説明

位置方向情報表示装置,位置方向情報表示方法及びその方法を実装した位置方向情報表示プログラム

【課題】端末に入力されたIDに基づいて、該端末と該端末利用者に関する位置情報及び方向情報を地図情報上に表示する。
【解決手段】予め、1文字以上の異なる文字から成る位置方向IDを巡回シフトして得られる位置方向ID群,位置情報,方向情報を含む位置方向ID管理データを管理手段1cに管理しておく。また、前記位置方向ID管理データにおける位置情報と同じ座標系に対応付けた地図情報を管理しておく。まず、端末3から文字列IDを受信し(1a)、受信された文字列IDを前記管理手段1cに照会し、該文字列IDに対応する位置方向ID,位置情報,方向情報を前記位置方向ID管理手段を使って取得する(1b)。そして、前記地図情報上に、前記位置方向IDに対応する位置情報と方向情報を、予め備えられた表示装置4を介して表示する(1d)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術の発達とともに位置情報を活用したサービスが無線インターネットサービスの中で大きな市場を形成することが予想されている。このような背景を踏まえ、無線携帯端末が取得した位置情報を受信し、該携帯端末の位置を地図上に可視化するシステムが発明されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、上述のようなシステムでは、端末に搭載されたGPS(Global Position(Positioning) System)や携帯端末が、位置を取得する手段として、端末に搭載されたGPSや、近隣の無線通信基地局のID(Identifier)を活用する。進行方向も検出できるGPSを用いたシステムでは、位置のみでなく端末を所有するユーザの移動方向も地図(地図情報)上に表示(可視化)できる。
【0004】
しかしながら、GPSを用いた位置情報は、保安上の理由で故意的に誤差が追加されて提供されることがあるだけでなく、信号を送信する人工衛星の地理的変化によって正確度が下がってしまう。また、このGPSを用いた位置情報は、ビル街や屋内で利用できない。無線通信基地局のIDを用いる方式も、基地局のサポートするセルの範囲により数十メールから数キロの誤差が生じることが知られている。
【0005】
近年では、RFID(Radio Frequency Identification)タグを電柱や看板などに設置し、RFIDタグから検出されるIDを用いて位置を特定する方法(例えば、特許文献2参照)も提案されている。この方法では、端末側にRFIDリーダを具備する必要がある。
【0006】
GPSや基地局ID,RFIDを利用せずに、より低コストに実現する仕組みとして、ユーザが手入力した文字列を用いて場所を特定するシステム(例えば、特許文献3参照)も提案されている。
【特許文献1】特開平8−5394号公報(段落[0019]〜[0044]等)。
【特許文献2】特開2002−132241号公報(段落[0011]〜[0013]等)。
【特許文献3】特開2003−140585号公報(段落[0018]〜[0026]等)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、GPSや無線基地局IDを用いるシステムでは、取得される位置の誤差が大きいことが問題となる。RFIDを用いるシステムでは、携帯端末側にリーダが必要となり、導入コストが増加する。IDを手入力させるシステムは、低コストであり、位置精度も期待できるが、方向情報が得られない、という制約がある。
【0008】
本発明は、前記課題に基づいてなされたものであって、端末に入力されたIDに基づいて、該端末と該端末利用者に関する位置情報及び方向情報を地図情報上に表示する(可視化する)位置方向情報表示装置,位置方向情報表示方法及びその方法を実装した位置方向情報表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題の解決を図るために、請求項1記載の発明は、1文字以上の異なる文字から成り、かつ、端末から通信回線を介して受信した文字列IDに対応する位置方向IDを確定し、該端末を利用する利用者の位置と、該利用者の視線方向を検出し、前記位置と視線方向を、予め備えられた情報を表示する表示装置を介して表示する位置方向情報表示装置であって、前記文字列IDを受信する通信手段と、一つの位置方向IDを巡回シフトして得られる位置方向ID群,該位置方向ID群を構成する各位置方向IDが同一の位置を指示する位置情報,該位置方向ID群に含まれる各位置方向IDが該位置における特定の方向を指示する方向情報,を含む位置方向ID管理データを管理する位置方向ID管理手段と、前記位置方向ID管理手段で保持している位置情報と同じ座標系に対応付けた地図情報を管理する地図情報管理手段と、受信された文字列IDを位置方向ID管理手段に照会し、該文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報及び方向情報を前記位置方向ID管理手段を使って取得する位置方向検出手段と、前記地図情報管理手段で管理される前記地図情報上に、前記位置方向IDに対応する位置情報と前記方向情報を表示するユーザ位置方向表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記通信手段が、前記端末を識別する端末識別情報もしくは前記端末の利用者を識別する利用者識別情報と前記文字列IDを受信する手段を備え、前記ユーザ位置方向表示手段が、前記文字列IDに対応する位置方向IDに応じた位置情報及び方向情報とともに、前記端末識別情報もしくは利用者識別情報を前記地図情報上に表示して、端末もしくは利用者を識別する手段を備える、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記文字列IDを受信した受信時刻と該文字列IDを記録した文字列ID受信ログを保持する文字列ID受信ログ保持手段と、前記文字列ID受信ログ保持手段が保持する文字列ID受信ログを参照し、文字列ID毎に受信回数を計測し、前記位置方向ID管理手段に照会して、前記文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報と方向情報も取得し、前記位置情報,前記方向情報,前記位置方向IDに対応する受信回数を有する動線情報を、前記地図情報上に表示する動線情報表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の発明において、時間範囲を指定する時間範囲指定手段を備え、前記動線情報表示手段が、前記文字列ID受信ログ保持手段が保持する文字列ID受信ログを参照し、前記時間範囲指定手段で指定された時間範囲当たりの受信回数を文字列ID毎に計測し、前記位置方向ID管理手段に照会して、前記文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報と方向情報も取得し、前記位置情報,前記方向情報,前記位置方向IDに対応する前記時間範囲当たりの受信回数から構成された動線情報を、前記地図情報上に表示する手段、を備える、ことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、一つの位置方向IDを巡回シフトして得られる位置方向ID群,該位置方向ID群を構成する各位置方向IDが同一の位置を指示する位置情報,該位置方向ID群に含まれる各位置方向IDが該位置における特定の方向を指示する方向情報,を含む位置方向ID管理データを管理する位置方向ID管理手段と、前記位置方向ID管理手段で保持している位置情報と同じ座標系に対応付けた地図情報を管理する地図情報管理手段と、情報を表示する表示装置と、を備え、1文字以上の異なる文字から成り、かつ、端末から通信回線を介して受信した文字列IDに対応する位置方向IDを確定し、該端末を利用する利用者の位置と、該利用者の視線方向を検出し、前記位置と視線方向を前記表示装置を介して表示する装置、に使用される位置方向情報表示方法であって、前記文字列IDを受信する通信ステップと、受信された文字列IDを位置方向ID管理手段に照会し、該文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報及び方向情報を前記位置方向ID管理手段を使って取得する位置方向検出ステップと、前記地図情報管理手段で管理される前記地図情報上に、前記位置方向IDに対応する位置情報と前記方向情報を表示するユーザ位置方向表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記通信ステップが、前記端末を識別する端末識別情報もしくは前記端末の利用者を識別する利用者識別情報と前記文字列IDを受信するステップを有し、前記ユーザ位置方向表示ステップが、前記文字列IDに対応する位置方向IDに応じた位置情報及び方向情報とともに、前記端末識別情報もしくは利用者識別情報を前記地図情報上に表示して、端末もしくは利用者を識別するステップを有する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、前記文字列IDを受信した受信時刻と該文字列IDを記録した文字列ID受信ログを保持する文字列ID受信ログ保持ステップと、前記文字列ID受信ログ保持ステップが保持する文字列ID受信ログを参照し、文字列ID毎に受信回数を計測し、前記位置方向ID管理手段に照会して、前記文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報と方向情報も取得し、前記位置情報,前記方向情報,前記位置方向IDに対応する受信回数を有する動線情報を、前記地図情報上に表示する動線情報表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項7に記載の発明において、時間範囲を指定する時間範囲指定ステップを有し、前記動線情報表示ステップが、前記文字列ID受信ログ保持ステップが保持する文字列ID受信ログを参照し、前記時間範囲指定ステップで指定された時間範囲当たりの受信回数を文字列ID毎に計測し、前記位置方向ID管理手段に照会して、前記文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報と方向情報も取得し、前記位置情報,前記方向情報,前記位置方向IDに対応する前記時間範囲当たりの受信回数から構成された動線情報を、前記地図情報上に表示するステップ、を有する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、位置方向情報表示プログラムであって、請求項5乃至8の何れかに記載の位置方向情報表示方法を、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムとして記述したことを特徴とする。
【0018】
前記請求項1,5記載の発明は、端末から文字列IDを受信し、該端末の位置と該端末を利用する利用者の視線方向を検出し、地図画像上に表示できる。
【0019】
さらに、より具体的な態様としては、前記地図情報上で前記位置方向IDに対応する位置情報に相当する位置に、前記方向情報に相当する方向を示すアイコンを予め備えられた表示装置を介して表示する。
【0020】
前記請求項2,6記載の発明は、文字列IDに基づいて前記端末識別情報もしくは利用者識別情報を前記地図情報上に表示できる。
【0021】
より具体的な態様としては、前記地図情報上で前記位置方向IDに対応する位置情報に相当する位置に、前記方向情報に相当する方向を示すアイコンとともに、前記端末識別情報もしくは利用者識別情報を前記地図情報上に表示する。
【0022】
前記請求項3,7記載の発明は、地図情報上に動線情報を表示できる。
【0023】
より具体的な態様としては、前記動線情報に基づく矢印アイコンを地図画像上に表示する。
【0024】
前記請求項4,8記載の発明は、指定された時間範囲に限定した動線情報を地図情報上に表示できる。
【0025】
より具体的な態様としては、前記時間範囲で限定された動線情報に基づく矢印アイコンを地図画像上に表示する。
【0026】
前記請求項9記載の発明は、請求項5乃至8の何れかに記載の位置方向情報表示方法をコンピュータプログラムとして記載できる。
【発明の効果】
【0027】
以上示したように請求項1,5の発明によれば、地図画像上で、端末の位置と該端末を利用する利用者の視線方向を知ることができる。
【0028】
請求項2,6の発明によれば、地図情報上で利用者または端末を識別できる。
【0029】
請求項3,7の発明によれば、地図情報上で、動線情報を確認できる。
【0030】
請求項4,8の発明によれば、指定された時間範囲に限定した動線情報を確認できる。
【0031】
請求項9の発明によれば、請求項5乃至8の何れかに記載の位置方向情報表示方法を実装したコンピュータプログラムを提供できる。
【0032】
これを以って情報サービス分野に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に図面を用いて、本実施形態における位置方向情報表示装置を詳細に説明する。
【0034】
本実施形態における位置方向情報表示装置の基本的な構成を図1に基づいて説明する。位置方向情報表示装置は、基本的に図1中の案内システムに組み込まれる。即ち、該案内システムは、既定数の異なる文字の列で位置と方向を識別するID(以下、位置方向IDという)とし、位置方向IDを構成する各文字を環状に配置し、各文字が方向を指示するようにデザインした環状IDマーク2、携帯端末3、位置方向情報表示装置1を有する。また、位置方向情報表示装置1は、端末(携帯端末や携帯電話などを含むあらゆる端末)3からアクセスされる。
【0035】
本実施形態における位置方向情報表示装置1は、携帯端末3から位置方向IDとなりうる文字列IDを受け取る通信手段1aと、位置方向検出手段1bと位置方向ID管理テーブル1cを有し、該位置方向情報表示装置が表示する情報に応じて、ユーザ位置方向表示手段1d、文字列ID受信ログ保持手段1e、動線情報表示手段1fの各手段を具備する。
【0036】
また、図示省略しているが、位置方向ID管理テーブル1cを具備する場合は、位置方向ID管理テーブル1cを管理する(少なくとも、基本的な読み出し、書き出しを行う)位置方向ID管理手段、画像表示などを行うための地図情報を管理する地図情報管理手段を備えるものとする。位置方向情報表示装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を有するコンピュータで構成されていても良い。また、位置方向情報表示装置1で使用されるログやデータは、予め備えられた汎用的な記憶装置(例えば、メモリやハードディスク装置)に記憶される。
【0037】
ここで、図2,図3に、本実施形態における位置方向情報表示装置を含む案内システムで用いる環状IDマークの構成例を示す。
【0038】
図2,図3に示す環状IDマークの例は、携帯電話での利用を前提にしたものであり、携帯電話のテンキー(例えば、ダイアルキー)で入力可能な“0”,“1”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”,“8”,“9”,“*”(アスタリスク),“#”(シャープ)の文字を使って位置方向IDを構成する。
【0039】
位置方向IDを構成する文字数は、環状IDマークごとによって異なっても良い。環状IDマークは、位置方向IDを構成する各文字を環状に配置し、各文字が方向を指示するように(例えば、環の中心から文字への方向が、指示方向と同一になるように)デザインされる。各文字は、特定の方向に向くよう(例えば、文字が環の中心から外側方向に沿って上に向くよう)に配置される。すなわち、環状IDマークは、特定の向きから見ることを前提したものでなく、環状IDマーク周囲のどの向きから見ても良い構成とする。
【0040】
図2には、4つの文字で位置方向IDを構成する場合の環状IDマーク2の例を示している。図3は、8個の文字で位置方向IDを構成する場合の環状IDマーク21の例を示している。いずれの場合も、一つの位置方向IDに同じ文字が含まれないように構成する。これにより、該環状IDマーク上において一つの文字が一つの方向を明示するようにしている。例えば、環状IDマーク2における符号2a,2b,2c,2dで示される文字のように構成する。
【0041】
上述したように、環状IDマークに提示される位置方向IDを構成する文字数は、1文字以上であれば、何文字であってもよい。以下の説明では、位置方向IDが4文字で構成される場合について説明している。
【0042】
また、以下に説明する案内システムは、4文字以外の位置方向IDを利用することも可能である。例えば、“123#”という4文字の位置方向IDは、“12”という2文字の位置方向IDや、“12345678”という8文字の位置方向IDを利用することも可能である。
【0043】
環状IDマークが指示すべき方向が、高々2つである場合には、2文字の位置方向IDを含む環状IDマークを用いる。一方、8つ方向へ分岐する地点などでは、環状IDマークを指示すべき方向が8つである。この場合、2文字の位置方向IDを含む環状IDマークを用いる。即ち、文字数はその位置方向IDを固有化する特徴である。
【0044】
本実施形態における位置方向情報表示装置を含む案内システムでは、文字数、文字を並べる順序、含まれる文字(文字種類)の3つの要素を一意に定めることによって、一つ地点を識別するための位置方向IDが決定される。
【0045】
なお、“0”,“1”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”,“8”,“9”,“*”(アスタリスク),“#”(シャープ)の12文字を用いる場合、N文字の位置方向IDで識別可能な地点の数は、(12!/(12−N)!)/Nで与えられる。即ち、12文字から異なるN文字を取りだして構成される順列の種類が12!/(12−N)!となる。さらに、円周状に配置するため、N文字の順列の各文字を巡回シフトして得られるN種類の順列は同一の地点を示す。結果として、(12!/(12−N)!)/N個の異なる地点を識別するための位置方向IDが既定できる。
【0046】
例えば、1文字の位置方向IDでは12地点、2文字では66地点、3文字では440地点、4文字では2970地点、5文字では19008地点、6文字では110880地点、7文字では570240地点、8文字では2494800地点を識別できる。
【0047】
展示ホール,博物館,美術館など各施設内に本実施形態における案内システムを設置し、案内サービスを実施する場合、施設の規模にも依存するが、設置される環状IDマークの数(すなわち、識別すべき地点数)は、多くても1000個程度であると予測される。したがって、4文字の位置方向IDでも十分に実用的である。また、3文字以下の位置方向IDを用いる場合でも、12+66+440=518地点に位置方向IDを付与でき、多くの施設をサポートできる。
【0048】
一方、本実施形態における案内システムに含まれる位置方向情報表示装置を一つ用いて、全国各地の複数の施設またはエリアにおける案内サービスを実現するためには、識別可能な地点数が少ない。それゆえ、本実施形態における位置方向情報表示装置は、利用者の能動的な現在地エリア指示操作、もしくは、携帯端末のGPS,通信時の基地局IDを利用して、当該携帯端末が存在するエリア施設に応じた位置方向ID管理テーブルを選択する手段を備えることもできる。
【0049】
上述した環状IDマークは、床面に直接印刷する、あるいは、床面に貼り付け可能なシートに印刷され床面に添付される。さらに、環状IDマークを印刷した領域周囲に、広告情報を添付し、いわゆる床面広告と環状IDマークを組み合わせることも可能である。
【0050】
また、床面に彫刻するかたちで環状IDマークを添付しても良い。天井よりプロジェクターその他の光学デバイスを用いて床面に提示する形でも良い。例えば、天井から床面を照らす照明器具の直下に、環状IDマークに相当する影を形成するための物体またはフィルムを添付することによって、床面に環状IDマークを提示してもよい。
【0051】
なお、本実施形態では、環状IDマークを床に提示する(配置する)ことを前提にしているが、壁面、天井、テーブル上などに提示する場合も考えられる。
【0052】
本実施形態における位置方向情報表示装置を含む案内システムの全体構成と動作概要を図4に基づいて説明する。位置方向情報表示装置を含む案内システムでは、それぞれが異なる位置方向IDを有した前記環状IDマークを、案内の対象となるスペースに複数配置する。基本的には、通路の分岐に、環状IDマーク上の各文字が、分岐する各通路の方向を指示するように配置する。
【0053】
利用者は、環状IDマークが配置されている各ポイントで、環状IDマーク上の文字を、利用者の視点に基づいた所定の順序で携帯端末へ入力する。例えば、利用者は、環状IDマーク上の複数の文字を、利用者から見て環状IDマークの上部に位置する文字から時計周りの順に入力する。さらに具体的には、図2に示す4つの文字を含む環状IDマーク1については、図5に示すように、利用者Uの視線方向に応じて、視線方向Aでは“123#”id1、視線方向Bでは“23#1”id2、視線方向Cでは“3#12”id3、視線方向Dでは“#123”id4の位置方向IDが入力される。なお、逆に反時計周りの順に入力するものとしても良い。
【0054】
以上に説明した案内システムにおいては、例えば、図4のように、携帯端末3が所定の通信回線100を介して本実施形態における位置方向情報表示装置1に位置方向IDである文字列IDを送信する。本実施形態における位置方向情報表示装置1は、受信された文字列IDに基づいて処理を行う。以下に、本実施形態における位置方向情報表示装置を詳細に説明する。なお、図1中の符号と同じ符号のものの説明は省略する。
【0055】
まず、携帯端末3より所定の無線通信回線を介して送信される文字列IDは、本実施形態における位置方向情報表示装置に具備される通信手段1aによって受信される。なお、文字列IDは、データ通信回線を介して送信される場合や音声通話回線を介してDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号として送信される場合がある。
【0056】
前記通信手段は、いずれかの通信経路を介して文字列IDを受信し、位置方向情報表示装置内部で扱うデータ信号に変換して、位置方向検出手段1b、文字列ID受信ログ保持手段1eに送る。
【0057】
位置方向検出手段1bは、文字列IDが受信されると、位置方向ID管理テーブル1cを参照し、位置方向ID管理テーブル1c中に、文字列IDに対応する(一致する)位置方向IDを取得したときに、前記文字列IDが位置方向IDであることを確定する。そして、前記位置方向IDに対応する位置情報及び方向情報を位置方向ID管理テーブル1cから取得し、ユーザ位置方向表示手段1dへ送信する。
【0058】
ここで、位置方向ID管理テーブルを図6に基づいて説明する。上述したように、一つの位置方向IDは、一つの位置と方向を特定する。位置方向ID管理テーブル1cでは,位置方向ID毎に、対応する位置座標と、方向(視線方向)を管理している。
【0059】
即ち、一つの位置方向IDを巡回シフトして得られる位置方向ID群,該位置方向ID群を構成する各位置方向IDが同一の位置を指示する位置情報,該位置方向ID群に含まれる各位置方向IDが該位置における特定の方向を指示する方向情報を管理している。
【0060】
図6に示す位置方向ID管理テーブル1cは,連番フィールドF11、IDフィールドF12、位置情報フィールドF13、方向情報フィールドF14を含む位置方向ID管理データを有する。
【0061】
IDフィールドF12は、既に定義(使用)された全ての位置方向IDの値を保持する。
【0062】
位置情報フィールドF13は、IDフィールドF12に保持された位置方向ID群を構成する各位置方向IDに対応する位置を示す情報を保持する。すなわち、該位置方向IDを有する環状IDマーク1の位置を保持する。位置情報フィールドF13に格納される位置情報は、3軸から構成される整数座標値を想定している。例えば、位置情報は、(緯度,経度,高度)や(緯度,経度,フロア番号)などの要素で表現してよい。また、特定のスペースで実施する場合、そのスペースの基準座標を原点とし、所定の距離(1m(メートル),10mなど)を単位として、(x座標,y座標,z座標)といった形で表現しても良い。なお、図6中の位置情報フィールドF13は、(x座標,y座標,フロア番号)で、位置情報を示している。
【0063】
方向情報フィールドF14は、視線方向を示すためのフィールドである。即ち、前記位置方向ID群に含まれる各位置方向IDが位置情報フィールドF13の位置情報における特定の方向(視線方向)を示すフィールドである。また、位置情報と同じ座標系において、対応する視線方向を示すベクトル情報を3次元ベクトル形式で表記し方向情報として保持している(なお、通常利用するのは床面と水平な2次元平面における向きである)。図5には、図2に示す4文字の位置方向IDを示す環状IDマーク2を用いて入力される4種類の位置方向IDそれぞれに対応する方向情報の記述例である方向情報v1〜v4を示す。なお、図5中の符号VSで示すものが方向情報に関する方向ベクトル座標系を表す。
【0064】
図7は、上述したものと同じフィールドフォーマットで、図3に示す8文字の位置方向IDを示す環状IDマーク21に対応する8種類の位置方向IDを管理する位置方向ID管理テーブル1c’の例である。
【0065】
ユーザ位置方向表示手段1dは、前記位置方向ID管理テーブル1cに保持する位置情報と同じ座標系に対応付けた地図画像(即ち、地図情報を画像化した画像情報)を地図情報管理手段を使って管理し、該地図画像を表示装置(例えば、ディスプレイ)4を介して表示する(あるいは、前記地図画像を表示装置4に出力する)。さらに、位置方向検出手段1bによって位置情報と方向情報が通知される都度、前記表示された地図画像上の前記位置情報に対応する位置に、前記方向情報を示す画像アイコン(以下、単にアイコン)を一定期間表示する。即ち、地図情報上に位置情報と方向情報を表示する(例えば、アイコンを用いて表示する)。なお、アイコンで表示した方が、視覚的に判り易いが、地図画像上に、文字列で表示してもよい。
【0066】
図8は、ユーザ位置方向表示手段1dによる表示例である。図8中では、方向情報に対応する方向に突起を付与した円形のアイコンを位置情報に対応する位置に表示している。即ち、このアイコンが、利用者の位置と視線方向を視覚的に表している。
【0067】
前記携帯端末3は、さらに、携帯端末3もしくは利用者を特定するための端末識別情報(例えば、端末ID)または利用者識別情報(例えば、利用ユーザ名、利用ユーザID)を文字列IDに加えて送信する場合、該情報は、通信手段1a、位置方向検出手段1bを介して、位置情報,方向情報とともに、ユーザ位置方向表示手段1dに通知される。
【0068】
ユーザ位置方向表示手段1dは、位置情報,方向情報に加えて、前記端末識別情報または利用者識別情報が通知された場合,前記端末識別情報または利用者識別情報を合わせて地図画像102上に表示する。例えば、利用ユーザ名を示すテキストが受信された場合には、図8に示すように、利用ユーザ名Unを各アイコンIcnの横に表示する。この他に、各端末IDもしくは利用ユーザIDに、特定の画像アイコン(利用者の顔画像など)を予め対応付けて管理しておき、地図画像102上に表示することもできる。
【0069】
本実施形態における位置方向情報表示装置の他の実施例として、文字列IDの受信に関するログを分析し、動線情報を表示する場合がある。なお、前記動線情報とは、環状IDマークが配置された各位置で、各方向から見て入力された文字列ID(即ち、確定した位置方向ID)の数の累積数(位置方向IDの出現回数)を示すものであって、位置情報,方向情報及び前記累積回数を組み合わせた情報である。各環状IDマークの位置におけるユーザ視線方向(あるいは、利用者視線方向)は、その地点での利用者の移動方向に相当する。ユーザ視線方向の検出頻度を可視化することによって、その方向に移動する利用者が多いか少ないかが可視化され、結果として動線が推定できる。
【0070】
この実施例において、本実施形態における位置方向情報表示装置は、まず、通信手段1に受信された文字列IDを文字列ID受信ログ保持手段1eに送る。
【0071】
文字列ID受信ログ保持手段1eは、受信された文字列IDをすべて受信時刻のタイムスタンプとともにログ(即ち、文字列ID受信ログ)として記憶しておく。
【0072】
本実施形態における位置方向情報表示装置に具備される動線情報表示手段1fは、ユーザ位置方向表示手段1dと同様に、地図情報管理手段を使って地図画像を保持し、装置利用者(例えば、位置方向情報表示装置を直接操作する者)の指示をトリガとして、文字列ID受信ログ保持手段1dに保持されるログに基づいて動線情報(位置情報,方向情報,位置方向ID(文字列ID)の出現(受信)回数)を計測して、該動線情報(例えば、動線情報を表す矢印型アイコン)を前記地図画像上に表示する。図9は、動線情報表示手段1fの出力の一例である。
【0073】
具体的な動線情報表示手順としては、まず、全ての文字列IDの出現回数を計測する。
【0074】
次に、文字列IDごとに、位置方向ID管理テーブル1cを参照して(あるいは、位置方向ID管理手段に照会して)、対応する位置情報と方向情報を確認し、文字列IDが位置方向IDであることを確定し、出現回数を計測し、動線情報を求め、例えば、図9中の地図画像102の対応する位置を始点とし、対応する方向へ、前記出現回数に比例する長さの矢印mvを表示する(あるいは、地図画像の対応する位置を終点(矢印先端)とし、対応する方へ前記出現回数に比例する長さの尾を有した矢印を表示する)。即ち、前記矢印は、動線情報を可視化(隠喩化、アイコン化)するものとなる。なお、アイコンで表示した方が、視覚的に判り易いが、地図画像上に、文字列で表示してもよい。
【0075】
さらに、動線情報表示手段1fは、本実施形態における装置利用者に対し、特定の時間範囲を指定させる時間範囲指定手段を提供する。例えば、2006年11月1日12:00〜2006年11月1日18:00といった時間範囲を入力できる手段を提供する。
【0076】
前記時間範囲が指定された場合、動線情報表示手段1fは、当該時間範囲に受信された文字列IDのみを文字列ID受信ログ保持手段1eに保持されるログから抽出し、その抽出されたログに基づいて、前記指定された時間範囲当たりの出現回数(受信回数)を各文字列ID毎に計測する。そして、上述の通り、文字列IDごとに、位置方向ID管理テーブル1cを参照して、対応する位置情報と方向情報を確認し、文字列IDが位置方向IDであることを確定し、動線情報を求め、地図画像の対応する位置を始点とし、対応する方向へ、前記出現回数に比例する長さの矢印(可視化された動線情報)を表示する。さらに、時間範囲(時間帯)ごとに動線情報を可視化する。
【0077】
なお、本実施形態における位置方向情報表示装置は、インターネットなどにネットワークに接続されるサーバ装置に必要な手段、プログラムを具備することで実現できる。本実施形態における位置方向情報表示装置は、該装置に直接接続された表示装置(例えば、ディスプレイ)に位置方向情報および動線情報そのもの、または、それらを含む情報を表示できる。また、ネットワークを介して本実施形態における位置方向情報表示装置に接続されるクライアント端末(例えば、パーソナルコンピュータ)の表示装置(ディスプレイ)に位置方向情報および動線情報を表示できる。本実施形態における位置方向情報表示装置がインターネットに接続される場合、前記ユーザ位置方向表示手段,動線情報表示手段の各手段は、その出力をHTML(HyperText Markup Language)コンテンツとして生成し、リモート(遠隔)のクライアント端末がWebブラウザを用いて前記HTMLコンテンツを視聴できるようにも実装できる。
【0078】
即ち、本実施形態の位置方向情報表示装置における各手段の一部もしくは全部の機能をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータを用いて実行して本発明を実現することができること、本実施形態の位置方向情報表示方法における手順をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることができることは言うまでもない。
【0079】
以上のように、本実施形態における位置方向情報表示装置では、携帯電話のテンキー(例えば、ダイアルキー)で簡易に入力可能な文字“0”,“1”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”,“8”,“9”,“*”,“#”で構成される位置方向IDを含むマークを屋内各所の床上に配置し、これを利用して携帯端末の利用者の位置方向を検出する構成としている。特に、前記マークとして、複数の異なる文字の列を位置方向IDとし、位置方向IDを構成する各文字を環状に配置し、各文字が方向を指示するようにデザインした環状IDマークを用いることが特徴である。
【0080】
利用者の視点から見て環状マーク上の上部にある文字より時計回りの順で各文字を入力する場合、入力される文字列IDは、利用者がどの方向から環状IDマークを見るかによって異なる。本実施形態における位置方向情報表示装置は、この点を利用して、利用者の視線方向を検出し、検出された位置と視線方向を地図画像上に可視化する。
【0081】
このような動作を実現するために、本実施形態における位置方向情報表示装置には、前記複数の異なる文字から構成される位置方向IDと、位置方向を対応付けた位置方向ID管理テーブルと、前記位置方向IDとなりうつ文字列IDを送信した携帯端末利用者の位置と方向を位置方向ID管理テーブルを用いて検出する位置方向検出手段と、地図画面上の検出された位置に前記検出された方向を示す画像を表示するユーザ位置方向表示手段と、を具備した。さらに、前記位置方向ID管理テーブルは、一つの位置方向IDを巡回シフトして得られる位置方向ID群が同一の位置を指示し、前記位置方向ID群に含まれる各位置方向IDが、該位置における特定の方向を指示するよう構成した。
【0082】
さらに、特定の利用者の位置を地図画像上で識別できるようにするため、前記位置方向情報表示装置が、前記文字列IDに加えて携帯端末もしくは携帯端末利用者を識別する利用ユーザIDを受信する。また、地図画面上の前記検出された位置に、前記検出された方向のみでなく、利用ユーザIDで特定される前記携帯端末もしくは携帯端末利用者を示す画像(図形や文字、アイコンなど)を、前記ユーザ位置方向表示手段へ表示する機能も具備した。
【0083】
また、地図画像上に、人の流れ(動線)を可視化することを目的とし、本実施形態における位置方向表示装置には、文字列IDを受信するたびに、受信時間とともに受信された文字列IDを記録した文字列ID受信ログを保持する文字列ID受信ログ保持手段を具備した。
【0084】
また、前記文字列ID受信ログを参照し、文字列ID毎に受信総数を計測して、地図画像上の各文字列IDに基づいて確定した位置方向IDに対応する位置において、各位置方向IDに対応する方向に、前記計測された受信送信に基づいて決定される長さの矢印を表示する動線情報表示手段を具備した。
【0085】
また、所定の時間範囲における動線情報を表示できるようにする目的で、本実施形態における位置方向表示装置には、装置利用者が時間範囲を指定するための時間範囲指定手段を具備した。
【0086】
また、前記動線情報表示手段は、前記文字列ID受信ログを参照し、文字列ID毎に、前記時間範囲指定手段で指定された時間範囲における受信総数(文字列IDの出現回数)を計測して、地図画像上の各文字列IDに基づく位置方向IDに対応する位置において、各位置方向IDに対応する方向に、前記計測された受信総数に基づいて決定される長さの矢印を表示するものとした。
【0087】
本実施形態における位置方向情報装置を含む案内システムは、特殊なセンサデバイスやGPSを備えない携帯端末から、テンキーで簡単に入力可能な文字列IDを受信することによって、当該携帯端末ユーザの位置と、視線方向を特定し,地図画像上に可視化できる。また、ユーザを識別する情報の提示や,時間帯ごとの動線(人の流れ)を示す情報も可視化できる。
【0088】
さらに、本実施形態における位置方向情報装置を含む案内システムは、検出された位置方向情報に基づいて近隣の情報を携帯端末に提供する手段を加えたうえ、主にGPSの利用できない屋内で、携帯電話を中心とする既存端末に案内サービスを提供するために利用することを想定している。例えば、イベント会場、博物館、美術館などへ本案内システムを導入し、利用者周辺の展示品に関する情報提供サービスや、施設内でのナビゲーションサービスなどを提供することができる。同様に、地下街,ショッピングモールなどに導入し、利用者周囲の店舗情報の提供や、所望の店舗までのナビゲーションサービスなどを提供できる。
【0089】
本実施形態における位置方向情報装置は,上記のような案内システムにおいて、各環状IDマークの位置に存在する利用者の向きや属性(例えば、利用者の名前など利用者を特定する属性情報)、案内対象エリアにおける人の動線を可視化することによって、展示スペースの再設計や、商品の配置方法の検討に寄与する情報を提供する、といった用途に活用できる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものでなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
【0091】
例えば、上述のように矢印の長さで文字列ID(位置方向ID)の出現回数(受信回数)を表現するのではなく、矢印の色で文字列IDの出現回数を表現しても良い。例えば、0〜10回は青色の矢印、11〜20回は黄色の矢印、21以上は赤色の矢印として表示する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本実施形態における位置方向情報表示装置の構成図。
【図2】環状IDマークの構成例1を示す図。
【図3】環状IDマークの構成例2を示す図。
【図4】本実施形態に位置方向情報表示装置を含むシステムの全体構成例を示す図。
【図5】環状IDマークに対する視線方向と位置方向ID、方向情報の関係を示す図。
【図6】位置方向ID管理テーブルの構成例1を示す図。
【図7】位置方向ID管理テーブルの構成例2を示す図。
【図8】ユーザ位置方向情報手段の出力例を示す図。
【図9】動線情報表示手段の出力例を示す図。
【符号の説明】
【0093】
1…位置方向情報表示装置
1a…通信手段
1b…位置方向検出手段
1c,1c’…位置方向ID管理テーブル
1d…ユーザ位置方向表示手段
1e…文字列ID受信ログ保持手段
1f…動線情報表示手段
2,21…環状IDマーク
2a,2b,2c,2d…文字
3…携帯端末
4…ディスプレイ
100…通信回線
101…屋内フロア
102…地図情報
F11…連番フィールド
F12…IDフィールド
F13…位置情報フィールド
F14…方向情報フィールド
A,B,C,D…視線方向
Icn…アイコン
U…利用者
Un…利用ユーザ名
id1,id2,id3,id4…位置方向ID
mv…動線を表す矢印
v1,v2,v3,v4…方向情報
VS…方向ベクトル座標系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1文字以上の異なる文字から成り、かつ、端末から通信回線を介して受信した文字列IDに対応する位置方向IDを確定し、
該端末を利用する利用者の位置と、該利用者の視線方向を検出し、前記位置と視線方向を、予め備えられた情報を表示する表示装置を介して表示する位置方向情報表示装置であって、
前記文字列IDを受信する通信手段と、
一つの位置方向IDを巡回シフトして得られる位置方向ID群,
該位置方向ID群を構成する各位置方向IDが同一の位置を指示する位置情報,
該位置方向ID群に含まれる各位置方向IDが該位置における特定の方向を指示する方向情報,
を含む位置方向ID管理データを管理する位置方向ID管理手段と、
前記位置方向ID管理手段で保持している位置情報と同じ座標系に対応付けた地図情報を管理する地図情報管理手段と、
受信された文字列IDを位置方向ID管理手段に照会し、該文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報及び方向情報を前記位置方向ID管理手段を使って取得する位置方向検出手段と、
前記地図情報管理手段で管理される前記地図情報上に、前記位置方向IDに対応する位置情報と前記方向情報を表示するユーザ位置方向表示手段と、
を備えることを特徴とする位置方向情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の位置方向情報表示装置において、
前記通信手段が、前記端末を識別する端末識別情報もしくは前記端末の利用者を識別する利用者識別情報と前記文字列IDを受信する手段を備え、
前記ユーザ位置方向表示手段が、前記文字列IDに対応する位置方向IDに応じた位置情報及び方向情報とともに、前記端末識別情報もしくは利用者識別情報を前記地図情報上に表示して、端末もしくは利用者を識別する手段を備える、
ことを特徴とする位置方向情報表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の位置方向情報表示装置において、
前記文字列IDを受信した受信時刻と該文字列IDを記録した文字列ID受信ログを保持する文字列ID受信ログ保持手段と、
前記文字列ID受信ログ保持手段が保持する文字列ID受信ログを参照し、文字列ID毎に受信回数を計測し、
前記位置方向ID管理手段に照会して、前記文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報と方向情報も取得し、
前記位置情報,前記方向情報,前記位置方向IDに対応する受信回数を有する動線情報を、前記地図情報上に表示する動線情報表示手段と、
を備えることを特徴とする位置方向情報表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の位置方向情報表示装置において、
時間範囲を指定する時間範囲指定手段を備え、
前記動線情報表示手段が、
前記文字列ID受信ログ保持手段が保持する文字列ID受信ログを参照し、前記時間範囲指定手段で指定された時間範囲当たりの受信回数を文字列ID毎に計測し、
前記位置方向ID管理手段に照会して、前記文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報と方向情報も取得し、
前記位置情報,前記方向情報,前記位置方向IDに対応する前記時間範囲当たりの受信回数から構成された動線情報を、前記地図情報上に表示する手段、
を備える、
ことを特徴とする位置方向情報表示装置。
【請求項5】
一つの位置方向IDを巡回シフトして得られる位置方向ID群,
該位置方向ID群を構成する各位置方向IDが同一の位置を指示する位置情報,
該位置方向ID群に含まれる各位置方向IDが該位置における特定の方向を指示する方向情報,
を含む位置方向ID管理データを管理する位置方向ID管理手段と、
前記位置方向ID管理手段で保持している位置情報と同じ座標系に対応付けた地図情報を管理する地図情報管理手段と、
情報を表示する表示装置と、
を備え、
1文字以上の異なる文字から成り、かつ、端末から通信回線を介して受信した文字列IDに対応する位置方向IDを確定し、
該端末を利用する利用者の位置と、該利用者の視線方向を検出し、前記位置と視線方向を前記表示装置を介して表示する装置、
に使用される位置方向情報表示方法であって、
前記文字列IDを受信する通信ステップと、
受信された文字列IDを位置方向ID管理手段に照会し、該文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報及び方向情報を前記位置方向ID管理手段を使って取得する位置方向検出ステップと、
前記地図情報管理手段で管理される前記地図情報上に、前記位置方向IDに対応する位置情報と前記方向情報を表示するユーザ位置方向表示ステップと、
を有することを特徴とする位置方向情報表示方法。
【請求項6】
請求項5に記載の位置方向情報表示方法において、
前記通信ステップが、前記端末を識別する端末識別情報もしくは前記端末の利用者を識別する利用者識別情報と前記文字列IDを受信するステップを有し、
前記ユーザ位置方向表示ステップが、前記文字列IDに対応する位置方向IDに応じた位置情報及び方向情報とともに、前記端末識別情報もしくは利用者識別情報を前記地図情報上に表示して、端末もしくは利用者を識別するステップを有する、
ことを特徴とする位置方向情報表示方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の位置方向情報表示方法において、
前記文字列IDを受信した受信時刻と該文字列IDを記録した文字列ID受信ログを保持する文字列ID受信ログ保持ステップと、
前記文字列ID受信ログ保持ステップが保持する文字列ID受信ログを参照し、文字列ID毎に受信回数を計測し、
前記位置方向ID管理手段に照会して、前記文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報と方向情報も取得し、
前記位置情報,前記方向情報,前記位置方向IDに対応する受信回数を有する動線情報を、前記地図情報上に表示する動線情報表示ステップと、
を有することを特徴とする位置方向情報表示方法。
【請求項8】
請求項7に記載の位置方向情報表示方法において、
時間範囲を指定する時間範囲指定ステップを有し、
前記動線情報表示ステップが、
前記文字列ID受信ログ保持ステップが保持する文字列ID受信ログを参照し、前記時間範囲指定ステップで指定された時間範囲当たりの受信回数を文字列ID毎に計測し、
前記位置方向ID管理手段に照会して、前記文字列IDに対応する位置方向IDを取得して該文字列IDが位置方向IDであることを確定し、該位置方向IDに対応する位置情報と方向情報も取得し、
前記位置情報,前記方向情報,前記位置方向IDに対応する前記時間範囲当たりの受信回数から構成された動線情報を、前記地図情報上に表示するステップ、
を有する、
ことを特徴とする位置方向情報表示方法。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れかに記載の位置方向情報表示方法を、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムとして記述したことを特徴とする位置方向情報表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−129298(P2008−129298A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313738(P2006−313738)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】