説明

伝票処理システム

【課題】適正な読取装置のみにより、二次元コードに埋め込んだデータを適正な人物が容易に取得することである。
【解決手段】伝票印刷装置10は、人物毎の暗号化キーを記憶し、二次元コードに埋め込むデータの入力と、当該データを取得させる人物に対応する暗号化キーの選択入力とを受け付け、前記選択入力された暗号化キーを用いて前記入力されたデータを暗号化し、当該暗号化データを二次元コードに変換して印刷部20に印刷させて伝票を作成する。読取装置30は、手書きサインのサインデータ、暗号化キー及び解読キーを対応付けて記憶し、伝票の二次元コード及び手書きサインを読み取り、読み取られた手書きサインと記憶された手書きサインとのサインデータを照合し、成功した手書きサインに対応する解読キーを用いて、前記読み取られた二次元コードをデコードした暗号化データを解読する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードを含む伝票を処理する伝票処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンディターミナル等の二次元コード読取装置が知られている。二次元コード読取装置は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の画像センサで撮影した二次元コードの画像を解析することにより、二次元コードの読み取りを行う。
【0003】
二次元コードは、暗号化も可能であり、二次元コード自体に暗号化の規格が定められているものと、共通鍵方式によりデータを暗号化し、それを二次元コードに変換することにより暗号化二次元コードを実現するものとがあった。これらの二次元コードを暗号解読対応スキャナで読み取ることにより、暗号化の規格又は共通鍵方式で二次元コードを解読して読み取っていた。
【0004】
また、二次元コードによっては、1個の二次元コード内に公開データと非公開データとの両方を有し、汎用のスキャナで読み取る場合には公開データしか取得できないが、その二次元コード解読の専用スキャナで読み取る場合に非公開データも取得できる構成が知られている。
【0005】
また、署名画像の暗号化データと、ID番号等の個人特定情報の文字データの暗号化データと、を合成して二次元コード化して印刷する本人確認システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。照合時には、印刷された二次元コードをスキャナでスキャンし、デコード及び復号化して署名画像及び文字データを取得して表示し、当該表示した署名画像及び文字データと利用者の手書きの署名及び文字とを照合担当者が目視により照合し、照合が成功すれば本人であることを認証する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−283167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の暗号解読対応スキャナでは、二次元コードを読み取る際にパスワードを入力する必要があった。このため、読み取り操作が煩雑になり、パスワード漏洩のおそれがあった。そこで、パスワードを暗号解読対応スキャナに記憶させることにより、操作の複雑さは解消されるが、この場合、暗号解読対応スキャナを使用すれば誰でも暗号解読ができてしまっていた。
【0008】
また、従来の公開データと非公開データとを含む二次元コードを専用スキャナで読む構成では、照合にパスワードが不要であるが、専用スキャナが盗難にあった場合に、その専用スキャナがあれば誰でも非公開データが読めてしまっていた。
【0009】
また、従来の署名画像及び文字データを含む二次元コードをスキャナで読む構成でも、スキャナが盗難にあった場合に、そのスキャナがあれば誰でも二次元コード内の署名画像及び文字データを読めてしまっていた。さらに、所定の二次元コードを適正な読取装置で読み取り可能にする要請があった。
【0010】
本発明の課題は、適正な読取装置のみにより、二次元コードに埋め込んだデータを適正な人物が容易に解読することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
二次元コードを含む伝票を印刷する伝票印刷装置と、伝票を読み取る読取装置と、を備える伝票処理システムであって、
前記伝票印刷装置は、
人物毎の暗号化キーを記憶する第1の記憶部と、
二次元コードに埋め込むデータの入力と、当該データ取得を許可する人物に対応する暗号化キーの選択入力とを受け付ける操作部と、
前記選択入力された暗号化キーを前記第1の記憶部から読み出し、当該暗号化キーで前記入力されたデータを暗号化する暗号化部と、
印刷部と、
前記暗号化されたデータを二次元コードに変換し、当該二次元コードを前記印刷部に印刷させて伝票を作成する制御部と、を備え、
前記読取装置は、
手書きサインのサインデータ、暗号化キー及び解読キーを対応付けて記憶する第2の記憶部と、
前記伝票に印刷された二次元コードと当該伝票に記入された手書きサインとを読み取る読取部と、
前記読み取られた手書きサインのサインデータと、前記第2の記憶部に記憶された手書きサインのサインデータとを照合し、照合が成功した手書きサインに対応する解読キーを前記第2の記憶部から読み出す照合部と、
前記読取部で読み取られた二次元コードをデコードして暗号化データを取得し、当該暗号化データを前記照合部により読み出された解読キーを用いて解読する解読部と、を備える。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の伝票処理システムにおいて、
前記読取部は、用紙に記入された人物の手書きサインを読み取り、
前記読取装置は、
前記読取部により読み取られた手書きサインに対応して暗号化キー及び解読キーを作成する作成部と、
前記作成された暗号化キー及び解読キーを、手書きサインのサインデータに対応づけて前記第2の記憶部に記憶して登録する第1の登録部と、
前記作成された人物毎の暗号化キーを前記伝票印刷装置に送信する送信部と、を備え、
前記伝票印刷装置は、
前記読取装置から送信された人物毎の暗号化キーを受信して前記第1の記憶部に記憶して登録する第2の登録部を備える。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の伝票処理システムにおいて、
前記読取部は、手書きサイン及び二次元コードを撮像して画像データを取得し、
前記サインデータは、手書きサインの画像データである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の伝票処理システムにおいて、
前記読取部は、手書きサインを撮像して画像データを取得し、当該画像データから手書きサインの特徴量を示す特徴データを取得し、
前記サインデータは、手書きサインの特徴データである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の伝票処理システムにおいて、
前記読取装置は、
前記解読部により解読された解読データを出力する出力部を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、適正な読取装置のみにより、二次元コードに埋め込んだデータを適正な人物が容易に解読できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る実施の形態の伝票処理システムの構成を示す図である。
【図2】読取装置の外観を示す斜視図である。
【図3】伝票印刷装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】サイン・キーテーブルの構成を示す図である。
【図6】暗号化キーテーブルの構成を示す図である。
【図7】読取装置で実行される事前登録処理を示すフローチャートである。
【図8】伝票印刷装置で実行される暗号化キーテーブル更新処理を示すフローチャートである。
【図9】伝票印刷装置で実行される二次元コード印刷処理を示すフローチャートである。
【図10】二次元コード印刷処理の具体例を示す図である。
【図11】読取装置で実行される二次元コード読み取り処理を示すフローチャートである。
【図12】二次元コード読み取り処理の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0019】
先ず、図1〜図4を参照して、本実施の形態の伝票処理システム1の装置構成を説明する。図1に、本実施の形態の伝票処理システム1の構成を示す。図2に、読取装置30の外観を示す。図3に、伝票印刷装置10の機能構成を示す。図4に、読取装置30の機能構成を示す。
【0020】
図1に示すように、伝票処理システム1は、任意のデータの暗号化データを埋め込んだ二次元コードを印刷して伝票P2を作成するとともに、伝票P2を読み取り解読して前記任意のデータを取得するシステムである。伝票処理システム1は、伝票印刷装置10と、読取装置30と、を備える。
【0021】
伝票印刷装置10は、印刷部20を含む。伝票印刷装置10は、任意のデータの暗号化データを埋め込んだ二次元コードを印刷部20で印刷して伝票P2を作成する装置である。読取装置30は、伝票P2をスキャンし解読して前記任意のデータを取得する装置である。伝票印刷装置10及び読取装置30は、例えば、携帯機器であるものとする。
【0022】
読取装置30は、予め手書きサインが記入された用紙P1をスキャンしてサイン登録を受け付ける。読取装置30は、スキャンした手書きサインの画像データに対応する暗号化キー及び解読キーを作成し、暗号化キーを登録番号とともに伝票印刷装置10に無線送信する。伝票印刷装置10は、暗号化キー及び登録番号を読取装置30から受信して記憶する。伝票印刷装置10は、任意のデータの入力を受け付け、そのデータを、データ取得許可対象者の登録番号に対応する暗号化キーで暗号化し、その暗号化データを埋め込んだ二次元コードを用紙に印刷して伝票P2を作成する。
【0023】
伝票P2は、利用者(データ取得要求者)により手書きサインが記入される。読取装置30は、伝票P2の手書きサイン及び二次元コードをスキャンし、手書きサインを照合し、照合が成功したサインに対応する解読キーにより二次元コードの暗号化データを解読して、二次元コードに埋め込まれた任意のデータを取得する。
【0024】
次いで、図2を参照して、読取装置30の外観を説明する。図2に示すように、読取装置30は、ケース2の正面に、表示部34と、トリガキー32Aと、各種キー32Bと、を備える。表示部34は、各種情報を表示する。トリガキー32Aは、スキャナ部38のスキャンのトリガキーである。各種キー32Bは、数字、アルファベット等の文字入力キー、メニューキー等の各種入力を受け付けるキーである。
【0025】
また、読取装置30は、ケース2の側面に、通信アンテナ36Aを備える。通信アンテナ36Aは、伝票印刷装置10との無線通信のアンテナである。通信アンテナ36Aは、ケース2内の内蔵型としてもよい。また、読取装置30は、ケース2の先端の側面に、スキャナ部38を備える。スキャナ部38は、二次元コード等を撮像して画像データを取得するイメージスキャナである。
【0026】
次いで、図3を参照して、伝票印刷装置10内部の機能構成を説明する。
【0027】
図3に示すように、伝票印刷装置10は、制御部、暗号化部、第2の登録部としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、ROM(Read Only Memory)15と、第2の登録部としての通信部16と、第1の記憶部としてのフラッシュメモリ17と、電源部18と、I/F(インタフェース)部19と、印刷部20と、を備える。伝票印刷装置10の電源部18及び印刷部20を除く各部は、バス21を介して接続されている。
【0028】
CPU11は、伝票印刷装置10の各部を制御する。CPU11は、ROM15からプログラムを読み出してRAM13に展開し、RAM13上のプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0029】
CPU11は、暗号化キーテーブル更新プログラム151に従って、読取装置30から送信された登録番号及び暗号化キーを受信して暗号化キーテーブル60に記憶して更新する。
【0030】
CPU11は、二次元コード印刷プログラム152に従って、二次元コードに埋め込むデータの入力と、当該データ取得を許可する人物に対応する登録番号61の選択入力とを受け付け、選択入力された登録番号61に対応する暗号化キー62を暗号化キーテーブル60から読み出し、当該暗号化キー62で前記入力されたデータを暗号化して二次元コードのイメージデータに変換し、当該二次元コードのイメージデータを印刷部20に印刷させて伝票を作成する。
【0031】
操作部12は、文字入力キー、ファンクションキー等の各種キーを備え、この各種キーを介する情報の操作入力を受け付け、その入力情報をCPU11に出力する。
【0032】
RAM13は、揮発性の半導体メモリであり、各種データ及び各種プログラムを格納するワークエリアを有する。表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ等で構成され、CPU11から入力された各種情報を表示する。
【0033】
ROM15は、読み出し専用の半導体メモリであり、各種データ及び各種プログラムを記憶している。ROM15は、暗号化キーテーブル更新プログラム151と、二次元コード印刷プログラム152と、を記憶している。
【0034】
通信部16は、通信アンテナ、信号処理部、変調部、復調部等を備え、読取装置30との無線通信を行う無線通信部である。通信部16は、送信する情報を信号処理部で信号処理し変調部で変調して通信アンテナから電波として無線送信し、送信元の機器から送信された電波を受信して復調部で復調し信号処理部で信号処理して受信情報を取得する。
【0035】
フラッシュメモリ17は、各種データを読み出し及び書き込み可能な半導体メモリである。フラッシュメモリ17には、後述する暗号化キーテーブル60が記憶される。
【0036】
電源部18は、二次電池等で構成され、伝票印刷装置10の各部に電力供給を行う。I/F部19は、印刷部20とケーブルを介して接続する接続部である。
【0037】
印刷部20は、サーマルプリンタ等で構成され、CPU11の指示に応じて各種印刷データに従い用紙に印刷を行う印刷装置である。なお、印刷部20は、伝票印刷装置10のケース内に内蔵される構成としてもよい。
【0038】
次いで、図4を参照して、読取装置30内部の機能構成を説明する。
【0039】
図4に示すように、読取装置30は、照合部、解読部、作成部、第1の登録部、送信部としてのCPU31と、操作部32と、RAM33と、出力部としての表示部34と、ROM35と、通信部36と、第2の記憶部としてのフラッシュメモリ37と、読取部としてのスキャナ部38と、電源部39と、を備える。読取装置30の各部は、バス40を介して接続されている。
【0040】
読取装置30のCPU31、RAM33、表示部34、ROM35、通信部36、フラッシュメモリ37、電源部39は、伝票印刷装置10のCPU11、RAM13、表示部14、ROM15、通信部16、フラッシュメモリ17、電源部18と同様の構成であり、異なる部分を主として説明する。
【0041】
CPU31は、ROM35から読み出されてRAM33に展開された事前登録プログラム351に従い、スキャナ部38によりスキャンした手書きサインに対応して暗号化キー及び解読キーを作成し、手書きサインの画像データ(サイン52)及び登録番号51に対応づけてサイン・キーテーブル50に記憶して登録し、その登録番号及び暗号化キーを伝票印刷装置10に送信する。
【0042】
CPU31は、二次元コード読み取りプログラム352に従い、伝票に印刷された二次元コードと当該伝票に記入された手書きサインとをスキャナ部38でスキャンして画像データを取得し、取得された手書きサインの画像データの特徴データと、サイン・キーテーブル50のサイン52の特徴データとを照合し、照合が成功した手書きサインに対応する解読キー54を読み出し、前記取得された画像データの二次元コードをデコードして暗号化データを取得し、前記読み出された解読キー54を用いて解読して表示部34に表示する。
【0043】
操作部32は、トリガキー32A、各種キー32Bを含むキー群を備え、このキー群を介する情報の操作入力を受け付け、その入力情報をCPU31に出力する。通信部36は、通信アンテナ36Aを有し、伝票印刷装置10と無線通信を行う無線通信部である。フラッシュメモリ37には、サイン・キーテーブル50が記憶される。スキャナ部38は、CCD、CMOS等の撮像素子を備え、二次元コード等を撮像して画像データを取得する。
【0044】
次に、図5及び図6を参照して、伝票印刷装置10、読取装置30に記憶される情報を説明する。図5に、サイン・キーテーブル50の構成を示す。図6に、暗号化キーテーブル60の構成を示す。
【0045】
図5に示すように、読取装置30のフラッシュメモリ37に記憶されるサイン・キーテーブル50は、登録番号51と、サイン52と、暗号化キー53と、解読キー54と、の項目を有する。
【0046】
登録番号51は、サイン登録(登録者)の識別情報であり、サイン・キーテーブル50のレコード番号でもある。サイン52は、登録番号51に対応し、スキャナ部38で読み取られたサインの画像データである。暗号化キー53は、登録番号51に対応し、データを暗号化するためのキーである。解読キー54は、登録番号51に対応し、暗号化キー53で暗号化されたデータを解読(復号化)するためのキーである。
【0047】
図6に示すように、伝票印刷装置10のフラッシュメモリ17に記憶される暗号化キーテーブル60は、登録番号61と、暗号化キー62と、の項目を有する。登録番号61は、サイン登録(登録者)の識別情報であり、暗号化キーテーブル60のレコード番号でもある。暗号化キー62は、登録番号61に対応する暗号化キーである。登録番号61、暗号化キー62は、順に、サイン・キーテーブル50の登録番号51、暗号化キー53に対応する。
【0048】
次に、図7〜図12を参照して、伝票処理システム1の動作を説明する。図7に、読取装置30で実行される事前登録処理のフローチャートを示す。図8に、伝票印刷装置10で実行される暗号化キーテーブル更新処理のフローチャートを示す。図9に、伝票印刷装置10で実行される二次元コード印刷処理のフローチャートを示す。図10に、二次元コード印刷処理の具体例を示す。図11に、読取装置30で実行される二次元コード読み取り処理のフローチャートを示す。図12に、二次元コード読み取り処理の具体例を示す。
【0049】
先ず、図7を参照して、読取装置30で実行される事前登録処理を説明する。事前登録処理は、二次元コードの暗号化・解読に用いる情報を登録する処理である。予め、サイン登録の申請者により、用紙に手書きサインが記入され、この手書きサインを含む用紙が用意されているものとする。
【0050】
読取装置30において、例えば、操作部32を介してユーザからの事前登録処理の実行指示の入力を受け付けたことをトリガとして、CPU31は、ROM35から読み出されて適宜RAM33に展開された事前登録プログラム351との協働で、事前登録処理を実行する。
【0051】
先ず、CPU31は、フラッシュメモリ37に記憶されているサイン・キーテーブル50を初期化する(ステップS11)。そして、CPU31は、操作部32のトリガキー32Aの押下入力に応じて、スキャナ部38により、上記予め用意された用紙をスキャンし、その手書きサインの画像データを取得し、RAM33に格納する(ステップS12)。そして、CPU31は、ステップS12で取得された画像データのサイン画像からサインを識別する(ステップS13)。サインの識別方法は、一般的な手書きサイン認識技術の識別方法とする。ステップS13では、例えば、サイン画像からサインの全体的及び局所的な特徴量を示す特徴データが取得される。特徴データは、サインのストロークデータ等である。
【0052】
そして、CPU31は、ステップS13で識別されたサインと、サイン・キーテーブル50の全レコードのサイン52とを比較してサインを照合する(ステップS14)。ステップS14では、例えば、ステップS13で取得されたサインの特徴データと、サイン52の特徴データとの比較により、サインの照合が行われる。そして、CPU31は、ステップS14のサイン照合結果に基づいて、ステップS12で取得されたサインがサイン・キーテーブル50に未登録であるか否かを判別する(ステップS15)。
【0053】
サインが未登録である場合(ステップS15;YES)、CPU31は、ステップS12で取得されたサインの画像データに対応する暗号化キー及び解読キーを作成する(ステップS16)。ステップS16では、例えば、手書きサインの画像データに新たな登録番号が割り振られ、この登録番号を基に任意の文字列の暗号化キーが作成され、この暗号化キーと対をなす解読キーが作成される。解読キーは、一般的な公開鍵暗号技術により作成される。
【0054】
そして、CPU31は、ステップS12,S16で取得されたサインの画像データ、暗号化キー及び解読キーを、サイン・キーテーブル50のサイン52、暗号化キー53、解読キー54の新たなレコードとして、新たな登録番号51とともに追加する(ステップS17)。
【0055】
そして、CPU31は、操作部32を介するサイン登録終了の指示入力の有無に応じて、サイン登録を終了するか否かを判別する(ステップS18)。サイン登録を終了しない場合(ステップS18;NO)、ステップS12に移行される。サインが未登録でない場合(ステップS15;NO)、CPU31は、サインが登録済である旨を表示部34に表示し(ステップS19)、ステップS18に移行する。
【0056】
サイン登録を終了する場合(ステップS18;YES)、CPU31は、サイン・キーテーブル50の追加レコードの暗号化キー53及び登録番号51を、通信部36を介して伝票印刷装置10に無線送信し(ステップS20)、事前登録処理を終了する。
【0057】
なお、ステップS11を削除した事前登録処理としてもよい。
【0058】
次いで、図8を参照して、伝票印刷装置10で実行される暗号化キーテーブル更新処理を説明する。暗号化キーテーブル更新処理は、事前登録処理に対応して、読取装置30から暗号化キー及び登録番号を受信して暗号化キーテーブルを更新する処理である。
【0059】
伝票印刷装置10において、例えば、通信部16を介して読取装置30から登録番号及び暗号化キーを受信開始したことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された暗号化キーテーブル更新プログラム151との協働で、暗号化キーテーブル更新処理を実行する。
【0060】
先ず、CPU11は、通信部16を介して読取装置30から登録番号及び暗号化キーを受信完了したか否かを判別する(ステップS31)。登録番号及び暗号化キーを受信完了していない場合(ステップS31;NO)、ステップS31に移行される。登録番号及び暗号化キーを受信完了した場合(ステップS31;YES)、CPU11は、ステップS31で受信された登録番号及び暗号化キーを、フラッシュメモリ17に記憶されている暗号化キーテーブル60の新たなレコードの登録番号61、暗号化キー62として追加し(ステップS32)、暗号化キーテーブル更新処理を終了する。
【0061】
次いで、図9及び図10を参照して、伝票印刷装置10で実行される二次元コード印刷処理を説明する。二次元コード印刷処理は、二次元コードを作成して印刷する処理である。
【0062】
伝票印刷装置10において、例えば、操作部12を介してユーザから二次元コード印刷処理の実行指示の入力を受け付けたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された二次元コード印刷プログラム152との協働で、二次元コード印刷処理を実行する。
【0063】
先ず、CPU11は、操作部12を介して、ユーザからの二次元コードに埋め込むデータの入力を受け付ける(ステップS41)。そして、CPU11は、操作部12を介して、ユーザからのフラッシュメモリ17に記憶されている暗号化キーテーブル60の登録番号61のいずれか一つの選択入力を受け付ける(ステップS42)。
【0064】
そして、CPU11は、ステップS42で選択入力された登録番号61に対応する暗号化キー62を暗号化キーテーブル60から読み出す(ステップS43)。そして、CPU11は、ステップS43で読み出された暗号化キーを用いて、ステップS41で入力されたデータを暗号化して暗号化データを作成する(ステップS44)。
【0065】
そして、CPU11は、ステップS44で作成された暗号化データを含む二次元コードのイメージデータを作成する(ステップS45)。例えば、図10に示すように、ステップS41でユーザの住所のデータが入力され、ステップS43でその住所のデータが暗号化され、ステップS45で暗号化された住所のデータを含む二次元コードP22のイメージデータが作成される。
【0066】
そして、CPU11は、ステップS44で作成された二次元コードのイメージデータを用いて、印刷部20により、二次元コードをサイン欄とともに用紙に印刷して伝票を作成する(ステップS46)。例えば、図10に示すように、用紙に、サイン欄P21と、暗号化された住所のデータを含む二次元コードP22と、が印刷されて伝票P2が作成される。
【0067】
そして、CPU11は、操作部12を介する二次元コード印刷処理の終了の指示入力の有無に応じて、二次元コード印刷処理を終了するか否かを判別する(ステップS47)。二次元コード印刷処理を終了しない場合(ステップS47;NO)、ステップS41に移行される。二次元コード印刷処理を終了する場合(ステップS47;YES)、二次元コード印刷処理が終了する。
【0068】
次いで、図11及び図12を参照して、読取装置30で実行される二次元コード読み取り処理を説明する。二次元コード読み取り処理は、二次元コード印刷処理で作成された伝票の二次元コードを読み取り解読する処理である。予め、データ取得を要求するデータ取得要求者が、読取装置30を使用し、二次元コード印刷処理で作成された伝票のサイン欄にサインを書き込んでいるものとする。
【0069】
読取装置30において、例えば、操作部32を介してデータ取得要求者から二次元コード読み取り処理の実行指示の入力を受け付けたことをトリガとして、CPU31は、ROM35から読み出されて適宜RAM33に展開された二次元コード読み取りプログラム352との協働で、二次元コード読み取り処理を実行する。
【0070】
先ず、CPU31は、操作部32のトリガキー32Aの押下入力に応じて、スキャナ部38により、伝票のサイン及び二次元コードをスキャンし、それらの画像データを取得し、RAM33に格納する(ステップS51)。例えば、図12に示すように、伝票P2のサイン欄P21のサイン及び二次元コードP22が読取装置30のスキャナ部38によりスキャンされ、それらの画像データが取得される。
【0071】
そして、CPU31は、ステップS51で取得された二次元コードの画像データをデコードし、この二次元コードに含まれる暗号化データを取得する(ステップS52)。例えば、図12に示すように、二次元コードP22の画像データがデコードされ、その暗号化データが取得される。
【0072】
そして、CPU31は、ステップS52でデコードが成功したか否かを判別する(ステップS53)。デコードが成功した場合(ステップS53;YES)、CPU31は、ステップS51で取得されたサインの画像データのサイン画像からサインを識別する(ステップS54)。ステップS54では、例えば、サイン画像から特徴データが取得される。
【0073】
そして、CPU31は、ステップS54で識別されたサインと、サイン・キーテーブル50の全レコードのサイン52とを照合する(ステップS55)。ステップS55では、例えば、ステップS54で取得されたサインの特徴データと、サイン52の特徴データとの比較により、サインの照合が行われる。例えば、図12に示すように、サイン欄P21のサインが識別され、その特徴データと、サイン・キーテーブル50のサイン52の特徴データとが照合される。
【0074】
そして、CPU31は、ステップS55のサイン照合結果に基づいて、ステップS51で取得されたサインに一致するサイン・キーテーブル50のサイン52があるか否かを判別する(ステップS56)。
【0075】
一致するサイン52がある場合(ステップS56;YES)、CPU31は、一致するサイン52に対応する解読キー54を読み出して取得する(ステップS57)。そして、CPU31は、ステップS57で取得された解読キーを用いてステップS52で取得された暗号化データを解読(復号化)し解読データを取得する(ステップS58)。例えば、図12に示すように、二次元コードP22がデコードされた暗号化データが解読され、解読データとしての住所のデータが取得される。
【0076】
そして、CPU31は、ステップS58で取得された解読データを表示部34に表示し(ステップS59)、二次元コード読み取り処理を終了する。
【0077】
デコードが成功していない場合(ステップS53;NO)、又は一致するサイン52がない場合(ステップS56;NO)、CPU31は、操作部32を介する二次元コード読み取り処理の中断の指示入力の有無に応じて、二次元コード読み取り処理を中断するか否かを判別する(ステップS60)。中断しない場合(ステップS60;NO)、ステップS51に移行される。中断する場合(ステップS60;YES)、CPU31は、二次元コードに含まれる暗号化データの解読に失敗した旨を表示部34に表示し(ステップS61)、二次元コード読み取り処理を終了する。
【0078】
以上、本実施の形態によれば、伝票印刷装置10は、二次元コードに埋め込むデータの入力と、当該データ取得を許可する人物に対応する登録番号61の選択入力とを受け付ける。そして、伝票印刷装置10は、選択入力された登録番号61に対応する暗号化キー62を暗号化キーテーブル60から読み出し、当該暗号化キー62で前記入力されたデータを暗号化して二次元コードのイメージデータに変換し、当該二次元コードのイメージデータを印刷部20に印刷させて伝票を作成する。読取装置30は、伝票に印刷された二次元コードと当該伝票に記入された手書きサインとをスキャナ部38でスキャンして画像データを取得し、取得された手書きサインの画像データの特徴データと、サイン・キーテーブル50のサイン52の特徴データとを照合する。読取装置30は、照合が成功した手書きサインに対応する解読キー54を読み出し、前記取得された画像データの二次元コードをデコードして暗号化データを取得し、前記読み出された解読キー54を用いて解読して表示部34に表示する。このため、サイン・キーテーブル50を記憶する適正な読取装置30のみにより、二次元コードに埋め込んだデータを、その取得を許可した適正な人物が容易に解読して取得できる。
【0079】
また、読取装置30は、スキャナ部38によりスキャンした手書きサインに対応して暗号化キー及び解読キーを作成し、手書きサインの画像データ(サイン52)及び登録番号51に対応づけてサイン・キーテーブル50に記憶して登録し、その登録番号及び暗号化キーを伝票印刷装置10に送信する。伝票印刷装置10は、読取装置30から送信された登録番号及び暗号化キーを受信して暗号化キーテーブル60に記憶して登録する。このため、サイン・キーテーブル50を適正且つ容易に作成して読取装置30に記憶できるとともに、伝票印刷装置10が暗号化キーテーブル60を適正且つ容易に取得して記憶できる。
【0080】
また、読取装置30は、手書きサインの画像データであるサイン52を含むサイン・キーテーブル50を記憶する。このため、手書きサインの画像データから得られる特徴データと、サイン52から得られる特徴データとの比較により、サインを容易に照合できる。
【0081】
また、読取装置30は、二次元コードから解読された解読データを表示部34に表示する。このため、二次元コードに埋め込まれたデータ取得を許可された人物が、解読データを目視により容易に取得できる。
【実施例1】
【0082】
上記実施の形態の具体的な一つの実施例を説明する。本実施例は、上記実施の形態の伝票処理システム1を荷物の配達に適用する例である。
【0083】
配送業者が顧客の荷物を配達先に配達するケースを説明する。ある地域に、配送業者の集荷所及び配達所が設置されているものとする。集荷所は、顧客から荷物を集荷する店舗である。配達所は、配達地域毎に複数設けられ、それぞれ、設置された配達地域に荷物を配達する店舗である。集荷所には、集荷担当者が配置されている。各配達所には、少なくとも一人の配達担当者が配置されている。配達担当者は、配達車両のドライバーを兼ねる。このように、配達担当者が複数人いるものとする。また、読取装置30は、全配達担当者分の複数台用意されるものとする。
【0084】
本実施例では、荷物毎に配達を許可する配達担当者を指定し、所定の荷物に対して指定された配達担当者のみがその荷物を配達する。
【0085】
先ず、集荷前における処理を説明する。全配達地域の配達担当者は、任意の用紙に手書きサインを記入する。そして、管理者は、全てのサイン済用紙を回収し、1台の読取装置30に事前登録処理を実行させ、全てのサイン済用紙のサインを登録していき、暗号化キー及び登録番号を伝票印刷装置10に送信させる。登録番号は、配達担当者を識別する担当者名、担当者コード等の識別情報としてもよい。
【0086】
伝票印刷装置10では、暗号化キーテーブル更新処理の実行により、暗号化キー及び登録番号を受信して記憶する。1台の読取装置30のフラッシュメモリ37には、全配達担当者分のレコードを有するサイン・キーテーブル50が作成されて記憶される。伝票印刷装置10のフラッシュメモリ17には、全配達担当者分のレコードを有する暗号化キーテーブル60が記憶される。
【0087】
そして、管理者は、1台の読取装置30に記憶されている全配達担当者分のサイン・キーテーブル50を、残りの全ての台数の読取装置30に転送しフラッシュメモリ37に記憶させる。これらの読取装置30は、全配達担当者に渡される。また、伝票印刷装置10は、集荷担当者に渡される。
【0088】
次に、集荷及び伝票作成における処理を説明する。集荷所において、集荷担当者は、顧客から荷物を受け取る。そして、集荷担当者は、顧客の指定した配達先から、配達ルートや配達担当者名を割り出す。そして、集荷担当者は、伝票印刷装置10に二次元コード印刷処理を実行させ、ステップS41に対応して、配達担当者宛てのメッセージ(注意事項や業務連絡等)のデータを入力する。そして、集荷担当者は、ステップS42に対応して、暗号化キーテーブル60から、前記割り出した対象の配達担当者に対応する登録番号61を選択入力する。
【0089】
そして、伝票印刷装置10は、ステップS43〜S46に対応して、対象の配達担当者の暗号化データ及びサイン欄を含む二次元コードを印刷部20で用紙に印刷して伝票を作成する。そして、集荷担当者は、印刷された伝票を荷物に貼り付ける。
【0090】
次に、配達における処理を説明する。伝票が貼付された荷物は、集荷所と配達所との間の配送ドライバーにより、配送車両で集荷所から配達所まで配送される。そして、配達所において、配達担当者は、届いた荷物に貼り付けられた伝票のサイン欄に手書きサインを記入する。そして、配達担当者は、自身が所持する読取装置30に二次元コード読み取り処理を実行させる。読取装置30は、荷物に貼り付けられた伝票をスキャンする。そして、サインした配達担当者がデータ取得許可(配達許可)対象の配達担当者であれば、サイン照合が成功し、解読データが表示部34に表示される。対象の配達担当者は、解読データである配達担当者宛てのメッセージを目視により確認して、荷物を配達先に配達車両で配達する。サインした配達担当者が対象の配達担当者でなければ、配達担当者宛てのメッセージを見ることができなく、配達もできない。
【0091】
本実施例によれば、荷物の配達において、サイン・キーテーブル50が記憶された適正な読取装置30のみにより、二次元コードに埋め込んだデータとしての配達担当者宛てのメッセージを適正な配達担当者が容易に取得できる。
【実施例2】
【0092】
上記実施の形態の具体的な別の実施例を説明する。本実施例は、上記実施の形態の伝票処理システム1を懸賞金等の金銭の支払いに適用する例である。
【0093】
懸賞業者が、懸賞に当選した顧客に金銭を支払うケースを説明する。懸賞業者は、伝票処理システム1を有する。また、金銭の換金は、銀行等の金融機関で行うものとする。この金融機関は、読取装置30を有する。
【0094】
先ず、懸賞の抽選前における処理を説明する。懸賞の応募者としての顧客は、懸賞業者の用意した用紙に手書きサインを記入して、懸賞業者に送付する。懸賞業者の管理者は、サイン済用紙を受領し、読取装置30に事前登録処理を実行させ、全てのサイン済用紙のサインを登録していき、暗号化キー及び登録番号を伝票印刷装置10に送信させる。登録番号は、顧客を識別する名称、顧客コード等による識別情報としてもよい。
【0095】
伝票印刷装置10では、暗号化キーテーブル更新処理の実行により、暗号化キー及び登録番号を受信して記憶する。懸賞業者の読取装置30のフラッシュメモリ37には、全顧客分のレコードを有するサイン・キーテーブル50が作成されて記憶される。伝票印刷装置10のフラッシュメモリ17には、全顧客分のレコードを有する暗号化キーテーブル60が記憶される。
【0096】
そして、懸賞業者の管理者は、懸賞業者の読取装置30に記憶されている全顧客分のサイン・キーテーブル50を、金融機関の読取装置30に転送しフラッシュメモリ37に記憶させる。この読取装置30は、金融機関に渡される。
【0097】
次に、抽選及び伝票作成における処理を説明する。懸賞業者の管理者は、全顧客から懸賞の当選者を抽選する。そして、懸賞業者の管理者は、伝票印刷装置10に二次元コード印刷処理を実行させ、ステップS41に対応して、懸賞の当選金額等のメッセージのデータを入力する。そして、懸賞業者の管理者は、ステップS42に対応して、暗号化キーテーブル60から、当選した顧客に対応する登録番号61を選択入力する。
【0098】
そして、伝票印刷装置10は、ステップS43〜S46に対応して、当選した顧客の暗号化データ及びサイン欄を含む二次元コードを印刷部20で葉書に印刷して伝票を作成する。そして、懸賞業者の管理者は、印刷された伝票の葉書を当選した顧客に送付する。
【0099】
次に、金銭の換金における処理を説明する。顧客は、懸賞業者から送付された葉書を受け取り、その葉書を持参して金融機関に行く。そして、金融機関において、葉書を持参した顧客は、葉書のサイン欄に手書きサインを記入する。そして、金融機関の受付担当者は、金融機関の読取装置30に二次元コード読み取り処理を実行させる。葉書にサインした顧客が当選した顧客であれば、サイン照合が成功し、解読データが表示部34に表示される。受付担当者は、解読データである当選金額等のメッセージを目視により確認して、サインした顧客に、解読データに対応した当選金額の金銭を手渡す。サインした顧客が当選した顧客でなければ、金券としての葉書の不正使用となり、金銭の受け取りもできない。
【0100】
なお、懸賞金以外の金銭の支払いとして、自治体による対象の住民への還付金や給付金等、他の金銭の支払いに伝票処理システム1を適用する構成としてもよい。
【0101】
以上、本実施例によれば、金銭の支払いにおいて、サイン・キーテーブル50が記憶された適正な読取装置30のみにより、二次元コードに埋め込んだデータとしての支払い金額等のメッセージを適正な顧客の受付担当者が容易に取得できる。
【0102】
なお、上記実施の形態及び実施例における記述は、本発明に係る伝票処理システムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0103】
上記実施の形態及び実施例では、読取装置30が、手書きサインのサインデータとしての画像データであるサイン52を含むサイン・キーテーブル50をフラッシュメモリ37に記憶する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、読取装置30が、手書きサインのサインデータとしての特徴量データであるサイン52を含むサイン・キーテーブル50をフラッシュメモリ37に記憶する構成としてもよい。これに応じて、事前登録処理のステップS14では、サイン52の特徴データがそのまま照合に用いられ、ステップS17では、ステップS13で取得された手書きサインの特徴データがサイン52としてサイン・キーテーブル50に格納される。二次元コード読み取り処理のステップS55では、サイン52の特徴データがそのまま照合に用いられる。このため、手書きサインの画像データから得られる特徴データと、サイン52との比較により、サインを容易に照合できるとともに、サイン・キーテーブル50の容量を低減できる。
【0104】
また、上記実施の形態及び実施例では、読取装置30が、解読データを表示部34に表示する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、読取装置30が、音声出力、印刷出力、外部機器への送信等により、解読データを出力する出力部を備える構成としてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態及び実施例において、伝票印刷装置10がスキャナ部を備え、当該スキャナを用いて事前登録処理を実行する構成としてもよい。この事前登録処理により、フラッシュメモリ17に、サイン・キーテーブル50及び暗号化キーテーブル60が記憶される。あるいは、フラッシュメモリ17に、サイン・キーテーブル50のみが記憶され、二次元コード印刷処理では、サイン・キーテーブル50の登録番号51及び暗号化キー53が用いられる構成としてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態及び実施例における伝票処理システムの各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0107】
1 伝票処理システム
10 伝票印刷装置
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 ROM
16 通信部
17 フラッシュメモリ
18 電源部
19 I/F部
20 印刷部
21 バス
30 読取装置
2 ケース
31 CPU
32 操作部
32A トリガキー
32B 各種キー
33 RAM
34 表示部
35 ROM
36 通信部
36A 通信アンテナ
37 フラッシュメモリ
38 スキャナ部
39 電源部
40 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元コードを含む伝票を印刷する伝票印刷装置と、伝票を読み取る読取装置と、を備える伝票処理システムであって、
前記伝票印刷装置は、
人物毎の暗号化キーを記憶する第1の記憶部と、
二次元コードに埋め込むデータの入力と、当該データ取得を許可する人物に対応する暗号化キーの選択入力とを受け付ける操作部と、
前記選択入力された暗号化キーを前記第1の記憶部から読み出し、当該暗号化キーで前記入力されたデータを暗号化する暗号化部と、
印刷部と、
前記暗号化されたデータを二次元コードに変換し、当該二次元コードを前記印刷部に印刷させて伝票を作成する制御部と、を備え、
前記読取装置は、
手書きサインのサインデータ、暗号化キー及び解読キーを対応付けて記憶する第2の記憶部と、
前記伝票に印刷された二次元コードと当該伝票に記入された手書きサインとを読み取る読取部と、
前記読み取られた手書きサインのサインデータと、前記第2の記憶部に記憶された手書きサインのサインデータとを照合し、照合が成功した手書きサインに対応する解読キーを前記第2の記憶部から読み出す照合部と、
前記読取部で読み取られた二次元コードをデコードして暗号化データを取得し、当該暗号化データを前記照合部により読み出された解読キーを用いて解読する解読部と、を備える伝票処理システム。
【請求項2】
前記読取部は、用紙に記入された人物の手書きサインを読み取り、
前記読取装置は、
前記読取部により読み取られた手書きサインに対応して暗号化キー及び解読キーを作成する作成部と、
前記作成された暗号化キー及び解読キーを、手書きサインのサインデータに対応づけて前記第2の記憶部に記憶して登録する第1の登録部と、
前記作成された人物毎の暗号化キーを前記伝票印刷装置に送信する送信部と、を備え、
前記伝票印刷装置は、
前記読取装置から送信された人物毎の暗号化キーを受信して前記第1の記憶部に記憶して登録する第2の登録部を備える請求項1に記載の伝票処理システム。
【請求項3】
前記読取部は、手書きサイン及び二次元コードを撮像して画像データを取得し、
前記サインデータは、手書きサインの画像データである請求項1又は2に記載の伝票処理システム。
【請求項4】
前記読取部は、手書きサインを撮像して画像データを取得し、当該画像データから手書きサインの特徴量を示す特徴データを取得し、
前記サインデータは、手書きサインの特徴データである請求項1又は2に記載の伝票処理システム。
【請求項5】
前記読取装置は、
前記解読部により解読された解読データを出力する出力部を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の伝票処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−211666(P2011−211666A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79981(P2010−79981)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】