説明

伸縮式搬送装置及びこれを備えた食品搬送システム

本発明は、搬送コンベアを構成する複数個の搬送ピースを螺旋状に巻回可能に連結し、前記搬送ピースはスペーサ部材を搬送方向と直角方向にずらして連設された内側部分と外側部分とにより形成され、前記外側部分の上端部及び下端部には搬送方向と直角方向に延びる接触面を有する係合部を形成して、当該搬送ピースの上端部係合部に隣り合う搬送ピースの下端部係合部を接触面を介して載置して構成するとともに、対をなすスペーサ部材の下部に搬送方向と直角な接触面をそれぞれ設けるとともに、スペーサ部材の一方を接触面を介して載置し移動せしめる内側チェーンと、該スペーサ部材の他方を前記接触面を介して載置し移動せしめる外側チェーンとを備え、前記内側チェーン及び外側チェーンを1個のモータにより駆動軸を介して駆動せしめるように構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、冷凍室内における冷凍食品の搬送用螺旋状無端コンベア等に適用され、冷凍食品等の搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを、搬送方向に相対変位可能に複数個連設して構成された搬送コンベアを有する伸縮式搬送装置及び該伸縮式搬送装置を備えた食品搬送システムに関する。
【背景技術】
冷凍室内における冷凍食品の搬送用コンベアとして、搬送体の搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを、前記搬送路の搬送方向に相対変位可能に複数個連設するとともに、前記スペーサ部材の上端部にこれと垂直方向に隣り合うスペーサ部材の下端部が載置されるように、前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回可能に連結して構成された無端搬送コンベアが、特公平7−100524号公報(先行技術1)、特公平7−25407号公報(先行技術2)、特公平1−44605号公報(先行技術3)等によって提供されている。
図18は前記先行技術に開示されている螺旋状の無端搬送用コンベアの概略外観図であり、図において100は搬送コンベアで、搬送体の搬送路を構成する連結部材02の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピース010を伸縮可能に連結し、螺旋状に段積みして構成されている。
かかる先行技術のうち、特に先行技術1においては、搬送体の搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを備えて、該搬送ピースを搬送路の搬送方向に相対変位可能に複数個連設するとともに、前記スペーサ部材を搬送方向と直角方向にずらして連設された内側部分と外側部分とにより形成し、スペーサ部材における外側部分の下端部を外側に屈曲して傾斜面を形成するとともに、内側部分の下端部を内側に屈曲して傾斜面を形成し、前記外側部分及び内側部分の傾斜面が組み合わされて形成された楔状の隙間に、当該スペーサ部材の下側のスペーサ部材の上端部を係合し、該係合部において各搬送ピースを段積みするとともに搬送方向と直角な水平方向への各搬送ピースのずれの発生を回避して、前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回可能に連結して搬送コンベアを構成している。
然るに、前記先行技術1にあっては、複数の搬送ピースを、外側部分及び内側部分の傾斜面が組み合わされて形成された楔状の隙間に、当該スペーサ部材の下側のスペーサ部材の上端部を係合することにより段積みして搬送コンベアを構成しているため、搬送ピース同士が線接触となって、接触部に局部的な面圧上昇が発生して該接触部における摩耗が増大するという問題点を有している。
また前記先行技術1にあっては、スペーサ部材における外側部分の下端部及び内側部分の下端部に形成された傾斜面が組み合わされた楔状の隙間に下側のスペーサ部材の上端部を係合しているため、楔状の隙間とスペーサ部材の上端部との係合に、搬送ピース毎のばらつきが生じ易くなって各搬送ピース間に搬送方向と直角方向へのずれが発生し易く、該搬送ピースを段積みした際において良好な安定性を保持し難いという問題点を有している。
また前記先行技術1にあっては、スペーサ部材における外側部分の下端部を外側に屈曲して傾斜面を形成するとともに、内側部分の下端部を内側に屈曲して傾斜面を形成するという、外側部分及び内側部分の双方に傾斜面を形成し、該傾斜面が組み合わされて形成された楔状の隙間に下側のスペーサ部材の上端部を係合するので、スペーサ部材の加工工数が多くなると共に、楔状の隙間に下側のスペーサ部材の上端部を係合させるために組立工数も多くなって、搬送コンベアの製造コストが上昇する。
また、先行技術1、2にあっては、搬送ピースにおいて搬送体の搬送路を構成する連結部材の表面が駆動ローラ、駆動チェーン等の駆動部材の表面に接触する構造となっているため、搬送体が食品の場合は衛生性が悪いという問題点がある。
また、先行技術1、2にあっては、搬送コンベアの内側部分を駆動する内側チェーンと外側部分を駆動する外側チェーンとを別個のモータで駆動して、各モータの回転制御を行っているため、搬送コンベアの駆動に2個のモータ及びその関連部材を必要とし、駆動装置が複雑かつ高価となる。
さらに、先行技術1、2にあっては、搬送コンベアを駆動する回転軸の軸端に連結されるモータが該回転軸に対して高さ方向に延設されるように構成されているため、装置の高さが高くなるとともに、変速歯車装置及びモータが垂直配置されるので、整備性が良好でない。
等の解決すべき問題点を有している。
【発明の開示】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、スペーサ部材の構造を簡単化して加工工数を低減することにより、製作工数が少なくかつきわめて簡単な構造で低コストの装置で以って、各搬送ピース連結部における耐摩耗性が向上するとともに各搬送ピースがスペーサ部材間において搬送方向と直角方向にずれを生じることなく、搬送方向に伸縮可能で搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回可能な搬送コンベアを備えた伸縮式搬送装置及びこれを備えた食品搬送システムを提供することを目的とする。
また、本発明の第2の目的は、伸縮式搬送装置を駆動する駆動装置を、搬送路を構成する連結部材の表面と該駆動装置構成部材との接触を回避して衛生性を高く保持するとともに、構造が簡単かつ低コストで整備性の良好な伸縮式搬送装置及びこれを備えた食品搬送システムを提供することにある。
そして、本発明はかかる目的を達成するもので、食材を含む搬送体の搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを前記搬送路の搬送方向に相対変位可能に複数個連設するとともに、前記スペーサ部材の上端部にこれと隣り合うスペーサ部材の下端部が載置されるように、前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回可能に連結して搬送コンベアを構成してなる伸縮式搬送装において、前記搬送ピースは前記スペーサ部材を前記搬送方向と直角方向にずらして連設された内側部分と外側部分とにより形成され、前記搬送ピースにおける外側部分の上端部及び下端部には前記搬送方向と直角方向に延びる接触面を有する係合部を形成して、当該搬送ピースの上端部係合部に隣り合う搬送ピースの下端部係合部を前記接触面を介して載置してなることを特徴とする。
かかる発明において好ましくは、前記外側部分における上端部係合部及び下端部係合部の外側を屈曲して垂直方向に一定角度傾斜した傾斜部を形成し、該傾斜部により前記搬送ピースの搬送方向と直角方向への移動を係止可能とする。
かかる発明によれば、搬送ピースのスペーサ部材を搬送方向と直角方向にずらして連設された内側部分と外側部分とにより形成し、該外側部分の上端部及び下端部に搬送方向と直角方向に屈曲した接触面を有する係合部を形成して、複数の搬送ピースを、当該搬送ピースの上端部係合部と垂直方向上側に位置する搬送ピースの下端部係合部とを該接触面を介して積み重ねることによって該搬送ピースを垂直方向に段積み可能としたので、複数の搬送ピースを面接触させて段積みすることにより、該搬送ピースに加わる荷重を面接触で受けることができて局部的な面圧の上昇を回避することが可能となり、従来技術のような線接触で荷重を受けるものに比べて耐摩耗性に優れた構造となる。
また、前記のように、搬送ピースに加わる荷重を上端部係合部と下端部係合部との面接触で受けるとともに、前記外側部分における上端部係合部及び下端部係合部の外側に屈曲して形成された傾斜部によって搬送ピースの搬送方向と直角方向への移動を係止することができる。
これによって、搬送ピースの垂直位置を前記面接触によって安定的に保持し、かつ、前記傾斜部によって各搬送ピースが搬送方向と直角方向にずれを生じるのを回避し、さらに段積みした際における良好な安定性を保持して、各搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回してなる搬送コンベアとすることができる。
従って、かかる発明によれば、従来技術のようにスペーサ部材の内側部分及び外側部分の双方の端部に、搬送方向と直角方向において一方側(例えば外側)に屈曲した係止部を設けるとともに、他方側(例えば内側)の端部にも屈曲した係止部を設けることを必要とせず、外側部分の上、下端部に各1個、搬送方向と直角方向に延びる接触面と上方に屈曲した傾斜面を有する係合部を設けるのみで、前記のような所要の機能を有する搬送コンベアを得ることができることとなる。
これにより、スペーサ部材の構造が簡単化されて加工工数が減少し、搬送コンベアの製造コスト、さらには該搬送コンベアを組み込んだ冷凍装置の製造コストを低減できる。また、格別な細工を施すことなく、容易に上り、下り双方向の螺旋状搬送コンベアを実現できる。
また、かかる発明において好ましくは、前記対をなすスペーサ部材の外側部分に、棒状に形成された前記連結部材の両端部を夫々固着するとともに、前記内側部分に前記搬送方向に沿って一定長さに亘り穿孔された長孔を設け、当該搬送ピースの前記連結部材を隣り合う搬送ピースの前記長孔に相対移動可能に嵌合することにより、前記搬送コンベアを、前記各搬送ピースが前記連結部材と長孔との嵌合部を介して搬送方向において相対移動可能に構成する。
このように構成すれば、対をなすスペーサ部材の外側部分に棒状の連結部材の両端部を夫々固着し、該連結部材を隣り合う搬送ピースの内側部分に設けた長孔に相対移動可能に嵌合するという、製作工数が少なくかつきわめて簡単な構造で以って、各搬送ピースを搬送方向に相対移動可能にして、搬送方向に伸縮可能な搬送コンベアを得ることができる。
また、かかる発明において好ましくは、前記対をなすスペーサ部材の外側部分に、棒状に形成された前記連結部材の両端部を夫々固着するとともに、該連結部材の固着部を延長して、前記搬送コンベアの両側に搬送方向複数箇所に設置された支持部材に案内されるガイド部を構成するとともに、該連結部材の固着部の端部を水平に屈曲して前記外側部分の係合部に固着する。
このように構成すれば、搬送体を支持する連結部材の両端部を延長してガイド部に構成して、搬送コンベアの案内部材と兼用したので、格別な搬送コンベアの案内部材を設けることなくなく簡単な構造で以って、搬送コンベアを、横振れを生ずることなく安定して移動させることができる。
また、前記連結部材の端部を水平に屈曲して前記外側部分の係合部に固着したので、連結部材の端部で剛性が補強された外側部分の係合部で垂直荷重を支持することができ、前記スペーサ部材間に架設され搬送面を形成している前記連結部材で垂直荷重を支持することが不要となり、高強度でかつ冷凍食品搬送用として衛生的な搬送コンベアが得られる。
また、かかる発明を食品搬送システムにおける冷凍食品等の搬送装置に適用した発明として、食品の搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを、前記搬送路の搬送方向に沿って相対変位可能に複数個連結して搬送コンベアを構成してなる伸縮式搬送装置を備えた食品搬送システムにおいて、前記搬送ピースは、前記スペーサ部材を前記搬送方向と直角方向にずらして連設された内側部分と外側部分とにより形成され、前記搬送ピースにおける外側部分の上端部及び下端部には前記搬送方向と直角方向に延びる接触面を有する係合部を形成し、当該搬送ピースの上端部係合部に隣り合う搬送ピースの下端部係合部を前記接触面を介して載置して、前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回して搬送コンベアを構成し、該搬送コンベアを断熱室内に収納するとともに該断熱室への入口部と出口部とを連結することにより無端コンベアに構成してなることを特徴とする伸縮式搬送装置を備えた食品搬送システムを提案する。
前記のような、前記伸縮式搬送装置を冷凍食品等の食品搬送システム搬送装置に適用した発明によれば、食品搬送システム用搬送コンベアにおいて、複数の搬送ピースを面接触させて段積みすることにより、該搬送ピースに加わる荷重を面接触で受けることができて局部的な面圧の上昇を回避することが可能となり、耐摩耗性に優れた構造の搬送コンベアとすることができ、また、搬送ピースの係合部の外側に屈曲して形成された傾斜部によって搬送ピースの搬送方向と直角方向への移動を係止することができる。
これによって、搬送ピースの垂直位置を面接触によって安定的に保持し、かつ、前記傾斜部によって各搬送ピースが搬送方向と直角方向にずれを生じるのを回避して、各搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回してなる冷凍食品等用の食品搬送コンベアが得られる。
また、前記スペーサ部材における外側部分の上端部及び下端部に搬送方向と直角方向に延びる接触面を有する係合部を形成して、隣り合う搬送ピース同士を水平な接触面を有する係合部を介して積み重ねる構造であるので、従来技術のように搬送ピース同士の接触部にポケットが形成されることがなく、特に冷凍食品搬送時において搬送時の排水性が良好となる。
また、かかる発明において、好ましくは、冷凍装置を、螺旋状に巻回された前記搬送コンベアの内側空間に設置する。
このように構成すれば、螺旋状に巻回された前記搬送コンベアの内側に形成される円形状のスペースを冷凍装置の設置スペースとして友好利用することができ、冷凍システムのコンパクト化が実現できる。
さらに本発明は、搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを、前記搬送路の搬送方向に相対変位可能に複数個連設するとともに、前記スペーサ部材の上端部に他のスペーサ部材の下端部が載置されるように、前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回可能に構成してなる搬送コンベアを備えた伸縮式搬送装置において、前記搬送コンベアは、前記スペーサ部材を前記搬送方向と直角方向にずらした内側部分と外側部分とを連設して形成し、前記内側部分及び外側部分の上端部あるいは下端部に、前記搬送方向と直角方向において互いに反対方向に向けて屈曲し、垂直方向において隣り合うスペーサ部材の上端部あるいは下端部が当接可能な係止部を形成してなることを特徴とする。
かかる発明において好ましくは、前記内側部分及び外側部分の係止部は、前記スペーサ部材の板面に対して一定角度傾斜した傾斜面を形成し、該傾斜面に相手部材の端部が当接することにより該相手部材の前記搬送方向と直角方向への移動を係止せしめるように構成してなる。
また、かかる発明において好ましくは、前記対をなすスペーサ部材の外側部分の内面に、棒状に形成された前記連結部材の両端部を夫々固着するとともに、前記内側部分に前記搬送方向に沿って一定長さ穿孔された長孔を設け、当該搬送ピースの前記連結部材を隣り合う搬送ピースの長孔に相対移動可能に嵌合して、前記各搬送ピースが前記連結部材と長孔との嵌合部を介して前記搬送方向に相対移動可能に連結されてなる。
かかる発明によれば、搬送コンベアを、搬送路を構成する連結部材の両端部に立設された板状のスペーサ部材を、搬送方向と直角方向にずらした内側部分と外側部分とを連設して形成し、例えば、スペーサ部材の内側部分の上端部に搬送方向と直角方向に屈曲した係止部を設けて当該スペーサ部材に対して垂直方向上側に位置するスペーサ部材の内側部分の下端部を当接させるとともに、前記スペーサ部材の外側部分の下端部に前記内側部分の係止部とは反対方向に向けて屈曲した係止部を設けて当該スペーサ部材に対して垂直方向下側に位置するスペーサ部材の外側部分の上端部を当接させるようにしたので、
前記内側部分の上端部と外側部分の下端部というように、内側部分及び外側部分に各1個、搬送方向と直角方向において互いに反対方向に向けて屈曲した係止部を設けて、垂直方向において隣り合うスペーサ部材の上端部あるいは下端部を該係止部に当接させることにより、各搬送ピースがスペーサ部材間において前記搬送方向と直角方向にずれを生じることなく、搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回してなる搬送コンベアとすることができる。
従って、かかる発明によれば、従来技術のようにスペーサ部材の内側部分及び外側部分の双方の端部に、搬送方向と直角方向において一方側(例えば外側)に屈曲した係止部を設けるとともに、他方側(例えば内側)の端部にも屈曲した係止部を設けることを必要とせず、内側部分及び外側部分に各1個、搬送方向と直角方向において互いに反対方向に向けて屈曲した係止部を設けるのみで前記のような所要の機能を有する搬送コンベアを得ることができることとなり、スペーサ部材の構造が簡単化されて加工工数が減少し、搬送コンベアの製造コスト、さらには該搬送コンベアを組み込んだ冷凍装置等の製造コストが低減される。
また、前記スペーサ部材における係止部を、該スペーサ部材の板面に対して一定角度傾斜した傾斜面に形成すれば、当該スペーサ部材と垂直方において隣り合うスペーサ部材の端部を該傾斜面に当接させることにより、各搬送ピースのスペーサ部材間における搬送方向と直角方向へのずれの発生を確実に回避できる。
また、対をなすスペーサ部材の外側部分の内面に棒状の連結部材の両端部を夫々固着し、該連結部材を隣り合う搬送ピースの内側部分に設けた長孔に相対移動可能に嵌合するという、製作工数が少なくかつきわめて簡単な構造で以って、各搬送ピースを搬送方向に相対移動可能にして、搬送方向に伸縮可能な搬送コンベアを得ることができる。
また、かかる伸縮式搬送装置を冷凍食品等の食品搬送システム搬送装置に適用した発明として、食品を搬送する搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを、前記搬送路の搬送方向に相対変位可能に複数個連設して構成され前記搬送方向に伸縮自在な搬送コンベアを有してなる伸縮式搬送装置を備えた食品搬送システムにおいて、前記搬送コンベアは、前記スペーサ部材を前記搬送方向と直角方向にずらした内側部分と外側部分とを連設されるとともに、前記内側部分及び外側部分の上端部あるいは下端部に、前記搬送方向と直角方向において互いに反対方向に向けて屈曲し相手部材の上端部あるいは下端部が当接可能な係止部を形成されてなり、該搬送コンベアを、前記スペーサ部材の上端部に他のスペーサ部材の下端部が載置されるように前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回して冷凍装置が設置された断熱室内に収納するとともに、該断熱室への入口部と出口部とを連結して無端コンベアに構成してなることを特徴とする。
そして、かかる発明において、螺旋状に巻回された前記搬送コンベアの内側空間に冷凍装置を設置するのがよい。
前記のような、伸縮式搬送装置を冷凍食品等の食品搬送システム搬送装置に適用した発明によれば、食品搬送システム用搬送コンベアにおいて、複数の搬送ピースを面接触させて段積みすることにより、該搬送ピースに加わる荷重を面接触で受けることができて局部的な面圧の上昇を回避することが可能となり、耐摩耗性に優れた構造の搬送コンベアとすることができ、また、搬送ピースの係合部の外側に屈曲して形成された傾斜部によって搬送ピースの搬送方向と直角方向への移動を係止することができる。
これによって、搬送ピースの垂直位置を面接触によって安定的に保持し、かつ、前記傾斜部によって各搬送ピースが搬送方向と直角方向にずれを生じるのを回避して、各搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回してなる食品搬送システム用搬送コンベアが得られる。
また、前記スペーサ部材における外側部分の上端部及び下端部に搬送方向と直角方向に延びる接触面を有する係合部を形成して、隣り合う搬送ピース同士を水平な接触面を有する係合部を介して積み重ねる構造であるので、従来技術のように搬送ピース同士の接触部にポケットが形成されることがなく、冷凍食品搬送時においては、排水性が良好となる。
さらに、本発明は、食材を含む搬送体の搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを前記搬送路の搬送方向に相対変位可能に複数個連設するとともに、前記スペーサ部材の上端部にこれと隣り合うスペーサ部材の下端部が載置されるように、前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回した螺旋状部を形成して連結された搬送コンベアを構成してなる伸縮式搬送装置において、前記対をなすスペーサ部材の下部に前記搬送方向と直角な接触面をそれぞれ設けるとともに、前記対をなすスペーサ部材の一方を前記接触面を介して載置し移動せしめる内側チェーンと該スペーサ部材の他方を前記接触面を介して載置し移動せしめる外側チェーンとを備え、前記内側チェーン及び外側チェーンを1個のモータにより駆動軸を介して駆動せしめるように構成したことを特徴とする。
また、前記搬送コンベアを、前記螺旋状部と前記内側チェーン及び外側チェーンへの載置部との間において、案内プーリに前記対をなすスペーサ部材の前記接触面を介して巻回され移動可能に構成するのがよい。
かかる発明によれば、1個のモータにより駆動軸を介して駆動される内側チェーン及び外側チェーン上に、食材を含む搬送体の搬送路を構成する連結部材の両端部にそれぞれ連結される内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材を、各スペーサ部材の下部にそれぞれ形成された搬送方向と直角な接触面を介して載置したので、十分に大きい強度を有する搬送ピースの内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材をモータにより駆動される内側チェーン及び外側チェーン上に載置して該搬送ピースを移動せしめることにより、搬送体の搬送路を構成する連結部材の両端に連結されている前記内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材が前記内側チェーン及び外側チェーン等の駆動部と接触することとなる。
また、前記螺旋状部と前記内側チェーン及び外側チェーンへの載置部との間においては、前記搬送コンベアを案内プーリに前記対をなすスペーサ部材の前記接触面を介して巻回して移動せしめることにより、搬送体の搬送路を構成する前記連結部材の両端に連結されている前記内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材が前記案内プーリの外周面と接触することとなる。
これにより、搬送コンベアの全長において、食材を含む搬送体の搬送路を構成する連結部材が駆動部と接触するのを回避でき、高い衛生性を保持して食材を含む搬送体を搬送できるとともに、十分に大きい剛性を有する内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材を前記駆動部により駆動するので、搬送ピースの駆動部分は十分な強度を保持できる。
また、かかる発明において、好ましくは、前記内側チェーン及び外側チェーンは、前記モータにより駆動軸を介して回転駆動される内側スプロケット及び外側スプロケットにそれぞれ巻回されて、前記搬送ピースを前記螺旋状部に搬入せしめてから前記内側スプロケット及び外側スプロケットに戻る無端チェーンに構成され、前記駆動軸の前記内側スプロケットと外側スプロケットとの間には、該内側スプロケット側の回転速度を外側スプロケットよりも減速する変速歯車装置を介装し、前記駆動軸を含む前記変速歯車装置の回転軸の軸芯を水平に配置する。
そして、前記変速歯車装置は、内側スプロケットに連結される内側歯車と外側スプロケットに連結される外側歯車との歯数比を、前記外側チェーンの該外側スプロケット巻回部における曲率半径と前記内側チェーンの該内側スプロケット巻回部における曲率半径との比に設定するのがよい。
このように構成すれば、無端チェーンに構成された前記内側チェーン及び外側チェーンを1個のモータにより駆動軸を介して回転駆動される内側スプロケット及び外側スプロケットにそれぞれ巻回し、前記駆動軸の内側スプロケットと外側スプロケットとの間に、内側スプロケット側の内側歯車と外側スプロケット側の外側歯車との歯数比により、該内側スプロケット側の回転速度を外側スプロケットよりも減速する変速歯車装置を介装したので、1個のモータにより無端チェーンに構成された内側チェーン及び外側チェーンを同時にかつ曲率半径が異なり移動速度の異なる内側チェーン及び外側チェーンを円滑に移動せしめることが可能となる。
これにより、1個のモータにより内側チェーン及び外側チェーンを同時に駆動し、搬送コンベアの被駆動体を構成している前記内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材を、同時にかつ適当な速度比で以って移動せしめることができることとなり、搬送コンベアの駆動装置の構造が簡単となるとともに、前記モータを断熱室の外部に設置して、駆動軸により断熱室内の搬送コンベアの駆動部に連結し駆動するのが可能となり、高い衛生性を保持できる。
また、前記内側チェーン及び外側チェーンを駆動する前記変速歯車装置の回転軸の軸芯を水平に配置したので、駆動軸の軸端に連結されるモータが搬送コンベアに対して水平配置されることとなって、該回転軸の軸端に連結されるモータが該回転軸に対して高さ方向に延設されるように構成された先行技術に比べて装置の高さが大幅に低くなるとともに、変速歯車装置及びモータが水平配置されるので、整備性が良好となる。
また、かかる発明において、好ましくは、前記内側チェーン及び外側チェーンは、前記搬送路の搬送方向に沿う移動方向と直角方向に変位可能なチェーンに構成されてなる。
このように構成すれば、前記チェーンにより搬送コンベアを搬送方向に対して自在に曲がって移動させることができ、該搬送コンベアの螺旋状配置を容易に実現できる。
また、かかる発明において、好ましくは、前記内側チェーン及び外側チェーンの途中に、該内側チェーン及び外側チェーンが巻回されるテンションプーリをそれぞれ介装し、各テンションプーリに張力を付与する引張ばねを設ける。
このように構成すれば、該各テンションプーリと引張ばねとにより、無端チェーンからなる内側チェーン及び外側チェーンに適度な張りを付与でき、該内側チェーン及び外側チェーンの緩みの発生を回避でき、搬送コンベアを安定的に移動させることができる。
また、かかる発明において、好ましくは、前記搬送コンベアを断熱室内に収納するとともに、前記モータを前記断熱室の外部に設置する。これにより冷凍装置等が設置されて高い衛生性を必要とする断熱室内に、モータ等の駆動機器を設置するのを回避できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1実施例に係る冷凍食品の搬送コンベアにおける搬送ピースの外観斜視図である。
第2図は、第1図のA矢視図で、搬送ピースを段積みにした形態を示す正面図である。
第3図は、図1のB−B線断面図である。
第4図は、図1のC矢視図である。
第5図の(A)は、本発明の第2実施例に係る冷凍食品の搬送コンベアにおける搬送ピースの外観斜視図である。(B)は(A)におけるF矢視図、(C)は(A)におけるE矢視図である。
第6図は、本発明の実施例に係る搬送コンベアの正面図である。
第7図は、本発明の実施例に係る搬送コンベアの平面図である。
第8図は、第7図におけるS部拡大図である。
第9図は、第6図におけるZ部拡大図である。
第10図は、第6図におけるQ部拡大図である。
第11図は、第6図におけるV−V矢視図である。
第12図は、第9図におけるW部拡大図である。
第13図は、第6図におけるP−P矢視図である。
第14図は、第7図におけるR部拡大図である。
第15図は、第14図におけるU−U矢視図である。
第16図(A)は、トップチェーンの部分斜視図、(B)は(A)におけるT矢視図である。
第17図は、駆動装置の概略構成説明図である。
第18図は、従来技術に係る搬送コンベアの斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
本発明の実施例に係る冷凍食品の搬送コンベアを示す図6〜図7において、22は断熱壁21内に形成された冷凍室、100は該冷凍室22内に設置されて冷凍食品を搬送する搬送コンベアである。
該搬送コンベア100は、多数の搬送ピース01(図1参照)を搬送路の搬送方向に相対変位可能に螺旋状に連設して構成されている。即ち前記搬送コンベア100は、冷凍室22の外部よりの直状の入口部100aから垂直方向に向けて螺旋状に巻回されて螺旋状部201を構成し、該螺旋状部201の終端に連結される直状の出口部100bから冷凍室22の外部に連設されている。
また、該搬送コンベア100は、前記出口部100bから前記冷凍室22の外部に出て、該冷凍室22にて後述する連結部材2に形成される搬送路上に冷凍食品を積載した後、該冷凍食品が入口部100aに搬送されるように無端コンベアに構成されている。図7において5は前記搬送コンベア100の螺旋状部を支持する支持フレームである。
また、該搬送コンベア100は、前記入口部100aから冷凍室22内に連設され、該冷凍室22内に入ったところで、該搬送コンベア100を構成する多数の搬送ピース01の連結部材2の両端に連結された対をなすスペーサ部材1が、図13に示されるような、駆動装置200の内側チェーン54及び外側チェーン53上に載置されて、該内側チェーン54及び外側チェーン53とともに移動する。
即ち、図6、図9、図17において57は内側チェーン54用のテンションプーリ、56は外側チェーン53用のテンションプーリであり、該テンションプーリ57には前記内側チェーン54が巻回され、テンションプーリ56には前記外側チェーン54が巻回されて、各テンションプーリ57,56と支持フレーム5との間に架設された引張ばね59、58によって前記各テンションプーリ57、56に張力を付与している。
これにより、無端チェーンからなる前記内側チェーン54及び外側チェーン53に適度な張りを付与して、該内側チェーン54及び外側チェーン53の緩みの発生を回避し、搬送コンベア100を安定的に移動させることができる。
しかして、図6、9、17に示されるように、前記搬送コンベア100のスペーサ部材1は、前記テンションプーリ57,56を経た前記内側チェーン54及び外側チェーン53の上面に載置され、内側チェーン54及び外側チェーン53を案内する中間プーリ61、60を経て前記螺旋状部201に入る。
そして、該搬送コンベア100は、前記螺旋状部201に入ると、前記内側チェーン54及び外側チェーン53から離れて螺旋状に上方に移動し、該螺旋状部201において、搬送路である前記連結部材2上の食品が前記冷凍装置25によって冷却される。
前記螺旋状部201を経た搬送コンベア100は、水平方向に移動して、前記出口部100bに達する。
さらに該搬送コンベア100は、該出口部100bにおいて、前記スペーサ部材1が補助駆動装置80のスプロケット83に係合することにより補助駆動力を付与される。即ち、図7に示すように、補助駆動装置80においては、スプロケット軸84により連結された対をなすスプロケット83が補助モータ81によって回転駆動されて、前記スペーサ部材1を介して搬送コンベア100に補助駆動力を付与している。
従って、このように構成することにより、前記搬送コンベア100を、後述するような駆動装置200の内側チェーン54及び外側チェーン53による駆動力に、前記補助駆動装置80による補助駆動力が加力された大きな駆動力で以って移動せしめることができる。
前記補助駆動装置80による補助駆動力が加力された搬送コンベア100は、図7に示されるように、該補助駆動装置80の下方に設けられた中間プーリ82及び83に巻回されて下方に下がり、水平部202において前記入口部100aに向けて水平移動し、該入口部100aの入口プーリに巻回されることにより方向変換され、前記冷凍室22内に入る。
前記中間プーリ82の詳細を示す図11において、該中間プーリ82は対をなしてもうけられ、前記搬送コンベア100の対をなすスペーサ1がその接触部1gを介して当接される円筒部82c及び該円筒部82cの外側に連設されるコーン部82aからなり、連結軸82bによって連結されている。
このように構成することにより、前記連結部材2上を搬送される食品等の搬送物を、該中間プーリ82に接触することなく搬送することができる。
尚、前記内側チェーン54及び外側チェーン53を含む駆動装置200の構成、作動については後述する。
さらに、前記搬送コンベア100の螺旋状部の内側空間23には、前記搬送コンベア100を搬送される食品(冷凍食品)を冷却するための冷凍装置25が設置されている。前記冷凍装置25は、この実施例ではプレート式熱交換器を放射状に配設した構成となっているが、該プレート式熱交換器以外に熱交換器であってもよい。
このように構成することにより、螺旋状に巻回された前記搬送コンベア100の内側に形成される円形状のスペースである内側空間23を冷凍装置25の設置スペースとして有効利用することができ、冷凍システムがコンパクト化される。
本発明の第1実施例に係る搬送コンベアを構成する搬送ピース01の詳細を示す図1〜4において、1は板材からなるスペーサ部材で、図1にS矢印で示す搬送方向と直角方向にずらして屈曲し連設された内側部分1bと外側部分1aとにより形成されている。
前記内側部分1bと外側部分1aとの前記ずれ量は、図3に示されるように、搬送方向と直角方向において、各搬送ピース01の相対移動時に、外側部分1aの内側のスペースに内側部分1bの板厚が納まるような寸法に設定される。
また、図2に示されるように、前記スペーサ部材1の外側部分1a側の上端部及び下端部には、該外側部分1aの垂直部から搬送方向と直角方向に延びる接触面1gを有する係合部1cが形成されるとともに、該係合部1cの外側を屈曲して垂直方向に一定角度傾斜した傾斜部1eが形成されている。
そして、前記各搬送ピース01は、図2に示されるように、当該搬送ピース01におけるスペーサ部材1の上端部側の係合部1cに、該スペーサ部材1と垂直方向において上側のスペーサ部材1の下端部側の係合部1cが前記接触面1gを介して載置される形態で段積み、連結されている。
2は棒状に形成された連結部材で、前記対をなすスペーサ部材1の外側部分1aの下部間に、搬送方向に2個(複数個であればよい)架設されて、両端部が該外側部分1aにろう付け等によって固着されている。
図1,4において、3は前記内側部分1bの下部に前記搬送方向(図1のS方向)に沿って一定長さに亘り穿孔された長孔で、該長孔3内に、当該搬送ピース1と搬送方向(図1のS方向)において隣り合う搬送ピース1の連結部材2を嵌合している。これにより、前記スペーサ部材1間に連結部材2を架設してなる搬送ピース1を搬送方向(図1のS方向)に連設して、該スペーサ部材1上を冷凍食品等の搬送体が搬送される搬送コンベア100を構成する。また、前記長孔3内を連結部材2が移動することにより各搬送ピース1が相対移動可能となり、これによって搬送コンベア100が伸縮可能となる。
また、図1、2に示されるように、該連結部材2のうちの1個は、前記外側部分1aへの固着部を延長して該外側部分1aの外側を斜め上方に延びてから水平方向外側に屈曲して前記傾斜部1eの裏側にろう付け等によって固着された延長部2aを形成している。
そして、図2に示されるように、該延長部2aの前記傾斜部1eの裏側には、前記支持フレーム5に固着された支持部材4に当接可能とされ、該支持部材4に案内される搬送コンベア100移動用のガイド部1hが形成される。
このように構成すれば、冷凍食品等の搬送体を支持して搬送する連結部材2の両端部を延長した延長部2aを搬送コンベア100移動のガイド部1hに構成して、該搬送コンベア100の案内部材と兼用したので、格別な搬送コンベア100の案内部材を設けることなく、該搬送コンベア100を、横振れを生ずることなく安定して移動させることができる。
また、前記連結部材2の延長部2aを水平に屈曲して前記傾斜部1eの裏側に固着したので、該延長部2aによって剛性が補強された外側部分1aの係合部11cで垂直荷重を支持することができ、前記スペーサ部材1間に架設され搬送面を形成している前記連結部材2で垂直荷重を支持することが不要となる。
以上のように構成された搬送ピース01を備えた搬送コンベア100は、図2に示されるように、該搬送ピース01におけるスペーサ部材1がこれの接触面1gを介して前記内側チェーン54あるいは外側チェーン53の支持部531の上面に載置されて、該内側チェーン54あるいは外側チェーン53とともに移動せしめられるようになっている。
以上のとおり、かかる第1実施例によれば、搬送体(冷凍食品)の搬送方向(図1のS矢方向)と直角方向にずらして連設された内側部分1bと外側部分1aとにより前記搬送ピース01のスペーサ部材1を形成し、該外側部分1aの上端部及び下端部に搬送方向と直角方向に延びる接触面1gを有する係合部1cを形成して、複数の搬送ピース01を、当該搬送ピース01の上端部係合部と垂直方向上側に位置する搬送ピース01の下端部係合部とを該接触面1gを介して積み重ねることによって該搬送ピース01を垂直方向に段積み可能としたので、複数の搬送ピース01を面接触させて段積みすることにより、該搬送ピース01に加わる荷重を面接触で受けることができて、局部的な面圧の上昇を回避することが可能となり、耐摩耗性に優れた構造となる。
また、前記のように、搬送ピース01に加わる荷重を上端部及び下端部の係合部1cとの面接触で受けるとともに、前記外側部分1aにおける上端部及び下端部の係合部1cの外側に屈曲して形成された傾斜部1eによって搬送ピース01の搬送方向と直角方向への移動を係止することができる。
また、隣り合う搬送ピース01同士を、スペーサ部材1における外側部分1aの上端部及び下端部に形成された水平な接触面1gを有する係合部1cを介して積み重ねる構造であるので、従来技術のように搬送ピース01同士の接触部にポケットが形成されることがなく、冷凍食品搬送時の排水性が良好となる。
次に、図5(A)、(B)、(C)に示す搬送コンベアの第2実施例においては、前記スペーサ部材1を、前記搬送方向Sと直角方向にずらした内側部分1bと外側部分1aとを連設して形成し、前記内側部分1b及び外側部分1aの上端部あるいは下端部に、前記搬送方向Sと直角方向において互いに反対方向に向けて屈曲し、垂直方向において隣り合うスペーサ部材1の上端部あるいは下端部が当接可能な係止部1kを形成している。
前記内側部分1b及び外側部分1aの係止部1kは、図5(C)のように、前記スペーサ部材1の板面に対して一定角度α傾斜した傾斜面1mを形成し、該傾斜面1mに相手側となる部材の下端部1iが当接することにより該相手部材の前記搬送方向Sと直角方向への移動を係止せしめている。
また、かかる第2実施例においては、対をなす前記外側部分1aの内面に、棒状に形成された連結部材2の両端部を夫々固着するとともに、前記内側部分1bに前記搬送方向Sに沿って一定長さ穿孔された長孔3を設け、当該搬送ピースの前記連結部材2を隣り合う搬送ピース01の長孔3に相対移動可能に嵌合して、前記各搬送ピース01が前記連結部材2と長孔3との嵌合部を介して前記搬送方向Sに相対移動可能に連結されている。
かかる第2実施例によれば、前記連結部材2の両端部に立設された板状のスペーサ部材1を、搬送方向Sと直角方向にずらした内側部分1bと外側部分1aとを連設して形成し、前記内側部分1bの上端部に搬送方向Sと直角方向に屈曲した係止部係止部1kを設けて、当該スペーサ部材1に対して垂直方向上側に位置するスペーサ部材1の内側部分1bの下端部1iを当接させるとともに、前記外側部分1aの下端部に前記内側部分1bの係止部とは反対方向に向けて屈曲した係止部1kを設けて当該スペーサ部材1に対して垂直方向下側に位置するスペーサ部材1の外側部分の上端部を当接させるようにしたので、垂直方向において隣り合うスペーサ部材1の上端部あるいは下端部を前記係止部1kに当接させることにより、各搬送ピースがスペーサ部材1間において前記搬送方向Sと直角方向にずれを生じることがない。
また、前記スペーサ部材1における係止部1kを、該スペーサ部材1の板面に対して一定角度α傾斜した傾斜面1mに形成しているので、当該スペーサ部材1と垂直方において隣り合うスペーサ部材1の端部を該傾斜面1mに当接させることにより、各搬送ピースのスペーサ部材1間における搬送方向と直角方向へのずれの発生を確実に回避できる。
次に、前記搬送コンベア100を駆動する駆動装置200の構成について説明する。
図17は、かかる駆動装置200の概略構成を示しており、54は内側チェーンで、図13及び図9に示されるように、前記搬送ピース01の対をなすスペーサ部材1の一方を前記接触面1gを介して載置し移動せしめるようになっている。53は外側チェーンで、図13及び図9に示されるように、該スペーサ部材1の他方を前記接触面1gを介して載置し移動せしめるようになっている。
52は外周に前記内側チェーン54が巻回される内側スプロケット、51は外周に前記外側チェーン53が巻回される外側スプロケット、62は該内側スプロケット52及び外側スプロケット51に連結される駆動軸、70は前記駆動軸の前記内側スプロケット52と外側スプロケット51との間に介装された変速歯車装置、55は該駆動軸62の軸端に連結されたモータである。
57は内側チェーン54用のテンションプーリ、56は外側チェーン53用のテンションプーリ、59及び58は前記各テンションプーリ57,56と支持フレーム5との間に架設されて前記各テンションプーリ57、56に張力を付与する引張ばね、61及び60は前記内側チェーン54及び外側チェーン53を案内する中間プーリである(かかるテンションプーリ57及び56、引張ばね59及び58、中間プーリ61及び60の動作については前述した)。
前記内側チェーン54及び外側チェーン53は、図8に示されるように、前記搬送コンベア100のスペーサ部材1を載置する前の入口部分300と、該スペーサ部材1から離れた後の出口部分400とが、互いに干渉しないように上下にずらして配置されている。
また、前記内側チェーン54及び外側チェーン53は、図16(A)、(B)に示されるように、前記搬送コンベア100のスペーサ部材1がこれの接触面1gを介して載置される支持部531と左右の転動ローラ532とを備えたローラ組立体を前記搬送路の搬送方向Sに多数列設してなり、前記搬送路の搬送方向Sに沿う移動方向と直角方向にも変位可能なトップチェーンにて構成される。
このように構成することにより、搬送コンベア100を搬送方向に対して自在に曲がって移動させることができ、該搬送コンベア100の螺旋状配置を容易に実現できる。
図13〜15において、前記駆動軸62は前記変速歯車装置70にて外側駆動軸62bと内側駆動軸62aとに分割され、該変速歯車装置70において前記内側スプロケット52側の回転速度を外側スプロケット51側よりも減速して、搬送路の曲率半径の小さい内側チェーン54と曲率半径の大きい外側チェーン53とが同一変位で移動するようになっている。
前記内側スプロケット52及び外側スプロケット51の詳細を示す図12において、該内側スプロケット52及び外側スプロケット51の外周には、円周方向等間隔に溝51aが形成され、該溝51aの1つおきに前記内側チェーン54及び内側チェーン54のローラ532が順次係合されるようになっている。
図15において、前記外側駆動軸62bの一端側(外側)には、キー62dを介して前記外側スプロケット51が固定されるとともに軸端に前記モータ55が連結され、他端側(内側)には前記変速歯車装置70の外側歯車71が固定されている。
また、前記内側駆動軸62aの一端側には前記変速歯車装置70の内側歯車72が固定され、他端側(内側)にはキー62cを介して前記内側スプロケット52が固定されている。
73はアイドラ軸で、該アイドラ軸73には前記外側歯車71に噛み合う外側中間歯車74及び前記内側歯車72と噛み合う内側中間歯車75が固定されている。そして、前記内側スプロケット52に連結される内側歯車72と外側スプロケット51に連結される外側歯車71との歯数比(この例では27対22)は、前記外側チェーン53の該外側スプロケット51巻回部における曲率半径と前記内側チェーン54の該内側スプロケット52巻回部における曲率半径との比に設定する。
76は前記各歯車が収納されるケース、77、78は前記外側駆動軸62b及び内側駆動軸62aを前記ケース76に回転自在に支持する軸受、79a、79bは前記アイドラ軸を前記ケース76に回転自在に支持する軸受である。
以上に示した内側スプロケット52、外側スプロケット51、軸端にモータ55が連結された駆動軸62、変速歯車装置70等の回転軸芯は、前記搬送コンベアの連結部材2と平行な水平に配置する。
以上のように構成すれば、無端チェーンに構成された前記内側チェーン54及び外側チェーン53を1個のモータ55により駆動軸62を介して回転駆動される内側スプロケット52及び外側スプロケット51にそれぞれ巻回し、前記駆動軸62の内側スプロケット52と外側スプロケット51との間に、内側スプロケット52側の内側歯車72と外側スプロケット51側の外側歯車71との歯数比(この例では27対22)により、該内側スプロケット52側の回転速度を外側スプロケット51側よりも減速する変速歯車装置70を介装したので、1個のモータ55により無端チェーンに構成された前記内側チェーン54及び外側チェーン53を同時に駆動できるとともに、曲率半径が異なり移動速度の異なる前記内側チェーン54及び外側チェーン53を、無理な力が掛かることなく円滑に移動せしめることが可能となる。
また、前記内側チェーン54及び外側チェーン53を駆動する回転軸の回転軸芯、つまり内側スプロケット52、外側スプロケット51、軸端にモータ55が連結された駆動軸62、変速歯車装置70等の回転軸芯を、前記搬送コンベア100の連結部材2と平行な水平に配置したので、駆動軸62の軸端に連結されるモータ55が搬送コンベア100に対して水平配置されることとなって、該回転軸の軸端に連結されるモータが該回転軸に対して高さ方向に延設されるように構成された先行技術に比べて装置の高さが大幅に低くなる。
また、前記変速歯車装置70及びモータ55が水平配置されるので、整備性が良好となる。
かかる駆動装置200は、以上のように構成されているので、1個のモータ55により駆動軸62を介して駆動される内側チェーン54及び外側チェーン53上に、食材を含む搬送体の搬送路を構成する連結部材2の両端部にそれぞれ連結される対をなすスペーサ部材1を、各スペーサ部材1の下部にそれぞれ形成された搬送方向と直角な接触面1gを介して載置したことにより、十分に大きい強度を有する搬送ピース01のスペーサ部材1をモータに55より駆動される内側チェーン54及び外側チェーン53上に載置して該搬送ピース01を移動せしめることにより、搬送体の搬送路を構成する連結部材2の両端に連結されている前記側スペーサ部材1が前記内側チェーン54及び外側チェーン53等の駆動部と接触することとなる。
また、前記螺旋状部201と前記内側チェーン54及び外側チェーン53への載置部との間においては、前記搬送コンベア100を中間プーリ82、83に前記対をなすスペーサ部材1の前記接触面1gを介して巻回して移動せしめることにより、搬送体の搬送路を構成する前記連結部材2の両端に連結されている前記スペーサ部材1が前記中間プーリ82、83の外周面と接触することとなる。
これにより、搬送コンベア10の全長において、食材の搬送路を構成する連結部材2が駆動部と接触するのを回避でき、高い衛生性を保持して食材をを搬送できるとともに、十分に大きい剛性を有するスペーサ部材1を前記駆動部により駆動するので、搬送ピース01の駆動部分は十分な強度を保持できる。
【産業上の利用可能性】
本発明によれば、複数の搬送ピースを、スペーサ部材に連設された内側部分と外側部分との垂直方向の端部同士を該端部に形成された係合部の接触面介して積み重ねることによって該搬送ピースを垂直方向に段積み可能としたので、複数の搬送ピースを、該搬送ピースに加わる荷重を面接触で受けることができて局部的な面圧の上昇を回避することが可能となり、従来技術のような線接触で荷重を受けるものに比べて耐摩耗性に優れた構造となる。
また、前記のように、搬送ピースに加わる荷重を係合部同士の面接触で受けるとともに、前記外側部分における係合部の外側に屈曲して形成された傾斜部によって搬送ピースの搬送方向と直角方向への移動を係止することができる。
これによって、搬送ピースの垂直位置を前記面接触によって安定的に保持し、かつ、前記傾斜部によって各搬送ピースが搬送方向と直角方向にずれを生じるのを回避し、さらに段積みした際における良好な安定性を保持して、各搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回してなる搬送コンベアとすることができる。
また、本発明によれば、従来技術のようにスペーサ部材の内側部分及び外側部分の双方の端部の内側及び外側の双方に屈曲した係止部を設けることを必要とせず、外側部分の上下端部に各1個水平面と傾斜面からなる係合部を設けるのみで、前記のような所要の機能を有する搬送コンベアを得ることができることとなる。
これにより、搬送ピースの構造を簡単化できて加工工数が減少し、搬送コンベアの製造コスト、さらには該搬送コンベアを組み込んだ冷凍装置の製造コストを低減できる。また、格別な細工を施すことなく、容易に上り、下り双方向の螺旋状搬送コンベアを実現できる。
また本発明によれば、スペーサ部材の内側部分及び外側部分に各1個、搬送方向と直角方向において互いに反対方向に向けて屈曲した係止部を設けるのみで所要の機能を有する搬送コンベアを得ることができることとなり、従来技術に比べてスペーサ部材の構造が簡単化されて加工工数が減少し、搬送コンベアの製造コスト、さらには該搬送コンベアを組み込んだ冷凍装置の製造コストを低減できる。
また、対をなすスペーサ部材の外側部分の内面に棒状の連結部材の両端部を夫々固着し、該連結部材を隣り合う搬送ピースの内側部分に設けた長孔に相対移動可能に嵌合するという、製作工数が少なくかつきわめて簡単な構造で以って、各搬送ピースを搬送方向に相対移動可能にして、搬送方向に伸縮可能な搬送コンベアを得ることができる。
また本発明によれば、搬送体の搬送路を構成する連結部材の両端に連結されている前記内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材が前記内側チェーン及び外側チェーン等の駆動部と接触することとなり、また、前記螺旋状部と前記内側チェーン及び外側チェーンへの載置部との間においては、前記内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材が前記案内プーリの外周面と接触することとなる。
これにより、搬送コンベアの全長において、食材を含む搬送体の搬送路を構成する連結部材が駆動部と接触するのを回避でき、高い衛生性を保持して食材を含む搬送体を搬送できるとともに、十分に大きい剛性を有する内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材を前記駆動部により駆動するので、搬送ピースの駆動部分は十分な強度を保持できる。
また、本発明によれば、1個のモータにより内側チェーン及び外側チェーンを同時に駆動し、搬送コンベアの被駆動体を構成している内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材を、同時にかつ適当な速度比で以って移動せしめることができることとなり、搬送コンベアの駆動装置の構造が簡単となるとともに、前記モータを断熱室の外部に設置して、駆動軸により断熱室内の搬送コンベアの駆動部に連結し駆動するのが可能となり、高い衛生性を保持できる。
また、前記内側チェーン及び外側チェーンを駆動する前記変速歯車装置の回転軸の軸芯を水平に配置したので、駆動軸の軸端に連結されるモータが搬送コンベアに対して水平配置されることとなって、該回転軸の軸端に連結されるモータが該回転軸に対して高さ方向に延設されるように構成された先行技術に比べて装置の高さが大幅に低くなるとともに、変速歯車装置及びモータが水平配置されるので、整備性が良好となる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を含む搬送体の搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを前記搬送路の搬送方向に相対変位可能に複数個連設するとともに、前記スペーサ部材の上端部にこれと隣り合うスペーサ部材の下端部が載置されるように、前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回可能に連結して搬送コンベアを構成してなる伸縮式搬送装置において、前記搬送ピースは前記スペーサ部材を前記搬送方向と直角方向にずらして連設された内側部分と外側部分とにより形成され、前記搬送ピースにおける外側部分の上端部及び下端部には前記搬送方向と直角方向に延びる接触面を有する係合部を形成して、当該搬送ピースの上端部係合部に隣り合う搬送ピースの下端部係合部を前記接触面を介して載置してなることを特徴とする伸縮式搬送装置。
【請求項2】
前記外側部分における上端部係合部及び下端部係合部の外側を屈曲して垂直方向に一定角度傾斜した傾斜部を形成し、該傾斜部により前記搬送ピースの搬送方向と直角方向への移動を係止可能としたことを特徴とする請求項第1項記載の伸縮式搬送装置。
【請求項3】
前記対をなすスペーサ部材の外側部分に、棒状に形成された前記連結部材の両端部を夫々固着するとともに、前記内側部分に前記搬送方向に沿って一定長さに亘り穿孔された長孔を設け、当該搬送ピースの前記連結部材を隣り合う搬送ピースの前記長孔に相対移動可能に嵌合することにより、前記搬送コンベアを、前記各搬送ピースが前記連結部材と長孔との嵌合部を介して前記搬送方向において相対移動可能に構成したことを特徴とする請求項第1項記載の伸縮式搬送装置。
【請求項4】
前記対をなすスペーサ部材の外側部分に、棒状に形成された前記連結部材の両端部を夫々固着するとともに、該連結部材の固着部を延長して、前記搬送コンベアの両側に搬送方向複数箇所に設置された支持部材に案内されるガイド部を構成するとともに、該連結部材の固着部の端部を水平に屈曲して前記外側部分の係合部に固着してなることを特徴とする請求項第1項記載の伸縮式搬送装置。
【請求項5】
モータ等の駆動源に駆動歯車装置を介して駆動され水平方向面に沿って移動する駆動チェーン機構を設置し、該駆動チェーン機構の上部に前記搬送コンベアを支持する搬送コンベア受け部材を取付け、前記搬送コンベアを構成する搬送ピースの下端部係合部を前記搬送コンベア受け部材上に載置して、前記駆動チェーン機構の移動を前記搬送コンベア受け部材と下端部係合部との接触により該搬送コンベアに伝達し、該該搬送コンベアを前記駆動チェーン機構に連動させたことを特徴とする請求項第1項記載の伸縮式搬送装置。
【請求項6】
食品の搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを、前記搬送路の搬送方向に沿って相対変位可能に複数個連結して搬送コンベアを構成してなる伸縮式搬送装置を備えた食品搬送システムにおいて、前記搬送ピースは前記スペーサ部材を前記搬送方向と直角方向にずらして連設された内側部分と外側部分とにより形成され、前記搬送ピースにおける外側部分の上端部及び下端部には前記搬送方向と直角方向に屈曲した接触面を有する係合部を形成し、当該搬送ピースの上端部係合部に隣り合う搬送ピースの下端部係合部を前記接触面を介して載置して、前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回して搬送コンベアを構成し、該搬送コンベアを断熱室内に収納するとともに該断熱室への入口部と出口部とを連結することにより無端コンベアに構成してなることを特徴とする伸縮式搬送装置を備えた食品搬送システム。
【請求項7】
前記断熱室内における、螺旋状に巻回された前記搬送コンベアの内側空間に冷凍装置を設置してなることを特徴とする請求項第6項記載の伸縮式搬送装置を備えた食品搬送システム。
【請求項8】
搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを、前記搬送路の搬送方向に相対変位可能に複数個連設するとともに、前記スペーサ部材の上端部に他のスペーサ部材の下端部が載置されるように、前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回可能に構成してなる搬送コンベアを備えた伸縮式搬送装置において、搬送コンベアは、前記スペーサ部材を前記搬送方向と直角方向にずらした内側部分と外側部分とを連設して形成し、前記内側部分及び外側部分の上端部あるいは下端部に、前記搬送方向と直角方向において互いに反対方向に向けて屈曲し、垂直方向において隣り合うスペーサ部材の上端部あるいは下端部が当接可能な係止部を形成してなることを特徴とする伸縮式搬送装置。
【請求項9】
前記内側部分及び外側部分の係止部は、前記スペーサ部材の板面に対して一定角度傾斜した傾斜面を形成し、該傾斜面に相手部材の端部が当接することにより該相手部材の前記搬送方向と直角方向への移動を係止せしめるように構成してなることを特徴とする請求項第8項記載の伸縮式搬送装置。
【請求項10】
前記対をなすスペーサ部材の外側部分の内面に、棒状に形成された前記連結部材の両端部を夫々固着するとともに、前記内側部分に前記搬送方向に沿って一定長さ穿孔された長孔を設け、当該搬送ピースの前記連結部材を隣り合う搬送ピースの長孔に相対移動可能に嵌合して、前記各搬送ピースが前記連結部材と長孔との嵌合部を介して前記搬送方向に相対移動可能に連結されてなることを特徴とする請求項第8項記載の伸縮式搬送装置。
【請求項11】
食品を搬送する搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを、前記搬送路の搬送方向に相対変位可能に複数個連設して構成され前記搬送方向に伸縮自在な搬送コンベアを有してなる伸縮式搬送装置を備えた食品搬送装置において、前記搬送コンベアは、前記スペーサ部材を前記搬送方向と直角方向にずらした内側部分と外側部分とを連設されるとともに、前記内側部分及び外側部分の上端部あるいは下端部に、前記搬送方向と直角方向において互いに反対方向に向けて屈曲し相手部材の上端部あるいは下端部が当接可能な係止部を形成されてなり、該搬送コンベアを、前記スペーサ部材の上端部に他のスペーサ部材の下端部が載置されるように前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回して冷凍装置が設置された断熱室内に収納するとともに、該断熱室への入口部と出口部とを連結して無端コンベアに構成してなることを特徴とする伸縮式搬送装置を備えた食品搬送装置。
【請求項12】
前記冷凍装置を、螺旋状に巻回された前記搬送コンベアの内側空間に設置してなることを特徴とする請求項第11項記載の伸縮式搬送装置を備えた食品搬送装置。
【請求項13】
食材を含む搬送体の搬送路を構成する連結部材の両端部に板状のスペーサ部材を対をなして立設してなる搬送ピースを前記搬送路の搬送方向に相対変位可能に複数個連設するとともに、前記スペーサ部材の上端部にこれと隣り合うスペーサ部材の下端部が載置されるように、前記複数個の搬送ピースを螺旋状にかつ垂直方向に重ねて巻回した螺旋状部を形成して連結された搬送コンベアを構成してなる伸縮式搬送装置において、前記対をなすスペーサ部材の下部に前記搬送方向と直角な接触面をそれぞれ設けるとともに、前記対をなすスペーサ部材の一方を前記接触面を介して載置し移動せしめる内側チェーンと、該スペーサ部材の他方を前記接触面を介して載置し移動せしめる外側チェーンとを備え、前記内側チェーン及び外側チェーンを1個のモータにより駆動軸を介して駆動せしめるように構成したことを特徴とする伸縮式搬送装置。
【請求項14】
前記内側チェーン及び外側チェーンは、前記モータにより駆動軸を介して回転駆動される内側スプロケット及び外側スプロケットにそれぞれ巻回されて、前記搬送ピースを前記螺旋状部に搬入せしめてから前記内側スプロケット及び外側スプロケットに戻る無端チェーンに構成され、前記駆動軸の前記内側スプロケットと外側スプロケットとの間には、該内側スプロケット側の回転速度を外側スプロケットよりも減速する変速歯車装置を介装し、前記駆動軸を含む前記変速歯車装置の回転軸の軸芯を水平に配置したことを特徴とする請求項第13項記載の伸縮式搬送装置。
【請求項15】
前記搬送コンベアは、前記螺旋状部と前記内側チェーン及び外側チェーンへの載置部との間において、案内プーリに前記対をなすスペーサ部材の前記接触面を介して巻回され移動可能に構成されてなる、ことを特徴とする請求項第13項記載の伸縮式搬送装置。
【請求項16】
前記変速歯車装置は、内側スプロケットに連結される内側歯車と外側スプロケットに連結される外側歯車との歯数比を、前記外側チェーンの該外側スプロケット巻回部における曲率半径と前記内側チェーンの該内側スプロケット巻回部における曲率半径との比に設定してなることを特徴とする請求項第14項記載の伸縮式搬送装置。
【請求項17】
前記内側チェーン及び外側チェーンは、前記搬送路の搬送方向に沿う移動方向と直角方向に変位可能なカーブドチェーンに構成されてなることを特徴とする請求項第13項記載の伸縮式搬送装置。
【請求項18】
前記内側チェーン及び外側チェーンの途中に、該内側チェーン及び外側チェーンが巻回されるテンションプーリをそれぞれ介装し、各テンションプーリに張力を付与する引張ばねを設けたことを特徴とする請求項第13項記載の伸縮式搬送装置。
【請求項19】
前記搬送コンベアを、冷凍装置が設置された断熱室内に収納するとともに、前記モータを前記断熱室の外部に設置したことを特徴とする請求項第13項記載の伸縮式搬送装置。

【国際公開番号】WO2005/075324
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【発行日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508131(P2005−508131)
【国際出願番号】PCT/JP2004/001275
【国際出願日】平成16年2月6日(2004.2.6)
【出願人】(000148357)株式会社前川製作所 (267)
【Fターム(参考)】