形態によれば、各プラグインは、リレーサーバがそれと容易に対話することを可能にするプラグインのインタフェース(例えば、API)を実装する。本発明の特有の実施形態によれば、この構成は、リレーサーバと企業内の様々な既存のデータアプリケーションとの統合を非常に容易にする。プラグインは、専用のデータ格納装置又はサービスに対応するように、又はデータ格納装置、セキュリティモデル又は他の機能の変化に対応するように、企業レベルにおいてより容易に開発される。
【0053】
本発明の特有の実施形態に係るプラグインは、下記の機能、即ち(1)正規表現又は他のパターンを分析することにより、そのプラグインを特定の質問のために使用するか否かを決定する、(2)プラグインの名前を返す、(3)質問データを受け入れる、(4)認証情報を受け入れる、(5)質問データセットから複数の関連するデータアプリケーション要求を抽出する、(6)整合の数を返す、(7)(例えば、HTMLで)フォーマットされた、又は部分的にフォーマットされた返答を返す、(8)整合する質問をキャッシュする各機能、及び(9)本明細書における教示から理解される他の機能のうちの1つ又はそれ以上をイネーブルする論理命令を提供する。
【0054】
本発明の他の論理モジュールの場合と同様に、プラグインは、任意のプログラミング言語で記述できる。特有の実装においては、プラグインは、ローカルクラスのリレーサーバ、又はウェブサービス又は他のインタフェースを介してアクセス可能なリモートアプリケーションの何れであってもよい。本発明の特有の実施形態によれば、プラグインはサーバに登録される。実施形態によっては、サーバは、各プラグインへどのユーザがアクセスできるかに関する情報を有してもよく、こうして1つのセキュリティレベルを提供する。プラグインは、内部の論理及び認証情報を使用して、その結果をさらに区別することができる。ある例示的な実装では、様々なデータソースのために12個を超えるプラグインが展開されている。
【0055】
別の特有の実施形態では、質問、ユーザの認可、好み及び他のデータの分析後、リレーサーバはプラグインの順序づけされたリストを決定する。前処理された質問及び/又はオリジナルの質問は、個々のプラグインへ転送されるか又は個々のプラグインで入手可能にされる。各プラグインは、質問に関するその固有の分析を実行し、何らかのヒットが発見されれば、標準インタフェースを使用してこれらをリレーサーバへ返す。リレーサーバは、複数の結果を、コンパイルされた単一のレポート(例えば、HTMLページ)に編成し、当該結果をクライアントプロセスへ返すことができる。
【0056】
別の特有の実施形態では、プラグインは、下記で論じるような3つの基本タイプであるものと理解することができる。特有の実装において、プラグインの中には、2つ又は3つのタイプの組合せであるものがある。
【0057】
確定的なプラグイン(Definitive Plug−in)
プラグインは、それが常に保証されたヒットを返すことができれば、確定的であると言われる。例えば、ディレクトリプラグインは、その単語が会社の従業員の名、姓又はユーザ名である場合に限り上記単語をヒットとして返してもよい。確定的プラグインの精度は、多くの方法で、即ち可能なヒットの全体リストをキャッシュすること、データベース内のあらゆるヒットを探索すること、質問の妥当性を規則のセットに照らして検証すること等によって達成可能である。確定的なプラグインは、一般に、可能なヒットの合計数が比較的少ない場合及び/又は上記ヒットが正規表現の使用によっては容易に記述されない場合に使用される。
【0058】
推測のプラグイン(Guessing Plug−in)
本発明の特有の実施形態に係る推測のプラグインは、特定の単語又はフレーズがヒットであるか否かを必ずしも肯定的には確定しないが、「知識に基づく推測(educated guess)」に基づいてヒットを返すことを決定するプラグインである。例えば、PO+1つの文字+4つの数字というフォーマットを有する任意の文字列は、PO番号にこのフォーマットを使用する会社内ではPO番号であるものと思われる。
【0059】
他の推測のプラグインは、データベースのエントリは返さないが、それらしいスマイルズ(SMILES)という文字列が検出されるといつも質問の一部をスマイルズという文字列と解釈することにより化学構造オブジェクトを構築しようとする、例えば化合物の構造のプラグインである他の何らかのタイプの情報を返すプラグインであってもよい。
【0060】
従って、推測のプラグインの場合、返されるヒットは偽のヒットである可能性もある(例えば、実際には番号POZ1234を有するPOは存在しない場合もあり、又は、スマイルズによる結果は、実際にはスマイルズという文字列であるように意図されていない文字に基づいている場合もある)。推測のプラグインの優位点は、一般に結果を遙かに高速で返すことができ、かつ一般に、キャッシュのためのメモリを必要としないことにある。特有の実施形態では、推測のプラグインは、正規表現、事前にキャッシュされた(データベース内の最大のPO数のような)追加情報又は質問から取得され得る他の情報を使用することができる。推測のプラグインは、可能なヒットの合計数が無限に近く膨大である場合及び/又はありそうなヒットが質問自体から抽出され得る場合に使用されてもよい。推測のプラグインはまた、質問データの一部が特定のデータソースに関連しているが、そのデータアプリケーションには格納されていない又は知られていない可能性のあることが見込まれる場合にも有益である。例えば、POZ1234は、少なくとも1つの関連するデータソースにまだ格納されていない有効な又は新しいPO番号である場合もある。推測のプラグインは、そのデータに関する「ヒット」を、データが関連のデータベースにまだ格納されていないという指示を介して返すことにより、ユーザに、上記データが少なくとも1つの関連するデータベースへ追加されるべきであると警告することができる。別の実施形態では、本明細書において論じているように、クライアントプロセスによりユーザへ提示される応答は、認証されたユーザが入力されるべき推測されたヒットを少なくとも1つの関連するデータベースに記録として入力するためのリンク又は他の手段を提供することができる。
【0061】
転送プラグイン(Passing Plug−in)
転送プラグインは、典型的には、質問又は前処理された質問を、それを理解しようとすることなく又はそこから個々のヒットを抽出しようとすることなく、データソース又はデータアプリケーション又は第三者へ転送しようとする。例としては、翻訳機、辞書探索又は他のサーチエンジンコネクタがある。本発明の特有の実施形態に係る転送プラグインは、典型的にはリレーサーバへ高度なフィードバックを提供しないウェブベースのサービスへの近道として使用又は理解することができる。本発明の特有の実施形態によれば、本質的に、ウェブベースのアプリケーションはどれも、転送プラグインの使用によってリレーサーバに接続することができる。
【0062】
質問データの前処理
本発明の特有の実施形態によれば、質問データは一般に、プラグインに先行して又はプラグインがそれを入手可能になるにときに、リレーサーバにおいて前処理される。特有の実施形態では、プラグインは一般に、前処理された質問データ及び生の質問データの両方へのアクセスを有する。特有の実施形態では、リレーサーバにおける前処理は、結果を共用できる複雑な前処理を必要とし得る複数の特有のプラグインの存在によって導かれてもよい。例えば、分子オブジェクトに依存する3つのプラグインが存在するとすれば、これらのオブジェクトはプリプロセッサ内で生成され、あらゆるプラグインはこれらのオブジェクトへのアクセスを有する。このタイプの前処理は、リレーサーバ及びプラグインが15ミリ秒に満たない間に頻繁に結果を返すことを可能にする。
【0063】
5.注釈と相互参照
別の特有の実施形態によれば、本発明は、プラグインを使用して2つのタイプの注釈をサポートすることができる。一方の事例では、プラグインは具体的には他のプラグインの結果と相互に作用する目的で書かれ、もう一方の事例では、注釈が任意のプラグインに適用される。
【0064】
使用法の一例として、多くの売り手が様々な顧客から電子メールで注文を受けることについて考察されたい。電子メールの送信者は、典型的には、クライアントの購買部門における誰かである。電子メールは、典型的には、部品番号及び希望する量といったデータを含んでいる。
【0065】
ここで、売り手Vはウェブベースの内部アプリケーション(ここではWEBAPPと言う。)を使用して注文に受け、かつ名前、アカウント番号、期限及び他のクライアントデータを含むクライアント情報の別のデータベース(本明細書ではCLIENTDBと呼ぶ)を使用する例を仮定する。典型的な状況において、本発明を使用しなければ、Vの従業員は、CLIENTDBにおいてクライアントのアカウント番号を探索し、WEBAPPを立ち上げ、アカウント番号及び部品番号をコピーしてWEBAPPの申し込み用紙(FORM)に貼り付ける。従業員は、データへアクセスするためにCLIENTDB及びWEBAPPの両方へログインしなければならないと思われる。
【0066】
本発明の特有の実施形態によれば、プロセスを単純にするために2つのプラグイン、即ち、買い手の名前又は電子メールのアドレスによって探索された顧客のアカウント番号を返す探索プラグイン(P1)と、部品番号を認識して申し込み用紙の予め記入された複製を提供する対話型のプラグイン(P2)とが利用可能にされる。本発明の特有の実施形態によれば、売り手の従業員は電子メールのメッセージ全体を強調表示し、本発明のクライアントプロセスを呼び出し、本発明は予め記入された申し込み用紙及び(別個に)クライアントのアカウント番号を含む結果を表示する。従業員はこれで、このアカウント番号を申し込み用紙へドラッグアンドドロップし、量を記入してこの申し込み用紙を提出することができる。
【0067】
従って、本発明のこの実施形態では、リレーサーバは専ら独立したデータソースから成るわけではない。代わりに、1つのデータソースは他の複数のデータソースが返した結果を考慮することができ、さらには、リレーサーバ又は少なくとも1つのプラグインは、異なるソースからのデータを組み合わせてタスクを完了させることができる。従って、本例では、1つのプラグインが電子メールのアドレスを認識し、別のプラグインがアカウント番号を認識し、両方が協働するという事実は、本発明の特有の実施形態に係るシステムが予め記入された申し込み用紙を生成することを可能にする。
【0068】
別の実施形態では、リレーサーバを、2つ以上のプラグイン(例えば、P1及びP2)に関わる全てのトランザクションを別々の又は関連するデータ格納装置に記録するように構成して、必ずしもWEBAPP又はCLIENTDBにおいて入手できない統計量を収集できる。
【0069】
別の例として、2つのプラグイン、即ち、科学者を認識するP1と、遺伝子名を認識するP2とを有する科学的な機関について考察されたい。この事例においては、従業員はある科学的刊行物のテキスト全体を強調表示して発明を呼び出すことができ、2つのリスト、即ち(1)その論文において言及されている全ての社内科学者のリスト、及び(2)その論文において言及されている全ての遺伝子のリストが返される。すると従業員は、単純なドラッグアンドドロップ操作で少なくとも1人の科学者と少なくとも1つの遺伝子とをリンクすることができる。また、オプションとして、従業員は、注釈において、例えば「スミス博士は、この遺伝子の心臓疾患への適用に関して専門知識を有する」とタイピングすることもできる。この場合、次に同機関の誰かがこの同じ遺伝子にアクセスすると、本発明により、上記専門家の名前もまた返される。
【0070】
特有の実施形態では、これらのプラグインは、合わせて使用されるように、又は上記リンクを自動的に行うようには記述されないが、代わりに、ユーザが上記リンクを行ない、かつオプションとして上記リンクを本発明に関連づけられる別個のデータ格納装置に格納できるようにする。各ユーザは、リンクを自分だけのために格納することも、システムのより大きいグループ又は全てのユーザが利用できるようにすることもできる。
【0071】
特有の実施形態では、クライアントプロセスは、ユーザがユーザにより受信される結果に注釈を付けることができるようにする。注釈は、例えば名前のディレクトリ内の特定の人物と同人物が研究している化合物又は遺伝子と化合物といった結果ペアのリンク等の、他の方法では関連を指示されていないデータ項目間のリンクのようなものを含んでもよい。好適にはリレーサーバに格納されるこのような外部リンクの生成は、全く異なるデータアプリケーションに格納されている可能性のあるデータレコード間の結合を可能にする。また注釈は、ネイティブなデータアプリケーションには格納されていない特定のレコードに関するコメントを含むこともある。
【0072】
6.クライアント
例示的な特有の実施形態によれば、クライアントプロセスは、ウィンドウズ(例えば、Win32)と互換性のある事実上任意のアプリケーションから選択されたテキスト又は他のデータを抽出し、これをHTTP又はHTTPS上で指定されたリレーに送信しかつリレーサーバから受信された(例えば、HTMLフォーマットの)結果レポートをブラウザウィンドウに提示することのできるウィンドウズベースのアプリケーションである。特有の実施形態では、本発明によるクライアントプロセスは、アプリケーションウィンドウから指示されたテキスト又は他のデータの任意の量を抽出することができ、かつMSオフィスのアプリケーション、任意のインターネットブラウザ、アドビリーダ、ロータスノーツ等を含む、ただしこれらに限定されない事実上任意のWin32のアプリケーションと協働することができる。抽出は、マウスのクリック、キーボードによるショートカット、両者の組合せ(例えば、Ctrl+右クリック)、音声による指示又はユーザが情報システムと対話するために提供される他の装置又は方法によって呼び出すことができる。実施形態によっては、エンドユーザによって様々な対話オプションが構成可能である。特有の実施形態では、クライアントは、ウィンドウズのクリップボードのオリジナルなコンテンツを保全するようにして動作し、(コンフリクトするキーボードショートカットが使用される場合を除いて)他のアプリケーションの正常動作を妨害しない。
【0073】
別の例示的な特有の実施形態では、本発明によるクライアントは、ポスト(POST)要求を(一般に、いつでも構成及び変更が可能な)URLに送信する。通信は、HTTP又はHTTPS等のサポートされている任意のフォーマットで行うことができ、直接又はプロキシサーバを介して実行可能である。特有の実施形態では、クライアントは、選択のテキストを、それが呼び出されているアプリケーションに関する情報及び予め決められた任意の追加的なテキスト情報と共に転送することができる。
【0074】
結果は、視覚的又は音声的なものを含む任意の便利な又は利用可能なユーザへの提示方法を介して提示することができる。ある例示的な実施形態は、HTML型のブラウザを使用して結果レポートを表示する。このブラウザは、一般に、アプレット、フラッシュプラグイン、CSS、ジャバスクリプト等の機能を含む、マイクロソフト・インターネット・エクスプローラによりサポートされる全ての機能をサポートする。一般に、(「X」ボタンがクリックされて)ブラウザウィンドウが閉じているときは、ウィンドウは消失するが、よって全てのセッションクッキーがアクティブなままであるように、プロセスはアクティブなままである。
【0075】
特有の実施形態では、クライアントの論理がボーランドデルファイ(Borland Delphi)を使用して指定され、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)のオペレーティングシステムによって動作するように設計される。他に、リナックス又はアップルのマック(Mac)OS等のオペレーティングシステムもサポートすることができる。
【0076】
別の実施形態では、クライアントプロセス及び/又はリレーサーバがイネーブルされることにより、データアプリケーションに格納されるデータへの対話型のアクセスを提供する。対話型のアクセスは、認証されたユーザがデータを修正しかつ/又はデータをデータアプリケーションへ追加できるようにする。実施形態によっては、これは、データアプリケーションへより直接的にアクセスすることのできるリンクを供給することによって達成される。他の実施形態では、修正されたデータがクライアントによりリレーサーバへ返され、リレーサーバはデータアプリケーションにおける修正の実行を処理する。
【0077】
7.認証のセキュリティモデルとパーソナライゼーション
本発明の特有の実施形態によれば、リレーサーバはさらに、ユーザが見ることを承認されているデータのみを見るように又は認識しかつ/又は修正することを承認されているデータしか修正できないように、リレーサーバがアクセス許可を完全に制御することを可能にする企業規模の認証及び/又は承認メカニズムを含む。
【0078】
様々な特有の実施形態では、本発明によるリレーサーバは、ユーザ認証データ格納装置を有してもよく、かつ/又は、アクティブディレクトリ(Active Directory)(登録商標)(AD)等の企業レポジトリへ接続されてもよい。同様に、本発明の特有の実施形態に係る認証は、リレーサーバ内の組込みのメカニズムにより、又はケルベロス(Kerberos)(登録商標)のような企業サービスの使用により、又は適当であればこれらの両方の組合せにより実行することができる。例えば、リレーサーバはユーザの承認レベルを、外部(ADグループ)及び内部の構成の両方を使用して決定することができる。上記サーバは、承認されているユーザに関して、許可されているプラグインのリストを構築し、これを保証する。これに対して各プラグインは、ユーザの情報へのアクセスを有することができ、それに従って、プラグインからの応答をフィルタリングすることができる。
【0079】
本発明の特有の実施形態によれば、データ格納装置からは、許可情報と共にユーザの好みも検索される。好みには、ユーザの関心が最も高いプラグイン、その順序及び優先順位及びいくらかのカスタマイゼーションが含まれる。
【0080】
特有の実施形態では、クライアントプロセスは、HTTP/HTTPSプロトコル上で作動する全ての一般的な認証メカニズムをサポートする。リレーサーバは、アクティブディレクトリ又はLDAPをサポートする任意のディレクトリに対して認証を提供することができ、かつオプションとしてその固有の認証データベースを含むことができる。認証プロセスの結果として、リレーサーバは、プラグインへ送ることのできる識別された検証済みの唯一のユーザ(ユーザID)を取得する。1人のユーザは、少なくとも1つのグループの一員であってもよい。複数のグループもまた他の複数のグループの一員であってもよい。この場合もやはり、ディレクトリ又は内部のデータベースの何れかを使用してこの情報を格納しかつ引き出すことができる。
【0081】
別のセキュリティ手段として、各プラグインは、当該プラグインへのアクセスを許可されているグループのリストを有する。プラグインに関して許可されたグループのリスト及びユーザがその一員である全てのグループのリストが少なくとも1つの共通するエントリを含んでいれば、アクセスが許可される。ユーザIDはグループリストと共に、標準インタフェースを介してプラグインへ送られる。さらに、オプションとして、プラグイン毎にユーザの複数の役割を定義することができる。各役割は、一意に識別可能なデータピースのそれぞれへのアクセスが許可される場合もあれば、拒絶される場合もあり、その許可情報はネイティブなアプリケーションの外部にあるデータベース又はディレクトリに格納される。各グループは、プラグイン毎に少なくとも1つの役割を有してもよい。フレームワークは、ユーザ/グループ/役割のデータをプラグインへ送り、保存される任意の許可情報をプラグインが利用できるようにする。提供される情報の解釈は、プラグインの任務である。
【0082】
8.プログラムされた情報機器の実施形態
図14は、本発明の様々な態様を具現することのできる論理装置の代表的な一例を示すブロック図である。本明細書に提示している教示内容から当業者には理解されるように、本発明は、ハードウェア及び/又はソフトウェアに実装することができる。本発明の多くの実施形態では、クライアント側の論理又はサーバ側の論理の何れかにおいて本発明の異なる態様を実装することができる。技術上理解されるように、本発明及び本発明の構成要素は、適正に構成されたコンピューティング装置にロードされるとその装置を本発明に従って実行させる論理構造及び/又はデータを含む固定式媒体のプログラム成分において具現されてもよい。技術上理解されるように、論理命令を含む固定式媒体は、ユーザのコンピュータへ物理的にロードされるために固定の媒体上でユーザへ配信されてもよく、もしくは論理命令を含む固定式媒体は、プログラム成分をダウンロードするためにユーザが通信媒体を介してアクセスするリモートサーバ上に存在していてもよい。
【0083】
図14は、媒体717及び/又はオプションとして固定の媒体722を有するサーバ720へ接続され得るネットワークポート719から命令を読取ることのできる論理装置として理解されてもよいが示す情報装置(又はディジタル装置)700を示す。装置700は、この後、技術上理解されるように、サーバ又はクライアント論理に指図するこれらの命令を使用して本発明の態様を具現することができる。本発明を具現し得る論理装置の1つのタイプは、CPU707、オプションである入力装置709及び711、ディスクドライブ715及びオプションであるモニタ705を含む、700に示すようなコンピュータシステムである。固定の媒体717又はポート719を介する固定の媒体722は、このようなシステムをプログラムするために使用されてもよく、ディスク型の光又は磁気媒体、磁気テープ、固体ダイナミック又はスタティックメモリ等に相当してもよい。特有の実施形態では、本発明は全体として、又は部分的に、この固定の媒体上へ記録されるソフトウェアとして具現されてもよい。また、通信ポート719は、まずはこのようなシステムをプログラムするために使用される命令を受信するために使用されてもよく、任意のタイプの通信接続部に相当してもよい。
【0084】
また、図示されている情報システム700は、情報処理能力を含む科学又は実験システム等の情報を利用可能な専用の様々なタイプのシステムに相当する場合もある。このようなシステムは、ロボット工学のサンプル処理システム又は任意の情報処理能力に加えて他の能力を含んでもよい。
【0085】
また、本発明は全体として又は部分的に、特定用途向け集積回路(ASIC)又はプログラマブル論理装置(PLD)の回路内に具現されてもよい。このような場合、本発明は、本明細書で説明したように動作するASIC又はPLDの生成に使用可能なコンピュータが理解できる記述言語において具現されてもよい。
【0086】
9.他の実施形態
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明した。当業者には他の実施形態が明白となるであろう。具体的には、ユーザのディジタル情報機器は、一般にパーソナルコンピュータとして示した。しかしながら、ディジタルコンピューティング装置は、数多くの分析を実行するための任意の情報機器であることが意図され、携帯情報端末、科学ワークステーション、実験又は製造用機器等の装置を包含することができる。本明細書に記述している実施例及び実施形態が例示を目的とするものであり、その意味で当業者には本明細書における教示内容により様々な修正又は変更が提案され、かつそれらが本出願書の精神及び範囲及びクレームの範囲内に包含されるべきものである点は理解される。
【0087】
本明細書において引用している、又は本出願書と共に提出される全ての公報、特許及び特許出願は、情報開示陳述書の一部として提出された任意の引例を含み、本参照によりその全体が開示に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の特有の実施形態に係る、例えばオペレーティングシステム(OS)の下で実行される電子メールのアプリケーションである論理アプリケーションにおいて表示される情報を示す例示的な表示のブロック図である。
【図2】本発明の特有の実施形態に係る、リレーサーバ上で検索されるべきデータを指示するためのクライアントプロセスの使用を示す例示的な表示のブロック図である。
【図3】本発明の特有の実施形態に係る、リレーサーバの応答を示す例示的な表示のブロック図である。
【図4】本発明の特有の実施形態に係る、1つの名前を選択した後のリレーサーバの応答を示す例示的な表示のブロック図である。
【図5】本発明の特有の実施形態に係る、化合物の同定を選択した後のリレーサーバの応答を示す例示的な表示のブロック図である。
【図6】本発明の特有の実施形態に係る、化合物描写表示を選択した後のリレーサーバの応答表示を示す例示的な表示のブロック図である。
【図7】本発明の特有の実施形態に係る、リレーサーバの検索結果を示す別の例示的な表示のブロック図である。
【図8】本発明の特有の実施形態に係る、ディレクトリ結果を示しかつ特有のデータ格納装置へ適用可能なユーザオプション及び機能を指示する例示的な表示のブロック図である。
【図9】本発明の特有の実施形態に係る、異なるデータ格納装置又はデータアプリケーションの検索順序をカスタマイズするためのユーザオプションを示す例示的な表示のブロック図である。
【図10A】本発明の特有の実施形態に係る、クライアントプロセスの動作をカスタマイズしかつ/又はリレーサーバと対話するためのユーザ構成のオプションを示す例示的な表示のブロック図である。
【図10B】本発明の特有の実施形態に係る、クライアントプロセスの動作をカスタマイズしかつ/又はリレーサーバと対話するためのユーザ構成のオプションを示す例示的な表示のブロック図である。
【図10C】本発明の特有の実施形態に係る、クライアントプロセスの動作をカスタマイズしかつ/又はリレーサーバと対話するためのユーザ構成のオプションを示す例示的な表示のブロック図である。
【図10D】本発明の特有の実施形態に係る、クライアントプロセスの動作をカスタマイズしかつ/又はリレーサーバと対話するためのユーザ構成のオプションを示す例示的な表示のブロック図である。
【図11】本発明の特有の実施形態に係る、クライアントプロセスを使用して質問データを指示し、かつ1つのリレーサーバを使用して複数のデータソースから複数の応答を取得する例示的な方法を示すフローチャートである。
【図12】本発明の特有の実施形態に係る、クライアントプロセスを使用して質問データを指示し、かつプラグインを有するリレーサーバを使用して応答を取得しかつ複数のデータソースへアクティブリンクを提供する例示的な方法を示すフローチャートである。
【図13】本発明の特有の実施形態に係る、リレーサーバ及びプラグインを使用して質問データを分析しかつ結果を決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
【図14】本発明の様々な態様を具現することのできる論理装置の代表的な一例を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが情報機器を使用して企業環境におけるクロスアプリケーションなデータと対話できるようにする方法であって、
上記情報機器上で、クライアントプロセスを使用して、ユーザの情報機器上で実行されているアプリケーションから質問データを指示することと、
上記質問データを通信媒体上でリレーサーバに送信することと、
質問データを分析することにより、少なくとも1つのデータアプリケーションへ送るための少なくとも1つのデータアプリケーション要求を決定することと、
少なくとも1つのデータアプリケーション要求を、選択される少なくとも1つのデータアプリケーションに送信することにより、所望されるデータを、上記リレーサーバを使用して検索することと、
上記リレーサーバにおいて、上記データアプリケーション要求に対する複数のデータアプリケーション応答を受信することと、
上記リレーサーバにおいて、上記複数のデータアプリケーション応答を使用して結果を上記情報機器に送信することと、
上記結果を提示することを含む方法。
【請求項2】
さらに、
上記リレーサーバにおいて、上記複数のデータアプリケーション応答を1つの結果レポートにコンパイルし、
上記結果レポートを上記情報機器に送信し、
上記結果レポートを提示する請求項1記載の方法。
【請求項3】
さらに、上記情報機器はハンドヘルドの情報機器である請求項1記載の方法。
【請求項4】
さらに、上記情報機器は、英数字のテキストを入力するためのフルサイズのキーボードを持たない情報機器である請求項1記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのデータアプリケーションにアクセスするための少なくとも1つのリンクを上記結果内に含めることをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
ユーザが上記情報機器において上記少なくとも1つのデータアプリケーションにより格納されるデータを修正できるようにする少なくとも1つのインタフェース指示子を上記結果内に含めることをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
さらに、上記少なくとも1つのインタフェース指示子は、HTML形式及びリッチクライアントアプリケーションから成るグループから選択される請求項6記載の方法。
【請求項8】
上記リッチクライアントアプリケーションは、
組込みのリッチクライアントアプリケーションと、
上記データアプリケーションにとってネイティブな独立型のリッチクライアントと、
上記データアプリケーションにより格納されるデータへアクセスするために特別に生成される場合もあり、生成されない場合もある第三者の独立型のリッチクライアントから成るグループから選択される請求項7記載の方法。
【請求項9】
上記リッチクライアントアプリケーションはJava(登録商標)アプレットである請求項8記載の方法。
【請求項10】
上記サーバによってアクセスされる複数のデータアプリケーションレコードに関連づけられるが上記複数のレコードに関連づけられるデータアプリケーションの外部に格納される複数のコメントを格納することによって、ユーザが上記複数のレコードに注釈を付けることができるようにする少なくとも1つのインタフェース指示子を上記結果内に含めることをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項11】
様々なデータレコード間のリンク情報を格納することによって、ユーザが上記サーバによってアクセスされる複数のデータアプリケーションレコードに注釈を付けることができるようにする少なくとも1つのインタフェース指示子を上記結果内に含めることをさらに含み、上記リンク情報は上記データアプリケーションの外部に格納される請求項1記載の方法。
【請求項12】
さらに、上記指示することは、データの任意部分を質問データとして指示することを可能にする請求項1記載の方法。
【請求項13】
さらに、上記指示することは、ユーザのアクションによって実行される請求項1記載の方法。
【請求項14】
さらに、上記指示することは、特有のユーザ入力なしで自動的に実行されるように構成され得る請求項1記載の方法。
【請求項15】
ユーザが結果として上記ユーザが認証されているデータだけを受信するように、上記リレーサーバにおいて複数段階のセキュリティ及び/又はアクセス制御を実施することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項16】
上記リレーサーバにおいて複数のプラグインを実行することをさらに含み、各プラグインは、上記質問データを分析することによりそれが特定のデータ格納装置及び/又はデータアプリケーションに関連するか否かを決定でき、かつ上記特定のデータ格納装置及び/又はデータアプリケーションと通信することができる請求項1記載の方法。
【請求項17】
上記複数のプラグインを使用することにより、上記データアプリケーションによって提供される複数のインタフェースを使用して、複数のデータベースアプリケーションに、上記データアプリケーションの修正を必要とすることなくアクセスすることをさらに含む請求項16記載の方法。
【請求項18】
上記複数のプラグインを使用することにより、複数のデータ格納装置に、上記データ格納装置の修正を必要とすることなくアクセスすることをさらに含む請求項16記載の方法。
【請求項19】
上記複数のプラグインを使用することにより、上記データが異なるデータアプリケーションにインポートされる必要なしに、複数のデータ格納装置にアクセスすることをさらに含む請求項16記載の方法。
【請求項20】
上記複数のプラグイン及び上記リレーサーバを使用することにより、複数段階のセキュリティ及び/又はアクセス制御を実施し、これにより、データベース、表、行、レコード、列、セル、領域又はオブジェクトのレベルでの制御での制御を、このような制御がネイティブなデータアプリケーションによって供給されない場合でも可能にすることをさらに含む請求項14記載の方法。
【請求項21】
情報機器を使用して多くのデータアプリケーションに問合わせる方法であって、
リレーサーバにおいて質問データを受信することと、
上記質問データを複数のプラグイン論理プロセスが利用可能であるようにすることを含み、上記プラグイン論理プロセスはそれぞれ、標準インタフェースを使用して1つの主サーバプロセスと通信し、
上記複数のプラグイン論理プロセスはそれぞれ、上記質問データを分析することにより、上記データが少なくとも1つのデータアプリケーションに関連している可能性があるか否かを決定し、
上記複数のプラグイン論理プロセスはそれぞれ、少なくとも1つの要求を特定のデータアプリケーションのためにフォーマットし、
上記要求は上記質問データに応答しており、
上記要求は必ずしも互いに関連しておらず、
上記要求はそれぞれ、特有のデータアプリケーションと正しく対話するために上記プラグイン論理プロセスによってフォーマットされており、
上記複数のプラグイン論理プロセスはそれぞれ、要求を上記データアプリケーションに送信し、
上記複数のプラグイン論理プロセスはそれぞれ、上記データアプリケーションから応答を受信し、
上記複数のプラグイン論理プロセスはそれぞれ、上記応答を上記主サーバプロセスに送信し、
上記主サーバプロセスにおいて複数の応答をコンパイルしてコンパイルされた1つの結果レポートにすることを含み、上記レポートは潜在的に無関係の応答を含む問い合わせる方法。
【請求項22】
上記結果レポートをユーザに提示することをさらに含む請求項21記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つのデータ項目が修正されることをユーザが要求できるようにする少なくとも1つの指示をユーザに提示することをさらに含む請求項22記載の方法。
【請求項24】
上記結果レポート又はその中のデータ項目にユーザが注釈を付けることができるようにする少なくとも1つの指示をユーザに提示することをさらに含む請求項22記載の方法。
【請求項25】
上記結果レポート内の2つ以上の項目間にユーザがリンクを生成できるようにする少なくとも1つの指示をユーザに提示することをさらに含む請求項22記載の方法。
【請求項26】
確定的なプラグインのプロセスを使用することにより、データアプリケーション内に存在するデータの項目を位置づけることをさらに含む請求項21記載の方法。
【請求項27】
推測のプラグインのプロセスを使用することにより、任意のデータアプリケーションに知られていない可能性のあるデータ項目の指示を返すことをさらに含む請求項21記載の方法。
【請求項28】
転送プラグインのプロセスを使用することによって、質問又は前処理された質問を、これを理解しようとすることなく又はそこから個々の要求を抽出しようとすることなく、第三者に転送することをさらに含む請求項21記載の方法。
【請求項29】
適正に構成された情報処理装置にロードされると、上記装置を請求項21に係る方法に従って動作させるコンピュータが解釈できる複数の命令を含むコンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項30】
企業全体にわたってフレキシブルなデータ処理を提供することのできる情報処理システムであって、
複数の情報機器上で実行する複数のクライアントと、
2つ以上の異なるデータ処理アプリケーションと通信することのできるリレーサーバと、を備え、
上記クライアントは、クライアント情報機器において、様々な異なる論理アプリケーションから提示されるデータを指示することを可能にし、
クライアントアプリケーションが質問データを上記リレーサーバに送信しかつ上記サーバから戻される結果を受信できるようにする通信媒体インタフェースを備え、
上記クライアント及び上記サーバは協働することにより、様々な異なるデータアプリケーションからの結果を組み合わせたレポートを提示し、上記結果は必ずしも関連のあるものではなく、同等のデータベースアプリケーション要求から導出されるものでもない情報処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2008−532181(P2008−532181A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558138(P2007−558138)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/007113
【国際公開番号】WO2006/093974
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC