説明

位置座標付与装置

【課題】 住所地情報を含む顧客ファイルの各レコードに対し、オペレータの手動操作によって緯度経度等の位置情報を付す際の作業効率を向上する。
【解決手段】 位置座標付与装置は、住所、名称などと緯度経度とを対応づけた位置座標レコードを記録している緯度経度DBを参照して、顧客ファイルの各レコードに対し、以下の手順で緯度経度を付与する。まず、顧客ファイルのレコードを画面に一覧表示する。オペレータが処理の対象レコードを選択すると、顧客名の先頭1文字を検索キーとして、自動的に緯度経度DBを検索し、結果を表示する。オペレータが、対象レコードに対応する位置座標レコードを選択すると、対象レコードに緯度経度が付与される。このように候補となる位置座標レコードを自動的に検索し、一覧表示することによって、緯度経度の付与を手動で行う際の効率を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住所地を特定可能な住所地情報とその他の項目とを含む住所レコードに対し、住所地情報に対応する地点の位置座標を付与する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の事業において、顧客氏名、住所、契約内容等を登録した顧客管理データベースを用いて顧客管理が行われてきた。また、このような顧客管理データベースに基づき、地図上に顧客の住居をシンボルで表示し、地域別の顧客の分布状況等を視覚的に認識可能として営業計画に活用することも行われてきた。このような表示を行うためには、顧客の住所に対して、緯度、経度等の位置座標を予め与えておく必要がある。位置座標の付与は、住所に対して位置座標が予め登録された位置座標データベースを参照し、顧客の住所に該当する位置座標を検索することで行われていた。
【0003】
位置座標の付与に関する技術として、例えば、特許文献1記載の技術が挙げられる。この技術では、店舗リストデータに登録された住所および店舗名称をキーとして、予め住所と緯度経度とを登録した住宅地図データを検索することにより、各店舗に緯度経度を付与する。店舗リストデータに登録された住所等に完全に一致するデータが、住宅地図データから検索できなかった時には、検索条件を緩和して緯度経度を付与する。例えば、番地まで完全に一致するデータが検索できない店舗に対しては、その住所地に対応する街区や町の代表点の緯度経度を付与する。こうして設定された緯度経度に対しては、信頼情報フラグを付すことで、検索条件を緩和して付与された情報であることが分かるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特許第3466534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、住所には種々の表記方法がある。例えば、番地について、「1丁目2番地」と表す場合もあれば、「1−2」と略記する場合もある。その他、「大字」、「字」を明記したり省略したりすることもある。店舗その他の名称についても同様に、「株式会社」を明記する場合と略記または省略する場合や、「○○商店」と表記したり「○○屋」と表記したりする場合がある。このように住所や名称等の住所地情報の表記方法がまちまちであると、それに完全一致する位置情報の検索効率、いわゆるヒット率が低下する。従来、ヒット率を向上させるため、位置情報の検索に先立って、住所地情報の表記を標準的な表記方法に統一する前処理が施されるのが通常であった。
【0006】
このような前処理を施したとしても、完全一致する位置情報が得られないケースは相当数存在し得た。これには、例えば、標準的な前処理では対処できない地域特有の地名等が含まれている場合、個人商店などで店舗には屋号が表示されていない場合、市町村合併などで住所表記が変更になって間もない時期など種々の原因が考えられる。ヒットしなかったデータに対しては、手作業で位置情報を付与していく必要がある。このための方法として、例えば、画面に詳細な地図を表示し、顧客管理データベースに記録された住所や名称を見ながらオペレータが地図上で該当する地点を探し出し、緯度経度情報を付与していくという方法が挙げられる。
【0007】
しかし、地図には、行政界名称や道路名称など、雑多な文字が種々の大きさ、色、向きで記載されており、オペレータが、顧客管理データベースの記載に該当する地点を効率的に探し出すことは困難である。上述の通り、位置情報の検索でヒットしない確率は、前処理を改善したとしても相当数存在するため、手作業で位置情報を付与する作業の効率向上を図ることが、位置情報付与の実用性を確保する上で非常に重要である。かかる課題は、顧客管理データベースに固有のものではなく、住所地情報を含むデータベースに対して位置情報を付与する際に共通の課題である。本発明は、かかる観点から、手作業で位置情報を付与する作業を効率的に行い得るよう、オペレータを支援する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、住所地を特定可能な住所地情報を含む住所レコードを記録している住所データベースの各住所レコードに対し、住所地情報に対応した位置座標を付与するための位置座標付与装置として構成することができる。住所地情報は、住所、名称などを指す。住所データベースには、これらの少なくとも一部が記録されていればよい。
【0009】
本発明の位置座標付与装置は、住所地情報と位置座標とを予め対応づけた位置座標レコードを記録している位置データベースを参照する。位置座標は、緯度経度、地図上に定義された直交座標など、地図上の一点を一義的に特定可能な種々の座標を用いることができる。位置座標は必ずしも2つ以上の成分から構成されるものである必要はなく、例えば、基本項目番号と呼ばれるコード、つまり位置を特定可能な情報を含む単一のコードであってもよい。位置データベースとしては、例えば、住宅地図データを用いることができる。
【0010】
位置座標付与装置は、住所データベースと位置データベースを参照し、住所レコードの少なくとも一部と、位置座標レコードの少なくとも一部とを一画面内で対照可能に表示する。両者を上下または左右に並列に表示してもよいし、両者を別々のウィンドウに表示し、オペレータがその位置関係を任意に調整できるようにしてもよい。
【0011】
位置座標付与装置は、この表示画面を介して、処理対象となる住所レコードの指定と、住所レコードに対応づけるべき位置座標レコードの指定を受け付ける。この際、オペレータが住所レコードを指定すると、その指定に呼応して、予め設定された検索条件に該当する位置座標レコードが位置データベースから抽出され表示される。つまり、オペレータが処理対象となる住所レコードを指定すると、それに呼応して、位置座標レコードの絞り込みが行われるのである。この検索は、指定された住所レコードに含まれる情報の少なくとも一部を用いて行われる。
【0012】
こうして絞り込まれた位置座標レコードから、オペレータが住所レコードに対応するものを選択して指定すると、位置座標付与装置は、その位置座標レコードに含まれる位置座標を指定された住所レコードに対応づける。このように、本発明の位置座標付与装置によれば、上述の絞り込みが自動的に行われることにより、住所レコードに対応する位置座標レコードを容易に見つけることが可能となり、手作業での位置座標の付与作業を効率的に行うことが可能となる。
【0013】
絞り込みを行うための検索条件は、種々の設定が可能であるし、種々の設定方法が可能である。一例として、次に示すインタフェース画面を用いて設定するようにしてもよい。このインタフェース画面では、住所データベースの項目と、位置データベースの項目とを対照可能に表示する。そして、この表示画面を介して、住所データベースの項目のうち検索条件のキーとして用いるべき項目の指定と、位置データベースの項目のうち検索条件の検索対象となるべき項目の指定とを受け付ける。こうすることで、位置データベースの項目名と住所データベースの項目名とが異なっている場合でも、指定された対応関係に基づいて絞り込みを行うことが可能となる。従って、住所データベースの項目名を位置データベースの項目名に合わせて変更するなどの煩雑な作業が不要となり、位置座標付与に際してのオペレータの負荷が軽減される利点がある。
【0014】
検索条件は、例えば、住所レコードのうち検索に用いるべき項目の所定範囲にある文字列をキーとするよう設定することができる。所定範囲の文字列とは、文字列の開始位置、および文字数で設定することができる。開始位置は、先頭、末尾、先頭または末尾から所定番目などの形で指定することができる。文字数は1文字以上任意に設定可能である。キーとして用いる文字列が多くなれば、絞り込みの結果として表示される位置座標レコードの数が減り、文字列が短くなれば増える。文字数は、実際に用いる位置データベースに含まれるレコード数を考慮し、絞り込みによる効果が十分に得られるよう実験または解析を通じて設定すればよい。
【0015】
住所データベースおよび位置データベースは、両者に共通の所定の情報に基づいてグループ化可能な構成としてもよい。例えば、郵便番号や電話番号の市外局番などを用いたグループ化が考えられる。このように住所データベースおよび位置データベースがグループ化可能である場合には、位置座標付与装置は、表示対照とすべきグループの指定を受け付け、指定されたグループに含まれるレコードを対照として表示および検索を行うようにしてもよい。こうすることで、表示および検索の対象となるレコード数を低減させることができるため、表示等の処理の所要時間を短縮することができる。
【0016】
本発明の位置座標付与装置は、各住所レコードに含まれる住所地情報に該当する位置座標レコードを位置データベースから自動的に検索し、該当する位置座標を住所レコードに対応づける機能を備えていても良い。この場合、上述した手作業での位置座標の対応づけは、位置座標を自動的に対応づけることができなかった住所レコードを対象として選択的に行うようにしてもよい。更に、この自動検索を行う前に、各住所レコードに含まれる住所地情報を、位置座標データベースで採られている住所地情報の表記方法に適合させるための前処理を実行するようにしてもよい。
【0017】
本発明は、以上に述べた種々の特徴を必ずしも全て備えている必要はなく、一部を省略してもよいし、適宜、組み合わせて構成してもよい。また、本発明は、上述した位置付与装置としての構成の他、コンピュータによって位置座標の付与を支援する位置付与方法として構成することもできるし、かかる機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムとして構成することもできる。更に、このコンピュータプログラムを記録した記録媒体として構成しても良い。ここで、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施例について以下の順序で説明する。
A.装置構成:
B.位置座標付与の処理概要:
C.自動マッチング処理:
D.手動マッチング処理:
E.地図表示処理:
【0019】
A.装置構成:
図1は実施例としての位置座標付与装置の構成を示す説明図である。位置座標付与装置は、汎用のパーソナルコンピュータに、図示する各機能を実現するためのコンピュータプログラムをインストールすることによって構成される。図中に示す各機能ブロックは、本実施例では、ソフトウェア的に構成されることになるが、少なくとも一部をハードウェア的に構成してもよい。また、本実施例では、スタンドアロンで稼働する装置としての構成を例示するが、複数のパーソナルコンピュータやサーバをネットワークで接続し、これらの分散処理によって実現するシステムとして構成してもよい。
【0020】
以下、説明時に用いる用語の明確化を図る都合上、位置座標付与装置は、ある事業を営む営業所に設置されているものとして説明する。位置座標付与装置は、顧客ファイル140に含まれる情報に基づいて種々の処理を実行し、リンク情報ファイル120を生成するという機能(以下、この機能を「マッチング」と称する)、このリンク情報に基づいて地図を表示する機能(以下、この機能を「地図表示」と称する)を実現する。
【0021】
顧客ファイル140とは、営業所の顧客を管理するためのデータベースであり、それぞれの顧客について、名称、住所、契約内容などの情報が格納されている。この顧客ファイル140は、位置座標付与装置自身に作成機能を備えるようにしてもよいし、別途用意された営業管理プログラム70で作成・管理するようにしてもよい。
【0022】
顧客ファイル参照部50は、顧客ファイル140のデータを読み込み、前処理部60に受け渡す機能を奏する。顧客ファイル140が位置座標付与装置とは別の営業管理プログラム70によって生成されている場合、そのフォーマットは位置座標付与装置を利用する営業所によってまちまちである。本実施例では、顧客ファイル参照部50は、顧客ファイル140のフォーマットに合わせて個別に作成される機能ブロックである。顧客ファイル参照部50は、営業所によってまちまちな顧客ファイル140のファイル形式を、前処理部60が処理可能な標準的な形式に変換して受け渡すという意味でAPI(Application Program Interface)的な機能を奏していると言える。もっとも、顧客ファイル140として、テーブル形式など、典型的なデータ構造のみを許容する場合には、顧客ファイル参照部50は、このような典型的なデータ構造からなるファイルを読み込み可能な汎用の機能ブロックとして構成することもできる。
【0023】
前処理部60は、顧客ファイル140に対する前処理、即ち顧客ファイル140に記録されたデータの表記を、マッチング処理に適した標準的な表記に修正する処理を実行する。前処理としては、例えば、次に示す処理が挙げられる。
【0024】
(1) 住所末尾の「号」「番」「番地」を省略する。
(2) 「丁目」「番地」「番」の前の文字が漢数字の場合には、それを数値に変換する。
(3) 住所で用いられている半角ハイフンは、全角ハイフンに置換する。
(4) スペースを削除する。
(5) 「大字」、「字」を省略する。
(6) 漢字の「ケ」を全角カタカナの「ケ」に置き換える。
(7) 文字列内のひらがなを全角カタカナに置換する。
【0025】
この処理により、例えば、「A県T市大字t町M280番」という住所は、「A県T市t町M280」に変換されることになる。本実施例では、上述の処理規則は、前処理パターンDB150に登録されている。上述の処理は、一例に過ぎず、これらの処理の一部を省略してもよいし、上述とは異なる処理を追加してもよい。
【0026】
前処理部60による処理結果は、マッチング用ファイル130という中間的なファイルに格納される。マッチング用ファイル130は、自動マッチング部40および手動マッチング部30によるマッチング処理に使用される。
【0027】
自動マッチング部40は、マッチング用ファイル130に記録された各レコード(以下、「顧客レコード」と称する)に対して緯度経度を付与する(以下、この処理を「自動マッチング」と称する)。この処理には、緯度経度DB100が用いられる。緯度経度DB100は、住所、名称等の住所地情報と緯度経度とを対応づけて記録したデータベースである。緯度経度DB100の具体的なデータ構造例は後で示す。本実施例では、住宅地図データベースを利用するものとした。自動マッチング部40は、顧客レコードに記録された住所および名称をキーとして、緯度経度DB100を検索する。そして、緯度経度DB100のレコード(以下、「位置座標レコード」と称する)から、住所および名称に合致するものが得られると、位置座標レコードに記録された緯度経度を顧客レコードに付与する。
【0028】
本実施例では、得られた緯度経度情報は、マッチング用ファイル130および顧客ファイル140とは別のリンク情報ファイル120に記録するものとした。リンク情報ファイル120は、顧客ファイル140のいずれかの項目をキーとして緯度経度を記録したファイルである。例えば、顧客ファイル140中の住所をキーとする場合、リンク情報ファイル120には、顧客レコードの住所と緯度経度とが対応づけて記録されることになる。リンク情報ファイル120の具体的なデータ構造例は後で示す。
【0029】
自動マッチングによって、緯度経度が付与できなかった顧客レコードについては、手動マッチング部30により緯度経度の付与が行われる(以下、この処理を「手動マッチング」と称する)。手動マッチング部30は、マッチング用ファイル130に記録された顧客レコードのうち、自動マッチングできなかったものを画面上にリスト表示する。オペレータが処理対象となる顧客レコードを選択すると、緯度経度DB100からこの顧客レコードに該当する候補となる位置座標レコードを抽出し、リスト表示する。オペレータが、両者のリスト表示を参照し、顧客レコードに対応づけるべき位置座標レコードを選択すると、その位置座標レコードに記録された緯度経度が、顧客レコードに付与される。この緯度経度は、自動マッチングと同様に、リンク情報ファイル120に格納される。
【0030】
地図表示部20は、地図DB110、即ち電子地図のデータベースを用いて、画面上に地図を表示する。地図表示部20は、更に、地図上で、リンク情報ファイル120に記録された緯度経度に該当する位置に所定のシンボルを併せて表示する。
【0031】
コマンド入力部10は、マウスやキーボードの操作を介して、以上で説明したそれぞれの処理に関するコマンドを入力し、各機能ブロックに受け渡す。図中では、代表例として、地図表示部20、手動マッチング部30、自動マッチング部40に受け渡す矢印のみを示しているが、その他の機能ブロックに対しても必要に応じてコマンドの受け渡しが行われる。
【0032】
B.位置座標付与の処理概要:
図2は位置座標付与の処理概要を示す説明図である。図の上方に、顧客ファイル140の例を示した。この例では、顧客名、住所、担当者、契約内容等が記録されている。図1で説明した通り、この顧客ファイル140に対して、前処理パターン150に従った前処理を施すことにより、マッチング用ファイル130が生成される。図中の例では、この前処理によって、住所欄における「**市大字○○町字△△ニ八十番地」という表記が、「**市○○町△△280」に変換されることになる。
【0033】
本実施例では、マッチング用ファイル130に、「リンク設定フラグ」を付すものとした。リンク設定フラグは、マッチング処理によってリンク情報の設定、即ち緯度経度の付与が完了したか否かを示すフラグである。「1」はマッチングが完了したことを示し、「0」はマッチングが未済であることを示している。
【0034】
マッチング用ファイル130の各顧客レコードに対しては、自動マッチングおよび手動マッチングが行われる。この際に利用される緯度経度DB100の構造を図中に例示した。図の例では、住所と緯度経度が対応づけられたデータベースとなっているが、更に名称等を含めても良い。「**市○○町△△280」という顧客レコードに対しては、枠囲みで示した位置座標レコードが検索され、LAT280、LON280という緯度経度が付されることになる。
【0035】
図の下方にはリンク情報ファイル120の構造例を示した。ここでは、リンク情報ファイル120は、顧客ファイル140のうち「担当者名」項目を第1キー、「契約内容」項目を第2キーとして生成されている。図中の「A山A男」なる顧客レコードに対する緯度経度(LAT280、LON280)は、担当者名「AAA」、契約内容「プランA」と対応づけて記録されることになる。
【0036】
本実施例のリンク情報は、顧客レコードと1対1で対応づけられるとは限らない。複数対1、1対複数、複数対複数の対応づけも許容されている。例えば、「A山A男」なる顧客レコードの他に、担当者「AAA」、契約内容「プランA」という顧客レコードが存在すれば、その顧客レコードに対応する緯度経度(LAT1、LON1)は、リンク情報ファイル120には、「A山A男」なる顧客レコードに対する緯度経度(LAT280、LON280)と併せて記録されることになる。これは、リンク情報ファイル120において、第1キーおよび第2キーで特定されるレコードに、複数の顧客レコードが対応づけられているという意味で、「顧客レコード」対「位置座標レコード」が「複数対1」の態様に相当する。
【0037】
逆に、顧客「A山A男」が図中の契約に加えて、担当者「AAA」とは別の担当者「BBB」と、契約内容「プランA」以外の契約「プランB」をしていたとする。この場合には、リンク情報ファイル120には、顧客「A山A男」の緯度経度(LAT280,LON280)は、担当者名「BBB」、契約内容「プランB」という第1キーおよび第2キーにも対応づけられることになる。これは、リンク情報ファイル120において、第1キーおよび第2キーで特定される複数種類のレコードに単一の顧客レコードが対応づけられているという意味で、「1対複数」の態様に相当する。本実施例では、この他、上述の組み合わせとして、「複数対複数」という対応関係も許容されているのである。
【0038】
C.自動マッチング処理:
図3は自動マッチング処理のフローチャートである。図1に示した顧客ファイル参照部50、前処理部60および自動マッチング部40が実行する処理であり、ハードウェア的には、位置座標付与装置を構成するパーソナルコンピュータのCPUが実行する処理である。
【0039】
処理を開始すると、CPUはオペレータの指示に従って、マッチング条件の設定を行う(ステップS10)。この処理では、処理対象となるべき顧客ファイル名の指定を入力する。また、リンク情報ファイル120で用いられるキー情報の設定を受け付ける。
【0040】
マッチング条件の設定が完了すると、CPUは指定された顧客ファイル140を読み込み(ステップS11)、これに対して前処理を実行して、マッチング用ファイル130を生成する(ステップS12)。
【0041】
そして、このマッチング用ファイル130に記録された顧客レコードについて緯度経度DB100の検索を実行する(ステップS13)。この検索処理によって、位置座標レコードがヒットしなかった場合には(ステップS14)、マッチング用ファイル130のリンク設定フラグに「0」を設定する(ステップS15)。位置座標レコードがヒットした場合には(ステップS14)、結果をリンク情報ファイル120に出力し(ステップS16)、リンク設定フラグに「1」を設定する(ステップS17)。CPUは以上の処理を、全顧客レコードについて終了するまで繰り返し実行する(ステップS18)。
【0042】
図4はキー情報を設定するためのインタフェース画面を示す説明図である。図の中央にインタフェース画面V1を例示し、顧客ファイル140のデータ構造例を上方に、リンク情報ファイル120の構造例を下方に示した。
【0043】
インタフェース画面V1において、左側の「顧客テーブル」欄には、顧客ファイル140に含まれる項目名がリスト表示される。オペレータが、マウス等を用いて、この項目の中から任意の項目を選択し、インタフェース画面V1の中央に示した「追加」ボタンをクリックすると、選択した項目がリンク情報ファイル120の「キー情報」として登録される。逆に、キー情報に表示されたいずれかの項目を選択して、「削除」ボタンをクリックすると、その項目をキー情報から削除することができる。
【0044】
キー情報の設定には、種々のインタフェース画面を適用可能であるが、図示した画面によれば、項目名の入力間違いなどを招くことなく、顧客ファイル140に含まれる項目を容易にキー情報として設定することができる利点がある。本実施例では、複数の項目をキー情報として設定可能としたが、キー情報となる項目を一つに制限してもよい。
【0045】
D.手動マッチング処理:
図5は手動マッチング処理のフローチャートである。自動マッチングにおいて、緯度経度が付与されなかった顧客レコードに対して、オペレータの操作によって緯度経度を付与するための処理である。
【0046】
手動マッチング処理が開始されると、CPUは表示項目および検索対応項目の指定を受け付ける(ステップS30)。表示項目とは、手動マッチングを行うためのインタフェース画面に表示すべき項目の指定である。具体例は後で示す。検索対応項目とは、手動マッチングにおいて、処理対象として選択された顧客レコードに対応する候補を緯度経度DB100から抽出するための検索キーとなる項目の指定である。
【0047】
これらの指定が完了すると、CPUはマッチング用ファイル130のリンク設定フラグが「0」となっている未リンクレコード、即ちマッチング処理が未済の顧客レコードを抽出して表示する(ステップS31)。本実施例では、郵便番号ごとにグループ化して、未済の顧客レコード数を表示するものとした。これは、手動マッチングの処理対象となる顧客レコード数が多大な場合に、表示、検索等の処理の所要時間が増大するのを回避するための処理である。かかる要請がない場合には、グループ化を省略しても良い。例えば、未リンクレコードの数が所定数を超える場合にのみグループ化を行い、所定数以下の場合には、グループ化を省略するというように、グループ化の要否を切り替えてもよい。
【0048】
CPUは表示したグループのうち、処理対象となるグループの指定を受け付け(ステップS32)、そのグループに含まれる未リンクレコードを一覧表示する(ステップS33)。オペレータが、この中から対象レコード、即ち処理対象となるべきレコードを指定すると(ステップS34)、CPUは検索条件に基づいて緯度経度DB100を検索し(ステップS35)、その検索結果を一覧表示する(ステップS36)。この検索条件は、自動マッチングの際の検索条件とは異なるものである。検索条件は、緯度経度DB100から、対象レコードに対応する位置座標レコードの候補を絞り込むための条件であり、オペレータによって予め指定された条件である。一般には、自動マッチングにおいて緯度経度DB100を検索するための条件よりも緩和された条件に設定される。
【0049】
オペレータが、検索結果の一覧、即ち絞り込まれた位置座標レコードから、対象レコードに対応する位置座標レコードを選択し、指定すると、CPUは、指定された位置座標レコードに記録された緯度経度を、リンク情報ファイル120に出力する(ステップS37)。CPUは、以上の処理を、全未リンクレコードについて完了するか、オペレータから終了の指示が入力されるまで、繰り返し実行する(ステップS38)。
【0050】
図6は検索条件を設定するためのインタフェース画面を示す説明図である。左側には、顧客ファイル140の項目の一覧がリスト表示される。オペレータは、手動マッチングを行うためのインタフェース画面において表示すべき項目を、マウス等によって指定する。 右側には、緯度経度DB100の項目一覧がリスト表示される。オペレータは、緯度経度DB100についても、同様に、手動マッチングのインタフェース画面で表示すべき項目を指定する。図中の白黒反転している部分が指定された表示項目である。
【0051】
画面下方の「並べ替え項目」欄は、絞り込み用の検索で用いられるべき項目の指定である。図の例では、顧客ファイル140について「顧客名」、緯度経度DB100について「世帯名称」が指定されている。手動マッチングにおける絞り込み検索(図5のステップS35)では、顧客ファイル140の「顧客名」を検索キーとして、緯度経度DB100の「世帯名称」項目を検索することになる。本実施例のインタフェース画面では、顧客ファイル140の項目と緯度経度DB100の項目とを対照可能に並列表示する。従って、検索条件の設定時に、両者の項目同士を容易に対照することができ、誤りなく簡易に検索条件を設定可能となる利点がある。
【0052】
絞り込み検索は、完全一致を条件とするようにしてもよいが、本実施例では、顧客名の先頭1文字のみを検索キーとして用いるものとした。絞り込み検索に用いる文字列の範囲は任意に設定可能であり、例えば、先頭から2文字以上の所定文字数分を用いるようにしてもよいし、末尾から所定文字数分を用いるようにしてもよい。中間に位置する所定範囲の文字列を用いるようにしてもよい。本実施例では、絞り込み検索に用いる文字列の範囲の指定は、図6に示したインタフェース画面とは別メニューで行うものとしたが、図6に示したインタフェース画面中で行うようにすることも可能である。
【0053】
図6の例では、顧客ファイル140の項目と、緯度経度DB100の項目とを一つの画面内で予め決められた配置で並列表示する例を示した。両者の配置は、種々の設定が可能である。例えば、上下に配置してもよい。また、顧客ファイル140の項目と、緯度経度DB100の項目とを別のウィンドウで表示し、オペレータが任意に配置を変更可能としてもよい。
【0054】
図7は処理対象グループを指定するためのインタフェース画面を示す説明図である。手動マッチング処理(図5)のステップS31で表示される画面に相当する。この画面では、図示する通り、それぞれの郵便番号について、リンク情報が未設定のレコード数が表示される。オペレータは、図示された郵便番号、「440−0001」〜「440−0016」のいずれかをマウス等で指定することにより、処理対象とすべきグループの指定(図5のステップS32)を行うことができる。グループ指定のインタフェース画面は、図7に例示した画面に限らず、種々の構成が可能である。また、グループ化も郵便番号に限らず、市町村その他の行政界名を基準としたり、顧客名を基準とするなど、種々の情報に基づいて行うことが可能である。
【0055】
図8は手動マッチングのインタフェース画面を示す説明図である。この例では、オペレータが郵便番号「440−0015」を選択した場合の例を示した。インタフェース画面では、左側に、オペレータが指定したグループ内で、リンク情報の設定が未済の顧客レコードが一覧表示される。オペレータは、この中から、マウス等で対象レコードを指定することができる。図中の例では、白黒反転で対象レコードを表した。
【0056】
先に図6に示した設定では、顧客ファイル140の「顧客名」の先頭1文字を検索キーとして緯度経度DB100の検索が行われる。図8の例では、対象レコード「古○S子」なので、インタフェース画面の下方に示す通り、検索文字は「古」となる。インタフェース画面の右側には、この検索文字を世帯名称に含む位置座標レコードが候補として一覧表示される。この絞り込み検索は、オペレータが指定したグループ内、図中の例では郵便番号「440−0015」の範囲内で行われる。オペレータは、この一覧から対象レコード「古○S子」に対応する位置座標レコードを指定する。図中の例では、一番上の世帯名称「古○」を指定した状態を示した。こうして指定した後、画面下方にある「リンク」ボタンをクリックすると、指定された位置座標レコードの緯度経度がリンク情報ファイルに格納される。
【0057】
本実施例では、図8に示すインタフェース画面を用いることにより、手動マッチングを効率的に実行することができる。まず、顧客レコードから対象レコードを選択すると、所定の検索条件に基づいて自動的に緯度経度DB100の検索が実行されるため、絞り込み検索の実行を指示する必要がない。また、このように絞り込まれた位置座標レコードが表示されることにより、対象レコードに対応づけるべき位置座標レコードを比較的容易に特定することができる。人間が対象レコードと位置座標レコードとを比較すれば、自動マッチングが失敗に終わった原因を比較的容易に推測することができるとともに、対象レコードに対応づけるべき位置座標レコードを比較的容易に特定することができる場合は多い。本実施例の手動マッチング処理で用いるインタフェース画面は、このような状況下で手動マッチングを効率的に実行するのに適している。
【0058】
E.地図表示処理:
次に、以上で説明した処理によって生成されたリンク情報ファイル120の活用方法について説明する。先に図1で説明した通り、本実施例は地図表示部20の機能として、リンク情報ファイル120に記録された緯度経度に対応する位置に所定のシンボルを付した地図を表示することができる。以下では、まず、リンク情報ファイル120のデータ例を示した後、この地図表示を実現するための処理について説明する。
【0059】
図9はリンク情報ファイル120の内容を例示する説明図である。図の左側に顧客ファイル140の内容を示し、右側にリンク情報ファイル120の内容を例示した。リンク情報ファイル120の右側には、説明の便宜上、レコード番号を付してある。
【0060】
リンク情報ファイル120は、「担当者名」を第1キーとし、「契約内容」を第2キーとして生成されているものとする。この結果、例えば、顧客「A山A男」の緯度経度(LAT1、LON1)は、リンク情報ファイル120において、担当者「AAA」、契約内容「プランA」に対応づけて記録される(図中のレコード番号1)。また、担当者「AAA」、契約内容「プランB」には、顧客「D口D子」「F川F夫」に対応する緯度経度が記録される(レコード番号2、3)。以下、同様にして、担当者名、契約内容に応じて、レコード番号4〜8がそれぞれ記録される。
【0061】
図10は地図表示処理のフローチャートである。地図表示部20(図1参照)が実行する処理であり、ハードウェア的には位置座標付与装置のCPUが実行する処理である。この処理が開始されると、CPUは表示条件の入力を行う(ステップS40)。表示条件としては、地図の表示範囲および縮尺が挙げられる。また、表示対象となるべきリンク情報、およびその表示態様の指定が挙げられる。
【0062】
表示対象となるべきリンク情報の指定は、例えば、営業管理プログラム70で行ってもよいし、位置座標付与装置で指定可能としてもよい。図の右側には、リンク情報を指定するためのインタフェース画面を例示した。この画面では、リンク情報ファイル120の第1キーおよび第2キーの内容を指定することで、表示対象となるべきリンク情報を特定する方法を採用した。
【0063】
図中の例では、表示対象となるべきリンク情報は4通りの条件で指定されている。第1の条件は、第1キー「担当者名」に「AAA」を含み、かつ(AND)、第2キー「契約内容」に「プランA」を含むという条件である。第1の条件に合致するリンク情報は、ハートマークで表示される設定となっている。例えば、図9で示したリンク情報においては、レコード番号1(LAT1、LON1)が第1の条件に合致することになる。
【0064】
第2の条件は、第1キー「担当者名」に「AAA」を含むという条件である。第2の条件に合致するリンク情報は、ダイヤマークで表示される設定となっている。ただし、第1の条件の方が優先されるため、第2の条件は、第1の条件に合致しないリンク情報を対象として判断される。例えば、図9で示したリンク情報においては、レコード番号2、3が第2の条件に合致することになる。
【0065】
第3の条件は、第1および第2の条件に該当しないリンク情報のうち、「契約内容」に「プランA」を含むという条件である。第3の条件に合致するリンク情報は、星印で表示される設定となっている。例えば、図9に示したリンク情報においては、レコード番号4〜7が第3の条件に合致することになる。
【0066】
第4の条件は、第1キー「担当者名」が「BBB」のものを除き、かつ(AND)、第2キー「契約内容」が「プランB」という条件である。第4の条件に合致するリンク情報は、二重丸で表示される設定となっている。例えば、図9に示したリンク情報においては、レコード番号8が第4の条件に合致することになる。
【0067】
表示条件の指定を受け付けると、CPUは、この表示条件に該当するリンク情報をリンク情報ファイル120から抽出し(ステップS41)、地図を表示する(ステップS42)。図中の右下側に地図の表示例を示した。先に説明した通り、第1〜第4の条件にそれぞれ合致するリンク情報で示される緯度経度に対応した位置に、ハートマークなど各条件に対応したシンボルが表示される。
【0068】
本実施例によれば、顧客ファイル140に含まれる顧客の所在を地図上に表示することができる。この地図表示により、顧客の分布状況を視覚的に把握することができ、営業計画の立案等に活用することができる。図9のレコード番号2,3等に示す通り、本実施例では、第1キー、第2キーの組み合わせで特定されるリンク情報が複数存在する場合がある。このリンク情報を地図上に表示すれば、図10に示すように地図上には複数のシンボルが表示されることになる。例えば、図10の例では、レコード番号2,3に対して、地図上の2カ所にダイヤマークが表示される。
【0069】
本実施例では、リンク情報ファイル120を用いることにより、顧客ファイル140に対して緯度経度の追加を行うまでなく、上述の地図表示を実現することができる利点がある。本実施例の方法によれば、リンク情報ファイル120は、位置座標付与装置が生成するファイルであるため、顧客ファイル140のデータ構造にかかわらず、地図表示部20は緯度経度を得ることが可能である。つまり、顧客ファイル140のデータ構造に併せて、顧客ファイル参照部50(図1参照)のようなAPI的機能を施す機能ブロックを生成する必要がなくなり、位置座標付与装置の汎用性を向上させることができる。
【0070】
また、緯度経度の情報を顧客ファイル140に追加しなくても済むため、マッチング処理が完了した後の顧客ファイル140は従前通り、営業管理プログラム70で利用可能であるという利点がある。仮に、顧客ファイル140に緯度経度を追加して新たなデータを生成した場合には、緯度経度が追加されたデータを読み込むことができるように営業管理プログラム70を改修する必要が生じる。これに対し、本実施例ではリンク情報ファイル120を用いることにより、この改修を避けることができる。
【0071】
図9,10で例示したキー情報では、これらの各マークが、どの顧客に対応するかを一義的に特定することはできないが、顧客の分布状況の把握、および営業計画の立案等への活用には支障はない。本実施例では、このように顧客ファイル140を活用する上で実用的な範囲でシンボルの表示/非表示を切り替えられるようリンク情報ファイル120のキー情報を制限することができるため、その分、リンク情報ファイル120のデータ容量を抑制することができる。
【0072】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。本実施例では、手動マッピングにおいて、リスト表示のみを用いる例を示したが、リスト表示画面とともに地図表示を行い、リストまたは地図上で対応する位置座標レコードを指定可能としてもよい。この場合、地図上では、絞り込み検索された位置座標レコードに対応する地点にシンボルを表示する等の方法で、選択対象となる位置座標レコードを視覚的に把握しやすくすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施例としての位置座標付与装置の構成を示す説明図である。
【図2】位置座標付与の処理概要を示す説明図である。
【図3】自動マッチング処理のフローチャートである。
【図4】キー情報を設定するためのインタフェース画面を示す説明図である。
【図5】手動マッチング処理のフローチャートである。
【図6】検索条件を設定するためのインタフェース画面を示す説明図である。
【図7】処理対象グループを指定するためのインタフェース画面を示す説明図である。
【図8】手動マッチングのインタフェース画面を示す説明図である。
【図9】リンク情報ファイルの内容を例示する説明図である。
【図10】地図表示処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
10…コマンド入力部
20…地図表示部
30…手動マッチング部
40…自動マッチング部
50…顧客ファイル参照部
60…前処理部
70…営業管理プログラム
100…緯度経度DB
110…地図DB
120…リンク情報ファイル
130…マッチング用ファイル
140…顧客ファイル
150…前処理パターンDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住所地を特定可能な住所地情報を含む住所レコードを記録している住所データベースの各住所レコードに対し、住所地情報に対応した位置座標を付与するための位置座標付与装置であって、
前記住所データベースを参照する住所データベース参照部と、
住所地情報と位置座標とを予め対応づけた位置座標レコードを記録している位置データベースを参照する位置データベース参照部と、
前記住所レコードの少なくとも一部と、前記位置座標レコードの少なくとも一部とを一画面内で対照可能に表示する対照表示部と、
前記対照表示部による表示画面を介して、処理対象となる住所レコードの指定と、該住所レコードに対応づけるべき位置座標レコードの指定を受け付け、該指定された位置座標レコードに含まれる位置座標を前記指定された住所レコードに対応づける位置座標付与部とを有し、
前記対照表示部は、前記住所レコードの指定に呼応して、前記指定された住所レコードに含まれる情報の少なくとも一部に基づき、予め設定された検索条件に該当する位置座標レコードを前記位置データベースから抽出して表示する位置座標付与装置。
【請求項2】
請求項1記載の位置座標付与装置であって、
前記検索条件を設定するためのインタフェース画面を提供する検索条件設定部を有し、
前記インタフェース画面は、
前記住所データベースの項目と、前記位置データベースの項目とを対照可能に表示し、
該表示画面を介して、前記住所データベースの項目のうち前記検索条件のキーとして用いるべき項目の指定と、前記位置データベースの項目のうち前記検索条件の検索対象となるべき項目の指定とを受け付け可能な画面である位置座標付与装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の位置座標付与装置であって、
前記検索条件は、前記処理対象となる住所レコード中、検索に用いるべき項目の所定範囲にある文字列をキーとする位置座標付与装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか記載の位置座標付与装置であって、
前記住所データベースおよび位置データベースは、両者に共通の所定の情報に基づいてグループ化可能であり、
前記対照表示部は、表示対照とすべき前記グループの指定を受け付け、該指定されたグループに含まれるレコードを対照として前記表示および検索を行う位置座標付与装置。
【請求項5】
住所地を特定可能な住所地情報を含む住所レコードを記録している住所データベースの各住所レコードに対し、住所地情報に対応した位置座標を付与する位置座標付与方法であって、
コンピュータが実行する工程として、
前記住所データベースを参照する住所データベース参照工程と、
住所地情報と位置座標とを予め対応づけた位置座標レコードを記録している位置データベースを参照する位置データベース参照工程と、
前記住所レコードの少なくとも一部と、前記位置座標レコードの少なくとも一部とを一画面内で対照可能に表示する対照表示工程と、
前記対照表示部による表示画面を介して、処理対象となる住所レコードの指定と、該住所レコードに対応づけるべき位置座標レコードの指定を受け付け、該指定された位置座標レコードに含まれる位置座標を前記指定された住所レコードに対応づける位置座標付与工程とを有し、
前記対照表示工程は、前記住所レコードの指定に呼応して、前記指定された住所レコードに含まれる情報の少なくとも一部に基づき、予め設定された検索条件に該当する位置座標レコードを前記位置データベースから抽出して表示する位置座標付与方法。
【請求項6】
住所地を特定可能な住所地情報を含む住所レコードを記録している住所データベースの各住所レコードに対し、住所地情報に対応した位置座標を付与するためのコンピュータプログラムであって、
前記住所データベースを参照する住所データベース参照プログラムコードと、
住所地情報と位置座標とを予め対応づけた位置座標レコードを記録している位置データベースを参照する位置データベース参照プログラムコードと、
前記住所レコードの少なくとも一部と、前記位置座標レコードの少なくとも一部とを一画面内で対照可能に表示する対照表示プログラムコードと、
前記対照表示部による表示画面を介して、処理対象となる住所レコードの指定と、該住所レコードに対応づけるべき位置座標レコードの指定を受け付け、該指定された位置座標レコードに含まれる位置座標を前記指定された住所レコードに対応づける位置座標付与プログラムコードとを有し、
前記対照表示プログラムコードは、前記住所レコードの指定に呼応して、前記指定された住所レコードに含まれる情報の少なくとも一部に基づき、予め設定された検索条件に該当する位置座標レコードを前記位置データベースから抽出して表示する機能をコンピュータによって実現するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−338158(P2006−338158A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−159817(P2005−159817)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【出願人】(394019532)株式会社マップクエスト (3)
【Fターム(参考)】