説明

位置情報送信装置、ナビゲーション装置、位置情報の送信方法

【課題】ユーザが情報端末を用いて指定した場所の位置情報をナビゲーション装置へ送信する。
【解決手段】情報端末であるPC3または携帯電話4は、ユーザの操作に応じて、ユーザの指定場所に関する情報を含む電子メールを作成して送信する。メール中継センター5は、PC3または携帯電話4から送信された電子メールを取得し、その電子メールに基づいてユーザの指定場所の位置を検索し、検索された位置情報を含む電子メールを新たに作成してナビゲーション装置1へ送信する。ナビゲーション装置1は、メール中継センター5から送信される電子メールを通信端末2を介して受信し、その電子メールに含まれる位置情報に基づいて、ユーザの指定場所の位置を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが指定した場所の位置情報をナビゲーション装置へと送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二つの移動体にそれぞれ搭載されたナビゲーション装置間で位置情報を含む電子メールの送受信を行う通信システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−84997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、パーソナルコンピュータや携帯電話など、ユーザが日常使用している情報端末の電子メール機能を用いることで、簡単な操作により特定の場所を指定してその位置情報をナビゲーション装置に送信したいというニーズが存在する。しかし、特許文献1に開示される従来の通信システムは、移動体に搭載されたナビゲーション装置間で位置情報を含む電子メールを送受信するものであるため、このようなニーズを満たすことができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明による位置情報送信装置は、情報端末の操作によりユーザに指定された指定場所の位置情報を車両に搭載されたナビゲーション装置へ送信する位置情報送信装置であって、情報端末から送信された指定場所に関する情報を含む電子情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段により取得された電子情報に基づいて、指定場所の位置を検索する検索手段と、検索手段により検索された指定場所の位置情報を含む電子情報を作成する情報作成手段と、情報作成手段により作成された電子情報をナビゲーション装置へ送信する情報送信手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の位置情報送信装置において、情報端末は、パーソナルコンピュータまたは携帯電話であり、情報取得手段は、指定場所に関する情報を含み、パーソナルコンピュータまたは携帯電話から送信された電子情報を取得するものである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の位置情報送信装置において、情報取得手段は、指定場所に関する情報を含み、ナビゲーション装置を宛先として送信された電子メールを受信することにより、前記電子情報を取得するものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか一項に記載の位置情報送信装置において、情報取得手段は、指定場所に関する情報として、指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つを含む電子情報を取得し、検索手段は、情報取得手段により取得された電子情報に含まれる指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つに基づいて、指定場所の位置を検索するものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載の位置情報送信装置において、情報取得手段は、予め定められた所定の書式により指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つが記載された電子メールを受信することにより、電子情報を取得するものである。
請求項6の発明は、請求項1〜5いずれか一項に記載の位置情報送信装置において、情報作成手段は、指定場所の位置情報として、指定場所の緯度および経度を含む電子情報を作成し、情報送信手段は、情報作成手段により作成された指定場所の緯度および経度を含む電子情報をナビゲーション装置へ送信するものである。
請求項7の発明によるナビゲーション装置は、請求項1〜6いずれか一項に記載の位置情報送信装置から送信される指定場所の位置情報を含む電子情報を受信し、受信した電子情報に基づいて、指定場所の位置を特定するものである。
請求項8の発明によるナビゲーション装置は、情報端末の操作によりユーザに指定された指定場所の位置を特定するナビゲーション装置であって、情報端末から送信された指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つに関する情報を含む電子メールを受信するメール受信手段と、メール受信手段により受信された電子メールに含まれる指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つに基づいて、指定場所の位置を特定する位置特定手段とを備えるものである。
請求項9の発明は、情報端末の操作によりユーザに指定された指定場所の位置情報を車両に搭載されたナビゲーション装置へ送信する位置情報の送信方法であって、情報端末から送信された指定場所に関する情報を含む電子メールを取得し、取得された電子メールに基づいて、指定場所の位置を検索し、検索された指定場所の位置情報を含む電子メールを作成し、作成された電子メールをナビゲーション装置へ送信するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザが情報端末を用いて指定した場所の位置情報をナビゲーション装置へ送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−第1の実施の形態−
本発明の一実施の形態による通信システムの構成を図1に示す。この通信システムは、車両100に搭載されたナビゲーション装置1および通信端末2と、PC(パーソナルコンピュータ)3と、携帯電話4と、メール中継センター5とを有している。PC3およびメール中継センター5は、インターネット6に接続されている。通信端末2および携帯電話4は、移動体通信設備7を介してインターネット6に接続される。
【0008】
ナビゲーション装置1は、地図データに基づいて地図を表示すると共に、設定された目的地までの推奨経路を探索し、車両100をその目的地まで案内する。また、ナビゲーション装置1は、ユーザに指定された場所の位置情報を含む電子メールを、メール中継センター5から通信端末2を介して受信する。この電子メールは、情報端末であるPC3または携帯電話4から送信される電子メールに基づいて、メール中継センター5において後で説明するような変換処理が実行されることにより作成されるものである。そして、受信した電子メールの位置情報に基づいてユーザの指定場所の位置を特定し、その指定場所を目的地や登録地として設定する。これによりユーザは、PC3や携帯電話4のように普段使用している情報端末の電子メール機能を用いて、簡単な操作により目的地や登録地に設定したい場所を指定して、その場所の位置情報をナビゲーション装置1へと送信し、ナビゲーション装置1において利用することができる。
【0009】
通信端末2は、ケーブルを用いた有線接続あるいは無線接続によってナビゲーション装置1と接続されており、ナビゲーション装置1からの制御に応じて、移動体通信設備7との間で無線通信を行う。これにより、インターネット6と移動体通信設備7とを介して、ナビゲーション装置1をメール中継センター5へと接続する。なお、通信端末2には、たとえば携帯電話などが用いられる。
【0010】
PC3と携帯電話4は、電子メール機能をそれぞれ有しており、ユーザの操作に応じて電子メールを作成し、作成した電子メールを送信する。PC3から送信された電子メールのうち、宛先にナビゲーション装置1が指定されたものは、インターネット6を介してメール中継センター5へ送られる。同様に、携帯電話4から送信された電子メールのうち、宛先にナビゲーション装置1が指定されたものは、移動体通信設備7およびインターネット6を介して、メール中継センター5へ送られる。なお、PC3は、たとえばユーザの自宅などに設置されている。
【0011】
PC3または携帯電話4からの電子メールがメール中継センター5へ送られると、メール中継センター5は、その電子メールがユーザに指定された何らかの場所に関する情報を含んでいるか否かを判定する。ユーザの指定場所に関する情報を含んでいる場合は、その指定場所の位置情報を含む送信用の電子メールを新たに作成することにより、電子メールの変換処理を行う。そして、変換後の電子メール、すなわち変換処理によって新たに作成された指定場所の位置情報を含む送信用の電子メールを、インターネット6および移動体通信設備7を介して通信端末2へと送信する。このようにして、PC3または携帯電話4からの電子メールがメール中継センター5によって中継され、ナビゲーション装置1へと送信される。なお、このときメール中継センター5によって実行される変換処理の具体的な内容については、後で詳しく説明する。
【0012】
ナビゲーション装置1の構成を図2に示す。ナビゲーション装置1は、制御部10、振動ジャイロ11、車速センサ12、ハードディスク(HDD)13、GPS受信部14、表示モニタ15および入力装置16を備えている。
【0013】
制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、HDD13に記録されている制御プログラムや地図データに基づいて、各種の処理を実行する。この制御部10により、車両100を目的地まで案内するための様々な処理が実行される。たとえば、目的地を設定する際の目的地の探索処理、設定された目的地までの推奨経路の探索処理、車両100の現在位置の検出処理、各種の画像表示処理、ルート案内処理などが実行される。制御部10には通信端末2が接続されており、制御部10によって通信端末2を制御することで、ナビゲーション装置1から図1のメール中継センター5に対して、新着メールの受信要求が行われる。この受信要求に応じてメール中継センター5から送信された電子メールは、通信端末2において受信された後、通信端末2から制御部10へ出力される。すなわち、メール中継センター5は、ナビゲーション装置1の電子メールサーバとして機能する。
【0014】
振動ジャイロ11は、車両100の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ12は、車両100の車速を検出するためのセンサである。これらのセンサを用いて車両100の運動状態を所定の時間間隔ごとに検出することにより、車両位置の移動量が求められ、それによって車両100の現在位置が検出される。
【0015】
HDD13は、記録されたデータを書き換え可能な不揮発性の記録媒体であり、地図データを含む各種のデータが記録されている。HDD13に記録されている地図データは、必要に応じて制御部10の制御により読み出され、制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。この地図データには、経路計算データと、経路誘導データと、道路データと、背景データとが含まれている。経路計算データは、目的地までのルート探索に用いられる。経路誘導データは、設定された経路に従って車両100を目的地まで誘導するために用いられ、交差点名称や道路名称などを表す。道路データは、道路の形状を表す。背景データは、河川や鉄道など道路以外の地図形状や、各種施設の情報などを表す。
【0016】
GPS受信部14は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、車両100の位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて車両100の現在位置と現在時刻を算出することができる。
【0017】
表示モニタ15は、ナビゲーション装置1において様々な画面表示を行うための装置であり、液晶ディスプレイ等を用いて構成される。この表示モニタ15により、地図画面の表示などが行われる。表示モニタ15に表示される画面の内容は、制御部10が行う画面表示制御によって決定される。表示モニタ15は、たとえば車両100のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、ユーザが見やすいような位置に設置されている。
【0018】
入力装置16は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは入力装置16を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。この入力装置16は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、表示モニタ15と一体化されたタッチパネルにより入力装置16を実現してもよい。
【0019】
ユーザが入力装置16を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、目的地までの推奨経路を探索する。そして、車両100の現在位置を検出し、その周辺の道路地図を表示しながら、探索された推奨経路に従って車両100を目的地まで誘導する。
【0020】
次に、PC3または携帯電話4からユーザの指定場所に関する情報を含む電子メールを送信し、その電子メールをメール中継センター5において変換した後、ナビゲーション装置1へと送信するときの処理について説明する。図3は、PC3、携帯電話4、メール中継センター5およびナビゲーション装置1における電子メールの流れを示す図である。
【0021】
初めに、PC3または携帯電話4において、ユーザからの操作に応じて、ユーザの指定場所に関する情報を含む電子メールの作成が行われる。この電子メールは、予め定められた所定の書式により作成される。ユーザによって送信指示が行われると、作成された電子メールがPC3または携帯電話4からメール中継センター5へと送信される。
【0022】
PC3または携帯電話4からメール中継センター5へ電子メールが送信されると、この変換前のメールに対して、メール変換処理がメール中継センター5において実行される。その結果、変換後のメールとして新たな電子メールが作成される。この変換後のメールは、メール中継センター5において検索されたユーザの指定場所の位置情報を含んでいる。なお、メール中継センター5は、日本全国の様々な場所に関するデータベースを有している。メール変換処理の際には、このデータベースを用いて、変換前のメールに含まれるユーザの指定場所に関する様々な情報、たとえば名称、住所、電話番号などに基づいて、その場所の位置が検索される。メール変換処理が終わると、作成された変換後のメールがメール中継センター5において一時的に保存される。
【0023】
一方、ナビゲーション装置1は、所定時間ごとにまたはユーザの操作に応じて、新着メールの受信要求をメール中継センター5に対して行う。メール変換処理の実行後にナビゲーション装置1からの受信要求があると、メール中継センター5は、保存しておいた変換後のメールをナビゲーション装置1に対して送信する。これにより、ユーザの指定場所の位置情報を含む電子メールがメール中継センター5からナビゲーション装置1へと送信される。
【0024】
メール中継センター5から送信された変換後のメールを受信すると、ナビゲーション装置1は、その電子メールに含まれるユーザの指定場所の位置情報を取り込む。そして、取り込んだ位置情報に基づいてユーザの指定場所を特定し、ユーザの操作に応じて、その指定場所を目的地や経由地に設定したり、登録地に設定したりする。
【0025】
図4(a)は、変換前のメールの書式例を示している。この書式例では、メール本文中に「NAME」、「ADDRESS」、「TEL」および「SUMMARY」と記載され、その下に、ユーザに指定された場所の名称、住所、電話番号および概要がそれぞれ記載されている。メール中継センター5は、PC3または携帯電話4からこのような書式による電子メールを取得することにより、それぞれの記載部分がどのような内容を表しているかを容易に解析することができる。
【0026】
なお、変換前のメールでは、ユーザによる指定場所の名称、住所または電話番号の全てが必ずしも記載されていなくてもよい。これらの情報のうちいずれか少なくとも一つが変換前のメールに含まれていれば、その情報に基づいて、当該指定場所の位置を検索することができる。また、指定場所の概要は記載されていなくてもよい。
【0027】
一方、図4(b)は、変換後のメールの書式例を示している。この書式例では、メール本文中に「POSITION」、「NAME」および「SUMMARY」と記載され、その下に、ユーザに指定された場所の緯度と経度、名称および概要がそれぞれ記載されている。ナビゲーション装置1は、メール中継センター5からこのような書式による電子メールを取得することにより、それぞれの記載部分がどのような内容を表しているかを容易に解析することができる。なお、ナビゲーション装置1は、取得した電子メールに基づいて、ユーザの指定場所の名称や概要を読み上げて音声出力することにより、車両100を運転しているユーザにその内容を知らせるようにしてもよい。
【0028】
図4(b)に示す変換後のメールのうち、ユーザの指定場所の位置情報を表す緯度と経度は、メール中継センター5において前述のようなデータベースを用いた検索を行うことによって求められる。この検索は、図4(a)に示す変換前のメールの記載内容のうち、「NAME」、「ADDRESS」および「TEL」の部分にそれぞれ記載されたユーザの指定場所の名称、住所および電話番号の情報に基づいて行われる。このとき、ユーザの指定場所の名称、住所または電話番号のうちいずれか少なくとも一つがユーザの指定場所に関する情報として変換前のメールに記載されていれば、メール中継センター5は、その情報に基づいて当該指定場所の位置を検索し、緯度と経度を特定することができる。そして、図4(b)に示すような変換後のメールを作成することができる。
【0029】
なお、図4(a)および(b)に示した電子メールの書式例はあくまで一例であるため、他の書式としてもよい。すなわち、変換前のメールについては、ユーザの指定場所に関してどのような情報が記載されているかをメール中継センター5において解析可能な限り、どのような書式としてもよい。また、変換後のメールについては、ユーザの指定場所に関してどのような情報が記載されているかをナビゲーション装置1において解析可能な限り、どのような書式としてもよい。
【0030】
図5は、メール中継センター5において実行されるメール変換処理のフローチャートである。このフローチャートについて、以下に説明する。
【0031】
ステップS10において、メール中継センター5は、PC3または携帯電話4からナビゲーション装置1を宛先として送信された電子メールを受信し、変換前メールとして取得する。これにより、ユーザの指定場所に関する電子情報である電子メールを取得する。ステップS20において、メール中継センター5は、ステップS10で取得した変換前メールの書式が、予め定められた図4(a)に示すような所定の書式であるか否かを判定する。所定の書式である場合はステップS30へ進む。一方、所定の書式でない場合、すなわち取得した電子メールがユーザに指定された場所に関する情報を含むものでない場合は、図5のフローチャートを終了する。
【0032】
ステップS30において、メール中継センター5は、ステップS10で取得した変換前メールに基づいて、ユーザによる指定場所の検索を行う。ここでは、取得した変換前メールに含まれる当該指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つに基づいて、前述のデータベースを用いて、当該指定場所の位置を検索する。ステップS40において、メール中継センター5は、ステップS30の検索結果に基づいて、当該指定場所の緯度および経度を算出する。
【0033】
ステップS50において、メール中継センター5は、ステップS10で取得した変換前メールに対して、その変換後のメールとして、ステップS30において検索されたユーザの指定場所の位置情報を含む電子メールを作成する。ここでは、当該指定場所の位置情報として、ステップS40で求めた当該指定場所の緯度および経度を含む電子メールを、図4(b)に示すような所定の書式により作成する。これにより、当該指定場所の位置情報を含む電子情報である電子メールを作成する。ステップS60において、メール中継センター5は、ステップS50で作成した変換後のメールを一時的に保存する。
【0034】
ステップS70において、メール中継センター5は、ナビゲーション装置1から新着メール受信要求があったか否かを判定する。新着メールの受信要求が行われるまではステップS70に留まり、新着メールの受信要求が行われると次のステップS80へ進む。ステップS80において、メール中継センター5は、ステップS60で保存された変換後メールをナビゲーション装置1へ送信する。これにより、ステップS50において作成されたユーザの指定場所の位置情報を含む電子メール、すなわち当該場所の緯度および経度を含む電子メールが、ナビゲーション装置1へと送信される。
【0035】
ステップS80を実行したら、メール中継センター5は、図5のフローチャートを終了する。以上説明したようにして、メール中継センター5においてメール変換処理が実行される。
【0036】
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)メール中継センター5は、情報端末であるPC3または携帯電話4から送信されたユーザの指定場所に関する情報を含む電子メールを取得し(ステップS10)、取得された電子メールに基づいて、ユーザの指定場所の位置を検索する(ステップS30)。そして、検索されたユーザの指定場所の位置情報を含む電子メールを作成し(ステップS50)、作成された電子メールをナビゲーション装置1へ送信する(ステップS80)こととした。このようにしたので、ユーザが情報端末を用いて指定した場所の位置情報をナビゲーション装置1へ送信することができる。
【0037】
(2)メール中継センター5は、ステップS10において、ユーザの指定場所に関する情報を含み、情報端末であるPC3または携帯電話4から送信された電子メールを取得することとした。このようにしたので、ユーザは日常使用している情報端末の電子メール機能を用いて、簡単な操作により、ナビゲーション装置1へ位置情報を送信する場所を指定することができる。
【0038】
(3)また、メール中継センター5は、ステップS10において、ユーザの指定場所に関する情報を含み、ナビゲーション装置1を宛先として送信された電子メールを受信することにより、当該指定場所に関する電子情報を取得することとした。このようにしたので、ユーザはメール中継センター5の存在を特に意識しなくても、ナビゲーション装置1を宛先として電子メールを送信することにより、メール中継センター5に対して、指定した場所の位置情報を含む電子メールをナビゲーション装置1へと送信させることができる。
【0039】
(4)メール中継センター5は、ステップS10において、ユーザの指定場所に関する情報として、その指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つを含む電子メールを取得する。そして、ステップS30において、ステップS10で取得された電子メールに含まれるユーザの指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つに基づいて、その指定場所の位置を検索することとした。このようにしたので、ユーザは簡単に場所を指定でき、さらに、メール中継センター5にとっては、ユーザの指定場所の位置を確実に検索することができる。
【0040】
(5)メール中継センター5は、ステップS10において、図4(a)のように予め定められた所定の書式によりユーザの指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つが記載された電子メールを受信することにより、当該指定場所に関する電子情報を取得することとした。このようにしたので、取得した電子メールにおいて、それぞれの記載部分がどのような内容を表しているかを容易に解析することができる。
【0041】
(6)メール中継センター5は、ステップS50において、ユーザの指定場所の位置情報として、その指定場所の緯度および経度を含む電子メールを作成する。こうして作成されたユーザの指定場所の緯度および経度を含む電子メールを、ステップS80においてナビゲーション装置1へ送信することとした。このようにしたので、電子メールを受信したナビゲーション装置1において、ユーザの指定場所の位置を確実かつ容易に特定することができる。
【0042】
−第2の実施の形態−
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。これまでに説明した第1の実施の形態による通信システムでは、PC3または携帯電話4から送信された電子メールをメール中継センター5において変換することにより、ユーザの指定場所の位置情報を含む電子メールをナビゲーション装置1へと送信していた。これに対して、以下に説明する第2の実施の形態による通信システムは、PC3または携帯電話4から送信された電子メールをメール中継センター5において変換せずに、そのままナビゲーション装置1へと送信する。そして、ナビゲーション装置1において、受信された電子メールに含まれるユーザの指定場所に関する情報に基づいて、その指定場所を検索する。これにより、ナビゲーション装置1においてユーザの指定場所を特定し、利用するようにしている。なお、第2の実施の形態による通信システムは、第1の実施の形態による通信システムと同じく、図1に示すような構成を有している。
【0043】
図6は、第2の実施の形態による通信システムのPC3、携帯電話4、メール中継センター5およびナビゲーション装置1における電子メールの流れを示す図である。図3と同様に、初めにPC3または携帯電話4において、ユーザからの操作に応じて、ユーザの指定場所に関する情報を含む電子メールが作成され、PC3または携帯電話4からメール中継センター5へと送信される。PC3または携帯電話4からメール中継センター5へ電子メールが送信されると、メール中継センター5は、この電子メールを変換せずにそのまま一時保存する。そして、ナビゲーション装置1からの受信要求があると、保存しておいた電子メールをナビゲーション装置1に対して送信する。このようにして、PC3または携帯電話4からのメールを中継し、ナビゲーション装置1へと送信する。
【0044】
ナビゲーション装置1は、PC3または携帯電話4から送信され、メール中継センター5によって中継された電子メールを受信すると、その電子メールに含まれるユーザの指定場所に関する情報に基づいて、ユーザの指定場所の検索を行う。なお、この電子メールには、前述したように、図4(a)に示すような所定の書式により、ユーザに指定された場所の名称、住所、または電話番号のいずれか少なくとも一つが記載されている。ナビゲーション装置1は、HDD13に記録された地図データを用いることにより、これらの情報に基づいて当該指定場所の位置を検索することができる。
【0045】
上記のようにしてユーザの指定場所の位置を検索することにより、その場所の位置を特定することができたら、ナビゲーション装置1は、その位置情報を取り込む。そして、取り込んだ位置情報に基づいて、ユーザの指定場所を目的地や経由地に設定したり、登録地として設定したりする。なお、以上説明した電子メールの受信処理や、ユーザの指定場所の位置を特定する処理は、制御部10において実行される。このようにしてナビゲーション装置1は、PC3または携帯電話4から送信された電子メールに基づいてユーザに指定された場所を特定し、目的地設定や登録地設定などに利用する。
【0046】
以上説明した第2の実施の形態によれば、ナビゲーション装置1は、制御部10が実行する処理により、情報端末であるPC3または携帯電話4から送信され、ユーザの指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つに関する情報を含む電子メールを受信する。そして、受信された電子メールに含まれるユーザの指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つに基づいて、ユーザの指定場所の位置を特定することとした。このようにしたので、メール中継センター5においてメールの変換を行わなくても、ナビゲーション装置1においてユーザの指定場所を特定し、利用することができる。
【0047】
なお、上記の各実施の形態では、電子情報として電子メールを送受信する例を説明したが、本発明では電子メールに限らず他の様々な電子情報を送受信することもできる。たとえば、第1の実施の形態において次のようにしてもよい。すなわちユーザは、PC3または携帯電話4からインターネット6を介して、所定のウェブサーバに記録されたウェブページにアクセスし、そのウェブページにおいて、指定したい場所に関する情報として、その場所の名称や住所、電話番号などの情報を入力する。このとき、PC3または携帯電話4において入力された当該指定場所に関する情報を含む電子情報がウェブサーバに送信される。ウェブサーバは、これらの情報に基づいて、当該指定場所の位置を検索し、検索結果をウェブページに反映する。ナビゲーション装置1は、通信端末2を用いてウェブページにアクセスし、当該指定場所の位置情報を取得する。このとき、当該指定場所の位置情報を含む電子情報が、ウェブサーバからナビゲーション装置1へ送信される。このようにして本発明を実現することとしてもよい。
【0048】
なお、以上説明した各実施の形態や各種の変形例は、あくまで一例である。したがって、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【0049】
以上説明した第1の実施の形態では、情報端末をPC3または携帯電話4によって実現し、情報取得手段、検索手段、情報作成手段および情報送信手段を、メール中継センター5が実行する処理によってそれぞれ実現した。また、第2の実施の形態では、情報受信手段および位置特定手段を、ナビゲーション装置1の制御部10が実行する処理によってそれぞれ実現した。しかし、これらはあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態による通信システムの構成を示す図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態における電子メールの流れを示す図である。
【図4】(a)は変換前のメールの書式例を示す図であり、(b)は変換後のメールの書式例を示す図である。
【図5】メール変換処理のフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態における電子メールの流れを示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1:ナビゲーション装置 2:通信端末
3:パーソナルコンピュータ 4:携帯電話
5:メール中継センター 6:インターネット
7:移動体通信設備 10:制御部
11:振動ジャイロ 12:車速センサ
13:HDD 14:GPS受信部
15:表示モニタ 16:入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末の操作によりユーザに指定された指定場所の位置情報を車両に搭載されたナビゲーション装置へ送信する位置情報送信装置であって、
前記情報端末から送信された前記指定場所に関する情報を含む電子情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された電子情報に基づいて、前記指定場所の位置を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された前記指定場所の位置情報を含む電子情報を作成する情報作成手段と、
前記情報作成手段により作成された電子情報を前記ナビゲーション装置へ送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする位置情報送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の位置情報送信装置において、
前記情報端末は、パーソナルコンピュータまたは携帯電話であり、
前記情報取得手段は、前記指定場所に関する情報を含み、前記パーソナルコンピュータまたは前記携帯電話から送信された電子情報を取得することを特徴とする位置情報送信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の位置情報送信装置において、
前記情報取得手段は、前記指定場所に関する情報を含み、前記ナビゲーション装置を宛先として送信された電子メールを受信することにより、前記電子情報を取得することを特徴とする位置情報送信装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項に記載の位置情報送信装置において、
前記情報取得手段は、前記指定場所に関する情報として、前記指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つを含む電子情報を取得し、
前記検索手段は、前記情報取得手段により取得された電子情報に含まれる前記指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つに基づいて、前記指定場所の位置を検索することを特徴とする位置情報送信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の位置情報送信装置において、
前記情報取得手段は、予め定められた所定の書式により前記指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つが記載された電子メールを受信することにより、前記電子情報を取得することを特徴とする位置情報送信装置。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか一項に記載の位置情報送信装置において、
前記情報作成手段は、前記指定場所の位置情報として、前記指定場所の緯度および経度を含む電子情報を作成し、
前記情報送信手段は、前記情報作成手段により作成された前記指定場所の緯度および経度を含む電子情報を前記ナビゲーション装置へ送信することを特徴とする位置情報送信装置。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか一項に記載の位置情報送信装置から送信される前記指定場所の位置情報を含む電子情報を受信し、受信した電子情報に基づいて、前記指定場所の位置を特定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
情報端末の操作によりユーザに指定された指定場所の位置を特定するナビゲーション装置であって、
前記情報端末から送信された前記指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つに関する情報を含む電子メールを受信するメール受信手段と、
前記メール受信手段により受信された電子メールに含まれる前記指定場所の名称、住所または電話番号のいずれか少なくとも一つに基づいて、前記指定場所の位置を特定する位置特定手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
情報端末の操作によりユーザに指定された指定場所の位置情報を車両に搭載されたナビゲーション装置へ送信する位置情報の送信方法であって、
前記情報端末から送信された前記指定場所に関する情報を含む電子メールを取得し、
前記取得された電子メールに基づいて、前記指定場所の位置を検索し、
前記検索された前記指定場所の位置情報を含む電子メールを作成し、
前記作成された電子メールを前記ナビゲーション装置へ送信することを特徴とする位置情報の送信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−298513(P2008−298513A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143183(P2007−143183)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】