説明

位置検知プログラム、位置検知装置および位置検知方法

【課題】測位誤差によって位置情報の誤測位が発生しても、誤った位置情報に影響されずに正確に移動経路ごとに作業対象となった作業地を検知すること。
【解決手段】位置検知装置100は、連続した位置情報Pを複数個ごとにグループ化し、同一のグループに含まれる位置情報Pが示す作業地の多数派を真の作業地として採用する。そこで、位置検知装置100は、移動経路を誤差幅よりも十分に長くなる距離ごとに分割し(S11)、分割した移動経路に含まれる位置情報Pから作業地候補を特定する(S12)。したがって、グループ1では、位置情報P1〜P6が示す圃場A,Bが、グループBでは、位置情報P7〜P11が示す圃場Aがそれぞれ作業地候補となるため、位置検知装置100は、S12によって特定された作業地候補の中から、多数派となる作業地を作業中の作業地に決定する(S13)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動体の位置情報属性を判定する位置検知プログラム、位置検知装置および位置検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農業、林業や土木作業などにおいて、作業者の作業履歴や操作して稼動させる作業機械の使用履歴を手作業で記録するのは面倒であった。さらに、多数の作業地を所有する経営者の場合は、複数の作業者が同時刻に異なる作業地にて作業を行う可能性があり、作業状況の把握が困難であった。
【0003】
そこで、作業者や作業機械にGPS(Global Positioning System)を取り付け、どの作業者がいつどこでどの作業地にて作業を行っているかを記録する技術が提供されている。具体的には、たとえば、対象となる作業者や作業機械にGPSを搭載させ、GPSから適当な時間間隔ごとに測位結果を受信することによって常時、作業者の作業位置を測定することができる。
【0004】
上述の技術は、複数の作業地を対象にした作業状況の把握に留まらず、大型工場やショッピングモールなどの作業者や利用者の移動状況を把握する場合にも利用される。また、作業者や利用者の動作を効率的に把握するため、移動速度に基づいて、移動経路の中から通常の移動を行っている経路と所定の作業を行っている経路とを特定する技術が開示されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0005】
また、GPSから求められた2次元座標値を利用して、地図内に示されている作業地や店舗といった複数のエリアの中から作業者や利用者が位置するエリアを個別に特定する技術も開示されている(たとえば、下記特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−204020号公報
【特許文献2】特開2009−134600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術のように、GPSの測位結果を利用して作業者の位置を特定する場合、GPSの測位誤差の影響を受けて、正しい位置検知ができない可能性がある。車載型のナビゲーションによって行われる車両測位の場合、移動体が道路上を走行することが前提となっているため、道路の位置座標を基準にして測位誤差を自律的に修正できる。一方、従来技術のように、作業地や大型工場やショッピングモールなどで移動する移動体の測位を行う場合、すべてのエリアを通る可能性がある。したがって、車両測位のように自律的に測位誤差を修正することはできなかった。
【0008】
図17は、GPS測位結果を利用した位置検知例を示す説明図である。図17のように、従来技術を利用すると、GPS測位結果が示すような移動経路を得ることができる。さらに、従来技術を利用して、GPS測位結果の中から作業地を走行している経路を抽出することができる。図17の場合、GPS測位結果の示す移動経路のうち、楕円で囲まれた経路が作業地を走行中であるとして抽出される。
【0009】
したがって、楕円で囲まれた経路を判定基準として、さらに、いずれの作業地を走行しているか、すなわち、いずれの作業地によって作業を行っているかを判定する。同一の作業地の中心部で作業している場合や、他の作業地が隣接していなければ、一つの作業地のみが作業地として判定される。しかしながら、図17の圃場Aと圃場Bとのように、複数の作業地の領域が隣接する場合には、GPSの測位誤差が影響して実際の作業地と異なる位置情報が得られる可能性も高くなってしまう。
【0010】
一般的に、GPSによる測位における位置精度が±10m程度の誤差を含んでいる。したがって、誤差幅である±10m以内で複数の作業地が隣接している場合、測位点ごとに得られた位置情報(2次元の座標値)に基づいて作業地を検知すると、2つの作業地が検知されてしまうことがある。
【0011】
たとえば、図17のように作業者が作業経路R(波線が示す経路)のような経路で走行している場合、圃場Aにて作業しているにもかかわらず、GPS測位結果が示す移動経路では圃場Aと圃場Bを通過しているような検知結果が出力されてしまう。結果として、圃場Bでも作業していると誤った作業記録が残ってしまう場合があるという問題があった。
【0012】
また、GPS測位結果の測位誤差を丸める技術として、測位結果のばたつきを抑えるために座標値に対してローパスフィルタなどのフィルタ処理を施す技術も提供されている。フィルタ処理によって、GPSの測位結果は、位置情報Pのような滑らかな移動経路に修正される。しかしながら、測位誤差が発生した場合に、隣接した作業地(たとえば圃場B)を示す位置情報が測位されてしまうと、フィルタ処理が施されたとしても、図17のように圃場Bを通過する移動経路が得られ、依然として作業地を誤って検知してしまうという問題があった。
【0013】
本開示技術は、上述した従来技術による問題点を解消するため、測位誤差による誤った測位結果を排除して正確に作業地を判定できる位置検知プログラム、位置検知装置および位置検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本開示技術は、移動体の測位時刻ごとに得られた一連の位置情報により表現される前記移動体の移動経路を測位誤差幅よりも長い移動距離ごとに分割する処理と、作業地群の位置を特定する地図情報の中から、分割された移動経路に含まれる位置情報に該当する作業地候補を、前記分割された移動経路ごとに特定する処理と、前記分割された移動経路に含まれている位置情報のうち、特定された作業地候補ごとに含まれている位置情報の数の多さに基づいて、前記作業地候補の中から前記分割された移動経路に該当する作業地を決定する処理と、決定された決定結果を出力する処理とを含むことを要件とする。
【発明の効果】
【0015】
本位置検知プログラム、位置検知装置および位置検知方法によれば、誤った位置情報に影響されずに正確に移動経路ごとに作業対象となった作業地を検知することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施の形態にかかる位置検知処理の構成例を示す説明図である。
【図2】作業者の移動速度の変化を示す説明図である。
【図3】移動速度の遅い時間帯の移動速度の変化を示す説明図である。
【図4】移動経路の分割例を示す説明図である。
【図5】移動速度が遅い場合の位置情報の収集例を示す説明図である。
【図6】移動速度が速い場合の位置情報の収集例を示す説明図である。
【図7】位置検知装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図8−1】位置検知装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図8−2】位置検知部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】位置検知処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】平均座標を基準とした位置検知例を示す説明図である。
【図11】面積比を基準とした位置検知例を示す説明図である。
【図12】作業予定による重み付けを利用した位置検知例を示す説明図である。
【図13】作業予定の一例を示すデータテーブルである。
【図14】位置検知履歴による重み付けを利用した位置検知例を示す説明図である。
【図15】エリア定義による重み付けを利用した位置検知例を示す説明図である。
【図16】位置検知結果の出力例を示すデータテーブルである。
【図17】GPS測位結果を利用した位置検知例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる位置検知プログラム、位置検知装置および位置検知方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態にかかる位置検知処理の構成例を示す説明図である。本実施の形態では、位置検知装置100によって、作業者や作業者が操作する作業機械といった移動体110に搭載したGPSから測位時刻ごとの位置情報101(図1では一例としてP1〜P11を挙げている)を取得する。位置情報とは具体的には位置座標値(x、y)によって表されている。
【0019】
位置検知装置100では、取得した位置情報101を取得時刻の順に並べることによって、移動体110の移動経路を特定することができる。位置検知装置100では、さらに、移動経路に作業対象となった作業地の検知結果を紐付ける。従来技術では、取得された位置情報Pごとに座標値に該当する作業地を検知していた。
【0020】
課題にて述べたように、GPSには測位誤差が発生するため、位置情報101も実際には圃場Aを直進した場合であっても、図1に示すようなジグザグとした移動経路が得られてしまう。位置情報101が示すP2,P5,P8のように圃場Aをはみ出した位置情報Pごとに作業地を検知すると、当然ながら正しい作業地の情報(圃場A)は得られない。
【0021】
そこで、本実施の形態では、位置検知装置100は、連続した位置情報Pを複数個ごとにグループ化し、同一のグループに含まれるPが示す作業地の多数派を真の作業地として採用する。当然のことながら、グループ内に含まれるPのうち、正しい作業地である圃場Aを示すPが誤った作業地を示すPと比較して多数派となるようにグループを設定しなければならない。
【0022】
そこで、位置情報101内のPをグループ化する際には、同一のグループに含まれる位置情報が示す移動経路がGPSによる測位誤差の誤差幅(たとえば±10m)よりも十分に長い距離であることが望ましい。したがって、位置検知装置100は、まず、移動経路を誤差幅よりも十分に長くなる距離ごとに分割する(ステップS11)。ステップS11によって分割された移動経路に含まれる位置情報Pを一つのグループとして扱う。
【0023】
その後、位置検知装置100は、分割した移動経路に含まれる位置情報101が示すPから作業地候補を特定する(ステップS12)。図1の場合は、ステップS11において、移動経路を位置情報101の中のP1〜P6が含まれるグループ1と、位置情報101の中のP7〜P11が含まれるグループ2とに分割している。したがって、グループ1では、位置情報P1〜P6が示す圃場A,Bが作業地候補となり、グループ2では、位置情報P7〜P11が示す圃場Aが作業地候補となる。
【0024】
そして、位置検知装置100は、ステップS12によって特定された作業地候補の中から、多数派となる作業地を作業中の作業地に決定する(ステップS13)。図1のグループ1の場合、位置検知装置100は、作業地候補(圃場A,B)のうち、圃場Aが多数派となるため、圃場Aにて作業中であったと決定する。同様に、グループ2の場合、位置検知装置100は、作業地候補として圃場Aのみが特定されたため、一意的に圃場Aにて作業中であったと決定する。
【0025】
本実施の形態では、以上説明したような処理を行うことによって、移動体110の移動経路は、圃場Aでの作業を示していると検知できる。上述のような位置検知処理を行うには、下記のような処理が必要となる。以下には、図1に示した位置検知処理を実現する際の詳細な手順について説明する。
【0026】
(作業中の移動経路の抽出処理)
まず、図1に示したように、移動体110の移動経路から作業中の経路を抽出する。GPSから得られる移動経路の中から作業中の移動経路を抽出することによって、抽出されなかった移動経路は作業地を走行しないと判断されるため、一意的に一般の道路もしくは各作業地の間に設けられた通路を走行中であったと検知することができる。また、抽出された移動経路のみを対象として、いずれの作業地を走行しているかを検知するため、位置検知処理の効率化が期待できる。
【0027】
図2は、作業者の移動速度の変化を示す説明図である。図2のグラフ200は、時刻tの経過に応じた移動速度vの変化を表している。なお、グラフ200では、便宜的に、GPSの取得開始時刻をt0とした場合の時間経過を表している。本実施の形態では、作業地で作業を行う移動体110の移動速度が、作業中と作業中以外の移動中とでは大きく異なることに着目する。
【0028】
そこで、位置検知装置100では、移動体110の種別(作業者か、作業者が操作する作業機械か)に応じてしきい値を設定し、しきい値以下の移動速度の時間帯の移動経路を作業中の移動経路として抽出する。具体的には、たとえば、移動体110が作業者であれば、人の早歩きに相当する速度である時速6km/hをしきい値に設定する。
【0029】
図2のグラフ200では、時刻t1〜t2の時間帯は、しきい値以下の移動速度を示している。したがって、時刻t1〜t2の時間帯に相当する移動経路を作業中の移動経路として抽出する。同時に、しきい値よりも移動速度の速い時刻t0〜t1および時刻t2以降は、作業地以外の通路を走行している移動中と判断される。したがって、抽出された移動経路以外の移動経路については、一意的に通路を走行中であると検知される。
【0030】
図3は、移動速度の遅い時間帯の移動速度の変化を示す説明図である。図3のグラフ300は、図2のグラフ200における時刻t1〜t2の移動速度を表している。しきい値に基づいて抜き出された時刻t1〜t2の移動速度を表すデータは、移動体110の作業中の挙動を表している。
【0031】
そして、グラフ300に示すようなしきい値に基づいて抽出した移動経路の情報に対して、さらに、移動速度に関する統計値を利用した抽出処理を行ってもよい。移動速度に関する統計値としては、たとえば、グラフ300に示したように、移動速度の平均値を採用してもよい。しきい値に基づいて抽出したデータに対して、さらに平均値に基づいた抽出処理を行うことによって作業地周辺の移動に特化したデータが抽出され位置検知処理の効率化を図ることができる。
【0032】
具体的に説明すると、図1に示した圃場A,B,Cのように隣接した作業地について、連続して作業を行う場合、作業地間の移動速度がしきい値以上の速度に上昇しない可能性もある。作業地間の移動速度がしきい値以上にならない場合、移動体110が圃場A→通路→圃場Bの順序で走行しても、すべて一連の作業中の移動経路として抽出されてしまう。
【0033】
抽出された移動経路は、後述する分割処理によって所定の距離ごとに分割される。したがって、複数の作業地において作業中となる移動経路を抽出しても、分割された移動経路ごとに作業中の作業地を検知することができる。しかしながら、同一の作業地を移動する移動経路のみを抽出することによって、誤検知を防ぎ、より高精度に作業中の作業地を検知することができる。
【0034】
そこで、図3のグラフ300に示したように、しきい値によって抽出した移動経路について、さらに、移動速度の平均値を求め、再度抽出処理を行う。複数の作業地間の通路を走行する際の移動速度が平均値以上となる可能性が高いため、平均値以下となる時間帯の移動経路をそれぞれ抽出することによって、各作業地を走行する移動経路をそれぞれ独立して抽出することができる。
【0035】
(移動経路の分割処理)
図4は、移動経路の分割例を示す説明図である。図4に示すように、GPSから得られた移動体110の移動経路は、移動速度を利用して、移動速度が遅いデータ群Aと、移動速度が速いデータ群Bとに分けられる。本実施の形態ではデータ群Aが示す移動経路をさらに、移動距離に応じたブロックに分割して、ブロック単位でいずれの作業地に該当するかを検知する。図4の例では、データ群Aを破線で示した各ブロックに分割している。
【0036】
上述したように、本実施の形態では、測位誤差の影響を受けた誤った位置情報の割合が、正しい位置情報よりも多数派とならないように、測位誤差の幅よりも十分に長い距離ごとに移動経路を分割したブロックを設定する必要がある。
【0037】
図5は、移動速度が遅い場合の位置情報の収集例を示す説明図であり、図6は、移動速度が速い場合の位置情報の収集例を示す説明図である。図5,6のように、GPSを利用して同一の時間間隔ごとに移動体110の位置情報を得たとしても移動体110の移動速度に応じて2点の位置情報が示す移動経路の距離は大きく異なる。したがって、移動経路を分割する際に、たとえば、移動経路を位置情報が10個含まれる距離ごとに分割するといったような、位置情報の個数を基準すると、各ブロックの距離が大きく異なったり、測位誤差の幅よりも短い距離になったりする恐れがある。
【0038】
そこで、移動速度に応じた個数の位置情報ごとに移動経路を分割する。具体的には、下記の(1)式を満たすように、位置情報数を設定して、設定された位置情報数ごとに移動経路を分割する。したがって、移動経路のうち、移動速度が速ければ1つのブロック当たりの位置情報数が少なく設定され、移動速度が遅ければ1つのブロック当たりの位置情報が多く設定されるため、各ブロックに含まれる位置情報数が異なっても、各ブロックが示す移動経路の距離は距離Lに近似させることができる。
【0039】
距離L=平均速度×位置情報数(=測位点数)×測定間隔 ・・・(1)
(ただし、距離L>>GPS誤差d)
【0040】
上述したような手法を用いることによって、移動体110の作業内容にかかわらず、一連の移動経路を同等の距離Lごとに分割することができる。分割処理によって、適度な個数の位置情報ごとに移動体110が作業中となる作業地を検知するため、処理負荷の少ない、効率的な位置検知処理が可能となる。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態では、GPSの測位結果が示す位置情報を用いて作業者がいずれの作業地で作業を行っているかを検知する際に、1点ごとの位置情報ではなく、連続した複数点の位置情報単位で判断する。たとえ、GPSの測位誤差によって誤った位置情報が得られたとしても、複数の位置情報が示す作業地候補の中から多数派となる作業地を作業中の作業地として検知するため、誤った位置情報が示す作業地は、正しい作業地を特定する際に必然的に排除される。したがって、常に移動体110が作業している作業地を正確に検知することができる。
【0042】
つぎに、上述した処理を実現する位置検知装置100の具体的な構成例について説明する。
【0043】
(位置検知装置のハードウェア構成)
図7は、位置検知装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図7において、位置検知装置100は、CPU(Central Processing Unit)701と、ROM(Read Only Memory)702と、RAM(Random Access Memory)703と、磁気ディスクドライブ704と、磁気ディスク705と、光ディスクドライブ706と、光ディスク707と、ディスプレイ708と、I/F(Interface)709と、キーボード710と、マウス711と、スキャナ712と、プリンタ713と、を備えている。また、各構成部はバス700によってそれぞれ接続されている。
【0044】
ここで、CPU701は、位置検知装置100の全体の制御を司る。ROM702は、ブートプログラムや、位置検知処理を実行するための位置検知プログラムなどの各種プログラムを記憶している。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ704は、CPU701の制御にしたがって磁気ディスク705に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク705は、磁気ディスクドライブ704の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0045】
光ディスクドライブ706は、CPU701の制御にしたがって光ディスク707に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク707は、光ディスクドライブ706の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク707に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0046】
ディスプレイ708は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ708は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0047】
インターフェース(以下、「I/F」と略する。)709は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク714に接続され、このネットワーク714を介して他の装置に接続される。そして、I/F709は、ネットワーク714と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F709には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0048】
キーボード710は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス711は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0049】
スキャナ712は、画像を光学的に読み取り、位置検知装置100内に画像データを取り込む。なお、スキャナ712は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ713は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ713には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0050】
(位置検知装置の機能的構成)
図8−1は、位置検知装置の機能的構成を示すブロック図である。位置検知装置100は、位置情報入力部801と、位置検知部802と、地図情報DB(データベース)803と、を含む構成である。この制御部となる機能(位置情報入力部801〜位置検知部802)は、具体的には、たとえば、図7に示したROM702、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU701に実行させることにより、または、I/F709により、その機能を実現する。また、地図情報DB803は、磁気ディスク705、光ディスク707や、I/F709を介して接続された外部の記憶装置によってその機能を実現する。
【0051】
位置検知装置100は、外部の位置情報収集部800から位置情報101(位置座標値および測位時刻)を取得する。位置情報収集部800は、移動体110の位置情報101を収集する機器であり、具体的には、移動体110に搭載したGPS携帯や各種GPSロガーによってその機能を実現する。
【0052】
位置情報入力部801は、位置情報収集部800によって収集された位置情報101を受信して位置検知部802に入力する機能を有する。また、位置情報入力部801は、受信した位置情報101に所定の加工を施した後、位置検知部802に入力することができる。所定の加工として、たとえば、位置情報収集部800によって収集されたGPSの測位結果を、位置検知装置100における位置検知処理に適した形式に測位時刻や位置座標値を修正してもよい。なお、受信した位置情報や加工後の位置情報は、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶される。
【0053】
位置検知部802は、位置情報入力部801から入力された一連の位置情報101が示す移動体110の移動経路がそれぞれいずれの作業地に該当するかを検知して検知結果102を出力する機能を有する。位置検知部802における詳細な機能については詳しく後述する。また、検知結果102は、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶される。
【0054】
地図情報DB803は、位置検知処理に用いる地図情報を格納している。地図情報として、具体的には、位置座標値に対応した属性情報が格納されている。属性情報とは、位置座標値が示す土地が作業地であるか通路であるかといった分類である。したがって、地図情報を参照することによって、各作業地の位置を特定することができる。また、作業地の場合には、さらに、圃場A,Bといった作業地名ごとに分類されている。地図情報としては、通常、各種地図事業者から提供されている地理情報を用いることができる。その他、位置検知装置100の利用者が設定した独自の分類を適用したい場合には、あらかじめ利用者が設定した地図情報を用いることもできる。
【0055】
図8−2は、位置検知部の詳細な構成を示すブロック図である。図8−2を用いて位置検知部802の詳細な構成について説明する。図8−2のように、位置検知部802は、分割部811と、特定部812と、決定部813と、出力部814と、速度算出部815と、抽出部816と、作図部817と、面積算出部818と、取得部819と、関連付け部820と、を含んでいる。
【0056】
分割部811は、移動経路を所定の距離ごとに分割する機能を有する。所定の距離とは、GPSの測位誤差の幅よりも十分に長い任意の距離を意味する。したがって、具体的には、分割部811は、位置情報入力部801から入力された位置情報により表現される移動体110の移動経路を測位誤差の幅よりも長い移動距離ごとに分割する。分割された各移動経路の情報は、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶される。
【0057】
特定部812は、分割された移動経路ごとに、地図情報DB803に格納された地図情報を参照して位置情報に該当する作業地候補を特定する機能を有する。作業地候補の特定には、上述した地図情報DB803に格納されている位置情報を利用する。具体的には、特定部812は、作業地群の位置を特定する地図情報の中から、分割部811によって分割された移動経路ごとに、移動経路に含まれる位置情報に該当する作業地候補を特定する。なお、特定された作業地候補は、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶される。
【0058】
決定部813は、作業地候補の中から分割された移動経路に該当する作業地を決定する機能を有する。具体的には、決定部813は、分割された移動経路に含まれている位置情報(位置情報101を構成する各位置情報)が、それぞれ特定部812によって特定された作業地候補のいずれに該当するかを判断し、該当する位置情報の数の多さに基づいて作業地を決定する。その他にも、決定部813は、分割された移動経路に含まれている位置情報の平均値に該当する作業地候補を、作業中の作業地に決定してもよい。
【0059】
また、分割された移動経路によっては特定部812において、一つの作業地のみが作業地候補として特定される場合もある。そこで、決定部813は、特定部812にて特定された作業地候補が一つの場合、位置情報の数にかかわらず、特定された作業地候補を分割された移動経路に該当する作業地に決定する。なお、決定された作業地の情報は、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶される。
【0060】
出力部814は、所定の情報を出力する機能を有する。具体的には、出力部814は、決定部813によって決定された決定結果すなわち、分割された移動経路に該当する作業地の情報を検知結果102として出力する。出力形式としては、たとえば、ディスプレイ708への表示、プリンタ713への印刷出力、I/F709による外部装置への送信がある。また、検知結果102を、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶することとしてもよい。
【0061】
上述した分割部811〜出力部814の機能によって、一連の位置検知処理を実現できるが、さらに、速度算出部815〜関連付け部820の機能を備えることによって、効率的な位置検知処理を実現することができる。
【0062】
速度算出部815は、移動経路の時刻ごとの移動速度を算出する機能を有する。具体的には、速度算出部815は、連続した2点の位置情報について、位置情報の位置座標から求めた2点間の距離と測位時刻の差分とを用いて、移動体110の測位時刻ごとの移動速度を算出する。算出結果は、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶される。
【0063】
抽出部816は、移動体110の移動経路の中から所定の要件を満たす移動経路を抽出する機能を有する。具体的には、抽出部816は、移動経路の中から速度算出部815によって算出された移動速度がしきい値以下となる時間帯の移動経路を抽出する。抽出部816によって抽出された移動経路は作業地を移動している、すなわち、作業中である可能性の高い経路である。抽出された移動経路の情報は、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶される。
【0064】
抽出部816によって、作業中である可能性の高い経路が抽出された場合、分割部811では、抽出された移動経路に対して分割処理を行う。したがって、作業地以外の通路を走行する移動経路が削除されているため、効率的に作業地を決定することができる。また、決定部813では、抽出部816によって抽出されなかった移動経路を作業地以外の土地(たとえば通路など)に決定することができる。
【0065】
また、分割部811は、速度算出部815によって移動経路の時刻に応じた移動速度を算出した場合には、算出された移動速度を利用して移動経路を分割することもできる。具体的には、分割部811は、抽出部816によって抽出された移動経路を、速度算出部815によって算出された移動速度に応じた数の一連の位置情報を含む移動経路ごとに分割する。移動速度に応じた数の一連の位置情報を含む移動経路ごとに分割することによって、測位誤差の幅よりも長い距離と同等の距離ごとに分割することができる。
【0066】
また、作図部817および面積算出部818を利用することによって、他の手法によって、分割した移動経路に含まれる位置情報が示す作業地の多数派を判断することができる。
【0067】
作図部817は、指定された位置座標値を利用して多角形を作図する機能を有する。具体的には、作図部817は、分割された移動経路に含まれている位置情報が示す位置座標値を頂点とした凸包な多角形を作図する。作成された多角形の情報は、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶される。
【0068】
面積算出部818は、作図部817によって作図された多角形における作業地候補ごとの面積の割合を算出する。作業地候補ごとの面積の割合を算出するには、地図情報DB803に格納されている地図情報が示す作業地の位置座標値を参照する。たとえば、作業地候補として圃場A,B,Cが特定された場合、圃場Aの面積の割合:○%、圃場Bの面積の割合:△%、圃場Cの面積の割合:×%(○+△+×=100%)といった算出結果が出力される。なお、算出された面積の割合は、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶される。
【0069】
面積算出部818によって作業地候補ごとの面積の割合が算出された場合、決定部813では、面積の割合が最多となる作業地を分割された移動経路において作業中となる作業地に決定する。
【0070】
また、面積算出部818によって作業地候補ごとの面積の割合を算出する場合、各種情報を利用して作業地候補の中の特定の作業地に重みを付けてもよい。具体的には、移動体110の作業予定や作業履歴や、その他に移動体110が通過する可能性の高い領域を設定したエリア定義などを利用する。上述した重み付けの基準となる情報は、地図情報DB803に格納され、取得部819によって取得される。
【0071】
取得部819は、外部や地図情報DB803から所定の情報を取得する機能を有する。したがって、取得部819は、地図情報DB803から、移動体110の時刻に応じた作業予定や、直前に分割された移動経路が示す作業地の決定結果や、エリア定義に関する情報を取得する。取得された情報は、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶される。
【0072】
したがって、取得部819によって、移動体110の作業予定が取得された場合、面積算出部818は、作業地候補ごとの面積の割合を算出する際に、分割された移動経路に含まれる位置情報の測位時刻と作業予定の時刻とが一致する作業地に対して所定の重みを付ける。結果として、作業予定の時刻が一致する作業地についての面積の割合が大きくなり、作業地に決定される可能性が高くなる。
【0073】
また、取得部819によって、直前に分割された移動経路が示す作業地の決定結果が取得された場合、引き続き同じ作業地にて作業している可能性が高い。したがって、作業地候補のうち、取得された決定結果が示す作業地に所定の重みを付けて面積の割合を算出させることによって、直前の位置検知処理の結果を反映することができる。
【0074】
さらに、取得部819は、地図情報が示す領域のうち移動体110が通過する可能性の高い領域を設定したエリア定義を取得した場合、面積算出部818は、作業地候補ごとの面積の割合を算出する際に、設定された領域に含まれる作業地に対して所定の重みを付ける。したがって、作業地候補の中から移動体110が通過する可能性の高い領域に含まれる作業地を決定され易くすることができる。
【0075】
関連付け部820は、分割された移動経路と移動経路に該当する作業地とを関連付ける機能を有する。具体的には、関連付け部820は、決定部813による決定結果(分割された移動経路に該当する作業地)と、分割部811によって分割された移動経路とを関連付ける。関連付けられた情報は、RAM703、磁気ディスク705、光ディスク707などの記憶領域に記憶される。また、関連付け部820によって決定結果と分割された移動経路とが関連付けられた場合、出力部814は、決定結果とともに、関連付けられた移動経路を検知結果102として出力する。
【0076】
(位置検知処理の手順)
図9は、位置検知処理の手順を示すフローチャートである。図9のフローチャートは、位置検知部802に位置情報に基づいた移動経路が入力され、移動経路ごとに該当する作業地を決定するまでの手順を示している。図9の各処理を実行することによって、GPSの測位誤差の影響を排除した正確な位置検知を実現することができる。
【0077】
図9において、位置検知部802は、まず、移動経路が入力されたか否かを判断する(ステップS901)。ステップS901において、移動経路が入力されるまで待つ(ステップS901:Noのループ)。移動経路が入力されると(ステップS901:Yes)、位置検知部802は、速度算出部815によって移動経路に含まれる位置情報ごとの移動速度を算出する(ステップS902)。
【0078】
ステップS902によって移動速度が算出されると、位置検知部802は、抽出部816によって移動経路の中から移動速度がしきい値以下となる移動経路を抽出する(ステップS903)。位置検知部802では、ステップS903によって移動速度がしきい値以下となる移動経路が抽出されると、抽出されなかった移動経路がしきい値以上の移動速度であると判断される。したがって、決定部813は、抽出されなかった移動経路を作業地以外の通路に決定する(ステップS904)。
【0079】
その後、位置検知部802は、ステップS903によって抽出された移動経路を、分割部811によって測位誤差よりも長い距離ごとに分割する(ステップS905)。その後、位置検知部802は、ステップS905によって分割された移動経路ごとに、特定部812によって作業地候補を特定する(ステップS906)。
【0080】
そして、位置検知部802は、決定部813によって作業地候補となる作業地の中から分割された移動経路に含まれる位置情報が最多となる作業地を決定する(ステップS907)。ステップS907によって決定された作業地は、分割された移動経路を移動中に移動体110が作業した土地を意味する。
【0081】
その後、位置検知部802は、分割された移動経路とステップS907よって決定された作業地とを関連付け部820によって関連付け(ステップS908)、出力部814から検知結果102として移動経路と作業地とが関連付けられた決定結果を出力する(ステップS909)。
【0082】
その後、位置検知部802は、位置検知装置100に対して利用者や上位プログラムから終了指示が行われているか否かを判断する(ステップS910)。ステップS910において、終了指示が行われていないと判断した場合(ステップS910:No)、位置検知部802は、位置検知処理を行うため、ステップS901の処理に戻り、引き続き位置情報から求められた移動経路が入力されると、移動経路を分割して該当する作業地を検知する。一方、ステップS910において、終了指示が行われたと判断した場合(ステップS910:Yes)、位置検知部802は、位置検知装置100の動作を停止させるため、そのまま一連の位置検知処理を終了する。
【0083】
以上説明したように、位置検知装置100では、測位誤差よりも十分に長い距離ごとに移動経路を分割し、分割した移動経路ごとに該当する作業地を検知する。したがって、たとえ測位誤差の影響で、実際には圃場Aにて作業していながらGPSから得られた位置情報では圃場Bを示すような誤った測位結果が得られたとしても、複数の位置情報に基づいて、作業地を決定するため、誤った測位結果の影響を排除した正しい位置検知を実現できる。
【0084】
(位置検知例)
また、図9のフローチャートでは、ステップS907において、作業地候補の中から分割された移動経路に含まれる位置情報の数が最多となる作業地を作業中の作業地に決定しているが、多数派となる作業地を決定する手法として下記に説明する位置検知例1〜5を採用してもよい。
【0085】
<位置検知例1:平均座標の算出>
図10は、平均座標を基準とした位置検知例を示す説明図である。位置検知例1では、分割した移動経路に含まれる位置情報が示す作業地の多数派を求める手法として、位置情報の平均座標から作業地を決定する。図10では、分割された移動経路の一例を示している。そして、平均座標Zは、分割された移動経路に含まれる位置情報が示す位置座標値の平均値を示している。
【0086】
したがって、位置検知例1では、算出された平均座標Zに該当する作業地である圃場Aを作業中の作業地であると決定する。同様に、分割された他の移動経路に関しても平均座標Zを求め、該当する作業地を作業中の作業地であると決定する。なお、位置検知例1では、平均座標Zを求める代わりに、分割された移動経路に含まれる位置情報によって作図された多角形の重心に該当する位置座標から作業地を決定してもよい。
【0087】
<位置検知例2:面積比>
図11は、面積比を基準とした位置検知例を示す説明図である。位置検知例2では、分割された移動経路に含まれる位置情報を利用して作図した多角形の作業地候補ごとの面積比から作業地を決定する。
【0088】
具体的には、位置検知例2では、まず、分割された移動経路に含まれる位置情報を頂点とする凸包な多角形が作図される。その後、地図情報を参照して、作業地候補に特定された作業地の領域を示す位置座標に基づいて、作業地候補ごとに多角形内の面積を求める。作業地候補ごとの面積が求まると、算出された面積の割合、すなわち面積比が求められる。
【0089】
そして、面積比が最大となる作業地候補を作業中の作業地であると決定する。図11に例示した多角形では、圃場Aを示す面積Aが多角形の65%を占め、その他の作業地候補を示す面積Bが多角形の35%を占める。したがって、位置検知例2では、多角形の面積の65%を占める圃場Aにて作業中であると検知される。上述のように、位置検知例2では、面積比を利用して、分割された移動経路に含まれる位置情報に該当する作業地の多数派を検知することができる。
【0090】
<位置検知例3:作業予定による重み付け>
図12は、作業予定による重み付けを利用した位置検知例を示す説明図である。位置検知例3では、位置検知例2の手法を用いて面積比を算出する際に、あらかじめ取得した作業予定に基づいて重み付けを行う。すなわち、作業予定に設定されている時刻ごとに該当する作業地が多数派となるように所定の重み付けがなされる。
【0091】
図13は、作業予定の一例を示すデータテーブルである。作業予定としては、たとえば、図13のデータテーブル1300のような情報が提供される。なお、データテーブル1300は、あらかじめ位置検知装置100の地図情報DB803に格納されていてもよいし、逐次外部から位置検知装置100に提供してもよい。
【0092】
作業予定を参照すると、図12に例示した多角形の頂点となる位置情報の取得時刻では、圃場Aにて作業中であると特定された。そこで、位置検知例3では、圃場Aを示す面積Aの多角形における割合:50%に対して、さらに所定の係数α(たとえば係数1.2)が乗じられる。
【0093】
図12に例示した多角形の場合、単純に面積比のみを比較した場合、面積A,Bの中から多数派となる作業地を決定できなかったが、作業予定に基づいて、面積Aに対して係数αが乗じられ、面積Aが多数派となる。したがって、位置検知例3では、作業予定に設定されている作業地が検知され易くなり、結果として圃場Aにて作業中であると検知される。
【0094】
<位置検知例4:位置検知履歴による重み付け>
図14は、位置検知履歴による重み付けを利用した位置検知例を示す説明図である。位置検知例4では、位置検知例2の手法を用いて面積比を算出する際に、直前に分割された移動経路における位置検知結果に基づいて重み付けを行う。図14のように、移動体110の移動経路は所定の距離ごとに分割されたブロックごとにいずれの作業地によって作業しているのか検知している。
【0095】
通常、連続した移動経路の場合、図14に例示したように、同一の作業地における作業が継続している可能性が高い。そこで、直前に分割された移動経路を表す、直前のブロックの作業地として特定された圃場Aについて重み付けを行う。具体的には、位置検知例4では、圃場Aを示す面積Aの多角形における割合:50%に対して、さらに所定の係数β(たとえば係数1.1)が乗じられる。
【0096】
図14に例示した多角形の場合、直前の位置検知処理によって決定された作業地と同一の圃場Aの面積の割合に係数βが乗じられ、面積Aが多数派となる。したがって、位置検知例4では、位置検知履歴が示す直前の作業地と同一の作業地が検知され易くなり、結果としてGPSの測位誤差の影響を受けず、圃場Aにて作業中であると検知される。
【0097】
<位置検知例5:エリア定義による重み付け>
図15は、エリア定義による重み付けを利用した位置検知例を示す説明図である。位置検知例5では、位置検知例2の手法を用いて面積比を算出する際に、あらかじめ利用者によって地図情報に対して設定されたエリア定義に基づいて重み付けを行う。エリア定義とは、移動体110が走行する可能性の高い領域についての設定情報である。
【0098】
たとえば、図15の場合、事前に移動体110の出入り可能エリアAや出入り不可ラインLが設定されている。したがって、利用者は、出入り可能エリアAと出入り不可ラインLを前提としたエリア定義を地図情報に設定することができる。通常、各圃場に移動体110が出入りする場合、道路に面している辺を出入り口とすることが多い。反対に、隣接する圃場や道路の関係から、ほとんど出入りできない辺も存在する。
【0099】
上述のように、作業地の出入り口について特性に着目して出入り可能なエリアと出入り不可能なエリアとの境界を利用してエリア定義を行ってもよい。そして、位置検知例4では、図15のように、出入り可能エリアAに含まれる作業地として特定された圃場Aについて重み付けを行う。具体的には、位置検知例5では、圃場Aを示す面積Aの多角形における割合:50%に対して、さらに所定の係数γ(たとえば係数3)が乗じられる。
【0100】
図15に例示した多角形の場合、エリア定義によって移動体110が通過する可能性の高い出入り可能エリアAに含まれる圃場Aの面積の割合に係数γが乗じられ、面積Aが多数派となる。したがって、位置検知例5では、移動体110が通過する可能性の高い領域に含まれる作業地が検知され易くなり、結果としてGPSの測位誤差の影響を受けず、圃場Aにて作業中であると検知される。
【0101】
(位置検知結果の出力例)
図16は、位置検知結果の出力例を示すデータテーブルである。位置検知装置100は、分割された移動経路ごとの検知結果102をそのまま出力する他に、利用者が作業状況を把握し易いように編集した形式で出力してもよい。具体的には、誰が、何時、何処で、作業したかを即座に把握できるような位置検知結果を出力することができる。
【0102】
上述したように、位置検知装置100では、作業者もしくは作業者が操作する作業機械を移動体110として位置検知を行った。位置検知装置100には、移動体110からGPSによって測位された位置情報が提供される。通常、位置情報には、どこから提供された位置情報かを識別するための、GPS測位機器ごとに異なる識別情報が含まれている。したがって、位置検知装置100には、あらかじめ、どの作業者に、どのGPS測位機器を携帯させたか、また、どの作業機械にどのGPS測位機器を搭載させたかを設定しておくことによって、移動経路と作業者とを紐付けることができる。
【0103】
したがって、位置検知装置100から出力された検知結果102の情報を編集して、図16のデータテーブル1600のように、作業者(たとえば、作業者:甲、乙、…)ごとに、作業時間と作業地とを紐付けて出力させることができる。位置検知装置100の利用者は、データテーブル1600から即座に、作業者ごとの作業状況を把握することができる。また、出力形式を、特定の作業者に関しての作業時間と作業地とを出力させる、特定の作業地に関しての作業者と作業時間とを出力させるといった任意の構成に変更することもできる。したがって、位置検知装置100の利用者の作業状況の把握を支援するための最適な形式の情報を提供することができる。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態にかかる位置検知プログラム、位置検知装置および位置検知方法によれば、移動経路を測位誤差の幅よりも十分に長い距離に分割した移動経路ごとに、位置情報が示す作業地候補の中の多数派の作業地を決定することができる。したがって、測位誤差の影響を受けて誤って測位された位置情報に該当する作業地は少数派となり、作業地候補から排除されるため、正確に作業地を検知することができる。
【0105】
また、上記技術では、さらに、移動経路の測位時刻ごとの移動速度を算出する機能を備えることもできる。移動速度を算出することによって、移動速度に基づいて、移動経路の中から作業地を走行している間の移動経路を抽出することができる。したがって、抽出された移動経路はいずれかの作業地に該当し、作業地候補として特定されたいずれかに該当するため、効率的に作業地を検知することができる。
【0106】
また、上記技術では、さらに、算出された移動速度に応じて移動経路を分割することもできる。移動速度に応じた数の位置情報を含む移動経路ごとに分割するため、移動速度にかかわらず、移動経路を所定の距離ごとに分割することができる。
【0107】
また、上記技術では、さらに、移動経路の中から移動速度がしきい値以下となる移動経路として抽出されなかった残りの移動経路を、一意的に作業地以外の土地に決定することによって、作業地以外の通路に該当する移動経路を特定するため、効率的に作業地を検知することができる。
【0108】
また、上記技術では、さらに、作業地候補として一つの作業地が特定された場合に、一意的に作業地候補を分割された移動経路に該当する作業地に決定することによって、効率的に位置検知を行うことができる。
【0109】
また、上記技術では、さらに、分割された移動経路に含まれる位置情報の平均値を利用して作業地を検知するため、測位誤差の影響を排除した位置検知を行うことができる。
【0110】
また、上記技術では、さらに、分割された移動経路に含まれる位置情報を頂点として、凸包となる多角形を作図する機能を備えることもできる。作図した多角形における作業地候補の面積比に基づいて、分割された移動経路に含まれる位置情報の多数派を容易に決定することができる。
【0111】
また、上記技術では、さらに、作業地候補ごとの面積の割合を算出する際に、あらかじめ与えられた移動体110の作業予定に基づいて、作業地候補の中から特定の作業地に重み付けを施す機能を備えることができる。具体的には、作業予定を参照して、移動経路に含まれる位置情報の測位時刻に作業中となっている作業地に所定の重みを付けるため、作業中の可能性の高い作業地に面積の割合が大きくなる。したがって、作業予定のない作業地、すなわち、検知される可能性のない作業地が測位誤差の影響を受けて誤って検知されてしまうような事態を防ぎ、正しい作業地が検知されるよう支援することができる。
【0112】
また、上記技術では、さらに、作業地候補ごとの面積の割合を算出する際に、位置検知対象となっている移動経路の直前の移動経路における作業地の決定結果に基づいて、作業地候補の中から特定の作業地に重み付けを施す機能を備えることができる。具体的には、直前の移動経路に該当する作業地として決定された作業地にて作業している可能性が高いとして重み付けを施す。実際に異なる作業地の間には通路が設けられ移動速度が急上昇するため一連の移動経路として抽出される可能性は低く、測位誤差の影響によって作業地候補として特定された可能性が高い。したがって、直前に作業していた作業地以外の作業地の面積比が低くなり、誤って作業地に決定されるような事態を防ぎ、正しい作業地が検知されるよう支援することができる。
【0113】
また、上記技術では、作業地候補ごとの面積の割合を算出する際に、あらかじめ移動体110が通過する可能性の高い領域が設定された情報を取得し、移動体110が通過する可能性の高い領域に該当する作業地に重み付けを施す機能を備えることができる。上述のような重み付けを行うことによって、移動体110が通過する可能性が低い領域に該当する作業地の面積比を縮小させることができる。したがって、測位誤差の影響によって移動体110が通過しないような作業地の位置情報を誤って取得したとしても、誤って得られた作業地が検知されるような事態を防ぎ、正しい作業地が検知されるよう支援することができる。
【0114】
また、上記技術では、さらに、決定された作業地と分割された移動経路とを関連付ける機能を備えることもできる。関連付け機能によって、分割された移動経路は、それぞれ作業した作業地の情報が紐付いた状態で出力されるため、利用者が移動経路ごとの作業地を即座に把握し易い情報として提供することができる。
【0115】
なお、本実施の形態で説明した位置検知方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。本位置検知プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本位置検知プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布してもよい。
【0116】
また、本実施の形態で説明した位置検知装置100は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けIC(以下、単に「ASIC」と称す。)やFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。具体的には、たとえば、上述した位置検知装置100の機能(位置情報入力部801〜位置検知部802)をHDL記述によって機能定義し、そのHDL記述を論理合成してASICやPLDに与えることにより、位置検知装置100を製造することができる。
【0117】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0118】
(付記1)移動体の測位時刻ごとに得られた一連の位置情報により表現される前記移動体の移動経路を測位誤差幅よりも長い移動距離ごとに分割する分割工程と、
作業地群の位置を特定する地図情報の中から、前記分割工程によって分割された移動経路に含まれる位置情報に該当する作業地候補を、前記分割された移動経路ごとに特定する特定工程と、
前記分割された移動経路に含まれている位置情報のうち、前記特定工程によって特定された前記作業地候補ごとに含まれている位置情報の数の多さに基づいて、前記作業地候補の中から前記分割された移動経路に該当する作業地を決定する決定工程と、
前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする位置検知プログラム。
【0119】
(付記2)前記位置情報と測位時刻とを用いて、前記移動体の測位時刻ごとの移動速度を算出する速度算出工程と、
前記移動体の移動経路の中から前記速度算出工程によって算出された移動速度がしきい値以下となる時間帯の移動経路を抽出する抽出工程と、を前記コンピュータに実行させ、
前記分割工程では、前記抽出工程によって抽出された移動経路を前記測位誤差幅よりも長い移動距離ごとに分割することを特徴とする付記1に記載の位置検知プログラム。
【0120】
(付記3)前記分割工程では、前記抽出された移動経路を、前記速度算出工程によって算出された移動速度に応じた数の一連の位置情報を含む移動経路ごとに分割することを特徴とする付記2に記載の位置検知プログラム。
【0121】
(付記4)前記決定工程では、前記抽出工程によって抽出されなかった移動経路を作業地以外の土地に決定することを特徴とする付記2または3に記載の位置検知プログラム。
【0122】
(付記5)前記決定工程では、前記特定工程によって特定された作業地候補が一つの場合、前記特定された作業地候補を前記分割された移動経路に該当する作業地に決定することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の位置検知プログラム。
【0123】
(付記6)前記決定工程では、前記分割された移動経路に含まれている位置情報の平均値に該当する作業地候補を、前記分割された移動経路に該当する作業地に決定することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の位置検知プログラム。
【0124】
(付記7)前記分割された移動経路に含まれている位置情報が示す座標値を頂点とした凸包な多角形を作図する作図工程と、
前記作図工程によって作図された多角形における前記作業地候補ごとの面積の割合を算出する面積算出工程と、を前記コンピュータに実行させ、
前記決定工程では、前記作業地候補の中から前記面積算出工程によって算出された面積の割合に基づいて、前記作業地候補の中から前記分割された移動経路に該当する作業地を決定することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の位置検知プログラム。
【0125】
(付記8)前記移動体の時刻に応じた作業予定を取得する取得工程を前記コンピュータに実行させ、
前記面積算出工程では、前記多角形における前記作業地候補ごとの面積の割合を算出する際に、前記分割された移動経路に含まれる位置情報の測位時刻と前記取得工程によって取得された作業予定の時刻とが一致する作業地に対して所定の重みを付けることを特徴とする付記7に記載の位置検知プログラム。
【0126】
(付記9)前記面積算出工程では、前記多角形における前記作業地候補ごとの面積の割合を算出する際に、前記分割された移動経路の直前の移動経路内の位置情報に該当する作業地と同一の作業地に対して所定の重みを付けることを特徴とする付記7に記載の位置検知プログラム。
【0127】
(付記10)前記取得工程では、前記地図情報が示す領域のうち前記移動体が通過する可能性の高い領域を定義した設定情報を取得し、
前記面積算出工程は、前記多角形における前記作業地候補ごとの面積の割合を算出する際に、前記取得工程によって取得された設定情報によって定義された領域の作業地と同一の作業地に対して所定の重みを付けることを特徴とする付記7に記載の位置検知プログラム。
【0128】
(付記11)前記決定工程による決定結果と前記分割された移動経路とを関連付ける関連付け工程を、前記コンピュータに実行させ、
前記出力工程では、前記関連付け工程によって関連付けられた前記分割された移動経路と前記決定結果とを出力することを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の位置検知プログラム。
【0129】
(付記12)移動体の測位時刻ごとに得られた一連の位置情報により表現される前記移動体の移動経路を測位誤差幅よりも長い移動距離ごとに分割する分割手段と、
作業地群の位置を特定する地図情報の中から、前記分割手段によって分割された移動経路に含まれる位置情報に該当する作業地候補を、前記分割された移動経路ごとに特定する特定手段と、
前記分割された移動経路に含まれている位置情報のうち、前記特定手段によって特定された作業地候補ごとに含まれている位置情報の数の多さに基づいて、前記作業地候補の中から前記分割された移動経路に該当する作業地を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする位置検知装置。
【0130】
(付記13)分割手段と特定手段と決定手段と出力手段とを備えたコンピュータが、
前記分割手段によって、移動体の測位時刻ごとに得られた一連の位置情報により表現される前記移動体の移動経路を測位誤差幅よりも長い移動距離ごとに分割する分割工程と、
前記特定手段によって、作業地群の位置を特定する地図情報の中から、前記分割工程によって分割された移動経路に含まれる位置情報に該当する作業地候補を、前記分割された移動経路ごとに特定する特定工程と、
前記決定手段によって、前記分割された移動経路に含まれている位置情報のうち、前記特定工程によって特定された作業地候補ごとに含まれている位置情報の数の多さに基づいて、前記作業地候補の中から前記分割された移動経路に該当する作業地を決定する決定工程と、
前記出力手段によって、前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
を実行することを特徴とする位置検知方法。
【符号の説明】
【0131】
100 位置検知装置
101 位置情報(GPS情報)
102 検知結果
110 移動体
800 位置情報収集部
801 位置情報入力部
802 位置検知部
803 地図情報DB(データベース)
811 分割部
812 特定部
813 決定部
814 出力部
815 速度算出部
816 抽出部
817 作図部
818 面積算出部
819 取得部
820 関連付け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の測位時刻ごとに得られた一連の位置情報により表現される前記移動体の移動経路を測位誤差幅よりも長い移動距離ごとに分割する分割工程と、
作業地群の位置を特定する地図情報の中から、前記分割工程によって分割された移動経路に含まれる位置情報に該当する作業地候補を、前記分割された移動経路ごとに特定する特定工程と、
前記分割された移動経路に含まれている位置情報のうち、前記特定工程によって特定された前記作業地候補ごとに含まれている位置情報の数の多さに基づいて、前記作業地候補の中から前記分割された移動経路に該当する作業地を決定する決定工程と、
前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする位置検知プログラム。
【請求項2】
前記位置情報と測位時刻とを用いて、前記移動体の測位時刻ごとの移動速度を算出する速度算出工程と、
前記移動体の移動経路の中から前記速度算出工程によって算出された移動速度がしきい値以下となる時間帯の移動経路を抽出する抽出工程と、を前記コンピュータに実行させ、
前記分割工程では、前記抽出された移動経路を、前記速度算出工程によって算出された移動速度に応じた数の一連の位置情報を含む移動経路ごとに分割することを特徴とする請求項1に記載の位置検知プログラム。
【請求項3】
前記決定工程では、前記分割された移動経路に含まれている位置情報の平均値に該当する作業地候補を、前記分割された移動経路に該当する作業地に決定することを特徴とする請求項1または2に記載の位置検知プログラム。
【請求項4】
前記分割された移動経路に含まれている位置情報が示す座標値を頂点とした凸包な多角形を作図する作図工程と、
前記作図工程によって作成された多角形における前記作業地候補ごとの面積の割合を算出する面積算出工程と、を前記コンピュータに実行させ、
前記決定工程では、前記作業地候補の中から前記面積算出工程によって算出された面積の割合に基づいて、前記作業地候補の中から前記分割された移動経路に該当する作業地を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の位置検知プログラム。
【請求項5】
前記移動体の時刻に応じた作業予定を取得する取得工程を前記コンピュータに実行させ、
前記面積算出工程では、前記多角形における前記作業地候補ごとの面積の割合を算出する際に、前記分割された移動経路に含まれる位置情報の測位時刻と前記取得工程によって取得された作業予定の時刻とが一致する作業地に対して所定の重みを付けることを特徴とする請求項4に記載の位置検知プログラム。
【請求項6】
前記面積算出工程では、前記多角形における前記作業地候補ごとの面積の割合を算出する際に、前記分割された移動経路の直前の移動経路内の位置情報に該当する作業地と同一の作業地に対して所定の重みを付けることを特徴とする請求項4に記載の位置検知プログラム。
【請求項7】
移動体の測位時刻ごとに得られた一連の位置情報により表現される前記移動体の移動経路を測位誤差幅よりも長い移動距離ごとに分割する分割手段と、
作業地群の位置を特定する地図情報の中から、前記分割手段によって分割された移動経路に含まれる位置情報に該当する作業地候補を、前記分割された移動経路ごとに特定する特定手段と、
前記分割された移動経路に含まれている位置情報のうち、前記特定手段によって特定された作業地候補ごとに含まれている位置情報の数の多さに基づいて、前記作業地候補の中から前記分割された移動経路に該当する作業地を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする位置検知装置。
【請求項8】
分割手段と特定手段と決定手段と出力手段とを備えたコンピュータが、
前記分割手段によって、移動体の測位時刻ごとに得られた一連の位置情報により表現される前記移動体の移動経路を測位誤差幅よりも長い移動距離ごとに分割する分割工程と、
前記特定手段によって、作業地群の位置を特定する地図情報の中から、前記分割工程によって分割された移動経路に含まれる位置情報に該当する作業地候補を、前記分割された移動経路ごとに特定する特定工程と、
前記決定手段によって、前記分割された移動経路に含まれている位置情報のうち、前記特定工程によって特定された作業地候補ごとに含まれている位置情報の数の多さに基づいて、前記作業地候補の中から前記分割された移動経路に該当する作業地を決定する決定工程と、
前記出力手段によって、前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
を実行することを特徴とする位置検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−203134(P2011−203134A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71066(P2010−71066)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】