説明

位置に基づく機能性を含む遠隔電子システムの無線制御のためのシステム及び方法

無線制御システムの位置に基づいて遠隔電子システムのための無線制御信号をカスタマイズするための無線制御システムは、送信機回路と、インタフェース回路と、制御回路とを含む。該送信機回路は、該遠隔電子システムを制御する制御データを有する無線制御信号を送信するように構成される。該インタフェース回路は、ナビゲーションデータソースからナビゲーションデータを受信するように構成される。該制御回路は送信コマンドを受信し、ナビゲーションデータを受信し、該ナビゲーションデータに基づいて現在位置を決定し、該送信機回路に該現在位置に関連付けられた無線制御信号を送信するように命令するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、遠隔電子システムの無線制御の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔電子システムの無線制御の分野では、ユーザのために、利便性、セキュリティ及び機能性を改善するために技術開発がなされてきた。一例は、防犯ゲート、ガレージドアオープナー、ライト、及びセキュリティシステムなどの多様な遠隔電子システムとともに使用される訓練可能トランシーバである。ユーザは、例えば該訓練可能なトランシーバの近傍のリモートコントローラから信号を送信することにより該訓練可能なトランシーバを訓練する。訓練可能なトランシーバは、該信号の搬送周波数及びデータコードを学習し、後の再送のためにこのコードを記憶する。このようにして、訓練可能なトランシーバは車内要素(例えば、サンバイザ、計器盤、オーバヘッドコンソール等)の中に利便性をもって取り付けることが可能であり、1つ又は複数の遠隔電子システムを操作するように構成できる。
【0003】
遠隔電子システムの無線制御の分野、特に遠隔電子ステムを制御するために自動車の電子機器を使用するケースでさらなる進展が必要とされる。自動車製造メーカが利便性、快適性及び生産性を高めるために、車両に、進展した電子システムを追加するにつれて、これらの電子システムもますます重要になってきている。加えて、自動車製造メーカが車両に進展した電子システムを追加するにつれ、複数のシステムに対してより大きな制御を提供することも重要性を増してきている。
【0004】
グローバルポジショニングシステム、車両コンパス、距離センサ、及びその他のナビゲーションシステムなどのナビゲーションシステムは、車両の乗員にナビゲーション情報を提供するために車両に追加されている。車内に搭載されるナビゲーションシステムはまた、既存の電子システムを改善し、過去には使用可能でなかった車両位置データを利用する機会も提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要とされているのは、無線制御システムの機能性をカスタマイズすることによって利便性を向上するために車両の位置が使用される、車両からの遠隔電子システムの無線制御のための改善型無線制御システム及び方法である。さらに、必要とされているのは車両の位置に基づいて遠隔電子システムの無線制御のために、車両上の無線制御システムのための入力をカスタマイズするシステム及び方法である。なおさらに、必要とされているのは単一の入力によって複数の遠隔電子システムを無線制御するための送信機である。
【0006】
以下の教示は、それらが前述された課題の1つ以上を達成するかどうかには関係なく、添付請求項の範囲内に該当するそれらの実施形態に及ぶ。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態に従って、無線制御システムの位置に基づいて遠隔電子システムのための無線制御信号をカスタマイズするための無線制御システムは、送信機回路と、インタフェース回路と、制御回路とを含む。該送信機回路は、該遠隔電子システムを制御する制御データを有する無線制御信号を送信するように構成される。該インタフェース回路は、ナビゲーションデータソースからナビゲーションデータを受信するように構成される。該制御回路は、送信コマンドを受信し、ナビゲーションデータを受信し、該ナビゲーションデータに基づいて現在位置を決定し、送信機回路に対して、現在位置に関連付けられた無線制御信号を送信するように命令するように構成されている。
【0008】
別の例示的な実施形態に従って、車両の位置に基づいた遠隔電子システムの無線制御のために車両上の無線制御システムを訓練する方法は、訓練を開始する要求をユーザから受信することを含む。該方法はさらに、車両から現在位置を受信することを含む。該方法はさらに、遠隔電子システムのために、号が無線で送信されるよう制御データを提供することを含む。該方法は、さらに該遠隔電子システムのための制御データと車両の現在位置とを関連付けることを含む。
【0009】
さらに別の例示的な実施形態に従って、車両の位置に基づいた遠隔電子システムを制御するために無線制御信号を送信する方法は、車両の現在位置を受信することを含む。該方法は、さらに、車両の現在位置を、それぞれの位置が無線制御信号に関連付けられている複数の記憶されている位置と比較することを含む。該方法は、さらに、現在位置に近接する記憶された位置と関連付けられる無線制御信号を決定し、現在位置に最も近い記憶位置と関連付けられる無線制御信号を送信することを含む。
【0010】
さらに別の例示的な実施形態によれば、複数の遠隔電子システムを複数の位置の内の1つで無線制御するための送信機は、メモリと、送信機回路と、制御回路とを含む。該メモリは、複数の制御データメッセージ及び複数の位置を記憶するように構成され、各制御データメッセージは別の遠隔電子システムを制御するように構成される。このメモリは、各位置を複数の制御データメッセージと関連付けるように構成される。該制御回路は、単一のイベントに応答して、位置と関連付けられる複数の無線制御信号を送信するよう、送信機回路に命令するように構成され、各無線制御信号は、異なる制御データメッセージを含む。
【0011】
本発明は、以下の詳細な説明で類似する符号が類似する部分を指す添付図面と関連して解釈され、さらに完全に理解されるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
まず図1を参照すると、自動車、トラック、スポーツユーティリティビークル(SUV)、ミニバン、または他の車両であってよい車両10は、無線制御システム12を含む。その例示的な実施形態が以下に説明される無線制御システム12は、車両10のオーバヘッドコンソールに取り付けられて図示されている。代替的に、無線制御システム12の要素の1つ以上は、サンバイザ14、オーバヘッドコンソール、または計器盤16などの他の車内要素に取り付けられてよい。代替的に、無線制御システム12は、キーホルダー、キーフォブ、または他の携帯装置に取り付けられてよい。
【0013】
図2を参照すると、無線制御システム12は、第1の位置19にある第1の遠隔電子システム18、及び第2の位置20にある第2の遠隔電子システム18とともに図示されている。遠隔制御システム18は、ガレージドアオープナー、防犯ゲート制御システム、セキュリティライト、家庭用照明器具または装置、家庭用セキュリティシステム等の、複数の遠隔電子システムのいずれかであってよい。例えば、該遠隔電子システムは、イリノイ州、エルムハースト(Elmhurst)のチャンバーレイングループ社(Chamberlain Group,Inc.)により製造されるウィスパードライブ(Whisper Drive)ガレージドアオープナーなどのガレージドアオープナーであってよい。該遠隔電子システムは、X10通信規格を使用する照明制御システムであってもよい。遠隔電子システム18は、遠隔電子システム18を制御する制御データを含む無線信号を受信するためのアンテナ28を含む。該無線信号は、好ましくは無線周波数スペクトルの極超短波(UHF)バンド内にあるが、或いは赤外線信号または他の無線信号であってよい。
【0014】
第1の位置19及び第2の位置20は、遠隔電子システム18を含む任意の位置であってよい。例えば、第1の位置19は、ガレージドアオープナー及びセキュリティシステムを含むユーザの住宅であってよく、第2の位置20は、無線制御信号により操作されるように構成される駐車場ビルゲートを含むユーザのオフィスであってよい。
【0015】
無線制御システム12は、システム12の多様な部分を制御し、メモリにデータを記憶し、事前にプログラミングされた機能性を操作する等のために構成される制御回路30を含む。制御回路30は、多様な種類のデジタル及び/又はアナログの制御回路網、を含んでよく、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)または多様な入力/出力、制御、分析、及びここに説明される他の機能を実行するように構成される他の回路網を含んでよい。制御回路30は、1つまたは複数の押しボタンスイッチ34(図3を参照)を含むオペレータ入力装置に結合されるが、このオペレータ入力装置は、代替的に、スイッチ、ノブ、ダイヤル等の他のユーザ入力装置、あるいは指紋スキャン装置またはアイスキャン装置、あるいはさらに車両乗員からの音声信号を受信し、システム12の制御のために制御回路30にこのような信号を提供するように構成される音声作動式入力制御回路を含むバイオメトリック装置などのさらに高度な入力装置を含んでよい。
【0016】
制御回路30は、さらに、表示要素38などの発光ダイオード(LED)を含むディスプレイ36に結合される。ディスプレイ36は、代替的に、液晶ディスプレイ(LCD)、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、または他の表示要素などの他の表示要素を含んでよい。
【0017】
無線制御システム12は、さらに、GPS受信機48、車両コンパス50、距離センサ52などの1つ以上のナビゲーションデータソース、及び/又はジャイロスコープなどのナビゲーションデータの他のソースから、ナビゲーションデータを受信するように構成されるインタフェース回路を含む。インタフェース回路46は、電力及び接地、あるいはそれぞれ車両電源及び1つ以上のナビゲーションデータソースからの1つ以上のナビゲーションデータを受け取るためのピンまたは他の導体を有する、並びに制御回路30にこれらの電気信号を提供するための、この例示的な実施形態では、電気コネクタである。GPS受信機48は、GPS衛星から位置決め信号を受信し、無線制御システム12の位置を表す位置信号(例えば、緯度/経度/高度)を発生させ、インタフェース回路46を介してこれらの位置信号を制御回路30に提供するように構成される。コンパス50は、コンパスセンサ、及び地球の磁場を表すセンサからの信号を受信し、制御回路30に車両運行方向を提供するように構成される処理回路網を含む。コンパス50は、抗磁センサ、磁気インダクタンスセンサまたはフラックスゲートセンサなどの磁気検出技術を使用してよい。該車両運行方向は、八分様運行方向(N(北)、NE(北東)、E(東)、SE(南東)等)として、あるいは北を基準にした度数で、あるいは何らかの他の形式で提供されてよい。距離センサ52は、速度及び/又は位置を測定するためのエンコーダ型センサを含んでよく、あるいは別の距離センサ型であってよい。この実施形態では、距離センサ52は、トランスミッションに結合され、車両の速度を検出するように構成される磁気センサである。車両バスインタフェースは、検出された信号を受信し、車両バス上のクロックパルスに基づいて移動した距離を計算する。GPS位置決めデータを使用するなど、他の距離及び/又は速度センサのタイプが使用されてもよい。
【0018】
無線制御システム12は、さらに、遠隔電子システム18と、アンテナ56を介して通信するように構成される送信及び/又は受信回路網を含むトランシーバ回路54を含む。トランシーバ回路54は、遠隔電子システム18を制御する制御データを有する無線制御信号を送信するように構成される。トランシーバ回路54は、制御回路30からの制御下で、極超短波範囲内の任意の数の周波数で、好ましくは260メガヘルツ(MHz)から470メガヘルツ(MHz)の間で搬送周波数を生成するように構成され、ここで、搬送周波数信号の上に変調される制御データは、周波数シフトキー(FSK)または振幅シフトキー(ASK)変調であってよく、あるいは別の変調技法を使用してもよい。無線制御信号上の制御データは、固定コードまたはローリングコードであってよく、あるいは遠隔電子ステム18とともに使用するために適した他の暗号によって符号化された制御コードであってよい。
【0019】
図3を参照すると、例示的な無線制御システム10は、車内要素、つまりサンバイザ14に結合されて図示されている。サンバイザ14は、クッションつきあるいは革の外装によって包まれる実質的に平らな耐久性のある内装を利用した、従来型の構造である。無線制御システム12は、スナップ、かぎ、ねじ、ボス等の留め具によってサンバイザ14に取り付けられ、そこには3つの押しボタンスイッチが配置された成型プラスチック体を備える。該スイッチのそれぞれは、それぞれのバックライト付きのアイコン40、42、44を含む。本体58は、さらに、本体58に刻まれる、あるいは印刷され、それとともに表示要素38を配置させるロゴ60を含む。訓練中及び運転中、表示要素38は、制御回路30(図2)により選択的に点灯され、ユーザに対し、訓練プロセスが無事に行われたかどうか、制御システム12が無線制御信号を送信しているかどうか等の特定の情報を伝達する。図3に図示されている実施形態は単に例示にすぎず、代替実施形態は種々の形状及びサイズを取り、種々の異なった要素を有してよい。
【0020】
動作中、無線制御システム12は、無線制御システム12の位置に依存して、第1の位置19にある遠隔電子システム18、及び/又は第2の位置20にある遠隔電子システム18の無線制御のために構成される。制御回路30は、ナビゲーションデータソースからナビゲーションデータを受信し、システム12と第1の位置19の間、及びシステム12と第2の位置20の間の近接性を決定し、システム12と第2の位置20の間の近接と比較した、システム12と第1の位置19の間の近接に基づいて無線制御信号を送信するようにトランシーバ回路54に命令するように構成される。例えば、システム12が第1の位置19に近接でより近い場合には、第1の位置19にあるシステム18と関連付けられる無線制御信号が送信される。対照的に、システム12が第2の位置20に近接でより近い場合には、第2の位置20にあるシステム18と関連付けられる無線信号が送信される。ある実施形態に従って、システム12のユーザは、位置19及び20を学習するようにシステム12を訓練できる。例えば、システム12が第1の位置19にあるとき、ユーザはオペレータ入力装置32を作動し、制御回路に、GPS受信機48、コンパス50、及び/又は距離センサ52の1つ以上により提供されるデータからの位置を受信及び記憶させることができる。代替実施形態に従って、システム12のユーザは、第1の位置19または第2の位置20を定めるために経度及び緯度を手動で入力できる。システム12は、その後、単一のイベントに応答して、第1の位置19にある遠隔電システム18と関連付けられる無線制御信号を送信する。
【0021】
代替実施形態に従って、現在位置は、車両コンパス及び現在位置を突き止めるための速度信号を使用することによって突き止めることができる。システムは、車両が取っている経路を監視し、それを記憶されている経路と比較できる(例えば、車両は2マイルの間40mphで移動していたが、それから右折し、20mphで0.5マイル移動し、次に左折した、等)。現在の経路が、遠隔電子システム18に近接する位置を示す記憶されている経路に一致すると、遠隔電子システム18のための無線制御信号が送信される。
【0022】
代替実施形態に従って、システム12は、システム12が該位置に対する既知の伝送範囲内にある場合にのみ、第1の位置19にあるシステム18と関連付けられる無線制御信号を送信するように構成されてよい。システム12が既知の遠隔電子システム18の範囲内にない場合には、システム12は、システム12が範囲外にあることを示すメッセージを表示するなど、単一のイベントに応答して何らかの他の機能を提供するように構成できる。
【0023】
ここで図4を参照すると、ユーザは複数の訓練ステップを実行できる。システム12は、第1の位置19にある遠隔電子システム18と、第2の位置にある遠隔電子システム18の両方の位置を学習するように訓練される。
【0024】
この例示的な実施形態では、システム12は、GPS受信機48からのデータが利用可能である、第1の位置にある遠隔電子システム18を訓練するための方法に従って学習する。第1のステップ405では、ユーザは、スイッチ34の1つを作動し、無線制御システム12のモードを訓練モードに変更する。例えば、ユーザは、制御回路30を訓練モードにするために、所定の時間期間(例えば、10秒、20秒等)スイッチ34の内の1つ、2つまたは3つ以上を押下してよく、あるいはユーザは、システム12を訓練モードにするために制御回路30(図2)に結合される別個の入力装置(図3では不図示)を作動してよい。
【0025】
ステップ410では、システム12、及びさらに詳細にはGPS受信機48のアンテナが第1の位置19に配置された状態で、ユーザは、第1の遠隔電子システム18の位置を学習するようにシステム12を訓練するために、スイッチ34の1つを作動し、制御回路30に、GPS受信機48からの位置読み取り値を採取し、この位置情報をメモリ、好ましくは不揮発性メモリに記憶するように命令する。
【0026】
ステップ415では、ユーザは、現在位置と関連付けられるべき無線制御信号を指示する。このステップは、過去に記憶された無線制御信号を選択することによって、あるいは新しい無線制御信号を入力することによって実行できる。新しい無線信号は、当技術分野で周知であるように、システム12による捕捉のために、システム12に近接する遠隔電子システム18用のオリジナルの送信機を作動することによって入力できる。オリジナルの送信機を作動する一方で、ユーザはスイッチ34の1つを作動し、制御回路30に無線制御信号を捕捉するように命令する。
【0027】
ステップ410及び415で受信される情報は、ステップ420での関連付けられるデータ対として記憶できる。図5は、複数のデータ対として、記憶される位置及び関連付けられる無線制御信号のセットを描いている。各データ組は位置及び無線制御信号を含む。例えば、図示されている例示的なデータ組では、(経度及び緯度により表される)ホーム位置及びガレージドアオープナーのための無線制御信号が第1の対として記憶される一方で、(やはり経度及び緯度で表される)オフィス位置及び駐車場ビルオープナーのための無線制御信号が第2の対として記憶される。代替的に、図5に関してさらに説明される、複数の無線制御信号を単一の位置に関連付けることのできるシステムでは、テーブルは、複数の無線制御信号と関連付けられる単一の位置を含んでよい。
【0028】
データ対の記憶に続いて、ステップ425で、追加の訓練が所望されるかどうかの決定がされる。追加の訓練が所望される場合には、システムはステップ410で受信された位置との関連のための追加の無線制御信号を受信するためにステップ415に戻ることができる。追加の訓練が所望されない場合には、訓練モードを終了できる。
【0029】
代替実施形態に従って、訓練プロセスは、システム12が、無線制御信号を送信するオリジナルの送信機がシステム12に近接して作動される場合に必ず無線制御信号を捕捉するよう構成されるように自動化されてよい。新しい無線制御信号が検出されたと判断すると、システム12は現在位置を突き止め、新しいデータ対の中に、検出された無線制御信号とともに現在位置を記憶する。例えば、初めて駐車場に近づく人が駐車場へのゲートを開くために駐車場送信機を作動する場合を考える。駐車場無線制御信号を駐車場送信機から検出し、それを新しい無線制御信号として認識すると、システム12は、新しいデータ対に、駐車場に近接する現在位置とともに該駐車場無線制御信号を記憶する。その後、システム12は、駐車場に近接して作動される場合に、駐車場無線制御信号を送信するように構成されてよい。システム12は、検出された無線制御信号を記憶する必要があるかどうかユーザにプロンプトを出したり、偶発的な記憶を妨げるセキュリティ機能等の自動化された訓練を容易にする追加機能も含んでよい。
【0030】
ここで図6を参照すると、単一の位置にある複数の遠隔電子システムを無線で制御するための送信機またはトランシーバ70が図示されており、ここにおいて、該送信機は、単一のイベントに応答して複数の無線制御信号を送信するように構成される。送信機70は、制御回路30に類似した制御回路72を含む。送信機70は、さらに、揮発性メモリまたは不揮発性メモリであってよく、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、または他のメモリタイプを含んでよいメモリ74を含む。送信機70は、さらに、代替的に受信回路網を含んでよい送信機回路76を含み、ここにおいて、送信機回路76は第1の遠隔電子システム18(図2)の1つ以上に無線制御信号を送信するように構成される、受信回路網を含んでよい送信機回路76を含む。送信機70は携帯型送信機であってよく、あるいは車内要素に取り付けられてよい。送信機70は、複数の制御データを記憶するように構成されるメモリ74を含み、各制御データは異なる遠隔電子システムを制御するように構成される。送信機70は、図2の実施形態におけるオペレータ入力装置32及びディスプレイ36に類似する構成を有してよいオペレータ入力装置78及びディスプレイ80をさらに含んでよい。複数の無線信号を送信するという以下の特徴は、図6の簡略化された送信機で提供されてよく、あるいは代替的にその多様な実施形態のどれかでシステム12で提供されてよい。
【0031】
動作中、制御回路72は、送信機回路76に、単一のイベントに応答してアンテナ82上で複数の無線制御信号を送信するように命令するように構成される。各無線制御信号は、異なる制御データメッセージを含み、各制御データメッセージはメモリ74から検索される。無線制御信号は無線周波数信号、赤外線信号、あるいは他の無線信号であってよい。単一のイベントは、車両乗員によるオペレータ入力装置78のオペレータ作動であってよい。代替的に、あるいはこれに加えて、制御回路72は、ナビゲーションデータを受信し、送信機と第1の遠隔電子システム18との間の距離を決定するように構成されてよく、その場合単一のイベントは、制御回路72が、送信機70が第1の遠隔電子システム18の所定距離範囲内にあると判断することであってよい。
【0032】
制御回路72は、オペレータ入力装置78内のスイッチが送信機回路76に(例えばセキュリティライトを点灯するため、防犯ゲートを開放する等のために)第1の無線制御信号を送信させ、さらに、制御回路72が、送信機70が第1の遠隔電子システム18の所定の距離範囲内にあると判断した場合、制御回路72が(例えば、ガレージドアを上げるために)第1の無線制御信号とは異なる第2の無線制御信号を自動的に送るよう、ユーザによりプログラム可能である。なおさらに、オペレータ入力装置78内の1つのスイッチは、送信機回路76に第1の無線制御信号を送信させ、オペレータ入力78内の第2のスイッチは、送信機76に複数の制御信号を送信させてよく、ここにおいて複数の無線制御信号が同時にまたは順に送信されてよい。
【0033】
システム12または送信機70が1つのスイッチの作動に応えて複数の異なる無線制御信号を送信する例示的な実施形態では、該無線制御信号の内の1つは、第1の所定期間(例えば1秒から2秒)送信でき、次に第2の無線制御信号は、所定期間(例えば1秒から2秒)送信でき、スイッチが解放されるまで伝送のサイクルを反復することができる。
【0034】
ここで図7を参照すると、無線制御システムの位置に基づいて遠隔電子システムの無線制御のために、車両上の無線制御システムから無線制御信号を送信する例示的な方法がここで説明される。ステップ705では、作動信号が受信される。作動信号は、ユーザ入力、現在位置と遠隔電子システム18間の距離に基づいた自動作動、タイミング情報に基づいた自動作動、あるいは他のイベントの結果として受信できる。
【0035】
作動信号の受信に応答して、システム12の現在位置を示すナビゲーションデータがステップ710で受信される。該ナビゲーションデータは、現在位置をユーザが選択した結果として外部ナビゲーション装置へのインタフェース回路を通して、現在位置を記憶するメモリ内の絶えず更新される位置からアップロードすることにより、あるいは他の方法により受信できる。
【0036】
ステップ715では、ステップ710で受信されるナビゲーション情報は、図4及び図5に関して説明されるようにメモリに記憶される既知の位置の一覧と比較される。ステップ715では、例示的な実施形態に従って、システム12の現在位置が既知の位置と比較され、システム12に最も近接である既知の場所を決定する。該決定は、現在位置の経度及び緯度を、既知の位置の経度及び緯度と比較することによりされてもよい。
【0037】
最も近接した既知の位置がステップ715で決定されてから、ステップ720で、最も近接した既知の位置に関連付けられた該無線制御信号または複数の無線制御信号が、検索及び送信されてよい。代替的実施形態に従って、既知の位置が遠隔電子システム18の伝送範囲内にあるかどうかの決定はステップ720の前に下すことができる。システム12と既知の位置の間の距離に関する該決定は、記憶されている伝送範囲をステップ715で決定される距離と比較することによって下すことができる。システム12が既知の位置の範囲内にある場合、無線制御信号が送信される。ない場合には、範囲外のインジケータがユーザに提供されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の例示的な実施形態に係る、無線制御システムを有する車両の斜視図である。
【図2】本発明の例示的な実施形態に係る、1つの無線制御システム及び複数の遠隔電子システムのブロック図である。
【図3】本発明の例示的な実施形態に係る、無線制御システムがそれに取り付けられたサンバイザの概略図である。
【図4】本発明の例示的な実施形態に係る、図2の無線制御システムを訓練する方法のフローチャートである。
【図5】本発明の例示的な実施形態に係る、各データ対が、位置及び対応する制御信号を含むメモリに記憶されているデータ対の集合のチャートである。
【図6】本発明の例示的な実施形態に係る、複数の位置で複数の遠隔電子システムを無線で制御するための送信機のブロック図である。
【図7】本発明の例示的な実施形態に係る、位置に基づいた遠隔電子システムの無線制御の方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線制御システムの位置に基づいて、遠隔電子システムのための無線制御信号をカスタマイズするための無線制御システムであって、
前記遠隔電子システムを制御する制御データを有する無線制御信号を送信するように構成される送信機回路と、
ナビゲーションデータソースからナビゲーションデータを受信するように構成されるインタフェース回路と、
前記送信機回路及び前記インタフェース回路に接続され、送信コマンドを受信し、ナビゲーションデータを受信し、前記ナビゲーションデータに基づいて現在位置を決定し、並びに前記送信機回路に前記現在位置に関連付けられた無線制御信号を送信するように命令するよう構成される制御回路と
を具備することを特徴とする無線制御システム。
【請求項2】
前記送信機回路及び前記制御回路に結合される車内要素をさらに具備し、
前記無線制御システムは、車内に取り付けるために構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の無線制御システム。
【請求項3】
前記車内要素は、オーバヘッドコンソール、サンバイザ、または計器パネルである
ことを特徴とする請求項2に記載の無線制御システム。
【請求項4】
前記制御回路は、位置データ及び無線制御信号をデータ対の集合として記録するよう訓練モードで動作可能であり、
前記データ対の各集合が、前記データ組に記憶される前記無線制御信号と関連付けられる遠隔電子システムに近接する位置を示す
ことを特徴とする請求項1に記載の無線制御システム。
【請求項5】
前記制御回路は、各データ対に記憶される前記遠隔電子システムに近接する前記位置と、現在位置とを比較するために、複数のデータ対を検索するように構成され、
前記制御回路は、そのデータ組のための前記遠隔電子システムに近接する位置が前記現在位置に近接する場合に、前記送信機回路に対して、データ対からの前記無線制御信号を送信するように命令するよう構成される
ことを特徴とする請求項4に記載の無線制御システム。
【請求項6】
前記無線制御システムは、さらに、無線信号を受信するように構成される受信機回路を具備し、
前記制御回路は、前記無線信号上のデータコードを特定及び記憶するように構成され、
前記送信機回路により送信される前記無線制御信号が、前記記憶されたデータコードを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の無線制御システム。
【請求項7】
前記制御回路はさらに、前記記憶されたデータコードと位置を自動的に関連付け、前記記憶されたデータコードとともにデータ組に前記位置を記憶するように構成される
ことを特徴とする請求項6に記載の無線制御システム。
【請求項8】
車両上の無線制御システムを、前記車両の位置に基づいて遠隔電子システムの無線制御のために訓練する方法であって、
ユーザから訓練を開始する要求を受信するステップと、
前記車両の現在位置を受信するステップと、
信号が遠隔電子システムに無線で送信されるよう、制御データを提供するステップと、および
前記遠隔電子システムのための前記無線制御信号と、前記車両の前記現在位置を関連付けるステップとを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
訓練を開始する前記要求は、押しボタンを介して受信される
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法はさらに、
複数の無線制御信号の内のどれが前記車両の前記位置に基づいて送信されるべきかに関する指示を、前記ユーザから受信するステップを含む
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法はさらに、
データコードを有する無線信号を受信するステップと、
前記無線信号上の前記データコードを特定及び記憶し、それにより前記無線制御システムが、前記無線信号の前記データコードを送信することにより前記遠隔電子システムを無線で制御可能とするステップとを含む
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
車両の位置に基づいて遠隔電子システムを制御するために無線制御信号を送信する方法であって、
前記車両の現在位置を受信するステップと、
前記車両の前記現在位置を、それぞれの位置が無線制御信号と関連付けられた複数の記憶されている位置と比較するステップと、
前記現在位置に最も近い前記記憶されている位置と関連付けられる前記無線制御信号を決定するステップと、
前記現在位置に最も近い前記記憶されている位置と関連付けられる前記無線制御信号を送信するステップとを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記現在位置に最も近い前記記憶されている位置に関連付けられる前記無線制御信号を送信することが、前記現在位置が前記記憶されている位置の所定の距離内にあると判断するときにだけ前記無線信号を送信することを含む
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記制御データは、ガレージドアオープナーを制御するように構成される
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記送信するステップは、前記車両の前記現在位置と、記憶されている位置の一覧との前記比較が、前記車両が前記遠隔電子システムに近いことを示す場合に、複数の遠隔電子システムを制御する、異なる制御データを有する複数の無線制御信号を送信することを含む
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ナビゲーションデータソースは、車両コンパスである
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
複数の位置の1つにある複数の遠隔電子システムを無線で制御するための送信機であって、
それぞれの制御データメッセージが異なる遠隔電子システムを制御するように構成される複数の制御データメッセージ、及び複数の場所を記憶するように構成されるメモリであって、それぞれの位置を複数の制御データメッセージと関連付けるように構成されるメモリと、
送信機回路と、
単一のイベントに応答して、それぞれの無線制御信号が異なる制御データメッセージを含む、複数の無線制御信号を送信するように前記送信機回路に命令するよう構成される制御回路とを具備する
ことを特徴とする送信機。
【請求項18】
前記送信機は、さらに、オペレータ入力装置を具備し、
前記単一のイベントは、車両乗員による前記オペレータ入力装置の前記作動である
ことを特徴とする請求項17に記載の送信機。
【請求項19】
前記制御回路は、ナビゲーションデータを受信し、前記送信機と前記遠隔電子システムの間の近接性を決定するように構成され、
前記単一のイベントは、前記制御回路が、前記送信機が前記遠隔電子システムの所定の近接の範囲内にあると判断することである
ことを特徴とする請求項17に記載の送信機。
【請求項20】
前記送信機はさらに、
前記制御回路に結合されるオペレータ作動可能スイッチを具備し、
前記制御回路は、前記スイッチが前記送信機に第1の制御データメッセージを有する第1の無線制御信号を送信させ、前記送信機が前記遠隔電子システムの所定の近接の範囲内にあると前記制御回路が判断する場合に、前記第1の制御データメッセージとは異なる第2の制御データメッセージを含む第2の無線制御信号を前記制御回路が自動的に送信するように、ユーザによってプログラム可能である
ことを特徴とする請求項19に記載の送信機。
【請求項21】
前記送信機はさらに、
前記送信機回路及び前記制御回路に結合される車内要素を具備し、
前記送信機は車内に取り付けるために構成される
ことを特徴とする請求項17に記載の送信機。
【請求項22】
前記車内要素は、オーバヘッドコンソール、サンバイザ、または計器盤である
ことを特徴とする請求項21に記載の送信機。
【請求項23】
前記制御回路は、前記無線制御信号のどれが前記単一のイベントに応答して送信されるべきかに関して前記ユーザによりプログラミングされるように構成される
ことを特徴とする請求項17に記載の送信機。
【請求項24】
前記送信機はさらに、
前記制御回路に結合される複数のオペレータ作動可能スイッチを具備し、
前記制御回路は、前記スイッチの第1が前記送信機に第1の無線制御信号を送信させ、前記スイッチの第2が前記送信機に第2の無線制御信号及び第3の無線制御信号を同時に、または順に送信させるように、ユーザによりプログラム可能である
ことを特徴とする請求項17に記載の送信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−502668(P2006−502668A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543578(P2004−543578)
【出願日】平成15年10月8日(2003.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2003/031977
【国際公開番号】WO2004/034352
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(598147400)ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー (224)
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
【Fターム(参考)】