説明

伝送装置及び伝送網システム、伝送方法

【課題】伝送網及び伝送装置を用いて複数ユーザへ情報の開示を行う際の、ユーザ毎の情報開示時刻の差を低減する事による公平性を向上する。情報開示時刻制御に対し、ユーザが不正に影響を与え得ない方式を提供する。
【解決手段】情報の配信元の伝送装置である情報出力サーバ110と、配信先のユーザ装置130と接続されるネットワーク端末120を備える。情報出力サーバ110とネットワーク端末120はそれぞれ計時機能及び、該計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる時刻同期機能を備える。開示対象の情報とその開示時刻の情報を予め情報出力サーバ110からネットワーク端末120に送信する。ネットワーク端末120における計時機能の時刻が開示時刻と一致した場合に開示対象の情報をユーザ装置130に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送装置及び伝送網システム、伝送方法に係り、特に、ある情報を複数のユーザに同時に開示する機能を備える伝送装置及び伝送網システム、伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットや専用線などの伝送網を用いた情報伝送は商取引などの経済活動の分野にも広く用いられており、経済活動に影響を与え得るニュースや取引を開始するための認証鍵などの重要な情報をユーザに開示する際に、ユーザ毎の情報開示時刻の差を低減する事による公平性の向上が求められている。
【0003】
従来の一般的な伝送網において情報の同時開示を目的とする方式として、プッシュ型サービスの場合はある時刻にサーバから一斉に情報を配信する方式があるが、各ユーザが情報を受け取る時刻は伝送網の混雑状況等に大きく左右されるため公平とは言えない。また、ユーザからの要求に応じて情報を開示するプル型サービスの場合は、ある時刻からサーバを情報開示の応答可能とする方式があるが、サーバから近距離で大容量の伝送網を使用するユーザの方が一定時間内に多くの要求試行を行えるため有利となる。
【0004】
このようなユーザ間の情報開示時刻の差を低減するための技術として、特開2000−187629公報(特許文献1)がある。この公報には、「[課題]ユーザに対する情報の伝達時刻を厳密に保証した情報配信サービスを提供する。[解決手段] IPサーバWおよびゲートウェイサーバGWS、あるいはゲートウェイサーバGWSのみで構成される配信側は、電子メールの着信先のユーザに当該電子メール本文を伝達する時刻である伝達時刻と当該電子メール本文とを対応付けて送信し、受信側の移動機MSは、配信側から送信された伝達時刻および電子メール本文を受信し、当該伝達時刻と現在時刻とに基づいて当該電子メール本文を用いた処理(例えば電子メール本文の表示処理)の開始を制御する。これにより、受信側において、伝達時刻まで電子メール本文を用いた処理を行わない、あるいは伝達時刻に電子メール本文を用いた処理を開始する、といった制御が可能となる。」と記載されている(要約参照)。
【0005】
また、特開2006−74109公報(特許文献2)がある。この公報には、「[課題]汎用のハードウェアとソフトウェアとネットワークとで各クライアントに同時にデータを開示して、ユーザ間の不公平性を解消する。[解決手段] 内部に付加ソフトウェア内部タイマ機能部104を設けて、ブラウザ106とネットワーク107との間にあって、サーバ101と第1と第2のユニキャスト・コネクション108,109を確立する付加ソフトウェア実行部103を備えて、付加ソフトウェア実行部は、ブラウザからサーバへのデータ配送要求を所定の時刻に送信し(152)、サーバからの配信データを第1のユニキャスト・コネクションで受信して一時蓄積し(154)、サーバからの第2のユニキャスト・コネクションによるサーバ時刻と配信データ開示時刻を付加ソフトウェア内部タイマ機能部に設定し(154)、設定された開示時刻になると、配信データをブラウザに送信する(155)。」と記載されている(要約参照)。
【0006】
一方、伝送網内の装置の時刻を同期させるための技術として、NTP(Network Time Protocol)やIEEE1588v2/PTP(Precision Time Protocol)が知られている。いずれの技術も安定した時刻を提供するサーバと、サーバの時刻を追従するクライアントとの間での時刻同期方式を規定したものである。時刻同期の精度は実装方式にも依るが、NTPではミリ秒オーダー、IEEE1588v2/PTPではマイクロ秒オーダーと言われている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−187629号公報
【特許文献2】特開2006−74109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
伝送網及び伝送装置を用いて経済活動において大きな意味を持つ情報の複数ユーザへの一斉開示を行うような場合に、ユーザ毎の情報開示時刻の差を低減する事による公平性の向上が求められている。
ユーザ毎の情報開示時刻の差を低減する技術として、特許文献1及び特許文献2が公知であるが、特許文献1は伝達時刻情報を元にした伝達制御を行う移動機と他移動機との間の時刻同期制御については言及しておらず、ユーザ毎の情報開示時刻の差に直接影響する同期精度については不明である。また、ユーザによる移動機現在時刻の設定変更により、他ユーザよりも早く情報開示を受ける事が可能であると考えられる。特許文献2については、サーバとクライアント間の時刻同期方式が記載されているが、サーバ現在時刻を含む情報をクライアントで受信した時に、クライアント上の付加ソフトウェア内蔵タイマを受信したサーバ現在時刻に合わせる方式であり、クライアント間の時刻同期精度は、サーバから各クライアントへの情報伝送にかかる時間の差に左右される。また、クライアントで情報を受信した後にソフトウェアで情報開示制御を行うため、設定された情報開示時刻よりも前に情報が覗き見られる危険性がある。
【0009】
以上を鑑み、本発明は、伝送網及び伝送装置を用いて複数ユーザへ情報の開示を行う際の、ユーザ毎の情報開示時刻の差を低減する事による公平性の向上を、ひとつの目的とする。特に、高精度(マイクロ秒オーダー)の時刻同期方式と情報開示制御を組み合わせ、高精度の情報開示時刻制御方式を提供する事を、他の目的とする。また、情報開示時刻制御に対し、ユーザが不正に影響を与え得ない方式を提供する事を、他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
「 情報の配信元の伝送装置である配信サーバと、配信先のユーザ装置と接続されるユーザ側伝送装置により構成される伝送網システムであって、
前記配信サーバと前記ユーザ側伝送装置はそれぞれ計時機能及び、該計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる時刻同期機能を備え、
開示対象の情報とその開示時刻の情報を予め前記配信サーバから前記ユーザ側伝送装置に送信する処理と、
前記ユーザ側伝送装置における計時機能の時刻が前記開示時刻と一致した場合に開示対象の情報を前記ユーザ装置に送信する処理とを特徴とする伝送網システム。」
を特徴とすることができる。
【0011】
本発明の第1の解決手段によると、
情報の配信元の伝送装置である配信サーバと、配信先のユーザ装置と接続されるユーザ側伝送装置を備えた伝送網システムであって、
前記配信サーバは、
開示対象情報、開示時刻情報、配信時刻情報、を対応して記憶する配信情報テーブルと、
第1計時機能及び該第1計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる第1時刻同期機能と
を備え、
前記ユーザ側伝送装置は、
開示対象情報、開示時刻情報を対応して記憶する開示情報テーブルと
第2計時機能及び該第2計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる第2時刻同期機能と
を備え、

前記配信サーバは、前記第1計時機能による時刻及び前記配信情報テーブルを参照して、開示対象情報及び開示時刻情報を、配信時刻情報に従い、予め前記ユーザ側伝送装置に送信し、
前記ユーザ側伝送装置は、前記配信サーバから受信した開示対象情報及び開示時刻情報を、前記開示情報テーブルに記憶し、
前記ユーザ側伝送装置は、前記開示情報テーブルを参照して、前記第2計時機能の時刻が前記開示時刻情報による時刻と一致した場合に前記開示対象情報を前記ユーザ装置に送信する
ことを特徴とする伝送網システムが提供される。
【0012】
本発明の第2の解決手段によると、
情報の配信元の伝送装置である配信サーバと、配信先のユーザ装置と接続されるユーザ側伝送装置を備えた伝送網システムにおける伝送方法において、
前記配信サーバは、
開示対象情報、開示時刻情報、配信時刻情報、を対応して記憶する配信情報テーブルと、
第1計時機能及び該第1計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる第1時刻同期機能と
を備え、
前記ユーザ側伝送装置は、
開示対象情報、開示時刻情報を対応して記憶する開示情報テーブルと
第2計時機能及び該第2計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる第2時刻同期機能と
を備えた、前記伝送網システムにおける伝送方法であって、

前記配信サーバは、前記第1計時機能による時刻及び前記配信情報テーブルを参照して、開示対象情報及び開示時刻情報を、配信時刻情報に従い、予め前記ユーザ側伝送装置に送信し、
前記ユーザ側伝送装置は、前記配信サーバから受信した開示対象情報及び開示時刻情報を、前記開示情報テーブルに記憶し、
前記ユーザ側伝送装置は、前記開示情報テーブルを参照して、前記第2計時機能の時刻が前記開示時刻情報による時刻と一致した場合に前記開示対象情報を前記ユーザ装置に送信する
ことを特徴とする伝送方法が提供される。
【0013】
本発明の第3の解決手段によると、
情報の配信元の伝送装置である配信サーバと、配信先のユーザ装置と接続されるユーザ側の伝送装置を備えた伝送網システムにおける前記伝送装置であって、
開示対象情報、開示時刻情報を対応して記憶する開示情報テーブルと
第2計時機能及び該第2計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる第2時刻同期機能と
を備え、

前記配信サーバが、基準となる時計と合った第1計時機能による時刻を参照し、及び、開示対象情報、開示時刻情報、配信時刻情報、を対応して記憶する配信情報テーブルを参照して、開示対象情報及び開示時刻情報を、配信時刻情報に従い、予め前記伝送装置に送信した場合、
前記配信サーバから受信した開示対象情報及び開示時刻情報を、前記開示情報テーブルに記憶し、
前記開示情報テーブルを参照して、前記第2計時機能の時刻が前記開示時刻情報による時刻と一致した場合に前記開示対象情報を前記ユーザ装置に送信する
ことを特徴とする伝送装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、伝送網及び伝送装置を用いて複数ユーザへ情報を開示する際の、ユーザ毎の情報開示時刻の差を低減する事による公平性の向上が可能となる。また、情報開示時刻制御に対し、ユーザが不正に手を加える事を防止する事が可能となる。ある実施の形態によっては、プッシュ型サービスにおけるユーザ毎の情報開示時刻差の低減を実現する。ある実施の形態によっては、プル型サービスにおけるユーザ毎の情報開示時刻差の低減を実現する。ある実施の形態によっては、ユーザ毎の情報開示時刻差低減方式における、伝送網内を伝送する情報の秘匿性向上を実現する。ある実施の形態によっては、ユーザ毎の情報開示時刻差低減方式における、伝送網または伝送装置の故障時の公平性の維持を実現する。ある実施の形態によっては、ユーザ毎の情報開示時刻差低減方式における、ユーザ装置での情報受信時状態の公平性向上を実現する。ある実施の形態によっては、ユーザ毎の情報開示時刻差低減方式における、ユーザ装置故障時の公平性の維持を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1で記載される伝送網システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の各装置の動作を説明する図である。
【図3】図2の装置間の処理を示すシーケンス図である。
【図4】ネットワーク端末120の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態2で記載される伝送網システムの動作を説明する図である。
【図6】図5の装置間の処理を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態3で記載される伝送網システムの動作を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態4で記載される伝送網システムの動作を説明する図である。
【図9】図8の装置間の処理を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の実施の形態5で記載される伝送網システムの動作を説明する図である。
【図11】図10の装置間の処理を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の実施の形態6で記載される伝送網システムの動作を説明する図である。
【図13】図12の装置間の処理を示すシーケンス図である。
【図14】図2の配信情報テーブル1101の詳細を示す図である。
【図15】図2の配信情報テーブル1101の別例1101Aの詳細を示す図である。
【図16】図2の開示情報テーブル1201の詳細を示す図である。
【図17】図8のネットワーク端末420の開示対象情報及び開示時刻情報受信時の動作を示すフローチャートである。
【図18】図8の情報出力サーバ410の動作を示すフローチャートである。
【図19】図8のネットワーク端末420の開示時刻到達時の動作を示すフローチャートである。
【図20】図8の配信情報テーブル4101の詳細を示す図である。
【図21】図8の開示情報テーブル4201の詳細を示す図である。
【図22】図13のネットワーク端末620の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態を図面を用いて説明する。

1.実施の形態1
本実施の形態では、ネットワーク端末及び伝送網を介して情報出力サーバと接続される複数のユーザ装置に対して、情報出力サーバからプッシュ型サービスで同時に情報開示を行う伝送網システムの例を説明する。

【0017】
図1は、本実施の形態に記載される伝送網システムの構成例を示す図である。本図においてユーザ装置130−1〜130−nは、それぞれネットワーク端末(ユーザ側伝送装置)120−1〜120−nおよび伝送網40を介して情報出力サーバ(配信サーバ)110に接続される。情報出力サーバ110及びネットワーク端末120−1〜120−nは、伝送網40を介して時刻同期用基準時計50と時刻同期を行う機能を備え、情報出力サーバ110の内蔵時計1100及びネットワーク端末120−1〜120−nの内蔵時計1200−1〜1200−nは、時刻同期用基準時計50の時刻と、例えば、IEEE1588v2/PTP相当の時刻同期精度で同期関係が確立されるものとする。なお、本図においては開示対象情報や開示時刻情報の伝送と時刻同期用の信号の伝送は同一の伝送網40を介して行うものとしたが、異なる伝送網を介して実施するものとしても良い。なお、開示時刻情報は、例えば、開示対象情報を開示する時刻を表す。
【0018】
本伝送網システムを用いて、ある開示時刻において開示対象情報をユーザ装置130−1〜130−nに開示する場合の手順を以下に述べる。
情報出力サーバ110はネットワーク端末120−1〜120−nに対して、予め開示対象情報及び開示時刻情報1000を送信する。開示対象情報及び開示時刻情報1000を受信したネットワーク端末120−1〜120−nは、それぞれの内蔵時計1200−1〜1200−nの時刻が、受信した開示時刻情報により示された開示時刻に達するまで開示対象情報を保持し、開示時刻に達するとそれぞれに接続されたユーザ装置130−1〜130−nに対して開示対象情報の送信を行う。
本伝送網システムを用いる事により、各ユーザ装置へ開示対象情報を送信する開示時刻を高精度(例、マイクロ秒オーダー、ナノ秒オーダー等)で合わせる事が可能となり、各ユーザの公平性向上を実現する。

【0019】
図2は、図1の伝送網システムを構成する各装置の動作を説明する図である。情報出力サーバ110は、情報出力サーバ内蔵時計1100、配信情報テーブル1101、及び伝送網と接続され情報の送受信処理を行う図示しない送受信処理部を備える。配信情報テーブル1101は図14に示す通り、開示対象情報、開示時刻情報、及び配信時刻情報の集合により構成され、例えば、外部からの配信処理要求受付時またはネットワーク端末への開示対象情報及び開示時刻情報送信時に更新される。本実施の形態においては、開示対象情報の管理形態の一例として開示対象情報ID、開示対象情報種別、開示対象情報データにより構成される開示対象情報を管理するものとする。なお、開示対象情報の識別・特定は、開示対象情報ID、開示対象情報種別、開示対象情報データのうちいずれかひとつ又は複数のデータで行うことができる。例えば、開示対象情報IDで識別・特定してもよいし、開示対象情報種別及び/又は開示対象情報データで識別・特定するようにしてもよい。配信時刻は情報出力サーバがネットワーク端末120宛に開示対象情報及び開示時刻情報の送信を行う時刻を指し、それぞれの開示時刻の一定時間前としても良いし、開示対象情報毎に個別に設定しても良い。情報出力サーバ110は情報出力サーバ内蔵時計1100の時刻が配信情報テーブルのいずれかの配信時刻に達すると対応する開示対象情報及び開示時刻情報の送信を行う(S−110)。
【0020】
図15は、図2の配信情報テーブル1101の別例1101Aの詳細を示す図である。なお、上記では情報開示の対象を接続される全てのユーザと想定しているが、開示対象情報毎に予め設定された宛先ネットワーク端末を開示対象情報及び開示時刻情報の送信宛先としても良い。その場合、図15に示す通り、配信情報テーブル1101に宛先ネットワーク端末情報が追加された配信情報テーブル1101Aを使用し、該情報に基づき開示対象情報及び開示時刻情報の送信を行う。
ネットワーク端末120はネットワーク端末内蔵時計1200、開示情報テーブル1201、及び伝送網と接続され情報の送受信処理を行う図示しない送受信処理部を備える。
【0021】
図16は、図2の開示情報テーブル1201の詳細を示す図である。開示情報テーブル1201は図16に示す通り、開示対象情報、開示時刻情報の集合により構成され、例えば、情報出力サーバ110からの開示対象情報及び開示時刻情報受信時またはユーザ装置130への開示対象情報送信時に更新される。なお、開示対象情報、開示時刻情報の内容は、図15と同様である。ネットワーク端末120はネットワーク端末内蔵時計1200の時刻が開示情報テーブル1201のいずれかの開示時刻に達すると、ユーザ装置130宛に対応する開示対象情報の送信を行う(S−120)。
ユーザ装置130はネットワーク端末120からの開示対象情報受信時に、該情報を用いた処理を実施する(S−130)。該情報を用いた処理内容については本発明及び本実施の形態においては特に規定しないが、ユーザインタフェース上への情報の表示や、該情報を用いたアプリケーションの起動・操作等の処理が想定される。

【0022】
図3は、図2の装置間の処理を示すシーケンス図である。本図を用いて、情報出力サーバ110からユーザ装置130に情報開示を行う際の一連の処理を説明する。情報出力サーバ110はS−1100により配信情報テーブル1101に基づく開示対象情報及び開示時刻情報の生成を行う。情報出力サーバ内蔵時計1100の時刻が配信時刻T−10に達すると、S−1101によりネットワーク端末120宛に開示対象情報及び開示時刻情報を送信する。ネットワーク端末120は開示対象情報及び開示時刻情報を受信すると、
S−1200により該情報を開示情報テーブル1201に格納する。ネットワーク端末120においては開示情報テーブル1201とネットワーク端末内蔵時計1200の現在時刻の比較を行い、S−1201により開示時刻T−11まで待機する。現在時刻が開示時刻T−11に達するとS−1202により開示対象情報をユーザ装置130宛に送信し、開示情報テーブル1201からその情報を削除する。ユーザ装置130は、開示対象情報を受信すると、S−1300により開示対象情報を元にした情報の表示やアプリケーションの開始・操作などの処理を実施する。

【0023】
図4は、図1〜3に記載の処理を実現するためのネットワーク端末120の機能ブロック図の一例である。ネットワーク端末120はネットワーク端末内蔵時計1200、開示情報テーブル1201、送受信処理部1202、情報開示制御部1203、及び内蔵時計の時刻同期制御を行う時刻同期制御部12001を備える。送受信処理部1202は、伝送網40とのインタフェース12020、ユーザ装置側のインタフェース12021、上りフレーム処理部12022、下りフレーム処理部12023を備え、送受信処理を行う。
本実施の形態においては、通常の下りフレームの伝送を行うとともに、開示時刻に開示対象情報の挿入を行う下りフレーム処理部12023と、情報開示制御部1203が連携し、開示時刻が高精度に制御された情報開示を実現する。そのための具体的な動作について以下に説明する。
【0024】
まず、図3に記載のS−1200の動作の実現手順について述べる。情報出力サーバからの開示対象情報及び開示時刻情報を受信した下りフレーム処理部12023は、フレーム識別処理部120230により、該フレームが開示対象情報及び開示時刻情報を含むフレームであると識別し、開示情報終端処理部120231に伝達する。開示情報終端処理部120231は該フレームに含まれる開示対象情報と開示時刻情報を情報開示制御部1203のテーブルアクセス処理部12030に伝達する。本情報を受け取ったテーブルアクセス処理部12030は、開示情報テーブル1201に該情報を追加する。
【0025】
次に、図3に記載のS−1201の動作の実現手順について述べる。テーブルアクセス処理部12030は開示情報テーブル1201を一定時間、例えば数秒毎にポーリングし、開示時刻がネットワーク端末内蔵時計1200の示す現在時刻に最も近いエントリの開示対象情報及び開示時刻情報を次開示情報処理部12031に伝達する(1)。次開示情報処理部12031は該情報を格納するとともに、時刻比較処理部12032に開示時刻情報を伝達する(2)。時刻比較処理部12032は開始時刻情報とネットワーク端末内蔵時計1200の現在時刻を比較し、一定時間、例えば数秒以内に近づいたら次開示情報処理部12031に格納要求を伝達する(3)。これにより、次開示情報処理部12031は、開示情報挿入処理部120232に開示対象情報を伝達する(4)。これを受けて開示情報挿入処理部120232は開示対象情報を保持するとともに、通常フレーム一時保管処理部120233に対し、通常フレームの送信停止制御を行う(5)。これらの処理により、下りフレーム処理部12023は、開示対象情報の開示時刻が近付くと通常フレームの送信を停止し、開示時刻に達した時に速やかに開示対象情報の挿入が行えるように備える。
【0026】
次に、図3に記載のS−1202の動作の実現手順について述べる。時刻比較処理部12032は(3)の処理後、現在時刻が開示時刻と達すると開示情報挿入処理部120232に対し挿入許可を伝達する(6)。開示情報挿入処理部120232は、挿入許可を受けると速やかに格納していた開示対象情報の挿入を行う(7)。この挿入処理が完了した時点で、通常フレーム一時保管処理部120233に対し、送信再開制御を行う(8)とともに、テーブルアクセス処理部12030に対し挿入完了通知を伝達する(9)。挿入完了通知を受けたテーブルアクセス処理部12030は、挿入完了した開示対象情報及び開示時刻情報を、開示情報テーブル1201から削除する。
【0027】
上記のS−1201,S−1202の動作により、ネットワーク端末120の送受信処理部1202及び情報開示制御部1203は、高精度で制御された開示時刻における開示対象情報のユーザ装置130への送信を実現する。また、これらの情報開示制御処理はネットワーク端末120内で実施し、また上りフレーム処理とは独立して動作することから、ユーザの不正な加工を予防する事ができる。

【0028】
2.実施の形態2
本実施の形態では、ネットワーク端末及び伝送網を介して情報出力サーバと接続される複数のユーザ装置に対して、情報出力サーバからプル型サービスで同時に情報開示を行う伝送網システムの例を説明する。本実施の形態での実施の形態1と異なる付加的な要素・動作に関し、図5及び図6を用いて以下に説明する。なお、本実施の形態の伝送網システムの構成は実施の形態1と同様であり、図1に記載のものとする。

【0029】
図5は、本実施の形態で記載される伝送網システムの動作を説明する図である。本実施の形態では、情報出力サーバからネットワーク端末に開示対象情報及び開示時刻情報を送信する際に、宛先は事前に情報開示要求のあったユーザ装置と接続されるネットワーク端末とする。この動作を実現する情報出力サーバ210、ネットワーク端末220、ユーザ装置230の処理について以下に説明する。
【0030】
ユーザは特定の時刻に開示される予定の情報に対し、ユーザ装置230上で情報開示要求を入力する。この要求は例えば、アプリケーション上で、ネットワーク端末を識別するための宛先ネットワーク端末情報、開示対象情報のID及び種別を設定し、情報開示要求を送信するような形で実施する。ユーザ装置230はその情報開示要求をネットワーク端末220を介して情報出力サーバ210に伝送する(S−210)。情報出力サーバ210は、該開示対象情報の配信時刻の一定時間、例えば数分前までに受けた情報開示要求を元に配信情報テーブル2101の宛先ネットワーク端末情報を更新する。配信情報テーブル2101は、図15に示した配信情報テーブル1101Aと同様、開示対象情報、開示時刻情報、宛先ネットワーク端末情報の集合で構成されるものとする。なお、宛先ネットワーク端末情報のかわりにユーザ装置を識別するためのユーザ装置情報を用いてもよい。以後の情報開示に関わる処理S−220,S−230,S−240については、実施の形態1の処理と同様であり、それぞれS−110,S−120,S−130に対応する。

【0031】
図6は、図5の装置間の処理を示すシーケンス図である。ユーザ装置230はS−2100により、ユーザの要求を元に情報開示要求を送信する。該情報を受けた情報出力サーバ210はS−2101により配信情報テーブル2101を更新する。以後の情報開示に関わる処理S−2200,S−2201,S−2300,S−2301,S−2302,S2400は実施の形態1の処理と同様であり、それぞれS−1100,S−1101,S−1200,S−1201,S−1202,S−1300に対応する。なお、この実施の形態では、例えば、図15に示す通り、配信情報テーブル1101に宛先ネットワーク端末情報が追加された配信情報テーブル1101Aを使用し、該情報に基づき開示対象情報及び開示時刻情報の送信を行う。

【0032】
3.実施の形態3
本実施の形態では、ネットワーク端末及び伝送網を介して情報出力サーバと接続される複数のユーザ装置に対して、情報出力サーバから同時に情報開示を行う際に、伝送される情報を暗号化して伝送する伝送網システムの例を説明する。本実施の形態での実施の形態1又は実施の形態2と異なる付加的な要素・動作に関し、図7を用いて以下に説明する。なお、本実施の形態の伝送網システムの構成は実施の形態1又は実施の形態2と同様であり、図1又は図5に記載のものとする。

【0033】
図7は、本実施の形態で記載される伝送網システムの動作を説明する図である。本実施の形態では、情報出力サーバからネットワーク端末に開示対象情報及び開示時刻情報を送信する際に、情報を暗号化して送信することにより開示対象情報の秘匿性を向上する。情報の復号化はネットワーク端末での受信時に実施するものとし、復号鍵は予め情報出力サーバから配布されているものとする。本動作を実現するために、情報出力サーバ310は実施の形態1又は実施の形態2の情報出力サーバ110の送受信処理部に暗号化処理部が付加された構成とし、ネットワーク端末320は実施の形態1又は実施の形態2のネットワーク端末120の送受信処理部に復号化処理部が付加された構成とする。
なお、開示対象情報又は開始時刻情報のいずれかのみを暗号化するようにしてもよい。

【0034】
4.実施の形態4
本実施の形態では、ネットワーク端末及び伝送網を介して情報出力サーバと接続される複数のユーザ装置に対して、情報出力サーバから同時に情報開示を行う際に、各ネットワーク端末の開示情報正常受付応答を確認してから情報の開示を実施する伝送網システムの例を説明する。本実施の形態での実施の形態1又は実施の形態2と異なる付加的な要素・動作に関し、図8、図9を用いて以下に説明する。なお、本実施の形態の伝送網システムの構成は実施の形態1又は実施の形態2と同様であり、図1又は図5に記載のものとする。

【0035】
図8は、本実施の形態で記載される伝送網システムの動作を説明する図である。図17は、図8のネットワーク端末420の開示対象情報及び開示時刻情報受信時の動作を示すフローチャートである。図17のフローチャートに示す通り、本実施の形態では、ネットワーク端末420は、情報出力サーバ410からの開示対象情報及び開示時刻情報を受信した際に(S1701)、開示情報テーブル4201を参照し、受信した開示時刻情報と同一の開示時刻のエントリが開示情報テーブルにないかどうか判別をする(S1703)。正常に受け付けられる場合(例えば同一の開示時刻に別の情報開示を行うようなエントリが存在していない場合)に、受信した開示対象情報及び開示時刻情報を元に開示情報テーブル4201の追加または更新を実施する(S1705〜S1709)。例えば、受信した開示対象情報と同一の開示対象情報のエントリが開示情報テーブルにある場合(S1705)、ネットワーク端末420は、該当エントリの開示時刻を受信した開示時刻情報に更新する(S1707)。一方、受信した開示対象情報と同一の開示対象情報のエントリが開示情報テーブルにない場合は(S1705)、受信した開示時刻情報及び開示時刻情報を開示情報テーブルに追加する(S1709)。つぎに、ネットワーク端末420は、開示情報正常受付応答を情報出力サーバ410宛に送信する(S1711)(S−420)。正常に受け付けられない場合は、例えば、受信した開示時刻情報と同一の開示時刻のエントリが開示情報テーブルにある場合(S1703)、ネットワーク端末420は、開示情報受付不可応答を情報出力サーバ410宛に送信する(S1713)。
【0036】
図18は、図8の情報出力サーバ410の動作を示すフローチャートである。情報出力サーバ410は、図18のフローチャートに示す通り、配信時刻に到達したら(S1801)、開示対象情報及び開示時刻情報の配信後(S1803)、該開示対象情報の宛先ネットワーク端末全てから開示情報正常受付応答を受けた時点で(S1805〜S1809)、開示処理実行情報を宛先ネットワーク端末に送信する(S1817)(S−430)。情報出力サーバ410は、ステップS1805,S1807,S1809の判断により、宛先ネットワーク端末からの応答を受け付ける応答受付規定時刻(例えば開示時刻の数分前とする)までに宛先ネットワーク端末全てからの開示情報正常受付応答がない場合(S1805:N)や、何れかのネットワーク端末から開示情報受付不可応答を受信した場合(S1807:N)は、情報出力サーバ410は予め定められたリトライ上限に達するまで(S1811)配信情報テーブル4101の開示時刻情報を変更し(延期し)(S1813)、再度開示対象情報及び開示時刻情報の送信を行う(リトライ処理)(S1801,S1803)。開示時刻の変更は、例えばリトライ回数に応じて、予め定められた時間延期させる。なお、ステップS1811で、リトライ上限に達した場合は、情報出力サーバ410は、対象の開示情報のエントリを配信情報テーブルから削除する(S1817)。
【0037】
図20は、図8の配信情報テーブル4101の詳細を示す図である。本実施の形態の配信情報テーブル4101は、図20に示す通り、開示時刻、配信時刻、開示対象情報、宛先ネットワーク端末に加えて、受付応答、リトライ上限、リトライ回数の情報を備えるものとする。
【0038】
図19は、図8のネットワーク端末420の開示時刻到達時の動作を示すフローチャートである。ネットワーク端末420は、開示処理実行情報を受信すると開示情報テーブルの該当エントリに処理実行フラグを設定する(例、[有])。ネットワーク端末420は、図19のフローチャートに示す通り、開始時刻に到達すると(S1901)、開示情報テーブルの各エントリについて開示時刻時点で処理実行フラグ設定済(例、[有])の場合は(S1903)、対応する開示対象情報及び開示時刻情報をユーザ装置宛に送信し、エントリを削除する(S1905)。一方、処理実行フラグ未設定(例、「無」)の場合は(S1903)、ネットワーク端末420は、当該エントリを削除する(S1907)。
【0039】
図21は、図8の開示情報テーブル4201の詳細を示す図である。本実施の形態の開示情報テーブル4201は、図21に示すように開示時刻、開示対象情報に加えて処理実行フラグの情報を備えるものとする。
情報開示制御に関わるその他の処理S−410,S−440,S−450は実施の形態1の処理と同様であり、それぞれS−110,S−120,S−130に対応する。
【0040】
本実施の形態の動作により、何れかの伝送路またはネットワーク端末の異常時に、影響を受けないユーザ装置だけが情報開示を受ける事がなくなり、公平性の維持が可能である。また、複数の開示対象情報に同一の開示時刻が設定されていた場合に、開示時刻の変更を行い、問題なく情報開示を実施できる。情報出力サーバが単一の場合であれば、複数の開示対象情報に同一の開示時刻が設定される事象は情報出力サーバの処理で事前に回避できるが、情報出力サーバが複数ある伝送網システムに適用する場合、本実施の形態のような動作が有効である。

【0041】
図9は、図8の装置間の処理を示すシーケンス図である。ネットワーク端末420は情報出力サーバ410からの開示対象情報及び開示時刻情報を受信すると、S−4200により、開示情報テーブル4201を参照し、正常に受付可能かを判定する。その結果正常に受付可能であれば、S−4201により情報出力サーバ410宛に開示情報正常受付応答を送信する。情報出力サーバ410はS−4300により開示情報正常受付応答を元に配信情報テーブル4101を更新し、開示対象のネットワーク端末全てから開示情報正常受付応答があった場合にS−4301により開示処理実行情報を宛先ネットワーク端末に送信する。開示処理実行情報を受信したネットワーク端末420はS−4400により開示情報テーブル4201の該開示対象情報の処理実行フラグを設定する。開示情報テーブル4201を元にした情報開示制御はS−4401、S−4402により行うが、S−4401で各開示対象情報の処理実行フラグが設定されている場合に開示を行う点を除き、図3のS−1201,S−1202と同様である。情報開示に関わるその他の処理S−4100,S−4500は実施の形態1の処理と同様であり、それぞれS−1100,S−1300に対応する。

【0042】
5.実施の形態5
本実施の形態では、ネットワーク端末及び伝送網を介して情報出力サーバと接続される複数のユーザ装置に対して、情報出力サーバから同時に情報開示を行う際に、情報開示時刻以前にユーザ装置への情報開示事前通知を行い、ユーザ装置の速やかな開示情報受信処理を可能とする伝送網システムの例を説明する。本実施の形態での実施の形態1又は実施の形態2と異なる付加的な要素・動作に関し、図10、図11を用いて以下に説明する。なお、本実施の形態の伝送網システムの構成は実施の形態1又は実施の形態2と同様であり、図1又は図5に記載のものとする。

【0043】
図10は、本実施の形態で記載される伝送網システムの動作を説明する図である。本実施の形態では、開示対象情報及び開示時刻情報を情報出力サーバ510から受信したネットワーク端末520は、ユーザ装置530に対し、開示時刻から予め定められた時間前(例えば、開示時刻の数分前等)に、開示時刻情報を含む事前通知情報、例えば配信元や開示対象情報種別等を送信する(S−520)。事前通知情報を受信したユーザ装置530は、開示対象情報を受信するための準備、例えば表示するためのブラウザの起動・操作や、処理するアプリケーションの起動などを行い、開示対象情報受信時の該情報の速やかな処理を実施する(S−540)。本動作により情報開示を受ける際の各ユーザ装置の状態の公平性を向上する。

【0044】
図11は、図10の装置間の処理を示すシーケンス図である。ネットワーク端末520は開示対象情報及び開示時刻情報を受信すると、S−5201により事前通知情報をユーザ装置530宛に送信する。ユーザ装置530は事前通知情報を受け取るとS−5400により、開示対象情報を受信するための準備を行い、開示対象情報を受け取るとS−5401により該情報の速やかな処理を行う。情報開示に関わるその他の処理S−5100,S−5101,S−5200,S−5300,S−5301は実施の形態1の処理と同様であり、それぞれS−1100,S−1101,S−1200,S−1201,S−1202に対応する。

【0045】
6.実施の形態6
本実施の形態では、ネットワーク端末及び伝送網を介して情報出力サーバと接続される複数のユーザ装置に対して、情報出力サーバから同時に情報開示を行う際に、各ユーザ装置に情報開示事前通知を行い、それらの応答を確認してから情報開示を実施する伝送網システムの例を説明する。本実施の形態での実施の形態1と異なる付加的な要素・動作に関し、図12、図13を用いて以下に説明する。なお、本実施の形態の伝送網システムの構成は実施の形態1と同様であり、図1に記載のものとする。

【0046】
図12は、本実施の形態で記載される伝送網システムの動作を説明する図である。図22は、図13のネットワーク端末620の動作を示すフローチャートである。本実施の形態では、開示対象情報及び開示時刻情報を情報出力サーバ610から受信した(S1701)ネットワーク端末620は、図22のフローチャートに示す通り、図17と同様に、開示情報テーブルを参照し、正常に受け付けられる場合、例えば同一の開示時刻に別の情報開示を行うようなエントリが存在していない場合に、受信した開示対象情報及び開示時刻情報を元に開示情報テーブル4201の追加または更新を実施する(S1703〜S1709)。ステップS1707又はS1709の後、ネットワーク端末420は、ユーザ装置630に対し、開示時刻から予め定められた時間前(例えば、開示時刻の数分前等)に、開示時刻情報を含む事前通知情報、例えば配信元や開示対象情報種別等を送信する(S2201)(S−620)。事前通知情報を受信したユーザ装置630は、開示対象情報を受信するための準備を行うとともに、事前通知情報受信応答をネットワーク端末620宛に送信する(S−630)。事前通知情報受信応答を受けた(S2203)ネットワーク端末620は、情報出力サーバ610宛に開示情報正常受付応答を送信する(S2204)。以後の情報開示に関わる処理は実施の形態4と同様に実施する。
本動作により、情報出力サーバ・ユーザ装置間の何れかの伝送路またはネットワーク端末、ユーザ装置に異常があり、正常に情報開示が受けられない場合に、情報開示を実施しない又は開示時刻を変更する処理が実現でき、ユーザ間の公平性が向上する。

【0047】
図13は、図12の装置間の処理を示すシーケンス図である。ユーザ装置630はネットワーク端末620からの事前通知情報を受信時にS−6300により事前通知受信応答をネットワーク端末620宛に送信する。ネットワーク端末620は事前通知受信応答を受けて開示情報正常受付応答を情報出力サーバ610宛に送信し、情報出力サーバ610は宛先ネットワーク端末全てからの開示情報正常受付応答を元に情報開示を実施する。開示情報正常受付応答を元にする情報開示については実施の形態4と同様の動作により実現する。また、事前通知を受けたユーザ装置630は実施の形態5と同様の動作により開示対象情報受信時の速やかな処理を実現する。具体的には、S−6100,S−6101,S−6200,S−6400,S−6500,S−6501,S−6600,S−6601,S−6602は、S−4100,S−4101,S−4200,S−4201,S−4300,S−4301,S−4400,S−4401,S−4402にそれぞれ対応し、S−6201,S−6700,S−6701は、S−5201,S−5400,S−5401にそれぞれ対応する。
【符号の説明】
【0048】
40 伝送網
50 時刻同期用基準時計
110 情報出力サーバ
120−1、120−n ネットワーク端末
130−1、130−n ユーザ装置
1100 情報出力サーバ内蔵時計
1200−1、1200−n ネットワーク端末内蔵時計
1000 開示対象情報及び開示時刻情報
1001−1、1001−n 開示対象情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の配信元の伝送装置である配信サーバと、配信先のユーザ装置と接続されるユーザ側伝送装置を備えた伝送網システムであって、
前記配信サーバは、
開示対象情報、開示時刻情報、配信時刻情報、を対応して記憶する配信情報テーブルと、
第1計時機能及び該第1計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる第1時刻同期機能と
を備え、
前記ユーザ側伝送装置は、
開示対象情報、開示時刻情報を対応して記憶する開示情報テーブルと
第2計時機能及び該第2計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる第2時刻同期機能と
を備え、

前記配信サーバは、前記第1計時機能による時刻及び前記配信情報テーブルを参照して、開示対象情報及び開示時刻情報を、配信時刻情報に従い、予め前記ユーザ側伝送装置に送信し、
前記ユーザ側伝送装置は、前記配信サーバから受信した開示対象情報及び開示時刻情報を、前記開示情報テーブルに記憶し、
前記ユーザ側伝送装置は、前記開示情報テーブルを参照して、前記第2計時機能の時刻が前記開示時刻情報による時刻と一致した場合に前記開示対象情報を前記ユーザ装置に送信する
ことを特徴とする伝送網システム。
【請求項2】
請求項1に記載の伝送網システムであって、
前記ユーザ側伝送装置から前記ユーザ装置宛に送信される情報は、開示時刻情報に基づき開示処理を行うべき開示対象情報と、伝送網内から前記ユーザ装置宛に時刻の指定なく送信され、任意の時刻に前記ユーザ装置宛に送信可能な一般情報とに分類され、
前記ユーザ側伝送装置は、開示対象情報の開示時刻以前に一般情報送信を停止し、該開示時刻での該開示対象情報送信完了後、一般情報送信を再開することを特徴とする伝送網システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の伝送網システムであって、
前記配信情報テーブルは、各エントリに対して、さらに宛先ユーザ側伝送装置情報を記憶し、
前記配信サーバは、
前記ユーザ装置から、開示対象情報を特定する情報と、ユーザ側伝送装置情報若しくはユーザ装置情報とを含む事前要求を受信し、
前記事前要求に基づき、ユーザ側伝送装置情報若しくはユーザ装置情報を、前記配信情報テーブルの該当するエントリの宛先ユーザ側伝送装置情報に記憶し、
前記配信情報テーブルを参照して、開示対象情報及び開示時刻情報の送信先とする前記ユーザ側伝送装置若しくはユーザ装置情報を決定して、配信時刻情報による時刻に従い、開示対象情報及び開示時刻情報を送信することを特徴とする伝送網システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の伝送網システムであって、
前記配信サーバから開示対象情報及び開示時刻情報を前記ユーザ側伝送装置に送信する際に、開示対象情報及び/又は開示時刻情報を暗号化して送信し、前記ユーザ側伝送装置で該開示対象情報及び/又は開示時刻情報を受信時に復号化することを特徴とする伝送網システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の伝送網システムであって、
前記配信情報テーブルは、各エントリに対して、さらに、宛先ユーザ側伝送装置情報及び受付応答情報を記憶し、
前記開示情報テーブルは、各エントリに対して、さらに、開示処理可否情報を記憶し、
前記ユーザ側伝送装置は、前記配信サーバからの開示対象情報及び開示時刻情報を受信した際、該開示対象情報及び開示時刻情報についての開示処理の可否を判断し、前記開示情報テーブルの該当するエントリに開示処理可否情報を記憶し、開示処理可否情報を含む応答を前記配信サーバ宛に送信し、
前記配信サーバは、
前記ユーザ側伝送装置からの開示処理可否情報を含む応答に基づき、前記配信情報テーブルの該当するエントリに受付応答情報を記憶し、
前記配信情報テーブルを参照し、各開示対象情報及び開示時刻情報に該当する、ひとつ又は複数の宛先ユーザ側伝送装置情報及び受付応答情報に従い、開示処理の実行または延期または中止を判定し、開示処理の実行または延期または中止の前記情報を前記ユーザ側伝送装置に送信し、
前記ユーザ側伝送装置は、前記配信サーバからの開示処理の実行または延期または中止の前記情報に基づき、開示対象情報の送信の実行または延期または中止の処理を行うことを特徴とする伝送網システム。
【請求項6】
請求項5に記載の伝送網システムであって、
前記ユーザ側伝送装置は、前記配信サーバからの開示対象情報及び開示時刻情報を受信した際、前記開示情報テーブルを参照し、既に受信した他の開示対象情報及び開示時刻情報による開示処理実施予定と比較し、開示時刻が同一もしくは差が予め定めた値より小さい場合に該情報の開示処理可否を否とした開示処理可否情報を応答することを特徴とする伝送網システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の伝送網システムであって、
前記ユーザ側伝送装置は、前記配信サーバからの開示対象情報及び開示時刻情報を受信した際、該開示時刻を含む情報を事前通知情報として該開示時刻以前に前記ユーザ装置宛に送信し、
前記ユーザ装置は受信した該事前通知情報に基づき、予め開示対象情報の受信に備えるための処理を実行することを特徴とする伝送網システム。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の伝送網システムであって、
前記ユーザ側伝送装置は、前記配信サーバから受信した開示対象情報及び開示時刻報を元に前記ユーザ装置への事前通知情報の送信を行い、
前記ユーザ装置は、該事前通知情報を受信した際、前記ユーザ側伝送装置宛に事前通知受信応答の送信を行い、
前記ユーザ側伝送装置は、前記ユーザ装置への前記事前通知情報送信後、一定時間以内に前記事前通知受信応答がない場合に、前記配信サーバ宛に該情報の開示処理可否を否とした開示処理可否情報を応答することを特徴とする伝送網システム。

【請求項9】
情報の配信元の伝送装置である配信サーバと、配信先のユーザ装置と接続されるユーザ側伝送装置を備えた伝送網システムにおける伝送方法において、
前記配信サーバは、
開示対象情報、開示時刻情報、配信時刻情報、を対応して記憶する配信情報テーブルと、
第1計時機能及び該第1計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる第1時刻同期機能と
を備え、
前記ユーザ側伝送装置は、
開示対象情報、開示時刻情報を対応して記憶する開示情報テーブルと
第2計時機能及び該第2計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる第2時刻同期機能と
を備えた、前記伝送網システムにおける伝送方法であって、

前記配信サーバは、前記第1計時機能による時刻及び前記配信情報テーブルを参照して、開示対象情報及び開示時刻情報を、配信時刻情報に従い、予め前記ユーザ側伝送装置に送信し、
前記ユーザ側伝送装置は、前記配信サーバから受信した開示対象情報及び開示時刻情報を、前記開示情報テーブルに記憶し、
前記ユーザ側伝送装置は、前記開示情報テーブルを参照して、前記第2計時機能の時刻が前記開示時刻情報による時刻と一致した場合に前記開示対象情報を前記ユーザ装置に送信する
ことを特徴とする伝送方法。

【請求項10】
情報の配信元の伝送装置である配信サーバと、配信先のユーザ装置と接続されるユーザ側の伝送装置を備えた伝送網システムにおける前記伝送装置であって、
開示対象情報、開示時刻情報を対応して記憶する開示情報テーブルと
第2計時機能及び該第2計時機能の時刻を基準となる時計と合わせる第2時刻同期機能と
を備え、

前記配信サーバが、基準となる時計と合った第1計時機能による時刻を参照し、及び、開示対象情報、開示時刻情報、配信時刻情報、を対応して記憶する配信情報テーブルを参照して、開示対象情報及び開示時刻情報を、配信時刻情報に従い、予め前記伝送装置に送信した場合、
前記配信サーバから受信した開示対象情報及び開示時刻情報を、前記開示情報テーブルに記憶し、
前記開示情報テーブルを参照して、前記第2計時機能の時刻が前記開示時刻情報による時刻と一致した場合に前記開示対象情報を前記ユーザ装置に送信する
ことを特徴とする伝送装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−9068(P2013−9068A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139146(P2011−139146)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】