伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布、及び当該不織布を製造する方法

【課題】肌触り及び伸縮性に優れ、平面方向及び厚さ方向の通気性に優れた、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布、及び当該不織布を製造する方法を提供すること。
【解決手段】伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布であって、上記不織布の第1の面に、複数の凸部及び複数の凹部を有し、そして上記凸部における伸長性繊維の比率が、上記凹部における伸長性繊維の比率よりも高いことを特徴とする上記不織布。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布、及び当該不織布を製造する方法に関する。本発明はまた、肌触り及び伸縮性に優れ、平面方向及び厚さ方向の通気性に優れた、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布、及び当該不織布を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布は、吸収性物品、例えば、生理用品及び使い捨ておむつ、清掃用品、例えば、ワイパー、並びに医療用品、例えば、マスク等の製品に用いられ、これらの製品では、製品の用途、用いられる部位等に適した性能を有する不織布が採用されている。
【0003】
例えば、吸収性物品では、使用者に違和感を生じさせることなく、着用の際又は使用の際の身体の動きに合わせて伸縮する不織布が要求される。また、使い捨ておむつでは、高い伸縮性を有し且つ伸長時に破断しないような強度を有すると共に、肌触り及び通気性が良好な不織布が要求される。
【0004】
不織布に伸縮性を付与するために、伸縮性繊維を用いると、伸縮性繊維は、一般的に、タック性を有し、そして高い摩擦性を有することから、不織布の肌触りが劣ることが知られている。
また、例えば、特許文献1には、水平方向への通気性に優れる、凹凸形状を有する表面シートが開示されている。特許文献1に記載の表面シートは、繊維集合体からなる第1繊維層及び第2繊維層を有すること、第1繊維層と第2繊維層とは積層されて所定パターンで部分的に熱融着されていること、第1繊維層が、第1及び第2繊維層の熱融着部以外の部位において隆起部を形成し、該隆起部における、上記熱融着部に隣接する部位は、構成繊維同士が熱融着されて該隆起部の他の部位よりも剛性が高められていること、及び10cN/cm2圧力下における水平方向への空気透過容量が10mL/cm2/秒以上であることを特徴とする。
【0005】
しかし、特許文献1の表面シートは、(i)第1繊維層の隆起部が、第2繊維層の熱収縮性により形成されるため、熱収縮に伴い、第2繊維層内の繊維間距離が小さくなり、シートの厚み方向の通気性が低下する問題点がある。さらに、特許文献1の表面シートは、(ii)熱融着繊維を含む第2繊維層が、熱収縮の際に溶融し、繊維同士が接合されるので、表面シートが硬くなり、体の動きに追従しにくく、肌触りに劣る問題点を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−126147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、伸縮性繊維を含む不織布は肌触りに劣り、そして水平方向への通気性に優れる不織布は、硬く、肌触りに劣るものであった。
従って、本発明は、肌触り及び伸縮性に優れ、平面方向及び厚さ方向の通気性に優れた、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布、及び当該不織布を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布であって、上記不織布の第1の面に、複数の凸部及び複数の凹部を有し、そして上記凸部における伸長性繊維の比率が、上記凹部における伸長性繊維の比率よりも高いことを特徴とする上記不織布により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
具体的には、本発明は以下の態様に関する。
[態様1]
伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布であって、
上記不織布の第1の面に、複数の凸部及び複数の凹部を有し、そして
上記凸部における伸長性繊維の比率が、上記凹部における伸長性繊維の比率よりも高いことを特徴とする、
上記不織布。
[態様2]
上記不織布が、上記不織布の、第1の面の反対側にある第2の面に、複数の凸部及び複数の凹部を有し、そして第2の面の凸部における伸長性繊維の比率が、第2の面の凹部における伸長性繊維の比率よりも高い、態様1に記載の不織布。
【0010】
[態様3]
第1の面の凸部及び凹部が、それぞれ、第1の方向に平行であり、そして第1の方向と直交する方向に交互に配置されている、態様2に記載の不織布。
[態様4]
第2の面の凸部及び凹部が、それぞれ、第2の方向に平行であり、そして第2の方向と直交する方向に交互に配置されている、態様3に記載の不織布。
【0011】
[態様5]
第1の方向と、第2の方向とが直交している、態様4に記載の不織布。
[態様6]
第1の方向が搬送方向であり、そして第2の方向が搬送方向に直交する直交方向である、態様5に記載の不織布。
[態様7]
第1の面の凹部及び第2の面の凹部を連結する、一又は複数の開孔部を有する、態様2〜6のいずれか1つに記載の不織布。
【0012】
[態様8]
上記伸長性繊維の材料が、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ乳酸、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、態様1〜7のいずれか1つに記載の不織布。
[態様9]
上記伸縮性繊維の材料が、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、態様1〜8のいずれか1つに記載の不織布。
【0013】
[態様10]
態様1〜9のいずれか1つに記載の不織布を製造する方法であって、
伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布を準備するステップ、
上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布を、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布が形成されるように不均一に延伸するステップ、そして
上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布を、支持体上に配置し、そして噴出された流体を上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布に吹き付けることにより処理し、上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布を形成するステップ、
を含む方法。
【0014】
[態様11]
上記不均一に延伸するステップが、搬送方向と直交する回転軸線を有する一対のギアロールであって、当該ギアロールのそれぞれの外周面に配置された複数の歯を互いに噛み合わせながら回転するものの間隙に、上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布を通過させることにより行われる、態様10に記載の方法。
【0015】
[態様12]
上記複数の歯が、上記回転軸線と垂直に上記外周面に配置されており、上記搬送方向とそれぞれ平行な高延伸領域と低延伸領域とを、搬送方向と直交する直交方向に交互に有する不織布が形成されるか、又は上記複数の歯が、上記回転軸線と平行に上記外周面に配置されており、上記搬送方向と直交する方向にそれぞれ平行な高延伸領域と低延伸領域とを、搬送方向に交互に有する不織布が形成される、態様11に記載の方法。
[態様13]
上記不均一に延伸するステップを2回実施する、態様10〜12のいずれか1つに記載の方法。
【0016】
[態様14]
上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布を形成するステップにおいて、上記支持体が、不織布と接する面に、あらかじめ定められた形状及び配列の突状部及び窪み部を有する、態様10〜13のいずれか1つに記載の方法。
[態様15]
上記あらかじめ定められた形状及び配列の突状部及び窪み部が、搬送方向と直交する直交方向にそれぞれ平行であり且つ搬送方向に交互に配置されている、態様14に記載の方法。
[態様16]
上記流体が、空気、水蒸気及び水から成る群から選択される、態様10〜15のいずれか1つに記載の方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明の伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布は、肌触り及び伸縮性に優れる。
また、本発明の伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布は、平面方向及び厚さ方向の通気性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布の態様の1つの模式図である。
【図2】図2は、本発明の伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布の別の態様の模式図である。
【図3】図3は、本発明の伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布のさらに別の態様の模式図である。
【図4】図4は、本発明の伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布のさらに別の態様の模式図である。
【図5】図5は、ギア延伸を説明するための模式図である。
【図6】図6は、ギア延伸を説明するための模式図である。
【図7】図7は、ギア延伸を説明するための模式図である。
【図8】図8は、コンベア上で用いられる、不織布を支持するための支持体の一例を示す図である。
【図9】図9は、図8に示す支持体を用いて形成された、凹凸を有する不織布を説明するための図である。
【図10】図10は、コンベア上で用いられる、不織布を支持するための支持体の別の例を示す図である。
【図11】図11は、実施例1で形成された不織布2の、方向MDの断面の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布、及び当該不織布を製造する方法について、以下、詳細に説明する。
[伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布]
本発明の伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布(以下、「本発明の不織布」と称する場合がある)は、第1の面に、複数の凸部及び複数の凹部を有し、そして上記凸部における伸長性繊維の比率が、上記凹部における伸長性繊維の比率よりも高い。
【0020】
図1は、本発明の伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布の態様の1つの模式図である。図1に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1は、第1の面2に、複数の凸部3及び複数の凹部4を有する。図1に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1において、凸部3が伸長性繊維EXに富み、そして凹部4が伸縮性繊維ELに富むので、凸部3における伸長性繊維の比率が、凹部4における伸長性繊維の比率よりも高くなる。また、図1に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1では、凸部3及び凹部4が、それぞれ、第1の方向Aに平行であり、そして第1の方向Aと直交する方向に交互に配置されている。図1の態様では、凸部3において、伸長性繊維EXが、第1の方向Aに沿って配置される傾向を有し、そして凹部4において、伸縮性繊維ELの配向性は、特に存在しない。
【0021】
ここで、「伸長性繊維の比率」とは、その場所における、全ての繊維に対する伸長性繊維の比率を意味する。当該比率は、伸長性繊維の比率を測定することができる方法であれば、特に制限されないが、一例として、以下の溶媒法を挙げることができる。
(1)本発明の不織布から、第1の面の凸部の繊維を採取し、質量を測定する。
(2)伸長性繊維又は伸縮性繊維のいずれか一方を溶解させることができる溶媒に、採取した繊維を溶解させ、一定時間、例えば、30分静置する。
(3)溶液をろ過し、必要に応じて残存した繊維を洗浄し、そして残存した繊維を乾燥させる。
(4)残存した繊維の乾燥質量を測定し、繊維の比率を算出する。
【0022】
上記溶媒は、適宜選択することができるが、例えば、伸長性繊維がポリオレフィンであり且つ伸縮性繊維がポリウレタン系エラストマーである場合には、ポリウレタン系エラストマーが可溶であり且つポリオレフィンが不溶であるジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等を選択することができる。また、伸縮性繊維がポリスチレン系エラストマーである場合には、可溶な溶媒としてトルエン、キシレン等の溶媒を挙げることができる。
第1の面の凹部、並びに所望による第2の面の凸部及び凹部についても同様に測定することができる。
なお、上記溶媒法において、比率は、質量比を意味する。
【0023】
上記伸長性繊維の比率を測定する別の方法として、以下の染色法を挙げることができる。
(1)伸長性繊維に対する染色性と、伸縮性繊維に対する染色性の異なる染料を用いて本発明の不織布を染色する。
(2)光学顕微鏡等を用いて、第1の面の凸部の投影画像を撮影する。
(3)上記画像から、伸長性繊維の比率を目視により評価するか、又は上記画像を、伸長性繊維と伸縮性繊維とを区別するように二値化し、そして伸長性繊維の比率を計算する。
上記染色法は、上記溶媒法が適さない不織布において、伸長性繊維の比率を測定するために好適である。
第1の面の凹部、並びに所望による第2の面の凸部及び凹部についても同様に測定することができる。
なお、上記染色法では、比率は、投影画像中の面積比を意味する。
【0024】
本発明の効果、特に肌触り及び伸縮性の両立の観点から、第1の面の凸部における伸長性繊維の比率が、第1の面の凹部における伸長性繊維の比率よりも少なくとも1質量%高いことが好ましく、少なくとも2質量%高いことがより好ましく、少なくとも3質量%高いことがさらに好ましく、そして少なくとも5質量%高いことがさらに好ましい。
本発明の効果、特に肌触り及び伸縮性の両立の観点から、第2の面の凸部における伸長性繊維の比率が、第2の面の凹部における伸長性繊維の比率よりも少なくとも2質量%高いことが好ましく、少なくとも4質量%高いことがより好ましく、少なくとも6質量%高いことがさらに好ましく、そして少なくとも8質量%高いことがさらに好ましい。
【0025】
図1に示されるような、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布は、第1の面の凸部における伸長性繊維の比率が、第1の面の凹部における伸長性繊維の比率よりも高いので、肌触りに優れ且つ伸縮性に優れる。その理由は、以下の通りである。
一般的に、伸縮性繊維は、伸縮性に優れるが、タック性を有する、摩擦が高い等の肌触りに劣る欠点を有し、そして伸長性繊維は、肌触りに優れるが、伸長性に劣る欠点を有する。本発明の不織布は、伸縮性に劣るが肌触りに優れる伸長性繊維が、人と接する凸部に配置されているので、肌触りに優れる。さらに、本発明の不織布は、肌触りに劣るが伸縮性に優れる伸縮性繊維が、人が接しにくい凹部及び不織布の凸部内にほぼ均一に配置されているので伸縮性に優れる。
図1に示されるような、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布はまた、複数の凹部を有するので、凹部を有しない不織布と比較して、不織布の厚さ方向の通気性に優れ、そして複数の凸部及び複数の凹部を有するので、不織布の平面方向の通気性に優れる。
【0026】
本明細書において、「伸縮性繊維」は、弾性的に伸長可能な繊維を意味する。より具体的には、上記伸縮性繊維は、形成時及び想定される使用時にかかる応力よりも大きな弾性限界を有し、形成時及び想定される使用時にかかる応力の範囲内で弾性的に伸長可能な繊維を意味する。上記伸縮性繊維の材料としては、例えば、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。上記伸縮性繊維としては、伸長後の歪みの少なさ、耐熱性の高さ等の観点から、ポリウレタン系エラストマーが好ましい。
上記伸縮性繊維の繊維径は、2〜50μmの範囲内にあることが好ましく、そして15〜30μmの範囲内にあることがより好ましい。
【0027】
本明細書において「伸長性繊維」は、弾性限界が上記伸縮性繊維の弾性限界より小さい繊維を意味する。より具体的には、上記伸長性繊維は、形成時にかかる応力よりも小さな弾性限界を有し、形成時にかかる応力により塑性変形しうる繊維を意味する。上記伸長性繊維は、塑性変形することにより、細く且つ長くなる。なお、本明細書において、形成時にかかる応力により塑性変形した伸長性繊維を、「伸長された伸長性繊維」と称する場合がある。伸長された伸長性繊維の例としては、均一な径を有するもの、又は不均一な径を有する、例えば、部分的に細い部分(ネッキング部)を有するものを挙げることができる。
【0028】
上記伸長性繊維の材料の例としては、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ乳酸、又はそれらの組み合わせから成る繊維が挙げられる。上記伸長性繊維は、芯鞘型繊維、サイドバイサイド型繊維等の複合繊維であってもよい。
上記伸長性繊維としては、結晶性の低さ、伸度の高さ等の観点から、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む繊維が好ましい。
上記伸長性繊維の繊維径は、約1〜約40μmの範囲内にあることが好ましく、そして約5〜約25μmの範囲内にあることがより好ましい。また、上記伸長性繊維の繊維径は、上記伸縮性繊維の繊維径よりも細いことが好ましい。本発明の不織布に、柔軟性、嵩高さ、隠蔽性等を付与することができるからである。
【0029】
図1に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1では、凸部3及び凹部4が、それぞれ、第1の方向Aに平行であり、第1の方向Aと直交する方向に交互に配置されているが、本発明の不織布では、第1の面における複数の凸部及び複数の凹部のパターンは、特に限定されず、本発明の不織布は、後述の製造方法等により、あらかじめ定められたパターンを有する、複数の凸部及び複数の凹部を、第1の面に有することができる。
また、図1の態様では、第1の面の反対側の第2の面が平面であるが、本発明の別の態様としては、図2に示すように、第2の面に凹凸が存在してもよい。
【0030】
また、図1の態様では、凸部3において、伸長性繊維EXが、第1の方向Aに沿って配置される傾向があるが、本発明の不織布では、これに限定されず、伸長性繊維は、特に配向性を有していなくともよい。
なお、第2の面が平面である場合には、第2の面は、他の不織布と接着する際の接着性に優れる利点を有する。
【0031】
本発明の別の態様では、本発明の不織布が、第1の面の反対側にある第2の面に、複数の凸部及び複数の凹部を有し、そして第2の面の凸部における伸長性繊維の比率が、第2の面の凹部における伸長性繊維の比率よりも高い。
第2の面における伸長性繊維の比率は、第1の面の場合と同様、溶媒法、染色法等により測定することができる。
【0032】
図2は、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布の別の態様の模式図である。図2に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1は、第1の面2の反対側に第2の面5を有し、そして第2の面5が、複数の凸部6及び複数の凹部7を有する。図2の態様では、第1の面は、図1の第1の面と同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
【0033】
図2に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1において、凸部6が伸長性繊維EXに富み、そして凹部7が伸縮性繊維ELに富むので、凸部6における伸長性繊維の比率が、凹部7における伸長性繊維の比率よりも高くなる。また、図2に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1では、凸部6及び凹部7が、それぞれ、第2の方向Bに平行であり、第2の方向Bと直交する方向に交互に配置されている。なお、図2の態様では、凸部6における伸長性繊維EXの配向性、及び凹部7における伸縮性繊維ELの配向性は、特に存在しない。さらに、図2に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1では、第1の方向Aと、第2の方向Bとが、直交している。
【0034】
図2に示されるような、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布は、第2の面の凸部における伸長性繊維の比率が、第2の面の凹部における伸長性繊維の比率よりも高いので、第1の面と同様に、肌触りに優れ且つ伸縮性に優れる。
図2に示されるような、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布はまた、第1の面における複数の凹部及び第2の面における複数の凹部を有するので、不織布の厚さ方向の通気性に優れ、そして第1の面における複数の凸部及び複数の凹部、並びに第2の面における複数の凸部及び複数の凹部を有するので、不織布の平面方向、特に第1の方向及び第2の方向の通気性に優れる。
【0035】
図2に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1では、凸部3及び凹部4が、それぞれ、第1の方向Aに平行であり、第1の方向Aと直交する方向に交互に配置されているが、本発明の不織布では、第1の面における、複数の凸部及び複数の凹部のパターンは、特に限定されない。
【0036】
また、図2に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1では、凸部6及び凹部7が、それぞれ、第2の方向Bに平行であり、第2の方向Bと直交する方向に交互に配置されているが、本発明の不織布では、第2の面における、複数の凸部及び複数の凹部のパターン等は、特に限定されず、本発明の不織布は、後述の製造方法等により、あらかじめ定められたパターンを有する、複数の凸部及び複数の凹部を、第2の面に有することができる。
【0037】
さらに、図2の態様では、凸部6における伸長性繊維EXの配向性、及び凹部7における伸縮性繊維ELの配向性は、特に存在しないが、本発明の不織布では、これに限定されず、凸部6において、伸長性繊維EXが、第2の方向Bに沿って配置される傾向を有してもよく、そして/又は凹部7において、伸縮性繊維ELが、第2の方向Bに沿って配置される傾向を有してもよい。
【0038】
さらに、図2に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1では、第1の方向Aと、第2の方向Bとが直交しているが、本発明では、第1の方向と第2の方向との間の関係に、特に制限はなく、第1の方向と、第2の方向とは、任意の角度を有することができる。例えば、第1の方向と第2の方向とが平行、すなわち、それらが形成する角度が0°であることができる。そのような態様では、例えば、第1の方向(及び第2の方向)と直交する方向に対する伸縮性に優れ且つ平面方向、特に、第1の方向(及び第2の方向)の通気性に優れる。
【0039】
本発明の不織布としては、第1の方向と、第2の方向とが、直交していることが好ましい。さらに、本発明の不織布としては、第1の方向が搬送方向(以下、「方向MD」と称する場合がある)であり、そして第2の方向が搬送方向に直交する直交方向(以下、搬送方向に直交する直交方向を、「直交方向」又は「方向CD」と称する場合がある)であることがさらに好ましい。
【0040】
本発明のさらに別の態様では、本発明の不織布は、一又は複数の開孔部を有することができ、より具体的には、本発明の不織布は、第1の面の凹部及び第2の面の凹部を連結する、一又は複数の開孔部を有することができる。
図3及び図4は、本発明の伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布のさらに別の態様の模式図である。図3及び図4に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1は、第1の面2を有し、そして第1の面2が、第1の方向Aにそれぞれ平行な凸部3及び凹部4を、第1の方向Aと直交する方向に交互に有し、そして第2の面5が、第2の方向Bにそれぞれ平行な凸部6及び凹部7を、第2の方向Bと直交する方向に交互に有する。図3に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1はまた、凹部4及び凹部7を連結する開孔部8を有する。
【0041】
図3に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1の第1の面2において、凸部3が伸長性繊維EXに富み、そして凹部4が伸縮性繊維ELに富むので、凸部3における伸長性繊維の比率が、凹部4における伸長性繊維の比率よりも高くなる。凸部3では、伸長性繊維EXが、第1の方向Aに沿って配置される傾向を有する。
また、図4に示される、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1の第2の面5において、凸部6が伸長性繊維EXに富み、そして凹部7が伸縮性繊維ELに富むので、凸部6における伸長性繊維の比率が、凹部7における伸長性繊維の比率よりも高くなる。
さらに、図3及び図4における凹部4及び凹部7では、伸縮性繊維ELが開孔部8を囲むように配置されている。
【0042】
図3及び図4に示されるような、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布は、第1の面における複数の凹部及び第2の面における複数の凹部、並びに一又は複数の開孔部を有するので、不織布の厚さ方向の通気性に特に優れ、そして第1の面における複数の凸部及び複数の凹部、並びに第2の面における複数の凸部及び複数の凹部を有するので、不織布の平面方向、特に第1の方向及び第2の方向の通気性に優れる。また、図3及び図4に示されるような、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布は、一又は複数の開孔部を有し、伸長時に構造を変化させることができるため、初期伸長時の強度が低く、身体の動きに追従しやすい。
【0043】
なお、図3では、第1の面の凸部3及び凹部4、並びに第2の面の凸部6及び凹部7は、特定の方向に向けられているが、本発明の不織布では、これらの方向、配置等は、特に限定されない。また、伸長性繊維及び伸縮性繊維の配向性は任意であり、第1の面における複数の凸部、第1の面における複数の凹部、第2の面における複数の凸部及び/又は第2の面における複数の凹部における、伸長性繊維及び/又は伸縮性繊維は、配向を有していてもよく、又は配向を有していなくともよい。
【0044】
[伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布を製造する方法]
本発明の伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布を製造する方法は、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布を準備するステップを含む。
上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布としては、上述の伸長性繊維と、上述の伸縮性繊維とを含む不織布であれば、特に制限されることなく、例えば、種々の公知の方法により製造された不織布、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、メルトブローン不織布、ナノファイバーを含む不織布を挙げることができる。
【0045】
上記伸長性繊維及び伸縮性繊維は、上述の繊維から選択することができ、そして伸長性繊維は、続くステップにより繊維径が細くなることを考慮して繊維径を選択することが好ましい。
上記繊維としては、その繊維長に特に制限はなく、例えば、ステープルファイバ及び連続フィラメントを挙げることができる。2種以上の繊維を混合する場合には、それらの繊維の繊維長は同一でもよく、又は異なっていてもよい。
【0046】
上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布は、親水性を有するものであることが好ましい。親水性の排泄物(尿、汗、便等)と接触した際に、当該排泄物を不織布の表面にとどめることなく、不織布内部に透過させやすいからである。
上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布のうち、親水性を有するものとしては、例えば、疎水性不織布を親水剤で処理することにより製造された不織布、親水剤を練り込んだ繊維から製造された不織布、界面活性剤を塗工された不織布等が挙げられる。また、上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布のうち、親水性を有するものとして、本質的に親水性を有する繊維、例えば、天然系及び/又は半天然系の繊維から製造された不織布を挙げることもできる。
【0047】
本発明の方法は、上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布を、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布が形成されるように不均一に延伸するステップ(以下、「不均一延伸ステップ」と称する場合がある)を含む。
上記不均一延伸ステップは、上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布において、部分的に、(i)不織布内の繊維の各接合点を破壊し、固定されていた繊維を部分的にウェブ状態とし、そして/又は(ii)不織布内の繊維の各接合点の間で、伸長された伸長性繊維を形成するために行われる。上記伸長された伸長性繊維は、流体で処理する際に移動しやすくなるので、不織布に凹凸を形成しやすくなる。
なお、上記伸縮性繊維は、不均一延伸ステップの際にかかる応力よりも高い弾性限界を有するので、不均一延伸ステップの際に、一時的に伸長された伸縮性繊維は、その後、元の長さに戻ることができる。
【0048】
上記接合点としては、エアスルー不織布の場合には、熱融着点が挙げられ、スパンボンド不織布及びポイントボンド不織布の場合には熱圧着点が挙げられ、そしてスパンレース不織布の場合には繊維交絡点が挙げられる。
【0049】
本明細書において、「高延伸領域」は、伸長された伸長性繊維の伸長度が、低延伸領域よりも高くなるように延伸された領域を意味し、そして「低延伸領域」は、伸長された伸長性繊維の伸長度が、高延伸領域よりも低くなるように延伸された領域を意味し、伸長された伸長性繊維が形成されていない領域、すわなち、未延伸領域を含む。
本明細書において、「不均一に延伸する」とは、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布が形成されるように延伸することを意味し、すなわち、部位によって、伸長された伸長性繊維の伸長度が異なる不織布が形成されるように延伸することを意味する。
【0050】
上記不均一延伸ステップは、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布を形成することができる手段であれば、特に制限されず、任意の手段により実施することができるが、例えば、搬送方向と直交する回転軸線を有する一対のギアロールであって、当該ギアロールのそれぞれの外周面に配置された複数の歯を互いに噛み合わせながら回転するものの間隙に、上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布を通過させること(以下、「ギア延伸」と称する場合がある)により行うことができる。
【0051】
図5は、ギア延伸を説明するための模式図である。図5に示されるギア延伸装置9は、一対のギアロール10及び10’を有する。ギアロール10及び10’の外周面11及び11’には、それぞれ、複数の歯12及び12’が配置されている。また、図5に示すギア延伸装置9では、ギアロール10及び10’の回転軸線は、それぞれ、不織布の搬送方向MDと垂直である。さらに、複数の歯12及び12’は、それぞれ、上記回転軸線と平行に、外周面11及び11’に配置されている。
【0052】
図5に示すギア延伸装置9では、一対のギアロール10及び10’のロール間隙に、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布13を通し、ギアロール10及び10’を通過する際に、互い噛み合うギアロール10及び10’の複数の歯12及び12’により、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布13を、三点曲げの原理で延伸し、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布14を形成する。高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布14は、直交方向に平行な高延伸領域と低延伸領域とを、搬送方向MDに交互に有する。
【0053】
伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布13において、複数の歯12及び12’の先端部に接する領域では、不織布の生地が固定されるため、あまり又は実質的に延伸されず、低延伸領域が形成される。一方、複数の歯12及び12’の先端部に接しない領域では、大きく延伸され、高延伸領域が形成される。
【0054】
ギア延伸はまた、図6に示されるようなギア延伸装置を用いて行うことができる。
図6は、ギア延伸を説明するための模式図である。図6に示されるギア延伸装置9は、一対のギアロール10及び10’を有する。ギアロール10及び10’の外周面11及び11’には、それぞれ、複数の歯12及び12’が配置されている。また、図6に示すギア延伸装置9では、複数の歯12及び12’が、それぞれ、ギアロール10及び10’の回転軸線と垂直に、それぞれ、外周面11及び11’に配置されている。複数の歯12及び12’をこのように配置することにより、搬送方向MDとそれぞれ平行な高延伸領域と低延伸領域とを、直交方向に交互に有する不織布を形成することができる。
【0055】
さらに、ギア延伸は、図7に示すような、複数の歯が、ギアロールの外周面に、ギアロールの回転軸線に対して傾斜して配置されているギア延伸装置を用いて実施することができる。図7は、ギア延伸を説明するための模式図である。図7に示されるギア延伸装置9は、一対のギアロール10及び10’を有する。ギアロール10及び10’の外周面11及び11’には、それぞれ、複数の歯12及び12’が配置されている。また、図7に示すギア延伸装置9では、ギアロール10及び10’の回転軸線は、それぞれ、不織布の搬送方向MDと垂直である。さらに、複数の歯12及び12’は、それぞれ、回転軸線に対して一定の角度θを有するように、外周面11及び11’に配置されている。
【0056】
上記ギア延伸装置は、形成すべき不織布に所望の性能に応じて、適宜選択することができる。
高い伸縮性が必要である場合には、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布を、図5〜図7に示すようなギア延伸装置を複数用いて延伸することができる。
【0057】
上記ギア延伸装置において、ギアピッチは、約1〜約10mmが好ましく、そして約2〜約6mmがより好ましい。ギアピッチが約1mmを下回ると、ギアの刃を薄くする必要があり、不織布が部分的に切断される場合があり、そしてギアピッチが約10mmを上回ると、延伸倍率が低く、伸長された伸長性繊維が形成しにくい場合がある。
ギアピッチは、図6において、符号15により表わされる、ある歯から次の歯の間の間隔を意味する。
【0058】
上記ギア延伸装置において、ギア噛込深さは、約0.5mm以上であることが好ましい。ギア噛込深さが約0.5mmを下回ると、不織布の延伸が不十分となり、高延伸領域が形成されにくくなる場合がある。
ギア噛込深さは、図6において、符号16により表わされる、上のギアロールの歯と、下のギアロールの歯とが重複する部分の深さを意味する。
【0059】
高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布において、ギア延伸1回当たりの延伸倍率は、約30〜約400%であることが好ましく、そして約50〜約200%であることがより好ましい。延伸倍率が約30%を下回ると、伸長された伸長性繊維が形成されない場合があり、そして延伸倍率が約400%を上回ると、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布の強度が弱く、延長された伸長性繊維が主に脱落しやすくなり、搬送が困難になる場合があり、そして/又は伸長性繊維が破断する場合がある。
【0060】
本明細書において、「延伸倍率」は、ギアピッチをPとし、そしてギア噛込深さをDとした場合に、次の式:
【数1】

により算出される値を意味する。
【0061】
伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布の巻出速度は、所望の延伸倍率等によっても変化するが、例えば、約10m/分以上である。高延伸領域と低延伸領域とを交互に有する不織布の巻取速度は、延伸倍率等によって変化し、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布が搬送方向に延伸された場合には、巻出速度に延伸倍率をかけた値が巻取速度の目安となるであろう。
【0062】
本発明の方法は、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布を、支持体上に配置し、そして噴出された流体を高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布に吹き付けることにより処理し、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布を形成するステップ(以下、「流体処理ステップ」と称する場合がある)を含む。
【0063】
不均一延伸ステップにおいて形成された、高延伸領域に存在するウェブ状態の繊維及び/又は伸長された伸長性繊維の少なくとも一部は、流体が衝突する面(以下、「流体衝突面」と称する)では、噴出された流体が衝突し、次いで跳ね返ることに伴って、平面方向、例えば、直交方向に選り分けられる。より具体的には、噴出された流体が吹き付けられた部分では、伸長された伸長性繊維が他に移動し、主に伸縮性繊維が残ることにより、第1の面に複数の凹部が形成される。伸縮性繊維は、流体の衝突により力を受けるが、弾性限界未満の応力が加わるに留まるので、流体が吹きつけられた後は、元の場所に戻るものが多い。従って、第1の面における複数の凹部では、伸縮性繊維に富む。伸長された伸長性繊維は、第1の面における複数の凹部の両端に凸部を形成する。従って、第1の面における複数の凸部では、伸長性繊維に富む。なお、流体衝突面は、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布の第1の面に相当し、そして流体が吹き付けられた軌跡の方向が、第1の方向に相当する場合がある。
また、流体衝突面と反対側の面(以下、「非流体衝突面」と称し、第2の面に相当する)では、ウェブ状態の繊維及び/又は伸長された伸長性繊維の少なくとも一部が、不織布を通過する流体の流れに沿って移動する。
【0064】
上記流体処理ステップにおいて用いられる流体としては、空気、例えば、加熱された空気、水蒸気、又は水、例えば、熱水が挙げられる。
上記流体を、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布に、固定された流体ノズルから吹き付けることができ、又は直交方向に往復する流体ノズルから吹き付けることができる。また、上記流体を、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布に、連続的、又は間欠的に流体ノズルから吹き付けることができる。これらを組み合わせることにより、あらかじめ定められたパターンを含む、種々のパターンを有する、複数の凸部及び複数の凹部を、第1の面に形成することができる。
【0065】
上記流体は、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布の形態によって、適宜選択することができる。例えば、ギアピッチが小さく、延伸倍率が大きい不織布を処理する場合には、比較的低いエネルギーで、伸長された伸長性繊維を主に移動させることができるため、流体として空気又は水蒸気を選択することが好ましい。また、ギアピッチが大きく、低延伸領域が多い不織布を用いる場合には、各繊維の接合点が多いので、伸長された伸長性繊維を移動させるために比較的高いエネルギーが必要であるため、流体として水又は水蒸気を選択することが好ましく、そして水蒸気がより好ましい。というのは、繊維量が多い部分に水分が残存しにくく、繊維量が多い部分の接合点を破壊することが少なく、そして移動すべき部分の、伸長された伸長性繊維を簡易に移動させることができるからである。
【0066】
上記流体処理ステップは、当技術分野で公知の装置を用い、そして公知の方法で行うことができる。
本発明の方法の態様の1つでは、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布を支持するために用いられる支持体は、当技術分野で通常用いられている支持体、例えば、金属、プラスチック製のコンベアネット、抄紙網等であることができる。上記支持体は、流体透過性を有するのが一般的である。
【0067】
本発明の方法の別の態様では、不織布の通気性、肌触り(例えば、低接触面積)、液引込性等をさらに向上させるために、突状部と窪み部とを有する支持体を用いることができる。
本発明において、「突状部」は、不織布の第2の面に複数の凹部を形成するために用いられる部分であり、そして「窪み部」は、不織布の第2の面に複数の凸部を形成するために用いられる部分である。
【0068】
図8は、コンベア上で用いられる支持体の一例を示す図である。
図8では、支持体17は、直交方向CDに平行な、突状部18と窪み部19とを有し、そして突状部18と、窪み部19とが、搬送方向MDに交互に配置されている。図8にはまた、流体ノズル20が示され、そして支持体17の下には、流体ノズル20の下部に、流体を受け入れるサクション部(図示せず)が設けられている。図8において、突状部18及び窪み部19は、立方体形状を有し、そして交互に配列されている。
【0069】
図8では、突状部と、窪み部とは、直交方向に平行であり且つ搬送方向に交互に配置されているが、本発明の方法では、突状部及び窪み部の形状、配列等は、特に制限されず、例えば、突状部及び窪み部は、(i)搬送方向にそれぞれ平行な突状部及び窪み部であって、直交方向に交互に配置されているものであってもよく、又は(ii)搬送方向に対してそれぞれ傾斜を有する突状部及び窪み部であって、当該傾斜の方向と直交する方向に交互に配置されているものであってもよく、あるいは(iii)あらかじめ定められた形状(例えば、立方体形状、円柱形状、半球形状等)の突状部及び/又は窪み部が、あらかじめ定められた配列(例えば、ハート型、星型等の配列)で配置されているものであってもよい。
【0070】
突状部と窪み部とを有する支持体を用いると、突状部及び窪み部を有しない支持体を用いる場合よりも、大きな複数の凸部と、深い複数の凹部(場合によっては、一又は複数の開孔部)とを有する不織布を形成することができる。
【0071】
上記現象を、図8を用いて具体的に説明する。流体ノズル20から噴出された流体は、突状部18と衝突すると、窪み部19に回り込んで流れる。その結果、自由度の高い、伸長された伸長性繊維が、流体の流れに沿って窪み部19の方に移動するので、流体と突状部18とが交差する場所には、主に伸縮性繊維が残り、単位面積当たりの繊維量が少なくなり、不織布の第2の面に複数の凹部が形成される。伸縮性繊維は、流体の力により一時的に伸長するものの、弾性限界未満の応力が加わるに留まるので、流体がなくなり、応力が加わらなくなった後は、元に戻るものが多い。従って、第2の面における複数の凹部では、伸縮性繊維に富む。流体を吹き付ける力が強い場合には、伸縮性繊維もある程度移動し、第1の面の凹部と、第2の面の凹部とを連結する、一又は複数の開孔部が形成される。
【0072】
流体と窪み部19が交差する場所には、伸長された伸長性繊維が集まるので、単位面積当たりの繊維量が多くなり、不織布の第2の面に複数の凸部を形成し、そして第2の面における複数の凸部は、伸長性繊維に富む。図8の場合には、第2の方向は、突状部18及び窪み部19の方向、すなわち、直交方向である。第2の面における複数の凸部では、不織布の厚さ方向に、伸長された伸長性繊維が立ち上がる傾向があるため、不織布に耐圧縮性が付与され、さらに液引込性が向上する。また、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1は、第2の面に複数の凸部を有することから、通気性、特に平面方向の通気性に優れ、さらに接触面積が少なくなることから肌触りに優れる。
【0073】
突状部と窪み部とを有する支持体を用いて形成された不織布は、それを用いないで形成された場合と比較して、第2の面に高さの高い複数の凸部と、深さの深い複数の凹部とを有するので、通気性、特に平面方向の通気性、耐圧縮性、液引込性、肌触りに優れる。第2の面における複数の凸部は、比較的繊維強度の高い伸長性繊維から主に構成されるため、強度が高く、潰れにくい。突状部と窪み部とを有する支持体を用いて形成された不織布が、一又は複数の開孔部を有する場合には、厚さ方向の通気性に優れる。
なお、図8に示されるような支持体を用いて形成された不織布は、平面方向の通気性の中で、特に直交方向の通気性に優れる。上記不織布のうち、支持体の突状部(不織布の第2の面の凹部)に対応する場所が、気体の通路となり得るからである。
【0074】
上記突状部は、窪み部の流体透過性よりも、低い流体透過性を有することが好ましい。突状部が低い流体透過性を有することにより、突状部に衝突した流体が、窪み部の方に流れ、本発明の方法により形成された、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布の第2の面に、より高さの高い、複数の凸部を形成することができるからである。
上記突状部の素材としては、金属、プラスチック等が挙げられるであろう。
【0075】
上記突状部及び窪み部は、特に制限されないが、例えば、流体透過性の支持体として通常用いられている金属、プラスチック製等のコンベアネット、抄紙網、パンチングプレート等の上に、立方体形状、筒状等の金属を、一定の間隔を保持する等、あらかじめ定められた配列で配置することにより形成することができる。
【0076】
あらかじめ定められた形状(例えば、立方体形状、円柱形状、半球形状等)の突状部及び/又は窪み部が、あらかじめ定められた配列(例えば、ハート型、星型等の配列)で配置されている支持体としては、例えば、パンチングプレート上に、半球型の形状の金属が、あらかじめ定められた配列(例えば、ハート型)で配置されたものが挙げられる。当該支持体を用いると、第2の面にあらかじめ定められたパターン(例えば、ハート型)の凹部を有する不織布を形成することができる。
また、例えば、パンチングプレート上に、半球型の窪み形状が、あらかじめ定められた配列(例えば、ハート型)で配置された、突状部と窪み部とを有する支持体を用いると、第2の面にあらかじめ定められたパターン(例えば、ハート型)の、複数の凸部を有する不織布を形成することができる。
【0077】
流体処理ステップが、ロール上で行われる場合には、ロール状の支持体であって、その外周がメッシュ等の流体透過性材料で構成され且つ外周面に、あらかじめ定められた形状及び配列の突状部及び窪み部が配置されているものを用いることができる。当該あらかじめ定められた形状及び配列としては、上述の形状及び配列を挙げることができる。
【0078】
図9は、図8に示される支持体17を用いて形成された、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布1を示す図である。図9は、図8にZ−Zで示される断面に相当する。図9では、支持体17の窪み部19に、凸部6が形成され、そして支持体17の突状部18に、凹部7が形成されている。
【0079】
本発明のさらに別の態様では、図10に示す支持体を用いることができる。図10に示す支持体17では、突状部18及び窪み部19が、それぞれ、立方体形状及び格子形状を有し、そして突状部18が、搬送方向及び直交方向に一定の間隔をあけた配列で配置されている。
【0080】
突状部と窪み部とを有する支持体において、それらの幅は、形成すべき不織布に必要な特性等によって異なるが、例えば、図8に示される支持体において、突状部の幅は、約0.5〜約10mmの範囲にあることが好ましく、窪み部の幅は、約1〜約10mmの範囲にあることが好ましい。
【0081】
上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布は、厚さ方向の通気度が、約500m3/m2/分以上であることが好ましく、約1000m3/m2/分以上であることがより好ましく、そして約2000m3/m2/分以上であることが最も好ましい。厚さ方向の通気度が高いほど、人体に接する部位に用いられた場合等にムレにくくなる。
また、上記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布は、平面方向の通気度が、約5m3/m2/分以上であることが好ましく、約10m3/m2/分以上であることがより好ましく、そして約20m3/m2/分以上であることがさらに好ましい。水平方向の通気度が高いほど、湿度が高い空気が肌の近くに滞留しにくく、外部に排出されやすくなる。
【0082】
本発明の不織布は、吸収性物品、例えば、生理用品及び使い捨ておむつ、清掃用品、例えば、ワイパー、並びに医療用品、例えば、マスク等に有用である。
本発明の不織布は、吸収性物品において、肌当接面(着用者の肌に当接される面)に用いることができる。吸収性物品は、例えば、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、両シート間に介在される吸収体とを有し、尿、経血等の排出物を、表面シートを通して吸収体に吸収して保持する。
【実施例】
【0083】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において評価された項目の、測定条件は、以下の通りである。
【0084】
[坪量]
坪量は、JIS L 1906の5.2に従って測定する。
[嵩]
嵩は、(株)大栄科学精器製作所製 THICKNESS GAUGE UF−60を用いて測定する。
【0085】
[通気度]
通気度は、カトーテック株式会社のKES−F8−AP1通気性試験器を用いて測定し、単位を「m3/m2/分」に換算する。
不織布の厚さ方向の通気度は、100mm×100mmの大きさにカットした不織布を、通気性試験器にセットして測定する。
不織布の平面方向の通気度は、100mm×100mmの大きさにカットした不織布を、通気性試験器にセットし、100mm×100mmの大きさのアクリル板をその上にさらにセットし、3.5mN/cm2の加重下で測定する。
【0086】
[伸縮特性]
(株)島津製作所製のオートグラフ型引張試験機 形式AG−KNIを用いて、下記サイクルで測定する。
−第1サイクル(第1Cy)−
幅50mmmの試料を、チャック間距離100mmでチャックに固定し、100mm/分の速度で伸度100%まで伸長(行き)し、次いで、100mm/分の速度で元の長さまで戻す(戻り)。行きの50%伸長時の、幅50mm当たりの強度を評価する。
−第2サイクル(第2Cy)−
次いで、第1のサイクルを繰返し、帰りの50%伸長時の、幅50mm当たりの強度を評価する。
なお、50%伸長時は、使い捨ておむつに用いられた場合の、着用時の伸長率に相当する。
【0087】
行きの50%伸長時の、幅50mm当たりの強度としては、10N以下の範囲が好ましい。当該強度が10Nを超えると、例えば、使い捨ておむつに用いられた場合に、装着時におむつが広げにくく、はかせにくくなることが考えられる。なお、本明細書において、幅50mm当たりの強度(N)を、N/50mmと略記する場合がある。
帰りの50%伸長時の、幅50mm当たりの強度としては、約0.1〜約5.0Nの範囲が好ましい。当該強度が約0.1N未満では、例えば、使い捨ておむつに用いられた場合に、おむつの着用時におむつがずれやすくなる場合があり、そして約5.0Nを超えると、着用時の肌への圧力が高くなり、肌へレッドマーク、ギャザー跡等が発生する場合がある。
【0088】
[伸長性繊維の比率]
不織布を50mm×50mmのサイズに切断し、そこから、第2の面の凸部の頂部付近の繊維(以下、「凸部の繊維」と称する)を、カッターで切り分ける。次いで、凸部の繊維を計量し、20mLのジメチルアセトアミドに浸漬し、室温で30分間静置する。次いで、残存した繊維をろ過し、エタノールで洗浄し、そして乾燥させる。残存した繊維の乾燥質量から、伸長性繊維の比率を算出する。
また、同様に、第2の面の凹部の底部付近の繊維に関しても、伸長性繊維の比率を算出する。
【0089】
[実施例1〜3]
−不織布の製造−
ポリオレフィン繊維(繊維径21μm)と、ポリウレタン繊維(繊維径25μm)とを、スパンボンド製法により製造し、製造されたポリオレフィン繊維とポリウレタン繊維とを、質量比が50:50になるように混合してウェブを製造し、そして当該ウェブを熱エンボス処理することにより、伸長性繊維としてポリオレフィン繊維を含み且つ伸縮性繊維としてポリウレタン繊維を含む不織布を製造した。
【0090】
−ギア延伸処理−
上記ポリオレフィン繊維及びポリウレタン繊維を含む不織布の原反を、10m/分の速度で巻き出し、80℃に予熱された4本の予熱ロールに通し、図6に示すギア延伸装置(ギアピッチ:2.5mm,ギア噛込深さ:3.0mm,延伸倍率:160%)でギア延伸し、次いで、図5に示すギア延伸装置(ギアピッチ:4.9mm,ギア噛込深さ:7.0mm,延伸倍率:202%)でギア延伸して、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布としての不織布1を形成した。2つのギア延伸装置のギアの温度は、55℃であった。
不織布1において、歯の先端部に接していた低延伸領域では、エンボス部分が残存していた。また、歯の先端部に接しなかった高延伸領域では、エンボス部分が一部破壊され、ウェブ領域を形成していた。
【0091】
−水蒸気処理−
不織布1を、図8に示すような、直交方向にそれぞれ平行な突状部と窪み部とを、搬送方向に交互に有する支持体の上に載せた。突状部は、流体を透過しないものであり、その幅及び高さは、それぞれ、3mm及び5mmであった。窪み部の幅は2mmであった。次いで、上記ギア処理された不織布を、2.0mmの間隔で、複数のノズル(φ0.5mm)を備える水蒸気処理システムに5m/分の速度で通し、伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布としての不織布2〜4を得た。不織布2〜4は、複数の開孔部を有していた。
【0092】
水蒸気処理システムにおける、圧力及び水蒸気温度の条件を、表1に示し、不織布2〜4の特性を併せて表1に示す。
また、不織布2〜4における、伸長性繊維としてのポリオレフィン繊維の比率を、染色法により評価した。
ポリウレタン繊維を赤色に染色し且つポリオレフィン繊維を染色しない染料で、不織布2〜4を染色し、光学顕微鏡により目視で評価した。その結果、不織布2〜4の全てに関して、第1の面及び第2の面において、それぞれ、図3及び4に示すように、伸長性繊維としてのポリオレフィン繊維と、伸縮性繊維としてのポリウレタン繊維とが偏在していることが確認された。より具体的には、第1の面の凸部におけるポリオレフィン繊維の比率が、第1の面の凹部におけるポリウレタン繊維の比率よりも高く、そして第2の面の凸部におけるポリオレフィン繊維の比率が、第2の面の凹部におけるポリウレタン繊維の比率よりも高いことが確認された。
【0093】
さらに、実施例3の不織布4の、第2の面の凸部及び第2の面の凹部のポリオレフィン繊維の比率を溶媒法により評価した。第2の面の凸部及び第2の面の凹部を、それぞれ、67.7mg及び39.8mg採取し、溶媒としてジメチルアセトアミド20mLを用いて評価したところ、第2の面の凸部及び第2の面の凹部のポリオレフィン繊維の比率が、それぞれ、54質量%及び43質量%であった。当該結果より、不織布4において、第2の面の凸部におけるポリオレフィン繊維の比率が、第2の面の凹部におけるポリオレフィン繊維の比率よりも高いことが確認された。
なお、実施例1〜3のギア延伸前の不織布において、ポリオレフィン繊維の比率を測定したところ、50質量%であった。
不織布2のMD方向の断面の電子顕微鏡写真を図11に示す。
【0094】
[比較例1]
実施例1〜3における不織布1を、比較例1の試料とした。特性を表1に示す。
[比較例2]
特許文献1の実施例1に従って形成した不織布を、不織布5とし、その伸縮特性を表1に示す。
【0095】
【表1】

【0096】
実施例1〜3及び比較例1から、水蒸気処理することにより、嵩が高くなり、そして厚さ方向及び水平方向の両方の通気度が大きく向上したことが分かる。これは、実施例1〜3において水蒸気処理により、不織布に、第1の面における複数の凸部及び複数の凹部、並びに第2の面における複数の凸部及び複数の凹部が形成されたためである。また、第2の面の凸部における伸長性繊維の比率が、第2の面の凹部における伸長性繊維の比率よりも高い実施例3の不織布4をはじめ、実施例1の不織布2及び実施例2の不織布3は、伸縮性繊維に由来するタック性が少なく、肌触りが良好であった。
【0097】
比較例1の不織布は、凹凸を有しないため、厚さ方向の通気度が低く、さらに平面方向の空気の通路が形成されていないことから、平面方向の通気度も低い。また、不織布2〜4よりも肌触りに劣っていた。
比較例2の不織布は、平面方向の通気度に優れるが、厚さ方向の通気度が低かった。
【0098】
実施例1〜3及び比較例1から、第1サイクルの行きの50%伸長時の、幅50mm当たりの強度は、水蒸気処理により、伸縮性に大きな変化が無いことが分かる。これは、実施例1〜3の不織布が複数の開孔部を有し、繊維が変形する前に不織布内で構造変形が発生し、熱処理による繊維間の融着、繊維の絡みによる引張強度の増加分をキャンセルすることができるためである。
比較例2の不織布は硬く、第1サイクルにおいて、伸度約90%の時点で破断した。
【0099】
方向MDの断面である図11には、凸部6と、凹部7とが示され、凸部6では、単位面積当たりの繊維量が多く且つ繊維が立っていることが分かり、そして凹部7では、単位面積当たりの繊維量が少なく且つ繊維が寝ていることが分かる。
【符号の説明】
【0100】
1 伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布
2 第1の面
3 凸部
4 凹部
5 第2の面
6 凸部
7 凹部
8 開孔部
9 ギア延伸装置
10,10’ ギアロール
11,11’ 外周面
12,12’ 複数の歯
13 伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布
14 高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布
15 ギアピッチ
16 ギア噛込深さ
17 支持体
18 突状部
19 窪み部
20 流体ノズル
EX 伸長性繊維
EL 伸縮性繊維
A 第1の方向
B 第2の方向
MD 搬送方向
CD 直交方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布であって、
前記不織布の第1の面に、複数の凸部及び複数の凹部を有し、そして
前記凸部における伸長性繊維の比率が、前記凹部における伸長性繊維の比率よりも高いことを特徴とする、
前記不織布。
【請求項2】
前記不織布が、前記不織布の、第1の面の反対側にある第2の面に、複数の凸部及び複数の凹部を有し、そして第2の面の凸部における伸長性繊維の比率が、第2の面の凹部における伸長性繊維の比率よりも高い、請求項1に記載の不織布。
【請求項3】
第1の面の凸部及び凹部が、それぞれ、第1の方向に平行であり、そして第1の方向と直交する方向に交互に配置されている、請求項2に記載の不織布。
【請求項4】
第2の面の凸部及び凹部が、それぞれ、第2の方向に平行であり、そして第2の方向と直交する方向に交互に配置されている、請求項3に記載の不織布。
【請求項5】
第1の方向と、第2の方向とが直交している、請求項4に記載の不織布。
【請求項6】
第1の方向が搬送方向であり、そして第2の方向が搬送方向に直交する直交方向である、請求項5に記載の不織布。
【請求項7】
第1の面の凹部及び第2の面の凹部を連結する、一又は複数の開孔部を有する、請求項2〜6のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項8】
前記伸長性繊維の材料が、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ乳酸、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項9】
前記伸縮性繊維の材料が、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の不織布を製造する方法であって、
伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布を準備するステップ、
前記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布を、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布が形成されるように不均一に延伸するステップ、そして
前記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布を、支持体上に配置し、そして噴出された流体を前記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布に吹き付けることにより処理し、前記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布を形成するステップ、
を含む方法。
【請求項11】
前記不均一に延伸するステップが、搬送方向と直交する回転軸線を有する一対のギアロールであって、当該ギアロールのそれぞれの外周面に配置された複数の歯を互いに噛み合わせながら回転するものの間隙に、前記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む不織布を通過させることにより行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の歯が、前記回転軸線と垂直に前記外周面に配置されており、前記搬送方向とそれぞれ平行な高延伸領域と低延伸領域とを、搬送方向と直交する直交方向に交互に有する不織布が形成されるか、又は前記複数の歯が、前記回転軸線と平行に前記外周面に配置されており、前記搬送方向と直交する方向にそれぞれ平行な高延伸領域と低延伸領域とを、搬送方向に交互に有する不織布が形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記不均一に延伸するステップを2回実施する、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布を形成するステップにおいて、前記支持体が、不織布と接する面に、あらかじめ定められた形状及び配列の突状部及び窪み部を有する、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記あらかじめ定められた形状及び配列の突状部及び窪み部が、搬送方向と直交する直交方向にそれぞれ平行であり且つ搬送方向に交互に配置されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記流体が、空気、水蒸気及び水から成る群から選択される、請求項10〜15のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−226011(P2011−226011A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95246(P2010−95246)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】