説明

企業間取引における商品スペックチェックEDIシステム

【課題】企業間取引において、受注側発注側双方に、相手方と意図する商品の齟齬が起こらないようにすること。
【解決手段】発注情報発信側および受信側における、該当商品の検索システムにおいて、商品コードとともに商品スペック情報も比較チェックを行うシステムであり、商品コードが同じであっても、仕様の異なる商品を区別し抽出を行う機能を有し、発注情報発信側が端末に入力した商品コードと、受信側の端末に格納されている複数の商品コードを比較し、同一商品コードを検索する機能を有し、同一商品コードが存在した場合、商品コードとともに発注情報発信側が有する商品スペック情報を、受信側端末に格納されている同一商品コードの商品スペック情報と比較し、差分商品スペック情報が存在する場合、受信側端末より発注情報発信側に対し、当該差分商品スペック情報を有する商品を、商品コードとともに差分商品スペック情報を通知する機能を有するEDIシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業間取引(EDI)において商品の誤認識を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品の受発注についてEDI(electronic data interchange)、EOS(electronic ordering system)が広く利用されている。
【0003】
しかし、現在企業間取引において商品の特定は商品コードを用いて行っている。この場合、発注情報発信側にとって、発注情報発信側が認識している商品が、その商品コードに付随する商品スペック情報と、受信側において商品の改廃等の理由により受信側が現在有する商品コードに付随する商品スペック情報とが一致しないことや、受信側が現在有する商品コードに付随する商品スペック情報が複数存在することなどにより、発注情報発信側が意図していない商品が照会結果となることがある。
【0004】
他方、受信側にとっても、前記のように商品の改廃により商品コードを変更せずに従前の商品とは異なる商品となっている可能性、また、商品の形態等により、サブコードを付すなどをして区別は行っているが同一商品コードで管理している場合においては、EDIに利用されている商品コードで商品を特定することができず、このような場合、発注情報発信側が意図したものと異なる商品を受信側が想定してしまう恐れがあり、発注情報発信側から照会依頼された商品コードが、受信側にとって発注情報発信側がどの商品を意図しているのかを確認しなければならない手間や、あるいは確認を怠ったことにより発注情報発信側が想定していた商品と異なる商品を納品してしまうなどのトラブルが発生していた。
【0005】
この改善策として、商品コードの体系を統一しようとする試みがなされてきた。しかし、コード体系を統一しようとしても現状使われているコードは、JANコードやGTINコード、企業毎のプライベートコード、等複数あること、またコードは桁数が制限されているため、詳細スペックが異なる商品全てに対して異なる商品コードを発行することは現実的に不可能であり、根本的な解決にはいたっていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、企業間取引において、発注情報発信側・受信側双方に、相手方と意図する商品の齟齬が起こるという点である。
【0007】
本発明は、商品情報の照会において、発注情報発信側が受信側に対し照会しようとしている商品の特定方法を、商品コードだけではなく、その商品スペック情報も利用し、相手方が持つ同一の商品コードに付随する商品スペック情報と比較し、その差分を抽出することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
発注情報発信側から照会依頼された商品情報が受信側に到達した時点で、紹介依頼された商品情報内の商品コードを、受信側が持つ複数の商品情報を格納する商品マスター内で検索し、同一商品コードがあった場合、照会依頼された商品情報内にある商品コードに付随して送信されてきた商品スペック情報と、受信側が持つ商品データベース内の同一商品コードの商品スペック情報とを比較し、商品スペック情報に差異がない商品が存在する場合は受注処理へと移る。他方差異が存在した場合は、受信側にて有している、当該差異が存在する商品の商品スペック情報を、商品コードとともに受信側から発注情報発信側に通知し、発注情報発信側にて、通知された商品スペック情報が発注情報発信側において発注しようとしている商品であるかの確認をし、確認後発注情報発信側において発注しようとしている商品であれば、発注情報発信側は受信側より通知された商品スペック情報をもって再度照会依頼することにより、発注情報発信側は誤発注を防ぎ、受信側は誤受注を防ぐことができるようになる。また、発注情報発信側受信側双方において、システム的に商品スペック情報の差異を求めるため、双方にとって取引の対象となる商品の確認作業の低減につながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態を説明する。
【実施例1】
【0010】
以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
【0011】
本実施形態では、図1に商品の受発注における商品スペックチェックEDIシステムを示す。図2に図1に示されている受発注のフローを示す。図3に図1に示されている002差分チェックを詳しく示す。
【0012】
図1を参照しながら、本発明の動作概念を説明する。まず、発注企業100が、受発注機能を有する発注側EDIシステム101を用いて、発注側商品マスター102に格納されている商品情報を確認し、受注企業200に発注001を行う際に、発注商品の商品スペック情報103とともに送信する。
【0013】
次に、受注企業200が、受発注機能を有する受注側EDIシステム201にて受信した発注情報103と、受注側商品マスター202に格納されている複数の受注側保有情報203とを検索・差分チェック002を行い、差分情報204を抽出する。
【0014】
図2に示すように、差分無しの場合は受注008へと進む。
【0015】
図2に示すように、差分有の場合は、差分情報返信003となり、発注企業100において差分情報204を差分情報確認004し、差分情報204が、判断005において発注企業100が発注しようとする商品であれば、差分情報204を発注側商品マスター102に格納する。
【0016】
図2に示すように、発注企業100は、新たに発注側商品マスター102に格納された差分情報204を元に、受注企業200に対し発注001を行う。以後図2に示す同様のフローを繰り返す。
【0017】
図2に示すように、判断005において差分情報204は、発注企業100が発注しようとしている商品ではないと判断された場合、発注取消し007となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】商品スペックチェックEDIシステムを示した説明図である。
【図2】商品スペックチェックEDIシステムにおいて、受発注のフローを示した説明図である。
【図3】差分チェックの方法を示した説明図である。
【符号の説明】
【0019】
001 発注
002 検索・差分チェック
003 差分情報返信
004 差分情報確認
005 判断
006 商品マスターへの取込
007 発注取消し
008 受注
100 発注企業
101 受発注機能を有する発注側EDIシステム
102 発注側商品マスター
103 発注商品の商品スペック情報
200 受注企業
201 受発注機能を有する受注側EDIシステム
202
受注側商品マスター
203 受注側保有情報
204 差分情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発注情報発信側および受信側における、該当商品の検索マスターにおいて、商品コードとともに商品スペック情報も管理し比較チェックを行うシステムであり、商品コードが同じであっても、仕様の異なる商品を区別し抽出を行う機能を有するEDIシステム。
【請求項2】
発注情報発信側が端末に入力した商品コードと、受信側の端末に格納されている複数の商品コードを比較し、同一商品コードを検索する機能を有し、同一商品コードが検索された場合、商品コードとともに発注情報発信側が発信する商品スペック情報を、受信側端末に格納されている同一商品コードの商品スペック情報と比較し差分を出力する機能を有するEDIシステム。
【請求項3】
前記差分商品スペック情報が存在した場合、受信側端末より発注情報発信側に対し、当該差分商品の商品コードとともに受信側のもつ商品スペック情報を通知する機能を有するEDIシステム。

【図2】
image rotate

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−262270(P2008−262270A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102720(P2007−102720)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(502332474)eBASE株式会社 (7)