説明

位置情報送信ユニットおよび位置情報提供システム

【課題】設置コストを抑制しつつ、建物内部や地下街における位置情報を携帯端末に提供することができる位置情報送信ユニットおよび位置提供システムを提供する。
【解決手段】電源部12と通信部16と位置情報記憶手段を含むマイクロコンピュータ18とからなる位置情報送信ユニット本体12と、位置情報送信ユニット本体12を取り付けた照明ランプ本体22とからなり、照明ランプ本体22には、照明ランプ本体を照明用ソケットやシーリングに装着した際に、該照明用ソケットやシーリング部から照明ランプの口金を介して前記位置情報送信ユニットの電源部に電源を供給する電源接続手段を備え、位置情報記憶手段には、該位置情報送信ユニット本体12が設置される場所の緯度、経度、階の情報が記憶されている。位置情報送信ユニット12が設置されたエリアに位置する携帯電話などの端末に緯度、経度、階からなる位置情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話に代表される携帯端末が現在位置している場所の情報を、該携帯端末に送信する位置情報送信ユニットおよび位置情報提供システムに関するものであり、特に、設置位置の緯度、経度、および建物内の階の情報を位置情報として記録し、電波の到達範囲が狭い微弱な電波を利用して当該範囲内に位置する携帯端末に前記位置情報を送信する位置情報送信ユニットおよび位置情報提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの携帯端末の発展には目覚ましいものがあり、単なる通話のための端末装置から、インターネットなどのネットワークを介して種々のサーバに接続してデータ通信を行う総合的な携帯端末装置として使用され、携帯端末の普及率も極めて高いものになっている。特に、現在は一部の携帯電話にしか搭載されていない測位ユニット、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信して測位するGPS受信機などの搭載が、第三世代と称される携帯電話では全ての機種に搭載されるような趨勢にある。
【0003】
このような測位機能を有する携帯端末の利用技術としては、種々の分野の技術か提案されており、例えば、自動車用のナビゲーション装置(カーナビ)を発展させ、携帯電話を端末として地図・経路情報を情報配信サーバ(経路探索サーバ)から配信する歩行者用の通信型ナビゲーションシステムが提案されている。また、携帯電話を端末として利用した決済システムや様々なインターネット取引システムなども提案されている。そして最近では、事件や事故の際の通報に携帯電話が使用されることも多くなってきており、通報場所を特定する技術の必要性が増大しつつある。また、老人の所在場所を携帯電話の測位システムを利用して特定しようという試みもなされており、その用途は今後も拡大を続けるものと思われる。
【0004】
例えば、国土交通省では、非特許文献1(「歩行者ITS(Intelligent Transport System)と高精度測位技術」と題する報告書、2002年3月)に障害者などを含む歩行者に経路案内をするための案内システムの骨格について開示している。この非特許文献1には、歩行者が携帯端末(杖などの器具)に位置情報を送信するための種々の技術が示されている。例えば、GPS受信機を搭載する技術の他に、歩行空間に無線IDタグを設置する技術やブルートゥース(Bluetooth:登録商標)を利用したタグを設置する技術が示されている。タグには固有の識別情報が記録され、これに基づいてタグの設置位置を中心とした範囲に存在する携帯端末の場所を特定(位置を測位)しようとするシステムである。一方、総務省では、携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に関する検討を進めており、このための測位システムを確立する必要性も増大している。
【0005】
GPS受信機を搭載して携帯端末の現在位置を測位する技術はカーナビや通信型ナビゲーションシステムで実用化されており、測位精度の向上も図られているが、GPS衛星からの信号を受信できることが前提となるため、地下街や建物の内部での測位には適していないのが現状である。これに対してブルートゥース(Bluetooth:登録商標)を利用したタグを歩行空間に設置する技術は、地下街や建物の内部に経路に沿って適宜の間隔でタグを設置することによって携帯端末に位置情報を提供することができ、GPS測位システムを補間する技術として利用することができる。
【0006】
ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)は、比較的微弱な電波を用いた無線通信方式であり、現状の電波到達範囲は半径10m程度である。この通信方式を利用した送信ユニットにはIDタグ(ROMなどのメモリに記録された固有のID情報)が備えられ、IDタグに記録された情報を無線で携帯端末に送信するものである。携帯端末にはこの無線通信方式に対応した受信機を搭載しておき、受信したID情報を位置情報センターに送り当該携帯端末の位置を特定するシステムを構成することができる。この場合、送信ユニットの間隔は電波の干渉を防止するため、半径10m(直径20m)の間隔で設置すればよく、位置の測位精度は現状のGPS測位の精度よりも高く、小さな位置範囲まで特定することができる。
【0007】
一方、携帯電話などの携帯端末の位置を特定するための技術としては、例えば、下記の特許文献1(特開2002−109679号公報)に開示された位置情報提供サービスがある。この位置情報提供サービスシステムは、特定エリアにおける旅行者の通路を、路上に設置された物理的手段により通路ネットワークとして構成し、通路ネットワークのノード及びターミナルポイントには無線通信アクセスを可能にする情報通信手段を具備して旅行者に情報提供することができるようにした情報提供システムである。そして、このシステムは、更に、通路ネットワークのノードとターミナルポイント及び旅行者の各々の情報通信手段はそれぞれ個別番号を有していて、その個別番号に対応する個別信号が中央処理装置に伝送され、かつ適切に処理されて旅行者の位置情報データベースが生成され、その
位置情報データベースを活用した旅行者の位置情報提供サービスがインターネットを経由して旅行者または第三者に提供できるようにしたものである。
【0008】
また、下記の特許文献2(2003−344093)には、地下街などGPS信号が受信できない場所において携帯端末に経路を案内する経路案内システムが開示されている。すなわち、この経路案内システムは、地下街のように現在地の認識が困難な場所においても、歩行者としての操作者が適切に現在地を認識することができ、また、目的地までの経路を容易に把握することができるようにすることを目的としたものである。そして、この経路案内システムは、地図データに基づいて地下経路を探索する経路探索部と、地図データと案内看板データとに基づいて、探索された地下経路を案内する案内データを作成する経路案内データ作成部と、作成された案内データに基づいて、案内看板の文字列を表示画面に表示させる送信データを作成する送信データ作成部とから構成したものである。
【0009】
同様に階層のある屋内の経路探索装置として下記の特許文献3(特開2003−240591号公報)が開示されている。この特許文献3に開示された経路探索装置は、ノードデータとリンクデータとを記憶した通行路データ記憶部と、コストデータ(所要時間)を記憶したコストデータ記憶部とを保持する電子地図データを用いて経路の探索を行うようにしたものである。前記リンクデータには、階数パラメータが設けられて、異なる階層間にわたる経路の探索を可能としている。これにより、例えば、複数の階層が存在する百貨店やスーパーマーケット、あるいは自走式の立体駐車場等において、出入り口等の出発点から上層階に存在する目的地までの経路探索を可能としたものである。
【0010】
上記のような位置情報提供システムあるいはGPS測位システムにより得た位置情報を利用する1つの応用として、携帯端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから最短の経路を探索して案内するナビゲーション装置が実用化されている。このようなナビゲーションシステムにおける経路探索方法としてはダイクストラ法(ラベル確定法)が用いられる。下記の特許文献4(特開2001−165681号公報)には、ダイクストラ法を用いた経路探索の方法の概略が開示されている。
【0011】
【特許文献1】特開2002−109679号公報(図4、図6、図7)
【特許文献2】特開2003−344093号公報(図16〜図23)
【特許文献3】特開2003−240591号公報(図2)
【特許文献4】特開2001−165681号公報(図1、段落[0003]〜[0010])
【非特許文献1】「歩行者ITS(Intelligent Transport System)と高精度測位技術」と題する報告書、2002年3月、国土交通省
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述したように、携帯端末にGPS受信機を搭載して測位を可能とした場合であっても、建物の内部や地下街などのように、GPS衛星信号を受信できない場所では、携帯端末の位置を特定することができない。このため、上記特許文献2に開示された経路案内システムでは、地下街などの通路、出口等に設置されている案内看板を利用して経路案内を行っている。しかしながら、この案内システムでは、案内看板の設置場所を結ぶ経路しか案内できないため、必ずしも最短の経路案内ができないという問題点がある。
【0013】
また、特許文献3に開示された経路探索装置においては、各階の経路および階を結ぶ経路に設定したノードに関するノードデータと、階数パラメータを含むリンクデータを記憶した通行路データ記憶部と、コストデータ(所要時間)を記憶したコストデータ記憶部とを保持する電子地図データを用いて経路の探索を行うようにしている。これにより階をまたがる経路探索が可能になるが、案内経路の曲がり角や階段においてユーザに適切なガイダンス(案内)を行うためには、携帯端末が位置する場所を判断できることが必要になり、屋内における携帯端末の測位手段が必要になる。
【0014】
仮に、建物内部にてGPS衛星信号が受信できたとしても、GPS測位システムによって得られる位置情報は、緯度、経度のみであり、建物の内部や地下街では携帯端末が位置する階(フロア)が異なっても、同じ緯度、経度の測位結果になり、階の特定ができないという問題点がある。
【0015】
また、建物内部にGPS衛星信号と等価な信号を発生させる設備、あるいは前述の無線IDタグやブルートゥース(Bluetooth:登録商標)を利用したタグを経路に沿って設置する場合、送信のための設備やIDタグなどを設置するインフラストラクチャー構築の費用が莫大なものになるという問題点がある。
【0016】
本願の発明者は、前記の問題点を解消するため、種々検討を重ねた結果、建物の内部や地下街においては、照明設備が必須であり、一定の間隔で照明設備が設置されている点に着目したものである。すなわち、照明設備用電源のソケットなどの電源供給部を利用して無線IDタグやブルートゥース(Bluetooth:登録商標)を利用したタグに相当する位置情報送信ユニット(無線送信機)を設置し、位置情報送信ユニットには設置位置の緯度、経度、階の情報を位置情報として記憶させておくことにより前記の問題点を解消できることに想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0017】
このように構成すれば、位置情報送信ユニットの電波の到達範囲内にある携帯端末に対して位置情報を提供することができ、電波の到達範囲毎に経路に沿って位置情報送信ユニットを設置することにより、建物内部、地下街における位置情報送信システムを構築することができ、また、その設置コストを抑制することができる。携帯端末は、建物内部、地下街における緯度、経度、階を含む現在位置情報を容易に取得することができるようになる。
【0018】
すなわち、本発明は、前記の問題点を解消することを課題とし、設置コストを抑制しつつ、建物内部や地下街における位置情報を携帯端末に提供することができる位置情報送信ユニットおよび位置提供システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
電源部と通信部と位置情報記憶手段を含むマイクロコンピュータとからなる位置情報送信ユニット本体と、
前記位置情報送信ユニット本体を取り付けた照明ランプであって、歩行経路を含む構造体に既設の照明用ソケットまたはシーリングに着脱可能な照明ランプとからなり、
前記照明ランプには、該照明ランプを、前記照明用ソケットまたはシーリングに装着した際に該照明用ソケットまたはシーリングから、前記照明ランプの口金を介して前記位置情報送信ユニット本体の電源部に電源を供給する電源接続手段を備え、
前記位置情報記憶手段には、該位置情報送信ユニット本体が設置される場所の緯度、経度、階の情報が記憶されることを特徴とする位置情報送信ユニットである。
【0020】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1の発明において、前記位置情報記憶手段には、該位置情報送信ユニット本体が設置される場所の緯度、経度、部屋番号の情報が記憶されることを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1の発明において、前記通信部は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)モジュールまたは無線LANに対応するように構成されたことを特徴とする。
【0022】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1の発明において、前記通信部は前記位置情報の送信受信を行い、通信部を介して前記位置情報を受信または送信し、前記記憶手段は該位置情報を書き込み、読み出しするように構成したことを特徴とする。
【0023】
また、本願の請求項5にかかる発明は、
電源部と通信部と位置情報記憶手段を含むマイクロコンピュータとからなる位置情報送信ユニット本体と、
前記位置情報送信ユニット本体を取り付けた照明ランプであって、歩行経路を含む構造体に既設の照明用ソケットまたはシーリングに着脱可能な照明ランプとからなり、
前記照明ランプには、該照明ランプを、前記照明用ソケットまたはシーリングに装着した際に該照明用ソケットまたはシーリングから、前記照明ランプの口金を介して前記位置情報送信ユニット本体の電源部に電源を供給する電源接続手段を備え、
前記位置情報記憶手段には、該位置情報送信ユニット本体が設置される場所の緯度、経度、階の情報が記憶される位置情報送信ユニットを、
複数の階を有し、各階の平面における歩行経路、階をつなぐ歩行経路を含む構造体に既設の前記照明用ソケットまたはシーリングに所定の間隔で装着したことを特徴とする位置情報提供システムである。
【0024】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項5の発明において、前記位置情報記憶手段には、該位置情報送信ユニット本体が設置される場所の緯度、経度、部屋番号の情報が記憶されることを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項5の発明において、前記通信部は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)モジュールまたは無線LANに対応するように構成されたことを特徴とする。
【0026】
また、本願の請求項8にかかる発明は、請求項5の発明において、前記通信部は前記位置情報の送信受信を行い、通信部を介して前記位置情報を受信または送信し、前記記憶手段は該位置情報を書き込み、読み出しするように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に係る発明においては、建物などの構造体に予め設けられた照明ランプ用のソケットやシーリングなどの電源供給部を利用して、照明ランプに一体に取り付けられた無線IDタグやブルートゥース(Bluetooth:登録商標)を利用したタグに相当する位置情報送信ユニット(無線送信機)を設置したものである。そして、位置情報送信ユニットには設置位置の緯度、経度、階の情報を位置情報として記憶させ、位置情報送信ユニットの電波の到達範囲内にある携帯端末に対して位置情報を提供するように構成したものである。
【0028】
従って、照明ランプ用のソケットやシーリングなどの既存の電源供給部を利用することによって電源系統の配線設備を用意することなく、簡単に位置情報送信ユニットを設置することができる。また、建物内部や地下街においては一定の間隔で多数の位置情報送信ユニット10を設置する必要があるが、位置情報送信ユニットを構成する電源部、通信部、マイコンなどもコストダウンが進み安価に入手できるようになっており、量産による更なるコストダウンが可能になる。
【0029】
更に、地下街や建物内の照明用のソケットやシーリングなどは、通常は常時電源が供給されており、位置情報送信ユニットは通常の照明ランプを、位置情報送信ユニットを設けた照明ランプにして設置するだけで携帯端末に位置情報を提供することができるようになる。
【0030】
請求項2の発明においては、請求項1の発明にかかる位置情報送信ユニットにおいて、位置情報には、緯度、経度、階の情報に加えて、あるいは、階の情報の替わりに、ホテルや集合住宅、オフィスなどの建物の場合、部屋番号を含めたものであるから、位置情報送信ユニットから携帯端末が取得する位置情報には、部屋番号が含まれ、携帯端末としての携帯電話から緊急通話があった場合、通報(通話やメール)にその発信場所を示す位置情報を付加することができるようになり、警察、消防に発信された緊急通報に対する発信位置の特定に有効な手段を提供することができるようになる。
【0031】
請求項3の発明においては、請求項1の発明にかかる位置情報送信ユニットにおいて、通信部は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)モジュールまたは無線LANに対応するように構成されたものであるから、各位置情報送信ユニットがカバーする範囲を微弱な電波の到達範囲で区切れば、容易に測位精度を向上させることができ、GPSによる測位よりも高精度の測位ができるようになる。
【0032】
請求項4の発明においては、請求項1の発明にかかる位置情報送信ユニットにおいて、通信部は前記位置情報の送信受信を行い、通信部を介して前記位置情報を受信または送信し、前記記憶手段は該位置情報を書き込み、読み出しするように構成したものであるから、位置情報送信ユニットをスタンドアロン動作させることができる。従って、多数の位置情報送信ユニットを設置する場合、製造現場で各位置情報送信ユニットに設置場所の位置情報を記憶させる必要はなく、別途、設置する地下街や建物内の設置場所と各位置情報をPC(パソコン)にデータベース化して記憶しておき、設置現場でPCから個々の位置情報送信ユニットに書き込んでいくことも可能である。
【0033】
請求項5に係る発明においては、建物などの構造体に予め設けられた照明用のソケットやシーリングなどの電源供給部を利用して、照明ランプに一体に取り付けられた無線IDタグやブルートゥース(Bluetooth:登録商標)を利用したタグに相当する位置情報送信ユニット(無線送信機)を設置したものである。そして、位置情報送信ユニットには設置位置の緯度、経度、階の情報を位置情報として記憶させ、これを、複数の階を有し、各階の平面における歩行経路、階をつなぐ歩行経路を含む構造体に設置された照明用のソケットやシーリングなどに所定の間隔で設置し、各位置情報送信ユニットの電波の到達範囲内にある携帯端末に対して位置情報を提供するように構成したものである。
【0034】
従って、照明用のソケットやシーリングなどの既存の電源供給部を利用することによって電源系統の配線設備を用意することなく、簡単に位置情報送信ユニットを設置することができる。また、建物内部や地下街においては一定の間隔で多数の位置情報送信ユニット10を設置する必要があるが、位置情報送信ユニットを構成する電源部、通信部、マイコンなどもコストダウンが進み安価に入手できるようになっており、量産による更なるコストダウンが可能になる。
【0035】
更に、地下街や建物内の照明用のソケットやシーリングなどは、通常は常時電源が供給されており、位置情報送信ユニットは通常の照明ランプを、位置情報送信ユニットを設けた照明ランプにして設置するだけで携帯端末に位置情報を提供することができるようになり、経路探索、経路案内を行う際の位置情報提供システムを提供することができるようになる。
【0036】
請求項6の発明においては、請求項5の発明にかかる位置情報提供システムにおいて、位置情報には、緯度、経度、階の情報に加えて、あるいは、階の情報の替わりに、ホテルや集合住宅、オフィスなどの建物の場合、部屋番号を含めたものであるから、位置情報送信ユニットから携帯端末が取得する位置情報には、部屋番号が含まれ、携帯端末としての携帯電話から緊急通話があった場合、通報(通話やメール)にその発信場所を示す位置情報を付加することができるようになり、警察、消防に発信された緊急通報に対する発信位置の特定に有効な手段を提供することができるようになる。
【0037】
請求項7の発明においては、請求項5の発明にかかる位置情報提供システムにおいて、通信部は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)モジュールまたは無線LANに対応するように構成されたものであるから、各位置情報送信ユニットがカバーする範囲を微弱な電波の到達範囲で区切れば、容易に測位精度を向上させることができGPSによる測位よりも高精度の測位ができるようになる。
【0038】
請求項8の発明においては、請求項5の発明にかかる位置情報提供システムにおいて、通信部は前記位置情報の送信受信を行い、通信部を介して前記位置情報を受信または送信し、前記記憶手段は該位置情報を書き込み、読み出しするように構成したものであるから、位置情報送信ユニットをスタンドアロン動作させることができる。従って、多数の位置情報送信ユニットを設置する場合、製造現場で各位置情報送信ユニットに設置場所の位置情報を記憶させる必要はなく、別途、設置する地下街や建物内の設置場所と各位置情報をPC(パソコン)にデータベース化して記憶しておき、設置現場でPCから個々の位置情報送信ユニットに書き込んでいくことも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施例1にかかる位置情報送信ユニットの構成を示す図であり、(a)は位置情報送信ユニットの外観を示す図、(b)は位置情報送信ユニットの他の外観を示す図、(c)は位置情報送信ユニット本体の構成を示すブロック図である。図2は、本発明の実施例2にかかる位置情報送信ユニットの構成を示す図である。図3は、本発明の実施例3にかかる位置情報提供システムの構成を示す図である。図4は、本発明にかかる位置情報提供システムが設置される地下街、建物内のフロアレイアウトを示す図であり、図5は、図4に示す各フロアF1〜B2に位置情報送信ユニットを設置した配置図であり、図6は、図5の各位置置情報送信ユニットを結ぶリンク(経路)を示す経路図である。図7は、本発明の位置情報提供システムを利用した経路案内の手順を示すフローチャートである。
【実施例1】
【0040】
本発明の実施例1にかかる位置情報送信ユニット10は、図1(a)、(b)に示すように位置情報送信ユニット本体12と蛍光ランプあるいは電球からなるランプ28などで構成される照明器具本体20とからなり、位置情報送信ユニット本体12は照明器具本体22のランプ支持部26に取り付けられている。位置情報送信ユニット本体12は、図1(c)に示すように電源部14と通信部(通信モジュール)16とマイコン(マイクロコンピュータ)18とから構成されており、電源部14には照明器具本体20の口金24から電源線が接続されるように構成されている。この位置情報送信ユニット10が天井や壁に設けられた照明用ソケットに差し込まれる。図1(a)に示すようにランプ28が蛍光管から構成される場合、口金24から供給される交流電圧を電源としたインバータ回路があり、制御回路のために直流電源も用意されていることから、これに電源部14を接続すればよい。また、図1(b)に示すようにランプ28が電球から構成される場合にはインバータ回路に相当する交流電圧−直流電圧変換回路を中継して電源部14に接続する構成にすればよい。
【0041】
位置情報送信ユニット本体12は、マイコン(マイクロコンピュータ)18を中心に構成されている。マイコン(マイクロコンピュータ)18は、周知のようにプロセッサ、ROM、EEPROMなどから構成されており、ROMに記録された制御プログラムにより通信部16を制御し、通信部16から受信した情報EEPROMに記録し、または、EEPROMに記録された位置情報を通信部16を介して送信する。EEPROMには当該位置情報送信ユニット10が設置される場所の緯度、経度、階の情報が位置情報として記録される。通信部16は、例えば、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)による通信方式に適合した通信モジュールである。ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)は、比較的微弱な電波を用いた無線通信方式であり、現状の電波到達範囲は半径10m程度である。従って、携帯端末が位置情報送信ユニット10の設置場所から半径10mの範囲に位置した場合、EEPROMに記録した設置場所の緯度、経度、階の情報を位置情報として該携帯端末に送信することができる。
【0042】
EEPROMに記録する位置情報は、緯度、経度、階の情報に加えて、あるいは、階の情報の替わりに、ホテルや集合住宅、オフィスなどの建物の場合、部屋番号を付加することもできる。この場合、携帯端末が取得する位置情報には、部屋番号が含まれ、携帯端末としての携帯電話から緊急通話があった場合の発信場所の特定に有効な手段となる。
【実施例2】
【0043】
図2は、本発明の実施例2にかかる位置情報送信ユニット10の構成を示す図である。実施例2は、照明器具本体22を差し込むアダプタ本体32に位置情報送信ユニット本体12を取り付けた構成になっている。照明器具本体22の口金24はアダプタ本体32に差し込まれ、アダプタ本体32の口金34が天井や壁などに設けられた照明器具用ソケットに差し込まれる。図1の実施例1と同様、位置情報送信ユニット本体12の電源部14にはアダプタ本体32の口金24から電源線が接続されるように構成されている。この場合も実施例1と同様に、インバータ回路またはインバータ回路に相当する交流電圧−直流電圧変換回路を経由して電源部14に接続すればよい。
【0044】
このように位置情報送信ユニット本体12をアダプタ本体32に取り付けた構造にすれば、ランプ28の寿命が尽きた場合に、照明器具本体22を交換してもアダプタ本体32はそのまま使用できるため位置情報送信ユニット本体12が無駄になることなく、設置コストを更に低減することができる。また、照明器具本体22を設置していない(使用していない)ソケットやシーリング、コンセントなどにアダプタ本体32のみを設置することもできる。
【0045】
実施例1および実施例2のように照明器具本体12あるいはアダプタ本体32に位置情報送信ユニット本体を取り付けた構成にすると、照明器具設置用のソケットやシーリング、コンセントなどの既存の電源供給部を利用することによって電源系統の配線設備を用意することなく、簡単に位置情報送信ユニットを設置することができる。また、建物内部や地下街においては一定の間隔で多数の位置情報送信ユニット10を設置する必要があるが、位置情報送信ユニット本体12を構成する電源部14、通信部16、マイコン18などもコストダウンが進み安価に入手できるようになっており、量産による更なるコストダウンが可能になる。
【0046】
また、地下街や建物内の照明器具用のソケットなどは、通常は常時電源が供給されており、位置情報送信ユニット本体10は通常の照明器具を本発明の実施例1の位置情報送信ユニット10に取り換え、または、実施例2の位置情報送信ユニット10を設置するだけでスタンドアロン動作させることができる。従って、多数の位置情報送信ユニット10を設置する場合、製造現場で各位置情報送信ユニットに設置場所の位置情報を記憶させる必要はなく、別途設置する地下街や建物内の設置場所と各位置情報をPC(パソコン)にデータベース化して記憶しておき、設置現場でPCから個々の位置情報送信ユニットに書き込んでいくことも可能である。
【実施例3】
【0047】
図3は、本発明の実施例3にかかる位置情報提供システムの構成を示す図であり、実施例1または実施例2の位置情報送信ユニット10を地下街や建物内部の照明用電源を利用して所定の間隔で多数設置して構成した位置情報提供システム40の構成を示す概念図である。位置情報提供システム40は、実施例1または実施例2の位置情報送信ユニット10a〜10cを所定の間隔でエリアA〜Cに設置して構成したものである。位置情報送信ユニット10が前述したブルートゥース(Bluetooth:登録商標)による通信方式に適合したものである場合、その電波到達範囲は半径10m程度である。従ってエリアA〜Cのそれぞれは直径20mでありその中心に位置情報送信ユニット10を設置する。地下街や建物内の照明器具用ソケットなどの設置間隔は数mの単位であるから、各位置情報送信ユニット10a〜10cの電波の干渉が起きない間隔でエリアA〜Cを区切って設置することは容易である。
【0048】
このように構成した位置情報提供システム40において、携帯端末50がエリアAの範囲に入ると、位置情報送信ユニット10aからの位置情報、すなわち、位置情報送信ユニット10aが設置された場所の緯度、経度、階の情報が携帯端末50に送信され、携帯端末50は経路案内サーバその他のサーバに現在位置を通知することができる。この場合、携帯端末50と経路案内サーバなどとの間は、インターネットなどのネットワークを介して通信可能な状態にあることが必要である。現在では地下鉄施設内を始め、地下街や建物内においても携帯電話の使用が可能なように中継施設や基地局が設置されていることが多く、実施例3のような位置情報提供システムを構築すれば十分実用に供することができる。従って、携帯端末50と経路案内サーバなどとの間でデータ通信が可能である。
【0049】
前記の位置情報提供システム40を地下街、建物内に設置し、これを利用して経路探索、経路案内を行うシステムを以下に説明する。図4は、位置情報提供システム40が設置される地下街、建物内のフロアレイアウトを示す図であり、1F〜B2は建物のフロアを示し、1Fは地上1階、B1は地下1階、B2は地下2階を示している。このような建物内には、フロア内の経路(通路)およびフロア間をつなぐ経路(階段、エレベータ、エスカレータなど)がある。通常のナビゲーションに使用される地図データと同様に、フロア毎の経路を地図データとして作成することによって経路探索、経路案内が可能である。
【0050】
通常のナビケーションにおける経路探索と異なる点は、経路の一部にフロアとフロアを垂直方向に移動する経路が存在する点のみである。従って、垂直方向に移動する経路を含め、全ての経路の起点/終点および水平方向、垂直方向の進行方向が変わる角(道路では交差点などに該当する)をノードとしてノードIDを決め、各ノードを結ぶリンク毎の移動時間(コスト)をデータベース化しておけば、前記特許文献4に開示されているダイクストラ法を用いて出発場所から目的の場所に至る最短の経路を探索することができる。地下街や該建物内の経路探索の場合は、経路探索の基となる出発場所や目的の場所の位置情報として緯度、経度の他に階(フロア)の情報が必要になる。
【0051】
この位置情報は基本的にはユーザが携帯端末から手入力してもよいものであるが、位置情報提供システム40から携帯端末50が出発場所の位置情報を得て経路探索サーバに送信するようにしてもよい。そして、経路探索サーバは案内経路データを地図データ(出発場所の階から目的の場所の階までのフロア毎の経路データ)に埋め込んで携帯端末50に送信し、携帯端末50はこれを表示部に表示して歩行することができる。この場合、表示は、各階の経路データが透視できるような表示形態をとる必要がある。
【0052】
一方、複数のフロアの経路データを透視する表示形態では、ユーザが案内経路を視認し難いため、携帯端末50が移動している階の経路データ、案内経路データのみを表示するようにすることが好ましい。この表示形態は通常のナビゲーション装置の表示形態と同様であり、ユーザにとっても案内経路を視認し易いものとなる。このためには、携帯端末50が階を垂直方向に移動する経路に到達したことを検出し、次いで次の階に到達したことを検出できれば、携帯端末50が移動した階の経路データ、案内経路データのみを表示することができる。従って、階を垂直方向に移動する階段、エレベータ、エスカレータなどの経路の起点、終点に実施例1または実施例2に示す位置情報送信ユニット10を設置しておき、携帯端末50が該位置情報送信ユニットから受信した位置情報を経路探索サーバに送れば、携帯端末50が階をつなぐ経路を移動したことがわかり、経路探索サーバは必要な階の経路データ、経路案内データを携帯端末50に送ることができる。
【0053】
また、現在実用化されているカーナビや携帯電話を端末とする通信型のナビゲーションシステムにおいては、携帯端末50が案内経路上の交差点などにさしかかった時に曲がる方向を音声によってユーザに案内するシステムが採用されている。このようなナビゲーションシステムでは、経路探索サーバが探索した経路上で音声案内をすべきガイドポイントを案内経路データに埋め込んで地図データ(経路データ)とともに予め携帯端末50に送信するように構成されている。そして、携帯端末50はGPS受信機など現在位置を測位する手段を有しており、携帯端末50がガイドポイントにさしかかった時点で予め経路探索サーバから送信された音声データを再生してユーザに案内するように構成している。
【0054】
本発明にかかる位置情報提供システム40を設置することによって、地下街や建物内の経路案内においても同様のサービスが可能になる。すなわち、GPS受信機などの測位手段に代わって位置情報提供システム40が携帯端末50に位置情報を提供することによって前述のナビゲーションシステムと全く同様の案内が可能になる。
【0055】
図5は、このような目的のために図4に示す各フロア1F〜B2のそれぞれのノード(経路の起点・終点、交差点)n100〜n312に本発明にかかる位置情報送信ユニット10を設置したものである。各ノードn100〜n312の間隔は、前述したように位置情報送信ユニット10の送信電波が互いに干渉しない範囲(電波の到達範囲)であることが必要である。携帯端末50が特定のノード、例えば、n100に設置された位置情報送信ユニット10のエリアに入ると、その位置情報送信ユニット10から携帯端末50に位置情報(緯度、経度、階)が送信され、携帯端末50はその位置情報によって現在位置を判断(測位)することができる。
【0056】
図6は、図5の各フロア1F〜B2に配置した位置情報送信ユニット10が設置されたノードn100〜n312を結ぶリンク(経路)L1〜L27の構成を示す図である。図6において、ノードn110からノードn211に至るリンクL6は、フロア1FからフロアB1に移動する経路例えば階段である。従って、携帯端末50がノードn110に設置した位置情報送信ユニット10のエリアにある時は、携帯端末50はこの位置情報送信ユニット10から位置情報を受信し、その緯度、経度と階の情報を得ることができる。携帯端末がリンク(経路)L6すなわち階段を降りてノードn211に設置した位置情報送信ユニット10のエリアに到達すると当該位置情報送信ユニット10から位置情報を得て、その緯度、経度、階の情報を得ることができる。これによって、経路探索サーバから到達したフロアの経路データ、案内経路データを受けてそのフロアの経路案内図を表示することができる。
【0057】
図7は、図5に示すように設置した位置情報提供システム40(図3参照)を利用して携帯端末50が経路案内を受ける手順を示すフローチャートである。携帯端末50が経路探索サーバと通信して経路案内を受けるためには、前述したように、位置情報提供システム40が設置された地下街や建物内において、携帯端末50と経路探索サーバのデータ通信環境が整っていること、経路探索サーバに経路データ(地図データ)が蓄積されていることが前提条件となる。このような前提条件が満たされているものとして以下に経路案内の手順を説明する。また、携帯端末50は通常の通信型ナビゲーションシステムに対応するものであって、GPS受信機を備えており測位を行うことができるものとする。
【0058】
経路案内の開始に先立って、出発場所と目的の場所の位置情報(階の情報を含む)は、携帯端末50から経路探索サーバに送られ、経路探索サーバにおいて出発場所から目的の場所までの経路探索が完了しているものとする。このような状態で、経路案内が開始され、ステップS101において、携帯端末50は現在位置するエリアに設置された位置情報送信ユニット10に位置情報を要求する。ステップS102において、携帯端末50が位置情報送信ユニット10から位置情報の受信を完了していなければステップS102の受信ステップを繰り返し、位置情報の受信が完了していればステップS106に進む。ステップS102で位置情報の受信にエラーがあれば、ステップS103に進みGPS測位を要求する。スナップS104でGPS測位が完了していなければステップS104の測位を繰り返し、完了していれば、ステップS106に進む。ステップS104でGPS測位にエラーがあれば、ステップS105でエラー表示をして処理を終了する。一方、ステップS102で位置情報送信ユニット10からの位置情報受信が完了した場合には、ステップS103、ステップS104のGPS測位の手順は行われない。
【0059】
このステップS101〜ステップS105の手順は、GPS測位に対して位置情報送信ユニット10から位置情報を得る手順を優先するための手順である。すなわち、位置情報送信ユニット10から位置情報を受信できる場所に携帯端末50が存在する場合には、GPS測位を無効にする手順をとるものである。一般的に位置情報送信ユニット10から位置情報を取得できる場所に携帯端末50が位置するということは地下街や建物内に携帯端末50が位置することを意味しており、この場合にはGPS衛星からの信号が受信できない場所である確率が高い。位置情報送信ユニット10とGPS衛星からの信号の両方が受信できる場所は地下街の入り口あるいは建物の入り口などであって、この場合、地下街や建物の内部に入る可能性も高く、携帯端末50側でGPS測位を無効にして位置情報送信ユニット10からの位置情報を得るようにしても、通常のナビゲーション、地下街や建物内の案内に不都合がないためである。
【0060】
次いで、ステップS106において携帯端末50は経路探索サーバと通信し、位置情報送信ユニット10から受信した位置情報を経路探索サーバに送信し、携帯端末50が位置する場所(緯度、経度、階)の地図データ(経路データ)、安定経路データまたはガイドポイントのデータなどの送信を要求する。ステップS107で要求したデータの受信が完了していなければ、ステップS107の受信処理を繰り返し、ステップS107で受信が完了すれば、ステップS108で経路探索サーバから受信した地図を携帯端末50の表示部に描画する。そして、ステップS109で携帯端末50の位置がガイドポイントであるかを判定し、ガイドポイントであれば、ステップS110でそのガイドポイントに設定された音声案内を行ってステップS111に進み、ガイドポイントでなければ、ステップS110の案内処理を飛ばしてステップS111にすすむ。ステップS111では携帯端末の50位置が目的の場所(位置)であるか否かが判断され、目的の場所に到達していれば処理を終了し、目的の場所に到達していなければ、ステップS101の処理に戻る。
【0061】
このように本発明にかかる位置情報送信ユニット、位置情報提供システムを利用することによって、地下街や建物内の経路探索、経路案内が可能になる。また、位置情報送信ユニット10が携帯端末50に送信する位置情報として、経度、緯度、階の情報に加えて、または、階の情報に替えて建物内の部屋番号を含めることによって、携帯端末50である携帯電話から緊急の通報あるいはメール通報をする場合に、位置情報送信ユニット10から受信した位置情報を付加することによって、その発信位置を部屋番号まで特定することができるようになる。この場合、位置情報送信ユニット10は、照明器具用の電源を利用する実施例1あるいは実施例2のような設置形態であってもよく、玄関や門扉等に設けた特定のコンセントを利用して設置するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施例1にかかる位置情報送信ユニットの構成を示す図であり、(a)は位置情報送信ユニットの外観を示す図、(b)は位置情報送信ユニットの他の外観を示す図、(c)は位置情報送信ユニット本体の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例2にかかる位置情報送信ユニットの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例3にかかる位置情報提供システムの構成を示す図である。
【図4】本発明にかかる位置情報提供システムが設置される地下街、建物内のフロアレイアウトを示す図である。
【図5】図4に示す各フロアF1〜B2に位置情報送信ユニットを設置した配置図である。
【図6】図5の各位置置情報送信ユニットを結ぶリンク(経路)を示す経路図である。
【図7】本発明の位置情報提供システムを利用した経路案内の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
10・・・・位置情報送信ユニット
12・・・・位置情報送信ユニット本体
14・・・・電源部
16・・・・通信部(通信モジュール)
18・・・・マイコン(マイクロコンピュータ)
22・・・・照明器具本体
24・・・・口金
26・・・・ランプ支持部
28・・・・ランプ
32・・・・アダプタ本体
34・・・・口金
40・・・・位置情報提供システム
50・・・・携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源部と通信部と位置情報記憶手段を含むマイクロコンピュータとからなる位置情報送信ユニット本体と、
前記位置情報送信ユニット本体を取り付けた照明ランプであって、歩行経路を含む構造体に既設の照明用ソケットまたはシーリングに着脱可能な照明ランプとからなり、
前記照明ランプには、該照明ランプを、前記照明用ソケットまたはシーリングに装着した際に該照明用ソケットまたはシーリングから、前記照明ランプの口金を介して前記位置情報送信ユニット本体の電源部に電源を供給する電源接続手段を備え、
前記位置情報記憶手段には、該位置情報送信ユニット本体が設置される場所の緯度、経度、階の情報が記憶されることを特徴とする位置情報送信ユニット。
【請求項2】
前記位置情報記憶手段には、該位置情報送信ユニット本体が設置される場所の緯度、経度、部屋番号の情報が記憶されることを特徴とする請求項1に記載の位置情報送信ユニット。
【請求項3】
前記通信部は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)モジュールまたは無線LANに対応するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の位置情報送信ユニット。
【請求項4】
前記通信部は前記位置情報の送信受信を行い、通信部を介して前記位置情報を受信または送信し、前記記憶手段は該位置情報を書き込み、読み出しするように構成したことを特徴とする請求項1に記載の位置情報送信ユニット。
【請求項5】
電源部と通信部と位置情報記憶手段を含むマイクロコンピュータとからなる位置情報送信ユニット本体と、
前記位置情報送信ユニット本体を取り付けた照明ランプであって、歩行経路を含む構造体に既設の照明用ソケットまたはシーリングに着脱可能な照明ランプとからなり、
前記照明ランプには、該照明ランプを、前記照明用ソケットまたはシーリングに装着した際に該照明用ソケットまたはシーリングから、前記照明ランプの口金を介して前記位置情報送信ユニット本体の電源部に電源を供給する電源接続手段を備え、
前記位置情報記憶手段には、該位置情報送信ユニット本体が設置される場所の緯度、経度、階の情報が記憶される位置情報送信ユニットを、
複数の階を有し、各階の平面における歩行経路、階をつなぐ歩行経路を含む構造体に既設の前記照明用ソケットまたはシーリングに所定の間隔で装着したことを特徴とする位置情報提供システム。
【請求項6】
前記位置情報記憶手段には、該位置情報送信ユニット本体が設置される場所の緯度、経度、部屋番号の情報が記憶されることを特徴とする請求項5に記載の位置情報提供システム。
【請求項7】
前記通信部は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)モジュールまたは無線LANに対応するように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の位置情報提供システム。
【請求項8】
前記通信部は前記位置情報の送信受信を行い、通信部を介して前記位置情報を受信または送信し、前記記憶手段は該位置情報を書き込み、読み出しするように構成したことを特徴とする請求項5に記載の位置情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−86024(P2008−86024A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262864(P2007−262864)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【分割の表示】特願2004−161873(P2004−161873)の分割
【原出願日】平成16年5月31日(2004.5.31)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】