説明

会議装置

【課題】操作部の使い勝手が良い会議装置を提供する。
【解決手段】操作パネル部36には、使用頻度が多い複数の操作部材はX軸方向に並べて配置され、使用頻度が少ない複数の別の操作部材は、使用頻度が多い複数の操作部材のうちの一の操作部材と共にY軸方向に並べて配置される。これにより、使用頻度が多い複数の操作部材と使用頻度が少ない複数の別の操作部材との位置関係が容易に把握される。したがって、操作部の使い勝手が良い会議装置を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議装置に係り、更に詳しくは、通信網を介して画像及び音声の少なくとも一方の送受信が可能な会議装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信網(例えばインターネット回線、電話回線など)を介して画像及び音声の少なくとも一方の双方向通信によるテレビ会議、電話会議などが、複数の会議装置を用いて複数のグループ間で行われている。
【0003】
このテレビ会議(又は電話会議)では、各グループのメンバーにより、その会議装置に設けられた操作部に含まれる複数の操作部材が、それぞれ操作されることにより、例えば会議装置の起動、各種設定などの各操作部材固有の機能が実行される(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば特許文献1に記載の会議装置では、複数の操作部材が無造作に並んでいるため、操作部の使い勝手が良くなかった。
【0005】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その目的は、操作部の使い勝手が良い会議装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、通信網を介して画像及び音声の少なくとも一方の送受信が可能な会議装置であって、上壁を有する筐体と、前記上壁に設けられた操作部とを備え、前記操作部は、複数の操作部材と、該複数の操作部材それぞれよりも使用頻度が少ない少なくとも1つの別の操作部材とを有し、前記複数の操作部材は、前記上壁の上面に沿う第1軸方向に並べて配置され、前記少なくとも1つの別の操作部材は、前記複数の操作部材のうちの一の操作部材と共に、前記上面に沿う前記第1軸方向に交差する第2軸方向に並べて配置される会議装置である。
【発明の効果】
【0007】
これによれば、操作部の使い勝手が良い会議装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1(A)及び図1(B)は、本発明の一実施形態に係るテレビ会議装置の不使用状態における外観を示す斜視図である。
【図2】テレビ会議装置の分解斜視図である。
【図3】テレビ会議装置の上面図である。
【図4】テレビ会議装置の側面図(その1)である。
【図5】テレビ会議装置の側面図(その2)である。
【図6】テレビ会議装置の制御の構成を示すブロック図である。
【図7】テレビ会議装置が有する画像入力装置の斜視図である。
【図8】画像入力装置の動作を説明するための図(その1)である。
【図9】画像入力装置の動作を説明するための図(その2)である。
【図10】テレビ会議装置の下面図である。
【図11】図3のA−A線断面図である。
【図12】図3のB−B線断面図である。
【図13】テレビ会議装置を含む会議システムの構成を示す図である。
【図14】テレビ会議装置を用いて行われるテレビ会議の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図1(A)〜図14に基づいて説明する。図1(A)及び図1(B)には、一実施形態に係る会議装置としてのテレビ会議装置の不使用状態における外観が示されている。テレビ会議装置10は、図1(A)及び図1(B)に示されるように、不使用状態において、全体として、薄い略直方体形状(略平板状)の外形を有している。図1(A)及び図1(B)では、テレビ会議装置10は、例えば机、テーブルなどの上面(載置面)上に水平面に平行に載置されている。以下、テレビ会議装置の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
【0010】
図2には、図1のテレビ会議装置10が分解された状態が斜視図にて示されている。テレビ会議装置10は、図2に示されるように、筐体25、制御装置11、スピーカー15aを含む音声出力装置15、マイクロフォン17aを含む音声入力装置17、冷却系19、電子カメラ21(図7参照)を含む画像入力装置23、操作部38などを備えている。
【0011】
筐体25は、薄型の箱形中空部材(略直方体形状の部材)から成る。筐体25は、図3に示されるように、平面視で、例えばほぼA4版サイズの矩形の外形を有し、図4及び図5に示されるように、その厚さが、概ね一定(例えば15mm〜45mm)となっている。
【0012】
筐体25は、図2に示されるように、例えばビス止め等により、その厚さ方向(図2における上下方向)に分離可能に接合された上側カバー27及び下側カバー29により構成されている。上側カバー27は、−Z側が開放された薄い箱形に形成されている。下側カバー29は、+Z側が開放された薄い箱形に形成されている。
【0013】
図2に示されるように、上側カバー27の上壁(筐体25の上壁)の−Y側の端部近傍には、X軸方向のほぼ全域に亘って延び、X軸方向を長手方向とする平面視矩形の+Z側及び+X側に開口する凹部30が形成されている。凹部30を規定する底面の+X側の端部には、切り欠き34が形成されている。
【0014】
また、図3に示されるように、上側カバー27の上壁(筐体25の上壁)は、凹部30の+Y側に、操作部38が配置される操作パネル部36を有する。操作パネル部36は、筐体25の上壁のX軸方向のほぼ全域を占め、筐体25の上壁のY軸方向のほぼ2/3の領域を占める。操作部38及び操作パネル部36の詳細は、後述する。
【0015】
また、図1(A)に示されるように、筐体25の+Y側の側壁(前壁)のX軸方向中間部には、後述するメインボード12に実装される、例えばフラッシュメモリ等の記録メディア、外部機器等との間の入出力用のUSB端子49、及びパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)との接続用のUSB端子51が嵌め込まれている。
【0016】
また、図1(B)に示されるように、筐体25の−Y側の側壁(後壁)には、後述するメインボード12に実装される画像出力端子55、通信用のLAN端子57などが嵌め込まれている。また、図4に示されるように、筐体25の+X側の側壁には、電源ジャック60が嵌め込まれている。
【0017】
また、図3に示されるように、操作パネル部36の+X側かつ+Y側の角部には、スピーカー15aから出る音を外部に放出するための複数の貫通孔から成る音声放出口43が形成されている。
【0018】
また、図2に示されるように、筐体25の+Y側の側壁(前壁)の+X側の端部には、マイクロフォン17aにより入力される音声を取り込むための複数の貫通孔から成る音声取込口20が形成されている。
【0019】
また、図5に示されるように、筐体25の−X側の側壁のY軸方向中間部には、Z軸方向に延び、Y軸方向に並んだ多数のスリット状の貫通孔から成る排気口53が形成されている。
【0020】
また、図2に示されるように、下側カバー29の下壁(筐体25の下壁)の−X側の端部近傍には、多数の貫通孔から成る吸気口59が形成されている。
【0021】
制御装置11は、音声データ及び画像データをエンコード処理またはデコード処理をして、通信網としてのインターネットを介した音声及び画像の双方向通信を制御する。
【0022】
制御装置11は、制御用基板としてのメインボード12、音声処理用及び操作用基板としてのサブボード13などを含む。
【0023】
メインボード12には、図6に示されるように、CPU(Central Processing Unit)100、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)104、HDD(Hard Disk Drive)106(もしくはストレージまたは記録デバイス)、データ入出力I/F108、ネットワークI/F(Interface)110、撮像素子I/F112、画像出力I/F114の各構成要素が、アドレスバス、データバス等のバスライン116を介して、双方向通信可能に接続された状態で実装されている。なお、上述した画像データは、動画または間欠画像(一定時間間隔の静止画像)のデータである。
【0024】
CPU100は、所定のプログラム(テレビ会議装置用プログラム)に基づいてテレビ会議装置10全体の動作を制御する。なお、テレビ会議装置用プログラムに従ったCPU100の命令による、インターネットを介した音声及び画像の双方向通信にかかる一連の動作は後述する。ROM102は、IPL(Initial Program Loader)等のCPUの駆動に用いられるプログラムが記憶されている。RAM104は、CPUのワークエリアとして使用される。
【0025】
HDD106は、上記テレビ会議装置用プログラム、画像データ、音声データ等の各種データが記憶される。なお、HDDに限らず、例えばSSD(Solid State Drive)等を用いても良い。上記テレビ会議装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、例えば記録メディア等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしても良い。また、上記テレビ会議装置用プログラムは、HDD106ではなく、ROM102に記憶されるようにしても良い。HDD106は、CPU100の制御にしたがってHDD106に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0026】
データ入出力I/F108は、前述したUSB端子49、51を含み、USB端子49に接続された例えばフラッシュメモリ等の記録メディアMに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するとともに、USB端子51に接続されたPCのディスプレイに表示されたデータの相手側の会議装置への送信を制御する。
【0027】
記録メディアMは、USB端子49に着脱自在となっている。また、記録メディアMは、CPU100の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリに限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いても良い。
【0028】
ネットワークI/F110は、前述したLAN端子57(例えばイーサネット(登録商標)端子)を含み、インターネットを介したデータ(画像データ及び音声データ)の入出力を行う。撮像素子I/F112は、電子カメラ21から出力される画像信号を所定の画像データとして取り込む。なお、電子カメラ21を含む画像入力装置23の詳細は後述する。
【0029】
画像出力I/F114は、前述した画像出力端子55を含み、テレビ会議を行う相手方の会議装置の宛先や画質調整、出力信号の選択などの操作用アイコン等のメニュー画面、通信網を介して受信されたデータのうちエンコードされた画像データ、及び電子カメラ21により入力された画像データを、画像出力端子55に接続される例えば液晶モニタ、液晶テレビ、PC、プロジェクターP(図14参照)などの表示装置が受け入れ可能な所定のアナログまたはデジタルの画像信号に変換して出力するようになっている。なお、エンコードされた画像データを所定のコーデックを用いてデコードするのはCPU100による。この所定の画像信号としては、アナログRGB信号(VGA)、コンポーネントビデオ信号、HDMI(High―Definition Multimedia Interface)信号、DVI(Digital Video Interactive)信号が挙げられる。
【0030】
サブボード13には、後述する操作部38に含まれる複数の操作部材それぞれに個別に対応する複数の操作端子118、音声入出力I/F120、音声制御部122などの各構成要素が、実装されている。複数の操作端子118及び音声制御部122それぞれは、バスライン116を介して、互いに双方向通信可能に接続され、かつメインボード12に実装された上記各構成要素と双方向通信可能に接続されている。
【0031】
音声入出力I/F120は、マイクロフォン17aにより入力された音声信号を所定の音声データとして取り込んで、該音声データを音声制御部122に送信するとともに、ネットワークI/F110、音声制御部122を介して受信された音声データをスピーカー15aで再生可能な音声信号に変換する。なお、マイクロフォン17aを含む音声入力装置17、及びスピーカー15aを含む音声出力装置15については、後述する。
【0032】
音声制御部122は、後述する一対のボリュームボタン41a、41bが押圧されるのに伴いスピーカー15aから出力される音の音量を調整し、後述するマイクミュートボタン47が押圧される(ON/OFFされる)のに伴いマイクロフォン17aによる音の入力/非入力を切り替える。
【0033】
また、音声制御部122は、相手方のテレビ会議装置との双方向通信時に、スピーカー15aから出力された音がマイクロフォン17aにより入力され、相手方のテレビ会議装置との間で音波のループを形成して発生するエコー、ハウリングを抑制するエコーキャンセル処理機能を有するとともに、例えば室内の空調、後述するファン19cの作動音などのマイクロフォン17aにより入力された雑音(ノイズ)を低減させるノイズキャンセル処理機能を有する。
【0034】
音声出力装置15は、図2に示されるように、スピーカー15aに加えて、箱形の中空部材から成るスピーカーボックス15bなどを含む。スピーカー15aとしては、例えばフルレンジタイプの丸型のものが採用されているが、その他のものでも良い。スピーカー15aは、音声入出力I/F120に結線されており、該音声入出力I/F120から送信される音声信号を音声として出力する(図6参照)。スピーカー15aは、その音声出力方向が概ね上向き(斜め上向きを含む)となるように、スピーカーボックス15bの天板部に嵌め込まれている。スピーカーボックス15bは、スピーカー15aが音声放出口43の直下に位置するように筐体25内の+X側の端に配置されている。
【0035】
音声入力装置17は、マイクロフォン17aに加えて、マイクロフォン17aを筐体25に保持させるための保持部材17bなどを含む。マイクロフォン17aとしては、例えば小型の無指向性のものが採用されているが、指向性を有するものでも良い。マイクロフォン17aは、音声入出力I/F120に結線されており、入力した音声を音声信号として音声入出力I/F120に送信する(図6参照)。マイクロフォン17aは、その音声入力方向が概ね−Y方向となるように、筐体25内における音声取込口20に隣接する位置にて保持部材17bなどを介して筐体25に保持されている。
【0036】
冷却系19は、以下の構成により、制御装置11のメインボード12に実装された例えばCPU100などの発熱体が発する熱を筐体25外に放出することにより、その発熱体を冷却する。
【0037】
冷却系19は、図2に示されるように、それぞれ筐体25内に設けられたヒートパイプ19a、ヒートシンク19b、横置き式のファン19cなどを含む。
【0038】
ヒートパイプ19aは、その一端部が例えばCPU100などに接続され、その中間部がXY平面に平行に延び、その他端部がヒートシンク19bに接続されている。ヒートシンク19bは、例えばY軸方向に所定間隔で並ぶ複数の金属製のフィンを含む放熱部材から成り、筐体25内における排気口53(図5参照)に隣接する位置に配置されている。したがって、例えばCPU100などに発生した熱は、ヒートパイプ19a、ヒートシンク19bに順次伝わり、排気口53を介して筐体25外に放出される。
【0039】
ファン19cは、整流機能を有し、筐体25内における吸気口59の直上であって、ヒートシンク19bの+X側近傍に、その吸気方向が概ね+Z方向となるように、かつその排気方向が概ね−X方向となるように配置されている。
【0040】
したがって、吸気口59を介してファン19cにより吸引されたエアは、ヒートシンク19bを経由(通過)して、排気口53から筐体25外に排出される。これにより、ヒートシンク19bからの熱の放出(拡散)効果がより一層高められる。
【0041】
画像入力装置23は、図7に示されるように、電子カメラ21に加えて、アーム69、一軸ヒンジ装置67などを含む。
【0042】
画像入力装置23の一部を構成する電子カメラ21は、その撮影レンズ21aを介して被写体の画像を入力し、該入力された画像を電気信号に変換して撮像素子I/Fに出力する(図6参照)。電子カメラ21は、その撮影レンズ21aが露出した状態で中空部材から成るカメラハウジング63内に収容されている。撮影レンズ21aとしては、例えば、焦点距離の短い単焦点の広角レンズが用いられている。カメラハウジング63は、アーム69の先端部(長手方向一端部)に、二軸ヒンジ装置(不図示)を介して取り付けられており、アーム69に対し、アーム69の長手方向に平行に延びる第1の軸線及び該第1の軸線に直交する第2の軸線それぞれの周りに独立に相対回動可能となっている。アーム69は、その先端部から基端部(長手方向他端部)付近にかけて扁平形状となっている。アーム69は、その基端部が、切り欠き34(図2参照)を介して筐体25内に収容された一軸ヒンジ装置67を介して筐体25に接続されており、筐体25に対し、Y軸に平行に延びる第3の軸線周りに相対回動可能となっている(図8及び図9参照)。カメラハウジング63とアーム69との間には、上記二軸ヒンジ装置の一部を覆うカバー部材71が配置されている。
【0043】
以下、電子カメラ21が収容されたカメラハウジング63、アーム69及び上記二軸ヒンジ装置を含むユニットを画像入力ユニット24と称する。そして、カメラハウジング63とアーム69との第1及び第2の軸線それぞれの周りの相対位置が、図2及び図7に示される状態にあるときの画像入力ユニット24の状態を基準状態と称する。画像入力ユニット24は、基準状態にあるとき、その背面(図2における上面)が全体としてフラット(平坦)となる。
【0044】
画像入力ユニット24は、一軸ヒンジ装置67の作用により、凹部30及び切り欠き34を介して筐体25内に収容される収容位置と、該収容位置から筐体25外に突出する突出位置との間を第3の軸線周りに回動可能となっている(図8及び図9参照)。画像入力ユニット24の筐体25に対する第3の軸線周りの回動角度は、画像入力ユニット24が収容位置に位置するときを0°とすると、例えば0°以上135°以下の範囲内に機械的に規定されている。
【0045】
また、画像入力ユニット24は、一軸ヒンジ装置67に設けられた弾性部材(不図示)により収容位置から突出位置に向けて付勢されている。また、画像入力ユニット24は、突出位置から収容位置に回動したときに、後述するロック解除ボタン33を含むロック装置8により、収容位置にて筐体25に対し機械的に係止される。そして、収容位置に位置する画像入力ユニット24は、ロック解除ボタン33が操作(押圧)されることにより、ロック装置8による筐体25に対する係止が解除され、上記弾性部材の作用により、収容位置から突出位置に向けて所定角度(例えば15°)回動する(図8参照)。すなわち、一軸ヒンジ装置67は、上記弾性部材の作用により画像入力ユニット24を筐体25内からポップアップさせる機能(ポップアップ機能)を有する。
【0046】
また、画像入力ユニット24は、一軸ヒンジ装置67に設けられた保持トルク発生装置(不図示)の作用により、筐体25に対する第3の軸線周りの所定範囲内の任意の位置(例えば上記回動角度が45°以上135°以下となる位置)で保持される。その保持された画像入力ユニット24は、第3の軸線周りの所要のモーメントが加えられることで、第3の軸線周りに回動する。
【0047】
また、画像入力ユニット24では、上記二軸ヒンジ装置に設けられた保持トルク発生装置(不図示)の作用により、カメラハウジング63が、アーム69に対する第1及び第2の軸線それぞれの周りの所定範囲内の任意の位置で保持される。その保持されたカメラハウジング63は、第1及び第2の軸線それぞれの周りの所要のモーメントが加えられることで、第1及び第2の軸線それぞれの周りに独立に回動する。
【0048】
ここで、ユーザが画像入力ユニット24を手で掴んで筐体25に対し第3の軸線周りに回動させる際、一軸ヒンジ装置67を介して筐体25に、例えばY軸周り、X軸周り、Z軸周りなどのモーメントが作用する。したがって、テレビ会議装置10における画像入力ユニット24を除く部分(以下、本体部と称する)の重心位置、及び画像入力ユニット24と上記本体部との重量比によっては、ユーザが画像入力ユニット24を筐体25に対し回動させた際に、上記本体部がバタつくおそれがある。
【0049】
そこで、本実施形態では、図示は省略されているが、上記本体部の重心が筐体25の中心付近に位置するように筐体25内における各構成部の配置がなされているとともに、画像入力ユニット24と上記本体部との重量比が、例えば1:10とされている。
【0050】
これにより、ユーザが画像入力ユニット24を筐体25に対し回動させる際に、上記本体部がバタつくことが抑制される。すなわち、ユーザは、画像入力ユニット24を筐体25に対し安定した状態で第3の軸線周りに回動させることができる。
【0051】
また、図4に示されるように、基準状態にある画像入力ユニット24は、収容位置に位置するとき、その下面の少なくとも一部が凹部30を規定する底面上に載置され、かつその背面(上面)が操作パネル部36の上面の−Y側の端部とほぼ同じ高さになる。また、図3に示されるように、画像入力ユニット24は、収容位置に位置するとき、X軸及びY軸方向に関して、凹部30にほぼ嵌合した状態となっている。
【0052】
この場合、仮に筐体25の上壁(上側カバー27の上壁)において操作パネル部36と凹部30とが隣接する構成が採用されると、ユーザは、収容位置に位置する画像入力ユニット24と操作パネル部36との境界を視覚及び触覚の少なくとも一方により容易に識別することができなくなる。このため、ユーザは、テレビ会議装置10の向き(特に前後方向)を容易に把握することができなくなり、テレビ会議装置10の設置に戸惑うおそれがある。
【0053】
そこで、本実施形態では、図4及び図5に示されるように、筐体25の上壁における操作パネル部36と凹部30との間の領域に、操作パネル部36の上面と共に段部31(識別部)を構成する帯状平面部28を形成することとしている。
【0054】
帯状平面部28は、その一部(後述する凹み28a)を除くほぼ全域がXY平面に平行な平面から成る。
【0055】
帯状平面部28は、操作パネル部36の上面よりも僅かに(例えば1〜5mm、好ましくは3mm)低い位置に位置しており、−Y側かつ+Z側の斜め上方に突出する緩やかな湾曲面66を介して操作パネル部36の上面と連続している。すなわち、帯状平面部28、操作パネル部36の上面及び湾曲面66により、筐体25のX軸方向のほぼ全域に亘って延びる段部31が構成される。なお、湾曲面66は、例えば+Y側かつ−Z側の斜め下方に突出することとしても良い。
【0056】
帯状平面部28は、図3から分かるように、平面視で、筐体25の上壁のX軸方向のほぼ全域に亘って延び、Y軸方向の幅が一定(指の幅の約半分で例えば5mm〜15mm、好ましくは10mm)のX軸方向を長手方向とする細長い外形を有している。
【0057】
帯状平面部28のX軸方向中央には、+Z側、+Y側及び−Y側に開口する凹み28aが形成されている(図8参照)。凹み28aを規定する面のXZ断面形状は、下方に突出する略円弧状となっている。凹み28aの大きさは、例えば指が掛かる程度となっている。
【0058】
帯状平面部28は、図4に示されるように、筐体25に収容された画像入力ユニット24の上面(背面)よりも僅かに(例えば1mm〜5mm、好ましくは3mm)低い位置に位置する。すなわち、帯状平面部28、収容位置に位置する画像入力ユニット24の上面及び該画像入力ユニット24の+Y側かつ+Z側の角面により、筐体25の上壁のX軸方向のほぼ全域に亘って延びる段部70が構成される。
【0059】
以上より、ユーザは、段部31、70の少なくとも一方により、収容位置に位置する画像入力ユニット24と操作パネル部36との境界を視覚及び触覚により容易に識別することが可能となっている。
【0060】
また、ユーザが、不使用状態(画像入力ユニット24が収容位置に位置する状態)のテレビ会議装置10を、例えばその筐体25の後側部分(−Y側部分)を下方に、かつその筐体25の前側部分(+Y側部分)を上方に向けてその後側部分を手で掴んで小脇に抱えて持ち運ぶ場合、その手の指及び甲の少なくとも一方が段部70に引っ掛かるので、テレビ会議装置10を安定して(確実に)保持し、持ち運ぶことができる。
【0061】
しかも、テレビ会議装置10は、画像入力ユニット24が収容位置に位置する状態(不使用状態)で、その重心が、筐体25の中心、すなわち平面視及び側面視で筐体25の中央に位置する。すなわち、テレビ会議装置10は、X軸、Y軸及びZ軸方向のいずれの方向に関しても重量バランスが良いため、持ち運ぶ際に、指や手首に過度の負担を掛けることがない。
【0062】
ここで、操作パネル部36は、図4に示されるように、その上面が+Y側(前側)が−Y側(後側)よりも低くなるように水平面(筐体25の下面)に対し、例えば2°〜7°(好ましくは、4°〜5°)傾斜している。
【0063】
これにより、ユーザが、特に、筐体25の概ね+Y側(前側)に位置する場合に、上記複数の操作部材それぞれの視認性及び操作性に優れる。また、筐体25の厚さが前側(+Y側)と後側(−Y側)とで異なるので(前側が薄く、後側が厚いので)、ユーザは、さらに、テレビ会議装置10の前後の向きを把握し易くなる。
【0064】
また、筐体25の下面(下側カバー29の下面)には、図10に示されるように、その矩形の外周に沿って延び、下方に突出する小幅の複数(例えば5つ)の矩形凸条80aを含む凸条群80が形成されている。
【0065】
詳述すると、凸条群80では、−Z方向(下方)から見て、互いに大きさの異なる複数(例えば5つ)の矩形凸条80aが、筐体25の下面の外周寄りの領域に、所定間隔で並べて、すなわち外側の矩形凸条80aが内側の矩形凸条80aを取り囲んだ状態で配置されている。
【0066】
最も外側の矩形凸条80aは、筐体25の下面のX軸方向の端及びY軸方向の端それぞれから例えば10mm〜15mm離れた位置に形成されており、隣り合う2つの矩形凸条80aの間隔は、例えば4mm〜8mm(好ましくは、6mm)に設定されている。
【0067】
これにより、ユーザが、例えば筐体25を片手で掴む際、その手の指の腹が少なくとも1つの矩形凸条80aに引っ掛かるため、筐体25を、より確実に把持することができる。
【0068】
以上のように、テレビ会議装置10は、小型かつ薄型であるだけでなく、持ち運びし易くするための工夫が随所に施されており、携帯性に非常に優れた設計となっている。
【0069】
ここで、凸条群80における最内周又は最外周の矩形凸条80aから数えて2つ目及び3つ目の矩形凸条80aそれぞれは、筐体25の下面(下側カバー29の下面)の4隅に各1つ取り付けられた例えばゴム、ウレタンなどの軟質樹脂製の材料から成るインシュレータ82により、その4つの角部が分断されている。
【0070】
インシュレータ82の下面は、凸条群80の下面よりも低い位置(−Z側)に位置している。これにより、筐体25が例えばテーブル、机などの上面(載置面)上に載置される際、少なくとも3つのインシュレータ82が上記載置面と当接し、凸条群80は、上記載置面に当接しないようになっている。これにより、テレビ会議装置10が上記載置面に載置される際の衝撃が緩和されるとともに、凸条群80及び上記載置面が損傷することが防止される。
【0071】
次に、操作部38について説明する。操作部38は、以下に詳述するように、操作パネル部36に配置された複数の操作部材を含む。操作部38に含まれる複数の操作部材それぞれとしては、一例として、押しボタンが採用されている。
【0072】
操作パネル部36には、図3に示されるように、そのX軸方向中央に、−Y側から+Y側にかけて、それぞれ操作部38の一部を構成する操作部材としてのロック解除ボタン33、電源ボタン35、回線ボタン37及び決定ボタン39が、この順に、Y軸方向に一列に並べて配置されている。
【0073】
ロック解除ボタン33は、前述したロック装置8による画像入力ユニット24の収容位置でのロック(係止)を解除するために用いられる操作部材である。
【0074】
ロック解除ボタン33は、その上部(被押圧部)が例えば平面視半円板状の部分から成る。ロック解除ボタン33は、その被押圧部の直径部分が−Y側に向けられた状態で、操作パネル部36における凹み28aに隣接する箇所に形成されたその被押圧部と同形の一回り大きい切り欠き33a内に、所定ストロークで上下動可能に挿入されている。ロック解除ボタン33は、図11に示されるように、例えば圧縮コイルばね83などにより上方に付勢されており、下方に押圧されていない状態では、その上面が、操作パネル部36の上面とほぼ同じ高さに位置する。
【0075】
ここで、ロック装置8は、ロック解除ボタン33に加えて、帯状平面部28の下方の位置で筐体25に支持されたX軸方向に延びる軸89を支点にX軸周りに回動可能なロック部材14などを含む。ロック部材14における軸89の+Y側に位置する部分は、ロック解除ボタン33の下部に当接する。ロック部材14における軸89の−Y側かつ−Z側に位置する部分は、引っ張りコイルばね85により+Y方向に付勢される。ロック部材14における軸89の−Y側かつ+Z側に位置する部分には、アーム69の+Y側の側壁に形成された係止孔69aと係止可能な係止爪14aが形成されている。係止爪14aは、その上面が、−Y側が+Y側よりも低くなるように傾斜している。係止爪14aは、図11から分かるように、画像入力ユニット24が収容位置に位置するとき、係止孔69a内に入り込んでいる(凹部30内に突き出ている)。これにより、画像入力ユニット24が収容位置にて筐体25に対し係止される。
【0076】
画像入力ユニット24が収容位置にて筐体25に対し係止されているときに、ロック解除ボタン33が、圧縮コイルばね83及び引っ張りコイルばね85の弾性力に抗して、下方に所定量、すなわちその被押圧部の上面が帯状平面部28よりも低く、かつ凹み28aを規定する面よりも高い位置まで押し下げられると、ロック部材14がX軸周りの一方向(図11の矢印P方向)に回動して(退避して)、係止孔69aと係止爪14aとの係止、すなわち画像入力ユニット24の筐体25に対する係止が解除され、画像入力ユニット24が収容位置から突出位置へ回動する(ポップアップする)。
【0077】
ここで、仮に帯状平面部28に凹み28aが形成されていない場合には、ロック解除ボタン33を、先端を−Y側に向けた指で押圧していくと、その指の爪が帯状平面部28に引っ掛かるおそれがある。本実施形態では、ロック解除ボタン33を、先端を−Y側に向けた指で押圧していくと、その指の先端が凹み28aに落ち込むため(図8参照)、そのようなおそれがない。
【0078】
上述のように画像入力ユニット24がポップアップした後(図8参照)、ロック解除ボタン33の下方への押圧が解除されると、ロック部材14は、引っ張りばね85の作用により元の位置(図11に示される位置)に復帰する。そこで、画像入力ユニット24を突出位置から収容位置に向けて回動させると、アーム69は、ロック部材14の係止爪14aを+Y方向に押圧してロック部材14を図11の矢印P方向に回動させつつ(退避させつつ)、凹部30内に入り込む。そして、係止孔69aが係止爪14aに対向したときに、引っ張りばね85の作用により係止爪14aが係止孔69aに入り込んで、ロック部材14が元の位置(図11に示される位置)に復帰する。このようにして、画像入力ユニット24が収容位置にて筐体25に対し係止される。
【0079】
電源ボタン35は、テレビ会議装置10に対する電源のON/OFFを切り換えるために用いられる操作部材である。
【0080】
電源ボタン35は、図11に示されるように、シルクハット形状の部分から成る被押圧部35bと、該被押圧部35bの上壁下面から下方に突出する押圧部35cと有する。押圧部35cの下端部分は、被押圧部35bのつば部分よりも下方に位置している。
【0081】
電源ボタン35は、操作パネル部36における切り欠き33aの+Y側に形成された、その被押圧部35bのつば部分以外の部分(小径部)よりも一回り大きく、その被押圧部35bのつば部分(大径部)よりも小さい円形開口35a内に下方から挿入されている。すなわち、電源ボタン35は、その小径部が円形開口35a内に挿入され、その大径部(つば部分)が、操作パネル部36の下面における円形開口35aの縁部(周囲部)に対向している。また、電源ボタン35は、操作パネル部36に対し微少ストロークで上下動可能となっており、その押圧部35cの直下に位置する、サブボード13上の対応する操作端子118を押圧可能である。
【0082】
したがって、電源ボタン35(被押圧部35b)が下方に押圧されると、押圧部35cにより、サブボード13上の対応する操作端子118が押圧され、これにより、電源のON/OFFが切り替えられる。
【0083】
また、図3に示されるように、操作パネル部36における電源ボタン35に隣接する箇所(電源ボタン35の−X側近傍)には、電源のON/OFFに応じて点灯/消灯する小型の確認用ランプ42が取り付けられている。
【0084】
回線ボタン37は、インターネットを介して双方向通信中の相手側とのインターネット回線を切断するために用いられる操作部材である。
【0085】
回線ボタン37は、図11に示されるように、電源ボタン35と同様の構成(取り付け構造を含む)を有している。回線ボタン37は、その小径部が、円形開口35aの+Y側に形成された円形開口37a内に挿入され、その大径部が、操作パネル部36の下面における円形開口37aの縁部(周囲部)に対向している。また、回線ボタン37は、操作パネル部36に対し微少ストロークで上下動可能となっており、その押圧部の直下に位置する、サブボード13上の対応する操作端子118を押圧可能である。
【0086】
したがって、回線ボタン37が下方に押圧されると、その押圧部により、サブボード13上の対応する操作端子118が押圧され、これにより、相手側との通信が切断される。
【0087】
決定ボタン39は、例えば液晶モニタによりその画面上に又はプロジェクターP(図14参照)によりスクリーンS上に表示されるメニュー画面内において後述するカーソル40が操作されることにより選択された項目を決定するための操作部材である。決定ボタン39の詳細は、後述する。
【0088】
ここで、図3に示されるように、操作パネル部36における決定ボタン39の+X側には、それぞれ操作部38の一部を構成する操作部材としての一対のボリュームボタン41a、41bが互いにX軸方向に隣接した状態(ボリュームボタン41aが−X側で、ボリュームボタン41bが+X側)で配置されている。また、操作パネル部36における決定ボタン39の−X側には、操作部38の一部を構成する操作部材としてのメニューボタン45が配置されている。また、操作パネル部36におけるメニューボタン45の−X側には、操作部38の一部を構成する操作部材としてのマイクミュートボタン47が配置されている。
【0089】
すなわち、操作パネル部36には、その+Y側の端部付近に、+X側から−X側にかけて、ボリュームボタン41b、ボリュームボタン41a、決定ボタン39、メニューボタン45、及びマイクミュートボタン47が、この順に、X軸方向に一列に並べて配置されている。
【0090】
一対のボリュームボタン41a、41bは、スピーカー15aから出る音の音量を調整するための操作部材である。一対のボリュームボタン41a、41bは、音声放出口43の−X側に位置する。
【0091】
一対のボリュームボタン41a、41bは、それぞれ平面視でX軸方向を長手方向とする部材から成る点を除いて、図12に示されるように、電源ボタン35と同様の構成(取り付け構造を含む)を有している。すなわち、一対のボリュームボタン41a、41bそれぞれは、そのつば部分を除く部分が、操作パネル部36における決定ボタン39の+X側の箇所に形成されたX軸方向に延びる開口61内の+X側及び−X側に挿入され、そのつば部が、操作パネル部36の下面における開口61の縁部(周囲部)に対向している。また、一対のボリュームボタン41a、41bそれぞれは、操作パネル部36に対し微少ストロークで上下動可能となっており、その押圧部の直下に位置する、サブボード13上の対応する操作端子118を押圧可能である。
【0092】
したがって、一対のボリュームボタン41a、41bのいずれか一方が下方に押圧されると、該ボリュームボタンを介して、サブボード13上の対応する操作端子118が押圧され、これにより、スピーカー15aから出力される音の音量が調整される。具体的には、一対のボリュームボタン41a、41bの一方が下方に押圧されると、スピーカー15aから出力される音量が下がり、一対のボリュームボタン41a、41bの他方が下方に押圧されると、スピーカー15aから出力される音量が上がる。
【0093】
メニューボタン45は、例えば液晶モニタの画面上又はスクリーンS上にメニュー画面を呼び出すために用いられる操作部材である。
【0094】
メニューボタン45は、図12に示されるように、電源ボタン35と同様の構成(取り付け構造を含む)を有している。メニューボタン45は、その小径部が、操作パネル部36における決定ボタン39の−X側の箇所に形成された円形開口45a内に挿入され、その大径部が操作パネル部36の下面における円形開口45aの縁部(周囲部)に対向している。また、メニューボタン45は、操作パネル部36に対し微少ストロークで上下動可能となっており、その押圧部の直下に位置する、サブボード13上の対応する操作端子118を押圧可能である。
【0095】
したがって、メニューボタン45が下方に押圧されると、その押圧部により、サブボード13上の対応する端子が押圧され、これにより、液晶モニタの画面上又はスクリーンS(図14参照)上にメニュー画面が表示される。上記メニュー画面内において選択・決定される項目としては、例えば、双方向通信を行う相手側のテレビ会議装置の宛先などが挙げられる。
【0096】
マイクミュートボタン47は、マイクロフォン17aによる音声の入力/非入力を切り替えるために用いられる操作部材である。
【0097】
マイクミュートボタン47は、図3に示されるように、平面視でX軸方向を長手方向とする部材から成る点を除いて、図12に示されるように、電源ボタン35と同様の構成(取り付け構造を含む)を有している。すなわち、マイクミュートボタン47は、そのつば部を除く部分が、操作パネル部36における円形開口45aの−X側の箇所に形成された、開口47a内に挿入され、そのつば部が操作パネル部36の下面における開口47aの縁部(周囲部)に対向している。また、マイクミュートボタン47は、操作パネル部36に対し微少ストロークで上下動可能となっており、その直下に位置する、サブボード13上の対応する操作端子118を押圧可能である。
【0098】
したがって、マイクミュートボタン47が下方に押圧されると、その押圧部により、サブボード13上の対応する操作端子118が下方に押圧され、これにより、マイクロフォン17aによる音声の入力/非入力が切り替わる。
【0099】
また、図3に示されるように、操作パネル部36におけるマイクミュートボタン47に隣接する箇所(マイクミュートボタン47の−X側近傍)には、マイクロフォンのON/OFF状態に応じて点灯/消灯が切り替わる小型の確認用ランプ65が配置されている。
【0100】
以上より、操作パネル部36には、それぞれが操作部38の一部を構成し、固有の機能を有する複数の操作部材が、平面視で、T字状(又は逆T字状)に配列されており(図3参照)、デザイン性に非常に優れる。また、上述のように、音声放出口43は、一対のボリュームボタン41a、41bの+X側に、すなわち上記T字の延長部分に形成されており、このこともデザイン性の更なる向上に寄与している。
【0101】
また、上記複数の操作部材それぞれは、押圧されていない状態で、その上面が、操作パネル部36の上面とほぼ面一となっている(図11及び図12参照)。したがって、外観上の一体性に優れる(スタイリッシュである)とともに、テレビ会議装置10を持ち運ぶ際に各操作部材が邪魔にならない。
【0102】
また、上記複数の操作部材それぞれ(但し、ロック解除ボタン33を除く)の上面は、その外周から中央にかけて低くなるように緩やかに湾曲している(図11及び図12参照)。したがって、上記複数の操作部材それぞれの上面に指が掛かり易く、その操作性に優れる。
【0103】
また、音声出力の調整に用いられる一対のボリュームボタン41a、41bが、音声出力に関連する音声放出口43と隣接しており(図3参照)、ユーザにとって感覚的に分かり易い配置となっている。
【0104】
また、それぞれ特別の機能を実行するためのマイクミュートボタン47及びメニューボタン45が、隣接しており(図3参照)、ユーザにとって感覚的に分かり易い配置となっている。
【0105】
また、一対のボリュームボタン41a、41bと、マイクミュートボタン47とが、操作パネル部36のX軸方向中央にてY軸方向に一列に並べて配置された複数の操作部材のうちの最も+Y側に位置する決定ボタン39をX軸方向に関し挟む位置に配置されている。すなわち、音量調整と消音という互いに相反する機能の実現のために用いられる操作部材が、操作パネル部36のX軸方向中央のそれぞれ+X側及び−X側に配置されているため、両者の位置関係を把握し易く、一方を操作しようとして、誤って他方を操作することが防止される。
【0106】
ここで、図3に示されるように、決定ボタン39の外周側には、カーソル40が配置されている。
【0107】
カーソル40は、図12の部分拡大図に示されるように、決定ボタン39の周囲に配置されたZ軸方向を軸線方向とする略円筒状の部分から成るカーソル本体81と、該カーソル本体81の+X側の下面部、−X側の下面部、+Y側の下面部及び−Y側の下面部それぞれから下方に突出する押圧部84とを有する。
【0108】
カーソル本体81は、図11に示されるように、操作パネル部36における円形開口37aの+Y側に形成された、一回り大きい円形開口77内に挿入されている。
【0109】
カーソル本体81は、図12に示されるように、下方に押圧されていない状態で、その外周部81aの上面が、操作パネル部36の上面とほぼ面一となっている。カーソル本体81の内周部81bは、その外周上端が外周部81aの内周上端と同じ高さに位置し、その上面が外周側よりも内周側が低くなるように傾斜している。
【0110】
カーソル本体81の内周部81bは、例えば平面視で外周部81aの幅の3/5の幅(例えば外周部81aの幅を5mmとすると3mm)を有している。
【0111】
4つの押圧部84それぞれは、図11及び図12に示されるように、その下端が、それぞれ対応する操作端子118の直上に位置する。各押圧部84の下端には、カーソル本体81の径方向に延び、操作パネル部36に係止される係止片84aが形成されている。これにより、カーソル40の上方への抜けが防止されている。
【0112】
また、カーソル40は、微少ストロークで上下動可能となっており、その4つの押圧部84それぞれの直下に位置する、サブボード13上の対応する操作端子118を押圧可能である。詳述すると、カーソル40は、決定ボタン39に対応する操作端子118を中心にX軸及びY軸方向に十字状に配列された4つの操作端子118(図2参照)それぞれに対応する被押圧部を、カーソル本体81の各押圧部84上に有しており、それら4つの被押圧部のいずれかが下方に押圧されると対応する操作端子118が押圧されて、上記メニュー画面上の項目を選択ための選択表示(選択キー)が上下左右のいずれかに移動する。
【0113】
決定ボタン39は、図12に示されるように、電源ボタン35と同様の構成を有する。決定ボタン39の被押圧部39aの小径部の直径は、例えばカーソル本体81の外周部81aの幅の12/5(例えば外周部81aの幅を5mmとすると12mm)となっている。
【0114】
ここで、決定ボタン39の被押圧部39aとカーソル40との間には、その上壁に円形開口44aが形成されたシルクハット形状の部材から成り、操作パネル部36に固定されたスペーサ44が配置されている。
【0115】
すなわち、決定ボタン39は、その被押圧部39aの小径部が、該小径部よりも一回り大きい、スペーサ44の円形開口44a内に下方から挿入されている。
【0116】
スペーサ44の上面は、カーソル本体81の内周部81bの内周上端、及び被押圧部39aの小径部の外周上端とほぼ同じ高さに位置している。スペーサ44は、決定ボタン39の直径の1/3(例えば被押圧部39aの小径部の直径を12mmとすると4mm)の幅を有している。
【0117】
決定ボタン39は、微少ストロークで上下動可能となっており、その押圧部39bの直下に位置する、サブボード13上の対応する操作端子118を押圧可能である。
【0118】
したがって、決定ボタン39が下方に押圧されると、その押圧部39bにより、サブボード13上の対応する操作端子118が下方に押圧され、これにより、上記メニュー画面内において選択された項目が決定される。
【0119】
以上の構成より、カーソル40を操作する際には、例えば指の腹をスペーサ44上に載せた状態でその指の先端でカーソル本体81の内周部81bを押圧するようにすると操作性が良く、かつ誤って決定ボタン39が押圧されることが防止される。また、決定ボタン39を操作する際、被押圧部39aの上面が下方に湾曲しているので、指掛かりが良く(操作性が良く)、指の先端により被押圧部39aを押圧するときに、その指の腹がスペーサ44上に載るので、誤って、カーソル40が押圧されることが防止される。
【0120】
一般に、カーソル及び決定ボタンは、それぞれメニュー画面上の項目の選択・決定という互いに関連性の強い機能(機能)を有するため、互いに近接して配置されることが望ましい反面、一方を操作しようとして、誤って他方を操作してしまうこと(誤操作)が懸念される。そこで、本実施形態のように、決定ボタン39とカーソル40との間にスペーサ44が配置されることで、カーソル40の操作性の向上とともに、このような誤操作が防止されている。
【0121】
以下に、図13を用いて、テレビ会議装置10を用いる会議システム200について説明する。この会議システム200は、図13に示されるように、インターネットに接続された末端の複数(例えば2つ)のルータR1と、該複数のルータR1それぞれに接続された複数のルータR2とを有する通信網としてのLAN(Local Area Network)と、複数のルータR2のそれぞれに接続された複数(例えば3つ)のテレビ会議装置10及び中継装置4と、インターネットに接続された通信管理装置5と、各テレビ会議装置10に接続されたプロジェクターPとを含む。
【0122】
中継装置4は、所定の制御プログラムに従って、各種機能を実現させるコンピュータであり、通信網の品質(伝送速度)を常時モニタし、その伝送速度に適した解像度の画像データを設定するようになっている。すなわち、この中継装置4は、通信網の状態、テレビ会議装置10の処理状況などの影響により、双方向通信時のテレビ会議装置10同士において、画像データと音声データとにずれ(遅延)が生じていないかを常時検知し、音声データと画像データとにずれが生じている場合、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データの中から、そのずれが生じているテレビ会議装置10に対し、最も適した解像度を選択し、相手側のテレビ会議装置10に送信するようになっている。これにより、通信網の品質が悪化した場合でも、途切れずに動画像の通信が可能になっている。
【0123】
また、この中継装置4は、画像データと音声データとのずれを解消するために、上述した解像度の変更の他、フレームレートの変更、両者のバランスを重視した解像度及びフレームレートの変更が可能になっている。このように中継装置4は、通信網の品質(伝送速度)を常時モニタし、ずれ検知、解像度の指定など、動画像および音声の転送にかかわる管理を行なっている。
【0124】
通信管理装置5は、所定の制御プログラムに従って、全てのテレビ会議装置10を管理するコンピュータであり、全てのテレビ会議装置10の現在の動作状況(双方向通信中、通信待機中、非通電状態など)の把握、テレビ会議装置10のデバイス認証、デバイス認証されたテレビ会議装置10への宛先リストの付与、中継装置4の選定、テレビ会議装置10同士の双方向通信に対する課金など、テレビ会議装置10と中継装置4とを一元的に管理する。
【0125】
以上のように構成される会議システム200を用いるテレビ会議の一例を、以下に説明する。ここでは、複数のメンバーでそれぞれ構成される複数(例えば12)のグループ間で、各グループがテレビ会議装置10を1つ用いてテレビ会議を行うこととする(図13参照)。したがって、以下の説明は、全てのグループについて妥当する。
【0126】
一のグループの複数のメンバー(例えば7人)は、図14に示されるように、例えば会議室内に配置されたY軸方向を長手方向とする平面視矩形のテーブルTの+X側、−X側及び+Y側にそれぞれテーブルT側を向いた状態で着座する。
【0127】
テーブルTの中央には、プロジェクターPが、テーブルTの−Y側かつ+Z側の斜め上方に配置されたスクリーンS上に画像を投影可能に設置される。
【0128】
テレビ会議装置10は、画像入力ユニット24が収容位置に位置する状態で、例えばテーブルTの+X側かつ−Y側の隅部上(プロジェクターPの水平画角α(概ね20°〜40°)から外れる位置であって、スクリーンSと対向する位置に着座するメンバーがスクリーンSに映し出される画像を見るのに邪魔にならない位置)に、操作パネル部36(前側)が+Y側に位置し、かつ画像入力ユニット24(後側)が−Y側に位置するようにその向きが設定された状態で設置される。
【0129】
この場合、テレビ会議装置10では、段部31、70(図4及び図5参照)により、画像入力ユニット24と操作パネル部36との境界が一見して(又は一触して)識別可能であるとともに、筐体25において操作パネル部36が前傾状態になっているため、テレビ会議装置10の前後の向きが簡単に把握され、これにより、テレビ会議装置10を所望の向きに容易に向けることができる。
【0130】
上述のようにテーブルT上に設置されたテレビ会議装置10では、その概ね+Y側(前側)に位置するユーザ(一のグループのメンバー)によって、操作部38を介した各種操作が行われる。すなわち、その操作担当のユーザから見ると、テレビ会議装置10における操作パネル部36が手前側に位置し、画像入力ユニット24が奥側に位置することになる。
【0131】
また、テレビ会議装置10の上記設置に併せて、テレビ会議装置10に対する電気及び通信に関する配線の接続(例えば、インターネットに接続される端子とLAN端子57との結線、画像出力端子55とプロジェクターPの端子との結線など)が行われる。
【0132】
次に、ユーザは、操作パネル部36の最も−Y側(後側)、に配置されたロック解除ボタン33(図3参照)を押し下げて、画像入力ユニット24の筐体25に対する係止を解除する。このとき、一軸ヒンジ装置67のポップアップ機能により、画像入力ユニット24が筐体25に対し第3の軸線周りに回動して筐体25内から所定量突出する(図8参照)。
【0133】
そこで、ユーザは、画像入力ユニット24を手で掴んで第3の軸線周りにその総回動角度が例えば90°になるまで手動で回動させるとともに(図9参照)、カメラハウジング63を第1及び第2の軸線それぞれの周りに適宜手動で回動させることにより、電子カメラ21を、例えば一のクループのメンバー全員の姿がその撮影視野内に入る位置に位置させる。この場合、画像入力ユニット24のアーム69は、概ね+Y側から見て扁平形状なので(図9参照)、各グループのメンバー全員がスクリーンSを見る際に、特に目障りとはならない。
【0134】
ここで、テレビ会議装置10では、平面視でA4版サイズの筐体25に、該筐体25の長手方向のほぼ全域に亘って延び、電子カメラ21をその長手方向一端に有する画像入力ユニット24の他端が、一軸ヒンジ装置67を介して接続されている。したがって、画像入力ユニット24を、収容位置から筐体25に対し第3の軸線周りに例えば45°〜135°回動させることにより、電子カメラ21の高さを、着座した一のグループのメンバーの顔の高さに丁度良く合わせることができる。
【0135】
次に、ユーザは、ロック解除ボタン33の+Y側に配置された電源ボタン35(図3参照)を押してテレビ会議装置10を起動させる。このとき、テレビ会議装置10により、プロジェクターPを介してスクリーンS上にメニュー画面が表示される。このメニュー画面は、各種調整や会議の開始(双方向通信の開始)などの各項目がアイコンと文字情報で表示される。
【0136】
そこで、ユーザは、カーソル40の4つの被押圧部のいずれかを適宜押して、上記メニュー画面上の会議の開始に関する項目を選択し、決定ボタン39を押して、会議の開始を決定する。
【0137】
会議の開始が決定されると、一のテレビ会議装置10は、その旨の信号を、通信網(LAN、インターネット)を介して、通信管理装置5に送信する。このとき、通信管理装置5は、一のテレビ会議装置10に対しデバイス認証を行い、その認証後、一のテレビ会議装置10に、該一のテレビ会議装置10以外の複数の他のテレビ会議装置10(通信管理装置5に登録されているテレビ会議装置10)の現在の動作状況を示した宛先リストを送信する。このとき、一のテレビ会議装置10は、この宛先リストを、プロジェクターPを介してスクリーンS上に表示させる。この宛先リストは、直感的な操作が可能なアイコン表示と文字情報とからなり、適宜、更新される。
【0138】
ここで、ユーザは、カーソル40の4つの被押圧部のいずれかを適宜押して、上記宛先リストからテレビ会議(双方向通信)を行いたい他のテレビ会議装置10を選択して、決定ボタン39を押して決定する。
【0139】
このようにして、宛先リスト中の非通電状態でない複数の他のテレビ会議装置10の中から、双方向通信を行ないたい他のテレビ会議装置10が選択・決定されると、通信管理装置5は、複数の中継装置4の中から最適な中継装置4を選択する。通常は、一のテレビ会議装置10と物理的に近い中継装置4が選択されるが、その中継装置4に何らかの不具合がある場合、他の中継装置4が選択される。例えば、図13に示されるように、一のテレビ会議装置10のIPアドレスが(1.2.1.5)の場合、IPアドレスが(1.2.1.2)の中継装置4が選択されるが、その中継装置4がダウンしているときは、IPアドレスが(1.2.2.2)の中継装置4が選択される。なお、IPアドレスは、説明の便宜上、個々のテレビ会議装置10に割り振られた固有のIPアドレスである(図13では、IPアドレスが括弧内の4つの数字で表されている。例えば通信管理装置5は(1.1.1.2))。
【0140】
通信管理装置5により中継装置4が選択されると、即座に、その中継装置4を介して、IPアドレスに基づいて他のテレビ会議装置10へ双方向通信の要求が送信される。他のテレビ会議装置10では、その双方向通信の要求が着信すると、その要求の容認及び拒否それぞれに関する項目を、プロジェクターPを介してスクリーンS上に映し出されたメニュー画面上に表示する。
【0141】
そこで、他のグループのメンバーは、他のテレビ会議装置10のカーソル40及び決定ボタン39を操作することにより、上記容認及び拒否それぞれに関する項目のうちのいずれかを選択・決定する。そして、容認に関する項目が選択・決定されると、一及び他のテレビ会議装置10間の双方向通信が開始される。
【0142】
このとき、中継装置4は、上述したように、通信網の品質(伝送速度)を常時モニタしており、通信網の品質が悪化した場合、現在の解像度より一段下げた解像度の画像データに切り替えた中継、または、フレームレートを下げた中継、または、両者を下げた中継を行なう。通信管理装置5は、テレビ会議装置10同士の双方向通信の開始と共に、そのテレビ会議装置10同士の特定、通信時間の計測など、本実施の形態にかかる会議システム200の使用に対する課金のための処理が実行される。
【0143】
以上のようにして、一及び他のテレビ会議装置10間の双方向通信が開始されると、一のテレビ会議装置10の電子カメラ21により入力される一のグループのメンバー全員の姿(画像)が、インターネット回線を介して通信相手の他のグループの他のテレビ会議装置10に送信され、該他のテレビ会議装置10に接続されたプロジェクターPを介してスクリーンS上に映し出される。また、他のテレビ会議装置10の電子カメラ21により入力される他のグループのメンバー全員の姿(画像)が、インターネット回線を介して一のテレビ会議装置10に送信され、該一のテレビ会議装置10に接続されたプロジェクターPを介してスクリーンS上に映し出される。
【0144】
ここで、一及び他のテレビ会議装置10のCPU100は、電子カメラ21で撮像された画像を、所定のコーデックを用いて、高解像度(例えば、横が640画素、縦が480画素)、中解像度(例えば、横が320画素、縦が240画素)、低解像度(例えば、横が160画素、縦が120画素)の各画像品質となるようにエンコードし、そのエンコードした画像データを出力する。このエンコードした画像データは、一及び他のテレビ会議装置10において、動画または間欠画像(一定時間間隔の静止画像)にデコード可能なデータであり、メニュー画面から、動画または間欠画像のいずれかに選択が可能になっている。また、テレビ会議に参加している複数のその他のグループのテレビ会議装置10からの複数の画像データを合成処理して同時出力するピクチャー・イン・ピクチャー機能を始めとした多彩な画像表現が可能になっている。
【0145】
また、一のテレビ会議装置10のマイクロフォン17aにより一のグループの音声が入力され、該入力された音声は、インターネット回線を介して他のテレビ会議装置10に送信され、そのスピーカー15aにより出力される。一方、他のテレビ会議装置10のマイクロフォン17aにより他のグループの音声が入力され、該入力された音声は、インターネット回線を介して一のテレビ会議装置10に送信され、そのスピーカー15aにより出力される。
【0146】
ここで、ユーザ(一のグループのメンバー)は、テレビ会議が開始される前、及びテレビ会議が行われている間に、適宜、一対のボリュームボタン41a、41bを押してスピーカー15aから出る音の音量を調整し、マイクミュートボタン47を押して一のグループ側の音声が通信相手の他のグループ側に出力されないようにする。また、ユーザは、適宜、メニューボタン45を押して、スクリーンS上にメニュー画面を呼び出して、カーソル40及び決定ボタン39を押してメニュー画面上の項目を選択・決定することにより、所望の機能を実行する。
【0147】
以上のようにして、画像及び音声の双方向通信によるテレビ会議が行われる。
【0148】
また、ユーザは、通信相手の他のグループを変更したいときには、回線ボタン37を押して、現に接続されている他のテレビ会議装置10とのインターネット回線を切断する。このとき、スクリーンS上にメニュー画面が映し出され、そのメニュー画面上に上記宛先リストが表示される。
【0149】
ここで、ユーザは、前述と同様に、一のテレビ会議装置10のカーソル40及び決定ボタン39を操作して、次にテレビ会議を行いたい他のテレビ会議装置10を選択・決定する。そして、その選択・決定された他のテレビ会議装置10にて、前述と同様に、双方向通信が容認される操作が行われたときに、一及び他のテレビ会議装置10間の双方向通信が開始される。以後、前述と同様に、テレビ会議が行われる。
【0150】
テレビ会議が終了後、ユーザは、電源ボタン35を押してテレビ会議装置10への電力供給を停止する。この場合、回線ボタン37を押して通信相手とのインターネット回線を切断した後に、電源ボタン35を押しても良い。そして、ユーザは、カメラハウジング63をアーム69に対し第1及び第2の軸線それぞれの周りに適宜回動させて画像入力ユニット24を基準状態に戻し、基準状態にある画像入力ユニット24を第3の軸線周りに回動させて筐体25内に収容する。画像入力ユニット24は、筐体25内に収容されるとき、ロック装置8の作用により筐体25に対し係止される。画像入力ユニット24が筐体25内に収容された状態で、テレビ会議装置10は、平面視A4版のサイズのほぼ平板状の形態となる。
【0151】
なお、以上説明した会議システム200を用いるテレビ会議は、テレビ会議装置10に、プロジェクターPの代わりに、例えば液晶モニタ、液晶テレビなどを接続した場合も同様に行われる。
【0152】
ここで、以上のようにしてテレビ会議を行う場合、操作部38に含まれる複数の操作部材の使用回数は、互いに異なることが分かる。すなわち、その使用回数は、最も少ないのがロック解除ボタン33であり(画像入力ユニット24のロックを解除するときの1回)、次に少ないのが電源ボタン35である(電源を入り切りするときの2回)。回線ボタン37は、通信相手を3回以上変える場合には、3回以上使用される可能性がある。
【0153】
一方、一対のボリュームボタン41a、41b、マイクミュートボタン47、決定ボタン39、カーソル40、メニューボタン45は、テレビ会議毎に使用回数が変わるため、一概には言えないが、以下に説明するように、回線ボタン37よりも多く使用される可能性がある。
【0154】
例えば、テレビ会議装置10が使用される場所の環境音(例えば、室内の空調、周囲の騒音の有無)、通信相手のグループのメンバーの声の大きさ、マイクロフォンとの距離などに応じて、スピーカー15aから出力される音の大きさが変わるので、それに応じて、スピーカー15aから出力される音量を調整する必要がある。したがって、一対のボリュームボタン41a、41bの使用回数は、その潜在的に使用される可能性も考慮すると、回線ボタン37よりも多くなることが必至である。
【0155】
また、テレビ会議中に、例えば、一のグループ内でのみ議論(相談)したい場合などには、通信相手の他のグループにその議論の内容が筒抜けにならないように、マイクミュートボタン47を押して、テレビ会議装置10のマイクロフォン17aをOFF状態にする必要がある。このようなケースは、例えば、商談などの場合には、極めて多いものと考えられる。そして、通信相手との対話を再開する場合には、マイクミュートボタン47を押して、マイクロフォン17aをON状態にする必要がある。したがって、マイクミュートボタン47の使用回数は、その潜在的に使用される可能性も考慮すると、回線ボタン37よりも多くなることが必至である。
【0156】
また、メニューボタン45は、テレビ会議中に、スクリーンS上に、通信相手の姿(画像)に代えて又は加えて、メニュー画面を呼び出すため、及びその呼び出されたメニュー画面を閉じるために使用される。メニュー画面上には、テレビ会議装置10の種々の機能が表示されることを勘案すると、メニューボタン45の使用回数は、その潜在的に使用される可能性も考慮すると、回線ボタン37よりも多くなることが必至である。
【0157】
また、決定ボタン39及びカーソル40は、スクリーンS上に投影される種々の選択項目、スクリーンS上に投影されるメニュー画面上に表示される選択項目などを選択・決定する際に用いられるため、決定ボタン39及びカーソル40それぞれの使用回数は、その潜在的に使用される可能性も考慮すると、回線ボタン37よりも多くなることが必至である。
【0158】
以上より、ロック解除ボタン33、電源ボタン35、回線ボタン37及び決定ボタン39の順に順を追って、潜在的に使用され得る頻度、すなわち機能に応じた使用頻度が多くなる。また、決定ボタン39、一対のボリュームボタン41a、41b、マイクミュートボタン47、メニューボタン45及びカーソル40は、潜在的に使用され得る頻度、すなわち機能に応じた使用頻度は、甲乙つけ難い。したがって、決定ボタン39、一対のボリュームボタン41a、41b、マイクミュートボタン47、メニューボタン45及びカーソル40それぞれは、ロック解除ボタン33、電源ボタン35及び回線ボタン37よりも使用頻度が多い。以下、操作部38に含まれる操作部材の潜在的に使用され得る頻度、すなわち機能に応じた使用頻度を、単に「使用頻度」と称する。
【0159】
以上説明したように、本実施形態のテレビ会議装置10によれば、操作パネル部36に、複数(例えば5つ)の操作部材(一対のボリュームボタン41a、41b、決定ボタン39、メニューボタン45及びマイクミュートボタン47)がX軸方向に並べて配置され、該複数の操作部材よりも使用頻度が少ない複数(例えば3つ)の別の操作部材(ロック解除ボタン33、電源ボタン35及び回線ボタン37)が、複数の操作部材のうちの一の操作部材(決定ボタン39)と共にY軸方向に並べて配置されている。
【0160】
すなわち、使用頻度が多い複数の操作部材、及び使用頻度が少ない複数の別の操作部材が互いに異なる列を成しており、その2つの列が互いに角度(例えば直角)を成している。
【0161】
この場合、使用頻度が多い複数の操作部材と、使用頻度が少ない複数の別の操作部材との位置関係が容易に把握(認識)されるので、使い勝手が良い。特に、使用頻度が多い複数の操作部材はテレビ会議中に頻繁に使用されるものであり、使用頻度が少ない複数の別の操作部材はテレビ会議中にほとんど使用されないものであるため、使用頻度が多い複数の操作部材と使用頻度が少ない複数の別の操作部材との位置関係が容易に把握される点で、非常に使い勝手が良い。
【0162】
また、この場合、使用頻度が多い複数の操作部材が成す列と、使用頻度が少ない複数の別の操作部材が成す列とが連続しているので、操作部38の一体性に優れ(操作部38の構成が認識され易く)、使い勝手が良い。
【0163】
また、本実施形態では、使用頻度が多い複数の操作部材は、操作パネル部36の最も前側(+Y側)にX軸方向に並べて一列に配置されている。したがって、テレビ会議装置10の概ね+Y側に位置するユーザから見ると、使用頻度が多い複数の操作部材が手の届き易い近い位置(手前側)に位置するので、使い勝手が良い。
【0164】
また、使用頻度が多い複数の操作部材のうち、互いに相反する機能を有する一対のボリュームボタン41a、41bと、マイクミュートボタン47とが、決定ボタン39を挟む位置に配置されている。すなわち、一対のボリュームボタン41a、41bは、使用頻度が少ない複数の別の操作部材がY軸方向に並んで成る列の+X側に位置し、マイクミュートボタン47は、この列の−X側に位置する。これにより、一対のボリュームボタン41a、41bとマイクミュートボタン47との位置関係が容易に把握されるので、使い勝手が良く、一対のボリュームボタン41a、41bとマイクミュートボタン47との間での押し間違いが防止される。そして、操作パネル部36における一対のボリュームボタン41a、41bの+X側に、音声出力に関係する音声放出口43が形成されているので、この点でも、一対のボリュームボタン41a、41bとマイクミュートボタン47との位置関係の把握が容易とされている。
【0165】
また、操作パネル部36の最も前側(+Y側)に位置する複数の操作部材のうち、特別な機能に関係するメニューボタン45及びマイクミュートボタン47が互いに隣接して配置されているので、使い勝手が良い。
【0166】
また、上述したように、本実施形態では、使用頻度が多い複数の操作部材と、使用頻度が少ない複数の別の操作部材とが互いに異なる列を成しており、その2つの列が互いに角度(例えば直角)を成している。したがって、使用頻度が多い複数の操作部材の1つを操作しようとして、誤って、使用頻度が少ない複数の別の操作部材の1つを操作することが防止され、使用頻度が少ない複数の別の操作部材の1つを操作しようとして、誤って、使用頻度が多い複数の操作部材の1つを操作することが防止される。
【0167】
すなわち、使用頻度の多い複数の操作部材と使用頻度の少ない複数の別の操作部材との間での操作し間違い(押し間違い)を効果的に防止でき、ひいては所望の機能と異なる機能が実行されることが防止される。特に、テレビ会議中は、最も前側(+Y側)に位置する使用頻度の多い複数の操作部材が主に操作されるので、使用頻度が少ない複数の別の操作部材が誤って操作されるおそれが激減する。
【0168】
ここで、ユーザが、使用頻度の多い複数の操作部材の1つを操作しようとして、誤って、使用頻度の少ない複数の別の操作部材の1つを操作した場合、その機能が実行されてしまい、その機能が実行される前の状態に戻すためのリカバリ作業を行わなければならない場合がある。
【0169】
例えば、テレビ会議中に、使用頻度の多い複数の操作部材のいずれかを操作しようとして、誤って、使用頻度の少ない回線ボタン37を押した場合、インターネット回線が切断されるため、ユーザは、通信相手とのインターネット回線の接続を再度行わなければならない。また、テレビ会議中に、使用頻度の多い複数の操作部材を操作しようとして、誤って、電源ボタン35を押した場合、ユーザは、電源ボタン35を再度押して、テレビ会議装置10を再起動させ、インターネットに再接続しなければならない。
【0170】
本実施形態では、前述したように、使用頻度の多い複数の操作部材と使用頻度の少ない複数の別の操作部材との間での操作し間違いが効果的に防止されているので、上記リカバリ作業の発生を低減でき、ひいてはテレビ会議(準備作業及び撤収作業を含む)の円滑な進行が期待できる。
【0171】
また、使用頻度が少ない複数の別の操作部材は、互いに使用頻度が異なり、使用頻度が少ないものほど一の操作部材(決定ボタン39)から離れるようにY軸方向に並べて配置されている。すなわち、使用頻度が少ない別の操作部材ほど、操作パネル部36の後側(−Y側)に配置されている。したがって、テレビ会議装置10の概ね+Y側に位置するユーザから見ると、使用頻度が少ない別の操作部材ほど、使用頻度が多い複数の操作部材が成す列から遠い位置に位置するので、誤って操作されるおそれが低減される。これにより、使用頻度の多い操作部材と使用頻度の少ない操作部材との間での操作し間違いをより効果的に防止でき、ひいては所望の機能と異なる機能が実行されることがより一層防止される(上記リカバリ作業の発生がより一層低減される)。また、逆に言うと、テレビ会議装置10の概ね+Y側に位置するユーザから見ると、使用頻度が多い別の操作部材ほど、使用頻度が多い複数の操作部材が成す列に近い位置に位置するので、使い勝手が良い。
【0172】
また、本実施形態では、使用頻度が多い複数の操作部材、及び使用頻度が少ない複数の別の操作部材は、それぞれ、操作パネル部36上に、筐体25の+Y側の側面に平行な方向(X軸方向)、及び+X側の側面に平行な方向(Y軸方向)に並べて配置され、全体として、T字状又は逆T字状(筐体25の+Y側の側面及び+X側の側面に一辺及び他辺がそれぞれ平行なT字状又は逆T字状)に配置されているので、操作部38のデザイン性に優れる。
【0173】
しかも、使用頻度が少ない複数の別の操作部材は、図3に示されるように、操作パネル部36のX軸方向中央にてY軸方向に一列に並べて配置されるとともに、使用頻度が多い複数の操作部材は、操作パネル部36のX軸方向中央から+X側及び−X側の同一距離の範囲内に配置されている(+X側のボリュームボタン41bの+X端及びマイクミュートボタン47の−X端と、操作パネル部36のX軸方向中央との距離が等しい)。したがって、操作部38の配置のバランスに優れる。
【0174】
以上のように、本実施形態では、決定ボタン39を操作パネル部36のX軸方向中央における+Y側の端部に配置し、決定ボタン39の−Y側に、使用頻度が少ない複数の別の操作部材を使用頻度が少ないものほど決定ボタン39から離れるようにY軸方向に並べて配置することとしている。さらに、決定ボタン39の+X側及び−X側に、機能の異なる操作部材又は操作の目的が異なる操作部材を配置することとしている。これにより、使い勝手を向上させることができる。
【0175】
以上より、本実施形態のテレビ会議装置10では、複数の操作部材を含む操作部38の使い勝手が良く、かつデザイン性に優れるとともに、使用頻度が多い操作部材と使用頻度が少ない別の操作部材との間での誤操作(特に使用頻度が少ない別の操作部材(特に電源ボタン35、回線ボタン37)が不用意に操作されること)が極力防止されている。
【0176】
なお、本発明は、上記実施形態で説明したものに特に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態における操作部に含まれる操作部材の形状、数、種類(機能)及び配置は、一例であって、これに限られるものではない。
【0177】
例えば、一対のボリュームボタン41a、41bと音声放出口43との間に、又は一対のボリュームボタン41a、41bと決定ボタン39との間に、スピーカー15aから出る音を消すための消音ボタン(操作部材)を更に設けることとしても良い。
【0178】
上記実施形態では、操作パネル部36にX軸方向に並べて配置される使用頻度が多い操作部材の数は、5つであるが、これに限らず、複数であれば良い。
【0179】
上記実施形態では、操作パネル部36にY軸方向に並べて配置される使用頻度が少ない操作部材の数は、3つであるが、これに限らず、少なくとも1つであれば良い。
【0180】
上記実施形態では、操作部38に含まれる複数の操作部材として、押しボタンが採用されているが、これに限らず、操作部38に含まれる複数の操作部材の少なくとも1つとして、例えば、タッチスイッチ、スライド式のスイッチなどを採用しても良い。
【0181】
上記実施形態では、使用頻度が多い複数の操作部材が成す列と、使用頻度が少ない複数の別の操作部材が成す列とが直角(90°)を成しているが、これに限らず、例えば、30°、45°、60°などの直角以外の角度を成しても良い。この場合、使用頻度が多い複数の操作部材が成す列がX軸と角度を成しても良いし、使用頻度が少ない複数の別の操作部材が成す列がY軸と角度を成しても良い。
【0182】
上記実施形態では、操作部38に含まれる複数の操作部材が、操作パネル部36に平面視T字状(又は逆T字状)に配置されているが、これに限らず、例えば、平面視十字状、L字状、X字状、V字状など、要は、使用頻度が多い複数の操作部材が成す列と使用頻度が少ない複数の別の操作部材が成す列とが互いに角度を成すように配置されれば良い。そして、特にL字状に配列する場合、使用頻度が多い複数の操作部材を、操作パネル部36の最も+Y側(前側)にX軸方向に一列に並べて配置し、その列の最も+X側又は−X側の操作部材の−Y側に、使用頻度が少ない複数の別の操作部材を、+Y側から−Y側に向けて順を追って使用頻度が少なくなるように、Y軸方向に一列に配置することが好ましい。
【0183】
上記実施形態では、決定ボタン39の+X側に一対のボリュームボタン41a、41bが配置され、決定ボタン39の−X側にマイクミュートボタン47が配置されているが、逆でも良い。この場合、メニューボタン45は、例えば、一対のボリュームボタン41a、41bの+X側隣り又は−X側隣りに配置されても良いし、マイクミュートボタン47の+X側隣り又は−X側隣りに配置されても良い。また、この場合、音声放出口43は、一対のボリュームボタン41a、41bの+X側隣り又は−X側隣りに形成されることが好ましい。但し、この場合、スピーカー15aを含む音声出力装置15を音声放出口43に対応する箇所に配置する必要がある。
【0184】
上記実施形態では、カーソル40が決定ボタン39の周囲を取り囲んだ状態で配置されているが、これに代えて、カーソルとして例えば十字型、T字型、L字型等(上下左右の4方向に対応する部分が一体のものでも別体のものでも良い)のものを採用して、例えば決定ボタン39の+X側隣り、−X側隣り又は−Y側隣りに配置することとしても良い。
【0185】
上記実施形態では、筐体25における操作パネル部36と凹部30との間に、識別部としての段部31が形成されているが、これに限らず、例えば、筐体25における操作パネル部36と凹部30との間に、識別部として、X軸方向に延び、操作パネル部36の上面よりも上方に突出する突条を形成することとしても良い。この場合、突条は、操作パネル部36のX軸方向の全域に形成されても良いし、操作パネル部36のX軸方向の少なくとも1つの領域に部分的に形成されても良い。この場合、突条は、識別部としての機能を有するとともに、テレビ会議装置10の−Y側(後側)の部分を下方に向けて持つ際に指を引っ掛けるための引っ掛かり部としての機能を有する。
【0186】
上記実施形態では、筐体25における操作パネル部36と凹部30との間に、識別部としての段部31が形成されているが、これに加えて又は代えて、例えば、筐体25の上壁における操作パネル部36と凹部30との間の領域(例えば帯状平面部28)に、操作パネル部36及び画像入力ユニット24の少なくとも一方と異なる色を着色すること、操作パネル部36及び画像入力ユニット24の少なくとも一方と異なる材質を使用すること、所定の文字、数字、記号、模様等を描くことなど、要は、操作パネル部36と凹部30に収容された画像入力ユニット24との境界を視覚及び触覚の少なくとも一方により識別させるための識別部を形成することとすれば良い。
【0187】
上記実施形態では、識別部としての段部31が、筐体25の上壁のX軸方向のほぼ全域に亘って1つ形成されているが、部分的に少なくとも1つ形成されても良い。
【0188】
上記実施形態では、筐体25の下面に、5つの矩形凸条80aから成る凸条群80が形成されているが、これに限らず、例えば、凸条群を構成する矩形凸条80aの数は、5つ未満でも良いし、6つ以上であっても良い。
【0189】
上記実施形態では、凸条が筐体25の下面の全周(外周全域)に沿って形成されているが、これに限らず、筐体25の下面の外周の一部に沿う凸条を少なくとも1つ形成することとしても良い。
【0190】
上記実施形態では、筐体25の下面に凸条が形成されているが、これに代えて、例えば、筐体25の下面の外周の少なくとも一部に沿う凹条を少なくとも1つ形成することとしても良い。
【0191】
上記実施形態では、筐体25は、平面視矩形に形成されているが、これに限られず、例えば、平面視多角形(但し、矩形を除く)、平面視円形、平面視楕円形などに形成しても良い。
【0192】
上記実施形態では、筐体25は、略直方体形状の部材から成るが、これに限らず、例えば立方体形状、円柱状、楕円柱状の部材などの、要は、上壁を有する部材から成れば良い。
【0193】
上記実施形態では、テレビ会議装置10が、例えば会議室内で用いられているが、これに限定されない。テレビ会議装置10は、上述の如く、小型かつ薄型のポータブルタイプであり、携帯性に優れるため、特定の会議室内に据え置かれる必要はなく、自由に持ち運びし、様々な場所で用いられることが期待できる。すなわち、テレビ会議装置10は、非常にユーティリティーに富む。
【0194】
上記実施形態では、本発明は、いわゆるポータブルタイプ(可搬型)のテレビ会議装置10に適用されたが、本発明は、いわゆる据え置き型のテレビ会議装置にも適用できる。
【0195】
また、本実施形態のテレビ会議装置10に用いる会議装置用プログラムを、パソコンを利用したソフトウェアベースのものと同等とすることで、中継装置4や通信管理装置5の不要な会議システムが構築可能(LANやWANのみを用いた会議システムも構築可能)となる。このように本実施の形態にかかるテレビ会議装置10は、上述した会議システム200の構築に用いることに限定されない。
【0196】
上記実施形態では、会議装置の一例として、画像及び音声の双方向通信(送受信)が可能なテレビ会議装置10について説明したが、本発明は、これに限らず、画像及び音声の一方のみの送受信が可能なもの(例えば、電話会議装置など)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0197】
10…テレビ会議装置(会議装置)、23…画像入力装置、25…筐体、31…段部(識別部)、33…ロック解除ボタン(別の操作部材)、35…電源ボタン(別の操作部材)、36…操作パネル部(筐体の上壁の操作部が設けられる部分)、37…回線ボタン(別の操作部材)、38…操作部、39…決定ボタン(一の操作部材)、40…カーソル(更なる別の操作部材)、41a、41b…ボリュームボタン(操作部材)、44…スペーサ、45…メニューボタン(操作部材)、47…マイクミュートボタン(操作部材)、80a…矩形凸条(凸条)、81…カーソル本体(筒状部)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0198】
【特許文献1】特開2000−244608号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網を介して画像及び音声の少なくとも一方の送受信が可能な会議装置であって、
上壁を有する筐体と、
前記上壁に設けられた操作部とを備え、
前記操作部は、複数の操作部材と、該複数の操作部材それぞれよりも使用頻度が少ない少なくとも1つの別の操作部材とを有し、
前記複数の操作部材は、前記上壁の上面に沿う第1軸方向に並べて配置され、
前記少なくとも1つの別の操作部材は、前記複数の操作部材のうちの一の操作部材と共に、前記上面に沿う前記第1軸方向に交差する第2軸方向に並べて配置される会議装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの別の操作部材は、互いに使用頻度が異なる複数の前記別の操作部材を含み、
前記複数の別の操作部材は、使用頻度が少ないものほど前記一の操作部材から離れるように配置される請求項1に記載の会議装置。
【請求項3】
前記複数の操作部材には、互いに相反する機能の実行のために用いられる、前記一の操作部材の一側と他側とに配置される2つの操作部材が含まれる請求項1又は2に記載の会議装置。
【請求項4】
前記操作部は、前記一の操作部材の周囲を取り囲んだ状態で配置された更なる別の操作部材と、前記一の操作部材と前記更なる別の操作部材との間に配置されるスペーサとを更に有し、
前記更なる別の操作部材は、前記スペーサの周囲を取り囲んだ状態で配置される筒状部を有し、該筒状部は、その外周部分の上面が前記スペーサの上面よりも高い位置に位置し、その内周部分の上面が前記スペーサに近づくにつれて低くなるように傾斜する請求項1〜3のいずれか一項に記載の会議装置。
【請求項5】
前記筐体は、略直方体形状の部材から成り、
前記第1軸方向は、前記筐体の一側面に平行であり、
前記第2軸方向は、前記筐体の前記一側面と隣り合う他側面に平行であり、
前記複数の操作部材及び前記少なくとも1つの別の操作部材は、前記上壁に、全体として、T字状又は逆T字状に配置される請求項1〜4のいずれか一項に記載の会議装置。
【請求項6】
前記操作部は、前記上壁の前記第2軸方向の一側に設けられ、
前記上壁の前記第2軸方向の他側に設けられた前記第1軸方向に延びる凹部に収容可能に前記筐体に接続され、被写体の画像を入力する画像入力装置を更に備え、
前記上壁には、該上壁の前記操作部が設けられる部分と、前記凹部に収容された前記画像入力装置との境界を視覚及び触覚の少なくとも一方により容易に識別させるための識別部が設けられる請求項5に記載の会議装置。
【請求項7】
前記識別部は、前記上壁における前記操作部が設けられる部分と前記凹部との間の領域に設けられた前記第1軸方向に延びる段部又は突条から成る請求項6に記載の会議装置。
【請求項8】
前記上壁の前記操作部が設けられる部分の上面は、前記第2軸方向の前記他側から前記一側に向けて低くなるように傾斜する請求項6又は7に記載の会議装置。
【請求項9】
前記筐体の下壁の下面には、該下面の外周の少なくとも一部に沿って延びる少なくとも1つの凸条又は凹条が設けられる請求項1〜8のいずれか一項に記載の会議装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−234310(P2012−234310A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101711(P2011−101711)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】