説明

位置検出システム

【課題】 検出ポイント数が多くなっても、漏洩ケーブルなどの信号線の必要本数がそれほど多くならず、設備コストを抑えることができる位置検出システムを提供することである。
【解決手段】 所定のエリアに複数の検出ポイントp1〜p7を設定し、これら検出ポイントを結ぶ線に沿って複数の信号線L1〜L3を一組として設け、これら各信号線に信号を送信する送信手段2を接続し、上記1つの信号線には上記検出ポイントに対応した1または複数の送信ポイントa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4を備え、上記各検出ポイントに対応する送信ポイントを有する信号線の組み合わせが重複しない関係を保つとともに、上記送信ポイント全てから送信される送信信号同士が互いに干渉しない構成にし、特定の送信ポイントに対応する検出ポイントにおけるモバイル通信手段3を、上記特定の送信ポイントを介して上記送信手段2と通信可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動する人や物体の現在位置を検出するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動する人や物体の現在位置を検出するために、複数のアクセスポイントを設けて3点測位が行なわれているが、この方法では、より正確な位置検出のためには、多数のアクセスポイントを設ける必要があり、設備コストがかかってしまうという問題がある。
一方、多数のアクセスポイントを設ける場合に比べて、設備を簡略化するため、複数の漏洩同軸ケーブルをアンテナとして用い、移動体との間で送受信される信号を基にして位置を検出する方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された位置検出方法は、漏洩同軸ケーブルの両端から信号を送信し、移動体に到達した信号の位相差に基づいて、漏洩同軸ケーブル上の位置を特定するものである。
また、特許文献2には、漏洩同軸ケーブル中の信号を終端で反射するようにしておき、移動体が上記漏洩同軸ケーブルの始端から送信された直接波を受信した時刻と、終端で反射した反射波を受信した時刻との時間差に基づいて移動体の位置を算出する方法が記載されている。
しかし、これらの方法では、受信信号の位相差や受信時刻を正確に特定する必要があるため、演算処理が煩雑になってしまう。
【0004】
これに対し、上記のような煩雑な演算処理を必要としないものとして、複数の漏洩同軸ケーブルをケーブルアンテナとして設け、移動体から発信される信号を受信したケーブルアンテナの組み合わせによって移動体の位置を検出するというシステムも知られている。
例えば、図9に示すように、ケーブルアンテナx1の近傍における4つのポイントp1,p2,p3,p4を特定するシステムとして、上記ケーブルアンテナx1に別のケーブルアンテナx2,x3,x4を交差させて設けている。上記ケーブルアンテナx1は、そのケーブルアンテナx1に沿った4つのポイントp1,p2,p3,p4全ての位置からの信号を受信するが、他のケーブルアンテナx2,x3,x4はそれぞれ、位置p1,p2,p3からの信号のみを受信するようにしている。
【0005】
従って、これらのアンテナケーブルx1,x2,x3,x4に接続した受信装置1では、どのアンテナケーブルが移動体からの信号を受信したかによって、信号を発信する移動体の位置を特定する。具体的には、ケーブルアンテナx1とx2とによって信号を受信した場合にはポイントp1、ケーブルアンテナx1とx3とによって信号を受信した場合にはポイントp2、ケーブルアンテナx1とx4とによって信号を受信した場合にはポイントp3、ケーブルアンテナx1のみが信号を受信した場合にはポイントp4に移動体があると判定する。
また、図10のように、ケーブルアンテナx1,x2,x3,x4を配置すれば、信号を受信したケーブルアンテナがどれかということによって、ケーブルアンテナの交点p1、p2、p3、p4に対応する、平面状に配置された各ポイントを特定することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−016886号公報
【特許文献2】特開2009−053099号公報
【特許文献3】特開2006−122648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した図9、10に示す従来の位置検出システムでは、位置の検出ポイント数を増やすためには、漏洩同軸ケーブルの本数を増やす必要がある。例えば、図9のように直線に沿った複数のポイントを検出するためには、検出ポイントと同数の漏洩同軸ケーブルが必要になる。検出ポイント数が100ならば、100本の漏洩同軸ケーブルが必要であり、検出ポイント数が1000ならば1000本の漏洩同軸ケーブルが必要である。
また、図10のように平面状に検出ポイントを配置する場合には、その配列によって必要な漏洩同軸ケーブルの本数が異なる。100の検出ポイントを10列10行に配置する場合には、20本の漏洩同軸ケーブルが必要で、2列50行の配置では52本の漏洩同軸ケーブルが必要になる。
【0008】
このように、図9、10に示す従来の位置検出システムでは、検出すべき検出ポイント数が多くなると、必要な漏洩同軸ケーブルの本数が非常に多くなって、その分、設備コストが高くなるという問題があった。
この発明の課題は、検出ポイント数が多くなっても、漏洩ケーブルなどの信号線の必要本数がそれほど多くならず、設備コストを抑えることができる位置検出システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、所定のエリアに複数の検出ポイントを設定し、これら検出ポイントを結ぶ線に沿って複数の信号線を一組として設け、これら各信号線に信号を送信する送信手段を接続し、上記1つの信号線には上記検出ポイントに対応した1または複数の送信ポイントを備え、上記各検出ポイントに対応する送信ポイントを有する信号線の組み合わせが重複しない関係を保つとともに、上記送信ポイント全てから送信される送信信号同士が互いに干渉しない構成にしている。
そして、上記送信ポイントのうちのいずれか特定の送信ポイントに対応する検出ポイントにおけるモバイル通信手段を、上記特定の送信ポイントを介して上記送信手段と通信可能にしたことを特徴とする。
【0010】
なお、上記送信ポイント全てから送信される送信信号同士が互いに干渉しない構成とは、異なる送信ポイントから送信される信号が混信して区別ができなくなってしまうことがない構成のことである。
具体的には、特定の検出ポイントにおけるモバイル通信手段が、その検出ポイントに対応する送信ポイントから送信された信号を確実に受信できるとともに、上記特定の検出ポイントと対応しない送信ポイントからの信号を受信しない構成のことである。例えば、送信ポイント間の距離を大きくしたり、各信号線に信号送信する際に異なるチャンネルを使用するようにしたりする方法がある。
【0011】
但し、厳密には、検出ポイントに対応していない送信ポイントからの信号を、モバイル通信手段が受信してしまうこともあるが、そのような信号は強度が低いので、例えば閾値を設定することによって閾値以下の信号は受信してないものとみなすことができる。
また、異なる信号線に形成され、同一の検出ポイントに対応させた複数の送信ポイントから送信される信号はモバイル通信手段が同時に受信した場合に、モバイル通信手段では、これら複数の信号を新たな合成信号として受信するのではなく、それぞれ区別できるようにすることが、この発明の互いに干渉しない構成である。
【0012】
第2の発明は、所定のエリアに複数の検出ポイントを設定し、これら検出ポイントを結ぶ線に沿って複数の信号線を一組として設け、これら各信号線を介して信号を受信する受信手段を接続し、上記1つの信号線には上記検出ポイントに対応した1または複数の受信ポイントを備え、上記各検出ポイントに対応する受信ポイントを有する信号線の組み合わせが重複しない関係を保つとともに、上記各受信ポイント同士の受信信号が互いに干渉しない構成にし、上記受信ポイントのうちのいずれか特定の受信ポイントに対応する検出ポイントにおけるモバイル通信手段を、上記特定の受信ポイントを介して上記受信手段と通信可能にしたことを特徴とする。
【0013】
なお、上記受信ポイント同士の受信信号が互いに干渉しない構成とは、各受信ポイントが対応する検出ポイントからの送信信号を受信し、他のポイントから送信される信号が混信して受信信号が区別できなくなってしまうことがない構成のことである。
厳密には、特定の検出ポイントに対応する受信ポイントが、対応する検出ポイント以外からの信号を受信してしまうこともあるが、そのような信号は強度が低いので、例えば受信手段側で閾値を設定することによって受信してないものとみなすことができる。
【0014】
第3の発明は、第1の発明を前提とし、上記送信ポイントから信号を受信するモバイル通信手段と、モバイル通信手段が受信した信号に基づいて上記モバイル通信手段と対応する検出ポイントを特定する判定部とを備え、上記判定部は、上記モバイル通信手段がどの信号線から信号を受信したのかを特定し、その特定された信号線の組み合わせに基づいて上記モバイル通信手段と対応する検出ポイントを判定することを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、第3の発明の上記判定部を、上記モバイル通信手段に設けたことを特徴とする。
第5の発明は、第3の発明の上記判定部を、上記モバイル通信手段と別体にし、これら判定部とモバイル通信手段と通信可能にしたことを特徴とする。
【0016】
第6の発明は、第2の発明を前提とし、上記受信ポイントを介して上記受信手段へ信号を送信するモバイル通信手段と、上記受信手段が受信した信号に基づいて上記モバイル通信手段と対応する検出ポイントを特定する判定部とを備え、上記判定部は、上記受信手段がどの信号線を介して信号を受信したのかを特定し、その特定された信号線の組み合わせに基づいて上記モバイル通信手段と対応する検出ポイントを判定することを特徴とする。
【0017】
第7の発明は、第3〜第5の発明を前提とし、上記送信手段が、上記一組の信号線のうち、全部あるいは一部の複数の信号線に対して、同一チャンネルを用いた信号を順次送信するとともに、同一チャンネルを用いた信号を送信する各信号線に対する信号の送信時間を所定の時間で区切り、特定の送信時間に特定のチャンネルを用いた信号が、1つの信号線のみに送信される構成にしたことを特徴とする。
【0018】
第8の発明は、上記信号線が漏洩同軸ケーブルまたは光ファイバーであって、上記検出ポイントに対応する上記送信ポイントからのみ信号を出力させ、または上記受信ポイントからのみ受信させるために、上記送信ポイントまたは受信ポイント以外の部分に信号の通過を遮断する遮蔽体を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第1〜第7の発明によれば、漏洩同軸ケーブルなどの信号線の本数nに対して、判別可能な検出ポイント数が{2−1}になるため、信号線の本数をそれほど多くしなくても検出ポイント数を多くすることができる。従って、設備コストを抑えて、正確な位置検出ができる。
【0020】
第1、第3〜第5、及び第7の発明は、信号線から送信される信号に基づいて信号線の組み合わせを特定することによって検出ポイントを特定することができる。
第3〜第5の発明の判定部は、モバイル通信手段がどの信号を受信したかを区別できれば、検出ポイントを判定することができ、信号の位相差や受信時刻などを正確に特定するための煩雑な演算処理を必要としない。
特に、信号線を区別するための情報を付加するなど、信号線ごとに異なる送信信号を送信するようにすれば、モバイル通信手段は受信方向などにかかわらず、信号の送信元となる信号線を特定することができる。
【0021】
第7の発明では、同一チャンネルを用いて複数の信号線に送信する信号を送信する送信時間をずらすようにしているので、同一チャンネルを用いた送信信号が異なる信号線から同時に送信されることがなく、互いに干渉しない。そのため、信号送信に実際に使用できるチャンネル数が限られている場合にも、チャンネル数より多くの信号線に対して互いに干渉しないように信号を送信することができる。
【0022】
また、第2の発明は、モバイル通信手段から信号を受信し、信号を受信した信号線の組み合わせを特定することによって検出ポイントを特定することができる。
第6の発明の判定部も、どの信号線がモバイル通信手段からの信号を受信したのかを判別できれば良く、信号の位相差や受信時刻などを正確に特定するための煩雑な演算処理を必要としない。また、モバイル通信手段から送信される信号は、検出位置に対応した受信ポイントを介して信号線が受信するので、モバイル通信手段はどの検出ポイントにおいても、同じ信号を送信すれば足りる。
第8の発明によれば、送信ポイントや受信ポイントを簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態のシステムの全体構成である。
【図2】第1実施形態における漏洩同軸ケーブルの送信ポイントの配列を示した図である。
【図3】第1実施形態のモバイル端末の構成を示したブロック図である。
【図4】第1実施形態の検出ポイントと漏洩同軸ケーブルとの対応関係を示した対応テーブルである。
【図5】第2実施形態の位置検出システムの構成図である。
【図6】第2実施形態のブロック図である。
【図7】第3実施形態の漏洩同軸ケーブルと送信ポイントの配置を示した図である。
【図8】第3実施形態のモバイル端末の構成を示したブロック図である。
【図9】従来の漏洩同軸ケーブルを用いた位置検出システムのケーブル配置を示した図である。
【図10】従来の漏洩同軸ケーブルを用いた位置検出システムのケーブル配置を示した図で、図9と異なる配置の例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜図4にこの発明の第1実施形態を示す。
この第1実施形態は、移動するユーザーに対し、ユーザーの位置に対応した情報を提供する情報提供システムに、この発明の位置検出システムを応用したものである。
この第1実施形態の情報提供システムは、この発明のモバイル通信手段であるユーザーのモバイル端末3が、この発明の送信手段である送信装置2に接続した漏洩同軸ケーブル組Lからの信号を受信し、それによって自身の位置を特定する。モバイル端末3は、上記特定した位置情報を、インターネットなどの通信ネットNを介して情報提供サーバーSへ送信し、情報提供サーバーSは受信した位置情報に対応した関連情報を上記モバイル端末3に対して送信するというものである。
【0025】
以下に、上記モバイル端末3が自身の現在位置を特定するためのこの第1実施形態の位置検出システムについて説明する。
この第1実施形態の位置検出システムでは、ユーザーの移動経路中に、7つの検出ポイントp1〜p7を設け、この検出ポイントp1〜p7に沿って、この発明の信号線である3本の漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3を一組としたケーブル組Lを設けている。
上記ケーブル組Lの各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3には、それぞれ4箇所の送信ポイントa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4を備えるとともに、信号を送信する送信装置2を接続している。この送信装置2には、各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3に対して異なる信号を送信する送信部2a,2b,2cを備えている。
【0026】
なお、上記送信ポイントa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4は、各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3において各送信ポイント以外の部分に信号の漏洩を遮断する遮断体を設けることによって所定の間隔を保って形成したポイントである。つまり、上記送信ポイント以外の部分からは信号が送信されないようにしている。
そして、各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3には、上記送信装置2から信号が送信され、それぞれの漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3に対応した信号が、その漏洩同軸ケーブルに形成された全ての送信ポイントから送信されるようにしている。通常、送信装置2からの距離に伴って送信信号は減衰するため、特に1本の漏洩同軸ケーブルが長い場合には、信号の送信方向下流側の送信ポイントからも信号が確実に送信されるように、送信ポイントを形成する必要がある。
【0027】
また、各送信ポイントから送信される送信信号同士が互いに干渉しないようにしている。これにより、後で説明するモバイル端末3は、上記いずれか特定の検出ポイントp1〜p7に位置しているとき、その検出ポイントに対応する1または複数の送信ポイントから送信された信号のみを受信可能にしている。
【0028】
厳密には、モバイル端末3は上記特定の検出ポイントに対応する送信ポイント以外からの信号も同時に受信することもある。しかし、上記特定の検出ポイントに対応しない送信部からの信号は、強度が低くなるので、モバイル端末3に受信信号の強度に閾値を設定し、対応する送信ポイント以外からの微弱信号は受信していないものとみなすことができる。
また、同一の検出ポイントに対応させた複数の送信ポイントから送信される複数の信号を受信したモバイル端末3では、これら複数の信号を新たな合成信号として受信するのではなく、それぞれの信号を区別できるようにしている。
【0029】
上記各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3の送信ポイントの位置は、上記検出ポイントp1〜p7のいずれかの位置に対応しているが、各検出ポイントに対応する送信ポイントを備えた漏洩同軸ケーブルの組み合わせは重複しないようにしている。
具体的には、図2に示すとおり、検出ポイントp1に対応するのは漏洩同軸ケーブルL1の送信ポイントa1のみで、検出ポイントp2に対応するのは漏洩同軸ケーブルL2の送信ポイントb1、検出ポイントp3に対応するのは漏洩同軸ケーブルL1、L2の送信ポイントa2,b2、検出ポイントp4に対応するのは漏洩同軸ケーブルL3の送信ポイントc1、・・・というように、漏洩同軸ケーブルの組み合わせが重複しないようにしている。
【0030】
但し、漏洩同軸ケーブルの組み合わせと検出ポイントの対応関係は、図2に示す関係に限らない。
なお、図2において各送信ポイントの位置を説明するための、3本の漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3の間隔を広く示しているが、実際にはこれら3本の漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3は、間隔を1〔cm〕程度に保った一つのケーブル組Lとしている。このように、各同軸ケーブルを1〔cm〕程度離したのは、漏洩同軸ケーブル内に送信される信号同士が干渉しないようにするためである。
【0031】
一方、上記モバイル端末3は、例えば携帯電話機などであるが、図3に示すように、上記ケーブル組Lからの信号を受信する受信部4とデータ処理を行なう処理部5と、通信ネットNに接続する通信部6と、データを表示するディスプレイ7とを備えている。上記受信部4は、ケーブル組Lの各送信ポイントから送信された複数の信号を区別して受信することができるものである。
また、上記処理部5は上記受信部4を介して受信した信号の種類を特定し、漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3の何れから送信された信号を受信したのかを判断し、それに基づいてモバイル端末3の位置を特定する、この発明の判定部の機能を備えている。
さらに、上記処理部5は、これに接続された通信部6やディスプレイ7を制御する機能も備えている。
【0032】
次に、モバイル端末3がケーブル組Lの送信ポイントのいずれかを介して送信された信号を受信し、その時点での位置に対応した情報を受信する手順を説明する。
なお、モバイル端末3の処理部5には、位置検出用のアプリケーションプログラムを設定しておき、この位置検出プログラムに従って以下に説明する位置検出のための処理を実行するものとする。
また、上記処理部5には、上記検出ポイントp1〜p7と上記漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3との対応関係である図4に示す対応テーブルT1のデータを記憶させておく。この対応テーブルT1は、各検出ポイントにおいて受信可能な信号を送信する漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3の欄に「○」、その他の漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3の欄に「×」をつけたものである。つまり、検出ポイントp1においては、3本の漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3のうち、漏洩同軸ケーブルL1から送信される信号のみが受信されるということである。
【0033】
そして、上記したように、各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3には、各送信部2a,2b,2cから、異なる信号が送信されるので、処理部5には、各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3とそこから送信される信号の種類との対応関係も記憶しておくものとする。
上記モバイル端末3を携帯したユーザーがこの第1実施形態の位置検出システムが設置されているエリアにおいて、自分の位置に関連する情報を得ようとする場合、モバイル端末3の位置検出プログラムを起動させ、上記ケーブル組Lからの信号を、受信部4を介して処理部5に受信させる。
【0034】
上記処理部5は、上記位置検出プログラムに従って受信部4を介して上記特定の検出ポイントに対応する送信ポイントから送信された信号を受信するとともに、受信した信号がその漏洩同軸ケーブルに対応するものかを判定して信号の送信元となる漏洩同軸ケーブルを特定する。
次に、処理部5は、上記特定した漏洩同軸ケーブルと、図4に示す上記対応テーブルT1のデータとに基づき、自身の現在位置を特定する。例えば、処理部5が漏洩同軸ケーブルL1のみから信号を受信した場合には検出ポイントp1を現在位置とし、漏洩同軸ケーブルL1およびL2から信号を受信した場合には検出ポイントp3を現在位置として特定する。
【0035】
上記処理部5は、上記のように受信信号から現在位置の検出ポイントを特定したら、この検出ポイントを位置情報として通信部6を介して情報提供サーバーSへ送信する。
モバイル端末3から検出ポイントを受信した情報提供サーバーSでは、その検出ポイントに対応する情報を上記モバイル端末3に対して出力する。なお、情報提供サーバーS側では、上記検出ポイントp1〜p7に、ユーザーに提供すべき情報を対応付けて記憶しておくものとする。
また、上記提供情報は、どのようなものでもかまわないが、例えば、上記検出ポイントp1〜p7がショッピングモールの各店舗に対応している場合、対応する店舗のサービス情報や、ショッピングモール全体の配置図中の現在位置を示した地図や現在位置から他の場所への行き方など、ユーザーにとって有用な情報を提供することができる。
そして、モバイル端末3では、処理部5が、受信した情報をディスプレイ7に表示させる。
【0036】
この第1実施形態では、モバイル端末3の処理部5は、受信した信号の種類と上記対応テーブルT1のデータとに基づいて現在位置を判定する機能を備えているが、処理部5は受信信号の位相差を演算したり、受信時刻を正確に特定したりする煩雑な演算処理を行なわずに、現在位置を特定することができる。
しかも、信号の送信元となる漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3のそれぞれに部分的に送信ポイントを設け、検出ポイントと漏洩同軸ケーブルとの対応の組み合わせを重複しないようにすることによって、3本の漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3によって7つの検出ポイントp1〜p7を判定することが可能である。
【0037】
図9に示す従来のシステムでは7つの検出ポイントを判定するためには7本の漏洩同軸ケーブルが必要であるが、上記実施形態のシステムでは、3本の漏洩同軸ケーブルで足り、従来と比べて必要な漏洩同軸ケーブルの本数を少なくすることができる。
このように第1実施形態の位置検出システムにおいて、漏洩同軸ケーブルの本数を少なくできるのは、n本の漏洩同軸ケーブルにおいて各検出ポイントに対応する位置に送信ポイントを設けるか否かの組み合わせ数が{2}となり、何れの漏洩同軸ケーブルにも送信ポイントを設けないという組を除いた{2−1}が検出ポイント数となるためである。これに対し、図9に示す従来の位置検出システムの場合、漏洩同軸ケーブル数nが検出ポイント数Nと等しくなる。
【0038】
上記のように、漏洩同軸ケーブルの本数を少なくできる効果は、検出ポイント数が多くなればなるほど大きくなる。例えば、検出ポイント数を1000にするために、図9に示すシステムでは1000本の漏洩同軸ケーブルが必要になる。
また、図10に示すように検出ポイントを正方形に配置する場合でも、{32}=1024から、1024の検出ポイントを判定するために64本の漏洩同軸ケーブルが必要であることがわかる。しかし、第1実施形態のシステムの場合、漏洩同軸ケーブルが10本あれば{210−1}=1023の検出ポイントを判定できることになる。
【0039】
なお、上記第1実施形態では、上記モバイル端末3の処理部5がこの発明の判定部の機能を備えているが、モバイル端末3と別に判定部を設けてもよい。例えば、上記モバイル端末3との間で通信可能な上記情報サーバーSやその他の装置に判定部を設け、モバイル端末3はケーブル組Lから受信した信号を判定部へ送信するだけとし、上記判定部がモバイル端末3から受信した信号に基づいて検出ポイントを特定するようにしてもよい。この場合、上記判定部は、特定した位置情報をモバイル端末3に送信するようにしてもよいし、位置情報に対応した関連情報のみをモバイル端末3に送信するようにしてもよい。
【0040】
あるいは、モバイル端末3に、上記検出ポイントに関連情報を対応付けたデータを予め記憶させるようにしておいてもよい。その場合には、上記情報提供サーバーSがなくても、モバイル端末3は現在位置に対応した関連情報を表示させることができる。但し、モバイル端末3とは別に情報提供サーバーSを設ければ、関連情報の内容を容易に変更できるというメリットがある。
【0041】
この第1実施形態では、一直線上に設けた検出ポイントp1〜p7を判定するようにしているが、各検出ポイント上において、モバイル端末3を使用するユーザーがどちらの方向を向いているのかということまでは判定できない。モバイル端末3に方向を特定するための方位磁石などを設けておけば、上記ケーブル組Lからの受信信号とともに方位情報を用いて、特定の検出ポイントにおける方向を特定することができる。例えば、検出ポイントp1〜p7に沿って設けたケーブル組Lの両側に店舗が並ぶ場合、ユーザーがどちら側の店舗に向かって立っているのかによって異なる関連情報を提供することもできる。
なお、上記情報提供サーバーSがモバイル端末3に位置関連情報を送信するためには、送信先であるモバイル端末3のアドレス情報が必要であるが、モバイル端末3が上記位置情報を送信する際にアドレス情報などを付加して送信するようにすればよい。
【0042】
図5〜図6に示す第2実施形態は、ケーブル組Lを構成する漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3に、受信ポイントA1〜A4、B1〜B4、C1〜C4を形成するとともに、上記漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3にこの発明の受信手段である受信装置8を接続するとともにこの受信装置8には位置判定装置9を接続している。また、位置判定装置9には、通信ネットNを介して情報提供サーバーSを接続可能にしている。
そして、モバイル端末3から発信される信号を上記受信ポイントA1〜A4、B1〜B4、C1〜C4を介して受信装置8が受信した信号に基づいて上記位置判定装置9が、モバイル端末3の現在位置である検出ポイントを判定する位置検出システムである。
なお、図6において各受信ポイントの位置を説明するために、3本の漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3の間隔を広く示しているが、実際にはこれら3本の漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3は間隔を1〔cm〕程度に保った一つのケーブル組Lとしている。
【0043】
また、上記受信ポイントA1〜A4、B1〜B4、C1〜C4は、上記図2に示す第1実施形態の送信ポイントa1〜a7、b1〜b7、c1〜c7と同様の配列で、各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3に形成している。そして、ケーブル組Lは、検出ポイントp1〜p7に沿って設けられている点も上記第1実施形態と同じである。
従って、この第2実施形態において、モバイル端末3から発信される信号は、モバイル端末3が位置する検出ポイントp1〜p7に対応する受信ポイントを介してのみ上記受信装置8で受信されることになる。
【0044】
上記受信装置8は、図6に示すように、各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3からの信号を受信する第1〜第3受信部8a,8b,8cを備え、受信信号がその漏洩同軸ケーブルを介して受信したものかを区別する。但し、上記受信装置8は受信した信号がどの漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3を介して受信したものであるのかを区別できればよいのであって、信号の種類を判別する必要はない。
そして、第1〜第3受信部8a,8b,8cは信号を受信したら、対応する漏洩同軸ケーブルから信号を受信したというデータを位置判定装置9へ出力するようにしている。
【0045】
また、上記位置判定装置9は、図6に示すように、上記受信装置8が受信した信号に応じて検出ポイントを判定するこの発明の判定部を構成する処理部10と、通信ネットNを介して情報提供サーバーSに接続可能な通信部11とを備えている。
上記処理部10は、上記受信装置8から入力された信号に基づいて検出ポイントを特定する。この処理は第1実施形態の処理部5における処理と全く同じである。すなわち、この位置判定装置9の処理部10には、位置検出プログラムとともに、図4に示す対応テーブルT1を設定している。
そこで、処理部10は受信装置8が信号を受信した漏洩同軸ケーブルが、どれであるかというデータと、図4の対応テーブルT1とに基づいて、検出ポイントを特定することができる。この処理部10が特定した検出ポイントが、上記モバイル端末3の現在位置である。
【0046】
上記処理部10は、検出ポイントを特定したら、その位置情報を通信部11から通信ネットNを介して情報提供サーバーSへ送信する。情報提供サーバーSは、受信した位置情報から上記検出ポイントに対応する関連情報を特定し、その情報をモバイル端末3へ送信する。
なお、上記情報提供サーバーSがモバイル端末3に位置関連情報を送信するためには、送信先であるモバイル端末3のアドレス情報が必要であるが、位置判定装置9が上記位置情報を送信する際にモバイル端末3のアドレス情報などを付加して送信するようにすればよい。
【0047】
なお、第2実施形態では、位置判定装置9が、特定した検出ポイントの位置情報を情報提供サーバーSへ送信するようにしているが、上記位置情報をモバイル端末3に送信するようにしてもよい。モバイル端末3が受信した位置情報を表示させれば、ユーザーは現在位置を知ることができる。また、モバイル端末3が受信した位置情報に基づいて、情報提供サーバーSから関連情報を取得するようにしてもよいし、モバイル端末3に関連情報を予め記憶させておくようにしてもよい。
【0048】
この第2実施形態の位置検出システムにおいても、3本の漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3によって、7つの検出ポイントを判定することが可能である。
そして、この第2実施形態と同様に、各検出ポイントに対応する受信ポイントを有する漏洩同軸ケーブルの組み合わせが重複しないように受信ポイントを設けるようにすれば、漏洩同軸ケーブル数をn本としたとき、{2−1}の検出ポイントを判定することが可能になる。
従って、漏洩同軸ケーブルの本数をそれほど多くしなくても、判定可能な検出ポイント数を多くすることができる。
また、この発明の位置判定部である処理部10が、受信装置8が受信した信号の位相や、受信時間などを特定するための煩雑な演算処理を必要としない点も、上記第1実施形態と同様である。
【0049】
図7、図8に示す第3実施形態は、漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3に接続した送信装置2から、全ての漏洩同軸ケーブルに対して同じ信号を送信する位置検出システムである。
そして、モバイル端末3の処理部5が上記漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3から送信された信号を受信し、その信号がどの漏洩同軸ケーブルから送信されたものであるかというデータに基づいて対応する検出ポイントを判定する構成は、上記第1実施形態と同じである。そして、この位置検出システムにおいても、各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3には図2に示す第1実施形態と同じ配置で、送信ポイントa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4を形成している。そして、各送信ポイントと検出ポイントp1〜p7との対応関係も上記第1実施形態と同じにしている。
【0050】
但し、この第3実施形態では、漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3から送信される信号がどれも同じ信号であるが、これらを受信するモバイル端末3の受信手段が漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3からの信号を区別して受信しなければならない。そのため、この第3実施形態では、上記第1実施形態よりも各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3の間隔を広くするとともに、図8に示すように各漏洩同軸ケーブルに対応させて第1〜第3受信部4a,4b,4cを設けている。
これら第1〜第3受信部4a,4b,4cはそれぞれ、特定の漏洩同軸ケーブルからの信号のみを受信するため、所定の間隔を保って配置されている。この第3実施形態のモバイル端末3は、上記第1〜第3受信部以外の構成は、図3の第1実施形態のモバイル端末3と同じである。
【0051】
上記のように、上記モバイル端末3には各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3に対応する第1〜第3受信部4a,4b,4cを設け、各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3の間隔を広くすることによって、上記第1〜第3受信部4a,4b,4cが対応する漏洩同軸ケーブル以外の漏洩同軸ケーブルからの送信信号を受信しない構成にしている。
そして、各検出ポイントp1〜p7に位置したモバイル端末3は、第1〜第3受信部4a,4b,4cの何れが信号を受信したのかということによって漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3を区別できる。
【0052】
従って、モバイル端末3の処理部5は、第1〜第3受信部4a,4b,4cを介して受信した信号に基づいて漏洩同軸ケーブルの組み合わせを特定し、上記他の実施形態と同様にして検出ポイントを判定することができる。
この第3実施形態においても、漏洩同軸ケーブルの本数をそれほど増やさなくても、判定可能な検出ポイント数を増やすことができる。また、この第3実施形態では、送信装置2から漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3に送信する信号を同じものにすることができる。
なお、この第3実施形態では、第1〜第3受信部4a〜4cを各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3に対向させて信号を受信しなければならない。そのため、一検出時には、モバイル端末3の第1〜第3受信部4a〜4cと各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3との適切な相対位置関係が保たれるように工夫する必要がある。
【0053】
例えば、上記漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3を、検出ポイントp1〜p7に沿った通路の壁面に設置し、壁面にモバイル端末3を対向させる位置を表示すれば、モバイル端末3を持ったユーザーが適切な位置にモバイル端末3を対向させることができる。
また、上記モバイル端末3を、レール上を移動する移動体とし、レールに沿って上記漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3を配置すれば、移動体に設けた第1〜第3受信部4a,4b,4cと各漏洩同軸ケーブルL1,L2,L3との相対関係を保持することは容易である。このようにすれば、レール上を移動する移動体の現在位置を上記処理部5によって検出することができる。
【0054】
なお、上記第1、第3実施形態で、ケーブル組Lの各ケーブルL1,L2,L3から送信される信号が互いに干渉しあわないようにするためには、送信ポイント同士の距離を離すことが考えられる。しかし、送信ポイント同士の間隔を広くし過ぎると、検出ポイント間距離も広くなり、位置の検出精度が落ちてしまうこともある。
そこで、各ケーブルの送信ポイントから送信される信号の干渉を防止するためには、信号のチャンネルをケーブルごとに変えることが好ましい。
【0055】
しかし、実際には電波法上の制約などから使用可能な帯域で干渉なしで使用できるチャンネル数には限りがあり、上記ケーブル組Lを構成するケーブル数が多くなると、対応できないことになる。
その場合には、上記送信装置2が複数のケーブルに同一のチャンネルを用いながら、各信号の送信タイミングをずらすようにすればよい。
例えば、使用可能なチャンネル数が4に対し、ケーブル数が8の場合、2本のケーブルごとに同一のチャンネルを用いることにする。そして、上記送信装置2は、まず、異なる4つのチャンネルを用いる4本のケーブルに対し、同時に各チャンネルを用いた信号を所定時間だけ送信し、その後に残りの4本のケーブルに対して上記4つのチャンネルからそれぞれ所定時間だけ信号を送信する。このように送信時間を区切って、4本のケーブルに信号送信することを交互に繰り返すようにする。
【0056】
このように送信時間を区切れば、同じチャンネルを用いた信号が複数のケーブルから送信されたとしても、これらが干渉しあうことがない。そのため、ケーブル数がチャンネル数より多くなっても、干渉させずに対応できる。
この場合においても、各ケーブルからの信号を区別するためには、各信号にケーブルを区別する情報を付加しておく必要がある。
【0057】
なお、上記第1〜第3実施形態では、信号線としての漏洩同軸ケーブルを一直線状に設けたシステムについて説明したが、複数の漏洩同軸ケーブルを一組にしたケーブル組Lは、直線状に設けなくてもよい。例えば図10に示す従来のシステムのように検出ポイントが二次元に設定された場合にも、上記ケーブル組Lを蛇行させれば、上記検出ポイントを結ぶ線にそってケーブル組Lを設けることができる。従って、漏洩同軸ケーブルなどの信号線の本数は変えずに、様々な配置の検出ポイントに対応することができる。
【0058】
また、上記第1〜第3実施形態では、この発明の信号線として漏洩同軸ケーブルを用いているが、信号線としては漏洩同軸ケーブルに限らない。1本の信号線上に任意の間隔を保って複数の送信ポイントや受信ポイントを形成できるものならば、どのようなものでもよい。
例えば、光ファイバーを用い、光線を信号とすることもできる。信号線として光ファイバーを用いるためには、光ファイバーの側面から光が放射されるようにファイバーの表面に傷をつけるなどして送信ポイントを形成する。但し、送信手段である光源に近い送信ポイントから、光の全量が発射され、光の進行方向下流側の送信ポイントから光が発射されなくなるようなことがないように、各送信ポイントを形成する必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0059】
この発明は、位置を特定し、位置に対応した関連情報を提供したり、道案内をしたりするシステムに適用できる。
【符号の説明】
【0060】
2 送信装置
2a〜2c 第1〜第3送信部
3 モバイル端末
4 受信部
4a〜4c 第1〜第3受信部
5 処理部
8 受信装置
8a〜8c 第1〜第3受信部
9 位置判定装置
10 処理部
L ケーブル組
L1〜L3 漏洩同軸ケーブル
p1〜p7 検出ポイント
a1〜a4 送信ポイント
b1〜b4 送信ポイント
c1〜c4 送信ポイント
A1〜A4 受信ポイント
B1〜B4 受信ポイント
C1〜C4 受信ポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリアに複数の検出ポイントを設定し、これら検出ポイントを結ぶ線に沿って複数の信号線を一組として設け、これら各信号線に信号を送信する送信手段を接続し、上記1つの信号線には上記検出ポイントに対応した1または複数の送信ポイントを備え、上記各検出ポイントに対応する送信ポイントを有する信号線の組み合わせが重複しない関係を保つとともに、上記送信ポイント全てから送信される送信信号同士が互いに干渉しない構成にし、上記送信ポイントのうちのいずれか特定の送信ポイントに対応する検出ポイントにおけるモバイル通信手段を、上記特定の送信ポイントを介して上記送信手段と通信可能にした位置検出システム。
【請求項2】
所定のエリアに複数の検出ポイントを設定し、これら検出ポイントを結ぶ線に沿って複数の信号線を一組として設け、これら各信号線を介して信号を受信する受信手段を接続し、上記1つの信号線には上記検出ポイントに対応した1または複数の受信ポイントを備え、上記各検出ポイントに対応する受信ポイントを有する信号線の組み合わせが重複しない関係を保つとともに、上記各受信ポイント同士の受信信号が互いに干渉しない構成にし、上記受信ポイントのうちのいずれか特定の受信ポイントに対応する検出ポイントにおけるモバイル通信手段を、上記特定の受信ポイントを介して上記受信手段と通信可能にした位置検出システム。
【請求項3】
上記送信ポイントから信号を受信するモバイル通信手段と、モバイル通信手段が受信した信号に基づいて上記モバイル通信手段と対応する検出ポイントを特定する判定部とを備え、上記判定部は、上記モバイル通信手段がどの信号線から信号を受信したのかを特定し、その特定された信号線の組み合わせに基づいて上記モバイル通信手段と対応する検出ポイントを判定する請求項1に記載の位置検出システム。
【請求項4】
上記判定部を、上記モバイル通信手段に設けた請求項3に記載の位置検出システム。
【請求項5】
上記判定部を、上記モバイル通信手段と別体にし、これら判定部とモバイル通信手段と通信可能にした請求項3に記載の位置検出システム。
【請求項6】
上記受信ポイントを介して上記受信手段へ信号を送信するモバイル通信手段と、上記受信手段が受信した信号に基づいて上記モバイル通信手段と対応する検出ポイントを特定する判定部とを備え、上記判定部は、上記受信手段がどの信号線を介して信号を受信したのかを特定し、その特定された信号線の組み合わせに基づいて上記モバイル通信手段と対応する検出ポイントを判定する請求項2に記載の位置検出システム。
【請求項7】
上記送信手段は、上記一組の信号線のうち、全部あるいは一部の複数の信号線に対して、同一チャンネルを用いた信号を順次送信するとともに、同一チャンネルを用いた信号を送信する各信号線に対する信号の送信時間を所定の時間で区切り、特定の送信時間に特定のチャンネルを用いた信号が、1つの信号線のみに送信される構成にした請求項3〜5のいずれか1に記載の位置検出システム。
【請求項8】
上記信号線が漏洩同軸ケーブルまたは光ファイバーであって、上記検出ポイントに対応する上記送信ポイントからのみ信号を出力させ、または上記受信ポイントからのみ受信させるために、上記送信ポイントまたは受信ポイント以外の部分に信号の通過を遮断する遮蔽体を設けた請求項1〜7のいずれか1に記載の位置検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−83339(P2012−83339A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195758(P2011−195758)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(598123895)株式会社アストラ (2)
【Fターム(参考)】