説明

伸張機

【課題】光学フィルムを伸張する方法を提供する。
【解決手段】フィルを処理する方法は、フィルムの対向端部を保持しながら流れ方向に沿って伸張機内でフィルムを搬送するステップと、末広がりの非線形経路に沿って前記対向端部を移動させることにより前記伸張機内で前記フィルムを伸張して延伸フィルムを形成するステップとを含み、前記フィルムの伸張中に、前記流れ方向に沿った前記フィルムの速度が、λが横断方向延伸比である場合におよそλ1/2だけ減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルム、特に光学フィルム、さらには実質的に一軸配向される光学フィルムを伸張することに関する。本発明はそのようなフィルムを伸張するのに適した装置および当該装置により延伸された結果得られるフィルムも含む。
【背景技術】
【0002】
フィルムを伸張するには様々な理由がある。特許文献1は高分子フィルムを二軸伸張する方法を開示している。この方法はフィルム基材などの製品に機械的特性を付与するために用いることができる。
【0003】
伸張は単結晶プラスチックフィルムの物理的性質を強化することができる。特許文献2はフィルムの単部を把持してフィルムの流れ方向に対して横にそのフィルムを伸張する円形ディスクを含むフィルムを伸張する装置を開示している。
【0004】
図1は連続して供給されるフィルムをフィルム進行方向に対して横に伸張する従来のテンター延伸プロセスを図示する。このフィルムは両端部2である把持手段、一般にはテンタークリップによって把持されている。テンタークリップは、直線的に広がる幅出しトラックあるいはレールに沿って進行するテンターチェーンに接続されている。この構成はフィルム進行の流れ方向にフィルムを前進させてフィルムを伸張する。こうしてフィルムの初期形状4は形状6に伸張可能である。
【0005】
テンター装置は特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7および特許文献8に記載されている。従来のテンターには欠点が多数ある。従来のテンターの広がり角は一般に小さく、通常10度未満である。境界軌道(boundary trajectories)は高分子フィルムの冷却およびスリッティング前に平行またはほぼ平行状態に戻る。図2を参照すると図1に示したフィルムの未延伸部4が寸法T、WおよびLを有する。このフィルムをラムダ(7)だけ伸張した後、フィルムのこの部分の寸法は部分6に示された寸法に変化した。これは以下にさらに詳細に記載するような一軸伸張ではない。
【0006】
本明細書で用いるように、フィルムの初期厚さT(図10を参照)に対する最終T’の比を法線方向延伸比(NDDR)として定義できる。流れ方向延伸比(MDDR)はフィルムの一部分の初期長さで割った伸張後のフィルムのこの部分の長さとして定義できる。単に例証のため図11のY’/Yを参照されたい。横断方向延伸比(TDDR)はフィルムの一部分の初期幅で割った伸張後のフィルムのこの部分の幅として定義できる。単に例証のため図9のX0/Xを参照されたい。
【0007】
従来のテンターではNDDRはだいたいTDDRの逆数である一方で、MDDRは基本的には変化しない。MDDRおよびNDDR延伸の非対称性は、これらの方向と伸張方向(TD)の間の性質の差に加えてフィルムの様々な分子、機械的および光学的性質の差の原因となる。このような性質の具体例には結晶配向および構造、熱的および吸湿性膨張、わずかなひずみ異方性機械的コンプライアンス、引き裂き抵抗、耐クリープ性、縮小、屈折率および様々な波形における吸収係数がある。
【0008】
特許文献9は熱可塑性材料ウェブを伸張する装置を開示している。この装置は指数あるいは他の曲線伸張輪郭を含む。従来の直線進路テンター装置で提供される急峻なピークや伸張変動比に対し、この装置は一定比の伸張をウェブに提供する。
【0009】
一軸延伸フィルムは単に単軸延伸されたフィルムより優れた性能を有する。例えば一軸延伸フィルムの方が、伸張方向(TD)に沿って容易に小繊維化あるいは引裂される。光学的用途では、MDとND屈折率を一致させることが有利であることが多い。例えば特許文献10、特許文献11および特許文献12(ジョンザら(Jonza,et.al))は、多層反射型偏光板の輝度強化応用例におけるオフノーマル角性能を向上させるための一致した屈折率を有する材料を開示している。
【0010】
図3は偏光板などの光学素子内の構成要素として利用するのに適した多層フィルムを伸張するための公知のバッチ技術を図示する。平坦な初期フィルム3を矢示方向に一軸伸張する。中心部が狭くなって伸張プロセス後にはフィルムの2つの端部が平行でなくなる。延伸フィルム5の大部分は光学要素として利用に適さない。フィルムの比較的小さな中心部分9のみが偏光板などの光学要素内での使用に適している。このプロセスによる歩留まりおよび利用可能な成形品寸法は小さい。
【0011】
特許文献13は一致したMDおよびND屈折率を有する補償フィルムが液晶表示装置の広い視野角を可能にすることを教示している。
【0012】
一軸延伸フィルムの製造を試みる従来の方法は、異なる速度のローラ間の少なくとも1つの範囲にわたってMDの縦方向にフィルムを延伸する長さ延伸装置(L.O.)を用いることである。この範囲あるいは延伸ギャップに沿って付与されたMDDRは基本的には上流ロールに対する下流ロールの速度の比である。フィルムは端部の拘束なしに自由にローラにまたがるため、フィルムはキャリパが薄くなるばかりでなく張るに従って幅も狭くなることがある。こうしてTDDRを実質的に1未満に低減して、場合によってはNDDRと等しくすることができる。欠点の1つは成形品寸法の限界である。所定の幅の初期ウェブは幅がMDDRの逆数の平方根だけ狭くなる。このようにL.O.で製造された最終フィルムは幅が大幅に狭くなる。幅をざっとTDDRだけ(把持による端部損失を除いて)増加させるテンターで製造されたフィルムと対比すると、一軸条件下でのL.O.は可能な成形品寸法を大幅に減少させる。
【0013】
縦方向に伸張するとダイラインなどの流れ方向伝搬キャリパ欠陥を増幅しやすい。高度一軸性を達成するために、L.O.はフィルム初期幅に比べて長い全長が必要である。実際にはこれには大型の装置と制御が困難な長いフィルム全長とが必要である。
【0014】
特許文献14はローラでの光学用途用フィルム製造の別の限界を指摘している。この明細書はローラがフィルムの表面を擦るあるいは損傷を与える場合があることを指摘している。繊細なコーティングあるいは軟質被膜を有するフィルムは悪影響を受けやすい。
【0015】
特許文献15において、フィルムにMD配向亀裂を定期的に挿入することにより有効初期幅を減少させる。この方法はさらに厳密に利用可能部分幅を限定する。
【0016】
一軸延伸でフィルムを延伸する試みは多数あった。特許文献16、特許文献17、特許文献18および特許文献14(エイチ フィールドら(H.Field,et.al))は、把持表面が面外波形を形成するクリップにフィルムを供給する方法を記載している。フィルムのMDに沿った実際の外形長さはテンターのMDに沿った外形長さの面内突起よりもかなり長いため、実際のフィルム送入速度はその平面射影よりも高速である。フィルムは最初は同様な面外波形(例えば波打っている)で供給される。この方法は延伸中に生じるMD張力を利用してひだの緩みを取るとともに最終フィルムを平坦にする。変形例ではフィルムを普通に延伸してその後波形クリップ内に配置する。延伸後の張力下の加熱およびその結果得られる収縮力がその後ウェブを確実に平坦化する。この方法を低レベルのオーバーフィード(20%未満)でのポリサルホンフィルムとともに記載する。この方法は必要な延伸比と熱伝達などのプロセス問題によって限定されがちである。多数の有用な一軸配向フィルムは4を超える延伸比を必要とする。これらは次に100%を超えるオーバーフィードを必要とするため、均一に加熱することが困難な深い面外ひだになる。例えばひだの上部および下部への熱伝達は、加熱プレナムへ近接しているため中心面内よりも高い。これによりライン速度を制限することになる。またこのような大きなひだは延伸を達成するのに必要な予熱でウェブ強度が減退するにつれ崩壊するとともに互いに貼り付くためこの方法は失敗する可能性がある。低レベルのオーバーフィードではこの方法はフィルム全体にわたる良好な平坦化を記録している。境界波形が深くなるに従い、最終フィルムの歩留まりと質とが悪影響を受けることがあると考えられている。
【0017】
特許文献19、特許文献20および特許文献21は延伸中に面内に留まるクリップ把持表面を開示している。このフィルムはクリップが面外半径範囲周囲を移動しながら面外角でクリップに供給される。面外半径は個別クリップ間の間隔を一時的に増加させる。曲線を回った後クリップ把持表面は面内に戻り、クリップは離間してはいるがより近接した間隔を保ち、フィルムの波状部分はクリップ間に位置する余分なたるみを提供する。この方法は延伸中の張力を利用して面内のフィルムを平坦化する。この方法には高延伸比条件に対して大きなひだという欠点がある。加えて延伸前にクリップが離間したままであるため、初期ひだを形成しているフィルムの端部が支持されない。延伸が進行して構造に応力をかけるにつれてこれらの非支持端部はフィルムの中心線に向かって内側に引っ張り始める。最終的にはクリップ間に大きな波形ができる。この波形は端部を利用不能にするだけでなくフィルムを通して大きなキャリパ変動を生じる。これは最終フィルムの歩留まりと質とに悪影響を及ぼす。
【0018】
特許文献22は、マスフローにおいてプロセスを部分的に不連続にすることによりMDライン速度を瞬間フィルムMD走行速度から切り離すことを開示している。横断方向に配向された亀裂をウェブに挿入する。これらによりその他の連続フィルムの中心部分を互いに引き離すことができるため、これらの部分においてより実質的に一軸延伸された材料を可能にする。この方法は利用可能な成形品寸法および歩留まりに厳しい限界を課す。
【0019】
特許文献23(ヤザワら(Yazawa,et.al))は2つの回転ディスクまたはホイール間のフィルム供給を開示している。このフィルムは2つの連続ベルトにより把持される。このフィルムおよびディスクはすべて同一面内にある。フィルムはその端部がディスクの広がる外周端部に追従するにつれて対応回転ディスク間で横断方向に伸張する。この延伸の広がり角は大きくなり、フィルムのMD走行速度はこの広がり角のコサインだけ減速する。ベルト速度は一定のままである。このようにして出力走行速度はフィルムの入力走行速度から低下する。フィルムはその把持ベルトから解放されるとともに、そのフィルムはより低いMD走行速度で巻き取られる。
【0020】
この方法はディスクの回転中心間の離間距離およびディスクサイズの調整を開示している。この方法の1つの欠点は特許文献24に記載されているが、ベルトシステムでフィルムの良好な把持を維持することが困難なことである。これは特に高レベルの延伸応力を生じるフィルム、例えばそのガラス転移温度近くで延伸したポリエステルを伸張することが難しい。このプロセスで用いられる多くの材料はしわやこの方法を用いた非一軸延伸永久ひずみを獲得すると考えられる。例えばMD長を一定に保持しながらガラス転移近辺で単軸延伸されたポリエステルは、実質的に一軸例が期待される次のステップで最終幅を減少させた時に、面内の跳ね返りではなくしわが寄ることがある。TD延伸ステップでMDの減少が遅すぎる時もしわが発生することがある。
【0021】
スウェンソン(Swenson)による特許文献25は傾角ホイールフィルム延伸装置について記載している。ここではディスクがフィルムと同一面内にはないためシートは傾角ホイールの外周により定義される面外境界軌道間で伸張される。この方法はエラストマー層を含むフィルムを伸張するための手段として記載されている。特許文献26に指摘されているように、延伸の進行に従って発生するMD張力のため、このような面外曲面間の伸張がフィルム表面を鞍状にする。フィルムの中心部分は境界軌道におけるフィルムのように直接保持されていないためまっすぐになり、そのため端部とは異なる経路に沿って延伸する。この非均一延伸はウェブにわたって大幅なキャリパおよび性質変動を生じることがあり、面外で移動する境界軌道に沿ってフィルムを延伸する場合の主な欠点である。
【0022】
特許文献26はこの鞍形状に部分的に対処するための様々な方法について記載している。異なる延伸履歴により性質変動が残るが、キャリパを均一にする手段として初期フィルム厚さあるいは温度分布を描くことを提案している。代替的には支持装置は中心部分のフィルムを湾曲した面外軌道に一致させることができる。エアクッションを始めとする様々な方法でフィルム表面に対する摩擦とそれに付随する損傷を低減することができる。鞍は特許文献27に記載されているような上述のディスクオリエンタを用いる様々な作業で現れる。鞍に対向するように凸状ガイド表面を用いる。このような方法の適用によるフィルムの損傷はこの方法の別の欠点である。特に光学用途に用いられるフィルムは、引き摺りによって生じるような表面欠陥や他の接触に関連した欠陥に特に敏感である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】PCT第WO00/29197号明細書
【特許文献2】米国特許第2,998,772号明細書
【特許文献3】米国特許第2,618,012号明細書
【特許文献4】米国特許第3,502,766号明細書
【特許文献5】米国特許第3,890,421号明細書
【特許文献6】米国特許第4,330,499号明細書
【特許文献7】米国特許第4,525,317号明細書
【特許文献8】米国特許第4,853,602号明細書
【特許文献9】米国特許第4,862,564号明細書
【特許文献10】米国特許第5,882,774号明細書
【特許文献11】米国特許第5,962,114号明細書
【特許文献12】米国特許第5,965,247号明細書
【特許文献13】特開平5−11114号明細書
【特許文献14】特開平6−34815号明細書
【特許文献15】特開平5−150115号明細書
【特許文献16】特開平5−288931号明細書
【特許文献17】特開平5−288932号明細書
【特許文献18】特開平6−27321号明細書
【特許文献19】特開平5−241021号明細書
【特許文献20】特開平6−51116号明細書
【特許文献21】特開平6−51119号明細書
【特許文献22】特開平5−11113号明細書
【特許文献23】米国特許第4,349,500号明細書
【特許文献24】米国特許第5,826,314号明細書
【特許文献25】米国特許第5,043,036号明細書
【特許文献26】米国特許第3,807,004号明細書
【特許文献27】米国特許第4,434,128号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明はフィルムを伸張して所望の性質(例えば、光学的性質)を提供するプロセスと、このようなプロセスによるフィルムと、フィルムを伸張する装置とを含む。好適な実施形態において本発明は、最終フィルムの所望利用幅にわたる過度の厚さの逸脱、最終フィルムの所望利用幅にわたる繊維対称性からの過度な異方性逸脱、最終フィルムのしわおよび他の非平坦欠陥、および最終フィルムの表面損傷を発生させる表面接触などの従来技術の欠点に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
一態様において、本発明は第1および第2の直交面内軸およびフィルムの厚さ方向の第3の相互直交軸の座標系に関して定義されるような所定の光学的性質を有する高分子材料の交互層を有する多層フィルムを提供するステップと、多層フィルムを伸張機に供給するステップと、第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向のフィルムの収縮を可能にしながらフィルムの第1の面内軸に沿って伸張機でフィルムを伸張するステップとを含み、フィルムの端部を把持して、フィルムの第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向に実質的に同一の比例寸法変化を生じるように広がる所定の経路に沿ってフィルムの端部を移動させることにより伸張が達成される、所定の光学的性質を有する光学フィルムを形成するプロセスを含む。
【0026】
一実施形態において、所定の経路はフィルムの第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向に実質的に同一の比例寸法変化を生じるような形状にされている。好適な実施形態において、フィルムの端部の少なくとも1つが、実質的に放物線である所定の経路に沿って移動される。
【0027】
他の実施形態において、フィルムの第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向に実質的に同一の比例寸法変化を生じるようにフィルムの端部の速度が制御される。
【0028】
他の実施形態において、フィルムの端部の少なくとも1つが実質的に一定の速度で所定の経路に沿って移動される。
【0029】
好適な実施形態において、このプロセスは連続プロセスであり、フィルムは伸張機に連続的に供給される。フィルムをロールから伸張機に連続的に供給してもよく、あるいは伸張機に同調してフィルムを押し出すあるいは同時押し出ししてもよい。
【0030】
他の実施形態において、第1の面内軸である伸張長方向に沿ったひずみ率は伸張の少なくとも一部分間では一定ではない。
【0031】
フィルムの第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向の比例寸法変化が、実質的に全延伸経を通して実質的に同一であることが好適である。
【0032】
他の実施形態において、フィルムの端部は実質的に第1および第2の面内軸により定義される面内にある所定の経路に沿って移動する。
【0033】
さらに他の実施形態において、フィルムの端部は三次元である所定の経路に沿って移動する。
【0034】
フィルムの端部は実質的に中心軸に関して対称な所定の経路に沿って移動することが好適である。
【0035】
フィルムが第1および第2の主表面を有し、フィルムの端部を除いてフィルムの第1および第2の主表面に物理的に接することなくフィルムを伸張することがさらに好適である。
【0036】
他の実施形態において、本発明は第1および第2の直交面内軸およびフィルムの厚さ方向の第3の相互直交軸の座標系に関して定義されるフィルムを提供するステップと、フィルムを伸張機に供給するステップと、第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向のフィルムの収縮を可能にしながらフィルムの第1の面内軸に沿って伸張機でフィルムを伸張するステップとを含み、フィルムの端部を把持して、実質的に伸張ステップ全体を通して第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向に実質的に同一の比例寸法変化を生じるような形状にされた所定の経路に沿ってフィルムの端部を移動させることにより伸張が達成される、所定の性質を有するフィルムを形成するプロセスを含む。
【0037】
他の態様において、本発明は上述と同様の座標系に関して定義されるフィルムを提供するステップと、フィルムをフィルムの進行方向の伸張機に供給するステップと、第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向のフィルムの収縮を可能にしながらフィルムの第1の面内軸に沿って伸張機でフィルムを伸張するステップとを含み、フィルムの端部を把持して、末広がりの実質的に放物線状経路に沿ってフィルムの端部を移動させることにより伸張が達成される、所定の性質を有するフィルムを形成するプロセスを含む。
【0038】
好適な実施形態において、本発明は上述と同様の座標系に関して定義されるフィルムを提供するステップと、フィルムをフィルムの進行方向の伸張機に連続的に供給するステップと、第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向のフィルムの収縮を可能にしながらフィルムの第1の面内軸に沿って伸張機でフィルムを伸張するステップとを含み、フィルムの端部を把持して、伸張ステップの少なくとも一部分間で第1の面内軸の方向のひずみ率が一定にならないように末広がりの所定の経路に沿ってフィルムの端部を移動させることにより伸張が達成される、所定の性質を有するフィルムを形成する連続プロセスを含む。
【0039】
他の態様において、本発明は第1および第2の直交面内軸およびフィルムの厚さ方向の第3の相互直交軸の座標系に関して定義される所定の光学的性質を有する光学フィルムのロールを含み、光学フィルムのロールは1巻きのフィルムを伸張機に連続的に供給するとともに、第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向のフィルムの収縮を可能にしながらフィルムの第1の面内軸に沿って伸張機でこのフィルムを連続的に伸張して、フィルムの第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向に実質的に同一の比例寸法変化を生じるプロセスにより形成される。
【0040】
光学フィルムのロールは所定の光学的性質を有する高分子材料の交互層を有する多層光学フィルムであることが好適である。
【0041】
光学フィルムのロールは偏光板への組み込みに適した部分を有することがさらに好適である。偏光板は反射型偏光板であることがなおさらに好適である。
【0042】
実質的に全伸張プロセスを通してフィルムの第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向に実質的に同一の比例寸法変化を生じるようにフィルムを伸張するプロセスによりフィルムのロールを形成することが好適である。
【0043】
さらに他の実施態様において、本発明は所定の性質を有する上述と同様の座標系に関して定義されるフィルムの連続供給を受け取る手段と、フィルムの端部を把持する固定手段と、流れ方向および厚さ方向のフィルムの収縮を可能にしながら横幅方向に沿ってフィルムが伸張されるように広がる所定の経路に沿って固定手段を連続的に移動させる伸張手段とを含み、所定の経路がフィルムの流れ方向およびフィルムの厚さ方向に実質的に同一の比例寸法変化を生じるように選択された形状を有してフィルムに所定の光学的性質を付与する、フィルムを連続的に処理する伸張機である。
【0044】
伸張機が、フィルムのロールからフィルムを受け取る手段を含むフィルムの供給を受け取る手段を含むことが好ましい。
【0045】
伸張機が延伸フィルムを伸張機から外す取り出し手段も含むことが好ましい。好適な実施形態において、取り出し手段は延伸フィルム急速に広がるフィルムの端部から切断して、延伸部分を伸張機から取り除く手段を含む。
【0046】
本発明は、添付の図面とともに以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明においてさらに完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】フィルムを伸張するために用いる従来技術のテンター装置の概略平面図である。
【図2】伸張プロセス前後両方の図1に示した従来技術のプロセスにおけるフィルムの一部分の斜視図である。
【図3】伸張前後両方のフィルムを示す、多層光学フィルムを延伸する従来技術のバッチプロセスの概略図である。
【図4】本発明の一態様によるステップを示すブロック図である。
【図5】本発明の好適な実施形態による伸張プロセスの概略図である。
【図6】伸張プロセス前後両方の図5に示したプロセスにおけるフィルムの一部分の斜視図である。
【図7】本発明の一実施態様による伸張機の一部分の概略平面図である。
【図8】図7の装置の端部図である。
【図9】流れ方向(MD)、法線方向(ND)、横断方向、初期幅X、伸張幅X0、および境界軌道IBTを示す座標軸を図示する延伸フィルムの概略図である。
【図10】初期厚さT、最終厚さT’、法線方向NDを図示する延伸フィルムの側面図である。
【図11】流れ方向(MD)、法線方向(ND)、横断方向(TD)、初期長Y、伸張長Y’、および境界軌道IBTを示す座標軸を図示する延伸フィルムの概略図である。
【図12】本発明の一実施態様による装置の取り出し部分の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明は様々な変更例および代替形状に適用可能である。単に例示として本発明の詳細を図に示す。本発明を記載された実施形態に限定することを意図するものではない。むしろ請求項に記載されたように本発明の精神および範囲内の変更例、同等物および代替物をすべて網羅することを意図するものである。
【0049】
図4は本発明の一態様によるプロセスのブロック図である。このプロセスは所定の性質を有するフィルムを形成する。
【0050】
本発明は一般には多数の異なるフィルム、材料およびプロセスに適用可能である。本発明は、フィルムに使用されている材料の粘弾特性を処理中にフィルムが延伸された時にその材料中に分子配向が生じる場合はその量を制御するのに利用する場合の高分子光学フィルムの製造に特に適していると思われる。以下に述べるように光学フィルムを製造するのに使用される材料の様々な性質を検討してその光学フィルムを改善に利用することができる。この改善は光学性能の改善、耐破砕性や耐引裂性の向上、寸法安定性の強化、より良好な加工性等のうちの1つ以上を含む。
【0051】
様々な光学フィルムを本発明によって伸張あるいは延伸することができる。これらのフィルムは単一あるいは多層フィルムを含んでもよい。好適なフィルムは例えば、米国特許第5,699,188号明細書、同第5,825,543号明細書、同第5,882,574号明細書、同第5,965,247号明細書、同第6,096,375号明細書、およびPCT出願公開WO95/17303号明細書、WO96/19347号明細書、WO99/36812号明細書、WO99/36248号明細書に開示されている。これらのフィルムを4を超える伸張比に延伸可能である。ある実施形態ではフィルムを5を超える、6を超える、6.5を超える、あるいは7を超える伸張比に延伸する。
【0052】
本発明により製造されるフィルムは、偏光板、反射型偏光板、二色性偏光板、配向反射型・二色性偏光板、吸収型偏光板、位相差板(z軸位相差板を含む)を始めとする多種多様な製品に有用である。フィルムは光学素子そのものを含んでもよく、あるいは前面投射および背面投射システム用ビームスプリッタで使用する整合zインデックス偏光板などの光学素子内の構成要素として、あるいはディスプレイやマイクロディスプレイで使用する輝度向上フィルムとして用いることができる。なお本発明による以下に記載の伸張機を長さオリエンタとともに用いて多層光学フィルムで鏡を製造することができる。
【0053】
本発明の一具体的実施形態による光学フィルムを製造するためのプロセスを図9、10及び11を参照して記載する。これらの図面は光学フィルムの一部分を図示している。3つの相互に直交する軸TD、MDおよびNDを基準にして図示された光学フィルムを記載する。図示した実施形態では、2つの直交する軸TDおよびMDがフィルムの平面(平面軸)にあり、第3の軸がフィルムの厚さ方向に伸びている。
【0054】
図4は本発明によるプロセスのブロック図である。ステップ30において、フィルムは当該フィルムを伸張する装置に供給あるいは提供される。このプロセスは任意に前処理ステップ32含んでもよい。ステップ34でこのフィルムを伸張する。ステップ36でこのフィルムを任意に後処理してもよい。ステップ38でこのフィルムを伸張機から外す。
【0055】
図5は本発明の好適な実施形態を図示する。このプロセスはフィルム40を伸張機に提供するステップ(領域30’を参照)を含む。図9、10および11に示すように、このフィルムは第1および第2の直交面内軸(例えば、流れ方向MDおよび横断方向TD)ならびにフィルムの厚さ方向の第3の相互直交軸(例えば、法線方向ND)の座標系を基準として参照することができる。
【0056】
このプロセスはフィルム40を伸張機に供給するステップ(領域30’を参照)と、第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向のフィルムの収縮を可能にしながらフィルムの第1の面内軸に沿って伸張機でフィルムを伸張するステップ(領域34’を参照)とを含み、フィルムの端部を把持して、フィルムの第2の面内軸およびフィルムの厚さ方向に実質的に同一の比例寸法変化を生じるように広がる所定の経路64に沿ってフィルムの端部を移動させることにより伸張が達成される。
【0057】
このプロセスは炉54や他の装置を設けるなどの前処理ステップ(領域32’を参照)を任意に含んでもよい。この前処理ステップは予熱帯(フィルムの領域42を参照)および加熱帯(領域44を参照)を含んでもよい。
【0058】
領域34’でフィルムを伸張する。フィルムの端部をローラ62によって矢示の方向に移動される機械的クリップで把持してもよい。好適な実施形態において、経路64は放物線状あるいは実質的に放物線状である。
【0059】
このプロセスは任意の後処理ステップ(領域36’を参照)を含む。例えばこのフィルムを領域48で固定して領域50で急冷してもよい。ベルトおよびローラを任意に用いてこの領域のフィルムを前進させてもよい。58で切断を行ってバリや使用不能部56を廃棄してもよい。
【0060】
延伸履歴(図5に示すように)のほぼ全体を通して実質的一軸延伸を維持するためには、横断方向の伸張の最後に急分岐端部56を切断点58で延伸フィルム48から切断することが好ましい。
【0061】
連続把持機構から織端を連続的に外すことができるが、テンタークリップなどの不連続把持機構から外すことはフィルムの個別MD部分に対して行うべきであり、例えばある所定のクリップ下の材料全体は一度に外される。この個別解放機構は上流の延伸ウェブに感知されうる応力のより大きな混乱をきたす場合がある。独立の取り出し装置の動作を補助するためにその装置内で連続織端分離機構、例えば加熱延伸フィルムの中心部分からの織端の「熱」切断を用いることが好ましい。
【0062】
その切断位置は「把持線」、例えば第1の有効把持具接点の独立取り出し点に十分近接して位置させて、その点の上流で応力の混乱を最小限に抑えることが好ましい。把持前にフィルムが切断されると、例えばTDに沿ったフィルムの「跳ね返り」により取り出しが不安定になることがある。そのためフィルムを把持線であるいはその下流で切断することが好ましい。切断は破砕プロセスであり、従って一般には空間位置にわずかではあるが当然ばらつきがある。そのため把持線の下流を若干切断して、把持線の上流に切断時の一時的なばらつきが発生しないようにすることが好ましい場合がある。フィルムを把持線から実質的に下流で切断すると、取り出しと境界軌道間のフィルムはTDに沿って伸張し続ける。ここでフィルムのこの部分のみが延伸しているため、ここで境界軌道に対して増幅延伸比で延伸して、さらに上流に伝搬する可能性のある応力混乱、例えば上流に伝搬する望ましくないレベルの流れ方向の張力を生じる。
【0063】
変動最終横幅延伸比を吸収するのに必要な取り出し位置の変化に伴って変動可能であるように、切断は移動可能および再配置可能であることが好ましい。このタイプの切断システムの利点は、取り出し切断点58を移動させるだけで延伸プロファイルを維持しつつ延伸比を調整できることである。
【0064】
加熱かみそり、熱線、レーザ(laser)、強力赤外線集束ビーム、熱風集中噴射を始めとする様々な切断技術を用いることができる。熱風噴射の場合、空気を噴流で十分に熱くして例えば熱軟化、溶融、噴射下での制御破砕によりフィルム内の穴を広げることができる。代替的には加熱噴射が単にフィルムの対象部分を軟化するだけで、さらに広がる境界軌道により加えられるさらなる延伸を十分に局在化させることができるため、連続するフィルム伸展動作によりこの加熱線に沿って下流に破砕が生じることになる。集中噴射の方法はある場合、特に例えば真空排気により制御して積極的に排気を除去することにより標遊温度流が延伸プロセスの均一性を乱すことを防止可能である場合に好ましい。例えば噴射ノズルの周囲の同軸排気リングを用いてもよい。代替的には例えばフィルムの反対側の噴射下の排気を利用してもよい。排気を下流でさらに相殺あるいは補足して、延伸帯へと上流に向かう漂遊流をさらに低減することができる。
【0065】
このプロセスは領域38’に除去部分も含む。ローラ65を任意に用いてフィルムを前進させることができるがこれは無くてもよい。ローラに付随する延伸フィルムを損傷させる可能性に延伸フィルム52をさらすことにもなるので、ローラ65を使用しないことが好ましい。他の切断60を行って不使用部61を廃棄することができる。
【0066】
図6は、このプロセスが「フィルムの第2の面内軸とフィルムの厚さ方向に実質的に同一の比例寸法変化を生じる」という場合に本出願において意味するものの図示に役立つ。三次元要素24は寸法T、WおよびLを有するフィルムの未延伸部分(図5および6を参照)を表す。三次元要素26は長さラムダ延伸された後の要素24を表す。図6に見られるように、厚さおよび幅は同一の比例寸法変化だけ減少している。図6は、例えば図2に示した完全非一軸伸張に対し一軸伸張を表している。
【0067】
本発明は完全一軸伸張に限定されない。その代わりに本発明はプロセス、装置および「実質的に」一軸伸張されたフィルムを含む。本発明の範囲内にあるものを定義するために以下の記載および観察を提供する。
【0068】
「実質的に」一軸延伸されたフィルムは所定の材料層内でMDおよびNDの性質が同様である繊維対称性を有することが好ましい(多層を含むフィルムがフィルム複合材の積層性によりそれ自体は繊維対称性を有することができない場合があるため)。これは延伸比の2つが等しいときに伸縮材料に存在可能である。方向の1つ、例えばTDが伸張されると、他の2つの方向、例えばMDおよびNDは等延伸比を有することが好ましい。体積保存であればMDDRおよびNDDRはともにTDDRの逆数の平方根に近づかなければならない。プロセスの境界制限がMDDRとNDDRとの間に差を付与するため、従来のテンターで延伸したフィルムは物理的に一方向のみに延伸(いわゆる「単軸(monoaxial)」延伸)されたとしても実質的に一軸延伸されるわけではない。
【0069】
本発明は伸張あるいは延伸の全過程を通して一軸条件下でフィルムを伸張するプロセスにも限定されない。好適な実施形態において本発明は従来技術プロセス(例えば、ディスクオリエンタ)の欠点に対処して延伸の全過程を通して流れ方向延伸比(MDDR)および横断方向延伸比(TDDR)に実質的に一軸制限を与える。従来技術が延伸を通して一軸条件を与えることができないことが最終フィルムにおけるしわや他の面外欠陥の原因である。
【0070】
好適な実施形態において、本発明は延伸ステップを通して境界軌道を介して実質的に一軸延伸を提供するプロセスを提供する。このプロセスはフィルムを面内に維持しつつこの過程依存性を提供するためさらに好ましい。しかしこの伸張ステップを実質的に平面領域(図5に示すように)内で行う必要はない。以下にさらに詳細に記載するように、三次元および実質的非平面であるフィルムの境界軌道を提供することは本発明の範囲内である。
【0071】
本発明は延伸ステップの様々な部分を通して一定の許容範囲内で一軸延伸からの逸脱を維持するのに好適である。本発明は任意に延伸の初期部分において面外でフィルムの一部分を変形しつつこれらの条件を維持するが、延伸の最終部分ではフィルムを面内に戻すことができる。
【0072】
全延伸過程を通して維持される一軸横断方向延伸において、瞬間MDDRはTDDRの逆数の平方根と等しい。本発明の好適な実施形態と関連して上述したように、フィルムは面外境界軌道、すなわち単一ユークリッド平面にはない境界軌道を用いて面外延伸することが可能である。無数ではあるが本発明の好適な実施形態の関係要件を満たす特定の境界軌道があるため、面外境界軌道を用いて実質的一軸延伸過程を維持できる。
【0073】
境界は対称であり、中心面例えば境界軌道間の初期中心点と、フィルム進行の初期方向と未延伸フィルム面に対する初期法線とを含む平面を介して鏡像を形成する場合がある。この好適な実施形態において、フィルムが同様な初期位置から等速度ですなわち互いに且つ初期中心点に同一線形順序に並んで境界軌道に沿って進行するので、2つの対向境界軌道間の最短距離の一組の線分によって形成される円筒状空間マニフォルドに沿って境界軌道間でフィルムを延伸することができる。中心面上のこの理想的マニフォルドの軌跡はこうして理想的延伸のフィルム中心の経路を描く。境界軌道の始点から初期中心点までの最初の距離に対する境界軌道から中心面上のこの中心軌跡までのマニフォルドに沿った距離の比は、境界軌道間に広がるフィルムにわたる瞬間公称TDDR、すなわち境界軌道上の現在の対向点間の半分の距離と境界軌道上の初期対向点間の半分の距離の比である。対向する境界軌道に沿って2つの対向点が一定の同一速度で移動すると、中心軌跡の弧、すなわち曲線MDに沿って測定されるように中心軌跡上の対応中心点が速度を変える。特に中心軌跡は中心軌跡の単位接線に対する境界軌道の単位接線の射影に応じて変化する。
【0074】
中心点の速度がその初期速度から対向境界軌道上の対応する対向点間で測定される瞬間TDDRの逆数のちょうど平方根分の1だけ中心軌跡に沿った各点毎に遅くなる限り、延伸の全過程に沿って一軸延伸を維持することができる。これは理想的な中心軌跡に沿った微分フィルム円弧の瞬間MDDRを考える際の一軸条件である。一軸条件は、境界軌道上の対応する対向点における円弧長の瞬間変化速度に対する中心軌跡に沿った円弧長の瞬間変化速度の比、すなわち曲線MDDRを調整することにより達成される。この制限を維持することにより、本発明の好適な実施形態の状況で一般的な部類の三次元空間曲線で適当な境界軌道を見つけて特定することができる。
【0075】
図5に示すような平面においてフィルムを延伸することが好ましい。これにより理想的な空間マニフォルドに対してフィルムの中心部の延伸を維持する問題を避けることができる。面内制限が変数の数を減少させるため境界軌道の設計も簡略化される。延伸のプロセスを通して一軸条件を維持する一組の鏡像対向境界軌道がある。曲線中心軌跡として定義されるMDDRあるいはMD速度ではなく、瞬間面内延伸比MDDRおよびTDDRを考慮することにより境界軌道の設計が進む。その結果が間にある面内MD中心線から広がる一組の対称面内放物線軌道である。この放物線は最初にTDを「x」方向およびMDを「y」方向として定義することにより表現することができる。対向境界放物線間のMD中心線をy座標軸とすることができる。放物線軌道間の中心軌跡の初期中心点として座標原点を選択可能であり、y=0でそれぞれマイナスおよびプラスXで開始するように左右の境界放物線を選択する。yが正の値の場合、本発明のこの好適な実施形態を実施する右側境界放物線軌道は(式1)である。
x/x=(1/4)(y/x+1
左側境界放物線軌道は上記式1の左側にマイナス1を乗じることにより得られる。
【0076】
式1の放物線軌道は一軸条件を提供する。従ってこれはMD張力を無視しうる面内延伸状態を表す。最終フィルムの利用可能幅にわたって良好な歩留まりおよび性質均一性を得るために、分子配向およびその結果得られる延伸により生じた性質の主軸はほぼ一定のままであるため好ましい。この場合TDに沿って引かれた直線、主要延伸方向は延伸後に実質的に直線を保つ。2軸配向フィルムのテンタープロセスではこれが一般的ではない。
【0077】
再度留意すべきことは、本発明は完全に一軸延伸されたフィルムに限定されないということである。実際にほぼあるいは「実質的に」一軸延伸されたフィルムは十分な所望性質の構成要素を製造するのに十分である。このようなフィルムの均一性は正確に一軸性が発現するより重要であることが多い。屈折率などの性質における一軸性の相違は多数の用途において許容可能である。例えば液晶表示用途に用いる反射型偏光板の角ずれ特性は、TDが主要単軸延伸方向である場合にMDおよびND屈折率の差によって強く影響を受ける。633nmにおける0.08のMDおよびNDの屈折率差はある用途では許容できる。他の用途では0.04の差が許容可能である。より厳格な用途においては、0.02以下の差が好ましい。こうして本発明によるフィルムの好適な実施形態はほぼあるいは実質的に一軸延伸された部類のフィルムと、このような実質的に一軸延伸されたフィルムを製造するためのプロセスと、このような実質的に一軸延伸されたフィルムを製造するための装置とを含む。
【0078】
ほぼあるいは実質的に一軸延伸されたフィルムの特定の包絡面内の軌道を算出するための好適な方法について記載する。この方法は「右側の」境界軌道を直接決定して、「左側の」境界軌道を鏡像とする。まず対向する境界軌道間で測定したTDDRと、TDDRのある選択範囲にわたるそれらの境界軌道の非負数広がり角度のコサインとして定義されるMDDRとの瞬間関数関係を定義することにより包絡制限を設定する。次にこの問題の位置関係を放物線軌道の記述において記載したように定義する。Xを境界軌道間の初期半分幅として定義するとともに比(x/x)を瞬間TDDRとみなすが、ここでxは境界軌道上の対向点の現在のx位置である。次にTDDRとMDDRとの瞬間関数関係をTDDRと広がり角度との関係に変換する。次に微分方程式、式2
d(x/x)/d(y/x)=tan(θ)
を満足させるように境界軌道を制限するが、ここでtan(θ)は広がり角度θの接線、yは所定のx座標に対応する右側の境界軌道上の対向点の現在位置のy座標である。次に例えばTDDRの過程に沿った1/tan(θ)、(x/x)を1から最大所望値を積分することにより微分方程式を解いて、分析的あるいは数値的のいずれかで右側の境界軌道の完全な座標セット{(x,y)}を得る。広がり角度はフィルムの中心線の進行方向と(x,y)における瞬間境界軌道との間にできる非負数の最小角度である。式2の対称的平面の場合には、中心線の進行はMDに沿っており、例えばほぼ従来のテンターの場合のように境界軌道がMDに平行な時には広がり角度はゼロである。
【0079】
本発明の好適な実施形態の方法を放物線軌道を例として図示する。まず一軸制限として包絡面を選択する。広がり角度のコサインの逆数の二乗に等しくなるようにTDDRを示す。TDDRは広がり角度プラス1の接線の二乗に等しい。これにより式の左側をTDDRの関数のみに直接代えることが可能になる。その後この式を分析的に積算して結果、式1を求める。
【0080】
他の好適な実施形態では、一軸性Uの程度を式3による単純比で定義させる。
U=(1/MDDR−1)/(TDDR1/2−1)
状態U=1は一軸条件を満たす。ゼロと1との間のUの状態はあるレベルのMD張力が生じる中間状態を表している。1に近い状態はほぼあるいは実質的に一軸性である。1より大きいUの状態は様々な過剰緩和レベルを表している。これらの過剰緩和状態は境界端部からのMD圧縮を引き起こす。形状および材料剛性に対してMD圧縮レベルが十分である場合には、フィルムは曲がったりしわが寄ったりする。いくつかの実施例では、100%以下の過剰供給に対応して、積MDDR・(TDDR)1/2が伸張粗さに対して少なくとも0.5であることが好ましい。
【0081】
以下の記載も本発明の状況において好適に「実質的に」一軸延伸されたフィルムの意味するものを理解するのに役立つ。ある部類の最終フィルムの容認可能包絡面内の好適な曲線は、多くの最終フィルム用途では1未満の最終的一軸性の程度が許容性能を提供することができるため、延伸の進行を通じて所望の閾値を超える一軸性の程度を維持する曲線である。例えば0.85の程度の一軸性は多くの場合に十分であり、単軸横断方向延伸フィルムに対して633nmで0.02以下のポリエチレンナフタレートを含むポリエステル系のMDとND方向間の屈折率の差を提供する。いくつかの実施形態においては、一軸性の程度は少なくとも0.9あるいは0.95以上でありうる。ポリエチレンテレフタレートなどのいくつかのポリエステル系の場合には、例えば非実質的一軸延伸フィルムの屈折率の低固有差のため、0.80さらには0.75という低いU値でも許容可能である。Uの特定値を選択すると、式3は上記のアルゴリズムあるいは方法と結合させた場合、Uが1に接近する極端なケースとして放物線軌道も含むさらに広い部類の境界軌道を特定するMDDRとTDDRとの間の特定の関係を提供する。少なくとも延伸の最終部分に対して1未満のU値を示す軌道は本明細書では半放物線(sub−parabolic)軌道と呼ぶ。
【0082】
より狭い初期有効ウェブ幅とともに式1の放物線軌道を用いた好適な部類の面内「半放物線」軌道により1未満の計数Uの条件を概算することが可能である。xをなお有効把持後のウェブの延伸可能中心部の真の有効半幅とする場合には(すなわち対向境界軌道間の初期半距離である初期幅マイナス把持具で保持された織端)、この部類の軌道は式4で表され、
(x+c)/(x+c)=(1/4)(y/(x+c))2+1
ここで「c」は正のオフセット距離である。この部類の軌道は8未満のTDDRに対する好適な定数Uの概数である。
【0083】
さらに他の部類の境界軌道は残りのしわを抑制するのに好ましいことがある。剪断力のない一軸条件はゼロの主要MD応力を提供するため、有限ひずみ分析を用いるとこれらの条件下では主要MD応力が実際に若干圧縮されることが予想される。有限ひずみ分析およびネオフーケン(Neo−Hookean)弾性固体構造方程式を用いると、圧縮応力を防止するのに適当な基準が式5により任意に与えられることが分かる。
((TDDR)(MDDR))−4+((TDDR)(MDDR))−(TDDR)−2−(MDDR)−2−sin(θ)((TDDR)(MDDR))−2=0
MDDRは広がり角度のコサインである。本発明のこの任意の方法は次にこの部類の境界軌道を特定する。
【0084】
上述の部類の軌道は例示であり、限定として解釈するべきものではない。多数の軌道部類が本発明の範囲内にあると考えられる。本発明は約0.70のUの最小値、より好適にはおよそ0.75、さらに好適には約0.80、なおさらに好適には約0.85を含む、ほぼ一軸境界軌道のすべてを含むことが好適である。最小U制限を好適には約2.5、さらに好適には約2.0、なおさらに好適には約1.5の臨界TDDRにより定義される延伸の最終部分にわたって適用することができる。ある実施形態では臨海TDDRは4あるいは5でもよい。臨界TDDRを超えると、ある種の材料例えば配向可能且つ複屈折ポリエステルを含むある種の一体構造および多層フィルムは、例えばひずみ誘発性結晶などの構造の発生のためにその弾性あるいは跳ね返り能力を失い始める。TDDRはひずみ誘発性結晶の開始に対する臨界TDDRなど、様々な材料およびプロセス(例えば、温度および歪み率)の特定の状況と一致可能である。このような臨界TDDRを超えるUの最小値は最終フィルムに組み込まれる非一軸性量に関連することもある。上述したように低レベルのMD張力をフィルムに導入してしわを抑制することが好ましい。このようなMD張力量はUの低下に従って増加することが好適である。
【0085】
延伸が進行するに従って張力を増加させることが好ましい場合がある。例えば延伸の初期の小さいU値は最終フィルムにより非一軸性をもたらす傾向がある。従って複合軌道に様々な軌道部類の特性を組みあわせることが有利である。例えば延伸の後半部分が式4のさらに広い放物線あるいは式5の軌道部類の軌道上に収束するが、延伸の初期部分では放物線軌道が好ましい場合がある。他の構成ではTDDRに伴ってUを低減する従来技術のディスクオリエンタに対し、UをTDDRに対する非増加関数としてもよい。
【0086】
放物線軌道はフィルムの均一空間延伸を呈する。延伸開始時および延伸中の温度分布を注意深く制御することに加えて、初期の未延伸フィルムまたはウェブの幅方向および流れ方向のキャリパ(厚さ)分布を注意深く制御して多くの高分子系でフィルムの良好な空間均一性を達成することができる。例えば多くの場合当初均一なキャリパを有するフィルムに関して延伸の初期および延伸中のフィルムの幅にわたって温度分布が均一であれば十分である。多くの高分子系は非均一性に特に影響を受けやすく、キャリパおよび温度均一性が不十分であると非均一状態で延伸される。例えばポリプロピレン類は単軸延伸下では「線延伸」する傾向にある。ある種のポリエステル類、特にポリエチレンナフタレートも非常に影響を受けやすい。
【0087】
本発明はフィルム、好ましくはフィルムの端部を把持するための手段を含む。フィルムを機械的クリップアセンブリ上の把持面間に挟持することが好適である。フィルムが有効に保持されなくなる把持面の有効端部は延伸されるフィルムの中心部の端部を規定する。この把持具端部は延伸フィルムに対して境界端部を規定する。把持具の動作も少なくとも部分的にフィルムの動きと延伸とに関する境界軌道を規定する(一方他の影響、例えば流れ方向の張力および巻き取り装置がその他の動きや延伸の原因となることがある)。必要ではないが、1つのクリップに沿って測定された端部の中心が、レールに沿ってあるいはレール状に切断されたチャネル内を進むチェーンの接線に瞬時に追従するように把持具面端部を設計すると好適である。レールチャネルからの把持部端面のずれがある場合には、境界軌道をレールによって規定することもできる。実際には面の下からのわずかなフィルムの滑りあるいは流出により把持具面の有効端部が幾分不明瞭な場合があるが、これらのずれは小さくすることかできる。フィルムはチェーンとレールの組に載置された二組の対向把持具によって保持されているため、2つの対向境界軌道がある。これらの軌道は延伸フィルムのMD中心線に関して鏡像であることが好ましい。
【0088】
従来、レールはその広がり角度例えば境界軌道とフィルム進行方向(例えばMD)との間にできる角度が調整可能である一連の直線部分により形成されている。曲線状の軌道も検討されてきた。
【0089】
本発明によるフィルムを把持するための手段は本質的には個別あるいは連続でもよい。図7および8は本発明の一態様によるフィルムを伸張するための装置の好適な実施形態の詳細を図示する。この把持手段は分割により全体の可撓性をもたらす一連のテンタークリップ70を備える。個別クリップ70はチェーンなどの可撓性構造に対して近接して詰めて取り付けられている。この可撓性構造はレールなどの軌道制御装置に沿ってあるいは軌道制御装置に沿ったチャネル内で進行する。諸条件に合わせて配置されたカムおよびカム表面が所望の点においてテンタークリップを開閉する。クリップおよびチェーンのアセンブリは任意にホイールあるいはベアリング等に載置される。代替的には連続把持機構はベルトやトレッドなどの可撓性且つ連続機構を含んでもよい。この可撓性且つ連続機構は溝やチャネル内に収納あるいは設置してもよい。代替的には、例えば米国特許第5,517,737号明細書あるいは欧州特許出願0236171A1号明細書に記載されている様々な他の対向多重ベルト方法を用いてもよい。これらは溝内に設置されあるいはベアリングまたは可撓性連続機構の動作を可能にする支持体の基礎となる他の手段上に載置されていてもよい。
【0090】
好適な連続把持機構は境界端部の各部分に沿って変化する境界軌道に連続的に追従する利点をもたらす。分割された個別の把持システムは本発明の範囲内であり、境界端部におけるフィルムの部分に沿って境界軌道に接近しやすいだけである。例えばテンタークリップは直線的クリップ面端部を有する。クリップはこのクリップ面端部の中心が進行および延伸の過程を通して境界軌道に接する、例えばテンターレールに接するように搭載される。これは中心で把持されたフィルムは境界軌道に追従するが、クリップの他の部分に沿って把持されたフィルムの他の部分は、境界軌道が直線でない限り境界軌道からはずれる経路に拘束されるということを意味する。さもなければ端部において単一のクリップに把持されたフィルムは、クリップの距離全体に沿ったクリップ中心における広がり角を示す傾向にある。結果としてクリップ面端部中心の上流のフィルムは目的の境界軌道に対して極端に大きな広がり角を有する傾向にある一方、クリップ面端部中心の下流のフィルムは目的の境界軌道に対して極端に小さな広がり角を有する傾向にある。本発明によればフィルム性質および一軸特性の小さなMD変動が発生する。実際には所定の装置に対して十分短いクリップを用いることによってこれらのMD変動を小さくすることができる。例えばクリップ面端部の長さは、境界軌道間の全初期距離の二分の一以下であることが好適であり、四分の一以下であればさらに好適である。一般にクリップは小さい方が境界軌道への近接が良好になりMD変動を小さくする。
【0091】
把持機構によって実際に示される広がり角の正確な制御は、その角が端部とのMDDR互換性を得るための条件設定の一因となる広がり角であるため、設計上の問題点である。フィルムの応力場と境界との相互作用もフィルムMD中心線に向かって進むにつれ端部における近似エラーを抑える傾向にある。把持具接触をクリップの全長未満に減少させることはある場合には有用である。例えば2つの連続クリップ間のフィルムは、上流クリップの前縁端部からの過小近似広がり角から下流クリップの後縁端部からの過大近似広がり角までの条件に直面する。これらの端部における接触領域の若干の緩和がMDDRの急峻な変動を減少させるとともに欠陥の原因となりうる不要な応力場を軽減する場合もある。端部の一部分における把持具動作の消失を注意深くバランスをとることにより非支持端部における必要以上の扇状切り欠きを減少させることができる。
【0092】
伸張機は任意に気流を境界端部方向にあるいは端部内に向けて、例えば把持具領域を介して排気を行い、把持具面に近接した延伸可能フィルムへの熱伝導を向上させることができる。この装置は把持具機構、例えばクリップに対して任意に積極的冷却を行って、例えば把持具機構の下からの流出を防止することによりフィルムの把持部の把持を良好に保つことができる。この積極的加熱および冷却の各々は有効境界端部領域を確立するのに役立つ。一般に把持具面端部によりあるいはこれら端部からフィルム中心線方向のわずかなオフセットにより境界端部を適度に近似させることが好ましい。しかし場合によっては、例えば境界軌道の形状を制御する能力に限界がある場合には、境界軌道により決定されたものから有効境界端部を調整するために把持具面端部に近い狭い端部領域を冷却または低温に維持することが好ましい。このような場合には、延伸の均一性を維持するためにフィルムの主要中心部にわたる温度均一性の適切な制御に対して適度な注意が望ましいであろう。
【0093】
境界軌道は固定あるいは調整可能である。境界軌道の基本的制御はレール、移動表面あるいは他の個別または連続システム用支持手段と同様でもよい。レールも部分的にあるいは全体に分割可能且つ調整可能である。例えばレールあるいはベルトシステム用基礎支持体の調整は接合部においてあるいは物理的な曲げのいずれか、および様々な手段によって行うことができる。
【0094】
駆動手段にはいくつもの方法がある。例えば駆動装置に接続された歯車によって推進される際のチェーンの動作、あるいは独立駆動装置によるベルトの動作、あるいは基礎支持体、例えばディスクオリエンタ内のディスクの動作でもよい。
【0095】
解放手段は把持手段によって保持されている織端の物理的解放、あるいは延伸フィルムの中心部からの織端の物理的分離のいずれでもよい。
【0096】
図12は好適な取り出し手段100を図示する。取り出し手段はベルト104とホイール102とを含む。この取り出し手段は駆動ホイール108および調整アーム106を含んでもよい。この取り出し手段はフィルムの利用可能部分の損傷を防止しつつ少なくとも解放フィルムの一部分を保持することが好ましい。この取り出し装置は加熱フィルムFが冷却する間、支持手段を提供することが好ましい。この取り出し装置はTDあるいはMD方向のいずれかあるいは両方向の収縮を制御する手段を備えることが好ましい。取り出し装置を離れるフィルムは通常、後の利用のためにロールに巻き取られる。あるいは取り出し後に直接変換を行うことも可能である。取り出し手段はニップ、全巻き角、真空補助等を有する簡素なローラシステムを始めいくつもの方法を含む。光学フィルムあるいは繊細なコーティングを有する光学フィルムの場合、被覆フィルム積層システムなどの上方および下方マスクシステムを備えるシステムが含まれる。これにより表面をローラシステムの動作から保護することができる。取り出しシステムの他の特質は出力速度に合わせてフィルムを取り外すことができるような速度およびまたはMD張力制御方法である。この取り出しシステムはフィルム内に残ったしわを引き伸ばすために用いることもできる。取り出し速度を延伸フィルムの最終解放部の出力速度より一時的に上げることにより、始動時にしわの初期引き伸ばしを行うことが可能であり、あるいは連続作動中に出力フィルム速度を超える一定速度によりしわを引き伸ばすことが可能である。
【0097】
上記の記載において「上方」、「下方」、「上に」、「下に」、「右側に」、「左側に」、「上部」および「下部」という用語で要素の位置を記載したところがある。これらの用語は図に示したような発明の様々な要素の記述を単に簡易にするためである。これらは本発明の要素の有用な配向に関して何ら限定を加えるものと解釈されるべきではない。
【0098】
従って、本発明は上述の特定な例に限定されると考えられるべきではなく、請求項に明確に述べたように本発明の実施態様をすべて網羅するものと考えられるべきである。本発明の対象である当業者にとっては、本明細書を検討することにより本発明を適用可能な多くの構造はもちろん様々な変更例、同等物が容易に明らかになるであろう。請求項はこのような変更例および装置を網羅することを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの対向端部を保持するための複数のクリップと、
少なくとも一部分が末広がりの非線形の進路を定義する前記クリップが進行する経路と、
前記フィルムとクリップとを流れ方向に沿って搬送するための駆動機構とを含むフィルムを処理する伸張機。
【請求項2】
前記経路が調整可能である請求項1に記載の伸張機。
【請求項3】
フィルムの端部を把持する手段と、
前記フィルムを流れ方向に搬送する手段と、
末広がりの非線形経路に沿って対向端部を移動させて延伸フィルムを形成する手段とを含むフィルムを処理する伸張機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−101559(P2012−101559A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−30721(P2012−30721)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【分割の表示】特願2009−229012(P2009−229012)の分割
【原出願日】平成14年5月29日(2002.5.29)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】