伝送装置およびネットワークプロテクション方法
【課題】伝送品質および信頼性の向上を図る。
【解決手段】伝送装置は、障害数認識部と復旧制御部を備える。障害数認識部は、波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、現用側の波長の信号光の障害数である現用障害数と、予備側の波長の信号光の障害数である予備障害数とを認識する。復旧制御部は、互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとし、グループ内の信号光に障害があって、パス切替を行う際は、グループ内のすべての波長の信号光のパスをまとめて切り替える。また、多重障害の発生時には、現用障害数と予備障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択する。
【解決手段】伝送装置は、障害数認識部と復旧制御部を備える。障害数認識部は、波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、現用側の波長の信号光の障害数である現用障害数と、予備側の波長の信号光の障害数である予備障害数とを認識する。復旧制御部は、互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとし、グループ内の信号光に障害があって、パス切替を行う際は、グループ内のすべての波長の信号光のパスをまとめて切り替える。また、多重障害の発生時には、現用障害数と予備障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害発生時に通信を復旧する伝送装置およびネットワークプロテクション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のネットワークの高速・大容量化に伴い、OTN(Optical Transport Network:ITU−T G.709)を用いて、波長多重伝送(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を行う光ネットワーク方式が実用化されている。
【0003】
OTNは、SONET/SDH(Synchronous Optical Network/Synchronous Digital Hierarchy)、Ethernet(登録商標)等のクライアント信号を収容し、階梯構造を持つフレームを生成して、WDMに適したデータ伝送を行う技術である。
【0004】
また、障害発生時に、高速に通信を復旧させるプロテクション方式が要求されている。波長多重されていないSONET/SDH等の信号を伝送する従来のリングネットワークにおいては、BLSR(Bidirectional Line Switched Ring:Telcordia GR−1230−CORE)やMS SPRING(Multiplex Section Shared Protection Ring:ITU−T G.841)等のプロテクション方式が行われていた。
【0005】
これは障害リンクの両端ノードでパスを折り返して、障害を回避させるプロテクション方式である。この方式をWDMリングネットワークに単純に適用すると、単一波長毎に構成された複数のプロテクションリングが独立して動作する形態となり、処理負荷が大きくなり、高速復旧が困難となる。
【0006】
このため、OTNのWDMリングネットワークに対しては、ITU−T G.808.1のグループプロテクション方式を適用することが考えられる。これは、複数の波長の信号光を1つのグループとし、グループ内の各波長の信号光に障害があった場合は、グループ内のすべての波長の信号光に関するパスをまとめて切り替えることにより、高速復旧を実現するものである。
【0007】
従来技術として、通信経路の途中ノードで制御情報の解析を省略して、障害回復処理の簡易化を図った波長多重リングネットワークの技術が提案されている。また、冗長切替時に、波長多重化単位で一括して光信号の経路切替を行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−156821号公報
【特許文献2】特開2002−77049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のようなグループプロテクション方式では、グループ内の一部の波長の信号光に障害があるような箇所が、リングネットワーク内に複数存在した場合、それぞれの障害箇所でパスの切替が発生することになる。すると、正常であった部分も含めて多くのパスが切断されてしまうおそれがあり、パスの復旧を高品質に行うことができなかった。
【0010】
このように、従来のグループプロテクション方式では、正常なパスも含めて多くのパスが切断されてしまうおそれがあるため、ネットワークの伝送品質および信頼性の低下を招くといった問題があった。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、伝送品質および信頼性の向上を図った伝送装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、伝送品質および信頼性の向上を図ったネットワークプロテクション方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、伝送装置が提供される。伝送装置は、波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、現用側の波長の信号光の障害数である現用障害数と、予備側の波長の信号光の障害数である予備障害数とを認識する障害数認識部と、互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとして、グループ単位でのパス切替を行い、多重障害の発生時には、前記現用障害数と前記予備障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択する復旧制御部とを有する。
【発明の効果】
【0013】
伝送品質および信頼性の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】伝送装置の構成例を示す図である。
【図2】リングネットワーク上の障害発生を示す図である。
【図3】障害回避を示す図である。
【図4】リングネットワーク上の障害発生を示す図である。
【図5】障害回避を示す図である。
【図6】パス切断を示す図である。
【図7】リングネットワーク上の障害発生を示す図である。
【図8】パス復旧を示す図である。
【図9】パス復旧を示す図である。
【図10】ノードの構成例を示す図である。
【図11】APSデータのフォーマットを示す図である。
【図12】APSデータの転送例を示す図である。
【図13】復旧制御を示すフローチャートである。
【図14】単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図15】APSデータの値を示す図である。
【図16】多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図17】APSデータの値を示す図である。
【図18】APSデータの値を示す図である。
【図19】復旧制御を示すフローチャートである。
【図20】復旧制御を示すフローチャートである。
【図21】単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図22】APSデータの値を示す図である。
【図23】多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図24】APSデータの値を示す図である。
【図25】APSデータの値を示す図である。
【図26】復旧制御を示すフローチャートである。
【図27】復旧制御を示すフローチャートである。
【図28】多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図29】APSデータの値を示す図である。
【図30】復旧制御を示すフローチャートである。
【図31】復旧制御を示すフローチャートである。
【図32】APSデータのフォーマットを示す図である。
【図33】復旧制御を示すフローチャートである。
【図34】単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図35】APSデータの値を示す図である。
【図36】多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図37】APSデータの値を示す図である。
【図38】復旧制御を示すフローチャートである。
【図39】多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図40】APSデータの値を示す図である。
【図41】APSデータの値を示す図である。
【図42】復旧制御を示すフローチャートである。
【図43】復旧制御を示すフローチャートである。
【図44】障害数のカウントを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は伝送装置の構成例を示す図である。伝送装置1は、障害数認識部1aと復旧制御部1bを備える。伝送装置1は、WDM伝送が行われる、例えば、リング状のネットワーク上の各ノードに配置される。
【0016】
障害数認識部1aは、波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、現用側の波長の信号光の障害数である現用障害数と、予備側の波長の信号光の障害数である予備障害数とを認識する。
【0017】
復旧制御部1bは、互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとし、グループ単位でパス切替を行う。すなわち、グループ内の信号光に障害があってパス切替を行う際は、グループ内のすべての波長の信号光のパスをまとめて切り替える。なお、“パス切替”とは、該当ノードにおいて、運用パスを予備パスに切り替えて、運用パスの伝送方向とは逆方向の予備パスを通じて折り返し伝送することを意味する。
【0018】
また、多重障害(グループ内の一部の波長の信号光に障害がある箇所がネットワーク上に複数存在するような障害)が発生した場合には、現用障害数と予備障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択して実行する。
【0019】
次に通常のグループプロテクション方式による障害回避について説明する。図2はリングネットワーク上の障害発生を示す図である。WDM伝送が行われるリングネットワーク5は、ノード51〜54を含み、ノード51〜54は、光ファイバでリング状に互いに接続される。また、異なる波長λ1、λ2で1つのグループを構成しているとする。
【0020】
さらに、ノード51を発信元ノード、ノード54を宛先ノードとする。ノード51、54間には、波長λ1のパスP1が確立し、ノード51のパスP1に入力したデータは、パスP1を通じてノード54へ送信されて、ノード54からパスP1を通じて出力される。
【0021】
また、ノード51、54間には、波長λ2のパスP2が確立し、ノード51のパスP2に入力したデータは、パスP2を通じてノード54へ送信されて、ノード54からパスP2を通じて出力される。このような通信状態において、ノード51、54間のパスP1に障害が発生したとする。
【0022】
図3は障害回避を示す図である。なお、以降の説明では予備パスを点線で示す。ノード51、54間のパスP1に障害が発生すると、ノード51では、パスP1のパス切替を行って、逆回りの予備パスを通じて折り返し、ノード52→ノード53を経由した、波長λ1の迂回パスを確立する。この迂回パスは、ノード54内においてパスP1に接続される。
【0023】
また、グループプロテクション方式では、同じグループ内の波長の信号光に障害があった場合、グループ内のすべての波長の信号光に関するパスをまとめて切り替える。したがって、波長λ1と波長λ2は、ここでは同じグループであるから、波長λ2のパスP2に障害がなくても、パスP2も同様に切り替えることになる。
【0024】
すなわち、ノード51、54間のパスP1に障害が発生すると、ノード51では、パスP2のパス切替を行って、逆回りの予備パスを通じて折り返し、ノード52→ノード53を経由した、波長λ2の迂回パスを確立する。この迂回パスは、ノード54内においてパスP2に接続される。
【0025】
このように、図に示す単一障害が発生した場合は、ノード51のパスP1から入力したデータは、迂回パスを通じて、ノード54のパスP1から出力し、ノード51のパスP2から入力したデータは、迂回パスを通じて、ノード54のパスP2から出力して、通信が復旧する。
【0026】
図4はリングネットワーク上の障害発生を示す図である。リングネットワーク5aは、ネットワークトポロジと、波長λ1、λ2が同一グループであることについては、図2のリングネットワーク5と同様であるが、パスP1、P2の設定に加えて、さらにパスP3、P4が設定されている。パスP3、P4について説明する。
【0027】
ノード53を発信元ノード、ノード52を宛先ノードとする。ノード52、53間には、波長λ1のパスP3が確立し、ノード53のパスP3に入力したデータは、パスP3を通じてノード52へ送信されて、ノード52からパスP3を通じて出力される。
【0028】
また、ノード52、53間には、波長λ2のパスP4が確立し、ノード53のパスP4に入力したデータは、パスP4を通じてノード52へ送信されて、ノード52からパスP4を通じて出力される。ここで、ノード51、54間のパスP1に障害が発生した状態で、さらにノード52、53間のパスP4にも障害が発生したとする(多重障害の発生)。
【0029】
図5は障害回避を示す図である。ノード51、54間のパスP1に障害が発生したので、ノード51では、図3で示したように、波長λ1のパスP1と、波長λ1と同一グループの波長λ2のパスP2との両方に対して、パス切替による折り返し処理を行う。
【0030】
また、ノード52、53間のパスP4に障害が発生したので、ノード53においても、同様にして、波長λ2のパスP4と、波長λ2と同一グループの波長λ1のパスP3との両方に対して、パス切替による折り返し処理を行う。
【0031】
ここで、ノード51のパスP1に入力した波長λ1の信号光は、折り返されてノード52→ノード53経由でノード54宛に伝送されるはずであるが、ノード53でも折り返し処理が行われているので、ノード53まで伝送することができない。このため、途中のノード52の波長λ1のパスP3に接続されて、ノード52のパスP3から出力してしまう。また、ノード51のパスP2に入力した波長λ2の信号光は、ノード52の波長λ2のパスP4に接続することになる。
【0032】
さらに、ノード53のパスP4に入力した波長λ2の信号光は、折り返されてノード54→ノード51経由でノード52宛に伝送されるはずであるが、ノード51でも折り返し処理が行われているので、ノード51まで伝送することができない。このため、途中のノード54の波長λ2のパスP2に接続されて、ノード54のパスP2から出力してしまう。また、ノード53のパスP3に入力した波長λ1の信号光は、ノード54の波長λ1のパスP1に接続することになる。
【0033】
図6はパス切断を示す図である。図5に示したような多重障害が発生すると、ノード51で折り返されたパスP1は、ノード52でパスP3に接続し、ノード51で折り返されたパスP2は、ノード52でパスP4に接続することになって、パスの誤接続が発生してしまう。
【0034】
また、ノード53で折り返されたパスP3は、ノード54でパスP1に接続し、ノード53で折り返されたパスP4は、ノード54のパスP2に接続することになって、パスの誤接続が発生してしまう。
【0035】
このように、多重障害が発生したときに、グループプロテクション方式による復旧処理を行うと、パスの誤接続が発生する。このため、従来では、このようなパスの誤接続が生じるような場合は、AIS(Alarm Indication Signal)と呼ばれる警報信号が各ノード間に流れて、現在のパスを流れるデータを無効にする処理(スケルチ処理と呼ばれる)が働く機能を有している。しかし、スケルチ処理が起動すると、結果的には、すべてのパスが切断することになり、ネットワーク上の通信が不通となる。
【0036】
このように、従来では、多重障害が発生すると正常なパスも含めてすべてのパスが切断されてしまうおそれがあった。本技術はこのような点に鑑みてなされたものであり、多重障害が発生したような場合であっても、多くのパスを救済して通信復旧を高品質に行い、伝送品質および信頼性の向上を図った伝送装置およびネットワークプロテクション方法を提供するものである。
【0037】
次に伝送装置1における復旧制御の概念について説明する。図7はリングネットワーク上の障害発生を示す図である。リングネットワーク2は、ノードA〜Fを含み、ノードA〜Fは、光ファイバでリング状に互いに接続される。ノードA〜Fのそれぞれに伝送装置1が配置される。
【0038】
また、リングネットワーク2は、現用波長および予備波長の冗長構成を有しており、互いに異なる10波長でWDM伝送を行う。なお、現用10波長と予備10波長で1つのグループを構成しているとする。
【0039】
ノードBを発信元ノード、ノードCをノードBの宛先ノードとし、またノードEを発信元ノード、ノードFをノードEの宛先ノードとし、各波長に1本ずつパスが設定されているとする。また、ノードB、C間には、現用側の10波長中9波長に障害があり、予備側の10波長中1波長に障害があるとする。
【0040】
さらに、ノードE、F間には、現用側の10波長中2波長に障害があり、予備側の10波長中10波長に障害があるとする(図中、M波長中にN波長の障害がある状態を“N/M障害”と示す)。
【0041】
ここで、ノードB、C間と、ノードE、F間との両方に障害が発生して、多重障害が生じている。この場合、従来のように、ノードB、C側およびノードE、F側の双方でパス切替による折り返し伝送を行うと、上述のようなスケルチ処理が起動して、正常なパスも含めてネットワーク上の全パスが切断されるおそれがある。
【0042】
このため、ノードB、C側のパス切替およびノードE、F側のパス切替の両方を行うのではなく、できるだけ多くのパスが救済できるように、いずれか一方の側のパス切替のみを選択して、プロテクション処理を行う。以下、具体的に説明する。
【0043】
ノードB、C間の障害と、ノードE、F間の障害との2つが発生している。したがって、ノードB、C側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数と、ノードE、F側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数とについてそれぞれ算出し、算出結果を比較して、復旧パス数が多い方のパス切替を選択して実行する。
【0044】
図8はパス復旧を示す図である。ノードB、C側によるパス切替のみを行ったときのパス復旧を示している。ノードBでは、パス切替による折り返し処理を行い、ノードA→F→E→Dの迂回経由の予備パス(図の点線)を通じて、ノードCへ向けて10波長のパスを確立しようとする。
【0045】
しかし、この場合、ノードFとノードEとの間の予備側は、10波長中10波長すべてに障害が発生しているため、ノードCまでのパスを確立することができない。すなわち、ノードBからノードCへの10波長のパスの復旧数は0である。
【0046】
一方、ノードEでは、現用側の10波長中2波長に障害があるが、パス切替を行わないので、ノードFには8波長の現用パスが確立する。すなわち、ノードEからノードFへの10波長のパスのうち復旧数は8である。したがって、図8の場合の全体のパス復旧の合計数は8(=0+8)である。
【0047】
図9はパス復旧を示す図である。ノードE、F側によるパス切替のみを行ったときのパス復旧を示している。ノードEでは、折り返し処理によるパス切替を行い、ノードD→C→B→Aの迂回経由の予備パス(図の点線)を通じて、ノードFへ向けて10波長のパスを確立しようとする。
【0048】
しかし、この場合、ノードB、C間の予備側は、10波長中1波長に障害が発生しているため、ノードFまでは9波長のパスを確立することができる。すなわち、ノードEからノードFへの10波長のパスの復旧数は9である。
【0049】
一方、ノードBでは、現用側の10波長中9波長に障害があるが、パス切替を行わないので、ノードCには1波長の現用パスが確立する。すなわち、ノードBからノードCへの10波長のパスのうち復旧数は1である。したがって、図9の場合の全体のパス復旧の合計数は10(=9+1)である。
【0050】
上記の図8、図9によるパス数の結果から、図9のノードE、F側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数の方が、図8のノードB、C側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数に比べて多い。
【0051】
したがって、ノードB、C間の障害と、ノードE、F間の障害との多重障害が発生した場合には、ノードE、F側でのみパス切替による折り返し伝送を実行することにより、合計10パスを復旧させることができ、最も多くのパスを復旧させることが可能になる。
【0052】
上記の内容をまとめると、多重障害の発生時、従来のグループプロテクション方式では、ノードB、C側およびノードE、F側の両方でパス切替を行ってしまうため、スケルチ処理が起動して、全パスが切断されてしまう。
【0053】
これに対し、本技術では、ノードB、C側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数と、ノードE、F側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数とにもとづいて、復旧パス数が多い方のパス切替を選択・実行する構成とした。
【0054】
これにより、グループプロテクション方式が適用されるネットワークにおいて、多重障害が発生した場合であっても、すべてのパスが切断されてしまうことがなく、多くのパスを救済することができるので、伝送品質および信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0055】
次にノードの構成例について説明する。図10はノードの構成例を示す図である。ノード10は、分波部11−1、11−2、合波部12−1、12−2、受信終端部13a−1〜13a−n、13b−1〜13b−n、送信終端部14a−1〜14a−n、14b−1〜14b−n、スイッチ部15および切替制御部16を備える。なお、図1の障害数認識部1aおよび復旧制御部1bの機能は、切替制御部16に含まれる。
【0056】
分波部11−1、11−2は、波長多重された入力信号を各波長に分波する。合波部12−1、12−2は、各波長を多重化して出力する。受信終端部13a−1〜13a−n、13b−1〜13b−nは、それぞれの波長の受信信号の終端処理として、各波長の障害を検出したり、復旧制御を行うためのAPS(Automatic Protection Switching)データ(図11で後述)を抽出したりする。
【0057】
送信終端部14a−1〜14a−n、14b−1〜14b−nは、APSデータを含む信号を送信する。スイッチ部15は、入力信号と出力信号とのスイッチング処理を行って、入力信号と出力信号を繋いでパスを構成し、または障害時にはパス切替による折り返し伝送を行って復旧処理を行う。
【0058】
切替制御部16は、受信終端部13a−1〜13a−n、13b−1〜13b−nから、障害情報やAPSデータを収集して障害数を認識する。また、適切なAPSデータを送信終端部14a−1〜14a−n、14b−1〜14b−nに送信して、他のノードと協調してパスの切替制御を行って障害を復旧する。さらに、自ノードでパス切替が必要な場合には、スイッチ部15に対してパス切替を指示する。
【0059】
次にAPSデータのフォーマットについて説明する。図11はAPSデータのフォーマットを示す図である。APSデータは、それぞれ1バイトのAPS1〜APS4の計4バイトで構成されるメッセージである。
【0060】
1バイト目のAPS1において、1〜4ビットのフィールドには、Bridge Request Codeが設定され、5〜8ビットのフィールドには、宛先ノードのID(Dest ID)が設定される。
【0061】
2バイト目のAPS2において、1〜4ビットのフィールドには、発信元ノードのID(Src ID)が設定され、5ビットのフィールドには、LongまたはShortのいずれかを示す値(L&S)が設定される(ホップ数が多い長い経路をL、ホップ数が少ない短い経路をS)。6〜8ビットのフィールドには、ステータスが設定される。
【0062】
3バイト目のAPS3において、1〜8ビットのフィールドには、現用障害数が設定される。現用障害数は、発信元ノードと宛先ノード間において、グループ内で現用として割り当てられている波長のうち、いくつ障害があるかを示す。
【0063】
4バイト目のAPS4において、1〜8ビットのフィールドには、予備障害数が設定される。予備障害数は、発信元ノードと宛先ノード間において、グループ内で予備として割り当てられている波長のうち、いくつ障害があるかを示す。
【0064】
なお、APSデータは、例えば、予備波長のうち、あらかじめ決められた任意の1波長に流れているHO−ODU(Higher Order−Optical channel Data Unit)のオーバヘッドを使って伝送される。
【0065】
次にAPSデータの転送例について説明する。図12はAPSデータの転送例を示す図である。図7で示したリングネットワーク2で転送されるAPSデータについて示している。
【0066】
なお、図中の例えば、「B−C,9,1」とは、APSデータの情報として、発信元ノード−宛先ノード、現用障害数、予備障害数を表している。したがって、この場合、Bは発信元ノード、Cは宛先ノード、9は現用障害数、1は予備障害数を表す。その他の表記も同様な見方である。
【0067】
ここで、ノードB、Cの間には、現用側の10波長中9波長に障害があり、予備側の10波長中1波長に障害がある。したがって、ノードBは、この障害を検出すると、ノードA→F→E→Dを経由する長い経路で、ノードC宛にAPSデータ(B−C,9,1)を送信する。このAPSデータ中には、現用障害数として9、予備障害数として1が設定される。
【0068】
また、このデータを受信したノードAは、データ内容を変更せずに、次のノードFへ転送する。他に障害が無い場合は、最終的にノードCまで転送される。ノードCからも同様にノードB宛に、ノードD→E→F→Aを経由する長い経路で、APSデータ(C−B,9,1)が転送される。
【0069】
一方、ノードE、F間に、現用側の10波長中2波長に障害があり、予備側の10波長中10波長に障害がある。したがって、ノードEは、この障害を検出すると、現用障害数2、予備障害数10としてAPSデータ中に設定し(E−F,2,10)、ノードD−C−B−Aを経由した長い経路でノードF宛に送信する。ノードFも同様にノードE宛に、ノードA−B−C−Dを経由した長い経路で、APSデータ(F−E,2,10)を送信する。
【0070】
次に復旧制御についてフローチャートを用いて説明する。図13は復旧制御を示すフローチャートである。図中の「受信現用障害数」は、他ノードから送信されて受信したAPSデータに含まれる現用障害数を示す。「受信予備障害数」は、他ノードから送信されて受信したAPSデータに含まれる予備障害数を示す。
【0071】
また、「検出現用障害数」は、自ノードが検出したグループ内の現用波長中の障害波長数を示す。「検出予備障害数」は、自ノードが検出したグループ内の予備波長中の障害波長数を示す。
【0072】
〔S1〕切替制御部16は、受信現用障害数と受信予備障害数の和と、検出現用障害数と検出予備障害数の和と、受信現用障害数と検出現用障害数の和とを算出して、算出結果を比較する。
【0073】
〔S2〕切替制御部16は、受信現用障害数と検出現用障害数の和が、他の和の結果と同数の場合を含めて最小の場合は、自ノードが現在パス切替中またはパススルー中であれば、該パス切替または該パススルーを解除する。なお、“パススルー”とは、該当ノードにおいて、予備側の波長を通じて流れてきたデータを、該予備側の波長を通じて隣接ノードへスルーに伝送することを意味する。
【0074】
〔S3〕切替制御部16は、受信現用障害数と受信予備障害数の和と、検出現用障害数と検出予備障害数の和とが同数で共に最小であった場合は、自ノードが現在パス切替中またはパススルー中であれば、該パス切替または該パススルーの処理を維持する。
【0075】
〔S4〕切替制御部16は、検出現用障害数と検出予備障害数の和が、単独で最小であった場合は、現在パス切替中ならばそれを解除し、予備側でパススルーする。
〔S5〕切替制御部16は、受信現用障害数と受信予備障害数の和が、単独で最小であった場合は、自ノードでのパス切替を行う。
【0076】
上記のように、リングネットワーク上の各ノードが、ステップS1による障害数を算出して比較し、比較結果にもとづいて、ステップS2〜S5に示す復旧処理を適切に選択して実行する構成とした。
【0077】
これにより、グループプロテクション方式が適用されたネットワーク上で、多重障害発生した場合であっても、ネットワーク全体で最も多くのパスを復旧させることができ、伝送品質および信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0078】
次に具体的な例を挙げて詳しく説明する。まず、図13のフローチャートにおいて、ステップS4の復旧処理(パス切替中であれば解除し、予備側でパススルー)と、ステップS5の復旧処理(パス切替)が選択されるときのプロテクション動作例について図14〜図20を用いて説明する。
【0079】
図14は単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。なお、以降では、ノードA〜Fを含むリングネットワーク2を例にして、現用10波長と予備10波長で1つのグループを構成しており、ノードBを発信元ノード、ノードCをノードBの宛先ノードとし、またノードEを発信元ノード、ノードFをノードEの宛先ノードとし、各波長に1本ずつパスが設定されているとして説明する。
【0080】
ノードB、C間には、現用側の10波長中9波長に障害があり、予備側の10波長中1波長に障害があり、ノードB、Cにおいてパス切替が行われている。ノードBは、この障害を検出して、ノードA→F→E→Dを経由する長い経路でノードC宛に、APSデータ(B−C,9,1)を送信する。ノードCからもノードB宛に、ノードD→E→F→Aを経由する長い経路で、APSデータ(C−B,9,1)を送信する。
【0081】
図15はAPSデータの値を示す図である。なお、ノードA〜Fの各IDをノードA=0001(1)、ノードB=0010(2)、ノードC=0011(3)、ノードD=0100(4)、ノードE=0101(5)、ノードF=0110(6)とする(かっこ内の数値は十進数)。
【0082】
APSデータd1は、ノードB→A、ノードA→F、ノードF→E、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd2は、ノードB→Cで転送される。APSデータd3は、ノードC→D、ノードD→E、ノードE→F、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd4は、ノードC→Bで転送される。
【0083】
APSデータd1において、Bridge Request Codeには、障害に適応した処理を要求するSF-R(Signal Failure−Ring)のコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG:長い経路経由)、ステータスには、パス切替の状態を示すbr&sw(bridge&switch)のコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0084】
APSデータd2において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT:短い経路経由)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0085】
APSデータd3において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0086】
APSデータd4において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0087】
図16は多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。図14に示す状態からさらに、ノードE、F間で、現用側の10波長中2波長に障害が発生し、予備側の10波長中10波長に障害が発生したとする。
【0088】
ノードEは、この障害を検出すると、現用障害数2、予備障害数10をAPSデータ中に設定し(E−F,2,10)、ノードD−C−B−Aを経由した長い経路でノードF宛に送信する。また、ノードFからもノードE宛に、ノードA→B→C→Dを経由した長い経路で、APSデータ(F−E,2,10)を送信する。
【0089】
図16に示すような多重障害が発生したときの復旧処理としては、ノードB、Cにおいては、最初に発生したノードB、C間の障害時に実行していたパス切替を解除して、ノードB、C間をパススルーにする。そして、ノードE、Fにおいて、パス切替を実行する(図19、図20で後述)。
【0090】
図17、図18はAPSデータの値を示す図である。APSデータd11は、ノードB→A、ノードA→Fで転送される。APSデータd12は、ノードB→Cで転送される。APSデータd13は、ノードC→D、ノードD→Eで転送される。APSデータd14は、ノードC→Bで転送される。
【0091】
APSデータd11において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG)、ステータスには、パススルーの状態に該当するidleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0092】
APSデータd12において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0093】
APSデータd13において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0094】
APSデータd14において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0095】
一方、APSデータd15は、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd16は、ノードF→Eで転送される。APSデータd17は、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd18は、ノードE→Fで転送される。
【0096】
APSデータd15において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0097】
APSデータd16において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0098】
APSデータd17において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0099】
APSデータd18において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0100】
図19は復旧制御を示すフローチャートである。図16の多重障害発生時におけるノードB、Cで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0101】
ステップS1の比較処理において、ノードB、Cでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は2+10=12、検出現用障害数と検出予備障害数の和は9+1=10、受信現用障害数と検出現用障害数の和は2+9=11である。このとき、検出現用障害数と検出予備障害数の和が単独で最小となる。
【0102】
したがって、ステップS4の処理へいき、自ノードの予備側でパススルーする(ノードBは予備側でパススルーし、ノードCも予備側でパススルーする)。その際、ノードB、Cはパス切替中だったので、そのパス切替を解除する。
【0103】
図20は復旧制御を示すフローチャートである。図16の多重障害発生時におけるノードE、Fで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0104】
ステップS1の比較処理において、ノードE、Fでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は9+1=10、検出現用障害数と検出予備障害数の和は2+10=12、受信現用障害数と検出現用障害数の和は9+2=11である。このとき、受信現用障害数と受信予備障害数の和が単独で最小となる。したがって、ステップS5の処理へいき、自ノードのパス切替処理を行う(ノードEとノードFはパス切替を行う)。
【0105】
次に図13のフローチャートにおいて、ステップS2の復旧処理(パス切替中またはパススルーであれば解除)が選択されるときのプロテクション動作例について図21〜図27を用いて説明する。図21は単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【0106】
リングネットワーク2において、ノードB、C間には、現用側の10波長中9波長に障害があり、予備側の10波長中4波長に障害があり、ノードB、Cでパス切替が行われている。
【0107】
また、ノードBは、この障害を検出して、ノードA→F→E→Dを経由する長い経路でノードC宛に、APSデータ(B−C,9,4)を送信する。ノードCからもノードB宛に、ノードD→E→F→Aを経由する長い経路で、APSデータ(C−B,9,4)を送信する。
【0108】
図22はAPSデータの値を示す図である。APSデータd21は、ノードB→A、ノードA→F、ノードF→E、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd22は、ノードB→Cで転送される。APSデータd23は、ノードC→D、ノードD→E、ノードE→F、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd24は、ノードC→Bで転送される。
【0109】
APSデータd21において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0110】
APSデータd22において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0111】
APSデータd23において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0112】
APSデータd24において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0113】
図23は多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。図21に示す状態からさらに、ノードE、F間で、現用側の10波長中2波長に障害が発生し、予備側の10波長中10波長に障害が発生したとする。
【0114】
ノードFは、この障害を検出して、ノードA→B→C→Dを経由する長い経路でノードE宛に、APSデータ(F−E,2,10)を送信する。ノードEからもノードF宛に、ノードD→C→B→Aを経由する長い経路で、APSデータ(E−F,2,10)が転送される。
【0115】
図23に示すような多重障害が発生したときの復旧処理としては、すべてのノードA〜Fにおいて、パス切替やパススルーを解除する(図26、図27で後述)。
図24、図25はAPSデータの値を示す図である。APSデータd31は、ノードB→A、ノードA→Fで転送される。APSデータd32は、ノードB→Cで転送される。APSデータd33は、ノードC→D、ノードD→Eで転送される。APSデータd34は、ノードC→Bで転送される。
【0116】
APSデータd31において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0117】
APSデータd32において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0118】
APSデータd33において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0119】
APSデータd34において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0120】
一方、APSデータd35は、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd36は、ノードF→Eで転送される。APSデータd37は、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd38は、ノードE→Fで転送される。
【0121】
APSデータd35において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0122】
APSデータd36において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0123】
APSデータd37において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0124】
APSデータd38において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0125】
図26は復旧制御を示すフローチャートである。図23の多重障害発生時におけるノードB、Cで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0126】
ステップS1の比較処理において、ノードB、Cでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は2+10=12、検出現用障害数と検出予備障害数の和は9+4=13、受信現用障害数と検出現用障害数の和は2+9=11である。このとき、受信現用障害数と検出現用障害数の和が最小となる。
【0127】
したがって、ステップS2の処理へいき、ノードB、Cはパス切替中だったので該パス切替を解除する。
図27は復旧制御を示すフローチャートである。図23の多重障害発生時におけるノードE、Fで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0128】
ステップS1の比較処理において、ノードE、Fでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は9+4=14、検出現用障害数と検出予備障害数の和は2+10=12、受信現用障害数と検出現用障害数の和は9+2=11である。このとき、受信現用障害数と検出現用障害数の和が最小となる。
【0129】
したがって、ステップS2の処理へいき、ノードE、Fはパススルー中だったので該パススルーを解除する。
次に図13のフローチャートにおいて、ステップS3の復旧処理(現状維持)が選択されるときのプロテクション動作例について図28〜図31を用いて説明する。なお、単一障害の状態は図14と同様とする。
【0130】
図28は多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。図14に示す状態からさらに、ノードEとノードFとの間で、現用側の10波長中2波長に障害が発生し、予備側の10波長中8波長に障害が発生したとする。
【0131】
ノードFは、この障害を検出して、ノードA→B→C→Dを経由する長い経路でノードE宛に、APSデータ(F−E,2,8)を送信する。ノードEからもノードF宛に、ノードD→C→B→Aを経由する長い経路で、APSデータ(E−F,2,8)を送信する。
【0132】
図28に示すような多重障害が発生したときの復旧処理としては、すべてのノードA〜Fにおいて、現状を維持する(図30、31で後述)。
図29はAPSデータの値を示す図である。APSデータd41は、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd42は、ノードF→Eで転送される。APSデータd43は、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd44は、ノードE→Fで転送される。
【0133】
なお、ノードB→A、ノードA→Fで転送されるAPSデータは、図15で示したAPSデータd1と同じである。ノードB→Cで転送されるAPSデータは、図15で示したAPSデータd2と同じである。
【0134】
また、ノードC→D、ノードD→Eで転送されるAPSデータは、図15で示したAPSデータd3と同じである。ノードC→Bで転送されるAPSデータは、図15で示したAPSデータd4と同じである。
【0135】
APSデータd41において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が8と設定される。
【0136】
APSデータd42において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が8と設定される。
【0137】
APSデータd43において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が8と設定される。
【0138】
APSデータd44において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が8と設定される。
【0139】
図30は復旧制御を示すフローチャートである。図28の多重障害発生時におけるノードB、Cで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0140】
ステップS1の比較処理において、ノードB、Cでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は2+8=10、検出現用障害数と検出予備障害数の和は9+1=10、受信現用障害数と検出現用障害数の和は2+9=11である。このとき、受信現用障害数と受信予備障害数の和と、検出現用障害数と検出予備障害数の和とが最小となる。
【0141】
したがって、ステップS3の処理へいき、現状維持となる。すなわち、ノードB、Cはパス切替の実行中だったので該パス切替を継続する。
図31は復旧制御を示すフローチャートである。図28の多重障害発生時におけるノードE、Fで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0142】
ステップS1の比較処理において、ノードE、Fでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は9+1=10、検出現用障害数と検出予備障害数の和は2+8=10、受信現用障害数と検出現用障害数の和は9+2=11である。このとき、受信現用障害数と受信予備障害数の和と、検出現用障害数と検出予備障害数の和とが最小となる。したがって、ステップS3の処理へいき、現状維持となる。すなわち、ノードE、Fはパススルー中だったので、パススルーを継続する。
【0143】
次に変形例について説明する。変形例は、上記に示した障害数比較処理を簡略化したものであり、現用と予備の区別をせずに、受信障害数と検出障害数との比較結果に応じて、パス復旧数が最も多くなる復旧処理を決定するものである。
【0144】
図32はAPSデータのフォーマットを示す図である。APSデータは、それぞれ1バイトのAPS1〜APS4の計4バイトで構成され、図11と異なる箇所は、APS3、4である。
【0145】
変形例で使用するAPSデータにおいて、3バイト目のAPS3の1〜8ビットのフィールドは、障害数が設定され、発信元ノードと宛先ノード間において、そのグループで現用として割当てられている波長中の障害数と、予備として割当てられている波長中の障害数の和を示す。4バイト目のAPS4の1〜8ビットのフィールドは、未使用領域である。
【0146】
ここで、障害を検出したノードは、現用の障害数と予備の障害数の和をAPSデータの障害数のフィールドに設定し、迂回経路で隣接ノードに転送する。
このAPSデータを受信したノードは、自ノードで検出している現用の障害数と予備の障害数の和と、受信したAPSデータ中の障害数とを比較し、比較結果に応じて、自ノードで実行する復旧処理を決定する。
【0147】
図33は復旧制御を示すフローチャートである。図中、「受信障害数」とは、他ノードから送信されて受信したAPSデータに含まれる障害数を示し、「検出障害数」とは、自ノードで検出した現用の障害数と予備の障害数の和を示す。
【0148】
〔S11〕切替制御部16は、受信障害数と検出障害数を比較する。
〔S12〕切替制御部16は、受信障害数と検出障害数が等しい場合には、自ノードがパス切替中またはパススルー中であればそれを維持する。
【0149】
〔S13〕受信障害数より検出障害数の方が小さい場合には、現在パス切替中ならば該パス切替を解除する。そして予備側でパススルーする。
〔S14〕検出障害数より受信障害数の方が小さい場合には、自ノードにおいてパス切替を行う。
【0150】
上記のように、リングネットワーク上の各ノードが、ステップS11による障害数を算出して比較し、比較結果にもとづいて、ステップS12〜S14に示す復旧処理を適切に選択する構成とした。これにより、多重障害発生時に、ネットワーク全体で最も多くのパスを復旧させることができ、伝送品質および信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0151】
次に具体的な例を挙げて詳しく説明する。まず、図33のフローチャートにおいて、ステップS12の復旧処理(現状維持)が選択されるときのプロテクションの動作例について図34〜図38を用いて説明する。
【0152】
図34は単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。ノードB、C間には、現用側と予備側とを合わせて20波長中10波長に障害があり、ノードB、Cでパス切替が行われている。
【0153】
なお、図中の例えば、「B−C,10」とは、APSデータの情報として、発信元ノード−宛先ノード、障害数を表している。したがって、この場合、Bは発信元ノード、Cは宛先ノード、10は障害数を表す。その他の表記も同様な見方である。
【0154】
ノードBは、この障害を検出して、ノードA→F→E→Dを経由する長い経路でノードC宛に、APSデータ(B−C,10)を送信する。ノードCからもノードB宛に、ノードD→E→F→Aを経由する長い経路で、APSデータ(C−B,10)を送信する。
【0155】
図35はAPSデータの値を示す図である。APSデータd51は、ノードB→A、ノードA→F、ノードF→E、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd52は、ノードB→Cで転送される。APSデータd53は、ノードC→D、ノードD→E、ノードE→F、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd54は、ノードC→Bで転送される。
【0156】
APSデータd51において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0157】
APSデータd52において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0158】
APSデータd53において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0159】
APSデータd54において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0160】
図36は多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。図34に示す状態からさらに、ノードE、F間で、20波長中10波長に障害が発生したとする。
ノードFは、この障害を検出して、ノードA→B→C→Dを経由する長い経路でノードE宛に、APSデータ(F−E,10)を送信する。ノードEからもノードF宛に、ノードD→C→B→Aを経由する長い経路で、APSデータ(E−F,10)を送信する。
【0161】
図36に示すような多重障害が発生したときの復旧処理としては、すべてのノードA〜Fにおいて、現状を維持する(図38で後述)。
図37はAPSデータの値を示す図である。APSデータd61は、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd62は、ノードF→Eで転送される。APSデータd63は、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd64は、ノードE→Fで転送される。
【0162】
なお、ノードB→A、ノードA→Fで転送されるAPSデータは、図35で示したAPSデータd51と同じである。ノードB→Cで転送されるAPSデータは、図35で示したAPSデータd52と同じである。
【0163】
また、ノードC→D、ノードD→Eで転送されるAPSデータは、図35で示したAPSデータd53と同じである。ノードC→Bで転送されるAPSデータは、図35で示したAPSデータd54と同じである。
【0164】
APSデータd61において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0165】
APSデータd62において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0166】
APSデータd63において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0167】
APSデータd64において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0168】
図38は復旧制御を示すフローチャートである。図36の多重障害発生時におけるノードB、CおよびノードE、Fで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0169】
ステップS11の比較処理において、ノードB、CおよびノードE、Fでは、受信障害数と検出障害数を比較する。ノードB、CおよびノードE、Fにおいて、受信障害数と検出障害数は共に10である。したがって、ステップS12の処理へいき、現状維持となる。すなわち、パス切替の実行中であれば該パス切替を継続し、パススルーの実行中であれば該パススルーを継続する。
【0170】
次に図33のフローチャートにおいて、ステップS13、S14の復旧処理が選択されるときのプロテクション動作例について図39〜図43を用いて説明する。なお、単一障害の状態は図34と同様とする。
【0171】
図39は多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。図34に示す状態からさらに、ノードE、F間で、20波長中12波長に障害が発生したとする。ノードFは、この障害を検出して、ノードA→B→C→Dを経由する長い経路でノードE宛に、APSデータ(F−E,12)を送信する。ノードEからもノードF宛に、ノードD→C→B→Aを経由する長い経路で、APSデータ(E−F,12)を送信する。
【0172】
図39に示すような多重障害が発生したときの復旧処理としては、ノードB、Cにおいて、先に実行していたパス切替を解除してパススルーとし、ノードE、Fにおいてパス切替を行う(図42、43で後述)。
【0173】
図40、図41はAPSデータの値を示す図である。APSデータd71は、ノードB→A、ノードA→Fで転送される。APSデータd72は、ノードB→Cで転送される。APSデータd73は、ノードC→D、ノードD→Eで転送される。APSデータd74は、ノードC→Bで転送される。
【0174】
APSデータd71において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0175】
APSデータd72において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0176】
APSデータd73において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0177】
APSデータd74において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0178】
一方、APSデータd75は、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd76は、ノードF→Eで転送される。APSデータd77は、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd78は、ノードE→Fで転送される。
【0179】
APSデータd75において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が12と設定される。
【0180】
APSデータd76において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が12と設定される。
【0181】
APSデータd77において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が12と設定される。
【0182】
APSデータd78において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が12と設定される。
【0183】
図42は復旧制御を示すフローチャートである。図39の多重障害発生時におけるノードB、Cで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0184】
ステップS11の比較処理において、ノードB、Cでは、受信障害数と検出障害数を比較する。受信障害数は12、検出障害数は10である。したがって、ステップS13の処理へいき、ノードB、Cはパス切替中だったので該パス切替を解除し、予備側でパススルーする。
【0185】
図43は復旧制御を示すフローチャートである。図39の多重障害発生時におけるノードE、Fで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0186】
ステップS11の比較処理において、ノードE、Fでは、受信障害数と検出障害数を比較する。受信障害数は10、検出障害数は12である。したがって、ステップS14の処理へいき、パス切替を実行する。
【0187】
次に障害数のカウントについて説明する。図44は障害数のカウントを説明するための図である。リングネットワークにおいて、双方向の信号はペアで取り扱われる。そこでペアの信号のうち、どちらかの信号に障害があった場合は、そのペアを障害としてカウントする。
【0188】
例えば、ノードA、B間で片方向の障害があった場合、障害の下流側のノードBにおいて、その波長を流れるHO−ODUから障害が検出される。そして逆方向(ノードB→A)にODUk PM BDI (ODUk Path Monitoring Backward Defect Indication)信号を流す。HO−ODUで障害を直接検出した場合、またはBDIを検出した場合には、そのペアを障害として認識する。各障害数は、このペアの障害を元にして障害数をカウントする。
【0189】
以上説明したように、本技術によれば、一括してパス切替が行われるグループのうち、一部の波長に障害がある箇所が複数あるような場合でも、すべてのパスを切断するようなことがなく、多くのパスを救済することが可能になる。
【0190】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。
【符号の説明】
【0191】
1 伝送装置
1a 障害数認識部
1b 復旧制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害発生時に通信を復旧する伝送装置およびネットワークプロテクション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のネットワークの高速・大容量化に伴い、OTN(Optical Transport Network:ITU−T G.709)を用いて、波長多重伝送(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を行う光ネットワーク方式が実用化されている。
【0003】
OTNは、SONET/SDH(Synchronous Optical Network/Synchronous Digital Hierarchy)、Ethernet(登録商標)等のクライアント信号を収容し、階梯構造を持つフレームを生成して、WDMに適したデータ伝送を行う技術である。
【0004】
また、障害発生時に、高速に通信を復旧させるプロテクション方式が要求されている。波長多重されていないSONET/SDH等の信号を伝送する従来のリングネットワークにおいては、BLSR(Bidirectional Line Switched Ring:Telcordia GR−1230−CORE)やMS SPRING(Multiplex Section Shared Protection Ring:ITU−T G.841)等のプロテクション方式が行われていた。
【0005】
これは障害リンクの両端ノードでパスを折り返して、障害を回避させるプロテクション方式である。この方式をWDMリングネットワークに単純に適用すると、単一波長毎に構成された複数のプロテクションリングが独立して動作する形態となり、処理負荷が大きくなり、高速復旧が困難となる。
【0006】
このため、OTNのWDMリングネットワークに対しては、ITU−T G.808.1のグループプロテクション方式を適用することが考えられる。これは、複数の波長の信号光を1つのグループとし、グループ内の各波長の信号光に障害があった場合は、グループ内のすべての波長の信号光に関するパスをまとめて切り替えることにより、高速復旧を実現するものである。
【0007】
従来技術として、通信経路の途中ノードで制御情報の解析を省略して、障害回復処理の簡易化を図った波長多重リングネットワークの技術が提案されている。また、冗長切替時に、波長多重化単位で一括して光信号の経路切替を行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−156821号公報
【特許文献2】特開2002−77049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のようなグループプロテクション方式では、グループ内の一部の波長の信号光に障害があるような箇所が、リングネットワーク内に複数存在した場合、それぞれの障害箇所でパスの切替が発生することになる。すると、正常であった部分も含めて多くのパスが切断されてしまうおそれがあり、パスの復旧を高品質に行うことができなかった。
【0010】
このように、従来のグループプロテクション方式では、正常なパスも含めて多くのパスが切断されてしまうおそれがあるため、ネットワークの伝送品質および信頼性の低下を招くといった問題があった。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、伝送品質および信頼性の向上を図った伝送装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、伝送品質および信頼性の向上を図ったネットワークプロテクション方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、伝送装置が提供される。伝送装置は、波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、現用側の波長の信号光の障害数である現用障害数と、予備側の波長の信号光の障害数である予備障害数とを認識する障害数認識部と、互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとして、グループ単位でのパス切替を行い、多重障害の発生時には、前記現用障害数と前記予備障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択する復旧制御部とを有する。
【発明の効果】
【0013】
伝送品質および信頼性の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】伝送装置の構成例を示す図である。
【図2】リングネットワーク上の障害発生を示す図である。
【図3】障害回避を示す図である。
【図4】リングネットワーク上の障害発生を示す図である。
【図5】障害回避を示す図である。
【図6】パス切断を示す図である。
【図7】リングネットワーク上の障害発生を示す図である。
【図8】パス復旧を示す図である。
【図9】パス復旧を示す図である。
【図10】ノードの構成例を示す図である。
【図11】APSデータのフォーマットを示す図である。
【図12】APSデータの転送例を示す図である。
【図13】復旧制御を示すフローチャートである。
【図14】単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図15】APSデータの値を示す図である。
【図16】多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図17】APSデータの値を示す図である。
【図18】APSデータの値を示す図である。
【図19】復旧制御を示すフローチャートである。
【図20】復旧制御を示すフローチャートである。
【図21】単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図22】APSデータの値を示す図である。
【図23】多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図24】APSデータの値を示す図である。
【図25】APSデータの値を示す図である。
【図26】復旧制御を示すフローチャートである。
【図27】復旧制御を示すフローチャートである。
【図28】多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図29】APSデータの値を示す図である。
【図30】復旧制御を示すフローチャートである。
【図31】復旧制御を示すフローチャートである。
【図32】APSデータのフォーマットを示す図である。
【図33】復旧制御を示すフローチャートである。
【図34】単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図35】APSデータの値を示す図である。
【図36】多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図37】APSデータの値を示す図である。
【図38】復旧制御を示すフローチャートである。
【図39】多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【図40】APSデータの値を示す図である。
【図41】APSデータの値を示す図である。
【図42】復旧制御を示すフローチャートである。
【図43】復旧制御を示すフローチャートである。
【図44】障害数のカウントを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は伝送装置の構成例を示す図である。伝送装置1は、障害数認識部1aと復旧制御部1bを備える。伝送装置1は、WDM伝送が行われる、例えば、リング状のネットワーク上の各ノードに配置される。
【0016】
障害数認識部1aは、波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、現用側の波長の信号光の障害数である現用障害数と、予備側の波長の信号光の障害数である予備障害数とを認識する。
【0017】
復旧制御部1bは、互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとし、グループ単位でパス切替を行う。すなわち、グループ内の信号光に障害があってパス切替を行う際は、グループ内のすべての波長の信号光のパスをまとめて切り替える。なお、“パス切替”とは、該当ノードにおいて、運用パスを予備パスに切り替えて、運用パスの伝送方向とは逆方向の予備パスを通じて折り返し伝送することを意味する。
【0018】
また、多重障害(グループ内の一部の波長の信号光に障害がある箇所がネットワーク上に複数存在するような障害)が発生した場合には、現用障害数と予備障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択して実行する。
【0019】
次に通常のグループプロテクション方式による障害回避について説明する。図2はリングネットワーク上の障害発生を示す図である。WDM伝送が行われるリングネットワーク5は、ノード51〜54を含み、ノード51〜54は、光ファイバでリング状に互いに接続される。また、異なる波長λ1、λ2で1つのグループを構成しているとする。
【0020】
さらに、ノード51を発信元ノード、ノード54を宛先ノードとする。ノード51、54間には、波長λ1のパスP1が確立し、ノード51のパスP1に入力したデータは、パスP1を通じてノード54へ送信されて、ノード54からパスP1を通じて出力される。
【0021】
また、ノード51、54間には、波長λ2のパスP2が確立し、ノード51のパスP2に入力したデータは、パスP2を通じてノード54へ送信されて、ノード54からパスP2を通じて出力される。このような通信状態において、ノード51、54間のパスP1に障害が発生したとする。
【0022】
図3は障害回避を示す図である。なお、以降の説明では予備パスを点線で示す。ノード51、54間のパスP1に障害が発生すると、ノード51では、パスP1のパス切替を行って、逆回りの予備パスを通じて折り返し、ノード52→ノード53を経由した、波長λ1の迂回パスを確立する。この迂回パスは、ノード54内においてパスP1に接続される。
【0023】
また、グループプロテクション方式では、同じグループ内の波長の信号光に障害があった場合、グループ内のすべての波長の信号光に関するパスをまとめて切り替える。したがって、波長λ1と波長λ2は、ここでは同じグループであるから、波長λ2のパスP2に障害がなくても、パスP2も同様に切り替えることになる。
【0024】
すなわち、ノード51、54間のパスP1に障害が発生すると、ノード51では、パスP2のパス切替を行って、逆回りの予備パスを通じて折り返し、ノード52→ノード53を経由した、波長λ2の迂回パスを確立する。この迂回パスは、ノード54内においてパスP2に接続される。
【0025】
このように、図に示す単一障害が発生した場合は、ノード51のパスP1から入力したデータは、迂回パスを通じて、ノード54のパスP1から出力し、ノード51のパスP2から入力したデータは、迂回パスを通じて、ノード54のパスP2から出力して、通信が復旧する。
【0026】
図4はリングネットワーク上の障害発生を示す図である。リングネットワーク5aは、ネットワークトポロジと、波長λ1、λ2が同一グループであることについては、図2のリングネットワーク5と同様であるが、パスP1、P2の設定に加えて、さらにパスP3、P4が設定されている。パスP3、P4について説明する。
【0027】
ノード53を発信元ノード、ノード52を宛先ノードとする。ノード52、53間には、波長λ1のパスP3が確立し、ノード53のパスP3に入力したデータは、パスP3を通じてノード52へ送信されて、ノード52からパスP3を通じて出力される。
【0028】
また、ノード52、53間には、波長λ2のパスP4が確立し、ノード53のパスP4に入力したデータは、パスP4を通じてノード52へ送信されて、ノード52からパスP4を通じて出力される。ここで、ノード51、54間のパスP1に障害が発生した状態で、さらにノード52、53間のパスP4にも障害が発生したとする(多重障害の発生)。
【0029】
図5は障害回避を示す図である。ノード51、54間のパスP1に障害が発生したので、ノード51では、図3で示したように、波長λ1のパスP1と、波長λ1と同一グループの波長λ2のパスP2との両方に対して、パス切替による折り返し処理を行う。
【0030】
また、ノード52、53間のパスP4に障害が発生したので、ノード53においても、同様にして、波長λ2のパスP4と、波長λ2と同一グループの波長λ1のパスP3との両方に対して、パス切替による折り返し処理を行う。
【0031】
ここで、ノード51のパスP1に入力した波長λ1の信号光は、折り返されてノード52→ノード53経由でノード54宛に伝送されるはずであるが、ノード53でも折り返し処理が行われているので、ノード53まで伝送することができない。このため、途中のノード52の波長λ1のパスP3に接続されて、ノード52のパスP3から出力してしまう。また、ノード51のパスP2に入力した波長λ2の信号光は、ノード52の波長λ2のパスP4に接続することになる。
【0032】
さらに、ノード53のパスP4に入力した波長λ2の信号光は、折り返されてノード54→ノード51経由でノード52宛に伝送されるはずであるが、ノード51でも折り返し処理が行われているので、ノード51まで伝送することができない。このため、途中のノード54の波長λ2のパスP2に接続されて、ノード54のパスP2から出力してしまう。また、ノード53のパスP3に入力した波長λ1の信号光は、ノード54の波長λ1のパスP1に接続することになる。
【0033】
図6はパス切断を示す図である。図5に示したような多重障害が発生すると、ノード51で折り返されたパスP1は、ノード52でパスP3に接続し、ノード51で折り返されたパスP2は、ノード52でパスP4に接続することになって、パスの誤接続が発生してしまう。
【0034】
また、ノード53で折り返されたパスP3は、ノード54でパスP1に接続し、ノード53で折り返されたパスP4は、ノード54のパスP2に接続することになって、パスの誤接続が発生してしまう。
【0035】
このように、多重障害が発生したときに、グループプロテクション方式による復旧処理を行うと、パスの誤接続が発生する。このため、従来では、このようなパスの誤接続が生じるような場合は、AIS(Alarm Indication Signal)と呼ばれる警報信号が各ノード間に流れて、現在のパスを流れるデータを無効にする処理(スケルチ処理と呼ばれる)が働く機能を有している。しかし、スケルチ処理が起動すると、結果的には、すべてのパスが切断することになり、ネットワーク上の通信が不通となる。
【0036】
このように、従来では、多重障害が発生すると正常なパスも含めてすべてのパスが切断されてしまうおそれがあった。本技術はこのような点に鑑みてなされたものであり、多重障害が発生したような場合であっても、多くのパスを救済して通信復旧を高品質に行い、伝送品質および信頼性の向上を図った伝送装置およびネットワークプロテクション方法を提供するものである。
【0037】
次に伝送装置1における復旧制御の概念について説明する。図7はリングネットワーク上の障害発生を示す図である。リングネットワーク2は、ノードA〜Fを含み、ノードA〜Fは、光ファイバでリング状に互いに接続される。ノードA〜Fのそれぞれに伝送装置1が配置される。
【0038】
また、リングネットワーク2は、現用波長および予備波長の冗長構成を有しており、互いに異なる10波長でWDM伝送を行う。なお、現用10波長と予備10波長で1つのグループを構成しているとする。
【0039】
ノードBを発信元ノード、ノードCをノードBの宛先ノードとし、またノードEを発信元ノード、ノードFをノードEの宛先ノードとし、各波長に1本ずつパスが設定されているとする。また、ノードB、C間には、現用側の10波長中9波長に障害があり、予備側の10波長中1波長に障害があるとする。
【0040】
さらに、ノードE、F間には、現用側の10波長中2波長に障害があり、予備側の10波長中10波長に障害があるとする(図中、M波長中にN波長の障害がある状態を“N/M障害”と示す)。
【0041】
ここで、ノードB、C間と、ノードE、F間との両方に障害が発生して、多重障害が生じている。この場合、従来のように、ノードB、C側およびノードE、F側の双方でパス切替による折り返し伝送を行うと、上述のようなスケルチ処理が起動して、正常なパスも含めてネットワーク上の全パスが切断されるおそれがある。
【0042】
このため、ノードB、C側のパス切替およびノードE、F側のパス切替の両方を行うのではなく、できるだけ多くのパスが救済できるように、いずれか一方の側のパス切替のみを選択して、プロテクション処理を行う。以下、具体的に説明する。
【0043】
ノードB、C間の障害と、ノードE、F間の障害との2つが発生している。したがって、ノードB、C側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数と、ノードE、F側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数とについてそれぞれ算出し、算出結果を比較して、復旧パス数が多い方のパス切替を選択して実行する。
【0044】
図8はパス復旧を示す図である。ノードB、C側によるパス切替のみを行ったときのパス復旧を示している。ノードBでは、パス切替による折り返し処理を行い、ノードA→F→E→Dの迂回経由の予備パス(図の点線)を通じて、ノードCへ向けて10波長のパスを確立しようとする。
【0045】
しかし、この場合、ノードFとノードEとの間の予備側は、10波長中10波長すべてに障害が発生しているため、ノードCまでのパスを確立することができない。すなわち、ノードBからノードCへの10波長のパスの復旧数は0である。
【0046】
一方、ノードEでは、現用側の10波長中2波長に障害があるが、パス切替を行わないので、ノードFには8波長の現用パスが確立する。すなわち、ノードEからノードFへの10波長のパスのうち復旧数は8である。したがって、図8の場合の全体のパス復旧の合計数は8(=0+8)である。
【0047】
図9はパス復旧を示す図である。ノードE、F側によるパス切替のみを行ったときのパス復旧を示している。ノードEでは、折り返し処理によるパス切替を行い、ノードD→C→B→Aの迂回経由の予備パス(図の点線)を通じて、ノードFへ向けて10波長のパスを確立しようとする。
【0048】
しかし、この場合、ノードB、C間の予備側は、10波長中1波長に障害が発生しているため、ノードFまでは9波長のパスを確立することができる。すなわち、ノードEからノードFへの10波長のパスの復旧数は9である。
【0049】
一方、ノードBでは、現用側の10波長中9波長に障害があるが、パス切替を行わないので、ノードCには1波長の現用パスが確立する。すなわち、ノードBからノードCへの10波長のパスのうち復旧数は1である。したがって、図9の場合の全体のパス復旧の合計数は10(=9+1)である。
【0050】
上記の図8、図9によるパス数の結果から、図9のノードE、F側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数の方が、図8のノードB、C側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数に比べて多い。
【0051】
したがって、ノードB、C間の障害と、ノードE、F間の障害との多重障害が発生した場合には、ノードE、F側でのみパス切替による折り返し伝送を実行することにより、合計10パスを復旧させることができ、最も多くのパスを復旧させることが可能になる。
【0052】
上記の内容をまとめると、多重障害の発生時、従来のグループプロテクション方式では、ノードB、C側およびノードE、F側の両方でパス切替を行ってしまうため、スケルチ処理が起動して、全パスが切断されてしまう。
【0053】
これに対し、本技術では、ノードB、C側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数と、ノードE、F側によるパス切替のみを行って復旧できる全体のパス数とにもとづいて、復旧パス数が多い方のパス切替を選択・実行する構成とした。
【0054】
これにより、グループプロテクション方式が適用されるネットワークにおいて、多重障害が発生した場合であっても、すべてのパスが切断されてしまうことがなく、多くのパスを救済することができるので、伝送品質および信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0055】
次にノードの構成例について説明する。図10はノードの構成例を示す図である。ノード10は、分波部11−1、11−2、合波部12−1、12−2、受信終端部13a−1〜13a−n、13b−1〜13b−n、送信終端部14a−1〜14a−n、14b−1〜14b−n、スイッチ部15および切替制御部16を備える。なお、図1の障害数認識部1aおよび復旧制御部1bの機能は、切替制御部16に含まれる。
【0056】
分波部11−1、11−2は、波長多重された入力信号を各波長に分波する。合波部12−1、12−2は、各波長を多重化して出力する。受信終端部13a−1〜13a−n、13b−1〜13b−nは、それぞれの波長の受信信号の終端処理として、各波長の障害を検出したり、復旧制御を行うためのAPS(Automatic Protection Switching)データ(図11で後述)を抽出したりする。
【0057】
送信終端部14a−1〜14a−n、14b−1〜14b−nは、APSデータを含む信号を送信する。スイッチ部15は、入力信号と出力信号とのスイッチング処理を行って、入力信号と出力信号を繋いでパスを構成し、または障害時にはパス切替による折り返し伝送を行って復旧処理を行う。
【0058】
切替制御部16は、受信終端部13a−1〜13a−n、13b−1〜13b−nから、障害情報やAPSデータを収集して障害数を認識する。また、適切なAPSデータを送信終端部14a−1〜14a−n、14b−1〜14b−nに送信して、他のノードと協調してパスの切替制御を行って障害を復旧する。さらに、自ノードでパス切替が必要な場合には、スイッチ部15に対してパス切替を指示する。
【0059】
次にAPSデータのフォーマットについて説明する。図11はAPSデータのフォーマットを示す図である。APSデータは、それぞれ1バイトのAPS1〜APS4の計4バイトで構成されるメッセージである。
【0060】
1バイト目のAPS1において、1〜4ビットのフィールドには、Bridge Request Codeが設定され、5〜8ビットのフィールドには、宛先ノードのID(Dest ID)が設定される。
【0061】
2バイト目のAPS2において、1〜4ビットのフィールドには、発信元ノードのID(Src ID)が設定され、5ビットのフィールドには、LongまたはShortのいずれかを示す値(L&S)が設定される(ホップ数が多い長い経路をL、ホップ数が少ない短い経路をS)。6〜8ビットのフィールドには、ステータスが設定される。
【0062】
3バイト目のAPS3において、1〜8ビットのフィールドには、現用障害数が設定される。現用障害数は、発信元ノードと宛先ノード間において、グループ内で現用として割り当てられている波長のうち、いくつ障害があるかを示す。
【0063】
4バイト目のAPS4において、1〜8ビットのフィールドには、予備障害数が設定される。予備障害数は、発信元ノードと宛先ノード間において、グループ内で予備として割り当てられている波長のうち、いくつ障害があるかを示す。
【0064】
なお、APSデータは、例えば、予備波長のうち、あらかじめ決められた任意の1波長に流れているHO−ODU(Higher Order−Optical channel Data Unit)のオーバヘッドを使って伝送される。
【0065】
次にAPSデータの転送例について説明する。図12はAPSデータの転送例を示す図である。図7で示したリングネットワーク2で転送されるAPSデータについて示している。
【0066】
なお、図中の例えば、「B−C,9,1」とは、APSデータの情報として、発信元ノード−宛先ノード、現用障害数、予備障害数を表している。したがって、この場合、Bは発信元ノード、Cは宛先ノード、9は現用障害数、1は予備障害数を表す。その他の表記も同様な見方である。
【0067】
ここで、ノードB、Cの間には、現用側の10波長中9波長に障害があり、予備側の10波長中1波長に障害がある。したがって、ノードBは、この障害を検出すると、ノードA→F→E→Dを経由する長い経路で、ノードC宛にAPSデータ(B−C,9,1)を送信する。このAPSデータ中には、現用障害数として9、予備障害数として1が設定される。
【0068】
また、このデータを受信したノードAは、データ内容を変更せずに、次のノードFへ転送する。他に障害が無い場合は、最終的にノードCまで転送される。ノードCからも同様にノードB宛に、ノードD→E→F→Aを経由する長い経路で、APSデータ(C−B,9,1)が転送される。
【0069】
一方、ノードE、F間に、現用側の10波長中2波長に障害があり、予備側の10波長中10波長に障害がある。したがって、ノードEは、この障害を検出すると、現用障害数2、予備障害数10としてAPSデータ中に設定し(E−F,2,10)、ノードD−C−B−Aを経由した長い経路でノードF宛に送信する。ノードFも同様にノードE宛に、ノードA−B−C−Dを経由した長い経路で、APSデータ(F−E,2,10)を送信する。
【0070】
次に復旧制御についてフローチャートを用いて説明する。図13は復旧制御を示すフローチャートである。図中の「受信現用障害数」は、他ノードから送信されて受信したAPSデータに含まれる現用障害数を示す。「受信予備障害数」は、他ノードから送信されて受信したAPSデータに含まれる予備障害数を示す。
【0071】
また、「検出現用障害数」は、自ノードが検出したグループ内の現用波長中の障害波長数を示す。「検出予備障害数」は、自ノードが検出したグループ内の予備波長中の障害波長数を示す。
【0072】
〔S1〕切替制御部16は、受信現用障害数と受信予備障害数の和と、検出現用障害数と検出予備障害数の和と、受信現用障害数と検出現用障害数の和とを算出して、算出結果を比較する。
【0073】
〔S2〕切替制御部16は、受信現用障害数と検出現用障害数の和が、他の和の結果と同数の場合を含めて最小の場合は、自ノードが現在パス切替中またはパススルー中であれば、該パス切替または該パススルーを解除する。なお、“パススルー”とは、該当ノードにおいて、予備側の波長を通じて流れてきたデータを、該予備側の波長を通じて隣接ノードへスルーに伝送することを意味する。
【0074】
〔S3〕切替制御部16は、受信現用障害数と受信予備障害数の和と、検出現用障害数と検出予備障害数の和とが同数で共に最小であった場合は、自ノードが現在パス切替中またはパススルー中であれば、該パス切替または該パススルーの処理を維持する。
【0075】
〔S4〕切替制御部16は、検出現用障害数と検出予備障害数の和が、単独で最小であった場合は、現在パス切替中ならばそれを解除し、予備側でパススルーする。
〔S5〕切替制御部16は、受信現用障害数と受信予備障害数の和が、単独で最小であった場合は、自ノードでのパス切替を行う。
【0076】
上記のように、リングネットワーク上の各ノードが、ステップS1による障害数を算出して比較し、比較結果にもとづいて、ステップS2〜S5に示す復旧処理を適切に選択して実行する構成とした。
【0077】
これにより、グループプロテクション方式が適用されたネットワーク上で、多重障害発生した場合であっても、ネットワーク全体で最も多くのパスを復旧させることができ、伝送品質および信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0078】
次に具体的な例を挙げて詳しく説明する。まず、図13のフローチャートにおいて、ステップS4の復旧処理(パス切替中であれば解除し、予備側でパススルー)と、ステップS5の復旧処理(パス切替)が選択されるときのプロテクション動作例について図14〜図20を用いて説明する。
【0079】
図14は単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。なお、以降では、ノードA〜Fを含むリングネットワーク2を例にして、現用10波長と予備10波長で1つのグループを構成しており、ノードBを発信元ノード、ノードCをノードBの宛先ノードとし、またノードEを発信元ノード、ノードFをノードEの宛先ノードとし、各波長に1本ずつパスが設定されているとして説明する。
【0080】
ノードB、C間には、現用側の10波長中9波長に障害があり、予備側の10波長中1波長に障害があり、ノードB、Cにおいてパス切替が行われている。ノードBは、この障害を検出して、ノードA→F→E→Dを経由する長い経路でノードC宛に、APSデータ(B−C,9,1)を送信する。ノードCからもノードB宛に、ノードD→E→F→Aを経由する長い経路で、APSデータ(C−B,9,1)を送信する。
【0081】
図15はAPSデータの値を示す図である。なお、ノードA〜Fの各IDをノードA=0001(1)、ノードB=0010(2)、ノードC=0011(3)、ノードD=0100(4)、ノードE=0101(5)、ノードF=0110(6)とする(かっこ内の数値は十進数)。
【0082】
APSデータd1は、ノードB→A、ノードA→F、ノードF→E、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd2は、ノードB→Cで転送される。APSデータd3は、ノードC→D、ノードD→E、ノードE→F、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd4は、ノードC→Bで転送される。
【0083】
APSデータd1において、Bridge Request Codeには、障害に適応した処理を要求するSF-R(Signal Failure−Ring)のコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG:長い経路経由)、ステータスには、パス切替の状態を示すbr&sw(bridge&switch)のコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0084】
APSデータd2において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT:短い経路経由)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0085】
APSデータd3において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0086】
APSデータd4において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0087】
図16は多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。図14に示す状態からさらに、ノードE、F間で、現用側の10波長中2波長に障害が発生し、予備側の10波長中10波長に障害が発生したとする。
【0088】
ノードEは、この障害を検出すると、現用障害数2、予備障害数10をAPSデータ中に設定し(E−F,2,10)、ノードD−C−B−Aを経由した長い経路でノードF宛に送信する。また、ノードFからもノードE宛に、ノードA→B→C→Dを経由した長い経路で、APSデータ(F−E,2,10)を送信する。
【0089】
図16に示すような多重障害が発生したときの復旧処理としては、ノードB、Cにおいては、最初に発生したノードB、C間の障害時に実行していたパス切替を解除して、ノードB、C間をパススルーにする。そして、ノードE、Fにおいて、パス切替を実行する(図19、図20で後述)。
【0090】
図17、図18はAPSデータの値を示す図である。APSデータd11は、ノードB→A、ノードA→Fで転送される。APSデータd12は、ノードB→Cで転送される。APSデータd13は、ノードC→D、ノードD→Eで転送される。APSデータd14は、ノードC→Bで転送される。
【0091】
APSデータd11において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG)、ステータスには、パススルーの状態に該当するidleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0092】
APSデータd12において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0093】
APSデータd13において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0094】
APSデータd14において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が1と設定される。
【0095】
一方、APSデータd15は、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd16は、ノードF→Eで転送される。APSデータd17は、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd18は、ノードE→Fで転送される。
【0096】
APSデータd15において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0097】
APSデータd16において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0098】
APSデータd17において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0099】
APSデータd18において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0100】
図19は復旧制御を示すフローチャートである。図16の多重障害発生時におけるノードB、Cで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0101】
ステップS1の比較処理において、ノードB、Cでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は2+10=12、検出現用障害数と検出予備障害数の和は9+1=10、受信現用障害数と検出現用障害数の和は2+9=11である。このとき、検出現用障害数と検出予備障害数の和が単独で最小となる。
【0102】
したがって、ステップS4の処理へいき、自ノードの予備側でパススルーする(ノードBは予備側でパススルーし、ノードCも予備側でパススルーする)。その際、ノードB、Cはパス切替中だったので、そのパス切替を解除する。
【0103】
図20は復旧制御を示すフローチャートである。図16の多重障害発生時におけるノードE、Fで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0104】
ステップS1の比較処理において、ノードE、Fでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は9+1=10、検出現用障害数と検出予備障害数の和は2+10=12、受信現用障害数と検出現用障害数の和は9+2=11である。このとき、受信現用障害数と受信予備障害数の和が単独で最小となる。したがって、ステップS5の処理へいき、自ノードのパス切替処理を行う(ノードEとノードFはパス切替を行う)。
【0105】
次に図13のフローチャートにおいて、ステップS2の復旧処理(パス切替中またはパススルーであれば解除)が選択されるときのプロテクション動作例について図21〜図27を用いて説明する。図21は単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。
【0106】
リングネットワーク2において、ノードB、C間には、現用側の10波長中9波長に障害があり、予備側の10波長中4波長に障害があり、ノードB、Cでパス切替が行われている。
【0107】
また、ノードBは、この障害を検出して、ノードA→F→E→Dを経由する長い経路でノードC宛に、APSデータ(B−C,9,4)を送信する。ノードCからもノードB宛に、ノードD→E→F→Aを経由する長い経路で、APSデータ(C−B,9,4)を送信する。
【0108】
図22はAPSデータの値を示す図である。APSデータd21は、ノードB→A、ノードA→F、ノードF→E、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd22は、ノードB→Cで転送される。APSデータd23は、ノードC→D、ノードD→E、ノードE→F、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd24は、ノードC→Bで転送される。
【0109】
APSデータd21において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0110】
APSデータd22において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0111】
APSデータd23において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0112】
APSデータd24において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0113】
図23は多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。図21に示す状態からさらに、ノードE、F間で、現用側の10波長中2波長に障害が発生し、予備側の10波長中10波長に障害が発生したとする。
【0114】
ノードFは、この障害を検出して、ノードA→B→C→Dを経由する長い経路でノードE宛に、APSデータ(F−E,2,10)を送信する。ノードEからもノードF宛に、ノードD→C→B→Aを経由する長い経路で、APSデータ(E−F,2,10)が転送される。
【0115】
図23に示すような多重障害が発生したときの復旧処理としては、すべてのノードA〜Fにおいて、パス切替やパススルーを解除する(図26、図27で後述)。
図24、図25はAPSデータの値を示す図である。APSデータd31は、ノードB→A、ノードA→Fで転送される。APSデータd32は、ノードB→Cで転送される。APSデータd33は、ノードC→D、ノードD→Eで転送される。APSデータd34は、ノードC→Bで転送される。
【0116】
APSデータd31において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0117】
APSデータd32において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0118】
APSデータd33において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0119】
APSデータd34において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が9、予備障害数が4と設定される。
【0120】
一方、APSデータd35は、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd36は、ノードF→Eで転送される。APSデータd37は、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd38は、ノードE→Fで転送される。
【0121】
APSデータd35において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0122】
APSデータd36において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0123】
APSデータd37において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0124】
APSデータd38において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が10と設定される。
【0125】
図26は復旧制御を示すフローチャートである。図23の多重障害発生時におけるノードB、Cで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0126】
ステップS1の比較処理において、ノードB、Cでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は2+10=12、検出現用障害数と検出予備障害数の和は9+4=13、受信現用障害数と検出現用障害数の和は2+9=11である。このとき、受信現用障害数と検出現用障害数の和が最小となる。
【0127】
したがって、ステップS2の処理へいき、ノードB、Cはパス切替中だったので該パス切替を解除する。
図27は復旧制御を示すフローチャートである。図23の多重障害発生時におけるノードE、Fで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0128】
ステップS1の比較処理において、ノードE、Fでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は9+4=14、検出現用障害数と検出予備障害数の和は2+10=12、受信現用障害数と検出現用障害数の和は9+2=11である。このとき、受信現用障害数と検出現用障害数の和が最小となる。
【0129】
したがって、ステップS2の処理へいき、ノードE、Fはパススルー中だったので該パススルーを解除する。
次に図13のフローチャートにおいて、ステップS3の復旧処理(現状維持)が選択されるときのプロテクション動作例について図28〜図31を用いて説明する。なお、単一障害の状態は図14と同様とする。
【0130】
図28は多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。図14に示す状態からさらに、ノードEとノードFとの間で、現用側の10波長中2波長に障害が発生し、予備側の10波長中8波長に障害が発生したとする。
【0131】
ノードFは、この障害を検出して、ノードA→B→C→Dを経由する長い経路でノードE宛に、APSデータ(F−E,2,8)を送信する。ノードEからもノードF宛に、ノードD→C→B→Aを経由する長い経路で、APSデータ(E−F,2,8)を送信する。
【0132】
図28に示すような多重障害が発生したときの復旧処理としては、すべてのノードA〜Fにおいて、現状を維持する(図30、31で後述)。
図29はAPSデータの値を示す図である。APSデータd41は、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd42は、ノードF→Eで転送される。APSデータd43は、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd44は、ノードE→Fで転送される。
【0133】
なお、ノードB→A、ノードA→Fで転送されるAPSデータは、図15で示したAPSデータd1と同じである。ノードB→Cで転送されるAPSデータは、図15で示したAPSデータd2と同じである。
【0134】
また、ノードC→D、ノードD→Eで転送されるAPSデータは、図15で示したAPSデータd3と同じである。ノードC→Bで転送されるAPSデータは、図15で示したAPSデータd4と同じである。
【0135】
APSデータd41において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が8と設定される。
【0136】
APSデータd42において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が8と設定される。
【0137】
APSデータd43において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が8と設定される。
【0138】
APSデータd44において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、現用障害数が2、予備障害数が8と設定される。
【0139】
図30は復旧制御を示すフローチャートである。図28の多重障害発生時におけるノードB、Cで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0140】
ステップS1の比較処理において、ノードB、Cでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は2+8=10、検出現用障害数と検出予備障害数の和は9+1=10、受信現用障害数と検出現用障害数の和は2+9=11である。このとき、受信現用障害数と受信予備障害数の和と、検出現用障害数と検出予備障害数の和とが最小となる。
【0141】
したがって、ステップS3の処理へいき、現状維持となる。すなわち、ノードB、Cはパス切替の実行中だったので該パス切替を継続する。
図31は復旧制御を示すフローチャートである。図28の多重障害発生時におけるノードE、Fで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0142】
ステップS1の比較処理において、ノードE、Fでは、受信現用障害数と受信予備障害数の和は9+1=10、検出現用障害数と検出予備障害数の和は2+8=10、受信現用障害数と検出現用障害数の和は9+2=11である。このとき、受信現用障害数と受信予備障害数の和と、検出現用障害数と検出予備障害数の和とが最小となる。したがって、ステップS3の処理へいき、現状維持となる。すなわち、ノードE、Fはパススルー中だったので、パススルーを継続する。
【0143】
次に変形例について説明する。変形例は、上記に示した障害数比較処理を簡略化したものであり、現用と予備の区別をせずに、受信障害数と検出障害数との比較結果に応じて、パス復旧数が最も多くなる復旧処理を決定するものである。
【0144】
図32はAPSデータのフォーマットを示す図である。APSデータは、それぞれ1バイトのAPS1〜APS4の計4バイトで構成され、図11と異なる箇所は、APS3、4である。
【0145】
変形例で使用するAPSデータにおいて、3バイト目のAPS3の1〜8ビットのフィールドは、障害数が設定され、発信元ノードと宛先ノード間において、そのグループで現用として割当てられている波長中の障害数と、予備として割当てられている波長中の障害数の和を示す。4バイト目のAPS4の1〜8ビットのフィールドは、未使用領域である。
【0146】
ここで、障害を検出したノードは、現用の障害数と予備の障害数の和をAPSデータの障害数のフィールドに設定し、迂回経路で隣接ノードに転送する。
このAPSデータを受信したノードは、自ノードで検出している現用の障害数と予備の障害数の和と、受信したAPSデータ中の障害数とを比較し、比較結果に応じて、自ノードで実行する復旧処理を決定する。
【0147】
図33は復旧制御を示すフローチャートである。図中、「受信障害数」とは、他ノードから送信されて受信したAPSデータに含まれる障害数を示し、「検出障害数」とは、自ノードで検出した現用の障害数と予備の障害数の和を示す。
【0148】
〔S11〕切替制御部16は、受信障害数と検出障害数を比較する。
〔S12〕切替制御部16は、受信障害数と検出障害数が等しい場合には、自ノードがパス切替中またはパススルー中であればそれを維持する。
【0149】
〔S13〕受信障害数より検出障害数の方が小さい場合には、現在パス切替中ならば該パス切替を解除する。そして予備側でパススルーする。
〔S14〕検出障害数より受信障害数の方が小さい場合には、自ノードにおいてパス切替を行う。
【0150】
上記のように、リングネットワーク上の各ノードが、ステップS11による障害数を算出して比較し、比較結果にもとづいて、ステップS12〜S14に示す復旧処理を適切に選択する構成とした。これにより、多重障害発生時に、ネットワーク全体で最も多くのパスを復旧させることができ、伝送品質および信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0151】
次に具体的な例を挙げて詳しく説明する。まず、図33のフローチャートにおいて、ステップS12の復旧処理(現状維持)が選択されるときのプロテクションの動作例について図34〜図38を用いて説明する。
【0152】
図34は単一障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。ノードB、C間には、現用側と予備側とを合わせて20波長中10波長に障害があり、ノードB、Cでパス切替が行われている。
【0153】
なお、図中の例えば、「B−C,10」とは、APSデータの情報として、発信元ノード−宛先ノード、障害数を表している。したがって、この場合、Bは発信元ノード、Cは宛先ノード、10は障害数を表す。その他の表記も同様な見方である。
【0154】
ノードBは、この障害を検出して、ノードA→F→E→Dを経由する長い経路でノードC宛に、APSデータ(B−C,10)を送信する。ノードCからもノードB宛に、ノードD→E→F→Aを経由する長い経路で、APSデータ(C−B,10)を送信する。
【0155】
図35はAPSデータの値を示す図である。APSデータd51は、ノードB→A、ノードA→F、ノードF→E、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd52は、ノードB→Cで転送される。APSデータd53は、ノードC→D、ノードD→E、ノードE→F、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd54は、ノードC→Bで転送される。
【0156】
APSデータd51において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0157】
APSデータd52において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0158】
APSデータd53において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0159】
APSデータd54において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0160】
図36は多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。図34に示す状態からさらに、ノードE、F間で、20波長中10波長に障害が発生したとする。
ノードFは、この障害を検出して、ノードA→B→C→Dを経由する長い経路でノードE宛に、APSデータ(F−E,10)を送信する。ノードEからもノードF宛に、ノードD→C→B→Aを経由する長い経路で、APSデータ(E−F,10)を送信する。
【0161】
図36に示すような多重障害が発生したときの復旧処理としては、すべてのノードA〜Fにおいて、現状を維持する(図38で後述)。
図37はAPSデータの値を示す図である。APSデータd61は、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd62は、ノードF→Eで転送される。APSデータd63は、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd64は、ノードE→Fで転送される。
【0162】
なお、ノードB→A、ノードA→Fで転送されるAPSデータは、図35で示したAPSデータd51と同じである。ノードB→Cで転送されるAPSデータは、図35で示したAPSデータd52と同じである。
【0163】
また、ノードC→D、ノードD→Eで転送されるAPSデータは、図35で示したAPSデータd53と同じである。ノードC→Bで転送されるAPSデータは、図35で示したAPSデータd54と同じである。
【0164】
APSデータd61において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0165】
APSデータd62において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0166】
APSデータd63において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0167】
APSデータd64において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0168】
図38は復旧制御を示すフローチャートである。図36の多重障害発生時におけるノードB、CおよびノードE、Fで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0169】
ステップS11の比較処理において、ノードB、CおよびノードE、Fでは、受信障害数と検出障害数を比較する。ノードB、CおよびノードE、Fにおいて、受信障害数と検出障害数は共に10である。したがって、ステップS12の処理へいき、現状維持となる。すなわち、パス切替の実行中であれば該パス切替を継続し、パススルーの実行中であれば該パススルーを継続する。
【0170】
次に図33のフローチャートにおいて、ステップS13、S14の復旧処理が選択されるときのプロテクション動作例について図39〜図43を用いて説明する。なお、単一障害の状態は図34と同様とする。
【0171】
図39は多重障害発生時のAPSデータの転送状態を示す図である。図34に示す状態からさらに、ノードE、F間で、20波長中12波長に障害が発生したとする。ノードFは、この障害を検出して、ノードA→B→C→Dを経由する長い経路でノードE宛に、APSデータ(F−E,12)を送信する。ノードEからもノードF宛に、ノードD→C→B→Aを経由する長い経路で、APSデータ(E−F,12)を送信する。
【0172】
図39に示すような多重障害が発生したときの復旧処理としては、ノードB、Cにおいて、先に実行していたパス切替を解除してパススルーとし、ノードE、Fにおいてパス切替を行う(図42、43で後述)。
【0173】
図40、図41はAPSデータの値を示す図である。APSデータd71は、ノードB→A、ノードA→Fで転送される。APSデータd72は、ノードB→Cで転送される。APSデータd73は、ノードC→D、ノードD→Eで転送される。APSデータd74は、ノードC→Bで転送される。
【0174】
APSデータd71において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0175】
APSデータd72において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードC、発信元ノードにノードB、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0176】
APSデータd73において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに1(LONG)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0177】
APSデータd74において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードB、発信元ノードにノードC、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、idleのコード(000)が設定される。また、障害数が10と設定される。
【0178】
一方、APSデータd75は、ノードF→A、ノードA→Bで転送される。APSデータd76は、ノードF→Eで転送される。APSデータd77は、ノードE→D、ノードD→Cで転送される。APSデータd78は、ノードE→Fで転送される。
【0179】
APSデータd75において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が12と設定される。
【0180】
APSデータd76において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードE、発信元ノードにノードF、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が12と設定される。
【0181】
APSデータd77において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに1(LONG)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が12と設定される。
【0182】
APSデータd78において、Bridge Request Codeには、SF-Rのコード(1011)、宛先ノードにノードF、発信元ノードにノードE、L&Sに0(SHORT)、ステータスには、br&swのコード(010)が設定される。また、障害数が12と設定される。
【0183】
図42は復旧制御を示すフローチャートである。図39の多重障害発生時におけるノードB、Cで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0184】
ステップS11の比較処理において、ノードB、Cでは、受信障害数と検出障害数を比較する。受信障害数は12、検出障害数は10である。したがって、ステップS13の処理へいき、ノードB、Cはパス切替中だったので該パス切替を解除し、予備側でパススルーする。
【0185】
図43は復旧制御を示すフローチャートである。図39の多重障害発生時におけるノードE、Fで行う制御について、比較すべき障害数の具体的な数値をフローチャート中に示し、該当処理を太枠線で示している。
【0186】
ステップS11の比較処理において、ノードE、Fでは、受信障害数と検出障害数を比較する。受信障害数は10、検出障害数は12である。したがって、ステップS14の処理へいき、パス切替を実行する。
【0187】
次に障害数のカウントについて説明する。図44は障害数のカウントを説明するための図である。リングネットワークにおいて、双方向の信号はペアで取り扱われる。そこでペアの信号のうち、どちらかの信号に障害があった場合は、そのペアを障害としてカウントする。
【0188】
例えば、ノードA、B間で片方向の障害があった場合、障害の下流側のノードBにおいて、その波長を流れるHO−ODUから障害が検出される。そして逆方向(ノードB→A)にODUk PM BDI (ODUk Path Monitoring Backward Defect Indication)信号を流す。HO−ODUで障害を直接検出した場合、またはBDIを検出した場合には、そのペアを障害として認識する。各障害数は、このペアの障害を元にして障害数をカウントする。
【0189】
以上説明したように、本技術によれば、一括してパス切替が行われるグループのうち、一部の波長に障害がある箇所が複数あるような場合でも、すべてのパスを切断するようなことがなく、多くのパスを救済することが可能になる。
【0190】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。
【符号の説明】
【0191】
1 伝送装置
1a 障害数認識部
1b 復旧制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、現用側の波長の信号光の障害数である現用障害数と、予備側の波長の信号光の障害数である予備障害数とを認識する障害数認識部と、
互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとして、グループ単位でのパス切替を行い、多重障害の発生時には、前記現用障害数と前記予備障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択する復旧制御部と、
を有することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
前記障害数認識部は、
他装置から送信されて受信した前記現用障害数である受信現用障害数と、他装置から送信されて受信した前記予備障害数である受信予備障害数と、自装置で検出した前記現用障害数である検出現用障害数と、自装置で検出した前記予備障害数である検出予備障害数とに対し、
前記受信現用障害数と前記受信予備障害数の和である第1の和と、前記検出現用障害数と前記検出予備障害数の和である第2の和と、前記受信現用障害数と前記検出現用障害数の和である第3の和とを比較し、
前記復旧制御部は、
前記第3の和が最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替の実行中であれば前記パス切替を解除し、またはパススルーの実行中であれば前記パススルーを解除し、
前記第1の和と前記第2の和とが同一値で最小の場合は、前記復旧処理として、現在実行されている前記復旧処理を維持し、
前記第2の和が単独で最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替の実行中であれば前記パス切替を解除して、前記パススルーを実行し、
前記第1の和が単独で最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替を実行する、
ことを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項3】
波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、各波長の信号光の障害数を認識する障害数認識部と、
互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとして、グループ単位でのパス切替を行い、多重障害の発生時には、前記障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択する復旧制御部と、
を有することを特徴とする伝送装置。
【請求項4】
前記障害数認識部は、
他装置から送信されて受信した前記障害数である受信障害数と、自装置で検出した前記障害数である検出障害数とに対し、
前記受信障害数と前記検出障害数とを比較し、
前記復旧制御部は、
前記受信障害数と前記検出障害数が等しい場合は、前記復旧処理として、現在実行されている前記復旧処理を維持し、
前記受信障害数よりも前記検出障害数の方が小さい場合は、前記復旧処理として、前記パス切替の実行中であれば前記パス切替を解除して、パススルーを実行し、
前記検出障害数よりも前記受信障害数の方が小さい場合は、前記復旧処理として、前記パス切替を実行する、
ことを特徴とする請求項3記載の伝送装置。
【請求項5】
ネットワークプロテクション方法において、
波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、現用側の波長の信号光の障害数である現用障害数と、予備側の波長の信号光の障害数である予備障害数とを認識し、
互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとして、グループ単位でのパス切替を行い、
多重障害の発生時には、前記現用障害数と前記予備障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択する、
ことを特徴とするネットワークプロテクション方法。
【請求項6】
他装置から送信されて受信した前記現用障害数である受信現用障害数と、他装置から送信されて受信した前記予備障害数である受信予備障害数と、自装置で検出した前記現用障害数である検出現用障害数と、自装置で検出した前記予備障害数である検出予備障害数とに対し、
前記受信現用障害数と前記受信予備障害数の和である第1の和と、前記検出現用障害数と前記検出予備障害数の和である第2の和と、前記受信現用障害数と前記検出現用障害数の和である第3の和とを比較し、
前記第3の和が最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替の実行中であれば前記パス切替を解除し、またはパススルーの実行中であれば前記パススルーを解除し、
前記第1の和と前記第2の和とが同一値で最小の場合は、前記復旧処理として、現在実行されている前記復旧処理を維持し、
前記第2の和が単独で最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替の実行中であれば前記パス切替を解除して、前記パススルーを実行し、
前記第1の和が単独で最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替を実行する、
ことを特徴とする請求項5記載のネットワークプロテクション方法。
【請求項1】
波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、現用側の波長の信号光の障害数である現用障害数と、予備側の波長の信号光の障害数である予備障害数とを認識する障害数認識部と、
互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとして、グループ単位でのパス切替を行い、多重障害の発生時には、前記現用障害数と前記予備障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択する復旧制御部と、
を有することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
前記障害数認識部は、
他装置から送信されて受信した前記現用障害数である受信現用障害数と、他装置から送信されて受信した前記予備障害数である受信予備障害数と、自装置で検出した前記現用障害数である検出現用障害数と、自装置で検出した前記予備障害数である検出予備障害数とに対し、
前記受信現用障害数と前記受信予備障害数の和である第1の和と、前記検出現用障害数と前記検出予備障害数の和である第2の和と、前記受信現用障害数と前記検出現用障害数の和である第3の和とを比較し、
前記復旧制御部は、
前記第3の和が最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替の実行中であれば前記パス切替を解除し、またはパススルーの実行中であれば前記パススルーを解除し、
前記第1の和と前記第2の和とが同一値で最小の場合は、前記復旧処理として、現在実行されている前記復旧処理を維持し、
前記第2の和が単独で最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替の実行中であれば前記パス切替を解除して、前記パススルーを実行し、
前記第1の和が単独で最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替を実行する、
ことを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項3】
波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、各波長の信号光の障害数を認識する障害数認識部と、
互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとして、グループ単位でのパス切替を行い、多重障害の発生時には、前記障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択する復旧制御部と、
を有することを特徴とする伝送装置。
【請求項4】
前記障害数認識部は、
他装置から送信されて受信した前記障害数である受信障害数と、自装置で検出した前記障害数である検出障害数とに対し、
前記受信障害数と前記検出障害数とを比較し、
前記復旧制御部は、
前記受信障害数と前記検出障害数が等しい場合は、前記復旧処理として、現在実行されている前記復旧処理を維持し、
前記受信障害数よりも前記検出障害数の方が小さい場合は、前記復旧処理として、前記パス切替の実行中であれば前記パス切替を解除して、パススルーを実行し、
前記検出障害数よりも前記受信障害数の方が小さい場合は、前記復旧処理として、前記パス切替を実行する、
ことを特徴とする請求項3記載の伝送装置。
【請求項5】
ネットワークプロテクション方法において、
波長多重信号光が伝送されるネットワーク上で、現用側の波長の信号光の障害数である現用障害数と、予備側の波長の信号光の障害数である予備障害数とを認識し、
互いに異なる複数の波長の信号光を1つのグループとして、グループ単位でのパス切替を行い、
多重障害の発生時には、前記現用障害数と前記予備障害数にもとづいて、復旧パス数が最も多くなる復旧処理を選択する、
ことを特徴とするネットワークプロテクション方法。
【請求項6】
他装置から送信されて受信した前記現用障害数である受信現用障害数と、他装置から送信されて受信した前記予備障害数である受信予備障害数と、自装置で検出した前記現用障害数である検出現用障害数と、自装置で検出した前記予備障害数である検出予備障害数とに対し、
前記受信現用障害数と前記受信予備障害数の和である第1の和と、前記検出現用障害数と前記検出予備障害数の和である第2の和と、前記受信現用障害数と前記検出現用障害数の和である第3の和とを比較し、
前記第3の和が最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替の実行中であれば前記パス切替を解除し、またはパススルーの実行中であれば前記パススルーを解除し、
前記第1の和と前記第2の和とが同一値で最小の場合は、前記復旧処理として、現在実行されている前記復旧処理を維持し、
前記第2の和が単独で最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替の実行中であれば前記パス切替を解除して、前記パススルーを実行し、
前記第1の和が単独で最小の場合は、前記復旧処理として、前記パス切替を実行する、
ことを特徴とする請求項5記載のネットワークプロテクション方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【公開番号】特開2012−169799(P2012−169799A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28069(P2011−28069)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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