説明

伝統中国医学(TCM)の原理に基づいて肌組成を判定するコンピュータ援用診断システム及び方法

TCM施術者を雇うことなく、TCMの原理に基づいて、ユーザの肌組成を分類するために、ユーザをから取得された年齢、性別、体感、肌の状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康等の生物学的及び/又は心理学的情報を統計的に分析することによって、伝統中国医学(Traditional Chinese Medicinal:TCM)の原理に基づいて、特定のユーザの肌組成を判定するコンピュータ援用システム及び方法を提供する。特定のユーザの肌組成の分類は、好ましくは、特定のユーザの肌の陰陽の均衡又はその欠如を示している。本システム及び方法では、更に、特定のユーザの肌組成に適切な1つ以上の局所的なスキンケア養生法及び/又は摂取可能な肌に効果がある製品を推薦してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年10月5日に出願された米国仮出願番号第61/248,503号の優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は、伝統中国医学(Traditional Chinese Medicinal:TCM)の原理に基づいて特定のユーザの肌組成(skin composition)を判定するコンピュータ援用診断システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
化粧品産業では、肌に局所的に塗布することによって、にきび除去、脂分除去及びセルライト除去に効果がある天然の植物に由来する成分を含む製品の開発に注目が集まっている。肌の外観を美しくする植物ベースの化粧品の需要は高まっている。スキンケア効果を有する有効な成分又は組成は、植物全体又は植物の様々な部分から得ることができ、これらの部分には、例えば、種子、針葉、葉、根、樹皮、球果、幹、根茎、カルス細胞(callus cells)、原形質体(protoplasts)、器官及び器官系及び分裂組織があり、これらは、乾燥した粉末であっても、抽出された液体であってもよく、局所用組成物(topical compositions)に混合することができる。
【0004】
伝統中国医学(Traditional Chinese Medicinal:以下、TCMとする。)は、数千年の歴史を有し、主に、人類の経験の蓄積に基づいて、天然の植物及び動物からの抽出物を用いて、様々な病気を治療するものである。近年、西洋でも、特に慢性の病状の治療について、TCMの施術が注目されるようになった。あるTCM原料(TCM ingredient)は、数千年前から、スキンケア効果を有することが知られており、このようなTCM原料を含む化粧品又はスキンケア製品の人気が高まっている。TCM原料は、全て天然由来であり、副作用及び合成化合物の環境への悪影響を心配する顧客にとって魅力的である。
【0005】
但し、TCMの基本的な原理は、西洋医学とは極めて異質のものであることを理解する必要がある。例えば、TCMは、人体の全体観(holistic view)を取り入れ、TCMでは、人間の健康のためには、内部の生理的な均衡を維持する必要があり、全ての病気は、1つ以上の種類の不均衡によって生じ、各種類の不均衡は、識別可能な兆候のパターンに現れ、修正のために特定の治療の組を必要とすると考えられている。通常、TCM施術者は、様々な非侵襲的な手法によって個々の患者を調べ、これらには、このような患者のある生理特徴を観察すること、患者の声を聞くこと、患者の体臭又は体温の何らかの変化を感じ取ること、患者の脈を調べること、病歴及び病状の進行に関する様々な質問を行うこと、患者の健康状態に関係する可能性がある他の何らかの情報を集めることを含み、この後、患者が患っている特定の種類の不均衡又は病気に関する所見を作成する。そして、TCM施術者は、病気の様々な症状を治療し、患者の内部の生理的な均衡を回復させるために、複数の薬草原料を調合する。換言すれば、TCM施術では、「万人向け(one-size-fits-all)」の手法に代えて、個別化された治療法が選択される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在市販されている天然由来のTCM原料を含むスキンケア製品は、全ての消費者に向けて大量販売されており、TCMの個別化された治療法を実現していない。したがって、特定のユーザの外観及び肌状態の向上において、TCMの個別化された治療法を採用した、TCM原料を含む新たな化粧品及びスキンケア製品を提供することが望まれている。
【0007】
但し、TCMの個別化された治療法を実現する際の主な障壁は、正しい診断のために、非常に複雑なTCMの原理を正しく適用する必要がある点であり、この原理は、数千年間の試行錯誤を経て確立されたものであり、現在でも西洋では深く理解されていない。非常に経験豊富なTCM施術者だけがこのような診断技術を修得することができるが、各小売の現場で、患者を診断し、個々の患者に適するスキンケア製品を推薦するTCM施術者を雇うことは、コストを考慮すると不可能である。
【0008】
したがって、本発明の目的は、各小売の現場でTCM施術者を雇うことなく、TCMの原理に基づいて、特定のユーザの肌組成を速やかに正確に判定し、オプションとして、特定のユーザの肌組成に適するスキンケア製品を推薦するコンピュータ援用診断システム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明一側面においては、本発明は、伝統中国医学(TCM)の原理に基づいて、特定のユーザの肌組成を判定するコンピュータ援用診断システムに関連し、このシステムは、(1)特定のユーザから取得された、特定のユーザの年齢、性別、体感、舌色、舌苔の色、唇色、肌の状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康からなるグループから選択された生物学的及び/又は心理学的情報を含む臨床データセットをシステムに入力するように構成されたデータ入力モジュールと、
(2)データ入力モジュールと通信し、臨床データセットに統計的分類処理を適用して、TCMの原理に基づいて特定のユーザの肌組成を分類するように構成されたデータ処理モジュールと、
(3)データ処理モジュールと通信し、データ処理モジュールによって判定された特定のユーザの肌組成を表示するように構成された出力モジュールとを備える。
【0010】
特定のユーザの肌組成の分類は、好ましくは、特定のユーザの肌の陰陽の均衡又はその欠如を示している。データ処理モジュールは、更に、特定のユーザの肌組成に適切な1つ以上の局所的なスキンケア養生法及び/又は摂取可能な肌に効果がある製品を推薦するように構成してもよい。
【0011】
他の側面では、本発明は、伝統中国医学(TCM)の原理に基づいて、特定のユーザの肌組成を判定するコードを含むコンピュータが読取可能な媒体に関連し、このコードは、特定のユーザから取得された臨床データセットに統計的分類処理を適用して、TCMの原理に基づいて特定のユーザの肌組成を分類する命令を含み、臨床データセットは、特定のユーザの年齢、性別、体感、舌色、舌苔の色、唇色、肌の状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康からなるグループから選択された生物学的及び/又は心理学的情報を含む。
【0012】
更に他の側面において、本発明は、伝統中国医学(TCM)の原理に基づいて、特定のユーザの肌組成を判定する方法に関連し、この方法は、
(1)特定のユーザから、特定のユーザの年齢、性別、体感、舌色、舌苔の色、唇色、肌の状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康からなるグループから選択された生物学的及び/又は心理学的情報を含む臨床データセットを取得するステップと、
(2)特定のユーザの臨床データセットに統計的分類処理を適用して、TCMの原理に基づいて特定のユーザの肌組成を分類するステップと、
(3)このようにして判定された特定のユーザの肌組成を出力するステップとを有する。
【0013】
上述したユーザの生物学的及び/又は心理学的情報は、異なるソースを介して収集することができる。例えば、臨床データセットにおける生物学的及び/又は心理学的情報の少なくとも幾つかは、特定のユーザの年齢、性別、体感、肌の状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康からなるグループから選択された1つ以上の項目に関連する質問を含むアンケートに記入を促されたユーザの自己評価を介して取得される。このような自己評価は、ユーザがオンラインでアンケートに記入することによって遠隔で行ってもよく、小売の現場でオンサイトで行ってもよい。また、幾つかの生物学的及び/又は心理学的情報は、トレーニングされたホリスティック美容の専門家による特定のユーザの評価によって取得してもよく、このような評価は、インターネットを利用した対話型の診察を介して遠隔で行ってもよく、小売の現場でオンサイトで行ってもよい。更に、臨床データセットの生物学的及び/又は心理学的情報の幾つかは、電子機器による特定のユーザに対する測定を介して取得してもよい。
【0014】
本発明で使用される統計的分類処理は、弁別的分析、ロジスティック回帰、ナイーブベイズ分類器、サポートベクトルマシン、二次分類器、ニューラルネットワーク、パーセプトロン、決定木、ベイジアンネットワーク、隠れマルコフモデル及びこれらの組合せ等の適切な如何なる分類法を採用してもよい。統計的分類処理は、それぞれが特定の肌組成に関連する複数の分類関数を含んでいてもよく、複数の分類関数のそれぞれは、ユーザが各分類関数に関連する特定の肌組成を有するとしてTCM施術者によって分類される尤度を表すユーザのための分類スコアを算出するために使用され、ユーザについて最も高い分類スコアが得られる分類関数に関連する肌組成が、ユーザの肌組成として分類される。分類関数は、一次関数又は二次関数のいずれであってもよい。
【0015】
必要条件ではないが、本発明の好ましい実施の形態では、分類関数は、弁別的分析によって構築され、この弁別的分析は、
(a)ユーザの母集団から選択されたトレーニングサンプル内の複数のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報及びユーザの肌組成に関するTCMの原理に基づくTCM施術者によるユーザの分類を含むトレーニングデータセットを取得し、
(b)それぞれがトレーニングサンプル内のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報の1つのタイプを表す独立変数のグループを特定し、
(c)独立変数のグループ内の各独立変数について、独立変数のグループ内の分散の平均に対する独立変数のグループ間の分散の比率として算出され、TCM施術者が判定する異なる肌組成のユーザの異なるグループの間の弁別における独立変数の能力を示すF比率を算出し、
(d)F比率が最大の独立変数を選択し、
(e)残りの独立変数についてF比率を算出し、
(f)F比率が有意のプリセットレベルより大きい全ての独立変数が選択されるまで(d)〜(e)のステップを繰り返し、
(g)選択された独立変数を用いて、複数の分類関数を構築する。
【0016】
本発明のより好ましい実施の形態では、各分類関数は、特定の肌組成に関連する定数をCとし、選択された独立変数をV〜Vとし、それぞれが肌組成について選択された独立変数の1つに対応し、各分類関数を用いて分類スコアを算出する際の選択された変数の相対的な重みを示す係数をWx1〜Wxmとして、一般式C+Wx1×V+Wx2×V+…+Wxm×Vを有する1次関数である。
【0017】
本発明の他の側面及び目的は、確実な説明、具体例及び特許請求の範囲から、より明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
導入
TCM施術では、健康は、自然界において、互いに結びつき、互いに依存し、交互に互いを誘引する相反する力である陰(Yin)と陽(Yang)の均衡として表される。これらの2つの力は、森羅万象の二元論的な発現を表し、このため、一方が存在するには、他方が現れる必要がある。個人の体内では、陰と陽との間で絶えず変化する均衡を保つ必要がある。一方の力が他方の力より恒常的に優勢になると、患者の健康が損なわれ、病気や疾病を患うことになる。したがって、TCM施術者は、患者を診断する場合、通常、最初に陰/陽の不均衡の正確な性質を判定し、針療法、薬草療法、運動、食事療法及び生活習慣の改善によってこれを修正する。一旦、体内の均衡が回復すると、健康も回復する。
【0019】
したがって、TCMの原理に基づけば、患者の肌組成は、陰−陽均衡又はこのようなユーザの肌の不均衡に基づいて分類できる。例えば、ユーザの肌組成は、陽優勢(Yang-dominant)、均衡(balanced)及び陰優勢(Yin-dominant)を含む3つの範疇の1つに分類できる。他の具体例では、ユーザの肌組成は、陽優勢、均衡−陽、均衡、均衡−陰、陰優勢を含む5つの異なる分類の1つに分類できる。
【0020】
経験豊富なTCM施術者は、通常、例えば、舌色、舌苔の色、唇色、肌状態及び色つや等、患者の様々な生理的な特徴を観測することによって患者の陰陽の均衡又は不均衡を判定する。更に、TCM施術者は、患者の体感、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康に関する様々な質問を行い、これらの回答は、患者が経験している陰陽の均衡又は不均衡の正確なタイプをTCM施術者が判定する際に役立つ。また、TCM施術者は、患者の声を聞き、患者の体臭又は体温の何らかの変化を感知し、患者の脈を取り、及び非侵襲的な手法で、患者の健康状態に関連する他の何らかの情報を集め、これらの情報も診断の際に考慮される。
【0021】
例えば、均衡のとれた肌組成は、通常、滑らかで、つやがあり、柔らかく、きめが細かく、張りがあり、肌の色が一様な肌として特徴付けられ、また、均衡のとれた肌組成を有する被験者は、通常、唇及び下が薄紅色(light red)であり、舌苔が薄く、青白色(ペールホワイト:pale white)である。陽優勢の肌組成は、通常、赤い頬、赤みがかった肌、脂性肌、アレルギ発症の傾向、にきび、しみ、若くして出るしわによって特徴付けられる。また、陽優勢の肌組成を有する患者は、唇及び舌は薄紅色であるが、舌苔が黄色であり、多くの場合、冷たい飲み物を好み、喉が渇きやすく、口内に苦味を有し、夜間の就寝中に発汗しやすく、短気になりやすく、体内の熱(internal heat)に悩まされることが多い。対照的に、陰優勢の肌組成は、通常、青白い(pale)肌の色、吸水性及び保水性が低く、乾燥して落屑しやすい肌、並びにしみ及び若くして出るしわが発露しやすい傾向によって特徴付けられる。陰優勢の肌組成を有する患者は、唇が青白く又は青く、舌が薄紅色であり、舌苔が白色であり、通常、温かい飲み物を好み、手足が比較的冷たく、温度の低下に敏感であり、疲れや眠気を感じやすい。
【0022】
TCMの原理に基づくユーザの陰陽の均衡又は不均衡の判定は、非常に複雑な作業であり、経験豊富なTCM施術者でなければ、正確で迅速な診断を行うことができない。このために、特定のユーザの個別の肌組成に基づいて、そのユーザの肌の陰陽の均衡を維持又は回復を補助するTCMベースの化粧品及びスキンケア製品を特定のユーザ向けに提供することは、化粧品産業にとって困難になっている。
【0023】
本発明は、ユーザのグループに対し、これらのユーザについて学習された何らかの生物学的及び/又は心理学的情報に基づいて、ユーザのグループの肌組成に関するトレーニングサンプルから、経験豊富なTCM施術者が行った診断を統計的にモデル化し、次に、新たなユーザの生物学的及び/又は心理学的情報に基づいて、このユーザの未知の肌組成を推定又は分類するために、コンピュータ援用システム及び方法を用いることができるという驚くべき発見に部分的に基づいている。幾つかの側面では、本発明は、統計的アルゴリズムを用いて、TCMの原理に基づいてユーザの肌組成を特定の範疇に分類する。他の側面では、本発明は、統計的アルゴリズムを用いて、ユーザの肌組成が特定の範疇に属する可能性を排除し、ユーザの肌組成を異なる範疇に分類することを補助する。
【0024】
定義
ここでは、以下に示す用語は、以下に説明する意味を有する。
【0025】
「分類(classifying)」は、サンプルを肌組成によって「推定(predict)すること」又は「範疇化(categorize)すること」を含む。幾つかの実例では、「分類」は、統計的証拠、経験的証拠又はこれらの両方に基づいて行われる。ある実施の形態では、本発明のシステム及び方法は、TCMの原理に基づいて、経験豊富なTCM施術者が診断した既知の肌組成を有する所謂トレーニングサンプルを使用し、このトレーニングサンプルから、TCM施術者が診断を行う際に用いることができるある生物学的及び/又は心理学的情報を収集する。トレーニングデータセットは、一旦、確立されると、基礎、モデル又はテンプレートとして機能し、これを肌組成が未知のユーザの生物学的情報と比較し、TCM施術者が、TCMの原理に基づいて、このユーザの肌組成をどの範疇に分類する可能性が高いかを推定する。ある具体例では、特定のユーザを分類することは、ユーザの肌組成を判定することを意味する。ある他の具体例では、ユーザを分類することは、ユーザの肌組成を他の種類の肌組成から区別することを意味する。
【0026】
ここで使用する「肌組成」という用語は、TCMの原理に従ったユーザの陰陽の均衡又は不均衡に基づくユーザの肌の様々な範疇を指す。本発明の2つの特定の実施の形態では、母集団の肌組成は、陽優勢、均衡及び陰優勢の3つの範疇、又は陽優勢、均衡−陽、均衡、均衡−陰及び陰優勢の5つの範疇に分類される。但し、範疇の実数は、ここに示す特定の実施の形態に制限されるわけではない。
【0027】
ここで使用する用語「生物学的情報」は、特定の肌組成に関連するユーザの弁別的特徴又は特性を表す生理的又は生物学的なデータのあらゆるセットを指す。例えば、ユーザの生物学的及び/又は心理学的情報は、ユーザの年齢、性別、体感、舌色、舌苔の色、唇色、肌状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康を含んでいてもよい。
【0028】
実施の形態の説明
本発明は、TCMの原理に基づいて、ユーザの肌組成を正確に分類するシステム及び方法を提供する。本発明は、TCM施術者を雇うことなく、TCMの原理に基づいて、新たなユーザの肌組成を予測する統計的分類処理を実現する。本発明の統計的分類処理は、広く使用されている1つ以上の分類法に基づいて行うことができ、既知の肌組成(これは、経験豊富なTCM施術者によって診断される。)を有するトレーニングサンプル内のユーザから収集されたデータを使用して、トレーニングサンプル内のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報又はデータを、TCM施術者が診断した肌組成に最良に相関させる1つ以上の分類関数を構築する。そして、このような分類関数を用いて、TCM施術者の関与なく、新たなユーザの生物学的及び/又は心理学的情報又はデータのみに基づいて、新たなユーザの肌組成を予測することができる。
【0029】
生物学的情報の収集
経験豊富なTCM施術者の診断を統計的にモデル化するために、本発明では、ユーザの肌組成を決定する際にTCM施術者を補助するために有用なユーザの様々な生物学的及び/又は心理学的情報を収集する。例えば、このような生物学的及び/又は心理学的情報は、以下に限定されるものではないが、ユーザの年齢、性別、体感、舌色、舌苔の色、唇色、肌状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康を含んでいてもよい。
【0030】
少なくとも幾つかの生物学的及び/又は心理学的情報は、特定のユーザに自己評価を行わせ、上に列挙したトピックに関連する質問を含むアンケートに記入させることによって収集することができる。アンケートは、特定のユーザが、小売の現場でオンサイトで記入してもよく、遠隔からオンラインで記入してもよい。幾つかの実施の形態では、アンケートは、特定のユーザに対し、TCM施術者が患者を診断する際に通常考慮に入れる臨床的症状に関する回答を求める一組の質問を含む第1のセクションを含む。例えば、特定のユーザが経験するある体感、例えば、手のひらが温かくなる感覚、(全体的、又は特定の部位、例えば、手又は足における)汗のかきやすさ、喉の渇き及び飲み物を欲しがる傾向、疲れ及び眠気を感じる傾向、体内の熱(のぼせ又は口内炎として発露する。)に悩まされる傾向、口内で苦みを感じる傾向、自ら感じるエネルギレベル等についての質問を行ってもよい。また、特定のユーザについて観察可能な生理的な兆候、例えば、舌、舌苔又は唇の色、総合的な肌の色つや等に関する質問を行ってもよい。アンケートは、特定のユーザに対し、ユーザが悩んでいる肌の不調により直接的に関連する回答を求める一組の質問を含む第2のセクションを含んでいてもよい。例えば、肌の乾燥及び/又は赤み、にきび、毛穴のサイズ、肌の色合いのむら、望ましくないしみ、皮脂分泌、筋及びしわの有無、弛み、敏感肌等に関する質問を行ってもよい。アンケートは、特定のユーザに対し、ユーザのライフスタイル、例えば、睡眠パターン、食習慣(喫煙、飲酒、ビタミン摂取、カフェイン摂取等を含む。)、身体の健康状態(運動頻度及び強度を含む。)、ストレスレベル、情緒的健康等に関連する回答を求める一組の質問を含む第3のセクションを含んでいてもよい。オプションとして、ユーザがアンケートの質問、例えば、舌色、舌苔の色、唇色、肌の色、ユーザの肌の不調に関連する質問に回答する際、1人又は複数のトレーニングされたホリスティック美容の専門家がユーザを補助してもよい。ユーザがアンケートの記入を完了すると、質問に対する回答は、後のデータ処理のために数値に変換できる。
【0031】
必要条件ではないが、評価の客観性及び正確度を向上させるために、幾つかの生物学的及び/又は心理学的情報、特にユーザの舌色、舌苔の色、唇色、肌の色及び肌の不調に関連する情報は、トレーニングされたホリスティック美容の専門家がユーザを調べ、写真格づけスケール(photo grading scales)に基づいて、ユーザの特定の特徴又は特性を評価することによって収集することが好ましい。トレーニングされたホリスティック美容の専門家は、ユーザの評価を、小売の現場でオンサイトで行ってもよく、(例えば、iChat又はSkype等、ビデオ通話能力を有する広く利用されているインスタントメッセージングアプリケーションソフトウェアを用いて)インターネットを介する特定のユーザとの対話型の診察によって遠隔で行ってもよい。
【0032】
更に、オプションとして、特定のユーザについての何らかの測定値を取得する電子機器を用いて、幾つかの生物学的及び/又は心理学的情報を収集してもよい。例えば、様々なイメージングデバイスを用いて、ユーザの体のある部分、例えば、顔、頬、唇、舌、舌苔等の色を量的に測定してもよい。他の具体例として、様々な医療器具を用いて、ユーザの脈、心拍数、血圧、血糖値、体脂肪率、エネルギーフィールド、総合的な循環血液又は局所的な循環血液等を量的に測定してもよい。情報の収集のために使用できる様々な電子機器の幾つかの具体例は、肌表面の保水性を測定するCorneometer(商標)CM825、肌表面の皮脂を測定するSebumeter(商標)SM815、肌の弾性を測定するCutometer(商標)、Skin−pH−Meter(商標)PH905、メラニン及び/又は紅斑を測定するMexameter(商標)MX18、肌温度を測定するSkin−Thermometer(商標)ST500、Tewameter(商標)ST500、赤みを測定するColorimeterCL400、つや/くすみを測定するGlossymeterGL490を含み、これらは全て、ドイツのCourage+Khazaka Electronic GmbH社から市販されている。そして、このような測定結果は、ユーザの肌組成を分類するための潜在的予測因子(potential predictors)としてユーザの臨床データセットに組み入れることができる。
【0033】
トレーニングデータセットの確立
新たなユーザの肌組成を正確に予測するための統計的モデルを確立するためには、まず、トレーニングサンプルからの複数のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報、及びTCMの原理に基づいて、TCM施術者が判定した、これらのユーザの肌組成を含むトレーニングデータセットを取得する必要がある。トレーニングサンプルは、通常、新たなユーザが選択される予定の同じ母集団から選択され、トレーニングサンプル内のユーザの肌組成は、TCMの原理に基づいて、TCM施術者によって既に分類されているため、「既知である」とみなされる。このようなトレーニングデータセットは、新たなユーザの生物学的及び/又は心理学的情報に基づいて、そのユーザの未知の肌組成を予測又は分類するための線形又は非線形の分類関数を定式化するための統計的分類処理又は分析を適用できるトレーニングモデルを提供する。
【0034】
統計的分類分析
ここで使用する用語「統計的分類処理」又は「統計的分類分析」は、被験者に固有の約1つ以上の特徴又は特質に関する知識に基づいて、被験者を範疇に仕分ける既知のあらゆる分類法を含む。固有の特徴又は特質は、通常、独立変数とみなされ、予測因子(X)と呼ばれ、被験者が分類される範疇は、通常、従属変数とみなされ、グループ化変数(Y)と呼ばれる。統計的分類処理又は分析の目的は、新たな被験者に関連する一組の予測因子X及び先にグループ化されている被験者のトレーニングセットに基づいて、新たな被験者のグループ変数Yを予測することである。本発明では、予測因子は、TCM施術者の関与なく取得できるユーザの生物学的及び/又は心理学的情報であり、グループ化変数は、TCMの原理に基づいてTCM施術者が判定したこのようなユーザの肌組成である。
【0035】
必要条件ではないが、好ましくは、本発明の統計的分類処理又は分析は、弁別的分析、ロジスティック回帰、ナイーブベイズ分類器、サポートベクトルマシン、二次分類器、ニューラルネットワーク、パーセプトロン、決定木、ベイジアンネットワーク、隠れマルコフモデル及びこれらの組合せからなるグループから選択される1つ以上の分類法を使用する。特定の分類法の性能は、分類されるデータの特徴に強く依存する。全ての所定の問題に対して最良に働く単一の分類法はない。分類法の性能を比較し、分類法の性能を最適化するデータの特徴を見出すために様々な経験的検定を行った。但し、所与の問題についての適切な分類法を決定することは、現時点の科学の水準では困難である。
【0036】
本発明では、TCMの原理に基づくユーザの肌組成の分類には、弁別的分析、より正確には、マルチクラス線形判別分析(multi-class linear discriminant analysis)が特に有効であることがわかった。具体的には、弁別的分析は、上述したようなトレーニングデータセット、すなわち、ユーザの母集団から選択されたトレーニングサンプル内の複数のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報及びこのようなユーザの肌組成に関するTCMの原理に基づくTCM施術者によるユーザの分類を含むトレーニングデータセットを取得することによって実行される。独立変数又は予測因子(V)のグループを特定し、各変数又は予測因子は、トレーニングサンプル内のユーザの1つの種類の生物学的及び/又は心理学的情報を表す。独立変数のグループ内の各独立変数について、TCM施術者が判定する異なる肌組成のユーザの異なるグループの間の弁別における独立変数の能力を示すF比率(F ratio)を算出する。詳しくは、特定の独立変数についてのF比率は、このような独立変数のグループ内の分散の平均に対するこのような独立変数のグループ間の分散の比率として算出される。最初に、F比率が最大の独立変数が選択され、独立変数のプールから取り出される。選択された独立変数は、分類関数に含められ、分類関数は、ユーザの異なるグループ間の独立した有意の弁別的な変数の全てを選択することによって構築される。そして、残りの独立変数(既に選択された独立変数を除くプール)についてのF比率を算出し、これらのうち、F比率が最大の独立変数を選択し、独立変数のプールから取り出す。算出及び選択のステップは、F比率が有意のプリセットレベルより大きい全ての独立変数が選択されるまで繰り返される。
【0037】
そして、選択された独立変数を用いて、分類関数を構築し、この分類関数は、新たなユーザが肌組成のどの範疇に属する可能性が高いかを判定するために使用することができる。分類関数の数は、肌組成の範疇の数と同数である。各分類関数は、特定の肌組成の範疇に関連しており、新たなユーザの生物学的及び/又は心理学的情報を入力することによって、このような新たなユーザのために分類スコアを算出するために使用することができる。各分類関数によって出力される分類スコアは、このような新たなユーザが各分類関数に関連する特定の肌組成を有するとしてTCM施術者によって分類される尤度を表す。換言すれば、各分類関数は、各新たなユーザについて、分類スコアを算出し、最も高い分類スコアが得られる分類関数に関連する肌組成がユーザの肌組成である。
【0038】
分類関数は、一次関数であっても二次関数であってもよい。本発明の好ましい実施の形態では、分類関数は、一般式C+Wx1×V+Wx2×V+…+Wxm×Vで表される一次関数であり、ここで、Cは、特定の肌組成に関連する定数であり、V〜Vは、選択された独立変数であり、Wx1〜Wxmは、それぞれが各肌組成について選択された独立変数の1つに対応する係数であり、各分類関数を用いた分類スコアの算出における、選択された変数の相対的な重みを示す。例えば、肌組成を3つの範疇A、B、Cに分割でき、分類関数を構築するために5つの独立変数V、V、V、V、Vが選択されていると仮定すると、それぞれに特定の肌組成範疇が関連する3つの分類関数がある。独立変数V〜Vについて、特定の値の組を有する特定のユーザについて、3つの分類スコアY、Y、Yは、以下のように算出される。
【0039】
=C+WA1×V+WA2×V+WA3×V+WA4×V+WA5×V
=C+WB1×V+WB2×V+WB3×V+WB4×V+WB5×V
=C+WC1×V+WC2×V+WC3×V+WC4×V+WC5×V
算出された全ての3つの分類スコア内でYが最大である場合、特定のユーザは、肌組成Aを有すると分類される可能性が高いと結論づけられる。一方、算出された全ての3つの分類スコア内でYが最大である場合、特定のユーザは、肌組成Cを有すると分類される可能性が高いと結論づけられる。
【0040】
上述した弁別的分析は、SPSS、SAS等の広く用いられている統計的なコンピュータソフトウェアプログラムを用いて容易に実行することができる。オプションとして、このように構築された分類関数を検証データセットを用いて更に検証してもよく、検証データセットは、検証サンプル内の複数のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報と、TCMの原理に基づいてTCM施術者が判定したこのようなユーザの肌組成とを含む。検証サンプルは、トレーニングサンプルと同じ母集団から選択されるが、異なるユーザのグループを含む。分類関数を用いて行われた予測と、検証サンプル内のユーザについてTCM施術者が判定した実際の肌組成とを比較し、分類関数を用いて作成された予測の正しさのパーセンテージを示す予測スコアを算出してもよい。予測スコアがプリセットの閾値、例えば、70%、80%又は90%より高い場合、分類関数は、有効であり、臨床的な使用に適するとみなされる。
【0041】
検証サンプルとトレーニングサンプルとは、同時に選択してもよい。更に、検証フェーズ及びトレーニングフェーズは、必ずしも分離及び固定する必要はない。システムは、対話型であってもよく、可能な限り最良の予測を達成するために、弁別的分析を微調整するようにトレーニング及び検証を相互に組合せてもよい。
【0042】
コンピュータベースのシステム
本発明のコンピュータベースのシステムは、コンピュータを含んでいてもよく、コンピュータは、ワークステーション又はパーソナルコンピュータのいずれであってもよい。このようなコンピュータは、好ましくは、例えば、キーボード又はタッチスクリーン等のデータ入力モジュールを含み、これによって、ユーザ又はホリスティック美容の専門家は、ユーザの生物学的及び/又は心理学的情報を直接入力することができる。また、データ入力モジュールは、直接接続(例えば、USB、ファイアワイヤー(FireWire)又は他のインタフェース)であってもよく、ネットワーク接続(例えば、モデム又は他のネットワーク接続)であってもよく、例えば、コンパクトディスク(CD)又はデジタルバーサタイルディスク(DVD)等の携帯型の媒体を介して、又はインターネットを介してユーザに関連する生物学的な及び/又は心理学的なデータを送信及び受信するものであってもよい。
【0043】
コンピュータは、更に、例えば、データ入力モジュールと通信する中央演算処理装置(CPU)等のデータ処理モジュールを含む。データ処理モジュールは、データ入力モジュールを介して入力されるユーザデータに上述した統計的分類処理を適用し、これによって、TCMの原理に基づいて、特定のユーザの肌組成を分類するように構成される。より詳しくは、データ処理モジュールは、コード化された命令を含むコンピュータが読取可能な媒体の制御の下で、このような統計的分類処理をユーザデータに適用する。
【0044】
コンピュータは、更に、データ処理モジュールと通信し、判定された結果、すなわち、可能性が高いユーザの肌組成を表示する出力又は表示モジュールを含む。このような出力又は表示モジュールは、結果を視覚的に表示するコンピュータ表示画面、結果を印刷するためのプリンタ、又は遠隔位置に結果を出力するネットワーク接続を含んでいてもよい。
【0045】
オプションとして、コンピュータは、異なる肌組成に適切な様々な局所的なスキンケア養生法及び/又は摂取可能な製品に関する情報を保存するメモリモジュールを有する。一旦、データ処理モジュールが特定のユーザの肌組成を判定すると、このような特定のユーザの肌組成に適切なスキンケア養生法及び/又は摂取できる製品に関する情報をメモリモジュールから読み出して、判定された肌組成と共に、ユーザに推薦されるスキンケアとして出力することができる。
【0046】
このようにして、本発明は、TCMの原理に基づいて、各小売の現場でTCM施術者を雇うことなく、特定の肌組成を有するユーザの何らかの分集団(例えば、何らかの領域、国、都市内のユーザ)に向けて、TCMベースのスキンケア製品を適確に推薦できる。
【0047】
実施例1
検査のために、22〜51歳の133人のアジア人女性の参加者のグループを募集した。登録の後、参加者の生物学的及び心理学的な状態の様々な側面をカバーする48個の質問を含むアンケートを各参加者に配布した。例えば、アンケートでは、回答者の年齢、知覚的な感覚(例えば、寒気/熱感(fear of cold/heat)、手のひらが温かくなる感覚、手のひらの汗、汗をかくパターン渇きの感覚、口内で苦みを感じる感覚、体内の熱による悩み等)、睡眠パターン、食習慣、肌状態(例えば、肌の色/色合い、乾燥/脂性等)、顔のつや/色合い(例えば、赤み、くすみ等)、肌の不調(例えば、にきび、毛穴、肌の色合いのむら、しみ、黒ずみ、過敏性、乾燥斑点(dry patches)、筋/しわ、弛み等)、エネルギレベル、ストレスレベル、身体的及び情緒的健康等を参加者に尋ねてもよい。本発明を実施するために使用できる例示的なアンケートを以下に示す。これは、例示的な目的で示すものであり、本発明の範囲に何らかの制限を課すものではない。
【表1】

【0048】

【0049】

【0050】

【0051】
各参加者は、アンケートの質問への回答を書き込んだ後に、トレーニングされた肌の専門家の面談を受け、肌の専門家は、0〜10のスケールに基づいて、以下のような参加者の肌状態を評価した。
【0052】
(1)にきび
(2)毛穴
(3)肌の色合い
(4)しみ
(5)赤み
(6)顔の全体的なしわ
(7)目尻のしわ
(8)保湿性
(9)はり
(10)くすみ−つや
(11)肌の色のむら
133人の参加者をサンプリングしたアジア人の分集団の肌状態の経験的観察に基づいて、専門家による評価を目的として標準の写真スケールを作成した。
【0053】
肌の専門家による評価の後に、各参加者をTCM医師に面談させ、TCM医師が参加者にTCM診断の目的のために典型的な様々な質問を行い、参加者の様々な生理的な特徴(例えば、脈、舌色、舌苔の色、顔の色つや等)を観測し、TCMの原理に基づいて、参加者について、このような参加者の肌組成に関する診断を行った。具体的には、TCM医師は、診断によって、各参加者を5つの肌組成範疇、すなわち、陽優勢、均衡−陽、均衡、均衡−陰、陰優勢の1つに範疇化した。
【0054】
また、例えば、肌表面の水分量(skin surface hydration)、皮脂のレベル、肌の弾性、肌のpH値皮膚細胞に含まれたメラニンの量、紅斑、皮膚温、経皮的な水分損失量(transdermal water-loss:TEWL)、肌の赤み、並びに肌のつや及びくすみ等、参加者の様々な生理的なパラメータを測定する様々な機器及び器具を用いて、参加者に対する検査も行った。
【0055】
そして、段階的なマルチクラス線形判別分析(step-wise, multi-class linear discriminant analysis)を行い、上述のようにして収集された検査データを分析した。TCMの医師の診断に基づき、133人の参加者を5つのグループ、すなわち、陽優勢、均衡−陽、均衡、均衡−陰、陰優勢の1つに範疇化した。アンケートの48個の質問に対する参加者の回答及びトレーニングされた肌の専門家による0〜10のスケーリングで評価された参加者の肌状態は、全て独立変数又は予測因子(V)として扱われ、これらのそれぞれは、後の分析において、参加者の生物学的及び/又は心理学的なパラメータの1つのタイプを表している。特定の肌組成の参加者の各グループの独立変数(V)の中央値/平均値及び分布を個別に算出した。
【0056】
そして、TCM施術者による判定の際に様々な肌組成の参加者の異なるグループを区別するための特定の独立変数(V)のそれぞれの能力の指標として、これらの独立変数(V)のそれぞれについて、F比率を算出した。最初に、F比率が最大の独立変数を選択し、独立変数のプールから取り出した。そして、残りの独立変数(既に選択された独立変数を除くプール)についてのF比率を再計算し、これらのうち、F比率が最大の独立変数を選択し、独立変数のプールから取り出した。算出及び選択のステップを繰返し、複数の独立変数を選択し、これらの独立変数を用いて、新たなユーザの肌組成がどの範疇に属する可能性が高いかを判定するための分類関数を構築した。肌組成には、5つの範疇、すなわち陽優勢、均衡−陽、均衡、均衡−陰、陰優勢があるので、5つの異なる分類関数が構築され、これらのそれぞれが特定の肌組成範疇に対応し、これらのそれぞれを用いて、新たなユーザの生物学的及び/又は心理学的情報を入力することによって、新たなユーザの分類スコア(Y)を算出した。
【0057】
具体的には、このように構築された5つの異なる分類関数は、以下の通りである。
【0058】
(1)Y=C+WA1×V+WA2×V+WA3×V+…WA52×V52+WA53×V53
(2)Y=C+WB1×V+WB2×V+WB3×V+…WB52×V52+WB52×V53
(3)Y=C+WC1×V+WC2×V+WC3×V+…WC52×V52+WC53×V53
(4)Y=C+WD1×V+WD2×V+WD3×V+…WD52×V52+WD53×V53
(5)Y=C+WE1×V+WE2×V+WE3×V+…WE52×V52+WE53×V53
ここで、変数V〜V53は、弁別的分析を介して選択された変数であり(なお、アンケートへの回答の幾つかは、2つ以上の変数に分割され、したがって、変数の総数は、質問の数より多い)、Y、Y、Y、Y及びYは、新たなユーザについて算出される分類スコアであり、それぞれ、そのユーザが陰優勢(以下に、「A」と呼ぶ)、均衡−陰(以下に、「B」と呼ぶ)、均衡(以下に、「C」と呼ぶ)、均衡−陽(以下に、「D」と呼ぶ)、陽優勢(以下に、「E」と呼ぶ)の肌組成と範疇化される尤度を示し、WA1〜WA53は、それぞれが選択された独立変数V〜V53の1つに対応する肌組成A(すなわち、陰優勢)についての係数であり、ユーザが肌組成A(すなわち、陰優勢)を有すると範疇化される尤度を算出するために第1の分類関数(1)を使用して分類スコアYを算出する際の選択された変数の相対的な重みを示し、WB1〜WB53は、それぞれが選択された独立変数V〜V53の1つに対応する肌組成B(すなわち、均衡−陰)についての係数であり、ユーザが肌組成B(すなわち、均衡−陰)を有すると範疇化される尤度を算出するために第2の分類関数(2)を使用して分類スコアYを算出する際の選択された変数の相対的な重みを示し、WC1〜WC53は、それぞれが選択された独立変数V〜V53の1つに対応する肌組成C(すなわち、均衡)についての係数であり、ユーザが肌組成C(すなわち、均衡)を有すると範疇化される尤度を算出するために第3の分類関数(3)を使用して分類スコアYを算出する際の選択された変数の相対的な重みを示し、WD1〜WD53は、それぞれが選択された独立変数V〜V53の1つに対応する肌組成D(すなわち、均衡−陽)についての係数であり、ユーザが肌組成D(すなわち、均衡−陽)を有すると範疇化される尤度を算出するために第4の分類関数(4)を使用して分類スコアYを算出する際の選択された変数の相対的な重みを示し、WE1〜WE53は、それぞれが選択された独立変数V〜V53の1つに対応する肌組成E(すなわち、陽優勢)についての係数であり、ユーザが肌組成E(すなわち、陽優勢)を有すると範疇化される尤度を算出するために第5の分類関数(5)を使用して分類スコアYを算出する際の選択された変数の相対的な重みを示し、C、C、C、C、Cは、定数であり、それぞれが特定の肌組成A、B、C、D、Eに関連付けられている。
【0059】
以下の表は、各独立変数V〜V53を説明する表、及び各分類関数についてこれに関連する対応する係数及び定数を示す表である。
【表2】

【表3】

【0060】
各分類関数から算出される分類スコアY、Y、Y、Y、Yは、新たなユーザが各分類関数に関連する特定の肌組成A、B、C、D、Eを有するとしてTCM施術者によって分類される尤度を表す。換言すれば、新たなユーザのそれぞれについて、各分類関数は、分類スコアを算出し、最も高い分類スコアが得られる分類関数に関連する肌組成がユーザの肌組成である。
【0061】
好ましい実施の形態に基づいて本発明について説明したが、本発明の範囲は、上述した特定の形式に限定されるわけではなく、これらの代替、変更及び均等物は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲内に含まれると解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝統中国医学(Traditional Chinese Medicinal:TCM)の原理に基づいて、特定のユーザの肌組成を判定するコンピュータ援用診断システムにおいて、
(1)特定のユーザから取得された、前記特定のユーザの年齢、性別、体感、舌色、舌苔の色、唇色、肌の状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康からなるグループから選択された生物学的及び/又は心理学的情報を含む臨床データセットを前記システムに入力するように構成されたデータ入力モジュールと、
(2)前記データ入力モジュールと通信し、前記臨床データセットに統計的分類処理を適用して、TCMの原理に基づいて特定のユーザの肌組成を分類するように構成されたデータ処理モジュールと、
(3)前記データ処理モジュールと通信し、前記データ処理モジュールによって判定された特定のユーザの肌組成を表示するように構成された出力モジュールとを備えるコンピュータ援用診断システム。
【請求項2】
前記特定のユーザの肌組成の分類は、前記特定のユーザの肌の陰陽の均衡又はその欠如を示している請求項1記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項3】
前記特定のユーザの肌組成は、3個の異なる分類の1つ又は5個の異なる分類の1つである請求項1記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項4】
前記データ処理モジュールは、更に、前記特定のユーザの肌組成に適切な1つ以上の局所的なスキンケア養生法及び/又は摂取可能な肌に効果がある製品を推薦するように構成されている請求項1記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項5】
前記臨床データセットにおける生物学的及び/又は心理学的情報の少なくとも幾つかは、前記特定のユーザの年齢、性別、体感、肌の状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康からなるグループから選択された1つ以上の項目に関連する質問を含むアンケートに記入を促された前記特定のユーザの自己評価を介して取得される請求項1記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項6】
前記自己評価は、前記特定のユーザがオンラインでアンケートに記入することによって、遠隔から行われる請求項5記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項7】
前記自己評価は、前記特定のユーザが小売の現場でアンケートに書き込むことによって、オンサイトで行われる請求項5記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項8】
前記臨床データセットにおける幾つかの生物学的及び/又は心理学的情報は、トレーニングされたホリスティック美容の専門家による前記特定のユーザの評価を介して取得される請求項5記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項9】
前記評価は、前記トレーニングされたホリスティック美容の専門家による前記特定のユーザとの対話型の診察を介して行われる請求項8記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項10】
前記評価は、小売の現場において、前記トレーニングされたホリスティック美容の専門家によってオンサイトで行われる請求項8記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項11】
前記臨床データセットの生物学的及び/又は心理学的情報の幾つかは、1つ以上の肌パラメータを測定する電子機器による前記特定のユーザに対する測定を介して取得される請求項5記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項12】
前記統計的分類処理は、弁別的分析、ロジスティック回帰、ナイーブベイズ分類器、サポートベクトルマシン、二次分類器、ニューラルネットワーク、パーセプトロン、決定木、ベイジアンネットワーク、隠れマルコフモデル及びこれらの組合せからなるグループから選択される分類法を採用する請求項1記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項13】
前記統計的分類処理は、それぞれが特定の肌組成に関連する複数の分類関数を含み、前記複数の分類関数のそれぞれは、ユーザが各分類関数に関連する特定の肌組成を有するとしてTCM施術者によって分類される尤度を表す前記ユーザのための分類スコアを算出するために使用され、前記ユーザについて最も高い分類スコアが得られる分類関数に関連する肌組成が、前記ユーザの肌組成として分類される請求項1記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項14】
前記分類関数は、一次関数又は二次関数のいずれかである請求項13記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項15】
前記分類関数は、弁別的分析によって構築され、前記弁別的分析は、
(a)ユーザの母集団から選択されたトレーニングサンプル内の複数のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報及び前記ユーザの肌組成に関するTCMの原理に基づくTCM施術者による前記ユーザの分類を含むトレーニングデータセットを取得し、
(b)それぞれが前記トレーニングサンプル内のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報の1つのタイプを表す独立変数のグループを特定し、
(c)前記独立変数のグループ内の各独立変数について、前記独立変数のグループ内の分散の平均に対する前記独立変数のグループ間の分散の比率として算出される、TCM施術者が判定する異なる肌組成のユーザの異なるグループの間の弁別における前記独立変数の能力を示すF比率を算出し、
(d)F比率が最大の独立変数を選択し、
(e)残りの独立変数についてF比率を算出し、
(f)F比率が有意のプリセットレベルより大きい全ての独立変数が選択されるまで(d)〜(e)のステップを繰り返し、
(g)前記選択された独立変数を用いて、複数の分類関数を構築する請求項13記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項16】
前記各分類関数は、特定の肌組成に関連する定数をCとし、選択された独立変数をV〜Vとし、それぞれが肌組成について前記選択された独立変数の1つに対応し、各分類関数を用いて分類スコアを算出する際の選択された変数の相対的な重みを示す係数をWx1〜Wxmとして、一般式C+Wx1×V+Wx2×V+…+Wxm×Vを有する1次関数である請求項15記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項17】
前記分類関数は、トレーニングサンプルと同じ母集団から選択されるが、異なるユーザのグループを含む検証サンプル内の複数のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報と、TCM施術者による前記ユーザの肌組成に関する分類とを含む検証データセットを用いて検証される請求項15記載のコンピュータ援用診断システム。
【請求項18】
伝統中国医学(Traditional Chinese Medicinal:TCM)の原理に基づいて、特定のユーザの肌組成を判定するコードを含むコンピュータが読取可能な媒体であって、前記コードは、
特定のユーザから取得された臨床データセットに統計的分類処理を適用して、TCMの原理に基づいて前記特定のユーザの肌組成を分類する命令を含み、前記臨床データセットは、前記特定のユーザの年齢、性別、体感、舌色、舌苔の色、唇色、肌の状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康からなるグループから選択された生物学的及び/又は心理学的情報を含むコンピュータが読取可能な媒体。
【請求項19】
前記特定のユーザの肌組成の分類は、前記特定のユーザの肌の陰陽の均衡又はその欠如を示している請求項18記載のコンピュータが読取可能な媒体。
【請求項20】
前記特定のユーザの肌組成は、3個の異なる分類の1つ又は5個の異なる分類の1つである請求項18記載のコンピュータが読取可能な媒体。
【請求項21】
前記特定のユーザの肌組成に適切な1つ以上の局所的なスキンケア養生法及び/又は摂取可能な肌に効果がある製品を推薦する命令を更に含む請求項18記載のコンピュータが読取可能な媒体。
【請求項22】
前記統計的分類処理は、それぞれが特定の肌組成に関連する複数の分類関数を含み、前記複数の分類関数のそれぞれは、ユーザが各分類関数に関連する特定の肌組成を有するとしてTCM施術者によって分類される尤度を表す前記ユーザのための分類スコアを算出するために使用され、前記ユーザについて最も高い分類スコアが得られる分類関数に関連する肌組成が、前記ユーザの肌組成として分類される請求項18記載のコンピュータが読取可能な媒体。
【請求項23】
前記各分類関数は、特定の肌組成に関連する定数をCとし、それぞれが前記ユーザの生物学的及び/又は心理学的情報の1つのタイプを表す選択された独立変数をV〜Vとし、それぞれが肌組成について前記選択された独立変数の1つに対応し、各分類関数を用いて分類スコアを算出する際の選択された変数の相対的な重みを示す係数をWx1〜Wxmとして、一般式C+Wx1×V+Wx2×V+…+Wxm×Vを有する1次関数である請求項22記載のコンピュータが読取可能な媒体。
【請求項24】
伝統中国医学(Traditional Chinese Medicinal:TCM)の原理に基づいて、特定のユーザの肌組成を判定する方法において、
(1)前記特定のユーザから、特定のユーザの年齢、性別、体感、舌色、舌苔の色、唇色、肌の状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康からなるグループから選択された生物学的及び/又は心理学的情報を含む臨床データセットを取得するステップと、
(2)前記特定のユーザの臨床データセットに統計的分類処理を適用して、TCMの原理に基づいて前記特定のユーザの肌組成を分類するステップと、
(3)判定された前記特定のユーザの肌組成を出力するステップとを有する方法。
【請求項25】
前記特定のユーザの肌組成の分類は、前記特定のユーザの肌の陰陽の均衡又はその欠如を示している請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記特定のユーザの肌組成は、3個の異なる分類の1つ又は5個の異なる分類の1つである請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記特定のユーザの肌組成に適切な1つ以上の局所的なスキンケア養生法及び/又は摂取可能な肌に効果がある製品を推薦するステップを更に有する請求項24記載の方法。
【請求項28】
前記臨床データセットにおける生物学的及び/又は心理学的情報の少なくとも幾つかは、前記特定のユーザの年齢、性別、体感、肌の状態及び色つや、睡眠パターン、食習慣、エネルギレベル、ストレスレベル、身体の健康状態及び情緒的健康からなるグループから選択された1つ以上の項目に関連する質問を含むアンケートに記入を促された前記特定のユーザの自己評価を介して取得される請求項24記載の方法。
【請求項29】
前記自己評価は、前記特定のユーザがオンラインでアンケートに記入することによって、遠隔から行われる請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記自己評価は、前記特定のユーザが小売の現場でアンケートに書き込むことによって、オンサイトで行われる請求項28記載の方法。
【請求項31】
前記臨床データセットにおける幾つかの生物学的及び/又は心理学的情報は、トレーニングされたホリスティック美容の専門家による前記特定のユーザの評価を介して取得される請求項28記載の方法。
【請求項32】
前記評価は、前記トレーニングされたホリスティック美容の専門家による前記特定のユーザとの対話型の診察を介して行われる請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記評価は、小売の現場において、前記トレーニングされたホリスティック美容の専門家によってオンサイトで行われる請求項31記載の方法。
【請求項34】
前記臨床データセットの生物学的及び/又は心理学的情報の幾つかは、電子機器による前記特定のユーザに対する測定を介して取得される請求項28記載の方法。
【請求項35】
前記統計的分類処理は、弁別的分析、ロジスティック回帰、ナイーブベイズ分類器、サポートベクトルマシン、二次分類器、ニューラルネットワーク、パーセプトロン、決定木、ベイジアンネットワーク、隠れマルコフモデル及びこれらの組合せからなるグループから選択される分類法を採用する請求項24記載の方法。
【請求項36】
前記統計的分類処理は、それぞれが特定の肌組成に関連する複数の分類関数を含み、前記複数の分類関数のそれぞれは、ユーザが各分類関数に関連する特定の肌組成を有するとしてTCM施術者によって分類される尤度を表す前記ユーザのための分類スコアを算出するために使用され、前記ユーザについて最も高い分類スコアが得られる分類関数に関連する肌組成が、前記ユーザの肌組成として分類される請求項24記載の方法。
【請求項37】
前記分類関数は、一次関数又は二次関数のいずれかである請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記分類関数は、弁別的分析によって構築され、前記弁別的分析は、
(a)ユーザの母集団から選択されたトレーニングサンプル内の複数のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報及び前記ユーザの肌組成に関するTCMの原理に基づくTCM施術者による前記ユーザの分類を含むトレーニングデータセットを取得し、
(b)それぞれが前記トレーニングサンプル内のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報の1つのタイプを表す独立変数のグループを特定し、
(c)前記独立変数のグループ内の各独立変数について、前記独立変数のグループ内の分散の平均に対する前記独立変数のグループ間の分散の比率として算出される、TCM施術者が判定する異なる肌組成のユーザの異なるグループの間の弁別における前記独立変数の能力を示すF比率を算出し、
(d)F比率が最大の独立変数を選択し、
(e)残りの独立変数についてF比率を算出し、
(f)F比率が有意のプリセットレベルより大きい全ての独立変数が選択されるまで(d)〜(e)のステップを繰り返し、
(g)前記選択された独立変数を用いて、複数の分類関数を構築する請求項36記載の方法。
【請求項39】
前記各分類関数は、特定の肌組成に関連する定数をCとし、選択された独立変数をV〜Vとし、それぞれが肌組成について前記選択された独立変数の1つに対応し、各分類関数を用いて分類スコアを算出する際の選択された変数の相対的な重みを示す係数をWx1〜Wxmとして、一般式C+Wx1×V+Wx2×V+…+Wxm×Vを有する1次関数である請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記分類関数は、トレーニングサンプルと同じ母集団から選択されるが、異なるユーザのグループを含む検証サンプル内の複数のユーザの生物学的及び/又は心理学的情報と、TCM施術者による前記ユーザの肌組成に関する分類とを含む検証データセットを用いて検証される請求項38記載の方法。

【公表番号】特表2012−523947(P2012−523947A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507482(P2012−507482)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/050909
【国際公開番号】WO2011/043978
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】