説明

位置検出用タグ、位置検出装置、位置検出方法、位置検出システム

【課題】無線ICタグを用いて、位置と方位を安価に精度良く測定することが可能な位置検出システムを提供すること。
【解決手段】位置検出用タグ11を、それぞれの偏波方向が異なる複数の無線ICタグ21〜24により構成した。これら無線ICタグ21〜24のうち、位置検出装置12が送信する信号の直線偏波に対応する無線ICタグが応答してタグ番号を送信する。この応答した無線ICタグのタグ番号により、位置検出装置12の質問器32は、変換テーブル33に記憶されたデータを検索し、応答した無線ICタグに対応する位置情報(位置及び方向)を読み出し、利用者の位置及び方向を特定する。位置検出装置12から送信する直線偏波の信号は、円偏波の信号に比べて到達距離が長いため、位置検出装置12のアンテナ31と位置検出用タグ11とを離すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出用タグ、位置検出装置、位置検出方法、位置検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System )により位置を検出する位置検出装置が知られている。しかし、この位置検出装置は高価であり、GPSの電波が建物によって遮蔽されるため、屋内や建物が密集する地域では位置を検出することができない。
【0003】
そこで、非接触の無線ICタグを用いた位置検出システムが各種提案されている。例えば、特許文献1には、各エリアのゲート毎に設けられ、該ゲートを通過する無線ICタグの情報を受信するとともに、該無線ICタグの移動方向を検出する基地局と、該基地局が受信した無線ICタグの情報と該ICタグの移動方向を示す情報とを受信するセンタとを備えた位置検知システムが開示されている。この位置検知システムのセンタは、受信した無線ICタグの情報と該無線ICタグの移動方向を示す情報とに基づいて、該無線ICタグが存在する該エリアを示す位置情報を作成し、該位置情報のデータベースを形成する。従ってこのデータベースをアクセスすることにより、指定した無線ICタグの現在位置を知ることができる。
【0004】
また、特許文献2には、作業場所に複数の非接触型の電子タグを設け、該作業者の動作に応じて、反応する読み取りセンサー部と、該読み取りセンサー部で得られたデータに基づいて該作業者の手の動きに伴う作業内容、作業の時間を自動記録するようにした、作業者の行動を自動記録するシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2005−064725号公報
【特許文献2】特開2005−032082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では、大量の情報がコンピュータネットワークを介して利用者にもたらされている。更に、利用者が必要とする情報を必要な時に必要な場所で提供するユビキタスコンピューティングが望まれ、利用者の所在場所、方向等の位置情報を自動的に検出することが求められている。
【0006】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、ICタグが存在するエリアを特定することができるものの、そのエリア内におけるICタグの位置を特定することができない。また、特許文献1のシステムでは、基地局をエリア内に複数配置することにより、該エリア内におけるICタグの位置を特定することが可能となる。しかし、ICタグと基地局との間の距離は、ICタグと基地局が互いに発信する電波によって規定されるため、ICタグの位置を精度良く求めるためには多くの基地局を配置しなければならず、巨大な設備費用がかかるという問題がある。更に、多くの基地局を配置しても、ICタグを所有する利用者がいずれの方向を向いているかを検出することができない。
【0007】
また、特許文献2のシステムでは、複数の電子タグを作業場所に配置することで、設備費用をかけずにリーダ装置を所有する利用者の位置を検出することができる。しかしながら、このシステムでは、上記特許文献1のシステムと同様に、利用者がいずれの方向を向いているかを検出することができない。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、無線ICタグを用いて、位置と方位を安価に精度良く測定することが可能な位置検出用タグ、位置検出装置、位置検出方法、位置検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、移動体に配設され直線偏波の信号を送出するアンテナを備えた位置検出装置と、前記移動体が移動する移動面に配置された複数の位置検出用タグと、を備えた位置検出システムであって、前記位置検出用タグが有するアンテナの偏波方向と、前記位置検出装置が有するアンテナの偏波方向との角度を相対的に変更する角度変更手段を備え、前記位置検出装置は、前記無線ICタグのタグ番号と該無線ICタグの配置位置とが関連付けられて記憶された記憶手段と、前記アンテナを介して質問信号を送信し、該質問信号に応答する無線ICタグのタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた配置位置を読み出すと共に前記両アンテナの偏波の相対的な角度により前記移動体の向きを検出する質問器と、を備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の位置検出システムにおいて、前記位置検出装置のアンテナは前記移動体の向きに応じた方向に沿った直線偏波の信号を送出するように配設され、前記角度変更手段は、前記位置検出用タグに備えられ、アンテナの偏波方向が互いに方向が異なるように配置され該アンテナを介してそれぞれ特定のタグ番号を送信する複数の無線ICタグにより構成され、前記位置検出装置は、前記複数の無線ICタグのタグ番号と配置位置と前記アンテナの方向に対応する方角とが関連付けられて記憶された記憶手段と、直線偏波の信号を送出するためのアンテナと、前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記複数の無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出す質問器と、を備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の位置検出システにおいて、前記質問器は、前記質問信号に応答する複数の無線ICタグから受信したタグ番号のそれぞれに対して位置情報を前記記憶手段から読み出し、前記質問器により読み出された複数の位置情報に基づいて前記移動体の位置及び方向を特定するフィルタ部を備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の位置検出システムにおいて、前記位置検出用タグは、所定の方向に配置され該アンテナを介して特定のタグ番号を送信する1つの無線ICタグを備え、前記角度変更手段は、前記位置検出装置のアンテナから送出される信号の偏波方向を回転する偏波回転手段であり、前記位置検出装置は、前記無線ICタグのタグ番号と配置位置及び配置方向とが関連付けられて記憶された記憶手段と、前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出す質問器と、前記信号の偏波方向と前記無線ICタグの位置情報とから前記移動体の位置及び方向を検出するフィルタ部と、を備えたことを要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4記載の位置検出システムにおいて、検出された前記移動体の位置及び方向が時系列的に格納された記憶手段を備え、前記フィルタ部は、前記記憶手段に記憶された位置及び方向に基づいて前記移動体の方向を決定することを要旨とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、アンテナの偏波方向が互いに方向が異なるように配置され該アンテナを介してそれぞれ特定のタグ番号を送信する複数の無線ICタグを有する位置検出用タグが配置された移動面に沿って移動する移動体に配設された位置検出装置であって、前記複数の無線ICタグのタグ番号と配置位置と前記アンテナの方向に対応する方角とが関連付けられて記憶された記憶手段と、直線偏波の信号を送出するためのアンテナと、前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記複数の無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出す質問器と、を備えたことを要旨とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、アンテナの偏波方向が所定の方向に沿って配置され該アンテナを介して特定のタグ番号を送信する1つの無線ICタグを有する位置検出用タグが配置された移動面に沿って移動する移動体に配設された位置検出装置であって、直線偏波の信号を送出するためのアンテナと、前記アンテナから送出される信号の偏波方向を回転する偏波回転手段と、前記無線ICタグのタグ番号と配置位置及び配置方向とが関連付けられて記憶された記憶手段と、前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出す質問器と、前記信号の偏波方向と前記無線ICタグの位置情報とから前記移動体の位置及び方向を検出するフィルタ部と、を備えたことを要旨とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、アンテナの偏波方向が互いに方向が異なるように配置され該アンテナを介してそれぞれ特定のタグ番号を送信する複数の無線ICタグを有する位置検出用タグが配置された移動面を移動する移動体に配設された位置検出装置において前記移動体の位置を検出する位置検出方法であって、前記位置検出装置は、前記複数の無線ICタグのタグ番号と配置位置と前記アンテナの方向に対応する方角とが関連付けられて記憶された記憶手段と、直線偏波の信号を送出するためのアンテナと、を備え、前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記複数の無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出し、該位置情報により前記移動体の位置を検出することを要旨とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、アンテナの偏波方向が所定の方向に沿って配置され該アンテナを介して特定のタグ番号を送信する1つの無線ICタグを有する位置検出用タグが配置された移動面に沿って移動する移動体に配設された位置検出装置において前記移動体の位置及び方向を検出する位置検出方法であって、前記位置検出装置は、直線偏波の信号を送出するためのアンテナと、前記アンテナから送出される信号の偏波方向を回転する偏波回転手段と、前記無線ICタグのタグ番号と配置位置及び配置方向とが関連付けられて記憶された記憶手段と、を備え、前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出し、前記アンテナの回転角度と前記無線ICタグの位置情報とから前記移動体の位置及び方向を決定することを要旨とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、移動体が移動する移動面に配置された位置検出用タグであって、前記移動体に配設された位置検出装置からの質問信号を受信するアンテナを有し、該アンテナの偏波方向が互いに異なるように配置され、前記質問信号に応答してタグ番号を送信する複数の無線ICタグを備えたことを要旨とする。
【0019】
従って、請求項1に記載の発明によれば、角度変更手段は、前記位置検出用タグが有するアンテナの偏波方向と、前記位置検出装置が有するアンテナの偏波方向との角度を相対的に変更する。位置検出装置の質問器がアンテナを介して送信した信号に応答する無線ICタグの位置及び角度と、位置検出装置から送出される直線偏波の信号の偏波方向と無線ICタグのアンテナの偏波方向との相対的な角度により、移動体の位置及び方向を検出することができる。更に、位置検出装置から送信する直線偏波の信号は、円偏波の信号に比べて到達距離が長いため、位置検出装置を位置検出用タグに近接させることなく質問・応答が行われる。
【0020】
従って、請求項2,6,8に記載の発明によれば、位置検出用タグを構成する複数の無線ICタグのうち、位置検出装置が送信する信号の直線偏波に対応する無線ICタグが応答してタグ番号を送信する。この応答した無線ICタグのタグ番号により記憶手段に記憶されたデータを検索し、応答した無線ICタグに対応する位置及び方向は、移動体の位置及び方向に対応する、つまり、移動体の位置及び方向を検出することができる。更に、位置検出装置から送信する直線偏波の信号は、円偏波の信号に比べて到達距離が長いため、位置検出装置を位置検出用タグに近接させることなく質問・応答が行われる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、位置検出用タグに向かって送信される信号に複数の無線ICタグが応答する場合、複数の無線ICタグのタグ番号により読み出した複数の位置情報から移動体の位置及び方向が検出される。このため、位置検出用タグの配置間隔よりも狭い精度にて移動体の位置及び方向を検出することができる。
【0022】
請求項4,7,9に記載の発明によれば、位置検出用タグに備えられた1つの無線ICタグに対して、角度変更手段としての偏波回転手段により位置検出装置のアンテナから送出される信号の偏波方向を回転することで、無線ICタグの偏波方向と信号の偏波方向との相対的な角度を容易に変更することができる。そして、信号の偏波方向と前記無線ICタグの位置情報とから前記移動体の位置及び方向を検出することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、直線偏波の信号に応答する無線ICタグにより決定される方角は、原理的に0〜180度までの間となり、180度〜360度の間では0〜180度の間と同じ値となる。つまり、90度と270度は同じ値を返すため、区別することができない。しかし、それまでの移動体の位置情報により、移動体の移動方向、つまり移動体の向きを推定することができるため、その地点における移動体の向きを検出することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明によれば、複数の無線ICタグはアンテナの偏波方向が互いに異なっているため、直線偏波の信号に対応する無線ICタグが応答するため、その無線ICタグの方向により直線偏波の信号を送信する位置検出装置の方向を検出することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上記述したように、本発明によれば、無線ICタグを用いて、位置と方向を安価に精度良く測定することが可能な位置検出用タグ、位置検出装置、位置検出方法、位置検出システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第一実施形態)
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)は、位置検出システムの概略ブロック図である。
【0027】
位置検出システム10は、位置検出用タグ11と位置検出装置12とから構成されている。
位置検出用タグ11は、複数(本実施形態では4個)の無線ICタグ21〜24から構成される無線ICタグ群である。第1無線ICタグ21は、アンテナ21aと応答回路(ICチップ)21bとから構成されている。第1無線ICタグ21は、パッシブ型のICタグであり、応答回路21bは、位置検出装置12からの電力供給を受けて動作し、予め設定されたタグ番号21cを含む送信信号を、アンテナ21aを介して送信する。タグ番号21cは、個々の無線ICタグを識別するために付されたユニークな番号である。アンテナ21aは、直線偏波タイプのアンテナである。第2〜第4無線ICタグ22〜24は、第1無線ICタグ21と同様に構成されているため、図面及び説明を省略する。
【0028】
図1(b)に示すように、第1〜第4無線ICタグ21〜24は、アンテナ21aの偏波方向が異なるように配置され、固定板25に固定されて一体化されている。尚、本実施形態では、第1〜第4無線ICタグ21〜24は、それぞれの中心O1〜O4が、位置検出用タグ11の中心Oから等距離にある、つまり中心Oの円周(図において1点鎖線で示す円)上となるように配置されている。
【0029】
第1〜第4無線ICタグ21〜24は、棒状に形成され、長手方向がアンテナ21aの偏波方向である、つまりアンテナ21aは受信電波のうち長手方向の成分の電波を受信する。第1〜第4無線ICタグ21〜24は、アンテナ21aの偏波方向が45度異なるように配置されている。後述する位置検出装置12のアンテナ31は直線偏波の信号(例えば、図において2点鎖線で示す偏波方向の信号)を送出する。従って、第1〜第4無線ICタグ21〜24は、信号の偏波方向とそれぞれが持つアンテナの偏波方向との相対的な角度を変更する角度変更手段を構成する。
【0030】
応答回路21bは、アンテナ21aにおける受信電波により発生する電力によって動作し、その発生する電力は、アンテナ21aの偏波方向と受信電波の偏波方向により決定される。例えば、受信電波の偏波方向が図1(b)に2点鎖線で示す方向である場合、この電波(質問信号41)の偏波方向は第1無線ICタグ21のアンテナ21aの偏波方向と並行であり、第3無線ICタグ23のアンテナの偏波方向と直交している。従って、第1無線ICタグ21は、電波(質問信号41)に応答してタグ番号を送信し、第3無線ICタグ23は電波(質問信号41)にほとんど応答しない。第2及び第4無線ICタグ22,24は、アンテナの偏波方向に対し電波(質問信号41)の偏波方向が45度ずれている。従って、第2及び第4無線ICタグ22,24は、電波(質問信号41)のうちアンテナの偏波方向の成分に基づいて動作する。第2及び第4無線ICタグ22,24が受信する偏波成分の大きさは、第1無線ICタグ21が受信する偏波成分の大きさに比べて小さいため、第2及び第4無線ICタグ22,24が単位時間当たりに応答する回数(タグ番号の送信回数)は、第1無線ICタグ21が単位時間あたりに応答する回数に比べて少ない。
【0031】
この位置検出用タグ11は、位置検出する対象となる移動体(例えば人)が通過する床面や地面等の移動面に複数配置されている。例えば、複数の位置検出用タグ11は、図2(a)に示すように、所定の領域(X1,Y1)内に所定間隔(横方向の間隔X2,縦方向の間隔Y2)を空けて行列状に配列されており、複数の位置検出用タグ11が配置された領域を検出領域と呼ぶ。つまり、検出領域は、位置検出装置12を所有する利用者の位置及び方向を検出するための領域である。尚、位置検出装置12をロボット等の移動体に取着し、該移動体の位置及び方向を検出する構成としてもよい。
【0032】
図2(b)に示すように、位置検出装置12は、利用者51の腰に取着された本体部12aと、利用者51が持つ表示部12bとから構成されている。
図1(a)に示すように、位置検出装置12は、アンテナ31、質問器32、記憶手段としての変換テーブル33、フィルタ手段としてのフィルタ部34、記憶手段としての行動テーブル35、表示手段としての表示部12b、通信部36を備えている。本実施形態において、図2(b)に示す本体部12aは、アンテナ31、質問器32、変換テーブル33、行動テーブル35、フィルタ部34、通信部36により構成されている。
【0033】
アンテナ31は偏波面が直線偏波であるアンテナであり、直線偏波の電波を送出する。図2(b)に示す本体部12aは、送信する信号の偏波方向が利用者の左右方向と一致するように取着されている。
【0034】
質問器32は、無線ICタグのタグ番号を問い合せるための質問信号をアンテナ31を介して送信する。また、質問器32は、アンテナ31を介して無線ICタグから受信した信号に含まれるタグ番号に基づき、質問信号に応答した無線ICタグの位置と、その無線ICタグの向き(方向)を取得する。位置等の取得には、変換テーブル33が用いられる。
【0035】
図3(a)に示すように、変換テーブル33は、全ての位置検出用タグ11について、各無線ICタグのタグ番号(ID)と、無線ICタグが配置された位置(座標)と、無線ICタグの配置方向(タグ方向)とが関連付けられたテーブルである。配置位置は、絶対位置(緯度及び経度)、基準位置に対する相対位置、配列された行列を特定する番号、等である。本実施形態において、1つの位置検出用タグ11には4つの無線ICタグ21〜24が配置されており、この1つの位置検出用タグ11に含まれる無線ICタグ21〜24の位置を、位置検出用タグ11の中心位置Oとしている。尚、配置位置を、無線ICタグ21〜24それぞれの基準位置(各無線ICタグの中心O1〜O4、辺上の点、任意の点)としてもよい。
【0036】
配置方向(方位ベクトル)は、地軸等の軸と各無線ICタグの偏波方向とが成す角度、角度を示すユニークな情報(例えば「1」〜「4」の文字情報)である。尚、本実施形態において、第1無線ICタグ21の方向を「1」とし、第2無線ICタグ22の方向を「3」とし、第3無線ICタグ23の方向を「3」とし、第4無線ICタグ24の方向を「4」としている。
【0037】
質問器32は、位置検出用タグ11から受信したタグ番号(受信タグ番号)にて変換テーブル33を検索し、受信タグ番号と一致するタグ番号と、該タグ番号に関連付けられた位置及び配置方向を変換テーブル33から読み出す。これにより、質問器32は、アンテナ31を介して発信した質問信号に応答した無線ICタグのタグ番号を位置及び方向に変換する。この位置及び方向は、位置検出装置12の位置、即ち該位置検出装置12を所有する利用者の位置に相当する。上記したように、位置検出用タグ11は、検出領域に複数配置されている。従って、この検出領域内において、配置された位置検出用タグ11により位置検出装置12を所有する利用者の位置を位置検出用タグ11の配置間隔に応じて測定することができる。
【0038】
そして、位置検出用タグ11を構成する複数の無線ICタグ21〜24のうち、位置検出装置12から送信される質問信号の偏波に応じた無線ICタグがその質問信号に応答してタグ番号を送信する。従って、直線偏波の質問信号に応答する無線ICタグにより利用者の方向を測定することができる。
【0039】
尚、1つの位置検出用タグ11には4つの無線ICタグ21〜24が配置されている。従って、質問器32からアンテナ31を介して送信される質問信号に複数の無線ICタグが応答する場合がある。例えば、図1(b)に示すように、質問信号41の偏波方向に応じて、第1無線ICタグ21と第2無線ICタグ22と第4無線ICタグ24が応答する。質問器32は、変換テーブル33により応答する全ての無線ICタグのタグ番号を位置情報(位置及び方向(方位ベクトル))に変換する。そして、質問器32は、位置情報をフィルタ部34に出力する。
【0040】
フィルタ部34は、質問器32から入力される位置情報に基づき、利用者の現在位置を検出する。質問信号に対して複数の無線ICタグが応答する場合、フィルタ部34は、各無線ICタグのタグ番号から得られた位置情報に基づいて、利用者の現在位置及び方向を検出する。例えば、複数の位置検出用タグ11の無線ICタグが応答する場合、各無線ICタグのタグ番号から複数の位置検出用タグ11の中心位置が得られる。フィルタ部34は、応答する無線ICタグが含まれる位置検出用タグ11の座標の重心位置を利用者の現在位置とする。これにより、利用者が複数の位置検出用タグ11間に在っても、その利用者の位置を測定することができる。つまり、位置検出用タグ11の配置間隔より細かく位置を測定することができる。
【0041】
また、フィルタ部34は、質問器32から入力される位置情報に基づき、利用者の向き(方角)を検出する。この方角の検出には、行動テーブル35が用いられる。図3(b)に示すように、行動テーブル35は、情報として、時刻と、タグ番号(ID)と、位置(座標)と、方角とが関連付けられたテーブルである。
【0042】
時刻は、利用者の移動に従って、フィルタ部34が利用者の位置及び方向を検出した時刻であり、タグ番号(ID)はその時刻においてフィルタ部34が位置及び方向を検出するために利用した各無線ICタグのタグ番号(ID)である。位置(座標)及び方角(向き)は、その時刻においてフィルタ部34が検出した利用者の位置及び利用者の向き(方角)である。つまり、行動テーブル35には、利用者の移動に従って検出した位置及び向きが時系列に従って記憶されている。
【0043】
ところで、図1(b)に示す第1無線ICタグ21は、図に示す偏波方向の質問信号41に応答する。位置検出装置12は、質問信号41の偏波方向が、利用者の左右方向と一致するように取着されている。しかし、質問信号41の偏波方向だけでは、利用者が図において右上方向を向いているか、利用者が左下方向を向いているかを判別することができない。このため、フィルタ部34は、行動テーブル35に記憶された情報、つまり過去に検出した利用者の位置情報に基づいて、現在の利用者の方向を検出する。例えば、現在の位置検出用タグ11に対して図1(b)に示す偏波方向の質問信号41が発信されており、過去の特定点が図1(b)において右上の位置検出用タグの場合、フィルタ部34は利用者が左下を向いていると判断し、過去の特定点が図1(b)において左下の位置検出用タグの場合、フィルタ部34は利用者が右上を向いていると判断する。このように、フィルタ部34は、行動テーブル35に格納された情報に基づいて、利用者の向きを検出することができる。そして、フィルタ部34は、検出した位置情報(位置及び方角)と、それを検出するために使用したタグ番号(ID)と、検出した時刻とを行動テーブル35に追加する。
【0044】
表示部12bは、フィルタ部34により検出した位置及び方角を表示する。尚、表示部12bは、利用者に対して検出した位置及び方角を報知するものであるため、表示部に限らず、音声等により報知するようにしてもよい。
【0045】
通信部36は、フィルタ部34により検出した位置及び角度を外部装置へ送信する。送信方法としては、無線LAN,携帯電話網などが適用可能である。位置及び角度を外部装置へ送信することで、例えば、経路案内、検出した位置及び方向に応じた情報(例えば、絵画等の展示物の説明)の提供が可能となる。
【0046】
図5は、位置検出用タグ11において、質問信号の直線偏波の方向の変更に対する無線ICタグ21〜24の応答を調べた結果である。尚、この測定において、所定時間毎に質問信号を送信し、その送信信号に対して応答する無線ICタグの応答回数を計測した。質問信号の偏波方向を回転した場合、その回転角度に従って応答する無線ICタグが変化する。各無線ICタグにおける応答回数のピークは、ほぼ180度の間隔により現れている。この測定により、偏波の回転に応じて、位置検出装置12のアンテナ31と平行な方向の無線ICタグが反応することが確認された。尚、各無線ICタグの応答回数が異なるのは、ここの無線ICタグの電気的特性のばらつきによるものと考えられる。
【0047】
図4(a)(b)は、図2(a)に示す検出領域における位置測定テストを示す説明図である。位置測定テストは、位置検出装置12を所有する利用者が図4(a)に示す円に沿って移動し、その移動時における位置測定結果(座標値)を図4(b)に示す。利用者が円に沿って移動するため、質問信号41の偏波方向は、図4(a)に示すように、移動経路の円の半径方向となる。尚、図4(a)(b)において、図の横方向及び縦方向に描かれた直線の交点に位置検出用タグ11が配置されている。複数の位置検出用タグ11の横方向及び縦方向の間隔(X2,Y2)は、例えば250mmに設定されている。図4(b)に示すように、利用者の移動経路に近い点が計測されている。尚、図4(b)において、利用者の移動経路(円)の半径に対する測定点の平均誤差は75mm程度であった。
【0048】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)位置検出用タグ11を、それぞれの偏波方向が異なる複数の無線ICタグ21〜24により構成した。これら無線ICタグ21〜24のうち、位置検出装置12が送信する信号の直線偏波に対応する無線ICタグが応答してタグ番号を送信する。この応答した無線ICタグのタグ番号により、位置検出装置12の質問器32は、変換テーブル33に記憶されたデータを検索し、応答した無線ICタグに対応する位置情報(位置及び方向)を読み出す。この位置及び方向は、移動体の位置及び方向に対応する。従って、個々の位置検出用タグ11において、利用者の位置と利用者の向きを検出することができる。
【0049】
(2)更に、位置検出装置12から送信する直線偏波の信号は、円偏波の信号に比べて到達距離が長いため、位置検出装置12のアンテナ31と位置検出用タグ11とを離すことができる。このため、アンテナ31を位置検出用タグ11に近接させる必要がなく、例えばアンテナ31を位置検出用タグ11に近接させるために該アンテナ31を先端に配設した杖などを利用しなくても、位置検出装置12を携帯した利用者の位置,方向を精度良く検出することができる。
【0050】
(3)位置検出用タグ11に向かって送信される信号に複数の無線ICタグが応答する場合、フィルタ部34は、質問器32が複数の無線ICタグのタグ番号により変換テーブル33から読み出した複数の位置情報(位置及び方向)の中心位置を得る。この中心位置を利用者の位置とする。このため、位置検出用タグ11の配置間隔よりも狭い精度にて利用者の位置及び方向を検出することができる。
【0051】
(4)直線偏波の信号に応答する無線ICタグにより決定される方角は、原理的に0〜180度までの間となり、180度〜360度の間では0〜180度の間と同じ値となる。つまり、90度と270度は同じ値を返すため、区別することができない。しかし、それまでの利用者の位置情報が行動テーブル35に記憶されており、この行動テーブル35のデータを参照することにより、フィルタ部34は、利用者の移動方向、つまり利用者の向きを推定することができるため、その地点における利用者の向きを検出することができる。
【0052】
(第二実施形態)
以下、本発明を具体化した第二実施形態を図面に従って説明する。
尚、第一実施形態と同じ部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0053】
図6(a)は、本実施形態の位置検出システムの概略ブロック図である。
位置検出システム60は、位置検出用タグ61と位置検出装置62とから構成されている。
【0054】
位置検出用タグ61は、1個の無線ICタグ21を備え、第一実施形態と同様に行列状に配列されている。無線ICタグ21は、アンテナ21aと応答回路(ICチップ)21bとから構成されたパッシブ型のICタグであり、応答回路21bは、位置検出装置62からの電力供給を受けて動作し、予め設定されたタグ番号21cを含む送信信号を、アンテナ21aを介して送信する。
【0055】
位置検出装置62は、アンテナ31、質問器32、角度変更手段及び偏波回転手段としてのアンテナ駆動部63、記憶手段としての変換テーブル33、フィルタ手段としてのフィルタ部64、記憶手段としての行動テーブル35、表示手段としての表示部12b、通信部36を備えている。
【0056】
アンテナ31は偏波面が直線偏波であるアンテナであり、直線偏波の電波を送出する。アンテナ駆動部63は、例えばステッピングモータを駆動源としアンテナ31を回転駆動する駆動部であり、このアンテナ駆動部63がアンテナ31を回転駆動することにより、アンテナ31から送出される信号の偏波方向が機械的に回転される。
【0057】
尚、アンテナから送出される信号の偏波方向を電気的に回転させる構成としてもよい。例えば、図7に示すように、アンテナ71を直線偏波パッチアンテナとし、アンテナ駆動部は質問器32から入力される送信信号をアンテナ71に供給する給電点P1〜P4を切り替える。直線偏波パッチアンテナは給電点の位置に応じた偏波方向の信号を送出する。従って、給電点P1〜P4を順次切り替えることで、送出する信号の偏波方向を回転させることができる。
【0058】
質問器32は、無線ICタグのタグ番号を問い合せるための質問信号を、アンテナ31を介して送信する。また、質問器32は、アンテナ31を介して無線ICタグから受信した信号に含まれるタグ番号に基づき、質問信号に応答した無線ICタグの位置と、その無線ICタグの向き(方向)を取得する。位置等の取得には、変換テーブル33が用いられる。
【0059】
フィルタ部64は、質問器32から入力される無線ICタグの位置情報と、アンテナ駆動部63により回転される信号偏波の角度とに基づき、利用者の現在位置を検出する。例えば、上記第一実施形態で説明したように、無線ICタグは、その応答回数が質問器32からアンテナ31を介して送出される信号の偏波方向に応じて変化する。従って、無線ICタグの応答回数が多いときの信号の偏波方向により利用者の方向を検出することができる。例えば、無線ICタグの応答回数が多いときの信号の偏波方向が0度(信号の偏波方向が利用者の左右方向である角度)の場合、図6(b)に示す無線ICタグ21に対して、利用者は図面上側又は図面下側を向いていることが検出される。また、フィルタ部64は、検出した利用者の向きを、行動テーブル35に記憶した情報に基づいて特定する。
【0060】
以上記述したように、本実施形態によれば、第一実施形態の効果に加えて以下の効果を奏する。
(5)位置検出装置62のアンテナ31から送出する信号の偏波方向を回転させるようにしたため、位置検出用タグ61に1つの無線ICタグ21を搭載すればよい。従って、位置検出用タグ61の外形を小さくすることができ、位置検出用タグ61のコストを低減することができる。
【0061】
(6)位置検出装置62のアンテナ31から送出する信号の偏波方向を回転させるようにしたため、偏波方向の角度ステップを任意に設定することができる。従って、より細かいステップで信号の偏波方向を回転させることで、より細かく移動体の方向を検出することができるようになる。
【0062】
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記第一実施形態において、位置検出用タグ11を4個の無線ICタグ21〜24により構成したが、2個,3個,5個以上の無線ICタグにより位置検出用タグを構成するようにしてもよい。
【0063】
・上記各実施形態では、位置検出用タグ11、61を行列状に配列したが、任意の位置に配置しても良い。
・上記各実施形態では、位置検出装置12を利用者の腰に装着するようにしたが、無線ICタグに電力の供給が可能な電波強度を確保できる範囲内であれば設置位置を変更しても良く。例えば、靴の中に装着する等、利用状況に応じて装着位置を変更することが可能である。
【0064】
・上記各実施形態では、パッシブ型の無線ICタグ21〜24を用いたが、アクティブ型の無線ICタグを用いてもよい。
・上記実施形態において、質問信号の偏波とアンテナ21aの偏波方向とが成す角度が0(ゼロ)に近いほど無線ICタグの応答回数が多くなる。従って、フィルタ部34は、複数の無線ICタグが応答する場合、各無線ICタグの応答回数を位置,方角に対する重み付けとし、重み付けした位置,方角の平均値を移動体の位置及び方向としてもよい。
【0065】
・上記実施形態において、フィルタ部34は、質問信号に応答した複数の無線ICタグに対応して変換テーブル33に記憶された方向ベクトルを合成して移動体の方向を検出するようにしてもよい。
【0066】
・上記各実施形態において、行動テーブル35を用いることなく、無線ICタグ21〜24の方角により移動体(利用者)の方向を決定しても良い。例えば、位置が変わらずにその場で回転するような場合、質問信号41に主に応答する(応答回数が多くなる)無線ICタグは変化する。このため、応答する無線ICタグのタグ番号を無線ICタグの方角に変換テーブル33を用いて変換することにより、移動体の向きを検出することができる。
【0067】
上記各形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ) 前記質問器は、前記質問信号に応答する複数の無線ICタグから受信したタグ番号のそれぞれに対して位置情報を前記記憶手段から読み出し、前記質問器により読み出された複数の位置情報に基づいて前記移動体の位置及び方向を検出するフィルタ部を備えたことを特徴とする請求項6記載の位置検出装置。
【0068】
(ロ) 検出された前記移動体の位置及び方向が時系列的に格納された記憶手段を備え、前記フィルタ部は、前記記憶手段に記憶された位置及び方向に基づいて前記移動体の方向を検出することを特徴とする上記(イ)又は請求項7記載の位置検出装置。
【0069】
(ハ) 前記質問信号に応答する複数の無線ICタグから受信したタグ番号のそれぞれに対して位置情報を前記記憶手段から読み出し、該読み出した複数の位置情報に基づいて前記移動体の位置及び方向を検出することを特徴とする請求項8記載の位置検出方法。
【0070】
(ニ) 検出された前記移動体の位置及び方向が時系列的に格納された記憶手段を備え、前記記憶手段に記憶された位置及び方向に基づいて前記移動体の方向を検出することを特徴とする上記(ハ)又は請求項9記載の位置検出方法。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】(a)は第一実施形態の位置検出システムの概略ブロック図、(b)は第一実施形態の位置検出用タグの平面図。
【図2】(a)(b)は位置検出領域の説明図。
【図3】(a)は変換テーブルの説明図、(b)は行動データの説明図。
【図4】(a)は位置検出テストを説明する概略図、(b)は位置検出結果を示す特性図。
【図5】アンテナの偏波方向に対する位置検出用タグを構成する無線タグの反応回数を示す特性図。
【図6】(a)は第二実施形態の位置検出システムの概略ブロック図、(b)は第二実施形態の位置検出用タグの平面図。
【図7】アンテナの説明図。
【符号の説明】
【0072】
11,61…位置検出用タグ、21〜24…無線ICタグ、21a…アンテナ、21b…応答回路、21c…タグ番号、12,62…位置検出装置、31,71…アンテナ、32…質問器、33…変換テーブル、34,64…フィルタ部、35…行動データ、63…角度変更手段,偏波回転手段としてのアンテナ駆動部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に配設され直線偏波の信号を送出するアンテナを備えた位置検出装置と、前記移動体が移動する移動面に配置された複数の位置検出用タグと、を備えた位置検出システムであって、
前記位置検出用タグが有するアンテナの偏波方向と、前記位置検出装置が有するアンテナの偏波方向との角度を相対的に変更する角度変更手段を備え、
前記位置検出装置は、前記無線ICタグのタグ番号と該無線ICタグの配置位置とが関連付けられて記憶された記憶手段と、前記アンテナを介して質問信号を送信し、該質問信号に応答する無線ICタグのタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた配置位置を読み出すと共に前記両アンテナの偏波の相対的な角度により前記移動体の向きを検出する質問器と、を備えた
ことを特徴とする位置検出システム。
【請求項2】
前記位置検出装置のアンテナは前記移動体の向きに応じた方向に沿った直線偏波の信号を送出するように配設され、
前記角度変更手段は、前記位置検出用タグに備えられ、アンテナの偏波方向が互いに方向が異なるように配置され該アンテナを介してそれぞれ特定のタグ番号を送信する複数の無線ICタグにより構成され、
前記位置検出装置は、
前記複数の無線ICタグのタグ番号と配置位置と前記アンテナの方向に対応する方角とが関連付けられて記憶された記憶手段と、
直線偏波の信号を送出するためのアンテナと、
前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記複数の無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出す質問器と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の位置検出システム。
【請求項3】
前記質問器は、前記質問信号に応答する複数の無線ICタグから受信したタグ番号のそれぞれに対して位置情報を前記記憶手段から読み出し、
前記質問器により読み出された複数の位置情報に基づいて前記移動体の位置及び方向を特定するフィルタ部を備えたことを特徴とする請求項2記載の位置検出システム。
【請求項4】
前記位置検出用タグは、所定の方向に配置され該アンテナを介して特定のタグ番号を送信する1つの無線ICタグを備え、
前記角度変更手段は、前記位置検出装置のアンテナから送出される信号の偏波方向を回転する偏波回転手段であり、
前記位置検出装置は、
前記無線ICタグのタグ番号と配置位置及び配置方向とが関連付けられて記憶された記憶手段と、
前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出す質問器と、
前記信号の偏波方向と前記無線ICタグの位置情報とから前記移動体の位置及び方向を検出するフィルタ部と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の位置検出システム。
【請求項5】
検出された前記移動体の位置及び方向が時系列的に格納された記憶手段を備え、
前記フィルタ部は、前記記憶手段に記憶された位置及び方向に基づいて前記移動体の方向を特定することを特徴とする請求項3又は4記載の位置検出システム。
【請求項6】
アンテナの偏波方向が互いに方向が異なるように配置され該アンテナを介してそれぞれ特定のタグ番号を送信する複数の無線ICタグを有する位置検出用タグが配置された移動面に沿って移動する移動体に配設された位置検出装置であって、
前記複数の無線ICタグのタグ番号と配置位置と前記アンテナの方向に対応する方角とが関連付けられて記憶された記憶手段と、
直線偏波の信号を送出するためのアンテナと、
前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記複数の無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出す質問器と、
を備えたことを特徴とする位置検出装置。
【請求項7】
アンテナの偏波方向が所定の方向に沿って配置され該アンテナを介して特定のタグ番号を送信する1つの無線ICタグを有する位置検出用タグが配置された移動面に沿って移動する移動体に配設された位置検出装置であって、
直線偏波の信号を送出するためのアンテナと、
前記アンテナから送出される信号の偏波方向を回転する偏波回転手段と、
前記無線ICタグのタグ番号と配置位置及び配置方向とが関連付けられて記憶された記憶手段と、
前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出す質問器と、
前記信号の偏波方向と前記無線ICタグの位置情報とから前記移動体の位置及び方向を検出するフィルタ部と、
を備えたことを特徴とする位置検出装置。
【請求項8】
アンテナの偏波方向が互いに方向が異なるように配置され該アンテナを介してそれぞれ特定のタグ番号を送信する複数の無線ICタグを有する位置検出用タグが配置された移動面を移動する移動体に配設された位置検出装置において前記移動体の位置を検出する位置検出方法であって、
前記位置検出装置は、
前記複数の無線ICタグのタグ番号と配置位置と前記アンテナの方向に対応する方角とが関連付けられて記憶された記憶手段と、
直線偏波の信号を送出するためのアンテナと、を備え、
前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記複数の無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出し、該位置情報により前記移動体の位置を検出することを特徴とする位置検出方法。
【請求項9】
アンテナの偏波方向が所定の方向に沿って配置され該アンテナを介して特定のタグ番号を送信する1つの無線ICタグを有する位置検出用タグが配置された移動面に沿って移動する移動体に配設された位置検出装置において前記移動体の位置及び方向を検出する位置検出方法であって、
前記位置検出装置は、
直線偏波の信号を送出するためのアンテナと、
前記アンテナから送出される信号の偏波方向を回転する偏波回転手段と、
前記無線ICタグのタグ番号と配置位置及び配置方向とが関連付けられて記憶された記憶手段と、を備え、
前記アンテナを介して質問信号を送信し、前記無線ICタグからタグ番号を読み出し、取得したタグ番号により前記記憶手段を検索して該タグ番号に関連付けられた位置情報を該記憶手段から読み出し、前記信号の偏波方向と前記無線ICタグの位置情報とから前記移動体の位置及び方向を決定することを特徴とする位置検出方法。
【請求項10】
移動体が移動する移動面に配置された位置検出用タグであって、
前記移動体に配設された位置検出装置からの質問信号を受信するアンテナを有し、該アンテナの偏波方向が互いに異なるように配置され、前記質問信号に応答してタグ番号を送信する複数の無線ICタグを備えたことを特徴とする位置検出用タグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−17375(P2007−17375A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201456(P2005−201456)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(391016842)岐阜県 (70)
【Fターム(参考)】