説明

位置情報管理システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】通信経路における位置情報の盗聴の危険を低減することができる端末装置等を提供すること。
【解決手段】端末装置20の現在位置を示す現在位置情報162を生成する継続測位手段と、測位基礎情報160を格納する測位基礎情報格納手段と、現在位置情報162を格納する現在位置情報格納手段と、現在位置情報162に示される現在位置が、送信条件を満たすか否かを判断する現在位置評価手段と、現在位置評価手段の判断結果に基づいて、測位基礎情報格納手段から測位基礎情報160を取得する測位基礎情報取得手段と、現在位置評価手段の判断結果に基づいて、通知基礎情報格納手段から通知基礎情報158を取得する通知基礎情報取得手段と、測位基礎情報取得手段によって取得した測位基礎情報160及び通知基礎情報取得手段によって取得した通知基礎情報158を、位置情報管理装置60に送信する基礎情報送信手段と、を有することを特徴とする端末装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置の位置情報を管理する位置情報管理システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。
GPS受信機は、例えば、3個以上のGPS衛星から電波を受信し、電波が各GPS衛星から発信された時刻とGPS受信機に到達した時刻との差(以後、遅延時間と呼ぶ)によって、各GPS衛星とGPS受信機との間の距離(以後、擬似距離と呼ぶ)を求める。そして、各GPS衛星から受信した電波に乗せられている各GPS衛星の衛星軌道情報と、上述の擬似距離を使用して、現在位置の測位演算を行うようになっている。この測位演算によって、例えば、緯度、経度及び高度からなる位置情報を生成することができる。
この位置情報は、緊急時にも有用であり、例えば、警察機関や消防機関などの緊急通報先への通報においては、通報者の位置の特定が重要である。具体的には、「総務省、情報通信審議会、情報通信技術分化会、緊急通報機能等高度化委員会」が平成16年5月に提出した「携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件−緊急通報機能等高度化委員会 報告書(案)−」には、緊急通報時の初期段階に、所定の測位精度の位置情報を移動機が送出すべきことが記載されている。
これに関連して、測位演算によって生成した位置情報を使用して、緊急時などに、GPS受信機を携帯している人の現在位置を特定の通報先に通報する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−180286号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の従来技術においては、緯度、経度等からなる位置情報を外部に送信するため、位置情報を通報先まで送信する通信経路において、第三者にその位置情報を盗聴される場合があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、通信経路における位置情報の盗聴の危険を低減することができる位置情報管理システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、位置情報管理の対象である端末装置と、位置情報を管理する位置情報管理装置と、を有する位置情報管理システムであって、前記端末装置は、前記端末装置の移動許容範囲を示す移動許容範囲情報と、前記端末装置の現在位置と前記移動許容範囲に基づいて規定される送信条件と、前記送信条件を満たしたことを通知する通知先を示す通知先情報を含む通知基礎情報を格納する通知基礎情報格納手段と、複数の測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報を生成し、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す現在位置情報を生成する継続測位手段と、前記測位基礎情報を格納する測位基礎情報格納手段と、前記現在位置情報を格納する現在位置情報格納手段と、前記現在位置情報に示される前記現在位置が、前記送信条件を満たすか否かを判断する現在位置評価手段と、前記現在位置評価手段の判断結果に基づいて、前記測位基礎情報格納手段から前記測位基礎情報を取得する測位基礎情報取得手段と、前記現在位置評価手段の判断結果に基づいて、前記通知基礎情報格納手段から前記通知基礎情報を取得する通知基礎情報取得手段と、前記測位基礎情報取得手段によって取得した前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報取得手段によって取得した前記通知基礎情報を、前記位置情報管理装置に送信する基礎情報送信手段と、を有し、前記位置情報管理装置は、前記端末装置の前記基礎情報送信手段が送信した前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報を受信する基礎情報受信手段と、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す管理装置側端末位置情報を生成する管理装置側測位手段と、前記管理装置側端末位置情報を格納する管理装置側端末位置情報格納手段と、前記管理装置側端末位置情報と、前記通知基礎情報に基づいて、前記通知先へ前記送信条件を満たしたことを通知するための通知情報を生成する通知情報生成手段と、前記通知情報を前記通知先へ送信する通知情報送信手段と、を有することを特徴とする位置情報管理システムにより達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記端末装置は、前記継続測位手段を有するから、前記衛星信号に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報を生成し、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す現在位置情報を生成することができる。すなわち、前記端末装置は、外部の測位装置の補助を必要とすることなく、前記現在位置情報を単独で生成することができる。
このため、前記端末装置は、前記現在位置情報を生成するために、外部の測位装置と通信する必要がないから、通信時間及び通信に必要な電力消費を節約することができる。
【0007】
また、前記端末装置は、前記現在位置評価手段によって、前記現在位置情報に示される前記現在位置が、前記送信条件を満たすか否かを判断することができる。そして、前記端末装置は、前記基礎情報送信手段を有するから、前記現在位置評価手段の判断結果に基づいて、前記通知基礎情報及び前記測位基礎情報を前記位置情報管理装置に送信することができる。
すなわち、前記端末装置は、前記現在位置が前記送信条件を満たした場合に、前記現在位置情報を送信するのではなくて、前記通知基礎情報及び前記測位基礎情報を送信する。前記測位基礎情報を受信して前記端末装置の現在位置を知ることは、前記端末装置の緯度及び経度等によって前記端末装置の位置を直接示す前記現在位置情報を受信して前記端末装置の現在位置を知るよりも困難である。
このため、前記端末装置は、通信経路における位置情報の盗聴の危険を低減することができる。
【0008】
一方、前記位置情報管理装置は、前記基礎情報受信手段によって、前記端末装置から前記通知基礎情報及び前記測位基礎情報を受信し、前記通知情報生成手段によって、前記通知先へ前記送信条件を満たしたことを通知するための通知情報を生成することができる。 さらに、前記位置情報管理装置は、前記通知情報送信手段を有するから、前記通知情報を前記通知先へ送信することができる。
前記通知情報は、前記通知先へ前記送信条件を満たしたことを通知するためのものであり、前記端末装置の現在位置を示す情報を含まない。
このため、前記位置情報管理装置もまた、通信経路における位置情報の盗聴の危険を低減することができる。
また、前記位置情報管理装置は、前記管理装置側端末位置情報格納手段を有するから、前記管理装置側測位手段によって生成した前記管理装置側端末位置情報を格納することができる。
このため、前記通知先情報に示される通知先からの問い合わせがあった場合には、前記端末装置の正確な現在位置を通知することができる。
これにより、前記位置情報管理システムは、通信経路における盗聴の危険を低減しつつ、必要な場合には通知先へ前記端末装置の現在位置を通知することができる。
【0009】
前記目的は、第2の発明によれば、位置情報を管理する位置情報管理装置と通信可能な端末装置であって、前記端末装置の移動許容範囲を示す移動許容範囲情報と、前記端末装置の現在位置と前記移動許容範囲に基づいて規定される送信条件と、前記送信条件を満たしたことを通知する通知先を示す通知先情報を含む通知基礎情報を格納する通知基礎情報格納手段と、複数の測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報を生成し、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す現在位置情報を生成する継続測位手段と、前記測位基礎情報を格納する測位基礎情報格納手段と、前記現在位置情報を格納する現在位置情報格納手段と、前記現在位置情報に示される前記現在位置が、前記送信条件を満たすか否かを判断する現在位置評価手段と、前記現在位置評価手段の判断結果に基づいて、前記測位基礎情報格納手段から前記測位基礎情報を取得する測位基礎情報取得手段と、前記現在位置評価手段の判断結果に基づいて、前記通知基礎情報格納手段から前記通知基礎情報を取得する通知基礎情報取得手段と、前記測位基礎情報取得手段によって取得した前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報取得手段によって取得した前記通知基礎情報を、前記位置情報管理装置に送信する基礎情報送信手段と、を有することを特徴とする端末装置によって達成される。
【0010】
第2の発明の構成によれば、第1の発明の構成の前記端末装置と同様に、通信経路における位置情報の盗聴の危険を低減することができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記測位基礎情報取得手段が取得する前記測位基礎情報は、前記送信条件を満たしたときの前記現在位置情報の生成の基礎となった前記測位基礎情報であることを特徴とする端末装置である。
【0012】
第3の発明の構成によれば、前記測位基礎情報取得手段が取得する前記測位基礎情報は、前記送信条件を満たしたときの前記現在位置情報の生成の基礎となった前記測位基礎情報であるから、前記端末装置から前記測位基礎情報を受信した前記位置情報管理装置は、前記送信条件を満たしたときの前記端末装置の現在位置を示す前記管理装置側端末位置情報を生成することができる。
また、前記端末装置は、前記送信条件を満たしたときの前記現在位置情報を生成したときに、その基礎となった前記測位基礎情報を既に生成しているから、前記測位基礎情報を改めて生成する必要がない。このため、前記測位基礎情報を迅速に前記位置情報管理装置に送信することができる。
【0013】
第4の発明は、第2の発明又は第3の発明のいずれかの構成において、前記送信条件は、前記端末装置が、前記移動許容範囲の内外を示す境界線を跨いだことであることを特徴とする端末装置である。
【0014】
第4の発明の構成によれば、前記送信条件は、前記端末装置が、前記移動許容範囲の内外を示す境界線を跨いだことであるから、前記端末装置が前記位置情報管理装置に対して、前記基礎情報を送信する機会は、非常に限定された場合である。
このため、前記端末装置は、前記位置情報管理装置との通信による電力消費量を節約することができる。
また、前記位置情報管理装置の処理負担を軽減できる結果として、前記位置情報管理装置は、より多数の前記端末装置の位置情報を管理することができる。
【0015】
前記目的は、第5の発明によれば、位置情報を管理する位置情報管理装置と通信可能であって、位置情報管理の対象である端末装置が、複数の測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報を生成し、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す現在位置情報を生成する継続測位ステップと、前記端末装置が、前記現在位置情報に示される前記現在位置が、前記端末装置の現在位置と前記端末装置の移動許容範囲に基づいて規定される送信条件を満たすか否かを判断する現在位置評価ステップと、前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報を取得する測位基礎情報取得ステップと、前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記送信条件を満たしたことを通知する通知先を示す通知先情報を含む通知基礎情報を取得する通知基礎情報取得ステップと、前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報を前記位置情報管理装置に送信する基礎情報送信ステップと、を有することを特徴とする端末装置の制御方法によって達成される。
【0016】
第5の発明の構成によれば、第2の発明の構成と同様に、通知経路における盗聴の危険を低減することができる。
【0017】
前記目的は、第6の発明によれば、コンピュータに、位置情報を管理する位置情報管理装置と通信可能であって、位置情報管理の対象である端末装置が、複数の測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報を生成し、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す現在位置情報を生成する継続測位ステップと、前記端末装置が、前記現在位置情報に示される前記現在位置が、前記端末装置の現在位置と前記端末装置の移動許容範囲に基づいて規定される送信条件を満たすか否かを判断する現在位置評価ステップと、前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報を取得する測位基礎情報取得ステップと、前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記送信条件を満たしたことを通知する通知先を示す通知先情報を含む通知基礎情報を取得する通知基礎情報取得ステップと、前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報を前記位置情報管理装置に送信する基礎情報送信ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【0018】
前記目的は、第7の発明によれば、コンピュータに、位置情報を管理する位置情報管理装置と通信可能であって、位置情報管理の対象である端末装置が、複数の測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報を生成し、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す現在位置情報を生成する継続測位ステップと、前記端末装置が、前記現在位置情報に示される前記現在位置が、前記端末装置の現在位置と前記端末装置の移動許容範囲に基づいて規定される送信条件を満たすか否かを判断する現在位置評価ステップと、前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報を取得する測位基礎情報取得ステップと、前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記送信条件を満たしたことを通知する通知先を示す通知先情報を含む通知基礎情報を取得する通知基礎情報取得ステップと、前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報を前記位置情報管理装置に送信する基礎情報送信ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る位置情報管理システム10を示す概略図である。
図1に示すように、位置情報管理システム10は、端末20を有する。端末20は、位置情報管理システム10における、位置情報管理の対象である。この端末20は、端末装置の一例である。
位置情報管理システム10は、また、位置管理情報サーバ60(以後、サーバ60と呼ぶ)を有する。サーバ60は、端末20の位置情報を管理する位置情報管理装置の一例である。
後述のように、サーバ60は、端末20が、ゾーンAを出入りした場合に、端末20の現在位置を管理するようになっている。
【0021】
端末20は、GPS装置32を有し、複数の測位衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c,12d,12e及び12fからの信号である例えば、信号S1,S2,S3,S4,S5及びS6を受信することができる。
また、端末20は、通信装置34を有し、通信基地局である例えば、無線基地局50及び、通信網である例えば、インターネット網55を介して、サーバ60と通信可能になっている。
端末20は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance等であるが、これらに限らない。
【0022】
サーバ60は、サーバ側GPS装置74を有し、信号S1等を受信することができる。
また、サーバ60は、サーバ側通信装置76を有し、端末20を含む複数の端末装置と通信可能になっている。
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等は、5個以下でもよいし、7個以上でもよい。
【0023】
(端末20の主なハードウエア構成について)
図2は端末20の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図2に示すように、端末20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0024】
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置28、電源供給装置である電池30、GPS装置32、通信装置34、及び、各種情報等を表示する表示装置36が接続されている。
【0025】
(サーバ60の主なハードウエア構成について)
図3はサーバ60の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図3に示すように、サーバ60は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス62を有する。
このバス62には、CPU64、記憶装置66、外部記憶装置68等が接続されている。外部記憶装置68は例えば、HD(Hard Disk)等である。
【0026】
また、このバス62には、入力装置70、電源装置72、サーバ側GPS装置74、サーバ側通信装置76及び表示装置78が接続されている。
【0027】
(端末20の主なソフトウエア構成について)
図4は、端末20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように、端末20は、各部を制御する制御部100、図2のGPS装置32に対応するGPS部102、図2の通信装置34に対応する通信部104、各種プログラムを格納する第1記憶部110、各種情報を格納する第2記憶部150を有する。
【0028】
図4に示すように、端末20は、第2記憶部150に、ユーザ識別情報152を格納している。ユーザ識別情報152は、位置情報管理システム10において、端末20を他の端末装置と識別するための情報である。
【0029】
端末20は、また、第2記憶部150に測位計算補助情報154を格納している。測位計算補助情報154は、すべてのGPS衛星12a等の概略の軌道情報であるアルマナック(Almanac)154a及び、各GPS衛星12a等の精密な軌道情報であるエフェメリス(Ephemeris)154bを含む。
【0030】
端末20は、また、第2記憶部150に、モード情報156を格納している。モード情報156は、端末20が、サーバ60による位置情報の管理を要求する状態である監視モード156a、及び、サーバ60による位置情報の管理を要求しない状態である通常モード156bのいずれであるかを示す情報である。端末20は、監視モード156a又は通常モード156bのいずれかの状態に設定されている。
【0031】
図4に示すように、端末20は、第2記憶部150に、ゾーン管理情報158を格納している。ゾーン管理情報158は、端末20の移動許容範囲である例えば、ゾーンAに関する情報である。ゾーン管理情報158は、通知基礎情報の一例である。そして、第2記憶部150は、通知基礎情報格納手段の一例である。
ゾーン管理情報158は、ゾーン名称158aを含む。ゾーン名称158aは、ゾーンAの名称である例えば、「小学校」を示す情報である。
ゾーン管理情報158は、また、領域情報158bを含む。領域情報158bは、ゾーンAの範囲を示す情報であり例えば、中心点と半径によってゾーンAの範囲を規定する情報である。領域情報158bに示されるソーンAの範囲は、端末20の移動許容範囲の一例であり、領域情報158bは、移動許容範囲情報の一例である。
なお、本実施の形態とは異なり、矩形の2頂点、ポリゴンの各頂点によってゾーンAの範囲を規定してもよい。
【0032】
ゾーン管理情報158は、また、判定条件158cを含む。判定条件158cは、端末20の現在位置と領域情報158bに示されるゾーンAの範囲に基づいて規定されている。この判定条件158cは、送信条件の一例である。
判定条件158cに示される判定条件は例えば、ゾーンA進入時とゾーンA離脱時である。
【0033】
ゾーン管理情報158は、また、通知先メールアドレス158dを含む。通知先メールアドレス158dは、端末20がゾーンAに進入した場合、または、ゾーンAから離脱した場合に、サーバ60を介して、その旨を通知する端末装置にアクセスするための情報である。
【0034】
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、定期測位プログラム112を格納している。定期測位プログラム112は、制御部100が、複数のGPS衛星12a等からの信号S1等(図1参照)に基づいて、定期的に測位の基礎となる測位基礎情報160を生成し、その測位基礎情報160に基づいて、端末20の現在位置を示す測位位置情報162を生成するためのプログラムである。測位基礎情報160は測位基礎情報の一例であり、測位位置情報162は現在位置情報の一例である。そして、定期測位プログラム112と制御部100は、継続測位手段の一例である。
例えば、制御部100は、5分間ごとに、GPS部102によって信号S1等を受信して測位基礎情報160を生成する。この測位基礎情報160は、端末20と各GPS衛星12a等との距離(擬似距離)を示す擬似距離情報160a及び、GPS衛星12a等が各信号S1等を発信した時刻であるGPS時刻情報160bを含む。制御部100は、GPS時刻情報160bと測位計算補助情報154のエフェメリス154bによって、各GPS衛星12a等の軌道上の位置を算出する。そして、各GPS衛星12a等の軌道上の位置と、各GPS衛星12a等との擬似距離によって、現在位置の測位演算を行うようになっている。測位位置情報162は、例えば、端末20の現在位置の緯度、経度及び高度を示す情報である。
制御部100は、生成した測位基礎情報160及び測位位置情報162を第2記憶部150に格納する。すなわち、第2記憶部150は、測位基礎情報格納手段の一例であり、現在位置情報格納手段の一例でもある。
【0035】
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、測位位置評価プログラム114を格納している。測位位置評価プログラム114は、制御部100が、測位位置情報162に示される端末20の現在位置が、判定条件158cを満たすか否かを判断するためのプログラムである。すなわち、測位位置評価プログラム114と制御部100は、現在位置評価手段の一例である。
具体的には、制御部100は、前回の測位位置情報162に示される位置がゾーンA外であって、今回の測位位置情報162に示される位置がゾーンA内であれば、端末20がゾーンAに侵入したと判断し、判定条件158cを満たしたと判断する。
また、制御部100は、前回の測位位置情報162に示される位置がゾーンA内であって、今回の測位位置情報162に示される位置がゾーンA外であれば、端末20がゾーンAから離脱したと判断し、判定条件158cを満たしたと判断する。
上述のように、制御部100は測位位置評価プログラム114に基づいて、端末20が、ゾーンAの内外を規定する境界線を跨いだ場合に、判定条件158cを満たしたと判断するようになっている。
このように、判定条件158cは、端末20が、ゾーンAの内外を示す境界線を跨いだことであるから、端末20がサーバ60に対して、後述のようにゾーン管理情報158及び測位位置情報162を送信する機会は、非常に限定された場合である。
このため、端末20は、サーバ60との通信による電力消費量を節約することができる。
【0036】
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、測位基礎情報取得プログラム116を格納している。測位基礎情報取得プログラム116は、制御部100が、測位位置評価プログラム114による判断結果に基づいて、第2記憶部150から、判定条件158cを満たしたときの測位位置情報162の生成の基礎となった測位基礎情報160を取得するためのプログラムである。すなわち、測位基礎情報取得プログラム116と制御部100は、測位基礎情報取得手段の一例である。
【0037】
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、ゾーン管理情報取得プログラム118を格納している。ゾーン管理情報取得プログラム118は、制御部100が、測位位置評価プログラム114による判断結果に基づいて、第2記憶部150から、ゾーン管理情報158を取得するためのプログラムである。すなわち、ゾーン管理情報取得プログラム118と制御部100は、通知基礎情報取得手段の一例である。
【0038】
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、通知基礎情報送信プログラム120を格納している。通知基礎情報送信プログラム120は、制御部100が、測位基礎情報取得プログラム116によって取得した測位基礎情報160、及び、ゾーン管理情報取得プログラム118によって取得したゾーン管理情報158を、サーバ60へ送信するためのプログラムである。すなわち、通知基礎情報送信プログラム120と制御部100は、基礎情報送信手段の一例である。
後述のように、測位基礎情報160及びゾーン管理情報158は、サーバ60が通知先へ送信する通知情報を生成する基礎となる情報である。
【0039】
上述のように、端末20は、複数のGPS衛星12a等からの信号S1等に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報160(図4参照)を生成し、測位基礎情報160に基づいて、端末20の現在位置を示す測位位置情報162(図4参照)を生成することができる。すなわち、端末20は、外部の測位装置の補助を必要とすることなく、測位位置情報162を単独で生成することができる。
このため、端末20は、測位位置情報162を生成するために、外部の測位装置と通信する必要がないから、通信時間及び通信に必要な電力消費を節約することができる。
【0040】
また、端末20は、測位位置情報162に示される現在位置が、判定条件158c(図4参照)を満たすか否かを判断することができる。そして、端末20は、現在位置が、判定条件158c(図4参照)を満たすか否かについての判断結果に基づいて、ゾーン管理情報158及び測位基礎情報160をサーバ60に送信することができる。
すなわち、端末20は、現在位置が判定条件158cを満たした場合に、測位位置情報162を送信するのではなくて、測位基礎情報160を送信する。測位基礎情報160を受信して端末20の現在位置を知ることは、測位位置情報162を受信して端末20の現在位置を知るよりも困難である。
このため、端末20は、通信経路における位置情報の盗聴の危険を低減することができる。
また、端末20がサーバ60に送信する測位基礎情報160は、判定条件158c(図4参照)を満たしたときの測位位置情報162の生成の基礎となった測位基礎情報160であるから、端末20から測位基礎情報160を受信したサーバ60は、判定条件158cを満たしたときの端末20の現在位置を示す後述のサーバ側測位位置情報260(図5参照)を生成することができる。
また、端末20は、判定条件158cを満たしたとき測位位置情報162を生成したときに、その基礎となった測位基礎情報160を既に生成しているから、測位基礎情報160を改めて生成する必要がない。このため、測位基礎情報160を迅速にサーバ60に送信することができる。
さらに、端末20は、判定条件158cを満たしたとき測位位置情報162に基づいて、既に測位位置情報162を生成しているから、サーバ60もまた、測位位置情報162に基づいて、端末20の位置を測位演算できる可能性が非常に高い。
しかも、端末20は、継続的に測位位置情報162を生成し、測位のための初期位置を継続的に更新することができるから、測位演算した結果生成した測位位置情報162の測位精度は高く、その結果、測位基礎情報160の信頼性も高い。サーバ60は、このように信頼性が高い測位基礎情報160に基づいて、端末20の位置を測位演算することができる。
さらに、端末20は、サーバ60に対して、ゾーン管理情報158及び測位基礎情報160を送信するのは、判定条件158cを満たしたときに限定されているから、サーバ60の処理負担が小さい。このため、サーバ60は、常に端末20を含む複数の端末装置の位置を測位演算する場合に比べて、より多数の端末装置の位置情報を管理することができる。
【0041】
(サーバ60の主なソフトウエア構成について)
図5は、サーバ60の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図5に示すようにサーバ60は、各部を制御するサーバ制御部200、図3のサーバ側GPS装置74に対応するサーバGPS部202、図3のサーバ側通信装置76に対応するサーバ通信部204、各種プログラムを格納するサーバ第1記憶部210、各種情報を格納するサーバ第2記憶部250を有する。
【0042】
図5に示すように、サーバ60は、サーバ第2記憶部250に、サーバ側ユーザ識別情報252を格納している。サーバ側ユーザ識別情報252は、端末20を含む複数の端末装置を識別するための情報である。
【0043】
図5に示すように、サーバ60は、サーバ第2記憶部250に、サーバ側測位計算補助情報254を格納している。サーバ側測位計算補助情報254は、アルマナック254a及びエフェメリス254bを含む。
【0044】
サーバ60は、サーバ通信部204によって、端末20からゾーン管理情報158及び測位位置情報160(図4参照)を受信する。すなわち、サーバ通信部204は、基礎情報受信手段の一例である。
そして、サーバ制御部200は、端末20から受信したゾーン管理情報158及び測位基礎情報160を、サーバ側ゾーン管理情報256及びサーバ側測位基礎情報258として、サーバ第2記憶部250に格納する。
【0045】
図5に示すように、サーバ60は、サーバ第1記憶部210に、サーバ側測位プログラム212を格納している。サーバ側測位プログラム212は、サーバ制御部200が、サーバ側測位基礎情報256に基づいて、端末20の現在位置を示すサーバ側測位位置情報260を生成するためのプログラムである。すなわち、サーバ側測位プログラム212とサーバ制御部200は、管理装置側測位手段の一例である。
サーバ制御部200は、生成したサーバ側測位位置情報260をサーバ第2記憶部250に格納する。すなわち、サーバ第2記憶部250は、管理装置側端末位置情報格納手段の一例である。
【0046】
図5に示すように、サーバ60は、サーバ第1記憶部210に、通知情報生成プログラム214を格納している。通知情報生成プログラム214は、サーバ制御部200が、サーバ側測位位置情報260と、サーバ側ゾーン管理情報256に基づいて、通知先へ送信する通知情報270を生成するためのプログラムである。通知情報270は、通知情報の一例である。そして、通知情報生成プログラム214とサーバ制御部200は、通知情報生成手段の一例である。
具体的には、サーバ制御部200は、サーバ測位位置情報260に示される端末20の現在位置が、ゾーンA外であれば、端末20がゾーンAから離脱したと判断し、その内容を含む通知情報270を生成する。
これに対して、サーバ制御部200は、サーバ測位位置情報260に示される端末20の現在位置が、ゾーンA内であれば、端末20がゾーンAに進入したと判断し、その内容を含む通知情報270を生成する。
【0047】
図6は、通知情報270の一例を示す図である。
図6に示すように、通知情報270は、通知先メールアドレス256d(図5参照)をあて先とし、件名を例えば、「ゾーン監視メール」とし、「監視ゾーン「A小学校」から「出」を検出しました。安否確認が必要な場合には、電話番号xx−xxxx−xxxxへお問合せください」という本文を含む。
そして、通知情報270には、サーバ側測位位置情報260を含まない。
【0048】
図5に示すように、サーバ60は、サーバ第1記憶部210に、通知情報送信プログラム216を格納している。通知情報送信プログラム216は、サーバ制御部200が、通知情報270を通知先へ送信するためのプログラムである。すなわち、通知情報送信プログラム216とサーバ制御部200は、通知情報送信手段の一例である。
これにより、サーバ60は、通知情報270を通知先メールアドレス256dに示される通知先へ送信することができる。
【0049】
上述のように、サーバ60は、端末20から受信したゾーン管理情報158及び測位位置情報162(図4参照)に基づいて通知情報270を生成し、その通知情報270を通知先に送信することができる。
この通知情報は、サーバ側測位位置情報260を含まない。
このため、サーバ60もまた、通信経路における位置情報の盗聴の危険を低減することができる。
また、サーバ60は、生成したサーバ側測位位置情報260をサーバ第2記憶部250に格納することができる。
このため、通知先からの問い合わせがあった場合には、端末20の正確な現在位置を通知することができる。
これにより、位置情報管理システム10は、通信経路における盗聴の危険を低減しつつ、必要な場合には通知先へ端末20の現在位置を通知することができる。
【0050】
以上が本実施の形態に係る位置情報管理システム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図7及び図8を使用して説明する。
図7は、端末20の動作例を示す概略フローチャートである。
図8は、サーバ60の動作例を示す概略フローチャートである。
【0051】
まず、端末20は、監視モード156a(図4参照)に設定されているか否かを判断し(図7のステップST1)、監視モードに設定されていると判断した場合には、定期間隔で測位する(ステップST2)。ステップST2は、継続測位ステップの一例である。
【0052】
続いて、端末20は、ゾーンA(図1参照)から出入りしたか否かを判断する(ステップST3)。このステップST3は、現在位置評価ステップの一例である。
端末20は、ゾーンA(図1参照)から出入りしたと判断した場合には、ゾーンAから出入りしたことを判断したときの測位に使用した測位基礎情報160(図4参照)を第2記憶部150から取得する(ステップST4)。このステップST4は、測位基礎情報取得ステップの一例である。
続いて、端末20は、ゾーン管理情報158(図4参照)を第2記憶部150から取得する(ステップST5)。このステップST5は、通知基礎情報取得ステップの一例である。
【0053】
続いて、端末20は、ゾーン管理情報158及び測位基礎情報160を、サーバ60に送信する(ステップST6)。このステップST6は、基礎情報送信ステップの一例である。
なお、上述のステップST1において、監視モードに設定されていないと判断した場合には、そのまま終了する。
また、上述のステップST3において、端末20がゾーンAから出入りしていないと判断した場合には、ステップST1乃至ステップST3を繰り返す。
【0054】
一方、サーバ60は、端末20から、ゾーン管理情報158及び測位基礎情報160を受信する(図8のステップST21)と、サーバ側ゾーン管理情報256及びサーバ側測位基礎情報258としてサーバ第2記憶部250(図5参照)に格納する。
続いて、サーバ60は、サーバ側測位計算補助情報254を使用して、サーバ側測位基礎情報258に基づいて、端末20の位置の測位計算を行い(ステップST22)、サーバ側測位位置情報260を生成する。
【0055】
続いて、サーバ60は、サーバ側測位位置情報260及びサーバ側ゾーン管理情報256に基づいて、通知情報270を生成する(ステップST23)。
続いて、サーバ60は、通知先メールアドレス256d(図5参照)に示される通知先へ、通知情報270を送信する(ステップST24)。
上述のように、通知情報270には、端末20の位置を直接示す情報を含まない。
このため、通信経路において、端末20の位置を第三者に盗聴されることを防止することができる。
【0056】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の継続測位ステップと、現在位置評価ステップと、測位基礎情報取得ステップと、管理情報取得生成ステップと、基礎情報送信ステップ等を実行させるための端末装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような端末装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0057】
これら端末装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0058】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態に係る位置情報管理システムを示す概略図である。
【図2】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】サーバの主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図4】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図5】サーバの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図6】通知情報の一例を示す図である。
【図7】端末の動作例を示す概略フローチャートである。
【図8】サーバの動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
10・・・位置情報管理システム、12a,12b,12c,12d,12e,12f・・・GPS衛星、20・・・端末、60・・・位置情報管理サーバ、112・・・定期測位プログラム、114・・・測位位置評価プログラム、116・・・測位基礎情報取得プログラム、118・・・ゾーン管理情報取得プログラム、120・・・通知基礎情報送信プログラム、212・・・サーバ側測位プログラム、214・・・通知情報生成プログラム、216・・・通知情報送信プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報管理の対象である端末装置と、
位置情報を管理する位置情報管理装置と、
を有する位置情報管理システムであって、
前記端末装置は、
前記端末装置の移動許容範囲を示す移動許容範囲情報と、前記端末装置の現在位置と前記移動許容範囲に基づいて規定される送信条件と、前記送信条件を満たしたことを通知する通知先を示す通知先情報を含む通知基礎情報を格納する通知基礎情報格納手段と、
複数の測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報を生成し、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す現在位置情報を生成する継続測位手段と、
前記測位基礎情報を格納する測位基礎情報格納手段と、
前記現在位置情報を格納する現在位置情報格納手段と、
前記現在位置情報に示される前記現在位置が、前記送信条件を満たすか否かを判断する現在位置評価手段と、
前記現在位置評価手段の判断結果に基づいて、前記測位基礎情報格納手段から前記測位基礎情報を取得する測位基礎情報取得手段と、
前記現在位置評価手段の判断結果に基づいて、前記通知基礎情報格納手段から前記通知基礎情報を取得する通知基礎情報取得手段と、
前記測位基礎情報取得手段によって取得した前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報取得手段によって取得した前記通知基礎情報を、前記位置情報管理装置に送信する基礎情報送信手段と、
を有し、
前記位置情報管理装置は、
前記端末装置の前記基礎情報送信手段が送信した前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報を受信する基礎情報受信手段と、
前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す管理装置側端末位置情報を生成する管理装置側測位手段と、
前記管理装置側端末位置情報を格納する管理装置側端末位置情報格納手段と、
前記管理装置側端末位置情報と、前記通知基礎情報に基づいて、前記通知先へ前記送信条件を満たしたことを通知するための通知情報を生成する通知情報生成手段と、
前記通知情報を前記通知先へ送信する通知情報送信手段と、
を有することを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項2】
位置情報を管理する位置情報管理装置と通信可能な端末装置であって、
前記端末装置の移動許容範囲を示す移動許容範囲情報と、前記端末装置の現在位置と前記移動許容範囲に基づいて規定される送信条件と、前記送信条件を満たしたことを通知する通知先を示す通知先情報を含む通知基礎情報を格納する通知基礎情報格納手段と、
複数の測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報を生成し、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す現在位置情報を生成する継続測位手段と、
前記測位基礎情報を格納する測位基礎情報格納手段と、
前記現在位置情報を格納する現在位置情報格納手段と、
前記現在位置情報に示される前記現在位置が、前記送信条件を満たすか否かを判断する現在位置評価手段と、
前記現在位置評価手段の判断結果に基づいて、前記測位基礎情報格納手段から前記測位基礎情報を取得する測位基礎情報取得手段と、
前記現在位置評価手段の判断結果に基づいて、前記通知基礎情報格納手段から前記通知基礎情報を取得する通知基礎情報取得手段と、
前記測位基礎情報取得手段によって取得した前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報取得手段によって取得した前記通知基礎情報を、前記位置情報管理装置に送信する基礎情報送信手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項3】
前記測位基礎情報取得手段が取得する前記測位基礎情報は、前記送信条件を満たしたときの前記現在位置情報の生成の基礎となった前記測位基礎情報であることを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記送信条件は、前記端末装置が、前記移動許容範囲の内外を示す境界線を跨いだことであることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の端末装置。
【請求項5】
位置情報を管理する位置情報管理装置と通信可能であって、位置情報管理の対象である端末装置が、複数の測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報を生成し、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す現在位置情報を生成する継続測位ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置情報に示される前記現在位置が、前記端末装置の現在位置と前記端末装置の移動許容範囲に基づいて規定される送信条件を満たすか否かを判断する現在位置評価ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報を取得する測位基礎情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記送信条件を満たしたことを通知する通知先を示す通知先情報を含む通知基礎情報を取得する通知基礎情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報を前記位置情報管理装置に送信する基礎情報送信ステップと、
を有することを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
位置情報を管理する位置情報管理装置と通信可能であって、位置情報管理の対象である端末装置が、複数の測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報を生成し、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す現在位置情報を生成する継続測位ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置情報に示される前記現在位置が、前記端末装置の現在位置と前記端末装置の移動許容範囲に基づいて規定される送信条件を満たすか否かを判断する現在位置評価ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報を取得する測位基礎情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記送信条件を満たしたことを通知する通知先を示す通知先情報を含む通知基礎情報を取得する通知基礎情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報を前記位置情報管理装置に送信する基礎情報送信ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
【請求項7】
コンピュータに、
位置情報を管理する位置情報管理装置と通信可能であって、位置情報管理の対象である端末装置が、複数の測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて、測位の基礎となる測位基礎情報を生成し、前記測位基礎情報に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す現在位置情報を生成する継続測位ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置情報に示される前記現在位置が、前記端末装置の現在位置と前記端末装置の移動許容範囲に基づいて規定される送信条件を満たすか否かを判断する現在位置評価ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報を取得する測位基礎情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記送信条件を満たしたことを通知する通知先を示す通知先情報を含む通知基礎情報を取得する通知基礎情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置評価ステップにおける判断結果に基づいて、前記測位基礎情報及び前記通知基礎情報を前記位置情報管理装置に送信する基礎情報送信ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−195782(P2006−195782A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−7420(P2005−7420)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】