説明

位置情報提供システム及びサーバ

【課題】屋内位置情報提供システムにおいて、ID情報送信機等の設置者が、その設置に際して発生するコストを回収する方法を提供し、ID情報受信機を有する第三者が、無制限にID情報送信機等の利益にただ乗りすることを防止する方法を提供する。
【解決手段】位置情報提供サーバは、屋内エリアの情報をID情報受信機に通知する。ID情報受信機は、屋内エリアに接近した場合には、位置情報提供サーバに対して、屋内エリアに設置されたID情報送信機等の識別子と位置情報とを含むID−位置情報リストを要求する。ID情報受信機は、ID−位置情報リストを参照することによって、ID情報送信機等の識別子を位置情報に変換し、屋内における自局の位置を特定する。LBSの終了時には、実際に使用したID情報送信機等の識別子とLBSサービスとを位置情報提供サーバに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報提供システムに関し、特に、衛星からの電波を受信することができない屋内における測位方法に関する。
【背景技術】
【0002】
位置情報の取得に、GPS(Global Positioning System)が利用されることが多い。GPSは、衛星を使った測位システムの一つである。GPSにおいて、受信機は、地上約2万キロメートルの軌道を周回する衛星から、時刻情報が含まれる測位信号を受信し、受信した測位信号を計算することによって、地球上における自局の位置(緯度、経度、高さ)を知ることができる。GPSは、米国で開発されたシステムである。
【0003】
衛星を利用した測位システムを、一般にGNSS(Global Navigation Satelite System、「全地球測位システム」)という。GNSSには、現在運用中であるGPS以外にも、ロシア連邦のグローナス(GLONASS)、欧州連合のガリレオ(Galileo)、日本の準天頂衛星システムといった測位システムの運用が予定されている。本明細書では、衛星測位システムを総称してGPSとする。
【0004】
GPSによる測位には、GPS衛星から送信される時刻情報を受信することが必要である。したがって、受信機が時刻情報を含む信号を必要な強度で受信することができないトンネル、地下、屋内等の環境(以下、屋内)に位置する場合には、受信機は、必要な精度の位置情報を取得することができない。
【0005】
屋内でGPSを利用する方法には、屋内に設置した送受信機によって時刻情報を含むGPSの測位信号を受信した後、受信した測位信号を増幅して再放射させる方法がある。また、超高感度のGPS信号の受信機を用いる方法がある。
【0006】
屋内にGPS信号の送受信機を設置する場合には、時刻情報を含む電波を屋内に引き込むために、屋内に電波を伝送させる有線ケーブルを敷設する必要がある。この場合では、特に、地下深くの地下鉄の構内等に位置する受信機に対して、位置情報を提供するためには、相当なコストが必要になる。
【0007】
また、超高感度の受信機を用いる場合には、受信機がノイズの影響を受け易いため、測位に誤差が生じやすい。
【0008】
一方で、GPS衛星を利用せずに屋内での位置情報を提供する方法には、無線LANを用いる方法(例えば、非特許文献1参照)、近距離無線通信、UWB(超広帯域無線)、可視光通信、赤外線通信等を用いる方法がある。
【0009】
例えば、非特許文献1に記載されたシステムは、測位のための専用のデバイスを新たに必要とせず、既に設置されている無線LANの基地局を利用する。つまり、受信機は、無線LANの基地局が定期的に発信しているビーコン波に含まれる情報を用いることによって、自局の位置を特定する。
【0010】
一方、特許文献1には、前述した測位方法によらず、GPS衛星の測位信号を受信することができない屋内において、位置情報を提供する方法が開示されている。具体的には、GPSの航法メッセージに準拠した信号を送信する屋内に設置された装置(以下、屋内ID情報送信機)が、GPS信号を受信することができる装置(以下、ID情報受信機という)に位置情報を送信する。ID情報受信機は、屋内ID情報送信機の位置情報を取得することによって自局の位置を特定する。
【0011】
これによって、特許文献1に記載の測位システムは、GPS衛星からの測位信号を受信することが困難な場所においても、精度を低下させることなく位置情報を提供することができる。
【0012】
また、特許文献2には、サーバマシンがデータIDとその地理情報を表す緯度経度の座標値とを含む位置情報データベースを管理し、データID及び緯度経度座標値をクライアントマシン及びサーバマシンの間で送受信することによって、クライアントマシンがサーバマシンにインストールされた地図を参照する機能、及び、サーバマシンがクライアントマシンで管理されたデータベースを参照する機能を一元的に管理する方法について開示されている。
【0013】
これによって、クライアントマシンは、データIDのみをサーバマシンに送信することによって、サーバマシンにインストールされている地図データ等から、データに対応する位置情報を知ることができる。
【0014】
なお、現段階で、屋内における統一的な測位システムは存在せず、今後も、様々な屋内システムが併存すると予想される。現在の様々な屋内測位システムにおける位置情報デバイスは、それぞれが有望であるが、現段階でこれらすべてを統合する方法はない。
【特許文献1】特開2007−278756号公報
【特許文献2】特開2002−132777号公報
【非特許文献1】「Place engine」、Koozyt、 Inc.、 Tokyo、 Japan、[online]、[平成20年4月7日検索]、インターネット<URL:http://www.placeengine.com/en>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
特許文献1に記載された技術によれば、屋内において位置情報を提供することはできる。しかしながら、GPSに代わって信号を送信するID情報送信機を設置するためのコストについての問題がある。ID情報送信機を設置するための費用とは、すなわち、送信機を購入し、設定し、設置し、メンテナンスを行い、必要に応じて設定を変更するために必要なコストである。
【0016】
特許文献1に記載された技術によっては、屋内測位システムによってもたらされる利益の受益者にこのコストを負担させることができない。また、ID情報送信機に対応するID情報受信機を有する第三者に、送信機を利用した屋内測位システムによってもたらされる利益にただ乗り(フリーライド)される可能性がある。つまり、ID情報送信機の設置者は、ID情報送信機を設置することによって得られる利益がないという問題がある。これによって、ID情報送信機の設置は進まない。
【0017】
一方、非特許文献1、及び、特許文献2に開示された技術によって、ID情報送信機は、位置情報の代りになる識別子(ID)を送信し、ID情報受信機は、受信した識別子(ID)をサーバに送信し、サーバは、受信した識別子(ID)を位置情報に変換した後、位置情報をID情報受信機に送信する場合には、サーバはて現実に使用されたID情報受信機を特定することができる。したがって、前述したただ乗り(フリーライド)の問題を解決することができる可能性がある。
【0018】
しかしながら、ID情報受信機が、識別子(ID)をサーバに送信し、位置情報を取得するためには、ID情報受信機とサーバとの間のネットワークの送信遅延が深刻な問題となる。なぜなら、位置情報サービス(Location Based Service、以下「LBS」)の多くは、リアルタイムの位置情報を必要とするからである。例えば、端末が現在時刻よりも10数秒後の位置情報しか取得することができないのであれば、ナビゲーションサービス等は成立しない。
【0019】
さらに、前述したシステムの場合には、ID情報受信機からサーバへの位置情報の問い合わせが頻繁に発生するため、サーバの負荷が大きくなる問題が生じる。また、現段階において屋内における統一的な測位システムは存在しないため、ある一つの屋内測位システムによってもたらされる利益は、ある一定のエリア、又は、限られた組織のみによって享受されることになる。また、同一、又は、異なる二つ以上の屋内測位システムが同じエリアに構築される可能性がある。この問題は、単に重複投資となるばかりでなく、無線通信を混信させ、屋内における測位の精度を低下させる。
【0020】
さらに、今後の無線技術の発展によっては、新たな屋内測位システムが登場することは明らかである。また、非特許文献1で開示されているように、本来は通信の基地局として用いられている無線デバイス(例えば、無線LANの基地局)であっても、屋内測位システムの送信機としても利用することができる。したがって、様々な無線デバイスを測位のための基地局として利用することができる測位システムを構築していく必要がある。
【0021】
前述した特許文献及び非特許文献に開示されたいずれの技術によっても、このような新規又は既存の異なるタイプの無線デバイスを統一的に取り扱うことはできない。
【0022】
なお、前述した既存の無線デバイスを利用する場合には、無線デバイスが設置されている位置を登録する必要がある。しかし、特定の個人、又は、法人が無線デバイスの位置を登録することは現実的ではない。なぜなら、前述したとおり、無線デバイスは、屋内測位システムとして提供されているものではないからである。
【0023】
非特許文献1によれば、これらの登録等の手続は、当該デバイスの所有者が、対価を得ることなく、パソコンとインターネットのWebブラウザを用いて実行している。しかし、このような方法によっては、その位置情報の精度が低く、また、安定的かつ継続的な運用が期待できない。また、登録に対する利益がないため、登録件数が伸びないという問題がある。
【0024】
本発明は、前述したこれらの問題に鑑みてなされたものであり、ID情報送信機の設置者が、その設置に際して発生するコストを回収することができる位置情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の代表的な一例を示せば以下のとおりである。すなわち、識別子を含む無線信号を送信する送信機と、前記無線信号及びGPS信号を受信する端末と、前記端末が位置を特定するための位置特定情報を前記端末に送信する位置情報サーバと、を備えた位置情報提供システムであって、前記送信機は、無線信号を送信する送信部と、前記識別子を所定のタイミングで変更する識別子生成部を備え、前記位置情報サーバは、前記位置特定情報を管理する位置情報管理部を備え、前記端末は、前記無線信号及びGPS信号を受信し、また、ネットワークを介して前記位置情報サーバにデータを送受信する送受信部と、前記受信した無線信号及びGPS信号を処理する信号処理部と、前記位置特定情報に基づいて位置を特定する位置情報処理部と、を備え、前記送信部は、前記識別子生成部によって所定のタイミングで変更される前記識別子を含む無線信号を前記端末に送信し、前記位置情報管理部は、前記送信機によって送信された識別子と前記送信機の位置とを対応付けることによって、前記位置特定情報を作成し、前記位置情報サーバは、前記作成された位置特定情報を前記端末に送信し、前記送受信部は、前記識別子を含む無線信号を前記送信機から受信し、前記位置情報サーバから前記位置特定情報を受信し、前記信号処理部は、前記受信した無線信号に含まれる識別子を取得し、前記位置情報処理部は、前記受信した位置特定情報を参照し、前記取得した識別子を位置に変換することによって、前記端末の現在位置を特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施形態によれば、ID情報送信機の設置者は、ID情報送信機を購入し、設定し、設置し、メンテナンスを行い、必要に応じて設定を変更するためのコストを回収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
まず、本発明の実施の形態の概要について説明する。
【0028】
本発明の一実施形態の位置情報システムは、識別子(ID)を送信する1台以上のID情報送信機、又は、無線デバイス、及び、識別子(ID)を位置情報に変換するサーバ(位置情報提供サーバ)を備える。
【0029】
識別子(ID)を受信するID情報受信機(例えば、GPS対応形態端末等)は、既存のネットワーク(移動体通信のキャリア網等)を介して、本発明の一実施形態の位置情報提供サーバ、及び、LBS事業者が管理するLBSサーバと接続する。
【0030】
ID情報受信機は、LBSアプリケーションを起動した時に、ID情報受信機の位置情報、又は、ID情報送信機(又は無線デバイス)から送信された識別子(ID)を位置情報提供サーバに通知する。位置情報提供サーバは、ID情報受信機の位置情報、又は、識別子(ID)から、1台以上のID情報送信機が存在するエリアの情報を、ID情報受信機に送信する。
【0031】
ID情報受信機が前述したエリアに接近した場合、又は、エリアの中に位置している場合には、ID情報受信機は、位置情報提供サーバにID−位置情報リストを送信する旨を要求する。ID−位置情報リストとは、エリアに存在する1台以上のID情報送信機又は無線デバイスの識別子(ID)と位置情報とを対応付けたリストである。
【0032】
ID情報受信機は、受信したID−位置情報リストに基づき、ID情報送信機又は無線デバイスが送信する識別子(ID)を位置情報に変換することによって、屋内における自局の位置を特定する。LBSサービスを終了する場合には、実際に使用したID情報送信機の識別子(ID)及び利用したLBSサービス名の情報位置情報提供サーバに通知する。また、ID情報送信機は、送信する識別子(ID)を定期的に変更する。
【0033】
本発明の一実施形態の位置情報提供システムは、さらに、ID情報送信機を設定する情報端末を備える。情報端末は、パソコン等であり、ID情報送信機又は無線デバイスの所有者によって管理される。
【0034】
情報端末はID情報送信機(又は無線デバイス)の個体番号を、位置情報提供サーバに通知する。位置情報提供サーバは、個体番号を認識した後、情報端末に対して、ID情報送信機(又は無線デバイス)の種類、設置される場所、所有者の氏名、報奨金の入力先の口座番号等の入力を要求する。また、位置情報提供サーバは、情報端末を介して、位置情報提供サーバとID情報送信機との間で時刻を同期させ、ID情報送信機へ識別子(ID)の初期値を通知する。
【0035】
また、本発明の一実施形態の位置情報提供サーバは、LBSのサービスが終了した時に、ID情報受信機によって実際に使用されたID情報送信機(又は無線デバイス)の識別子(ID)及びLBSサービス名の情報を、それぞれ報奨金又は請求金の情報としてID情報送信機の所有者が管理する情報端末及びLBSサーバの事業者が管理するサーバに送信する。
【0036】
また、ID情報受信機の所有者は、LBSサービス中に異常な位置情報が示されたと判断した場合には、ID情報受信機の操作によって、異常な位置情報が生じたことを位置情報提供サーバに通知する。
【0037】
本発明の一実施形態の位置情報提供サーバは、異常な位置情報の通知が所定の回数を超えた場合には、ID−位置情報リストから不正なID情報送信機の情報を削除する。
【0038】
<実施形態1>
以下、本発明の第1の実施形態について、図1から図20を用いて説明する。なお、以下に述べる実施形態は本発明の実施形態の一つであって、本発明を制限するものではない。
【0039】
図1は、本発明の実施形態の位置情報提供システムの構成を示す説明図である。
【0040】
本発明の実施形態の位置情報提供システムは、ID情報受信機1、ID情報送信機5、無線デバイス6、情報端末8、及び、位置情報提供サーバ4を備える。ID情報受信機1、情報端末8、位置情報提供サーバ4、及び、LBSサーバ3は、ネットワーク2に接続する。情報端末8とID情報送信機5と無線デバイス6とは、ネットワーク2を介して互いに接続されてもよいし、ネットワーク2とは異なるLAN等によって接続されてもよい。
【0041】
ID情報受信機1は、GPSが使用する周波数、信号形式を用いた信号を受信することができる端末である。ID情報受信機1は、所有者1−1によって所有される。ID情報受信機1の一態様としては、例えば、GPS対応携帯電話、カーナビゲーション端末がある。
【0042】
なお、ID情報受信機1が屋外に位置する場合には、ID情報受信機1は、GPS衛星7から受信したGPS信号に基づいて自局の位置を特定する。また、ID情報受信機1がGPS衛信号を受信することができない屋内、地下街等に位置する場合には、ID情報受信機1は、次に説明するID情報送信機5又は無線デバイス6が送信する信号に基づいて自局の位置を特定する。
【0043】
ID情報送信機5は、GPSが使用する周波数、信号形式を用いて、所定の識別子(ID)をID情報受信機1に送信する装置である。ID情報受信機1は、ID情報送信機5によって送信された識別子(ID)を受信する。
【0044】
なお、本発明の実施形態においては、ID情報送信機5は、屋内用の測位信号を送信するIMES(Indoor Messaging System)が好適である。ただし、ID情報送信機5は、ID情報受信機1が受信することができる測位信号を送信する送信機であればよく、IMESに限定されるものではない。
【0045】
無線デバイス6は、無線デバイス6に固有の周波数、信号形式を用いて、無線デバイス6に付与された識別子(ID)を含んだ情報をID情報受信機1に送信する装置である。ID情報受信機1は、無線デバイス6によって送信された識別子(ID)を受信する。
【0046】
無線デバイス6の形態としては、無線LANを用いる方法(例えば、非特許文献1参照)によって無線信号を送受信する基地局がある。また、近距離無線通信、UWB(超広帯域無線)、可視光通信、赤外線通信等を用いる方法によって無線信号を送受信する基地局がある。
【0047】
なお、本発明の実施形態においては、無線デバイス6は、無線LAN基地局の一であるWiFi(Wireless Fidelity)が好適である。ただし、本発明の無線デバイス6は、WiFiに限定されるものではなく、WiFi以外の無線デバイスでもよい。
【0048】
なお、非特許文献1に示したとおり、WiFiを利用した測位システムでは、測位システムの端末は、測位のための専用の無線デバイスの代わりに既存の無線LANの基地局が定期的に送信するビーコン波に含まれる情報によって自局の位置を特定する。本発明の一実施形態の位置情報提供システムでは、この既存の無線デバイスを利用することができる。
【0049】
情報端末8は、無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の設定変更等に使用される。情報端末8は、ID情報送信機5及び無線デバイス6の所有者8−1によって管理される。なお、情報端末8と、ID情報送信機5及び無線デバイス6とは、ネットワーク2を介して接続されてもよいし、ネットワーク2とは異なるLAN等によって接続されてもよい。
【0050】
位置情報提供サーバ4は、ID情報受信機1の近傍の屋内エリアの情報をID情報受信機1に通知する。前述した屋内エリアの内部には、1台以上のID情報送信機5又は無線デバイス6が設置されている。なお、屋内エリアの情報については図10を用いて後述する。
【0051】
また、位置情報提供サーバ4は、ネットワーク2を介し、前述した屋内エリアの中に設置された無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の識別子(ID)の情報と位置情報との関係を対応付けたリスト(ID−位置情報リスト)をID情報受信機1に送信する。
【0052】
LBSサーバ3は、ID情報受信機1に位置情報サービス(LBS)を提供するサーバである。LBSサーバ3は、位置情報サービスを提供する事業者によって管理される。位置情報サービスの形態としては、例えば、ナビゲーション、モバイル広告、児童見守りサービス等がある。
【0053】
GPS衛星7は、ID情報受信機1が屋外にある場合に、位置情報を提供する衛星である。なお、GPS衛星については、『B.ホフマン・ウェレンホフ、H.リヒテネガー、J.コリンズ著、西修二郎訳、「GPS理論と応用」ISBN−10:4431711589』に詳しく記載されている。
【0054】
図2は、本発明の実施形態のID情報受信機のハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
【0055】
ID情報受信機1は、モニタコントローラ102、ディスプレイ104、マイク108、音声入出力コントローラ106、スピーカ110、キー入力インターフェース114、キー入力コントローラ112、メモリ12、CPU126、GPSレシーバ118、GPSレシーバモジュール116、無線デバイスレシーバ122、無線デバイスレシーバモジュール120、及び、ネットワーク接続コントローラ124を備える。各モジュール等は、情報バス等の内部通信線100で相互に接続される。
【0056】
モニタコントローラ102は、ディスプレイ104を制御する。ディスプレイ104は、テキスト、画像等を表示する。マイク108は、所有者1−1に送受話の音声又は効果音等を提供する。音声入出力コントローラ106は、スピーカ110を制御する。スピーカ110は、電気的信号と音声信号とを変換する。キー入力コントローラ112は、キー入力インターフェース114を制御する。キー入力インターフェース114は、所有者1−1がID情報受信機1を操作するためのインターフェースである。
【0057】
メモリ12は、後述する図3に示す各種のプログラムを格納する。CPU126は、メモリ12に格納されたプログラムを実行するプロセッサである。GPSレシーバ118は、GPS衛星7又はID情報送信機5から送信された信号を受信する。GPSレシーバモジュール116は、GPSレシーバ118を制御する。無線デバイスレシーバ122は、無線デバイス6から送信された信号を受信する。無線デバイスレシーバモジュール120は、無線デバイスレシーバ122を制御する。ネットワーク接続コントローラ124は、音声又はデータ通信を制御する。
【0058】
図3は、本発明の実施形態のID情報受信機のソフトウェアの構成の例を示すブロック図である。
【0059】
ID情報受信機1のメモリ12に格納されているプログラムの例について説明する。
【0060】
ID情報受信機1のメモリ12は、ネットワーク制御ドライバ1202、GPS信号処理ドライバ1206、無線デバイス信号処理ドライバ1207、ネットワーク通信ミドルウェア1204、GPS信号ミドルウェア1216、無線デバイス信号ミドルウェア1217、屋内エリア情報管理プログラム1224、ID−位置情報リスト管理プログラム1218、ログ管理プログラム1220、異常位置情報通知プログラム1221、モニタ制御ドライバ1236、音声入出力制御ドライバ1232、キー入力制御ドライバ1230、通信キュー1210、通信キュー1212、及び、通信キュー1214を格納する。
【0061】
ネットワーク制御ドライバ1202は、ネットワーク接続コントローラ124を制御するプログラムである。GPS信号処理ドライバ1206は、GPSレシーバモジュール116を制御するプログラムである。無線デバイス信号処理ドライバ1207は、無線レシーバデバイスモジュール120を制御するプログラムである。
【0062】
ネットワーク通信ミドルウェア1204は、ネットワーク2を介して他の装置と通信するためのインターフェースを提供する。無線デバイス信号ミドルウェア1217は、無線通信によって無線デバイス6と通信するためのインターフェースを提供する。GPS信号ミドルウェア1216は、無線回線によってID情報送信機5と通信するためのインターフェースを提供する。
【0063】
屋内エリア情報管理プログラム1224は、ID情報受信機1がLBSサーバ3と通信を開始した時、及び、その後一定時間が経過する毎に、ID情報受信機1が位置する周辺の屋内エリアの情報のリスト(屋内エリアリスト)の送信を位置情報提供サーバ4に要求する。ここで、屋内エリアとは、1台以上の無線デバイス等(ID情報送信機5又は無線デバイス6)が設置されたエリアである。
【0064】
屋内エリア情報管理プログラム1224は、前述した屋内エリアリストを受信した後、受信した屋内エリアリストを記憶する。また、屋内エリア情報管理プログラム1224は、ID情報受信機1が屋内エリアリストに記載されているエリアに接近した場合には、ID−位置情報リストの送信を位置情報提供サーバ4に要求する。
【0065】
ID−位置情報リスト管理プログラム1218は、屋内エリア情報管理プログラム1224によって要求されたID−位置情報リストを受信し、受信したID−位置情報リストを記憶する。ここで、ID−位置情報リストとは、無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の識別子(ID)と、無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の位置情報との関係を記載したリストである。ID−位置情報リストの詳細については、図16を用いて後述する。
【0066】
さらに、ID−位置情報リスト管理プログラム1218は、前述したID−位置情報リストと、無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)から送信されたデータに含まれる識別子(ID)との対応関係に基づいて、ID情報受信機1の現在位置を特定する。
【0067】
ログ管理プログラム1220は、ID情報受信機1がGPS衛星7の信号を受信することができない屋内又は地下に位置している間、ID情報受信機1が屋内における自局の位置を特定するために実際に利用した無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の識別子、利用した位置情報サービス(LBS)名、及び、時刻情報を含むログ情報を記憶する。
【0068】
ID情報受信機1は、LBSサーバ3が提供する位置情報サービス(LBS)の利用を終了した時、又は、LBSサーバ3のサービスを利用している間の一定時間毎に記憶したログ情報を位置情報提供サーバ4に送信する。なお、ログ情報は、位置情報サービス(LBS)の事業者に対する請求金リスト、及び、ID情報送信機5及び無線デバイス6の設置者(管理者)に対する報奨金リストの作成に用いられる。報奨金リスト及び請求金リストについては、各々、図18、図19を用いて後述する。
【0069】
異常位置情報通知プログラム1221は、ID情報受信機1の所有者1−1が本発明の位置情報提供システムを使って、位置情報サービス(LBS)を利用している場合に、不合理と思われる位置情報が示されたときには、異常な位置情報が示されている旨を位置情報提供サーバ4に通知する。
【0070】
例えば、所有者1−1が東京の地下街に位置しているにもかかわらず、ID情報受信機1に九州の繁華街の地図が表示された場合には、表示された位置情報は異常である。なお、異常な位置情報が示されたときは、ID情報受信機1の所有者1−1は、キー入力コントローラ112を介して、異常な位置が示された旨をID情報受信機1に入力する。
【0071】
異常位置情報通知プログラム1221は、ID情報受信機1の所有者1−1によって入力された異常位置情報の報告を位置情報提供サーバ4の異常位置情報管理プログラム4829に通知する。
【0072】
モニタ制御ドライバ1236、音声入出力制御ドライバ1232、及び、キー入力制御ドライバ1230は、それぞれ、モニタコントローラ102、音声入出力コントローラ106、及び、キー入力コントローラ112を制御するプログラムである。通信キュー1210、1212、及び1214は、各ドライバと各ミドルウェアとの間でデータを受け渡す。
【0073】
図4は、本発明の実施形態の位置情報提供サーバのハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
【0074】
位置情報提供サーバ4は、モニタコントローラ412、入出力コントローラ414、外部装置コントローラ410、ネットワーク接続コントローラ404、CPU406、メモリ48を備える。位置情報提供サーバ4は、ネットワーク2に接続される。また、位置情報提供サーバ4の各部は、情報バス等の内部通信線400によって相互に接続される。また、位置情報提供サーバ4は、ディスプレイ420、キーボード416、マウス418及び外部記憶装置等を接続してもよい。
【0075】
モニタコントローラ412は、ディスプレイ420を制御する。入出力コントローラ414は、キーボード416、マウス418を制御する。外部装置コントローラ410は、外部記憶装置(データベース等)を制御する。ネットワーク接続コントローラ404は、ネットワーク2を介するデータの通信を制御する。
【0076】
メモリ48は、次に説明する図5に示す各種プログラムを格納する。CPU406は、メモリ48に格納された各種プロブラムを実行するプロセッサである。
【0077】
図5は、本発明の実施形態の位置情報提供サーバのソフトウェアの構成の例を示すブロック図である。
【0078】
位置情報提供サーバ4のメモリ48は、ネットワーク制御ドライバ4802、通信管理プログラム4804、送受信用の通信キュー4806、通信キュー4808、ID種別判定プログラム4810、屋内エリア情報通知プログラム4822、ID−位置情報リスト作成プログラム4818、ID情報受信機管理プログラム4820、デバイス管理プログラム4826、報奨金課金管理プログラム4828、異常位置情報管理プログラム4829、データベース管理プログラム4816、プログラム起動実行停止プログラム4836、時刻同期プログラム4830、入出力処理ドライバ4812、及び、モニタ制御処理ドライバ4814を格納する。
【0079】
位置情報提供サーバ4は、ネットワーク2を介してID情報受信機1とデータを送受信する。ネットワーク制御ドライバ4802は、ネットワーク接続コントローラ404を制御するプログラムである。通信管理プログラム4804は、通信を制御するプログラムである。送受信用の通信キュー4806、4808は、ネットワーク制御ドライバ4802とID種別判定プログラム4810等の上位のプログラムとの間でデータを受け渡す。
【0080】
ID種別判定プログラム4810は、ID情報受信機1によって送信された識別子(ID)の種別を判定するプログラムである。具合的には、ID種別判定プログラム4810は、受信した通信パケット(後述する図6B及び図7)に含まれる送信元の情報に基づいて、前述した識別子(ID)がID情報送信機5の識別子であるのか、無線デバイス6の識別子であるのかを判定する。
【0081】
屋内エリア情報通知プログラム4822は、ID情報受信機1が存在する位置の周辺の屋内エリアのリストを作成し、ID情報受信機1に送信する。なお、ID情報受信機1は、LBSサーバ3と通信を開始した時、及び、その後の所定の時間が経過する毎に、屋内エリアリストの送信を位置情報提供サーバ4の屋内エリア情報通知プログラム4822に要求する。
【0082】
ID−位置情報リスト作成プログラム4818は、ID情報受信機1のID−位置情報リスト管理プログラム1218からのID−位置情報リストの送信の要求に基づいて、要求されたID−位置情報リストを送信する。なお、ID−位置情報リストについては、図16を用いて後述する。
【0083】
ID情報受信機管理プログラム4820は、ID情報受信機1を管理する。具体的には、例えば、ID情報受信機1が携帯電話機である場合には、ID情報受信機管理プログラム4820は、ID情報受信機1のユーザ(所有者1−1)、メーカ、キャリア、その他の情報を管理する。また、ID情報受信機管理プログラム4820は、ID情報受信機1と通信する場合には、事前に登録されている管理情報に基づいて、ID情報受信機1が、位置情報提供サーバ4が提供する屋内の位置情報サービスを受けることができる端末であるか否かを判定する。
【0084】
ID情報受信機1が登録された正当な端末でないと判定された場合には、ID情報受信機管理プログラム4820は、ID情報受信機1との通信を停止する。デバイス管理プログラム4826は、ID情報送信機5及び無線デバイス6の登録を支援する。具体的には、デバイス管理プログラム4826は、無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の識別子(ID)及び位置情報を登録し、管理し、又は、必要に応じて識別子(ID)及び位置情報の登録を取り消す。
【0085】
報奨金課金管理プログラム4828は、ID情報受信機1のログ管理プログラム1220が記憶したログ情報(すなわち、実際に利用した無線デバイス、LBS名及び時刻情報)を受信する。また、報奨金課金管理プログラム4828は、前述したログ情報を用いて、ID情報送信機5及び無線デバイス6の所有者8−1に対して報奨金の情報を通知し、LBSサーバ3の管理者に対して請求金の情報(課金の情報)を通知する。
【0086】
異常位置情報管理プログラム4829は、ID情報受信機1の異常位置情報通知プログラム1221が通知した異常報告を受信する。異常報告が所定の回数を超えた場合には、異常位置情報管理プログラム4829は、ID情報送信機5又は無線デバイス6が正しく設置されていない、又は、正しく設定されていないと判定する。そして、異常位置情報管理プログラム4829は、無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の管理情報テーブル(後述する図14)及びID−位置情報リスト(後述する図16)から、異常と判定されたID情報送信機5又は無線デバイス6の情報を、削除する。
【0087】
データベース管理プログラム4816は、外部装置コントローラ410を制御する。また、データベース管理プログラム4816は、それぞれのプログラムの命令に基づいて、ID情報受信機1の管理情報、ID−位置情報リスト、屋内エリアリスト、報奨金及び請求金(課金)リスト(後述する図18及び図19)、及び、デバイス管理情報(後述する図14)を修正する。
【0088】
プログラム起動実行停止プログラム4836は、自動によって、又は、キーボード416、マウス418若しくはディスプレイ420から手動の操作によって、位置情報提供サーバ4の各種プログラムを起動し、実行し、又は、停止する。
【0089】
入出力処理ドライバ4812及びモニタ制御処理ドライバ4814は、それぞれ入出力コントローラ414、モニタコントローラ412を制御する。時刻同期プログラム4830は、ID情報送信機5に時刻情報を提供する。なお、時刻情報を提供する方法については、図15を用いて後述する。
【0090】
図6Aは、本発明の実施形態のID情報送信機のハードウェア及びソフトウェア構成の例を示すブロック図である。
【0091】
ID情報送信機5は、アナログ処理部601、デジタル処理部602、設定表示インターフェース608、シリアルインターフェース610、外部記憶媒体612、電源603、アンテナ605、及び、クロック部606を備える。
【0092】
アナログ処理部は、GPSと同じ周波数の搬送波を生成する搬送波生成部6014、送信信号を変調する変調回路6012、デジタル処理部602から送られてきたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器6016、送信波を送信する電波送信機6017を備える。デジタル処理部602は、不揮発性メモリ6024、メモリ62、及び、CPU6022を備える。
【0093】
不揮発性メモリ6024は、ID情報送信機5を稼動させるための位置情報送信プログラム6026及びID情報送信機5の固有の個体情報を記憶する個体データ情報6028を格納する。メモリ62に格納されるプログラムについては後述する。CPU6022は、不揮発性メモリ6024及びメモリ62に格納された各種プログラムを実行するプロセッサである。
【0094】
設定表示インターフェース608は、稼動状態、故障状態、設定情報を外部に表示するためのインターフェースである。シリアルインターフェース610は、情報端末8と接続してID情報送信機5の初期登録又は設定の変更等を実行するためのインターフェースである。外部記憶媒体612は、識別子(ID)及びログ情報を記憶する。アンテナ605はデータを送信する。クロック部606は、CPU6022が演算処理するためのクロック、及び、搬送波生成部6014がGPS信号を生成するためのクロックを供給する。
【0095】
なお、メモリ62は、設定表示インタフェースドライバ6212、シリアルインタフェースドライバ6214、外部記憶媒体インタフェースドライバ6216、無線送信用ドライバ6202、時刻同期プログラム6204、情報端末通信プログラム6206、及び、ID生成プログラム6218を格納する。
【0096】
設定表示インタフェースドライバ6212、シリアルインタフェースドライバ6214、及び、外部記憶媒体インタフェースドライバ6216は、それぞれ、設定表示インターフェース608、シリアルインターフェース610、外部記憶媒体インターフェースに接続される外部の機器等を各種プログラムが制御するためのドライバである。無線送信用ドライバ6202は、ID情報送信機5がID情報受信機1へ無線信号を送信するためのドライバである。
【0097】
ID生成プログラム6218は、位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826から識別子(ID)の初期値を与えられた後、所定の時間(例えば、3時間)毎にID情報受信機1へ送信する自局の識別子(ID)を変更する。時刻同期プログラム6204は、情報端末通信プログラム6206を介して、位置情報提供サーバ4の時刻同期プログラム4830が提供する時刻情報を取得する。情報端末通信プログラム6206は、情報端末8との通信を制御する。
【0098】
なお、無線デバイス6のハードウェア及びソフトウェアの構成については、説明を省略する。無線デバイス6は、無線LAN、近距離無線通信、UWB(超広帯域無線)、可視光通信、及び、赤外線通信等の通信機器である。なお、一例として、無線LANの基地局については、「802.11 Wireless Networks: The Definitive Guide(ISBN−10: 0596001835)」に詳しい記載がある。
【0099】
図6Bは、本発明の実施形態の無線デバイスの通信パケットの例を示す説明図である。
【0100】
無線デバイス6の通信パケットのヘッダ部は、送信先アドレス、送信元アドレス、通信タイプを含む。送信元アドレスには、一意な識別子(例えば、MACアドレス)が記載される。無線デバイス6は、この送信元アドレスを無線デバイス6の識別子(ID)とし、識別子(ID)を無線デバイスの設置された場所に対応付けることによって、ID情報受信機1に位置情報を提供することができる。
【0101】
例えば、無線デバイス6が無線LANの基地局である場合には、ID情報受信機1は、無線LANの基地局が定期的に発信しているビーコン波に含まれる送信元アドレスを自局の位置を特定するために利用する。
【0102】
図7は、本発明の実施形態のID情報送信機の通信パケットの例を示す説明図である。
【0103】
ID情報送信機5の通信パケットは、例えば、プリアンブル部6bit、パケット種別部2bit、データ部22bit、パリティ部4bitを含む。ただし、図7に示した構成は、一例であって、それぞれのビット長は限定されるものではない。また、通信パケットは、二つ以上のパケットで構成してもよい。
【0104】
例えば、パケット種別部2bitに「00」が記載されている場合には、データ部にID情報送信機5の識別子情報(ID)が含まれ、パケット種別部2bitに「01」が記載されている場合には、二つのパケットが連続して送信されてもよい。
【0105】
二つのパケットが連続して送信されるには、一つ目のパケットにID情報送信機5の識別子情報(ID)が記載され、二つ目のパケットにID情報送信機5の内部クロックの時間が記載されてもよい。なお、記載される時間が月日時分秒の情報である場合には、ビット長は21bit程度である。
【0106】
図8は、本発明の実施形態の情報端末のハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
【0107】
情報端末8の構成は、位置情報提供サーバ4の構成と同じである。ただし、情報端末8は、シリアルインターフェース822を備える点で異なる。シリアルインターフェース822にはID情報送信機5及び無線デバイス6が接続される。所有者8−1は、情報端末8によって、ID情報送信機5及び無線デバイス6の登録、設定変更等を管理する。
【0108】
図9は、本発明の実施形態の情報端末のソフトウェアの構成の例を示すブロック図である。
【0109】
情報端末8のメモリ88は、シリアル通信制御ドライバ8803、シリアル通信管理プログラム8805、ID情報受信機無線デバイス構築設定プログラム8824、位置情報提供サーバ用ブラウザプログラム8822、通信キュー(送受信バッファ)8807、通信キュー8809、ネットワーク制御ドライバ8802、通信管理プログラム8804、送受信用の通信キュー8806、通信キュー8808、プログラム起動実行停止プログラム8836、時刻同期プログラム8830、入出力処理ドライバ8812、及び、モニタ制御処理ドライバ8814を格納する。
【0110】
ID情報送信機5及び無線デバイス6の所有者8−1は、情報端末8を用いて、ID情報送信機5及び無線デバイス6を管理する。具体的には、所有者8−1は、情報端末8のシリアルインターフェース822に接続されたID情報送信機5及び無線デバイス6の設定を変更する。
【0111】
シリアル通信管理プログラム8805は、シリアル通信制御ドライバ8803を介して、シリアルインターフェース822に接続されたID情報送信機5及び無線デバイス6との通信を制御する。通信キュー8807及び通信キュー8809は、送受信バッファである。
【0112】
位置情報提供サーバ用ブラウザプログラム8822は、位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826、又は、報奨金課金管理プログラム4828と通信する。
【0113】
ID情報送信機無線デバイス構築設定プログラム8824は、ID情報送信機5のID生成プログラム6218、又は、無線デバイス6と通信し、位置情報提供サーバ4とID情報送信機5及び無線デバイス6との接続を設定し、又は、設定を変更する。
【0114】
なお、ネットワーク制御ドライバ8802、通信管理プログラム8804、送受信用の通信キュー8806、通信キュー8808、プログラム起動実行停止プログラム8836、時刻同期プログラム8830、入出力処理ドライバ8812、及び、モニタ制御処理ドライバ8814は、図5に示した位置情報提供サーバ4のメモリ48に格納されたそれぞれのプログラムと同じである。
【0115】
なお、LBSサーバ3のハードウェア構成(図示省略)は、位置情報提供サーバ4の構成とほぼ同じである。LBSサーバ3のソフトウェア構成(図示省略)は、ID情報受信機1にLBSを提供するための複数のプログラムを備える。
【0116】
図10は、本発明の実施形態の屋内エリアを示す説明図である。
【0117】
図10に示した地図は、ある都市部における地上の地図と地下街の地図とを重ねて表示したものである。白色部の図形は地上の建築物を示す。薄いドッド部の図形は地上の道路を示す。また、黒色部の図形は地下街を示す。
【0118】
地図内に示されている囲い字の「X」は、ID情報送信機5の一つの形態である屋内GPS送信機を示す。囲い字の「Y」は、無線デバイス6の一つの形態である無線LAN基地局を示す。また、地図中に記載されている、「U−Area1」から「U−Area6」は、屋内エリアリストで使用される名称である。
【0119】
屋内エリアリスト(図示省略)は、例えば、屋内エリアの名称(例えば、U−Area1)と、屋内エリアの中心の地点の緯度経度を示した位置情報とを含む。ID情報受信機1は、位置情報提供サーバ4から送信された屋内エリアリストを参照し、自局の現在位置と、屋内エリアの中心地点との距離等を計算することによって、自局がどの屋内エリアに接近しているのかを判定してもよい。
【0120】
ID情報受信機1が屋内エリアリストを取得する処理については、図16を用いて後述する。
【0121】
図11は、本発明の実施形態のID情報送信機を登録する処理を示すシーケンス図である。
【0122】
ID情報送信機5の所有者8−1は、初めてID情報送信機5を稼働させる場合には、情報端末8を用いて、稼動させるID情報送信機5を位置情報提供サーバ4に登録する。
【0123】
まず、情報端末8のシリアル通信管理プログラム8805は、ID情報送信機5の情報端末通信プログラム6206と通信する。次に、ID情報送信機5は、ID情報送信機5の個体番号を情報端末8に送信する(9102)。ここで、個体番号とは、一意な識別子であればよく、ID情報送信機5に付与された製造番号等でもよい。
【0124】
次に、情報端末8は、ID情報送信機5の個体番号を位置情報提供サーバ4に送信する(9104)。次に、位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826は、正当なID情報送信機5であるか否かを確認する(9106)。例えば、デバイス管理プログラム4826は、あらかじめ所有者8−1から通知されたID情報送信機5の個体番号を記憶しておくことによって、処理9104において受信した個体番号が正当であるかを確認することができる。
【0125】
次に、位置情報提供サーバ4は、情報端末8に対して、確認完了報告を通知し、詳細な設定の入力を要求する(9108)。次に、所有者8−1は、情報端末8の位置情報提供サーバ用ブラウザプログラム8822を用いて、所有者8−1及びID情報送信機5の情報を入力する(9110)。
【0126】
ここで、所有者8−1及びID情報送信機5の情報とは、例えば、所有者8−1の氏名、住所、入金先の銀行口座、設置場所の位置(緯度経度)、及び、その他必要な情報である。
【0127】
ID情報送信機5は、前述した所有者8−1及びID情報送信機5の情報を位置情報提供サーバ4に送信する(9112)。位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826は、受信した所有者8−1及びID情報送信機5の情報を登録する(9114)。
【0128】
次に、位置情報提供サーバ4の時刻同期プログラム4830は、位置情報提供サーバ4の時刻と情報端末8の時刻を同期させるための時刻情報を生成し、生成した時刻情報を情報端末8の時刻同期プログラム6204に送信する(9116)。また、位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826は、ID情報送信機5に付与する識別子(ID)の初期値を生成し、情報端末8に送信する(9116)。
【0129】
情報端末8の時刻同期プログラム6204は、位置情報提供サーバ4の時刻同期プログラム4830から取得した時刻情報に基づいて、ID情報送信機5の時刻を同期させる。次に、情報端末8の時刻同期プログラム6204は、ID情報送信機5の時刻同期プログラム6204に時刻情報を送信する(9118)。また、情報端末8は、ID情報送信機5のID生成プログラム6218に識別子(ID)の初期値を送信する(9118)。
【0130】
ID情報送信機5のID生成プログラム6218は、識別子(ID)の初期値を取得した後、所定の時間(例えば、3時間)が経過する毎に、識別子(ID)を変更する。
【0131】
ここで、ID情報送信機5のID生成プログラム6218が識別子(ID)を生成する方法について説明する。ID生成プログラム6218は、使用の権原がない第三者によってID情報送信機5が不正に利用されること(ただ乗りされること)を防止するために、ID情報送信機5が送信する識別子(ID)を定期的に変更する。
【0132】
したがって、この識別子(ID)は、第三者にとっては予測することができないものでなければならない。なお、位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826と、ID情報送信機5のID生成プログラム6218とは、同じID生成アルゴリズムを備えてもよい。
【0133】
ID情報送信機5のID生成プログラム6218は、ID生成アルゴリズムに基づいて、所定の時刻毎に識別子(ID)を変更する。ID生成アルゴリズムについては、後述する。
【0134】
図12は、本発明の実施形態のID情報送信機の識別子(ID)変更の例を示す説明図である。
【0135】
ここでは、ID情報送信機5の内部クロックが示す時刻と位置情報提供サーバ4の時刻とは同じである。また、ID情報送信機5のID生成プログラム6218は、3時間毎に識別子(ID)を変更する。
【0136】
ID情報送信機5が位置情報提供サーバ4と同期した時刻(9001)が、8月22日の12時34分であった場合には、ID情報送信機5は、初期値が有効である12:34から15:00までの間、位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826から送信された初期値(ID:116496)を識別子(ID)として送信する。
【0137】
ID情報送信機5は、15:00に初期値(ID:116496)の使用を停止する。次に、ID情報送信機5のID生成プログラム6218は、ID生成アルゴリズムに基づいて、識別子(ID)を初期値(ID:116496)とは別の値(ID:308978)に変更する。変更された識別子(ID)は、18時まで有効である。そして、ID情報送信機5のID生成プログラム6218は、18:00に識別子(ID)を別の値(ID:321809)に変更する。
【0138】
ID生成アルゴリズムには様々なアルゴリズムがある。ここでは、最も単純な線形合同法という擬似乱数列を用いたアルゴリズムが好適である。ただし、このアルゴリズムにおいては、生成される乱数列は周期性を持つ。しかしながら、ID情報送信機5の耐用年数を7年とし、3時間毎に識別子(ID)を変換した場合でも、識別子(ID)の変更回数は20440回程度である。したがって、この程度の変更回数であれば、乱数列は一周することがない。
【0139】
なお、第三者がID情報送信機5の識別子(ID)を不正に取得し、取得した識別子(ID)にID情報送信機5の位置情報を対応付けることができた場合には、識別子(ID)が変更されるまでの間、第三者は位置情報提供サーバ4を利用することなく、LBSサービスを受けることができる。すわなち、第三者は、ID情報送信機5によって送信される識別子(ID)の情報を利用して、LBSサービスにただ乗り(フリーライド)することができる。
【0140】
しかしながら、本発明の実施形態において、ID情報送信機5の識別子(ID)は、定期的に変更されるため、第三者が継続してID情報送信機5を利用しようとする場合には、識別子(ID)が変更される毎に、変更された識別子(ID)と位置情報とを対応付けなければならない。
【0141】
したがって、本発明の実施形態は、フリーライドを前提としてサービスを受けようとする第三者に対しては労力を強いることができる。なお、ID情報送信機5は、内部クロックの時刻を位置情報提供サーバ4の時刻に同期させる機能(例えば、無線回線又は携帯電話のネットワークを介して、定期的に標準時刻を受信する機能、又は、標準周波数報時電波を受信する機能)を備えてもよい。ただし、本発明の実施形態においては、ID情報送信機5を簡易な構成とするため、ID情報送信機5は時刻同期の機能を備えない。
【0142】
位置情報提供サーバ4が、位置情報提供サーバ4の時刻とID情報送信機5の内部クロックの時刻とのずれを処理する方法については、後述する。
【0143】
図13は、本発明の実施形態の無線デバイスを登録する処理を示すシーケンス図である。
【0144】
無線デバイス6の所有者8−1は、情報端末8を用いて、無線デバイス6を位置情報提供サーバ4に登録する。情報端末8は、無線デバイス6の個体番号を位置情報提供サーバ4に送信する(9104)。ここで、個体番号とは、一意な識別子であればよく、例えば、無線デバイス6が備えるメディアアクセスカードの番号(MACID)等を用いてもよい。
【0145】
位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826は、無線デバイス6の個体番号をデバイス管理プログラム4826に記憶する。また、デバイス管理プログラム4826は、情報端末8に確認完了の報告を通知し、詳細な設定の入力を要求する(9208)。
【0146】
次に、所有者8−1は、情報端末8の位置情報提供サーバ用ブラウザプログラム8822を用いて、所有者8−1及び無線デバイス6の情報を入力(9210)する。
【0147】
ここで、所有者8−1及び無線デバイス6の情報とは、所有者8−1の氏名、住所、入金先の銀行口座、設置場所の位置(緯度経度)、その他必要な情報である。情報端末8は、所有者8−1及び無線デバイス6の情報を位置情報提供サーバ4に送信する(9112)。位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826は、受信した情報を登録する(9214)。
【0148】
前述した処理が終了した後、位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826は、情報端末8の位置情報提供サーバ用ブラウザプログラム8822に登録の完了報告を通知する(9216)。
【0149】
図14は、本発明の実施形態のID情報送信機及び無線デバイスの管理情報テーブルの例を示す説明図である。
【0150】
位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826は、管理情報テーブルを管理する。無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の管理情報テーブルは、登録番号(9302)、デバイス種別(9304)、デバイス設置位置(9306)、時刻ずれ(9308)、最終更新からの経過日(9311)、前回ID(9310)、今回ID(9312)、及び、次回ID(9314)を含む。
【0151】
登録番号(9302)は、位置情報提供サーバ4が個々のID情報送信機5及び無線デバイス6を識別するために付与される番号である。登録番号(9302)は、登録された順番で付与されてもよいし、また、必要に応じて地域コードを含めて表現されてもよい。ここで、地域コードとは、例えば、郵便番号、電話の市外局番等である。
【0152】
デバイス種別(9304)は、無線デバイス等の種類を示す識別子である。ここでは、デバイス種別(9304)には、ID情報送信機5の一形態であるIMES、又は、無線デバイス6(無線LAN基地局)の一形態であるWiFiが記載されている。ただし、IMES及びWiFiは、一例であって、本発明はこの種類に限定されるものではなく、これ以外の他の無線デバイスを用いてもよい。
【0153】
デバイス設置位置(9306)は、無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の設置位置を示す情報である。ここでは、デバイス設置位置(9306)には、緯度経度情報が記載されているが、代わりに、住所、電話番号が記載されてもよい。
【0154】
時刻ずれ(9308)は、ID情報送信機5と位置情報提供サーバ4(及びID情報受信機1)との間の時刻のずれである。なお、ID情報受信機1は、携帯電話キャリアのセンタシステム等から時刻の信号等を取得することによって、正しい時刻を知ることができる。ここでは、時刻のずれの単位は「分」としている。
【0155】
ID情報送信機5が時刻を同期する機能を備えていない場合には、初期登録時から時間が経過するにしたがって、ID情報送信機5の内部クロックの時刻と位置情報提供サーバ4(及びID情報受信機1)の時刻とはずれていく。ところが、図15に示したとおり、ID情報送信機5は、位置情報提供サーバ4と同じ時刻を備えているものとして、3時間毎に識別子(ID)を変更する。
【0156】
したがって、ID情報送信機5の内部クロックの時刻と位置情報提供サーバ4の時刻とが異なる場合には、ID情報送信機5が認識している識別子(ID)の変更時刻と、位置情報提供サーバ4が作成したID−位置情報リストに記載された識別子(ID)の変更時刻とが一致しなくなる。よって、ID情報受信機1は、識別子(ID)が変更される時刻の前後において、ID情報送信機5から送信された識別子を位置情報に変換できなくなる可能性がある。
【0157】
そこで、ID情報受信機1は、図7に示したID情報送信機5の通信パケットを受信した場合には、二つ目のパケットに記載されたID情報送信機5の内部クロックの時刻を取得し、取得した時刻情報と識別子(ID)とを位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826に送信する。これによって、位置情報提供サーバ4は、位置情報提供サーバ4の時刻とID情報送信機5の内部クロックの時刻とのずれを知ることができる。
【0158】
最終更新からの経過日(9309)は、ID情報受信機1によって前回の時刻情報が通知された日からの経過日である。
【0159】
ID情報送信機5は、例えば、1分間に1回程度の頻度で時刻情報を送信すればよい。送信された時刻情報が必ずID情報受信機1によって受信されるとはいえないが、時刻情報は、ID情報送信機5の位置に接近したいずれかのID情報受信機1によって、1日に一回程度の頻度で位置情報提供サーバ4に通知されればよい。
【0160】
一般的な組込機器のクロックの誤差は、最大でも一日当たり1分以内である。したがって、位置情報提供サーバ4は、時刻情報が1日1回程度通知されれば、時刻のずれを知ることができる。つまり、本発明の実施形態の位置情報提供システムは、位置情報提供サーバ4と、ID情報送信機5との時刻がずれることを前提とし、時刻のずれに対応する処理を実行することを特徴の一つとしている。
【0161】
なお、ID情報送信機5のID生成プログラム6218は、所定の時間(例えば、3時間)が経過する毎に、識別子(ID)を変更する。今回ID(9312)は、現在使用しているID情報送信機5の識別子(ID)である。前回ID(9310)は、変更前のID情報送信機5の識別子(ID)である。次回ID(9314)は、次回に使用されるID情報送信機5の識別子(ID)である。また、無線デバイス6については、識別子(ID)として固有の番号(例えば、MACID)を継続して使用するため、識別子(ID)は変更されない。
【0162】
図15は、本発明の実施形態の位置提供サーバと位置情報送信機との時刻のずれを示す説明図である。
【0163】
位置情報提供サーバ4の時刻(すなわち、正しい時刻)が15:00である時、ID情報送信機5の内部クロックの時刻は、位置情報提供サーバ4が示す正しい時刻(15:00)とは異なる(例えば、15分進んでいる)。
【0164】
なお、ID情報受信機1(GPS携帯電話等)は、他のシステム(例えば、携帯電話キャリアのセンタシステム等)から時刻情報を取得することができるため、位置情報提供サーバ4と同期する時刻(すなわち、正しい時刻)を備えている。
【0165】
そこで、位置情報提供サーバ4は、ID−位置情報リスト(後述する図17)において、ID情報送信機5の内部クロックが示す時刻に基づいて、識別子(ID)が有効である期間を修正する。例えば、「308978」である識別子(ID)が15:00(正しい時刻)から18:00(正しい時刻)の間で有効である場合には、位置情報提供サーバ4は、ID情報送信機5の内部クロックに基づいて、「308978」である識別子(ID)は15:15から18:15の間で有効であると修正する。そして、位置情報提供サーバ4は、修正したID−位置情報リストをID情報受信機1に送信する。
【0166】
これによって、ID情報受信機1は、ID情報送信機5の内部クロックが正しい時刻を備えていない場合でも、有効期間が修正されたID−位置情報リストに基づいて、ID情報送信機5から送信された識別子(ID)を位置情報に変換することができる。
【0167】
しかしながら、ID情報送信機5の内部クロックの時刻情報は、ID情報受信機1を介して、適切な頻度で位置情報提供サーバ4に通知されるとは限らない。例えば、ID情報送信機5が人の通らない辺鄙な場所に設置されていた場合には、付近を通過する接近するID情報受信機1がないため、ID情報送信機5の内部クロックの時刻情報は、何か月もの間、位置情報提供サーバ4に通知されない可能性がある。
【0168】
そこで、位置情報提供サーバ4のデバイス管理プログラム4826は、図14に示した管理情報テーブルに含まれる最終更新からの経過日(9309)を参照して、所定の期間(例えば、30日)が経過した場合には、位置情報提供サーバ4の管理者にアラート(例えば、警告メール)を通知してもよい。
【0169】
また、ID情報送信機5の識別子(ID)は3時間毎に変更されるため、ID情報受信機1は、識別子(ID)が変更された直後にID情報送信機5の識別子(ID)を認識できない可能性がある。そこで、ID−位置情報リスト(後述する図17)に今回のID(9312)だけでなく、前回のID(9310)識別子(ID)と次回のID(9314)とを記載しておく。これによって、ID情報受信機1は、ID情報送信機5の識別子(ID)が変更された時においても連続して位置情報を取得することができる。
【0170】
なお、無線デバイス6は、識別子(ID)を変更しないため、前述した処理とは関係がない。
【0171】
図16は、本発明の実施形態の位置情報を提供する処理の例を示すシーケンス図である。
【0172】
ここでは、ID情報受信機1の所有者1−1が屋外から屋内(地下街)に移動する場合の位置情報の処理について、図10に示した市街地地図を用いて説明する。
【0173】
はじめに、ID情報受信機1の所有者1−1(例えば、GPS対応携帯端末のユーザ)は、屋外の道路を通行している。所有者1−1は、GPS衛星7のGPS信号を受信して位置情報サービス(LBS)を受ける場合には、ID情報受信機1を操作して、LBSのアプリケーションを起動する(9902)。
【0174】
LBSのアプリケーションが起動された後、ID情報受信機1は、受信したGPS信号を計算することによって、自局の位置を特定し、特定した自局の位置情報を位置情報提供サーバ4のID情報受信機管理プログラム4820に送信する(9904)。
【0175】
次に、位置情報提供サーバ4の屋内エリア情報通知プログラム4822は、屋内エリアリストをID情報受信機1の屋内エリア情報管理プログラム1224に送信する(9906)。なお、屋内エリアリストとは、図10に示した「U−Area1」等の情報である。具体的には、屋内エリアリストには屋内エリアの名称(例えば、U−Area1)と、エリアの中心部の緯度経度の位置情報とが含まれる。また、屋内エリアリストには、所有者1−1の現在位置を中心とする所定の距離(例えば、半径20km)内に含まれるすべてのエリアの情報が含まれる。
【0176】
次に、ID情報受信機1の屋内エリア情報管理プログラム1224は、ID情報受信機1のGPSレシーバ118を介して受信したGPS信号に基づいて、定期的に自局の位置を測位し、屋内エリアが接近しているか否かを判定する(9908)。
【0177】
処理9908において、屋内エリアが接近したと判定された場合には、ID情報受信機1は、位置情報提供サーバ4のID−位置情報リスト作成プログラム4818にID−位置情報リストの送信を要求する(9910)。
【0178】
なお、ID情報受信機1の屋内エリア情報管理プログラム1224は、位置情報提供サーバ4から送信された屋内エリアリストを参照し、自局の現在位置と、屋内エリアリストに記載された屋内エリアの中心地点との距離等を計算することによって、自局がどの屋内エリアに接近しているのかを判定してもよい。
【0179】
位置情報提供サーバ4のID−位置情報リスト作成プログラム4818は、ID−位置情報リストの送信の要求を受けた後、ID−位置情報リストを作成する(9912)。具体的には、ID−位置情報リスト作成プログラム4818は、図14に示した無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の管理情報テーブルのエントリから、ID情報受信機1が接近する屋内エリアに設置されている無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)が含まれるエントリを抽出して、無線デバイスの識別子(ID)と位置情報とを含むID−位置情報リストを作成する。
【0180】
例えば、所有者1−1が、図10に示した「U−Area3」及び「U−Area5」に接近した場合には、ID−位置情報リスト作成プログラム4818は、両方のエリアに設置されている無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の識別子(ID)と設置された場所の位置情報とを含むID−位置情報リストを作成し、作成されたID−位置情報リストをID情報受信機1に送信する。
【0181】
なお、所有者1−1がGPS信号を受信することができない地下街において、LBSのアプリケーションを起動した場合には、ID情報受信機1は、初めに自局の位置を位置情報提供サーバ4に送信するのではなく、付近に設置されたいずれかの無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)から送信された識別子(ID)を位置情報提供サーバ4に送信してもよい。
【0182】
この場合には、位置情報提供サーバ4は、無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の管理情報テーブル(図14)を参照し、送信された識別子(ID)と同じ識別子(ID)が含まれるエントリを特定する。次に、位置情報提供サーバ4は、特定されたエントリに基づいて、ID情報受信機1が位置する屋内エリアを特定し、特定された屋内エリアのID−位置情報リストをID情報受信機に送信してもよい。
【0183】
ここで、ID−位置情報リストについて説明する。
【0184】
図17は、本発明の実施形態のID−位置情報リストの例を示す説明図である。
【0185】
ID−位置情報リストは、無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の管理情報テーブル(図14)から必要な情報のみが選択されたリストである。ID−位置情報リストは、登録番号(9302)、デバイス種別(9304)、デバイス設置位置(9306)、前回ID(9310)、今回ID(9312)、及び、次回ID(9314)を含む。
【0186】
図16の処理9916の説明に戻る。
【0187】
ここで、所有者1−1(例えば、GPS対応携帯端末のユーザ)は、地下街に進み、図10に示す屋内エリア「U−Area5」に位置している。ID情報受信機1は、地下街において、GPS信号を受信することができない。この場合には、ID情報送信機5及び無線デバイス6は、識別子(ID)を含む測位信号を送信する(9916)。ID情報受信機1は、GPS信号に代わって、ID情報送信機5及び無線デバイス6が送信する測位信号を受信する。
【0188】
次に、ID情報受信機1のID−位置情報変換プログラム1226は、ID−位置情報リストを参照して、受信した識別子(ID)を位置情報に変換する(9917)。次に、ID情報受信機1は、変換した自局の位置情報をLBSサーバ3に送信する(9918)。LBSサーバ3は、ID情報受信機1の位置情報を受信した後、ID情報受信機1に位置情報サービス(LBS)を提供する(9920)。
【0189】
なお、処理9917から処理9920までの処理は、LBSサービスを終了するまで繰り返される。
【0190】
LBSサービスの提供が開始され、終了されるまでの間、ID情報受信機1のログ管理プログラム1220は、ログ情報を収集する(9921)。ここで、ログ情報とは、ID情報受信機1が自局の測位のために使用した無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の識別子(ID)、使用回数、及び、提供されたLBSサービス名である。
【0191】
これらのログ情報は、LBS提供者への請求金(課金)、及び、ID情報送信機5及び無線デバイス6の設置者への報奨金を算出するために用いられる。
【0192】
LBS事業者は、屋内に設置された無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)によって、本来であれば位置情報サービスを提供することができない屋内においても、位置情報サービスを提供することができる。したがって、LBS事業者は、無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)を設置した設置者に対して利益を還元しなければならない。
【0193】
本発明の実施形態の位置情報提供サーバ4は、LBS事業者が得た利益を定量的に算出し、ID情報送信機5及び無線デバイス6の設置者へ設置に要するコスト等を還元する。
【0194】
ここで、所有者1−1は、LBSサービスを終了するか、又は、GPS信号を受信することができる地上に進んだとする。ID情報受信機1は、LBSアプリケーション終了の操作がされた後、又は、GPS信号を受信した後、屋内におけるLBSサービスが終了したことをLBSサーバ3に通知する(9922)。
【0195】
前述したLBSサービスの終了の後、ID情報受信機1のログ管理プログラム1220は、収集したログ情報を位置情報提供サーバ4の報奨金課金管理プログラム4828に送信する(9924)。なお、ログ情報は、LBSサービスを受けている時間が長い場合には、サービスが継続されている間の適当なタイミングで送信されてもよいし、一定期間後(例えば、月末等)に送信されてもよい。
【0196】
次に、位置情報提供サーバ4の報奨金課金管理プログラム4828は、送信されたログ情報に基づいて、報奨金リスト及び請求金リストを修正する(9926)。
【0197】
報奨金リスト及び請求金リストについては、それぞれ、図18、図19を用いて次に説明する。
【0198】
図18は、本発明の実施形態の報奨金リストの一部の例を示す説明図である。
【0199】
報奨金リストは、ID番号(9402)、種類(9404)、レート(9406)、利用回数(9408)、及び、報奨金総計(9410)を含む。
【0200】
ID番号(9402)は、ID情報送信機5及び無線デバイス6の識別子(ID)(登録番号でもよい)である。種類(9404)には、デバイスの種類が記載される。レート(円/回)(9406)は、あらかじめ定められているデバイスの一回当りの使用料金である。利用回数(9408)はログ情報の通知(9324)によって取得されたデバイスの利用回数が記載される。報奨金総計(円/今月)(9410)は、デバイスのレート(9406)と利用回数(9408)とを乗算して計算された金額が記載される。
【0201】
なお、位置情報提供サーバ4の報奨金課金管理プログラム4828は、各デバイスから送信されたすべてログ情報を解析して、デバイス毎に各LBSサービスが利用した回数を集計する。報奨金課金管理プログラム4828は、集計した結果に基づいて、図18に示した報奨金リストを修正する。
【0202】
図19は、本発明の実施形態の請求金リストの一部の例を示す説明図である。
【0203】
請求金リストは、LBS名(9502)、ID情報送信機利用回数(9504)、無線デバイス利用回数(9506)、及び、請求金総計(9508)を含む。
【0204】
LBS名(9502)には、請求先であるLBS名が記載される。ID情報送信機利用回数(9504)には、各LBSサービスが実際に利用したID情報送信機5の利用回数が記載される。無線デバイス利用回数(9506)には、各LBSサービスが実際に利用した無線デバイス6の利用回数が記載される。請求金総計(9508)は、LBSサービス毎のID情報送信機利用回数(9504)とレートとを乗算して計算した金額と
無線デバイス利用回数(9506)とレートとを乗算して計算した金額との合計である。
【0205】
なお、位置情報提供サーバ4の報奨金課金管理プログラム4828は、各デバイスから送信されたすべてログ情報を解析し、LBSサービス毎に、LBSが利用した各デバイスの利用回数を集計する。報奨金課金管理プログラム4828は、集計の結果に基づいて、図19に示した請求金リストを修正する。
【0206】
図16の処理9930の説明に戻る。
【0207】
位置情報提供サーバ4の報奨金課金管理プログラム4828は、請求金リストの内容に応じて、LBSサービス事業者毎のLBSサーバ3に請求金リストを送信する(9928)。また、報奨金リストの内容に応じて、ID情報送信機5及び無線デバイス6を管理する情報端末8の位置情報提供サーバ用ブラウザプログラム8822に報奨金リストを送信する(9930)。
【0208】
図20は、本発明の実施形態のID情報送信機又は無線デバイスのID情報を無効とする処理の例を示すシーケンス図である。
【0209】
位置情報提供サーバ4は、所有者1−1の異常位置報告に基づいて、異常位置が示されたID情報送信機5又は無線デバイス6のID情報を削除する。
【0210】
無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の情報の送信(9602)からLBSの提供(9606)までの処理は、図16に示したID情報の送信(9916)からLBSの提供(9920)までの処理と同じである。
【0211】
位置情報サービス(LBS)の利用中に不合理と思われるサービスを受けた場合、例えば、東京の地下街で利用している時に、九州の繁華街の地図が表示されたような場合には、ID情報受信機1の所有者1−1は、ID情報受信機1のキー入力コントローラ112を操作し、異常位置が示された旨の報告を入力する。
【0212】
所有者1−1によって異常位置情報の報告が入力されると、ID情報受信機1の異常位置情報通知プログラム1221は、位置情報提供サーバ4の異常位置情報管理プログラム4829に異常位置情報の通知する(9608)。
【0213】
次に、位置情報提供サーバ4の異常位置情報管理プログラム4829は、図14に示した無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の管理情報テーブルの異常報告回数(9311)を修正する(9610)。次に、異常位置情報管理プログラム4829は、異状通知が所定の回数(例えば、10回)を超えたか否かを判定する(9612)。所定の回数を越えた場合には、異常位置情報管理プログラム4829は、無線デバイス等(ID情報送信機5及び無線デバイス6)の管理情報テーブルから、異常位置を示したデバイスの情報を削除する(9614)。
【0214】
なお、デバイスの設置場所が位置情報提供サーバ4に通知されることなく、変更されてしまった場合、又は、ID情報送信機5が生成した識別子(ID)が、同時間帯において、他の場所に設置されている別のID情報送信機5が生成した識別子(ID)と一致してしまった場合に、異常位置が報告される可能性がある。
【0215】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、ID情報送信機5の設置者が、その設置等に際して発生するコスト(ID情報送信機5を購入し、設定し、設置し、メンテナンスを行い、必要に応じて設定を変更するために要するコスト)を回収することができる。
【0216】
また、無線LAN基地局(例えば、WiFi)等を所有する個人又は法人がこれらを無線デバイス6として用い、位置情報を提供する場合に、個人又は法人に対して利益を還元することができる
また、ID情報送信機5が送信する測位信号を受信することができる本発明とは異なる携帯端末等を所有する者であって、本発明の位置情報提供サーバが提供するサービスに加入していない第三者が、ID情報送信機5を利用することによって、位置情報提供サービスにただ乗り(フリーライド)することを防止することができる。
【0217】
また、ID情報受信機1からLBSサーバ3への位置情報の問い合わせによるサーバ負荷の問題を回避し、また、ID情報受信機5とLBSサーバ3との間のネットワーク送信遅延を低減する。つまり、LBSサービスの利用時において、リアルタイムの位置情報を提供することができる。
【0218】
また、屋内位置測位に関する様々な無線デバイスが併存する状況において、これらの無線デバイスを統一的に取り扱うことができる。
【0219】
さらに、ID情報受信機1の所有からの通知に基づいて、不正又は不明瞭な位置情報を示す無線デバイスを特定し、特定された無線デバイスを位置情報提供システムから切り離すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】本発明の実施形態の位置情報提供システムの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態のID情報受信機のハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態のID情報受信機のソフトウェアの構成の例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の位置情報提供サーバのハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の位置情報提供サーバのソフトウェアの構成の例を示すブロック図である。
【図6A】本発明の実施形態のID情報送信機のハードウェア及びソフトウェア構成の例を示すブロック図である。
【図6B】本発明の実施形態の無線デバイスの通信パケットの例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態のID情報送信機の通信パケットの例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態の情報端末のハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態の情報端末のソフトウェアの構成の例を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態の屋内エリアを示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態のID情報送信機を登録する処理を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の実施形態のID情報送信機の識別子変更の例を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態の無線デバイスを登録する処理を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の実施形態のID情報送信機及び無線デバイスの管理情報テーブルの例を示す説明図である。
【図15】本発明の実施形態の位置提供サーバと位置情報送信機との時刻のずれを示す説明図である。
【図16】本発明の実施形態の位置情報を提供する処理の例を示すシーケンス図である。
【図17】本発明の実施形態のID−位置情報リストの例を示す説明図である。
【図18】本発明の実施形態の報奨金リストの一部の例を示す説明図である。
【図19】本発明の実施形態の請求金リストの一部の例を示す説明図である。
【図20】本発明の実施形態のID情報送信機又は無線デバイスのID情報を無効とする処理の例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0221】
1 ID情報受信機
1−1 所有者
2 ネットワーク
3 LBSサーバ
4 位置情報提供サーバ
5 ID情報送信機
6 無線デバイス
7 GPS衛星
8 情報端末
8−1 所有者
12 メモリ
48 メモリ
62 メモリ
100 内部通信線
102 モニタコントローラ
104 ディスプレイ
106 音声入出力コントローラ
108 マイク
110 スピーカ
112 キー入力コントローラ
114 キー入力インターフェース
116 GPSレシーバモジュール
118 GPSレシーバ
120 無線デバイスレシーバモジュール
122 CPU
122 無線デバイスレシーバ
400 内部通信線
404 ネットワーク接続コントローラ
406 CPU
410 外部装置コントローラ
412 モニタコントローラ
414 入出力コントローラ
416 キーボード
418 マウス
420 ディスプレイ
601 アナログ処理部
602 デジタル処理部
603 電源
605 アンテナ
608 設定表示インターフェース
610 シリアルインターフェース
612 外部記憶媒体
1202 ネットワーク制御ドライバ
1204 ネットワーク通信ミドルウェア
1206 GPS信号処理ドライバ
1207 無線デバイス信号処理ドライバ
1216 GPS信号ミドルウェア
1217 無線デバイス信号ミドルウェア
1218 IDリスト管理プログラム
1220 ログ管理プログラム
1221 異常位置情報通知プログラム
1224 屋内エリア情報管理プログラム
1230 キー入力制御ドライバ
1232 音声入出力制御ドライバ
1236 モニタ制御ドライバ
4802 ネットワーク制御ドライバ
4804 通信管理プログラム
4806 通信キュー
4810 ID種別判定プログラム
4812 入出力処理ドライバ
4814 モニタ制御処理ドライバ
4816 データベース管理プログラム
4818 IDリスト作成プログラム
4820 ID情報受信機管理プログラム
4822 屋内エリア情報通知プログラム
4826 デバイス管理プログラム
4828 報奨金課金管理プログラム
4829 異常位置情報管理プログラム
4830 時刻同期プログラム
4836 プログラム起動実行停止プログラム
6012 変調回路
6014 搬送波生成部
6016 D/A変換器
6017 電波送信器
6022 CPU
6024 不揮発メモリ
6026 位置情報送信プログラム
6028 個体データ情報
6204 時刻同期プログラム
6206 情報端末通信プログラム
6212 設定表示インタフェースドライバ
6214 シリアルインタフェースドライバ
6216 外部記憶媒体インタフェースドライバ
6218 ID生成プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別子を含む無線信号を送信する送信機と、前記無線信号及びGPS信号を受信する端末と、前記端末が位置を特定するための位置特定情報を前記端末に送信する位置情報サーバと、を備えた位置情報提供システムであって、
前記送信機は、無線信号を送信する送信部と、前記識別子を所定のタイミングで変更する識別子生成部を備え、
前記位置情報サーバは、前記位置特定情報を管理する位置情報管理部を備え、
前記端末は、前記無線信号及びGPS信号を受信し、また、ネットワークを介して前記位置情報サーバにデータを送受信する送受信部と、前記受信した無線信号及びGPS信号を処理する信号処理部と、前記位置特定情報に基づいて位置を特定する位置情報処理部と、を備え、
前記送信部は、前記識別子生成部によって所定のタイミングで変更される前記識別子を含む無線信号を前記端末に送信し、
前記位置情報管理部は、前記送信機によって送信された識別子と前記送信機の位置とを対応付けることによって、前記位置特定情報を作成し、
前記位置情報サーバは、前記作成された位置特定情報を前記端末に送信し、
前記送受信部は、前記識別子を含む無線信号を前記送信機から受信し、前記位置情報サーバから前記位置特定情報を受信し、
前記信号処理部は、前記受信した無線信号に含まれる識別子を取得し、
前記位置情報処理部は、前記受信した位置特定情報を参照し、前記取得した識別子を位置に変換することによって、前記端末の現在位置を特定することを特徴とする位置情報提供システム。
【請求項2】
前記位置特定情報は、さらに、前記送信機の識別子の有効期間を含み、
前記位置情報サーバは、さらに、時刻を管理する時刻情報管理部を備え、
前記送信部は、前記送信機の第1時刻を前記端末に送信し、
前記送受信部は、前記受信した第1時刻を前記位置情報サーバに送信し、
前記時刻情報管理部は、
前記受信した第1時刻と前記位置情報サーバの第2時刻との差を計算し、
前記計算された差に基づいて、前記位置特定情報に含まれる有効期間を修正することを特徴とする請求項1に記載の位置情報提供システム。
【請求項3】
前記位置情報管理部は、さらに、前記位置情報管理部に登録されている前記送信機からの信号が到達するエリアの情報を含む第1エリア情報を管理し、
前記信号処理部は、前記受信したGPS信号に基づいて、前記端末の現在位置を計算し、
前記位置情報処理部は、前記計算した現在位置に近接する一以上の前記エリアの情報を含む第2エリア情報の送信を前記位置情報サーバに要求し、
前記位置情報管理部は、
前記端末からの要求を受信した後、前記端末の現在位置に基づいて、前記第1エリア情報から前記第2エリア情報を作成し、
前記位置情報サーバは、前記作成された第2エリア情報を前記端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の位置情報提供システム。
【請求項4】
前記位置情報処理部は、
前記第2エリア情報に含まれるエリアの基準点と前記端末の現在位置との距離を計算することによって、前記端末が接近するエリア、及び、前記端末が含まれるエリアを特定し、
前記エリアに関する位置特定情報の送付を前記位置情報サーバに要求し、
前記位置情報管理部は、前記要求された位置特定情報を作成し、
前記位置情報サーバは、前記作成された位置特定情報を前記端末に送信することを特徴とする請求項3に記載の位置情報提供システム。
【請求項5】
前記位置情報提供システムは、さらに、位置情報サーバと接続され、前記送信機を管理する管理端末を備え、
前記位置情報サーバは、さらに、前記管理端末を介して接続される前記送信機を管理する送信機管理部を備え、
前記送信機管理部は、前記送信機の最初の識別子を前記管理端末に送信し、
前記管理端末は、前記最初の識別子を前記送信機に送信することを特徴とする請求項1に記載の位置情報提供システム
【請求項6】
前記端末は、さらに、位置情報処理部によって特定された位置が異常である場合、前記異常を通知する異常位置通知部を備え、
前記位置情報サーバは、さらに、前記異常の通知を管理する異常位置管理部を備え、
前記異常位置通知部は、前記異常を前記位置情報サーバに通知し、
前記異常位置管理部は、前記異常の通知が所定の回数を超えた場合、前記位置の特定に用いられた前記送信機の情報が不正であると判定し、
前記位置情報管理部は、前記位置特定情報から前記送信機の情報を削除することを特徴とする請求項1に記載の位置情報提供システム
【請求項7】
前記位置情報提供システムは、前記位置情報に基づいて情報サービスを提供する情報提供サーバと接続し、
前記端末は、さらに、前記送信機及び前記情報提供サーバの利用状況を記録する利用状況記録部を備え、
前記位置情報サーバは、さらに、前記送信機に対する報奨金及び前記情報提供サーバに対する請求金を計算する料金計算部を備え、
前記料金計算部は、前記利用状況記録部によって記録された利用状況に基づいて、前記報奨金及び前記請求金を計算することを特徴とする請求項1に記載の位置情報提供システム。
【請求項8】
送信機によって送信される無線信号及びGPS信号を受信する端末が、位置を特定するための位置特定情報を前記端末に送信する位置情報サーバであって、
前記位置特定情報を管理する位置情報管理部と、時刻を管理する時刻情報管理部と、を備え、
前記位置情報管理部は、所定のタイミングで変更される前記送信機の識別子と、前記送信機の位置と、前記識別子の有効期間と、を対応付けることによって、前記位置特定情報を作成し、
前記時刻情報管理部は、
前記送信機の第1時刻を取得し、
前記取得した第1時刻と前記位置情報サーバの第2時刻との差を計算し、
前記時刻情報管理部は、前記計算された差に基づいて、前記作成された位置特定情報に含まれる有効期間を修正することを特徴とする位置情報サーバ。
【請求項9】
前記位置情報管理部は、
さらに、前記位置情報管理部に登録されている前記送信機からの信号が到達するエリアの情報を含む第1エリア情報を管理し、
前記端末の要求に基づいて、前記第1エリア情報から、前記端末の現在位置に近接する一以上の前記エリアの情報を含む第2エリア情報を作成し、
前記位置情報サーバは、前記作成された第2エリア情報を前記端末に送信することを特徴とする請求項8に記載の位置情報サーバ。
【請求項10】
前記位置情報管理部は、
前記端末が前記第2エリア情報に含まれるいずれかのエリアに接近した場合、又は、前記第2エリア情報に含まれるいずれかのエリアに含まれる場合、
前記端末の要求に基づいて、前記エリアに関する前記位置特定情報を作成し、
前記位置情報サーバは、前記作成された位置特定情報を前記端末に送信することを特徴とする請求項9に記載の位置情報サーバ。
【請求項11】
前記位置情報サーバは、さらに、前記送信機を管理する送信機管理部を備え、
前記送信機管理部は、前記位置情報サーバと接続され、前記送信機を管理する管理端末を介して、前記送信機の最初の識別子を前記送信機に付与することを特徴とする請求項8に記載の位置情報サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−159980(P2010−159980A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−656(P2009−656)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】