説明

位相検出回路及び検査方法

【課題】入力信号の位相の同相/反転関係を検出する位相検出回路であって、検出可能な信号速度が制限されることを回避することが可能な位相検出回路を提供する。
【解決手段】ギルバートセルと、このギルバートセル内の下段側に位置する第1の差動対(101、102)に対して並列関係に設けられた第2の差動対(120、121)と、第1の差動対に電流を供給する第1の電流源(100)とは別に設けられ、第2の差動対に電流を供給する第2の電流源(130)と、第1の電流源と第2の電流源とのいずれかのみが動作するように制御する制御回路(140)とを備え、第1の電圧信号は第1の差動対の正側電圧入力端子と第2の差動対の負側電圧入力端子に入力され、第1の電圧信号と相補の関係にある第2の電圧信号は第1の差動対の負側電圧入力端子と第2の差動対の正側電圧入力端子に入力されている位相検出回路。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相検出回路に関し、特に、高周波半導体集積回路(LSI)における二つの差動信号線間の同相位相と反転位相を検出する回路に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電子回路においては、同じ周波数で電圧が変動するが、2つの信号の位相関係として同相(位相差が0度)と反転(位相差が180度)の2つの状態が存在する場合、この2つの信号の位相関係は、2つの信号電圧の乗算を行うことで検出することが可能である。
アナログ信号を扱う乗算器は、ギルバートセルと呼ばれる回路で実現されることが多い。例えば、非特許文献1には、ギルバートセルを用いることでアナログ乗算回路が実現できることが明記されている。
【0003】
図2は、N型のMOS(Metal−Oxide−Semiconductor)トランジスタで構成されたギルバートセルの構成を示す図である。トランジスタ901とトランジスタ902とは、ギルバートセルの下段側に位置し、定電流源900にて発生した定電流を差動入力端子P1とN1の差動電圧に応じて、定電流源900からの電流の経路を切り替える。さらに、トランジスタ901と接続されるトランジスタ903及びトランジスタ904は、差動入力端子P2とN2との差動電圧に応じてトランジスタ901からの電流の経路を切り替え、差動出力端子OPとONとに電流を供給する。
【0004】
同様に、トランジスタ902と接続されるトランジスタ905及びトランジスタ906は、差動入力端子P2とN2との差動電圧に応じてトランジスタ902からの電流の経路を切り替え、差動出力端子OPとONとに電流を供給する。端子OPに供給された電流が、端子OPと電源との間に設置された抵抗910を流れることにより抵抗910の前後に電位差が生じ、また、端子ONに供給された電流が、端子ONと電源との間に設置された抵抗911を流れることにより抵抗911の前後に電位差が生じる。
【0005】
差動入力端子P1とN1における信号周波数と、差動入力端子P2とN2における信号周波数が同一であるとし、さらに位相関係が同相である場合、差動出力端子OPとONで得られる差動電圧は負の極性の直流電圧となる。また、差動入力端子P1とN1における信号周波数と、差動入力端子P2とN2における信号周波数が同一であり、かつ、位相関係が反転である場合、差動出力端子OPとONで得られる差動電圧は正の極性の直流電圧となる。
【0006】
ここで、差動入力端子P1とN1間の差動電圧をV1、差動入力端子P2とN2間の差動電圧をV2、差動出力端子OPとON間の差動電圧をVとすると、図2は、2入力1出力の回路とみなすことができる。また、この入出力の関係はブール代数で記述すると以下の式(1)で表される。また、図3は、式(1)の真理値表である。
図3の真理値表からも、ギルバートセルの乗算機能は、位相の同相/反転の検出回路として機能することが分かる。
【0007】
【数1】

【0008】
ところで、図2に示されるような回路を含む半導体回路を製品検査する場合、通常はその出力の切り替わり方が正常であるかを検査する必要がある。この検査は、図2のギルバートセルが、2対の差動入力信号の位相の同相/反転関係に依存せずに同じ出力を出し続けるという不具合を発見するための検査である。この検査の方法としては、2対の差動入力のうちの一方の位相を180度変更し、出力直流電圧信号の極性が位相変更前の極性から反転すれば“不具合無し”、反転しなければ“不具合有り”とする方法が知られている。
【0009】
図4は、図2のギルバートセルの一方の差動入力端子P1、N1に、位相を180度変更するための入力位相変更回路830を追加した回路の一例を示す図である。入力位相変更回路830は、入力端子P1とN1から入力される差動信号の位相を180度変更するための回路である。
入力位相変更回路830は、論理反転素子841とN型MOSトランジスタ820〜823から構成される。そして、制御信号840が論理的にハイのとき、トランジスタ820、823がオン状態になるとともに、トランジスタ821、822がオフ状態となり、端子P1の電圧信号がトランジスタ901のゲートに印加され、端子N1の電圧信号がトランジスタ902のゲートに印加される。
【0010】
また、制御信号840に論理的にローのとき、トランジスタ821、822がオン状態に、820、823がオフ状態となり、端子P1の電圧信号がトランジスタ902のゲートに印加され、端子N1の電圧信号がトランジスタ901のゲートに印加される。つまり、制御信号840が論理的にハイの場合とローの場合とでは、差動対を構成するトランジスタ901、902に入力される差動信号の位相は180度異なる。なお、図4の例では、入力端子P1、N1側に入力位相変更回路830を設置したが、入力端子P2、N2側に入力位相変更回路830を設置しても同様の効果が得られる。
【0011】
ここで、「差動対」とは、共通接続部が定電流源と接続される場合に、正側電圧入力端子に入力される電圧と、負側電圧入力端子に入力される電圧とに依存して、定電流源で発生した電流を正側出力端子と負側出力端子に分配する回路を意味する。
このような入力位相変更回路830をギルバートセルに追加することで、ギルバートセルを含む半導体回路の出力の切り替わり方が正常であるか否かを検査することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Behzad Razavi著、黒田忠広監訳、「RFマイクロエレクトロニクス」、第1版、丸善株式会社、平成14年3月25日、P.276
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、信号経路にトランジスタで構成されるスイッチを入れることは、信号経路の抵抗成分が増加し、検出できる信号の速度に制限をもたらすため、好ましくない。このことは、特に、入力信号が高周波信号である場合に顕著である。
そこで、本発明は上記課題に鑑み、入力信号の位相の同相/反転関係を検出する位相検出回路であって、検出可能な信号速度が制限されることを回避することが可能な位相検出回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、ギルバートセルと、前記ギルバートセル内の下段側に位置する第1の差動対に対して並列関係に設けられた第2の差動対と、前記第1の差動対に電流を供給する第1の電流源とは別に設けられ、前記第2の差動対に電流を供給する第2の電流源と、前記第1の電流源と前記第2の電流源とのいずれかのみが動作するように制御する制御回路と、を備え、前記第1の差動対及び前記第2の差動対のそれぞれに、相補の関係にある第1の電圧信号及び第2の電圧信号が入力されており、前記第1の電圧信号は、前記第1の差動対の正側電圧入力端子と前記第2の差動対の負側電圧入力端子に入力され、前記第2の電圧信号は、前記第1の差動対の負側電圧入力端子と前記第2の差動対の正側電圧入力端子に入力されていることを特徴とする位相検出回路である。
【0015】
この構成によれば、ギルバートセルを含む半導体回路を検査する際に、検出対象である入力信号の位相の同相/反転関係を検出する位相検出回路において、検出可能な信号速度が制限されることを回避することが可能である。特に、入力信号が高周波信号である場合に有効である。
また、本発明の他の態様は、前記ギルバートセルは、前記第1の差動対と、前記第1の電流源と、正側電圧入力端子に第3の電圧信号が入力されるとともに、負側電圧入力端子に前記第3の電圧信号と相補の関係にある第4の電圧信号が入力され、前記第1の差動対の正側電圧出力端子及び前記第2の差動対の正側電圧出力端子に接続される第3の差動対と、負側電圧入力端子に前記第3の電圧信号が入力されるとともに、正側電圧入力端子に前記第4の電圧信号が入力され、前記第1の差動対の負側電圧出力端子及び前記第2の差動対の負側電圧出力端子に接続される第4の差動対と、前記第3の差動対の正側電圧出力端子及び前記第4の差動対の正側電圧出力端子と、電源との間に接続される第1の抵抗器と、前記第3の差動対の負側電圧出力端子及び前記第4の差動対の負側電圧出力端子と、電源との間に接続される第2の抵抗器と、を有することを特徴とする位相検出回路である。
【0016】
また、本発明の他の態様は、前記制御回路により前記第1の電流源のみが動作する際の前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧と、前記制御回路により前記第2の電流源のみが動作する際の前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧と、に基づき、前記ギルバートセルの動作状態を検出する動作状態検出回路をさらに備えることを特徴とする位相検出回路である。
【0017】
また、本発明の他の態様は、上記の位相検出回路における前記ギルバートセルを検査する検査方法であって、前記制御回路により前記第1及び第2の電流源のうち前記第1の電流源のみが動作する際の前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧と、前記制御回路により前記第1及び第2の電流源のうち前記第2の電流源のみが動作する際の前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧とに基づいて、前記ギルバートセルの動作状態を検出することを特徴とする検査方法である。
【0018】
この構成によれば、ギルバートセルを含む半導体回路を検査する際に、検出対象である入力信号の位相の同相/反転関係を検出する位相検出回路において、検出可能な信号速度が制限されることを回避することが可能である。特に、入力信号が高周波信号である場合に有効である。
また、本発明の他の態様は、前記第1の電流源が動作している状態で、前記第1の電圧信号を前記第1の差動対の正側電圧入力端子と前記第2の差動対の負側電圧入力端子に入力し、前記第2の電圧信号を前記第1の差動対の負側電圧入力端子と前記第2の差動対の正側電圧入力端子に入力するとともに、前記第3の電圧信号を前記第3の差動対の正側電圧入力端子と前記第4の差動対の負側電圧入力端子に入力し、前記第4の電圧信号を前記第3の差動対の負側電圧入力端子と前記第4の差動対の正側電圧入力端子に入力する第1のステップと、前記第1のステップにおける処理が実行されているときに前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧を測定する第2のステップと、前記制御回路によって前記第1の電流源が動作している状態から前記第2の電流源が動作している状態に切り替える第3のステップと、前記第3のステップにおける処理が実行された後に前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧を測定する第4のステップと、を含むことを特徴とする検査方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、ギルバートセルを含む半導体回路を検査する際に、検出対象である入力信号の位相の同相/反転関係を検出する位相検出回路において、検出可能な信号速度が制限されることを回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る位相検出回路の構成の一例を示す図である。
【図2】N型MOSトランジスタで構成されたギルバートセルの構成を示す図である。
【図3】ギルバートセルにおける入出力の関係を示すブール代数の真理値表を示す図である。
【図4】図2のギルバートセルにテスト用回路を付加した構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示される。
図1は、本実施形態に係るギルバートセルを用いた位相検出回路の具体例を示す図である。図1に示される位相検出回路は、図2に示されるギルバートセルと同様の構成を備えるとともに、さらに、N型MOSトランジスタ120と、N型MOSトランジスタ121と、定電流源130と、定電流源100と定電流源130とを切り替えるための制御回路140と、動作状態検出回路150とを追加した構成となっている。
【0022】
ここで、抵抗110、111は、図2における抵抗910、911と同等である。また、トランジスタ101〜106は、図2におけるトランジスタ901〜906と同等である。また、定電流源100は、図2における定電流源900と同等である。
トランジスタ120はトランジスタ101と互いのドレインが接続され、トランジスタ121はトランジスタ102と互いのドレインが接続されている。差動入力端子P1は、トランジスタ101及びトランジスタ121のゲートに接続され、差動入力端子N1は、トランジスタ102及びトランジスタ120のゲートに接続されている。すなわち、トランジスタ101とトランジスタ102からなる差動対と、トランジスタ120とトランジスタ121からなる差動対とは並列の関係となる。
【0023】
通常動作では、制御回路140は、定電流源100を動作状態とし、定電流源130を停止させることにより、トランジスタ120とトランジスタ121とには電流が流れない。
すなわち、この通常動作のときには、図1の位相検出回路は、図2のギルバートセルと同等の構成となり、2対の差動入力端子P1及びN1、P2及びN2の位相の同相/反転を検出する回路となる。すなわち、図3に示されるように、差動入力端子P1とN1の位相と、差動入力端子P2とN2の位相が同相であれば、検出結果(差動電圧V)は負であり、逆に、2対の差動入力端子間の位相差が反転であれば、検出結果(差動電圧V)は正となる。
【0024】
ここで、2対の差動入力信号は入力されたままの状態で、制御回路140が定電流源100を停止し、かつ、定電流源130を動作させるように切り替えたとする。差動入力端子P1とN1の位相と、差動入力端子P2とN2の位相とが同相であれば、検出結果は正であり、逆に、2対の差動入力端子間の位相差が反転であれば、検出結果は負となる。つまり、この場合の検出結果は、通常動作における極性とは逆になる。
【0025】
よって、後者のように、制御回路140が、定電流源100を停止し、かつ、定電流源130を動作させる状態をテスト動作とすると、図1の回路素子が全て故障無く正常に動作している場合、図1の位相検出回路が通常動作からテスト動作に移行した場合、出力信号の位相の逆転が発生するはずである。動作状態検出回路150は、この状態を観測することで、ギルバートセルの動作状態が正常であるか否かを判断する。
【0026】
この通常動作で安定した直流信号が観測され、さらにテスト動作で安定した直流信号、かつ通常動作と極性の反転した信号が観測されれば、図1の位相検出回路内部の素子は故障がなく、位相検出回路は正常に動作していることが確認できる。
ここで、例えば、位相検出回路と同じ半導体基板上に、検出対象の2つの差動信号を発生する回路がある場合、位相検出回路の故障を検出するための信号を、半導体集積回路の外部から入力する方法も考えられる。この場合には、外部から2つの差動信号を入力するために、半導体集積回路の信号経路に、外部からの入力と、内部からの入力を切り替えるためのスイッチが必要になるため、検出できる信号の速度に制限をもたらす。さらに、外部と接続するためのピンの追加が必要となり、集積回路の面積が増大する。これに対し、本実施形態の位相検出回路によれば、切り替えるためのスイッチが不要である。このように、本実施形態の位相検出回路は、検出できる信号の速度だけではなく、回路規模においても優れている。
【0027】
なお、トランジスタ101、102と、トランジスタ120、121は、同じ規格(大きさ等が同一)であることが望ましい。なぜならば、本実施形態に係る位相検出回路は、上記説明したように、差動入力端子P1とN1、及び差動入力端子P2とN2に入力される差動入力信号はそのままに、制御回路140が、定電流源100と定電流源130とを切り替える。この時、動作状態検出回路150は、差動電圧Vが図3の通りとなるか否かによって、ギルバートセルが正常に動作するか否かを判断する。よって、トランジスタ101、102と、トランジスタ120、121の規格が異なっていると、その規格の違いに起因して差動電圧Vの値が変動する可能性があるため、この2対の差動対の規格は同一であることが好ましい。
【0028】
以上説明したように、本実施形態に係る位相検出回路は、入力信号経路にトランジスタで構成されたスイッチを設置する必要がないため、位相検出が可能である入力信号の速度が制限されることを回避しつつ、2対の入力信号の位相の同相/反転を検出することができる。特に、入力信号が高周波信号である場合に効を奏する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【符号の説明】
【0029】
100、130 定電流源
101、102、103、104、105、106 N型MOSトランジスタ
110、111 抵抗
120、121 N型MOSトランジスタ
140 制御回路
150 動作状態検出回路
820、821、822、823 N型MOSトランジスタ
830 入力位相変更回路
840 制御信号
841 論理反転素子
900 定電流源
901、902、903、904、905、906 N型MOSトランジスタ
910、911 抵抗
P1、N1 差動入力端子
P2、N2 差動入力端子
OP、ON 差動出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギルバートセルと、
前記ギルバートセル内の下段側に位置する第1の差動対に対して並列関係に設けられた第2の差動対と、
前記第1の差動対に電流を供給する第1の電流源とは別に設けられ、前記第2の差動対に電流を供給する第2の電流源と、
前記第1の電流源と前記第2の電流源とのいずれかのみが動作するように制御する制御回路と、
を備え、
前記第1の差動対及び前記第2の差動対のそれぞれに、相補の関係にある第1の電圧信号及び第2の電圧信号が入力されており、
前記第1の電圧信号は、前記第1の差動対の正側電圧入力端子と前記第2の差動対の負側電圧入力端子に入力され、
前記第2の電圧信号は、前記第1の差動対の負側電圧入力端子と前記第2の差動対の正側電圧入力端子に入力されていることを特徴とする位相検出回路。
【請求項2】
前記ギルバートセルは、
前記第1の差動対と、
前記第1の電流源と、
正側電圧入力端子に第3の電圧信号が入力されるとともに、負側電圧入力端子に前記第3の電圧信号と相補の関係にある第4の電圧信号が入力され、前記第1の差動対の正側電圧出力端子及び前記第2の差動対の正側電圧出力端子に接続される第3の差動対と、
負側電圧入力端子に前記第3の電圧信号が入力されるとともに、正側電圧入力端子に前記第4の電圧信号が入力され、前記第1の差動対の負側電圧出力端子及び前記第2の差動対の負側電圧出力端子に接続される第4の差動対と、
前記第3の差動対の正側電圧出力端子及び前記第4の差動対の正側電圧出力端子と、電源との間に接続される第1の抵抗器と、
前記第3の差動対の負側電圧出力端子及び前記第4の差動対の負側電圧出力端子と、電源との間に接続される第2の抵抗器と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の位相検出回路。
【請求項3】
前記制御回路により前記第1の電流源のみが動作する際の前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧と、前記制御回路により前記第2の電流源のみが動作する際の前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧と、に基づき、前記ギルバートセルの動作状態を検出する動作状態検出回路をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の位相検出回路。
【請求項4】
請求項2に記載の位相検出回路における前記ギルバートセルを検査する検査方法であって、
前記制御回路により前記第1及び第2の電流源のうち前記第1の電流源のみが動作する際の前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧と、前記制御回路により前記第1及び第2の電流源のうち前記第2の電流源のみが動作する際の前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧とに基づいて、前記ギルバートセルの動作状態を検出することを特徴とする検査方法。
【請求項5】
前記第1の電流源が動作している状態で、前記第1の電圧信号を前記第1の差動対の正側電圧入力端子と前記第2の差動対の負側電圧入力端子に入力し、前記第2の電圧信号を前記第1の差動対の負側電圧入力端子と前記第2の差動対の正側電圧入力端子に入力するとともに、前記第3の電圧信号を前記第3の差動対の正側電圧入力端子と前記第4の差動対の負側電圧入力端子に入力し、前記第4の電圧信号を前記第3の差動対の負側電圧入力端子と前記第4の差動対の正側電圧入力端子に入力する第1のステップと、
前記第1のステップにおける処理が実行されているときに前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧を測定する第2のステップと、
前記制御回路によって前記第1の電流源が動作している状態から前記第2の電流源が動作している状態に切り替える第3のステップと、
前記第3のステップにおける処理が実行された後に前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の出力電圧を測定する第4のステップと、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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