説明

位置情報提供装置、位置情報提供方法、位置情報提供システム、及びプログラム

【課題】地図上における音の発信位置を提供する。
【解決手段】位置情報提供装置10は、音データの発信位置を示す音位置情報を取得する音位置情報取得部123と、上記音データの発信位置を示すアイコンを地図上に重畳した地図表示画面の表示を制御する表示制御部153とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報提供装置、位置情報提供方法、位置情報提供システム、及びプログラムに関し、特に音の位置情報を提供する、位置情報提供装置、位置情報提供方法、位置情報提供システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)などを用いて取得した位置情報に基づいて、目的地までの経路を案内するカーナビゲーション装置が、現在普及している。また、近年、例えば携帯電話、携帯型ゲーム機器、ノートPC(Personal Computer)、及びカメラなど、多くの携帯型電子機器に、位置情報を取得する機能が搭載されるようになってきた。これに伴い、位置情報は多様な形式で利用されるようになってきている。一般的に、位置情報は、位置情報を取得する機能を有する装置自身の位置情報を指し、地図上に重畳されて提供されている。
【0003】
ところで、街中には多くの音が溢れている。多くの種類の音が同時に聞こえてくる場合、自分にとって影響がある音か否か判断することが難しい状況が発生し得る。特許文献1には、取得した音データの中から、特定の種類の音を抽出する目的音抽出装置が記載されている。また、特許文献2には、音の発信位置を特定する音源位置特定装置が記載されている。これらの技術を用いれば、街中に溢れる音の中から、特定の音を抽出してその音源位置を特定することができるだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−152107号公報
【特許文献2】特開2001−174538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、例えば特許文献2の音源位置特定装置は、当該装置から音源への方向と距離の情報を取得するものであり、地図上に音の発信位置の情報を示すことはできなかった。地図上に音の発信位置の情報を示す例としては、緊急車両の位置や踏切の位置を音の発信位置として地図上に重畳することが挙げられる。このように、地図上に音の発信位置を表示すれば、事故の低減につながる可能性がある。或いは、耳の不自由な人にとっては、地図上に音の発信位置を示すことによって、視覚を用いて音の位置を知ることができる。このように、音の位置情報に関する潜在的な需要が存在している。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、音の発信位置を地図上に表示することにより提供することが可能な、新規かつ改良された位置情報提供装置、位置情報提供方法、位置情報提供システム、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、音データの発信位置を示す音位置情報に基づいて、前記音データの発信位置を示すアイコンを地図上に重畳した地図表示画面の表示を制御する表示制御部を有する、位置情報提供装置が提供される。
【0008】
かかる構成によれば、音の位置情報を地図上に表示することができる。音データの発信位置の情報は、取得された音データに基づいて、当該装置内で推測したものであってもよいし、外部の装置で推測されたものであってもよい。ユーザは、この地図表示画面を見ることによって、視覚的に音の位置を把握することができるようになる。
【0009】
また、上記音位置情報に基づいて、地図上における上記音データの発信位置を特定するマップマッチング部をさらに有し、上記表示制御部は、上記マップマッチング部により特定された位置に上記アイコンを表示してもよい。
【0010】
また、上記音データの種別を示す音種別情報を取得する音種別情報取得部をさらに有し、上記表示制御部は、上記音種別情報に応じたアイコンを上記地図表示画面上に表示してもよい。
【0011】
また、上記マップマッチング部は、上記音データの種別に基づいて選択された対象物へマッチングすることにより上記音データの位置を特定してもよい。
【0012】
また、上記マップマッチング部は、車両を音源とする音データの位置を道路にマッチングし、所定の施設の周辺においては、上記車両を音源とする音データのマッチング処理を省略してもよい。
【0013】
また、上記表示制御部は、上記音データの発信位置の履歴に基づいて、上記発信位置の移動方向を示す矢印を上記地図表示画面上に表示してもよい。
【0014】
また、上記表示制御部は、上記音データの発信位置が移動しない不動物体の位置を、アニメーションによる上記アイコンを上記地図表示画面上に表示することにより示してもよい。
【0015】
また、上記表示制御部は、複数の上記音データが存在する場合に、移動物体から発信される音データ、及び、発信位置までの距離が近い音データを優先して上記地図表示画面上に表示してもよい。
【0016】
また、当該位置情報提供装置のユーザの移動手段に応じた動作モードを決定する動作モード決定部と、上記動作モードに応じた取得範囲の音データを取得する音データ取得部とをさらに有してもよい。
【0017】
また、上記音データ取得部は、当該位置情報提供装置の周辺に音を発生する不動物体が存在するときは、該不動物体の方向に指向性を向けて上記音データを取得してもよい。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、音データの発信位置を示す音位置情報を取得する音位置情報取得ステップと、上記音データの発信位置を示すアイコンを地図上に重畳した地図表示画面を表示する表示ステップとを含む、位置情報提供方法が提供される。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、音データの発信位置を示す音位置情報を取得する音位置情報取得部と、上記音データの発信位置を示すアイコンを地図上に重畳した地図表示画面の表示を制御する表示制御部とを有する、位置情報提供装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、音データの発信位置を推測する音位置推測部と、上記発信位置を示す音位置情報を送信する通信部とを有する解析サーバと、上記音位置情報を取得する音位置情報取得部と、上記音データの発信位置を示すアイコンを地図上に重畳した地図表示画面の表示を制御する表示制御部と、を有する、位置情報提供装置とを有する、位置情報提供システムが提供される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、音の発信位置の情報が地図上の表示により提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】PNDの外観例を示す説明図である。
【図2】第1の実施形態に係るPNDの機能構成を示すブロック図である。
【図3】PNDの位置情報取得部の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図4】PND周りの座標系を示す説明図である。
【図5】PNDの音位置提供に関する動作例を示すフローチャートである。
【図6】マップマッチング処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】地図表示画面の一例を示す説明図である。
【図8】地図表示画面の他の一例を示す説明図である。
【図9】第2の実施形態に係る位置情報提供システムの構成図である。
【図10】同実施形態に係るPNDの機能構成を示すブロック図である。
【図11】解析サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図12】音位置提供に関する動作例を示すシーケンス図である。
【図13】第3の実施形態に係る携帯電話の外観例を示す説明図である。
【図14】同実施形態に係る携帯電話の機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態(端末装置側で解析を実行する例)
2.第2の実施形態(サーバ側で解析を実行する例)
3.第3の実施形態(携帯電話に実装する例)
【0025】
<1.第1の実施形態>
まず、本発明の一実施形態に係る位置情報提供装置の一例であるPND(Personal Navigation Device)の構成について図1〜図4を参照しながら説明する。図1は、PNDの外観例を示す説明図である。図2は、第1の実施形態に係るPNDの機能構成を示すブロック図である。図3は、PNDの位置情報取得部の詳細な構成の一例を示すブロック図である。図4は、PND周りの座標系を示す説明図である。
【0026】
[PND10の構成]
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る位置情報提供装置の一例であるPND10の外観例が示される。PND10は、目的地までの経路を案内するナビゲーション機能を有し、位置情報に対応付けられた各種の情報をユーザに提供する機能を有する。PND10は、その前面に各種の情報を提供する情報提供画面を含む画像を表示する表示部12を有し、車両のダッシュボード上に吸盤16を介して取付けられたクレードル14によってその筐体が保持される。PND10は、クレードル14に容易に取付けることができるとともに、取り外しすることも可能である。
【0027】
このPND10は、PND10自身の現在の位置情報を取得する機能を有するとともに、地図データを記憶している。このため、地図上に現在位置の情報を重畳して表示部12に表示させることができる。
【0028】
このPND10の機能構成について、図2を参照しながら説明する。PND10は、表示部12と、記憶部102と、操作部104と、音声出力部106と、音データ取得部108と、ナビゲーション機能ユニット110とを主に有する。
【0029】
ナビゲーション機能ユニット110は、音源分離部120と、音位置推測部121と、音位置情報取得部123と、音種別推測部125と、音種別情報取得部127と、位置情報取得部130と、ナビゲーション部150として主に機能する。ナビゲーション部150は、さらにマップマッチング部151と表示制御部153と動作モード決定部155との機能を有する。
【0030】
表示部12は、例えば、地図データに現在位置を示す情報を重畳した画面を出力する表示装置である。この表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置であってもよい。
【0031】
記憶部102は、PND10が動作するためのプログラムや、地図データなどを記憶する記憶媒体である。なお、この記憶部102は、例えば、Flash ROM(又はFlash Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの不揮発性メモリ、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などの光ディスク、並びに、MO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
【0032】
また、本実施形態においては、記憶部102は、音データの位置情報及び音種別情報を一時的に記憶する機能を有している。
【0033】
操作部104は、ユーザによる操作指示を受付け、その操作内容をナビゲーション機能ユニット110に出力する。ユーザによる操作指示としては、例えば、目的地の設定、地図の拡大および縮小、音声案内設定、画面表示設定などが挙げられる。この操作部104は、表示部12と一体的に設けられるタッチスクリーンであってもよい。或いは、操作部104は、ボタン、スイッチ、およびレバーなど、表示部12と分離して設けられる物理的構成であってもよい。また、操作部104は、リモートコントローラから送信されたユーザによる操作指示を示す信号を検出する信号受信部であってもよい。
【0034】
音声出力部106は、音声データを出力する出力装置であり、例えば、スピーカなどであってよい。この音声出力部106は、例えば、ナビゲーションにかかる音声ガイダンスを出力する。ユーザは、この音声ガイダンスを聞くことにより表示部12を見なくても目的地までの経路を知ることができる。
【0035】
音データ取得部108は、PND10の周囲の音データを取得する機能を有する。例えば、音データ取得部108は、典型的には、所謂マイクロホンのような集音装置である。この集音装置は、例えば、指向性の有無を切り替えることができてもよい。音データ取得部108は、取得した音データを音源分離部120に入力する。なお、音データ取得部108は、例えば音位置推測部121による音位置の推測方法が、ドップラー効果による周波数変調に基づいて音の位置を推測する機能を有する場合には、この周波数変調を検出するために、集音装置を音源に対して接近及び離反移動させるための構成を有していてもよい。或いは、音データ取得部108は、複数の集音装置からの音データを取得することができてもよい。なお、音データ取得部108は、PND10本体に搭載された集音装置に限らず、別体の集音装置から音データを取得するためのインタフェースであってもよい。
【0036】
また、音データ取得部108は、動作モード決定部155から供給される動作モードに応じて、音データの取得範囲を変更してもよい。例えば、車載モードで動作しているときには、徒歩モードで動作しているときよりも、PND10の移動速度が速いと思われるため、音データの取得範囲を広く設定してもよい。また、音データ取得部108は、地図データに基づいて、PND10の周辺に音を発する不動物体、例えば踏切などが存在する場合には、当該不動物体の方向に指向性を向けて音データを取得してもよい。
【0037】
音源分離部120は、音データ取得部108が取得した、複数の音源から発信された音を含む音データの中から、それぞれの音源に対応する音声信号を抽出する音源分離処理を実行する機能を有する。
【0038】
音位置推測部121は、音源分離部120から提供される、それぞれの音源に対応する音データの発信位置(即ち、音源位置)を推測する機能を有する。音位置推測部121の音位置推測方法の一例としては、集音装置を音源に対して接近及び離反移動させて得られた信号のドップラー効果による周波数変調に基づいて音の発信位置を推測する方法が挙げられる。なお、音位置推測部121は、PND10からの相対的な位置情報を生成することができる。
【0039】
音位置情報取得部123は、音位置推測部121から、音データの発信位置を示す音位置情報を取得する機能を有する。音位置情報取得部123は、取得した音位置情報をナビゲーション部150のマップマッチング部151に入力する。
【0040】
音種別推測部125は、音源分離部120から提供される、それぞれの音源に対応する音データの種別を推測する機能を有する。音種別推測部125は、例えば、予め記憶部102に記憶された音のサンプルデータを用いて、音種別を判断する。ここで、音種別推測部125が推測する対象の音は、例えば、救急車、パトカー、消防車など緊急車両のサイレン音、電車の通過音、子供のはしゃぎ声、セミの鳴き声、踏切の警報音、及び音響装置付歩行者信号機の音などが挙げられる。
【0041】
音種別情報取得部127は、音種別推測部125から、音データの種別を示す音種別情報を取得する機能を有する。音種別情報取得部127は、取得した音種別情報をマップマッチング部151及び表示制御部153に入力する。
【0042】
位置情報取得部130は、PND10の現在位置を示す位置情報を取得する機能を有する。位置情報取得部130は、例えばGPS(Global Positioning System)を始めとする測位衛星からの測位信号、各種センサからの検出データ、又は、複数の基地局から受信したWiFi電波の受信強度と基地局までの距離、の少なくともいずれかに基づいた位置情報を取得する機能を有する。ここでは、一例として図3を用いて、GPSからの測位信号と各種センサの検出値を用いる構成について説明する。なお、基地局からのWiFi電波の受信強度と基地局までの距離に基づいた位置情報を取得する場合には、位置情報取得部130は、複数の基地局からのWiFi電波を受信する受信機と、受信したWiFi電波の受信強度から各基地局との距離を推定し、各基地局との距離および各基地局の位置を利用して三角測量の原理に基づいて現在位置を算出する現在位置算出部とを含む。
【0043】
ここで、図3及び図4を参照しながら、PND10の位置情報取得部130の詳細な構成について説明する。位置情報取得部130は、GPSアンテナ131と、GPS処理部132と、地磁気センサ133と、3軸加速度センサ134と、Y軸ジャイロセンサ135と、Z軸ジャイロセンサ136と、気圧センサ137と、姿勢角検出部138と、方位算出部139と、速度算出部140と、角度算出部141と、位置算出部142と、高度算出部143と、位置情報生成部149とを主に有する。
【0044】
GPSアンテナ131は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信することができ、受信したGPS信号をGPS処理部132に入力する。なお、ここで受信されるGPS信号には、GPS衛星の軌道を示す軌道データと、信号の送信時刻などの情報が含まれている。
【0045】
GPS処理部132は、GPSアンテナ131から入力された複数のGPS信号に基づいて当該PND10の現在位置を示す位置情報を算出し、算出した位置情報を位置情報生成部149に供給する。具体的には、GPS処理部132は、複数のGPS信号をそれぞれ復調することにより得られる軌道データから各GPS衛星の位置を算出し、GPS信号の送信時刻と受信時刻との差分から各GPS衛星から当該PND10との距離を算出する。そして、算出された各GPS衛星の位置と、各GPS衛星から当該PND10までの距離とに基づいて、現在の3次元位置を算出する。
【0046】
地磁気センサ133は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向それぞれの地磁気Mx、My及びMzをそれぞれ電圧値として検出する機能を有する。
【0047】
3軸加速度センサ134は、X軸に沿った加速度αx、Y軸に沿った加速度αy、及びZ軸に沿った加速度αzをそれぞれ電圧値として検出する機能を有するセンサである。3軸加速度センサ118は、この加速度αx、加速度αy、および加速度αzを検出して、検出された加速度を示すデータを姿勢角検出部138及び速度算出部140に入力する。
【0048】
なお、図4に示したように、Z軸は鉛直方向に対応し、X軸はPND10の進行方向に対応し、Y軸はX軸に直交する水平方向に対応する方向である。
【0049】
Y軸ジャイロセンサ135は、Y軸周りの角速度であるピッチレートωyを電圧値として検出する機能を有するセンサである。Y軸ジャイロセンサ135は、このピッチレートを検出して、検出されたピッチレートを示すデータを速度算出部140に入力する。
【0050】
Z軸ジャイロセンサ136は、PND10が旋回しているときのZ軸周りの回転角の変化する速度(角速度)であるヨーレートωを電圧値として検出する機能を有するセンサである。Z軸ジャイロセンサ136は、このヨーレートを検出して、検出されたヨーレートを示すデータを角度算出部141に入力する。
【0051】
気圧センサ137は、周囲の気圧を電圧値として検出する機能を有するセンサである。気圧センサ137は、気圧を検出し、検出した気圧データを高度算出部143に入力する。
【0052】
姿勢角検出部138は、3軸加速度センサ134から入力された加速度データαx、αyおよびαzに基づいて所定の姿勢角検出処理を行うことにより、PND10の姿勢角を示す姿勢角データを生成して方位算出部139に入力する。
【0053】
方位算出部139は、地磁気センサ133から入力された地磁気データMx、MyおよびMzに対して所定の補正処理を施し、補正した地磁気データと姿勢角検出部138から入力された姿勢角データとに基づいてPND10の方位を示す方位データを生成する。方位算出部139は、生成した方位データを位置情報生成部149に供給する。
【0054】
すなわち地磁気センサ133、3軸加速度センサ134、姿勢角検出部138、および方位算出部139は、いわゆる電子コンパスとして機能し、方位データを生成する。ナビゲーション部150は、主にPND10がクレードル14から離脱されて使用されるとき(例えば徒歩にて使用される場合など)にこの方位データを利用してPND10の向きに合わせて表示した地図データをユーザに提供することができる。なお、PND10は、車載にて使用されるときには、自車位置の経路から地図データにある道路と自車位置との対応付けを行い、地図の方位に基づいてPND10の向きに合わせた地図データをユーザに提供することもできる。あるいは、取得したGPS方位からPND10の向きを算出してその向きに合わせた地図データをユーザに提供することもできる。
【0055】
速度算出部140は、3軸加速度センサ134から入力されたZ軸に沿った加速度αzをY軸ジャイロセンサ135から入力されたピッチレートωyで除算することにより進行方向に対する速度Vを算出し、算出した速度Vを位置算出部142に入力する。
【0056】
角度算出部141は、Z軸ジャイロセンサ136から入力されたヨーレートωzにサンプリング周期を積算することにより、PND10が旋回したときの角度θを算出し、その角度θが示された角度データを位置算出部142に入力する。
【0057】
位置算出部142は、速度算出部140により算出された速度Vおよび角度算出部141により算出された角度θに基づき、現在位置の位置情報を算出する機能を有する。具体的には、位置算出部142は、速度Vおよび角度θに基づいて前回算出時の位置から現在位置までの変化量を求める。そして、位置算出部142はこの変化量と前回の位置とから現在の位置情報を算出する。その後位置算出部142は、この現在位置の位置情報を位置情報生成部149に供給する。
【0058】
高度算出部143は、気圧センサ137から入力された気圧データに基づいて、PND10の高度を算出し、算出された高度データを位置情報生成部149に供給する。
【0059】
位置情報生成部149は、GPS処理部132から供給される絶対位置情報と、方位算出部139から供給されるPND10の方位データと、位置算出部142から供給されるPND10の、相対位置に基づいた位置情報と、高度算出部143から供給されるPND10の高度データとのうち、必要なデータを含む位置情報を生成してナビゲーション部150に供給する。
【0060】
以上、図3及び図4を用いて、位置情報取得部130の詳細な構成について説明した。次に、図2に戻って説明を続ける。
【0061】
ナビゲーション部150は、PND10の現在位置の情報を表示部12の表示画面上に表示される地図表示画面上に重畳して提供するとともに、ユーザが目的地を設定している場合には、表示部12の表示画面と音声出力部106からの出力音声とにより案内する機能を有する。なお、本実施形態においては、PND10は、地図表示画面上にPND10の現在位置だけでなくPND10の周囲において取得された音データの発信位置の情報を提供する。かかる機能を実現するためのナビゲーション部150の詳細な構成について、以下に説明する。なお、ここでは音データの発信位置を提供する点について主に説明するため、ナビゲーション機能の詳細については説明を省略する。
【0062】
マップマッチング部151は、地図データを用いて、位置情報を補正する(即ち、地図上の音データの発信位置を特定する)機能を有する。なお、通常、マップマッチング部151は、地図データのうち、道路ネットワークに関する情報を用いて、車載にて動作されるPND10の現在位置が、道路上の位置となるように補正を加える。つまり、PND10の現在位置を道路にマッチングすることにより補正する。このような補正機能に加えて、マップマッチング部151は、音位置情報取得部123から供給される音位置情報を補正する機能も有する。
【0063】
PND10自身の位置情報については、車載で用いられる限り、車で通れる箇所、主に道路上である可能性が高いという前提に基づき、マップマッチング部151は、道路ネットワークに関する情報を用いて位置情報の補正を行っていた。ところが、音の位置情報の場合には、必ずしも道路上とは限らない。音の種別によっても、マッチング対象とするべき対象物は異なる。そこで、音位置情報の補正に際して、マップマッチング部151は、音種別情報取得部127の取得する音種別情報に基づいて選択された対象物へマッチングすることにより、音データの位置を特定してもよい。例えば、マップマッチング部151は、音種別情報に基づいて、音源が救急車、パトカー、消防車などの車両であると判断される場合には、道路にマッチングさせることにより音データの地図上の位置を特定してもよい。なお、このマッチングは、車両は道路上を走行しているはずであるという前提に基づいたものであるが、例えば病院、消防署、警察署などにおいては、道路上のみならず、病院、消防署、又は警察署の敷地内に車両が存在する可能性も高い。このため、マップマッチング部151は、これら所定の施設の周辺においては、音データのマッチング処理を省略することができる。
【0064】
また、マップマッチング部151は、音種別情報に基づいて、音源が電車であると判断される場合には、線路にマッチングさせることにより音データの地図上の位置を特定してもよい。また、音データが子供のはしゃぎ声である場合には、公園や歩行者信号にマッチングさせることにより音データの地図上の位置を特定してもよい。
【0065】
なお、音源が、位置が固定された不動物体である場合には、地図上の同種の不動物体の位置情報を用いてマッチングすることができる。例えば、マップマッチング部151は、音データが踏切の音である場合には、地図データ上の踏切の位置にマッチングすることにより、踏切の地図上の位置を特定してもよい。音響装置付歩行者信号機の場合も同様である。
【0066】
なお、音響装置付歩行者信号機の音には、いくつか種類がある。例えばひとつの交差点で違う方向の歩行者信号機に音響装置がついている場合には、2種類の音を発信する。この音の種類を判断すれば、音データから信号機の現在の様子を判断することができる。このため、本実施形態においては、記憶部102に記憶された地図データに予め音響装置付歩行者信号機それぞれの音種別が対応づけられている。マップマッチング部151は、この音種別に応じた音響装置付歩行者信号機にマッチングすることにより、音データの地図上の位置を特定すると共に、PND10の現在位置と進行方向(例えば現在位置の履歴に基づく。)とから、PND10の進行方向の信号の状態を示す情報を表示制御部153に供給することができる。
【0067】
なお、マップマッチング部151は、動作モード決定部155から供給される、PND10の動作モードに応じて、マップマッチングする音データの取得範囲を変更してもよい。
【0068】
表示制御部153は、表示部12に表示される画面の表示を制御する機能を有する。表示制御部153は、例えば、記憶部102に記憶された地図データを、マップマッチング部151から供給されるPND10及び音データの位置情報と、動作モード155により決定された動作モードの情報と、操作部104から供給されるユーザの操作情報と、に基づいて、主に地図表示画面の表示を制御する。
【0069】
表示制御部153は、マップマッチング部151から供給される、PND10と音データとの位置情報を用いて、地図データ上にPND10の現在位置と音データの位置とを示すアイコン等を重畳した地図表示画面を表示させる。このとき、表示制御部153は、音データの音種別情報に応じた種類(形状及び模様等)のアイコンを地図表示画面上に表示する。表示制御部153は、地図表示画面に表示される範囲内の位置に音データの発信位置が存在する場合には、地図上の発信位置に対応する箇所に上記アイコンを重畳した画面を表示させる。
【0070】
なお、表示制御部153は、音データの発信位置の履歴に基づいて、移動物体から発信される音データの発信位置の移動方向を示す矢印を、対象となる音データと対応付けられたアイコン付近に表示させてもよい。自身の現在位置を提供する位置情報提供装置は、自身が動かない限り、表示画面が変化することはなかった。これに対し、本実施形態に係るPND10は、周囲の音源から発信される音の位置を示すため、移動物体から発信される音の位置情報を提供すれば、PND10自身の位置が動かなくても、次々に表示画面が変化するという新しい楽しみ方を提供することができる。例えば、不動物体から発信される音データの位置を提供する場合には、表示制御部153は、アニメーションによるアイコンを用いることによって、変化に富んだ画面を提供することができる。
【0071】
また、表示制御部153は、複数の音源から発信される音データが存在する場合には、それら複数の音データのうち、地図表示画面上に位置を表示する音データの優先度を判断してもよい。例えば、不動物体の位置は、地図データからもわかる場合があるため、移動物体から発信される音データよりも優先度が低いと判断してもよい。また、PND10の現在位置から音データの発信位置までの距離が近いほど優先して地図表示画面上に表示するようにしてもよい。
【0072】
さらに、表示制御部153は、音種別と、PND10の現在位置と音の発信位置との位置関係と、PND10の進行方向とに基づいて、音の発信位置の表示の有無を判断してもよい。例えば、音種別が踏切の音である場合に、踏切がPND10の進行方向とは逆方向にある場合には、ユーザにとって踏切の音の重要度は低いため、表示制御部153は、踏切の音の発信位置の情報を表示しないと判断してもよい。或いは、音種別が救急車である場合に、救急車の音位置が、PND10の位置から遠ざかっている場合には、かかる音の発信位置の情報を表示しないと判断してもよい。
【0073】
動作モード決定部155は、PND10の動作モードを決定する機能を有する。動作モード決定部155は、例えば、動作モード切替画面においてユーザが操作部104を用いて入力した操作情報に基づいて、動作モードを決定してもよい。ここで言う動作モードとは、例えば、車載モード、徒歩モード、自転車モードなどユーザの移動手段に応じた動作モードであってよい。或いは、動作モード決定部155は、PND10がクレードル14から取り外されたことが検出されると自動的に徒歩モードに切り替わる構成となっている場合には、この取り外しの検出情報に応じて、動作モードを決定してもよい。
【0074】
以上、本実施形態に係るPND10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置がこれらの機能を実現する処理手順を記述した制御プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体から制御プログラムを読出し、そのプログラムを解釈して実行することにより行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0075】
なお、上述のような本実施形態に係るPND10の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0076】
[音位置情報提供動作]
次に、図5を参照しながら、PND10の動作について説明する。図5は、本実施形態に係るPNDの音位置提供に関する動作例を示すフローチャートである。
【0077】
音データ取得部108は、音データを取得する(S101)。音データ取得部108は、取得した音データを音源分離部120に供給する。ここで供給された音データは、通常複数の音源からの音を含む。このため、音源分離部120は、この音データからそれぞれの音源に対応する音データを抽出する音源分離処理を実行する。そして、音種別推測部125は、音源分離されたそれぞれの音データの音種別を推測する(S103)。ここで、音種別推測部125は、表示対象の音種別である音データが取得されたか否かを判断する(S105)。表示対象となる音種別の音データが取得されない場合には、当該動作を終了する。
【0078】
一方、ステップS105の判断において、表示対象である音データが取得された場合には、音種別推測部125は、音種別情報取得部127に音種別情報を供給し、音種別情報取得部127は、マップマッチング部151及び表示制御部153に音種別情報を供給する。一方、このとき音位置推測部121は、表示対象の音データの音位置を推測する(S107)。そして、音位置推測部121は、推測された音位置情報を音位置情報取得部123に供給し、音位置情報取得部123は、マップマッチング部151に音位置情報を供給する。
【0079】
マップマッチング部151は、音位置情報取得部123から供給された音位置情報と音種別情報取得部127から供給された音種別情報とに基づいて、音位置情報を地図データ中の対象物にマッチングすることにより補正する(S109)。ここで実行されるマップマッチング処理の詳細については、図6を参照しながら後に詳述される。
【0080】
そして、表示制御部153は、同じ種類の音データが連続して取得されたか否かを判断し(S111)、前回も同種類の音データが取得された場合には、音位置情報の履歴に基づいて、音の発信位置の進行方向を推測する(S113)。
【0081】
そして、表示制御部153は、表示データを読込む(S115)。ここで表示されるデータは、主に、地図データと、PND10の現在位置情報と、音の発信位置を示すアイコンなどである。表示制御部153は、ここで音種別に応じてアイコンの種類を選択する処理も行う。
【0082】
表示制御部153は、地図上に音位置を表示する(S117)とともに、必要に応じて音声案内により注意喚起する(S119)。このとき、表示制御部153は、音の発信位置と共に、ステップS113にて推測した進行方向を示す矢印を表示させてもよい。そして、表示した音位置と音種別とを例えば記憶部102に記憶する(S121)。ここに示した各ステップは、音の発信位置の表示機能が起動している間、繰り返されることが好ましい。
【0083】
以上、PND10の音の発信位置提供に関する動作を説明した。ここでステップS109のマップマッチング処理の詳細について、図6を参照しながら説明する。
【0084】
[マップマッチング処理]
まず、マップマッチング部151は、観測地、即ちPND10からの距離及び角度による音位置情報から、音位置の緯度経度を算出する(S151)。そして、マップマッチング部151は、ステップS151において算出した緯度経度の属性を地図データから取得する(S153)。
【0085】
次に、マップマッチング部151は、音種別が自動車又は電車などの移動物体か否かを判断する(S155)。ここで、音種別が自動車又は電車などの移動物体である場合には、マップマッチング部151は、音位置情報を最も近い道路又は線路の位置に合わせて補正する(S157)。
【0086】
一方、ステップS155において音種別が自動車又は電車などの移動物体でないと判断された場合には、次に、マップマッチング部151は、音種別が踏切又は音響装置付信号などの位置固定物体(不動物体ともいう。)であるか否かを判断する(S159)。ここで、音種別が踏切又は音響装置付信号などの位置固定物体であった場合には、音位置情報を最も近い踏切又は信号の位置に合わせて補正する(S161)。一方、音種別がこれらのいずれでもない場合には、補正しない音位置情報をマッチング結果として出力する(S163)。
【0087】
なお、ここで、PND10の地図表示画面について図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、音種別が救急車のサイレンである場合の地図表示画面の一例を示す説明図である。また、図8は、音種別が踏切の音である場合の地図表示画面の一例を示す説明図である。
【0088】
例えば、音種別が救急車のサイレンであった場合には、救急車を示すアイコン51と、PND10の現在位置を示すアイコンMとが表示される。さらに、継続的に救急車の音位置情報が取得されると、その音位置情報の履歴から音源である救急車の進行方向を推測し、矢印53により示してもよい。また、救急車51を示すアイコンの向きも進行方向に合わせたものを表示することが好ましい。
【0089】
また、図8には、不動物体である踏切の音位置を示す場合の地図表示画面の一例が示される。音種別が不動物体からの音であることを示している場合には、アニメーションにより音の発信位置を提供することが好ましい。例えば、アイコン52aとアイコン52bとを交互に表示させることにより、表示画面520内のアイコン52は動いているように見える。
【0090】
<2.第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る位置情報提供システムについて図9〜図12を参照しながら説明する。第1の実施形態においては、PND10の内部で音種別及び音位置の推測処理が行われたが、第2の実施形態に係るPND20は、解析サーバ60の機能を用いて、音種別情報及び音位置情報を取得する。図9は、本実施形態に係る位置情報提供システムの構成図である。図10は、同実施形態に係るPNDの機能構成を示すブロック図である。図11は、同実施形態に係る解析サーバの機能構成を示すブロック図である。図12は、同実施形態に係る位置情報提供システムの音位置提供に関する動作例を示すシーケンス図である。
【0091】
図9を参照すると、本実施形態に係る位置情報提供システムは、PND20と、ネットワーク50を介して接続された解析サーバ60とを有する。
【0092】
[PND20の構成]
PND20の機能構成については、図10に示される。なお、PND20の各構成要素について、第1の実施形態に係るPND10と同様の機能を有するものについては、同一の符号を付することとし、詳細な説明は省略する。以下、PND10との相違点について主に説明する。
【0093】
PND20は、記憶部102と、表示部12と、操作部104と、音声出力部106と、音データ取得部108と通信部201と、音種別情報取得部227と、音位置情報取得部223と、ナビゲーション部150と、位置情報取得部130と、を主に有する。
【0094】
通信部201は、例えば、インターネットなどのネットワーク50に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。例えば、通信部201が無線通信を行う場合には、通信に係る信号を送受信するための通信アンテナと、通信に係る各種の信号処理を行う処理回路などを含むものであってよい。また、通信部201は、有線による通信を行う通信インタフェースであってよい。通信部201は、解析サーバ60との間で、ネットワーク50を介して音データ、位置情報、音位置情報、及び音種別情報などの各種データを送受信する。
【0095】
通信部201は、音データ取得部108が取得した音データを解析サーバ60に送信する送信部として機能するとともに、解析サーバ60から取得される音位置情報及び音種別情報を受信する受信部としても機能する。通信部201は、受信した音位置情報を音位置情報取得部223に供給し、取得した音種別情報を音種別情報取得部227に供給する。
【0096】
音位置情報取得部223は、通信部201を介して解析サーバ60から音データ取得部108が取得した音データに含まれるある音源からの音データについての音位置情報を取得する機能を有する。音位置情報取得部223は、次に説明する音種別情報取得部227によって、対象の音データが、音位置情報を表示する表示対象の音であると判断された場合に、取得した音位置情報をマップマッチング部151に供給する。
【0097】
音種別情報取得部227は、通信部201を介して解析サーバ60から音種別情報を取得する機能を有する。音種別情報取得部227は、取得した音種別情報に基づいて、対応する音データが表示対象であるか否かを判断する。例えば、音種別情報取得部227は、予め記憶部102に記憶される、表示対象である音種別のリストを参照して、このリストに含まれているか否かに基づいて表示対象であるか否かを判断してもよい。音種別情報取得部227は、対応する音データが表示対象である場合に、取得した音種別情報をマップマッチング部151及び表示制御部153に供給する。
【0098】
なお、解析サーバ60により音種別を特定することのできた全ての音データを表示対象とする場合には、音種別情報取得部227及び音位置情報取得部223は、取得した音種別情報又は音位置情報を全てマップマッチング部151又は表示制御部153に供給してもよい。
【0099】
[解析サーバ60の構成]
次に、図11を参照しながら、解析サーバ60の機能構成について説明する。解析サーバ60は、通信部601と、記憶部602と、音源分離部620と、音種別推測部625と、音位置推測部621とを主に有する。
【0100】
通信部601は、例えば、インターネットなどのネットワーク50に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。例えば、通信部601が無線通信を行う場合には、通信に係る信号を送受信するための通信アンテナと、通信に係る各種の信号処理を行う処理回路などを含むものであってよい。また、通信部601は、有線による通信を行う通信インタフェースであってよい。通信部601は、PND20との間で、ネットワーク50を介して音データ、位置情報、音位置情報、及び音種別情報などの各種データを送受信する。
【0101】
通信部601は、PND20から送信された音データを受信する受信部として機能し、受信した音データを音源分離部620に供給する。また、通信部601は、音種別推測部625から供給される音種別情報と、音位置推測部621から供給される音位置情報とをPND20に送信する送信部として機能する。
【0102】
記憶部602は、解析サーバ60が動作するためのプログラムや、音種別推測のためのサンプルデータなどを記憶する記憶媒体である。なお、この記憶部602は、例えば、Flash ROM(又はFlash Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの不揮発性メモリ、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などの光ディスク、並びに、MO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
【0103】
音源分離部620は、通信部601を介してPND20から取得した複数の音源から発信された音を含む音データの中から、それぞれの音源に対応する音声信号を抽出する音源分離処理を実行する機能を有する。
【0104】
音種別推測部625は、音源分離部620から提供される、それぞれの音源に対応する音データの種別を推測する機能を有する。音種別推測部625は、例えば、予め記憶部602に記憶された音のサンプルデータを用いて、音種別を判断する。ここで、音種別推測部625が推測する対象の音は、例えば、救急車、パトカー、消防車など緊急車両のサイレン音、電車の通過音、子供のはしゃぎ声、セミの鳴き声、踏切の警報音、及び音響装置付歩行者信号機の音などが挙げられる。音種別推測部625は、推測して得られた音種別情報を通信部601を介してPND20に送信する。
【0105】
音位置推測部621は、音源分離部620から提供される、それぞれの音源に対応する音データの発信位置(即ち、音源位置)を推測する機能を有する。音位置推測部621の音位置推測方法の一例としては、集音装置を音源に対して接近及び離反移動させて得られた信号のドップラー効果による周波数変調に基づいて音の発信位置を推測する方法が挙げられる。なお、音位置推測部621は、PND20からの相対的な位置情報を生成することができる。音位置推測部621は、推測して得られた音位置情報を通信部601を介してPND20に送信する。
【0106】
以上、本実施形態に係るPND20及び解析サーバ60の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置がこれらの機能を実現する処理手順を記述した制御プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体から制御プログラムを読出し、そのプログラムを解釈して実行することにより行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0107】
なお、上述のような本実施形態に係るPND20及び解析サーバ60の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0108】
[音位置情報提供動作]
次に、PND20と解析サーバ60とにより実現される位置情報提供システムの音位置情報提供に係る動作の一例について、図12を参照しながら説明する。
【0109】
まず、PND20は、音データ取得部108により音データを取得する(S201)。音データ取得部108は、取得した音データを、通信部201を介して解析サーバ60に送信する(S203)。すると、音データを受信した解析サーバ60の通信部601は、受信した音データを音源分離部620に供給する。音源分離部620は、受信した音データから、それぞれの音源に対応する音データを抽出する音源分離処理を実行し、音種別推測部625は、分離して得られたそれぞれの音データについて音種別を推測する(S207)。次に、音位置推測部621は、音種別が推測された音データについて、音位置を推測する(S207)。通信部601は、推測して得られた音種別情報と音位置情報とを、PND20に送信する(S209)。
【0110】
PND20の通信部201は、解析サーバ60から音位置情報及び音種別情報を受信すると、音種別情報取得部227は、受信した音種別情報に基づいて、対応する音データが表示対象の音であるか否かを判断する(S211)。ここで、音種別情報取得部227は、記憶部102に予め記憶された表示対象の音種別の一覧である表示対象音リストを参照して、表示対象の音であるか否かを判断してもよい。
【0111】
ステップS211の判断により、表示対象の音であると判断された場合には、次にマップマッチング部151は音位置情報と音種別情報とに基づいて、音位置情報を地図データ中の対照物にマッチングすることにより補正するマップマッチング処理を実行する(S213)。ステップS213のマップマッチング処理は、第1の実施形態におけるマップマッチング処理と同様であり、その詳細は図6に示される。ここでは、詳細な説明は省略する。
【0112】
次に、表示制御部153は、同じ種類の音データが連続して取得されたか否かを判断し(S215)、前回も同種類の音データが取得されている場合には、音位置情報の履歴に基づいて、音の発信位置の進行方向を推測する(S217)。
【0113】
そして、表示制御部153は、表示データを読込む(S219)。ここで表示されるデータは、主に、地図データと、PND20の現在位置情報と、音の発信位置を示すアイコンなどである。表示制御部153は、ここで音種別に応じてアイコンの種類を選択する処理も行う。
【0114】
表示制御部153は、地図上に音位置を表示する(S221)とともに、必要に応じて音声案内により注意喚起する(S223)。このとき、表示制御部153は、音の発信位置と共に、ステップS113にて推測した進行方向を示す矢印を表示させてもよい。そして、表示した音位置と音種別とを例えば記憶部102に記憶する(S225)。ここに示した各ステップは、音の発信位置の表示機能が起動している間、繰り返されることが好ましい。
【0115】
以上、本発明の第2の実施形態に係る位置情報提供システムについて説明してきた。本実施形態においては、音源分離処理、音種別推測処理、及び音位置推測処理を行う解析サーバ60を用いたが、本発明は係る例に限定されない。例えば、音源分離処理、音種別推測処理、及び音位置推測処理はそれぞれ別の装置により実行されてもよい。
【0116】
<3.第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る位置情報提供装置である携帯電話30について説明する。上記にて、PNDによる位置情報提供装置の説明をしてきたが、かかる機能は、携帯電話により実現されてもよい。位置情報提供装置が携帯電話である場合の外観が図13に示され、その機能構成が図14に示される。図13は、本発明の第3の実施形態に係る携帯電話の外観例を示す説明図である。図14は、同実施形態に係る携帯電話の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0117】
図13に示したように、第3の実施形態による携帯電話30は、表示部302と、操作部304と、スピーカ324とを有する。また、携帯電話30は、第1の実施形態にかかるPND10と同様、クレードル303を介して、吸盤306により車両に取り付けるようになされていてもよい。
【0118】
図14は、第3の実施形態にかかる携帯電話30の機能構成を示したブロック図である。図14に示したように、第3の実施形態に係る携帯電話30は、ナビゲーション機能ユニット110又はナビゲーション機能ユニット210と、表示部302と、操作部304と、記憶部308と、携帯電話機能ユニット310と、統括制御部334とを有する。
【0119】
携帯電話機能ユニット110は、表示部302、操作部304、および記憶部308と接続されている。因みに、図10では表示を簡略化しているが、表示部302、操作部304、および記憶部308は、ナビゲーション機能ユニット110又はナビゲーション機能ユニット210にもそれぞれ接続されている。なお、ナビゲーション機能ユニット110の詳細な構成については、図2を用いて第1の実施形態において詳述し、ナビゲーション機能ユニット210の詳細な構成については、図10を用いて第2の実施形態において詳述したためここでは説明を省略する。
【0120】
携帯電話機能ユニット110は、通話機能や電子メール機能などを実現するための構成であり、通信アンテナ312と、マイクロホン314と、エンコーダ316と、送受信部320と、スピーカ324と、デコーダ326と、携帯電話制御部330と、を有する。
【0121】
マイクロホン314は、音声を集音し、音声信号として出力する。エンコーダ316は、携帯電話制御部330による制御に従い、マイクロホン314から入力される音声信号のデジタル変換およびエンコードなどを行い、音声データを送受信部320に出力する。
【0122】
送受信部320は、エンコーダ316から入力される音声データを所定の方式に従って変調し、通信アンテナ312から無線で携帯電話30の基地局へ送信する。また、送受信部320は、通信アンテナ312により無線信号を復調して音声データを取得し、デコーダ326に出力する。
【0123】
デコーダ326は、携帯電話制御部330による制御に従い、送受信部320から入力される音声データのデコードおよびアナログ変換などを行い、音声信号をスピーカ324に出力する。スピーカ324は、デコーダ326から供給される音声信号に基づいて音声を出力する。
【0124】
また、携帯電話制御部330は、電子メールを受信する場合、送受信部320からデコーダ326に受信データを供給し、デコーダ326に受信データをデコードさせる。そして、携帯電話制御部330は、デコードにより得られた電子メールデータを表示部302に出力して表示部302に表示させる共に、記憶部308に電子メールデータを記録する。
【0125】
また、携帯電話制御部330は、電子メールを送信する場合、操作部304を介して入力された電子メールデータをエンコーダ316にエンコードさせ、送受信部320および通信アンテナ312を介して無線送信する。
【0126】
総括制御部334は、上述した携帯電話ユニット310およびナビゲーション機能ユニット110又はナビゲーション機能ユニット210を制御する。例えば、総括制御部334は、ナビゲーション機能ユニット110又はナビゲーション機能ユニット210によりナビゲーション機能を実行している間に電話がかかってきた場合、ナビゲーション機能を携帯電話ユニット310による通話機能に一時的に切替え、通話終了後、ナビゲーション機能ユニット110又はナビゲーション機能ユニット210にナビゲーション機能を再開させてもよい。
【0127】
なお、携帯電話30の位置情報提供に関する動作は、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0128】
<4.まとめ>
以上、音の発信位置の情報を提供する位置情報提供装置の好ましい実施形態として、PND10、PND20、及び携帯電話30について説明してきた。いずれの実施形態においても、位置情報提供装置は、自装置の周辺で取得された音データから、特定の音源から発信された音データを抽出し、抽出された音データの種別及び位置を推測することにより得られた音種別情報と音位置情報とを、地図上に表示して提供する。
【0129】
例えば、ここで抽出される音は、救急車、パトカー、消防車など緊急車両のサイレン音、電車の通過音、踏切の警報音、及び音響装置付歩行者信号機の音、などの交通に関わる音、並びに、子供のはしゃぎ声、セミの鳴き声、クマの鳴き声などが挙げられる。
【0130】
例えば交通に関わる音の位置と種類の情報を提供することにより、例えば、緊急車両が近づいていることを、視覚的に示すことができ、これを参照するユーザは、道を譲る準備をすることができる。このとき、ユーザが耳で検知する音の情報に基づいて判断する場合には、音が近づいているのか、又は遠ざかっているのかの判断は、ユーザに委ねられていた。また、耳の不自由なユーザにとっては、音の情報は今まで得ることができなかったが、本発明によれば、聴覚の代わりに視覚によって音の情報を得ることができる。
【0131】
また、従来、位置情報を提供する装置は、主に自装置の現在位置の情報を提供していたため、自らが動かない限り、表示画面には変化がなかった。しかし、位置情報提供装置自身、又はユーザ自身に関わらず発信される、周囲の音に基づいた音の位置情報と種別情報とを提供することにより、変化のある地図表示画面を提供することができ、ユーザは、視覚的にも楽しむことができる。このとき、例えばセミの鳴き声の位置情報及び種別の情報を提供すれば、ユーザはセミがどこで鳴いているのかを知ることができる。聴覚のみに頼る場合には、セミの鳴き声が聞こえたとしても、どこで鳴いているのかわからないことが多かったが、ユーザはこの音の位置情報を参照してセミを探索することもできる。或いは、山道においては、クマの鳴き声の位置及び種別を表示してもよい。また、例えば、雷の音など気象に関する音の位置及び種別の情報を提供するようにしてもよい。
【0132】
なお、音の位置情報を地図上に表示する際に、地図データを用いて補正するマップマッチング処理を行うが、このとき、道路ネットワークのみならず、音の種別に応じた対象物にマッチングすることができる。例えば、電車の音は線路にマッチングすることで位置情報の精度が高まる可能性が高い。また、踏切の音であれば、踏切にマッチングすることが好ましい。或いは、音響装置付歩行者信号機の音の場合には、地図データ内の信号機にマッチングすることができる。このとき、例えば音響装置付歩行者信号機の音は、2つの方向の横断歩道が交差する交差点においては、通常、それぞれの方向について異なる音が設定されている。この音の違いを検出することにより、位置情報提供装置は、対象の交差点の信号の状況を把握することができる。例えば進行方向の信号の状況を検出した場合には、注意喚起のメッセージを表示又は音声出力により提供することができる。
【0133】
以上のように、交通に関する音の位置情報を提供することにより、ユーザにとって運転の助けとなる情報を提供することができる。また、この音の位置を地図データを用いて補正することにより、位置情報の精度を高めることができる。また、ユーザが動かなくても表示が変化する地図表示画面を提供することができるため、視覚的にも楽しむことができるようになる。
【0134】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0135】
例えば、上記実施形態では、第1及び第2の実施形態において、位置情報提供装置がPNDである場合について説明し、第3の実施形態において、位置情報提供装置が携帯電話である場合について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、位置情報提供装置は、車内に固定式のナビゲーション装置であってもよく、その他、位置情報を取得する機能を有するあらゆる機器に適用することができる。なお、上記実施形態においては、位置情報提供装置がナビゲーション機能を有する場合について説明したが、位置情報提供装置は、必ずしもナビゲーション機能を有するものでなくともよい。例えば、位置情報と地図情報とに基づいた情報を提供する機能を有する位置情報提供装置であればよい。
【0136】
また、上記実施形態では、位置情報取得のための構成として、GPSからの受信信号に基づいた測位機能と、各種センサを用いた相対測位の機能を有するものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。位置情報取得部は、複数の基地局からのWiFi電波を受信する受信機と、受信したWiFi電波の受信強度から各基地局との距離を推定し、各基地局との距離および各基地局の位置を利用して三角測量の原理に基づいて現在位置を算出する現在位置算出部とを含む構成であってもよい。或いは、例示しない各種のセンサを用いた測位情報を取得する構成であってもよい。また、測位衛星の一例として、GPSを挙げたが、もちろんこれに限られない。測位衛星は、ガリレオ、GLONASS、北斗、みちびきなど各種の測位衛星を用いることができる。このとき、測位衛星は、1つの種類の衛星が用いられてもよいし、複数の種類の衛星による測位信号を組合わせて用いることも可能である。実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、位置情報取得のために利用する構成を変更することが可能である。
【0137】
また、上記第2の実施形態においては、解析サーバ60は、音の相対位置の情報を算出することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。PND20が音データと共に、PND20の現在位置の情報を解析サーバ60に送信することによって、解析サーバ60が相対位置の情報を緯度経度の情報に変換する処理まで行うこともできる。
【0138】
尚、本明細書において、フローチャート及びシーケンス図に記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0139】
10、20 PND(位置情報提供装置)
30 携帯電話(位置情報提供装置)
102 記憶部
12 表示部
104 操作部
106 音声出力部
108 音データ取得部
110 ナビゲーション機能ユニット
120 音源分離部
121 音位置推測部
123 音位置情報取得部
125 音種別推測部
127 音種別情報取得部
130 位置情報取得部
150 ナビゲーション部
151 マップマッチング部
153 表示制御部
155 動作モード決定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
音データの発信位置を示す音位置情報に基づいて、前記音データの発信位置を示すアイコンを地図上に重畳した地図表示画面の表示を制御する表示制御部、
を備える、位置情報提供装置。
【請求項2】
前記音位置情報に基づいて、地図上における前記音データの発信位置を特定するマップマッチング部、
をさらに備え、
前記表示制御部は、前記マップマッチング部により特定された位置に前記アイコンを表示する、請求項1に記載の位置情報提供装置。
【請求項3】
前記音データの種別を示す音種別情報を取得する音種別情報取得部、をさらに備え、
前記表示制御部は、前記音種別情報に応じたアイコンを前記地図表示画面上に表示する、請求項2に記載の位置情報提供装置。
【請求項4】
前記マップマッチング部は、前記音データの種別に基づいて選択された地図上の対象物へマッチングすることにより前記音データの位置を特定する、請求項3に記載の位置情報提供装置。
【請求項5】
前記マップマッチング部は、車両を音源とする音データの位置を地図上の道路にマッチングし、所定の施設の周辺においては、前記車両を音源とする音データのマッチング処理を省略する、請求項4に記載の位置情報提供装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記音データの発信位置の履歴に基づいて、前記発信位置の移動方向を示す矢印を前記地図表示画面上に表示する、請求項3に記載の位置情報提供装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記音データの発信位置が移動しない不動物体の位置を、アニメーションによる前記アイコンを前記地図表示画面上に表示することにより示す、請求項3に記載の位置情報提供装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、複数の前記音データが存在する場合に、移動物体から発信される音データ、及び、発信位置までの距離が近い音データを優先して前記地図表示画面上に表示する、請求項1に記載の位置情報提供装置。
【請求項9】
当該位置情報提供装置のユーザの移動手段に応じた動作モードを決定する動作モード決定部と、
前記動作モードに応じた取得範囲の音データを取得する音データ取得部と、
をさらに備える、請求項1に記載の位置情報提供装置。
【請求項10】
前記音データ取得部は、当該位置情報提供装置の周辺に音を発生する不動物体が存在するときは、該不動物体の方向に指向性を向けて前記音データを取得する、請求項1に記載の位置情報提供装置。
【請求項11】
音データの発信位置を示す音位置情報を取得する音位置情報取得ステップと、
前記音データの発信位置を示すアイコンを地図上に重畳した地図表示画面を表示する表示ステップと、
を含む、位置情報提供方法。
【請求項12】
コンピュータを、
音データの発信位置を示す音位置情報に基づいて、前記音データの発信位置を示すアイコンを地図上に重畳した地図表示画面の表示を制御する表示制御部、
を備える、位置情報提供装置として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
音データの発信位置を推測する音位置推測部と、
前記発信位置を示す音位置情報を送信する通信部と、
を有する解析サーバと、
前記音位置情報を取得する音位置情報取得部と、
前記音データの発信位置を示すアイコンを地図上に重畳した地図表示画面の表示を制御する表示制御部と、
を有する、位置情報提供装置と、
を備える、位置情報提供システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−73088(P2012−73088A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217526(P2010−217526)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】