位置指示器、可変容量コンデンサ及び入力装置
【課題】筆圧検出部となる可変容量コンデンサの構成を簡略化すること。
【解決手段】位置指示器100の可変容量コンデンサ10は、誘電体1と、電極2と、導電部材3と、導電部4とを備えている。誘電体1は、上面1aと、その上面1aに対向する下面1bを有する。電極2は、誘電体1の上面1aに設けられている。導電部材3は、誘電体1の下面1bに対向して設けられ、外力により下面1bに接触するとともに弾性変形して電極2と対向する面積が変化する。導電部4は、誘電体1の下面1bに、導電部材3と電気的に接続可能に設けられている。
【解決手段】位置指示器100の可変容量コンデンサ10は、誘電体1と、電極2と、導電部材3と、導電部4とを備えている。誘電体1は、上面1aと、その上面1aに対向する下面1bを有する。電極2は、誘電体1の上面1aに設けられている。導電部材3は、誘電体1の下面1bに対向して設けられ、外力により下面1bに接触するとともに弾性変形して電極2と対向する面積が変化する。導電部4は、誘電体1の下面1bに、導電部材3と電気的に接続可能に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆圧を検出する場合に用いて好適な位置指示器、その筆圧を検出する可変容量コンデンサ及びこの位置指示器を備えて構成される入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ等の入力デバイスとして座標入力装置が用いられている。この座標入力装置は、例えば、ペン型に形成された位置指示器と、この位置指示器を用いて、ポインティング操作や文字及び図等の入力を行う入力面を有する位置検出装置から構成されている。
【0003】
そして、位置指示器の筆圧検出には、従来から特許文献1に記載されているような可変容量コンデンサが用いられている。また、特許文献2には、可変容量コンデンサにおいて、一方の面の電極を2分割して信号の取り出しを容易にできるようにした技術が開示されている。
【0004】
図16は、特許文献1に開示される可変容量コンデンサの具体的な構成を示すものである。この可変容量コンデンサ200は、略円盤状の誘電体201と、誘電体201の一の面201aに取り付けられた第1の電極202と、誘電体201の他の面201b側に配置された第2の電極203等を有している。第2の電極203は、可撓性を有しており、リング状のスペーサ204を介して誘電体201の他の面201b側に配設されている。また、第2の電極203における誘電体201と反対側には、弾性体205を介して棒状の芯体210が設けられている。
【0005】
第1の電極202の一面側には、第1の端子206が設けられている。第1の端子206は、円盤状のフランジ部206aと、このフランジ部206aの一面の略中央から延びるリード部206bから構成されている。フランジ部206aは、芯体210に筆圧が加わったときに第1の電極202の一面に接触し、該第1の電極202と電気的に接続される。
【0006】
第2の電極203の端部には、第2の端子207が設けられている。第2の端子207は、第1の端子206と同様に、円盤状のフランジ部207aと、このフランジ部207aの一面の略中央から延びるリード部207bから構成されている。フランジ部207aは、芯体210に筆圧が加わったときに第2の電極203の一面の端部に接触し、該第2の電極203と電気的に接続される。
【0007】
このような構成を有する可変容量コンデンサ200において、芯体210に圧力又は変位が全く加わらない状態(初期状態)では、誘電体201の他の面201bと電極203がスペーサ204によって離間されている(図16Aを参照)。そのため、両者の間には、スペーサ204の厚みに相当する空気層208が形成されることになる。したがって、このときの端子206、207間の容量値(初期容量)は、ほぼ誘電体201による容量と比誘電率1.0の空気層208による容量との直列合成容量となり、かなり小さいものとなる。
【0008】
一方、図16Bに示すように、芯体210に圧力が加わると、電極203が誘電体201側へ湾曲し、空気層208の厚さがスペーサ204の厚みより小さくなる。このとき、空気層208による容量は、その厚みに反比例して大きくなり、これに伴って端子206、207間の容量値も大きくなる。
【0009】
その後、図16Bに示すように、電極203が誘電体201の他の面201bに接触すると、端子206、207間の容量値は、電極203と誘電体201の他の面201bとの接触面積にほぼ比例して増加する。この第1及び第2の端子206,207間の容量値の変化を検出することにより、芯体210に加わる圧力(筆圧)が検出される。
【0010】
【特許文献1】特許第3150685号公報
【特許文献2】特開2001−319831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述の可変容量コンデンサの構成では、図16からも明らかなように、多数の部品が必要とされる。さらに、特許文献1に開示される可変容量コンデンサでは、全体の構成として2重のハウジング等が用いられる(特許文献1の第2図参照)ために、可変容量コンデンサの外形の直径を小さくすることが困難である。また、このような2重のハウジングの製造には精密成形を要し、その製造工程にはクリーンブースが要求されるなど、製造コスト上昇の要因となっている。
【0012】
これに対して、特許文献2に開示される可変容量コンデンサは、信号の取り出しを誘電体の一方の面から行うことによって、装置の簡略化を図ったものである。しかしながら、2分割された電極は、その間での容量成分の発生が避けられず、可変容量コンデンサとしての特性が十分に良好とは言えないものであった。
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、筆圧検出部となる可変容量コンデンサの構成を簡略化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の位置指示器は、筐体と、一端が筐体の外側に突出してその筐体に収納された略棒状の芯体と、芯体を介して加わる外力により電気容量が変化する可変容量コンデンサとを備えている。
そして、可変容量コンデンサは、少なくとも1つの誘電体と、電極と、導電部材と、導電部とを有している。誘電体は、第1の面と、その第1の面に対向する第2の面を有する。電極は、誘電体の第1の面に設けられている。導電部材は、誘電体の第2の面に対向して設けられ、外力により第2の面に接触するとともに弾性変形して電極と対向する面積が変化する。導電部は、誘電体の第2の面に、導電部材と電気的に接続可能に設けられている。
【0015】
本発明の可変容量コンデンサは、少なくとも1つの誘電体と、電極と、導電部材と、導電部とを備えている。誘電体は、第1の面と、その第1の面に対向する第2の面を有する。電極は、誘電体の第1の面に設けられている。導電部材は、誘電体の第2の面に対向して設けられ、外力により第2の面に接触するとともに弾性変形して電極と対向する面積が変化する。導電部は、誘電体の第2の面に、導電部材と電気的に接続可能に設けられている。
【0016】
本発明の入力装置は、位置指示器と位置検出装置とを備えている。位置指示器には、一端が筐体の外側に突出してその筐体に収納された略棒状の芯体と、芯体を介して加わる外力により電気容量が変化する可変容量コンデンサとが設けられている。位置検出装置は、位置指示器に設けた芯体の一端により指示される入力面を備え、芯体の一端が指示した位置を検出する。
そして、位置指示器の可変容量コンデンサは、少なくとも1つの誘電体と、電極と、導電部材と、導電部とを有している。誘電体は、第1の面と、その第1の面に対向する第2の面を有する。電極は、誘電体の第1の面に設けられている。導電部材は、誘電体の第2の面に対向して設けられ、外力により第2の面に接触するとともに弾性変形して電極と対向する面積が変化する。導電部は、誘電体の第2の面に、導電部材と電気的に接続可能に設けられている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、筆圧検出部となる可変容量コンデンサの構成を簡略化することができ、位置指示器の内径を小さくして小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図1〜図7を参照して本発明の一実施形態について説明する。まず、本発明に係る入力装置の実施形態例の構成について、図1を参照して説明する。
【0019】
入力装置400は、位置指示器100と、位置検出装置300から構成されている。位置指示器100は、位置検出装置300の上面300aに対向する位置で使用され、位置検出装置300は、位置指示器100の位置座標を検出する。この位置検出装置300は、パーソナルコンピュータ(図示せず)に接続できるようになっており、検出した位置指示器100の位置座標をパーソナルコンピュータに送信する。その結果、送信された位置指示器100の位置座標の情報に基づいて、パーソナルコンピュータにインストールされた各種ソフトウェアで絵を描いたり、文字を入力したりすることができる。
【0020】
位置指示器100は、可変容量コンデンサ10と、芯体11と、フェライトコア12と、位置指示コイル13と、リード線14と、回路基板15と、これらを収納する筐体16とを有している。筐体16は、例えばボールペンや鉛筆などのいわゆる筆記用具の外観形状と同様な形状に形成されている。
【0021】
可変容量コンデンサ10は、誘電体1と、電極2と、導電部材3と、導電部4とから構成される。誘電体1は、扁平な円柱状に形成されており、その軸心が筐体16の軸方向に沿って配置されている。電極2は、誘電体1の第1の面1a(以下、上面という)に設けられており、可変容量コンデンサ10を構成する一対の電極のうちの第1の電極を構成する。導電部4は、誘電体1の上面1aの反対側である第2の面1b(以下、下面という)に設けられている。
【0022】
導電部材3は、誘電体1の下面1bに対向するように設けられている。この導電部材3は、誘電体1の下面1bに設けられた導電部4に導通することにより、可変容量コンデンサ10を構成する一対の電極のうちの第2の電極を形成する。なお、可変容量コンデンサ10の構成及び動作の詳細については、後述する。
【0023】
芯体11は、例えば、シャープペンシルやボールペン等の筆記具の芯に相当する棒状の部材である。この芯体11は、使用者が位置指示器100を位置検出装置300上で使用したときに(例えば、文字等を筆記する操作)、その筆圧(圧力)を導電部材3に伝達する。
【0024】
芯体11は、貫通孔を有する円筒形状のフェライトコア12を貫通して設けられている。芯体11の一端は、略凸状に形成されており、筐体16の先端部16aから突出されて位置指示を行うペン先(指示部)11aを構成している。芯体11の他端には、導電部材3が設けられている。この芯体11は、筐体16の軸方向に力が加わったときに、矢印a方向に動くように筐体16内に設けられた支持部材(図示せず)によって支持されている。
【0025】
フェライトコア12の外周には、位置指示コイル13が巻き付けられている。この位置指示コイル13と、可変容量コンデンサ10と、回路基板15に実装された共振コンデンサ15aとによって共振回路が構成されている。この位置指示コイル13は、リード線14を介して共振コンデンサ15aに並列に接続されている。
【0026】
位置検出装置300は、位置指示器100に対して信号を送信すると共に、位置指示器100から送信されてきた信号を受信して、位置指示操作が行われた位置指示器100の位置を検出する。この位置検出装置300には、X軸方向及びY軸方向に所定の間隔で並べて配置された複数の位置検出コイル20が設けられている。
【0027】
位置検出装置300は、これらの複数の位置検出コイル20から順次任意の周波数の信号を位置指示器100に供給する。また、位置検出装置300は、位置指示器100の位置指示コイル13からの共振信号を複数の位置検出コイル20によって検出する。このとき、駆動した位置検出コイル20の位置と、検出された共振信号との大きさによって位置指示器100で指示した位置が検出される。また、位置指示器100に対して送信した信号の位相に対する位置指示器100の共振信号の位相の変化によって位置指示器100の芯体11に加えられた筆圧が検出される。
【0028】
次に、本発明を適用した可変容量コンデンサ10の第1の実施形態例の構成及び動作原理を図2に従って詳述する。図2Aは、本発明を適用した可変容量コンデンサ10の一実施形態の上面図であり、図2Bは、同じ実施形態例の側面図であり、図2Cは筆圧が加わったときの同じ実施形態例の側面図である。
【0029】
図2Aに示すように、誘電体1の上面1aには、電極2が所定の面積を有するように設けられている。この電極2は、回路基板15の共振コンデンサ15aに接続されている。また、誘電体1の下面1bには、導電部4が設けられ、第3の面1c(以下、周面という)には、接続端子部5が設けられている。本実施形態において、電極2と、導電部4および接続端子部5は、例えば、銀ペーストを焼結することにより形成されている。
【0030】
導電部4は、誘電体1の下面1bの中心から外枠まで延びる細長の長方形(線状)に形成されている。なお、誘電体1の下面1bの中心は、導電部材3が接触する位置となっている。そして、接続端子部5は、導電部4に連続して誘電体1の軸方向に延びるように形成されている。この接続端子部5は、回路基板15の共振コンデンサ15aに接続されている。つまり、導電部4は、接続端子部5を介して共振コンデンサ15aに電気的に接続されている。
【0031】
この導電部4には、導電部材3が所定の間隔をあけて対向される(図2Bを参照)。導電部材3は、誘電体1の下面1bに対向する一方の端部3aが略半球形(ドーム状)に形成されており、他方の端部が略棒状の略円柱体に形成されている。この導電部材3の他方の端部は、芯体11の一端に取り付けられている。そして、導電部材3は、芯体11に筆圧(圧力)が加えられると導電部4に接触し、芯体11に加えられた圧力が解除されると、導電部4から離れるようになっている。
【0032】
導電部材3は、導電性を有すると共に弾性変形可能な部材からなる。このような部材としては、例えば、シリコン導電ゴムや、加圧導電ゴム(PCR:Pressure sensitive Conductive Rubber)などを挙げることができる。かかる部材を使用することで、芯体11に加えられる筆圧(圧力)の増加に伴って、誘電体1の下面1bと導電部材3との接触面積が増加するようになっている。
【0033】
本発明に係る位置指示器に用いる導電部材は、その一方の端部3aが略半球状に形成されたもので説明しているが、この導電部材の形状はかかる形状に限定されるものではなく、例えば、芯体11に加えられる筆圧(圧力)の増加に伴って電極2と対向する面積が増加すればよい。
【0034】
次に、本発明を適用した可変容量コンデンサ10の動作について、図2B、図2C及び図2Dを参照して説明する。
【0035】
芯体11の他端であるペン先11aが位置検出装置300の上面300aに接触していない状態では、導電部材3は、導電部4から物理的に離れている(図2Bを参照)。
一方、芯体11のペン先11aが位置検出装置300の上面300aに接触すると、位置指示器100から位置検出装置300の上面300aに加えた力の応力が芯体11を介して導電部材3に伝わる。これにより、導電部材3が矢印a方向に移動し、その端部3aが導電部4に接触して導通する(図2Cを参照)。このとき、誘電体1の下面1bと導電部材3とが接触し、導電部材3の電極2に対向する面積が変化することにより、電極2と導電部材3との間の容量値が変化する。
【0036】
そして、例えば、使用者が筆圧を強く加えると、矢印a方向に加わる力が大きくなり、導電部材3は、誘電体1の下面1bに強く押しつけられて変形(扁平化)する(図2Dを参照)。その結果、導電部材3の電極2に対向する面積が増加し、電極2と導電部材3との間の容量値が増加する。電極2と導電部材3との間の容量値が変化すると、共振回路から送信される電波の位相が変化する。
【0037】
なお、ペン先11aが位置検出装置300の上面300aから離れると、導電部材3の弾性力と導電部材3及び芯体11の重さにより、導電部材3は、誘電体1の下面1b及び導電部4から離れて、もとの状態(図2Bを参照)に戻るようになっている。
【0038】
ところで、誘電体の比誘電率をεo、コンデンサの相対向する両電極間の距離をd、電極の面積をSとすると、コンデンサの容量Cは、
C=εo(S/d)
によって算出される。
【0039】
図2Bに示す状態において、導電部材3は、導電部4から物理的に離れており、導電部4と導通していない。したがって、電極の面積Sが0となり、可変容量コンデンサ10の容量は0となる。
そして、導電部材3と導電部4が接触した状態(図2Cを参照)の電極の面積、つまり、電極2と導電部材3が対向する面積をS1とすると、可変容量コンデンサ10の容量C1は、
C1=εo(S1/d)
となる。
【0040】
また、導電部材3が弾性変形した状態(図2Dを参照)の電極の面積をS2(S2>S1)とすると、可変容量コンデンサ10の容量C2は、
C2=εo(S2/d)
となる。
したがって、C2>C1となり、可変容量コンデンサ10の容量は、電極2と導電部材3が対向する面積に比例する。つまり、可変容量コンデンサ10の容量は、電極2と導電部材3が対向する面積に応じて変化することになる。
【0041】
本実施の形態では、導電部材3と導電部4を所定の間隔をあけて対向させる構成とした。つまり、芯体11のペン先11aが位置検出装置300の上面300aに接触していない状態では、導電部材3が導電部4から物理的に離れている。しかしながら、本発明に係る可変容量コンデンサ10としては、導電部材3と導電部4とを接触させた状態で対向させる構成としてもよい(図2C参照)。また、本発明に係る可変容量コンデンサ10としては、芯体11のペン先11aが位置検出装置300の上面300aに接触していない状態で導電部材3と誘電体1の下面1bが接触し、導電部材3と導電部4が接触していない構成としてもよい。
【0042】
次に、本発明を適用した位置指示器100及び位置検出装置300の具体的な実施形態例の回路構成について、図3を参照して説明する。図3は、位置指示器100及び位置検出装置300の回路構成例を示すブロック図である。
【0043】
位置指示器100は、位置指示コイル13と、この位置指示コイル13に接続された可変容量コンデンサ10と、この可変容量コンデンサ10に並列に接続される共振コンデンサ15aからなる共振回路17によって現される。
【0044】
一方、位置検出装置300には、X軸方向ループコイル群21aと、Y軸方向ループコイル群21bとを積層させて設けることにより、位置検出コイル20が形成されている。各ループコイル群21a,21bは、例えば、それぞれ40本の矩形のループコイルからなっている。各ループコイル群21a,21bを構成する各ループコイルは、等間隔に並んで順次重なり合うように配置されている。
【0045】
また、位置検出装置300には、X軸方向ループコイル群21a及びY軸方向ループコイル群21bが接続される選択回路22が設けられている。この選択回路22は、2つのループコイル群21a,21bのうちの一のループコイルを順次選択する。
【0046】
さらに、位置検出装置300には、発振器23と、電流ドライバ24と、切り替え接続回路25と、受信アンプ26と、検波器27と、低域フィルタ28と、S/H回路29と、A/D変換回路30と、同期検波器31と、低域フィルタ32と、A/D変換回路34と、処理部35とが設けられている。
【0047】
発振器23は、周波数f0の交流信号を発生し、電流ドライバ24と同期検波器31に供給する発信器である。電流ドライバ24は、発信器23から供給された交流信号を電流に変換して切り替え接続回路25へ送出する。切り替え接続回路25は、選択回路22によって選択されたループコイルが、後述する処理部35からの制御により、接続される接続先(送信側端子T、受信側端子S)を切り替える。この接続先のうち、送信側端子Tには電流ドライバ24が、受信側端子Rには受信アンプ26がそれぞれ接続されている。
【0048】
選択回路22に選択されたループコイルに発生する誘導電圧は、選択回路22及び切り替え接続回路25を介して受信アンプ26に送られる。受信アンプ26は、ループコイルから供給された誘導電圧を増幅し、検波器27及び同期検波器31へ送出する。
【0049】
検波器27は、ループコイルに発生した誘導電圧、すなわち受信信号を検波し、低域フィルタ28へ送出する。低域フィルタ28は、前述した周波数f0より充分低い遮断周波数を有しており、検波器27の出力信号を直流信号に変換してS/H(Sample Hold)回路29へ送出する。S/H回路29は、低域フィルタ28の出力信号の所定のタイミング、具体的には受信期間中の所定のタイミングにおける電圧値を保持し、A/D(Analog to Digital)変換回路30へ送出する。A/D変換回路30は、S/H回路29の出力をアナログ・ディジタル変換し、処理部35に出力する。
【0050】
一方、同期検波器31は、受信アンプ26の出力信号を発振器23からの交流信号で同期検波し、それらの間の位相差に応じたレベルの信号を低域フィルタ32に送出する。この低域フィルタ32は、周波数f0より充分低い遮断周波数を有しており、同期検波器31の出力信号を直流信号に変換してS/H(Sample Hold)回路33に送出する。このS/H回路33は、低域フィルタ32の出力信号の所定のタイミングにおける電圧値を保持し、A/D(Analog to Digital)変換回路34へ送出する。A/D変換回路34は、S/H回路33の出力をアナログ・ディジタル変換し、処理部35に出力する。
【0051】
処理部35は、位置検出装置300の各部を制御する。すなわち、処理部35は、選択回路22におけるループコイルの選択、切り替え接続回路25の切り替え、S/H回路29、33のタイミングを制御する。処理部35は、A/D変換回路30、34からの入力信号に基づき、X軸方向ループコイル群21a及びY軸方向ループコイル群21bから一定の送信継続時間をもって電波を送信させる。
【0052】
X軸方向ループコイル群21a及びY軸方向ループコイル群21bの各ループコイルには、位置指示器100から送信される電波によって誘導電圧が発生する。処理部35は、この各ループコイルに発生した誘導電圧の電圧値のレベルに基づいて位置指示器100のX軸方向及びY軸方向の指示位置の座標値を算出する。また、処理部35は、送信した電波と受信した電波との位相差に基づいて筆圧を検出する。
【0053】
次に、処理部35における処理の流れに沿った位置検出装置300の動作について、図4を参照して説明する。図4は、処理部35における処理の流れを示す図である。
【0054】
まず、処理部35は、X軸方向ループコイル群21aの各ループコイルを順次走査・選択(以下、この順次走査・選択をグローバルスキャンする)する(ステップS1)。
【0055】
このグローバルスキャンを具体的に説明すると、処理部35は、初めに、選択回路22にX軸方向ループコイル群21aのうちの1番目のループコイル、例えばX1を選択する情報を送出するとともに、切り替え接続回路25に送信側を選択する信号を送出する。これにより、発振器23からループコイルX1に周波数f0の正弦波信号が供給され、ループコイルX1が周波数f0の電波を発生する。このとき、位置検出装置300の上面300aに位置指示器100が接近或いは接触していると、ループコイルX1から発生した電波が、位置指示コイル13を有する共振回路17を励振する。その結果、共振回路17には、周波数f0の誘導電圧が発生する。
【0056】
処理部35は、切り替え接続回路25に送信側端子Tを選択する信号を所定の一定時間送出すると、切り替え接続回路25に受信側端子Rを選択する信号を送出し、ループコイルX1より発生する電波を消滅させる。この際、位置指示器100の共振コンデンサ15a及び可変容量コンデンサ10を有する共振回路17に発生した誘導電圧は、その損失に応じて徐々に減衰し、共振回路17が周波数f0の電波を発信する。この電波は、前述のループコイルX1を逆に励振し、ループコイルX1に誘導電圧を発生させる。
【0057】
処理部35は、切り替え接続回路25に受信側端子Rを選択する信号を一定時間送出すると、選択回路22にX軸方向ループコイル群21aのうちの2番目のループコイル、例えばループコイルX2を選択する情報を切り替え接続回路25に送出する。その後、処理部35が切り替え接続回路25に受信側端子Rを選択する信号を送出することにより、前述と同様な電波の送受信を行う。
【0058】
以下、処理部35が同様の処理を実行することにより、X軸方向ループコイル群21aのうちの3番目から40番目までのループコイル、例えばループコイルX3〜X40が順次走査・選択される。その結果、ループコイルX3〜X40において、電波の送受信が行われる。
【0059】
なお、ステップS1の処理において、処理部35は、X軸方向ループコイル群21aの全てのループコイルを選択することなく、選択するループコイルを1つ置き、2つ置き、というように適当に間引いてもよい。また、一のループコイルに対する電波の送受信を複数回行うようにしてもよい。さらに、各ループコイルに対する送信時間、並びに各ループコイルに対する受信時間は等しくなければならないが、送信時間と受信時間は必ずしも同一でなくてもよい。
【0060】
前述した受信期間中にX軸方向ループコイル群21aのループコイルに発生した誘導電圧、すなわち受信信号は、検波器27で検波されて直流信号に変換され、低域フィルタ28で平滑化される。そして、S/H回路29によって所定のタイミングでホールドされ、A/D変換回路30を介することにより、電圧値として処理部35へ送出される。
【0061】
図5は、前述したX軸グローバルスキャン動作(図4のステップS1)における各部の波形の一例を示すものである。図5において、(a)は位置検出コイル20から送信される電波、(b)は共振回路17に発生した誘導電圧、(c)は位置検出装置300が受信した受信信号、(d)はS/H回路29の出力信号を示している。
【0062】
ここで、S/H回路29の出力レベルは位置指示器100とループコイルとの間の距離に依存した値となる。そのため、処理部35は、S/H回路29の出力レベルの最大値が予め設定した一定値以上であるか否かを判別し(ステップS2)、位置指示器100が位置検出装置300の有効読取り高さ内にあるか否かを判定する。
【0063】
ステップS2の処理において、S/H回路29の出力レベルの最大値が予め設定した一定値以上ではない、つまり、位置指示器100が有効読取り高さ内にないと判定した場合(ステップS2の“no”)、処理部35は、処理をステップS1に戻す。
一方、位置指示器100が有効読取り高さ内にあると判定した場合(ステップS2の“yes”)、処理部35は、各ループコイルX1〜X40のうち最大値が得られたループコイル(以下、ピークコイルと称す。)を抽出し、その番号(本例では「X7」)を記憶する(ステップS3)。
【0064】
次に、処理部35は、Y軸方向ループコイル群21bの各ループコイルを順次走査・選(グローバルスキャン)し(ステップS4)、Y軸方向ループコイル群21bの各ループコイルにおける電波の送受信を行う。
図6は、Y軸グローバルスキャン動作における各部の波形の一例を示すものである。図6において、(a)、(b)、(c)、(d)に示す各信号は図5の(a)、(b)、(c)、(d)に示す信号と同様の信号である。
【0065】
次に、処理部35は、各ループコイルY1〜Y40のうち最大値が得られたループコイル(以下、ピークコイルと称す。)を抽出し、その番号(本例では「Y5」)を記憶する(ステップS5)。
【0066】
次に、処理部35は、X軸方向ループコイル群21aのうちのピークコイルを中心として、そのピークコイルに隣接する所定の数のループコイル、例えば5つのループコイルについて電波の送受信を行う。この電波の送受信において、電波を送信するとき、すなわち切り替え接続回路25で送信側端子Tを選択するときには、処理部35が常にピークコイル(本例では「ループコイルX7」)を選択する。一方、電波を受信するとき、すなわち切り替え接続回路25で受信側端子Rを選択するときには、処理部35は、ループコイル(本例では5つ)を番号の小さい方から大きい方(又は大きい方から小さい方)へ順次走査・選択(セクタスキャン)する(ステップS6)。
【0067】
X軸セクタスキャン動作が終了すると、処理部35は、Y軸方向ループコイル群21bのうちのピークコイルを中心とする所定の数、例えば5つのループコイルについて電波の送受信を行う。この電波の送受信において、電波を送信するとき、すなわち切り替え接続回路25で送信側端子Tを選択するときには、処理部35が常にピークコイル(本例では「ループコイルY5」)を選択する。一方、電波を受信するとき、すなわち切り替え接続回路25で受信側端子Rを選択するときには、処理部35は、ループコイル(本例では5つ)を番号の小さい方から大きい方(又は大きい方から小さい方)へ順次走査・選択(セクタスキャン)する(ステップS7)。
【0068】
図7は、X軸セクタスキャン動作及びY軸セクタスキャン動作における各部の波形の一例を示すものである。図7において、(a)、(b)、(c)、(d)に示す各信号は図5の(a)、(b)、(c)、(d)に示す信号と同様の信号である。
【0069】
Y軸セクタスキャン動作が終了すると、処理部35は、ステップS6,S7の処理で得られた誘導電圧の最大値が予め設定した一定値以上か否かを判別し(ステップS8)、位置指示器100が位置検出装置300の有効読取り高さ内にあるか否かを判定する。
【0070】
ステップS8の処理において、S/H回路29の出力レベルの最大値が予め設定した一定値以上ではない、つまり、位置指示器100が有効読取り高さ内にないと判定した場合(ステップS8の“no”)、処理部35は、処理をステップS1に戻す。
一方、位置指示器100が有効読取り高さ内にあると判定した場合(ステップS8の“yes”)、処理部35は、最大の誘導電圧が得られたX軸方向のピークコイル及びY軸方向のピークコイルを抽出し、それぞれの番号を記憶する(ステップS9)。
【0071】
次に、処理部35は、X軸方向及びY軸方向のセクタスキャン毎にレベルの大きい順に複数、例えば3つの誘導電圧をそれぞれ抽出し、これらの信号に基づいて位置指示器100による指示位置のX軸方向及びY軸方向の座標値を求める(ステップS10)。このX軸方向及びY軸方向の座標値は、本出願人が先に出願した特許第2131145号で述べているような周知の座標計算を実行することにより算出することができる。
【0072】
次に、処理部35は、送信した電波と受信した電波の位相差に応じた信号のレベルから筆圧を検出する(ステップS12)。以下、位置指示器100が有効読取り高さ内にあり続ける限り、処理部35は、ステップS6〜S11の処理を繰り返し、有効読取り高さ内にないと判定した場合にステップS1の処理に復帰する。
【0073】
このように、位置検出装置300では、接近した位置指示器100の位置を処理部35で検出することができる。しかも、受信した信号の位相を検出することにより、位置指示器100の筆圧値の情報を得ることができる。
【0074】
上述した実施形態例において、筆圧検出部となる可変容量コンデンサ10は、誘電体1と、誘電体1の上面1aに配置された電極2と、誘電体1の下面1bに配置された導電部4と、導電部4に対向して設けられた導電部材3とによって構成される。このような構成によれば、従来の可変容量コンデンサ(図16を参照)に比べて部品点数を削減することができ、その構成を極めて簡略化することができる。
【0075】
また、従来の構成では付帯的に必要であった端子206、207(図16を参照)のような構成要素が不要となり、従来は7mm程度あった可変容量コンデンサの直径を、例えば5mm程度とすることができる。なお、位置指示器100の内径を従来と同じ9mmにする場合には、余裕となる2mmの部分に補強材や緩衝材を設けることができ、位置指示器100の耐久性能や、耐衝撃性能を向上させることができる。
【0076】
図8は、位置指示器100に設けられる共振回路の第2実施形態例を示す説明図である。この共振回路18は、位置指示コイル13と、可変容量コンデンサ10によって構成されている。共振回路の第1実施形態例である共振回路17(図3を参照)では、可変容量コンデンサ10と共振コンデンサ15aを並列に接続して並列共振回路を構成した。しかしながら、本発明に係る共振回路としては、図8に示すように、コンデンサとして可変容量コンデンサ10だけを用いて構成することもできる。
【0077】
次に、誘電体1に設けられる電極と、導電部および接続端子部の形状例について、図9を参照して説明する。図9Aは、誘電体1の上面1aに設けられる電極の形状例を示している。また、図9Bは、誘電体1の周面1cに設けられる接続端子部の形状例を示し、図9Cは、誘電体1の下面1bに設けられる導電部の形状例を示している。
【0078】
まず、誘電体1の上面1aに設けられる電極の形状例について説明する。本発明に係る電極としては、例えば、誘電体1の上面1aの略全体を占有するような円形の電極2A(図9A1を参照)と、誘電体1の上面1aの略半分を占有するような半円形の電極2B(図9A2を参照)を挙げることができる。なお、この誘電体1の上面1aに設けられる電極の形状は、円形および半円形に限定されるものではなく、例えば、楕円形、三角形や四角形などの多角形など各種の形状を適用することができる。
【0079】
次に、誘電体1の周面1cに設けられる接続端子部の形状例について説明する。この接続端子部としては、幅の広い接続端子部5A(図9B1を参照)と、幅の狭い接続端子部5B(図9B2を参照)を挙げることができる。例えば、接続端子部5Aは、幅方向(誘電体1の周方向)の長さが0.5〜1.0mmに設定されており、接続端子部5Bは、幅方向の長さが0.2mmに設定されている。
【0080】
図10は、電極2A,2Bおよび接続端子部5A,5Bを適用した場合における可変容量コンデンサ10の初期容量およびQ(クオリティファクタ)の値を示す説明図である。
【0081】
図10に示すように、誘電体1の上面1aに設けられる電極が同じ形状(電極2A)ならば、周面1cに接続端子部5Aを設けた場合よりも周面1cに接続端子部5Bを設けた場合の方が初期容量は小さくなる。したがって、接続端子部の幅方向の長さが短く、接続端子部の面積が小さくなるほど、誘電体1の上面1aに設けられる電極と、誘電体1の下面1bに設けられる導電部との間の初期容量を小さくすることができる。
【0082】
次に、誘電体1の下面1bに設けられる導電部の形状例について説明する。この導電部としては、例えば、導電部4A(図9C1を参照)と、導電部4B(図9C2を参照)と、導電部4C(図9C3を参照)と、導電部4D(図9C4を参照)を挙げることができる。
【0083】
導電部4A(パターン1)は、誘電体1の半径方向に延びる細長の長方形からなっている。この導電部4Aの長辺は、下面1bの外枠から中心に達する長さ(誘電体1の半径と同じ長さ)に設定されている。導電部4B(パターン2)は、導電部4Aと同様に、誘電体1の半径方向に延びる細長の長方形からなっている。この導電部4Bの長辺は、下面1bの外枠から中心を越えた位置に達する長さ(誘電体1の半径よりも長い長さ)に設定されている。
【0084】
導電部4C(パターン3)は、誘電体1の中心に設けられた円形部4C1と、この円形部4C1に連続して下面1bの外枠まで延びる細長の長方形部4C2からなっている。また、導電部4D(パターン4)は、誘電体1の半径方向に延びる細長の長方形からなっている。この導電部4Dは、下面1bの外枠から中心よりも手前の位置に達する長さ(誘電体1の半径よりも短い長さ)に設定されている。
【0085】
本実施形態では、導電部材3の中心軸が誘電体1の中心に一致するように構成されている。そのため、導電部として導電部4A〜4Cの何れかを適用すると、導電部材3は、弾性変形する前に適用した導電部4A,4B,4Cに接触するようになる。
一方、導電部として導電部4Dを適用すると、導電部材3は、まず、誘電体1の下面1bに接触し、その後、誘電体1の下面1bに押しつけられて弾性変形することにより、導電部4Dに接触するようになる。
【0086】
図11は、導電部4A〜導電部4Dにおける筆圧レベル対荷重特性を示すグラフである。図11に示すように、導電部4A(パターン1)では、荷重に対してリニアな特性が得られる。導電部4B(パターン2)では、リニアな特性が多少鈍ったものになる。一方、導電部4C(パターン3)では、荷重が所定値に達するまで筆圧レベルの出力が0となる特性となる。これは、導電部材3の電極2に対向する面積が、導電部4Cよりも大きくなるまで導電部4Cが第2の電極として作用するからである。また、導電部4D(パターン4)では、荷重が所定値に達したときに、筆圧レベルの任意の初期値が出力される特性となる。これは、導電部材3の電極2に対向する面積が所定の大きさになるまで導電部材3が導電部4に接触しないからである。
【0087】
上述したように、導電部の形状を変えることによって種々の特性を得ることができる。このような特性の違いは、位置指示器を使用する際の使用者の筆圧の掛け方の違い、いわゆる書き味の違いとして用いることができる。したがって、導電部の形状を変えることにより、用途に応じた書き味の異なる複数種類の位置指示器を提供することができ、位置指示器の選択の幅を広げるという作用効果を奏することができる。
【0088】
次に、誘電体1の上面1aに設けられる電極と誘電体1の下面1bに設けられる導電部との組合せについて、図12および図13を参照して説明する。図12は、電極と導電部との第1の組合せを示す説明図、図13は、電極と導電部との第2の組合せを示す説明図である。
【0089】
図12に示すように、電極と導電部との第1の組合せは、上述した電極2Bおよび導電部4Aから構成されている。誘電体1の下面1bに設けられた導電部4Aは、誘電体1の上面1aと下面1bとが対向する方向で電極2Bと重ならないように配置されている。つまり、電極2Bと導電部4Aとは、誘電体1の上面1aと下面1bとが対向する方向に重なり合わないように配置されている。このように、電極2Bと導電部4Aを互いに重なり合わない位置に配置することにより、電極2B(第1の電極)と導電部材3(第2の電極)との間の初期容量を小さくすることができる。
【0090】
図13に示すように、電極と導電部との第2の組合せは、電極2Cと、上述した導電部4Bから構成されている。電極2Cは、誘電体1の上面1aの略半分を占有するような半円形に、半径方向に延びる切り欠き2dを設けることにより、略コ字状に形成されている。 一方、導電部4Bの一端部4B1は、誘電体1の上面1aと下面1bとが対向する方向で電極2Cの切り欠き2dと重なっている。そして、導電部4Bの他端部B2は、電極2Cが設けられていない半面と重なっている。したがって、電極2Cと導電部4Bは、誘電体1の上面1aと下面1bとが対向する方向に重なり合わないように配置されている。このような第2の組合せの場合においても、第1の組合せ(図12を参照)と同様に、電極2C(第1の電極)と導電部材3(第2の電極)との間の初期容量を小さくすることができる。
【0091】
次に、本発明に係る誘電体の第2の実施形態について、図14を参照して説明する。図14は、本発明に係る誘電体の第2の実施形態を示す斜視図である。
【0092】
図14に示すように、誘電体51は、第1の誘電部材51Aと、第2の誘電部材51Bを備えている。2つの誘電部材51A,51Bは、扁平な円柱体を軸方向に2つに分割した同一の形状とされている。つまり、2つの誘電部材51A,51Bを平面方向に並べて配置することにより、扁平な円柱体の誘電体51が形成される。
【0093】
第1の誘電部材51Aの第1の面(以下、上面という)52には、電極56Aが設けられている。この電極56Aは、第1の誘電部材51Aの上面52の略全体を占有するような半円形に形成されている。さらに、第1の誘電部材51Aには、導電部(図示せず)と接続端子部(図示せず)が設けられている。導電部は、第1の誘電部材51Aの第2の面53(以下、下面という)に設けられ、接続端子部は、第1の誘電部材51Aの周面54に設けられている。第1の誘電部材51Aの下面53に配置される導電部には、導電部材3(図1を参照)が対向される。
【0094】
また、第2の誘電部材51Bの第1の面(以下、上面という)55には、電極56Bが設けられている。この電極56Bは、第2の誘電部材51Bの上面55の略全体を占有するような半円形に形成されている。
【0095】
なお、本実施形態では、導電部および接続端子部を、第1の誘電部材51Aに設ける構成としたが、第2の誘電部材51Bに導電部および接続端子部を設ける構成としてもよい。また、本実施形態では、2つの誘電部材51A,51Bによって誘電体51を構成したが、本発明に係る誘電体としては、第1実施形態(図2Aを参照)のように1つの誘電部材によって構成してもよく、また、3つ以上の誘電部材によって構成してもよい。
【0096】
このような誘電体51を用いた可変容量コンデンサ、位置指示器、入力装置においても、第1実施形態例の誘電体1を用いた場合と同様の効果を得ることができる。つまり、電極56A,56Bに対向する導電部材の面積を変化させることにより、電極56A,56Bと導電部材(第2の電極)との間の容量値を変化させことができる。また、筆圧検出部となる可変容量コンデンサの構成を簡略化し、位置指示器の内径を小さくすることができる。
【0097】
次に、本発明に係る位置指示器の第2の実施形態について、図15を参照して説明する。図15は、本発明に係る位置指示器の第2の実施形態を示す電気回路図である。なお、この図15の説明において、図3と対応する部分には、図3と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0098】
位置指示器101は、位置検出装置300に設けられた位置検出コイル20(図3を参照)から送出されるf0の周波数で共振する共振回路36を有している。この共振回路36は、位置指示コイル13と共振コンデンサ15aとによって構成されている。また、位置指示器101の回路基板15(図1を参照)には、周知のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)技術による集積回路(IC:Integrated Circuit)37が配置される。この集積回路37は、ダイオード38とコンデンサ39とから構成される駆動電源によって駆動される。
【0099】
このダイオード38は、共振回路36に接続されている。そして、このダイオード38には、位置検出コイル20から供給される励磁信号に基づいて共振回路36に発生する交流電圧が印加される。この交流電圧は、ダイオード38とコンデンサ39とによって整流され、さらに直流に変換されて、集積回路37の駆動電源とされる。また、共振回路36に発生した信号は、コンデンサ40を介して集積回路37にも供給される。この集積回路37は、コンデンサ40を介して供給される信号に基づいて、位置指示器101と位置検出装置300との間で信号の送受信を行うために使用されるクロック信号及び筆圧検出のためのクロック信号を生成する。
【0100】
可変容量コンデンサ10は、上述したように、芯体11(図1を参照)に加えられる筆圧によってその容量が変化する。この可変容量コンデンサ10は、抵抗(図示せず)と接続されて時定数回路を構成している。したがって、可変容量コンデンサ10の容量が筆圧に応じて変化すると、時定数回路の時定数が変化する。そして、この時定数は、集積回路37で、所定のビット数、例えば8ビットの筆圧値に変換される。
【0101】
このようにして求められた筆圧データ(8ビットの筆圧値)は、前述した位置検出装置300と位置指示器101との間の信号の送受信に供されるクロック信号に同期して1ビットずつ集積回路37から出力される。この出力により、集積回路37は、共振回路36に並列的に接続されたスイッチ15bのON/OFFの切替を制御する。したがって、このスイッチ15bがオフの際には、位置検出装置300が位置指示器101からの信号を検出する。そして、スイッチ15bがオンの際には、共振回路36が短絡されるため、位置指示器101から送出された信号は、位置検出装置300で検出できない。
【0102】
これにより、位置検出装置300は、位置検出コイル20から一定時間、位置指示器101に電力を供給するための励磁信号を送信し、その後、位置指示器101から送出される信号を検出することで、芯体11に加えられる筆圧を求めることができる。
【0103】
本実施形態の位置指示器101においても、可変容量コンデンサ10を適用することにより、筆圧検出部となる可変容量コンデンサ10の構成を簡略化して、筐体16(図1を参照)の内径を小さくすることができる。
【0104】
以上説明したように、本発明の可変容量コンデンサ、位置指示器、入力装置および圧力検出方法によれば、筆圧検出部となる可変容量コンデンサの構造を簡略化することができ、位置指示器の内径の小型化に貢献することができる。また、誘電体の第2の面(下面)に設けられる導電部の形状と、その位置を適宜に設定することで、筆圧レベル対荷重特性を調整することができる。その結果、使用したときの感触(書き味)が異なる複数種類の位置指示器を用意することができ、位置指示器の選択の幅を広げることができる。
【0105】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明を適用した入力装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明を適用した可変容量コンデンサの第1の実施形態例を示す構成図である。
【図3】本発明を適用した位置指示器及び位置検出装置の回路構成の模式的なブロック図である。
【図4】本発明を適用した入力装置に係る位置検出装置の処理部による処理の流れ図である。
【図5】本発明を適用した入力装置に係る位置検出装置のX軸グローバルスキャン動作における各部の波形の一例を示す図である。
【図6】本発明を適用した入力装置に係る位置検出装置のY軸グローバルスキャン動作における各部の波形の一例を示す図である。
【図7】本発明を適用した入力装置に係る位置検出装置のX軸セクタスキャン動作及びY軸セクタスキャン動作における各部の波形の一例を示す図である。
【図8】本発明を適用した位置指示器に設けられる共振回路の第2の実施形態例を示す説明図である。
【図9】本発明を適用した可変容量コンデンサの電極、導電部および接続端子部の形状例を示す説明図である。
【図10】本発明を適用した可変容量コンデンサの電極および接続端子部の形状と初期容量およびQ(クオリティファクタ)の値との関係を示す説明図である。
【図11】本発明を適用した可変容量コンデンサの導電部の形状によって変化する筆圧レベル対荷重特性を示すグラフである。
【図12】本発明を適用した可変容量コンデンサにおける電極と導電部との第1の組合せを示す説明図である。
【図13】本発明を適用した可変容量コンデンサにおける電極と導電部との第2の組合せを示す説明図である。
【図14】本発明を適用した可変容量コンデンサに係る誘電体の第2の実施形態例を示す斜視図である。
【図15】本発明を適用した位置指示器の第2の実施形態例を示す電気回路図である。
【図16】従来の可変容量コンデンサを示す説明図である。
【符号の説明】
【0107】
1…誘電体、1a…上面(第1の面)、1b…下面(第2の面)、1c…周面(第3の面)、 2…電極(第1の電極)、3…導電部材、4…導電部、5…接続端子部、10…可変容量コンデンサ、11…芯体、12…フェライトコア、13…位置指示コイル、14…リード線、 15…回路基板、15a…共振コンデンサ、16…筐体、17,18…共振回路、20… 位置検出コイル、100…位置指示器、300…位置検出装置、300a… 上面(入力面)、400…入力装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆圧を検出する場合に用いて好適な位置指示器、その筆圧を検出する可変容量コンデンサ及びこの位置指示器を備えて構成される入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ等の入力デバイスとして座標入力装置が用いられている。この座標入力装置は、例えば、ペン型に形成された位置指示器と、この位置指示器を用いて、ポインティング操作や文字及び図等の入力を行う入力面を有する位置検出装置から構成されている。
【0003】
そして、位置指示器の筆圧検出には、従来から特許文献1に記載されているような可変容量コンデンサが用いられている。また、特許文献2には、可変容量コンデンサにおいて、一方の面の電極を2分割して信号の取り出しを容易にできるようにした技術が開示されている。
【0004】
図16は、特許文献1に開示される可変容量コンデンサの具体的な構成を示すものである。この可変容量コンデンサ200は、略円盤状の誘電体201と、誘電体201の一の面201aに取り付けられた第1の電極202と、誘電体201の他の面201b側に配置された第2の電極203等を有している。第2の電極203は、可撓性を有しており、リング状のスペーサ204を介して誘電体201の他の面201b側に配設されている。また、第2の電極203における誘電体201と反対側には、弾性体205を介して棒状の芯体210が設けられている。
【0005】
第1の電極202の一面側には、第1の端子206が設けられている。第1の端子206は、円盤状のフランジ部206aと、このフランジ部206aの一面の略中央から延びるリード部206bから構成されている。フランジ部206aは、芯体210に筆圧が加わったときに第1の電極202の一面に接触し、該第1の電極202と電気的に接続される。
【0006】
第2の電極203の端部には、第2の端子207が設けられている。第2の端子207は、第1の端子206と同様に、円盤状のフランジ部207aと、このフランジ部207aの一面の略中央から延びるリード部207bから構成されている。フランジ部207aは、芯体210に筆圧が加わったときに第2の電極203の一面の端部に接触し、該第2の電極203と電気的に接続される。
【0007】
このような構成を有する可変容量コンデンサ200において、芯体210に圧力又は変位が全く加わらない状態(初期状態)では、誘電体201の他の面201bと電極203がスペーサ204によって離間されている(図16Aを参照)。そのため、両者の間には、スペーサ204の厚みに相当する空気層208が形成されることになる。したがって、このときの端子206、207間の容量値(初期容量)は、ほぼ誘電体201による容量と比誘電率1.0の空気層208による容量との直列合成容量となり、かなり小さいものとなる。
【0008】
一方、図16Bに示すように、芯体210に圧力が加わると、電極203が誘電体201側へ湾曲し、空気層208の厚さがスペーサ204の厚みより小さくなる。このとき、空気層208による容量は、その厚みに反比例して大きくなり、これに伴って端子206、207間の容量値も大きくなる。
【0009】
その後、図16Bに示すように、電極203が誘電体201の他の面201bに接触すると、端子206、207間の容量値は、電極203と誘電体201の他の面201bとの接触面積にほぼ比例して増加する。この第1及び第2の端子206,207間の容量値の変化を検出することにより、芯体210に加わる圧力(筆圧)が検出される。
【0010】
【特許文献1】特許第3150685号公報
【特許文献2】特開2001−319831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述の可変容量コンデンサの構成では、図16からも明らかなように、多数の部品が必要とされる。さらに、特許文献1に開示される可変容量コンデンサでは、全体の構成として2重のハウジング等が用いられる(特許文献1の第2図参照)ために、可変容量コンデンサの外形の直径を小さくすることが困難である。また、このような2重のハウジングの製造には精密成形を要し、その製造工程にはクリーンブースが要求されるなど、製造コスト上昇の要因となっている。
【0012】
これに対して、特許文献2に開示される可変容量コンデンサは、信号の取り出しを誘電体の一方の面から行うことによって、装置の簡略化を図ったものである。しかしながら、2分割された電極は、その間での容量成分の発生が避けられず、可変容量コンデンサとしての特性が十分に良好とは言えないものであった。
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、筆圧検出部となる可変容量コンデンサの構成を簡略化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の位置指示器は、筐体と、一端が筐体の外側に突出してその筐体に収納された略棒状の芯体と、芯体を介して加わる外力により電気容量が変化する可変容量コンデンサとを備えている。
そして、可変容量コンデンサは、少なくとも1つの誘電体と、電極と、導電部材と、導電部とを有している。誘電体は、第1の面と、その第1の面に対向する第2の面を有する。電極は、誘電体の第1の面に設けられている。導電部材は、誘電体の第2の面に対向して設けられ、外力により第2の面に接触するとともに弾性変形して電極と対向する面積が変化する。導電部は、誘電体の第2の面に、導電部材と電気的に接続可能に設けられている。
【0015】
本発明の可変容量コンデンサは、少なくとも1つの誘電体と、電極と、導電部材と、導電部とを備えている。誘電体は、第1の面と、その第1の面に対向する第2の面を有する。電極は、誘電体の第1の面に設けられている。導電部材は、誘電体の第2の面に対向して設けられ、外力により第2の面に接触するとともに弾性変形して電極と対向する面積が変化する。導電部は、誘電体の第2の面に、導電部材と電気的に接続可能に設けられている。
【0016】
本発明の入力装置は、位置指示器と位置検出装置とを備えている。位置指示器には、一端が筐体の外側に突出してその筐体に収納された略棒状の芯体と、芯体を介して加わる外力により電気容量が変化する可変容量コンデンサとが設けられている。位置検出装置は、位置指示器に設けた芯体の一端により指示される入力面を備え、芯体の一端が指示した位置を検出する。
そして、位置指示器の可変容量コンデンサは、少なくとも1つの誘電体と、電極と、導電部材と、導電部とを有している。誘電体は、第1の面と、その第1の面に対向する第2の面を有する。電極は、誘電体の第1の面に設けられている。導電部材は、誘電体の第2の面に対向して設けられ、外力により第2の面に接触するとともに弾性変形して電極と対向する面積が変化する。導電部は、誘電体の第2の面に、導電部材と電気的に接続可能に設けられている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、筆圧検出部となる可変容量コンデンサの構成を簡略化することができ、位置指示器の内径を小さくして小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図1〜図7を参照して本発明の一実施形態について説明する。まず、本発明に係る入力装置の実施形態例の構成について、図1を参照して説明する。
【0019】
入力装置400は、位置指示器100と、位置検出装置300から構成されている。位置指示器100は、位置検出装置300の上面300aに対向する位置で使用され、位置検出装置300は、位置指示器100の位置座標を検出する。この位置検出装置300は、パーソナルコンピュータ(図示せず)に接続できるようになっており、検出した位置指示器100の位置座標をパーソナルコンピュータに送信する。その結果、送信された位置指示器100の位置座標の情報に基づいて、パーソナルコンピュータにインストールされた各種ソフトウェアで絵を描いたり、文字を入力したりすることができる。
【0020】
位置指示器100は、可変容量コンデンサ10と、芯体11と、フェライトコア12と、位置指示コイル13と、リード線14と、回路基板15と、これらを収納する筐体16とを有している。筐体16は、例えばボールペンや鉛筆などのいわゆる筆記用具の外観形状と同様な形状に形成されている。
【0021】
可変容量コンデンサ10は、誘電体1と、電極2と、導電部材3と、導電部4とから構成される。誘電体1は、扁平な円柱状に形成されており、その軸心が筐体16の軸方向に沿って配置されている。電極2は、誘電体1の第1の面1a(以下、上面という)に設けられており、可変容量コンデンサ10を構成する一対の電極のうちの第1の電極を構成する。導電部4は、誘電体1の上面1aの反対側である第2の面1b(以下、下面という)に設けられている。
【0022】
導電部材3は、誘電体1の下面1bに対向するように設けられている。この導電部材3は、誘電体1の下面1bに設けられた導電部4に導通することにより、可変容量コンデンサ10を構成する一対の電極のうちの第2の電極を形成する。なお、可変容量コンデンサ10の構成及び動作の詳細については、後述する。
【0023】
芯体11は、例えば、シャープペンシルやボールペン等の筆記具の芯に相当する棒状の部材である。この芯体11は、使用者が位置指示器100を位置検出装置300上で使用したときに(例えば、文字等を筆記する操作)、その筆圧(圧力)を導電部材3に伝達する。
【0024】
芯体11は、貫通孔を有する円筒形状のフェライトコア12を貫通して設けられている。芯体11の一端は、略凸状に形成されており、筐体16の先端部16aから突出されて位置指示を行うペン先(指示部)11aを構成している。芯体11の他端には、導電部材3が設けられている。この芯体11は、筐体16の軸方向に力が加わったときに、矢印a方向に動くように筐体16内に設けられた支持部材(図示せず)によって支持されている。
【0025】
フェライトコア12の外周には、位置指示コイル13が巻き付けられている。この位置指示コイル13と、可変容量コンデンサ10と、回路基板15に実装された共振コンデンサ15aとによって共振回路が構成されている。この位置指示コイル13は、リード線14を介して共振コンデンサ15aに並列に接続されている。
【0026】
位置検出装置300は、位置指示器100に対して信号を送信すると共に、位置指示器100から送信されてきた信号を受信して、位置指示操作が行われた位置指示器100の位置を検出する。この位置検出装置300には、X軸方向及びY軸方向に所定の間隔で並べて配置された複数の位置検出コイル20が設けられている。
【0027】
位置検出装置300は、これらの複数の位置検出コイル20から順次任意の周波数の信号を位置指示器100に供給する。また、位置検出装置300は、位置指示器100の位置指示コイル13からの共振信号を複数の位置検出コイル20によって検出する。このとき、駆動した位置検出コイル20の位置と、検出された共振信号との大きさによって位置指示器100で指示した位置が検出される。また、位置指示器100に対して送信した信号の位相に対する位置指示器100の共振信号の位相の変化によって位置指示器100の芯体11に加えられた筆圧が検出される。
【0028】
次に、本発明を適用した可変容量コンデンサ10の第1の実施形態例の構成及び動作原理を図2に従って詳述する。図2Aは、本発明を適用した可変容量コンデンサ10の一実施形態の上面図であり、図2Bは、同じ実施形態例の側面図であり、図2Cは筆圧が加わったときの同じ実施形態例の側面図である。
【0029】
図2Aに示すように、誘電体1の上面1aには、電極2が所定の面積を有するように設けられている。この電極2は、回路基板15の共振コンデンサ15aに接続されている。また、誘電体1の下面1bには、導電部4が設けられ、第3の面1c(以下、周面という)には、接続端子部5が設けられている。本実施形態において、電極2と、導電部4および接続端子部5は、例えば、銀ペーストを焼結することにより形成されている。
【0030】
導電部4は、誘電体1の下面1bの中心から外枠まで延びる細長の長方形(線状)に形成されている。なお、誘電体1の下面1bの中心は、導電部材3が接触する位置となっている。そして、接続端子部5は、導電部4に連続して誘電体1の軸方向に延びるように形成されている。この接続端子部5は、回路基板15の共振コンデンサ15aに接続されている。つまり、導電部4は、接続端子部5を介して共振コンデンサ15aに電気的に接続されている。
【0031】
この導電部4には、導電部材3が所定の間隔をあけて対向される(図2Bを参照)。導電部材3は、誘電体1の下面1bに対向する一方の端部3aが略半球形(ドーム状)に形成されており、他方の端部が略棒状の略円柱体に形成されている。この導電部材3の他方の端部は、芯体11の一端に取り付けられている。そして、導電部材3は、芯体11に筆圧(圧力)が加えられると導電部4に接触し、芯体11に加えられた圧力が解除されると、導電部4から離れるようになっている。
【0032】
導電部材3は、導電性を有すると共に弾性変形可能な部材からなる。このような部材としては、例えば、シリコン導電ゴムや、加圧導電ゴム(PCR:Pressure sensitive Conductive Rubber)などを挙げることができる。かかる部材を使用することで、芯体11に加えられる筆圧(圧力)の増加に伴って、誘電体1の下面1bと導電部材3との接触面積が増加するようになっている。
【0033】
本発明に係る位置指示器に用いる導電部材は、その一方の端部3aが略半球状に形成されたもので説明しているが、この導電部材の形状はかかる形状に限定されるものではなく、例えば、芯体11に加えられる筆圧(圧力)の増加に伴って電極2と対向する面積が増加すればよい。
【0034】
次に、本発明を適用した可変容量コンデンサ10の動作について、図2B、図2C及び図2Dを参照して説明する。
【0035】
芯体11の他端であるペン先11aが位置検出装置300の上面300aに接触していない状態では、導電部材3は、導電部4から物理的に離れている(図2Bを参照)。
一方、芯体11のペン先11aが位置検出装置300の上面300aに接触すると、位置指示器100から位置検出装置300の上面300aに加えた力の応力が芯体11を介して導電部材3に伝わる。これにより、導電部材3が矢印a方向に移動し、その端部3aが導電部4に接触して導通する(図2Cを参照)。このとき、誘電体1の下面1bと導電部材3とが接触し、導電部材3の電極2に対向する面積が変化することにより、電極2と導電部材3との間の容量値が変化する。
【0036】
そして、例えば、使用者が筆圧を強く加えると、矢印a方向に加わる力が大きくなり、導電部材3は、誘電体1の下面1bに強く押しつけられて変形(扁平化)する(図2Dを参照)。その結果、導電部材3の電極2に対向する面積が増加し、電極2と導電部材3との間の容量値が増加する。電極2と導電部材3との間の容量値が変化すると、共振回路から送信される電波の位相が変化する。
【0037】
なお、ペン先11aが位置検出装置300の上面300aから離れると、導電部材3の弾性力と導電部材3及び芯体11の重さにより、導電部材3は、誘電体1の下面1b及び導電部4から離れて、もとの状態(図2Bを参照)に戻るようになっている。
【0038】
ところで、誘電体の比誘電率をεo、コンデンサの相対向する両電極間の距離をd、電極の面積をSとすると、コンデンサの容量Cは、
C=εo(S/d)
によって算出される。
【0039】
図2Bに示す状態において、導電部材3は、導電部4から物理的に離れており、導電部4と導通していない。したがって、電極の面積Sが0となり、可変容量コンデンサ10の容量は0となる。
そして、導電部材3と導電部4が接触した状態(図2Cを参照)の電極の面積、つまり、電極2と導電部材3が対向する面積をS1とすると、可変容量コンデンサ10の容量C1は、
C1=εo(S1/d)
となる。
【0040】
また、導電部材3が弾性変形した状態(図2Dを参照)の電極の面積をS2(S2>S1)とすると、可変容量コンデンサ10の容量C2は、
C2=εo(S2/d)
となる。
したがって、C2>C1となり、可変容量コンデンサ10の容量は、電極2と導電部材3が対向する面積に比例する。つまり、可変容量コンデンサ10の容量は、電極2と導電部材3が対向する面積に応じて変化することになる。
【0041】
本実施の形態では、導電部材3と導電部4を所定の間隔をあけて対向させる構成とした。つまり、芯体11のペン先11aが位置検出装置300の上面300aに接触していない状態では、導電部材3が導電部4から物理的に離れている。しかしながら、本発明に係る可変容量コンデンサ10としては、導電部材3と導電部4とを接触させた状態で対向させる構成としてもよい(図2C参照)。また、本発明に係る可変容量コンデンサ10としては、芯体11のペン先11aが位置検出装置300の上面300aに接触していない状態で導電部材3と誘電体1の下面1bが接触し、導電部材3と導電部4が接触していない構成としてもよい。
【0042】
次に、本発明を適用した位置指示器100及び位置検出装置300の具体的な実施形態例の回路構成について、図3を参照して説明する。図3は、位置指示器100及び位置検出装置300の回路構成例を示すブロック図である。
【0043】
位置指示器100は、位置指示コイル13と、この位置指示コイル13に接続された可変容量コンデンサ10と、この可変容量コンデンサ10に並列に接続される共振コンデンサ15aからなる共振回路17によって現される。
【0044】
一方、位置検出装置300には、X軸方向ループコイル群21aと、Y軸方向ループコイル群21bとを積層させて設けることにより、位置検出コイル20が形成されている。各ループコイル群21a,21bは、例えば、それぞれ40本の矩形のループコイルからなっている。各ループコイル群21a,21bを構成する各ループコイルは、等間隔に並んで順次重なり合うように配置されている。
【0045】
また、位置検出装置300には、X軸方向ループコイル群21a及びY軸方向ループコイル群21bが接続される選択回路22が設けられている。この選択回路22は、2つのループコイル群21a,21bのうちの一のループコイルを順次選択する。
【0046】
さらに、位置検出装置300には、発振器23と、電流ドライバ24と、切り替え接続回路25と、受信アンプ26と、検波器27と、低域フィルタ28と、S/H回路29と、A/D変換回路30と、同期検波器31と、低域フィルタ32と、A/D変換回路34と、処理部35とが設けられている。
【0047】
発振器23は、周波数f0の交流信号を発生し、電流ドライバ24と同期検波器31に供給する発信器である。電流ドライバ24は、発信器23から供給された交流信号を電流に変換して切り替え接続回路25へ送出する。切り替え接続回路25は、選択回路22によって選択されたループコイルが、後述する処理部35からの制御により、接続される接続先(送信側端子T、受信側端子S)を切り替える。この接続先のうち、送信側端子Tには電流ドライバ24が、受信側端子Rには受信アンプ26がそれぞれ接続されている。
【0048】
選択回路22に選択されたループコイルに発生する誘導電圧は、選択回路22及び切り替え接続回路25を介して受信アンプ26に送られる。受信アンプ26は、ループコイルから供給された誘導電圧を増幅し、検波器27及び同期検波器31へ送出する。
【0049】
検波器27は、ループコイルに発生した誘導電圧、すなわち受信信号を検波し、低域フィルタ28へ送出する。低域フィルタ28は、前述した周波数f0より充分低い遮断周波数を有しており、検波器27の出力信号を直流信号に変換してS/H(Sample Hold)回路29へ送出する。S/H回路29は、低域フィルタ28の出力信号の所定のタイミング、具体的には受信期間中の所定のタイミングにおける電圧値を保持し、A/D(Analog to Digital)変換回路30へ送出する。A/D変換回路30は、S/H回路29の出力をアナログ・ディジタル変換し、処理部35に出力する。
【0050】
一方、同期検波器31は、受信アンプ26の出力信号を発振器23からの交流信号で同期検波し、それらの間の位相差に応じたレベルの信号を低域フィルタ32に送出する。この低域フィルタ32は、周波数f0より充分低い遮断周波数を有しており、同期検波器31の出力信号を直流信号に変換してS/H(Sample Hold)回路33に送出する。このS/H回路33は、低域フィルタ32の出力信号の所定のタイミングにおける電圧値を保持し、A/D(Analog to Digital)変換回路34へ送出する。A/D変換回路34は、S/H回路33の出力をアナログ・ディジタル変換し、処理部35に出力する。
【0051】
処理部35は、位置検出装置300の各部を制御する。すなわち、処理部35は、選択回路22におけるループコイルの選択、切り替え接続回路25の切り替え、S/H回路29、33のタイミングを制御する。処理部35は、A/D変換回路30、34からの入力信号に基づき、X軸方向ループコイル群21a及びY軸方向ループコイル群21bから一定の送信継続時間をもって電波を送信させる。
【0052】
X軸方向ループコイル群21a及びY軸方向ループコイル群21bの各ループコイルには、位置指示器100から送信される電波によって誘導電圧が発生する。処理部35は、この各ループコイルに発生した誘導電圧の電圧値のレベルに基づいて位置指示器100のX軸方向及びY軸方向の指示位置の座標値を算出する。また、処理部35は、送信した電波と受信した電波との位相差に基づいて筆圧を検出する。
【0053】
次に、処理部35における処理の流れに沿った位置検出装置300の動作について、図4を参照して説明する。図4は、処理部35における処理の流れを示す図である。
【0054】
まず、処理部35は、X軸方向ループコイル群21aの各ループコイルを順次走査・選択(以下、この順次走査・選択をグローバルスキャンする)する(ステップS1)。
【0055】
このグローバルスキャンを具体的に説明すると、処理部35は、初めに、選択回路22にX軸方向ループコイル群21aのうちの1番目のループコイル、例えばX1を選択する情報を送出するとともに、切り替え接続回路25に送信側を選択する信号を送出する。これにより、発振器23からループコイルX1に周波数f0の正弦波信号が供給され、ループコイルX1が周波数f0の電波を発生する。このとき、位置検出装置300の上面300aに位置指示器100が接近或いは接触していると、ループコイルX1から発生した電波が、位置指示コイル13を有する共振回路17を励振する。その結果、共振回路17には、周波数f0の誘導電圧が発生する。
【0056】
処理部35は、切り替え接続回路25に送信側端子Tを選択する信号を所定の一定時間送出すると、切り替え接続回路25に受信側端子Rを選択する信号を送出し、ループコイルX1より発生する電波を消滅させる。この際、位置指示器100の共振コンデンサ15a及び可変容量コンデンサ10を有する共振回路17に発生した誘導電圧は、その損失に応じて徐々に減衰し、共振回路17が周波数f0の電波を発信する。この電波は、前述のループコイルX1を逆に励振し、ループコイルX1に誘導電圧を発生させる。
【0057】
処理部35は、切り替え接続回路25に受信側端子Rを選択する信号を一定時間送出すると、選択回路22にX軸方向ループコイル群21aのうちの2番目のループコイル、例えばループコイルX2を選択する情報を切り替え接続回路25に送出する。その後、処理部35が切り替え接続回路25に受信側端子Rを選択する信号を送出することにより、前述と同様な電波の送受信を行う。
【0058】
以下、処理部35が同様の処理を実行することにより、X軸方向ループコイル群21aのうちの3番目から40番目までのループコイル、例えばループコイルX3〜X40が順次走査・選択される。その結果、ループコイルX3〜X40において、電波の送受信が行われる。
【0059】
なお、ステップS1の処理において、処理部35は、X軸方向ループコイル群21aの全てのループコイルを選択することなく、選択するループコイルを1つ置き、2つ置き、というように適当に間引いてもよい。また、一のループコイルに対する電波の送受信を複数回行うようにしてもよい。さらに、各ループコイルに対する送信時間、並びに各ループコイルに対する受信時間は等しくなければならないが、送信時間と受信時間は必ずしも同一でなくてもよい。
【0060】
前述した受信期間中にX軸方向ループコイル群21aのループコイルに発生した誘導電圧、すなわち受信信号は、検波器27で検波されて直流信号に変換され、低域フィルタ28で平滑化される。そして、S/H回路29によって所定のタイミングでホールドされ、A/D変換回路30を介することにより、電圧値として処理部35へ送出される。
【0061】
図5は、前述したX軸グローバルスキャン動作(図4のステップS1)における各部の波形の一例を示すものである。図5において、(a)は位置検出コイル20から送信される電波、(b)は共振回路17に発生した誘導電圧、(c)は位置検出装置300が受信した受信信号、(d)はS/H回路29の出力信号を示している。
【0062】
ここで、S/H回路29の出力レベルは位置指示器100とループコイルとの間の距離に依存した値となる。そのため、処理部35は、S/H回路29の出力レベルの最大値が予め設定した一定値以上であるか否かを判別し(ステップS2)、位置指示器100が位置検出装置300の有効読取り高さ内にあるか否かを判定する。
【0063】
ステップS2の処理において、S/H回路29の出力レベルの最大値が予め設定した一定値以上ではない、つまり、位置指示器100が有効読取り高さ内にないと判定した場合(ステップS2の“no”)、処理部35は、処理をステップS1に戻す。
一方、位置指示器100が有効読取り高さ内にあると判定した場合(ステップS2の“yes”)、処理部35は、各ループコイルX1〜X40のうち最大値が得られたループコイル(以下、ピークコイルと称す。)を抽出し、その番号(本例では「X7」)を記憶する(ステップS3)。
【0064】
次に、処理部35は、Y軸方向ループコイル群21bの各ループコイルを順次走査・選(グローバルスキャン)し(ステップS4)、Y軸方向ループコイル群21bの各ループコイルにおける電波の送受信を行う。
図6は、Y軸グローバルスキャン動作における各部の波形の一例を示すものである。図6において、(a)、(b)、(c)、(d)に示す各信号は図5の(a)、(b)、(c)、(d)に示す信号と同様の信号である。
【0065】
次に、処理部35は、各ループコイルY1〜Y40のうち最大値が得られたループコイル(以下、ピークコイルと称す。)を抽出し、その番号(本例では「Y5」)を記憶する(ステップS5)。
【0066】
次に、処理部35は、X軸方向ループコイル群21aのうちのピークコイルを中心として、そのピークコイルに隣接する所定の数のループコイル、例えば5つのループコイルについて電波の送受信を行う。この電波の送受信において、電波を送信するとき、すなわち切り替え接続回路25で送信側端子Tを選択するときには、処理部35が常にピークコイル(本例では「ループコイルX7」)を選択する。一方、電波を受信するとき、すなわち切り替え接続回路25で受信側端子Rを選択するときには、処理部35は、ループコイル(本例では5つ)を番号の小さい方から大きい方(又は大きい方から小さい方)へ順次走査・選択(セクタスキャン)する(ステップS6)。
【0067】
X軸セクタスキャン動作が終了すると、処理部35は、Y軸方向ループコイル群21bのうちのピークコイルを中心とする所定の数、例えば5つのループコイルについて電波の送受信を行う。この電波の送受信において、電波を送信するとき、すなわち切り替え接続回路25で送信側端子Tを選択するときには、処理部35が常にピークコイル(本例では「ループコイルY5」)を選択する。一方、電波を受信するとき、すなわち切り替え接続回路25で受信側端子Rを選択するときには、処理部35は、ループコイル(本例では5つ)を番号の小さい方から大きい方(又は大きい方から小さい方)へ順次走査・選択(セクタスキャン)する(ステップS7)。
【0068】
図7は、X軸セクタスキャン動作及びY軸セクタスキャン動作における各部の波形の一例を示すものである。図7において、(a)、(b)、(c)、(d)に示す各信号は図5の(a)、(b)、(c)、(d)に示す信号と同様の信号である。
【0069】
Y軸セクタスキャン動作が終了すると、処理部35は、ステップS6,S7の処理で得られた誘導電圧の最大値が予め設定した一定値以上か否かを判別し(ステップS8)、位置指示器100が位置検出装置300の有効読取り高さ内にあるか否かを判定する。
【0070】
ステップS8の処理において、S/H回路29の出力レベルの最大値が予め設定した一定値以上ではない、つまり、位置指示器100が有効読取り高さ内にないと判定した場合(ステップS8の“no”)、処理部35は、処理をステップS1に戻す。
一方、位置指示器100が有効読取り高さ内にあると判定した場合(ステップS8の“yes”)、処理部35は、最大の誘導電圧が得られたX軸方向のピークコイル及びY軸方向のピークコイルを抽出し、それぞれの番号を記憶する(ステップS9)。
【0071】
次に、処理部35は、X軸方向及びY軸方向のセクタスキャン毎にレベルの大きい順に複数、例えば3つの誘導電圧をそれぞれ抽出し、これらの信号に基づいて位置指示器100による指示位置のX軸方向及びY軸方向の座標値を求める(ステップS10)。このX軸方向及びY軸方向の座標値は、本出願人が先に出願した特許第2131145号で述べているような周知の座標計算を実行することにより算出することができる。
【0072】
次に、処理部35は、送信した電波と受信した電波の位相差に応じた信号のレベルから筆圧を検出する(ステップS12)。以下、位置指示器100が有効読取り高さ内にあり続ける限り、処理部35は、ステップS6〜S11の処理を繰り返し、有効読取り高さ内にないと判定した場合にステップS1の処理に復帰する。
【0073】
このように、位置検出装置300では、接近した位置指示器100の位置を処理部35で検出することができる。しかも、受信した信号の位相を検出することにより、位置指示器100の筆圧値の情報を得ることができる。
【0074】
上述した実施形態例において、筆圧検出部となる可変容量コンデンサ10は、誘電体1と、誘電体1の上面1aに配置された電極2と、誘電体1の下面1bに配置された導電部4と、導電部4に対向して設けられた導電部材3とによって構成される。このような構成によれば、従来の可変容量コンデンサ(図16を参照)に比べて部品点数を削減することができ、その構成を極めて簡略化することができる。
【0075】
また、従来の構成では付帯的に必要であった端子206、207(図16を参照)のような構成要素が不要となり、従来は7mm程度あった可変容量コンデンサの直径を、例えば5mm程度とすることができる。なお、位置指示器100の内径を従来と同じ9mmにする場合には、余裕となる2mmの部分に補強材や緩衝材を設けることができ、位置指示器100の耐久性能や、耐衝撃性能を向上させることができる。
【0076】
図8は、位置指示器100に設けられる共振回路の第2実施形態例を示す説明図である。この共振回路18は、位置指示コイル13と、可変容量コンデンサ10によって構成されている。共振回路の第1実施形態例である共振回路17(図3を参照)では、可変容量コンデンサ10と共振コンデンサ15aを並列に接続して並列共振回路を構成した。しかしながら、本発明に係る共振回路としては、図8に示すように、コンデンサとして可変容量コンデンサ10だけを用いて構成することもできる。
【0077】
次に、誘電体1に設けられる電極と、導電部および接続端子部の形状例について、図9を参照して説明する。図9Aは、誘電体1の上面1aに設けられる電極の形状例を示している。また、図9Bは、誘電体1の周面1cに設けられる接続端子部の形状例を示し、図9Cは、誘電体1の下面1bに設けられる導電部の形状例を示している。
【0078】
まず、誘電体1の上面1aに設けられる電極の形状例について説明する。本発明に係る電極としては、例えば、誘電体1の上面1aの略全体を占有するような円形の電極2A(図9A1を参照)と、誘電体1の上面1aの略半分を占有するような半円形の電極2B(図9A2を参照)を挙げることができる。なお、この誘電体1の上面1aに設けられる電極の形状は、円形および半円形に限定されるものではなく、例えば、楕円形、三角形や四角形などの多角形など各種の形状を適用することができる。
【0079】
次に、誘電体1の周面1cに設けられる接続端子部の形状例について説明する。この接続端子部としては、幅の広い接続端子部5A(図9B1を参照)と、幅の狭い接続端子部5B(図9B2を参照)を挙げることができる。例えば、接続端子部5Aは、幅方向(誘電体1の周方向)の長さが0.5〜1.0mmに設定されており、接続端子部5Bは、幅方向の長さが0.2mmに設定されている。
【0080】
図10は、電極2A,2Bおよび接続端子部5A,5Bを適用した場合における可変容量コンデンサ10の初期容量およびQ(クオリティファクタ)の値を示す説明図である。
【0081】
図10に示すように、誘電体1の上面1aに設けられる電極が同じ形状(電極2A)ならば、周面1cに接続端子部5Aを設けた場合よりも周面1cに接続端子部5Bを設けた場合の方が初期容量は小さくなる。したがって、接続端子部の幅方向の長さが短く、接続端子部の面積が小さくなるほど、誘電体1の上面1aに設けられる電極と、誘電体1の下面1bに設けられる導電部との間の初期容量を小さくすることができる。
【0082】
次に、誘電体1の下面1bに設けられる導電部の形状例について説明する。この導電部としては、例えば、導電部4A(図9C1を参照)と、導電部4B(図9C2を参照)と、導電部4C(図9C3を参照)と、導電部4D(図9C4を参照)を挙げることができる。
【0083】
導電部4A(パターン1)は、誘電体1の半径方向に延びる細長の長方形からなっている。この導電部4Aの長辺は、下面1bの外枠から中心に達する長さ(誘電体1の半径と同じ長さ)に設定されている。導電部4B(パターン2)は、導電部4Aと同様に、誘電体1の半径方向に延びる細長の長方形からなっている。この導電部4Bの長辺は、下面1bの外枠から中心を越えた位置に達する長さ(誘電体1の半径よりも長い長さ)に設定されている。
【0084】
導電部4C(パターン3)は、誘電体1の中心に設けられた円形部4C1と、この円形部4C1に連続して下面1bの外枠まで延びる細長の長方形部4C2からなっている。また、導電部4D(パターン4)は、誘電体1の半径方向に延びる細長の長方形からなっている。この導電部4Dは、下面1bの外枠から中心よりも手前の位置に達する長さ(誘電体1の半径よりも短い長さ)に設定されている。
【0085】
本実施形態では、導電部材3の中心軸が誘電体1の中心に一致するように構成されている。そのため、導電部として導電部4A〜4Cの何れかを適用すると、導電部材3は、弾性変形する前に適用した導電部4A,4B,4Cに接触するようになる。
一方、導電部として導電部4Dを適用すると、導電部材3は、まず、誘電体1の下面1bに接触し、その後、誘電体1の下面1bに押しつけられて弾性変形することにより、導電部4Dに接触するようになる。
【0086】
図11は、導電部4A〜導電部4Dにおける筆圧レベル対荷重特性を示すグラフである。図11に示すように、導電部4A(パターン1)では、荷重に対してリニアな特性が得られる。導電部4B(パターン2)では、リニアな特性が多少鈍ったものになる。一方、導電部4C(パターン3)では、荷重が所定値に達するまで筆圧レベルの出力が0となる特性となる。これは、導電部材3の電極2に対向する面積が、導電部4Cよりも大きくなるまで導電部4Cが第2の電極として作用するからである。また、導電部4D(パターン4)では、荷重が所定値に達したときに、筆圧レベルの任意の初期値が出力される特性となる。これは、導電部材3の電極2に対向する面積が所定の大きさになるまで導電部材3が導電部4に接触しないからである。
【0087】
上述したように、導電部の形状を変えることによって種々の特性を得ることができる。このような特性の違いは、位置指示器を使用する際の使用者の筆圧の掛け方の違い、いわゆる書き味の違いとして用いることができる。したがって、導電部の形状を変えることにより、用途に応じた書き味の異なる複数種類の位置指示器を提供することができ、位置指示器の選択の幅を広げるという作用効果を奏することができる。
【0088】
次に、誘電体1の上面1aに設けられる電極と誘電体1の下面1bに設けられる導電部との組合せについて、図12および図13を参照して説明する。図12は、電極と導電部との第1の組合せを示す説明図、図13は、電極と導電部との第2の組合せを示す説明図である。
【0089】
図12に示すように、電極と導電部との第1の組合せは、上述した電極2Bおよび導電部4Aから構成されている。誘電体1の下面1bに設けられた導電部4Aは、誘電体1の上面1aと下面1bとが対向する方向で電極2Bと重ならないように配置されている。つまり、電極2Bと導電部4Aとは、誘電体1の上面1aと下面1bとが対向する方向に重なり合わないように配置されている。このように、電極2Bと導電部4Aを互いに重なり合わない位置に配置することにより、電極2B(第1の電極)と導電部材3(第2の電極)との間の初期容量を小さくすることができる。
【0090】
図13に示すように、電極と導電部との第2の組合せは、電極2Cと、上述した導電部4Bから構成されている。電極2Cは、誘電体1の上面1aの略半分を占有するような半円形に、半径方向に延びる切り欠き2dを設けることにより、略コ字状に形成されている。 一方、導電部4Bの一端部4B1は、誘電体1の上面1aと下面1bとが対向する方向で電極2Cの切り欠き2dと重なっている。そして、導電部4Bの他端部B2は、電極2Cが設けられていない半面と重なっている。したがって、電極2Cと導電部4Bは、誘電体1の上面1aと下面1bとが対向する方向に重なり合わないように配置されている。このような第2の組合せの場合においても、第1の組合せ(図12を参照)と同様に、電極2C(第1の電極)と導電部材3(第2の電極)との間の初期容量を小さくすることができる。
【0091】
次に、本発明に係る誘電体の第2の実施形態について、図14を参照して説明する。図14は、本発明に係る誘電体の第2の実施形態を示す斜視図である。
【0092】
図14に示すように、誘電体51は、第1の誘電部材51Aと、第2の誘電部材51Bを備えている。2つの誘電部材51A,51Bは、扁平な円柱体を軸方向に2つに分割した同一の形状とされている。つまり、2つの誘電部材51A,51Bを平面方向に並べて配置することにより、扁平な円柱体の誘電体51が形成される。
【0093】
第1の誘電部材51Aの第1の面(以下、上面という)52には、電極56Aが設けられている。この電極56Aは、第1の誘電部材51Aの上面52の略全体を占有するような半円形に形成されている。さらに、第1の誘電部材51Aには、導電部(図示せず)と接続端子部(図示せず)が設けられている。導電部は、第1の誘電部材51Aの第2の面53(以下、下面という)に設けられ、接続端子部は、第1の誘電部材51Aの周面54に設けられている。第1の誘電部材51Aの下面53に配置される導電部には、導電部材3(図1を参照)が対向される。
【0094】
また、第2の誘電部材51Bの第1の面(以下、上面という)55には、電極56Bが設けられている。この電極56Bは、第2の誘電部材51Bの上面55の略全体を占有するような半円形に形成されている。
【0095】
なお、本実施形態では、導電部および接続端子部を、第1の誘電部材51Aに設ける構成としたが、第2の誘電部材51Bに導電部および接続端子部を設ける構成としてもよい。また、本実施形態では、2つの誘電部材51A,51Bによって誘電体51を構成したが、本発明に係る誘電体としては、第1実施形態(図2Aを参照)のように1つの誘電部材によって構成してもよく、また、3つ以上の誘電部材によって構成してもよい。
【0096】
このような誘電体51を用いた可変容量コンデンサ、位置指示器、入力装置においても、第1実施形態例の誘電体1を用いた場合と同様の効果を得ることができる。つまり、電極56A,56Bに対向する導電部材の面積を変化させることにより、電極56A,56Bと導電部材(第2の電極)との間の容量値を変化させことができる。また、筆圧検出部となる可変容量コンデンサの構成を簡略化し、位置指示器の内径を小さくすることができる。
【0097】
次に、本発明に係る位置指示器の第2の実施形態について、図15を参照して説明する。図15は、本発明に係る位置指示器の第2の実施形態を示す電気回路図である。なお、この図15の説明において、図3と対応する部分には、図3と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0098】
位置指示器101は、位置検出装置300に設けられた位置検出コイル20(図3を参照)から送出されるf0の周波数で共振する共振回路36を有している。この共振回路36は、位置指示コイル13と共振コンデンサ15aとによって構成されている。また、位置指示器101の回路基板15(図1を参照)には、周知のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)技術による集積回路(IC:Integrated Circuit)37が配置される。この集積回路37は、ダイオード38とコンデンサ39とから構成される駆動電源によって駆動される。
【0099】
このダイオード38は、共振回路36に接続されている。そして、このダイオード38には、位置検出コイル20から供給される励磁信号に基づいて共振回路36に発生する交流電圧が印加される。この交流電圧は、ダイオード38とコンデンサ39とによって整流され、さらに直流に変換されて、集積回路37の駆動電源とされる。また、共振回路36に発生した信号は、コンデンサ40を介して集積回路37にも供給される。この集積回路37は、コンデンサ40を介して供給される信号に基づいて、位置指示器101と位置検出装置300との間で信号の送受信を行うために使用されるクロック信号及び筆圧検出のためのクロック信号を生成する。
【0100】
可変容量コンデンサ10は、上述したように、芯体11(図1を参照)に加えられる筆圧によってその容量が変化する。この可変容量コンデンサ10は、抵抗(図示せず)と接続されて時定数回路を構成している。したがって、可変容量コンデンサ10の容量が筆圧に応じて変化すると、時定数回路の時定数が変化する。そして、この時定数は、集積回路37で、所定のビット数、例えば8ビットの筆圧値に変換される。
【0101】
このようにして求められた筆圧データ(8ビットの筆圧値)は、前述した位置検出装置300と位置指示器101との間の信号の送受信に供されるクロック信号に同期して1ビットずつ集積回路37から出力される。この出力により、集積回路37は、共振回路36に並列的に接続されたスイッチ15bのON/OFFの切替を制御する。したがって、このスイッチ15bがオフの際には、位置検出装置300が位置指示器101からの信号を検出する。そして、スイッチ15bがオンの際には、共振回路36が短絡されるため、位置指示器101から送出された信号は、位置検出装置300で検出できない。
【0102】
これにより、位置検出装置300は、位置検出コイル20から一定時間、位置指示器101に電力を供給するための励磁信号を送信し、その後、位置指示器101から送出される信号を検出することで、芯体11に加えられる筆圧を求めることができる。
【0103】
本実施形態の位置指示器101においても、可変容量コンデンサ10を適用することにより、筆圧検出部となる可変容量コンデンサ10の構成を簡略化して、筐体16(図1を参照)の内径を小さくすることができる。
【0104】
以上説明したように、本発明の可変容量コンデンサ、位置指示器、入力装置および圧力検出方法によれば、筆圧検出部となる可変容量コンデンサの構造を簡略化することができ、位置指示器の内径の小型化に貢献することができる。また、誘電体の第2の面(下面)に設けられる導電部の形状と、その位置を適宜に設定することで、筆圧レベル対荷重特性を調整することができる。その結果、使用したときの感触(書き味)が異なる複数種類の位置指示器を用意することができ、位置指示器の選択の幅を広げることができる。
【0105】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明を適用した入力装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明を適用した可変容量コンデンサの第1の実施形態例を示す構成図である。
【図3】本発明を適用した位置指示器及び位置検出装置の回路構成の模式的なブロック図である。
【図4】本発明を適用した入力装置に係る位置検出装置の処理部による処理の流れ図である。
【図5】本発明を適用した入力装置に係る位置検出装置のX軸グローバルスキャン動作における各部の波形の一例を示す図である。
【図6】本発明を適用した入力装置に係る位置検出装置のY軸グローバルスキャン動作における各部の波形の一例を示す図である。
【図7】本発明を適用した入力装置に係る位置検出装置のX軸セクタスキャン動作及びY軸セクタスキャン動作における各部の波形の一例を示す図である。
【図8】本発明を適用した位置指示器に設けられる共振回路の第2の実施形態例を示す説明図である。
【図9】本発明を適用した可変容量コンデンサの電極、導電部および接続端子部の形状例を示す説明図である。
【図10】本発明を適用した可変容量コンデンサの電極および接続端子部の形状と初期容量およびQ(クオリティファクタ)の値との関係を示す説明図である。
【図11】本発明を適用した可変容量コンデンサの導電部の形状によって変化する筆圧レベル対荷重特性を示すグラフである。
【図12】本発明を適用した可変容量コンデンサにおける電極と導電部との第1の組合せを示す説明図である。
【図13】本発明を適用した可変容量コンデンサにおける電極と導電部との第2の組合せを示す説明図である。
【図14】本発明を適用した可変容量コンデンサに係る誘電体の第2の実施形態例を示す斜視図である。
【図15】本発明を適用した位置指示器の第2の実施形態例を示す電気回路図である。
【図16】従来の可変容量コンデンサを示す説明図である。
【符号の説明】
【0107】
1…誘電体、1a…上面(第1の面)、1b…下面(第2の面)、1c…周面(第3の面)、 2…電極(第1の電極)、3…導電部材、4…導電部、5…接続端子部、10…可変容量コンデンサ、11…芯体、12…フェライトコア、13…位置指示コイル、14…リード線、 15…回路基板、15a…共振コンデンサ、16…筐体、17,18…共振回路、20… 位置検出コイル、100…位置指示器、300…位置検出装置、300a… 上面(入力面)、400…入力装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
一端が前記筐体の外側に突出して該筐体に収納された略棒状の芯体と、
前記芯体を介して加わる外力により電気容量が変化する可変容量コンデンサと、
を備え、
前記可変容量コンデンサは、
第1の面及び該第1の面に対向する第2の面を有する少なくとも1つの誘電体と、
前記誘電体の前記第1の面に設けられた電極と、
前記誘電体の前記第2の面に対向して設けられ、前記外力により前記第2の面に接触するとともに弾性変形して前記電極と対向する面積が変化する導電部材と、
前記第2の面に前記導電部材と電気的に接続可能に設けられた導電部と、
を有する位置指示器。
【請求項2】
前記導電部材を前記導電部と接離可能に設けた
請求項1に記載の位置指示器。
【請求項3】
前記導電部材は、前記第2の面に接触したときに前記導電部と導通する
請求項2に記載の位置指示器。
【請求項4】
前記導電部材は、弾性変形して前記導電部と接触して導通する
請求項3に記載の位置指示器。
【請求項5】
前記導電部は、前記導電部材と前記誘電体の前記第2の面とが接触する位置から前記第2の面の外枠まで延びるように形成した
請求項2に記載の位置指示器。
【請求項6】
前記誘電体は、前記第2の面に連続する第3の面を有し、
該第3の面に設けられ、前記導電部と電気的に接続された接続端子部を設けた
請求項5に記載の位置指示器。
【請求項7】
前記電極と前記導電部とは、対向する方向で重なり合わないように配置した
請求項1に記載の位置指示器。
【請求項8】
前記電極を前記第1の面の略半分に形成した
請求項1に記載の位置指示器。
【請求項9】
前記電極を前記第1の面の略全体に形成した
請求項6に記載の位置指示器。
【請求項10】
前記導電部を略棒形状に形成し、
前記電極を略コ字状に形成した
請求項9に記載の位置指示器。
【請求項11】
第1の面及び該第1の面に対向する第2の面を有する少なくとも1つの誘電体と、
前記誘電体の前記第1の面に設けられた電極と、
前記誘電体の前記第2の面に対向して設けられ、外力により前記第2の面に接触し、弾性変形して前記電極と対向する面積が変化する導電部材と、
前記第2の面に前記導電部材と電気的に接続可能に設けられた導電部と、
を備える可変容量コンデンサ。
【請求項12】
筐体と、一端が前記筐体の外側に突出して該筐体に収納された略棒状の芯体と、該芯体を介して加わる外力により電気容量が変化する可変容量コンデンサと、が設けられた位置指示器と、
前記芯体の一端により指示される入力面を備え、前記一端が指示した位置を検出する位置検出装置と、
を備え、
前記位置指示器の前記可変容量コンデンサは、
第1の面及び該第1の面に対向する第2の面を有する少なくとも1つの誘電体と、
前記誘電体の前記第1の面に設けられた電極と、
前記誘電体の前記第2の面に対向して設けられ、前記外力により前記第2の面に接触し、弾性変形して前記電極と対向する面積が変化する導電部材と、
前記第2の面に前記導電部材と電気的に接続可能に設けられた導電部と、
を有する入力装置。
【請求項1】
筐体と、
一端が前記筐体の外側に突出して該筐体に収納された略棒状の芯体と、
前記芯体を介して加わる外力により電気容量が変化する可変容量コンデンサと、
を備え、
前記可変容量コンデンサは、
第1の面及び該第1の面に対向する第2の面を有する少なくとも1つの誘電体と、
前記誘電体の前記第1の面に設けられた電極と、
前記誘電体の前記第2の面に対向して設けられ、前記外力により前記第2の面に接触するとともに弾性変形して前記電極と対向する面積が変化する導電部材と、
前記第2の面に前記導電部材と電気的に接続可能に設けられた導電部と、
を有する位置指示器。
【請求項2】
前記導電部材を前記導電部と接離可能に設けた
請求項1に記載の位置指示器。
【請求項3】
前記導電部材は、前記第2の面に接触したときに前記導電部と導通する
請求項2に記載の位置指示器。
【請求項4】
前記導電部材は、弾性変形して前記導電部と接触して導通する
請求項3に記載の位置指示器。
【請求項5】
前記導電部は、前記導電部材と前記誘電体の前記第2の面とが接触する位置から前記第2の面の外枠まで延びるように形成した
請求項2に記載の位置指示器。
【請求項6】
前記誘電体は、前記第2の面に連続する第3の面を有し、
該第3の面に設けられ、前記導電部と電気的に接続された接続端子部を設けた
請求項5に記載の位置指示器。
【請求項7】
前記電極と前記導電部とは、対向する方向で重なり合わないように配置した
請求項1に記載の位置指示器。
【請求項8】
前記電極を前記第1の面の略半分に形成した
請求項1に記載の位置指示器。
【請求項9】
前記電極を前記第1の面の略全体に形成した
請求項6に記載の位置指示器。
【請求項10】
前記導電部を略棒形状に形成し、
前記電極を略コ字状に形成した
請求項9に記載の位置指示器。
【請求項11】
第1の面及び該第1の面に対向する第2の面を有する少なくとも1つの誘電体と、
前記誘電体の前記第1の面に設けられた電極と、
前記誘電体の前記第2の面に対向して設けられ、外力により前記第2の面に接触し、弾性変形して前記電極と対向する面積が変化する導電部材と、
前記第2の面に前記導電部材と電気的に接続可能に設けられた導電部と、
を備える可変容量コンデンサ。
【請求項12】
筐体と、一端が前記筐体の外側に突出して該筐体に収納された略棒状の芯体と、該芯体を介して加わる外力により電気容量が変化する可変容量コンデンサと、が設けられた位置指示器と、
前記芯体の一端により指示される入力面を備え、前記一端が指示した位置を検出する位置検出装置と、
を備え、
前記位置指示器の前記可変容量コンデンサは、
第1の面及び該第1の面に対向する第2の面を有する少なくとも1つの誘電体と、
前記誘電体の前記第1の面に設けられた電極と、
前記誘電体の前記第2の面に対向して設けられ、前記外力により前記第2の面に接触し、弾性変形して前記電極と対向する面積が変化する導電部材と、
前記第2の面に前記導電部材と電気的に接続可能に設けられた導電部と、
を有する入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−117943(P2010−117943A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291433(P2008−291433)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000139403)株式会社ワコム (118)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000139403)株式会社ワコム (118)
【Fターム(参考)】
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