説明

位相測定用システムと方法

本発明の好ましい実施例は、共通路干渉計検査、位相基準化、能動的安定化及び差動測定を含むが、それらに限定されない、多数の戦略の組み合わせを用いて、位相ノイズの問題に取り組む位相測定用システムに向けられている。実施例は光を用いて小さな生物学的対象を画像形成する光学デバイスに向けられている。これらの実施例は、例えば、細胞生理学及び神経科学の分野に適用出来る。これらの好ましい実施例は位相測定及び画像形成技術の原理に基づく。位相測定及び画像形成技術を使う科学的動機付けは、例えば、限定せぬが、形成異常の起源の画像形成、細胞接合、神経伝達及び遺伝暗号の実施を含むことが出来るが、それらに限定されない、μm以下のレベルでの細胞生物学から導出される。細胞以下の構成部分の構造とダイナミックスは、例えば、X線及び中性子散乱を含む現在の方法と技術を使ってはそれらの自然な状態で現在研究することは出来ない。対照的に、ナノメーターの解像度を有する光ベースの技術は細胞マシナリー(cellular machinery)がその自然な状態で研究されることを可能にしている。かくして、本発明の好ましい実施例は干渉計検査及び/又は位相測定の原理に基づくシステムを含み、細胞生理学を研究するため使われる。これらのシステムは位相を測定するために光学的干渉計を使う低コヒーレンス干渉計検査(LCI)又は細胞部分自身内の干渉が使われる光散乱スペクトロスコピー(LSS)の原理を含むか、又は代わりにLCI及びLSSの原理が組み合わされ本発明のシステムに帰着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に光の位相測定に関し、特に細胞生理学の研究のみならず半導体部品検査にも使用可能な光学的干渉及び位相測定に関する。
政府援助(GOVERNMENT SUPPORT)
本発明は国立衛生院(National Institutes for Health)からの補助金番号(Grant No.)P41−RR02594により、全体的に或いは部分的に援助された。政府は本発明の或る権利(certain rights)を有する。
【関連出願との相互参照】
【0002】
本出願は特許文献2の一部継続出願である特許文献1の一部継続出願であり、特許文献3の特典を請求する。上記出願の全内容はそれら全体での引用によりここに組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
位相ベースの光学的干渉計検査技術(Phase−based optical interferometric techniques)は、波長以下の距離感度(sub−wavelength distance sensitivity)を要する光学的距離測定で広く使われる。光学的距離(Optical distance)は屈折率と長さの積として規定される。しかしながら、大抵のこの様な技術は、相互に離れた軸方向走査の干渉縞の決定での困難として規定され得る、2π曖昧さ(2πambiguity)又は整数曖昧さ(integer ambiguity)で整理されるフアイルされて広く知られる課題により制限を受ける。未修整の調波位相ベースの(Unmodified harmonic phase based)低コヒーレンス干渉計検査(low coherence interferometry)(LCI)方法は、もしその光学距離がLCIにより測定した差の位相がその2πのラップオーバー(wrap over)を通して追跡され得るよう徐々に増加されるなら、差の光学距離(differential optical distance)、
【0004】
【数1】

【0005】
を決定するため使われ得るものであり、ここでLは物理的距離、
【0006】
【数2】

【0007】
は、それぞれ波長λとλに於ける屈折率である。例えば、溶液内のDNA用の
【0008】
【数3】

【0009】
を決めるためには、該DNA濃度は測定クベット内で徐々に増加させられる。この様な測定アプローチは制御された環境では良く作動するが、そのサンプルに少ない操作性(manipulability)しかない状況では実施されることは難しく成る。例えば、該方法は1つが全体を保つよう拘束される材料の固定スラブ(fixed slab of
material)では働かない。
【0010】
問題は未修整LCIが、2π曖昧性課題としてここで説明した、相互に離れた軸方向走査の干渉縞(interference fringes)を告げ得ない事実にある。それは最も位相ベース的な光学干渉計技術(most phase−based optical interferometric techniques)を悩ます問題である。結果として、これらの技術は光学距離を絶対的に決めることは出来ない。従って、大抵のこれらの技術は、隣接点間又は短時間的インクレメント間の位相比較を通して位相アンラッピング(phase unwrapping)が可能な、連続面の織物組織(texture)の評価又は時間に左右される距離変化の検出、の様な応用に使われる。
【0011】
多くの応用では、サンプルを透過する又はそれから反射される光の位相を定量的に測定することが重要である。特に、生物学的サンプルを透過又はそれから反射される光の位相は活きた又は活きてない細胞での構造と機能の強力なプローブを形成し得る。
【0012】
干渉計検査(Interferometry)は光の位相を測定するための用途の広い技術である。定量的干渉計検査での1つの共通の問題は振動、空気運動、及び熱的ドラフトの様な外乱による位相ノイズへの感受性(susceptability)である。位相ノイズの問題を解く位相測定用システムのニーヅが残っている。
【0013】
干渉計検査は標本(specimen)に付随する位相情報へアクセスする1つの方法である。位相差顕微鏡検査及びノマルスキー顕微鏡検査(phase contrast
and Nomarski microscopy)の様な技術は唯造影剤として光学的位相を使い、その大きさについて定量的情報を提供しない。殆ど透明なサンプルを透過した光の位相を測定するための幾つかの技術は存在する。これらはデジタル的に記録された干渉顕微鏡検査(digital recorded interference microscopy)(DRIMAPS)と、輝度伝達方程式を介した位相プロフアイルの非干渉計測的検出(noninterferometric detection)と、を含む。
【0014】
反射干渉計検査は使用光の波長より遙かに短い検出(sensitivity)が可能である。数分の1ナノメーター以下のスケールでの測定は度量衡学(metrology)及び微小構造特性化(microstructure characterization)では普通である。しかしながら、生物学的細胞及び組織の様な弱い反射のサンプルでのナノメーター規模の干渉計検査では殆ど研究は行われてない。光学的コヒーレンストモグラフイー(Optical coherence tomography)、生物学的サンプルで使われる干渉計検査技術は、反射光からの干渉の位相より寧ろ振幅に主として関わり、従って解像度では、典型的に2−20マイクロメーターである、使用光のコヒーレンス長さに限定される。
【0015】
位相基準の反射干渉計検査は細胞の単層での容積変化を測定するため使われて来た。使用される調波位相ベース干渉計は2つの源(source)を要し、比較的ゆっくりしており(5Hz)、このバンド幅に亘り約20mradの位相感度を有する。かくして、位相ノイズの問題を解き、種々の画像形成応用の開発に役立つ位相測定用の有効なシステムのニーヅが残っている。
【特許文献1】米国特許出願公開第10/823、389号明細書、2004年4月13日出願
【特許文献2】米国特許出願公開第10/024、455号明細書、2001年12月18日出願
【特許文献3】米国特許仮出願公開第60/479,732号明細書、2003年6月19日出願
【非特許文献1】Drexler、W.et.al、In Vivo ultrahigh−resolution optical coherence tomography、Optics Leter Volume 24,No.17、pages 1221−1223
【非特許文献2】Creath、K.、Phase−Measurement Interferometry Techniques”、in Progress in Optics.Vol.XXVI、E.Wolf、Ed.、Elsevier Science Publishers、Amsterdam、1988、pp、349−393
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の好ましい実施例は、例えば、共通路干渉計検査(common−path interferometry)、位相基準化(phase referencing)、能動的安定化(active stabilization)及び種々の測定を含むが、それに限定されない、多数の戦略の組み合わせを使って、位相ノイズ(phase noise)の様な問題を取り組む位相測定用システムに向けられている。実施例は、光で、組織又は小さな生物学的対象の画像形成するための光学的デバイスに向けられている。これらの実施例は、例えば、細胞生理学(cellular physiology)及び神経科学(neuroscience)の分野に応用され得る。これらの好ましい実施例は位相測定と画像形成技術の原理に基づいている。位相測定と画像形成技術を使う科学的動機付けは、例えば、形成異常源(origines of dysplasia)の画像形成、細胞接合(cellular communication)、神経伝達(neuronal transmission)そして遺伝暗号(genetic code)を使う手順の実施、を、限定せずに、含むマイクロメーター以下のレベルでの細胞生物学から導き出される。細胞以下の構成成分の構造とダイナミックスは、例えば、X線や中性子線散乱(neutron scattering)を含む現在の方法と技術を使ってそれらの自然な状態(in their native state)で研究することは現在出来ない。対照的に、ナノメーターの解像度を有する光ベースの技術は細胞マシナリー(cellular machinery)がその自然な状態で研究されることを可能にする。かくして、本発明の好ましい実施例は干渉計検査及び/又は位相測定の原理に基づくシステムを含み、細胞生理学を研究するため使われる。これらのシステムは位相を測定するために光学的干渉計を使う低コヒーレンス干渉計検査(low coherence interferometry)(LCI)、又は細胞成分自身内の干渉が使われる光散乱分光計検査(light scattering spectroscopy)(LSS)、の原理を含むか、又は代わりに、LCI及びLSSの原理が本発明のシステムに帰着するよう組み合わされる。
【0017】
位相測定及び画像形成システム用の好ましい実施例は能動的に安定化された干渉計、分離干渉計(isolation interferometers)、共通路干渉計を含
み、空間光変調(spatial light modulation)を使う位相差顕微鏡検査を含み得る。
【0018】
好ましい実施例では、本発明の方法は、好ましくはナノメーター以下の精度で、任意に長い光学距離の測定用の、精密な位相ベースの技術に向けられる。本発明の好ましい実施例は、調波的に関係付けられた光源、1つの連続波(continuous wave)(CW)そして低コヒーレンス(low coherence)(LC)を有する第2源を備える干渉計、例えば、マイケルソン干渉計(Michelson interferometer)を使う。該低コヒーレンス源は、好ましくは1マイクロメーター波長用に5nmより大きいバンド幅がよい、広いスペクトルバンド幅を提供し、例えば、所要バンド幅は波長及び応用の関数として変化し得る。該低コヒーレンス源の中心波長を目標サンプルの走査間で僅かに調整することにより、該CWと低コヒーレンス光のヘテロダイン信号間の位相関係は、反射するインターフエース間の隙間をナノメーター以下の精度で測定するため使われ得る。この方法は2π曖昧性、大抵の位相ベースの技術を悩ませる課題、から完全に自由なので、それは精度の損失無しに、任意の長い光学距離を測定するため使われ得る。本発明の方法の好ましい実施例の応用は、既知の物理的厚さを有するサンプルの、与えられた波長での屈折率の精密決定である。本発明の方法の好ましい実施例のもう1つの応用は、既知の屈折率を有するサンプルの物理的厚さの精密決定である。本発明の方法の好ましい実施例の更に進んだ応用は、2つの与えられた波長での屈折率の比の精密決定である。
【0019】
代わりの好ましい実施例では、該低コヒーレンス光源は、約2nmより多くだけ相互に離れたそれぞれの中心波長を有する第1低コヒーレンス波長と第2低コヒーレンス波長を同時提供するために、好ましくは5nmより大きいのがよい、充分に広いバンド幅光を提供する。該低コヒーレンス波長用の周波数スペクトラムは意味のある程重畳はしない。該2つの低コヒーレンス波長を送信し、検出するために追加の検出器とフイルターが該干渉計内に配置される。
【0020】
該好ましい実施例の方法は精密な光学距離測定を行うため使われ得る。この様な測定値から、目標対象の光学特性が精密に測定される。該目標の分散プロフアイルを測定することにより、該目標の構造的及び/又は化学的特性が評価され得る。該分散プロフアイルは種々の波長で屈折率差を正確に概説する。生体臨床医学的背景(biomedical context)では、本発明の好ましい実施例は、非接触及び非侵襲性の方法で生物学的組織の分散特性を精密に決定するため使われ得る。この様な分散決定は眼の角膜(cornea)又は房水(aqueous humor)に関し使われ得る。達成される感度はブドウ糖濃度に左右される光学的変化を検出するのに充分であり得る。本発明の方法の好ましい実施例では、房水及び/又は硝子体液(the aqueous and/or
vitreous aqueous humor)か又は眼の角膜か何れかの分散プロフアイルの非侵襲性測定を通して血液ブドウ糖レベルが決定され得る。本発明の好ましい実施例は、集積回路及び/又は光電子部品の製造中に形成される小特徴(small features)を測定するため半導体製造の測定技術として応用され得る。該方法の好ましい実施例は非接触で、非破壊的なので、それらが製造される時に半導体構造体又は光学部品の厚さをモニターするため使われ得る。
【0021】
マッハツエンダーヘテロダイン干渉計(Mach−Zender heterodyne interferometer)を使う本発明の好ましい実施例に依れば、サンプルの部分を通過する光の位相を測定する方法は、第1波長の光を提供する過程と、該第1波長の光を第1光路と第2光路に沿って導く過程と、を具備し、該第1光路は測定されるべきサンプル媒体上へ延びており、該第2路は路長の変化を受け、そして該方法は又該サンプル媒体上の2つの別々の点を通過する光の位相の変化を測定するために、該サンプル媒
体からの光と該第2光路からの光を検出する過程を具備する。該媒体は例えばニューロン(neuron)の様な生物学的組織を含む。該方法は、同時に複数の位置でサンプルの位相を画像形成するために、光ダイオード配列又は光ダイオード結合されたフアイバー束を使う過程を含む。該方法は更に、該第2光路で光を周波数シフトする過程を有する。該方法は第1波長を放射するヘリウムネオンレーザー光源又は低コヒーレンス光源を提供する過程を有する。
【0022】
本発明のもう1つの側面に依れば、能動的に安定化された干渉計はサンプルの部分の通過光の位相を測定する方法で使用されるが、該方法はそれぞれ第1光源と第2光源により発生される第1信号と第2信号を提供する過程を有し、該第2光源は低コヒーレンス源としている。該方法は、第1光路と第2光路に沿い該第1信号と該第2信号を導く過程と、該第1光路と第2光路の間の路長差を変える過程と、それら間の路長遅延を有する該第1信号と第2信号の和を示す出力信号を発生する過程と、干渉計ロック変調周波数で該出力信号を変調する過程と、そして該干渉計ロック位相のタイムエボリューション(time
evolution)により該サンプルの位相を決定する過程と、を有する。該第1及び第2信号は共に低コヒーレンス信号である。該方法は更にミキサー又はロックイン増幅器により該第1信号を復調する過程を有する。該方法は該干渉計ロック位相を電子的に発生する過程を有する。
【0023】
本発明のもう1つの側面に依れば、双ビーム反射干渉計(dual beam reflection interferometer)が、サンプルの1部分を通過する光の位相の測定用システムで使われる。該システムは、第1信号を発生する第1光源と、該第1信号から時間遅延により分離された2つのパルスを有する第2信号を発生する干渉計と、該サンプルと連通する該干渉計からの第1光路及び基準体と連通する該干渉計からの第2光路と、そして該サンプル及び該基準からのそれぞれ該第1及び該第2信号からの第1ヘテロダイン信号と、該サンプル及び該基準体から反射される光の間の干渉と、を測定する検出器システムと、を有する。該システムは該基準体反射に対する該サンプル反射の位相を示すヘテロダイン信号の位相の検出を含む。該第1信号は低コヒーレンス信号である。該第1光源はスーパールミネッセントダイオード(superluminescent diode)又はマルチモードレーザーダイオード(multimode laser diode)の1つを、限定無しで、有することが出来る。該干渉計の第2路は更に第1路と第2路を備え、該第2路は音響光学的変調器(acousto−optic modulator)を有する。該システムは光フアイバーを有する光学的通路(optical pathway)を備える。該システムは振動から隔離されたヘテロダインマイケルソン干渉計(heterodyne Michelson intreferometer)を有する。該干渉計は更に光路長差を調整するために並進ステージ(translation stage)に取り付けられたミラーを有する。該検出システムは該サンプルから反射された信号を検出する第1検出器と該基準体から反射された信号を検出する第2検出器を有する。
【0024】
もう1つの側面に依れば、本発明は位相差顕微鏡検査と空間光変調(spatial light modulation)とを使ってサンプルの画像形成を行う方法を提供する。種々の実施例では、該方法は該サンプルを照明する過程を有し、該光は、低周波空間成分(low frequency spatial components)と高周波空間成分(high frequency spatial components)とを有する該照明により該サンプルから発している。該低周波空間成分の位相は、少なくとも3つの位相シフトされた低周波空間成分を提供するようシフトされる。好ましくは該位相は、π/2、πそして3π/2の位相シフトを有する位相シフトされた低周波空間成分を発生するよう、例えば、π/2のインクレメントでシフトされるのがよい。
【0025】
該シフトされない低周波空間成分と、少なくとも3つの位相シフトされた低周波空間成分と、は各別々の干渉用の輝度信号を作るために、共通光路に沿う該高周波空間成分と別々に干渉させられる。次いで、例えば、該輝度信号の少なくとも4つを使って、該サンプル用に画像、又は位相画像(phase image)が発生される。
【0026】
もう1つの側面に依れば、本発明は反射する表面を有するサンプルの非接触光学測定用の方法を提供するが、該方法は、第1信号を発生する第1光源を提供する過程と、双ビーム干渉計を使って該第1信号から時間遅延により分離された2つのパルスを有する第2信号を発生する過程と、該サンプルと連通する該干渉計からの第1光路と基準体と連通する該干渉計からの第2光路とを提供する過程と、そして該サンプル及び該基準体からのそれぞれ該第1信号と該第2信号からの第1ヘテロダイン信号と、該サンプル及び該基準体から反射される光間の干渉と、を測定し、そして該基準体反射に対する該サンプル反射の位相を示す該ヘテロダイン信号の位相を検出する過程と、を有する。
【0027】
好ましい実施例では、該第1信号は低コヒーレンス信号である。該第1光源はスーパールミネッセントダイオード又はマルチモードレーザーダイオードとすることが出来る。該干渉計は更に第1路と第2路を備え、第2路は音響光学的変調器を有する。該方法は更に光フアイバーを有する光学的通路を備える。該サンプルは神経細胞の1部分とすることが出来る。
【0028】
好ましい実施例では、該干渉計は振動から隔離されたヘテロダインマイケルソン干渉計を有する。該干渉計は更に、光路長差を制御可能に調整するために並進ステージに取り付けられたミラーを有する。好ましい実施例は神経腫脹(nerve swelling)の最初の非接触で、最初の干渉計検査の、測定を行うための、ヘテロダイン低コヒーレンス干渉計を有する。神経腫脹の生物物理的機構(biophysical mechanism)は、本発明の好ましい実施例による個別軸索(individual axons)を使って画像形成され、解析される。該双ビーム低コヒーレンス干渉計は活きた細胞のナノメーター規模の運動の測定で多くの他の応用を有する。他の実施例は活動電位(action potential)に付随する1つのニューロン内の機械的変化を検出するために、干渉計に基づく顕微鏡を有し得る。関連した干渉計検査方法は又培養された細胞単層(cultured cell monolayers)内の細胞容積変化(cell volume changes)を測定するため使われる。
【0029】
本発明のもう1つの側面はサンプルを光学的に画像形成するための光フアイバープローブを具備しているが、該プローブは、近位の端部と遠位の端部とを有するハウジングと、該ハウジングの該近位の端部内の光源に結合されたフアイバーコリメーターと、そして該ハウジングの該遠位の端部内の段階的屈折率保有レンズ(graded index lens)と、を備えており、該レンズは第1及び第2面を有し、該第1面は基準面であり、そして該プローブの開口数はサンプルの散乱表面からの効率的光収集を提供する。該プローブは更に、2次元位相画像形成と3次元共焦点位相画像形成の少なくとも1つを行うために並進器ステージ(translator stage)上への該光フアイバーの設置部(mounting)を有する。該並進器ステージは走査用ピエゾ並進器(scanning piezo translator)を有する。該プローブの開口数(numerical aperture)は約0.4から0.5の範囲内にある。
【0030】
位相測定用のシステムと方法の前記及び他の特徴と利点は、付属する図面で図解された該システムと方法の好ましい実施例の下記の特定的な説明から明らかになるであろうが、該図面では、種々の図を通して似た参照文字が同じ部品を参照している。該図面は必ずしもスケール合わせされておらず、代わりに本発明の原理の図解に力点が置かれている。
【実施例1】
【0031】
距離測定用調波干渉計検査(Harmonic interferometry for distance measurement)
本発明は、干渉計内に分光不平衡(dispersion imbalance)を導入することにより整数又は2π曖昧性問題を克服した光学距離測定用の位相交叉ベース(phase crossing based)のシステムと方法に向けられている。該方法の好ましい実施例は又面上の2隣接点の相対高さ差を精度を有して測定出来る。更に、サンプルの屈折率は、該サンプルの物理的厚さが実験的に測定され得る精度に依ってのみ制限される精度で見出され得る。
【0032】
調波位相ベースの干渉計検査(harmonic phase based interferometry)(HPI)で低コヒーレンス光源の1つの連続波(CW)光源との交換は、該低コヒーレンスヘテロダイン信号が測定され得る光学的ルーラー(optical ruler)の形で付随CWヘテロダイン信号の使用を可能にする。該低コヒーレンス光源は、例えば、1μm波長用に5nmより大きいスペクトルバンド幅を提供する。この様な変型されたエイチピーアイを使う利点の1つは、測定された位相が
【0033】
【数4】

【0034】
の代わりに長さ尺度nLに感応的であり、ここでnは該低コヒーレンス波長での屈折率である。該量nは該複合品
【0035】
【数5】

【0036】
より実用的に有用である。該低コヒーレンス波長を僅かに、例えば、約2nmだけ、調整することにより、該量nLは2π曖昧性無しでそしてナノメーター以下の感度で見出され得る。この方法は光学距離が測定される基準光学ルーラーとして該CWヘテロダイン干渉信号を使う。
【0037】
容易に入手可能な低コヒーレンス光源を使う干渉計光学距離測定システムは数十波長の桁の解像度(on the order of tens of wavelength)を達成した。この技術は比較的鈍感であるが、それは該2π曖昧さの課題と戦う必要がない(not have to contend)。好ましい実施例は、ナノメーター以下の精度で任意の長い光学距離を測定するために位相を使う低コヒーレンス干渉計検査方法を含む。この方法は整数の干渉フリンジを決めるための低コヒーレンス位相交叉技術と、分数フリンジを精密に得るための該測定からの追加位相情報と、を使う。加えて、それは深さ解像度を提供し、層化サンプルのトモグラフイー的プロフアイリング(tomographic profiling)用に使用され得る。該方法は精度を有して長い光学距離を測定出来るので、それは複数材料の屈折率を精密に決定するため使われ得る。これは位相ベースの方法であるので、かくして見出された屈折率は位相屈折率(phase refractive index)であり、グループ屈折率(group refractive index)ではない。
【0038】
図1は変型(modified)マイケルソン干渉計を含む本発明のシステム10の好ましい実施例を図解する。入力光12は、例えば、775.0nmで放射するチタン:サファイアレーザーからの150−fsモードロックされた光と、例えば、半導体レーザーからの連続波(CW)1550.0nm光と、から成る2カラー複合ビーム(2−color composite beam)である。好ましい実施例では、該方法は該CW波長、(この実施例では正確に1550.0nm)の表現(terms)で光学距離を評価し、全ての光学距離はこの基準(basis)に基づいて計算される。該複合ビームはビームスプリッター14で2つに分けられる。1つの部分信号は目標サンプル16に入射し、一方もう1つは、例えば、約0.5mm/sで動いているのが好ましい基準ミラー32に入射しており、該ミラーは該基準ビーム34上でドップラーシフト(Doppler shift)を誘起する。該ドップラーシフトは、例えば、電気光学変調器(electro−optical modulator)の使用を通しての様な、他の手段により誘起されることも出来る。後方反射されたビームは該ビームスプリッター14で再組み合わされ、ダイックロイックミラー(dichroic mirror)18によりそれらの波長成分に分離され、光検出器(photodetectors)20,22で別々に測定される。最終信号は、例えば、16ビット100KHzA−D変換器の様な、A−D変換器{エイデーシー(ADC)}24によりデジタル化される。更にそのデータを処理するためにパーソナルコンピュータ{ピーシー(PC)}の様なデータプロセサー26が該エイデーシー24と通信している。それらのそれぞれのドップラーシフトされた周波数での最終ヘテロダイン信号はそれらのそれぞれの中心ヘテロダイン周波数付近でバンドパスされ、該ヘテロダイン信号の対応する位相、ΨCWとΨLC、を抽出(extract)するためにヒルベルト変換(Hilbert transformed)される。添え字CWとLCは該1550.0nm連続波と775.0nm低コヒーレンス波長成分とをそれぞれ示している。
【0039】
低コヒーレンス光の中心波長は次いで約1−2nmだけ調整され、ΨCWとΨLC値の第2セットが測定される。これらの2セットの読み値から、該目標サンプル内の種々のインターフエースがナノメーター以下の精度でローカライズされ得る。ローカライズ用のデータの処理は下記で説明される。
【0040】
該ビームスプリッター14から未知の距離xの1つのインターフエースから成るサンプルを考える。該ビームスプリッター14から該基準ミラー32までの距離、x、は、該基準ミラーの走査の各時点で既知量である。
【0041】
用の近似値を見出す方法はxを走査し、再組み合わされた低コヒーレンス光ビーム内の最終ヘテロダイン信号をモニターすることに依る。xがxに近似的に等しい時、該ヘテロダイン信号振幅でのピークが期待される。この様な方法の精度は該光源のコヒーレンス長さ、lと該ヘテロダイン信号のS−Nの質とにより限定される。実在の実験条件では、この様に決められたxの誤差は該コヒーレンス長さの5分の1より良くは無さそうである。
【0042】
典型的低コヒーレンス源のコヒーレンス長さが名目的に約10μmであるとすれば、これはこの様な長さ決定手段の誤差は約2μmに限定される。
【0043】
該ヘテロダイン信号の位相の考慮の中で、検出された該ヘテロダイン信号の変動成分は下記で表される。
【0044】
【数6】

【0045】
ここでErefとEsigはそれぞれ該基準の電場振幅と信号電場振幅であり、kは光学的波数(optical wavenumber)、ωは光学的周波数である。該指標(exponent)内の2の係数は、該ミラー/サンプルへ行くそして該ビームスプリッターへ戻るように、該通路を光が2回進行する事実に依る。
【0046】
xがxに正確にマッチする時、該ヘテロダイン信号はピークになると期待されることに注意する。該2つの戻りビームは強め合い干渉(constructive interference)に入る。従ってこの性質は該インターフエースをローカライズするため使われる。xは該2つのビームが強め合い干渉に入るxの値を見出すことにより見出される。位相は精密に測定され得るので、この様なアプローチは約5nmの長さ感度を与える。不幸にして、この方法は計算集約的であり、何故ならば、該ヘテロダイン信号がピークとなるxの多数の値があるからであり、特定的には該ヘテロダイン信号は下記でピークとなり
【0047】
【数7】

【0048】
ここでaは整数、λは光学的波長である。これは該2π曖昧性の課題の表明(manifestation)である。
【0049】
好ましい実施例は正しいピークを区別する方法を有する。x=xの時、該ヘテロダイン信号は光学的波長に関係なくピークとなることを注意しておく。他方、次のピークは、図2に図解される様に、波長に左右される。図2はサンプル内の反射インターフエース52に付随する低コヒーレンスヘテロダイン信号を図解する。従って、該低コヒーレンス波長を調整することにより、該ヘテロダイン信号は該インターフエースと、x−xが正確に区別され得る状況に付随する正しいピーク付近に圧縮される。該ヘテロダイン信号は該調整方向に依り、該インターフエース付近で圧縮され、又は膨張させられてもよいことは注意されるべきである。該ローカライズを可視化する直観的方法は、正確にx=xとなるフリンジ(fringe)の中へスクイーズするか又はそれから離れるよう膨張する該ヘテロダイン信号を描く(picture)ことである。
【0050】
この様な方法では2つの理由で該CW光源が必要である。第1に、干渉計内で該値を絶対的にそして精密に知ることは実際には非常に難しい。該干渉計のCW成分は、該基準ミラーが走査される時、xの高度に精密な測定が行われることを可能にする。特に好ましい実施例では、該サンプル内の2つのインターフエース間の距離を決定するために、xが図1に示す第1インターフエースまでの距離に等しい所と、x(x=x+nL、ここでnは該サンプルの屈折率)が該第2インターフエースまでの距離に等しい所と、の間で起こるCW干渉フリンジの数のカウントが行われる。図3はサンプル内の2つの反射インターフエースに付随するヘテロダイン信号を図解する。該低コヒーレンス波長を調整することは該インターフエース付近の82,84すなわち該ヘテロダイン信号78,80を
圧縮する。
【0051】
第2に、該インターフエースのローカライズ用の前に説明した方法はもし該反射過程に付随した位相シフトがあるなら部分的に失敗するかも知れない。例えば、該面が金属性であるなら、該位相シフトは些細とは言えず(non−trivial)、該ヘテロダイン信号の位相は正確にx=xである所で或る他の値を取る。前の方法は正しい干渉フリンジがx=xの所で識別されることを可能にするが、しかしながら波長以下の感度は危うくされる。該シーダブリューヘテロダイン信号の存在は該HPI方法経由で差位相(difference phase)が見出されることを可能にする。この値の知識は、高いレベルの感度で該インターフエースのローカライズを可能にする。
【0052】
該HPI方法の原理が、775nmの波長に於ける厚さ、L及び屈折率、n775nmのサンプルの例示的実施例を通して図解される。該サンプルの2つのインターフエースは該ビームスプリッターからそれぞれ光学距離x1及びx2にある
【0053】
【数8】

【0054】
。該方法が、もし該光学距離の隙間(separation)が、例えば、典型的に、該低コヒーレンス光源の1μmと100μmの間で、該コヒーレンス長さより大きい場合のみに、働くことを注意しよう。さもないと、該インターフエースに付随する該ヘテロダイン位相信号は一緒に現れ、不精密なインターフエースローカライズに帰着する。説明の明確さのために、反射に付随する位相シフトの入り込みは後刻まで延ばすことにする。
【0055】
図4は数学的説明を図解する走査である。該走査は2つのインターフエースを有するサンプルのものである。信号100は低コヒーレンスヘテロダイン信号である。トレース102はΨCW(x)である。拡大図104はその位相フリンジを示す。各フリンジはλCWの光学距離に対応する。Ψ(x)の下方のトレースはΔの2つの異なる値に於けるものである。矢印106,110は位相交叉点を示す。垂直軸はラディアンである。基準ミラーが走査されると、該低コヒーレンスヘテロダイン信号の位相は下記で与えられ、
【0056】
【数9】

【0057】
ここでRLCjは該低コヒーレンス波長でインターフエースjの反射率、kは光学的波数、a=4ln(2)/l、lはコヒーレンス長さ、xは該ビームスプリッターからの基準ミラーの距離、そしてhは|x|<2lでは1そしてさもなくば0の値を有する区分的に連続な関数(piecewise continuous function)である。該指標内の2の係数は後方反射構造での光路の実効的に2倍になることに依る。式3は位相が、ノイズのため、該コヒーレンス包絡線を遙かに越えては測定され得ない事実を反映する。モデル化される該コヒーレンス包絡線はプロフアイルでガウス型である(Gaussian)が、同じ位相の取り扱いはどんなゆっくり変化する包絡線のプロフアイル用にも妥当(valid)である。
【0058】
該CWヘテロダイン信号の位相は下記で与えられ、
【0059】
【数10】

【0060】
ここでRCWjは該CW波長での該インターフエースの反射率、n1550nmは該サンプルの屈折率、
【0061】
【数11】

【0062】
はそれぞれ該ビームスプリッターからの有効平均反射率及び距離である。もし該2つの光源の中心波長が下記の様に選ばれるなら、
LC=2kCW+Δ (5)
ここでΔは小さな意図的に付加されたシフトであるが、すると下記形の差位相、Ψが得られる。
【0063】
【数12】

【0064】
上記量は該区間(x−x)でのフリンジの近似数と、波長以下の精度を提供する分数フリンジ(fractional fringe)と、両者を提供する。
【0065】
該パラメーターΔが少量だけ(約1−2nmの波長シフトに対応して)変化すると、Ψ(x)の傾斜はx=x及びx=xである点の付近で旋回(pivots)する。換言すれば、Δの種々の値での位相走査はそれらの点で交叉する。xからxまでの光学距離は該2つの位相交叉点(phase crossing points)間でΨCW(x)が通って進むフリンジをカウントすることにより見出され得る。こうして見出された量の2倍がSfringeと称され、それは整数値でなく、低コヒーレンス波長でのフリンジの数に対応する。1つのインターフエースについて多数の位相交叉点が起こる場合は、該インターフエースの位置に対応する点はΔの追加的値で多数の走査を行うことにより見出され得る。該インターフエースの位置はΨ(x)が全てのΔ値について交叉する位置のみである。
【0066】
該位相シフト情報は、更に該インターフエース間隔をローカライズするため使われる。特に、x=x及びx=xに於ける位相シフト間の差は下記である。
【0067】
【数13】

【0068】
これは分数フリンジを高精度で測定する。
【0069】
絶対的な光学的間隔(x−x)はSfringeとSphaseから下記式を通して精密に決定出来る。
【0070】
【数14】

【0071】
ここでΔS=res(Sfringe)−SphaseそしてU()は単位階段関数(unit step functio)である。ここでは、int()及びres()はそれぞれ独立変数(argument)の整数及び分数部分である。第1項はSphaseと、Sfringeの分数部分と、間の誤差を最小化することによりフリンジの正しい整数まで該光学的距離をローカライズする。光学的間隔決定の誤差はSphaseの測定誤差によってのみ制限される。実験では、この様な誤差は約0.5nmの(n775nmL)measured内の誤差に解釈される。Sfringeの測定誤差は、正しい干渉フリンジが確立され得るようにフリンジの半分より小さくあればよく、この基準を充たすと、それは(n775nmL)measuredの誤差内に入らない。測定可能な最大の光学的距離は2つの交差点間のフリンジを正確に数える該システムの能力と、光源の周波数安定性と、にのみ左右される。
【0072】
上記式は正しいフリンジ(correct fringe)と分数フリンジ(fractional fringe)を見出す方法の凝縮した表現である。演算は下記例と、SphaseとSfringeに基づく見積間の誤差を最小化する値を選択することにより(n775nmL)measuredの正しい見積の決定を示す図5と、を通して図解される。SfringeとSphaseは26.7と0.111であると仮定する。Sphaseの測定から、光学的距離の値は下記である。
【0073】
【数15】

【0074】
ここでaは整数である。Sfringeの値が与えられると、(n775nmL)measuredの起こり得る値は次の3つの値:(λCW/4)(25.111)、(λCW/4)(26.111)、(λCW/4)(27.111)に限定され得る。(λCW/4)(27.111)が(λCW/4)(Sfringe)に最も近いとすると、それが(n775nmL)measuredの正しい見積である。
【0075】
調波的に関係付けられた光源に基づく干渉計検査の測定用の好ましい実施例では、光源
の適切に選択された対と、差位相を抽出する方法と、が該干渉計内のジッター(jitter)の影響を最小化し、好ましくは除去することさえ可能にするが、該ジッターは、さもなければ、高精度光学的距離測定を不可能にするものである。又ジッターの除去は異なる時期に行われた走査の比較をも可能にする。
【0076】
本方法の好ましい実施例の能力を示すよう、該システムが、物理的厚さ、L=237±3μm、を有する溶融水晶カバースリップの頂面と底面の間の光学的距離を探る(probe)ため使われた。この実施例では、第1インターフエースからの反射に付随するπの位相シフトがあり、それは正の屈折率移行(positive refractive index transition)を示す(marks)。従って、式1と2内の係数RLC,1とRCW,1に付随するe−iπ項がある。これはSfringeとSphase上の半分の修正係数に帰着する。図4は773.0nmと777.0nmのLC波長での典型的走査の結果を示す。4つの走査の結果は表1に抄録されるが、該表は水晶カバースリップの1片上の(n755nmL)の測定値を表す。該実験データの再現性(repeatability)はその光源が充分安定な周波数を有することを示す。
【0077】
【表1】

【0078】
実験データはナノメーター以下の精度で光学的絶対距離測定を産み出す。見出された光学的距離は該低コヒーレンス光源に組み合わされる。該CWヘテロダイン信号は光学的ルーラーとして役立つ。もし水晶カバースリップのLが精密に既知であるなら、波長775.0nmでの該水晶用n775nmは(n775nmL)measuredから非常に高度の精度で見出され得る。
【0079】
代わりに、Lの正確な値を知ることなく、2つの異なる波長での屈折率比が、これらの波長での低コヒーレンス光とそれらのそれぞれの調波でのCW光とを使って対応する光学的距離を測定することにより決定され得る。低コヒーレンス波長の範囲を使って、材料の分光プロフアイル(dispersion profile)が精密に決定され得る。該分光プロフアイル種々の波長で屈折率差を正確に概説(maps out)する。好ましい実施例の実験結果は約1mmの厚さのサンプルで精密な約7つの重要指標(figures)が達成され得ることを予測する。
【0080】
もう1つの好ましい実施例では、該システムの光源は、1550.0nmで放射する低コヒーレンススーパールミネッセントダイオード(low coherence superluminescent diode)(SLD)と、775.0nmで放射するCWのチタン:サファイアレーザーと、に換えられた。該SLDを通る動作電流を調整することにより、中心波長は約2nmだけ変えられ、これは位相公差を達成するのに好適である。本発明のシステムのこの好ましい実施例を使って、光学距離は1550.0nmで測定された。この測定結果と前の測定との比を取り、水晶用に屈折率の比、n775nm/n1550nmが決定された。見出された該屈折率比は好ましい実施例で使われた源により調和的に関係付けられた波長についてであることは注意されるべきである。他の波長に
ついて屈折率比は光源の他の適当な選択で測定され得る。比較用に、種々の材料についてn775nm/n1550nmの測定としてガラスとアクリルプラスチック(acrylic plstic)についての対応するデータが表2に作表されている。
【0081】
【表2】

【0082】
該低コヒーレンス波長が該CW波長のそれの半分である時使われる幾つかの式がここで前に提示された式と僅かに異なることを注意する。例えば、
【0083】
【数16】

【0084】
2π曖昧性を克服するための方法の好ましい実施例は、薄膜固体材料(thin film solid state material)の高精度深さ範囲測定(depth
ranging)及び高精度屈折率決定の様な応用で重要な有用性を示す。
【0085】
該好ましい方法の使用はガラスのスラブ(slab of glass)の考慮を通して図解され得る。該システムから該ガラススラブの平均中心までの距離を非常に精密に測定するシステムが存在する。又該ガラス表面の粗さを非常に精密に測定出来るシステムがある。本発明のシステムの好ましい実施例は該ガラススラブの端部面(glass slab end−face)の厚さをナノメーターの感度で測定する。
【0086】
該光学的距離を決定する方法の好ましい実施例の実施の過程は、図6A及び6Bのフローチャート124で図解される。該方法124は、その1つがCW源であり、一方もう1つが低コヒーレンス源であるマイケルソン干渉計の2つの調波的に関係付けられた光源の使用を含む。そのインターフエース間の光学距離が測定される必要のあるサンプルは過程126により信号干渉計アームの端部反射部(end reflectors)として使われる。基準干渉計アーム内の基準ミラーは過程128により走査される。該方法は該信号及び基準アームからの反射が組み合わされ、波長により分離される過程130を有する。更に、過程132により、該組み合わされた光の輝度でのヘテロダイン振動が検出される。両波長のヘテロダイン信号の位相が、例えば、過程134でヒルベルト変換又は何等かの代わりの位相抽出方法を介して見出される。過程136で、より短い波長からより長い波長の位相の2倍を引き算することによる差位相が全走査について評価される。過程137で該走査は僅かに同調を外された光の波長で繰り返される。過程130−136は次いで繰り返される。
【0087】
過程138で、該2つの走査から見出された該2つの差位相は次いで、該基準ミラーの変位を表すx軸を有するグラフ上で相互にスーパーポーズされる。差位相の抽出は又適当な光源又はクロマチックフイルター又は1つの走査に関するソフトウエア/ハードウエア信号処理を用いて行われ得ることは注意されるべきである。
【0088】
方法124の次の過程は、過程40によりサンプルインターフエースの場所をマークするためにグラフ上で位相交叉点を決定する過程を有する。過程142により、該CW光に付随するヘテロダイン信号が該2つの交叉点間で2だけラップオーバーする回数をカウントすることにより、該インターフエース間の光学的間隔(optical separation)が、波長の約数分の1、例えば約0.2までの精度で決定される。該交差点での差位相を測定することによる、更に波長の非常に小さい分数、例えば、約0.001までのローカライズ及び/又は間隔の精密化が得られる。
【0089】
光学的距離を測定するためのシステムの略図による線図である図7で図解されるもう1つの好ましい実施例では、該低コヒーレンス光源は、例えば、4nmより大きく、バンド幅で充分広い。検出端部では、第3の検出器174が2つの検出器166,176に付加される。これは更に2つに分割された低コヒーレンス光信号168に帰着する。検出器に到達する前に、該2つの光ビームは異なるフイルター170,172を通過する。該フイルターは該スペクトラムの異なる部分を透過させる。1つはより長い波長のスペクトル成分を通過させ、一方第2は、より短い波長スペクトル成分を通過させる。好ましくは、該2つの透過したビームは2nmより多くだけそれらのスペクトラムで分離されるのがよい。
【0090】
次いで該光ビームは該検出器に入射し、それらのヘテロダイン信号は図1に関連して論じられた流儀で処理される。代わりの好ましい実施例のこの方法の利点は該方法が調整さ
れた低コヒーレンス波長を用いた処理の繰り返しを除くことである。該2信号は同じ走査で得られる。
【0091】
図8A及び8Bは本発明の好ましい実施例による光学的距離を測定する代わりの方法のフローチャート184を図解する。該方法184は干渉計内で2つの調波的に関係付けられた光源の使用を含み、該光源の1つはCW源であり、一方もう1つは低コヒーレンス源である。過程186により、光学的距離が測定される必要があるサンプルは信号干渉計アームの端部反射部(end reflectors)として使われる。基準干渉計アームの基準ミラーは過程188で走査される。該方法は更に、該信号及び基準アームからの反射を組み合わせ、それらを波長により分離する過程190を有する。過程192で該低コヒーレンス波長は更にフイルターを使って分離される。該方法184は少なくとも3つの検出器で該ヘテロダイン振動を検出する過程194を有する。次の過程196は該組み合わされた光の輝度内のヘテロダイン振動を検出する過程を有する。過程198で両波長用のヘテロダイン信号の位相は、例えば、ヒルベルト変換又は他の代わりの位相抽出方法を介して見出される。次いで該CW信号を用いた各低コヒーレンス信号についての差位相が過程200で評価される。
【0092】
次いで過程202で該2つの差位相は、該基準ミラーの変位を表すx軸線を有するグラフ上で相互にスーパーポーズされる。残りの過程204,206,208は図6Bに関連して論じられた過程140,142,144と同様である。
【0093】
本方法の好ましい実施例はナノメーター以下の精度で任意に長い光学的距離を絶対的に測定するため使われ得る。該システムの好ましい実施例は自由空間ベースか又はフアイバーベースで存在し得る。図9は光学的距離を測定するフアイバーベースのシステムの好ましい実施例を図解する。
【0094】
入力光256はフアイバー251内を進む、近似的に調波的に関係付けられた、波長λを有する低コヒーレンス光と、波長λを有するCW光ビームと、を含む。該複合ビームは2つに分けられ、該信号の1つの部分は目標レンズ254とサンプル256に入射し、フアイバー253内を進む一方、もう1つはレンズ268経由で基準ミラー266に入射し、フアイバー251内を進む。該基準ミラーの移動は該反射ビーム上にドップラーシフトを導入する。反射されたビームは再組み合わせされ、次いでダイクロイックミラー258によりそれらの成分波長成分(component wavelength components)に分けられる。これらの波長成分は光検出器260,262で別々に測定される。それらのそれぞれのドップラーシフトされた周波数での最終ヘテロダイン信号はそれらのそれぞれの中心ヘテロダイン周波数付近でバンドパスされ、該ヘテロダイン信号に対応した位相、ΨCWとΨLCを抽出するためヒルベルト変換される。
【0095】
好ましい実施例の方法は精密な光学的距離測定を行うために使われ得る。この様な測定から、目標対象の光学的特性が精密に測定され得る。該目標の分光プロフアイル(dispersion profile)を測定することにより、該目標の構造及び/又は化学的特性が評価され得る。生物医学的背景では、本発明の好ましい実施例は非接触、非侵襲性の仕方で生物学的組織の分光特性を精密に決定するため使われ得る。この様な分光的判定は眼の角膜又は房水(cornea or aqueous humor of the eye)に関して使われ得る。達成される感度はブドウ糖濃度に左右される光学的変化を検出するのに充分であり得る。本発明の好ましい実施例では、血液ブドウ糖レベルが、眼の房水、硝子体液又は角膜(the aqueous, vitreous humor or the cornea of the eye)の何れかの分光プロフアイルの非侵襲性の測定を通して決定され得る。
【0096】
上文で論じた様に、位相ベースの干渉計検査方法は光学的距離を非常に高感度で測定出来る。しかしながら、それらは該2π曖昧性問題としてその分野で広く知られる問題によりそれらの応用では限定されるのが典型的である。この問題の核心は10.1波長の長さを11.1波長の長さから区別することが不可能なことである。本発明の好ましい実施例はこの限定を克服し、ナノメータ以下の精度で絶対的な光学的距離測定を可能にする。
【0097】
概略的に該ナノメーター範囲の感度で光学的距離の変化を測定する数多くの位相ベースの方法がある。その変化が小さく、徐々である限り、該変化は連続的に追跡され得る。概略数マイクロメーターの反射器感度の異なるインターフエースから反射された光の検出器での到着の遅延を追跡することにより絶対的に光学的距離を測定する低コヒーレンス方法がある。上文で論じた様に、干渉計でのCW及び低コヒーレンス光源の同時使用は光学的距離を測定するための方法を提供する。該2つの波長に付随する信号のヘテロダイン位相は本質的に関係付けられている。該好ましい実施例により該位相を処理することにより、運動ノイズ(motional noise)は最小化され、我々の測定から除去されるのが好ましい。
【0098】
好ましい実施例の応用は、眼の硝子体液及び/又は房水の屈折率の測定を用いたブドウ糖レベル決定である。この技術の感度は臨床的に妥当な感度で化学的濃度を測定する能力を与える。好ましい実施例の方法のより明らかな応用の1つはその眼で行われる測定を通しての血液ブドウ糖レベルの決定である。該眼の中の流体のブドウ糖レベルは臨床的に重要でない時間遅延を伴ってその血液のそれを鏡写しする。
【0099】
好ましい実施例の方法は、図10で図解された少なくとも2つの別々のセットの波長を使って眼の硝子体液及び/又は房水の層の光路長を測定する。該方法は該低コヒーレンス波長での屈折率と、2つのインターフエース間の物理的間隔との積を測定する。該低コヒーレンス光源の波長を変化させること(そしてマッチするよう該CW波長を適当に変えること)により、種々の波長での屈折率差が測定される。例えば、1つのセットの測定が、n500nmLを抽出するために、同調可能な500nm低コヒーレンス光源と1μmCW光源とを用いて行われるが、ここでLは該測定点での硝子体液及び/又は房水の物理的厚さである。もう1つのセットの測定が、n900nmLを抽出するために、同調可能な1000nm低コヒーレンス光源と1800nmCW光源とを用いて行われる。これら2測定値の比を取ることにより、該硝子体液及び/又は房水の該屈折率比、n500nm/n900nmが抽出される。本システムの好ましい実施例の現在の感度、例えば、0.5nm光路感度、を用いると、10−8の感度で該比n500nm/n900nmが人間の硝子体液及び/又は房水のそれに等しい厚さの材料について測定され得る。これは約0.25mg/dlのブドウ糖レベルの変化に対する感度を提供する。典型的血液ブドウ糖レベルが約100mg/dlであると与えられたとして、本発明の好ましい実施例は血液ブドウ糖評価用に良く適合している。光学的波長の選択は柔軟であり、上文で使われた波長は単に図解目的用である。最大感度のために、波長の間隔は出来るだけ大きいのが好ましい。好ましい実施例は500nmより大きい間隔を有する。
【0100】
該硝子体液及び/又は房水内で変化する他の化学品(chemicals)の存在のためにこの様な屈折率比が絶対的血液ブドウ糖レベル決定用に不充分な場合、光路長測定のもっと完全な範囲は他の波長の範囲で作られ得る。もっと完全な測定のこのセットはその測定値をブドウ糖及び他の化学品の既知の分光プロフアイルに適合させることによりブドウ糖レベル及び他の化学品濃度の決定を可能にする。
【0101】
本発明の好ましい実施例は半導体製造の測定技術として応用され得る。その方法の好ましい実施例は非接触、非破壊的なので、半導体構造体の厚さをそれらが製造される時にモニターするため使われ得る。加えて、該半導体構造体の構成(composition)
は硝子体液及び/又は房水測定の特性付けに関連して論じられたそれと全く同じ仕方で評価され得る。
【0102】
位相測定及び画像形成システム(Phase measurement and imaging systems)
本発明の代わりの好ましい実施例は光を用いた小さな生物学的対象又は特徴の画像形成に向けられる。これらの実施例は、例えば、細胞生理学及び神経科学の分野に応用され得る。これらの好ましい実施例は位相測定及び画像形成技術の原理に基づいている。位相測定及び画像形成技術を使う科学的動機付けは、例えば、μm以下のレベルでの細胞生物学から導出されており、該細胞生物学は、形成異常源の画像形成、細胞接合(cellular communication)、神経伝達(neuronal transmission)そして遺伝暗号のインプレメンテーション(implemetation of the genetic code)を含み得るが、それらに限定されない。細胞以下の構成成分の構造とダイナミックス(dynamics)は、例えば、X線及び中性子線散乱を含む現在の方法及び技術を使ってそれらの自然な状態(in their native state)で現在研究され得る。対照的に、ナノメーター解像度を有する光ベースの技術は細胞マシナリー(cellular machinery)がその自然な状態で研究されることを可能にする。本発明の好ましい実施例は干渉計検査及び/又は位相測定の原理に基づくシステムを含み、細胞生理学を研究するため使われる。これらのシステムは位相を測定するために光学的干渉計を使う低コヒーレンス干渉計検査(low coherence interferometry)(LCI)又は細胞成分自身内での干渉が使われる光散乱スペクトロスコピー(light scattering spectroscopy)(LSS)の原理を含むか、又は代わりにLCI及びLSSの原理が本発明のシステム内で組み合わされる。
【0103】
位相測定及び画像形成システム用の好ましい実施例は能動的に安定化された干渉計(actively stabilized interferometers)、隔離干渉計(isolation interferometer)、共通路干渉計(common path interferometer)そして差測定(differential measurements)を提供する干渉計を含む。差測定システムへ向けられた実施例は2点ヘテロダイン干渉計(two−point heterodyne interferometer)及び双ビーム干渉計(dual beam interferometers)を含む。共通路干渉計を使う実施例は空間的光変調(spatial light modulation)を使う位相差顕微鏡検査(phase contrast microscopy)を含むことが出来る。
【0104】
光学的低コヒーレンス干渉計測(LCI)は生物学的媒体の研究で多くの応用を見出した。最も広く使われるLCI技術は光学的コヒーレンストモグラフイー(optical
coherence tomography)(OCT)であり、それは生物学的サンプルの2D又は3D後方散乱プロフアイル(2D or 3D backscattering profile)を画像形成する。該LCI技術はその全体的開示が引用によりここに組み入れられる非特許文献1で説明された。OCTは使われる光源のコヒーレンス長さにより限定される深さ感度(depth sensitivity)を有する。超広帯域源(ultra−broadband source)は1μmの桁の寸法の特徴を解像(resolved)した。
【0105】
位相感応低コヒーレンス干渉計検査はサンプル内の波長以下の光路変化に感応する。位相感応型LCIの主な困難は該干渉計のアーム内の光路変動(optical path
fluctuations)による位相ノイズである。殆ど同一の光路を通過する種々の波長のレーザービームは干渉計位相ノイズを測定するため使われ得るが、該ノイズは次
に真のサンプル位相シフトを抽出するために、同様にノイズを有するサンプル信号から引き算される。他の研究者は差動位相コントラスト(differential phase contrast)測定するために共通光路に沿う直交レーザー偏波か又は高い位相感度を有する複屈折を使った。両技術では、基準アーム路が走査され、最終フリンジデータから(ヒルベルト変換を経由して)該位相を抽出するためコンピュータ計算が要求され、加えて、該位相測定の2π曖昧性を除くために位相アンラッピング(phase unwrapping algorithm)アルゴリズムが使われねばならない。該フリンジ走査と情報処理手順は該測定の速度を実質的に減じ、ノイズを増大させるかも知れない。
【0106】
能動的に安定化された干渉計を有するシステム(Systems including
actively stabilized interferometers)
本発明の好ましい実施例は、基準ビームによる干渉計の能動的安定化が広いバンド幅での非常に小さい位相シフトの連続検出と最小のコンピュータ処理を可能にするLCI方法を使う。任意の位相角度へロックする基準ビーム(Reference beam locking to an arbitrary phase angle)は基準アーム走査無しに直接のサンプル位相測定をもたらす。好ましい実施例は2次元及び3次元位相画像形成を提供する。
【0107】
好ましい実施例は基準レーザービームによるマイケルソン干渉計の能動的安定化に依存する。能動的に安定化された干渉計300の好ましい実施例の略図が図11に示される。該能動的に安定化されたマイケルソン干渉計システム300は、ミラー306,移動ミラー310,ビームスプリッター304,位相変調器308,検出器318,ローカル発信器源320,322,ミキサー316そして加算増幅器(summing amplifier)312を有する。ビームスプリッター304により分割された連続波レーザービームは2つの干渉計アームをトラバース(traverses)し、検出器318で再組み合わせされる。該干渉計アームの1つは電気光学的変調器又はピエゾ電気変換器上に設置されたミラーの様な、位相変調要素(phase modulating element)308を有する。該光路差への大きな調整が並進ミラー310又は何等かの他の何等かの可変の光学的遅延線(variable optical delay line)により行われてもよい。コンピュータ315の様な処理デバイスがフイードバックを提供し、位相シフト測定を処理するために使われる電子機器と通信する。電子的画像デイスプレー317が該位相シフトと関連画像を表示するため使われる。
【0108】
該2つの干渉計アーム間の位相差は下記の様に正弦波状に変調されるが
Φ=Ψ+Ψsin(Ωt) (16)
ここでΨ=k(L−L)=kΔLは該2つのアーム間の位相差、Ψ<2πは変調深さ、そしてΩは変調周波数である。検出された干渉計信号は該2つの干渉計アームからのビームのコヒーレントな加算を与えられ、下記となる。
【0109】
I=I+I+2(I1/2cosφ (17)
Iとφの間の非線形的関係は変調周波数Ωの多くの調波での周波数成分を有する検出信号に帰着する。第1(IΩ)及び第2(I2Ω)調波項は下記で与えられる。
【0110】
Ω=4J(Ψ)(I1/2sinΨsin(Ωt) (18)
2Ω=4J(Ψ)(I1/2cosΨcos(Ωt) (19)
それぞれΩ及び2Ωに於けるIΩ及びI2Ωの復調がミキサー316又はロックイン増幅器を介して行われ、該2つの信号は下記のΨの関数として等しい振幅を与えるよう増幅される。
【0111】
=VsinΨ (20)
=VcosΨ (21)
アナログ又はデジタル回路を用いて、該線形組み合わせVは時間変化するパラメーターとしてのθを用いて下記の様に計算される。
【0112】
θ=cosθ*V−sinθ*V=Vsin(Ψ−θ) (22)
この信号は正の傾斜を有して何れかのゼロ交叉に該干渉計をロックするための誤差信号として使われる。Vθ(t)は、能動的に干渉計ノイズを打ち消すため、該位相変調器(高周波)及び路長変調器(低周波)へフイードバックされる前に、積分され、フイルターされ、そして増幅される。該線形組み合わせVθ(t)は任意の位相θにロックすることを可能にするために誤差信号として使われる。
【0113】
該安定化された干渉計はここで説明される様に位相感応型低コヒーレンス干渉計検査と組み合わされてもよい。ここで説明されるシステムのセットアップの全ては自由空間光学機器又はフアイバー光学機器を経由して実施されてもよい。明確さのために、図解は自由空間光学機器の実施例を示す。
【0114】
光学的遅延位相感応型LCI用の基準ビーム安定化された干渉計についての略図が図12に示される。低コヒーレンス源からのビーム353は安定化干渉計内ではロック用ビーム(locking beam)355と同じ通路を通過する。該干渉計の2アーム間の(安定化された)路長差を変えることにより出力ビームが用意されるが、該出力ビームは、それら間に高度に安定で、連続的に可変の光路遅延を有し、該干渉計ロック変調周波数で変調された該エルシービームの2つの“コピー(copies)”の和から成る。
【0115】
サンプル382は、該サンプルと接触する側上を該LC波長での反射防止コートされたカバーガラス上に置かれる。該LCビームは該ガラス及びサンプルを通るよう顕微鏡対物レンズ380により焦点合わせされる。後方散乱された光は同じ光学機器により集められ、検出器366上に焦点合わせされる。該検出される信号は時間遅延ΔL/cを有する後方散乱場の自己相関(an autocorrelation of the backscattered field with time delayΔL/c)である。それは、ゼロ遅延と、サンプルアーム内の散乱又は反射面の対の間の光路長の2倍に対応する遅延と、での図13で図解される干渉フリンジを表示して、示されている。特に、該カバーガラスのコートされない側は該サンプルから約1カバーガラス厚さd離れるよう配置され、該サンプルからの干渉信号は、nをガラスの屈折率とすると、光路遅延ndで見られる。
【0116】
ΔL=〜2ndを用いて、該サンプル信号は、サンプル位相の連続測定を与えるために、該変調周波数でミキサー又はロックイン増幅器により復調される。該干渉計ロック位相θは、今度は、該復調された低コヒーレンス信号内のゼロ交叉にロックするよう、電子的に変えられてもよい。この仕方では、該干渉計ロック位相のタイムエボリューション(time evolution)が該サンプル位相の直接測定として使われる。このロック案はサンプル信号の振幅から独立している利点を有する。
【0117】
好ましい実施例のこのシステムは、該低コヒーレンス光がサンプルに入る前に光学的遅延が用意され、検出される信号がサンプルと干渉計の間の距離の変化に鈍感である点で、双ビームの光学的に計算されるトモグラフイー(OCT)技術に似ている。代わりの好ましい実施例では、該低コヒーレンスビームを用意するためにマッハツエンダー干渉計構成(Mach−Zender interferometer configuration)も又使われてもよい。
【0118】
可変減衰器を該干渉計アームの1つ又は両方内に導入することにより、該2つの時間遅延した場の相対振幅が干渉信号を最適化するために調整されることが可能になる。
【0119】
基準ビーム安定化された位相感応型LCIの略図が図14Aで示される。該システムのセットアップは、該干渉計ミラーの1つの代わりにカバーガラス430上のサンプルを有することを除けば、図11のそれと同様である。2つの低コヒーレンス源(LC1及びLC2)からの2つのビーム422及び424は干渉計の入力部に入射する。その基準ビームは該カバーガラスの厚さ、例えば、150μm、と比肩されるか又はそれよりも幾分大きいコヒーレンス長さを有する。該カバーガラス反射は該干渉計をロックするため使われる。該基準ビームの短いコヒーレンス長さは該干渉計ロックが該顕微鏡対物レンズ及び他の面からの不要な反射により影響されることを防止する。
【0120】
該信号ビームは、サンプルと後の面の反射の間を区別するために、該カバーガラス厚さより数倍小さいコヒーレンス長さ(coherence length several
times smaller)を有する。該基準アーム長さは該サンプルからの干渉フリンジを与えるよう調整され、そして前に説明した様に、該信号は図15A及び15Bで図解される様にサンプル位相を与えるために復調される。該カバーガラスのコートされない側に対する該干渉計のロックはこのインターフエースに対するサンプル位相測定に帰着し、殆ど全ての外部の干渉計ノイズを排除する。
【0121】
図11に関連して説明された光学的遅延方法と比較して、この好ましい実施例は信号及び基準両ビームが該サンプルへ入射する欠点を有する。生物学的材料、特に活きた細胞用には、これは使われてもよい基準ビームの電力を制限し、低下した質のロックに帰着する。他方、該基準ミラーの走査はサンプルからの反射のもっと直裁的な識別を可能にする。コンピュータ453の様な処理デバイスが、フイードバックを提供し位相シフト測定値を処理するため使われる電子機器と通信している。電子的画像デイスプレー455が該位相シフト及び関連画像を表示するため使われる。
【0122】
好ましい実施例は2つの方法を使って或る範囲のサンプル位相を画像形成出来る。好ましい第1の方法では、入射ビームは、OCTの大抵の実施例に於ける様に、サンプル上のX−Y方向に走査されてもよい。基準ビーム安定化されたLCIを含む実施例では、該ビームが走査される時該基準ビーム干渉計ロックを保持するよう注意が払われねばならない。第2の方法では、走査無しに信号を検出するために電荷結合デバイス(CCD)又は光ダイオード配列が使われてもよい。図16は安定化された位相感応型LCI用の画像形成システム500を図解する。この光学的システムは拡大領域を照明し、散乱光を検出器上に画像形成するため使われる。図17は本発明の好ましい実施例の光学的設計を図解するために、該システム構成の簡単化され、折り畳まれない版(simplified, unfolded version)を図解している。実線は入射光線を表し、一方波線は後方散乱された光線を表す。
【0123】
CCD画像形成用には、各々が位相で前のものよりπ/2だけ変わる4つの画像のシーケンスを解析することにより相対位相の測定が行われる。図14Bは、本発明により位相シフトを発生するために、ピエゾ電気変換器(PZT)461を有するミラーを使う、能動的に安定化された位相感応型低コヒーレンス干渉計検査用のシステム内でCCDを使う画像形成用の実施例を図解する。回路469は該PZTを使って該位相シフトを創るため使われる電子機器と位相シフト検出用電子機器である。該CCDは1つのコンパクトな電子的チップ内に集積化された画素の配列である。CCD制御器477は該CCDと通信し、該CCDは今度は、例えば、コンピュータ478の様な処理デバイスに接続される。画像デイスプレー479は位相シフト及び関連画像を表示するため使われる。
【0124】
広いバンド幅の位相画像形成用に、光ダイオード配列からの信号は第1及び第2両調波で個別に復調されてもよく、これは各画素での位相が曖昧性無しに測定されることを可能にする。
【0125】
本発明の干渉計システムの好ましい実施例のより高い感度とバンド幅は生物学的及び非生物学的媒体内の小さな光学的位相シフトの測定用に新しい可能性を開くものである。例えば、好ましい実施例は細胞膜の運動及び揺動(fluctuations)の研究を可能にする。双波長、位相感応型LCIは人間の結腸の細胞培養の細胞容積調整及び膜ダイナミックスを観察するため使われた。最近、該細胞膜内の低周波振動が該培養へのアジ化ナトリウム(sodium azide)の付加に続いて観察された。好ましいLCIの実施例はもっと短い時間規模での膜ダイナミックスの研究を可能にしており、そこでは熱的に駆動された揺動及び機械的振動がより重要である。本発明の好ましい実施例の2次元画像形成方法は相互作用する細胞の集まりでの膜揺動の研究を可能にする。振動と相関(Oscillations and correlations)はセルシグナリング(cell signalling)に関する情報を提供する。
【0126】
本発明の好ましい実施例はニューロン活動電位(neuronn action potential)の測定用に使われ得る。ニューロンの電気信号を非侵襲性でモニターするために改良された光学的方法には神経科学が強い興味を持っている。現在の方法はカルシウム感応型又は電圧感応型染料に依存しており、それは、短い寿命時間、光毒性(phototoxicity)、及びゆっくりした応答時間を含む多くの問題を有する。
【0127】
活動電位が神経繊維及び細胞ボデイ内の光学的変化により伴われることは数十年間知られて来た。加えて、神経は刺激時容積の過渡的増大を表すと示されて来た。これらの変化は該細胞膜内の相転移(phase transition)、そして細胞膜内の双極子(dipoles)の再配向(reorientation)によるインデックスシフト(index shifts)、の関係(term)で解釈されて来た。
【0128】
好ましい実施例の位相感応型LCI方法は該活動電位に付随する光学的及び機械的変化を測定するため使われてもよい。増加したバンド幅は該活動電位の〜1ms時間規模での敏感な位相測定を可能にする。本発明の好ましい実施例は神経信号の非侵襲性の長期的測定を提供し、同時に多くのニューロンを画像形成する能力を提供するため使われ得る。神経の活動の解析用空間−時間的パターン化を用いた実施例の助けは脳の理解で重要である。活動電位の変化に伴うと知られる小さな(約10−4rad)インデックスシフトと膜揺動は、高レベルの感応速度と広いバンド幅(>1kHz)を提供する本発明の好ましい実施例で検出され得る。これらの実施例は、ノイズが入るのを防止する隔離(isolation)の様なノイズ打ち消し方法、ノイズを打ち消すフイードバック要素を使う安定化方法、フイードバック無しにノイズ打ち消しを提供する差動測定そしてノイズの影響を最小化する共通路干渉計検査を使う。
【0129】
ここに説明された実施例は多くの医療応用で使われ得る。例えば、皮質写像(cortex mapping)が従来技術の電極方法に比較して速度と解像度を改良されて神経解剖(neurosurgery)中行われ得る。更に、該好ましい実施例は神経解剖中てんかん病巣(epileptic foci)を突き止める(localize)ため使われ得る。該実施例は又目の中の網膜神経活動(retinal nerve activity)のモニタリングを可能にする。本発明の好ましい実施例の追加的応用は、該実施例により提供される高速度による2次元及び3次元走査、光ダイオード検出器により提供される広いダイナミックレンジとDC排除(DC rejection)、細胞生物学内のナノメーター規模の画像形成、上皮組織の特徴付けそして、例えば、それらに限定されないが、聴覚細胞及び血管の膜の振動の検出、を含む。
【0130】
双ビーム干渉計を有するシステム(Systems including dual−beam interferometers)
本発明の好ましい実施例は、従来の光顕微鏡への一体化用のフアイバーベースの光学的遅延位相感応型低コヒーレンス干渉計を含む。海馬ニューロンの培養(in cultures of hippocampal neurons)中で同時の電気的及び光学的測定が行われ得る。好ましい実施例は光ダイオード配列又は急速走査ビームを有する画像形成システムを備える。活動電位のLCI測定と組み合わせたニューロンの光学的刺激用の方法はニューラルネットワークダイナミックス(neural network dynamics)、シナプス形成性(synaptic plasticity)、そして神経科学の他の基礎的問題の調査用に極度に有用な新しいツールを形成出来る。
【0131】
もう1つの実施例は体内で脳スライスそしてニューロンにまで位相感応型画像形成技術を適用する。脳表面の運動について追跡と補償は可成りの挑戦である。光学的散乱はニューロンの信号が抽出される深さを限定するが、100μmの桁の深さが可能である。
【0132】
前にここで説明された能動的に安定化された干渉計の好ましい実施例は第1波長が安定化用に使われ、第2波長が位相測定用である2波長システムを有する。図18Aは1つの波長が使われる2点マッハツエンダーヘテロダイン干渉計システムの略図の線図を図解する。この点安定化/基準干渉計システム(point−stabilized/reference interferometer system)はサンプル586上の2点を通る光の位相差を測定する。殆ど共通の光路構造は干渉計ノイズを減ずる。
【0133】
コリメートされたレーザービーム又は低コヒーレンス光源はビームスプリッター584によりサンプル路586及び基準路に分けられる。該サンプルビームは最終ビームスプリッター592の前に該サンプル586とレンズL(対物レンズ)588とL(チューブレンズ)590を通過する。該レンズL588とL590はそれぞれ焦点長さfとfを有し、倍率M=f/fを有する顕微鏡を構成する。該レンズは、サンプル586とL588の間の距離とLとLの間の距離がf、LとLの間の距離がf+fであり、該画像面がLから距離fに配置されるように、整合されている。
【0134】
該基準ビームはそれぞれ周波数ωとωのRF場により駆動される2つの音響光学的変調器(acousto−optic modulators)594AOMとAOMを通過する。AOMからの+1次の回折されたビームとAOMからの−1次の回折されたビームとを選択するようアイリス(Irises)が使われる。従って、AOMに入射する周波数ωの光は周波数ω=ω+Ωで第2ピンホールを出ており、ここでΩ=ω−ωである。この2つのAOM構成は100kHzの桁の比較的低いヘテロダイン周波数Ωを得るため使われる。低ヘテロダイン周波数は高感度光検出器を使うために好ましく、又光学的整合を容易にするが、それはビーム方向の非常に小さい変化を伴うのみでΩがゼロに等しく設定されてもよいからである。もしより高いヘテロダイン周波数が望まれる場合は1つのAOMが使われてもよい。例えば、コンピュータ609の様な処理デバイスと画像デイスプレー611が該システムと通信する。
【0135】
周波数シフトされた基準ビームは、それらの焦点長さの和に等しい距離だけ離されたレンズL598とL600により拡張される。該2つの画像面での信号場及び基準場は下記複素数表記で説明され得る。
【0136】
(x、y、t)=E(x、y)exp[i(φ(x、y、t)+φN,S(x、y、t)−ωt)] (23)
(x、y、t)=E(x、y)exp[iφN,R(x、y、t)−(ω+Ω
)t] (24)
ここでxとyは該光路に沿った横座標(transverse coordinates)であり、φ(x、y、t)は調査中のサンプル位相であり、φN,S(x、y、t)とφN.R(x、y、t)は該サンプル及び基準アーム内の干渉計ノイズを表し、そしてE(x、y)、E(x、y)は例えばガウシアン(Gaussian)でもよいがそれに限定されない場振幅プロフアイルである。
【0137】
該サンプル位相φ(x、y、t)は該サンプルn(x、y、z、t)の時間依存の屈折率分布の項で下記の様に表されてもよく
【0138】
【数17】

【0139】
ここでzは軸方向座標であり、積分は該サンプルの深さに亘り行われる。拡大係数Mに注意されたい。
【0140】
2つの画像面での輝度は下記で与えられる
±=|E±E=|E+|E
±2|E||E|cos[φ(x、y、t)+φN,S(x、y、t)−φN,R(x、y、t)+Ωt] (26)
このヘテロダイン信号は位置(x,y)と(x、y)に配置された2つの光ダイオードPD604とPD606により検出される。該光は光フアイバー又はピンホールを通して集められてもよい。該検出された輝度のAC成分は下記で与えられる。
【0141】
(t)=2|E||E|cos[φ(x、y、t)+φN,S(x,y,t)−φN,R(x,y,t)+Ωt] (27)
(t)=−2|E||E|cos[φ(x、y、t)+φN,S(x,y,t)−φN,R(x,y,t)+Ωt] (28)
ヘテロダイン信号Iと−Iの間の位相差は次いでロックイン増幅器又は位相検出器回路608により測定される。
【0142】
Φ12(t)=[φ(x,y、t)+φN,S(x,y,t)−φN,R(x,y,t)]−[φ(x,y,t)+φN,S(x,y,t)−φN,R(x,y,t)]
=φ(x,y,t)−φ(x,t) +φN,S(x,y,t)−φN,S(x,y,t)−φN,R(x,y,t)+φN,R(x,y,t) (29)
もし干渉計ノイズが横断位置から独立していると仮定すれば、それは下記となり
φN,S(x,y,t)=φN,S(x,y,t) (30a)
φN,R(x,y,t)=φN,R(x,y,t) (30b)
該測定された位相差は下記の様に単に選択された点でのサンプル位相の差となる。
【0143】
Φ12(t)=φ(x,y,t)−φ(x,y,t) (31)
本発明の好ましい実施例のこの方法は物理的拘束のみに従う画像面に於けるどんな数の光検出器を用いて実施されてもよい。光ダイオード配列又は光ダイオードに結合された光フアイバー束が多数位置で同時に該位相を画像形成するよう使われてもよい。どれか1つ
の検出器が、全ての他の点でのそれに対する位相差が測定される、“基準(reference)”検出器として選ばれてもよい。
【0144】
画像形成マッハツエンダーヘテロダイン干渉計用の略図が図18Bで示される。このデバイス670はサンプル673を通った光の下記位相
【0145】
【数18】

【0146】
を画像形成する。
【0147】
その光学的レイアウトは、2つの変更点、(i)画像形成検出器(imaging detector)、例えば、電荷結合デバイス(CCD)682が該画像形成面の1つに配置される、(ii)電気光学的偏光変調器(electro−optic polarization modulator)672と偏光子681がストロボスコープ的検出を行うため使われる、を除けば、図18Aに関し説明された2点マッハツエンダーヘテロダイン干渉計と同様である。定量的位相画像が位相シフト干渉計検査により得られる。
【0148】
該CCD画像面に於ける時間に左右される輝度分布は下記により与えられる。
【0149】
I_(x、y、t)=|E±E
|E+|E−2|E||E|cos[φ(x、y、t)+φN,S(x、y、t)−φN,R(x、y、t)+Ωt] (32a)
ストロボスコープ的位相シフト干渉計検査は位相感応型の仕方でこのヘテロダインフリンジパターンを画像形成するため使われる。これはCCDに於ける検出の“ゲーテイング(gating)”を要し、これは幾つかの方法で行われ得る。増感器(intensifier)電圧を制御することにより増感付き(intensified)CCDはゲート(gated)され得る。該CCDの前の大きなアパーチャーの電気光学セル(large−aperture electro−optic cell)が高速シャッターとして使われる。図18Bで図解されるシステムでは、電気光学的偏波スイッチ(electro−optic polarization switch)が該干渉計への入力ビームの偏波(polarization)を制御するため使われる。該2つの偏波は、図18Bに対応して、“面内(in−plane)”及び“面外(out−of−plane)”とラベル付けされる。直線偏光子(linear polarizer)681が、該CCD画像形成デバイス682の前に置かれるので、面内偏光のみが検出され、面外偏光は吸収されるか又は該偏光子により反射される。
【0150】
(必要なら光フアイバー経由で)該第1画像面に整合された光ダイオードが、2点ヘテロダイン干渉計内に於ける様に下記信号を得るため使われる。
【0151】
(t)=2|E||E|cos[φ(x、y、t)+φN,S(x,y,t)−φN,R(x,y,t)+Ωt] (32b)
ゲート用信号は次いで下記の様にヘテロダイン信号Iから導出される。電子的比較器は該ヘテロダイン信号が正の傾斜を有して正である時“ハイ(high)”を出力する。これは位相0を有するゲート信号に対応する。π/2、π、そして3π/2の位相シフトでの同様な信号がそれぞれ負の傾斜の正の、負の傾斜の負の、そして正の傾斜の負の、ヘテロダイン信号でトリガーすることにより発生される。本発明の好ましい実施例のヘテロダ
イン687及びゲート688−691信号が図18Cで示される。
【0152】
次いで該ゲート信号は該CCD検出器をゲートするために続いて使用される。そのシーケンスはコンピュータ685により制御される。光は該ゲート信号が“ハイ”の時だけ、該CCD上に降下することが許される。4つの露出時に対応する輝度(intensities)を達成するように、該4つのゲート信号であるが、等しい数のヘテロダイン周期に対応する4つの露出が該CCDにより取り込まれる。該4つの測定されたフリンジ画像はI(x、y)、Iπ/2(x、y)、Iπ(x、y)、I3π/2(x、y)と呼ばれる。その時相対サンプル位相は、該4つのフレームの各々間の位相シフトにより、下記により計算される。
【0153】
【数19】

【0154】
例えば、その全開示が引用によりここに組み入れられる非特許文献2で説明されるそれらの様な、位相シフト動作及び位相を計算する他の方法も又使われ得る。更に、干渉計ノイズは、それが画像面上に亘り一定である限り、相関付けられたノイズヘテロダイン信号I1(t)を基準とすることを介して打ち消される。ストロボスコープ的位相画像形成は、共通のヘテロダイン基準信号に関する積分(integration)が時間に亘り行われる、“バケット(bucket)”積分の形式と考えることが出来る。
【0155】
ストロボスコープ的位相画像形成は又本発明の好ましい実施例の双ビームヘテロダイン干渉計を用いても行われ得る。これはCCDにより検出され得る850nmの様な低コヒーレンス波長を要する。それは又この後説明される図19と比較される様に、図18Dに示す画像形成システムへのサンプルビーム供給システムの修正を要する。この実施例では、4つのゲート信号を発生するため使われる基準ヘテロダイン信号が光学的基準信号により提供される。検出された信号のシャッター作用は光フアイバースイッチ又は偏光子を有する偏波変調器により行われてもよい。
【0156】
本発明の好ましい実施例は双ビーム反射干渉計を含んでいる。該双ビーム反射干渉計検査の好ましい実施例は分離された双ビームヘテロダインLCIを有する。該ヘテロダイン双ビーム干渉計620が図19に示されている。この干渉計はサンプルの前に配置された部分的反射面に対する、サンプルからの反射光の位相変化を測定するため使われる。例えば、ガラスの薄いピースの上のサンプルから反射された光の位相を測定してもよい。もう1つの例として、検討下のサンプルの近くに置かれた光フアイバープローブの先端からの反射と比較する測定が行われてもよい。
【0157】
スーパールミネッセントダイオード(SLD)又はマルチモードレーザーダイオードの様な低コヒーレンス源622が、真空フイードスルー(vacuum feedthrough)を通して真空室640に入る単一モード光フアイバーに結合される。該室内には振動から隔離された自由空間コヒーレンスマイケルソン干渉計が閉じこめられている。該低コヒーレンスビームは該フアイバーからコリメーテイングレンズを経由するよう発射され、ビームスプリッター626により分割される。(1(656)及び2(658)と呼ばれる)該干渉計のアームは周波数ωとωのRF場により駆動される音響光学的変調器(AOM628とAOM634)を有する。各アームで、正にシフトされた1次の回折ビームはピンホールにより選択される。該光はレンズ630と636により焦点合わ
せされ、次いでミラーM632とM638により反射され該AOMへ戻る。該レンズは該AOMと該ミラーの両者から1焦点長さの距離だけ離れて置かれる。この設計は該AOM逆反射整合(AOM retroreflection alignment)が該低コヒーレンス(広いスペクトラム)光のスペクトラム間で保持されることを可能にする。
【0158】
該AOMは2重通過構成(double−pass configuration)で運転されるので、周波数ωでの入射光は、それぞれアーム1(656)と2(658)を通過後、ω+2ωとω+2ωにシフトされる。アーム1と2を通過した2つのビーム間の周波数差はΩ=2(ω−ω)である。
【0159】
該ミラーの1つ、M632は該2つのアーム間の光路長差Δl=l−lを調整するために並進ステージに取り付けられる。該2つのアームを通過後該組み合わされたビームは時間遅延Δl/cだけ分離された2つのパルスを有するビームと考えられ得る。該2つの干渉計アームからの反射は該コリメーター660によりフアイバー内へ戻るよう焦点合わせされ、該室640を出る。
【0160】
該入射ビームから後方反射されたビームを分離するため光学的サーキュレーター(optical circulator)が使われる。該光はもう1つのコリメーター662により自由空間ビームとして発射され、部分的反射面664を最初通過して、サンプル642上に焦点合わせされる。後方反射された光は同じコリメーターにより集められ、もう1つの光学的サーキュレーターを通過後光ダイオード650により検出される。該マイケルソン干渉計内の光学的遅延は、サンプルSからの反射と基準面からの反射との間の光路差Δsにマッチするよう調整される。この条件ΔL=Δsが源のコヒーレンス長さlc内に持続する時、周波数Ωでのヘテロダイン信号が面S642とR664から反射した光の間の干渉により検出される。該2つのAOM駆動場を混合し、2倍化することにより提供されるローカル発信器に対し測定された、該ヘテロダイン信号の位相は該基準反射に対するサンプル反射の位相の測定値を表す。
【0161】
ヘテロダイン信号が単一面の反射により創られないようにするために、該長さΔsは該コヒーレンス長さlより実質的に長くなければならない。又信号が該ガラス面を基準にされ、該サンプルから散乱しないように、該サンプル厚さは該ガラス厚さΔsより小さく取られる。
【0162】
該干渉計の定量的説明は下記の様である。最初に波数kを有するモノクロの源を考える。該マイケルソン干渉計の入力での電場振幅は下記により記述される。
【0163】
=Acos(kz−ωt) (33)
該AOMを通過後該ビームスプリッターから戻る電場は、該干渉計の2つのアームからの場の和により与えられる。
【0164】
=E+E=Acos(2k−(ω+2ω)t)+Acos(2k−(ω+2ω)t) (34)
ここでk=k+2ω/c及びk=k+2ω/cである。
【0165】
この双ビームが今サンプルに入射する。sが基準反射までの光学距離、sがサンプル反射までの光学距離とする。もし該基準及びサンプル反射の反射率がそれぞれRとRであり、多重反射が無視されるとすると、該サンプルから反射される場は下記である。
【0166】
【数20】

【0167】
該検出された輝度iは二乗された場振幅に下記の様に比例する。
【0168】
【数21】

【0169】
ここで光学的周波数発振項は無視され、周波数シフトによる波数シフトΩ/cは路長差Δs及びΔlの逆数と比較して無視できると仮定する。
【0170】
低コヒーレンス(ブロードバンド)源をモデル化するために、それが中心波数k0と、半最大スペクトルバンド幅での最大波長Δkと、を有するガウス型パワースペクトル密度を備えると仮定する。
【0171】
【数22】

【0172】
低コヒーレンス放射について検出された輝度は該スペクトル分布に亘りモノクロの結果を積分することにより見出される。
【0173】
【数23】

【0174】
ここで
【0175】
【数24】

【0176】
は選ばれたスペクトル密度用の源(source)コヒーレンス関数である。又ここでlは下記の様にコヒーレンス長さである。
【0177】
【数25】

【0178】
もし該路長差が、Δl=Δsが該コヒーレンス長さ内へ、そしてΔl>>lcであるように、選ばれるならば、支配的で時間に左右される信号は下記の形である。
【0179】
【数26】

【0180】
ローカル発信器652すなわちLO=cos(Ωt)に対するこの信号の位相を測定することにより、Δsの変化が測定され得る。マイケルソン干渉計の隔離(isolation)は位相ノイズがΔlの変化を通して該測定に影響させないようにするため必要である。
【0181】
図20は本発明の好ましい実施例の隔離された双基準ヘテロダイン低コヒーレンス干渉計を図解する。この干渉計はそのサンプル内の種々の深さから散乱に対する、サンプル内の選択された深さから反射される光の位相を測定するため使われる。このセットアップは、ガラス反射面を何等要しない点で、より簡単な双ビーム干渉計に優る利点を有する。このシステムは生体内測定用に理想的である。該双基準(dual reference)マイケルソン干渉計は充分薄いか又は透明なサンプル内の3次元容積に亘る神経活動(neural activity)を画像形成するため使われ得る。このシステムはニューラルネットワークの展開(development)を研究するため使われ得る。
【0182】
低コヒーレンス源702からの光は光フアイバーカプラー706により上下路に分けられる。上方路は図19に関連して上記で説明された双ビーム干渉計と同様であるが、周波数シフトωを有する2重通過AOMは旧サンプル位置を占め、サンプルは今度はこの干渉計の下方路内に配置されている。該2つの場はもう1つのフアイバーカプラー742で再組み合わせされる。光ダイオード746,748が2重のバランスされたモードで配置される。
【0183】
モノクロの源の場合の該干渉計の定量的説明は下記の様である。該上方路の場は下記の様に書かれる。
【0184】
=Acos(2k−(ω+2ω−2ω)t)+Acos(2k−(ω+2ω−2ω)t) (42)そして下方路は下記の様である(再び、サンプルは位置sとsでの2つの反射を有すると仮定する)
【0185】
【数27】

【0186】
光フアイバーケーブルの路長は該2つのアーム間と等しいと仮定された。周波数ωを有するAOM736に付随するミラー740は該路長を等しくするよう並進させられてもよい。
【0187】
光検出器信号のAC成分は下記で与えられる。
【0188】
【数28】

【0189】
ここでΩ13=2(ω−ω)そしてΩ23=2(ω−ω)である。ガウス型スペクトル分布用のポリクロマチックの場合(polychromatic case)は下記をもたらす。
【0190】
【数29】

【0191】
コヒーレンス長さ内へ、
【0192】
【数30】

【0193】
、そして更にΔl、Δs<<lと仮定する。その時支配的項は下記である。
【0194】
【数31】

【0195】
次に、これら2つの周波数成分はミキサー内で組み合わされ、バンドパスフイルターは差の周波数Ω12=Ω13−Ω23=ω−ωを選択する。
【0196】
【数32】

【0197】
位相感応型検出器は次いで、該AOM駆動場を混合し2倍にすることにより発生されるΩ12でのローカル発信器に対するこの信号の位相を測定する。該測定された位相はφ=2k(Δl−Δs)である。
【0198】
該位相シフト器(phase shifter)は、その差動的性質にも拘わらず位相測定に幾らか影響を有する干渉計ノイズを補償するため使われる。光ダイオード信号成分の位相
【0199】
【数33】

【0200】
が測定され、sからの反射を、該位相シフト器を通して、一定位相へロックする誤差信号として使われる。
【0201】
現実のサンプルを使う実施例では、2つの反射はないだろうが、散乱の分布はある。該基準アーム位置を設定することにより、この干渉計は2つの異なる深さから散乱される光間の位相差を測定する。
【0202】
図19に関連して説明した実施例は該音響光学的変調器(AOM)RF場を混合することにより創られる電気信号に対し、光学的ヘテロダイン信号の位相を測定する。この実施例に付随する複数のノイズ源がある。それらは、恐らく該RF場からのAOM加熱による、数分に亘る約1波長(1λ)の桁の、ゆっくりしたドリフトと、60Hzから120Hzでの位相ノイズと、を含む。更に、振幅は存在し、それは恐らく該AOMをターンさせる電圧(AOM turning voltage)内のラインノイズに依る。室の外部の光フアイバーが動かされた時変化するブロードバンド振幅及び位相ノイズの追加的源は該光学的サーキュレーター内の偏波モード分光(polarization mode dispaersion)(PMD)に依る様に最も強く推定される。
【0203】
本発明の好ましい実施例は該ノイズを最小化し、好ましくは除去するのがよく、そしてドリフトとノイズを減ずるため光学的基準化された測定を含むか、又は精密電圧源により供給されたAOM同調電圧を使うか、又は代わりに偏波保存型光フアイバー部品(polarization−maintaining fiber optic components)を使う。
【0204】
図21はノイズを最小化する光学的基準化干渉計の好ましい実施例を図解する。この実施例は図19に関連して説明されたシステムにより経験されたドリフト及びノイズの課題に取り組む。図21に関連して図解される実施例はヘテロダイン双ビーム干渉計である。この干渉計は、サンプル対象又は別の要素上の種々の横断点(different transverse points)であってもよい基準を使ってサンプルからの反射光の位相変化を測定するため使われる。SLDの様な低コヒーレンス源762が単一モード光フアイバーに結合され、該フアイバーは真空フイードスルーを通って該真空室782に入る。該ヘテロダインマイケルソン干渉計は図19に関連して説明された様に動作する。該2つの干渉計アームからの反射はコリメーター766,792により2本のフアイバー内に戻るよう焦点合わせされ、該室を出る。追加の光路が別の要素上の種々の横断点である基準を提供する。後方散乱される光は2つのコリメーター788,790により集められ、それぞれ光学的サーキュレーター794と798を通過後2つの光ダイオード796,800により検出される。
【0205】
この双基準化干渉計検査では、実施例は横断基準点と反射基準化位相測定を組み合わせる。理想的には、該基準点とサンプル対象は同じガラス上に配置されるのがよい。これはカバーガラスの何等かのチルト、振動及び/又は膨張効果を打ち消す追加的利点を有する。図22で図解される様に、測定される位相は下記である。
【0206】
φ(t)=(φ−φ’)−(φ−φ’) (49)
該双基準化干渉計の好ましい実施例はノイズを打ち消すために、同様な利得と周波数応答とを有する光検出器を備える。更に、偏波保存部品とフアイバーが、該フアイバー内の偏波効果に取り組むよう使われ得る。特に、光学的サーキュレーター内の偏波モード分光は2つの直交する偏波の間の可変遅延を創り、それは振幅及び位相でのノイズへ導くが、該ノイズは該偏波保存部品を使うことにより緩和され得る。好ましい実施例では、デジタルバンドパスフイルターが光学的信号内に見出される調波に取り組むため使われる。
【0207】
図23Aは、図21に関連して説明されたシステムを校正するため使われるピエゾ電気変換器(PZT)の電圧をグラフで図解する。該PZT校正セットアップは図25Aで図解される。
【0208】
ミラー888の変位に対応する位相変化が図23Bでグラフで図解される。この位相変化は27nmの校正された距離変化に対応する。
【0209】
図24は、図21で図解された干渉計に付随する、50msの全時間間隔に亘りノイズ特性をラディアンでグラフにより図解するが、そこでは該干渉計の2つのアームが等しく作られている。
【0210】
図25A及び25Bは本発明の好ましい実施例によりサンプル及び基準信号用の校正セットアップの略図による表現である。ミラー及びビームスプリッターの間の間隔はPZTで変えられる。該PZT運動は該光源(ヘリウム−ネオンか又はチタン;サフアイア)送信をモニターすることにより校正される。
【0211】
本発明の好ましい実施例は、活動電位中の神経変位運動の様な弱く反射する面の小運動の非接触測定を行うため使われる双ビーム低コヒーレンス干渉計を有するシステムに向けられている。神経繊維は該活動電位中に急速な外方への横方向面変位を示す。一般に軸索内への水の流束に帰せられる、この“スウェリング(swelling)”現象は最初は蟹神経(crab nerve)でそして後には多数の他の無脊椎及び脊椎試料(invertebrate and vertebrate preparations)で観
察された。今日までの神経スウェリングの全ての観察は該神経に物理的に接触して置かれた光学的又はピエゾ電気的センサーに依存して来た。神経変位を測定する光学的非接触の方法は接触に関連するアーチフアクト(artifacts)を除去し、それらの自然な状態での多数の神経の活動を同時に画像形成することを可能にする。
【0212】
本発明の好ましい実施例は双ビームヘテロダイン低コヒーレンス干渉計とそのロブスター(lobster)神経束内のスウェリング効果の測定への応用を含む。神経スウェリングの干渉計実験的観察の従来技術の方法は、低感度と、蛙(frog)又はロブスター神経内の活動電位に付随する何等かの動きの検出の失敗のために、成功してなかった。もっと最近になって、該活動電位中の神経内の屈折率変化が透過光干渉計を使って成功裡に測定された。
【0213】
msの時間規模に亘りナノメーターの桁での、神経変位の測定は、低反射率の面から記録できる高速で、安定な干渉計測測定システムを要する。好ましい実施例に依れば、単一モードフアイバー及び自由空間要素の両者から成る、双ビームシステムが図26で示されている。フアイバー結合されたスーパールミネッセントダイオード922{オプトスピードエスエルデー(Optospeed SLD)、中心波長1550nm、バンド幅40nm(FWHM)}からの光がコリメートされ、二重通過構成に整合され、周波数ω=110.1MHz及びω=110MHzのRF場により駆動される、音響光学的変調器946,952(AOMs)を含むマイケルソン干渉計に入る。並進ステージ上に設置されたミラーは該2つの干渉計アーム間往復光路差ΔLの制御を可能にする。光はフアイバーコリメーターを通して該マイケルソン干渉計に入り、出て行く。
【0214】
該マイケルソン干渉計の2つのポートの各々からの出力は異なる周波数シフトと可変遅延とを有する2つの低コヒーレンス場から成る双ビームである。該双ビームの1つは該神経室セットアップ(nerve chamber setup)(詳細は図27参照)に入射し、もう1つは基準ギャップ上に入射する。該神経セットアップと基準ギャップの各々は調整可能な距離により分離された2つの反射面を有し、入射光をそのそれぞれのフアイバーへ戻るよう反射するよう整合されている。これらの面の1つを除き全てが空気とコートされないガラスの間のインターフエースである。該サンプル内で、空気及び神経表面の間のインターフエースから第2反射が来る。
【0215】
ΔLとΔLはそれぞれ該サンプルと基準ギャップの面1と2からの反射の間の往復光路長差である。該3つの路長ΔL、ΔL及びΔLが源(source)コヒーレンス長さ内で全て等しくなるよう種々の部品が調整される。この条件が充たされると、光検出器932,962(新焦点2011)は、(1)該マイケルソン干渉計のアーム1をトラバースしサンプルの面2(又は基準ギャップ)から反射する光と(2)該マイケルソン干渉計のアーム2をトラバースしサンプルの面1(又は基準ギャップ)から反射する光、の間の干渉により周波数Ω=2(ω−ω)=200kHzのヘテロダイン信号を記録する。該2つのヘテロダイン信号間の位相差(2πの倍数までの)は
φ(t)=k[(ΔL−ΔL)−(ΔL−ΔL)]=k(ΔL−ΔL)、ここでkは光源の中心波数(central wave number)である。位相ノイズに最も感受性にある量、マイケルソン路遅延ΔL、はこの差測定方法では打ち消される。偏波独立性光学的サーキュレーター926,930,960が検出される電力を最大化するよう、そして該反射光が該マイケルソン干渉計に再び入らせないようにするため使われる。偏波制御器(示されてない)が、該光フアイバー部品内の偏波モード分光の影響を最少化するよう使われる。
【0216】
該位相差φ(t)を測定するために、該光検出器の出力は5×10サンプル/秒で12ビットA−Dカード{ナショナルインスツルメントのピーシーアイ−6110(National Instruments PCI−6110)}によりデジタル化される。コンピュータ内のインストラクションのシーケンスがヒルベルト変換を介して該2信号の位相差を計算し、相対面変位d(t)=φ(t)/2kとして該位相シフトを表す。
【0217】
該干渉計が変位測定を行うことを検証するために、該神経セットアップは、ピエゾ変換器を用いて300Hz周波数と27nm振幅で正弦波状に変調されたキャビテイ間隔(cavity spacing)を有する平面状(planar)フアブリーペローキャビテイ(Fabry−Perot cavity)で置き換えられた。振幅及び周波数の双ビーム干渉計測定は、該キャビテイが数μmに亘り走査された時、632.8nmヘリウムネオンレーザービームの透過をモニターすることにより決定された値と良く合致した。
【0218】
好ましい実施例に依れば、アメリカンロブスター(American lobster){ホマラスアメリカナス(Homarus americanus)}の歩行脚神経(walking leg nerve)(直径1mm以下、長さ50mm以下)が切断され、図27に図解される様にアクリル樹脂から機械加工された神経室上(on a nerve chamber machined from acrylic)に置かれた。該室はロブスター塩水溶液(lobster saline solution)で充たされた5つのウエル(wells)を有し、ウエル間で該神経は、ウエル間抵抗(inter−well resistance)を最大化するように、石油ゼリー(petroleum jelly)の絶縁層で囲まれた。刺激電極(stimulation electrodes)を通して該神経を刺激(excite)するために刺激アイソレーター(stimulus isolator)が0−10mAの可変振幅と1msの持続時間の電流パルスを供給する。該刺激アイソレータ−により供給される該電流は、該塩水を通しての並列導電性(parallel conductance)のために、該神経を通過する現実の電流より恐らく遙かに大きいだろう。該神経内で発生される複合活動電位は対の記録電極998a、998bにより検出され、利得104で増幅される。中央のウエル中では該神経は、それが塩水溶液内に沈まないように、小さなガラスプラットフオーム上に休んでいる。該神経は切断及びデータ収集中塩水で湿度を有するよう保たれている。
【0219】
図28Aと28Bは本発明の好ましい実施例による1つの試みについて電位と光学的に測定された神経の変位を図解する。電気信号での時刻ゼロでのスパイクは刺激のアーチフアクトによる。それに、該神経束内の多数の軸索の活動電位を説明する1連のピークが続く。光学的信号は、上方への面変位に対応する方向を有する、高さ約5nmのピークとFWHMの持続時間約10msを示す。該光学的信号は電気信号での多数のピークより寧ろ1つのピークを示し、これは該変位信号の単一位相的(monophasic)(1つの符号)性質に依る。該変位測定値の実効値ノイズ(rms noise)は1kHzバンド幅の間の約0.25nmであった。
【0220】
該変位は該神経用意品の約半分で観察され、5mA刺激について0から8nmまで振幅で変化した。その大きな変動は該神経自身と用意の手順での差を反映しているかも知れない。同様な変位振幅は蟹及びザリガニ(crayfish)の神経を使っても報告された。光学的レバーを使うロブスター神経スウェリング(nerve swelling)の最近の研究で、約10倍以下で小さい変位が観察された(about 〜10 times smaller displacement)が、それはその技術のアーテイフアクトを反映しているかも知れない。
【0221】
刺激電流による神経のオーミック加熱での熱的膨張の様なアーテイフアクトを制御するために、該刺激電流が変化した時の1つの神経のピーク電気信号と変位信号が測定された(図29で図解される様に)。該電気及び変位信号は殆ど同一のしきい値電流(約1.5
mA)と飽和電流(約5mA)を表し、観察された変位が活動電位に付随することを示唆する。対照的に、オーミック効果は電流への2次の依存と非飽和により特徴付けられるだろう。かくして、本発明の好ましい実施例は刺激のアーテイフアクトについて制御すべき神経変位の学習を提供する。好ましい実施例は神経スウェリングの最初の非接触及び最初の干渉計測定を行うためのヘテロダイン低コヒーレンス干渉計を含む。神経スウェリングの生物物理学的機構が画像形成され、本発明の好ましい実施例により個別軸索を解析した。該双ビーム低コヒーレンス干渉計は活きた細胞のナノメーター規模の運動の測定で多くの他の応用を有する。他の実施例は活動電位に付随した1つのニューロンの機械的変化を検出するために該干渉計に基づいた顕微鏡を含む。又関連した干渉計検査方法は培養された細胞単層(cultured cell monolayers)内の細胞容積変化を測定するため使われる。
【0222】
図30は本発明の好ましい実施例に依る双ビーム干渉計用走査システムの光学的レイアウトを図解する。モーター付きガルバノメーター上に設置されたミラー1024,1030が画像形成システムのフーリエ面(Fourier planes)に置かれ、そのビームが角度の変化無しにサンプルを横切るよう走査されることを可能にしている。該ミラーは約30Hz、振幅1−2度(サンプル上で50−100μm)で走査する。該ガルバノメーターはリサジュー(Lissajous)パターン1052でラスターされる(rastered)か又は走査されてもよい。
【0223】
図31は本発明の好ましい実施例に依るリサジュー走査を使って空のカバーガラスから集められたガルバノメーター位置と位相データを図解する。図の全体の場は約100μmである。垂直軸は測定された位相である。ノイズプロフアイルは1kHzに亘り約25mradである。
【0224】
図32Aと32Bは本発明の好ましい実施例の後方反射(backreflection)の位相画像及び輝度(振幅)画像のカラーマップを図解する。該ビーム走査データは空のカバーガラスから集められた。そのノイズプロフアイルは1kHzに亘り約25mradである。電力(Power)はそのビームが光軸から離れるよう動かされた時起こる誤整合(misalignment)とクリッピング(clipping)のために中央で最高である。その画像中の黒いドットはリサジューパターンが訪れなかった画素に対応する。
【0225】
図33は本発明の実施例により取り組まれた焦点合わせ問題を略図により図解する。細胞2002は双ビーム顕微鏡のガラスカバースリップ2004上に座している。実線は上ガラス面とセル上に焦点合わせされたビームを表す。点線は該ガラスの底面から反射されるビームを表す。位相基準干渉計検査システムは本発明の好ましい実施例の双ビーム干渉計検査であり、関心のあるサンプルから散乱される光の収集のみならず、該サンプルの前に配置された固定の基準化された面からの反射も要する。該サンプル及び基準の異なる軸方向位置は、特に高開口数光学システム(high numerical aperture optical system)用では、基準及びサンプルの両散乱の効率的同時収集に挑戦する。0.50の開口数を用いてサンプル及び基準の効率的光収集を可能にする様な、該焦点問題への2つの解が好ましい実施例のシステムにより提供される。第1には、2焦点レンズ(bifocal lens)システムが、該開口部(numerical aperture)を、2焦点光学要素の異なるカーブ部分を通過する周辺及び軸光線に分けることにより、該サンプル及び基準両面を同時に焦点へ持って来る。該2焦点要素は平面−凸面レンズ(plano−convex lens)の凸側内の中央領域を平らに磨くことにより作られ得る。該2焦点レンズを顕微鏡のフーリエ面の近くに位置付けることはサンプル画像形成用のミラーガルバノメーターを介したビーム走査を可能にする。
【0226】
図34は本発明の好ましい実施例の2焦点レンズ用の設計を図解する。該2焦点レンズを、対物レンズの後よりも寧ろ前に置くことの方が容易である。この実施例は並進の容易さを提供する。
【0227】
図35は本発明の好ましい実施例の2焦点レンズシステムのもう1つの設計を図解する。該2焦点レンズシステム2050は該画像形成システムのフーリエ面に、又はその近くに、該2焦点レンズを置くことによりビーム走査を可能にする。ビーム2068が軸ビーム(axial beam)である一方、ビーム2070が周辺ビーム(marginal beam)である。光学的特性はチルトされたビームを有する第1次に対し不変(invariant)である。
【0228】
図36は、対物レンズの後の2つの焦点の間の間隔が本発明の好ましい実施例によりδ=100μmに等しくなる様なレンズf3(2焦点)とf2の間の光学的距離の計算を図解する。該光学的設計はレイトレーシング(ray tracing)により提供される。
【0229】
図37は本発明の好ましい実施例の2焦点レンズの製造を図解する。該2焦点レンズは平面−凸面レンズの中央部分をフラットに磨くことにより作られ得る。ガラスの非常に小さい厚さが除かれる(約2−10μm)。信号及び基準の間の路長差の小さな変化がもたらされる。
【0230】
図38は、対物レンズが本発明の好ましい実施例によりガラスカバースリップの方へ走査された時、光学的サーキュレーターを通して測定された後方反射された輝度を図解する。後面及び前面からの反射は約100μmだけ分離される。重なり合いは無く、かくして干渉は無い。
【0231】
図39は、本発明の好ましい実施例により、ミラーからの1つの反射を有する2焦点レンズについて対物レンズ焦点位置に対する後方反射される輝度を図解している。2焦点レンズf3を使うと、ミラーからの1つのピークは(該対物レンズ位置が走査された時)、異なる対物レンズ焦点位置でのミラーに焦点合わせされた軸及び周辺ビームに対応する2つに分かれる。ピーク間の間隔はレンズf2とf3の間の距離に依る。この実施例では、その間隔は約100μmである。
【0232】
図40は本発明の好ましい実施例による両カバーガラス反射を有する2焦点レンズを用いて、対物レンズ焦点位置対後方反射輝度を図解する。この図は2つの前の図を一緒に描いており、4つの主要ピークと幾つかのより小さいピークを提供する。
【0233】
図41はf2とf3の間の距離が前と後のガラス面の間の間隔とマッチするよう調整された時、本発明の好ましい実施例の、対物レンズ焦点位置対後方反射輝度を図解する。周辺光線は、軸光線が前面上で焦点合わせされる同じ位置で、後面上に焦点合わせされる。これは中央に見られる大きなピークを提供する。
【0234】
図42は本発明の好ましい実施例により軸及び周辺ビームの結合(coupling)により生じる特別に小さいピーク(extra small peaks)を図解する。これらの特別のピークは、該2つのピーク間の丁度中途(exactly halfway)で起こる、軸から周辺ビームへの結合により説明される。該特別のピークの振幅は光学的整合に高度に左右され、該光学システムの精細な調整により最小化され得て、好ましくは除去されるのがよい。
【0235】
図43Aは本発明の好ましい実施例により基準面を一体型要素として有する双ビームプローブを図解する。該プローブはフアイバーコリメーター2382と段階的屈折率保有(graded index)(GRIN)レンズ2390から成る。該GRINレンズのコートされない背面は基準反射を提供する。別の基準面を要しないので、該プローブは生体内適用に良く適している。該プローブは、2次元位相画像形成又は3次元共焦点位相画像形成を行うために高速走査ピエゾ並進器(fast scanning piezo translator)上に設置されてもよい。この実施例は変位測定用に使い易い予め整合されたフアイバープローブを提供する。該プローブは約0.4−0.5の範囲の高い開口数(numerical aperture)(NA)を有し、それは散乱面からの効率的な光集めを提供する。該一体型基準面は焦点の深さによる課題を解決する。この好ましい実施例のプローブは複雑な光学機器の集まりを置き換え、体内使用に好適である。
【0236】
図43Bには光フアイバー双ビーム干渉計プローブのもう1つの好ましい実施例2381が図解されている。この実施例では、基準反射は該光フアイバーの切り裂かれた端部(cleaved end)2385により提供される。この例では、該端部2385は該フアイバー軸に対し直角に磨かれる。該フアイバー2383はハウジング2387に挿入されたガラスのフエルール(ferrule)2389内に設置される。該フアイバー端2385により放射された光は段階的屈折率保有(GRIN)レンズにより焦点合わせされるが、該レンズはこの例では約0.29又は0.3のピッチを有する。該フアイバーは該フアイバー(NA=0.13)とGRINレンズ(NA=0.50)の開口数にマッチするよう3.5に概略等しい拡大率Mに整合される。該ビームは、この例では該プローブの遠位の面から約300μmにあるサンプルの所の焦点に来る。
【0237】
図43Cはラットの海馬の培養(rat hippocampal culture)からの2つの神経繊維{軸索(axons)又は樹状突起(dendrites)}の明視野顕微鏡画像(brightfield microscope image)である。図43Dは、サンプル走査2焦点双ビーム顕微鏡を使った測定された位置の関数としてのヘテロダイン信号振幅の表現である。
【0238】
図43Eは図43Dで見られたと同じサンプルの反射位相画像である。
【0239】
図44は、本発明の好ましい実施例の、活動電位中に神経内で観察される変位効果の形状を調査するために適用される双ビームプローブの略図による図解2400である。該プローブの角度を変えることにより、種々の方向での変位が測定され得る。
【0240】
図45は、本発明の好ましい実施例のプローブか又はサンプルか何れかを走査することによる画像形成用に使われ得る双ビームプローブシステムを図解する。該プローブの走査はサンプル移動によるアーテイフアクトの導入を避けるために好ましい。該プローブはその軽い重量(約2−3グラム)のために非常に速く(約1kHz)走査され得る。その基準面が該プローブに一体なので、(輝度及び位相の両者の)3次元共焦点画像形成(three−dimensional confocal imaging)が可能である。図解された双ビームプローブシステムは透過又は反射を測定出来る。好ましい実施例は、対物レンズからサンプルまでの距離が高度に安定な走査双ビームプローブ顕微鏡を有する。
【0241】
図46A−46Cは、本発明の好ましい実施例による2焦点双ビーム顕微鏡を使って反射防止コートされたガラスカバースリップ上に置かれた乾燥した人の頬の上皮細胞の輝度画像、後方散乱光の測定された位相画像及び明視野画像をそれぞれ図解する。該画像はモーター付き並進器で顕微鏡ステージを走査することにより発生される。図46Aと46Bの画像(視野は水平方向130μm×垂直方向110μm、走査は100×100画素である)はヘテロダイン信号の振幅及び位相をそれぞれ表示する。図46Cは同じ頬細胞の明視野画像(視野は約60μm×40μm)である。該位相画像は1より小さい波のコントラストを表示する。これはガラス基盤との接触のために殆ど平坦な該細胞の下面のトポグラフイー(topography)を反映する。
【0242】
図46D−46Gは図43で図解された双ビーム顕微鏡の粗面計測能力(profilometry)を図解し、25mmの焦点長さ平面−凸面レンズの凹側がカバースリップ上に置かれ、該カバースリップの頂部は図46Eで示す様に1.5μm波長で反射防止コートされている。図46Dは該レンズの中央部分の輝度画像を図解する。図46Fは反射光の位相マップである。図46Gは位相画像の断面を図解し、位相はラップされず、方形の嵌合を有する(with quadratic fit)。第2次の項の係数は11.7mmの曲率の半径と対応し、レンズ面の既知の曲率と一貫性がある。輝度及び位相画像内で外にある点(outlying points)はダスト粒子又はレンズ上のピット(pits)のためである。
【0243】
図47A−47Eは、本発明の好ましい実施例による、干渉記録(interferogram)の略図的線図と、位相の段階的処理(phase stepping)(図47B−47C)及びバケット積分(bucket integration)(図47D−47E)の様なフレームを集める種々の方法と、を含む位相シフト干渉計検査の原理を図解する。該方法は位相を変調する過程と、3つのフレームの最小値を記録する過程(recording a minimum of three frames)とそして光学的位相変位を計算する過程とを有する。
【0244】
図48A−48Cは本発明の好ましい実施例によるストロボスコープ的ヘテロダイン干渉計検査システムの原理を図解する。このシステムは、バケットスイッチングが、非常にゆっくりした位相ノイズを与えるよう相関を付けられたノイズ基準のヘテロダイン信号を参照することを除けば、バケット積分と同様な連続位相ランピング(continuous phase ramping)に帰着する音響−光学的変調を有する。対照的に、ストロボスコープ的ヘテロダイン干渉計は機械的ミラー変位による停止が無いので連続的測定を提供する。
【0245】
図49は本発明の好ましい実施例によるストロボスコープ的双ビームヘテロダイン干渉計2570の略図を図解する。双ビーム干渉計からの光はコリーメートされ、電気−光学的偏波変調器(electro−optic polarization modulator)2594に入る。光はビームスプリッター2582から反射し、望遠鏡構成の2つのレンズ2580,2576(fとf、すなわち対物レンズと)を通過し、そしてコリメートされたビームとしてサンプルを照明する。サンプル、例えば、細胞2573から及びカバースリップの後面から、後方反射された光は該対物レンズ及びfによりCCD2586上に集められる。該レンズfは該CCDから1焦点長さ離れるようそしてそのフーリエ面(FP)2578から1焦点長さ離れるよう整合される。該対物レンズf2576は同様に該フーリエ面から1焦点長さそして該サンプルから1焦点長さにある。該CCDの前の偏光子2584と組み合わされた電気−光学的偏波変調器は高速光学的スイッチとして作用する。該電気−光学的偏波変調器は、該双ビーム干渉計に於ける様に、基準ギャップからのヘテロダイン信号である、基準信号の或る位相によりゲートされる。好ましい実施例では820nmSLDが使われる。サンプル2573上の該光はコリメートされており、かくしてどんな焦点問題も排除する。
【0246】
図49Bと49Cは本発明の好ましい実施例により、静止ガラス面上に焦点合わせされた図43で図解した双ビームプローブについて位相ノイズを示すデータを図解する。
【0247】
図26に関連して示され、説明されたシステムは、典型的例で約100μmだけ軸方向に分離された反射面とサンプル上に光を焦点合わせするよう試みる挑戦を提示する。開口数>0.1の場合、これは場の深さより遙かに大きい。この課題に取り組むために2焦点光学システムか又はプローブ設計か何れかを変えることは可能であるが、しかしながら、該2焦点光学システムは高い開口数対物レンズに於いてはより悪い低収集効率を有するのが典型的であり、該レンズの軸から離れた部分(off axis portion of the lens)からの回折はフリンジング効果(fringing effects)を創り得る。プローブ設計は、基準面がサンプルから分離され、開口数が該GRINレンズで0.5に限定される事実により制限される。
【0248】
図50Aにはシステム2700が図解されているが、そこでは2つの通路からの光が、該光がサンプル上に向けられる前に共通路に沿うよう組み合わされる。通路1からの光は面1上に焦点合わせされ、通路2からの光は面2上に焦点合わせされる。この特徴を組み込んだ干渉計は図50Bの双ビームシステム2800内で示される。該システム2800は光源2801,2つの移動反射器2803,2805そして両通路からの光をサンプル2807の面と基準2809の面上に導く、偏波ビームスプリッター2811を有する。偏波成分の方向は図50Cで明らかに示される。該干渉計の各アームは1つの面上に導かれる。その結果光はより効率的に使われる。ビームは2焦点レンズからのエッジ効果無しに別々に焦点合わせされる。開口数での結果的トレードオフは無く、該システムは、オプションとしての光源からを除けば、光フアイバー結合用のニーヅ無しで自由空間内で構成され得る。これは光収集効率を改善出来る。
【0249】
空間的光変調を使う定量的位相顕微鏡検査(Quantitative Phase Microscopy Using Spatial Light Modulation)
もう1つの側面では、本発明は、位相差顕微鏡検査と位相シフト干渉計検査を組み合わせた顕微鏡検査のシステムと方法を提供する。本発明のシステムと方法は透過構造と反射構造とに適用出来る。種々の実施例では、該方法とシステムは種々の空間周波数の波用に共通光路を使用し、サンプル上の同じ点で発する種々の空間周波数の波の間の位相をシフトする。
【0250】
光学的場の位相は多くの応用で必要な波長以下の精度を提供するために多年使われて来た。例えば、本来弱い散乱体(scatterers)である生物学的システムは位相差顕微鏡の原理を使って可視化された。干渉計検査は該位相情報にアクセスする1つの方法であり、従って、種々の干渉計検査技術が標本に付随する位相を検索する目的で過去多年に亘り開発されて来た。位相差顕微鏡検査及びノマルスキー顕微鏡検査(phase contrast and Nomarski microscopy)の様な技術は、非常に有用でポピュラーな方法であるが、光学的位相を単に造影剤(contrast agent)として使うだけで、その大きさについての定量的情報を提供しない。
【0251】
他方、位相シフト技術は定量的仕方で位相情報を決定出来て、種々の干渉計的スキームが過去数十年に亘り提案されて来た。偏光光学に基づく差動位相コントラスト技術は普通の光学的コヒーレンストモグラフイー(common optical coherence tomography)にインターフエースして来た。位相シフト干渉計検査の特別な場合としての、バケット積分技術は又2次元位相画像形成用に使われて来た。しかしながら、大抵のこれらの干渉計はそれらを非相関性環境ノイズ(uncorrelated environmental noise)に感受性にする2つの物理的に分離したビームを創る必要がる。この問題は屡々該ノイズを能動的に打ち消す特定の対策を要する。この目的でフエーズロックループ(phase lock loops)が使われて来た。必要なものは干渉計の信号から非相関性ノイズを減じるか又は除去する顕微鏡システムと方法である。
【0252】
本発明のシステムと方法は、共通光路を使ってサンプルから発する光の種々の空間周波数を干渉させる。種々の実施例では、本発明は、非相関性環境位相ノイズ(uncorrelated environmental phase noise)から実質的に自由なサンプルの位相画像を提供するシステムと方法を提供する。加えて、好ましい実施例では、本発明の方法は低コヒーレンス照明源が使われた時例え位相特異性(phase sigularities)の存在下でも位相画像を得ることが出来る。
【0253】
種々の好ましい実施例で、本発明は環境位相ノイズに感応性でなく、任意の露出時間に亘り高度に精密で安定な位相情報を提供出来る機器を提供する。種々の実施例では、本発明は画像の干渉パターンとしての記述に基づく。この様な記述の1例はアッベの画像形成理論(Abbe’s imaging theory)である。画像面内の各点は光軸に対して種々の角度で伝播する波の重畳(superposition)(干渉)と考えられる。もし我々がサンプルからの0次の散乱を、干渉計の基準として、考えるなら、その画像は該0次の場と光軸を離れるよう進む場との間の干渉として見られる。
【0254】
図51A−51Dは画像のこの様な記述の種々の特徴の略図表現である。図51Aは高い空間周波成分1104と0次成分1106とにより創られる干渉パターン1102の略図表現1100である。図51Bは低周波成分1114と0次成分1106とにより創られる干渉パターン1112の略図表現1110である。図51Cは画像面1126に於けるより広い空間周波ビーム1124の重畳により創られる回折スポット1122の略図表現1120である。図51Dは画像面1126に於けるより狭い空間的スペクトラム1134により発生されるより広い回折スポット1132の略図表現1130である。加えて、例えば、該0次及びより高次の成分はDC成分及びAC成分として考えられ得る。
【0255】
画像形成面内の電子的場の振幅と画像面内の輝度は下記の様に表され得て、
【0256】
【数34】

【0257】
ここでEimageは該画像形成面上の点での該光の電場の振幅を表し、ψは該光の位相を表し、そしてIimageは該画像形成面上の点での該光の輝度を表し、そしてここで添え字0と1は、それぞれ、例えば、式50−56の0次成分及びより高次の成分を表し、単位振幅(unitary amplitude)が考えられている。式51は、該サンプルを跨ぐπに比較して小さい位相の変動、Δψ=ψ−ψ、については画像面内の輝度はゆっくり変わり、それは該画像がコントラストに欠けると言うことに等価である、ことを図解する。しかしながら、該0次の位相ψ0をπ/2だけシフトすることにより、画像輝度分布は下記で表され得る。
【0258】
【数35】

【0259】
式52は、今度は該画像面内の輝度は値Δψ=0付近では非常に敏感であり、それは、例え純粋に位相対象についても、その画像が可成りのコントラストを表すと言うことと等価なことを図解する。
【0260】
輝度コントラストを改良することに加えて、0次光成分の位相をシフトすることは又対象の位相分布について定量的情報を提供し得る。例えば、制御可能に変更可能な量δだけ該ゼロ周波数成分の位相をシフトすることを考える。該画像面内の何等かの点(x、y)での合計電場E(x、y)imageと輝度Iimage(x、y;δ)は、該0次場が該画像面上で一定であることを考えて、下記で表され得るが、
【0261】
【数36】

【0262】
ここでIは該低周波成分に付随する輝度、Iは該高周波成分に付随する輝度である。
【0263】
ここで、我々はサンプルから来る光の次数(order)を一般的に引用する。しかしながら、SLMが使われる時、実際は、サンプルから来る光の0次成分の位相のみを制御可能にシフトすることは非常に難しい。従って、好ましい実施例では、我々は、全て0次光を含む低周波空間成分の位相をシフトする。従って、本発明のシステムと方法は、0次成分のみの位相をシフトすることにより実施されること、そして他の次数の位相は要しないことは理解されるべきである。
【0264】
δを変えることにより、Δψ(x、y)=ψ(x、y)−ψを得ることが出来て、その表現は下記である。
【0265】
【数37】

【0266】
サンプルψに付随する位相は、例えば、合計電場E(x、y)の位相表現を使い、式53と54を使って得られる。対象に付随する位相は下記で表され得る。
【0267】
【数38】

【0268】
式56で、β=I/Iであり、それはそれぞれ高及び低空間周波成分に付随する輝度間の比を表す。βの値は、例えば、δの4つの値でのIimage(x、y;δ)から得られる。
【0269】
種々の実施例では、本発明のシステムと方法は該顕微鏡検査システム用の透過構造に基づく。図52は透過構造に基づく本発明による顕微鏡検査システム1200の1実施例を略図により図解する。図52を参照すると、1対のレンズ、対物レンズ1204とチューブレンズ1206が透過構造で画像面P1212にサンプル1210の画像を形成する。該レンズL1214は該画像のフーリエ変換を空間的光変調器(SLM)1216上に形成するため使われる。該SLM1216上の中央領域1217は、該SLMの残りに比して、制御可能な位相シフトδを入射ビーム1220の中央ゾーン1218に適用し、該全入射ビーム1220を反射する。該入射ビーム1220の該中央ゾーンは、該ビームの内方の境界1222により描かれた、低空間周波波(low spatial frequency waves)に対応する。外方境界は高周波数ビーム成分の通路1224を図解し、該低周波数及び高周波数の両ビーム成分の発散(divergence)は可視化目的で誇張されている。レンズL1214は又4fシステムの第2レンズとして役立ち、例えば、ビームスプリッターBS1232を使って、例えば、電荷結合デバイス(CCD)の様な、検出器1230上に最終画像を創る。
【0270】
幅広い種類のデバイスが該SLMを制御するため使われ得て、サンプルの画像を取得する。例えば、種々の実施例では、コンピュータ1250は該SLM1216の変調を制御し、δをπ/2だけインクレメントし、又好ましくは該検出器1230の画像取得を同期させるのがよい。式55の演算は実時間で行われ得て、かくして表示される位相画像の速度は好ましい実施例では該検出器1230の取得時間と該SLM1216のレフレッシュ速度に依ってのみ限定される。
【0271】
広い種類の照明モードと照明源とが本発明の透過構造用の照明1260を提供するため使われ得る。該照明は明るいか又は暗いか何れかの場のモードで行われ得る。加えて、使われる光源のコヒーレンス特性に関し特定の要求は無い。本発明のシステムと方法はレーザー光、部分的にコヒーレントな放射、又は例えば、放電ランプからの様な、“白色(white)”光を使うことが出来る。該照明源は、しかしながら、良い空間的コヒーレンスを有すべきである。
【0272】
図52で図解する様に、干渉する低周波及び高周波の場は同じビームの成分であり、かくして共通の光路を共有する。該低周波及び高周波成分はかくして位相ノイズにより同様な仕方で影響されそして本発明のシステムの種々の実施例は光学的にノイズフリーの定量的位相顕微鏡と考えることが出来る。例えば、種々の実施例では、取得の任意の時間規模に亘りλ/1、000の位相感度が可能である。
【0273】
種々の実施例では、本発明のシステムと方法は顕微鏡検査システム用の反射構造に基づく。透過及び反射構造の間の差は照明構造にある。透過構造は反射構造に変換され得る。
【0274】
図53は反射構造に基づく本発明の顕微鏡検査システム1300の1実施例を略図により図解する。該低周波及び高周波成分の通路の外方境界は明確なので図53では図解されてない。加えて、図53での光ビームの発散は可視化目的で誇張されている。種々の実施例では、ビームスプリッターBS1301は第2照明源1302が該システム内に結合されることを可能にし、照明1303を提供する。1実施例では、該第2照明源はスーパールミネッセントダイオード(SLD)を有する。例えば、SLDの様な低コヒーレンス源がその光路内の種々のインターフエースでの反射による干渉を避けることが望ましい。
【0275】
図53を参照すると、1対のレンズ、対物レンズ1304とチューブレンズ1306がサンプル1310を画像面P1312上へ画像形成する。該レンズL1314は空間光変調器(SLM)1316上へのその画像のフーリエ変換を形成するため使われ得る。
該SLM1316上の中央領域1317は、該SLMの残りに比して、制御可能な位相シフトδを入射ビーム1320の中央ゾーン1318へ適用し、該全入射ビーム1320を反射する。該入射ビーム1320の該中央ゾーン1318は低空間周波の波に対応する。又該レンズL1314は4−fシステムの第2レンズとして役立ち、ビームスプリッターBS1332を使って、例えば、CCDの様な検出器1330上に最終画像を創る。
【0276】
広い種類のデバイスが該SLMを制御し、サンプルの画像を取得するため使われ得る。例えば、種々の実施例では、コンピュータ1350はδをπ/2だけインクレメントして該SLM1316の変調を制御し、又好ましくは検出器1330の画像取得を同期させるのがよい。式55の演算は実時間で行われ、かくして好ましい実施例での表示される位相画像の速度は検出器1330の取得時間と該SLM1316のレフレッシュ速度(refreshing rate)によってのみ制限される。
【0277】
本発明の好ましい実施例の反射構造も又、例えば透過構造で使われる様な照明1360を有することが出来る。好適な透過照明モードは明るい場と暗い場のモードを含むが、それに限定されない。本発明の透過構造に於ける様に、使われる照明源のコヒーレンス特性への特定の要求は無い。本発明のシステムと方法はレーザー光、部分的にコヒーレントな放射、又は例えば放電ランプ(discharge lamp)からの様な、“白色(white)”光を使うことが出来る。しかしながら、該照明ソースは良い空間コヒーレンスを有すべきである。
【0278】
本発明の反射構造では、干渉する低周波及び高周波場も又同じビームの成分であり、かくして共通の光路を共有する。該低周波及び高周波成分はかくして位相ノイズにより同様な仕方で影響され、本発明のシステムの種々の実施例は光学的にノイズフリーの定量的位相顕微鏡(optically noise−free quantitative phase microscope)と考えることが出来る。例えば、種々の実施例では、λ/1、000の位相感度が取得する任意の時間規模に亘り可能である。
【0279】
種々の実施例では、本発明は画像形成モジュールと位相画像形成モジュールを有する空間的光変調を利用する位相差顕微鏡検査システムを提供する。該画像形成及び位相画像形成モジュールは、例えば、独立に作られ得て、現在の光学顕微鏡内でのそれらの使用を実現する。
【0280】
集めて図54と呼ばれる、図54A及び54Bは本発明を光学的顕微鏡と集積化する1実施例1400を略図により図解する。低周波及び高周波成分の通路の外方境界は明らかなので図54内では図解されない。加えて、図54での光学ビームの発散は可視化の目的で誇張されている。位相画像形成ヘッド1450は、例えば、顕微鏡のビデオ出力を使って、光学的顕微鏡1410とインタフエースされることが可能である。該光学顕微鏡1410はレンズL1412とL1414の対及びミラー1416を有し、それらはサンプル1420からの光を顕微鏡のビデオ出力へ操向することが出来る。典型的に、その光の1部分はビームスプリッター1424により接眼レンズ1426へ向けられ、該レンズは人の目1430による視認用に光を焦点合わせする。
【0281】
該位相画像形成ヘッド1450は空間光変調器(SLM)1456上への該画像のフーリエ変換を形成するために使われるレンズL1454を有する。該SLM1456の中央領域は、該SLMの残りに比して、入射ビーム1460の中央ゾーンへ制御可能な位相シフトδを適用することが出来て、そして全入射ビーム1460を反射する。該入射ビーム1460の該中央ゾーンは低空間周波の波に対応する。又レンズL1454は4−fシステムの第2レンズとして役立ち、ビームスプリッターBS1472を使って、例えばCCDの様な検出器1470上に最終画像を創る。
【0282】
該SLMの制御とサンプルの画像の取得は、例えば、コンピュータ1480を使って達成され得るが、該コンピュータはδをπ/2だけインクレメントして該SLM1456の変調を制御し、又好ましくは該検出器1470の画像取得を同期化させるのがよい。該コンピュータは、例えば、位相画像形成ヘッドを備えたスタンドアロンコンピュータ(stand alone computor)とするか又は該“コンピュータ”は該顕微鏡に付随するコンピュータ上に定在する、本発明のインストラクションを含むことが出来る。式55の演算は実時間で行われ、かくして表示される位相画像の速度は、好ましい実施例では、該検出器1470の取得時間と該SLM1456のレフレッシュ速度によってのみ制限される。
【0283】
種々の実施例では、本発明のシステムの横分解能(transverse resolution)は4−fシステムの追加により改良される。4−fシステムは透過及び反射の両構造で使われ得る。加えて、4−fシステムは校正システムを含むシステムで使用出来る。4−fシステムは画像上で行われる他のフーリエ演算を利用することを実現する。
【0284】
図55は4−fシステムを利用する本発明のシステム1500と方法の1実施例を略図により図解する。該4−fシステムはレンズL1504とL1506の対を有し、空間フイルター、F、1508を含むことが出来る。該空間フイルター、F、1508は個別空間周波数(individual spatial frequencies)の振幅の制御を提供する。本発明のSLMにより提供される位相制御と組み合わせて、この様な振幅制御は、該高周波成分の増強がコントラストを改善出来るので、例えば、細胞内部の小さい細胞器官(small organelles inside a cell)を調べることを容易化する。空間フイルターFは或る空間周波を好ましく減衰させることが出来る他の応用品が予想(envisioned)される。
【0285】
4−fシステムは本発明の種々の透過構造実施例及び本発明の反射構造実施例の両者に付加されることが出来る。反射源(reflection source)(例えば、図53の第2照明源1302の様な)は、提供された本発明の開示を使って当業者により本発明の図55の実施例に容易に付加され得る。
【0286】
空間光変調を利用した位相差顕微鏡技術用のシステムと方法は広い種類の応用を有する。これらのシステムと方法は、例えば、μm及びnm規模の構造を画像形成するため使われ得る。重要な種類の応用は、細胞間(inter−cellular)及び細胞内(intra−cellular)の組織(organization)、ダイナミックス及び挙動(behavior)の調査(investigation)に存在する。低及び高周波の両成分用に共通光路を使うことにより提供される安定性と、透過及び後方散乱モードで測定を行う能力と、は本発明の種々の好ましい実施例を、2,3時間から数日の、延長された時間間隔に亘り、1つの細胞及び細胞の総体(ensembles)を調べるのに好適にする。かくして、種々の実施例では、本発明の好ましい実施例により提供される位相画像形成は、例えば、有糸分裂(mitosis)から細胞死(cell death)までの、ライフサイクル中に、活きた細胞の寸法と形状での変換(transformation)、の様な細胞のゆっくりした動力学的過程(slow dynamical processes)に関する情報を提供するため使われ得る。
【0287】
種々の好ましい実施例では、本発明の方法とシステムは、分割後の細胞分離の過程(process of cell separation after division)をナノメーターの精度で調べ、細胞膜(cell membrane)の寸法、特性又は両者についての情報を提供するため使われる。最近特に注目を受けた現象はプログラム化された細胞死(programmed cell death)−枯死(apopto
sis)である。枯死が種々の好ましい実施例で実験室内で制御され得ると仮定すると、本発明の方法とシステムはこの過程中の細胞内に誘起される変換を調べるため使われる。種々の好ましい実施例では、本発明の方法とシステムは種々の細胞{例えば、癌性(cancerous)対正常(normal)}のライフサイクル中の差を調べ、検出するため使われる。
【0288】
細胞の合流する層(confluent layers of cells)は、集合的で機械的な動作に導き得る相互作用を或る程度有すると期待される。種々の好ましい実施例で、本発明の方法とシステムは、例えば、本発明により得られた位相画像の異なる点間の相互相関関係を求める(performing cross correlations)ことによりこの相互作用(mutual interaction)を調べるために使われる。
【0289】
本発明の好ましい実施例により提供される位相画像形成は又、例えば、刺激(stimuli)への応答の様な、細胞の速い動力学的過程(fast dynamical processes)について情報を提供するため使われ得る。例えば、細胞容積調整(cell volume regulation)の様な過程は生物化学的刺激への活きた細胞の応答である。この応答用の時間的尺度はミリ秒から分までのどこかにあってもよく、本発明のシステムと方法の好ましい実施例を用いて高精度で測定可能であるべきである。種々の好ましい実施例では、本発明の方法とシステムは生物化学的刺激への細胞の応答を調べ、該細胞構造{例えば、細胞骨格(cytoskeleton)}の機械的特性を測定するため使われる。
【0290】
種々の好ましい実施例では、本発明の方法とシステムは、例えば、細胞内部の細胞器官輸送(organelle transport inside the cell)の現象の理解にみならず、人工バイオ材料(artificial biomaterials)の創生に於いても、重要な意味を有する細胞構造情報を調べるため使われる。種々の好ましい実施例では、本発明の方法とシステムは、例えば、それらを該細胞及び細胞物質の機械的特性と関係付けるために、例えば、該細胞膜を刺激するために機械的振動を使いそして該細胞膜の振動の振幅を測定することにより、細胞構造を調べるために使われる。伝統的に、この運動を励起するために磁性の又はトラップされたビーヅ(magnetic or trapped beads)が使われる。種々の好ましい実施例では、本発明の方法とシステムは、機械的振動を励起するための磁性又はトラップされたビーヅ、機械的励起(mechanical excitatoin)を引き起こすための10−15秒のレーザーパルスの光子圧力(photon pressure of a femtosecond laser pulse)、又は両者、を使って細胞構造を調べるために使われる。
【0291】
1つの重要な種類の応用は、細胞器官(cell organelles)の細胞内組織とダイナミックスの調査である。種々の好ましい実施例では、本発明の方法とシステムは細胞内部の種々の粒子の輸送を調べるために使用される。
【0292】
生物学的調査の多様性に加えて、本発明の好ましい実施例は、例えば、半導体ナノ構造(semiconductor nano−structures)の調査の様な、工業的応用に好適である。半導体産業はナノ加工過程(nano−fabrication process)中でのウエーハ品質の速く、高信頼性の評価に欠ける。種々の実施例では、本発明の方法とシステムは、例えば、定量的な仕方で、半導体構造についてのナノメーター規模の情報を提供するため使われる。好ましい実施例では、ナノメーター規模の情報が約1秒の桁の測定(a measurement on the order of a second)で提供される。
【0293】
図56は本発明により空間光変調(SLM)を利用する位相差顕微鏡検査システム1600の1実施例を図解する。1600で図解される該システムは反射構造及び透過構造の両者を使うことが出来る。加えて、該システムは校正サブシステムを備える。
【0294】
図56を参照すると、1対のレンズ、対物レンズL1607とチューブレンズL1606がミラー1613を使ってサンプル1610を面P1612に画像形成する。該画像形成は、例えば、光フアイバーカップラー(FC)1614と第1光フアイバー1616とを通して第1照明源1620{ここではヘリウムネオン(HeNe)レーザー源として図解される}からの光を該サンプル1610へ結合することにより透過構造を使って行われ得る。該画像形成は又、例えば、該エフシー1614と第2光フアイバー1622を通して、第2照明源1624からの光を結合し、該第2照明源1624(ここではSLDとして図解される)から該サンプル1610上へ光を導くよう第1ビームスプリッター1626を使うことにより反射構造を使って行われ得る。
【0295】
レンズL1630は該画像のフーリエ変換を第1空間光変調器(SLM)1632上へ形成するよう使われる。該SLM1632は制御可能な位相シフトδを該入射ビーム1634の中央ゾーンに適用するよう使われる。1実施例では、該レンズL1630は第2ビームスプリッター1638を使って最終画像を第1検出器1636(ここではCCDとして図解される)上に創る4−fシステムの第2レンズとして役立つ。1実施例では、図56に図解されるシステムは更に、例えば、図49に略図により図解された様な第2の4−fシステムを含む。図56の該システムは又該SLMの校正用に校正サブシステムを有する。校正光の通路は波線1640で略図により図解され、一方照明光と画像形成される光の通路は実線1642により略図式に図解されている。該校正サブシステムは、レンズL1652とL1654の対を使って第1ビームスプリッター1626からの光の1部分を集め、該光を偏光子P1656を通すが、該偏光子は該SLM動作を位相モードと振幅モードの間でスイッチするよう使われ得る。校正用には、該SLM1658は0から2πまでの位相シフトを通して振幅モードで走査され、最終の位相シフトされた光はそれが該偏光子を通って戻る時減衰させられる。次いでこの光はレンズL6を通して集められ、検出器1664上に焦点合わせされる。
【0296】
種々のデバイスと計画が図56のシステムを制御し、位相画像を校正するため使われ得る。1実施例では、第1制御ユニットPC1670が該第1検出器1636による画像取得で使われ、第2制御ユニットPC1672が、第1及び第2SLM1632,1658を制御し、オッシロスコープ1674を通して該検出器1664からデータを集めるために、使われる。該制御ユニットPC,PCは別々のユニット又は1つのユニットとすることが出来る。例えば、PCとPCは別々のコンピュータ又は同じコンピュータとすることが出来て、該制御ユニットは該制御ユニットの機能を行うよう適合されたアナログ及び/又はデジタル回路を含むことが出来る。
【0297】
種々の実施例では、本発明のシステムと方法は、例えば、マイクロレンズ(microlens)を使うダイナミックフォーカス(dynamic focus)を有する。種々の実施例では、本発明のシステムと方法は、例えば、サンプル上の2つ以上の点を同時に画像形成するためにパラレルフォーカス(parallel focus)を有する。種々の実施例では、本発明のシステムと方法は、例えば、深度で幾つかの点に同時にアクセスするためにコヒーレンス機能シェーピング(coherence function shaping)を有する。
【0298】
空間光変調を利用する本発明の位相差顕微鏡検査システムは2つのモードで動作し得る。以下で“振幅モード(amplitude mode)”と称される第1モードでは、フーリエフイルタリング(Fourier filtering)が得られ、校正が行われる。以下“位相モード(phase mode)”と称される第2モードでは、光の波頭(wavefronts of the light)が再生(reconstructed)され、位相画像形成が行われる。
【0299】
種々の実施例の該“位相モード”では、該SLMの前には偏光子は無くて、光は該SLMの高速軸(fast axis)と整合される。入射光は、例えば、該SLM上のアドレスされた値により位相シフトされる。
【0300】
該“振幅モード”では、偏光子が該SLMの前に置かれる。該SLMへの入射光は位相シフト(例えば、該“位相モード”に於ける様に)され、該偏波は回転される。該光が該SLMから反射されると、それは該偏光子を通って戻り、該信号は減衰させられる。従って、該SLM位相シフトに基づき振幅の校正された減少がある。
【0301】
図57Aと57Bは振幅モード1700と位相モード1750での画像の画素上への電気光学的効果を略図により図解するが、そこではEiの1702,1752は入射波頭の電場の投影であり、s軸1704,1754は該SLMの低速軸(slow axis)であり、f軸1706,1756は該SLMの高速軸(fast axis)である。
【0302】
図58A−58CはSLMモードの動作の種々の実施例のブロック線図1800,1850,1855である。図58Aは位相画像形成用のセットアップの普通の動作モードを図解し、そのSLM動作を描く。RGB1802は該SLMを制御する制御ユニット、例えば、コンピュータ、により得られるグレイスケール値(gray scale value)である(RGB対ψは校正で決定される)。RGBは電圧に変換され、該SLM1804上の画素へアドレスするため使われる。入射光1806に位相シフトを与えるために、その電圧が、例えば、該SLM上の液晶に印加される。校正は振幅モードで得られる。図58Bは校正で起こる変換を図解する。輝度は、例えば、光検出器の様な、検出器1852を使ってグレイスケール画像の関数として取得される。グレイスケール画像の関数としての輝度は次いでグレイスケール1854の関数としての位相に変換される。図58Cは制御−位相モード(control−phase mode)を図解し、如何に、種々の実施例で、該校正値ψ(グレイスケール)がSLM制御と該SLMにより誘導される物理的位相シフトとの間の関係に変えられるかを図解する。これから、例えば、機器用ルックアップ校正テーブルを創ることが出来る。グレイスケールの関数としての位相は次いでグレイスケール画像1856(例えば、コンピュータ上の表示のために)を発生するよう使われ、該SLMにより引き起こされた位相シフト1858と組み合わされる。
【0303】
図59は振幅モードで操作される機器用に得られた校正曲線1900の例である。該校正曲線1900は、ラディアンの単位での位相シフト対該RGB値の単位でのグレイスケール1904をプロットする。得られた最終曲線1906は校正ルックアップテーブルのフオーマットで該SLMのコンピュータ制御と該SLMにより誘起される物理的位相シフトとの関係を示す。図59は校正ルックアップテーブルとして役立つ。該曲線1906内のカットオフ1908は該位相のラッピング(wrapping)である。

本発明の透過構造が使われた例が提供されそして本発明の反射構造が使われた例が提供される。例えば、図62−66Bに現れる回転のラップされない表記は2π曖昧性が除去されたことを示す。
例1:校正されたサンプルの位相画像形成(Phase Imaging of a Calibrated Samples)
この例では、良く校正されたサンプルが調べられ、本発明がナノメーター(nm)規模で定量的情報を提供できることを図解する。該サンプルはガラス基盤上への金属蒸着から
成り、続いてエッチングが行われたものである。金属蒸着パターンは数字の8の形であり、該金属層の厚さはナノプロフイロメーター(nano−profilometer)で測定されて、約140nmであった。
【0304】
図60A−60Dは反射構造を使うシステムについて4つの異なる位相シフトδで得られた画像を示す。図60Aはδ=0の画像2000,図60Bはδ=πの画像2200,図60Cはδ=π/2の画像2400、そして図60Dはδ=3π/2の画像2600である。
【0305】
図61は電場Eベクトル2102と、該場の高周波の波ベクトル成分、Eと、該場の低周波の波ベクトル成分、Eと、の間の関係2100を略図で図解する。図61で図解される様に、y−軸2110とx−軸2112はCCD画素寸法を表す。その位相ψはその対象の“真の(real)”位相である。
【0306】
図62は、例えば、図60A−60Dで図解される様なデータと式55を使って発生される校正されたサンプル2200のΔψ画像である。図62ではy−軸2202及びx−軸2204の両者は該CCD上の画素の単位である。図62の右にあるスケールバー2206はラディアンでΔψを表す。
【0307】
図63は本発明のシステムと方法を使って校正されたサンプル2300の位相画像である。図63は式56と、図62で図解される様なデータと、を使って発生された。図63は又、式55及び56と、図60A−60Dで図解される様なデータと、を使っても発生され得る。y−軸2302とx−軸2304、はCCD画素の単位で示され、垂直のスケールバー2306はnmの単位である。
【0308】
図63で図解される様に、蒸着された金属パターン2310の高さが正しく回復されることが見られ、それは定量的特徴情報を提供する本発明のシステムと方法の能力を図解する。位相画像2300内に存在するノイズは大抵は記録用に使われる低品質(8ビット)カメラのためである。
例2:位相グレイティングの位相画像形成(Phase Imaging of a Phase Grating)
図64は透過構造を使って得られた、公称10μm幅と公称266nm深さの溝を有する位相グレイティング(phase grating)の位相画像2400を示す。図64でz軸2402はnmの単位に、y軸2404及びx軸2406はCCD画素の単位になっている。垂直のスケールバー2408も又nmの単位になっており、それは該位相画像2400から深さ(z軸寸法)を決定するのを更に容易化するため提供される。
例3:玉葱細胞の位相画像形成(Phase Imaging of Onion Cells)
この例では、玉葱細胞が本発明の透過構造を使って位相画像形成された。該玉葱細胞の輝度画像2500が図65で示す位相画像2550と比較するために図65で示される。図65と図66の両者で、y軸2502,2552とx軸2504,2554はCCD画素の単位になっている。図66のスケールバー2556はnmの単位になっている。
【0309】
該輝度画像、図65、は低周波及び高周波成分間に位相シフトが無く、δ=0である、最初に取得されたフレームを表す。図65と66の比較により示される様に、定例の顕微鏡(輝度)画像、本発明により得られる位相画像に比して非常に低いコントラストを有する。図66で見られる様に、該コントラストは位相画像では大幅に向上し、該細胞の遙かに精細な構造が区別出来る。加えて、該位相画像内の情報はnmレベルの精度で定量的であり、該細胞を通過する場の光路長で決まる条件(terms of optical path−length)で変換され得る。この種の情報は普通の光学顕微鏡検査に比較
してのみならず、従来の位相差顕微鏡検査及びノマルスキー顕微鏡検査と比較しても大幅な改良を表す。
【0310】
本発明の好ましい実施例は位相画像形成機器を開発するために、低コヒーレンス光学画像場を相互に対し位相を制御可能にシフトされ得る2つの異なる空間成分へコヒーレント式に分解することの使用を含む。該技術は典型的光学顕微鏡を、高精度とλ/5,500の感度とにより特徴付けられる定量的位相顕微鏡(quantitative phase microscope)に変換する。活きた生物学的細胞に関し得られた結果は、本発明の好ましい実施例の機器が生物学的構造とダイナミックスの定量的調査用に大きな可能性を有することを示唆する。
【0311】
位相コントラスト型(Phase contrast) 及び差動干渉コントラスト型(differential interference contrast)(DIC)顕微鏡検査はサンプルの準備仕立て無し(without sample preparation)に透明な生物学的構造の高コントラスト輝度画像を提供することが出来る。光の位相に符号化された構造情報は干渉過程を通して検索される。しかしながら、両技術が横断(x−y)面内でサンプルの構造を表すが、縦(z)軸上に提供される情報は概して質的である。
【0312】
前にここで説明した様に、位相シフト干渉計測はごく幾らかの間は位相サンプルの定量的度量衡(quantitative metrology)で使われて来て、種々の干渉計的技術が提案されて来た。何れの干渉計にも本来存在する空気の動揺(air fluctuation)と機械的振動による位相ノイズは光の場に付随する位相の定量的検索を実際には特に挑戦的にさせる。好ましい実施例はこの障碍を克服する関連付けられた波長を有する。
【0313】
更に、放射照度輸送方程式(irradiance transport equation)に基づく非干渉計技術が、時間のかかる数値計算を費やして完全場位相画像形成用に提案されて来た。レーザー放射を用いた空間光変調を使うと、λ/30感度の位相画像も得られた。自動位相シフトを用いてデジタル式に記録される干渉顕微鏡検査(Digitally recorded interference microscopy with automatic phase shifting)(DRIMAPS)は従来の干渉顕微鏡を利用し、生物学的サンプルの位相画像を提供する方法である。DRIMAPSでは、どんな位相測定技術の感度をも究極的に制限する位相ノイズに対し何も予備的注意を払わないが、細胞生物学での応用でのこの機器の可能性が示された。
【0314】
本発明の好ましい実施例は生物学調査用の新機器としての低コヒーレンス位相顕微鏡(low−coherence phase microscope)(LCPM)を含む。該技術は従来の光学顕微鏡を、非常に良い精度と極端に低ノイズで特徴付けられる定量的位相顕微鏡に変換する。該技術の原理は光学画像に付随する場を、その空間的平均値と、相互に対し制御可能に位相をシフトされ得る空間的に変化する場と、にコヒーレントに分解することに依存する。E(x、y)を関心のある空間的ドメイン上で静止すると仮定する複素画像場(complex image field)としよう。この場は下記の様に表され、
E(x、y)=E+E(x、y) (57)
ここでEはEの空間的平均値、Eは該空間的に変化する成分とする。かくして、任意の画像が平面波(平均場)と空間的に変化する場との間の干渉現象の結果と見なされ得る。中心縦座標定理(central ordinate theorem)の結果として、EとEは画像の各点で、フアイルされたE(filed E)のゼロ及び高空間周波成分(zero− and high−spatial frequency components)と同化(assimilated)され得る。その結果、これら2つの空間成分は容易に分離され、フーリエ分解を行うことにより独立に位相変調され得る。
【0315】
実験的セットアップが図67に描かれる。倒立顕微鏡(inverted microscope){アキシオバート35、ツァイス社(Axiovert 35, Zeiss Co.)}が該画像面IPにサンプルを画像形成するため使われる。スーパールミネッセントダイオードにより放射される該低コヒーレンス場(例えば、λ=824nmでバンド幅Δλ=21nm又は代わりにλ=809nmでΔλ=20nmの様に、範囲800−850内に中心波長を有する)が透照(transillumination)用に使われる。照明場の完全な空間的コヒーレンスを保証するために、その光は単一モードフアイバー内へ結合され、次いでフアイバーコリメーターによりコリメートされる。その画像から現れるレイトレース(ray traces)は非屈折光(undeflected light)と高空間周波成分とを点線と実線で示し、それらはそれぞれ場EとEに対応する。該画像場を式57で記述されるその成分に分解するために、フーリエレンズFL(50cm焦点距離)が画像面IPから焦点距離離れて置かれる。図67で、IPに形成される顕微鏡画像は、照明用に使われる光フアイバーの端部の顕微鏡画像に過ぎない仮想点源{ブイピーエス(VPS)}により照明されるように見えることが分かる。従って、FLの後部焦点面に該画像場の(位相と振幅で)正確なフーリエ変換を得るために、該面IPに修正レンズCLが置かれた。CLの焦点距離は該VPSが無限大に画像形成されるようになっており、かくしてサンプルの新画像はその位置と拡大率を保存し、一方それは平面波により照明されるように見える。FLの該フーリエ面では、ゼロ空間周波成分Eは光軸上に焦点合わせされ、一方高周波成分Eは軸を離れて分布する(distributed off−axis)。EとEの間の位相遅延を制御するために、該フーリエ面内にプログラム可能な位相変調器{ピーピーエム(PPM)}{ハママツ社(Hamatsu Co.)}が置かれる。該PPMは光学的にアドレスされる、2次元液晶配列から成るが、該配列は複屈折の特性により、その面により反射される光の位相の精密な制御を提供する。該PPM面上の最小アドレス可能範囲は20×20μm又は代わりに26×26μmである、一方位相制御のダイナミックレンジは1波長又は2πに対し8ビットである。該液晶の主軸に対する偏光子Pの配向により、該PPMは入射場の位相(動作の位相モード)又は振幅(振幅モード)を空間的に分解能のある仕方(spatially resolved manner)で修正出来る。該PPMで反射された光はFLを通って戻るよう進み、ビームスプリッターBS上で反射後、IPの共役位置(conjugate position)に置かれたCCDで集められる。かくして、PPM変調がない場合、IPに於ける画像の正確な位相と振幅のレプリカがCCDにより記録される。高い空間周波成分の位相がπ/2の4つのステップで次々とインクレメントされ、最終放射照度分布が該CCDにより記録され得る。該PPM上の該位相変調と該CCDの取得速度は、例えば、ラブビュー(Lab VIEW){ナショナルインスツルメント(Natinal Instrument)}を使って、コンピュータPCにより同期化される。標準的4フレーム位相シフト干渉計検査を使って、EとEの間の位相差Δφが測定され得る。関心のある量である該画像場に付随する空間位相分布は下記表現を有することが示される。
【0316】
【数39】

【0317】
式58で、係数βは2つの場成分の振幅比を表し、β(x、y)=|E(x、y)|/|E|である。該パラメーターβは該2つの空間周波成分を選択的にフイルターするλ/2波面(振幅モード)として該PPMを操作して測定される。かくして、式58を使って、与えられた透明サンプルの空間位相分布は一意的に検索され得る。フーリエ面内で軸上変調される範囲(on−axis modulated area)の最適値は160×160μmであると見出される、一方同じ面に於いて該光学システムに付随するFWHM輝度ベースの回折スポットは約100μmの直径を有する。式58の数値計算は仮想的に瞬時であるので、位相画像検索の速度は、実施例では8Hzである該PPMのレフレッシュ速度によってのみ限定される。しかしながら、該技術の全体的速度は可能性としては、強誘電性液晶(ferroelectric liquid crystal)の様な、他の空間変調器を使って高められ得る。
【0318】
定量的位相画像形成用としてのその可能性を展示するために、LCPM技術が種々の標準サンプルを調べるために適用された。図68Aと68Bはポリスチレン微小球の画像形成から得られた、この様な測定の例を示す。該粒子の直径は、製造者{ジュークサイエンチフイック(Duke Scientific)}により提供されたところの、3±0.045μmであった。透明な生物学的サンプルをより良くシミュレートするために、該球は100%グリセロール(glycerol)内に浸され、2枚のカバースリップ間にサンドウイッチにされた。該粒子と該周囲媒体の間で達成された屈折率コントラストはΔn=0.12であった。該PPM上の変調無しに、典型的透過輝度画像が得られ、それは図68Aで示される。この画像のコントラストは該サンプルの透明さのために非常に不充分である。図68Bは上記で概説された手順で得られたLCPM画像を示す。ここで、得られたコントラストは実質的により高い、一方第3次元(z軸)は該サンプルの厚さについて定量的情報を提供する。図68Bで示す球の中心を通してのプロフアイルを使って、対応する直径から得られた値は2.97±7.7%であり、それは製造者により示された値と良く合致する。現在の誤差はビーム品質の不完全さと溶液中にある起こり得る不純物によるかも知れない。
【0319】
該LCPM機器は更に活きた生物学的細胞を位相画像形成するため使われた。図69Aは有糸分裂の最終段階中のヒーラー癌細胞(Hela cancer cell)の定量的位相画像を示す。該細胞が培養媒体により囲まれ、画像形成前に何等の追加的用意無しに典型的培養条件で活きていることは注意されるべきである。生物学的細胞を通して伝播する場により蓄積される位相遅延は該細胞の非水性質量(non−aquaous mass)に比例することは前以て示された。かくして、定量的位相画像は、有糸分裂、細胞成長、そして死の様な、細胞生理学の種々の段階中で自動細胞運動解析(automatic cell kinetic analysis)での重要な応用を見出す筈である。
【0320】
全血スミア(whole blood smear)の位相画像が図69Bで示されている。該サンプルは、健康なボランチアからの新鮮な全血の小滴を2枚のカバースリップ間に簡単にサンドウイッチすることにより用意された。赤血球細胞{アールビーシー(RBC)}の良く知られた円盤状の形状が回復されることが見られる。血漿(plasma)に対するヘモグロビンの屈折率を考慮した簡単な解析は細胞の容積について定量的情報を容易に提供出来る。該RBC解析でのこのレベルの詳細は現在は電子顕微鏡検査及び原子間力顕微鏡検査(electron and atomic force microscopy)にだけアクセス可能である。光学的、非侵襲性の技術は病理学的選別用の高速な手順を提供する可能性があるが、それは該アールビーシー形状は屡々細胞健康の良い指示体(indicator)であることが良く知られているからである。加えて、本発明の好ましい実施例のこの技術は、血液凝固に責任がある、RBC膜及び周囲タンパク質の複合したダイナミックな特性をモニターすることが出来る。
【0321】
該機器の位相ノイズに対する安定性をアセスし、究極的には、その感度を定量化するた
めに、培養媒体のみ(無細胞)を良く含む細胞が、15sの間隔で、100minの時間に亘り画像形成された。図69Cは視野内に含まれる点に付随する時間的位相変動(temporal phase fluctuations)の例を示す。その位相値は0.6×0.6μmの範囲に亘る平均であったが、それはその顕微鏡の横解像度限界を表す。この変動の標準偏差は0.15nmの値を有し、それはλ/5,500と等価である。この結果は該LCPM機器の注目すべき感度を証明する。我々の機器を特徴付ける極度に低いノイズは、2つの干渉する場が空間的に重畳する光路上を進み、干渉項で結果的に打ち消す同様な位相ノイズに影響される事実により説明され得る。レーザー放射に相対する低コヒーレンス場の使用は、種々の部品上での多数反射により作られる起こり得るフリンジが除去されると、該方法の感度に寄与する。
【0322】
かくして、本発明の好ましい実施例は低コヒーレンス位相顕微鏡を含むが、該顕微鏡は高い精度とλ/5,500レベルの感度で特徴付けられる。活きた癌及び赤血球細胞に関する予備的結果は、該装置と方法が生物学的システムの構造及びダイナミックスの調査用の価値あるツールとなる可能性を有することを示唆する。該システムのセットアップに従来の光学顕微鏡を組み込むことにより、本発明の好ましい実施例の機器は高い多用途性と特別な使い易さにより特徴付けられる。
【0323】
請求項はその結果向けに表明されない限り、説明された順序又は要素に限定されるよう読まれるべきでない。従って、付記する請求項とその等化物の範囲と精神内に入る全ての実施例は本発明として請求される。
【図面の簡単な説明】
【0324】
【図1】本発明により光学的距離を測定する本システムの好ましい実施例の線図の略図である。
【図2】好ましい実施例の反射インターフエースに付随する低コヒーレンスヘテロダイン信号を図解しており、該低コヒーレンス波長の調整が該インターフエース付近で該ヘテロダイン信号を(該低コヒーレンス源の中心波長の調整方向により)圧縮するか又は膨張させる。
【図3】好ましい実施例のサンプル内の2つの反射インターフエースに付随するヘテロダイン信号を図解しており、該低コヒーレンス波長の減少は該インターフエース付近のヘテロダイン信号を圧縮する。
【図4】本発明の好ましい実施例の2つのインターフエースを有するサンプルの走査を図解し、(a)は低コヒーレンスヘテロダイン信号、(b)はトレースであり、そこでは拡大図が位相フリンジを示し、各フリンジはλCWの光学的距離に対応しており、(c)はΔの2つの差値でのトレースであり、そこでは矢印は位相交叉点を示し、垂直軸の単位はラディアンである。
【図5】本発明の好ましい実施例のSphase及びSfringeに基づく見積間の誤差を最小化する値を選ぶことにより測定される(n755nmL)の正しい見積を決定する方法を図解する。
【図6A−6B】本発明の好ましい実施例の光学的距離を測定する方法を図解するフローチャートである。
【図7】本発明の光学的距離を測定するシステムの代わりの好ましい実施例の線図の略図である。
【図8A−8B】本発明の好ましい実施例の光学的距離を測定する代わりの方法を図解するフローチャートである。
【図9】ガラススラブ、組織サンプル又は層の様な光学的に透過性の材料の厚さを測定するフアイバーベースのシステムの好ましい実施例を略図により図解する。
【図10】本発明の硝子体液及び/又は房水によるブドウ糖測定システムで使われる本発明のシステムの好ましい実施例を図解する。
【図11】本発明の好ましい実施例の、能動的に安定化されたマイケルソン干渉計を図解しており、Mはミラー、MMは移動ミラー、BSはビームスプリッター、PMは位相変調器、Dは検出器、LOはローカル発信器源、MXはミキサーそしてSは加算増幅器である。
【図12】本発明の好ましい実施例の光学的遅延位相感応型低コヒーレンス干渉計検査(LCI)用の安定化された干渉計を図解しており、DBSはダイクロイックビームスプリッターである。
【図13】光路長差ΔLが本発明の好ましい実施例により変わる時の、1対のインターフエース用のサンプルの復調された干渉パターンを図解する。
【図14A】安定化された位相感応型低コヒーレンス干渉計検査(LCI)用システムを図解しており、エルシー1とエルシー2は本発明の好ましい実施例による低コヒーレンスビームである。
【図14B】本発明の好ましい実施例により位相シフトを発生するようピエゾ電気変換器を使い能動的に安定化された位相感応型低コヒーレンス干渉計検査(LCI)のためのシステムの代わりの実施例を図解する。
【図15A−15B】エルシー1及びエルシー2用の復調されたフリンジパターンであり、該エルシー2信号の2つのピークは本発明の好ましい実施例によるカバースリップ反射(小さい)とサンプルから反射(大きい)とを表す。
【図16】本発明の好ましい実施例による安定化された位相感応型低コヒーレンス干渉計検査のための画像形成システムを図解する。
【図17】2次元の位相画像形成用の折り畳まれない光学的設計を図解しており、実線は入射光線を示し、一方波線は本発明の好ましい実施例による後方散乱光線を示す。
【図18A】本発明の好ましい実施例による2点マッハツエンダーヘテロダイン干渉計を図解する。
【図18B】本発明の好ましい実施例による画像形成マッハツエンダーヘテロダイン干渉計を図解する。
【図18C】図18Bに関連して説明される実施例に付随するヘテロダイン及びゲート信号を図解する。
【図18D】本発明の好ましい実施例による画像形成双ビームヘテロダイン干渉計を図解する。
【図19】本発明の好ましい実施例による分離双ビームヘテロダイン低コヒーレンス干渉計を図解する。
【図20】本発明の好ましい実施例による双基準ヘテロダイン低コヒーレンス干渉計を図解する。
【図21】本発明の好ましい実施例による光学的基準化干渉計の好ましい実施例を図解する。
【図22】本発明の好ましい実施例によりサンプル対象と同じ面(ガラス)上への基準点の配置で生じる被測定位相成分を略図的に図解する。
【図23A−23B】本発明の好ましい実施例により図21に関連して図解される実施例用に、それぞれ、ピエゾ電気変換器(PZT)電圧及び対応する位相変化をグラフ式に図解する。
【図24】図21で図解される干渉計のノイズ性能をラディアンでグラフ式に図解する。
【図25A−25B】本発明の好ましい実施例によりサンプル及び基準信号用の校正セットアップの略図による表現である。
【図26】本発明の好ましい実施例による干渉計システムの好ましい実施例を略図により図解する。
【図27】本発明の好ましい実施例により神経変位を測定するシステムの線図の略図を図解する。
【図28A−28B】本発明の好ましい実施例により時間(ms)に対する神経変位(mm)及び電位(μV)をグラフ式に図解する。
【図29】本発明の好ましい実施例の可変式刺激電流振幅と共に、1つの神経用のピーク電位(クロス)及び変位(円)をグラフ式に図解する。
【図30】本発明の好ましい実施例による双ビーム干渉計用走査システムの光学的レイアウトを図解する。
【図31】本発明の好ましい実施例でリサジュー走査を用いて空のカバーガラスから集められたガルバノメーター位置及び位相データを図解する。
【図32A−32B】本発明の好ましい実施例により、それぞれ、図31で示され、グラフ式に図解されたデータを用いた位相画像と、後方反射の輝度画像と、のカラーマップを図解する。
【図33】本発明の好ましい実施例により克服された焦点合わせ問題を略図により図解する。
【図34】本発明の好ましい実施例による2焦点レンズ用の設計を図解する。
【図35】本発明の好ましい実施例による2焦点レンズ用の代わりの設計を図解する。
【図36】本発明の好ましい実施例によるレンズf3(2焦点型)及びf2の間の光学的距離の計算を図解する。
【図37】本発明の好ましい実施例による2焦点レンズの製造を図解する。
【図38】対物レンズが本発明の好ましい実施例のガラスカバースリップの方へ走査される時、光学的サーキュレーターを通して測定される後方反射輝度を図解する。
【図39】本発明の好ましい実施例の2焦点レンズf3を使い対物レンズ焦点位置に対する後方反射輝度を図解する。
【図40】本発明の好ましい実施例の両方のカバーガラス反射を有する2焦点レンズを使い対物レンズ焦点位置に対する後方反射輝度を図解する。
【図41】f2とf3の間に距離が前及び後ガラス面の間の隙間にマッチするよう調整された時、本発明の好ましい実施例による両カバーガラス反射を有する2焦点レンズを使い対物レンズ焦点位置に対する後方反射輝度を図解する。
【図42A−42B】図42としてまとめて称されて、本発明の好ましい実施例の光学システム内で軸部及び周辺部両ビームの結合により生ずる特別に小さいピークを図解する。
【図43A】本発明の好ましい実施例の必須要素として基準面を有する双ビームプローブを図解する。
【図43B】双ビーム干渉計プローブのもう1つの好ましい実施例である。
【図43C】2つの神経繊維の画像である。
【図43D】位置の関数としてのヘテロダイン信号振幅の画像である。
【図43E】図43Dで見られたと同じサンプルの反射位相画像である。
【図44】本発明の好ましい実施例により活動電位中に神経内に観察される変位効果の形状を調べるために適用される双ビームプローブの略図による図解である。
【図45】本発明の好ましい実施例によりプローブか又はサンプルか何れかを走査することにより画像形成するための双ビームプローブシステムである。
【図46A−46C】本発明の好ましい実施例による2焦点双ビーム顕微鏡を使って、乾燥したヒトの頬の上皮細胞からの後方散乱光の輝度画像、位相画像そして明るい場の画像を図解する。
【図46D−46G】図43で図解された双ビーム顕微鏡のプロフアイル計測能力(profilometry capability)を図解しており、図46Dは図46Eで図解される平凸システムのレンズの中央部分の輝度画像であり、図46Fは反射光の位相マップであり、そして図46Gは本発明の好ましい実施例の直角嵌合(quadratic fit)で、位相がラップされない(phase unwrapped)、位相画像の断面である。
【図47A−47E】本発明の好ましい実施例による、それぞれ位相シフティング干渉計検査システム(phase shifting interferometry system)、位相の段階的処理(phase stepping)及びバケット積分(bucket integration)、についての略図による線図を図解する。
【図48A−48C】本発明の好ましい実施例による、それぞれストロボスコープ的ヘテロダイン干渉計検査システム及びバケット積分の原理を図解する。
【図49A】本発明の好ましい実施例による双ビームのストロボスコープ的ヘテロダイン干渉計検査を図解する。
【図49B−49C】本発明の好ましい実施例により静止ガラス面上に焦点合わせされた双ビームプローブについて位相ノイズを示すデータを図解する。
【図50A】別々の通路からの光が共通の通路に沿って導かれ、測定下の材料の種々の領域上で焦点合わせされたもう1つの好ましい実施例を図解する。
【図50B】図50Aのシステムを使う双ビームシステムの好ましい実施例である。
【図50C】図50Bで図解されたシステム内の偏波成分に関する詳細を提供する。
【図51A−51D】本発明の好ましい実施例による画像のこの様な説明の種々の特徴の略図による表現である。
【図52】透過構造に基づく本発明の好ましい実施例の顕微鏡検査システムの種々の実施例を略図により図解する。
【図53】反射構造に基づく本発明の好ましい実施例の顕微鏡検査システムの種々の実施例を略図により図解する。
【図54A−54B】図54としてまとめて称されて、光学顕微鏡と本発明の種々の実施例を集積化する1つの実施例を略図により図解する。
【図55】4−fシステムを使う本発明のシステム及び方法の種々の実施例を略図により図解する。
【図56】本発明による空間光変調(SLM)を使う位相差顕微鏡検査システムの1実施例を略図により図解する。
【図57A−57B】本発明の好ましい実施例により振幅モード及び位相モードで画像の画素上への電気光学的効果を略図により図解する。
【図58A−58C】本発明の好ましい実施例によるSLMモードの動作の種々の実施例のブロック線図である。
【図59】本発明の好ましい実施例により振幅モードで動作する機器について得られた校正曲線の例である。
【図60A−60D】本発明の好ましい実施例による反射構造を使うシステム用の4つの異なる位相シフトδで得られた画像を示す。
【図61】本発明の好ましい実施例により、電場ベクトルE及び該場の高周波ベクトル成分、E、そして該場の低周波ベクトル成分、E、の間の関係を略図により示す。
【図62】本発明の好ましい実施例により、例えば、図35A−35で図解される様なデータと、式55を使って発生され校正されたサンプルのΔψ画像である。
【図63】本発明によるシステムと方法を使った例1の校正されたサンプルの位相画像である。
【図64】本発明の好ましい実施例による透過構造を使って得られた位相画像を示す。
【図65】本発明の好ましい実施例による玉葱細胞輝度画像を示す。
【図66】本発明による透過構造を使って画像形成された玉葱細胞位相を示す。
【図67】好ましい実施例により、実験的セットアップを図解するが、VPSは仮想点源であり、CLは修正レンズであり、IPは画像面であり、Pは偏光子、BSはビームスプリッター、FLはフーリエレンズ、PPMはプログラム可能な位相変調器、CCDは電荷結合デバイス、そしてPCはパーソナルコンピュータである。
【図68A−68B】10倍の顕微鏡対物レンズを使って、100%グリセロール内に浸したポリスチレン微小球に関する好ましい実施例による実験結果を図解しており、図68Aは輝度画像であり、図68Bは定量的位相画像である。カラーバーはnmで表された位相を示す。
【図69A−69C】40倍顕微鏡対物レンズを使って得られたエルシーピーエム画像を好ましい実施例により図解しており、図69Aは有糸分裂を経るヒーラー癌細胞の位相画像であり、図69Bは全血スミアの位相画像であり、そして図69Cは細胞の無い点に付随する時間的位相動揺(fluctuation)である(標準偏差σが示されている)。カラーバーはnmで表された位相を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の部分を通過する光の位相を測定する方法に於いて、該方法が
第1波長の光を提供する過程と、
該第1波長の光を第1光路と第2光路とに沿って導く過程と、を具備しており、該第1光路は測定されるべき媒体上へ延びており、該第2光路は路長の変化を受けており、そして該方法は又
該媒体上の2つの別々の点を通過する光の位相の変化を測定するために該媒体からの光と該第2光路からの光とを検出する過程を具備することを特徴とする該方法。
【請求項2】
該媒体が生物学的組織のサンプルを有することを特徴とする請求項1の該方法。
【請求項3】
同時に複数の位置で該サンプルの位相を画像形成するために、更に、光ダイオード配列と、光ダイオードに結合されたフアイバー束と、の少なくとも1つを提供する過程を具備することを特徴とする請求項1の該方法。
【請求項4】
更に該第2光路内の該光を周波数シフトする過程を具備することを特徴とする請求項1の該方法。
【請求項5】
更に少なくとも2つの光検出器により該位相の変化を検出する過程を具備することを特徴とする請求項1の該方法。
【請求項6】
更に該第1波長を放射するヘリウム−ネオンレーザー光源を提供する過程を具備することを特徴とする請求項1の該方法。
【請求項7】
更に低コヒーレンス光源を提供する過程を具備することを特徴とする請求項1の該方法。
【請求項8】
更に基準面と該サンプルの間の第1ギャップと、第2基準面と第3基準面の間の第2ギャップと、を提供する過程を具備することを特徴とする請求項1の該方法。
【請求項9】
更に変位を受ける第1反射面と、低コヒーレンス光源に光学的に結合された第2反射面と、を有することを特徴とする請求項8の該方法。
【請求項10】
更にサンプルギャップ信号と基準ギャップ信号の間を区別するために偏波を使う過程を具備することを特徴とする請求項1の該方法。
【請求項11】
更に第1反射面と第該反射面の間にサンプルを位置付ける過程を具備することを特徴とする請求項1の該方法。
【請求項12】
双ビーム測定システムに於いて、該システムが
光源と、
該源からの光を、第1光路上の第1成分と第2光路上の第2成分とに分けるスプリッターと、
該第1光路の長さを変える第1可動反射面と、
該第2光路の長さを変える第2可動反射面と、
該第1光路及び第2光路からの光を測定されるべき媒体上へ向けるコンビナーと、を具備することを特徴とする該システム。
【請求項13】
該コンビナーが偏波させるビームスプリッターを備えることを特徴とする請求項12の
該システム。
【請求項14】
該コンビナーが該第1光路及び第2光路からの光をギャップにより第2反射面から分離された第1反射面を有する基準体上に向けることを特徴とする請求項12の該システム。
【請求項15】
測定されるべき該媒体が第1反射面と第2反射面の間に位置付けられた組織を有することを特徴とする請求項12の該システム。
【請求項16】
該組織が神経組織を有することを特徴とする請求項15の該システム。
【請求項17】
更に第1光路からの光を該媒体の第1の側にそして第2光路からの光を該媒体の第2の側に焦点合わせするレンズシステムを具備することを特徴とする請求項12の該システム。
【請求項18】
光を第1偏波検出器及び第2偏波検出器上へ向ける第2コンビナーを具備することを特徴とする請求項1の該システム。
【請求項19】
該第1路からの光が第1偏波成分を有する媒体上と第2偏波成分を有する該基準体上とへ向けられることを特徴とする請求項1の該システム。
【請求項20】
該第2路からの光が該第1路からの該光と直交する偏波を有する該媒体上へ向けられることを特徴とする請求項19の該システム。
【請求項21】
該基準体上へ向けられた該第2路からの該光が該第1路から該基準体上へ向けられたそれと直交することを特徴とする請求項20の該システム。
【請求項22】
該組織が癌性組織を含むことを特徴とする請求項15の該システム。
【請求項23】
該光源が低コヒーレンス源を含むことを特徴とする請求項12の該システム。
【請求項24】
更に光フアイバーカプラーを具備することを特徴とする請求項12の該システム。
【請求項25】
サンプルの部分を通過する光の位相特性を測定する方法に於いて、該方法が
第1光源及び第2光源によりそれぞれ発生された第1信号及び第2信号を提供する過程を具備しており、該第2光源は低コヒーレンス源であり、該方法は又
該第1信号及び該第2信号を第1光路及び第2光路に沿って導く過程と、
該第1光路及び該第2光路間の路長差を変える過程と、
それら間の光路遅延を有する該第1及び該第2信号の和を示す出力信号を発生する過程と、
干渉計ロック変調周波数で該出力信号を変調する過程と、そして
干渉計ロック位相のタイムエボリューションにより該サンプルと相互作用する光の位相を決定する過程と、を具備することを特徴とする該方法。
【請求項26】
該第1信号及び第2信号が低コヒーレンス信号であることを特徴とする請求項25の該方法。
【請求項27】
更にミキサー又はロックイン増幅器の1つを使うことにより該第1信号を復調する過程を具備することを特徴とする請求項25の該方法。
【請求項28】
更に干渉計ロック位相を電子的に発生する過程を具備することを特徴とする請求項25
の該方法。
【請求項29】
サンプルの部分を通過する光の位相を測定するシステムに於いて、該システムが
第1信号を発生する第1光源と、
該第1信号から時間遅延だけ分離された2つのパルスを有する第2信号を発生する干渉計と、
該サンプルと連通する該干渉計からの第1光路及び基準体と連通する該干渉計からの第2光路と、
該サンプル及び該基準体からのそれぞれ第1及び第2信号からの第1ヘテロダイン信号と、該サンプル及び該基準体から反射された光間の干渉と、を測定し、そして該基準体反射に対する該サンプル反射の位相を示す該ヘテロダイン信号の位相を検出する検出器システムと、を具備することを特徴とする該システム。
【請求項30】
該第1信号が低コヒーレンス信号であることを特徴とする請求項29の該システム。
【請求項31】
該第1光源がスーパールミネッセントダイオード及びマルチモードレーザーダイオードの1つであることを特徴とする請求項29の該システム。
【請求項32】
該干渉計が更に第1通路と第2通路とを備えており、該第2通路が音響光学的変調器を有することを特徴とする請求項29の該システム。
【請求項33】
更に光フアイバーを有する光学的通路を具備することを特徴とする請求項29の該システム。
【請求項34】
更に少なくとも5nmのバンド幅を有する低コヒーレンス信号を具備することを特徴とする請求項29の該システム。
【請求項35】
該システムが振動から隔離されたヘテロダインマイケルソン干渉計を具備することを特徴とする請求項29の該システム。
【請求項36】
該干渉計が更に光路長差を制御可能に調整するために並進ステージに取り付けられたミラーを備えることを特徴とする請求項29の該システム。
【請求項37】
該検出器システムが該サンプルから反射された信号を検出する第1検出器と該基準体から反射された信号を検出する第2検出器とを備えることを特徴とする請求項29の該システム。
【請求項38】
サンプルの画像形成する方法に於いて、該方法が
サンプルを照明する過程を具備しており、該光は該サンプル上の点から発し、低周波空間成分と高周波空間成分とを有しており、該方法は又
第1輝度信号を作るために共通の光路に沿い該高周波空間成分を該低周波空間成分と干渉させる過程と、
第1の位相シフトされた低周波空間成分を作るために該低周波空間成分の位相をシフトさせる過程と、
第2輝度信号を作るために共通の光路に沿い該高周波空間成分を該第1の位相シフトされた低周波空間成分と干渉させる過程と、
第2の位相シフトされた低周波空間成分を作るために該低周波空間成分の位相をシフトさせる過程と、
第3輝度信号を作るために共通の光路に沿い該高周波空間成分を該第2の位相シフトされた低周波空間成分と干渉させる過程と、
第3の位相シフトされた低周波空間成分を作るために該低周波空間成分の位相をシフトさせる過程と、
第4輝度信号を作るために共通の光路に沿い該高周波空間成分を該第3の位相シフトされた低周波空間成分と干渉させる過程と、
該第1輝度信号と、該第2輝度信号と、該第3輝度信号とそして該第4輝度信号とに少なくとも部分的に基づいて該サンプル上の該点の位相画像を発生する過程と、を具備することを特徴とする該方法。
【請求項39】
更に、該サンプル上の複数の点用に請求項1の過程を繰り返すことにより該サンプルの位相画像を発生する過程を具備することを特徴とする請求項38の該方法。
【請求項40】
該照明する過程が透過照明を使って該サンプルを照明する過程を備えることを特徴とする請求項38の該方法。
【請求項41】
該照明する過程が反射照明を使って該サンプルを照明する過程を備えることを特徴とする請求項38の該方法。
【請求項42】
該照明する過程が透過照明及び反射照明の両者により該サンプルを照明する過程を備えることを特徴とする請求項38の該方法。
【請求項43】
該照明する過程がスーパールミネッセント光源で該サンプルを照明する過程を備えることを特徴とする請求項38の該方法。
【請求項44】
更に該高周波空間成分の少なくとも1つの振幅を制御する過程を具備することを特徴とする請求項38の該方法。
【請求項45】
更に該低周波空間成分と位相シフトされた低周波空間成分との少なくとも1つの振幅を制御する過程を具備することを特徴とする請求項38の該方法。
【請求項46】
該位相をシフトする各過程が実質的にπ/2だけ該低周波空間成分の位相をシフトすることを特徴とする請求項38の該方法。
【請求項47】
該位相画像を発生する過程が少なくとも部分的に下記方程式に基づいており
【数1】

であり、そしてIimageは該高周波空間成分を位相シフトδの低周波空間成分と干渉させることにより発生される該サンプル表面上の点(x、y)用の該輝度信号であり、そしてβ=I/Iは該高周波空間成分に付随する輝度、I、と該低周波空間成分に付随する輝度、I、の間の比を表すことを特徴とする請求項38の該方法。
【請求項48】
該サンプルの位相画像を発生する過程が約λ/1000より大きい位相感度で該サンプ
ルの位相画像を発生する過程を備えることを特徴とする請求項39の該方法。
【請求項49】
該サンプルが生物学的組織を含むことを特徴とする請求項39の該方法。
【請求項50】
該サンプルが半導体ウエーハを含むことを特徴とする請求項40の該方法。
【請求項51】
反射面を有するサンプルの非接触光学測定方法に於いて、該方法が
第1信号を発生する第1光源を提供する過程と、
双ビーム干渉計を使って該第1信号から時間遅延で分離された2つのパルスを有する第2信号を発生する過程と、
該サンプルに連通する該干渉計からの第1光路と基準体に連通する該干渉計からの第2光路とを提供する過程と、
該サンプルと該基準体からのそれぞれ第1及び第2信号からの第1ヘテロダイン信号と、該サンプルと該基準体とから反射される光の間の干渉と、を測定する過程と、
該基準体反射に対する該サンプル反射の位相を示す該ヘテロダイン信号の位相を検出する過程と、を具備することを特徴とする該方法。
【請求項52】
該第1信号が低コヒーレンス信号であることを特徴とする請求項51の該方法。
【請求項53】
該第1光源がスーパールミネッセントダイオード及びマルチモードレーザーダイオードの1つであることを特徴とする請求項51の該方法。
【請求項54】
該干渉計が更に第1路と第2路とを備えており、該第2路が音響光学的変調器を有することを特徴とする請求項51の該方法。
【請求項55】
更に光フアイバーを含む光学的通路を具備することを特徴とする請求項51の該方法。
【請求項56】
該サンプルが神経細胞の部分であることを特徴とする請求項51の該方法。
【請求項57】
該干渉計が振動から隔離されたヘテロダインマイケルソン干渉計を含むことを特徴とする請求項51の該方法。
【請求項58】
該干渉計が更に光路長差を制御可能に調整するために並進ステージに取り付けられたミラーを有することを特徴とする請求項51の該方法。
【請求項59】
該測定する過程が該サンプルから反射された信号を検出する第1検出器と該基準体から反射された信号を検出する第2検出器とを有する検出器システムを備えることを特徴とする請求項51の該方法。
【請求項60】
該サンプルが生物学的組織を含むことを特徴とする請求項51の該方法。
【請求項61】
更に該サンプル内の機械的変化を検出するために顕微鏡を提供する過程を具備することを特徴とする請求項51の該方法。
【請求項62】
該サンプルが単一ニューロン及び細胞単一層の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項61の該方法。
【請求項63】
該顕微鏡が2焦点顕微鏡を含むことを特徴とする請求項61の該方法。
【請求項64】
サンプルを光学的に画像形成する光フアイバープローブに於いて、該プローブが
近位の端部及び遠位の端部と基準光学面とを有するハウジングと、
該ハウジングの該近位の端部内の、光源に結合されたフアイバーと、そして
該プローブの開口数がサンプルの散乱面からの効率的光集めを提供する様な、該ハウジングの該遠位の端部内の段階状屈折率保有レンズと、具備することを特徴とする該プローブ。
【請求項65】
更に、2次元位相画像形成及び3次元共焦点位相画像形成の少なくとも1つを行うため該光フアイバープローブの並進器ステージ上への設置部を有するシステムを具備することを特徴とする請求項64の該プローブ。
【請求項66】
該並進器ステージが走査用ピエゾ並進器を有することを特徴とする請求項65の該プローブ。
【請求項67】
該プローブの該開口数が約0.4から0.5の範囲内にあることを特徴とする請求項64の該プローブ。
【請求項68】
該プローブが生物学的組織を生体内で画像形成することを特徴とする請求項64の該プローブ。
【請求項69】
該基準面が該光フアイバー上の面であることを特徴とする請求項64の該プローブ。
【請求項70】
該基準面が該段階的屈折率保有レンズの上にあることを特徴とする請求項64の該プローブ。
【請求項71】
目の非接触光学的測定方法に於いて、該方法が
第1信号と第2信号を発生する光源を提供する過程と、
該目に連通する干渉計からの第1光路と基準体に連通する該干渉計からの第2光路とを提供する過程と、そして
該第1信号と該第2信号とに応答して、それぞれ該目と該基準体とから戻る光での第1ヘテロダイン信号を測定する過程と、そして
該基準体から戻る光に対する該目から戻る光の位相を示す該第1ヘテロダイン信号の位相を決定する過程と、を具備することを特徴とする該方法。
【請求項72】
該第1信号が低コヒーレンス信号であることを特徴とする請求項71の該方法。
【請求項73】
該光源がスーパールミネッセントダイオード及びマルチモードレーザーダイオードの1つであることを特徴とする請求項71の該方法。
【請求項74】
該干渉計が更に第1路と第2路を備えており、該第2路が音響光学的変調器を有することを特徴とする請求項71の該方法。
【請求項75】
更に光フアイバーを有する光学的通路を備えることを特徴とする請求項71の該方法。
【請求項76】
材料を画像形成する光変調システムに於いて、該システムが
光源と、
レンズシステムと、
空間的光変調器と、
該材料と相互作用する光の位相変動を検出する検出器と、を具備することを特徴とする該システム。
【請求項77】
該検出器が組織の診断用画像を形成することを特徴とする請求項76の該システム。
【請求項78】
該レンズシステムがフーリエレンズを備えることを特徴とする請求項76の該システム。
【請求項79】
更に空間的光変調器及び該検出器と接続されたプロセサーを具備することを特徴とする請求項76の該システム。
【請求項80】
更に該システムに光学的に結合された低コヒーレンス源を具備することを特徴とする請求項76の該システム。
【請求項81】
更に該システムに光学的に結合されたレーザーを具備することを特徴とする請求項76の該システム。
【請求項82】
ニューロン活動を測定するシステムに於いて、該システムが
光源と、
該光源からの光を神経繊維を有する組織上に結合する光学システムと、
該神経繊維からの光を集める検出器と、を具備することを特徴とする該システム。
【請求項83】
該システムが該組織と相互作用する光と同位相の電荷を測定する干渉計を具備することを特徴とする請求項82の該システム。
【請求項84】
更に基準体と第1及び第2偏波検出器とを具備することを特徴とする請求項82の該システム。
【請求項85】
該光源が低コヒーレンス源を備えることを特徴とする請求項82の該システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A−15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42A−42B】
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【図43】
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【図43B】
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【図43C】
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【図43D】
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【図43E】
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【図44】
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【図45】
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【図46A】
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【図46B】
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【図46C】
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【図46D】
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【図46E】
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【図46F】
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【図46G】
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【図47A】
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【図47B】
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【図47C】
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【図47D】
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【図47E】
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【図48A】
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【図48B】
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【図48C】
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【図49】
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【図49B−49C】
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【図50A】
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【図50B】
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【図50C】
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【図51A】
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【図51B】
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【図51C】
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【図51D】
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【図52】
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【図53】
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【図54A】
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【図54B】
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【図55】
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【図56】
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【図57A】
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【図57B】
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【図58A】
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【図58B】
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【図58C】
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【図59】
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【図60A】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68A】
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【図68B】
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【図69A】
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【図69B】
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【図69C】
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【公表番号】特表2007−524075(P2007−524075A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517372(P2006−517372)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019456
【国際公開番号】WO2005/001445
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(591275056)マサチユセツツ・インスチチユート・オブ・テクノロジイ (9)
【氏名又は名称原語表記】MASSACHUSETTS INSTITUTE OF TECHNOLOGY
【Fターム(参考)】