説明

位置情報連動型優待サービス提供システムおよびサービス提供方法

【課題】 インターネット通販の利用者に対し、実店舗への訪問履歴に応じたサービスを提供すること。
【解決手段】 携帯電話端末が、現在位置情報を取得する現在位置取得手段と、位置情報提供サーバから訪問履歴に応じたサービスを提供する対象店舗位置情報を取得し、現在位置が対象店舗の位置から所定範囲内であるかを判定し、所定範囲内であれば対象店舗への訪問回数を更新し、最終訪問日の情報と共に訪問履歴情報として内部の記憶手段に記憶させる手段と、
通販サーバが、
携帯電話端末からのアクセス時に、携帯電話端末を保有する利用者の対象店舗への訪問履歴情報を取得し、取得した対象店舗への訪問履歴に応じて前記利用者が購入した商品に対して優待価格での決済処理を行う手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報連動型優待サービス提供システムおよびサービス提供方法に関し、特に、利用者が過去に指定する店舗もしくは地域を訪問したことが有るか否かを判断して、訪問履歴がある顧客に対して付加価値が高いサービス(優待サービス)を提供する方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネット通販が広く普及しており、多くの人が場所と時間を問わずに様々な商品の購入が行える様になっている。
インターネット通販を利用する手段として、携帯電話機及びスマートフォン(以後、携帯電話機と総称する)が普及している。
特許文献1に記載の「携帯電話を使用した通信販売システムおよび方法」では、携帯電話機のインターネットブラウザー機能を利用した通信販売方法、通信販売システム及び決済システムについて述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−29972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インターネット通販を利用する事で、従来は現地に赴かなければ手に入れることが出来なかった商品が誰でも簡単に入手できるようになり、「現地に赴くこと」の価値が低下している。この事により、以下の課題やニーズが発生している。
(1)希少価値と利便性の両立
観光地の販売店などでは、現地でしか手に入らない商品に希少価値があり、人気が高い。現地でしか手に入らない商品を安易にインターネット通販にすると、その希少価値が薄れてしまい、観光の目的を失わせることにも繋がってしまう。しかし、実店舗で購入した商品を後から追加で購入したいというリピーターのニーズも高い。
(2)一見顧客の排除
生産量が限られている製品などを安易にインターネット通販で販売すると、商品の転売目的で買い占める人が現れる、既存顧客と一見顧客を区別できないなどの問題が生じる。実店舗を訪問し、商品の価値を真に理解した人にだけに商品を販売したいというニーズがある。
これらの課題は、実店舗でのみインターネット通販のURLを公開する、会員登録を店舗でのみ行う、などで補うことができる。しかし、利用者が実店舗を訪問した際に意図的に働きかける必要があり、利便性に乏しいという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、インターネット通販の利用者が、実店舗もしくは店舗が所在する地域を訪問したことが有るか否かを判断し、その結果に基づいて付加価値が高いインターネット通販サービスを利用者に提供することが出来る位置情報連動型優待サービス提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るシステムは、利用者が保有する携帯電話端末と、この携帯電話端末に対して訪問履歴に応じたサービスを提供する実店舗の位置情報を対象店舗位置情報として提供する位置情報提供サーバと、前記携帯情報端末からの要求に応じて商品情報を提供し、かつ利用者の購入操作に応じて決済処理を行う通販サーバとから成る位置情報連動型優待サービス提供システムであって、
前記携帯電話端末が、
現在位置情報を取得する現在位置取得手段と、前記位置情報提供サーバから訪問履歴に応じたサービスを提供する対象店舗位置情報を取得し、現在位置が対象店舗の位置から所定範囲内であるかを判定し、所定範囲内であれば対象店舗への訪問回数を更新し、最終訪問日の情報と共に訪問履歴情報として内部の記憶手段に記憶させる手段と、
前記通販サーバが、
前記携帯電話端末からのアクセス時に、前記携帯電話端末に対して前記訪問履歴情報の送信を要求し、前記携帯電話端末を保有する利用者の前記対象店舗への訪問履歴情報を取得する手段と、取得した対象店舗への訪問履歴に応じて前記利用者が購入した商品に対して優待価格での決済処理を行う手段と、
を備えることを特徴とする。
また、前記対象店舗位置情報は、対象となる複数の実店舗が存在する地域全体を示す位置情報とすることを特徴とする。
また、前記通販サーバが、
前記携帯電話端末に対して前記訪問履歴情報の送信と共に利用者の現住所情報の送信を要求し、前記携帯電話端末を保有する利用者の前記対象店舗への訪問履歴情報と現住所情報を取得し、取得した対象店舗への訪問履歴と利用者の現住所に応じて前記利用者が購入した商品に対して優待価格での決済処理を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る方法は、利用者が保有する携帯電話端末と、この携帯電話端末に対して訪問履歴に応じたサービスを提供する実店舗の位置情報を対象店舗位置情報として提供する位置情報提供サーバと、前記携帯情報端末からの要求に応じて商品情報を提供し、かつ利用者の購入操作に応じて決済処理を行う通販サーバとから成る位置情報連動型優待サービス提供システムにおけるサービス提供方法であって、
前記携帯電話端末が、
現在位置情報を取得するステップと、前記位置情報提供サーバから訪問履歴に応じたサービスを提供する対象店舗位置情報を取得し、現在位置が対象店舗の位置から所定範囲内であるかを判定し、所定範囲内であれば対象店舗への訪問回数を更新し、最終訪問日の情報と共に訪問履歴情報として内部の記憶手段に記憶させるステップと、
前記通販サーバが、
前記携帯電話端末からのアクセス時に、前記携帯電話端末に対して前記訪問履歴情報の送信を要求し、前記携帯電話端末を保有する利用者の前記対象店舗への訪問履歴情報を取得するステップと、取得した対象店舗への訪問履歴に応じて前記利用者が購入した商品に対して優待価格での決済処理を行うステップと、
を備えることを特徴とする。
また、前記対象店舗位置情報は、対象となる複数の実店舗が存在する地域全体を示す位置情報とすることを特徴とする。
また、前記通販サーバが、
前記携帯電話端末に対して前記訪問履歴情報の送信と共に利用者の現住所情報の送信を要求し、前記携帯電話端末を保有する利用者の前記対象店舗への訪問履歴情報と現住所情報を取得し、取得した対象店舗への訪問履歴と利用者の現住所に応じて前記利用者が購入した商品に対して優待価格での決済処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インターネット通販により各種の商品を利用者に提供する場合に、その商品を提供している地域の店舗へ利用者が訪問したことがあるかを判定し、その訪問履歴に応じて、販売価格を下げる、あるいはおまけの商品を提供するなどの優待サービスを提供することが可能になる。
また、優待サービスを提供する期間を訪問間隔を調整することによって任意に調整することができる。
さらに、優待サービスを提供する対象地域を任意に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態の位置情報連動型優待サービス提供システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示す携帯電話端末の内部構成を機能ブロック図である。
【図3】利用者訪問者情報データの構成を例示する図である。
【図4】対象位置データの構成を例示する図である。
【図5】インターネット通販WEBサーバの内部構成を示す機能ブロック図である。
【図6】ユーザ情報データのデータ構成を例示する図である。
【図7】商品データの構成を例示する図である。
【図8】対象位置情報管理サーバの内部構造を機能ブロック図である。
【図9】対象位置データの構成例を示す図である。
【図10】携帯電話端末の位置情報取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】携帯電話端末における利用者訪問情報の保管処理を示すフローチャートである。
【図12】対象地域への訪問履歴に応じた優待サービスの利用に関する処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の位置情報連動型優待サービス提供システムを実施するための形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に関する全体構成を示す概要図である。
本システムは、利用者が持ち歩く携帯電話端末101、インターネット通販サービスを提供するインターネット通販WEB102及び対象地域・店舗に関する情報を提供する対象位置情報管理サーバ103から構成される。
【0011】
図2は、携帯電話端末101の構成を示す概念図である。
携帯電話端末101は市販されている端末を利用し、204に示す訪問情報管理に関する機能を携帯電話向けアプリケーションとして提供する。この訪問情報管理機能は、利用者の訪問履歴の保管とインターネット通販利用時の訪問履歴情報の提供を行う。
201は携帯電話機の基本システム部である。本実施形態に関連するのは、GPS情報の取得を行うGPS情報取得部202とインターネット通信を行うインターネット通信部203である。これらは、既存の携帯電話端末が持つ機能を利用する。
204は訪問情報の管理・保管を行う部分であり、利用者の訪問履歴の保管処理を行う利用者訪問情報保管処理部205と対象となる位置情報を保管処理する対象位置情報保管処理部206から構成される。この対象位置情報保管処理部206はインターネット通信部203を利用し、図1に示す対象位置情報管理サーバ103より対象位置の情報を取得し、記憶部(不揮発性メモリ)に対象位置データ209として保管する。
利用者訪問情報保管処理部205はGPS情報取得部202より利用者の現在位置に関する情報を定期的に取得し、取得した現在位置が利用者訪問情報データ208に登録されている対象地域に入った場合、訪問の履歴情報を記憶部207に利用者訪問情報データとして保管する。
利用者が携帯電話端末101を用いてインターネット通販を行った際は、インターネット通販サイト側からの訪問履歴情報の提供依頼に応じて、利用者訪問情報保管処理部205が利用者訪問情報データ208を提供する。
【0012】
図3は、利用者訪問情報データ208のデータ構造の一例を示す図である。
301は本サービスの対象となる店舗・データを一意に示すIDである。本IDは対象位置データ209のデータ構造にある対象IDから取得される。
302は利用者が最後に対象地域を訪問した日を保管するデータ列である。
303は対象地域を何回訪問したかを累積するデータ列であり、訪問間隔が対象位置データ209の訪問間隔407(図4)で示す期間を超えた場合は1に初期化する。
【0013】
図4は、対象位置データ209のデータ構造の一例を示す図である。本データは対象位置情報管理サーバ103より取得される。
401は本サービスの対象となる地域・店舗を一意に決めるIDである。
402は対象地域もしくは対象店舗の名称である。
403は対象位置の緯度情報を示すデータ列である。
404は対象位置の経度情報を示すデータ列である。
405は403及び404で示された対象位置から緯度でプラスマイナスどれぐらいの範囲を対象位置と設定するかを示すデータ列である。
406は403及び404で示された対象位置から経度でプラスマイナスどれぐらいの範囲を対象位置と設定するかを示すデータ列である。
407は対象地域の累積訪問回数をカウントする際の訪問間隔の閾値を示すデータ列である。
【0014】
図5は、インターネット通販WEBサーバ102の構成を示すブロック図である。
図において、通信部501は携帯電話端末101との通信を行う。ユーザ管理部502は、インターネット通販WEBサイト利用者の個人情報(氏名、住所、電話番号、クレジット番号、利用履歴等)、位置情報による優待サービス利用の有無及び訪問履歴情報から構成されるユーザ情報データの管理処理を行う。ユーザ情報データは記憶部505に保管される。
商品管理部503は商品の価格・在庫数などの商品に関するデータを管理する。訪問履歴情報の有無による商品・サービスの違いは、商品503にて管理される。商品に関するデータは記憶部505に保管される。
課金管理部504は商品購入に関する決済処理を行う。
【0015】
図6は、ユーザ管理部502が管理するユーザ情報データ506のデータ構造の一例を示す図である。
601は利用者を一意に示すIDである。602〜606は利用者の個人情報である。これらの情報は既存のインターネット通販で利用されている情報と同様である。
607、608及び609は本実施形態に固有の情報である。
607は位置情報による優待サービス利用の有無を示すフラグである。1が利用、0が利用しない状態を示す。
608は利用者が対象となる地域もしくは店舗を最後に訪問した日付である。
609は利用者が対象となる地域もしくは店舗を訪問した回数である。607は個人情報入力の際、ユーザによって指定される。
608及び609は携帯電話端末101から取得される。
【0016】
図7は、商品データ507のデータ構造の一例を示す図である。
図において、701は商品を一意に示すIDである。702は商品名、703は商品の分類、704は標準価格を示すデータであり、これらは既存のインターネット通販で利用されている情報と同様である。705は訪問履歴がある利用者にのみ販売する商品であるか否かを示すデータである。1が設定されている場合、訪問履歴がある利用者にのみ販売する。706及び707は訪問履歴がある顧客に対する優待価格を決めるデータである。706は訪問回数を指定するデータであり、指定されたデータよりも訪問回数が多い場合、707の優待価格を提示する。706及び707は複数の条件が指定できるものとする。
図7の例では、商品ID=00000001の商品は、訪問履歴がある利用者に限定して販売され、訪問回数が1回以上の場合は4000円、10回以上の場合は3000円となる。商品ID=00000002の商品は、訪問履歴が無い利用者にも販売され、訪問履歴が無い場合は5000円、1回でも訪問したことがある利用者は4000円となる。商品ID=00000003の商品は、訪問履歴による優待が設定されていない。
【0017】
図8は、対象位置情報管理サーバ103の構成を示すブロック図である。
対象位置情報管理サーバ103は、携帯電話端末101に対して、対象地域の情報を提供するサーバである。
図において、通信部801は携帯電話端末101との通信を行う。対象位置情報管理部802は、本サービスの対象となる地域・店舗の位置に関する情報を管理する。対象位置に関する対象位置データ804は記憶部803に保管される。
【0018】
図9は、対象位置データ804に記録されているデータの一例を示す図である。
データの構造は、携帯電話端末101内の対象位置データ209のデータ構造と同等である。
図において、901は本サービスの対象となる地域・店舗を一意に決めるIDである。
902は対象地域もしくは対象店舗の名称である。
903は対象位置の緯度情報を示すデータ列である。
904は対象位置の経度情報を示すデータ列である。
905は903及び904で示された対象位置から緯度でプラスマイナスどれぐらいの範囲を対象位置と設定するかを示すデータ列である。
906は903及び904で示された対象位置から経度でプラスマイナスどれぐらいの範囲を対象位置と設定するかを示すデータ列である。
907は対象地域の累積訪問回数をカウントする際の訪問間隔の閾値を示すデータ列である。
携帯電話端末101と対象位置情報管理サーバ103は定期的に通信し、対象位置データ804の内容を206に同期する。
【0019】
図10は、携帯電話端末101が位置情報を取得する処理の流れを示すフローチャートである。
携帯電話端末101を利用して本通販サービスを初めて利用する際、対象位置情報管理サーバ103に対して、携帯電話端末101から対象位置情報管理サーバ103に対して位置情報の配信要求を行う(ステップ1001)。配信要求を受信した対象位置情報管理サーバ103は携帯電話端末101に対して位置情報を配信する(ステップ1002,1003)。
携帯電話端末101は配信された位置情報データ804を取得する(ステップ1005)。以後は、対象位置情報管理サーバ103にて位置情報の更新が行われた際、すなわちサービスを提供する実店舗が増えて、あるいは減少し、その位置情報が更新される都度(ステップ1006)、対象位置情報管理サーバ103から携帯電話端末101に対して、位置情報が送信される(ステップ1007)。
【0020】
図11は、携帯電話端末101が利用者の訪問情報を保管する処理の流れを示すフローチャートである。
携帯電話端末101はGPS情報取得部202により利用者の位置情報を定期的に確認し、利用者の現在位置が対象地域にある場合、当該地域の最終訪問日が本日であるか否かを確認し、本日である場合は当該地域の累積訪問回数を1日1回しかカウントしない様にする。すなわち、現在位置情報の取得間隔が所定の時間間隔を経過しているかを判定し(ステップ1101)、経過している場合、GPS情報取得部202により現在位置情報を取得する(ステップ1102)。そして、利用者の位置が携帯電話端末101に対象位置データ209として保管されている対象位置情報403,404、405,406で特定される対象地域内であるかを判定し(ステップ1103)、対象地域であった場合、最終訪問日302の日付が訪問間隔407で設定された期間より前であり、かつ訪問間隔407が“0”ではないことを判定し(ステップ1105)、そうであれば、当該対象地域へは訪問間隔407以上離れた過去に訪れたことになるので、訪問回数303を“1”に初期化する(ステップ1106)。しかし、最終訪問日302が訪問間隔407で設定された期間の範囲内に入っている場合には訪問間隔407で設定された期間(閾値期間)内に当該地域を再訪問していることになるので、訪問回数303に“1”をプラスする(ステップ1107)。最後に最終訪問日を本日の日付に更新し(ステップ1108)、利用者訪問情報の保管を終える。
【0021】
図12は、携帯電話端末101を用いてインターネット通販を利用する処理の流れを示すフローチャートである。
初めに、携帯電話端末101からインターネット通販のWEBサーバ102にアクセスしログインを行う(ステップ1201)。WEBサーバ102では利用者を特定し(ステップ1202)、特定されたならば、次にユーザ情報データ506の優待フラグ607が“0”であるか否かを確認する(ステップ1203)。“0”の場合は特別な処理を行わず、携帯電話端末101からの次の指示を待つ。
優待フラグ607が“1”であった場合、ユーザ情報データ506の最終訪問日608及び期間中訪問回数609を更新する為、WEBサーバ102から携帯電話端末101に対して利用者訪問情報データ208の送信要求を出す(ステップ1204)。送信要求を受けた携帯電話端末101は利用者訪問データをWEBサーバ102に対して送信する(ステップ1205,1206)。利用者訪問データを受信したWEBサーバ102はユーザ情報データ506の更新を行い(ステップ1207,1208)、携帯電話端末101からの次の指示を待つ。携帯電話端末101から商品の表示要求が出された場合は(ステップ1211)、ユーザ情報データ506の情報に基づいた商品情報を返信し、携帯電話端末101に表示させる(ステップ1210)。そして、WEBサーバ102は利用者による携帯電話端末101での商品購入操作が行われたならば、図7の商品データ507に基づいて、当該対象地域への訪問回数に応じた価格での決済を行い、処理を終了する。
【0022】
以上のように本実施形態によれば、インターネット通販により各種の商品を利用者に提供する場合に、その商品を提供している地域の店舗へ利用者が訪問したことがあるかを判定し、その訪問履歴に応じて、販売価格を下げる、あるいはおまけの商品を提供するなどの優待サービスを提供することが可能になる。
また、優待サービスを提供する期間を訪問間隔907を調整することによって任意に調整することができる。
さらに、優待サービスを提供する対象地域を任意に設定できる。
また、携帯電話端末では対象地域の実店舗を訪問した際に自動的に訪問履歴が保管されるので特別な操作を行う必要がない。
【0023】
したがって、例えば地域初のB級グルメを提供している地域の販売者は、当該地域の実店舗への訪問履歴に応じて商品の提供、また優待価格での提供を行うことが可能となり、地域特産の商品の希少価値が薄れるといったことを防止することができると共に、地域特産商品が有名になればなるほど当該地域への訪問者数を増やし、売り上げを向上させることができるといった顕著な効果を期待することができる。
【0024】
なお、上記実施形態においては、インターネット通販WEBサイトが設定した対象地域の実店舗と利用者の現住所との相対距離を考慮していないが、相対距離を考慮し、例えば対象地域の実店舗から遠い地域に住んでいる利用者ほど優待サービスの内容を良くするといったサービスを提供するように構成することが可能である。
この場合には、通販サーバは携帯電話端末に対して訪問履歴情報の送信要求時に利用者の現住所データまたは現住所の位置データを要求し、現住所情報またはその位置データを取得することになる。
また、対象地域内に住んでいる利用者に対しては優待サービスを提供する訪問回数の閾値を地域外の利用者より高く設定し、地域内住民だけが優待サービスを受ける機会が多くならないようにすることも可能である。
また、対象地域情報としては、実店舗の位置情報に限らず、地域内に存在する複数の実店舗を含む地域全体を示すものとするなど、優待サービスを提供する対象地域を任意に設定することができる。
また、優待サービスを提供する期間を訪問間隔の値を調整することによって任意に調整することができる。
【符号の説明】
【0025】
101 携帯電話端末
102 インターネット通販WEBサーバ
103 対象位置情報管理サーバ
201 携帯電話基本システム
202 GPS情報取得部
203 インターネット通信部
204 訪問情報管理システム
205 利用者訪問情報保管部
206 対象位置情報保管部
207 利用者訪問情報データ
208 対象位置データ
501 通信部
502 ユーザ管理部
503 商品管理部
504 課金管理部
505 記憶部
506 ユーザ情報データ
507 商品データ
801 通信部
802 対象位置情報管理部
803 記憶部
804 対象位置データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が保有する携帯電話端末と、この携帯電話端末に対して訪問履歴に応じたサービスを提供する実店舗の位置情報を対象店舗位置情報として提供する位置情報提供サーバと、前記携帯情報端末からの要求に応じて商品情報を提供し、かつ利用者の購入操作に応じて決済処理を行う通販サーバとから成る位置情報連動型優待サービス提供システムであって、
前記携帯電話端末が、
現在位置情報を取得する現在位置取得手段と、前記位置情報提供サーバから訪問履歴に応じたサービスを提供する対象店舗位置情報を取得し、現在位置が対象店舗の位置から所定範囲内であるかを判定し、所定範囲内であれば対象店舗への訪問回数を更新し、最終訪問日の情報と共に訪問履歴情報として内部の記憶手段に記憶させる手段と、
前記通販サーバが、
前記携帯電話端末からのアクセス時に、前記携帯電話端末に対して前記訪問履歴情報の送信を要求し、前記携帯電話端末を保有する利用者の前記対象店舗への訪問履歴情報を取得する手段と、取得した対象店舗への訪問履歴に応じて前記利用者が購入した商品に対して優待価格での決済処理を行う手段と、
を備えることを特徴とする位置情報連動型優待サービス提供システム。
【請求項2】
前記対象店舗位置情報は、対象となる複数の実店舗が存在する地域全体を示す位置情報とすることを特徴とする請求項1に記載の位置情報連動型優待サービス提供システム。
【請求項3】
前記通販サーバが、
前記携帯電話端末に対して前記訪問履歴情報の送信と共に利用者の現住所情報の送信を要求し、前記携帯電話端末を保有する利用者の前記対象店舗への訪問履歴情報と現住所情報を取得し、取得した対象店舗への訪問履歴と利用者の現住所に応じて前記利用者が購入した商品に対して優待価格での決済処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の位置情報連動型優待サービス提供システム。
【請求項4】
利用者が保有する携帯電話端末と、この携帯電話端末に対して訪問履歴に応じたサービスを提供する実店舗の位置情報を対象店舗位置情報として提供する位置情報提供サーバと、前記携帯情報端末からの要求に応じて商品情報を提供し、かつ利用者の購入操作に応じて決済処理を行う通販サーバとから成る位置情報連動型優待サービス提供システムにおけるサービス提供方法であって、
前記携帯電話端末が、
現在位置情報を取得するステップと、前記位置情報提供サーバから訪問履歴に応じたサービスを提供する対象店舗位置情報を取得し、現在位置が対象店舗の位置から所定範囲内であるかを判定し、所定範囲内であれば対象店舗への訪問回数を更新し、最終訪問日の情報と共に訪問履歴情報として内部の記憶手段に記憶させるステップと、
前記通販サーバが、
前記携帯電話端末からのアクセス時に、前記携帯電話端末に対して前記訪問履歴情報の送信を要求し、前記携帯電話端末を保有する利用者の前記対象店舗への訪問履歴情報を取得するステップと、取得した対象店舗への訪問履歴に応じて前記利用者が購入した商品に対して優待価格での決済処理を行うステップと、
を備えることを特徴とする位置情報連動型優待サービス提供システムにおけるサービス提供方法。
【請求項5】
前記対象店舗位置情報は、対象となる複数の実店舗が存在する地域全体を示す位置情報とすることを特徴とする請求項4に記載の位置情報連動型優待サービス提供システムにおけるサービス提供方法。
【請求項6】
前記通販サーバが、
前記携帯電話端末に対して前記訪問履歴情報の送信と共に利用者の現住所情報の送信を要求し、前記携帯電話端末を保有する利用者の前記対象店舗への訪問履歴情報と現住所情報を取得し、取得した対象店舗への訪問履歴と利用者の現住所に応じて前記利用者が購入した商品に対して優待価格での決済処理を行うことを特徴とする請求項4または5に記載の位置情報連動型優待サービス提供システムにおけるサービス提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−108694(P2012−108694A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256637(P2010−256637)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】