説明

伝送装置及び伝送方法

【課題】電子商取引などにおいて、電子商取引のトランザクションの証跡を第三者が証明できる伝送装置及び伝送方法を提供することを目的とする。
【解決手段】伝送装置301は、特定の変換方式を使用して伝送データを照合用データに変換し、且つ該変換方式で被証明データを被照合用データに変換する変換回路12と、前記伝送データの通信情報を同定できる同定用情報と変換回路12で変換された前記照合用データとを組み合わせた組合せ情報を保管する蓄積回路13と、蓄積回路13が保管する前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記照合用データを取り出し、前記被証明データが変換回路12で変換された前記被照合用データと取り出された前記照合用データとを比較する比較回路14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送受信者間において電子データの改ざんを防止する伝送装置及び伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、第三者による電気通信の内容証明の必要性が高まってきている。例えば、監視情報の管理主体又は不正にアクセス権限を得たものによる改ざんの有無の確認であり、電子契約等のトランザクションである。
【0003】
前者は、街角や建物に備え付けの監視カメラ等の監視映像等である。これらの情報は、コーデックやハードディスクドライブ等の低コスト化、検索性等の観点からデジタル情報として蓄積され始めてきている。このデジタル情報は、昨今のリアルタイムで現実の映像と仮想現実の映像とを違和感なく組み合わせられる仮想現実感の研究の成果を利用して、容易に改ざんすることが可能となってくるものと思われる。改ざんにより冤罪や犯罪の隠蔽が発生する問題であり、改ざんのないことが証明できないと、監視情報自体が無意味となる恐れがある。
【0004】
後者は、近年急増しているB−to−B,B−to−C等の電子商取引である。電話やファクシミリなどの通信回線と異なり、インターネットのようなオープンネットワークという構成から、商取引の安全性を保つため、取引内容の電子情報に改ざんがないことの証明が求められている。
【0005】
電子情報の改ざん有無を確認するための方法として、公開鍵暗号を用いた電子証明等の方法や一方向性関数を利用した改ざん有無の検出方法(例えば、特許文献1を参照。)が知られている。特許文献1の改ざん有無の検出方法は、電子情報の改ざんを防止するために、一方向性関数fに電子情報Miと順番を保証する値Tiを入力して得られた値を保管しておき、電子情報Miと順番を保証する値Tiを受信した者は、一方向性関数fにMiとTiを入力して得られた値と、前記保管していた値を比較することによって、改ざんの有無を検知する。上記方法を利用することで、第三者による電子証明を行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−244555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年導入が始まった米国のサーベンス・オクスリー法(SOX法)の今後の進展により、契約の取引(トランザクション)自体の記録の保持も、要求されてゆくものと考えられる。例えば、決算や納品日を改ざんすることや、商取引の当事者双方が示し合わせて虚偽のトランザクションに書き換えることを防止するために宅配業者の納品証跡のような第三者の証明が要求されるものと考えられる。
【0008】
しかし、上述した電子情報の改ざん有無を確認するための方法は、順番を保証することは可能であるが、通信時刻情報や、送受信双方のアドレス情報を保証することができないため、通信の記録としては不十分である。更に、上述の方法は、そもそも保管している電子情報が、当該電子情報に、アクセス権限のない者によるクラッキングによる改ざんを予防するための方法である。従って、アクセス権限のある電子情報を保管している商取引の当事者による改ざんにはそもそも考慮されておらず、予防措置とはならず、容易に改ざんが可能である。どの通信時刻に、どのような内容のトランザクションがやり取りされ、悪意の当事者同士が示し合わせて虚偽のトランザクションを作成又はトランザクション内容を改竄したのではないと証明することができず、今後のSOX法に対応できていないという課題がある。
【0009】
また、上述の電子商取引に際して、第3者機関にタイムスタンプ付の電子署名を依頼し、その電子署名を添付の上、相手先に転送してもらうとの方法もあり得るが、3つの課題が存在する。第1の課題は、本来必要のない第3者機関を介した転送により、情報の内容を知るものと転送回数が増大するため情報漏えいする可能性が増大することである。第3者機関が情報漏洩を意図しなくとも、署名対象の情報を将来の国家当局の査察や企業活動の監査のために保存していた場合、査察や監査の際に、商取引及び証明とは関係のない第三者に漏れる恐れがある。また、査察等がなくとも保存されていると、アクセス権限のない者によるクラッキング等に情報漏洩の恐れが増大する。また情報の内容自体が漏洩しなくとも、どの相手とどの程度商取引があったという取引の存在情報が企業活動の監査等で広く公開される恐れがある。取引の存在情報自体、同業者等にとって、商売上の有益な情報であるから、不必要な開示は望まれない。第2の課題は、電子署名による証明は、演算負荷が大きいため処理速度のボトルネックがあることである。電子署名による証明は、演算に要する膨大な計算時間により実現されているので、常にその時代の計算機器の演算負荷は大きい。従って、大量に処理するためには、専用の演算機器等の特別のハードウエアが必要であり、将来の爆発的な需要に応ずるのは困難と想定される。第3の課題は、解読技術、計算能力の進展による改ざんの恐れがあることである。現在の暗号技術は、解読、改ざんに要する膨大な計算時間によって保持されている。しかし、計算能力及び解読技術は日々進歩しており、演算方法、署名対象のデータ及び署名自体を保持している関係者が、将来の進展した解読技術、計算能力で電子署名の偽造が可能になることもある。暗号技術は、伝票等の法的書類の保持年限が例えば、7年であったとすると7年後の改ざんを防止する必要がある。
【0010】
これらの課題を解決するために、本発明は、電子商取引や監視情報の通信などにおいて、通信内容を同定する情報を、取引や監視情報に関して通信した電子情報の内容を証明する情報とともに保持し、電子商取引の当事者間や、監視装置と当該監視装置からの監視情報の蓄積装置間の伝送以外の不要な転送することなく、電子商取引のトランザクションの証跡や監視情報を電子商取引の当事者や監視情報を保管している者以外の第三者が証明できる伝送装置及び伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る伝送装置及び伝送方法は、送受信者間の伝送装置において、特定の変換方式を用いて変換した電子情報の計算値を保持するとともに、通信日時、送受信者のアドレス情報等の通信を同定する情報を保持する仕組みを有することとした。
【0012】
具体的には、本発明に係る伝送装置は、特定の変換方式を使用して伝送データを照合用データに変換し、且つ該変換方式で被証明データを被照合用データに変換する変換回路と、前記伝送データの通信情報を同定できる同定用情報と前記変換回路で変換された前記照合用データとを組み合わせた組合せ情報を保管する蓄積回路と、前記蓄積回路が保管する前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記照合用データを取り出し、前記被証明データが前記変換回路で変換された前記被照合用データと取り出された前記照合用データとを比較する比較回路と、を備える。
【0013】
本発明に係る伝送方法は、特定の変換方式を使用して伝送データを照合用データにする第一変換手順と、前記伝送データの通信情報を同定できる同定用情報と前記第一変換手順で変換された前記照合用データとを組み合わせた組合せ情報を保管する蓄積手順と、前記変換手順での前記特定の変換方式で被証明データを被照合用データに変換する第二変換手順と、前記蓄積手順で保管されている前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記照合用データを取り出し、前記被証明データが前記第二変換手順で変換された前記被照合用データと取り出された前記照合用データとを比較する比較手順と、を有する。
【0014】
本発明に係る伝送装置及び伝送方法は、特定の変換方式を用いて、改ざんを防止すべき電子情報を含む伝送データからある値の照合用データを生成する。この生成した照合用データを、通信の時刻、アドレス等で当該伝送データが同定できる情報とともに保持しておく。内容証明する際、証明依頼者から受け取った改ざんを防止すべき電子情報を含む被証明データを前記変換方式を用いて被照合用データを生成する。被照合用データと、保管されている照合用データの中から対象の照合用データを探し出し、被照合用データと照合用データとを比較して、同値であることをもって通信内容を証明する。
【0015】
このような伝送装置を設置することで、当該伝送装置を経由して電子商取引情報や監視情報を伝送することで、本来必要のない認証のための第3者機関への転送をせず、演算方式を取引者自身に提示しないために演算処理の少ない演算を適用することが可能なため処理速度のボトルネックをうけず、かつ将来の進展した解読技術、計算能力による改ざんの恐れがない形で、かつ被照合用データである機密データを保持しないため無知識で、電子商取引のトランザクションの証跡を第三者が証明できるとともに、取引者自身が改ざんしたことも判明できる。
【0016】
従って、本発明は、電子商取引などにおいて、通信に関する情報を取引内容の電子情報とともに保持し、電子商取引のトランザクションの証跡を第三者が証明できる伝送装置及び伝送方法を提供することができる。
【0017】
本発明に係る伝送装置は、前記伝送データ又は/及び組合せ情報を誤り訂正するための訂正情報を生成する訂正情報生成回路、をさらに備える。前記蓄積回路は、前記訂正情報生成回路で生成された前記訂正情報も前記組合せ情報に含めて保管する。前記変換回路は、前記蓄積回路が保管する前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記訂正情報を取り出し、前記被証明データ又は/及び組合せ情報に対して必要に応じて誤り訂正を行い、前記被証明データを被照合用データに変換する又は/及び被照合用データに対して必要に応じて誤り訂正を行う。ここで被照合用データに対する誤り訂正では、新たに生成したのと、組合せ情報の一部として保存している照合用データの間のハミング距離等の異なる程度が、許容の範囲に訂正できるかを判定することをもって誤り訂正をしたとしてもよい。
【0018】
本発明に係る伝送方法は、前記第一変換手順の前又は/及び後に行う訂正情報生成手順と、前記第二変換手順の前又は/及び後に行う誤り訂正手順と、をさらに有する。前記訂正情報生成手順において、前記伝送データ又は/及び組合せ情報を誤り訂正するための訂正情報を生成する。前記蓄積手順において、前記訂正情報生成手順で生成された前記訂正情報も前記組合せ情報に含めて保管する。前記誤り訂正手順において、前記蓄積手順で保管される前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記訂正情報を取り出し、前記被証明データ又は/及び組合せ情報に対して必要に応じて誤り訂正を行う。前記第二変換手順において、前記被証明データを被照合用データに変換する又は/及び被照合用データに対して必要に応じて誤り訂正を行う。ここで被照合用データに対する誤り訂正では、新たに生成したのと、組合せ情報の一部として保存している照合用データの間のハミング距離等の異なる程度が、許容の範囲に訂正できるかを判定することをもって誤り訂正をしたとしてもよい。
【0019】
組合せ情報の蓄積時の誤りを訂正した場合、誤り訂正用の訂正情報に関する値も組合せ情報に含めて保持する。内容証明時に誤り訂正を実施した後の被証明データを特定の変換方式で変換した被照合用データを用いて通信内容を証明する。組合せ情報の蓄積時の誤りに基づいて適正な通信情報を改ざんありと誤判定する恐れを低減することができる。
【0020】
本発明に係る伝送装置の前記蓄積回路は、前記変換回路で使用した前記変換方式の変換方式情報も前記組合せ情報に含めて保管する。前記変換回路は、所定期間毎に前記変換方式を変更するとともに、前記被証明データを被照合用データに変換する際に、前記蓄積回路が保管する前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記変換方式情報を取り出し、取り出した前記変換方式情報に基づく前記変換方式で前記被証明データを被照合用データに変換する。
【0021】
本発明に係る伝送方法は、前記第一変換手順で使用する前記変換方式は所定期間毎に変更される。前記蓄積手順において、前記第一変換手順で使用した前記変換方式の変換方式情報も前記組合せ情報に含めて保管する。前記第二変換手順において、前記被証明データを被照合用データに変換する際に、前記蓄積手順で保管される前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記変換方式情報を取り出し、取り出した前記変換方式情報に基づく前記変換方式で前記被証明データを被照合用データに変換する。
【0022】
本発明に係る伝送装置及び伝送方法は、所定期間毎に変換方式を変更しているため、後日の改ざんが困難であり、且つ伝送データ自体を保持していないために証明した第三者も改ざんが困難であり、商取引の安全性が高まる。さらに、変換に用いる演算を頻繁に切り替えることで推測されることを抑止し、推測されてそれに応じて改ざんした伝送データを、過去の伝送データと過って同じと判定することを防止しつつ、無知識のまま電子情報を証明できる。
【0023】
本発明に係る伝送装置は、前記伝送データが光信号であり、前記変換回路は、前記伝送データを光電変換した電気信号を演算処理すること、前記伝送データを光のままで演算処理した後に光電変換すること、又はその両者の組み合わせで前記照合用データに変換することを特徴とする。
【0024】
本発明に係る伝送方法は、前記伝送データが光信号であり、前記第一変換手順において、前記伝送データを光電変換した電気信号を演算処理すること、前記伝送データを光電変換する前に演算処理すること、又はその両者の組み合わせで前記照合用データに変換することを特徴とする。
【0025】
本発明に係る伝送装置は、前記伝送データが光信号であり、前記変換回路は、前記伝送データと参照光とで生ずるビート信号を光電変換した電気信号を演算処理すること、前記伝送データを光電変換する前に演算処理し参照光と光電変換することで生ずるビート信号を用いること、又はその両者の組み合わせで前記照合用データに変換することを特徴とする。
【0026】
本発明に係る伝送方法は、前記伝送データが光信号であり、前記変換手順において、前記伝送データと参照光とで生ずるビート信号を光電変換した電気信号を演算処理すること、前記伝送データを光電変換する前に演算処理し参照光と光電変換することで生ずるビート信号を用いること、又はその両者の組み合わせで前記照合用データに変換することを特徴とする。
【0027】
光信号のままで処理するため処理を高速化することができる。
【0028】
本発明に係る伝送装置の前記変換回路は、所定の識別子を持つ前記伝送データのみ前記被照合用データに変換することを特徴とする。
【0029】
本発明に係る伝送方法の前記第一変換手順において、所定の識別子を持つ前記伝送データのみ前記被照合用データに変換することを特徴とする。
【0030】
全ての伝送データを照合用データに変換するのではなく、証明が必要な伝送データのみを照合用データに変換することで、保管する照合用データ量を減らし、証明時のデータ検索速度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、電子商取引などにおいて、通信に関する情報を取引内容の電子情報とともに保持し、電子商取引のトランザクションの証跡を第三者が証明できる伝送装置及び伝送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る伝送装置を説明するブロック図である。
【図2】本発明に係る伝送装置を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0034】
(実施形態1)
図1は、本実施形態の伝送装置301を説明するブロック図である。伝送装置301は、特定の変換方式を使用して伝送データを照合用データに変換し、且つ該変換方式で被証明データを被照合用データに変換する変換回路12と、前記伝送データの通信情報を同定できる同定用情報と変換回路12で変換された前記照合用データとを組み合わせた組合せ情報を保管する蓄積回路13と、蓄積回路13が保管する前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記照合用データを取り出し、前記被証明データが変換回路12で変換された前記被照合用データと取り出された前記照合用データとを比較する比較回路14と、を備える。
【0035】
伝送装置301の伝送方法は、特定の変換方式を使用して伝送データを照合用データにする第一変換手順と、前記伝送データの通信情報を同定できる同定用情報と前記第一変換手順で変換された前記照合用データとを組み合わせた組合せ情報を保管する蓄積手順と、前記変換手順での前記特定の変換方式で被証明データを被照合用データに変換する第二変換手順と、前記蓄積手順で保管されている前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記照合用データを取り出し、前記被証明データが前記第二変換手順で変換された前記照合用データと取り出された前記照合用データとを比較する比較手順と、を有する。
【0036】
伝送装置301は、伝送手段102及び証明手段101を備える。伝送手段102は、入力された伝送データを分岐し、一方を他の伝送装置へ出力し、他方を証明手段101に結合する。証明手段101は、識別回路11、変換回路12、蓄積回路13、照合受付回路15、及び比較回路14を含む。
【0037】
変換回路12は、所定の識別子を持つ伝送データのみ被照合用データに変換することが望ましい。この場合、証明手段101は、識別回路11を含んでいる。識別回路11は、改ざん防止対象の伝送データを、PON(Passive Optical Network)の論理リンク識別情報(LLID:Logical Link ID)や、バーチャルLAN(VLAN:Virtual Local Area Network)タグ等の所定の識別子を用いて識別し、証明対象を所定の識別子を持つ伝送データに限定する場合は所定の識別子に対応する伝送データを、限定しない場合は全伝送データを変換回路12に受け渡す。識別対象とする識別子については、予め特定の値の範囲に含まれるものとしても良いし、SIP(Session Initiation Protocol )等の制御信号をスヌーフィングにより監視して取得しても良いし、伝送装置301に設定してもよい。
【0038】
変換回路12は、特定の変換方式を使用して伝送データを照合用データに変換し、且つ該変換方式で被証明データを被照合用データに変換する。変換回路12は、伝送装置301でのデータ伝送に際し、改ざんを防止すべき電子情報を含む伝送データの塊から特定の変換方式により値を生成する。特定の変換方式は、例えば、公開鍵方式や、一方向性関数を用いる方式である。一方向性関数は、変換の一方向性と衝突困難性を有し、計算負荷の少ない計算法であるSHA1やMD5等のハッシュ関数である。
【0039】
蓄積回路13は、伝送データの通信情報を同定できる同定用情報と変換回路12で変換された照合用データとを組み合わせた組合せ情報を保管する。具体的には、蓄積回路13は、変換回路12が変換した照合用データを、通信情報が同定できる同定用情報とともに組合せ情報として保持する。同定用情報には、例えば、伝送データの通信の時刻、送信元や送信先のアドレス等が含まれる。ここで、変換回路12が一方向性関数を用いることで、蓄積回路13は伝送データに含まれる情報、例えば機密情報を蓄積する必要がない。このため、伝送装置301は、無知識のまま伝送データを証明することができる。
【0040】
例えば、変換回路12が一方向性関数やその演算で用いる種をランダムに切り替える場合、蓄積回路13は組合せ情報に当該照合用データの生成に用いた一方向性関数やその演算で用いる種も含めた組合せ情報を保管する。
【0041】
照合受付回路15は、照合依頼として、被証明対象として新規に受けされた改ざんを防止すべき情報を含む被証明データ、及び伝送手段102が過去に伝送した伝送データを同定するための同定用情報を受け付ける。
【0042】
ここで、変換回路12は、照合受付回路15からの同定用情報に基づき、証明依頼された被証明データを、伝送手段102が過去に伝送した伝送データを変換した変換方式と同じ変換方式で変換して被照合用データを生成する。
【0043】
比較回路14は、まず、蓄積回路13が保管する前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記照合用データを取り出す。そして、比較回路14は、前記被証明データが変換回路12で変換された前記被照合用データと取り出された前記照合用データとを比較する。さらに、比較回路14は、前記被照合用データと前記照合用データとが同値であるか判断し、同値である場合、被証明データは過去に通信した伝送データと同一内容であると証明する。同値であるかどうかの検出に際し、ストリームデータ等の一連のデータ列の一定数又は一定量又は一定比率の誤りについては許容しても良い。
【0044】
ここで、同定用情報の内、通信時刻等の装置毎の誤差が発生する可能性のある値に関しては、誤差の範囲、例えば誤差が分単位であれば、分単位該当する蓄積していた値の範囲内で、被照合用データと同値となる被照合用データを探索することが望ましい。また、改ざんを防止すべき情報を含む伝送データの伝送を、ネットワークの入り口と出口の両方で証明する場合、変換回路12で変換対象とする範囲の伝送データは、ネットワーク内で変化しないことが望ましい。例えば、IPパケットであれば通常ルータを経由することにTTLの値が1減算され変化する。このため、変換回路12はTTL等の伝送に際して変更する可能性のある値を変換対象の範囲外とする。カプセル化してネットワーク内を伝送する通信システムでは、変換回路12は、変換対象から変化するデータを除外して変換する、又は、ネットワーク内での変化を割り戻して変換する。
【0045】
なお、照合受付回路15への照合受付は直接受け付ける構成としているが、証明対象の被証明データを伝送する伝送路を経由して受け付けてもよい。照合に際して、変換回路12は、伝送の際と照合の際と同一回路で照合情報を生成しているが、それぞれ別の回路を具備していてもよい。同定用情報に関しては、伝送データの送信者や受信者に伝えても、伝送データの改ざんにつながらないので、後日の照合受付のために、伝送データの送信者か受信者に送付しておいてもよい。但し、ここで述べる送信者や受信者に伝える同定用情報には、変換方式や演算の種の値等の改ざんにつながる恐れのある情報は当然含まない。
【0046】
伝送装置301は証明手段101内に蓄積回路13を備えているが、伝送装置301の外部に備えていてもよい。また、証明手段101の中の蓄積回路13から、照合用データを含む組合せ情報を必要に応じて外部の記憶装置に移してもよい。外部の記憶装置が組合せ情報を保管している場合、照合依頼を受けた際に、伝送装置301に具備する証明手段101と同一の変換方式で被証明用データを生成し、照合用データと被照合用データとの比較を行ってもよい。
【0047】
伝送装置301は、蓄積回路13が照合用データと通信情報が同定できる同定用情報とともに組合せ情報として保持するため、第三者は電子商取引のトランザクションの証跡を証明することができる。さらに、変換回路12が一方向性関数で伝送データを照合用データに変換することで次のような効果も得られる。その効果は、高速計算が容易で高速広帯域への伝送が可能であること、後日の改ざんが困難であること、証明した第三者による改ざんが容易でないこと、かつ伝送対象となる情報の内容に関して無知識のまま伝送を証明すること可能であることである。
【0048】
(実施形態2)
図2は、本実施形態の伝送装置302を説明するブロック図である。伝送装置302と図1の伝送装置301との違いは、伝送装置302が訂正情報生成回路21及び訂正情報蓄積回路22をさらに備えている点である。訂正情報生成回路21は、前記伝送データ又は/及び組合せ情報の一部又は全ての誤り訂正用の訂正情報を生成する。訂正情報生成手段21は変換回路12と一体となっていてもよい。
【0049】
訂正情報蓄積回路22は、訂正情報生成回路21が生成した訂正情報を保管する。伝送装置302では、訂正情報と照合データ及び同定用情報とを異なる回路に記憶させているが、訂正情報、照合データ及び同定用情報は互いに結びついて組合せ情報となっている。訂正情報蓄積回路22は蓄積回路13と一体となっていてもよい。
【0050】
伝送装置302の変換回路12は、前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記訂正情報を訂正情報蓄積回路22から取り出し、前記被証明データ又は/及び組合せ情報に対して必要であれば誤り訂正を行い、前記誤り訂正回路が誤り訂正を行った前記被証明データを被照合用データに変換する又は/及び生成した被照合用データに対して必要に応じて誤り訂正を行う。ここで被照合用データに対する誤り訂正では、新たに生成したのと、組合せ情報の一部として保存している照合用データの間のハミング距離等の異なる程度が、許容の範囲に訂正できるかを判定することをもって誤り訂正をしたとしてもよい。
【0051】
伝送装置302は、図1の伝送装置301で説明した伝送方法に前記第一変換手順の前又は/及び後に行う訂正情報生成手順と、前記第二変換手順の前又は/及び後に行う誤り訂正手順と、をさらに有する。前記訂正情報生成手順において、訂正情報生成回路21は前記伝送データ又は/及び組合せ情報の一部又は全てを誤り訂正するための訂正情報を生成する。さらに、前記蓄積手順において、訂正情報蓄積回路22は前記訂正情報も前記組合せ情報に含めて保管する。証明依頼時に、前記第二誤り訂正手順において、前記蓄積手順で保管される前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記訂正情報を取り出し、前記被証明データ又は/及び組合せ情報に対して必要であれば誤り訂正を行う。続いて、前記第二変換手順において、変換回路12は前記被証明データを被照合用データに変換する又は/及び被照合用データに対して必要に応じて誤り訂正を行う。ここで被照合用データに対する誤り訂正では、新たに生成したのと、組合せ情報の一部として保存している照合用データの間のハミング距離等の異なる程度が、許容の範囲に訂正できるかを判定することをもって誤り訂正をしたとしてもよい。
【0052】
伝送装置302は改ざんを防止すべき情報を含む伝送データから照合情報を生成する際に、誤り訂正に関する訂正情報も生成し、訂正情報、同定用情報及び照合用データを組合せ情報として保持する。そして、内容証明時に被証明データ又は/及び組合せ情報に対して誤り訂正を実施し、変換回路12が変換した被照合用データを用いて通信内容を証明する。このため、伝送時の伝送誤り及び蓄積時の誤りが発生した場合であっても、過去に伝送した伝送データを伝送していないと誤って判定する誤判定を軽減することができる。
【0053】
伝送データの送信者や受信者に伝えても、伝送データの改ざんにつながらない訂正情報は、伝送データの送信者か受信者に送付しておいてもよい。
【0054】
伝送装置302は証明手段103の中に訂正情報蓄積手段22を備えているが、図1の伝送装置301で説明した蓄積回路12同様に伝送装置302の外部に訂正情報蓄積手段22を備えていてもよい。また、証明手段103は、訂正情報蓄積回路22から訂正情報を必要に応じて外部の記憶装置に移してもよい。訂正情報を外部の記憶装置に保管している場合、照合依頼を受けた際に、伝送装置302に具備する証明手段103と同一の訂正情報を利用して被照合用データを生成し、照合用データと被照合用データとの比較を行ってもよい。
【0055】
伝送装置302は、図1の伝送装置301の効果に加えて次の効果も得られる。その効果は、伝送路及び蓄積回路13で誤り発生が生じても証明依頼されたときに該誤り発生を再現し、誤判定を低減できることである。
【0056】
(実施形態3)
伝送装置301及び伝送装置302は、所定期間毎に前記変換方式を変更してもよい。この場合、蓄積回路13は、変換回路12で使用した前記変換方式の変換方式情報も前記組合せ情報に含めて保管する。そして、変換回路12は、前記被証明データを被照合用データに変換する際に、蓄積回路13が保管する前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記変換方式情報を取り出し、取り出した前記変換方式情報に基づく前記変換方式で前記被証明データを被照合用データに変換する。
【0057】
本実施形態の伝送方法は、実施形態1で説明した前記蓄積手順において、蓄積回路13が前記第一変換手順で使用した前記変換方式の変換方式情報も前記組合せ情報に含めて保管する。そして、前記第二変換手順において、変換回路12は、前記被証明データを被照合用データに変換する際に、前記蓄積手順で保管される前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記変換方式情報を取り出し、取り出した前記変換方式情報に基づく前記変換方式で前記被証明データを被照合用データに変換する。
【0058】
変換回路12は、変換方式の計算法又は計算の種となる値を適宜変更する。蓄積回路13は、計算法又は計算の種となる値を組合せ情報に含めて保持する。変換回路12は、内容証明時の際に生成時に用いた計算法又は計算の種となる値を用いて再度計算した値を用いて被証明用データを変換する。
【0059】
変換回路12が計算法又は計算の種となる値を適宜変更し、かつ蓄積回路13がその計算法又は計算の種となる値を保持しておくことで次のような効果がさらに得られる。現在変換回路12が用いている計算法又は計算の種となる値が第三者に推測された場合でも、推測した計算法又は計算の種となる値が、改ざんの対象とする伝送データで用いた過去の計算法又は計算の種となる値とは異なる確率が増大するため、推測された値に基づく変換方式で改ざんした被証明データを過去に伝送した伝送データと同じと判定することを防止する効果がある。
【0060】
本実施形態では、蓄積回路13に計算法又は計算の種となる値を蓄積しているが、図1の伝送装置301で説明した蓄積回路13同様に外部の記憶装置に蓄積してもよい。また、証明手段(101、103)は、計算法又は計算の種となる値を必要に応じて外部の記憶装置に移してもよい。計算法又は計算の種となる値を外部の記憶装置に保管している場合、照合依頼を受けた際に、伝送装置(301、302)に具備する証明手段(101、103)と同一の計算法又は計算の種となる値を利用して被照合用データを生成し、照合用データと被照合用データとの比較を行ってもよい。
【0061】
本実施形態の伝送装置は、実施形態1及び2の伝送装置の効果に加えて次の効果も得られる。その効果は、計算法又は計算の種となる値を推測されてそれに応じて改ざんした被証明データを過去に伝送した伝送データと同じと判定することを防止できることである。
【0062】
(実施形態4)
伝送装置301及び伝送装置302は、前記伝送データが光信号であってもよい。この場合、変換回路12は、前記伝送データを光電変換した電気信号を加減乗除等の演算処理すること、又は前記伝送データを光電変換する前に、位相、偏波、経路、光非線形過程、ゲーティング、フィルタリング等で演算処理することで前記照合用データに変換する。また、電気と光の演算処理とを組み合わせて伝送データを照合用データに変換してもよい。
【0063】
本実施形態の伝送装置は、光信号をそのまま光処理を行い照合用データ及び被照合用データを生成する。光信号の状態で処理するために処理の高速化が図れる。光信号の伝送データは、例えば、伝送手段102で光信号のまま分岐され、遅延を加えた形で合流される。変換回路12は、この光信号を光電変換して電気信号を加減乗除することで照合用データや被照合用データを生成する。例えば、伝送手段102は、光分岐器と遅延線を用いて、光ラティスフィルタや光FIRフィルタを構成することで、時間的にシフトした光信号を合成する。
【0064】
本実施形態の伝送装置は、高速計算が容易で高速広帯域への伝送が可能である。
【0065】
(実施形態5)
本実施形態の伝送装置は、変換回路12が、前記伝送データと参照光とを光電変換した際に生ずるビート信号をフィルタリングや加減乗除等の演算処理すること、又は前記伝送データを光電変換する前に演算処理し参照光と光電変換することで生ずるビート信号を用いることで前記照合用データに変換することを特徴とする。また、ビート信号の演算処理と光の演算処理とを組み合わせて伝送データを照合用データに変換してもよい。
【0066】
本実施形態の伝送装置と実施形態4の伝送装置との違いは、変換回路12が行う変換方式である。実施形態4の伝送装置では、直接検波成分を加減乗除するが、本実施形態の伝送装置では、ビート信号を加減乗除する。本実施形態の伝送装置も、高速計算が容易で高速広帯域への伝送が可能である。なお、光電変換する前に光信号を加減乗除してもよい。
【符号の説明】
【0067】
11:識別回路
12:変換回路
13:蓄積回路
14:比較回路
15:照合受付回路
21:訂正情報生成回路
22:訂正情報蓄積回路
101、103:証明手段
112:伝送手段
301、302:伝送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の変換方式を使用して伝送データを照合用データに変換し、且つ該変換方式で被証明データを被照合用データに変換する変換回路と、
前記伝送データの通信情報を同定できる同定用情報と前記変換回路で変換された前記照合用データとを組み合わせた組合せ情報を保管する蓄積回路と、
前記蓄積回路が保管する前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記照合用データを取り出し、前記被証明データが前記変換回路で変換された前記被照合用データと取り出された前記照合用データとを比較する比較回路と、
を備える伝送装置。
【請求項2】
前記伝送データ又は/及び前記組合せ情報の誤り訂正用の訂正情報を生成する訂正情報生成回路、
をさらに備え、
前記蓄積回路は、前記訂正情報生成回路で生成された前記訂正情報も前記組合せ情報に含めて保管し、
前記変換回路は、前記蓄積回路が保管する前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記訂正情報を取り出し、前記被証明データ又は/及び前記組合せ情報に対して誤り訂正を行い、前記誤り訂正回路が誤り訂正を行った前記被証明データを被照合用データに変換する又は/及び前記被照合用データに対して誤り訂正を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
【請求項3】
前記蓄積回路は、前記変換回路で使用した前記変換方式の変換方式情報も前記組合せ情報に含めて保管し、
前記変換回路は、所定期間毎に前記変換方式を変更するとともに、前記被証明データを被照合用データに変換する際に、前記蓄積回路が保管する前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記変換方式情報を取り出し、取り出した前記変換方式情報に基づく前記変換方式で前記被証明データを被照合用データに変換すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の伝送装置。
【請求項4】
前記伝送データが光信号であり、
前記変換回路は、前記伝送データを光電変換した電気信号を演算処理すること、前記伝送データを光電変換する前に演算処理すること、あるいは両演算処理を組み合わせて前記伝送データを演算することで前記伝送データを前記照合用データに変換することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の伝送装置。
【請求項5】
前記伝送データが光信号であり、
前記変換回路は、前記伝送データと参照光とで生ずるビート信号を光電変換した電気信号を演算処理すること、前記伝送データを光電変換する前に演算処理し参照光と光電変換することで生ずるビート信号を用いること、あるいは両演算処理を組み合わせて前記伝送データを演算することで前記伝送データを前記照合用データに変換することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の伝送装置。
【請求項6】
前記変換回路は、所定の識別子を持つ前記伝送データのみ前記被照合用データに変換することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の伝送装置。
【請求項7】
特定の変換方式を使用して伝送データを照合用データにする第一変換手順と、
前記伝送データの通信情報を同定できる同定用情報と前記第一変換手順で変換された前記照合用データとを組み合わせた組合せ情報を保管する蓄積手順と、
前記変換手順での前記特定の変換方式で被証明データを被照合用データに変換する第二変換手順と、
前記蓄積手順で保管されている前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記照合用データを取り出し、前記被証明データが前記第二変換手順で変換された前記被照合用データと取り出された前記照合用データとを比較する比較手順と、
を有する伝送方法。
【請求項8】
前記第一変換手順の前又は/及び後に行う訂正情報生成手順と、
前記第二変換手順の前に行う誤り訂正手順と、
をさらに有し、
前記訂正情報生成手順において、前記伝送データ又は/及び前記組合せ情報の誤り訂正用の訂正情報を生成し、
前記蓄積手順において、前記訂正情報生成手順で生成された前記訂正情報も前記組合せ情報に含めて保管し、
前記誤り訂正手順において、前記蓄積手順で保管される前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記訂正情報を取り出し、前記被証明データ又は/及び前記組合せ情報に対して誤り訂正を行い、
前記第二変換手順において、前記被証明データを被照合用データに変換する又は/及び被照合用データに対して誤り訂正を行うこと
を特徴とする請求項7に記載の伝送方法。
【請求項9】
前記第一変換手順で使用する前記変換方式は所定期間毎に変更され、
前記蓄積手順において、前記第一変換手順で使用した前記変換方式の変換方式情報も前記組合せ情報に含めて保管し、
前記第二変換手順において、前記被証明データを被照合用データに変換する際に、前記蓄積手順で保管される前記組合せ情報の中から、前記被証明データに添付される被証明同定用情報と同じ内容の前記同定用情報が組み合わされている前記変換方式情報を取り出し、取り出した前記変換方式情報に基づく前記変換方式で前記被証明データを被照合用データに変換すること
を特徴とする請求項7又は8に記載の伝送方法。
【請求項10】
前記伝送データが光信号であり、
前記第一変換手順において、前記伝送データを光電変換した電気信号を演算処理すること、前記伝送データを光電変換する前に演算処理すること、あるいは両演算処理を組み合わせて前記伝送データを演算することで前記伝送データを前記照合用データに変換することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の伝送方法。
【請求項11】
前記伝送データが光信号であり、
前記変換手順において、前記伝送データと参照光とで生ずるビート信号を光電変換した電気信号を演算処理すること、前記伝送データを光電変換する前に演算処理し参照光と光電変換することで生ずるビート信号を用いること、あるいは両演算処理を組み合わせて前記伝送データを演算することで前記伝送データを前記照合用データに変換することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の伝送方法。
【請求項12】
前記第一変換手順において、所定の識別子を持つ前記伝送データのみ前記被照合用データに変換することを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−101192(P2011−101192A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254400(P2009−254400)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】