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伸線機の釜温度測定装置及びその釜温度制御システム
説明

伸線機の釜温度測定装置及びその釜温度制御システム

【課題】伸線機における引抜き釜の温度測定を可能にし、特に最も高温である被加工線材と引抜き釜の第一接触部近傍の温度を知ることができるようにし、さらに前記第一接触部近傍の温度を自動的に一定にすることができるようにして、品質の安定した被加工線材の生産に貢献することを課題する。
【解決手段】引抜き釜1の壁2中に温度検出手段3を備え、この温度検出手段3で検出した釜温度データの非接触伝送出力手段4を、引抜き釜1の壁2外に備えた伸線機の釜温度測定装置としている。釜温度測定装置Mからの釜温度データ、入口温度測定手段11からの釜へ供給する冷却水の入口温度データ、流量調整手段12からの釜へ供給する冷却水の流量データ、及び出口温度測定手段13からの釜から排出する冷却水の出口温度データをシーケンサー(PLC)で情報処理するようにした伸線機の釜温度制御システムとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、伸線機における引抜き釜の温度測定装置、及びその引抜き釜の温度を制御するためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、伸線機においては、高速で回転する引抜き釜の内部にスプレーノズルを配するなどして、大流量の冷却水を引抜き釜の内面に作用させ、その引抜き釜を冷却するようにしたものが存在する(特許文献1、2 )。
【0003】
前記伸線機において、引抜き釜の温度をサーモグラフィで検出しようと試みても、引抜き釜の外面には引き抜かれた線材が巻かれているので、所望する部位の温度検出ができない。そのため、引抜き釜の冷却水の出口温度を測定しているが、実際の引抜き釜の温度とはズレが生じており、また高速回転による遠心力で引抜き釜の内面に冷却水が付着している場合があるので、冷却水で引抜き釜の温度を管理することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−124628号公報
【特許文献2】特開平8−309427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、伸線機において、伸線中の被加工線材の温度管理は製品の品質上最も重要な項目の一つである。引き抜き時のダイスは高温となり、冷却が不完全な場合は材料の品質に悪影響をもたらす。引抜き釜の冷却能力が不足すると、製品の脆化の原因となる。
【0006】
伸線機はダイスと引抜き釜の両方に冷却水による冷却装置を具備している。この冷却装置の冷却能力は冷却水の水温と外気温及び冷却水の流量により変化し、また発熱量は材料外径及び抗張力や引き抜き速度に左右される。製品の品質を安定させるためには、被加工線材が引抜き釜に巻かれたときの温度を一定に保たなくてはならない。
【0007】
しかし、従来はダイスの温度や冷却水の入口温度と冷却水の出口温度から発熱量を類推するしかなく、大雑把な管理しかできなかった。
【0008】
伸線機の引抜き釜に温度検出器を設ける場合、引き抜き釜は高速回転するのでアナログ値の伝達が必要であるが、スリップリングなどの電送手段では正確な温度の伝達はできない。事実上、運転中の引抜き釜の温度測定は不可能であった。
【0009】
しかしながら、引抜き釜の温度を知ることにより、伸線時の冷却水の水量や温度あるいは伸線速度が適切であるかを判断することができる。
【0010】
そこで、本発明は、伸線機における引抜き釜の温度測定を可能にしたものであり、特に最も高温である被加工線材と引抜き釜の第一接触部近傍の温度を知ることができるようにし、さらに前記第一接触部近傍の温度を自動的に一定にすることができるようにして、品質の安定した被加工線材の生産に貢献することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明における伸線機の釜温度測定装置は、引抜き釜1の壁2中に温度検出手段3を備え、この温度検出手段3で検出した釜温度データの非接触伝送出力手段4を、引抜き釜1の壁2外に備えたものとしている。
【0012】
本発明の装置において、前記引抜き釜1の壁2中には、上部から下部にかけて挿入穴5を設け、この挿入穴5に温度検出手段3を挿入したものとしている。
【0013】
本発明の装置において、前記挿入穴5は、引抜き釜1の壁2下方の被加工線材との第一接触部である鍔2aと前記壁3とのアールR近傍に到達するものとし、前記温度検出手段3の検温部3aを前記アールR近傍に位置させたものとしている。
【0014】
本発明の装置において、前記温度検出手段3と挿入穴5との間には、熱伝導性グリースを充填したものとしている。
【0015】
本発明の装置において、前記縦孔5は、上部を下部より広くしたものとしている。
【0016】
本発明の装置において、前記非接触伝送出力手段4のリモート伝送部4aを、引抜き釜1の上面中央に配設し、前記非接触伝送出力手段4のリモート出力部4bを、伸線機の開閉カバー6に設け、この開閉カバー6の閉鎖時に前記リモート伝送部4aとリモート出力部4bが電送領域になる位置関係にしたものとしている。
【0017】
本発明の装置において、前記非接触伝送出力手段4のリモート伝送部4aとリモート出力部4bは、非磁性体7内に収納したものとしている。
【0018】
さらに、本発明における伸線機の釜温度制御システムは、前記釜温度測定装置M、入口温度測定手段11、流量調整手段12及び出口温度測定手段13を備えたものとし、前記釜温度測定装置Mからの釜温度データ、入口温度測定手段11からの釜へ供給する冷却水の入口温度データ、流量調整手段12からの釜へ供給する冷却水の流量データ、及び出口温度測定手段13からの釜から排出する冷却水の出口温度データをシーケンサー(PLC)で情報処理するようにしたものとしている。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、伸線機における引抜き釜の温度測定が可能となり、特に最も高温である被加工線材と引抜き釜の第一接触部近傍の温度を知ることができるようになり、さらに前記第一接触部近傍の温度を自動的に一定にすることができるようになり、品質の安定した被加工線材の生産に貢献することができるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明における伸線機の釜温度測定装置の引抜き釜の上蓋を閉鎖した状態を一部断面して示す説明図である。
【図2】図1における引抜き釜の上蓋を閉鎖した状態の要部拡大図である。
【図3】本発明における伸線機の釜温度測定装置の引抜き釜の上蓋を開放した状態を一部断面して示す説明図である。
【図4】本発明における伸線機の釜温度制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明における伸線機の釜温度測定装置を実施するための形態を、図1〜3に基づいて詳細に説明する。
【0022】
本発明の釜温度測定装置は、引抜き釜1の壁2中に温度検出手段3を備え、この温度検出手段3で検出した釜温度データの非接触伝送出力手段4を、引抜き釜1の壁2外に備えたものとしている。
【0023】
前記引抜き釜1は、例えば図示したような略つづみ型の巻胴としており、この巻胴の壁2下方の被加工線材(図示せず)との第一接触部には鍔2aが設けられており、この鍔2aと前記壁2とはアールRで結ばれている。
【0024】
前記引抜き釜1の壁2中には、上部から下部にかけて、前記アールR近傍に到達するように挿入穴5を設け、棒状の熱電対などの温度検出手段3を挿入し、この温度検出手段3の検温部3aを前記アールR近傍に位置させたものとしている。
【0025】
前記温度検出手段3と挿入穴5との間には、熱を伝える媒体、例えば熱伝導性グリースを充填するのが好ましい。さらに、前記挿入穴5は、上部から下部にかけて徐々にまたは段階的に直径を小さくすることにより、上部を下部より広くしたものとし、温度検出手段3を挿入し易くしたり、熱伝導性グリースを充填し易くしている。
【0026】
前記非接触伝送出力手段4は、引抜き釜1の壁2外に備えられておればよく、引抜き釜1の回転中心軸上などに備えたものとすることができる。図示した非接触伝送出力手段4は、温度検出手段3で検出した釜温度データを伝送するリモート伝送部4aとこのリモート伝送部4aからの検出信号のリモート出力部4bとからなり、前記リモート伝送部4aを引抜き釜1の上面中央に配設し、前記リモート出力部4bを伸線機の開閉カバー6に設け、この開閉カバー6を伸線機運転中に閉鎖すると、リモート伝送部4aとリモート出力部4bが電送領域(インゾーン)になる位置関係にしている。
【0027】
前記非接触伝送出力手段4のリモート伝送部4aとリモート出力部4bは、外部磁性体の影響を受けないように、硬質合成樹脂などの非磁性体7で作成されたケース内に収納したものとしている。
【0028】
以上のように構成した本発明の釜温度測定装置においては、温度検出手段3で検出した釜温度データは、この温度検出器3と接続されたリモート伝送部4aから非接触でリモート出力部4bへ伝送される。リモート伝送部4aとリモート出力部4bは非接触伝達なので、引抜き釜1が回転していても温度検出手段3の検出データには影響がない。リモート出力部4bは、例えばアナログ入力ユニットへ接続され、シーケンサー(PLC)などでデータ値を確認することができる。
【0029】
したがって、本発明の釜温度測定装置では、伸線機オペレータは、伸線機操作盤のタッチパネルなどで、伸線機運転中の引抜き釜1の温度を常時、確認することができる。
【0030】
次に、本発明における伸線機の釜温度制御システムを実施するための形態を、図4に基づいて詳細に説明する。
【0031】
本発明の釜温度制御システムは、前記釜温度測定装置Mの引抜き釜1へ供給する冷却水の入口温度測定手段11である温度センサー、この引抜き釜1へ供給する冷却水の流量調整手段12である自動開閉バルブ12aと流量計12b、前記引抜き釜1から排出する冷却水の出口温度測定手段13である温度センサーを備えたものとしている。
【0032】
そして、本発明の釜温度制御システムは、前記釜温度測定装置Mからの釜温度データ、入口温度測定手段11からの釜へ供給する冷却水の入口温度データ、流量調整手段12からの釜へ供給する冷却水の流量データ、及び出口温度測定手段13からの釜から排出する冷却水の出口温度データをシーケンサー(PLC)で情報処理するようにしている。
【0033】
したがって、本発明の釜温度制御システムでは、引抜き釜1の温度が上昇する場合は、流量調整手段12からの釜へ供給する冷却水の水量を増やせばよく、引抜き釜1の温度が下降する場合は、流量調整手段12からの釜へ供給する冷却水の水量を減らせばよく、引抜き釜1の設定温度になるように流量を調整して、その引抜き釜1の温度を自動的に一定にすることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 引抜き釜
2 壁
3 温度検出手段
3a 検温部
4 非接触伝送出力手段
4a リモート伝送部
4b リモート出力部
5 挿入穴
6 開閉カバー
7 非磁性体
11 入口温度測定手段
12 流量調整手段
13 出口温度測定手段
M 釜温度測定装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
引抜き釜(1)の壁(2)中に温度検出手段(3)を備え、この温度検出手段(3)で検出した釜温度データの非接触伝送出力手段(4)を、引抜き釜(1)の壁(2)外に備えたことを特徴とする伸線機の釜温度測定装置。
【請求項2】
前記引抜き釜(1)の壁(2)中に上部から下部にかけて挿入穴(5)を設け、この挿入穴(5)に温度検出手段(3)を挿入したことを特徴とする請求項1記載の伸線機の釜温度測定装置。
【請求項3】
前記挿入穴(5)を、引抜き釜(1)の壁(2)下方の被加工線材との第一接触部である鍔(2a)と前記壁(3)とのアール(R)近傍に到達するものとし、前記温度検出手段(3)の検温部(3a)を、前記アール(R)近傍に位置させたことを特徴とする請求項2記載の伸線機の釜温度測定装置。
【請求項4】
前記温度検出手段(3)と挿入穴(5)との間に熱伝導性グリースを充填したことを特徴とする請求項2または3記載の伸線機の釜温度測定装置。
【請求項5】
前記縦孔(5)の上部を下部より広くしたことを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の伸線機の釜温度測定装置。
【請求項6】
前記非接触伝送出力手段(4)のリモート伝送部(4a)を、引抜き釜(1)の上面中央に配設し、前記非接触伝送出力手段(4)のリモート出力部(4b)を、伸線機の開閉カバー(6)に設け、この開閉カバー(6)の閉鎖時に前記リモート伝送部(4a)とリモート出力部(4b)が電送領域になる位置関係にしたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の伸線機の釜温度測定装置。
【請求項7】
前記非接触伝送出力手段(4)のリモート伝送部(4a)とリモート出力部(4b)を、非磁性体(7)内に収納したことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の伸線機の釜温度測定装置。
【請求項8】
前記釜温度測定装置(M)、入口温度測定手段(11)、流量調整手段(12)及び出口温度測定手段(13)を備えたものとし、前記釜温度測定装置(M)からの釜温度データ、入口温度測定手段(11)からの釜へ供給する冷却水の入口温度データ、流量調整手段(12)からの釜へ供給する冷却水の流量データ、及び出口温度測定手段(13)からの釜から排出する冷却水の出口温度データをシーケンサー(PLC)で情報処理するようにしたことを特徴とする伸線機の釜温度制御システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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