会議オーディオシステム、オーディオ信号の分配方法およびコンピュータプログラム

会議オーディオシステムは広く知られており、通常は政治的または経済的な討論や見本市、複数の人々がマイクロフォン‐アンプ‐スピーカシステムの支援によって相互に討論する場で使用される。公知のシステムでは会議の各出席者が、マイクロフォンおよびスピーカが組み込まれた作業テーブルを備えた座席を有する。本願では、それぞれ出席者スピーカ(5)および/または出席者マイクロフォン(4)を備えた複数の出席者ユニット(2)と、前記出席者マイクロフォン(4)のうち少なくとも1つまたは別の音源からの少なくとも1つのオーディオ信号を前記複数の出席者スピーカ(5)に分配するための制御手段(3,15)とを有する会議オーディオシステム(1)を提供する。当該会議オーディオシステム(1)では、前記複数の出席者スピーカ(5)は共通の音響的雰囲気を生成し、当該会議オーディオシステム(1)は、前記オーディオ信号に時間遅延を加えるために構成された遅延手段(16)を備えており、前記時間遅延は、前記オーディオ信号を生成する出席者マイクロフォン(4)または別の音源の位置と個々の出席者スピーカ(5)の位置との間の距離に依存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の出席者ユニットを有する会議オーディオシステムに関する。これらの複数の出席者ユニットはそれぞれ、出席者スピーカおよび/または出席者マイクロフォンを有する。
【0002】
より詳細には本発明は、さらに出席者マイクロフォンまたは別の音源のうち少なくとも1つからのオーディオ信号を複数の出席者スピーカに分配するための制御手段と、オーディオ信号に時間遅延をつけるように動作する遅延手段とを有する会議オーディオシステムに関し、該複数の出席者スピーカは共通の音響的雰囲気を生成する。さらに本発明は、会議オーディオシステムにおいてオーディオ信号を分配するための方法と、相応のコンピュータプログラムとに関する。
【0003】
従来技術
会議オーディオシステムは広く知られており、通常は政治的または経済的な討論や見本市、人々がマイクロフォン‐アンプ‐スピーカシステムの支援によって相互に討論する場で使用される。公知のシステムでは会議の各出席者が、マイクロフォンおよびスピーカが組み込まれた作業テーブルを備えた座席を有する。
【0004】
EP1686835A1がおそらくは最も近い従来技術であると思われるが、この文献には、それぞれが少なくともマイクロフォンおよびスピーカを備えた複数の出席者ユニットを有する会議オーディオシステムが記載されている。出席者ユニットは信号バスに接続されており、これによって出席者ユニット間でオーディオ信号および別の信号が交換される。
【0005】
本発明の開示
本発明では、請求項1の構成を有する会議オーディオシステム、請求項10の特徴を有するオーディオ信号分配方法、および請求項12の構成を有するコンピュータプログラムを提案する。従属請求項、発明の詳細な説明および図面に本発明の有利な実施形態を開示する。
【0006】
本発明の会議オーディオシステムは複数の出席者ユニットを有し、たとえば20,50または100個以上の出席者ユニットを有し、各出席者ユニットは出席者スピーカおよび/または出席者マイクロフォンを有する。会議は、人々が集まってマイクロフォン‐アンプ‐スピーカシステムを使用する状況として定義することができ、出席者は、このような集まりに出席する人として定義することができる。本発明は特に、政治的な討論または議論の場に限定されることはなく、本発明をたとえば音楽イベントまたは文化的イベントで使用することもできる。
【0007】
有利には出席者ユニットのうちすべてまたは幾つかが、それぞれスピーカおよびマイクロフォンを備えたスピーカ聴取者ユニットとして構成される。付加的または択一的に、各出席者ユニットまたは出席者ユニットのうち幾つかが、スピーカおよびマイクロフォンのいずれかを含む。
【0008】
複数の出席者ユニットを相互に接続するために、出席者マイクロフォンまたは別の音源のうち少なくとも1つからの少なくとも1つのオーディオ信号を複数の出席者スピーカに分配するための制御手段が設けられ、たとえば制御ユニットが設けられ、出席者スピーカは共通の音響的雰囲気を生成する。前記音源は、キーボード楽器等のライブ音源および/またはオーディオレコーダ等の記憶装置とすることができる。前記制御手段は、データ処理ユニット、アナログシステム、または‐最も簡単な形態では‐ケーブル配線として構成することができる。前記複数の出席者ユニットは、有線または無線、アナログ、デジタルまたはネットワークによって接続することができ、オプションとしてインターネットを含むことができる。
【0009】
本発明では前記時間遅延は、オーディオ信号を生成する出席者マイクロフォンまたは音源の位置と前記オーディオ信号を放射する主席者スピーカの位置との間の距離に依存する。前記時間遅延は、放射されたオーディオ信号が関与して生成される音響的雰囲気に指向性または指向特性を与えるように加えられる。
【0010】
本発明では、通常は公知の会議オーディオシステムの場合、すべての出席者スピーカがアクティブなスピーカのオーディオ信号を同時に再生するとの認識がある。小さな室内では現在話している人の位置を特定するのは可能であると考えられる。というのも、出席者スピーカによって放射されたオーディオ信号の他に、現在話している人自体の口から聞き手までの直接的な音響的経路が存在するからである。しかしより大きな室内では、聞き手と話し手との距離はさらに大きい場合がある。この場合、話し手の位置を特定するのはほぼ不可能であり、音響的雰囲気の指向性が失われてしまう。
【0011】
本発明では、各個別の出席者スピーカに、オーディオ信号によって支援されるアクティブな出席者スピーカとアクティブな出席者マイクロフォンとの間の距離に個別に依存する時間遅延を加えることを提案する。前記時間遅延は有利には「ハース効果」による時間遅延である。このハース効果は先行音効果とも呼ばれ、異なる時点で到着し両耳で聞こえる音源の方向を正確に識別する人間の音響心理的な現象を記述する。頭のジオメトリ(空間的に離れており障壁によって分離された2つの耳)に起因して、どのような音源からの直接的な音も、まずは該音源に最も近い耳に入り、その後に最も遠い耳に入る。ハース効果とは、最初に到着した音の次の音が25〜30ms以内の遅延で到着した場合に、人間が、最初に到着した音に基づいて音源の位置を特定する効果を記述するものである。遅い音の到着がこの時間遅延より遅い場合、これらは2つの異なる音として聞こえる。
【0012】
本発明の利点は、音響的雰囲気に加えられる指向性が、有利には出席者ユニットに組み込まれた出席者スピーカを使用して実現されることである。このようにして、聞き手が現在の話し手から離れているほど、該聞き手のスピーカから出てくるオーディオ信号に加えられる時間遅延は大きくなる。したがって、本発明の会議オーディオシステムの1つの実現可能な利点として、音に指向性を持たせない会議オーディオシステムと比較して、付加的に必要とされる技術的装置にかかる手間が小さいシステムにより、オーディオ信号に指向性が与えられるという利点がある。
【0013】
本発明の有利な実施形態では遅延手段は、隣接の出席者ユニットおよび/または相互に隣接して配置された出席者ユニットに対して異なる時間遅延を与えるように動作し、各時間遅延は、個別の出席者ユニットとアクティブなマイクロフォンおよび/または音源の位置との間の距離に依存する。このようにして、聞き手の出席者スピーカからのオーディオ信号と直接隣接する出席者ユニットの出席者スピーカからのオーディオ信号の時間差により、オーディオ信号または音響的雰囲気に指向性が与えられる。有利には前記時間差は30msを下回る。ハース効果は、より早い音が聞き手のスピーカの音響レベルより最大10dB下回る場合でも作用するので、隣接する出席者ユニットの間隔は6m未満であり、有利には3m未満であり、かつ/または、聞き手の出席者スピーカによって放射される音信号のレベルと隣接する出席者スピーカによって放射される音信号のレベルとを該聞き手の位置で測定した場合、これらの音信号のレベルの差は約10dB未満である。
【0014】
本発明の有利な実施形態では、出席者ユニットは1人用作業場として構成される。たとえば出席者ユニットは、出席者スピーカおよび/または出席者マイクロフォンが組み込まれたテーブルまたは座席として構成される。
【0015】
1つの有利な実施形態では、遅延手段は制御手段に実装および/または組み込まれ、とりわけ制御ユニットに実装および/または組み込まれ、アクティベートされている各出席者スピーカごとに個別の時間遅延でオーディオ信号を出力し、個別に時間遅延するオーディオ信号は該制御手段によって分配される。この実施形態では制御手段に、アクティブな出席者マイクロフォンまたは別のアクティブな音源に関する位置情報と、オーディオ信号を放射するアクティブな出席者スピーカの位置に関する位置情報とが供給され、これによって、個別の時間遅延を推定できるようにされる。その結果として各出席者スピーカは、隣接する出席者スピーカの時間遅延と異なって個別に時間遅延されたオーディオ信号を受信する。
【0016】
付加的または択一的に、制御手段に、アクティブな出席者マイクロフォンまたはアクティブな音源とアクティブな出席者スピーカとの間の距離に関する情報が供給され、これによって個別の時間遅延が生成される。本発明のこの実施形態では、アクティブな出席者マイクロフォン/音源とアクティブな出席者スピーカとの間の絶対距離のみが評価される。
【0017】
本発明の別の有利な実施形態では、遅延手段は各出席者ユニットに実装および/または組み込まれており、時間遅延はローカルで、分配されるオーディオ信号に与えられる。この場合、個別の出席者ユニットに同じオーディオ信号が分配され、該オーディオ信号が分配された後に出席者ユニットにおいて個々の時間遅延が加えられる。この実施形態では、遅延手段は遅延モジュールとして、出席者スピーカを有する各出席者ユニットに設けられる。遅延モジュールが分散されるこの実施形態の利点は、遅延ユニットを配線接続するための技術的な手間が小さいことである。というのも、オーディオ信号を各出席者ユニットへシリアル伝送できるからである。本発明のさらに別の実施形態では、個別の時間遅延は制御手段と出席者ユニットとの間のどこかで加えられる。
【0018】
アクティブなマイクロフォンおよび/または音源の位置に関する情報を遅延手段に供給するためには、出席者マイクロフォンまたは音源のIDおよび/または位置を識別するための識別スタンプおよび/または識別信号によって各オーディオ信号を符号化する識別手段が設けられる。この識別スタンプによって、遅延手段は現在のオーディオ信号の発信元を推定することができる。
【0019】
1つの実施形態では前記識別手段は、出席者マイクロフォンおよび/または別の音源を有する各出席者ユニットに実装され、これによってオーディオ信号は、該オーディオ信号が発生する位置で符号化される。この実施形態の利点は、出席者ユニットを連続的な順序でおよび/または物理的な位置に関係なく配線接続または接続できるという利点を有する。というのも、アクティブな出席者マイクロフォンおよび/または別の音源の位置を識別するために必要な情報がオーディオ信号に符号化されているからである。
【0020】
別の実施形態では、前記識別手段は制御手段に実装および/または組み込まれており、とりわけ制御ユニットに組み込まれている。この実施形態では、各出席者マイクロフォンおよび/または別の音源ごとに別個のチャネルが制御手段に設けられることにより、識別スタンプおよび/または識別信号がアクティブなチャネルに依存して符号化されるのが有利である。
【0021】
リアルタイム要件および/またはインターネット転送が簡略化されるという利点により、前記識別手段または別の識別手段が、オーディオ信号の時間的位置を識別するためのタイムスタンプおよび/またはタイム信号によって各オーディオ信号を符号化するように構成されるのが有利である。前記タイムスタンプおよび/またはタイム信号は、たとえばオーディオ信号の開始時点および終了時点を識別する。このような付加的な情報により、オーディオ信号に相対的な時間遅延のみを与えるのではなく、絶対的な時間遅延を生成することもできる。このような付加的な特徴により、オーディオ信号に時間遅延を与えるだけでなく指向性も与えることができる。
【0022】
本発明の対象はさらに、会議オーディオシステムにおいてオーディオ信号を分配するための方法にも関する。有利にはこの方法は、上述の特徴および/または先行の請求項のうちいずれか1項記載の特徴と、請求項10記載の特徴とを有する。
【0023】
本発明の方法では、出席者マイクロフォンおよび/または別の音源によって生成されたオーディオ信号に、各出席者スピーカと該出席者マイクロフォンおよび/または別の音源の位置との間の距離および/または個別の位置に依存して時間遅延を加え、該オーディオ信号を複数の出席者スピーカに分配する。
【0024】
本発明の有利な実施形態では、1つより多くの出席者マイクロフォンおよび/または音源が同時かつ異なる位置でアクティブであることにより異なるオーディオ信号を生成した場合、1つの出席者スピーカへ伝送されるオーディオ信号に異なる時間遅延が加えられる。この実施形態の基礎となる思想は、各オーディオ信号ごとに指向特性が構築され、1つの出席者スピーカにいる出席者は、位置が異なる出席者マイクロフォンおよび/または音源を、これらの位置が異なるように感じることである。
【0025】
本発明はさらに、請求項12の構成を有するコンピュータプログラムにも関する。
【0026】
以下の本発明の有利な実施例の説明および添付図面に、本発明の別の構成、効果および利点を開示している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態である会議オーディオシステムの概略図である。
【図2】図1の会議オーディオシステムの第1の実装例のブロック図である。
【0028】
本発明の有利な実施形態の説明
図面中、同じ構成要素または同様の構成要素には、同じ参照番号または同様の参照番号を付している。
【0029】
図1は、分散されたスピーカに基づいて指向性の音響機能を実現するように構成された会議オーディオシステム1の概略図である。会議オーディオシステム1は複数の出席者ユニット2を含み、これらは、制御手段3として形成された制御手段によって相互に接続されている。前記出席者ユニット2の大部分は出席者マイクロフォン4と出席者スピーカ5とを有する。前記出席者ユニットのうちいずれかは、出席者スピーカ5のみを有する聴取者ユニット6としてだけ構成するか、または出席者マイクロフォン4のみを有する話者ユニット7としてのみ構成することもできる。
【0030】
前記出席者ユニット2は1人用作業場に組み込まれ、たとえば講義用机またはデスクトップとして構成されるか、または、会議ホール、講堂、講義ホールまたは法廷等に設けられる座席として構成される。前記出席者ユニット2はたとえば複数列および複数行に配置されるか、または複数の同心円に配置される。
【0031】
指向性の音響機能を実現するためには、特定の出席者ユニット12のアクティブな出席者マイクロフォン8によって生成されたオーディオ信号に、該特定の出席者ユニット12と聞き手に対して該オーディオ信号を放射する出席者スピーカ5を備えた出席者ユニット2との間の距離に依存して時間遅延が加えられる。この時間遅延は音速による(音響伝播速度)。聞き手は該聞き手の出席者スピーカ5からの音のみを聞くのではなく、前記オーディオ信号を生成した前記特定の出席者ユニット12までのそれぞれの距離に依存して異なる時間遅延が与えられた隣接する出席者スピーカ5から放射されるオーディオ信号も聞こえるので、該聞き手の音響的雰囲気は、該特定の出席者ユニット12から得られる指向性の音を模倣することができる。上記で説明したように、異なる時点で到着し両耳で聞き取られる音源の方向を正確に識別する人間の音響心理的な現象はハース効果によるものであり、このハース効果は先行音効果とも呼ばれる。
【0032】
図1の概略図を再び参照し、出席者マイクロフォン8をアクティブな出席者マイクロフォンとして設定し、出席者ユニット9,10および11が相互に隣接し、これらの順に、該出席者ユニット9,10および11が配置されている場所と出席者ユニット12または該アクティブな出席者マイクロフォン8までの距離が近いと仮定すると、出席者ユニット9の出席者スピーカ5によって放射されるオーディオ信号に第1の時間遅延d1が加えられ、出席者ユニット10の出席者スピーカ5によって放射されるオーディオ信号に、該第1の遅延d1より長い第2の時間遅延d2が加えられ、出席者ユニット11の出席者スピーカ5によって放射されるオーディオ信号に、前記第1の時間遅延d1および第2の時間遅延d2より長い第3の時間遅延d3が加えられる。出席者ユニット10の聞き手は、隣接する出席者ユニット9および11から放射されたオーディオ信号も聞こえ、さらに遠くの出席者ユニット(図示されていない)から放射されるオーディオ信号も聞こえる場合があるので、該聞き手は、アクティブなマイクロフォン8の方向と同一の仮想的な音源の方向を識別することができる。
【0033】
出席者ユニット10にある聞き手の音響的雰囲気は、出席者ユニット10に隣接する出席者ユニット9,10等の出席者スピーカ5が関与することによって発生することを強調しておく。隣接する出席者ユニット9および11からの音は、出席者ユニット10から放射される音より格段に小さいが、仮想的な音源の方向、アクティブなマイクロフォン8の方向を認識することができる。というのもハース効果は、聞き手の両耳に到着するオーディオ信号の音量が異なる場合にも有効であるからだ。
【0034】
図2に、複数の出席者ユニット2を含む会議オーディオシステム1の第1の実施形態を示す。
【0035】
この実施形態では、制御手段3は複数の並列チャネルとして構成されており、たとえば複数の並列ワイヤとして構成されており、各出席者マイクロフォン4は個別のマイクロフォンチャネル13に接続されており、各出席者スピーカ5は複数のスピーカチャネル14に接続されている。すべてのマイクロフォンチャネル13およびすべてのスピーカチャネル14が制御ユニット15に接続されており、このことにより、たとえば音量および音色の制御、等化、音響フィードバック、スピーカのIDを隠すための(たとえば法廷等で使用される)抑圧および/またはスクランブル処理等を行うために中央音響処理を行うことができる。
【0036】
図2に示されているように、1つより多くの出席者マイクロフォン8がアクティブである場合、アクティブな出席者マイクロフォン8それぞれに対して前記マイクロフォンチャネル13が1つずつ、オーディオ信号を制御ユニット15へ伝送するために使用され、同数のスピーカチャネル14が、オーディオ信号を制御ユニット15から出席者ユニット2へ伝送するために使用される。アクティブな出席者マイクロフォン8から得られるオーディオ信号を受信するために、各出席者ユニット2は各アクティブなスピーカチャネル14に接続される。出席者ユニット12は、各オーディオ信号に個別の時間遅延を与えるために構成および/または調整される遅延ユニット16を有する。個々の時間遅延は、各出席者ユニット2と各オーディオ信号のアクティブなマイクロフォン8との間の距離に依存する。したがってこの場合には、出席者ユニット10に3つの異なる時間遅延d21,d22およびd23が加えられる。相応に、出席者ユニット9には個々の時間遅延d11,d12およびd13が加えられ、出席者ユニット11には個々の時間遅延d31,d32およびd33が加えられる。時間遅延d11〜d33の長さは遅延ユニット16によって、たとえばオーディオ信号中の符号化された位置スタンプや、スピーカチャネル14の選択等に基づいて推定される。別の実施形態では、マイクロフォンチャネル13およびスピーカチャネル14はオーディオデータストリームチャネルとして形成され、オーディオ信号はデジタル形式またはアナログ形式となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・それぞれ出席者スピーカ(5)および/または出席者マイクロフォン(4)を備えた複数の出席者ユニット(2)と、
・前記出席者マイクロフォン(4)のうち少なくとも1つまたは別の音源からの少なくとも1つのオーディオ信号を前記複数の出席者スピーカ(5)に分配するための制御手段(15)と、
とを有する会議オーディオシステム(1)において、
前記複数の出席者スピーカ(5)は共通の音響的雰囲気を生成し、
当該会議オーディオシステム(1)は、前記オーディオ信号に時間遅延を加えるために構成された遅延手段(16)を備えており、
前記時間遅延は、前記オーディオ信号を生成する出席者マイクロフォン(4)または別の音源の位置と個々の出席者スピーカ(5)の位置との間の距離に依存することを特徴とする、会議オーディオシステム。
【請求項2】
前記遅延手段(16)は、隣接する出席者ユニット(9,10,11)および/または相互に隣接して配置された出席者ユニット(9,10,11)に異なる時間遅延を与えるように構成されている、請求項1記載の会議オーディオシステム。
【請求項3】
前記出席者ユニット(2)は1人用作業場として構成されている、請求項1または2記載の会議オーディオシステム。
【請求項4】
前記出席者ユニット(2)間の距離は6m未満であり、および/または、
聞き手の位置における隣接する出席者スピーカ(5)の音量差またはボリューム差は10dB未満である、請求項1から3までのいずれか1項記載の会議オーディオシステム。
【請求項5】
前記遅延手段は前記制御手段(15)に実装および/または組み込まれており、
前記遅延手段は、各出席者スピーカ(5)ごとに個別の時間遅延をオーディオ信号に与え、該時間遅延が与えられたオーディオ信号は前記制御手段(15)によって分配される、請求項1から4までのいずれか1項記載の会議オーディオシステム。
【請求項6】
前記遅延手段(16)は各出席者ユニット(2)に実装および/または組み込まれ、前記時間遅延はローカルで、分配されたオーディオ信号に加えられる、請求項1から4までのいずれか1項記載の会議オーディオシステム。
【請求項7】
前記出席者マイクロフォン(4)のIDおよび/または位置を識別するための、識別スタンプおよび/または識別信号によって各オーディオ信号を符号化するように構成された識別手段が設けられている、請求項1から6までのいずれか1項記載の会議オーディオシステム。
【請求項8】
前記識別手段は各出席者ユニット(2)および/または前記制御手段(15)に実装および/または組み込まれている、請求項7記載の会議オーディオシステム。
【請求項9】
前記識別手段または別の識別手段が、前記オーディオ信号の開始時点および/または終了時点および/または前記オーディオ信号の長さを識別するためのタイムスタンプによって各オーディオ信号を符号化するために設けられている、請求項1から8までのいずれか1項記載の会議オーディオシステム。
【請求項10】
オーディオ信号に時間遅延を加えるための遅延手段(16)において、
当該遅延手段(16)は、会議オーディオシステム(1)の制御手段(15)または出席者ユニット(2)に実装および/または組み込まれ、
前記会議オーディオシステム(1)は有利には、請求項1から9までのいずれか1項記載の会議オーディオシステム(1)であり、
前記時間遅延は、前記オーディオ信号を生成する出席者マイクロフォン(4)または音源の位置と複数の出席者スピーカ(5)の個々の位置との間の距離に依存することを特徴とする、遅延手段。
【請求項11】
会議オーディオシステム(1)において、出席者マイクロフォン(4)および/または別の音源によって生成されたオーディオ信号を複数の出席者スピーカに分配するための方法において、
前記会議オーディオシステム(1)は有利には請求項1から9までのいずれか1項記載の会議オーディオシステムであり、
時間遅延を前記オーディオ信号に加え、
前記時間遅延の長さは、前記各出席者スピーカ(5)と出席者マイクロフォン(4)および/または別の音源の位置との間の、距離および/または個々の位置に依存することを特徴とする方法。
【請求項12】
位置が異なる複数の出席者マイクロフォン(4)および/または音源がオーディオ信号を生成した場合、該複数の出席者マイクロフォン(4)および/または音源によって生成され1つの出席者スピーカ(5)に供給される複数のオーディオ信号に、異なる時間遅延を加える、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項11または12記載の方法を実施するためのプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムにおいて、
当該コンピュータプログラムは、請求項1から9までのいずれか1項記載の会議オーディオシステムおよび/またはコンピュータで実行されることを特徴とする、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−524135(P2011−524135A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512834(P2011−512834)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057287
【国際公開番号】WO2009/149754
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】