説明

会計取引情報読取装置

【課題】会計処理では人手による伝票入力、特に販売及び一般管理費への諸経費入力の手間が一番かかっており多くの時間と費用が必要になり、入力ミスも防ぎきれない課題がある。
【解決手段】全紙製品証憑内容を全て標準化して作成した図1会計取引情報を電子情報処理装置の各種入力装置によりダウンロード、又は証憑上の二次元バーコードの読取画像処理により読取った会計取引情報による会計自動入力を可能とし、会計取引情報により会計入力には複式簿記の取引、貸借区分、仕訳に関する知識を必要とせず、取引先間での標準EDIとての使用が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は会計処理の入力をキーボードによる手作業ではなく全ての紙製品証憑の会計取引情報を電子情報として作成又は証憑上に二次元バーコードに変換して印刷し、電子情報は電子情報処理装置の入力装置により読取り、二次元バーコードは入力装置により画像処理して読取り、会計自動入力を行なうためのものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術として一顧客についての売上情報を文字で印字すると共に当該一顧客の売上情報を二次元バーコードで印字するよう構成されてなることを特徴とするPOS売上登録システムが知られている。この技術では会計入力データとしてPOS売上登録システムでレシート発行された取引しか扱えずレシート以外の証憑に基く入力は手作業で行なわなくてはならない、様々な業種の取引に共通して扱える仕様にはなっていない、商品、サービス売上情報のみで会計処理のための情報が無いという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−194948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
会計処理では伝票入力、特に人手による販売費及び一般管理費への諸経費入力の手間が一番かかっており多くの時間と費用がかかり入力ミスも完全には防ぎきれない。
【0005】
現在、会計入力データとして売上は自社処理より、仕入、預金口座は取引先よりのダウンロードで行なえるようになってきているが、情報形式が統一されておらず、それぞれに対応した会計情報に変換する入力アプリケーションプログラムが必要となっている。
【0006】
会計入力データとしてダウンロードデータを使用するには、複式簿記による取引、貸借区分、仕訳を理解していないと会計情報に変換しての使用ができない。
【0007】
今後、取引先間で伝票情報を電子データで交換するEDIの業界横断の標準化が予定されているが、業界共通EDIメッセージへ組込める標準となる取引内容の会計情報仕様が策定されていない。
【0008】
ダウンロードデータによる電子データによる入力だけではなく、紙製品証憑から人手によらず会計情報を直接電子情報処理装置の各種入力装置で入力する方法がない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
会計処理の伝票入力を図3電子情報処理装置キーボード14によるキー入力ではなく、全ての証憑の会計取引情報を通信装置のインターネット11、入出力装置のICカードリーダ18、メモリリーダ19、接続された携帯端末20よりのデータダウンロードにより入力する方式、又はスキャナー16、カメラ17により証憑上の二次元バーコードを読取り、画像処理を行いデータを入力する方式により、全ての証憑に係る会計取引入力の自動処理を可能とする。
【0010】
データダウンロード入力と画像処理データ入力の両方に対応するために図2全ての紙製品証憑4を電子情報形式にした証憑内容5と証憑内容より選択、証憑内容の変換、証憑内容に追加し電子情報形式にした図1形式の会計取引情報7又は会計取引情報を二次元バーコード6として印刷した紙製品証憑を読取り、画像処理を行い電子情報形式にした会計取引情報7を全証憑に対する標準形式として電子情報処理装置による自動会計入力のデータとして使用する。
【0011】
図1会計取引情報は全証憑に対する標準形式であり、一枚の証憑に対して証憑全体に対する一件の見出部1、証憑明細の数分だけの複数件の明細部2、コマーシャル等に使用する場合に使用する0件から複数件のその他部3で構成する。会計入力に必須な会計取引情報は見出部1の証憑区分、伝票番号、取引日付、明細部2の取引区分、金額、増減区分である。その他の項目は必要に応じて入力する。
【0012】
証憑発行元は会計入力に必要な全ての紙製品証憑に記載された図4会計取引21の証憑内容と証憑内容より選択、証憑内容の変換、証憑内容に追加した図1会計取引情報を電子情報形式として22を証憑受取側に発行する。
【0013】
証憑発行元が電子情報形式22で作成しない場合は証憑内容および会計取引情報を二次元バーコードとして証憑上に印刷して、紙製品証憑二次元バーコード23を証憑受取側に発行する。
【0014】
証憑内容は紙製品証憑に印刷されている見出部である伝票種類、取引先名、伝票番号、取引日付、明細部である取引明細数分の商品名、数量、単価、金額等で構成される。会計取引情報には証憑内容より選択した見出部1の伝票番号、取引先名、取引日付、明細部2の商品名、金額の項目がある。証憑内容の変換を行った見出部1の見出明細区分、証憑区分、証憑科目、明細部2の見出明細区分、取引区分、取引科目、増減区分、その他部3の見出明細区分の項目がある。証憑内容に追加する見出部1の検証情報、その他部3の取引先URL、メールアドレス、コマーシャルの項目がある。電子情報形式の証憑内容は証憑受取側が販売管理、証憑検証、電子帳簿保存法による保存等に使用する目的でダウンロードの請求があった場合にのみ提供する。
【0015】
図4の22と23電子情報形式会計取引情報の明細部は図5入力例にあるように証憑上の単一取引に対して一件の明細を作成し、この会計取引情報による会計入力は全て単一仕訳となり、複合仕訳は使用しない。
【0016】
証憑発行元が証憑内容より図4の22と23の会計取引情報を作成する時は、図1見出部1の証憑科目は証憑区分に基き標準勘定科目テーブルを参照して該等する勘定科目を既定値として入力し、検証情報は二次元バーコードのデータ正当性を検証するための情報を入力し、明細部2の取引科目は取引区分に基き標準勘定科目テーブルを参照して該等する勘定科目を既定値として入力し、増減区分は証憑の取引の金額が増える(プラス)、減る(マイナス)のいずれかを入力し、その他部3の取引先URL、メールアドレス、コマーシャルには必要な情報を入力して設定する。
【0017】
会計取引情報の情報量を減らして二次元バーコード23を作成する場合で証憑発行元での証憑科目、取引科目の入力を行なわなかった時きは、証憑受取側が標準勘定科目テーブル又は独自勘定科目テーブルを使用して証憑科目/取引科目標準勘定科目設定26処理で入力を行なう。
【0018】
図1見出部1の証憑科目は図5の解説図のように元となる証憑区分が普通預金口座の場合は普通預金を入力する。この証憑科目は複式簿記仕訳の借方/貸方の一方になる。
【0019】
図1明細部1の取引科目は複式簿記仕訳の見出部1の証憑科目の相手勘定となる。図5の解説図のように普通預金の取引区分の預金機、支払機、電気取引に対してそれぞれ現金、現金、水道光熱費の勘定科目を取引科目へ入力する。
【0020】
図1明細部1の増減区分は図5の解説図のように普通預金(借方科目属性)の勘定科目とこれに対する相手勘定の仕訳上の借方/貸方を決めるために使用する。
【0021】
図1会計取引情報の見出部1の証憑科目、明細部1の取引科目は標準勘定科目テーブル参照による標準勘定科目を既定値として持つが、証憑受取側で独自勘定科目に変更する時は、図4証憑受取側の独自勘定科目テーブルにより勘定科目変更27の処理で、見出部1の証憑科目の更新、あるいは明細部1の取引科目の変更を行なう。
【0022】
会計取引情報の二次元バーコードは証憑内容に応じて一個あるいは複数個の二次元バーコードとして紙製品証憑上に印刷する。電子情報形式会計取引情報22を内容とする二次元バーコードが印刷された証憑は図3電子情報処理装置のスキャナー16、カメラ17により一枚あるいは複数枚の証憑を同時に読取る画像処理により入力を行なう。
【0023】
電子情報形式会計取引情報22は図3電子情報処理装置のインターネット11、電子情報処理装置に接続された携帯端末20よりのダウンロード、又は会計取引情報の記憶されたICカード、携帯端末等の外部メモリをICカードリーダ18、メモリーリーダ19で読込で処理する。
【0024】
UTFコードテキストよりなるXML形式電子情報形式の場合の会計取引情報28は取引先間で伝票情報を電子データで交換する業界共通標準EDIの業界共通EDIメッセージ部へ図6会計取引情報EDIメッセージを会計取引情報であることを識別する<EDIデータ識別子></EDIデータ識別子>XMLタグでマークアップして組込む。会計取引情報へ入力されたデータは開始タグと終了タグの間にテキスト形式で記述する。
【0025】
紙製証憑の保存と同時に図2紙製証憑のイメージデータである証憑画像4と証憑内容5および会計取引情報7をUTFコードテキストよりなるXML形式電子情報形式で外部記憶装置に記憶保存し、会計取引情報の更新、削除履歴を記憶保存することにより、取引検証性を確保し、多重バックアップも可能とし、電子帳簿保存法の必要要件となる指定帳簿類の法定保存期間までの保存、見読可能性、検索可能性、更新履歴保存の要件を満たすことを可能とする。
【発明の効果】
【0026】
自社処理による売上データ、取引先よりのダウンロードによる仕入、預金口座データ、全紙製品証憑データの全てを統一し標準化された図1会計取引情報を会計入力データとすることができ、それぞれに対応した会計情報に変換する入力アプリケーションも必要なく、図3電子情報処理装置のインターネット、スキャナー、カメラ、ICカードリーダ、メモリーリーダ、接続携帯端末等の各種入力装置により電子情報及び証憑上の二次元バーコードの読取りと自動データ入力を可能とし入力機器の多様性、利便性を高め、入力ミスがなく、人手による入力をなくし多くの時間と費用の削減を可能とする。
【0027】
会計取引情報を内容とする二次元バーコードが印刷された証憑をスキャナー16、カメラ17で読取り画像処理を行うことにより、複数枚の証憑を同時に入力でき、二次元バーコードに備わる検証機能により間違いの無い自動入力を可能とする。
【0028】
図1会計取引情報の証憑区分、取引区分、増減区分の使用により図5入力例の解説図にあるように、自動仕訳入力を可能とし、会計入力には複式簿記の取引、貸借区分、仕訳に関する知識を必要とせず、容易に間違いのない会計入力を可能とする。
【0029】
電子情報形式会計取引情報24は取引先間で伝票情報を電子データで交換する業界共通標準EDIの業界共通EDIメッセージ部へ組込め取引先間での標準EDIとての使用が可能となる。
【0030】
図1の増減区分により、会計取引情報を預金口座のように支払欄、預かり欄に分ける形式を必要とせず、異なる証憑形式でも会計取引情報の単純化、標準化が行なえ、情報量の圧縮も可能となる。
【0031】
紙製証憑の保存と同時に図2紙製証憑の証憑画像4と証憑内容5および会計取引情報7をUTFコードテキストよりなるXML形式電子情報形式で外部記憶装置に記憶保存することにより電子帳簿保存法に適応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】証憑内容を見出部、明細部、その他部に分けた会計取引情報の構成図
【図2】会計入力のために必要な紙製品証憑と電子情報形式に変換した証憑内容及び証憑内容よりを選択、変換、追加した会計取引情報の関連図
【図3】本発明における電子情報処理装置の構成図
【図4】電子情報処理装置による会計取引情報作成とこの情報による会計自動入力処理の処理手順
【図5】会計取引情報の証憑区分、取引区分、増減区分を使用しての入力例の解説図
【図6】証憑情報を電子データで交換する業界共通EDIメッセージ部へ組込むXML形式会計取引情報の構成図
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明における字句の解釈は次のとおりである。
【0034】
「証憑」とは会計処理のための簿記で商取引を記帳する場合のその事実の根拠を内容として紙製品に印刷した証拠資料のことを言う。商取引の売上に関して納品書控え、送り状控え、請求書控え、領収書控え、発注書、受領書、受取手形・小切手等、仕入に関して納品書、送り状、請求書、領収書、レシート、発注書控え等、金融に関して預金通帳、取引明細書、請求明細書等、給与に関しての賃金台帳、税金に関しての納付書控え等を言う。証憑発行元は証憑内容を必要に応じて取引先に電子情報として提供可能とするが会計処理には必須情報ではなく、証憑類の検証、販売管理等に使用するためのものである。紙製証憑を電子画像として保存する時は電子情報処理装置に備えられた画像を読取る装置により行う。
【0035】
「EDI」とは電子データ交換のことで、伝票情報を電子データで交換することを言い、取引先間でデータ交換をする際には、1通信プロトコル、2コード体系、3メッセージの3つを標準化する。1通信プロトコルにはインターネットを、2コード体系にはJANコードのような標準化されているコード体系を、3メッセージには業界共通、業界専用、個社別EDIメッセージの構成を使用する。
【0036】
「勘定科目」とは個人、法人事業者を会計単位としそこで簿記を行なう時に、それぞれが独自に設定する取引毎に取引内容を記帳するために用いる金額の名目をあらわす科目を言う。例として資産(現金、預金、売掛金、受取手形、建物、貸付金等)、負債(買掛金、支払手形、借入金、退職給与引当金等)、資本(資本金、剰余金等)、経常損益(売上、受取利息、仕入、給与、消耗品費、光熱費、旅費交通費、交際費、保険料、租税公課、貸倒損失等)がある。勘定科目は300 資本金のようにコードと名目との組合せで設定し、コード、名目それぞれ単独で、コードと名目組合せでのいずれかで使用する。勘定科目は全証憑及び全業種横断的に使用する標準勘定科目と会計単位毎に使用する独自勘定科目とがある。
【0037】
「勘定科目テーブル」とは電子情報処理装置の処理プログラムで使用するためのものであり、全業種横断的に使用する標準勘定科目テーブルと会計単位毎に使用する独自勘定科目テーブルがあり、個々の勘定科目には借方/貸方科目及び対応する証憑区分、取引区分の属性を備え、勘定科目をコードと名目との組合せで電子情報形式にした勘定科目一覧表を言い、勘定科目への既定値の設定、既定値勘定科目の変更等に使用する。
【0038】
「見出明細区分」とは証憑の内容を見出部、明細部、その他部に分類する区分を言う。例として証憑の全体に係る内容の証憑区分、伝票番号、取引先名、取引日付、証憑科目等を1見出部とし、証憑の明細に係る内容の取引区分、取引科目、商品名、金額、増減区分等を2明細部とし、それ以外に係る内容の取引先URL、メールアドレス、コマーシャル等を3その他部に分類して使用する。
【0039】
「証憑区分」とは請求書、納品書、送り状、領収書、レシート、預金通帳等の証憑の種類を標準化したものを言う。証憑区分により見出明細区分の見出部の証憑科目へ標準化した勘定科目を証憑の既定値として設定する。例として預金通帳の場合は普通預金を証憑科目として設定する。処理時の証憑科目既定値の変更は勘定科目テーブルより選択して行なう。証憑区分は500 領収書のようにコードと証憑種類との組合せで設定し、コード、証憑種類それぞれ単独で、コードと証憑種類組合せでのいずれかで使用する。
【0040】
「取引区分」とは簿記上の取引を区分したもので、資産・負債・資本が増減する取引を具体的な商品、サービス名ではなくこれらを取引する商行為を分類したものを言う。例として売上に関し売上、売上値引、売上返品、仕入に関し仕入、仕入値引、仕入返品、普通預金に関し電話、水道、電気、保険、預金機(ATM)、支払機(ATM)、カード、口座引落、送金、振込、口座振替、手数料、受取利息、諸経費に関し食品、飲料、筆記具、ノート、コピー用紙、旅費、有料道路、燃料、保険料、税金、図書、新聞等のように具体的に証憑に記載される商行為取引を分類したものを言う。取引区分は101 電話(代)のようにコードと内容との組合せで設定し、コード、内容それぞれ単独で、コードと内容組合せでのいずれかで使用する。
【0041】
「取引科目」とは簿記上の仕訳や財務諸表などに用いる表示金額の名目をあらわす科目を分類し、個人、法人事業者共通して使用できるように標準化したものを言う。例として普通預金取引の電話、水道、電気、保険、カード類の口座引落、送金、振込、口座振替、手数料、受取利息等の取引区分に基きそれぞれに標準化した勘定科目を既定値として設定する。取引科目は510 通信費のようにコードと内容との組合せで設定し、コード、内容それぞれ単独で、コードと内容組合せでのいずれかで使用する。取引科目の変更は、例として販売費及び一般管理費の食品の取引区分に対して、福利厚生費を取引科目の既定値として設定しておき、贈答品として購入した時は勘定科目テーブルより選択して取引科目へ交際費として既定値を変更して個人、法人事業者の会計単位毎の独自勘定科目を使用する。複式簿記の仕訳では取引科目は証憑科目の相手勘定科目となる。
【0042】
「増減区分」とは簿記では−(マイナス)表記の金額を使用しないため、取引区分の取引の金額が増えた場合(+の金額)、減った場合(−の金額)を区別してあらわす区分を言う。
【0043】
「電子情報形式」とは例として会計取引の内容である取引区分コードを810、 取引区分内容を消耗品、金額を500(円)を記録媒体に記録する場合の電子情報形式は1 データベース又はファイル形式では数字項目5桁、文字項目16桁、金額項目9桁のように複数の定桁数の項目をひとまとまりのバナリイデータとて扱う形式、2 XML形式では<証憑><コード>810</コード><内容>消耗品</内容><金額>500</金額></証憑>のように各項目を<>でくくってマークしてテキストデータとて扱う形式、3 CSV形式では810、消耗品、500のように項目間に分離文字(この例では’,’)をいれてテキストデータとて扱う形式の3形式があり、いずれかを使用する。
【0044】
「会計取引情報」とは証憑の内容を見出明細区分に基き見出部、明細部、その他部の情報に分け、それらを電子情報形式として又は証憑上の二次元バーコードとして印刷したものを言う。会計処理に必須の項目は証憑区分、伝票番号、取引日付、取引区分、金額、増減区分であり、既定値の証憑科目、取引科目を変更する必要がある場合は勘定科目テーブルより選択して、その取引独自の勘定科目として使用する方式をとる。一枚の証憑には一件の見出部、一件以上の複数件の明細部、0件から複数件のその他部で構成される。電子データ交換のためにはEDIデータ識別子設定とEDIメッセージのマークアップ仕様に合わせて会計取引情報を業界共通EDIメッセージ情報として作成して使用する。
【0045】
「検証情報」とは証憑上の二次元バーコードのデータ正当性を検証するためのものであり、証憑上の二次元バーコードの個数、証憑明細金額の合計金額、処理日時、二次元バーコードデータの巡回冗長検査等の誤り検出符号等の情報を持つ。
【0046】
「JANコード」とは商品の供給責任者(ブランドオーナー、発売元、製造元、輸入元)の企業、さらに該当する企業の何の商品かを表示するものであり、商工会議所、商工会等により標準化されたコードである。
【0047】
「取引先名」とは商取引の相手となる個人、法人の名称でコードと名前との組合せで設定し、コード、名前それぞれ単独で、コードと名前組合せでのいずれかで使用する。コードはJANコード又は任意のコード体系に基くコードを使用する。
【0048】
「商品名」とは商取引の取引された商品、サービスの名称でコードと商品名との組合せで設定し、コード、商品名それぞれ単独で、コードと商品名組合せでのいずれかで使用する。コードはJANコード又は任意のコード体系に基くコードを使用する。
【0049】
「二次元バーコード」とは横方向にしか情報を持たない一次元バーコードに対し、水平方向と垂直方向に情報を持ち、二次元バーコードを識別するマーカーを備えた表示方式のバーコードのことでより多くの情報をコード化でき、また印字面積を小さくできるコードのことを言う。
【0050】
「証憑科目設定」とは電子情報処理装置の処理プログラムで会計取引情報の見出明細区分見出部の証憑科目に証憑区分に基く標準勘定科目を設定し、例として普通預金通帳の場合は普通預金、納品書控えの場合は売上、領収書の場合は現金とする、明細部の取引科目に取引区分に基き見出部証憑科目の相手勘定科目としての標準勘定科目を設定し、例として普通預金通帳記載の電気は水道光熱費、電話は通信費、利息は受取利息のように入力して設定する。
【0051】
「電子帳簿保存法」とは「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」であり指定帳簿類の法定保存期間までの保存、見読可能装置の設置、検索可能性の確保、更新、削除履歴の保存、必要な機器の提供等が必要要件となっている。
【0052】
「画像処理」とはソフトウェアの処理方式であり、スキャナー、カメラ等により画像を取得し、画像処理アルゴリズムの2値化(画像を白黒に変換する)とエッヂ抽出(輪郭線だけを強調して抽出する)を行い、二次元バーコードマーカを検出し、二次元バーコードを読取り記載されている情報を入手する処理を言う。
【0053】
「UTFコード」ユニコードとは、ユニコード・コンソーシアムによって制定された文字コードで、文字を2バイト、または4バイトで表し、世界中の文字を表現するためのものでISOで制定されている世界統一文字コード規格を言う。
【実施例1】
【0054】
図4電子情報処理装置による会計取引情報作成とこの情報による会計自動入力処理の処理手順により本発明の実施方法を説明する。
【0055】
本発明は会計処理の入力を図3のキーボード14による手作業ではなく11の通信装置、16、17、18、19、20の入力装置で可能とするために、証憑発行元は会計入力に必要な全ての紙製品証憑に記載された図4会計取引21の証憑内容と証憑内容より選択、証憑内容の変換、証憑内容に追加した図1会計取引情報を電子情報形式として22を発行し、証憑受取側は図3電子情報処理装置の通信装置のインターネット11、入出力装置のICカードリーダ18、メモリリーダ19、接続された携帯端末20よりデータダウンロードしてこれらの電子情報を読取る24処理を行なう。
【0056】
証憑発行元が電子情報形式22で作成しない場合は証憑内容および会計取引情報を二次元バーコードとして証憑上に印刷して、紙製品証憑二次元バーコード23を証憑受取側に発行し、証憑受取側は図3電子情報処理装置のスキャナー16、カメラ17により証憑上の二次元バーコードを読取り画像処理を行いこれらの二次元バーコード情報を読取る25処理を行なう。
【0057】
証憑発行元が作成して発行した22及び23の図1会計取引情報には証憑内容より選択した見出部1の伝票番号、取引先名、取引日付、明細部2の商品名、金額の項目がある。証憑内容の変換を行った見出部1の見出明細区分、証憑区分、証憑科目、明細部2の見出明細区分、取引区分、取引科目、増減区分、その他部3の見出明細区分の項目がある。証憑内容に追加する見出部1の検証情報、その他部3の取引先URL、メールアドレス、コマーシャルの項目がある。
【0058】
証憑発行元の22及び23発行時に、証憑内容の変換の見出部1証憑科目は証憑区分に基き標準勘定科目テーブルを参照して該等する勘定科目を既定値として入力し、明細部2取引科目は取引区分に基き標準勘定科目テーブルを参照して該等する勘定科目を既定値として入力する。
【0059】
図1会計取引情報でマイナス表示の金額(−10000等)を使用し証憑受取側処理で正負の判別を行なう場合は、明細部2の増減区分は必須項目とはならず使用しない。証憑内容の検証を証憑発行元で行なわない場合は見出部1の検証情報は使用しない。
【0060】
22及び23の図1会計取引情報に見出部1証憑科目あるいは明細部2取引科目が二次元バーコード情報量の制約等で証憑発行元で入力されていない場合は証憑受取側の証憑科目/取引科目標準科目設定処理26で標準勘定科目テーブルを参照して該等する勘定科目を既定値として入力する。
【0061】
証憑受取側で証憑科目、取引科目を独自勘定科目に変更する時は独自勘定科目テーブルを参照して独自勘定科目テーブルにより勘定科目変更27で更新処理を行なう。会計取引情報の更新履歴保存を行なう場合は、規定値である証憑科目、取引科目はそのまま残し、更新後勘定科目を会計取引情報への追加項目として記憶保存する。
【0062】
紙製証憑の保存と同時に図2紙製品証憑の証憑画像4、証憑内容5および会計取引情報7をUTFコードテキストよりなるXML形式の電子情報形式で外部記憶装置にデータベース12又はデータファイル13として記憶保存し28、会計取引情報7により会計自動入力処理29を行なう。
【符号の説明】
【0063】
1 会計取引情報の見出部の項目一覧
2 会計取引情報の明細部の項目一覧
3 会計取引情報のその他部の項目一覧
4 紙製品に取引内容を印字された証憑とその電子画像
5 証憑内容を電子情報形式に変換したもの
6 証憑内容及び会計取引情報を二次元バーコードに変換して証憑上に印刷したもの
7 証憑内容を選択、変換、追加した会計取引情報を電子情報形式に変換したもので見出部、名細部、その他部で構成される
8 演算処理装置に備えられた外部通信機器とのデータの送信、受信を行なう機能
9 演算処理装置に備えられた電子情報形式の情報を読取る機能
10 演算処理装置に備えられた電子情報を外部記憶装置に記憶保存する機能
11 通信装置に備えられたインターネットによりデータの通信を行なう機能
12 外部記憶装置に記憶保存するデータベース
13 外部記憶装置に記憶保存するデータファィル
14 電子情報処理装置に備えられたキーによる入力装置
15 電子情報処理装置に備えられた表示画面を備えたディスプレイ装置
16 電子情報処理装置に備えられた印刷された文字、画像を読取る装置
17 電子情報処理装置に備えられた画像を読取る装置
18 電子情報処理装置に備えられたICカードより電子情報を読取る装置
19 電子情報処理装置に備えられた外部メモリーより電子情報を読取る装置
20 電子情報処理装置に接続された携帯端末より電子情報を読取る装置
21 紙製品証憑を作成する必要のある会計取引
22 紙製品証憑の証憑内容と会計取引情報を電子情報形式に変換した情報
23 証憑内容と会計取引情報の内容を二次元バーコードとして印刷した紙製品証憑
24 電子情報処理装置により証憑内容と会計取引情報を読取る処理
25 証憑上の二次元バーコードを画像処理して証憑内容と会計取引情報を読込む処理
26 会計取引情報の証憑科目及び取引科目の項目に標準勘定科目を設定する処理
27 既定値証憑科目及び取引科目を独自勘定科目テーブルにより変更する処理
28 紙製証憑の画像、証憑内容および会計取引情報の電子情報形式での外部記憶装置に記憶保存したデータベース、データファイル類
29 電子情報形式の会計取引情報を読取り会計自動入力を行なう処理
30 普通預金へ入金の会計取引情報を使用した会計入力実例
31 普通預金よりの出金の会計取引情報を使用した会計入力実例
32 普通預金より電気代の引落しの会計取引情報を使用した会計入力実例
33 業界共通EDIメッセージ部会計取引情報の証憑部の開始を表すXMLタグ
34 業界共通EDIメッセージ部会計取引情報の見出部の開始を表すXMLタグ
35 業界共通EDIメッセージ部会計取引情報の明細1の開始を表すXMLタグ
36 業界共通EDIメッセージ部会計取引情報のその他部の開始を表すXMLタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会計取引入力で使用する紙製品に印字された証憑と証憑内容を電子情報形式に変換したもの及び証憑内容を選択、変換、証憑内容に追加した会計取引情報を電子情報形式として作成したもの又は証憑上に二次元バーコードとして印刷したものを組合せ、これらの電子情報形式は電子情報処理装置の通信装置又は入力装置を使用する、あるいは証憑上に印刷された二次元バーコードを入力装置により読取り画像処理を行い電子情報形式に変換し、全ての証憑に共通で業界共通EDIメッセージ形式を備えた会計取引情報として会計入力用データとして処理し、このデータにより会計自動入力処理を行い、検証のための紙製証憑画像、証憑内容、会計取引情報を電子情報形式で外部記憶装置に記憶保存する電子情報処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−227787(P2011−227787A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98344(P2010−98344)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(391019913)
【Fターム(参考)】