説明

企業間電子商取引を用いた電子部品の販売システム

【課題】企業間電子商取引における電子部品の販売システムにおいて、迅速かつ簡易に商品の価格を決定しつつ、発注側が商品の納品状況を随時把握可能な販売システムを提供する。
【解決手段】端末装置100、価格決定装置200、及び生産割付装置300を備えた企業間電子商取引を用いた電子部品の販売システム1であって、価格決定装置200には、現在の全体の生産状況を算出して表示する生産状況算出部231が設けられており、顧客が端末装置100に入力する発注量、納期、及び価格決定装置200に記憶されている顧客の発注履歴から製品の価格を決定すると共に、生産割付装置300が該製品の生産状況を顧客の要求に応じて端末装置100に表示可能に構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業間電子商取引(BtoB型取引)を用いた電子部品の販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品の発注数等に応じて商品の価格を決定する販売システムが提案されている。例えば、特許文献1には、特定商品の需要度を演算する手段を備え、需要度に応じて該商品の価格を決定する価格決定システムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、材料費や発注依頼に応じて売上額等をシミュレートするシステムが開示されている。また、特許文献3には、商品の発注量に応じて価格を変更させる手段を備えたシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−185053号公報
【特許文献2】特開平10−240717号公報
【特許文献3】特開2002−49812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜特許文献3には、需要度、発注量等に応じて商品の価格等を変動させる点について開示されているものの、企業間電子商取引(BtoB型取引)における電子部品の販売システムについては何ら開示されていない。この点について詳述する。
例えば圧電振動子、抵抗、コンデンサ、半導体等の電子部品は、工業製品を製造する過程で大量消費されるものであり、企業間電子商取引では日常的に千単位(場合によっては万単位)の数が一度の発注で取引きされている。それ故に発注から納品までにある程度の納期(例えば数週間単位)が不可欠であり、さらに、一旦生産ライン上、物流上で何らかの問題が生じると、それが納期の大幅に遅れにつながりやすい。このあたりが企業顧客間電子商取引(BtoC型取引)との大きな相違点といえる。また、企業顧客間電子商取引では、チケット、日常品等に見られるように、「既に製造されている(完成している)」商品を取引きするのに対し、企業間電子商取引では、「まだ製造されていない(又は製造中である)」商品を取引きすることがほとんどである。このあたりも、企業顧客間電子商取引と企業間電子商取引との大きな差異といえる。
よって、企業間電子商取引におけるこれら「電子部品」の発注側としては、細かな仕様の選定(発注する電子部品と他の電子部品との相性検査など)や価格交渉等に要する期間を出来るだけ短くして一日も早くこれらの電子部品の生産ラインを確保しつつ、さらに発注後も、その生産状態、物流状態を随時把握したいといった要望がある。また、これらの「電子部品」の供給側(製造側)としても、従来は企業間の営業活動等で決定されていた電子部品の価格を、より迅速かつ簡易に顧客側に提示できるようにし、顧客の要望に応じた生産ラインを出来るだけ早く確保して顧客満足度につなげたいといった要望がある。
これに対して上記特許文献には、単に商品の価格を決定、又はシミュレートする方法のみが開示されているに過ぎず、企業間電子商取引を前提とする電子部品の販売システムについては何ら開示されていない。
【0006】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、企業間電子商取引における電子部品の販売システムにおいて、迅速かつ簡易に商品の価格を決定しつつ、発注側が商品の納品状況を随時把握可能な販売システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明にあっては、
顧客が情報を入力する端末装置と、
顧客が希望する製品の価格を決定する価格決定装置と、
顧客の発注内容に基づいて製品の生産スケジュールを作成する生産割付装置と、
を備えた企業間電子商取引を用いた電子部品の販売システムであって、
前記価格決定装置には、現在の全体の生産状況を算出して前記端末装置に表示する生産状況算出部が設けられており、
顧客が前記端末装置に入力する発注量、納期、及び前記価格決定装置に記憶されている顧客の発注履歴から、前記価格決定装置が製品の価格を決定すると共に、
顧客が製品を発注後、該製品の納品までに、前記生産割付装置が該製品の生産状況を顧客の要求に応じて前記端末装置に表示可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記価格決定装置は、
過去の所定の期間における発注量の増加率が高いほど製品の割引率を大きくするように製品の価格を決定すると好適である。
【0009】
また、前記価格決定装置は、
顧客の継続取引年数が長いほど製品の割引率を大きくするように製品の価格を決定すると好適である。
【0010】
また、前記価格決定装置は、
顧客が入力する希望納期が基準納期よりも長いほど製品の割引率を大きくするように製品の価格を決定すると好適である。
【0011】
また、前記価格決定装置は、
発注量が多いほど製品の割引率を大きくするように製品の価格を決定すると好適である。
【0012】
また、前記電子部品とはICに実装される水晶振動子であって、
顧客が水晶振動子を発注する前に、顧客が有するICと顧客が希望する水晶振動子のマッチングデータを顧客に提供可能に構成されていると好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、企業間電子商取引における電子部品の販売システムにおいて、迅速かつ簡易に商品の価格を決定しつつ、発注側が商品の生産状況を随時把握可能な販売システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る販売システムの概略ブロック図。
【図2】本実施形態における価格決定装置の概略ブロック図。
【図3】本実施形態における生産状況を示すテーブル。
【図4】本実施形態で表示される全体の生産状況の一例。
【図5】本実施形態で表示される見積もり画面の一例。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態に係る電子部品の販売システムは、「企業間電子商取引(BtoB型取引)」を前提とする販売システムであり、即ち、一度に大量の製品が発注され、生産され、流通するシステムを前提としている。
また、以下では対象となる電子部品として水晶振動子(水晶発振器)を挙げている。水晶振動子とは、水晶が有する圧電現象を利用するタイミングデバイスの一種であり、電波時計のような小型精密機器から自動車、航空機の電子制御部まで、近年の電子機器には必要不可欠の電子部品である。しかしながら、本発明の販売システムを適用可能な電子部品は水晶振動子に限定するものではなく、ICチップ、コンデンサ、トランジスタ等々、企業間電子商取引において一度に大量に取引きされる電子部品であればよい。
【0016】
[1:販売システムの概略について]
図1を参照して、本実施形態に係る企業間電子商取引における電子部品の販売システム(以下、「販売システム1」とする)の概略について説明する。図1は、販売システム1の概略ブロック図である。販売システム1は、端末装置100、価格決定装置200、及び生産割付装置300を有する。端末装置100と価格決定装置200とは通信網412を介して接続されており、価格決定装置200と生産割付装置300とは通信網423を介して接続されており、端末装置100と生産割付装置300とは通信網413を介して接続されている。端末装置100には、水晶振動子の発注者(以下、顧客とする)がアクセス可能であり、価格決定装置200、生産割付装置300は、水晶振動子の供給者(以下、製造側とする)が管理するものである。なお、本実施形態では価格決定装置200、生産割付装置300を製造側が管理しているが、価格決定装置200に関しては顧客、製造側以外の第3者が管理する形態であってもよい。
【0017】
[2:端末装置の概略構成について]
端末装置100の概略構成について説明する。図1に示すように、端末装置100は、記憶部101、入力部102、制御部103、通信部104、及び表示部105を備えている。
【0018】
記憶部101には、制御部103が実行する制御プログラムが記憶されている。また、入力部102は、外部からの各種情報の入力を受け付けるものであって、例えば、キーボードとマウスを備えている。かかる構成によれば、顧客が情報を入力部102に入力し、記憶部101に記憶されている制御プログラムに基づいてその情報を制御部103が制御する。より具体的には、通信部104を介して価格決定装置200、生産割付装置300に情報が双方向通信される。なお、端末装置100における具体的な処理は後述する。
【0019】
[3:価格決定装置の概略構成について]
価格決定装置200の概略構成について説明する。図1に示すように、価格決定装置200は、記憶部210、通信部220、及び制御部230を備えている。また、図示するように通信部220は、上述の端末装置100、後述する生産割付装置300と通信可能に構成されている。
【0020】
記憶部210には、顧客ごとに、ID、会社名、所在地、資本金、直近の売上高、担当者の名前、及び決裁者の名前等が記憶されている。また、顧客に対応付けて設けられている顧客のログインパスワード記憶されている。さらに記憶部210には次の事項が記憶されている。即ち、所定期間における水晶振動子の発注量、発注履歴、使用しているICの型番、そのICと水晶振動子とのマッチングデータなどである。これらの情報は記憶部210において厳重に管理されている。
【0021】
次に図2を参照して、価格決定装置200のより詳細な構成について説明する。図2は、価格決定装置200の制御部230の論理的な構成を示す概略ブロック図である。図示するように、上述した制御部230は、生産状況算出部231、価格決定部240、及び取引情報算出部250を備えており、各々が通信部220と接続している。さらに価格決定部240には、原価算出部241、継続取引割引率算出部242、取引拡大割引率算出部243、納期係数算出部244と、これらと接続する単価算出部245、価格算出部246が設けられている。なお、価格決定装置200の具体的な処理は後述する。
【0022】
[4:生産割付装置の概略構成について]
生産割付装置300について説明する。図1に示すように、本実施形態における生産割付装置300は、記憶部301、通信部302、及び制御部303を備えている。
【0023】
記憶部301には、水晶振動子の生産状況を示す情報が記憶されている。具体的には、全体の生産状況、顧客ID、生産個数、各工程開始日、及び出荷日などが記憶されている。
【0024】
図3は、記憶部301に記憶されている生産状況を示したテーブルである。このテーブルには、発注ごとに、顧客ID、納入単位毎の生産数、各工程開始日などが記憶されている。例えば、顧客IDが3の顧客が発注した水晶振動子については、生産個数が70千個で、前工程開始日が4月1日、A工程開始日が4月2日、B工程開始日が4月16日、検査開始日が4月30日、出荷日が5月3日であることが示されている。
【0025】
[5:販売システムの処理フロー]
以下、本実施形態に係る販売システム1の処理フローを、主要ステップ毎に分けて説明する。
[5−1:販売システムの処理フロー(ログイン時)]
顧客は端末装置100から販売システム1にログインする。ログイン時は、まず端末装置100の入力部102に顧客ID(顧客識別情報)とログインパスワードを入力する。顧客ID、ログインパスワードは顧客に対応して予め設定されており、入力部102は、入力された顧客ID、ログインパスワードを、通信網412を介して価格決定装置200に送信する。価格決定装置200において、端末装置100から送信された顧客ID、ログインパスワードは記憶部210に記憶されている顧客ID、ログインパスワードと照合され、照合結果に基づいてログインの許可、不許可の情報が端末装置100に送信される。また、記憶部210には、顧客ID毎にその顧客データ(過去の発注履歴等)が記憶、管理されている。
【0026】
[5−2:販売システムの処理フロー(全体の生産状況の把握)]
顧客がログインに成功すると、価格決定装置200の制御部230の生産状況算出部231(図2)は、記憶部210から顧客ログイン時点での水晶振動子の発注履歴を読み出し、それに基づいて現在の「全体の生産状況」(全体の受注状況)を算出する。なお、ここでいう発注履歴とは、水晶振動子の製造側が受注した発注履歴であって、顧客ログイン時に生産ライン上にある発注履歴のことを指しており、過去に既に納品された履歴のことを指すものではない。そして、算出した「全体の生産状況」を端末装置200に送信し、端末装置200はそれを表示部105に表示する。
【0027】
図4に、表示部105に表示される「全体の生産状況」の一例を示す。同図では、縦軸に生産能力(百万個/月)、横軸にログイン時を基準とした予定日数が示されている。ここで水晶振動子の各製造工程について説明する。水晶振動子には主に「前工程」、「後工程」がある。前工程では、ある程度の大きさまで成長させた水晶の原石をウェハ状に切り出した後、パターニングして水晶振動片(例えば音叉形等)を形成している。また、後工程では、チップを組み立ててパッケージ化し、水晶振動子を得ている。また、後工程の次工程では検査工程を行っているが、ここでは得られた水晶振動子の周波数調整等の電気特性検査を行っている(検査工程と後工程とを併せて後工程と称してもよい)。
【0028】
図示する「全体の生産状況」からは、全生産能力(ここでは120(百万個/月))のうち、販売システム1が適用されるインターネット販売に割り当てられる生産能力の詳細を確認することができる(なお、インターネットを介さない販売手法、つまり企業間電子商取引ではない販売システムをここでは対面販売と呼ぶ)。即ち、顧客ログイン時で既にどれだけの生産ラインが「予約済み」であるのか、さらには今後の生産能力の変化を確認することができる。なお、インターネット販売と対面販売との比率は、生産割付装置300の制御部303において変更することが可能であり、受注状況、又は在庫に応じてインターネット販売の比率を適宜変化させるとよい。
【0029】
例えば、図4では対面販売、インターネット販売の割合を50%ずつ、即ち各々の生産能力を60[百万個/月]としているが、顧客ログイン時には、インターネット販売に割り当てられている生産能力のうち、既に50[百万個/月]の生産能力が「予約済み」であることが示されている。つまり、この時点で顧客の最大発注可能数は10[百万個/月]ということになる。
【0030】
また、この時点での最大発注可能数は10[百万個/月]であるが、約2週間後には20[百万個/月]になり、約4週間後には40[百万個/月]になるといった生産能力の変化を知ることができる。しかしながら、これらの数値はあくまで現時点(ログイン時点)の発注状況を現しており、当然ながら、この後の他の顧客からの発注次第で、最大発注可能数は変化する可能性もあるが、しかし、後述するように水晶振動子の大口顧客は限られているので、不特定多数の顧客を対象とするBtoC型取引と比較すると、比較的精度よく生産能力の変化を予測することができる。これは、水晶振動子に限らず、他の電子部品の取引にもいえることである。
【0031】
このように本実施形態では、顧客がログインした後に「全体の生産状況」を表示することによって、表示された内容に基づいて顧客が他社の発注状況等を知ることができ、それに基づいて自社の発注量、納期を決定することができる。また、詳細は後述するが、本販売システム1では納期が長いほど、発注量が多いほど、水晶振動子の割引率が大きくなるように価格が決定されている。即ち上述の「全体の生産状況」において、生産完了日が右方へ行くほど(納期に余裕をもたせるほど)、又は発注量が多いほど価格は低くなる。よって、例えば価格優先の場合は、「全体の生産状況」を確認し、希望する価格帯になるように発注量、納期を決定すればよい。
【0032】
なお、この時点の価格の決定方法は、後述する発注確定時における価格決定装置200の価格決定方法と同一である。即ち、顧客の発注履歴、入力部102に入力する発注量、納期等に基づいて価格が決定され、それが端末装置100の表示部105に表示される。しかしながら、ここで説明した「全体の生産状況」の確認時に価格の表示を希望しない場合(単に現在の生産状況のみを確認したい場合)、又はまだ発注量、納期等が未定の場合は、価格表示の無い「全体の生産状況」が表示される。よって、顧客ログインの後に「価格表示を希望しますか?」旨の表示を表示部105に表示させ、表示を希望する場合は発注量、納期等の入力画面に適宜切り替わるようにするとよい(表示を希望しない場合は、価格表示のない生産状況が表示される)。
【0033】
また、水晶振動子を製造・供給するメーカは、製造対象となる水晶振動子のタイプにもよるが、数社(2〜3社)に限られており、これに対する大口の顧客数も数社に限られているのが現状である(この状況は水晶振動子に限られるものではなく、他の電子部品にも共通していえることであり、言い換えればBtoB型販売モデルの特徴といえる)。よって、上述した「全体の生産状況」(受注状況と言い換えることも可能である)は、そのまま「水晶振動子業界全体の発注状況」として読み変えることが可能である(1つの対象製品の製造・供給メーカが例えば3社程度もしくはそれ以下であり、顧客数も5社程度もしくはそれ以下に限られている場合は、このようにある1社の製造メーカの受注状況から業界全体の発注状況を読み取ることが可能といえる)。つまり、本実施形態の販売システムによると、発注前に顧客が「全体の生産状況」を確認することで、他社の生産動向を知ることができるというメリットがある。よって、顧客は、他社の生産動向に基づいたより戦略的な生産計画を立てることが可能になり、安心感を得ることもできる。
【0034】
[5−3:販売システムの処理フロー(マッチングデータの要求・提供)]
水晶振動子をIC(Integrated Circuit)に実装する際は、水晶振動子と実装するICとの電気的特性(相性)を予め把握する必要がある。両者の電気的特性がマッチしない(相性が合わない)と、回路全体さらには製品に不具合を生じる可能性がある。そこで本実施形態では、顧客が水晶振動子を発注する前に、顧客が希望する水晶振動子と、顧客が使用するICとの相性をデータ化したマッチングデータを顧客に提供している。
【0035】
顧客は、販売システム1にログインし、上述の「全体の生産状況」を確認すると、端末装置100の入力部102に、使用するICの型番(以下、IC型番)と所望の水晶振動子の型番(以下、水晶振動子型番)を入力する。入力されたこれらの型番は価格決定装置200に送信され、価格決定装置200は、記憶部210に記憶されているマッチングデータから顧客が要求するマッチングデータを取り出し、それを端末装置100に送信し、端末装置100の表示部にマッチングデータを表示する。なお、マッチングデータを取得した結果、所望の相性が得られない場合は、水晶振動子型番を変更して再度マッチングデータを要求すればよい。これにより、顧客は使用するICとの相性のよい水晶振動子を得ることができる。
【0036】
なお、このマッチングデータ要求・提供のステップは省略可能である。即ち、顧客によっては、使用するICとの相性がよい水晶振動子を既に認識している場合があり、この場合は改めてマッチングデータを取得する必要はない。よって、本実施形態では、マッチングデータの必要・不必要を予め顧客に問うステップの後、顧客の要望に応じてマッチングデータを提供するものとする。
【0037】
[5−4:販売システムの処理フロー(生産計画の送信)]
マッチングデータの要求・提供後、顧客は端末装置100の入力部102に自社の生産計画を入力することができる。ここでいう生産計画とは、水晶振動子を組み込んだ顧客製品をいつまでにどれくらい生産するか、に関する生産計画である(水晶振動子製造側の生産計画ではない)。生産計画に関する情報は端末装置100から価格決定装置200に送信され、記憶部210に一旦記憶される。その後、記憶された「生産計画に関する情報」に基づいて、水晶振動子の製造側が、製造する水晶振動子の生産状況に基づいて「さらに詳細かつ効率的な生産計画」を立案し、立案した生産計画を端末装置100の表示部に表示する。なお、ここでいう「さらに詳細かつ効率的な生産計画」とは、水晶振動子の発注、納入時期のみならず、顧客側各製造工程の開始、終了日等、より細かな生産計画のことを指す。つまり本ステップは、顧客の生産計画に沿って水晶振動子の供給タイミング等を決定し、より詳細かつ効率的な生産計画を顧客側に提示するものであって、生産計画の詳細を代行して立案するステップといえる。よって、既に具体的な生産計画が確定している顧客は、このステップを省略することが可能である。
【0038】
[5−5:販売システムの処理フロー(製品の発注)]
マッチングデータを取得し(必要な場合に限る)、具体的な生産計画が決まると、顧客は所望の水晶振動子を発注する。発注の際は、まず、端末装置100の表示部105に表示されている「発注する」を選択し、入力部102に「水晶振動子の型番」、「発注量」及び「納期」を入力する。入力されたこれらの情報は、価格決定装置200に送信され、記憶部210に記憶される。そして、記憶されたこれらの情報に加え、顧客ID毎に管理されているそれまでの取引履歴に基づいて価格決定装置200で製品の単価が決定される(単価の決定方法は後述する)。また、単価に「発注量」を乗ずることで、全体の価格を算出する。
【0039】
なお、顧客が入力する「納期」は、具体的な日付けを指定してもよいし、「毎週○曜日に○千個」、「毎月第2週、第4週の○曜日に○千個」、「毎月10日、20日、30日に○千個ずつ」といったような指定も可能である。
【0040】
また、価格決定装置200では、顧客が入力した「納期」に基づいて「生産スケジュール」を決定している。ここでいう「生産スケジュール」とは、納期はもちろんのこと、水晶振動子の前工程、後工程等の開始日、終了日、納品ルート等を詳細に盛り込んだスケジュールである。そして、この「生産スケジュール」が、上述の「製品の単価」、「全体の価格」と共に、端末装置100に送信され(記憶部101に一時的に記憶されてもよい)、端末装置100は表示部105にそれを表示する。なお、本販売システムでは、顧客が製造側へ料金を支払った後に発注確定となる。よって、この段階では仮発注となる。
【0041】
「製品の単価」、「全体の価格」及び「生産スケジュール」が表示され、それらの情報を顧客が確認の上、発注する意思がある場合は、顧客は端末装置100の表示部105に表示されている「発注確定」を選択する。
【0042】
このように本実施形態では、従来のように企業間の営業活動等に依らずに製品の単価を決定しているので、迅速かつ簡易に製品の価格を決定することができる。また、発注時に詳細な生産スケジュールを確認することができるので、顧客の安心感につながる。さらに、発注前に上述の「全体の生産状況」を確認することで業界全体の生産動向を予測することができ、業界の動向等を加味した生産計画を練ることができる。
【0043】
顧客が「発注確定」を選択すると「発注確定情報」が端末装置100から価格決定装置200に送信され、それが記憶部201に記憶され、また、「生産スケジュール」が端末装置100から生産割付装置300に送信される。また、発注内容に基づいた請求書が、価格決定装置200から端末装置100に送信され、一定の期間内(例えば5営業日以内)に顧客は料金を支払う。
【0044】
生産割付装置300の記憶部301には、顧客が発注確定を出した時点の水晶振動子の全体の生産スケジュールが記憶されており、顧客が発注した分の生産スケジュールを新たに受信すると、それに基づいて生産スケジュールの最新の状態に更新する。即ち、生産割付装置300では、水晶振動子の発注確定がある度に生産スケジュールを更新している。なお、一定の期間内に料金の支払いが確認できない場合は、顧客発注分の生産スケジュールは記憶部301から速やかに消去される。
【0045】
一定の期間内に料金の支払いを確認すると、生産割付装置300は、生産を手配済みであることを示す「生産手配済情報」を価格決定装置200に送信する。価格決定装置200は、生産割付装置300から送信された「生産手配済情報」を受信すると、「受領情報(料金の支払いを受領した旨の情報)」と「閲覧用パスワード」とを、通信網412を介して端末装置100に送信する。この閲覧用パスワードとは、顧客が発注した製品の生産状況を閲覧するためパスワードであり、末端装置100に入力することで、生産割付装置300で管理されている生産状況を端末装置100の表示部105に表示させることができるものである。
【0046】
[5−6:販売システムの処理フロー(価格決定部の処理について)]
価格決定装置200の価格決定部240の処理について説明する。販売システム1において水晶振動子の価格が決定されるタイミングは2回ある。一つは、顧客ログイン時に「全体の生産状況」において顧客希望時に価格を表示するタイミング([5−2:販売システムの処理フロー(全体の生産状況の把握)参照])と、もう一つは、顧客発注時に価格を表示するタイミング([5−5:販売システムの処理フロー(製品の発注)]参照)である。両タイミングとも、同一の方法によって製品の価格が決定されている。以下、図2を参照して、その詳細を説明する。
【0047】
価格決定の前に顧客は、発注量、納期を端末装置100の入力部102に入力し、入力部102に入力されたこれらの情報が価格決定装置200の通信部220に送信される。また、顧客IDに応じて、価格決定装置200の記憶部210から顧客の発注履歴が読み出される。そして、これらの情報に基づいて、原価算出部241、継続取引割引率算出部242、取引拡大割引率算出部243、納期係数算出部244、単価算出部245が製品の価格を決定する。
【0048】
まず、原価算出部241は、通信部220を制御して、水晶振動子の材料(例えば、ウェハとして使用される水晶、電極として使用される金など)の国際価格を自装置の外部にある不図示のサーバ装置から取得する。原価算出部241は、取得した金の国際価格、及びその他の原材料費から水晶振動子の原価を算出し、算出した原価を単価算出部245に出力する。このように、原価算出部241によって金などの原材料の国際価格変動を価格に反映することができるので、相場変動に影響を受けることなく利益を確保することが可能になる。
【0049】
また、継続取引割引率算出部242は、ログインしている顧客の発注履歴(取引履歴ともいう)を記憶部210から読み出す。ここでいう発注履歴とは、所定の期間毎に集計された水晶振動子の発注数である(例えば4半期ごとに集計された発注数など)。継続取引割引率算出部242は、発注履歴から継続取引割引率、即ち、継続して取引してきた顧客(継続取引顧客)に適用する割引率を算出する。具体的に、ここでは継続して取引してきた年数(継続取引年数)に応じて、継続取引年数が長ければ長いほど水晶振動子の単価の割引率が上昇するように継続取引割引率aを算出し、算出した継続取引割引率aを単価算出部245に出力している。
【0050】
例えば、継続取引割引率算出部242は、以下の式(1)に従って継続取引割引率a[%]を算出する。
【0051】
a=Pv×Ny×0.01 …(1)
【0052】
Pvは変動費の割合率[%]であり、例えば、30%である。Nyは、継続取引年数である。但し、継続取引年数Nyが5年以降は、継続取引割引率aを一定にするため、Nyは3に固定される。すなわち、継続取引割引率算出部242は、継続取引年数が5年までは、その継続取引年数が長くなるほど水晶振動子の単価の割引率を上昇させている。なお、ここでは継続取引年数Nyが5年以降では継続取引割引率aを一定にし、即ち継続取引割引率aに上限を設けているが、上限を設けることなく継続取引年数Nyが長くなるほど継続取引割引率aが大きくなるようにしてもよい。
【0053】
上記式(1)によると、例えば、変動費の割合率が30%で、継続取引年数が1年の場合、継続取引割引率aは0.3(=30×1×0.01)%である。また、変動費の割合率が30%で、継続取引年数が2年の場合、継続取引割引率aは0.6(=30×2×0.01)%である。また、変動費の割合率が30%で、継続取引年数が3年以降の場合、継続取引割引率aは0.9(=30×3×0.01)%である。
【0054】
また、取引拡大割引率算出部243は、ログインしている顧客の履歴情報を記憶部210から読み出し、読み出した所定の期間毎の水晶振動子の発注数から、取引が拡大している顧客に対して取引拡大割引率bを算出し、それを単価算出部245に出力する。即ち、発注数の増加率が高ければ高いほど、製品の割引率が大きくなるようにしている。なお増加率は、所定の期間の発注数を比較して得られる値であるが、例えば、一昨年度と昨年度の発注数を比較して増加率を算出してもよいし、前々4半期と前4半期の発注数を比較して増加率を算出してもよい。
【0055】
具体的には、取引拡大割引率算出部243は、以下の式(2)によって取引拡大割引率b[%]を算出している。
【0056】
b=Pf×Up×0.0001 …(2)
【0057】
ここで、Pfは固定費の割合率[%]であり、ここでは60%とする。Upは年度毎の発注量の増加率[%]である(なお、増加率Upがマイナスの場合は、取引拡大割引率bは0とする)。例えば、固定費の割合率が60%で、一昨年度を基準とした昨年度の発注量の増加率が10%の場合、取引拡大割引率bは0.06(=60×10×0.0001)%となる。また、固定費の割合率が60%で増加率が20%の場合、継続取引割引率aは0.12(=60×20×0.0001)%である。
【0058】
また、納期係数算出部244は、顧客が入力した納期と基準納期(例えば60日)とを比較し、基準納期よりも短くなるほど納期係数cが大きくなるように納期係数cを算出し、単価算出部245に出力する。具体的には、以下の式(3)を用いて納期係数c[%]を算出する。なお、納期が基準納期を上回る場合は納期係数cはマイナスとなるが、納期係数cはマイナスであってもよい(但しc>−1)。
【0059】
c=(基準納期−Dt)×0.01 …(3)
【0060】
ここで基準納期を60日とし、顧客が入力する希望納期が30日とすると、納期係数cは0.3となる。また、上式(3)の右辺に、さらに金利に関連する金利係数Iを乗じてもよい。すなわち、納期が短いほど金利係数Iを高くしてもよい。
【0061】
そして上述の方法によって算出した継続取引割引率a、取引拡大割引率b、納期係数c、製造側が設定する基準利潤R、原価Poに基づいて、以下の式(4)によって、単価算出部245が水晶振動子の単価Puを算出する。
【0062】
Pu=(Po+R)×(1−a−b)×(1+c) …(4)
【0063】
この式によると、継続取引割引率aが大きいほど(継続取引年数が長いほど)、取引拡大割引率bが大きいほど(発注数の増加率が高いほど)、納期係数cが小さいほど(納期に余裕があるほど)、製品の単価Puを低く抑えることが可能になる。そして、ここで算出された単価Pu、単価Puに発注数Nを乗じて得られる全体価格Pa、及び価格決定日が、納期等の情報と共に通信部220から端末装置100に送信され、表示部105に表示される。図5に、表示部105に表示される見積画面の一例を示す。
【0064】
[5−7:販売システムの処理フロー(取引情報算出部の処理について)]
図2を参照して、取引情報算出部250について説明する。取引情報算出部250は、納入スケジュール算出部251と生産工程算出部252とを有しており、ここでは顧客が端末装置100から入力した発注量、納期に基づいて、具体的な生産スケジュールを作成し、それを顧客、及び生産割付装置300へフィードバックしている。なお、具体的な生産スケジュールの決定は、顧客の製品発注時に行われる(料金未払いの段階では仮決定であるが、支払いが完了すると生産スケジュールが確定する。[5−5:販売システムの処理フロー(製品の発注)]参照)。
【0065】
上述のように、製品発注時に顧客は端末装置100の入力部102に「水晶振動子の型番」、「発注量」及び「納期」を入力し、それらの情報が通信部220から端末装置100から価格決定装置200の納入スケジュール算出部251に入力される(図2)。
【0066】
納入スケジュール算出部251では、入力された情報に基づいて顧客への納入スケジュールを算出する。例えば、顧客が「○月○日までに1万個」と指定した場合は、「○月△日に2千個、○月□日に3千個、○月×日に5千個」というように、複数の納入予定日を設定し、それぞれの納入予定日ごとの納入品数を設定する。この際の納入品数の割り当ては、製造側が抱える在庫量に応じて決定すればよい。即ち、在庫量が多いと予想される時期は納入品数を多めにし、在庫量が少ないと予想される時期は納入品数を少なめにするとよい。もちろん顧客が納入品数を「○月△日に4千個、○月□日に4千個、○月×日に2千個」のように発注時に細かく設定することも可能である。算出された納入スケジュールは通信部220から端末装置100に送信され、料金とともに顧客に表示される。
【0067】
納入スケジュール算出部251で算出された納入スケジュールは、端末装置100へ送信される一方で、生産工程算出部252にも送信される。生産工程算出部252では、受信した納入スケジュールに基づいて具体的な生産工程を計画する。上述したように水晶振動子は大きく分けると前工程、後工程があるが、これらの工程の開始日、終了日のみならず各工程における詳細をさらに細かく決定する。なお、前工程、後工程で製造拠点が異なる場合は、各工程間で製品を搬送する日数も考慮する必要がある。また、不測の事態が生じた場合は、顧客側の外部端末(不図示)からその情報が速やかに納入スケジュール算出部251、生産工程算出部252に送信され、再度、納入スケジュール、生産工程が算出し直される。
【0068】
顧客が「発注確定」を選択すると、算出された生産工程が通信部220から生産割付装置300に送信され、一定の期間内に料金の支払いを確認すると、この生産工程が生産ラインの管理をする制御部(不図示)に正式に登録され、さらに生産割付装置300は、生産を手配済みであることを示す「生産手配済情報」を価格決定装置200に送信する。その後、上述したように価格決定装置200は、「受領情報」と「閲覧用パスワード」とを端末装置100に送信する。
【0069】
上述した価格決定装置200における各処理は、記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより行われるとよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0070】
さらに「記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0071】
[6:本実施形態の効果について]
本実施形態によれば、従来のように企業間の営業活動等によって製品の価格を決定するものではなく、BtoB型のインターネット取引によって製品価格を決定しているので、製造側は公正な価格を迅速に顧客に提案することができる。また、顧客側にとっても自らの端末装置を使用して迅速に発注を行うことができる。さらに従来の販売システムで生じていた営業コストを省略することができる。
【0072】
また、原材料の変動、顧客の発注履歴等に基づいて製品価格を決定しているので、原材料の変動に関わらず製造側の利益を確保しやすくなると共に、顧客からの継続的な発注を受けやすくなる。
【0073】
また、発注前に「全体の生産状況」を確認しつつ、生産計画を立てることができ、さらにこの「全体の生産状況」が業界全体の発注動向を示すものであるので、より戦略的な生産計画を立てることができる。また、発注前に納期、価格等を予め知ることができるので、安心感につながる。なお、これは製品の製造側、顧客側の数がある程度少数に固定されている、といったBtoB型の電子部品の取引の特徴を生かすことで得られる効果であり、一般的なBtoC型のように不特定多数の顧客が混在するタイプの販売モデルでは得ることのできない効果である。
【0074】
また、料金支払い後に得られる「閲覧用パスワード」を入力することで、顧客が製品の生産状況を随時把握することができる。これによれば、自社が発注した製品がどの生産段階にあるのかを随時把握できるので、顧客側の安心感につながると共に、顧客がより積極的な生産計画をたてることができる。
【0075】
以上より本実施形態に係る販売システム1によれば、企業間電子商取引における電子部品の販売システムにおいて、迅速かつ簡易に商品の価格を決定しつつ、発注側が商品の生産状況を随時把握可能な販売システムを提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0076】
1 販売システム
100 端末装置
101 記憶部
102 入力部
103 制御部
104 通信部
105 表示部
200 価格決定装置
210 記憶部
220 通信部
230 制御部
231 生産状況算出部
240 価格決定部
241 原価算出部
242 継続取引割引率算出部
243 取引拡大割引率算出部
244 納期係数算出部
245 単価算出部
246 価格算出部
250 取引情報算出部
251 納入スケジュール算出部
252 生産工程算出部
300 生産割付装置
301 記憶部
302 通信部
303 制御部
412、413、423 通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が情報を入力する端末装置と、
顧客が希望する製品の価格を決定する価格決定装置と、
顧客の発注内容に基づいて製品の生産スケジュールを作成する生産割付装置と、
を備えた企業間電子商取引を用いた電子部品の販売システムであって、
前記価格決定装置には、現在の全体の生産状況を算出して前記端末装置に表示する生産状況算出部が設けられており、
顧客が前記端末装置に入力する発注量、納期、及び前記価格決定装置に記憶されている顧客の発注履歴から、前記価格決定装置が製品の価格を決定すると共に、
顧客が製品を発注後、該製品の納品までに、前記生産割付装置が該製品の生産状況を顧客の要求に応じて前記端末装置に表示可能に構成されていることを特徴とする企業間電子商取引を用いた電子部品の販売システム。
【請求項2】
前記価格決定装置は、
過去の所定の期間における発注量の増加率が高いほど製品の割引率を大きくするように製品の価格を決定することを特徴とする請求項1に記載の企業間電子商取引を用いた電子部品の販売システム。
【請求項3】
前記価格決定装置は、
顧客の継続取引年数が長いほど製品の割引率を大きくするように製品の価格を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の企業間電子商取引を用いた電子部品の販売システム。
【請求項4】
前記価格決定装置は、
顧客が入力する希望納期が基準納期よりも長いほど製品の割引率を大きくするように製品の価格を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の企業間電子商取引を用いた電子部品の販売システム。
【請求項5】
前記価格決定装置は、
発注量が多いほど製品の割引率を大きくするように製品の価格を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の企業間電子商取引を用いた電子部品の販売システム。
【請求項6】
前記電子部品とはICに実装される水晶振動子であって、
顧客が水晶振動子を発注する前に、顧客が有するICと顧客が希望する水晶振動子のマッチングデータを顧客に提供可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の企業間電子商取引を用いた電子部品の販売システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−20495(P2013−20495A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154022(P2011−154022)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)