説明

伝送モードRFOGおよびRFOGで回転を検出する方法

【課題】共振器の望ましくない偏光状態に整合された入力光、または共振器の望ましくない空間モードに整合された入力光からの干渉を最小限に抑えることにより、より正確な回転速度測定値を有する光ファイバジャイロを提供する。
【解決手段】光ビームを各逆伝播方向に循環させるリング共振器は、中空コアおよび第1および第2の端部を有する光ファイバコイル24と、入力光ビームを受け、入力光ビームの一部をリング共振器の逆伝播方向に向けるように構成された第1の光学素子40と、第1の光学素子と共に循環光ビームの大部分をリング共振器の逆伝播方向に向け、循環光ビームの伝送モード成分を端部の一方で導出するように構成された第2の光学素子42とを備える。入力光ビームの部分は、第1および第2の端部の一方に進入し、循環光ビームは入力光ビームに基づく。伝送モード成分は、リング共振器の逆伝播方向の共振ピークを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にジャイロシステムに関し、より詳細には、光ファイバジャイロで使用される回転センサ技法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジャイロは、軸の周りの回転速度または角速度の変化を測定するのに使用されている。基本的な従来型光ファイバジャイロ(FOG)は、光源と、ビーム生成装置と、エリアを取り囲む、ビーム生成装置に結合された光ファイバのコイルとを含む。ビーム生成装置は、光ビームをコイルに伝送し、光ビームは、光ファイバのコアに沿って時計回り(CW)方向および反時計回り(CCW)方向に伝播する。多くのFOGは、ファイバの固体ガラスコアに沿って光を伝達するガラスベースの光ファイバを使用する。この2つの逆伝播(例えばCWおよびCCW)ビームは、回転経路の周りを伝播する間の経路長が異なり、この2つの経路長の差は回転速度に比例する。
【0003】
共振器光ファイバジャイロ(RFOG)では、望ましくは、各逆伝播光ビームは単色(例えば、単一振動数)であり、光ファイバコイルの複数のターンを循環し、ファイバカップラなどの再循環装置を使用して、コイルを複数回通過する。ビーム生成装置は、共振コイルの共振振動数を観測できるように、各逆伝播光ビームの振動数を変調および/またはシフトする。コイルを通るCW経路およびCCW経路のそれぞれについての共振振動数は、各光路中の次々に循環するビームの強め合う干渉に基づく。コイルの回転は、共振コイルのそれぞれの共振振動数間のシフトを生み出し、回転によるコイルの共振振動数シフトを整合させるようにCWビームとCCWビームの振動数を同調させることによって測定できるような振動数差が、回転速度を示す。
【0004】
RFOGは、回転速度測定の精度を低下させる様々な異常に直面することがある。反射モードでは、リング共振器が、共振器の所定の状態と整合する状態を有する光を反射し、光ファイバコイルを通るCW経路およびCCW経路のそれぞれについての共振振動数が、共振器に進入しない光を監視することによって検出される。したがって、共振器が共振付近にあるときには、共振付近にないときよりも観測される光が少ないので、共振は「共振ディップ」として観測される。前述のように、各逆伝播光ビームの連続する再循環は、共振振動数で強め合う干渉を生成し、共振線形中の共振ディップの中心が共振振動数を示す。共振振動数をより正確に示すために完全に対称な共振ディップを有することが望ましい。この目的で、所定の状態(例えば、自由空間共振器で最低次空間モードおよび垂直偏光を有する光の状態を表すTEM00−S)で光を循環させるように共振器を設計することができる。
【0005】
一般に、整合した状態または所望の入力光成分を有する光の大部分は、共振器で反射され、光ファイバコイル中を循環する。非共振の望ましくない迷光(例えば、共振器の偏光モードまたは空間モードで適切に整合されていない光)が、共振器で反射され、共振器内を循環する整合状態の光と干渉する可能性があり、したがって共振中心の検出の際に誤差が生み出される可能性がある。共振ディップは、必ずしも限定されないが、1)望ましくない偏光状態、または2)共振器内の光の高次空間モードと重なる空間分布を有する、入力光ビームから共振器への光を有する、共振器への入力光ビーム中の残留発射光成分を含むいくつかの要素の影響を受ける可能性がある。これらのどちらも、共振器への入力での入力光条件または発射条件が不完全であることによるものである。所望の光成分が共振付近にあるときに、残留発射光成分は共振器で共振しないかもしれないが、この残留光は、所望の光成分から生じる共振ディップの観測形状に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
発射条件での非共振残留光成分からの干渉に加えて、共振器での光の高次空間モードが共振し、またはほぼ共振状態にある可能性があり、回転感知に使用されるモードに関する共振ディップの形状を変更する可能性がある。例えば、光の高次空間モードの共振は、回転感知に使用される所望のモードの共振線形付近に追加のディップを生み出す可能性がある。さらに、第2の偏光状態も共振し、またはほぼ共振状態にある可能性があり、回転感知に使用される他の偏光モードに関する共振ディップの形状を変更する可能性がある。こうした追加のディップが共振振動数に関連する共振ディップに近接して位置するとき、または共振振動数に関連する共振ディップ上に重ね合わされるとき、共振振動数に関連する共振ディップの形状が変更される可能性がある。前述のように、共振を励起することなく、共振器の偏光モードまたは空間モードで適切に整合されない入力光が、回転感知に使用されるモードの共振ディップの形状をひずませる可能性がある。
【0007】
共振器の望ましくない偏光状態または高次空間モード成分を有する発射条件の非モード整合残留光は、共振中心の識別を複雑にする可能性があり、共振振動数および回転速度の決定が不正確となる可能性がある。CWビームおよびCCWビームの各共振振動数についての共振中心の決定は、回転速度測定に直接的に影響を及ぼし、それによってRFOGの精度が非常に制限される。
【0008】
いくつかの機構が、光を光ファイバ共振器の望ましくない偏光状態に結合させる可能性がある。一般には、望ましくない偏光状態で進む光は、こうした機構の組合せの結果として生じる。前述のように、光は、ファイバカップラなどの再循環装置内部でクロスカップリングされる可能性がある。光はまた、望ましくない偏光状態の光の成分と共に望ましくない仕方で光ファイバに注入されるときに、共振器の第2の偏光状態を励起し、または共振器の第2の偏光状態に結合する可能性がある。このことは、温度または応力の変動による共振器内部のファイバの偏光状態の可能な変動によって悪化する可能性があり、それによって、反復的な光発射を共振器の1つの偏光状態にすることがより難しくなる。光ビームが第1の偏光モードのRFOGのコイルに当初導入される場合であっても、光ファイバは、光を第2の偏光モードに結合する1つまたは複数の不完全性を有する可能性がある。
【0009】
そのようなファイバ共振器の偏光モード間の漏話を制限する1つの方法は、偏光保存ファイバを使用することである。偏光保存ファイバは、ファイバの一方の偏光軸から他方の偏光軸への光のクロスカップリングを減衰する異なる速度の光(すなわち複屈折)を定義する応力を組み込む。この偏光保存ファイバの特徴は、リング共振器の偏光モードを安定化させ、それによって光の一部を所望のモードに安定して発射する作業の助けとなる。従来の光ファイバ、特に偏光保存ファイバを使用すると、ファイバ中の2つの基本偏光軸上を進む光の間の光速度差は、一般に温度と共に変動する。この変動は、2つの偏光状態の相対的共振振動数を温度と共に変動させる可能性がある。ある場合には、望ましくない偏光状態の共振振動数は、ある環境条件下では所望の偏光状態の共振振動数と一致する可能性がある。
【0010】
CW方向およびCCW方向の共振中心、したがって共振振動数の決定精度は、回転速度測定に直接的に影響を及ぼすので、偏光誘導誤差は、RFOGの精度を非常に制限する可能性がある。さらに、こうした測定誤差は、従来の光ファイバでは、関連する複屈折の温度に対する感度のために温度に対して急激に変化する可能性がある。したがって、ジャイロ出力が、回転速度の変動の影響を受けることなくドリフトする可能性がある。光ファイバの固体ガラス媒体中の光の伝播に起因する、従来のガラス繊維を使用するRFOGにおける追加の誤差機構には、カー効果、誘導ブリュアン散乱、およびレイリー後方散乱が含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、共振器の望ましくない偏光状態に整合された入力光、または共振器の望ましくない空間モードに整合された入力光からの干渉を最小限に抑えることにより、より正確な回転速度測定値を有する光ファイバジャイロを提供することが望ましい。より具体的には、共振器の共振中心を検出する伝送モードを有する光ファイバジャイロを提供することが望ましい。さらに、共振器の望ましくない偏光状態または望ましくない空間モードに誤って、または意図せずに整合された入力光からの干渉を最小限に抑える、光ファイバジャイロで回転速度測定値を測定する方法を提供することが望ましい。さらに、添付の図面およびこの発明の背景と共に行われる、続く発明の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から、本発明の他の望ましい機能および特徴が明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
伝送モードでリング共振器の回転速度を感知する方法および装置が提供される。例示的実施形態では、各逆伝播方向に光ビームを循環させるリング共振器は、中空コアおよび第1および第2の端部を有する光ファイバコイルと、入力光ビームを受け、入力光ビームの一部をリング共振器の逆伝播方向に向けるように構成された第1の光学素子と、第1の光学素子と共に循環光ビームの大部分をリング共振器の逆伝播方向に向け、循環光ビームの伝送モード成分を端部の一方で導出するように構成された第2の光学素子とを備える。入力光ビームのその一部は、第1および第2の端部の一方に進入し、循環光ビームは入力光ビームに基づく。伝送モード成分は、リング共振器の逆伝播方向の第1の共振ピークを示す。
【0013】
別の例示的実施形態では、第1および第2の光ビームを生成するように構成されたビームジェネレータと、第1および第2の光ビームを受けるように構成された入力を有し、出力を有するリング共振器と、光検出器とを備える共振器光ファイバジャイロ(RFOG)アセンブリが設けられる。リング共振器は、第1および第2の循環光ビームを相異なる逆伝播方向で循環させるように構成された中空コア光ファイバを備える。リング共振器は、出力で第1の循環光ビームの第1の成分を導出し、出力で第2の循環光ビームの第2の成分を生成するように構成される。第1の循環光ビームは第1の光ビームに基づき、第2の循環光ビームは第2の光ビームに基づく。第1の成分は、リング共振器の第1の逆伝播方向の共振を示し、第2の成分は、リング共振器の第2の逆伝播方向の共振を示す。光検出器は、第1の成分に基づいて第1の逆伝播方向の第1の共振中心を検出し、第2の成分に基づいて第2の逆伝播方向の第2の共振中心を検出するように構成される。
【0014】
別の例示的実施形態では、第1および第2の光ビームのそれぞれを、リング共振器の相異なる逆伝播方向で中空コア光ファイバ内に伝送するステップと、中空コア光ファイバを通じて第1および第2の逆伝播光ビームを循環させると共に、第1および第2の光ビームのそれぞれからサンプリングされた透過成分を検出するステップと、第1の逆伝播方向の共振ピークからリング共振器の第1の逆伝播方向の第1の共振振動数を求めるステップと、第2の逆伝播方向の共振ピークからリング共振器の第2の逆伝播方向の第2の共振振動数を求めるステップと、第1の共振振動数と第2の共振振動数との間の振動数シフトを測定するステップとを含む、中空コア光ファイバを有するリング共振器の回転速度を感知する方法が提供される。各透過成分は、最低次空間モードおよび単一偏光モードに基づく、対応する共振ピークを示す。振動数シフトは回転速度を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の例示的実施形態による共振器光ファイバジャイロのブロック図である。
【図2】本発明の例示的実施形態による図1に示す共振器光ファイバジャイロの略図である。
【図3】本発明の例示的実施形態によるリング共振器の回転速度を感知する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の図面と共に本発明を以下で説明する。図面では、同様の番号は同様の要素を示す。
以下の本発明の詳細な説明は、例示的な性質のものに過ぎず、本発明または本発明の応用例および用途を限定するものではない。さらに、前述の発明の背景または以下の発明の詳細な説明で提示されるどんな理論にも制約されるものではない。
【0017】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の例示的実施形態による共振器光ファイバジャイロ(RFOG)10のブロック図である。RFOG10は、入力光ビーム(例えば、時計回り(CW)入力光ビームおよび反時計回り(CCW)入力光ビーム)を生成するように構成されたビームジェネレータ11と、入力光ビームを受けるための入力、および出力を有するリング共振器25と、光検出器27と、光検出器27に結合されたプロセッサ29とを備える。リング共振器25は、入力でCWおよびCCW入力光ビームを受け、これらの入力光ビームの一部を循環させ、入力光ビームからの成分と循環ビームからの成分の組合せから導出される反射光成分(CWおよびCCW)をリング共振器25の入力で生成する。説明の都合上、入力光ビームという用語はリング共振器25に供給される光を指す。さらに、循環光ビームという用語は、リング共振器25の光ファイバコイルを少なくとも1回通った、光ファイバコイル内を進む光を指す。伝送モード成分(CWおよびCCW)は、リング共振器25のCWおよびCCW共振に同調される入力光ビームのサンプルに基づき、実質上リング共振器25の出力で循環ビームをサンプリングするだけで導出される。リング共振器25は、リング共振器25内を循環する光から、リング共振器25の出力で循環ビームの成分(すなわち伝送モード成分)を部分的に透過するように構成される。したがって、透過する光、すなわち伝送モード成分が当初、リング共振器25の所定のモードに適切に整合している入力光から導出される。
【0018】
例示的実施形態では、リング共振器構成は、リング共振器25内部を循環する光のサンプリングを可能にし、リング共振器25内を循環する光から、(例えば、S偏光およびP偏光から選択された)共振器の単一偏光モードと、リング共振器25の好ましい空間モード(例えば、通常は最低次モード)とに整合する伝送モード成分(CWおよびCCW)を供給する。循環光ビームの成分はリング共振器25内にもとどまり、こうしたものの一部はリング共振器25の入力で反射されるビーム成分(CWおよびCCW)内に含まれる。反射ビーム成分(CWおよびCCW)は、共振器25内の循環光から減衰する光の一部と、共振器25の入力に適切にモード整合されない光との重ね合せである。光検出器27は、リング共振器25内を循環する光の各逆伝播方向(例えばCWおよびCCW)の伝送モード成分から共振ピークを検出し、共振ピークの中心は、特定の逆伝播方向の共振振動数に対応する。プロセッサ29は、CW方向の共振振動数とCCW方向の共振振動数との間の振動数シフトを求め、この振動数シフトがRFOG10の回転速度を示す。例示的実施形態では、プロセッサ29をビームジェネレータ11に結合して、共振器25の共振振動数に対する光振動数の閉ループ追跡を実施することができる。
【0019】
図2は、本発明の例示的実施形態による図1に示すRFOG10の略図である。ビームジェネレータ11は、振動数fを有する光ビームを生成するように構成された可同調光源12(例えばレーザ)、光源12から光ビームを受けるように構成され、光源12からの光ビームを第1および第2の光ビームに分割するようにさらに構成されたビームスプリッタ14と、ビームスプリッタ14からの第1の光ビームを受けるように構成され、第1の被変調光ビームを変調するようにさらに構成された第1の波形変調器16と、ビームスプリッタ14から第2の光ビームを受けるように構成され、第2の光ビームを変調するようにさらに構成された第2の波形変調器18と、第1の波形変調器16から第1の被変調光ビームを受けるように構成され、第1の被変調光ビームの振動数をシフトするようにさらに構成された振動数シフタ20とを備える。
【0020】
RFOG10を可同調光源12と共に図示し、説明するが、別法として、RFOG10は、CWおよびCCW光ビームをそれぞれ合成し、光ビームを共振器25に導入し、それによってビームスプリッタ14を置き換える第1および第2の可同調レーザを含むこともできる。この代替実施形態では、第1のレーザで生成された光ビームが振動数fに同調され、第2のレーザで生成された光ビームが振動数f+Δfに同調され、それによって振動数シフタ20を置き換える。2つのレーザ振動数間の相対振動数ドリフトおよびジッタは、振動数シフトを最小限に抑え、または振動数シフト、すなわち回転速度測定値の精度および安定性に影響を及ぼさないレベルにまで実質上最小限に抑えられることが好ましい。こうした各レーザは、それぞれの振動数で正弦波周波数変調され、それによって周波数変調器16および18が置き換えられる。さらに、RFOG10は、光源12から光ファイバコイル24に光ビームの伝播を向け、再循環器40、42から光検出器27に光を向ける追加のミラーおよびビームスプリッタを含むことができる。
【0021】
光ビームを変調した後、ビームジェネレータ11は、被変調光ビームをリング共振器25に向ける。リング共振器25は、再循環器40、42と、再循環器40、42に結合された第1および第2の端部を有する中空コア光ファイバコイル24とを備える。再循環器40、42は、被変調光ビーム(例えばCWおよびCCW入力光ビーム)を光ファイバコイル24の中空コアに導入し、光ファイバコイル24を通じて被変調光ビームを循環させる。例示的実施形態では、再循環器40、42は、第1の光ユニット40および第2の光ユニット42を備える。第1の光ユニットは、ビームジェネレータ11から被変調光ビーム(例えばCWおよびCCW入力光ビーム)を受け、CCW入力光ビームの一部を光ファイバコイル24の第1の端部に導入し、CW入力光ビームの一部を第2の光ユニット42に向ける。第2の光ユニット42は、第1の光ユニット40からのCW入力光ビームのその一部を光ファイバコイル24の第2の端部に導入し、光ファイバコイル24中を進むCWおよびCCW光ビームから伝送モード成分(CWおよびCCW)を(低損失で)導出するように構成される。第1の光ユニット40はさらに、CWおよびCCW入力光ビームの反射モード成分(CWおよびCCW)を供給するように構成される。再循環器40、42は、光ファイバコイル24の一端から出る光をファイバコイル24の他端に再導入し、したがって光にファイバコイル24中を何回も伝播させる。
【0022】
第2の光ユニット42は、リング共振器25内を循環する光の(例えばS偏光とP偏光の一方から選択された)一方の偏光モードを選ぶ伝送モードを有するように選択することができる。伝送モード成分は、リング共振器25と共に循環する光から導出され、したがって本質的に、共振器25内で伝播および共振するようにされた所望の偏光状態および空間モードからなる。伝送モード成分は、第2の光ユニット42を介してリング共振器25内を循環する光から導出され、第2の光ユニット42は、こうした伝送モード成分(CWおよびCCW)を光検出器27に向ける。例示的実施形態では、光検出器27は、第1の伝送モード成分(例えばCW)を介してCW方向で共振器25の共振中心を検出する第1の光検出器26と、第2の伝送モード成分(例えばCCW)を介してCCW方向で共振器25の共振中心を検出する第2の光検出器28とを備える。
【0023】
例示的実施形態では、光源12は、振動数安定性を有し、線幅がかなり狭く、出力能力が比較的高い単一振動数可同調レーザである。波形変調器16、18は、正弦波形を光ビームに導入することなどによって第1および第2の光ビームを周波数変調し、本明細書の以下でより詳細に説明するように、検出した振動数シフト(Δf)に対するRFOG10の感度を向上するように特定の変調を選択することができる。第1の被変調光ビームおよび第2の被変調光ビームは、光ファイバコイル24の両端などを介して、光ファイバコイル24にそれぞれCCWおよびCW方向で導入される。
【0024】
CWビームは、非シフトレーザ振動数(f)を有し、共振器25に導入される。回転感知のために、CWビームの振動数fが、(例えば、レーザ12の振動数を同調することによって)CW方向の共振器25の共振振動数に同調される。振動数シフタ20は、振動数Δfを同調して、CCWビーム振動数をCCW方向の共振器の共振振動数に対する共振中心と整合させるように構成される。回転感知中、振動数シフタ20は、光振動数をレーザ12の光振動数からΔfだけ振動数シフトし、振動数シフト後の光を光ファイバコイル24にCCW方向で注入する。振動数シフトを実施する2つの方法には、音響光学振動数シフタの使用と、セロダイン変調波形を有する位相変調器の使用が含まれる。後者の方法では、セロダイン波形は鋸波形である。比較的純粋な振動数シフトを適用するために、以下でより詳細に説明する鋸波形の位相ずれ振幅が、2πの整数倍に設定され、鋸波形は、その周期と比較したときにかなり高速なフライバック時間を有する。
【0025】
光ファイバコイル24の共振中心振動数をCW方向またはCCW方向で測定するために、標準同期検出技法が使用される。各入力光ビーム(例えばCWビームおよびCCWビーム)が正弦波位相変調され、したがってそれぞれ振動数fおよびfで周波数変調され、光検出器26、28で測定されたときに、共振線形にわたって各入力ビーム振動数がディザリングされる。例えば、光検出器26、28に結合された追加の回路が、それぞれ振動数fおよびfの光検出器26、28の出力を復調し、CWおよびCCWビームの光出力で示される共振中心を測定する。共振線形の線中心、すなわち共振中心では、光検出器26、28は、それぞれ振動数の基本検出fおよびfで最小出力を検出する。入力ビーム振動数(例えばfまたはf+Δf)が共振外れであるとき、それぞれ振動数fおよびfの誤差信号が、光検出器26、28で感知され、それぞれのビーム振動数を光リング共振器25のそれぞれの共振振動数に同調するのに使用される。CWビームの振動数が、レーザの振動数fを変更することによって同調され、CCWビームの振動数が、振動数シフタの振動数シフトΔfを変更するフィードバックループを介して調節され、その結果、f+Δfが、光リング共振器25のCCW共振振動数に整合する。
【0026】
がCW方向で共振器25の共振振動数から離れて同調されるとき、CWビームからのエネルギーは光ファイバに進入せず、光は第1の光ユニット40で反射する。fがCW方向で共振器25の共振振動数に同調されるとき、CWビームは、共振器25と空間整合され偏光整合されたモードを有する光ファイバコイル24に進入し、それによってCW光検出器26に当たるCWビームが最大出力すなわち共振ピークを有し、それによって共振中心が示される。CCW光ビームについて同様に、CCW方向で共振器25の共振振動数に同調されるとき、CCWビームのエネルギーが、CCWビームが共振器25と空間整合され偏光整合されたモードを有する光ファイバコイル24に進入し、それによってCW光検出器28に当たるCCWビームが最大出力を有する。
【0027】
回転がない場合、共振器25内部のCWおよびCCWビームのそれぞれCWおよびCCW方向でのラウンドトリップ経路長はほぼ等しい。したがって、Δfは振動数シフタ20によってゼロに同調される。回転がある場合、ラウンドトリップ経路長は、CW方向とCCW方向の間で異なり、回転速度に比例する、その2方向間の共振振動数差が生成される。CW共振を追跡するように振動数fを同調し、CCW共振中心を追跡するように振動数Δfを同調することにより、回転速度が求められる。
【0028】
RFOG10の好ましい例示的実施形態では、セロダイン方法を使用して振動数シフティングが得られ、それによって位相ランプが入力光ビーム(例えばCWおよびCCWビーム)に加えられる。波形変調器16、18などの位相変調器を連続的かつ線形の位相ランプで駆動することにより、位相ランプの傾きに比例する振動数シフトを得ることができる。2πの位相高さおよび振動数Δfを有する鋸波形は、連続的ランプとほぼ同等の結果を生成し、回転の存在下でCCW共振を追跡するように鋸波振動数(Δf)が調節される。前述のように、鋸波形フライバック時間が波形周期と比べてかなり高速であるとき、振動数シフタ20は、比較的純粋な振動数シフトを適用することができる。位相ランプの極性は、反対方向の回転の場合に反転する。
【0029】
極めて低い曲げ損失を有する中空コアバンドギャップ光ファイバが共振器25と共に使用されることが好ましく、コイル24は、本発明の一利点であるコンパクトなジャイロを達成するために、かなり小さい面積の周りに多数のターンを有することが好ましい。例えば、コイル24は、1センチメートルの直径の周りに約20〜40ターンの光ファイバを有することができる。例示的一実施形態では、共振器25内を循環する光の高次空間モードに関連する共振ピークを、最低次空間モードの共振ピークから分離するようにコイル24の長さが選択される。さらに、望ましくない偏光モードに関連する共振ピークを所望の偏光モードの共振ピークから分離するようにコイル24の長さが選択される。(例えば、共振器25を巡回する光の整合伝送モード成分の結果として生じる)望ましい共振ピークから(例えば、共振器25を循環する光の望ましくない空間モードおよび/または望ましくない偏光モードの結果として生じる)望ましくない共振ピークの(振動数における)分離距離は、そのような望ましくない共振ピークが所望の共振ピーク上のあるひずみまたは干渉を最小限に抑えることに基づく。
【0030】
一般には、中空コア光ファイバは通常、プラスチック・アウタ・ジャケット、中空インナコア、および微細構造ガラスクラッディングを有するガラスベースのものである。中空コア光ファイバでは、再循環器40、42から注入される光は、大部分はコアに沿って自由空間(例えば空気または真空)を横切り、光の光エネルギーの約数パーセント以下だけが中空コアを取り囲むファイバのガラス壁内に含まれる。再循環器40、42は、誘電体被覆を有するミラーなどの自由空間光学系を備えることができる。この場合、光エネルギーの大部分が光ファイバの中空コアに沿って自由空間を横切るので、再循環器40、42と中空コア光ファイバの間の遷移は、ほぼ完璧な屈折率整合を有し、再循環器40、42について低損失かつ誘因性の偏光特性を有する高反射率レーザミラーを使用することができる。中空コアファイバは、従来のファイバのコア内のガラス媒体の特性に一般的に関連する回転測定値誤差を著しく減衰し、または全くなくすのに適している。
【0031】
再循環器40、42は、共振器25内を循環する光の所望の偏光状態の損失を最小限に抑えながら、望ましくない偏光状態を有する光ファイバコイル24から出る光を減衰する少なくとも1つの偏光ユニットをさらに備えることができる。偏光ユニットは、所望の偏光状態(例えばS偏光)の光をかなり高い程度(例えば約95%以上)まで光ファイバコイル24に戻し、望ましくない偏光状態(例えばP偏光)の光をかなり高い程度まで光ファイバコイル24の外に通過させる(例えば、光ファイバコイル24内を再循環する光から望ましくない偏光状態の光を除去する)。再循環器40、42は、光ファイバコイル24の端部から出る光を受ける/反射させるために、単一の偏光ユニットを備えることができ、または光ファイバコイル24の各端部から出る光を別々に受ける/反射させるために、2つ以上の偏光ユニットのネットワークを備えることができる。
【0032】
例示的実施形態では、偏光ユニットは、偏光ユニットの主表面(例えば、光ファイバコイル24から出る光を受ける面)に入射する光に対してブリュースター入射角(例えば約56°)を有し、その角度で、S偏光がかなり高程度に反射され、P偏光がかなり高程度にリング共振器25の外に通過する。この例示的実施形態では、偏光ユニットは、このブリュースター入射角で光ファイバコイル24の端部から光を受けることが好ましい。偏光ユニットの一例は、被覆(例えば誘電体被覆のスタック)を有するガラス基板を備える薄膜偏光子であるが、偏光感度を有する様々な他の反射デバイスを使用することができる。中空コア光ファイバと共に、所望の偏光を有する、光ファイバコイル24内を再循環する光は、中空コアファイバから自由空間に伝播し、次いで偏光ユニットで反射されるとき、著しく低い損失を有する。さらに、光の偏光の状態を実質上維持する中空コアファイバ、すなわち高複屈折中空コア光ファイバを使用することにより、光ファイバ内部の光の偏光状態を、偏光ユニットで反射される光の偏光状態に対して配向および維持することができる。所望の偏光状態に関連する損失が最小限に抑えられ、望ましくない偏光状態の共振の大きさによる回転速度測定の誤差を最小限に抑えることができる。さらに、中空コアファイバの使用により、複屈折の温度依存性が著しく低減され、所望の偏光状態と残りの残留望ましくない偏光状態との間の安定した共振振動数分離が可能となる。したがって、中空コアファイバの使用により、多種多様な環境条件にわたって回転速度の誤差が低減される。フォトニック結晶ファイバ構造での光バンドギャップ効果を介して中空コアファイバを誘導する光を実現することができ、しばしばバンドギャップファイバと呼ばれる。
【0033】
図3は、本発明の例示的実施形態によるリング共振器の回転速度を感知する方法の流れ図である。この方法はステップ100で始まる。図1および3を参照すると、ステップ105では、第1および第2の逆伝播光ビームが中空コア光ファイバコイル24に伝送される。ステップ110では、再循環器22は、中空コア光ファイバコイル24を通じて第1および第2の逆伝播光ビームを再循環させると共に、共振器25内の第1および第2の逆伝播光ビームのそれぞれから、所望の偏光モードおよび空間モードを有する再循環光(すなわち透過成分)からサンプリングされた光を供給する。ステップ115では、第1の逆伝播光ビームの透過成分の最大出力を検出することにより、第1の共振ピーク中心が求められ、第1の共振振動数が求められる。ステップ120では、第2の逆伝播光ビームの透過成分の最大出力を検出することにより、第2の共振ピーク中心が求められ、第2の共振振動数が求められる。ステップ125では、第1の逆伝播光ビームの振動数と第2の逆伝播光ビームとの間の振動数シフト(各光振動数は、共振器の各逆伝播方向での共振振動数に整合される)が求められ、この振動数シフトがリング共振器の回転速度を示す。
【0034】
RFOG10の利点には、限定はしないが、低コスト小型パッケージで約0.01deg/hrのバイアスおよび約0.001deg/root−hrの角度ランダムウォーク(ARW)を提供できること、低損失の密なターンとして巻かれた数メートル未満のファイバを有する共振器、リング共振器内で光を再循環させるのに光ファイバカップラではなく高反射率ミラーを使用できること、外部構成要素をシリコン光ベンチ上に取り付けることのできる、コンパクトで安定した外部キャビティレーザ、光をシリコン内外に効率的に向けるシリコン内に埋込み可能なMEMSプリズム、ジャイロ誤差を促進する可能性のあるシリカファイバ中の非線形効果が最小限に抑えられること、光ファイバ中の第2の偏光モードに対応する潜在的第2の共振ピークの(温度に関する)ドリフトを最小限に抑えることによって熱駆動偏光誤差が減衰されること、光ファイバコイル24の遷移点での光損失の大きな低減、光透過特性をほとんど、または全く変化させずに、光ファイバコイルを非常に密な(例えば鉛筆の直径)のループに巻けることが含まれる。
【0035】
例示的一実施形態では、RFOG10が、電子回路と光学系を統合するシリコンベースの微小光ベンチ上に構成され、両者の間の効率的で適切かつ機械的に安定なインターフェースを提供する。波形変調器16、18に関連するような光学的機能を、光ベンチの表面付近に位置する導波路に組み込むことができ、光波が自由空間内を進むことができるとしても、わずか10ミクロンほどのフィーチャサイズを有するミニチュア光学構成要素をシリコン表面上に取り付けて、大型のバルク光学系をなくすことができる。レーザダイオードおよびその振動数を安定化させる外部要素をシリコン光ベンチの頂面上に取り付けることもできる。この例示的実施形態では、レーザおよび関連する振動数同調構成要素を光ベンチ上に取り付けることができ、振動数シフティングのためにセロダイン方法を使用することにより、振動数シフタ用のシリコン導波路で一体化光位相変調器の使用が可能となる。マイクロ・エレクトロメカニカル・システム(MEMS)光学プリズムを、シリコン導波路内およびシリコン導波路外に光を向けることのできる高反射レーザプリズムとして使用することができる。こうした技法の使用は、シリコン・プラットフォームでの光学系の製造を可能にし、したがって電子回路との統合を可能にする。
【0036】
RFOG10は、限定はしないが、例えば、航空機、ランドビークル、潜水艦、衛星、水上艦船のナビゲーションなどの慣性誘導を必要とする応用例を含む様々な応用例に適している。さらに、RFOG10に対して想定されるサイズが比較的小さいことにより、限定はしないが、例えば、小型ロボット、個々の兵士の履物、小規模衛星を含む非常に小型のプラットフォーム上での実際的な使用が可能となる。
【0037】
少なくとも1つの例示的実施形態を上記の本発明の詳細な説明で提示したが、膨大な数の変形形態が存在することを理解されたい。例示的実施形態は例に過ぎず、本発明の範囲、適用可能性、または構成をどんな形でも限定するものではないことも理解されたい。むしろ、上記の詳細な説明は、本発明の例示的実施形態を実装するのに好都合なロードマップを当業者に与えるものとなる。添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、例示的実施形態で述べた要素の機能および構成に様々な変更を行えることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空コアおよび第1および第2の端部を有する光ファイバコイル(24)と、
入力光ビームを受け、前記入力光ビームの一部をリング共振器の第1の逆伝播方向に向け、前記入力光ビームの前記一部が前記第1および第2の端部の一方に進入するように構成された第1の部分的に反射性の光学素子(40)と、
前記第1の部分的に反射性の光学素子と共に循環光ビームの大部分を前記リング共振器の第1の逆伝播方向に向け、前記循環光ビームのサンプリングにより前記入力光ビームに基づき、前記第1および第2の端部の一方で前記循環光ビームの伝送モード成分を導出し、前記伝送モード成分は、前記リング共振器の前記第1の逆伝播方向の第1の共振ピークを示すように構成された第2の部分的に反射性の光学素子(42)と、
を備える、光ビームを前記第1および第2の逆伝播方向に循環させるリング共振器。
【請求項2】
前記入力光ビームが第1および第2の入力光ビームを有し、前記第1の部分的に反射性の光学素子はさらに、
前記第1の入力光ビームを受け、
前記第1の入力光ビームの一部を前記リング共振器の第1の逆伝播方向に前記第1の端部で前記中空コア内に向けるように構成され、
前記第2の部分的に反射性の光学素子はさらに、
第1の循環光ビームの大部分を前記第2の端部から前記第1の部分的に反射性の光学素子に向け、前記第1の循環光ビームが前記第1の入力光ビームに基づき、
前記第2の端部で前記第1の循環光ビームから第1の伝送モード成分を導出し、前記第1の伝送モード成分は、前記リング共振器の前記第1の逆伝播方向の第1の共振ピークを示すように構成される、請求項1に記載のリング共振器。
【請求項3】
前記第1の部分的に反射性の光学素子がさらに、
前記入力光ビームの一部を前記リング共振器の前記第1の逆伝播方向で前記第2の部分的に反射性の光学素子に向け、
前記循環光ビームの大部分を前記第1の端部から前記第2の部分的に反射性の光学素子に向けるように構成され、
前記第2の部分的に反射性の光学素子がさらに、前記循環光ビームの前記大部分から前記第1の伝送モード成分を導出するように構成される、請求項1に記載のリング共振器。
【請求項4】
前記第2の部分的に反射性の光学素子は、前記伝送モード成分を導出するように構成された透過デバイスを有し、前記伝送モード成分が前記リング共振器の単一偏光モードおよび最低次空間モードから導出され、前記単一偏光モードは、ほぼS偏光のモードおよびほぼP偏光のモードから選択される、請求項1に記載のリング共振器。
【請求項5】
前記入力光ビームが振動数を有し、前記第1の逆伝播方向が共振振動数を有し、前記第2の部分的に反射性の光学素子がさらに、前記入力光ビームの前記振動数が前記共振振動数に同調されるときに、前記伝送モード成分を導出するように構成される、請求項1に記載のリング共振器。
【請求項6】
前記光ファイバコイルは、前記循環光ビームの高次空間モードの誘導を最小限に抑えるように構成される、請求項1に記載のリング共振器。
【請求項7】
前記光ファイバコイルは、前記循環光ビームの最低次空間モードから前記循環光ビームの高次空間モードの少なくとも1つの共振ピークを分離するように構成された所定の長さを有する、請求項1に記載のリング共振器。
【請求項8】
前記光ファイバコイルは、前記第1の共振ピークから第2の共振ピークを分離するように構成された所定の長さを有し、前記第2の共振ピークは、前記循環光ビームの第2の偏光モードに基づく、請求項1に記載のリング共振器。
【請求項9】
第1および第2の光ビームを生成するように構成されたビームジェネレータ(11)と、
前記第1および第2の光ビームを受けるように構成された入力と出力とを有するリング共振器(25)と、
光検出器(27)とを備え、
前記リング共振器は、
第1と第2の部分的に反射性の光学素子、および第1および第2の循環光ビームを各第1の逆伝播方向および第2の逆伝播方向で循環させるように構成された中空コア光ファイバを備え、
前記出力で前記第1の循環光ビームをサンプリングすることにより実質的に単独で前記第1の循環光ビームの第1の成分を導出し、前記第1の循環光ビームが、前記第1の光ビームに基づき、前記第1の循環光ビームの前記第1の成分は、前記リング共振器の前記第1の逆伝播方向の共振を示し、
前記出力で前記第2の循環光ビームをサンプリングすることにより実質的に単独で前記第2の循環光ビームの第2の成分を導出し、前記第2の循環光ビームが前記第2の光ビームに基づき、前記第2の循環光ビームの前記第2の成分は、前記リング共振器の前記第2の逆伝播方向の共振を示すように構成され、
前記光検出器(27)は、
前記第1の成分に基づいて前記第1の逆伝播方向の第1の共振中心を検出し、
前記第2の成分に基づいて前記第2の逆伝播方向の第2の共振中心を検出するように構成されている、
共振器光ファイバジャイロ(RFOG)アセンブリ。
【請求項10】
第1および第2の光ビームのそれぞれをリング共振器の各第1の逆伝播方向および第2の逆伝播方向で中空コア光ファイバ内に伝送するステップ(105)と、
第1と第2の部分的に反射性の光学素子により中空コア光ファイバを通じて前記第1および第2の光ビームの一部を循環させると共に、第1および第2の循環光ビームのそれぞれから透過成分を検出するステップ(110)と、各透過成分は、前記各循環光ビームをサンプリングすることにより実質的に単独で導出され、所定の空間次数モードおよび単一偏光モードに基づく共振ピークを示し、前記第1および第2の循環光ビームは前記第1および第2の光ビームに基づき、
前記第1の逆伝播方向の共振ピークから前記リング共振器の第1の逆伝播方向の第1の共振振動数を求めるステップ(115)と、
前記第2の逆伝播方向の共振ピークから前記リング共振器の第2の逆伝播方向の前記第2の共振振動数を求めるステップ(120)と、
前記第1の共振振動数と前記第2の共振振動数の間の回転速度を示す振動数シフトを測定するステップ(125)と、
を含む中空コア光ファイバを有するリング共振器の回転速度を感知する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−101151(P2013−101151A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−27769(P2013−27769)
【出願日】平成25年2月15日(2013.2.15)
【分割の表示】特願2006−298742(P2006−298742)の分割
【原出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】